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【ミリマス】徳川まつりと、ワケあり女性P
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31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:32:58.11 ID:lh55PHNT0
――公演終了後
P「みんなお疲れ様! 改めて、今日は本当に最高のステージだったよ」
エミリー「ええ。私も夢のような時間を過ごせました。ごヒイキ様方にも喜んでいただけたようで本当に嬉しいです」
亜美「まあ亜美たちが本気出せばこんくらい当然っしょ」ドヤッ
真美「そんじゃ着替えも済んだことだし、お姫ちん、なでしこ、早いとこ打ち上げの準備しようよ」
エミリー「そうですね。でも出発はまつりさんのご準備が整ってからですよ」
P「あら、まつりまだドレスアップルームにいるの?」
貴音「ええ。どれすあっぷるーむへの到着も最後でしたし、ゆっくり着替えてから向かうとのことでした」
P「そう……」
貴音「……亜美、真美、エミリー。わたくしも夕食が待ち遠しいところですが、急いては事をし損じるとも言います。この場はのんびりと歓談でもしながらまつり姫の到着を待つといたしましょう」
エミリー「はい♪」
亜美・真美「ラジャー!」
貴音「……それではあなた様、どうかまつり姫のことをよろしくお願いいたします」
P「貴音……ありがとう」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:33:38.38 ID:lh55PHNT0
コンコン ガチャ
P「まつり、少しいいかな――あ…」
まつり「ほ――Pさん……」
P「いきなり入ってしまってごめんなさい。けど――」
まつり「……はいほー! Pさん、お披露目公演のプロデュース、お疲れ様なのです♪」
P「まつり、あなた……」
お姫様はきらきらの衣装を身に纏ったまま、震える指で便箋を握っていた。
それでも彼女は、私を見るなり何事もなかったかのようにいつものとびきりはっぴー!な笑顔を作るのだった。
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:34:09.57 ID:lh55PHNT0
私もまつりと、それなりに長い時間を過ごしてきた。
だからこの子のやりたいこと、目指すもの、その深い部分の一端をも見ることができた。そんな気がしている。
この子が目指すものはきっと、この子自身がかつて憧れた概念そのもの。
私の心にも、同じ憧れは思い出として確かに刻まれている。だからわかる。その理想があまりに壮大すぎることも――。
人は大人になっていくにつれ、それが子どものときだけ見られる無謀な理想なのだとなんとなく理解し、折り合いを付けていく。
だからその折り合いを一概に妥協や諦めなどとも呼べない。ただ自分にできる範囲のことをしよう。そう前向きに捉えるのもまた大人の処世術なのだろう。
人生のどこかのタイミングでそんな風に折り合いを付ける体験を重ねていき、いつしか人は子どもではいられなくなっていく。
抱いていた空想や理想も、遠い日の思い出として心の片隅で輝くだけになる。
けれども――この子の思い出は、今もこの子の心の真ん中で爛々ときらめいて、動力源になっている。
普通の大人の処世術なんて、この子に通用するわけがない。
なぜならこの子は、人の身でありながら、誰かの思い描く夢そのものになろうとしているからだ。
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:34:54.37 ID:lh55PHNT0
P「あなたがどんなときも泣かない子なのは知ってる。だからもしあなたに涙を流すときがあったとしても、それを知る人は誰もいないから、誰も受け止めようがない」
P「でもその涙はきっと、あなたがお姫様として輝くために必要なもの。ならその涙を誰かがそばで受け止められたら、魔法みたいに素敵な奇跡になるんじゃない?」
まつり「……あなたは、ずるいよ。私はただいつもの私でいたいだけなのに、それを許してくれないなんて」
P「ねぇまつり……私はお姫様にはなれないし、ナイト様なんてかっこいい肩書きも似合わない。それでも私は、あなたがお姫様であり続けるための魔法の一部でありたい」
P「私はお姫様と一緒に誰かの夢を守るために戦い続ける、魔法の剣でありたいの」
まつり「Pさん……」
P「ララちゃんのご両親はさっきこうおっしゃっていたよ。まつりのステージを見ていると、いつもララちゃんが話して聞かせてくれる夢の世界にいるような不思議な感覚になるんだって」
P「大丈夫。あなたは間違いなく、ララちゃんの夢になれていたよ。だから徳川まつりがそこにいる限り、ララちゃんの夢はずっと生き続ける」
P「あなたはこれからもキラキラの魔法の力でみんなのお姫様であり続けてくれる。だからそのために必要な魔法の一つを、どうか私にかけさせて」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:35:23.61 ID:lh55PHNT0
まつり「……」
ギュッ
P「別れが悲しいわけでも、手紙が嬉しいわけでもないんでしょ。……悔しいんだよね」
まつり「そうだよ……お姫様は、これでお礼を言われて、笑顔でお別れできて良かったねなんて……そんなんじゃない……」
まつり「私にもっと素敵な魔法をかけられる力があれば、あのステージをにララちゃんに……いいえ、今日来られなかった人みんなを呼ぶことだって……」
