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妹でお嫁さんな五十嵐響子
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1 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:12:50.48 ID:zm72+V2G0
これはモバマスssです
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1580890370
2 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:19:26.57 ID:zm72+V2G0
響子「わぁ……思ってたより片付いてる……」
P「一体どんな部屋を想像してたんだ」
響子「男の人のお部屋って、もっと散らかってる物だと思ってましたっ」
P「残念だったな、単純に物が少ないんだよ」
部屋に入るなり、早速響子チェックが入る。
男性の部屋に入るのは初めてなのか、反応が非常に新鮮だ。
響子「これ、筋トレグッズですよね? プロデューサー鍛えてるんですかっ?」
P「筋トレグッズだけど鍛えてはいないぞ。友達に勧められて買ったは良いがただのインテリアになってる」
それと、と。
俺は一言、付け加える。
P「家ではプロデューサーじゃないだろ」
響子「あっ、そうでした……それじゃ、ええっと…………」
少し、照れた様に。
それでも満面の笑顔で、響子はお辞儀をした。
響子「これからよろしくお願いします、お兄ちゃんっ!」
3 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:20:13.78 ID:zm72+V2G0
それは、ある日の午前の事。
346プロダクションにプロデューサーとして勤めている俺は、同じく346プロダクションに勤めるアイドル五十嵐響子と向き合っていた。
響子「むぅ…………」
P「……そんなに悩む事か?」
響子「悩みますよ……だって、妹役なんて……」
P「響子なら大丈夫だと思ったんだがな」
今回響子に来ていた仕事は、とあるドラマの主役の妹役。
主役は普通の社会人で、その妹である響子は主役と共に二人で暮らしている、というものだ。
普段はアイドルユニット『P.C.S』の三人で活動していて、その中で最年少の響子なら慣れたものだと思っていたのだが。
想像に反して、響子の反応は渋いものだった。
響子「私、家だと長女だったから、妹って言われてもあんまりピンとこないんです」
P「まぁ確かにそうだったよな。面倒見も良いし」
響子「そう言って貰えるのは嬉しいです……自分ではあんまりそうは思ってないんですけど……」
P「甘えるのとか、苦手か?」
響子「苦手……うぅん、甘える……どうなんだろう……」
顎に手を当ててむむむ……と唸る響子。
ゆらゆらさせる頭に連動して揺れるサイドテールが、なんとなく可愛らしい。
脳内では、自分が甘えているところを想像しているのだろう。
例えば、それこそ普段一緒に活動している島村卯月や小日向美穂を相手に。
響子「…………私がしっかりしないと……」
P「……本人たちには言ってやるなよ。特に美穂はよく『わたしがお姉ちゃんなんですからっ!』って意気込んでるんだから」
響子「あ、ええっと……想像してたのはプロデューサーで……」
P「……………………」
響子「……あっ、ごめんなさい」
P「謝らないでくれ」
俺だって大人だ、しっかりしてるさ。
たまにカップ焼きそば作るのを失敗する事もあるが、きちんと生活は出来ている。
響子「それに、私の役って主役の方と二人暮らしですよね?」
P「そうなるな」
響子「私、年上の男性と生活した事なんてお父さんくらいしかなくって……」
P「……まぁ、それも普通だよな」
響子くらいの年齢で父親以外の年上の男性と生活なんて、普通は無い。
それこそ、家に兄がいる子くらいだろう。
4 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:20:41.84 ID:zm72+V2G0
響子「……練習、しなきゃですね」
P「俺も付き合うぞ。なんなら俺で練習してみるか?」
響子「えっ、ぷ、プロデューサーが……?」
P「そりゃ、プロデューサーだからな。俺じゃあんまり兄って感じしないか?」
響子「い、いえっ! ……その、そう言う事じゃなくて……」
何故か、恥ずかしそうに目を逸らす響子。
俺みたいな男性が兄なんて恥ずかしい、という事だろうか。
……普通に凹むな。
響子「……プロデューサーは……良いんですか?」
P「ん、勿論だ」
響子の為だ、協力は惜しまない。
折角初めての妹役という事なのだから、出来の良いものにして貰いたい。
中途半端な結果に終わってしまっては、後々受けたくなくなってしまうだろう。
響子「なら、お願いしちゃおっかな……」
ぼそりと、響子は呟いた。
どうやらやる気になってくれたらしい。
P「おう、ばっちこい」
そこから、響子と俺の兄妹練習が始まる。
「お兄ちゃん、私喉乾いた。飲み物買ってきて」
「今日お友達が来るから、お兄ちゃんはどっか行ってて」
「お夕飯要らないです。お兄ちゃんはカップ麺でも食べて下さい」
そんな感じの、妹っぽい演技が始まる。
……と、そう思っていた。
響子「それじゃ私、準備して来ますっ! お疲れ様でしたっ!」
P「おう……ん? 準備?」
言うが早いか、響子は部屋を出て行った。
……なんだったのだろう。
まぁ、響子がやる気になったのならそれで良いか。
この時の俺は、そんな事を考えていた気がする。
5 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:21:15.92 ID:zm72+V2G0
バタンッ!
