環いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」

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1 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:09:39.80 ID:5yCClcPC0

いろは「うっ・・・。灯花ちゃん、こんなにたくさんの装置を果てなしのミラーズに運び込んでいたんだね・・・」

灯花「うん・・・。はーあ。この装置と魔法少女の魔法を使えば色んなことに応用ができるはずだったのににゃぁ・・・」

鶴乃「色んなことってなあに?」

灯花「例えば、高エネルギーの粒子同士を衝突させて超重力を生み出し、それで歪んだ時空連続体を、負の質量で安定させたワームホールで接続することができれば―――」

フェリシア「あっ? ・・・あっ??? なに言ってんだわけわかんねー! 日本語しゃべれよ!」

灯花「にゃーもうっ、なんでもないっ! 説明したところでどーせ凡人には理解できないよーだ!」

十七夜「おい、なんだその態度は。貴様の持ち込んだこの装置のおかげで羽根の力が制御できずに宇宙が崩壊しそうだったんだぞ。ちゃんと反省しているのか? それともまた尻を叩かれたいか?」

灯花「にゃ?! そ、それはもう何度も謝ったからいいでしょー! それより今は早く装置を運び出してよ。そこらをうろついている使い魔にもうすでにいくつか壊されちゃってるんだから、これ以上壊されたくないよ」

やちよ「はいはい分かったわよ。でもこの量は一度に全部は運びだせないわよ。何回かに分けないと。私たちが離れる間誰かが残って守っていた方がいいわ」

いろは「それじゃあ桜子ちゃん、ちょっとの間この装置を守っててくれる?」

桜子「 |分かった| 」

      < |・・・・ いろはっ| 

いろは「ん? 桜子ちゃん呼んだ?」

桜子「 |? ううん、私は呼んでない| 」

いろは「えっ、でも今桜子ちゃんの声がしたような・・・」


桜子?「 |・・・いろはっ| 」


いろは「・・・・えっ? あれ? ええっ?!」

桜子?「 |やっと会えた・・・いろは・・・| 」

桜子「 |うん? 私にそっくりな人がいる| 」

いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」





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2 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:11:03.53 ID:5yCClcPC0

やちよ「そりゃ二人にもなるわよ。果てなしのミラーズなんだから」

いろは「そ、そうですけど・・・」

桜子?「 |いろは・・・| 」ボロッ....

いろは「すごく傷付いてるみたい・・・。かわいそう・・・」

フェリシア「うわっ・・・。傷付いているってレベルじゃねーぞ・・・。服はボロボロで手足はバキボキに折れて、首は変な方向に曲がってるじゃねーか・・・。まるでゾンビだぞっ」

やちよ「不完全にコピーされたか、他のコピーと喧嘩でもしたんでしょう」

いろは「あのっ・・・。傷付いている桜子ちゃんが本物ってことはないでしょうか・・・?」

灯花「何言ってるのお姉さまっ。こっちの桜子は結界の外からずっと一緒だったでしょー」

桜子「 |うん。私が本物| 」

鶴乃「それじゃあ偽物は退治しようっ! 手負いの相手に攻撃するのは気が引けるけど・・・。所詮は偽物だし、容赦しないよっ!」グッ

いろは「あっ、待って―――」

鶴乃「ちゃっらぁぁあああ!!!!」ズバッ

桜子?「 |うるさい| 」 トンッ.....

鶴乃「へっ? あぎゃぁぁあああ?!!!」 (吹っ飛ばされ

やちよ「えっ?! 鶴乃っ?!」

鶴乃「うぐっ・・・」ドサッ.....

やちよ「鶴乃大丈夫?!」

鶴乃「うへへぇ〜・・・空飛ぶ豚さん・・・ぱーたぱた・・・あひゃは〜・・・」クラクラッ....

やちよ「ダメそうだわ・・・」


3 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:21:27.92 ID:5yCClcPC0

桜子?「 |いろは・・・・| 」ヨロッ......

いろは「えと、あの・・・桜子ちゃん・・・?」

桜子「 |桜子は私。あなたは偽物っ。偽物はそれ以上いろはに近づかないで| 」

桜子?「 |どいて| 」

桜子「 |どかない。いろは下がって。私が守る| 」

いろは「で、でも・・・・」

桜子「 |下がって!| 」

桜子?「 |邪魔・・・しないで・・・」

桜子「 |邪魔なのは偽物のあなたっ! やっあアアッ!」バッ

桜子?「 |どいて| 」トンッ......

