【とある】ノウリョクロンパ〜異能の学園と別条の相補性〜

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1 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 18:39:21.19 ID:rJF2PP6y0
とある×ロンパのクロスss

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1581068360
2 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 19:50:26.76 ID:rJF2PP6y0

※これはとあるシリーズのキャラがダンガンロンパ風のコロシアイをする作品です。

※両作品でなんらかのネタバレがある可能性があるため、注意してください。

※キャラ崩壊というか、色々設定が異なってるキャラもいるかもしれません。

※トリックや謎のクオリティは低いはずです。

※暗い展開、鬱展開あり

以上の注意書きを見て大丈夫ならば、↓へゴー!
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 20:00:59.07 ID:o1eAF4+L0
メンバーは他のスレで決まったメンバー?
それならせめてアリサだけ設定追加安価して欲しい
4 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 20:12:53.10 ID:rJF2PP6y0
>>3 違いますね。あれも使いたいですけど、謎考えるのにかなりかかりそう、あっちは
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 20:14:40.31 ID:o1eAF4+L0
どういう風に選ぶか気になる
一気に決める型なのかな?
6 :すでに決めてあるパターン ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/02/07(金) 20:52:53.29 ID:rJF2PP6y0

〜プロローグ〜


 あまりにも長い意識の混濁があった。

 それは永遠にも思えて、いやもしくは本当に永遠だったのかもしれない。

 螺旋を登る足はそこで止まった。

 暗闇の中に、一筋の光が差す。
7 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 21:11:36.30 ID:rJF2PP6y0

「……ここは」

 目を開けると、そこは科学的な空間だった。

 SF世界を彷彿とさせる通路が横に広がっており、これまた近未来的な扉が横目にあった。

 記憶が定まらない。

 頭を押さえながら考えるが、いまいち何も分からない。

 何かが床に落ちていることに気づく。

(これは……)

 学生証と生徒手帳……だ。

 そこには、『垣根帝督』と書かれている。何もおかしいところはない。

 そこで何処からか声が聞こえた。

『ピンポンパンポーン! 生徒の皆様は至急、中央エリアにお集まりください!』

 掠れた音に違和感を覚え辺りを見回すと、スピーカーがあった。

???「あなた…大丈夫?」

 いつの間にか誰かが近くに来ていたらしい。混乱していたためか気付かなかった。

「お前は……」

 振り返ると、そこにはドレス姿の少女がいた。綺麗な顔だちをしていたが、やや派手めの格好が目につく。

ドレスの少女「自己紹介は後にしましょう…? 今はアナウンスに従ったほうが良さそうだからね」

「そうだな…」

 見慣れない機械やシステムに触れながら、目的の部屋へと向かった。
8 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 21:12:19.52 ID:rJF2PP6y0
食事いってきます。どろん
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 21:17:00.19 ID:M7AwuvG60
wktk
10 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 22:11:57.99 ID:rJF2PP6y0

 そこは一面、白と銀の空間だった。

 格調高い白の机が辺りに並らんでいる。白塗りの装飾品の中に、ところどころ優雅さを醸し出す黒色があった。

 広さはかなりある。天井もかなり高い。大聖堂を彷彿とさせるほどだ。

 異質なまでに不釣り合いな空間の中に、唯一、垣根と釣り合いの取れそうなものがあった。

 それは人間だ。

 俺含めて十人以上いる。誰もかれもが、全く違った見た目、雰囲気を醸し出しており、その一体感のなさが逆に面白かった。

ツンツン頭「まだ他に生徒がいたのか…」

白髪「オイオイ、何人いるんだよォ」

年増「いつまで待たせるのよ」

さらしの女「集められたは良いけど、結局何なのかしら?」




「よくぞ聞いてくれました!……今から説明するよ!」

 
11 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 22:24:18.99 ID:rJF2PP6y0

???「ボクは研究長のゲコクマ!」

 どこからか飛び出してきたマスコット?らしきヤツは、壇上部分に飛び降りた。

 白と緑のツートンカラー。

 クマのような半身と、カエルのような半身を持った奇妙な人形だ。

三下「何だこの人形ッ!」

ツンツン頭「こいつは機械なのか…?」

ゲコクマ「やだなぁー! 機械じゃないよ! ゲコクマだよ! 研究長には礼儀を尽くしなさい!」

ゲコクマ「と、言いたいところなんですが……特別に許してあげる!」

ゲコクマ「みんな今の状況について忘れちゃってるから、こうなるのはしょうがないよねぇ」

白髪「忘れてるだァ…? 記憶は朧げだが、オレは長点上機学園から推薦されて入学したはずだが」

短髪「私もそう…!…ていうか、アンタ…その姿、ゲコ太のつもり? もしそうなら怒るわよ…」

ゲコクマ「ひぃぃ!! ゲコ太なんて関係ないよ! ボクはゲコクマだよ!」ガタガタ

「いいから、さっさとさっきの話の続きをしてくれ」

 俺は話が流れるのを見かねて、そう言った。

12 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 22:36:52.51 ID:rJF2PP6y0

ゲコクマ「君たちはね、あるプロジェクトを受けてるんだ。その名も『絶対能力者到達計画』……まぁ、簡単にいうと君たち能力者の能力開発をする計画だね」

アロハグラサン「それが今の状況とどう関係あるんだにゃー?」

ゲコクマ「それはね! この状況が、この場所が『絶対能力者到達計画』の実験場ということだよ!……だから、今、記憶が安定しないのはその実験の弊害なんだ」

エセ関西「どういうことかいまいち分からんけど……ゲコクマさん、詳しく説明してくれへん?」

ゲコクマ「しょうがないなぁー。あのね、君達はあることをこの実験場で行ってもらう上で、ある制限をかけたんだ」

ゲコクマ「それはひとつ『能力の制限』……そしてふたつ『記憶の制限』」

ゲコクマ「正直言うと、記憶のほうは副次的なものでね……君達も知っての通り、超能力って演算が必要不可欠なんですよ。だから能力の制限と記憶の制限って同義なんだ。まぁ、君達の中には『原石』もいたから、そういった例外だけはこちらから手を出したけどね」

白髪「つまり、オマエの言ってることはこうか? @オレたちは能力開発を受けた Aその能力開発の実験には能力を制限する必要があった。記憶の混乱は能力の制限によって付随して起きたもの Bここではあることをやってもらう……」