響子「お待たせしました、プロデューサーっ!」
勢いよくドアが開いて、響子が戻って来たのは夕方過ぎ。
両腕どころか背中にまで荷物を背負って、息を切らしている。
リュックの端から飛び出しているハタキが、やけに存在感を主張していた。
P「おかりえ、響子。どうしたんだその大荷物」
俺が指を指すのは、当然ながら荷物の数々。
まるで今から引越しをすると言わんばかりの量だ。
俺の荷物を全て纏めたって、そんな量にはならないだろう。
響子「はいっ、準備万端ですっ!」
なんの準備なのだろう。
秘密基地でも作るのだろうか。
最近は雨が多いからこの季節はおススメしないのだが。
響子「……? 兄妹の練習、ですよね?」
P「え、あぁ、そうだな。始めるか」
響子「はいっ! それじゃ……プロデューサーのお仕事が終わるまで待ってますから」
P「ん、いや今からでも良いぞ」
今日やるべき事は終わっている。
寧ろ響子を待たせてしまっては、帰るのが遅くなってしまうだろう。
響子「分かりましたっ! ……あ、それで……申し訳ないんですけど、荷物持つのを手伝って貰えませんか?」
P「ん? あぁ、そうだな。俺が兄なんだから」
買い物に付き合って貰った、と言うていなのだろうか。
それにしたって大荷物過ぎると思うのだが。
響子「ありがとうございます。それじゃ、行きましょうっ!」
P「おう! ……何処に?」
響子「えっ? 帰るんですよね?」
P「えっ? もう帰るのか? 兄妹の練習は?」
響子「……? 兄妹の練習をするから帰るんですよ?」
P「ん、そうか……ん?」
話が噛み合っていない気がする。
響子「あれ?」
P「えっ?」
P・響子「「……………………」」
響子「おうち、帰るんですよね?」
P「まぁ帰るけども」
響子「それじゃあ帰りましょうっ!」
P「寮にか?」
響子「おうちにですよ?」
P「あれ?」
響子「えっ?」
P・響子「「……………………」」
6 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:21:54.19 ID:zm72+V2G0
しばらくの沈黙。
落ち着いて大きな深呼吸。
それから暫くして、響子は口を噤んだまま顔を真っ赤にした。
P「……響子?」
響子「……あ、あれっ……もしかして、私の勘違い……?」
P「勘違いって……どうかしたのか?」
響子「……私、プロデューサーと一緒に妹役の練習をすると思ってたんです」
P「俺もだぞ」
響子「……プロデューサーのおうちで……」
P「…………」
響子「…………」
P「…………えぇ……」
響子「…………うぅ……恥ずかしいぃ……」
そのまま、両手で顔を覆ってしゃがみ込んでしまった。
前髪と指の隙間から見える響子の表情は、見たこともない程真っ赤になっていた。
それから落ち着いたのか、すっと立ち上がって回れ右をした。
響子「……探さないで下さい……」
P「待て待て待て待て!」
響子「もうやだぁ……こんな恥ずかしい勘違いしちゃってたなんて! 私もうプロデューサーの顔見れないじゃないですかぁっ!」
ああ成る程。
響子は俺の家で暮らすものだと思っていたのか。
確かにそうだな、主役の男性と妹の二人暮らしという役なのだから。
俺が協力すると言ったから、そう勘違いしてしまったのか。
P「…………えぇ……」
響子「もう何も言わないでぇ……良いもん……私もうおうち帰るもん……」
P「いやいやいやいや大丈夫大丈夫! お、俺もそのつもりで言ってたから!」
響子「…………ほんとですか……?」
P「あぁ! 今日から響子と二人暮らしか楽しみだなぁって思ってたから!」
響子「…………」
P「響子が妹か、幸せだなぁって思いながら午後の業務を乗り越えてたから!」
響子「た、楽しみ……幸せ……もー、プロデューサー? これは演技の練習なんですから、遊びとは違うんですよっ?」
今にもスキップしそうな表情で、響子は振り返ってくれた。
背中のはたきの主張が非常に強い。
響子「それじゃプロデューサー、行きましょうっ!」
P「……おう」
まじか。
勢いで事が進んでしまったが、まじか。
響子、本当に俺の部屋で暮らすつもりなのか。
からかわれているのかと思ったが、どうやら本気な様子だ。
……まじかぁ……
そんな訳で、冒頭のシーンに至った。
7 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:23:00.81 ID:zm72+V2G0
響子「あ、それと……お帰りなさい、お兄ちゃんっ!」
P「…………」
響子「……あれっ? もしかして照れてるんですか?」
P「……照れてない」
響子「誤魔化しちゃって〜、お兄ちゃんって結構可愛いところありますよねっ」
照れてなどいない。
お帰りなさいって言ってくれる人が家に居るという事に感動を覚えていた訳でもない。
可愛い女の子に満面の笑顔でお帰りなさいと言われても、別段脈が上がったりもしてない。
もう一度俺の沽券に関わる事だから言っておくが、照れてなどいない。
響子「お風呂にしますかっ? ご飯にしますかっ? それとも……えへへ……」
P「照れてる。まじで、やばい超可愛い」
なんだこの可愛い女の子。
これが暫くの間俺の妹で、一緒に過ごすのか?
