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【艦これ】提督「クール鎮守府」
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272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/21(月) 19:16:37.05 ID:787E8sYe0
>>271
>>196
の作戦もまだ未登場だしな勝機はかなりあるかと
273 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:10:13.80 ID:T3cUIjdxO
レスありがとうございます
少しではありますが投下します
274 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:13:26.76 ID:T3cUIjdxO
――
――――
大鳳(思った以上に、手強い……!)ギリッ
自身の艦載機がグラーフに迎撃されるのを感じ取りながら、大鳳は歯噛みしていた。
大鳳(これで5機目……明らかに撃墜される数が増している……!)
決してグラーフのことを侮っていたつもりはない。
確かに“あの”加賀に比べれば御しやすい相手だろうとは思っていた。それは認めよう。
しかし、決して油断や慢心はしていなかったはずだ。
大鳳(……いえ、心のどこかで私はグラーフさんのことを舐めていた)
大鳳(加賀さんならともかく、グラーフさんになら1対1でも十分に勝てるだろう、と)
その考え自体は決して間違っていたとは思わない。
旗艦のアイオワもそう判断したからこそ、グラーフの相手を大鳳1人に任せたのだ。
事実、つい先程まではこちら側が圧倒的に優勢であり、向こうは防戦一方だったはず。
それなのに、なぜ今になって戦況が拮抗し始めているのだろうか?
275 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:16:09.38 ID:T3cUIjdxO
大鳳(……なるほど、戦力を分散させたのはこの為でもあったというわけですか……!)
1ヵ所に固まっていては、砲撃や爆撃で一網打尽にされてしまう。
敵が3つの勢力に分散したのは、それを避けるためだと思っていた。
しかし、それだけでは無かったとしたら――
大鳳(さっきまでは加賀さんとグラーフさんが1ヵ所に固まっていたため、千代田さんの艦戦によるサポートを十分に受けることができた)
大鳳(けれど敵の空母2人が分散してしまったら、千代田さんは艦載機を異なる2つの方向に差し向けなければならない)
大鳳(そうなればどうしても、敵1人あたりに割ける艦載機の数は半減し、操作の精度も落ちてしまう……)
先程までは加賀とグラーフが同じ地点に密集していたため、1つの視界で2人を捉えつつ、全艦載機を1ヵ所に集中して送り込むだけで良かった。
しかし、2人が別方向に分散してしまった今。
加賀とグラーフの攻撃機を撃墜するためには、2つの視界でそれぞれ1人ずつを相手にせねばならない。
ゲームに例えると少しは分かりやすいだろうか。
1つの画面で2人の敵を相手に戦うのと、2つの画面を交互に見ながら1人ずつと戦うのと。
敵の人数は同じ2人であっても、どちらの方が戦いやすく、どちらの方が戦いにくいか、実際にやらずとも分かるはずだ。
276 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:20:07.48 ID:T3cUIjdxO
大鳳(それに恐らく、千代田さんの艦載機の数は半減どころじゃない)
大鳳(加賀さんの艦載機の数に対抗しようと思ったら、どうしても加賀さん側に割く艦載機の方が多くなってしまうはず)
加賀は圧倒的な搭載数を誇ることで有名な空母だ。
そんな彼女に対抗するためには、こちらもそれなりの数で迎え撃つ必要がある。
実際に大鳳の読み通り、千代田は全艦載機の内、約7割近くを加賀へ、残り3割をグラーフへ差し向ける形となっていた。
大鳳(つまり、演習序盤と比べたら千代田さんによるサポートが3割程度しか受けられないということ)
大鳳(そうなれば撃墜できる敵の数は減り、代わってこちらの被撃墜数が増えるのは自然なこと…………ぐぅッッ!?)ドゴォ!!
突如、大鳳の身に衝撃が走る。
気付けば上空にはグラーフの放ったと思われる爆撃機が旋回していた。
どうやら思考することに気を取られ、その隙に手痛い一撃を貰ってしまったらしい。
しかし、そこは流石に装甲空母。
持ち前の耐久と装甲の厚さにより、何とか中破一歩手前の損傷で持ちこたえていた。
大鳳(くっ、油断した!)ボロッ
大鳳(まさか、ここまで苦戦するとは……!)