三下「要約助かる」

ゲコクマ「さすがだよ! やっぱり君は優秀な能力者だね!」
13 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 22:40:55.15 ID:rJF2PP6y0

おでこ「それで、あることって何?」

ゲコクマ「よくぞ聞いてくれました!」

 そこでゲコクマはニヤりと──どういう原理で表情を作っているのか分からないが──笑いながら、声を溜めて言った。





ゲコクマ「君達にはコロシアイをしてもらいます!」

 俺はおそらく目を見開いていたと思う。
14 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 23:02:46.12 ID:rJF2PP6y0

 それからゲコクマは色々なことを語った。もしコロシが行われた場合、人を殺した人間は“クロ”と呼ばれ、その“クロ”を裁判で、ヒトゴロシをしていない“シロ”が見つけなければならない、と。

 クロとなりシロから逃げることができればクロの能力開発は終了し、一人で外の世界に出ることができる。逆にシロが誤った人間を殺したら、シロ全員がオシオキという名の処刑を受ける、と。

 その他にも、色々なことをペラペラ喋っていたが、全く頭に入らなかった。なぜかというとゲコクマの言っていることが嘘には思えず、取り乱してしまったからだ。

 皆が唖然としている中、ゲコクマは能天気に笑った。

ゲコクマ「とまぁー、説明はこの辺で! 詳しくはお手元の生徒手帳を見てちょうだい! さよならクマー!」

 そう言って、何処かに消えた。

 残ったのは、疑ってかかるヤツと長年の感から、これが真実だと理解してるヤツの二分だった。

 そこで一人が口を開く。

おでこ「取り敢えず、あのクマの言ってることはおいといて……自己紹介しましょう? 交友を深めておくほうがコロシアイは起き辛いと思うわ」

 最もな意見だった。ここにいる人間は誰もが初対面のようだった。コロシアイが頭を過るが、それは隅において一回話すべきだ。

 その女に従いように、話しやすいように全員があたりに散った。
15 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 23:36:27.34 ID:rJF2PP6y0

校則

1.生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。

2.夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。

3.就寝は各エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。

4.生徒達は全員、超能力を持っています。様々な制限がされています。また学級裁判中と研究長が禁止にした時間は発動できません。使い方は各自におまかせします。

5.研究長ことゲコクマへの暴力を禁じます。

6.死体が発見された場合、一定時間後に、学級裁判が開かれます。

7.学級裁判で正しいクロを指摘できればクロだけが処刑となりますが、
指摘できなかった場合は、クロ以外の全員が処刑されます。

8.生き残ったクロは、島から脱出する権利を与えられます。

9. 3人以上の人間が死体を最初に発見すると、“死体発見アナウンス”が流れます。

10.監視カメラやモニターなどを許可なく破壊することを禁じます。

11.この建物について調べることは自由です。特に制限は課せられません。

12.裁判に関する詳しいルールは、適宜説明します。

13.コロシアイ能力開発実験で同一のクロが殺せるのは、2人までとします。

14.全生徒の中に、一人クロマクがいます。クロマクの目的は一つ、自分以外の生きている生徒を減らすことです。クロマクは特殊な権利を持っています。

15.能力開発実験でのルールは順次増えていきます。
16 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 23:39:17.47 ID:rJF2PP6y0

 俺はさっと手帳を見た。目につくものがいくつかあったが、今は他のやつらと話そう。

 とりあえず、近くにいるやつから声をかけてみるか。
17 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 23:46:02.83 ID:rJF2PP6y0

ドレスの少女「近くにいたし、これも何かの縁ね……私は心理定規」

「お前、それ本名か?」

心理定規「まさか……能力名よ」

「へぇ、どういう能力なんだ…?」

心理定規「“私の能力は他の人の能力がどんなものか見ることができる能力よ”」

「能力を見る能力……?」

心理定規「そう……だから私がいる以上、皆は自分の能力を隠すことができないわ」
18 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/07(金) 23:53:12.02 ID:rJF2PP6y0

超高校級の精神能力者 心理定規


(なんか変なテロップと画面出た……)

 しかし、能力を見る能力か。

 俺は記憶が混濁していて、自分の能力が分からないが、こいつなら分かるのか?

「なぁ、俺、記憶がぐちゃぐちゃで自分の能力が分からないんだが、見れたりするか?」

心理定規「お安いご用よ…」

「……」

心理定規「……見れないわ。そういうタイプもいるのね」

「困ったな……」

心理定規「まぁ、気長に待ちましょう」

「気長に待ってたら、殺されちまうよ」

心理定規「それもそうね……」

 ドレスの女は、何が面白いのか微笑んでいた。
19 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:00:22.19 ID:PQCmFI3R0

「なぁ、心理定規。……どうせなら他のやつの能力も見たい。だから、ついて来い」

心理定規「あら、強引ね」

 次は横にいた、この変なやつに話しかけてみるか。

「なぁ」 

ゴーグル「はいっす」

「俺は垣根帝督。お前の名は?」

ゴーグル「誉望万化っす。難しい漢字なんで何て呼ばれても気にしねぇっす」

「確かに珍しい漢字だな。……なぁ、誉望、お前は何の能力者なんだ?」

ゴーグル「俺は念動力者っすねー」
20 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:05:59.04 ID:PQCmFI3R0

超高校級の念動力者 誉望万化


(またか……)

「念動力者かすげぇな…」

誉望「まぁ、今は…そんなに色々出来ないみたいっすけどね……垣根さんは?」

「俺は覚えてねぇ……これ嘘じゃなくて、まじでな」

誉望「なるほど。俺もそういって隠しておけば良かったっす」

「それなら無駄みたいだぜ。コイツは能力の詳細を見ることのできる能力者らしい」

心理定規「コイツはやめてちょうだい」

誉望「へぇ、それなら嘘つかないで良かったっす。変に嘘ついて疑われた日には最悪っすからね」

「確かにな」

21 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:10:04.79 ID:PQCmFI3R0
はじめてコロシアイスレを書いたなう。

ちなみに>>1のスレは緩いので、予想とか色々書いてもらって全然大丈夫です。

というか、そっちのほうが面白いだろうしね。

22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 00:19:30.41 ID:UXtASOnd0
参加メンバーは垣根、心理定規、誉望、上条、一方通行、麦野、結標、吹寄、土御門、青ピ、浜面かな?今のところは
23 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:19:55.60 ID:PQCmFI3R0

