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【艦これ】提督「クール鎮守府」
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47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/07(火) 21:30:12.54 ID:hh14aZY7O
>>46
これ見たい
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/07(火) 22:35:15.09 ID:BKatMshc0
三重士ならぬ三重死か...
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/09(木) 13:57:34.80 ID:ghXmI4pf0
このクール鎮守府にポーラを投入しよう(燃料投下)
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/09(木) 15:13:21.70 ID:5AcjpCwKO
提督は冷たい視線をご褒美と思えるようになるべき
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/09(木) 17:32:46.53 ID:HRgvFWP/0
新艦にクールな子がいたな
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 22:28:58.16 ID:nW/XQmMtO
レスありがとうございます。再開します
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 22:36:31.12 ID:nW/XQmMtO
コン、コン。
提督(はっ! いかんいかん、あまりの精神的ダメージに我を失っていた!)
提督「入れ」キリッ
??「失礼する」ガチャ
那智「提督よ、何かあったのか? なにやら叫び声のようなものが聞こえたが……」
提督(やっべ! さっきのを聞かれてたのか! 俺の馬鹿!)
提督(どうする? まさか妄想を繰り広げて悶え叫んでいたなどとは言えまいし……何か言い訳を考えねば!!)
提督「……問題ない。実は来週大本営で開かれる新年会に備えて、カ、カラオケの練習をしていたのだ」
提督(我ながら言い訳が苦しすぎる!)
那智「カラオケだと?」
提督「う、うむ。新年会の余興の一つとして、のど自慢大会が企画されていてな。私もそれに参加することになっている」
那智「……ふむ、そうだったか」
提督(うわぁ、絶対ドン引きされてるだろコレ)
那智(……大本営主催の新年会、か)
那智(となれば恐らく、元帥をはじめとした軍の要人も多数参加するはず。いくら余興とはいえ、無様な姿は見せられん)
那智(もし下手糞な歌声を披露してお偉方の機嫌を損ねたり、場の空気を白けさせようものなら、提督の人事評価にも悪影響を及ぼすだろう)
那智(――そして提督に対する評価は、この鎮守府に対する評価と同義)
那智(鎮守府の評価が下がれば、今後重要な任務や貴重な物資が優先的に回ってこなくなる可能性もある)
那智(まさか提督はそこまで考えて、歌の練習などという柄にもないことをしていたのか?)
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 22:44:27.06 ID:nW/XQmMtO
那智「……貴様は歌が得意なのか?」
提督「いや……正直、得意ではない」
提督(小学校での音楽の時間、歌のテストと称して皆の前で歌わされて大恥かいたっけ)ホロリ
提督(音痴なモンは仕方ないだろ……それに人前で歌うとかコミュ障にはハードル高すぎるわ!)
那智(やはりな。カラオケなどといった娯楽に疎いであろうことは、この男の生真面目な性格を見ていればよく分かる)
那智(恐らくは同年代の者たちが青春を謳歌している傍らで、娯楽に興じることもなく、ただひたすら勉学に励んできたのだろう)
那智(結果として、この若さで鎮守府の運営を任されるまでに至ったが、その反面“遊び”や“息抜き”といったものには慣れていないはず)
那智(しかし、宴会とはいえ今回のソレは職務の延長線上のようなものだ。慣れていないからという理由で断れるはずもないし、もし断ればそれだけで心証を悪くしかねん)
那智(不得手なことであっても決して手を抜かず、影で努力することで欠点を克服しようとするその姿勢……ふっ、悪くない!)
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 22:51:57.97 ID:nW/XQmMtO
那智「提督、新年会ということは当然酒も出るのだろう? 貴様はいけるクチか?」
提督「まぁ、それなりにはな」
那智「そうか、それは良かった。昔から酒の強い男は上司からも好かれやすいと聞く。いい飲みっぷりは見ていて気持ちがいいからな」
提督「そういうものか」
那智「うむ。それでだ……今夜あたり一杯どうだ?」
提督「……何?」
那智「なぁに、予行演習というやつさ。歌の練習もいいが、宴会のメインはあくまで酒だからな。今から肝臓を鍛えておくのも悪くあるまい」
那智「ついでに飲みの席での立ち回りや、酒に関する作法なども教えてやろう。覚えておいて損はないぞ?」
那智(歌については私も分からんが、酒に関してなら力になれる)
那智(今までこういった機会も無かったし、ここらで酒を通して友好を深めてみるのもいいだろう)
那智(……何より鎮守府の為に努力しようとしている貴様を、放ってはおけないからな)フッ
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 22:57:45.71 ID:nW/XQmMtO
提督(飲みのお誘い……だと?)
提督(いや待て、こいつも加賀たちと同じクール属性の艦娘。しかも、より軍人気質で気難しい性格をしている)
提督(酒の席とはいえ軽口を叩いたり、馴れ馴れしく接しようものならボコボコにされる未来しか見えない)ガクブル
提督(酔った勢いでボディタッチでもしてしまった暁には……ん? 待てよ……)
〜〜 提督妄想中 〜〜
那智『ふぅ……すっかり酒が回ってしまったな……』グデーン
提督『大丈夫か那智』
那智『なぁに、これくらい平気――っ!?』グラッ
提督『!? 危ない!』ガシッ
那智『す、すまん、少しよろけてしまったようだ……』
提督『気にするな。それより、その調子だとまともに歩けなさそうだな。どれ、部屋まで送っていこう』
那智『な…! い、いや、大丈夫だ。1人でも歩ける!』
提督『無茶をするな。転んで怪我でもされたら艦隊運営にも支障が出る。君はこの鎮守府で数少ない重巡洋艦なのだからな』
那智『……ふっ、そうか。ではお言葉に甘えるとしよう』ギュッ
提督『ああ、しっかり掴まっていろ。無事部屋まで送り届けてやる』
那智『…………提督よ、私が1人部屋なのは知っているな?』
提督『ああ、君の同型艦はこの鎮守府には未だ着任していないからな。提督としてすまないとは思うが』
那智『気にするな。確かに姉さんや妹たちに会えないのは幾分寂しくもあるが……今宵ばかりは僥倖だったかもしれんな』ボソッ
提督『? どういう意味だ?』
那智『……これから向かう私の部屋には私以外誰もいない。加えて、私は今とても酔っている』
那智『もし部屋で何かが起こっても、誰にも気付かれないし、私も明日には覚えていないかもしれない』
那智『貴様も男なら……わ、分かるだろ?』///
提督『……ふむ、そうだな。女性に恥をかかせるわけにもいかん。それに――』
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 23:04:34.33 ID:nW/XQmMtO
提督(それに酔っているなら何が起きても仕方ないよね!!!)ド-ン!
那智「提督、どうだ?」
提督(いくらクールとはいえ、酒に酔ってしまえばその牙城も崩れるはず……!)
