【かぐや様は告らせたい】かぐや「会長が拉致監禁されたですって!?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:00:21.22 ID:c2oQ1yD3O


それはある晴れた日の事…

四宮かぐやはいつものように車での送迎による登校の最中であった


かぐや(はあ〜…早く会長に会いたいわ。そして会長との幸せな時間を早坂にもお裾分けしてあげた〜い!)ウズウズ

早坂「…」

ピロンッ

早坂(あ、書記ちゃんから…)

かぐや「早坂、あなた今日は朝からスマホばっかり見てるわね。誰と話してるのよ?」

早坂「それは言えません」

かぐや「え〜、何でよー。あ、わかった♪もしかして彼氏かしら♪」

早坂「はあ〜………この人ほんと恋愛脳になった……」

かぐや「ん?なに?」

早坂「何でもないですよ」ツーン

早坂「では、私はこの辺りから降りて学校まで行くので」

かぐや「ええ。気を付けてね早坂」

早坂「かぐや様も………あ、そうそう」




早坂「会長さん、今朝拉致・監禁されたらしいですよ」

早坂「ではまた」バタンッ

かぐや「ええ、わかったわ。会長が拉致・かんき………」



かぐや「えええええええええーーーっ!!?」

かぐや「ちょっと待って、それどういうこと!?拉致・監禁!?何で!?」

かぐや「早坂!!ねえ!!早坂あぁぁっ!!!」

運転手「かぐや様、窓から顔を出さないでください」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1580216421
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:01:34.20 ID:c2oQ1yD3O
ーーー秀知院校門前

バタンッ

ブオォォン………

かぐや「…」

かぐや(会長からラインの返事も無ければ電話にも出ない………付き合い始めてからはすぐに返してくれるようになったのに)

かぐや(まさか、早坂が言っていた事は…真実だとでもいうの!?)

かぐや(だとしたら何故早坂はあんな「今日の帰りカラオケ行きましょ」くらいのノリで言ったの!?)


石上「あ、四宮先輩。おはようございます」

かぐや「あら、おはよう石上くん………」

石上「どうしたんすか?顔青いですよ」

かぐや「友達から聞いた話なんだけどね?その…か、会長が………会長が…………!」


かぐや「何者かに拉致され泣き崩れる会長を監禁し更には有られもない姿にされたりいやらしいことされたりしてるかも知れないのよ!!!」(そこまでは言ってない)

石上「あっはっはっは、そんなことあるわけないじゃないですか。落ち着いてくださいよ四宮先輩」

石上「生徒の拉致とかあったら普通に事件ですよ。ましてや成績トップで更に生徒会トップでもある人にですよ?そんな事あったらとっくにニュースなってますよ。もっと騒がれてますって」

かぐや「そ、それもそうよね………いけないわ、私としたことが……」

かぐや(てことは何!?早坂の嫌がらせ!?何故!?毎日私の幸せをお裾分けしてあげてるのに!)

石上「でも確かに会長にライン送っても既読すらつきませんね」

かぐや「そうよね、やっぱり気になるわよね!?」

ザッザッザッ!

小野寺「石上!」

石上「おう、小野寺」

小野寺「つばめ先輩が…」

石上「ん?」



小野寺「つばめ先輩が何者かに拉致・監禁されたんだ!!」

石上「 な ん で ! ? 」


小野寺「ごめん…つばめ先輩は私を庇って、奴等に…!」

石上「なに!?何なの!?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:02:32.09 ID:c2oQ1yD3O
???「ふははははは!役者は揃ったようね!!」

