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【禁書安価】垣根「終わりの日と」エイワス「始まりの日」

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127 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 15:46:20.94 ID:5ws07bs90

垣根「チッ…」

垣根(未元物質展開しねぇと家が壊れちまうな…)ファサ

垣根(杠を翼で覆う……)

垣根「おい、バカ……死んでねぇよ」

杠「え、垣根……? 生キ…てる? 嘘?」

垣根「しっかりしろ! お前の言うとおり俺が死んだっていうのは嘘だ。ドッキリだ」

杠「……良かった」

垣根(目の焦点が戻った、AIM拡散力場も元に戻った……もう少し、起き上がるのが遅かったら、めんどくせぇ事になってたかもな…)

杠「何で…こんな怖いことしたの?」

垣根「怖いだと…?」

杠「うん、垣根が居なくなったってこと考えたら……本当に怖いよ私」

垣根「お前は忘れたのか…? 俺がお前達と一緒に居るのは自分の目的のため。それが終わったら俺はお前らの近くから消える」

杠「やだ…」

垣根「知らねぇよ、そんなもん。大体、そんなこと何で思──」

杠「垣根のこと好きだから」

垣根「は……」

杠「だから消えないって約束して…?」

垣根「…それは無理だ」

杠「どうしても?」

垣根「…俺は一方通行を殺さなきゃいけない。アイツに恨みなんざねぇが、交渉権を得るためには俺はその道を進まないといけない。そのためには俺は一人がいいんだよ」

杠「そっか…」

垣根「心配するな、金は経費として生活できる分は出してやる、困りはしねぇし、任務中は関わる、それに多少の手伝いならしてやる」

垣根「ただこの普通の家族みたいな生活から俺が消えるだけの話」

杠「……」

垣根「実を言えば、俺は思考パターンの収集は終わったんだ」

垣根「だから……終わりにしようぜ、こんな生活」
128 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 15:51:23.19 ID:5ws07bs90

〜垣根の部屋〜


垣根(杠はあの後、何も言わなかった…)

垣根(まぁ、いい……)

垣根(今日で負の思考パターンが集まった……完全とまではいかねぇが、ガキ二人の値から、一方通行の思考パターンの近似値は求められる)

垣根(最後にノートに記して、まとめて……俺の仕事は終わりだ)

垣根(後は、いつ家を飛び出すか……)

垣根(何も言わずに……明日あたり、いやそういえば今日神裂からの頼みがあるんだったな)

垣根(それ終わったら、そのまま消えればいいか……)
129 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 15:56:36.16 ID:5ws07bs90

〜廊下〜


ガチャ

初春「垣根さん! 佐天さん連れてきましたよ!」

佐天「こんにちはー!」

垣根「そういや、そうだったな…」

垣根(佐天とここで話すのも……たった一日だけか)

垣根「ま、俺の分まで頑張ってくれ……佐天」ボソッ

佐天「え?」

垣根「なんでもねぇ……それより花畑。佐天の紹介、他の奴らにしてこいよ」

初春「そうですね。行きましょ、佐天さん」

佐天「だ、大丈夫かな……」

初春「大丈夫ですよ!」
130 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 15:57:36.36 ID:5ws07bs90
選択肢
1、適当にぶらぶらする

2、家で過ごす(友好チケ×1)

↓2まででコンマの高いほう
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:09:22.06 ID:xtT5op1Oo
2
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:17:08.38 ID:oBYBAadzo
2
133 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 16:18:48.40 ID:5ws07bs90

誰?(佐天、初春、杠以外)

↓2まででコンマの高いほう
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:19:30.13 ID:xtT5op1Oo
オルソラ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:21:32.97 ID:eTSHvG1qO
オルソラ
136 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 16:29:56.34 ID:5ws07bs90
オルソラと何する?or何話す?

↓2まででコンマの高いほう
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:32:47.99 ID:xtT5op1Oo
そろそろここ出てくこと伝えとく
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:34:20.56 ID:oBYBAadzo

一応楽しかった、礼を言っとく
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:34:27.16 ID:eTSHvG1qO
家出るから残った奴らを支えてやって欲しいと頼む
140 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 16:36:56.05 ID:5ws07bs90

〜オルソラの部屋〜


垣根「オルソラ、いるか?」

ガチャ

オルソラ「はい、いますよ」

垣根「少し邪魔して良いか…」

オルソラ「はい」

垣根「助かるぜ」
141 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 16:46:19.82 ID:5ws07bs90
オルソラ「どうしたんですか…? 険しい顔してますけど」

垣根「そりゃ悪かった……ちょっと言いたいことがあってよ」

オルソラ「はい」

垣根「急なんだが俺は……この家から消えなきゃいけない」


オルソラの反応

↓2まででコンマの高いほう
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 16:57:29.42 ID:xtT5op1Oo
理由については聞かない
だけど貴方の帰る場所はいつでもここにあると教える
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 17:13:02.43 ID:LFFVjebWO
144 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 17:18:30.09 ID:5ws07bs90
オルソラ「ど…どうして…」

垣根「それはあまり深くは言わねぇが、自分の運命に蹴りをつけなきゃいけねぇ。それにそもそも、ここは俺の家ってわけじゃねぇんだよ」

オルソラ「運命…」

垣根「そうだ……誰にも理解なんざされねぇかもしれねぇが俺はこの道を進まなきゃいけねぇ、俺なりのマニフェストディスティニーだ」

オルソラ「……」

垣根「お前には…悪いことをしたと思ってる。でも、ガキに付き合ってくれて助かった」

オルソラ「いえ、そんな……私のほうこそ毎日楽しくて」

垣根「泣くなよ……別にどこか帰らないところに行くってわけじゃない。俺の目的が…アイツを殺すことができたら……きっと、また会える」

オルソラ「垣根さん自身悩んだ末に決めた決断というなら……私は何も言いません」

垣根「あぁ…」

オルソラ「またいつでも戻ってきてくださいね……」

垣根「……」
145 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 17:19:05.23 ID:5ws07bs90
夕食入ります。

料理コンマ表(106)