「あのゴーグルの能力の詳細は?」

心理定規「“一日に二回まで透明になれる。"、ね」

「透明…? 念動力で、そんな応用が出来るのか?」

心理定規「彼は嘘はついていないから、そういうことになるわね」

「ふーん……何やってるんだ?」

 心理定規は紙をペラペラめくっていた。

心理定規「能力をまとめてリスト化しようと思っててね。多分だけど、こういうのは共有したほうが良いんじゃない? 私とあなただけが知ってるのも、変でしょう?」

「確かに……」

心理定規「私が書いている間、あなたは他の人にどんどん話しかけてきて。後ろから、ちゃんと能力見ておくから」

「分かった」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 00:20:33.85 ID:UXtASOnd0
あっ、美琴忘れてた。今のところは12名か
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 00:21:20.48 ID:TDvjTelU0
垣根の能力は3割当たる占い師
26 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:30:49.21 ID:PQCmFI3R0

「あ…?」

白髪「は…?」

 なんだこの顔面凶器。子どもが見たら泣くレベルの顔してやがる。

「お前名前は…?」

白髪「オイオイ、よく今の睨みから自己紹介に入れると思ったな」

「お前の顔面が凶器だったから、ちと身構えちっただけだ許せ」

白髪「煽るか謝罪するか、どっちかにしろなァ?」 

「いいから名乗ってくれよ、俺は垣根」

白髪「チッ……一方通行だ」

「一方通行?…能力名か……お前は何の能力者なんだ?」

白髪「あァ?…オレは解析能力者だ」
27 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:38:05.26 ID:PQCmFI3R0

超高校級の解析能力者 一方通行


(もう慣れた…)

「解析能力者?」

一方通行「そうだ。構造の把握から、詳細まで分析することができる……はずだ。…テメェは?」

「俺は記憶がなくて分からん」

一方通行「そんな嘘が通用すると思ってンのかァ?」

「嘘じゃねぇよ」

一方通行「証明してみろ」

「神の存在を疑うのか?」

一方通行「うぜぇ……決めたわ、最初にお前コロスわ」

「好戦的なやつだな…」

一方通行「元からテメェらと慣れ合うつもりなんざねェっての。今は、ただ最低限の情報を手に入れるために腰を下げてるだけだ……その気になりゃ、いつだってやれるぜ」

(ヒョロい癖によく言うぜ)
28 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 00:51:31.24 ID:PQCmFI3R0

「どうよ、あの白髪は?」

心理定規「彼の能力は“あらゆる仕掛けを解析し、解くことができる”…だそうよ」

「言っていた通りだが、漠然としてるな」

心理定規「そうね」

「まぁ、いい……次、言ってくるわ」
29 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:11:11.87 ID:PQCmFI3R0

アロハグラサン「……にゃー」

「何だお前…」

 何がにゃー、にゃー言ってるのかと思ったら、目の前のグラサン男が言っていて、びっくりした。

アロハグラサン「俺は土御門元春だぜぇ。よろしく頼むんだにゃー」

「垣根帝督だ」

アロハグラサン「珍しい名前だにゃー」

「よく言われる…」

 なぜ語尾ににゃー、をつけるのか物凄く気になったが、聞いてはいけない気がした。

「お前は何の能力者なんだ…?」

 代わりに、それを聞くことにした。

アロハグラサン「俺は再生能力者なんだぜー」
30 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:15:59.92 ID:PQCmFI3R0

超高校級の再生能力者 土御門元春


「再生能力者…?」

土御門「ご存知の通り、回復能力なんだぜー……垣根は何なんだにゃー?」

「俺は分からん……」 

土御門「あ、そういうのは良くないぜぇ?」

「本当なんだよ…」

土御門「怪しいにゃー……もしかして垣根がクロマクとか言うやつなんじゃないのか?」

「んなわけあるか…」

土御門「ははっ、冗談だぜー」
31 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:26:43.29 ID:PQCmFI3R0

心理定規「どうだった?」 

「どうも何もねぇが……しいて、いうならニャーニャー言ってるのに引いたくらいだ」

心理定規「にゃーにゃー…?」

「もうちょい可愛く」

心理定規「……にゃあにゃあ」

「不合格」

 直後、心理定規の蹴りが飛んできた。変なとこに打撃が入った気がする。痛みで腹を俺は抱えた。

「なっ…何すん…だよ」

心理定規「不合格って何よ。誰がどう見たって可愛かったでしょうが」

「怒るなって……ああ、そういやアロハの能力の詳細は?」

 心理定規が不機嫌そうだったので、話を先程のグラサンに戻した。

心理定規「はぁ……彼の能力は“オシオキ以外で殺されたら一度だけ生き返ることができる”というものよ」

「生き返る…だと? 再生能力とかいうレベルじゃねぇじゃねぇか」

 あのグラサンに、そんな秘められた力がアルとは思わなかった。せいぜいアロハシャツを量産する超能力とか、グラサンが本体になる超能力かと思っていただけに意外だった。

心理定規「練度が高いと、そういうケースにも鳴るのでしょう」
32 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:31:32.87 ID:PQCmFI3R0
誤字が酷い…
33 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:41:03.82 ID:PQCmFI3R0

 次、行くか。

「お前の名前は…?」

さらし女「結標淡希よ。よろしくね」

 口調は普通だが、見た目が露出魔の格好だった。

 上半身はさらし一枚に、上から学生服を腕を通さずに羽織っているだけ。

 こいつ、ビッチか?