まつり「ララちゃんにしてあげられたこと、見せてあげられたもの……もっとあったはずなのに……どうして……どうして……!」
P「……優しい子」
お姫様は涙を流さない。今までも、これからも。
これはお姫様を目指す一人の女の子が、お姫様に変身するために必要な、魔法の時間。
私はただその魔法が奏でる音としずくの一部始終を見届けた。
その魔法がもたらした残響は、どこか幼い少女の泣く声にも似ていた。
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:36:43.74 ID:lh55PHNT0
――2月4日
P「まつり、誕生日おめでとう」
まつり「Pさん! これ、姫へのプレゼントなのです? 開けてみてもいいのです?」
P「もちろん。どうぞ」
まつり「――わんだほー! シャイニープリンセスのコラボアクセサリーなのです!」
P「ええ。まつりなら他にも思い出の漫画やアニメたくさんあると思ったけど、やっぱり私が選ぶならこれかなと思って。これなら普段使いもできるし、お姫様にもぴったりでしょ?」
まつり「ありがとうなのです。Pさん、姫がプレゼントしたブローチと見比べてみてもいいのです?」
P「ええ。構わないよ。しかしこのブローチ、じっくり眺めてみると細かい部分までよく再現できてるよね――と、そうじゃなくて……」
P「改めて……まつり、アイドルになってくれて……私と出逢ってくれて、本当にありがとう」
P「これからもあなたが最高のお姫様でいられるように頑張るから、どうぞよろしくね」
まつり「いいえ。お姫様は、まつり一人だけではないのです。ほら――」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:37:20.23 ID:lh55PHNT0
エミリー「仕掛け人さま、まつりさん、おはようございます」
育「おはようございます!」
P「あら、エミリー、育。おはよう」
育「あっ! Pさんが持ってるそれ、シャイニープリンセスの変身ブローチだ!」
まつり「さすが育ちゃん。詳しいのですね」
育「うん! おかあさんが高校生くらいの頃にとっても流行った魔法少女アニメでしょ。シャイニーアイドルの大先輩だって聞いたよ」
P「そうそう。原作者は違うけど、アニメの制作会社やスタッフの一部が共通してたり繋がりの強いシリーズなんだよね」
エミリー「みなさんお詳しいんですね。どんなお話なのでしょう」
育「えっとね……そうだ。仲間の一人に巫女さんの子がいて、忍者みたいに手裏剣を投げて戦うんだよ」
エミリー「Wow! 巫女さんに忍とは……素敵でしゅ〜」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2020/02/06(木) 18:37:50.11 ID:lh55PHNT0
育「Pさん、ブルーレイ持ってるんだったよね。じゃあ今度エミリーさんもさそっていっしょに見ようね!」
P「ええもちろん。約束ね。――それより二人とも、今日はまつりの誕生日パーティーの準備をするんじゃなかったの?」
育「そうだよエミリーさん! わたしたちのプレゼント、まつりさんが先に見つけちゃったらサプライズじゃなくなっちゃうよ」
エミリー「はぅ、大変です! 急ぎましょう育さん!」
まつり「……ふふっ」
エミリー「まつりさん?」
育「どうしたの?」
まつり「ほ? なんでもないのです。うふふっ」
まつり(本当にこの劇場は――びゅーりほー!なお姫様でいっぱいなのです♪)
おわり
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/02/06(木) 18:38:27.23 ID:lh55PHNT0
ありがとうございました。
もしよろしければ『中谷育と、ワケあり女性P』もよろしくお願いいたします。
40 :
◆NdBxVzEDf6
[sage]:2020/02/06(木) 19:06:48.56 ID:jvz4DMHT0
このPだとCharlotte・Charlotteの話はこういう感じになったか
今のメメントも変わってくるんだろうか
乙です
Charlotte・Charlotte
http://i.imgur.com/eCcLrx4.jpg
徳川まつり(19) Vi/Pr
http://i.imgur.com/Ny0uVL4.png
http://i.imgur.com/eWk0tKk.png
>>1
エミリー(13) Da/Pr
http://i.imgur.com/WuL1BgO.png
http://i.imgur.com/WRt6Bhn.png
>>2
青羽美咲(2X) Ex
http://i.imgur.com/N78dpoq.png
>>4
中谷育(10) Vi/Pr
http://i.imgur.com/p64webr.png
http://i.imgur.com/FcSjtcz.png
>>31
双海亜美(13) Vi/An
http://i.imgur.com/P7uJHEh.png
http://i.imgur.com/RBXuDOu.jpg
双海真美(13) Vi/An
http://i.imgur.com/A8HRfxy.png
http://i.imgur.com/3fC3QVU.jpg
四条貴音(18) Vo/Fa
http://i.imgur.com/hFy57NS.png
http://i.imgur.com/9g4Qofs.png
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