1〜40 何もなし
41〜70 次の日、未遭遇キャラに会いやすく
71〜85 次の日、三回行動可
86〜98 次の日、クリティカルが出やすくなる
ゾロ目 未元点3

↓1

202
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 17:22:12.95 ID:xtT5op1Oo
クリームシチュー
147 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 17:32:36.89 ID:5ws07bs90

初春「どうしたんですか、杠さん……暗い顔ですけど」

杠「ちょっと…体調悪くて…」

初春「それは大変ですね…運ぶの手伝いますよ」

杠「ありがと…」


黒夜「今日はやけに豪勢だな、料理」

木山「新人祝いみたいなものじゃないか?」

佐天「あ、私…?」

黒夜「あー、そういうことか…」

木山「しかし…ここもわりと人数多くなってきた気がするね」

黒夜「空き部屋なくなったしね…」

オルソラ「……」 

初春「オルソラさんも体調不良ですか?」

オルソラ「いえ、違います…」

垣根「今日はやけに美味いシチューだな。よく出来たじゃねぇか」ムシャ

杠「!……うん!」

垣根「またこれくらいのクオリティの飯が食えれば嬉しいな」

黒夜「最近、杠も安定してきたし、すぐ食べられるよ」

垣根「……じゃ、ご馳走さまだ」

バタッ

木山「やけに急いでたけど……どうしたんだ?」

佐天「さぁ…」
148 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 17:35:46.89 ID:5ws07bs90

〜垣根の部屋〜


垣根(あぁ……荷物があるんだったな……)

垣根(とりあえず置いといていいか……窓の鍵開けといて、後で取りに来よう)

垣根(それと、一応メッセージ書いとくか…)

垣根(『世話になった、家を出てく。俺は自分の道に進む』……これでいいか)

垣根(多くは語る必要はねぇ…)

垣根(そろそろ向かうか…)
149 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 17:57:04.64 ID:5ws07bs90

〜住宅街〜


垣根(今日はやけに……綺麗な夜空だな)

垣根(明けの明星…)

垣根(やっぱり…夜は嫌いじゃねぇ)スタスタ
150 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:00:15.40 ID:5ws07bs90
〜上条の家〜



上条「それでどうするんだ…?」

神裂「垣根帝督から話を聞いた結果、彼女の問題はどうやら違うところにあるようです……つまり、彼女を縛る『首輪』自体が彼女を追い込んでると見て間違いないです」

ステイル「能力者の言うことなんて信用できないけど、どうやら彼の言ってることに間違いはない。それは僕が保証するよ、なぜならウチのトップがそうだと、あっさり認めたからね」

垣根「ならお前達はその『首輪』とかいうやつを外すっていうことか?」

神裂「そうですね……そしてその『首輪』というのはあまりにも難解な術式でロックがかかっていて外す、というのは恐らくできません」

垣根「じゃあ、壊すのか…」
151 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:01:10.26 ID:5ws07bs90
ステイル「そうだ……だが外すのが難解なものを、簡単に破壊できるなんて容易い現実はない。そこで癪だけど……彼の右手を、ね」

垣根「上条の…右手?」

神裂「あなたにまだそれは言ってませんでしたね。どうやら彼の右手は特殊で触れた異能の力を打ち消すようです」

垣根「異能…?」

上条「詳しくは俺も分からないが…超能力も、こいつらの魔術も打ち消すことができるんだ。何でか知らないけどな」

垣根「てっきり、上条…お前は無能力者だと思ってたが…」

上条「無能力者ってのは間違いじゃない」

垣根「なに…」

垣根(能力を打ち消す能力だと……?)

垣根(そいつがあれば……あの一方通行の反射をも破れるじゃねぇか…)

垣根「なるほどな。その右手を使って『首輪』にかけられた仕掛けを破壊するってわけか……なら俺は何のために呼ばれたんだ?」

ステイル「破壊する方法を分かっていても問題が二つある……その一つが彼女にかけられた自動防御機能。彼女は魔術を扱えない代わりに、その部分にほぼ全てのメモリを回しているというわけだ」

垣根「それが迎撃体制に入る、だから腕っぷしのある人間が必要、と……」

神裂「話が早くて助かります…」
152 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:09:06.58 ID:5ws07bs90

上条「二つ目の問題は何なんだ?」

神裂「……先日、あなたに電話をした時に言った言葉を…覚えていますか?」

上条「『インデックスがどうしたいか聞いてくれ』だったよな」

神裂「そうです……彼女が望むなら壊します、ですがそれを嫌がるならば壊す必要はないかもしれません。何故ならば無理やり壊そうとすれば……弊害が何かあるかもしれないので」

上条「弊害……」

神裂「彼女は…なんと答えましたか?」

上条「あいつは……インデックスは思い出を…記憶を……消したくないって言ってた」

ステイル「ならば問題は解決だ。後は僕達が最善を尽くせば良い……垣根帝督って言ったっけ、君にも期待している」

垣根「おい神裂。連れの口の聞き方がなってねぇぞ?」

神裂「ステイル……協力者に対して止めてください」

ステイル「ふん…」

神裂「ごめんなさい……ステイルは少し今荒れていて…」

垣根「まぁ、いい…」
153 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:24:43.04 ID:5ws07bs90

神裂「時間ですね……」

上条「いよいよか…」

ステイル「作戦はこうだ……僕が彼女の攻撃を押さえる、神裂が彼女の隙を作る、そして上条当麻……君が裏から彼女の『首輪』を破壊する」

垣根「俺の仕事がねぇぞ」

ステイル「君は背面から上条当麻の守りだ…」

垣根「つまり、二方向から挟み撃ちで……正面から神裂、お前……裏から俺と上条か……」

 パキパキ。

垣根「……あ?」

 得体の知れない音に空間が汚染された。

ステイル「どうやら……こちらの敵意に気づいたようだ」

ペンデックス「───警告、第三章第二節。Index-Librorumu-Prohibitorum───禁書目録の『首輪』、第一の結界に対する悪性の敵意を感知。『首輪』に対する敵兵『垣根帝督』含む四人の存在を確認。現状、十万三千冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を実行します」

垣根(コイツが……十万三千冊の万人ッ!)