「俺は垣根帝督。……お前の能力は?」

さらし女「私は空間移動能力者よ」
34 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:45:17.44 ID:PQCmFI3R0

超高校級の空間移動能力者 結標淡希


(空間移動能力者……テレポーターか)

結標「って言っても、現状全然便利じゃないのよね。本当なら、もっと便利なんだろうけど」

「へぇ……俺はお前よりも酷いぜ? 自分の能力が分からないんだ」

結標「それが本当だとするならば、滅茶苦茶不利なんじゃ…」

「かもな」

結標「健闘を祈るわ」

「おう」

35 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:51:20.61 ID:PQCmFI3R0

(……これで五人と喋ったのか)

(全員、変なやつだったな…)

「さらし女のはどうだった?」

心理定規「彼女の能力は“自分以外のテレポートができる。二人まで飛ばせる”…ね。制限とか他にあるみたいだけど、これより詳細のものは後で見せるわ」

「分かった……」 

36 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 01:51:55.92 ID:PQCmFI3R0
とりあえず、ここまで。

お疲れ様でしたー
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/08(土) 02:06:55.53 ID:1vXJaftu0

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 07:50:12.77 ID:TDvjTelU0
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 08:03:45.76 ID:UXtASOnd0

原作通りに16人で男女半々なら残りの男子1人と女子3人が気になる
40 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 09:34:23.20 ID:PQCmFI3R0

うさんくさい男「おはようございます……今日は良い天気ですね」

「良い天気って…外の様子なんか見えねぇぞ?」

うさんくさい男「おっと、そうでした。ついつい、セールストークで言ってしまいますね……これは失礼しました。…自分は海原光貴といいます、あなたのお名前は?」

「垣根帝督だ」

うさんくさい男「垣根さんですか……これからよろしくお願いしますね。自分みたいな小心者には、こんな実験向いてないので内心震えてますよ」

「うさんくせぇな……」

うさんくさい男「なぜか、よく言われますね」

「だろうな……そういや聞いてなかったが、お前の能力はなんだ?」

うさんくさい男「自分は変身者です」
41 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 09:41:13.04 ID:PQCmFI3R0

超高校級の変身者 海原光貴


「変身……?」

海原「そうです。…他の人に化けることができる……ということですね」

「便利なのか、それ?」

海原「悪用しかできませんよ…正直なところ」

「だよな……」

海原「垣根さんの能力はどんなものなんですか?」

「記憶がねぇ……理由は分からん」

海原「それは……困りましたね」

「信じるのか?」

海原「もちろん。自分みたいな人間にできることと言えば、周りの皆さんを信頼することくらいなので」

(良いこと言ってるんだが胡散臭い…)

「まぁ、話が早くて助かるが…」

海原「お互い生き残れるよう頑張りましょうね」
42 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 09:46:21.72 ID:PQCmFI3R0

「六人と会話が終わった」

心理定規「まだ半分も終わってないじゃない……私はメモりながらも話してるわよ」

「器用なやつだな……あの胡散臭いやつの能力は?」

心理定規「それで思ったんだけど……毎回毎回こっちくるのも、面倒臭いでしょ? 三人ごとに教えてあげるわ」

「おう。じゃ、あと二人と会話してくるわ」
43 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 09:56:17.35 ID:PQCmFI3R0

年増「…疲れるわね」

「年か…?」

年増「あ? テメェ今なんて言った?」ギロッ

 適当にからかったつもりだったが、一方よりも恐ろしい顔つきで睨んできたため、一瞬たじろいだ。

「いや、何でもない…」

年増「そう……ていうかあんたは?」

「俺は垣根帝督」

年増「垣根…ね。私は麦野沈利よ。まぁ、適度によろしく頼むわ」

「おうよ」

年増「あんたの能力って何よ? ホストっぽい格好してるからか、全く予想できないんだけど」

「わからん」

年増「はぁ? わからんって何よ。記憶がないってこと?」

「みたいだ」

年増「嘘はついてなさそうではあるけど……信じがたいわね」

「その内、信じることになるさ……お前は?」

年増「なんか私だけ言うの嫌だにゃーん」

(うわ……こいつも猫かよ。…年考えろババア)

年増「コロス」

「え」

年増「なんでもないわ。…まぁ、私の能力は電子使いってところよ」

44 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 10:01:04.80 ID:PQCmFI3R0

超高校級の電子使い


「電子使いか…」

麦野「って言っても、ほぼ使い物にならないレベルだけどね」

「へぇ。まぁ、あるだけマシなんじゃねぇの?」

麦野「言えてるわね……まぁ、元気出しなさいよ」

「落ち込んでねぇわ」

麦野「あら…そのなりで豆腐メンタルだったら面白かったのにね」

「想像したくもねぇな…」
45 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 10:06:57.13 ID:PQCmFI3R0
超高校級の電子使い 麦野沈利
46 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 10:23:40.67 ID:PQCmFI3R0

ショートのガキ「おはようございます。 超はじめましてですね」

「おうよ……俺は垣根帝督だ」

ショートのガキ「垣根ですか、超よろしくお願いします。私は絹旗最愛です」

「絹旗ね……」

(この中にいるやつで1番小せぇが……一方が言ってた長点上機だっけか? そこは歳とか関係なく受け入れる学校だったってわけか)

(どうも他の奴らと齟齬があるな…)

ショートのガキ「垣根は超ホストみたいですね。もしかして超超高校級の超ホストなんですか?」

「能力じゃねぇじゃねぇか……俺はあいにく自分の能力がわからねぇんだ」

ショートのガキ「そんなことあるんですか?」

「俺に言われてもな…」

ショートのガキ「ま、とりあえず話半分に聞いておきますよ。何度も何度も、それについて説明するのも面倒でしょうし」

「助かる…」

 案外、物分りの良いやつだな。

「俺が言わないで言うのもなんだが、お前の能力は何だ…?」

ショートのガキ「私の能力は窒素ですね」

47 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 10:28:04.66 ID:PQCmFI3R0

超超高校級の超窒素使い


(なんか超が多い…)

「窒素?」

絹旗「窒素を操る超窒素使いなんですよ」

「超窒素使い…?」

絹旗「超超窒素使いってことですね」

 ダメだ。

 話がこんがらがってきた。会話が成り立っていない。

 しかし、窒素使いって何が出来るんだ?

「まぁ、よろしく頼むわ」

絹旗「はい。よろしくお願いしますね」
48 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 11:10:39.92 ID:PQCmFI3R0

「どうよ?」

心理定規「バッチリよ……まず海原光貴の能力は“直前の死者の見た目、体格、声に変化することができる。三回のみ”…ね」

心理定規「次に、麦野沈利の能力は“扉を電子の阻害により開かなくすることができる。両側から開かなくなる”」

心理定規「絹旗最愛は“薄い窒素を常時纏う。また付随して重いものを持てるようになる”」

心理定規「……以上よ」

「……」

 ぱっと聞いただけなら、海原のヤツの能力が一番厄介だが……麦野の扉ってのは何だ?