確かに千代田のサポートが減ったのは痛い。
コンビネーションを前提とした戦術を取っているがゆえに、その戦力の低下ぶりは甚だしいものがある。
しかし、それでも。
当初、自身やアイオワがそう判断したように、例え1対1であっても決して後れを取るような相手ではないはず――
いや……もう、認めるしかない。
大鳳(グラーフ=ツェッペリン……貴女は、強い……!!)
――――
――
277 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:23:30.30 ID:T3cUIjdxO
――
――――
グラーフ=ツェッペリンが艦娘として2度目の生を受けたのは、今からほんの3年ほど前。
現在彼女が所属している鎮守府……ではなく、彼女の母国であるドイツの領海にて発見された。
かつて沈んだ軍艦たちが艦娘として転生する流れには、以下の2つが存在する。
1つは、各鎮守府の工廠で資材を消費して行われる『建造』
もう1つは、各海域で深海棲艦を撃破した際などに、どこからともなくその姿を現す『ドロップ』
グラーフはその内の後者であった。
『ドロップ』により発見された艦娘は、一旦その国の海軍や政府にて身柄を保護されることになっている。
グラーフもその例に漏れず、海上にて発見された後、そのまま海軍本部へと連れてこられた。
そうしてしばらくの間は軍や政府の管理下に置かれ、やがて配属先が言い渡されるのだ。
自身の今後が決定されるまでの間、グラーフの心の内にあったのは大きな期待と使命感であった。
かつての自分は未成艦として何の成果も残せなかったが、今の自分にはこの肉体がある。
手があり、足があり、声があり、何より――心がある。
今度こそ、この国のために。
そして護るべき人たちのために、人類の敵である深海棲艦と戦うのだ――
『グラーフ=ツェッペリン。貴艦に日本への出向を命ずる』
だからこそ、
そう言い渡された時の落胆ぶりは、筆舌に尽くしがたいものであった。
278 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:27:29.05 ID:T3cUIjdxO
地球の歴史上、ドイツほど戦禍に見舞われ、また逆に戦火を巻き起こした国は存在しないだろう。
先の大戦では多くの国を蹂躙し、多くの命を奪い、多くの悲劇を生みだした。
そんなドイツだからこそ。
それが例え表面的なものであったとしても、平和の訪れた現代において。
戦争や軍を連想させるものは忌避される傾向が強まっていた。
軍隊は大幅に縮小され、外敵と戦う牙を失った。
人々は軍事力よりも、経済力を求めるようになった。
時代の流れと言えば、そうなのかもしれない。
争いを嫌い、平和を愛することは決して間違っていないだろう。
だが、
戦うために生まれてきたグラーフにとって、日本への出向命令は 『お前はもうこの国には必要ない』 という、存在そのものを否定されることと同義であった。
そうして彼女は失意のまま、海を渡り日本へとやって来た。
言葉も文化も分からない異国の地。
かつての同盟国ではあるが、実際に日本へ足を踏み入れたことなどないし、日本人にも会ったことなどない。
聞けば日本も先の大戦の反省からか、軍隊が武力を有することに対して批判的な声が強いらしい。
ここでも、母国と同じように蔑ろにされるのだろうか。
役割を与えられないまま、倉庫の中で埃を被っていく運命なのか。
そんな不安と絶望に苛まれていた彼女が、日本で初めて出会ったのが――
加賀『――ようこそ日本へ。グラーフ=ツェッペリンさん』
世界最強の空母との呼び声も名高い、一航戦、加賀であった。
279 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:33:54.29 ID:T3cUIjdxO
加賀『何でも、赤城さんの設計を参考にして建造されたとか』
加賀『慣れない異国の地で戸惑うこともあるでしょうが、何かあったら案内役である私を頼ってください』
最初の頃は、気難しい人だと思っていた。
自分が言えたことではないが、常に表情は硬く何を考えているのか分からない。
喋り方も坦々としているため、何か質問をするたびに不機嫌にさせてしまったのではないかと不安になったものだ。
加賀『ドイツではビールが盛んだと聞きましたが……』
加賀『日本のお酒も負けてはいません。よろしければ1杯どうぞ』
だが、何度か接する内にそれは誤解であったことに気が付いた。
彼女は感情表現が苦手なだけで、本当は心優しい、思いやりのある人なのだと。
案内役を任されたから仕方なく……ではなく、本心からこちらのことを気遣ってくれているのだと。
加賀『――確かに、貴女は艦載機の搭載数が少ないかもしれません』