ステイル「すぐにお前たちは裏に回れッ!! 食い止める!」

上条「裏の窓から入るぞ! 垣根!」

垣根「チッ…」シュッ
154 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:36:49.67 ID:5ws07bs90

 垣根と上条が外へ向かってる間のほんの数十秒間は熾烈を極めていた。

ステイル「魔女狩りの王!! イノケンティウス!!!」

 現出する火の魔人。

 それに相対する光の魔神。

 イノケンティウスはそこから近寄ることも動くこともできなかった。

ステイル「くっ…!!」

 ウォーターカッターなど比にもならないほどの水の大魔術に襲われたためだ。

 だがそれでもステイルの魔人は消えることはなかった。

 あたりに貼り散らしたルーンの紙。これが全て消えない限りは耐えることができる。

ペンデックス「持続性の魔術『イノケンティウスの顕現』を確認。魔術の発動切り替え必要なし。引き続き敵兵の貯蔵がなくなるまで攻撃をします」

ステイル(なるほど……こちらの魔術がどういうものかもう分かっているということか)

 そう、イノケンティウスはルーンがある限りは耐えることができる。

 だが逆にそれが消えてしまえば終わりだ。ペンデックスほどの魔術のレベルならば魔術を切り替え有効策を探すよりも、そのまま攻撃を続けたほうがルーンを減らすことができるのだ。

 事実、一秒単位で数十枚のルーン紙が消えてくことにステイルは焦りを感じていた。

ステイル「これほどまで……一秒を長いと感じたことはないよ」

 ステイルは率直にペンデックスの恐ろしさを認めた。
155 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:39:44.31 ID:5ws07bs90

上条「ここから……渡れば逆側にいける!」

垣根「必要ねぇ…俺は空を飛べる。手に掴まれ!」

上条「わかった!」グッ

垣根「突き破るぞ…」

上条「ああ…頼む!」
156 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 18:49:46.56 ID:5ws07bs90

 神裂火織はステイルの裏で機会を伺っていた。

 彼女にはステイルのような防御魔術はない。というのも、生まれながらの『聖人』である彼女は自分の肉体が『天然の守り』に値していたからだ。

 だが今回はそれが通用しない。

 魔神レベルの力を持つペンデックスの魔力にあてられてしまえば、いくら聖人といえども身体が消し飛ぶ。

 だからこそ、上条と垣根が裏側から顔を出すのを今か今かと待っていた。

神裂(来た…!!)

 上条と垣根が窓を割って入ってくる寸前に見えた、かすかな影を見た瞬間、神裂はイノケンティウスの横から勢いよく飛び出し、それと同時に抜刀した。

 一秒も経たずに繰り出される動きは、聖人にとってはあまり難しいことではなかった。

神裂「ここだ…!!!」

 ペンデックスが解決方法を出すよりも早く、神裂の七天七刀が彼女の足元を切り裂いた。

 そうして不意をつかれた魔神の元に、ようやく二人の少年が顔を出す。
157 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 19:16:38.14 ID:O+IthfcZ0

 上条当麻は勢い良く走り出した。

 身体中にガラスの破片が突き刺さっていたが、そんなことは関係がなかった。

 痛みを感じるよりも早くインデックスを助けてやりたい、その気持ちが他の負の感情を消した。

上条「うぉぉぉ!!!!!」

 ペンデックスは神裂の攻撃で、ほんの一瞬だが体勢を崩していた。

 そして、その一瞬だけが唯一上条当麻に与えられた攻勢の機会だった。

 ペンデックスの周囲からは謎の圧迫感、おそらくは魔力の放出が無意識におきており、それの副産物に襲われそうになりながらも、垣根の翼が風除けのようにそれを防いでくれたため、何とか前に進むことができた。

上条「これでッ……終わりだぁぁぁぁぁ!!!」

 上条がペンデックスの『首輪』に触れる直前、垣根帝督の視界が割れ、世界は暗転した。
158 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 19:20:49.21 ID:5ws07bs90

 垣根帝督は世界に居なかった。

 あるのは、ひたすらに真っ白な空間。これを世界と呼ぶにはあまりにも、すべてが無機質すぎる。

垣根「……は?」

 吐露した疑問の声は反響することなく、ここでは霧散する。

 息はできる。

 触覚もある。

 頭に異常もない。

 ただ、可笑しいのはこの場所だけだった。

「直接話すのは、はじめてだな。垣根帝督」
159 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 19:28:05.16 ID:5ws07bs90

 その声は垣根にとって、あまりにも憎たらしい声だった。

 その声の主らしき人物は、気が付くと──まるで一瞬だけ時間を止められてから表れたように──垣根の目の前に居た。

垣根「!?……テメェはッ……」

エイワス「私はエイワス。しがない天使だ。
第二位に、会えて光栄だよ」

垣根「ここはどこだ……そして、何の用だ!」

エイワス「場所は重要じゃない。第二位にあるまじき愚問だよ、それは。……まずは私の姿を見て驚いて欲しかったんだが」

垣根「テメェがデタラメなゴミだってのは電話越しからでも分かったことだっての」

エイワス「まぁ、いいさ……本題に入ろうか」

 そうやって天使が指を鳴らすと、周りの空間が真っ黒に染まった。まるでオセロで白い盤面が黒い盤面に変わるときのように。
160 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 19:46:54.62 ID:5ws07bs90