 絹旗に関しては、窒素を纏っているらしいがどれくらいの強度なんだ?

 場合によっちゃ、良い防御になるのかもしれない。

心理定規「まぁ、さっきも言った通り、触れてない部分あるから、まとめ終わったら皆に配布するわね」

「ああ…」
49 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 11:37:44.87 ID:PQCmFI3R0
休憩
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 12:02:06.25 ID:TTky2TiKO
メンバーは上条、美琴、垣根、心理定規、誉望、一方通行、結標、海原、土御門、浜面、麦野、絹旗、吹寄、青ピは確定

残り二人は滝壺とフレンダ?
主人公&ヒロイン+グループ+アイテム+スクール+上条のクラスメイトで構成しているみたいだし……
らっこや姫神辺りもあり得るが……
51 :16人じゃないパターン ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 12:43:01.32 ID:PQCmFI3R0

隠れ巨乳「……」ジー

「なんだよ…」

 視線を感じたと思ったら、そこにはぼーっとしている女がいた。

 これは俺を見てるのか? いやどこ見てるんだ?

隠れ巨乳「ホストっぽい…」

「……は?」

 一言目に、口開いて出てきたのがそれかよ。

隠れ巨乳「私は滝壺理后……あなたは?」

「垣根帝督……」

隠れ巨乳「垣根、よろしく…」

「おう…」

隠れ巨乳「……」ジー

「何をそんなに見てるんだ…」

隠れ巨乳「特に何も見てるわけじゃない…」

「そうか……話は変わるが、お前の能力教えてもらえないか?」

隠れ巨乳「能力。…分かった。私は……追跡者」
52 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 12:47:16.32 ID:PQCmFI3R0

超高校級の追跡者 滝壺理后


 追跡者…? これまた奇妙なものが出てきたな……。

「追跡って、誰かを追いかけまわすときの追跡か?」

滝壺「うん。私は…それ以外の追跡知らない…」

「俺もそうだが……いまいちパッとしなかったから聞いた」

滝壺「……」ジー

 また黙りこみやがった。

 こいつは俺に能力のこと何も聞いてこない。……新しいタイプだな。

「他のやつと話してくるわ。……また後でな」

滝壺「ばいばい」
53 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 12:57:23.03 ID:PQCmFI3R0

 俺が滝壺と会話を終えると、何かが上から降ってきた音がした。

???「いてっ!」

 音のした方を見ると、ウニ頭が顔を痛みで歪ませていた。

 ……足元には、電球の破片らしきものが落ちている。

「……お前、ツイてないな」

ツンツン頭「はぁ……いつものことだから、特に驚きもないというか……上条さんは不幸なんですよ……お前は?」

「垣根帝督……しかし、何だ? お前の能力は不幸か何かかよ」

ツンツン頭「まぁ、間違いではないけど……正確には、俺は外れ者だ…」
54 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 13:04:36.21 ID:PQCmFI3R0

超高校級の外れ者 上条当麻


 外れ者? いよいよ何か分からないのが出てきやがった。

「なんだそりゃ…」

上条「俺の右手にはある力があってさ……能力を打ち消す能力みたいな。不幸なのは、その副産物なんだ」

「へぇ…ぺらぺら喋るじゃねぇか……」

上条「まぁ、コロシアイなんかする気ないし……隠す意味もないだろ」

「お前みたいなのが他にいればいいな」

上条「そうだな……。ここいる皆に、俺は絶対にコロシアイなんて馬鹿げたことはして欲しくない」

 熱いやつだな。

 お人好しってやつなのか?

「また後で話そうぜ」

上条「ああ、楽しみに待ってる…」
55 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 13:17:54.65 ID:PQCmFI3R0

エセ関西「……いやぁ、レベル高いんとちゃいますかぁ」

 横にいた青髪がジロジロ周囲を見ながら。 

──というより女子を見てか、ボソリとつぶやいた。

「何してんだよ」

エセ関西「何って索敵してるんですよ」

「索敵…?」

エセ関西「だって、見てください。皆めちゃくちゃ可愛ないですかあ? ほんまこれは滾るで!」

「中学男子かよ…」

エセ関西「おっと、一緒にしてもらっちゃ困るでー。なんたって僕は男の子もいけるんやから……君とか全然イケるで」

「初対面から気持ち悪いことを言うな、お前」

エセ関西「はは、さすがに冗談やでー。……50%くらい」

 50%は余計だ。

 身の毛がよだつのを押さえながら、青髪に尋ねた。

「お前名前は?」

エセ関西「僕は青髪ピアスやで……君は?」

「垣根帝督。……青髪ピアスって本名かよ」

エセ関西「さぁなー。僕はそんな自分の名前とかどうでもいいからなあ」

「変わったやつもいたもんだ……お前、能力は?」

エセ関西「お?…聞いちゃうんやな兄さん。ええで、特別に教えてあげたるで」

「他のやつには言ってないのか?」

エセ関西「言ってるで」

 特別とはなんだ?

エセ関西「僕の能力は模倣やでー」
56 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 13:25:06.79 ID:PQCmFI3R0

超高校級の模倣者 青髪ピアス


 模倣者? 名前から察するに何かを模倣するものなんだろうが。

「模倣者か……何を模倣するんだ?」

青髪「まぁ、それは後でのお楽しみってことで……君の能力はなんなん?」

「俺は自分の能力が分からない……記憶が微妙でな」

青髪「へぇ……だとしたら夢広がりじゃないですかー。透視とか手に入れられるかもしれへんよ?」

「いらねぇよ」

青髪「とか言っちゃって、あったら悪用するんじゃないん?」

「ちょっと黙れ」

青髪「お、怖いなぁー……僕、怖いの苦手だからやめて欲しいなぁ」

「はぁ……」

 こいつと話すとペースが崩される気がする。

 切り上げて、他のやつらと話そう。
57 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 13:36:30.92 ID:PQCmFI3R0

心理定規「もう少しで全員と話し終わるわね」

「ああ…」

心理定規「……滝壺理后の能力は“指定の人物が何処にいるかわかる”」

心理定規「上条当麻の能力は……分からないわね」

心理定規「…青髪ピアスの能力は“直前の死人の能力を模倣する”…よ」

心理定規「…以上よ」

 分からないってどうゆうことだ?