おほぉ。
響子「あ、ところで私の部屋は……」
P「あぁ、それなら一部屋使ってないとこあるからそこで」
響子「……お兄ちゃんと同じ部屋でも良いんですよ?」
P「…………」
響子「わぁ、照れてる〜! お兄ちゃんのすけべっ!」
P「……今更だけど、本当に良いのか? 男性と二人暮らしなんて」
響子「お兄ちゃんっ。お家の中では、そういうのはナシにしませんか?」
P「……そうだな」
家の中では、俺と響子はただの兄妹だ。
仕事の話とかその他諸々は、挟まない方が良いだろう。
彼女の練習の為にも、役に打ち込んで貰わないと。
……それにしても、もうかなり慣れた様子だな。
8 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:23:36.05 ID:zm72+V2G0
響子「それじゃお兄ちゃん、私はお夕飯を作っちゃいますから。何か食べたいものはありますか?」
P「響子が作ったものなら何でも食べたいな」
響子「そういうの一番困るんですけど」
P「……まぁ、冷蔵庫見て決めるか」
取り敢えず、冷蔵庫を開けてみる。
響子「…………」
P「……言い訳をさせて欲しいんだ」
響子「……お兄ちゃん……これでどうやって生活して来たんですか……」
缶ビール、マスタード、七味、いつのか分からない卵、缶ビール、缶ビール。
ジト目が胸に刺さる。
P「インスタント麺と、その時の気分で帰りに買ってきたソーセージとか……」
響子「……決めました! お兄ちゃんにはきちんと健康な生活を送らせてみせます!」
P「俺朝食べな」
響子「食べさせます!」
P「……まぁ、努力するよ」
響子「これじゃお夕飯作れない…………あっ!」
ポンっ、っと手を打つ響子。
それから冷蔵庫の上に置いてあったツナの缶詰を取り出し、何故か持ち込んでいたインスタントご飯を温めだす。
P「何を作るんだ?」
響子「お手軽ツナユッケ丼ですっ!」
聞くだけでヨダレが出そうになる。
ツナユッケ丼……缶詰をそう使うのか。
つまみとしてそのまま食べた事しかなかった。
響子「卵は……大丈夫そうですねっ」
テキパキと卵黄を取り、茶碗に乗せたツナにだし醤油と卵を乗せる。
生活能力の高さが段違いだ。
俺だったら絶対卵白も乗せてた。
響子「はいっ、出来上がりですっ!」
P「おぉ……」
響子「明日の夜からはきちんとしたものを作りたいから、器具の場所を教えて下さい」
P「あいよ。それじゃ……いただきます」
響子「はいっ、召し上がれっ!」
9 :
◆x8ozAX/AOWSO
[saga]:2020/02/05(水) 17:24:12.08 ID:zm72+V2G0
夕飯を食べて幸せになった後、だらだらソファでテレビを見ながら缶ビールを開ける。
響子は持ってきた荷物を部屋にバラしてる様だ。
P「……はぁ」
ため息を一つ。
まさか、急に同棲する事になるなんて。
響子は嫌……ではなさそうだったな。
役をやるなら、完璧に仕上げたいのだろう。
ちひろさんにはなんて説明しようか。
隠そうとして隠しきれる事でも無いだろう。
もう一度、缶ビールを煽る。
ため息も積もる。
響子「ため息ばっかり吐いてると幸せが逃げちゃいますよ?」
P「ん、お疲れ様」
一息ついたのか、響子が俺の隣に腰を下ろした。
響子「ふぅ……お引越し作業、完了ですっ」
P「足りないものもあるだろうし、明日買いに行くか」
響子「そうですね。お野菜とかお野菜とか、あとお野菜とか」
P「覚えておくよ」
響子「それと、ボディソープも買ってこない……と…………」
そこまで言って、響子は急に自分の服を眺め始めた。
えりの裾等の匂いを嗅いでいる。
響子「……あ、あはは……汗、におっちゃってませんか……?」
あぁ、引越し作業で汗かいてる事を気にしているのか。
確かにそう言えば、額にはうっすらと汗が浮かんでいた。
P「大丈夫だよ。いつもの響子の香りが…………」
俺もそこまで言って、口を噤んだ。
今のは流石にデリカシーが無さすぎたのではないだろうか。
響子の方を見れば、体育座りした膝の間に顔を埋めていた。
響子「……お風呂、入っても良いですか?」
P「あ、あぁ……ごゆっくり」
そう言って、響子は浴室の方へと向かって行った。
俺も少し、反省しないと。
響子が妹としてこの家で過ごすのなら、俺も女性と二人暮らしする様な振る舞いをしなければ。
風呂上がりにパンツ一丁で寝っ転がりながらテレビ見てビールを飲む、なんて事をしてはいけないな。
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