垣根「空間が…真っ黒に」

エイワス「夜が好きなんだろう? 変えた意味はないが、君が気に入るかと思ってな」

 垣根はエイワスの方をギロリと睨んだが、彼は全く気にしていないようだった。

エイワス「私は別に君に、また何か難題を与えに来たわけじゃない……。今回は、君に機会を与えに来ただけだ」

垣根「…続けろ」

エイワス「まず最初から話すが…今、君が対峙している『首輪』はあまりにも難解なものでな。私だって、あれを外すのは少し難しいだろう」

 エイワスはどこを見ているのか分からない顔のまま、顎元に手を添えた。

エイワス「だが…あれをもし外すことが出来たならば、学園都市とは別の世界の法則である『魔術』というものをかなり知ることができる」

垣根「だから…何だ、そんなもの必要はねぇ…」

 余裕そうに彼は答える。

 だがエイワスの次の言葉が彼の表情を変えた。

エイワス「一方通行を倒したいんだろう?」

 その瞬間、頭脳の電波信号が身体の隅々まで錯綜したような錯覚を彼は覚えた。

垣根「……一方通行…だと?」

エイワス「そうだ…彼の『反射』は無敵ではない。破る方法は考えればいくらでも出てくるだろう。そして、彼は自分の世界の法則でしか反射ができない……それは君もそう考えているんじゃないか? まぁ、だからこそ……『魔術』という一方通行の知らない法則は役に立つと思ったんだが」

垣根「……」

 垣根は黙った。

 目の前の人間?の狙いはさっぱり分からない。

 騙しているように見えないが、信頼は間違ってもできない。

 だがそれ以上に──

垣根(『一方通行』……)

 一方通行を倒すためならば、手段は選ばない。

 正々堂々戦う必要すら必要ない。

 それ程までに確実に殺さなきゃいけない相手。

 恨みなんざ全く無い。

 ただ偶々、目障りな障害になっただけの話。

 だからこそ、『魔術』の法則が役に立つ可能性があるというならば答えは決まっている。

垣根「…お前の言葉に従ってやる。あくまで俺の目的のためだ」

エイワス「決まりだ。ならば『首輪』を外すために幾ばくかの『智慧』を君に授けよう」

 次の瞬間、垣根帝督の世界は壊れた。
161 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 20:09:18.45 ID:5ws07bs90

垣根「はっ……」

 垣根帝督が覚醒した瞬間、上条の身体が宙を舞い、壁に叩きつけられていた状況だった。

ステイル「なぜ上条当麻の身体が吹き飛ばされた!? ペンデックスは魔術を発動していないんだ!!」

 ステイルがそう驚くのも無理はなかった。

 上条自身自分がなぜ吹き飛ばされたのか分かっていなかった。それは突如やってきて、あと少しで首輪に触れられたはずの右腕を妨害してきたのだ。

上条(身体が…動かねぇ……クソッ!動け!!)

 だが上条の身体は動かなかった。

神裂「そんな……」

 神裂さえもが諦めの声色を出していた。

 だが一人の男だけ、目に闘志を宿していた。

垣根「オォォォォォォ!!!!」

 垣根が体勢を戻しつつあるペンデックスに向かって走り出したのだ。

ステイル「馬鹿!! 何をする気だ!! 君がいくら強くても、君の力じゃどうにもならない!!」

ペンデックス「――――――警告。脚部の自動再生に成功。
ルーンの魔術師、聖人の魔術師に対する防御魔術作動。『垣根帝督』のみ該当術式なし。類似性の高い対天使用の術式を組み込み中……第一式、第二式、第三式。『竜王の殺息』完全発動まで残り六秒」

 ペンデックスが作動する。あらゆる魔を統べた最強の兵器が垣根帝督に牙を向く。

 だがその瞬間、彼の右手が彼女の『首輪』に触れた。

 侵入する、だがその瞬間──

垣根(あfswpかxg2Amp'g8'gmqwgwあがぁかゎなapm'ががががgggあッッッッ!!!!?????)

 得体の知れない羅列が彼の身体を蝕んだ。それと同時に全身の血管が破れ、大量の血が溢れ吹き出した。

ペンデックス「残り四秒」

 終わりまでのカウントダウン。

 無機質なまでの声が秒数を告げる。

神裂「やめてください垣根帝督!!!」

 だがその声は垣根に届かない、近づいて止めることも当然できない。

垣根(ぐぁぁっ…!! 解析してやるッ! 魔神だか何だか知らねぇが……! テメェの法則を!!)
162 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 20:28:28.49 ID:5ws07bs90

 垣根が模索している間に、カウントダウンは終了した。

ペンデックス「───発動の準備完了。迎撃します」

 すると、ペンデックスの顔付近から夥しいほどの出力を持った光の熱線が発射される。

 垣根は直前で未元物質で身体を防ぐが、解析に使っていた右腕は光とともに消え失せた。

 断面から血はなく、痛みすらも最早感じないまでに一瞬のことだった。

 そして、垣根の身体を守っている未元物質も悲鳴をあげていた。

垣根(クソッ……俺は………俺はッ! ここで消えるのか!! 俺が……未元物質がッッ!!)

垣根(解析は終わった後は外すだけ……それさえ出来れば俺は完全に『新たな法則』を獲得できるってのにッッ!!)

垣根(一方通行ッッ!!! テメェを殺すまでは俺はッ……!!!)

 数秒後に破られるはずの未元物質が壊れることはなかった。

 逆に『竜王の殺息』が消え去った。

上条「うぉぉぉぉ!!!!」

 上条当麻が未元物質に発射された竜王の殺息を打ち消していた。

 その一瞬がペンデックスに最期を与えた。

垣根「よくやった……無能力者!!」

上条「行けぇぇ!!垣根!!」

 垣根の残った左手が『首輪』に触れる。そして、それと同時に───『垣根帝督』もまたペンデックスと同じように死を迎える。

『垣根のこと好きだから』

『リーダーには何でも従うよ』

『いつでも帰ってきてください』

 同居人達の声が脳内に響く、走馬灯というやつだろうか。

 首輪が外れた音だけが、夜の部屋に木霊した。
163 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/17(金) 20:29:39.46 ID:5ws07bs90
とりあえず書きたかったとこまで終わり。ちょい消えます
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 20:34:38.26 ID:xtT5op1Oo
たんおつ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 20:42:16.41 ID:t3l36NTE0
一旦乙
一方通行がインデックス助けるのは見た事あるけど
垣根がこの件に介入するのは見た事無かったな
俺が知らないだけかもしれないけど
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 21:21:11.53 ID:oBYBAadzo
一旦乙
垣根…
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 21:29:57.46 ID:JbS30xSw0

これは垣根主人公ですわ
168 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 01:40:56.23 ID:+ZrWQHxR0