提督(先ほど酒に強いかと聞かれた時、無難に『それなりには』などと答えてしまったが……実はかなり強いという自負がある)
提督(何せお前らとの付き合いでストレスを感じるたびに、夜中に1人でストゼロを呑みまくってたからなぁ!!)
提督「……せっかくのお誘いだ、私でよければ付き合おう」キリッ
那智「! そうか、そうこなくてはな! よし、今夜ばかりは私も飲ませてもらおう!」
提督(よっしゃ! 夢の一つでもあった『艦娘と居酒屋でワイワイ楽しく飲む』がようやく実現できる!)
提督(まぁウチには鳳翔さんがいないから居酒屋じゃなく食堂でだけどな畜生!)
提督(そして酔った勢いであわよくば……ぐへへへ)
提督(那智も酒の強さには自信があるようだが、所詮は女! 男より女の方が酒に酔いやすいことは医学的にも証明されている!)
※男より体重の軽い女性の方が血中アルコール濃度が高くなりやすいため、だそうです
提督(首を洗って……いや、夜に備えてもっと色んなところを洗って待っているがいい。酔い潰してやるぜぇ!!)
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 23:10:29.32 ID:nW/XQmMtO
―――その夜 食堂―――
提督(……ぅぐ、も、もう無理……)グデーン
那智「どうした? まだ瓶を8本しか空けていないじゃないか。その程度では上官の酒に付き合うことなどできんぞ!」ハッハッハッ
提督(く、クソが……こいつ酒強すぎだろ!)オェェ…
提督(瓶8本って、その2/3ぐらいは俺が飲まされてるし! なにが『お前の肝臓を鍛えてやろう!さぁ飲め!』だ!)
提督(これがアルハラってやつか……上司から酒を強要される新入社員の気持ちが分かったぜ。いや俺の方が上司なんだけども!)
那智「よし、次はこの『百年の孤独』を開けるぞ! さぁ飲め!」
提督(いやそれ度数40%超えのバケモンだろ! てかよくそんな高価な酒持ってんなオイ!)
提督(しかも『百年の孤独』って……あれか、一生独り身であろう俺に対する嫌味か貴様ッ!)
提督「い、いや、本当にこれ以上は……」
那智「何を言う! 意識がある内はまだいける! さぁぐいっといけ、ぐいっと!」
提督(それは俺に死ぬまで飲めということか? まさか酒の席を利用して嫌いな俺を消そうと……?!)
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 23:16:03.65 ID:nW/XQmMtO
那智(……さすがにそろそろ限界か)
那智(これ以上飲ませるつもりは無いが、上官から酒を強要された時のシチュエーションも経験しておくべきだろう。そしてその上手い躱し方もな)
提督(クソッ! 俺が何したって言うんだ!)
提督(一応真面目に仕事してるし、必死に戦術の勉強もして間違った指示を出さないよう頑張ってるだろ!)
提督(…………何だかムカついてきた)
提督(こいつ全然酔わねえし。顔も全く赤くなってねえし。酔いからのラッキースケベの一つも起こらねえし!)
提督(これ以上……これ以上、部下に嘗められてたまるかってんだよおおおぉぉぉ!!!!)
提督「貸せっ! 帝国軍人の意地と誇りを見せてやるッ!」パシッ
那智「あっ! 馬鹿! それ以上は――」
提督「うおおおぉぉぉぉ!!! 日本万歳ーッ!!」ゴクゴクゴクゴクゴク
――――――
――――
――
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 23:21:36.12 ID:nW/XQmMtO
加賀「……それで、その後提督は?」
那智「中身を飲み干した直後に倒れてしまってな……幸い命に別状はない」
那智「自室のベッドに運んでおいたから今も眠っているはずだ。酷い二日酔いは避けられんだろうがな」
那智は語った。
酔い潰れ、意識を失いながらも、決してその手は瓶を離そうとはしなかったと。
そこには確かに、帝国軍人としての意地と誇りがあったと。
そして、勇ましく一気飲みを敢行する提督の姿は、とても男らしかった、と。
那智(今回は悪いことをした……だがまたいずれ、共に飲もう、提督よ!)
※提督は酒に強くなるどころかトラウマで逆に飲めなくなりました
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/09(木) 23:25:26.61 ID:nW/XQmMtO
本日は以上です
新艦、クールな子が多くていいですね。一押しはアトランタちゃんです
また数日中に投下します。それでは
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/09(木) 23:29:00.47 ID:itpb0Lze0
どんどん提督の心がクールになっていく…
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/09(木) 23:30:39.85 ID:PnCpGJZN0
乙
これはどちらのコミュニケーション能力が悪いのかしら
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 00:01:38.47 ID:OdWGYOX/o
おつ
あと一言…あと一歩お互いに近づけば……
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 00:15:19.75 ID:fg0Wq+G70
>>>提督(那智も酒の強さには自信があるようだが、所詮は女!
それ以前に艦娘なんだよなあ… これは司令の落ち度ですね(キリッ)
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 11:58:16.90 ID:rTFKCsZL0
しおらしいタイプのクールな艦娘が来ただけでも関係性が瓦解しそうな危うさを感じる
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 13:39:05.78 ID:vyL9LB57O
クール系の艦娘て考えてみるとあんま居ないよな。
空母 は加賀、雲竜、アーク、グラーフ
戦艦は武蔵、長門、日向、ローマ、リシュ
重巡は那智
軽巡は矢矧、五十鈴、パース、アトランタ、龍田、木曽
駆逐艦は響、菊月、長月、弥生、不知火、磯風、時雨、霰、早霜、岸波、満潮、初月、若葉
潜水艦はユー、伊8、伊13
海防艦は対馬、石垣
その他、神州丸
こんな感じかな
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 15:08:58.18 ID:VZoSKpbGO
天龍ちゃんは?
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 15:29:30.97 ID:zAicCn0cO
珠ちゃんはキュートだろいいかげんにしろ!
間違えた天龍ちゃんはキュートだろいいかげんにしろ!