かぐや「この声は…!?」



???「学園トップの生徒会を支配し、更にリア充トップの巣窟である応援団をも滅ぼした上………白銀御行と子安つばめを拉致し、生徒の8割は我々の部下においた」


???「ここ秀知院は今日より頂く!!」




槇原「このTG部がねっ!!!」バーンっ



石上「お前らかよ!!」

かぐや「………あー………」



メガ子「小野寺さん、手伝ってくれてありがとう」

小野寺「いえ…何だか愉快なことやろうとしてるんすね」

石上「え、小野寺協力者だったの!?」

小野寺「いや、ついさっきいきなり頼まれたんだけど…メガ子先輩が卒業前にデカイ遊びをして思い出に残したいとか言ってたから………何だかそういう理由だと断りづらくて」

かぐや「優しい子ね…」

石上「そうだ、TG部といえば藤原先輩の姿が見えないけど」

槇原「彼女はTG部より生徒会を選んだ。そして四宮かぐやを身を呈して逃がしそのまま藤原千花は我々に捕らえられたのだ…」

石上「あー、そういう設定」

メガ子「ちなみに石上君が無事な理由は生徒会襲撃時がちょうど新作ゲームの発売日で生徒会室に居なかったからです」

石上「ひっでえ理由だなオイ!!!」

かぐや「やってられないわ、帰るわね…」

???「あらあら本当にいいのですか?白銀会長が今囚われの身なのは本当ですよ?TG部に会長の身体を好きにされていいんですか?」ボソボソッ

かぐや「!!」バッ

早坂「貴女はこのゲームから逃げられません」

かぐや「早坂!?」

早坂「そう…私は早坂愛。TG魔王軍四天王の一人です」バーンっ

かぐや「な……何を言っているの………?だいたい皆の前でそのしゃべり方しちゃ…」

早坂「あ、私は今魔王に洗脳された忠実な僕で敬語キャラという設定ですので」

かぐや「…」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:03:54.35 ID:c2oQ1yD3O
槇原「早坂!ルールを説明してあげなさい!」バッ

早坂「御意」

かぐや(御意?)


早坂「まず、このゲームの内容は秀知院を支配するTG魔王軍を倒すため勇者かぐや様とその僕(しもべ)石上の旅を描いた王道バトルRPGです」

かぐや「早坂は何を言っているの…?」

石上「つまりTG部を潰せってことですよ」

早坂「そうです」

小野寺「そうなんだ」


早坂「で、魔王は生徒会室で待ち構えているのですが、その扉を開けるには四つの鍵が必要です」

かぐや「え?あの扉の鍵四つも無いわよね?そもそも今私が持ってるし」

早坂「いいから黙って聞いててください。そういうルールなんです!会長を助けたくないんですか!?」

かぐや「まあ会長のためなら…」ボソッ

早坂「そして、その鍵を手にいれるには、四天王を倒さなくてはなりません」

かぐや「四天王…」

槇原「我々TG魔王軍支配下でも特に高い実力を持つ戦士達のこと………紹介してあげなさい早坂」

早坂「御意。まず一人目…笑うサタン、柏木渚」

石上「二つ名ひでえ…」


早坂「二人目…傷ついた天使、四条眞妃」

石上「二つ名ちょっと笑えない!」


早坂「そして三人目が私…忠実なる地獄の番人、早坂愛」

石上「…」


早坂「そして最後の一人………すべてが謎に包まれた正体不明のメンバー」


早坂「不治ワラ」

石上「何が正体不明だよ。どう考えたって藤原先輩じゃねえかそれ」

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:04:41.31 ID:c2oQ1yD3O
かぐや「…つまり、その人達から鍵を貰えばいいのね」

早坂「そうです。私達は今から敵同士なのです」

かぐや「…敵…」

かぐや(え、敵…?早坂も?皆も?)

早坂「…?」


かぐや(恋の相談を通して仲良くなった柏木さん…)

かぐや(やっと最近、素直に仲良くなれた眞妃さん…)

かぐや(私と長い間友達でいてくれる藤原さん…)

かぐや(そして、ずっと側に居てくれた早坂…)


やっと出来た、暖かな繋り………

皆が………敵………




かぐや「そんな………そんなぁ………!」ガクッ

早坂「いや、そんな絶望に満ちた顔しなくても………これゲームですからね?元気出してください。ほら、こっそり撮った会長の写メですよー」チラッチラッ

石上「あれ、四宮先輩どうしました?」

早坂「ああ、大丈夫です。この子トイレ我慢してるだけです」

かぐや「違うわよ!!」ガバッ

槇原「さて、ルールは分かったね。地図を渡すからそれの通りに進みなさい」

石上「律儀な魔王だな」


小野寺「…じゃ、私そろそろ帰るんで…」

槇原「は?だめだから。あんたもちょっと参加したんだから最後まで居なさい」

小野寺「…え……?」

石上「諦めろ小野寺。TG部からは逃げられない」

槇原「さて我々は戻るとしよう。行くぞ早坂!」

早坂「御意」シュタッ

かぐや「ノリノリね、早坂…」

槇原「秀知院内には四天王以外にも私の部下達がうようよしている………さあ、来てみなさい、生徒会室まで!!!」

アハハハハハハッ………


秀知院を舞台にした、勇者かぐやと仲間達の大冒険

開幕!!!