 あいつは能力を打ち消すとか言っていたが……その右手のせいで心理定規の能力が効いていないのか?

「分からないってのは…」

心理定規「あなたとは少し違う感覚ね……あなたの場合は見えないって感じだけど、上条くんの方は効果がないような感じ」

「なるほどな…」
58 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 14:01:53.17 ID:PQCmFI3R0


おでこ「何だ、その服装は……」

「あ?」

 誰かに話しかけられたと思ったら、皆を動かした気の強そうな女だった。

おでこ「あ?、じゃない。風紀を間違いなく乱しているでしょう。その服は…」

「オイオイ、俺なんかよりよっぽどヤバい露出魔がいるだろうが…」

おでこ「結標さんは厚着すると死ぬ病気にかかっているらしいから、免除したわ」

 は?

 そんな病気あるわけないだろうが。

 こいつ真面目に見えてアホなんじゃ。

「そういや名前聞いてなかったな…」

おでこ「名前よりも先に服装を正せ」

「分かった……直しとくから、後で」

おでこ「言質とったわよ?……私の名前は吹寄制理」

「吹寄な。……俺は垣根だ、よろしくな」

おでこ「ええ、よろしくね」

「早速聞くが……お前の能力は何だ?」

おでこ「いきなりね……まぁ、いいわ。…私は命令者よ」
59 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 14:08:37.12 ID:PQCmFI3R0

超高校級の命令者 吹寄制理


 ……命令者?

 この女らしい響きだが、字面だけ聞くと厄介そうだな。

「命令者ねぇ……ちなみに俺はなんもない、というか覚えてない」

吹寄「へぇ、そういうこともあるのね」

「お陰で殺されるとしたら、俺が一番先に狙われそうな気がするぜ」

吹寄「安心してちょうだい。私がいるからには風紀を乱す、コロシアイなんてさせないわ!」

 コイツも上条と同じタイプなのか?

「頼もしい限りだぜ。…期待してるわ」

吹寄「任せなさい」
60 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 14:27:39.40 ID:PQCmFI3R0

 話すのも大分疲れたな。

 あと少しの辛抱か。

「なぁ…」

 吹寄の隣にいた短髪の女に声をかける。

短髪「何?」

「まだ話してなかったよな?」

短髪「そうね……私は御坂美琴よ。よろしくね」

「御坂か。…俺は垣根帝督だ。…まぁ、よろしく頼む」

短髪「垣根さんはまともそうね。他とは違って…」

「それはこっちの台詞でもある。…他の奴らは変態、露出狂、不審者グラサンとヤバいやつのオンパレードだったからな」

短髪「それは怖いわね……」

「俺の後ろは魑魅魍魎だ……で、本題だが…お前はどんな能力者なんだ?」

短髪「魑魅魍魎って……私は電気使いよ」
61 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 14:55:13.17 ID:PQCmFI3R0

超高校級の電気使い 御坂美琴


 電気使い。

 ここにきて、わりとポピュラーなのが出てきたな。

「へぇ、便利そうじゃないか…」

御坂「って思うでしょ? 実際は全然使い物にならないわ。外の世界なら万能だったのかもしれないけどね」

「ふーん……ちなみに俺は無能力者だ」

御坂「無能力者? どういうこと?」

「何の能力だったか分からん。……何かしか持ってた気はするんだがな。まぁ、だから無能力者みたいなものだ」

御坂「それは災難ね…」

「まぁ、またそれについては話そう…」

御坂「ええ」
62 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 15:11:45.83 ID:PQCmFI3R0

???「そこのあなたぁ…」

「……俺か?」

 声がしたほうには金髪の目がしいたけの女がいた。

しいたけ目「そうよぉ…話しましょう?」

「そうだな…」

 見れば見るほど目がしいたけに見えてくる。これは本当にしいたけなんじゃないか?

しいたけ目「?……人の顔じろじろ見てどうしたのかしらぁ」

「い、いや何でもない」

 危ないな。くそくだらないことで怪しまれたら最悪だ。しいたけから目を逸らす。

「俺は垣根帝督だ」

しいたけ目「私は食蜂操祈よぉ……よろしくだぞ☆」

「お、おう」

 ウインクしてきやがった。何だコイツは……

 ギャルってわけではなさそうだし、また変なやつと話しちまったのか。

「そういやお前能力は……?」

 相手するのが面倒だったので、話を変えた。というより、こちらが本題だが。

しいたけ目「私は精神能力者よぉ」
63 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 15:12:24.70 ID:PQCmFI3R0
自己紹介で時間がかかるの巻。どろん
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 15:13:18.56 ID:cZ+8fhmQ0
食蜂いんのかよ
65 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 16:52:10.82 ID:PQCmFI3R0

超高校級の精神能力者 食蜂操祈


 精神能力者…?

 確か心理定規も精神能力者だったよな?

 同じ能力系統もいるのか。

「精神能力って……心理定規と同じ能力じゃねぇか」

食蜂「心理定規さんとは、さっき話したけど……彼女と私は違ったわぁ。能力名だけ同じってところね」

「なるほどな。そういうパターンもあるのな、勉強になったわ」

食蜂「あとあなたの能力が分からないというのも心理定規さんから聞いたから説明不要よぉ」

「話が早くて助かるぜ」

食蜂「いえいえ……せっかくだから仲良くしましょうねぇ」

 食蜂はしいたけを光らせながら言った。

「そうだな…」

 ……今日はしいたけ食べたい。

66 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 16:52:41.43 ID:PQCmFI3R0

心理定規「あと三人みたいね…」

「…らしいな。ってことはここにいる奴等は十八人ってことか」

心理定規「これだけいるなら誰かしかが殺人を犯してもおかしくはないわ」

「かもな……で、どうよ?」

心理定規「えーと……吹寄制理の能力は“指定の人物に命令することができる。この命令は具体的でなければならない”」

心理定規「御坂美琴の能力は“電気を供給できる。他の用途に使用可能”」

心理定規「食蜂操祈の能力は“指定のキャラがクロマクかそうでないか分かる能力”ね」

 吹寄のも強力そうな力だが、食蜂……コイツの能力は……。

 まぁ、いい。

 先に話してないやつを片付けて、この時間を終えよう。

「よし、最後行ってくる…」

67 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 16:55:48.68 ID:PQCmFI3R0

脳筋「そこの男!…筋肉が足りんぞ!!」

「今度は何だよ…」

 突如現れた男が、よく分からないことを言ってきた。

 筋肉が足りない?