ぶっちゃけ二次創作のイメージしか無いから天龍はキュート枠にしか見えない
ウチの天龍は改にすらしてもらえない遠征要因なので毎日レイプ目で燃料集めしてます、多分精神ヤられてパッションと化してます
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 17:37:53.68 ID:FTVT9SjaO
駆逐艦に浜風、初風、マックスを入れ忘れたぜ。
天龍ちゃんはパッションやろ。
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 17:40:58.42 ID:9xXrRf+A0
あまり予想しすぎると
>>1
が書きづらくなるだけじゃないかなと思う
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 20:57:37.75 ID:dNMkjnjv0
>>67
雲龍と木曾を間違えてますぞ
一応つっこんでおく
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/11(土) 02:00:13.95 ID:U2EPOEbqO
変な読者ばっかり湧いてるなあ…
>>1
が筆を折らないか心配だ…
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 22:38:55.94 ID:URLZoglwO
少しですが投下します
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 22:45:37.48 ID:URLZoglwO
――那智との飲み会(?)から数日後――
提督(――先日の一件で二日酔いどころか五日酔いになってしまった俺は、長らく自室のベッドから出ることができずにいた)
提督(その間の執務は加賀と不知火、そして責任を感じたらしい那智がこなしてくれたようだが……)
提督(酒にかまけて仕事も碌にこなせないアル中野郎として、ますます失望されてしまったことだろう。泣きたい)
提督(それはさておき、数日の療養を経てようやく頭痛と吐き気から解放された俺は、久々に日光浴でもしようかと中庭まで足を運んだわけだが――)
不知火「………………」
響「………………」
弥生「………………」
霰「………………」
提督(――そこには、微動だにせず睨み合う駆逐艦たちの姿があった)
提督「何やってんだあいつら……」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 22:55:32.03 ID:URLZoglwO
不知火「………………」
響「………………」
弥生「………………」
霰「………………」
提督(一定の距離を保ったまま、まるで互いに牽制し合うように誰一人動こうとしない……)
提督(え? なに、もしかして内部抗争的な何か?)
提督(俺に対しては冷たくとも、仲間同士ではうまくやれてると思っていたのに……!)
提督(ど、どうする!? 上官として止めるべきか……でもあそこに割って入るのは怖いなぁ。だって空気がヤバいもん)
提督(――ええい、ままよ!)
提督「な、なぁ。君らはそこで何をしているんだ?」
4人「「「「………………」」」」シーン
提督(はいシカト頂きましたぁ!!)
提督「お、おーい……」
4人「「「「………………」」」」シーン
提督(あ、もうダメ。こんな幼い子たちからも愛想を尽かされるなんて無理。死のう)
提督(やっぱり五日間も酔い潰れてたからか!? 無理もない、酒に溺れて仕事をしないだなんて、典型的なダメ人間だし……)
提督(くっ、恨むぞ那智よ……! ベッドまで運んでくれたのは感謝してるけど! そのまま一緒に添い寝してくれたらなお良かったです!)
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 23:10:20.90 ID:URLZoglwO
弥生「………………」ピクッ
不知火「! 弥生、アウトです」
弥生「あっ、動いちゃった……」ガッカリ
提督(ん? これって……)
響「……不知火、司令官もいるし一旦中断しないか?」
不知火「……そうですね、では一旦やめにしましょう。霰も動いて大丈夫ですよ」
霰「んちゃ」スッ
提督「なぁ、もしかして……」
不知火「はい、『だるまさんがころんだ』で遊んでいました」
霰「……たのしかった」
提督「そ、そうか」
提督(なるほど、それで俺が話しかけても反応できなかったのか……っていやいやいや、なぜにそのチョイス?)
提督(ただでさえクールで無口な君らが『だるまさんがころんだ』って……)
提督(暗殺者同士が間合いをはかっているようにしか見えなかったぞ!)
提督(……とはいえ快晴の日に外で遊ぶというのは実に子供らしくていい。欲を言えばもっと微笑ましい絵が見たかったが……)
提督(――そうだ!)ピコーン!
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 23:18:18.04 ID:URLZoglwO
提督「……なぁ、もし良ければ私も混ぜてもらえないだろうか?」
弥生「えっ?」
不知火「司令が私たちと一緒に、ですか?」
響「お酒はもう大丈夫なのかい?」
霰「………………」
提督(予想はしていたがこの反応……)
弥生『え゛っ!?』(いい歳したおっさんが私たちと一緒に遊びたいって……)
不知火『司令が私たちと一緒に、ですか……?』(司令“ごとき”が私たちと一緒にですって?)
響『お酒はもう大丈夫なのかい?』(酒臭いのは勘弁してほしいな……)
霰『………………』(あまりの嫌悪感に絶句)
提督(――とまぁこんな感じか……分かってるよ畜生!)グスッ
提督(でもいいじゃん! たまには大人だって童心に帰りたいの! それに仲間外れはよくないと思います!)
弥生(司令官と遊ぶの、初めてかも……嬉しいな)
不知火(病み上がりであるにも関わらず、部下である私たちと交流を深めようとしてくださっている……)ジーン
響(体はもう大丈夫なのかな? 心配だ)
霰(…………んちゃ♪)
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 23:27:54.09 ID:URLZoglwO
不知火「……分かりました。私たちで良ければ一緒に遊ばせて頂きます。皆もそれでいいかしら?」
弥生・響・霰「」ウンウン
提督(ほっ、何とか仲間に入れてもらえるようだ。もし正面から拒絶されていたら追加で3日間は寝込んでいただろう)
提督(だが全員からの了承は得た。これで、これでようやく――)
提督(俺の野望の1つ、『駆逐艦の子たちに混ざって楽しく遊ぶ』が実現できる!!)ドーン!
提督(艦娘たちと楽しくお酒を飲むという夢は潰えてしまったが、あれしきのことでへこたれる俺ではない!)
提督(こちとら伊達に艦娘目当てで軍学校を首席で卒業してねえんだよ!)
※一刻も早く鎮守府に着任するため、めちゃくちゃ頑張った結果首席で卒業しました
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 23:34:23.93 ID:URLZoglwO
提督「よし、では何をして遊ぶ?」
提督(フフフ……いつかこんな日が来た時のことを考え、色々と案は用意してあるのだ)
提督(たとえば“鬼ごっこ”ならタッチという名目で体に触れても咎められない。追いかけている時にバランスを崩してイケないところにうっかりタッチしてしまうのは事故ですよね!)
提督(“花いちもんめ”なら合法的に手を繋げる。しかも両手! まさに両手に花! 勝てずとも嬉しい花いちもんめ!)
提督(何なら“おままごと”で疑似夫婦ごっこもアリだ! 遊びとはいえ駆逐艦に『アナタ💛』とか『パパ💛』と呼んでもらえる。犯罪臭マジパナイ!)
提督「特に案がなければ私が――」
不知火「司令、実は次の遊びは既に考えてあるのですが……」
提督(な、なにィッ!? お触りOKな鬼ごっこは? おてて繋いで花いちもんめは??)
提督(幸せ家族計画なおままごとは!? 俺の長年のプランを無駄にする気か貴様ァ!!)
提督(……い、いや。冷静に考えたらここで駄々をこねるのは大人げなさすぎる)
提督(いい歳した成人男性が子供たちに『やだぁ!おままごとして遊ぶのぉ!』なんてキモすぎて[
ピーーー
]る)
提督(ここは子供たちの意見を尊重し、それに快く付き合ってあげるのが大人の対応。それにまぁ駆逐艦と戯れられるなら何だっていいか)
提督「ほう、一体それはどんな遊びだ?」
不知火「はい、それは――」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/15(水) 23:36:53.66 ID:URLZoglwO
今回はここまで
次回も数日中の投稿を目指します
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/15(水) 23:37:48.04 ID:VLzCWmyJo
おつ
くおおいい引き
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/15(水) 23:40:19.23 ID:mMNBneuao
乙
次回提督死す
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/16(木) 00:02:38.21 ID:XYqeIsrZ0
乙 闇のゲームかな?