桜子「 |っ?! ガッ・・・ぐ・・・| 」 .....ドサッ

いろは「桜子ちゃん?!」

フェリシア「お、おいっ?! クソッ! 調子乗りやがってこのヤロー! オレがぶっ飛ばしてやるー!」グッ

やちよ「ステイッ!」

フェリシア「ぐぁん?! なんでだよ!」

やちよ「冷静になりなさい。鶴乃や桜子さんを一撃で戦闘不能にしてしまうのよ。私たちじゃまともに戦っても敵わないわ」

十七夜「うむ。七海の言う通りだ。下手に仕掛けたら返り討ちに遭うぞ」

フェリシア「マジかよ・・・。じゃあどうすんだよっ!」

4 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:24:00.50 ID:5yCClcPC0

十七夜「なんとか会話で戦わないよう持っていけないだろうか。以前、自分は自分のコピーをそれで無力化させたことがあるぞ」

いろは「あっ、それじゃあ私が話してみます!」

十七夜「その桜子君は妙に環君に執着しているからな。分かった、環君に任せよう」


桜子?「 |いろは・・・| 」

いろは「ええと、桜子ちゃん・・・だよね? 桜子ちゃんは私たちの敵なの?」

桜子?「 |私はいろはの側にいたいだけ。それを邪魔するのは敵| 」

いろは「それじゃあ、私の側に居ていいから。みんなのことを傷付けないって約束して」

桜子?「 |いろはがそう望むなら約束する| 」

いろは「うん。約束だよ」


やちよ「うん? これで解決? なんかずいぶんあっさりね・・・」

いろは「あ、あのっ! この桜子ちゃんひどく傷付いていてかわいそうだから、治癒魔法をかけてもいいでしょうか?」

フェリシア「何言ってんだよいろは! そいつは桜子じゃなくて、鏡の魔女の使い魔だろ!」

灯花「傷付いた状態でもあんなに強い偽物を、治癒するのは危険だと思うよ、お姉さま・・・?」

やちよ「そうね。今は敵じゃないって言ってるけど、いつ裏切るか分からないもの。穏やかな味方のフリをしていきなり攻撃してくるコピーって、今までごまんといたし」

いろは「そうですけど・・・。でも、この桜子ちゃんは偽物って感じがしなくて・・・」

やちよ「そうなの? うーん、どうしたものかしら・・・・」

灯花「なーに、お姉さま、まだわたくしたちと一緒にいた桜子の方が偽物だって言いたいの?」

いろは「そういうわけじゃないんだけど・・・」

十七夜「ならばこの桜子君が本物かどうかを、自分が読心して確かめてみよう」ジーッ

桜子?「 |・・・・・・・| 」

十七夜「むっ・・・。これは・・・・」

やちよ「何か分かった?」

十七夜「う、うむ・・・。分かった・・・」

やちよ「やっぱり偽物だった?」

十七夜「いや。本物だ」

やちよ「えっ?」

十七夜「すまないが自分はそろそろバイトの時間だ。今日は失礼する」

やちよ「えっ? ちょ、ちょっと」

十七夜「七海、そこの狂犬を少しの間借りていいか?」

やちよ「あ、う、うん。いいけど・・・」

フェリシア「なんだよー。オレ、メイドなんてやりたくねーぞ」

十七夜「いいから来い」グイッ スタスタ

フェリシア「うあ!? 引っ張んなって!」


5 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:27:19.50 ID:5yCClcPC0

やちよ「十七夜・・・。行っちゃった」

いろは「えと・・・。十七夜さんが本物だって言ったってことは、この傷付いた桜子ちゃんは本物ってことですよね?」

やちよ「ま、まあ、そうなんじゃないかしら・・・」

灯花「なにそれー! いみふめー! 本物なわけないよー! だってさっき携帯端末で調べたけど、わたくしのサーバーと繋がってるのはこの傷付いた桜子じゃなくて、一緒にいた桜子の方だよー!」