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:06:25.44 ID:c2oQ1yD3O
かぐや「まったく…くだらないお遊びに付き合わされたものね」ハーッ

かぐや(会長をかっこよく助けてイチャイチャするチャンス!!)ニヤッ

『勇者 四宮かぐや』





石上「まったくですね…やってられませんよ、こんなの」フッ

石上(ここで上手くやればつばめ先輩との距離をもっと縮められるのでは!?)グッ

『下僕 石上優』





小野寺「…」

小野寺(なんか巻き込まれた………)

『通行人A 小野寺麗』

石上「なんかごめんな…」

小野寺「まあまあ、石上が気にすんなし」





かぐや「さあ、行きましょうか…」ザッ

石上「てか先生方に許可取ってんですかね?これ」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 22:07:30.51 ID:c2oQ1yD3O
石上「俺が前を行きます。先輩は後ろに居てください。小野寺も」

小野寺「ん」

かぐや「ふふ…逞しくなったわね、石上くん」

石上「TG部はあの藤原先輩の仲間ですからね…何を仕掛けてくるか」

かぐや「待って石上くん、何か看板が見えるわ」

石上「え?」ピタッ


『この先、番犬ケルベロスに注意』

かぐや「番犬…ケルベロス?」

石上「はあ、何がケルベロスですか…どうせ居るのは可愛いチワワか何かでしょうよ」

小野寺「へー、私チワワ好き」

石上「いや本当にチワワかは分からないけど…」

かぐや「この先を通るための何か暗号の類…という可能性もありますよ」

小野寺「なるほど」

石上「確かにその線もあり得ますね…藤原先輩そういうの好きそうですし」

石上「…まあ、この先をちょっと覗いてみましょう」

かぐや「そうね」

石上「何か罠があるかも知れないからゆっくり行きましょう」

小野寺「かなり警戒してるね石上」


チラッ…

かぐや、石上、小野寺の三人は見た…見てしまったのだ

そこに待ち受けていたものを………

かぐや「あーっ!?」
石上「あーっ!?」






番犬 ケルベロス


ミコ(+犬耳)「うーっ、がうがうっ!!」

伊井野ミコ !!!


石上「おい伊井野。お前本当にそれでいいのか?」

小野寺「わー…」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/28(火) 23:53:02.37 ID:c2oQ1yD3O
ミコ「だ、だって…こうしたら可愛いよって藤原先輩達が…っ!//」

石上「あー、奴等の甘い言葉にまんまと騙されてしまったのか…」

石上「もうわかってんだろ、お前。藤原先輩達に遊ばれてるだけだって」

ミコ「で、でもでも!」

石上「でもじゃない」

かぐや「伊井野さん、怪しい人にはついて行ってはダメだと教わりませんでしたか?」

石上「怪しい人て…」

小野寺「ねえ伊井野、今のがうがう言ってた自分を想像してみ?」

ミコ「麗ちゃんまで意地悪言わないで!!」


ザザ…ッ

???「ふふふ…ごきげんようみなさん、彼女は番犬のミコちゃん。ちっちゃいけれど狂暴ですよ」

かぐや「校内放送…何者!?」

???「ふふ…まだ名前は言えません。が」

???「不治ワラ、とでも名乗っておきましょうか」

ミコ「あ、先輩!」

石上「なるほど、藤原先輩ですか」

不治ワラ「違います、不治ワラです!!」


不治ワラ「彼女を倒すことができればそこを通れます。さあどうしますか?」

不治ワラ「ミコちゃん、侵入者を追っ払っておしまい!」

ミコ「が…がうっ!//」

石上「がうっ」

伊井野「何よ石上、バカにしてんの!?//」

石上「どうします四宮先輩、いきなりめんどくさいのが相手ですけど」

かぐや「そうね…伊井野さんに勝つ方法、それはただひとつ……あなたももうわかっているのでしょう?」

石上「ふっ…」

ミコ「?」



かぐや「ほら、伊井野さん。食べ物ですよ」スッ
(弁当)

石上「ほれ伊井野。食え食え」ガサッ
(ポテチ)