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/16(木) 05:24:05.18 ID:0pQULK1Q0
乙
「サッカーしようぜお前ボールな」と「缶蹴りしようぜお前缶な」的な
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/16(木) 05:24:16.36 ID:Nw1LM02M0
バトルドォォォォォォム!
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/16(木) 14:11:33.23 ID:Mjm38dFdO
おままごとしようぜ、提督ペットな
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/16(木) 17:16:47.16 ID:VLHDNKATO
それはご褒美です
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/17(金) 15:22:03.32 ID:pur53v8sO
気性の荒い雄犬だから保健所で去勢してもらわないとね
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/17(金) 16:48:59.36 ID:zICOOjAyO
駆逐艦が患者さんで提督は敗者さんのごっこ遊びだな
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/18(土) 09:45:39.21 ID:y3glHyhX0
お触り合法という路線で浮かぶのはツイスター
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/18(土) 18:32:59.68 ID:u6LA4RHY0
>>91
まあ提督の願望が一切叶うことがないからここまで拗らせちゃってるんだけどな...
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/20(月) 12:22:21.60 ID:8emohujro
>>90
敗者さんということは提督はトレーズか。
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/20(月) 14:18:39.56 ID:WTlkKh0Eo
>>90
ハァ…ハァ…敗北者……?
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/20(月) 14:47:46.46 ID:FlrBDfcxO
乗るな、アドミラル!
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/22(水) 08:30:26.34 ID:IHleDZxIO
敗者なら無意味だ無駄だ愚かしいの方だろ
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/22(水) 12:38:05.47 ID:1lU43ATsO
アドミラルT「これでも負け続ける戦いは得意でね!」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/22(水) 19:15:11.09 ID:Ko6WqlS50
しかし彼は提督負け戦なら百戦錬磨
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 22:55:17.90 ID:MrQCohZ+O
投下します
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 23:03:10.57 ID:MrQCohZ+O
弥生「――こちら弥生、北棟1階はクリア。どうぞ」
不知火『こちら不知火、たった今、資材倉庫の屋根に上ったところです。ココなら絶好の狙撃ポイントかと』ザザッ
弥生「了解……敵を発見次第、また報告するね」
不知火『了解』ザザッ
響「――こちら響、応答せよ」
霰『こちら霰……どうぞ』ザザッ
響「北棟1階の窓に人影らしきものを見かけた。恐らく敵チームの誰かだ」
霰『……どうする? 追う?』
響「いや、深追いは禁物だ。確認できた人影は1人分のみ。影の大きさから察するに駆逐艦……不知火か弥生のどちらかだろう」
霰『……人影は囮で、もう1人がどこかから狙ってる……?』
響「ああ。北棟周辺は遮蔽物が少ない。つまり周りからは狙撃し放題ってことさ」
霰『……じゃあ霰は、北棟周辺の狙撃ポイントを当たってみる』
響「頼んだよ。それから、不知火たちだけじゃなく司令官にも気を付けて。今回はいつもと違って三つ巴戦だからね」
霰『……了解』ザザッ
提督(…………なぜだ)
提督(なぜサバゲ―なんだッッ!?)
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 23:09:48.19 ID:MrQCohZ+O
―――20分前―――
提督「――サバゲ―、だと?」
不知火「はい、最近私たちの間で流行っていまして」
響「遊びながら戦闘の訓練にもなるし、一石二鳥というやつさ」
弥生「最初は怖いかもって思ってたけど、やってみると楽しい、ですよ……?」
霰「………」コクリ
提督(えぇ……)ドンビキ
提督(幼女が天気の良い日に4人集まって、やることがサバゲーかよ……)
提督(さっき暗殺者みたいだとこいつらのことを評したが、そのまんまじゃねえか!)
提督(……というかサバゲーじゃまともに触れ合えなくね?)
提督(そもそも顔を合わせることすらほぼ無いじゃん。顔を合わせた時はどちらかが殺られる時じゃん!)
提督(あれか? なるべく俺と一緒の空間にいたくないから、サバゲーという接触回数の少ない遊びを提案してきたのか?)
提督(それともサバゲーに託けて俺をKILLするつもりか!? エアガンと実銃間違えましたーとか言って!)
提督(……いかん、サバゲーだけは阻止せねば!)
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 23:19:00.16 ID:MrQCohZ+O
提督「……危険ではないか? BB弾を使うんだろうが、目に入りでもしたら大怪我だぞ」
不知火「ご心配なく。専用のゴーグルも用意してあります」
提督「だ、だが私はエアガンなど持っていなくてな」
響「私のを貸してあげるよ。趣味で何丁か持っているんだ」
提督「そ、そうだ! 鎮守府でサバゲーなんてしていたら加賀やグラーフに怒られて――」
弥生「この間サバゲーをしていたら、
『あら、面白そうね。今度混ぜてもらってもいいかしら』
『ほう、遊びにも戦闘訓練を取り入れるとは……日本の駆逐艦は勤勉だな!』
……って言われました」
提督「ぐっ! し、しかし……」
霰「……私たちと遊ぶのは、やっぱり嫌?」ウルウル
提督「よし、やろう」キリッ
―――回想終わり―――
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 23:27:32.47 ID:MrQCohZ+O
提督(……ともかく、サバゲーをすることになってしまった以上は仕方がない)
提督(仕方ない、仕方ないが……」
Aチーム:不知火 & 弥生
Bチーム:響 & 霰
Cチーム:提督(ソロ)
提督(なんで俺だけ単独チーム? なんで俺だけソロプレイ?)
提督(5人なら3:2で別れればいいじゃん)
提督(俺は大人だし、ハンデということで俺を2人チームの方に入れて、残り3人でチームを組めば……はっ!?)
提督(そうか! そうなると誰か1人だけが俺と2人1組のチームになる。それが嫌であっダメ泣きそう)
弥生「……ところで、どうして司令官だけ別チームなの?」
不知火『司令は大人ですし、優秀な軍人です。聞けば軍学校を首席で卒業したとか』
不知火『艤装を使った海上での戦闘であれば艦娘の独壇場でしょう。ですが、陸上での銃器を使った戦闘であれば、訓練を受けている司令に分があります』
不知火『故に、司令であれば1人でも私たち2人分に匹敵する実力を持っていると判断し、パワーバランスを考慮したうえで公平に決めました』
不知火『……それに、もし2:3でチーム分けをした場合、皆司令と一緒のチームになりたがって揉めるでしょうから』
弥生「……たしかに」
不知火『さて、雑談はこのぐらいにして周囲の警戒を―― !』
弥生「? どうかした?」
不知火『人影を確認しました。あれは……』
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 23:38:09.90 ID:MrQCohZ+O
提督(……くそっ、こうなりゃやってやる!)