やちよ「そうだけど、十七夜は嘘つくような子じゃないし・・・」

いろは「それじゃあ、治癒してあげてもいいですか?」

やちよ「あ、待って。念のため鶴乃と一緒に居た方の桜子さんを先に治癒してあげて」

いろは「そうですね。分かりました」 パァア

桜子「 |んっ・・・。ありがとういろは。良くなった| 」

鶴乃「んー・・・・・ふんっ! 元気全快万々歳!」

鶴乃「いやー効いたよさっきの技は! 軽く押されただけかと思ったら、体が全部すっ飛んで行っちゃってさ! 初めてだよあんなの! クウシンサイ先生の奥義みたいだった!」

やちよ「傍から見ててもそう感じたわ。桜子さんは、そんな漫画に出てくるような武術の奥義みたいな芸当はできるの?」

桜子「 |・・・一応、灯花のサーバーにそういったデータはある。ただ、非常に難易度の高い戦闘技だから、まだ私は体得できていない| 」

やちよ「そう・・・」

やちよ(この状況からどう考えても、傷付いている方がコピーの桜子さんよね。だけど、オリジナルより強いなんて、ミラーズカップの時の雫ちゃんのコピーみたいだわ。あの時と同じでみたまの特製オーブを使って強くなった・・・?)

やちよ(あるいは、あれは桜子さんのコピーじゃなくて、とてつもなく強い実力がある別の誰かのコピーなのかも。その誰かはレナみたいに別人に変身する能力を持っていて、たまたま今は桜子さんの姿に変身しているだけとか)

やちよ(ただ、十七夜は本物だって言うのよね・・・。どういうことなのかしら・・・・・)


6 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:28:58.08 ID:5yCClcPC0


いろは「傷付いている方の桜子ちゃんも治癒しますね」 パァア

やちよ「・・・・・っ」

やちよ(これだけボロボロの状態でも鶴乃を一撃で倒してしまうほどの強さなのに、治癒してしまったらどうなるのかしら・・・?)

やちよ(万が一私たちに襲い掛かってきたら全滅しかねない・・・。一応構えておこう・・・)グッ.....


いろは「うん、手足も首も、全部治ったね。調子はどう?」

桜子?「 |ありがとういろは。良くなった| 」

いろは「どういたしまして。だけど、ボロボロの服までは直せないから、とりあえず、私のローブを羽織ってて」ファサ

桜子?「 |分かった| 」

やちよ「ほっ・・・」

やちよ(大丈夫そうね)