〜窓のないビル〜



アレイスター「どういうことだ……『未元物質』が『幻想殺し』に遭遇するのは想定の範囲内だ。だがあくまで『禁書目録』を助けるのは『幻想殺し』の役目のはずだ」

エイワス「……」

アレイスター「エイワス…あなたの仕業だろう?」

エイワス「心当たりがないな」

アレイスター「分かっているのだろう? あなたを縛ることも私には意のままだということが」

エイワス「冤罪だ。ああ、なんて私は可哀想なのだろうか」

アレイスター「エイワス…」
169 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 01:55:52.59 ID:+ZrWQHxR0

〜七月二十九日・病院〜


冥土返し「…上条くんは一日ほどの記憶障害……二十八日のだね…それが起きているようだ。後、身体のあちこちにガラスの破片の切り傷があったが、こちらはそこまで問題じゃない。総合的に見て健康体そのものだ」

神裂「はい…それで垣根帝督は」

冥土返し「彼は重傷だ。原因は不明だが、かなりの記憶障害がある。具体的には分からないが以前とは全く別の人間になっても可笑しくないほど記憶が混濁している。身体のほうも不思議な点があって、それは右腕から不思議な信号が出ていることだ。肩との境界に継ぎ目のようなものがある、まるで以前に接合手術をしたみたいにね」

ステイル「あの時確かに垣根帝督の右腕は消し飛んだはず……」

神裂「だけど、倒れた彼の腕は元通りになっていた」

冥土返し「信じ難い話だが、ここは学園都市。あり得なくはないから怖いものだよ。とにかく、腕があること自体は良いことだね。だが記憶の方は手術とかでどうにかなるレベルを超えている。そして自慢じゃないが僕以上に彼のことを治す可能性がある人間はいないよ」

神裂「つまり……」

冥土返し「打つ手無し、ということだね」

神裂「そんな…!」

冥土返し「そう悲観することはない。確かに記憶はなくなった。でも幸いにも身体には何も異常はない。だから今まで通り、普通に生活することもできるよ……次に目が覚めた時には、すぐに退院もできる」

ステイル「そうですか……ならまだ救いがありました、ありがとうございます。……行こう神裂」

神裂「はい……先生、ありがとうございました」
170 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 02:02:49.44 ID:+ZrWQHxR0

神裂「私が……私が彼に協力を頼んだから…」

ステイル「神裂…やめないか。君が誘ったからとはいうが、彼が飛び出した結果じゃないか。彼には感謝してるが、間違っても君の責任じゃないよ」

神裂「……ごめんなさい、ステイル。でも割り切れなくて…」

ステイル「その気持ちも分かる。だからこそ、それは胸にしまっておくべきだ……それに自慢じゃないが僕達は友人が記憶を消えた時の対処法が1番上手いじゃないか。消えた記憶の分、彼女とも思い出を作ってきた……そうだろう?」

神裂「そう…でしたね」

ステイル「今は…二人が生きていたことを神に感謝しよう」

神裂「ありがとうございます、ステイル。お陰で少し前向きに頑張れる気がしました」

ステイル「あぁ……君はその調子で垣根帝督の側にいてあげてくれ。僕は上条当麻を見てくるよ」

神裂「はい、分かりました」
171 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 02:09:41.40 ID:+ZrWQHxR0
〜204号室〜


垣根「……」

神裂(結局、私はあなたに借りを借りてばかりですね……)

神裂(なぜあの時…あなたは『自動書記』に立ち向かったんですか?)

神裂(インデックスはあなたと全く関わりのない人物だった……それなのになぜあなたは…)

垣根「……あ」

神裂「…!!……め、目を覚ましたんですか!」

垣根「ここは…病院か……あんたは……」

神裂(やはり……記憶が……ないんですね)

神裂「私は……神裂火織。…あなたの友人です」
172 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 02:15:48.86 ID:+ZrWQHxR0

『あなたの友人です』

垣根(友人……)

冥土返し「神裂さんから聞いた、目が覚めたようだね、垣根君」

垣根「ッ!」

冥土返し「そんなびっくりしないでくれ、私はただの医者だよ」

垣根「医者……俺は何の病気で──」

冥土返し「単刀直入に言おう、君は記憶喪失だ。それもかなり重度の、ね」

垣根「き、記憶……ぐっ!」

垣根(記憶喪失? 本当に俺は何も昔のことが分からねぇ。思い出すことが、思い出せる記憶が存在しねぇじゃねぇか! 分かるのは名前だけだ…)

冥土返し「思い出したようだね……まずは状況を整理して落ち着くことだ。幸い身体は平気だからね、君の幸運を祈るよ」

バタン
173 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 02:20:58.80 ID:+ZrWQHxR0

垣根(俺は……本当に記憶を失ったらしい……)

垣根(なぜ失ったのかも分からねぇし、聞いても話を逸らされる…)

垣根(そして、さっき神裂とかいう女は……俺が誰か分からなそうな顔をした時、すごい悲しんだ顔をした)

垣根(失敗だったな……どれくらいの関係かは分からないが、それでも友人だったんだ……悲しいに決まってる)

垣根(だからこそ、さっきの俺の行動は許せねぇ……他の人間にはそういう思いはさせないようにしよう)

垣根(俺は一体……誰なんだろうな)
174 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 02:24:37.32 ID:+ZrWQHxR0

神裂「……体調はどうですか?」

垣根(冷静に考えて見てみると、めちゃくちゃこの女、エロい格好してるんだが……へそと足ざっくり見えてるじゃねぇか)

神裂「どうしたんですか? じろじろ見て」

垣根「い、いや何でもない…」

神裂「なら良いんですけど……体調悪くなったりしたら言ってくださいね」

垣根「あぁ……」


垣根or神裂の台詞、話題など

↓2まででコンマの高いほう
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 02:52:17.26 ID:WDTqaYQuO
なんたその格好は?恥ずかしくないのか?
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 03:26:57.73 ID:Sveq3rMuo
インデックスはどうなった?
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 03:27:24.28 ID:Sveq3rMuo
あ、記憶喪失だった…ごめんなさい
178 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 03:48:14.03 ID:+ZrWQHxR0