提督(大人げなく自分たちに混ざろうとしてきた俺に対し、制裁を加えるためにサバゲーを選んだんだろうが……)
提督(だったら最後まで大人げなく、勝ちを狙いにいってやんよ!!)
提督(軍学校時代に陸上での実戦訓練を受けたこともあるんだ! 海ならともかく陸で小娘共に負けるわけ――がぁッ!!?)タァーン!!
提督(がっ……ヘッド、ショット……だ…と……?)ドサッ
不知火「――命中。司令の沈黙を確認」
弥生『……了解。容赦ない、ね』
不知火「ええ、遊びと言えどここは戦場ですので」
不知火(司令、申し訳ありません……ですが、貴方を尊敬しているからこそ、手加減はしませんでした)
不知火(部下に、それも駆逐艦に手心を加えられたと分かれば、失礼に値しますから……)
提督(……も、もう少し手心を加えてくれてもいいじゃん……)ガクッ
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/23(木) 23:40:54.04 ID:MrQCohZ+O
短めですが以上です
本当はサバゲー描写をもっと掘り下げるつもりでしたが……サバゲーもFPSも未経験の自分には無理でした;
次回も10日以内に更新できればと思っています。それでは
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/24(金) 17:51:33.69 ID:FIoi/GS50
サバゲーは索敵が重要だからね、そりゃあ目が多い方が勝つよね
索敵が重要なのは実戦もだけど
そこは海戦も陸戦も同じだけど
海戦オンリーとはいえ実戦経験豊富な艦娘四人を相手に陸戦とはいえ訓練しかやってない上多少なりともブランクあって的が大きく被発見率と被弾率が高い提督がソロって素直にイジメじゃないかな
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/24(金) 21:08:59.11 ID:edNXGQXgO
慕ってて尊敬してるのが裏目に出ただけやろ
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/24(金) 21:09:30.68 ID:edNXGQXgO
慕ってて尊敬してるのが裏目に出ただけやろ
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:25:42.63 ID:AkB5QNhUO
投下します
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:29:43.43 ID:AkB5QNhUO
チュン チュン
提督「――いい朝だ」
提督(今日は気分がいい……というより気が楽でいい)
提督(なぜかというと、加賀と不知火が不在だからだ)
提督(加賀は新設された遠方の鎮守府まで、実技指導のために出張中)
提督(不知火は昨晩から長距離遠征に出ており、加賀と同じく数日間は帰ってこない)
提督(と、いうことは――)
提督「――今日の執務は俺1人だああああぁぁぁぁ!!!」ッシャオラァ!!
提督(毎日毎日、朝から晩まであの2人と同じ空間に閉じ込められてみろ)
提督(一日中、書類にペンを走らせる音と、時計の針の音ぐらいしか聞こえないんだぞ?)
提督(会話も、談笑も、とLoveる的なハプニングも、ほぼ一切ないんだぞ!?)
提督(加賀からは『仕事が遅いですよ』と言わんばかりの無言の圧力をかけられ、不知火からは俺を射抜かんばかりの眼光を浴びせられ……)
提督(あんな空間で胃を痛めながら仕事をするぐらいなら、仕事量が増えたとしても1人で気楽に取り組んだ方がマシだ!)
提督(……まさか艦娘と一緒に過ごしたくないだなんて、少し前の俺なら考えもしなかっただろうにな)ホロリ
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:35:11.37 ID:AkB5QNhUO
提督「さぁーて、ラジオでも流しながら優雅にお仕事しますかね、っと!」ルンルン
提督「あ、そうだ! お歳暮で貰った羊羹も出そう。えーとたしかそこの戸棚に――」
コン、コン。
提督(? 朝っぱらから一体誰だ?)
提督「入れ」
グラーフ「失礼する」ガチャ
提督「グラーフ……? どうかしたのか?」
グラーフ「ん? 加賀から聞いていないのか?」
提督「加賀から? 何のことだ?」
グラーフ「本日は加賀と不知火に代わり、私が秘書艦を務めさせてもらう。よろしく頼む」ビシッ
提督(……は?)
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:40:06.86 ID:AkB5QNhUO
――
――――
――――――
グラーフ「………………」カリカリカリ
提督「………………」カリカリカリ
グラーフ「………………」カリカリカリ
提督「………………」カリカリカリ
提督(……気まずい)
提督(なんでもグラーフ曰く、加賀が出張に行く前に……)
加賀『3日ほど留守にしますので、その間の秘書艦業務をお願いできないかしら』
提督(と、気を利かせてグラーフに秘書艦代理を頼んでくれたらしい)
提督(…………嘘だッッ!)クワッ
提督(俺のことを毛嫌いしている加賀が、そんな気を利かせてくれるはずがない!)
※ご存知の通り、提督は艦娘たちに嫌われていると思い込んでいます
提督(……大方、補佐役ではなく監視役として派遣されたんだろう)
提督の想像する加賀『3日ほど留守にしますので……その間、あの無能が仕事を滞らせないよう見張っていてください』
提督(――ってな具合になぁ! お前らの考えは読めてんだよ!)
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:44:43.21 ID:AkB5QNhUO
グラーフ(………………)カリカリカリ
グラーフ(……秘書艦を務めるのは初めてだが、今のところ問題なく業務をこなせている……ように思う)
グラーフ(私を信頼して秘書艦を任せてくれた加賀のためにも、決してミスなど許されない)
グラーフ(……それに、Admiralに情けない姿を見せるわけにはいかないからな)フッ
提督(ちくしょう、せっかく1人で気ままに仕事するつもりだったのに……)
提督(これじゃあいつもと変わりないじゃないか!)
提督(そりゃあ秘書艦がいてくれた方が仕事は捗るが……代わりに俺の胃が犠牲になるんだよなぁ)キリキリ
提督(ドイツという国の国民性なのか、彼女は仕事や規則に対して非常に厳格だと聞く)
提督(もしラジオを聴いたり、羊羹を食べながら仕事しようものなら……)
グラーフ『Admiral、今は職務中だぞ。休憩時間まではあと53分41秒もある。分かったらラジオを止めてその菓子をしまえ』ギロッ
提督(なんてことになりかねん!)ヒィィィ
提督(それに今日この場で起こった出来事は、後日グラーフを通じて加賀の耳にも入るだろう)
提督(もしそうなればあとで加賀からも何を言われるか…………いや待てよ)
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:50:58.21 ID:AkB5QNhUO
提督(この鎮守府に着任してからずっと、加賀は秘書艦として俺の側にいた)
提督(だからこそ、本来ならば信頼関係を築けているはずだが……現実はその真逆だ)ガックリ
提督(あれだけ一緒にいても全く会話が弾まないし、彼女が笑っているところを未だに見たことがない)
提督(恐らく骨の髄まで俺のことを嫌悪しているのだろう。或いは完全に無関心なのか……言ってて悲しくなってきた)グスッ
提督(……だが、グラーフは違う)
提督(廊下ですれ違うたびに挨拶をしたり、朝礼や演習などで顔を合わせることはあるものの、一緒に過ごした時間は短い)
提督(それはつまり、お互いをまだよく知らないということだ)
提督(加賀にはすっかり嫌われてしまったが、グラーフとならまだこれから仲良くなれる可能性はあるはず……!)