──パワー系かよ。

脳筋「そんな軟弱じゃ、いつ殺されてもおかしくない! だからこそ、俺と訓練だ!」

「待て待て……まだ俺はお前について何も知らねぇ。筋肉つけろってなら、名前と能力教えろ。……ちなみに俺は垣根だ。」

脳筋「そういえば言ってなかったな、垣根!! 俺は削板軍覇!! 超筋肉級の超筋肉だ!」
68 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 16:56:45.78 ID:PQCmFI3R0

超高校級の筋肉 削板軍覇


 超筋肉級の超筋肉…?

 絹旗よりも何言ってるか分からないぞ、この男。

「超筋肉って何だよ?」

削板「筋肉だ!」

「……」

 会話不成立。

 こいつと話すのは無理な気がする。いや間違いなく無理だ。

 かなりの脳筋野郎じゃないか。

削板「垣根!…筋肉を鍛えるぞ!」

「……あ、後でな」
69 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:20:05.58 ID:PQCmFI3R0

カチューシャ「……一通り話し終わったかい?」

「誰だお前は…」

 削板の陰からカチューシャの目立つ黒髪の女が現われた。

カチューシャ「私は雲川芹亜。…君は垣根帝督」

「!……なぜ知ってる?」

 こいつまさか読心能力者か?

カチューシャ「残念だけど、心を読まれたと思っているなら、その予想は間違っているけど。私は心理定規から聞いただけ…」

 だとしても、こっちの考えをナチュラルに推測するだけの力がコイツにはある……。

 用心したほうが良いのかもしれない。

「一々聞いてるのかよ…」

カチューシャ「いや、それは会話してる時に小耳に挟んだだけだよ」

「そうか…」

カチューシャ「そういえば君の能力は何だい…?」

「俺は分からねぇ……能力についての記憶がないんだ。…いや他もぐちゃぐちゃではあるんだけどな」

カチューシャ「!!……それは奇遇ね」

「…奇遇?」

カチューシャ「実は、私も自分についての能力が分からなかったところだよ……私以外にも、そんな人間がいるとは思わなかった」

70 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:21:08.77 ID:PQCmFI3R0

超高校級の??? 雲川芹亜


 能力不明のやつが、自分以外にいるとはな。

「お前も記憶が定まらないのか…?」

雲川「おそらくだけど……たぶん君と似た感覚だと思うわ」

「そうか……お互い不幸だな」

雲川「いや、そんなことはないわ……。案外、能力を持っている方が悲惨な結果になるかもしれない……と私は思うけど」

「……て、言うのは?」

雲川「それについては後で話しましょう……今はゆっくり休みたいから」

「そうだな…」

 コイツは何か只者ならない雰囲気を醸し出している気がする。
71 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:21:44.54 ID:PQCmFI3R0

「これで全員か……?」

三下「おっと、俺を忘れてるぞ!」

「お前は……」

三下「俺の名は浜面仕上、よろしくな!」

「浜面三下?」

三下「そうそう俺は浜面三下で……って、おい! 全然違うだろ!」

「超高校級のノリツッコミか……」

三下「いや、違うからな? 能力じゃねぇだろ、それ」

「『原石』ならありうる」

三下「そんなレアものはゴメンだ……お前、名前は?」

「垣根帝督だ……」

三下「垣根か。俺は浜面仕上、よろしくな!」

「何回言うんだよ」

三下「いや、忘れそうだから……ちょっと強調しとこうかな、と」

「ふーん……能力は?」

三下「俺は機械操作能力者だ…」

72 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:26:21.15 ID:PQCmFI3R0

超高校級の機械操作能力者


 機械操作か。

 確かにそっち系に強そうな顔してる。

「楽しそうな能力だな…」

三下「ここでは全く使い物にならないけどな……まぁ、元から知識はあるから、あんまり関係ないけど」

「へぇ、じゃあこの実験場はお前に有利なんじゃねぇの?」

三下「有利って……俺は殺しなんかしたくねーよ」

「というよりかは、精神的に出来なそうだが…」

三下「そ、そんなことないっての! 俺はやる時はやれる男だぜ!……あ、殺しはしないけどな」

(絶対ビビリだ……)
73 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:33:57.02 ID:PQCmFI3R0

心理定規「削板軍覇の能力は“強靭な肉体を持つ”」

心理定規「雲川芹亜の能力は……分からないわね」

心理定規「浜面仕上の能力は“逆方向から扉を開け、通ることができる”」

心理定規「……以上よ。これで全員分ね、あとはまとめるだけ」

「仕事お疲れさん……いくら万能でも上条と俺と雲川の能力は分からないんだな」

心理定規「分からないってことが分かったのってデカいと思わない?」

「ああ、大分な…」

心理定規「なら、よかった……」
74 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:44:42.18 ID:PQCmFI3R0

 しかし、これで全員との会話が終わった。長かった気がするが、これからのコロシアイ生活を考えれば大したものじゃないのかもしれない。

 その後は吹寄の意見により、今日は疲れを休めて、また明日の朝八時にここの中央エリアに集まるようにした。

 吹寄は完全に発言力を確保したみたいだ。

 この建物はかなり広くかったが、手元の電子手帳を見れば自分の帰るべき場所が簡単に分かった。それに中央エリアから全ての区間に繋がっているようで、すぐに自分の部屋に帰ることができた。

 部屋は素朴だったが、家具やアメニティは高そうなものばかりだった。

 シャワールームに、洗面所、トイレ、全てきちんとあるし、きちんと作動した。

 部屋の中には勉強机が隅にあり、机の上を指でなぞったが、埃は指にまったくつかない。

 きちんと掃除が行き届いてる証拠だった。

 机の上には、やや大きめのデスクトップのパソコンが置いてある。

(使えるのか……?)