垣根「なぁ……一つ聞きたいことがあるんだが」

神裂「なんでしょうか?」

垣根「その格好……恥ずかしくないのか?」

神裂「え……へ、変でしたか…?」

垣根「いや変っていうか……目のやり場に困るっていうか」

神裂(は、恥ずかしい……そういう風に思われていたなんて…)

神裂(でも、魔術的な問題でこの格好じゃなきゃいけないんです…)

神裂「それは……ごめんなさい…」

垣根「いや、俺のほうが悪かった。俺は人の服装にケチつけたいわけじゃないんだ。単純な疑問だから、あんまり気にしないでくれ」
179 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 03:55:20.21 ID:+ZrWQHxR0

垣根「そういや神裂……俺はいつ退院できるんだ?」

神裂「後二日ぐらいで退院できるみたいです」

垣根「そうか……そりゃ良かった。だけど俺はどこに帰れば良いか分からないんだが」

神裂「安心してください、私が分かりますから」

垣根「そっか……神裂が居て良かった」

神裂「そう言ってもらえただけ嬉しいです……今日はもう寝てください。また明日来るので」

垣根「あぁ…ありがとう」
180 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 03:56:33.40 ID:+ZrWQHxR0
関係性&好感度リスト(横の数字は好感度、50が標準、100が大親友、恋人レベル)

白井・・・殴り、殴られ(65)
佐天・・・気楽な友人(66)
杠・・・協力者(67)
黒夜・・・忠実な部下(73)
フレンダ・・・悪友(60)
清ヶ・・・それなり(58)
絹旗・・・知り合い(50)
神裂・・・恩義(65)
オルソラ・・・恩義(71)
御坂・・・知り合い(51)
御坂妹・・・好印象(56)
上条・・・知り合い(52)
ベイロープ・・・好印象(60)
初春・・・やや変態(66)
木山・・・借り(65?)
181 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 03:58:20.79 ID:+ZrWQHxR0
予定リスト
・なし

所持品
・銀のペンダント(特製)
科学サイドからの好感度の初期値に+1
・ロザリオのネックレス
5のつく日、三回行動
・常磐台の偽学生手帳
女装すれば警備員に止められずに常磐台に入れる
・金のドミノトロフィー
優勝の証。特に使い道はない気が…
・研究成果〜前編〜
・研究成果〜中編〜
・研究成果〜後編〜
・友好チケット×0
・約束チケット×3
・変更チケット×1
・クリティカルチケット×2
・邂逅金×2

・未元点12点
182 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 04:02:46.02 ID:+ZrWQHxR0

〜八月一日〜


垣根(そして、二日が経った……)

垣根(カエル顔の医者曰く、もう退院して良いらしい…)

神裂「準備は出来ましたか?」

垣根「ああ…」

神裂「大丈夫ですか? 歩けますか?」

垣根「口うるさい母親並に聞いてくるじゃねぇか」

神裂「は、母親って…」

垣根「何ショック受けてるんだよ……早く案内してくれ」

神裂「そうでした……行きましょうか」
183 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 04:12:53.87 ID:+ZrWQHxR0

〜道端〜


垣根「そういや……俺には家族は居るのか?」

神裂「いや分かりませんね。ただ同居人はいますけど……」

垣根「同居人?」

神裂「私も詳しくは知らないので何とも…」

垣根「そうか……そりゃ気をつけねぇとな…」

神裂「隠し通す、つもりなんですか?」

垣根「あぁ……本当ならお前にも嘘ついたまま暮らしたかったよ」

神裂「私は…大丈夫ですよ。それと、これあなたの携帯です。多分ですけど、それ見ればあなたの交友関係が分かるのではないでしょうか」スッ

垣根「さんきゅー」

神裂「そして、そうこうしてる内にあなたの家につきましたよ」

垣根「お…ここかよ……かなりデケェな……」

神裂「ですね」

垣根「なんか…緊張するな……」

神裂(垣根帝督が緊張している姿を見れて、嬉しいやら悲しいやら……ですね)


神裂の台詞選択肢
↓2まででコンマの高いほう

1、一人では誤魔化したりするのに不安かもしれないので、側にいましょうか?(居住イベ)

2、あなたなら大丈夫ですよ。最初は慣れないかもしれないですけど頑張ってください
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 05:28:52.14 ID:sI+3hXvm0
2
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 05:56:05.22 ID:945rnCmnO
1
186 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 13:55:10.28 ID:+ZrWQHxR0

神裂「一人では誤魔化したりするのに不安かもしれないので、側にいましょうか?」

垣根「あぁ……そうだな、少し頼みたいかもしれない」

神裂「お供しますね……家の鍵は、これだと思います」スッ

垣根「おう、じゃ入るわ」


家に入った垣根を待っていたもの(全員垣根が消えたの知ってる状態)

↓2まででコンマの高いほう
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 13:59:05.11 ID:/aWDSteLO
涙目で抱きついてくる杠と黒夜
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:05:26.00 ID:1uvHuOMjO
玄関で待ちくたびれたのか寝てるオルソラ
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:13:27.84 ID:lwqH8xp6o
オルソラさんのヒロイン力が黒林檎ペアを押し始めている
190 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 14:14:23.48 ID:+ZrWQHxR0

ガチャ

垣根「……ただいま」ボソッ

オルソラ「Zzz…」

垣根「寝てる……この金髪の綺麗な外人が同居人なのか?」

神裂「いえ、違うはずです…」

神裂(ローマ正教…? なぜこの家に……)

垣根「他にまだ居るのか、客人なのか……」

神裂「起こしてみては?」

垣根「まぁ、それもそうか……気持ち良さそうに寝てたから、起こすの悪いと思ったが、素通りも不味いかもしれないな」

神裂「しかし、彼女。なぜ玄関で寝ているのでしょう」

垣根「さぁな、何かが帰ってくるの待って──」

垣根(もしかして俺を待ってたのか…?)