提督(そして“監視役”として派遣されたグラーフは、後日加賀にこう報告するわけだ――)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グラーフ『秘書艦を務めてみて分かったが、Admiralはとても紳士的で誠実な男だったぞ!』
加賀『グラーフさんがそこまで言うなんて……もしかして私は提督のことを誤解していたのかもしれないわね』シュン
グラーフ『今からでも遅くはない。Admiralに少し歩み寄ってみてはどうだ?』
加賀『ですが、私はこれまで提督に冷たい態度を……』
グラーフ『フッ、Admiralはそんなことを気にするような小さい男ではないさ。何なら私が仲介役になろう』
加賀『グラーフさん……分かったわ。私、提督と仲良くなってみせます!』グッ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督(完 全 勝 利)
提督(いける……これはいけるぞ!)カリカリカリカリ!
提督(まだ俺の野望は潰えていない! むしろここからがスタートだ!)カリカリカリカリイィィィ!!
グラーフ(Admiral……何だか知らないが凄いやる気に満ちているな)
グラーフ(加賀と不知火が言っていた通り、仕事熱心な人だ)フフッ
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 19:56:11.51 ID:AkB5QNhUO
提督(となると問題は、どうやってグラーフと仲良くなるかだが)
提督(物で釣る……のは駄目だ。彼女のようなプライドの高い人物に対しては逆効果になりかねん)
提督(例えば秘蔵の羊羹で懐柔しようとでもしてみろ。きっと……)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グラーフ『こんな物で私を釣ろうとは……随分と安く見られたものだな』フン!
グラーフ『そもそも食べ物で懐柔しようなどとは、貴官は私を何だと思っているんだ!』プンスカ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督(……なんてことになるだろう)
提督(うん、物で釣る作戦は無しだな)
グラーフ(……先程から気になっていたが)
グラーフ(あの戸棚の隙間から見えている物……もしや噂に聞く“ヨーカン”ではないか?)
グラーフ(加賀の話では、日本が誇るスイーツの中でも一二を争うほどの美味だとか……)
グラーフ(……た、食べてみたい)ゴクリ
グラーフ(だが……)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督『何? あの羊羹を食べたい、だと?』
提督『……グラーフ、代理とはいえ今の君は秘書艦だ』
提督『勤務中に食欲を抑えられないとは、秘書艦としての自覚が足りていないんじゃないか?』ハァ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グラーフ(……真面目なAdmiralのことだ。きっと呆れられてしまう)
グラーフ(それに何より、食い意地の張った女などと思われるわけにはいかない!)
グラーフ(いかん! 邪念を捨て、執務に集中せねば……!)カリカリカリカリ
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:00:57.98 ID:AkB5QNhUO
提督(物で釣るのが駄目なら、とりあえず褒めてみるのはどうだろうか?)
提督(相手が誰であれ、褒められて悪い気のする人間はいないだろう)
提督(しかし褒めるにしても俺は彼女の内面をあまりよく知らない)
提督(となると必然的に外見を褒めることになるが……)チラッ
グラーフ「………………」カリカリカリ
提督(……うむ、やはりどこから見ても美人だ)
提督(容姿を褒められた経験も一度や二度ではあるまい)
提督(つまり安易に褒めようものなら……)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グラーフ『貴官も他の男と同じような台詞を言うのだな。いい加減聞き飽きたぞ』ハァ
グラーフ『そんなありふれた世辞で私の気を惹こうなどとは、所詮Admiralもその程度の軽い男だったか』フン
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督(……これも駄目だな)ウン
提督(そもそも俺は女性の扱いに慣れていない)
提督(童貞の考えた陳腐な誉め言葉程度では、気を良くさせるどころかイメージダウンになりかねん)←童貞
提督(うーむ……)チラッ
グラーフ「………………」カリカリカリ
提督(……しかしホント、見れば見るほど美人だよなぁ)
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:05:10.38 ID:AkB5QNhUO
グラーフ(……先程からチラチラとAdmiralの視線を感じる)
グラーフ(何だ? 私の顔に何か付いているのか?)
グラーフ(そ、それともどこかおかしいところが……!?)
グラーフ(くっ、秘書艦代理と聞いていつも以上に身嗜みに気を遣ってみたのだが……)
グラーフ(化粧の仕方がおかしかったか? それとも髪型がどこか崩れているのか?)アセアセ
グラーフ(だ、だらしない女だとは思われていないだろうか……)オドオド
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
提督『グラーフ、君は軍人や艦娘である以前に、一人の女性だろう』
提督『勤務中とはいえ、最低限の身嗜みぐらいには気を遣ったらどうだ?』ハァ…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
グラーフ(……などと言われたりはしないだろうか)オロオロ
グラーフ(これまで異性と関わる機会などほぼ無く、それゆえ自分の容姿を気にしたことも無かったが……)
グラーフ(わ、私の外見は異性から見てどうなんだ?)
グラーフ(Admiralは……私のことを女性として見てくれているのだろうか……)ソワソワ
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:09:29.46 ID:AkB5QNhUO
提督(……いかん、時間だけが無駄に過ぎていく)カリカリカリ
提督(黙々と仕事に取り組んでいる甲斐あって、執務自体は順調に進んではいるが……)
グラーフ(……ダメだ、せっかくの機会だというのに、無為に時間だけが過ぎていく)カリカリカリ
グラーフ(幸い執務自体は滞りなく進められてはいるが……)
提督「………………」カリカリカリ
グラーフ「………………」カリカリカリ
提督・グラーフ((…………と、とにかく何か話しかけてみよう!))
提督・グラーフ 「……グラーフ」「……Admiral」
提督・グラーフ「「!?」」
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:14:04.44 ID:AkB5QNhUO
提督「ど、どうかしたか?」
グラーフ「あ、Admiralこそ、私に何か言おうとしていただろう?」
提督「う、うむ。その、だな……」
提督(やっべ! なんつータイミングの悪さだよ畜生!)
提督(図らずもグラーフの言葉を遮る形になってしまった……しかも咄嗟のことで頭が真っ白になって何も台詞が思い浮かばねぇ!)