ミコ「二人とも私を何だと思ってるの!?」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/29(水) 08:35:19.99 ID:4V655i3qO
ミコ「バカにしないでください!私はそんな与えられたものをホイホイ食べる愚か者ではありません!」

かぐや「え…そんな、バカにしているつもりなんか……伊井野さん食べること好きですし。あっ、ほら、お肉もありますよ…?」(悪気は全くない)

ミコ「そういう問題ではありません!まあいただきはしますが!」パクッ

ミコ「わたひはそんなものれはたおへまへんよ!」モグモグ

石上「美味そうに頬張りながら言う台詞じゃないぞ」

ミコ「石上、ポテチ」モグモグ

石上「食べるんだ」スッ

ミコ「絶対にここは通さないんだから…特に石上!」ポリポリ
ジロッ!

石上「小型犬みたいに睨み付けやがって…」

伊井野ミコは無自覚ながら内心『もっと石上と近くに居たい』と思っていた。
このゲームへの参加を了承したのも藤原先輩からの頼みという理由があるが、実は石上への隠れた好意も要因の1つである!

そしてそんな伊井野自身も自覚がない気持ちに気付いている者がここに一人!

小野寺「…」

小野寺「石上、伊井野の頭撫でてやりなよ」

石上「は?なんで?」

ミコ「麗ちゃん!?」


小野寺「えーと…それは…」

かぐや「なるほど、今の伊井野さんは言うならば狂暴な小型犬…つまりそんな彼女を愛を持ってなつかせる事が勝利条件、という事ですか?」

小野寺「はい。まあそんなところです…」

ミコ「いっ、石上からそんなことされたって嬉しくないしっ!//」

石上「ほら見ろよ、伊井野は俺を生理的に嫌ってるのは知ってるだろ?」

小野寺「いいや、石上だからこそ意味があるの。あの子はあんたに特別な怒りを抱いてるなればこそ石上がやらなきゃダメ!」

かぐや「そうね…石上くん。任せたわ」

石上「え、なんか僕がやる流れになってる?」

ミコ「二人とも、な、なに変なこと言って…」オロオロ

石上「仕方ない………伊井野、暴れんなよ」スッ

ミコ「ひっ!//」ビクッ

石上「逃げんなよ、仕方ないだろ!んな嫌がんなよ!」

伊井野ミコは嫌がっているのではない。
恥ずかしがっているのである!

10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/29(水) 09:08:07.21 ID:4V655i3qO
かぐや「暴れないで、伊井野さん!」ガシッ

ミコ「は、離してください!!」

石上「よし、そのままじっとしてろよ伊井野…」

かぐや「すぐに終わりますからね?」

ミコ「ひ…ひぃ…っ」ハッハッ
ガタガタ

小野寺「うーん、なんか絵面がヤバイな…」



石上「…」ポンポン

ミコ「ひょえ!//」ビクッ

石上「…」ナデナデ

ミコ「う…あ…っ///」プルプル

石上「…そろそろやめていい?」

小野寺「いや、もうちょい」←少し楽しんでいる

石上「おい、伊井野…もう少し我慢しろよ」

ミコ「ひっ…ひっ…///」




ミコ「ひゃああぁ!!」
ゲシイッ!!!

石上「いっだあぁぁ!」

かぐや「伊井野さん、蹴ってはいけません!」

小野寺「あちゃー…」

石上「おまっ、蹴ることないだろ!!」

ミコ「あっ、ごめ、つい…っ」

石上「がうがう吠えて飯はガツガツ食って撫でたら蹴るとかとんだ小型狂犬だよ!」

ミコ「な、小型狂犬!?」

石上「つーかもう外せよその犬耳!見てて恥ずかしいんだよ!」

ミコ「く、うぅ…っ!//」

ミコ「わーん、麗ちゃん!石上が意地悪言う!!」ガシッ

小野寺「はいはい、そーだね。でもその犬耳は外そうね、真面目に恥ずいから」
カポッ



不治ワラ「ピンポンピンポーン!大正解〜☆」


かぐや「え!?」

不治ワラ「ミコちゃんへの勝利条件…それはちょっと痛い犬耳姿を指摘してやめさせてあげることでした〜!」

ミコ「え、痛い!?」

石上「藤原先輩…」

不治ワラ「よく気付きましたね、流石は1年の中でも成績上位な小野寺さんです!」

小野寺「いや、そんなのが勝利条件だったなんて全く気づきませんでしたけど…」
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