 そんな疑問が浮かんだが、今は身体を休めることにした。

 布団の中に入り、天井を見上げる。

──コロシアイ、能力、記憶、シロ、クロ、クロマク。

 そして、自分の能力についてのこと。

 今は何も分からないが、俺はこんな不条理な場所で死んでやるつもりなんかない。

 ゲコクマだか、なんだか知らないが、コロシアイなんて馬鹿げてる。

 そんなことを考えながら、いつの間にか眠りについた。
75 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:45:56.41 ID:PQCmFI3R0
やっと全員終わったー

要望などあれば可能な範囲で応えます

というわけで、どろん
76 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 17:46:37.88 ID:PQCmFI3R0

『プロローグ』終了
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/08(土) 17:48:21.45 ID:s+9wT6g+0
女キャラはなるべく殺さないでほしい
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 17:50:38.04 ID:TDvjTelU0

鯖缶好きな美少女がいないってわけよ
79 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 21:11:06.60 ID:PQCmFI3R0

Chapter1 機械仕掛けの研究施設 (非)日常編


 目覚めが悪い……。

 俺は早起き苦手なはずじゃないが……。

 すぐに原因に気付いた。

 窓がない。いや正確には、窓らしき部分はあるが、外の景色など見えない。

 そのため日差しを浴びることはない。それが眠りを深くさせてるのだろう。

 こういう環境に身を置いてはじめて、日の光のありがたさを知る。

「行くか…」

 時刻は七時五十分。悪くない時間ではあった。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 21:50:02.42 ID:UXtASOnd0
なんか強い能力者は死にそうだな
特に食蜂。あと心理もポジション的に早めに死ぬかも知れない
81 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 21:53:52.65 ID:PQCmFI3R0

〜中央エリア〜


吹寄「……集まったみたいね」

 ……どうやら俺で最後だったみたいだ。

 皆で中央の机を囲むように立つ。

吹寄「色々、皆で話していきましょうか……私からは最後に話すとして、何かある人いない?」

浜面「ちょっと意見というか質問みたいなものなんだが……コロシアイなんて本当に起きるのか?」

心理定規「…というと?」

浜面「いやさ……周りの奴等殺したって何も得るもんなくないか? 人殺して得られるのが外に出ることだぞ。無理して外に出る必要なんてなくないか…?」

吹寄「それは私も思う……だが、皆がそう一枚岩にいくとは思えない。…どうしても外に出たい、元の世界に出たいという人もいると思うわ」

浜面「……そうなのか?」

「少なくとも一方通行のやつは足並み揃える気ねぇよ」

浜面「一方通行…」 

一方通行「慣れ合いなんざする気はねェんだよ……プライドの問題だ」

吹寄「ね……。私達はお互いのことを知らなすぎる。だからこそ交流は絶やさない方がいい。少なくとも……自室に一人で籠もってるよりはマシだと思うわ」

吹寄「最後に言おうとしてたことと被ってるから、そのまま喋るけど……私から一つ提案があるわ」

上条「提案…?」

吹寄「そう……毎朝八時にここに集まりましょう、っていうね。何か新しい発見や知識があるかもしれないじゃない? だから、この場で共有がてら交流を深めましょうよ、っていうね」

絹旗「超良いと思います!」

青髪「可愛い子と合法的に喋れるなんて最高のイベントじゃないですかー」

誉望「良いっすね!」
82 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 22:06:05.40 ID:PQCmFI3R0
一方通行「……」

吹寄「賛成ありがとう……ただ一つ注意点があってね。別にこれはみんなに強制しないわ……だから一方通行、あなたも不満はないはずよ」

一方通行「そうかァ……なら構わねェ。オレは自分の気分で動く。気が向いたら行ってやるよ」

吹寄「ならオーケーね。……他に何かある人いるかしら?」

心理定規「私から良い?」

吹寄「もちろん」

心理定規「皆も知ってる通り、私の能力は“能力を見る能力”……ということでね、皆の能力をまとめたんだけど、これを配布していいかしら?」

雲川「配布するのが賢明だろう……隠しておきたい派とて、他の能力者について知ることができるメリットがある」

土御門「その方が良いにゃー」

滝壺「……良いと思う」

雲川「ただ一つはっきりとさせておかなきゃいけない点がある。……それは『そのリスト』の信憑性だ」

心理定規「!」

一方通行「丁度、オレも考えていたとこだ…」
83 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 22:21:14.38 ID:PQCmFI3R0

「……なるほどな」

浜面「つまり、どういうことなんだ!」

「あいつらが言いたいのは、心理定規は能力を確かめることができるが、心理定規の能力を確かめることができるやつは誰もいないってことだ……だから、嘘を混ぜることもできるし、心理定規の能力自体がそもそも違う可能性がある」

誉望「だとしても、嘘つかれた側は自分の能力分かってるんすから、見破れないっすか?」

雲川「一般的にはな……だが、仮に心理定規がクロマクで嘘をつかれた側が潜在的クロだった場合はどうなる?」 

青髪「そんな非現実的な…」

結標「他にも可能性はあるわ……例えばだけど、共犯のクロだった場合とかね。いずれにせよ、心理定規については疑惑は払拭したほうが良いでしょうね」

吹寄「せっかく、そうやって自分の知ったことを共有しようとしてくれてるのに悪いけど……私も心理定規の立ち位置について明確にしておくべきだと思うわ」

心理定規「確かにそうね……だとしたら、少し私も考えがあるんだけど、これを見てくれない?」

 心理定規はテーブルの上に紙を置いた。
84 : ◆GN1D/gFl9g [saga]:2020/02/08(土) 22:57:57.64 ID:PQCmFI3R0
心理定規の御手製リスト


超高校級の??? 垣根帝督
『不明』

超高校級の精神能力者 心理定規
『対象の能力を見ることができる。また回数制限のある能力の使用回数を見ることができる。発動には近くにいる必要がある』

超高校級の念動力者 誉望万化
『一日に二回まで透明になれる』

超高校級の解析能力者 一方通行
『あらゆる仕掛けを解析し、解除することができる』

超高校級の再生能力者 土御門元春
『死んだ時、一度だけ蘇ることができる』

超高校級の空間転移能力者 結標淡希
『自分以外のテレポートができる。二人まで飛ばせる。飛ばされる人物が一度行ったエリアのみ。具体的にテレポート場所を指定することはできない』

超高校級の変身者 海原光貴
『直前の死者の見た目、体格、声に変化することができる。三回のみ』

超高校級の電子使い 麦野沈利
『扉を電子の阻害により開かなくすることができる。両側から開かなくなる。一日三回のみ』

超高校級の窒素使い 絹旗最愛
『薄い窒素を常時纏う。また付随して重いものを持てるようになる』
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