提督(こういう時リア充だったら、気の利いた言葉や場を繋ぐトークがすんなり出てくるんだろうが……)
提督(くそっ! 軍学校では武器の扱い方は習っても、女の扱い方までは習ってねぇんだよ!)グヌヌ
提督「あー……」
グラーフ「………」ドキドキ
提督「いや、何というか……その……」
グ ゥ 〜
提督「……………」
グラーフ「…………///」←腹の虫が鳴ってしまい赤面中
提督「…………その、羊羹でも、食うか?」
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:19:13.81 ID:AkB5QNhUO
――――――
――――
――
グラーフ「……美味しい」モグモグ
提督「……気に入ってもらえたようで何よりだ」
グラーフ「すまない……まだ執務も終わっていないというのに、こんな高級スイーツを頂いてしまって……」
提督「貰い物だし別に構わんさ。それに……本当のことを言うと、私も執務中に食べるつもりで取っておいたんだ」
グラーフ「何? そうなのか?」
提督「あ、ああ…………仕事中に間食を取るのは、感心しないか?」
グラーフ「フッ、それを言うなら今の私はどうなる」モグモグ
提督「そ、それもそうか……あっ、いや! 決してお前のことを感心しないなどと言うつもりではなくてだな……!」アセアセ
グラーフ「……ふふっ、分かっている。貴官でもそのように狼狽えたりするのだな」フフッ
提督「!」
グラーフ「しかし、このヨーカンというスイーツは本当に甘いな。コーヒーに合うかもしれない」
提督「……羊羹には日本茶がよく合うぞ」
グラーフ「ニホンチャ? ああ、グリーンティーのことか?」
提督「緑茶もそうだが、羊羹のような深みのある甘さには、渋みの強い煎茶や抹茶が合うらしい」
グラーフ「センチャ? マッチャ? ……ふむ、それは飲んだことが無いな」
提督「……よければ今から淹れよう」
グラーフ「!」
提督「羊羹と一緒に頂こうと思ってな、ちょうど煎茶を買っておいたのだが…………どうだ?」
グラーフ「……ふっ、ではお言葉に甘えて頂くとしよう」ニコッ
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:29:30.48 ID:AkB5QNhUO
グラーフ「」ズズッ
グラーフ「……ほぅ。なるほど、確かにこの渋みがヨーカンの甘味と引き立て合い、お互いがより美味しく感じられるな」
提督「良かった。あまり西洋では馴染みのない味だからな。口に合わなければどうしようかと思ったが……」
グラーフ「たしかに人を選ぶ味かもしれない。少なくとも、子供たちは苦手そうだ」ズズッ
グラーフ「……ふぅ」
提督(……なぜだろう)
提督(見た目はまるっきり外国人なのに、両手で湯飲みを持って茶を啜る姿に違和感を感じない)
提督(それどころか、普段は見せない穏やかな表情を浮かべて一息つく姿は、何だか様になっていて……)
提督「……絵になるな」ボソッ
グラーフ「!? ごほっ! ごほっ!」
提督「だ、大丈夫か!?」
グラーフ「ごほっ! ……い、いきなり何を言うのだ、貴官は」///
提督「す、すまん。気に障ったか……?」
グラーフ「……いや、気に障ってはいない、が……そんなことを言われたのは初めてだ」
提督「そんなこととは?」
グラーフ「だから、その……絵になるなどという浮いた台詞を、だ」///
提督「あ、ああ。あれはその、何というか……」
グラーフ「……貴官はもっと堅い男かと思っていた」ジトー
提督「……思ったことが勝手に口から出ただけだ。それを言うなら君こそ、もっとお堅い女性だと思っていた」
グラーフ「む? たしかに装甲は加賀よりも硬いが……装甲空母ほどではないぞ?」
提督「いや、そういう意味では……フフッ」
グラーフ「! Admiral、今笑ったか?」
提督「す、すまん。ついおかしくてな……不愉快であったのなら謝ろう」
グラーフ「……いや、貴官はもっと笑った方がいい。今のように、な」ニコッ
提督「………そうか」フッ
――――――
――――
――
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:36:20.58 ID:AkB5QNhUO
―――3日後―――
加賀「航空母艦、加賀。ただいま出張から戻りました」
不知火「同じく不知火、長距離遠征より帰投しました」
グラーフ「ああ、おかえり。2人とも長旅で疲れただろう」
加賀「ええ、少しばかり……けれどそれを言うならグラーフさんこそ、慣れない秘書艦業務でお疲れでは?」
不知火「遠征のためとはいえ、急に秘書艦を押し付けてしまい申し訳ありません」
グラーフ「なに、たしかに初日こそ覚えることが多くて多少苦労したが、2日目以降はこれといって苦にならなかったぞ」
加賀「そうですか。流石はグラーフさんね。貴方に秘書艦業務を任せて良かったわ」
グラーフ「ふふ、そう言ってもらえると私も鼻が高い」ンフー
不知火「……ところで、私たちが留守の間、司令とはどうでしたか?」
グラーフ「どう、とは?」
加賀「その……グラーフさんはあまり提督と話をしたことがないと言っていたから、気まずくはなかったのかと」
グラーフ「ふむ、まぁ……」
提督『……絵になるな』
グラーフ「……ふふ」
加賀「?」
グラーフ「いや、特に問題は無かった。Admiralのことも、少しだけ分かった気がするよ」フフッ
不知火「……何だかひっかかります」ジー
グラーフ「気のせいだろう。それより、何ならこれからも定期的に秘書艦業務を代わっても――」
加賀「そこ(秘書艦)は譲れません」キッパリ
グラーフ「そうか、それは残念だ」フフッ
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:42:28.56 ID:AkB5QNhUO
―――執務室―――
提督「………………」
グラーフ『貴官はもっと笑った方がいい。今のように、な』
提督(……自分でも驚くくらい、自然に接することができていたな)
提督(もしかしたら俺は、彼女たちのことを誤解していたのかもしれない)
提督(勝手に自分で壁を作り、被害妄想を抱いていただけなのではないか……?)
提督(……今日からまた加賀と不知火が秘書艦だ)
提督(グラーフの時と同じように、相手のご機嫌を伺おうとせず、自然体で接すれば……)
提督(もしかしたら……いや、きっと仲良く――)
バァーン!!
提督「!?」
加賀・不知火「………………」
ドアだったもの「」
提督「ふ、2人とも、長期の出張と遠征、ご苦労だった」
加賀・不知火「………………」
提督「きょ、今日からまた秘書艦として、よろしく頼む!」
加賀「……ええ、心配いらないわ」ムスーッ
不知火「……今後とも、ご指導ご鞭撻、よろしくです」ムスーッ
提督「あ、ああ……」
加賀「………………」カリカリカリ ←グラーフに焼きもちを妬いてモヤモヤしている
不知火「………………」カリカリカリ ←グラーフの嬉しそうな態度が引っかかってヤキモキしている
提督「………………」カリカリカリ ←2人の不機嫌そうな様子に胃がキリキリしている
提督(…………やっぱ気まずい)
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/27(月) 20:47:04.18 ID:AkB5QNhUO
今回はここまで
嫁回なのでいつもより多めの更新でした
次回はパッション鎮守府との演習回です
パッション鎮守府で出してほしい艦娘がいれば挙げていってください
ただ、なるべくパッション属性っぽい艦娘でお願いします
(明確な定義は無いので絶対にこの艦娘はダメ!ということはないですが)
下10レスの中から5〜6人ぐらい適当に拾います
それではまた
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:49:33.85 ID:GzI5AH8mo
乙
ポーラとか?