垣根「いや、さすがにそんなわけはねぇか……おい、起きろ」トントン

オルソラ「ん…」


オルソラの反応
↓2まででコンマの高いほう
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:16:28.33 ID:lwqH8xp6o
お帰りなさいと言って抱擁
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:17:30.90 ID:hFFAsp6fO
↑+頭を撫でてくる
193 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 14:29:18.00 ID:+ZrWQHxR0

オルソラ「か……垣根さん!」グッ

垣根「!?」

垣根(急に抱きつかれたが……俺とこの女はどういう関係だ?)

垣根(あと関係ないけど、めちゃくちゃ良い匂いする…)

オルソラ「寂しかった…です」

垣根「お、おう…」

オルソラ「……垣根さん」ナデッ

垣根「ちょ、やめ…」

垣根(この雰囲気は何だ……頭撫でられるのとか、この年にもなると恥ずかしいっての)

垣根(神裂に助けてもらおう…)

垣根(神裂! 助けてくれ!)ジー

神裂(困ってるようですね……助けましょうか)
194 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 14:36:58.59 ID:+ZrWQHxR0

神裂「すみません。彼は今少し疲れてるので、その辺にしていただけませんか?」

オルソラ「あ……ごめんなさい。私、つい嬉しさのあまり……理性を失ってました。…あなたは?」バッ

垣根(はぁ、助かった…)

神裂「私は彼の友人です」

オルソラ「そうなんですか……垣根さんは…一体何をしていたのでございますか?」

神裂「それは……私からは言えませんね。本人から後で聞いてください」

オルソラ「なるほど……そうそう、垣根さん。他の皆もあなたをずっと待っていますよ……私だけが先に独り占めしては、杠さん達に怒られてしまうかもですね」

垣根(他の皆……?)

垣根(俺について全くわからねぇ…)


リビングに行った垣根を待っていたもの

↓2まででコンマの高いほう
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:40:21.54 ID:QTAfaTexO
ノートパソコンを開いて文字通り血眼になって垣根の情報を漁ってる初春
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:41:00.56 ID:pnHqRarbo
普通に泣いてる黒夜
197 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 14:49:19.89 ID:+ZrWQHxR0

黒夜「……何処…行っちまったん…だよ、リーダーぁ」グスッ

初春「黒夜さんも…泣くんですね」

黒夜「初めて…かもなぁ」

初春「こんな可愛い子……泣かせるなんて、垣根さんも罪ですね」

黒夜「お前だって……ずっとパソコンカタカタやってるじゃねぇか。ずっと…探してるんだろ?」

初春「……そうですね」

垣根(え…めちゃくちゃここに入って行くのきびしいんだが…)

垣根(こいつらの話によると……俺はこの家から消えたらしいな)

垣根(どういうことだ? この家の人間なんだろ?)

垣根(分からねぇことばかりだ…)


何て声かけるか
↓2まででコンマの高いほう
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:51:05.11 ID:Fe4wDiufO
ただいまかえったぞー、道に迷っちまってな…
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:57:45.99 ID:llWhnrEcO
元気にしてたかーと笑いながら
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 15:14:11.39 ID:y3ssqLl50
みんなゾロ目出すやん
201 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 15:15:56.27 ID:+ZrWQHxR0

垣根「よぉ、元気にしてたか」

黒夜「!?……え!? 嘘!?」

初春「垣根さん!!」

垣根「めちゃくちゃ驚くじゃねぇか」

垣根(当たり障りのないことしか言えねぇのが難しいな)

黒夜「よ、…良かった! 本当に良かったよ……」

初春「……あの、何処に行ってたんですか?」

垣根「それは……言えねぇな」

初春「杠さん曰く、自分のために、もう私達とはいられない、みたいなことを言ってたみたいですけど」

垣根(?……どういうことだ?)

神裂「そこまでにしてあげてください。今、彼は色々した後なので疲れてるんですよ」

初春「あ、そうでしたか……あなたは?」

黒夜「神裂……リーダーの友達だよ」

神裂「そうですね」

初春「へぇ、黒夜さんとも面識があるんですね……しかし、垣根さんの知り合いは美人ばかりですね」

神裂「確かにそうですね」

垣根(助かる、神裂)ボソッ

神裂(いえいえ、お安い御用です)ボソッ

初春「あと杠さん達や佐天さんにも会ってあげてください。話は後から聞くので」

垣根「おう…」


次に行く場所

1、杠の部屋(杠&木山)

2、初春の部屋(佐天)

↓2まででコンマの高いほう
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 15:21:04.61 ID:YnL1m15qO
1
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 15:21:25.99 ID:s5Ywe5+eo
1
204 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 15:27:12.73 ID:+ZrWQHxR0
ゾロ目が荒ぶっておられる


〜2F廊下〜


垣根「ここか……」

神裂「杠さんの部屋ですし…さすがに私はここで待ってますね。神裂が来てるとだけ教えてあげてください」

垣根「ああ、分かった」


杠or木山の反応
どちらもあれば、どちらもとります

↓2まで
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 15:37:16.27 ID:lwqH8xp6o
杠はタックルしながら飛び付いてくる
木山は結構落ち着いてて何してたのか聞いてくる
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 15:41:37.84 ID:6eVRnWqI0
杠が大泣きしながら抱きついてくる
207 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 16:12:35.73 ID:+ZrWQHxR0

ガチャ

杠「…!?」

木山「これは…」

垣根「よぉ…」

杠「が……がぎね゛ぇ!!」グスッ

垣根「うおっ……涙でぐしょぐしょじゃねぇか顔。服についちまうだろうが」

木山「許してあげてくれ。彼女は君が居なくなってから、ずっと体調を崩してたんだよ」

垣根「それは……悪いことをしたな」

杠「でも゛よがっだよぉ……」グスッ

木山「他の皆には会ったのかい…?」

垣根「いや…佐天?にだけ会ってない」

木山「そうか、なら会ってあげてくれ。余計な心配をしていたからね……杠、彼を離してあげてくれないか?」

杠「う……うん」

垣根「じゃあ、行ってくるわ」

バタン

垣根(しかし…一向に、なぜ俺が……家を飛び出したのか分からねぇ…)