加賀『けれど、それがどうしたというのですか』
加賀『仮にこちらが敵の半数以下の艦載機しか扱えないとしても、こちらの1機で敵を2機撃ち落とせば、2倍の戦力を持つ相手とも戦えます』
加賀『……貴女に強くなりたいという意志があるのなら、協力は惜しみません』
搭載数の貧小さに一種のコンプレックスを抱いていた自分を励まし、稽古を付けてくれたのも他ならない彼女だ。
時には厳しく、時には優しく、航空戦の何たるかを一から十まで授けてくれた。
加賀『驚きました。貴女、空母なのに夜戦ができるのね』
加賀『でしたら艦載機の扱いだけでなく、砲撃についても学んでおくべきです』
加賀『やれることは全てやる。そうすれば、きっと貴女にしかできない、貴女だからこそできるような戦い方が見つかるはずよ』
空母だからといって艦載機を上手く扱うことだけに囚われず、様々な分野にも目を向けるべきだと教えてくれた。
こんな自分にもできることが……いや、自分にしかできないことがあるはずだと、新たな可能性を示してくれた。
未成艦で、何の武勲や戦果も無く、実力的にも未熟な自分の隣に、
歴戦の、輝かしい実績を持った、最強とも呼ばれる空母がいてくれる。
そのことが何よりも嬉しく、何よりも誇らしかった。
そして同時に、グラーフの中に新たな願いが芽生える。
ただ単に強くなるだけではない。
ただ単に功績を立てるだけではない。
この人に認めてもらいたい。
この人と背中を預け合って戦いたい。
この人をいずれ超えてみたい、と――
280 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:37:39.50 ID:T3cUIjdxO
グラーフ「――敵機撃墜! これで8機目だ!」
響「Круто!(すごい!)」
グラーフと大鳳の一騎打ちは、今や完全に互角の戦いになりつつある。
むしろ防戦一方の状態からここまで巻き返したことを考えると、勢いはグラーフの方にあると言っていいだろう。
グラーフ「このまま敵に接近するぞ! 後に続け!」
響「了解!」
劣勢になった相手が逃げ出さないよう、航空戦を繰り広げながらも徐々に距離を詰めていく。
もしここで大鳳を逃してしまったら、今度は別の味方が狙われるかもしれない。
或いは1対1で戦うことを不利だと感じ、再び千代田と合流されてしまったら先程のようにまた苦戦を強いられることになる。
自分たちがこの演習で勝利するためには、何としてもここで大鳳を倒しておかなければならない。
グラーフ(……とはいえ、序盤に艦載機の大半を堕とされてしまった)
グラーフ(このまま戦い続けた場合、先に艦載機が尽きるのはこちら側、か……)
グラーフ(ならばそうなる前に敵を追い詰め、撃破する!)
響「――見えた! 敵空母を発見!」
迫りくる艦載機の遥か向こう。
薄っすらとではあるが、水平線上に立つ人影を肉眼で捉えた。
ここまで接近してしまえば、自分たちが2人揃って返り討ちにでも遭わない限り、大鳳を逃がすことはない。
グラーフ「さて、そろそろケリを着けさせてもらおうか――!」
大鳳「……来なさい。全力でお相手しましょう――!」
――――
――
281 :
◆wI6nKiwnSc
[saga]:2020/09/23(水) 23:39:52.02 ID:T3cUIjdxO
今回はここまで
書き溜めて一気に投下するよりも、こまめに投下していきたいと思います
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/23(水) 23:42:01.92 ID:JDuprvM40
乙 そういえば加賀さん改二きたね
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/23(水) 23:51:37.85 ID:oBMjM4bbo
乙
改弐護って何だよ自衛隊とチンチンカモカモか?
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/09/26(土) 23:27:18.29 ID:U5Gjjsqfo
?
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/11/22(日) 17:34:02.85 ID:YQmwPygy0
2か月か...
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2020/12/27(日) 17:18:51.12 ID:G3JbR0YW0
もう続きを期待できそうにないかな…
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