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:52:18.79 ID:bxeOBgyGo
乙でーす
伊19で!
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:56:22.13 ID:Q7rITiTq0
陽炎で
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:57:02.83 ID:pOArwOmJo
おつおつ
白露で
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:57:03.84 ID:TTLEP74Ho
乙乙
デロイテル
130 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 20:57:09.48 ID:dQl6FLPPO
アイオワはいけるかね
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 21:00:36.96 ID:Ifgwxkh0o
空母枠は…千代田とか
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 21:10:28.53 ID:A+HSgyMR0
乙
軽巡いないな、長良はどうでしょ?
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 21:11:25.27 ID:A+HSgyMR0
あ、デロちゃんいた…(スマヌ)
134 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 21:16:26.76 ID:lgBfbzhy0
体育会系なら大鳳
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 21:29:53.71 ID:hxm/FWxHo
乙
>>133
が無効ならギリギリまだ大丈夫かな
舞風ちゃんでお願い
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/27(月) 22:58:44.03 ID:FAXWS6J90
周りとの誤解が解ける前にグラーフと良い仲になりそうな雰囲気
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2020/01/28(火) 22:42:33.29 ID:6wugWPMJ0
??「
>>136
また仲間を失うのね……残念だけど仕方ないわね」
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/29(水) 00:10:31.86 ID:RaZHHozJO
ところで霧のヒュウガはパッションに含まれますか?
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/29(水) 14:00:43.27 ID:bU3TlsQko
姉のイセがパッションで妹はキュート
140 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/29(水) 21:43:56.63 ID:Oj3UBjnjO
>>1
です。レスありがとうございます
演習に参加できるのは6人までですが、せっかく書き込んでもらったので全員拾ってみます
今から設定を練るので時間はかかりますが、次回更新をお待ちください
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/29(水) 22:07:31.27 ID:iPUpGslWo
おっけーまってまーす
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/01/29(水) 22:29:41.76 ID:09t9Tw060
乙 無茶せずにね
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/31(金) 21:12:04.17 ID:k+CrdaI7O
冒頭が書き上がったので投下します
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/31(金) 21:22:44.59 ID:k+CrdaI7O
―― とある鎮守府 正門前 ――
バタン ブロロロロロ...
那智「……ふぅ、ようやく着いたか」
加賀「随分と時間がかかったわね」
不知火「仕方ありません。県を3つも跨ぐような距離でしたから」
グラーフ「しかしなぜバス移動なんだ? 私は一度シンカンセンとやらに乗ってみたかった……」シュン
霰「グラーフさん……元気、出して」
響「仮にも私たちは軍の最重要機密と同列の扱いなんだ。公共交通機関を使うわけにはいかないさ」
那智「それに、バスに揺られての長旅も悪くなかっただろう?」
不知火「フネである私たちがバスに乗って移動するなど、それだけで貴重な体験でした」
グラーフ「それはそうだが……ん? Admiralはどうした?」
不知火「司令ですか? そういえば姿が見当たりませんね……」キョロキョロ
提督「………ここだ」スッ
不知火「あっ、司令。一体どこに――ッ!?」ゾクッ
提督「………………」ゴゴゴゴゴ
不知火(こ、この気迫……司令に一体何が……!?)
那智(ほう……敵地に着いて早々、戦意に満ち溢れているようだな!)
グラーフ(いかん、今日は遠足で来たのではなかった……どうやら私は気が緩んでいたようだ)
加賀(さすがね、提督。ついさっきまで旅行気分でいた皆の気が引き締まったようだわ)
提督(………ぎぼぢわ゛るい゛)
提督(バス酔いして近くの茂みで吐いていたなどとは言えない……)
提督(う゛っ……イカン! 気を緩めたらまた吐きそうだ……!)
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/31(金) 21:35:05.23 ID:k+CrdaI7O
???「Hoi! 私たちの鎮守府へようこそ!」
???「待ってたわよ、不知火!」
那智「ん? どうやら出迎えのようだが……」
不知火「! 貴女は……陽炎姉さん!」
デ・ロイテル「長旅おつかれ〜。でもって今日はよろしくねっ!」キラッ☆
陽炎「久しぶりね! 元気してた?」
不知火「陽炎姉さんこそ、相変わらず元気そうですね」
グラーフ「なんだ、不知火と……えーと」
陽炎「陽炎よ。よろしくね、外人さん!」
グラーフ「ああ、よろしく。不知火とカゲロウは姉妹なのか?」
不知火「はい。私は陽炎型駆逐艦の2番艦で、姉さんは名前の通り1番艦です」
陽炎「以前は一緒の鎮守府に所属してたんだけど、転属やら何やらでここ数年は会えてなかったのよねー」ギュッ
不知火「……あの、姉さん。離してください」
陽炎「え〜、久々に会えたんだし、少しぐらいスキンシップさせてくれたっていいじゃない!」ダキツキ
不知火「はぁ……仕方ありません。少しだけですよ」
グラーフ(と言いつつ満更でもなさそうだな)フフッ
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/31(金) 21:43:41.51 ID:k+CrdaI7O
デ・ロイテル「ん? もしかしてアナタは……げげっ! あの時の重巡!?」
那智「そういう貴様は……たしかデストロイア、だったか?」
デ・ロイテル「デ・ロイテルよ! 駆逐艦でも怪獣でもないしっ!」
那智「あ、ああ。すまん」
デ・ロイテル「もうっ! ……けどいいわ。こうして再会したのも何かの縁よね。仲良くしましょ?」ニコッ
那智「……ふっ、そうだな。スラバヤでの戦いで連合軍の指揮を執る貴様の勇姿は今でも鮮明に覚えているぞ」スッ
デ・ロイテル「ほんと!? へへーん、そう言ってもらえると嬉しいわ!」ガシッ
那智「今日は貴様たちと戦えるのを楽しみにしている」ガシッ
陽炎「――ところで、貴方が不知火たちの司令官?」
提督「ああ……今日はよろしく頼む」ゴゴゴゴゴ
陽炎(す、凄い気迫ね……不知火にも負けず劣らずって感じだわ)
デ・ロイテル(やっばーい! 何だか怖そうな人かも……)
提督(……ダメだ、吐き気が収まらん)ゴゴゴゴゴ
提督(艦娘同士交流を深めるのは構わんが、とりあえず中に案内してくれ! でもって少し休ませてくれ!)ゴゴゴゴゴ
陽炎「た、立ち話もなんだし、とりあえず鎮守府の中を案内するわね!」
デ・ロイテル「じゃあ改めて――」コホン
陽炎&デ・ロイテル「「パッション鎮守府へようこそ!!」」
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