垣根(それに何でこんなに女ばっかいるんだ……)

垣根(よく平気だったな昔の俺……EDとか賢者だったんかな)
208 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 16:17:04.49 ID:+ZrWQHxR0
〜2F廊下〜


神裂「どうでした?」

垣根「一向に分かんねぇや……色々な事情が」

神裂「わりと複雑みたいですね」

垣根「な。……最後は佐天とかいう子の部屋……いやあの花畑の女曰く、花畑の部屋にいるんだったな」

神裂「私はまた…待っていますね」

垣根「ああ」
209 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 16:25:02.11 ID:+ZrWQHxR0
佐天の台詞or反応

↓2まででコンマの高いほう
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 16:28:51.01 ID:lwqH8xp6o
自分が何かしてしまったと思い込んでおり、謝ってくる
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 17:29:17.42 ID:AzhxAXyCO
ビクッとしてからひたすら平謝り
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 17:33:31.67 ID:sI+3hXvm0
最初は平静を装って明るく応対するが、心配したことを吐露する
213 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 21:24:03.28 ID:ijJTaAle0

ガチャ

垣根「よぉ、デリカシーないがいきなり邪魔するぜ」

佐天「垣根さん!?」

垣根「まるで死人を見たような顔だな…」

佐天「私のせいですよね?……ごめんなさい!」

垣根「は?…何言ってんだお前」

佐天「だって…私がここに来てから垣根さんが居なくなったから…私のせいかな、って」

垣根(どういうことだ…? ここは寮みたいなもんなのか?……聞けば聞くほど分からねぇ)

佐天「だから…ごめんなさい。迷惑なら全然出てきます」

垣根「おいおい、違ぇよ。大体な…俺がいつそんなこと言ったよ?」

佐天「言ってないですけど……あまりにもタイミングが被ってたので」

垣根「そんなことは人生良くあることだ……だから、そんなこと言うなよ。俺はお前のこと嫌いじゃねぇよ」

佐天「ほ、本当…ですか?」

垣根「何でそんな不安そうなんだよ、自信持て」

佐天「なら…良かったです!」

垣根「しかし、お前は何で帰ってきたか、とか聞かないんだな」

佐天「だって、その言葉だけで私は満足ですから…!」ニコッ

垣根(へぇ…良い笑顔じゃねぇか)

垣根(やたらと…眩しく感じるな)

垣根(結局、今の俺には昔の俺が分からねぇ……適当な言葉を吐くしかない。嫌な話だ…)

垣根「そうか……ちょいやる事あるから戻るわ」

佐天「はい!」
214 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 21:27:20.89 ID:ijJTaAle0

〜2F廊下〜


神裂「どうでしたか?」

垣根「いや…余計分からなくなった…」

神裂「困りましたね……記憶が消えてしまったことを正直に話すこともありなのかもしれません」

垣根「正直に話す、ねぇ……」

垣根(どちらが正しいのか…俺には分からない……だから、今は決断できない)

垣根(情報が必要だ…)
215 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 21:28:35.86 ID:ijJTaAle0
次の一週間の杠の料理の出来

↓1のコンマ+20
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 21:29:19.63 ID:0GR+8u9Eo
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 21:30:03.61 ID:M3lLGbMMO
暑いので冷やし中華
218 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 21:33:50.93 ID:ijJTaAle0
夕食入ります。

料理コンマ表(83)

1〜50 何もなし
51〜70 次の日、好感度が1番低いキャラの好感度が上がりやすく
71〜85 次の日、三回行動可
86〜98 次の日、クリティカルが出やすくなる
ゾロ目 未元点2

↓1
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 21:35:24.19 ID:pnHqRarbo
ぞろ
220 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 21:58:43.72 ID:ijJTaAle0
〜ダイニング〜


初春「いやー、本当に良かったですね」

杠「よかった!」

木山「横の美人はどちら様…?」

神裂「えっと…私のことですか?」

垣根「お前以外に誰が居るんだよ…」

神裂「えっと…この人の友人です」

木山「あぁ、君の客人か……まぁ、だと思ったがね」

垣根「こいつはちょっと訳有で……まぁ、しばらく居てもらおうかな、と」

黒夜「訳有って?」

垣根「えっと…」


選択肢、垣根の台詞

1、こいつは俺のSP…的な?

2、こいつは俺の秘書…的な?

3、自由枠

↓2まででコンマの高いほう
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 22:01:24.57 ID:M3lLGbMMO
2
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 22:01:51.95 ID:pnHqRarbo
2
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 22:02:09.32 ID:VXZSqVBq0
お忍び中のお姫様
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 22:07:55.18 ID:UvGqKGOq0
追い付いた
面白いな応援してるよ
225 : ◆ocnT.96ZZU [saga]:2020/01/18(土) 22:13:00.90 ID:ijJTaAle0

垣根「こいつは俺の……秘書的な?」

佐天「なんで疑問系なんですか?」

垣根「秘書的な」

佐天「なるほど」

初春「秘書!…私も神裂さんみたいな秘書欲しいです!」

黒夜「お前は黙ってて」

木山「訳有ってほどの訳有じゃないじゃないかい?」

垣根「え」

垣根(特に驚かれない……)

垣根「まぁ、そうかもしれねぇな」

杠「ていうか、空き部屋ないよ?」

垣根「あー…ええと、それは……俺の部屋貸すよ、俺がリビングで寝て」

杠「え!?」

黒夜「嘘だろ!?」

垣根(やべ、ミスったわ)

垣根「なんだよ、その反応…」

杠「だって垣根…今まで誰も自分の部屋に人入れたことないんだよ?」

黒夜「そうそう…」

垣根(まじか…なんだよそれ! エロ本でも俺の部屋にはあんのかよ! やべ、どうしよ神裂)チラッ

神裂(分かりませんよ…)プイッ

垣根(こ、こいつそっぽ向きやがった…)

垣根(なんか…怪しまれないように言わねぇと…)


垣根の台詞
↓2まででコンマの高いほう

226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 22:15:13.34 ID:5VTR6tQ0O
こいつ(神裂)は特別だからな
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