灯花「ねー、お姉さま。そのコピーの桜子どうするの?」

いろは「側に居るって約束しちゃったから側に居ないと。だから、その・・・みかづき荘に連れて帰ってもいいですか? やちよさん」

やちよ「そうするしかないでしょうね」

灯花「ふーん・・・。わたくしは危険だと思うけどなあ・・・」

やちよ「そうだけど、鶴乃でも勝てない程に強い存在を野放しにしておく方が危険よ。仕方ないわ」

鶴乃「なはは〜・・・面目ない・・・」


7 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:30:32.71 ID:5yCClcPC0


灯花「それはそれとして、今は装置を運び出さないと」

いろは「そうだね。それに、今はあんまりここに長居しない方がいい気がする」

やちよ「これだけ強いコピーが出てくる可能性があるんだから」

いろは「はい、だからみんなで固まって外に出た方がいいですよね?」

やちよ「ええ、そうね」

灯花「えーっ? それだと・・・」

桜子?「 |一度で運びきれない灯花の装置は守ってなくていい?| 」

灯花「守っててよ! 使い魔に壊されちゃうんだからー!」

いろは「灯花ちゃん。装置より人の命の方が大切なの。分かるでしょ?」

灯花「桜子は人じゃなくてウワサなんだから別に―――」

いろは「灯花ちゃん! そんなこと思ってたら私怒るよ!」

灯花「うっ・・・。はい・・・ごめんにゃさい・・・」

やちよ「確かに桜子さんはウワサかもしれないけど、私たちの大事な仲間でしょ」

鶴乃「そうだよ。人かどうかなんて関係ない。仲間なんだから何より大切にしなきゃだよ」

灯花「あい・・・」

いろは「だから桜子ちゃん。ここで守っていなくていいよ。一緒に行こう」

桜子?「 |うん。ありがとう| 」


8 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:31:40.09 ID:5yCClcPC0

灯花「それじゃあ、少しでも多く持って帰りたいから、桜子二人も持てるだけ持って運んでよね」

桜子「 |分かった| 」 ヒョイ

桜子?「 |いろはの分は私が持つ| 」

いろは「えっ? でもそれじゃあ・・・」

灯花「ちょっとー! コピーの桜子! わたくしの話聞いてた?! 少しでも多くの装置を持って帰りたいから、お姉さまとは別の物を持ってよー!」

桜子?「 |いろはに負担を掛けたくない| 」

いろは「私は大丈夫だから、別の物を持ってあげて」

桜子?「 |いろはがそうして欲しいならそうする| 」 ヒョイ

灯花「むぅー・・・。なんでわたくしの言う事は聞かないで、お姉さまにだけ素直なのー? なんかムカツクー・・・」

やちよ(守るべき4人に執着するのが桜子さんのはずだけど、コピーの方はいろはにだけに執着しているわね)

やちよ(コピーされたときにウワサの性質が少し変わってしまったのかしら?)






9 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:33:33.79 ID:5yCClcPC0

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結界の外



やちよ「それじゃ運んだ分の装置は車に積んじゃいましょ」

鶴乃「ほーい。よいしょっと」

桜子「 |灯花、ここに置いていい?| 」

灯花「あっ、待って桜子。それは重ねて置かないで」

桜子「 |そう? じゃあこっちに置く| 」

灯花「ああっ、違うっ。そっちじゃなくて」

桜子「 |こっち?| 」

灯花「違うーっ! もう一人の桜子に言ったのー!」

いろは「あはは・・・。二人いると混乱しちゃうね」

灯花「にゃー! 紛らわしい! コピーの方には髪留めでおでこ出してそこに『コピー』ってペンで書いちゃうからねー!」キュキュ

桜子[コピー]「 |ん・・・| 」

いろは「あ、ちょ、ちょっと灯花ちゃん。ダメだよそんなことしちゃ」

灯花「お姉さまもこの方が分かりやすくていいでしょー」

いろは「それはそうだけど・・・。あー・・・しっかり書かれちゃった。帰ったら落としてあげるからね」

桜子[コピー]「 |うん| 」
10 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:35:03.57 ID:5yCClcPC0


 ......キィン

やちよ「・・・んっ?」

やちよ「・・・・・・」ジーッ

鶴乃「ふーっ。全部積み終わったよ」

いろは「やちよさん、行きましょうか」

やちよ「・・・・・・」ジーッ

いろは「やちよさん? どうしました? 向こうに何かあるんですか?」

やちよ「気配と魔力を潜めているようだけど、誰か居る」

いろは「えっ?」



     < やりますか?

     < 待って。情報に無い戦力がいる



いろは「あっ・・・。本当だ」

やちよ「多分魔法少女ね」

いろは「私は知らない魔力反応ですけど、心当たりありますか?」

やちよ「いいえ、無いわ」

鶴乃「わたしも知らない」

いろは「そうですか・・・・。ちょっと近づいてみますか?」


    < タッ タッ タッ タッ.......


いろは「あれ?」

やちよ「離れたみたいね」

鶴乃「追いかける?」

やちよ「やめておきなさい。何があるか分からないんだから」

いろは「なんか最近頻繁に感じません? 知らない魔力反応を」

やちよ「そうね・・・。多分神浜の外から来た子なんでしょうけど、ああやって姿を隠されたままじゃ何が目的なのか分からない」

やちよ「念のため、みんなには注意喚起しておきましょう。外に出るときはなるべく一人で行動しないようにって」

いろは「そうですね」






11 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:35:57.06 ID:5yCClcPC0

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みかづき荘



やちよ「ただいま」

いろは「ただいまー」

さな「あっ、いろはさん、やちよさんお帰りです」

やちよ「留守番ありがとう、二葉さん」

さな「いえいえ、そんな。・・・・あれ? 桜子さんもですか? んっ? おでこにコピーって書いてある? もしかしてミラーズのコピーの桜子さん?」

桜子[コピー]「 |ただいま| 」

いろは「ええとね、そうなんだけど、でも本物の桜子ちゃんでもあってね・・・。なんというか・・・。とっ、とにかくしばらく私と一緒に居ることになったの」

さな「はあ、そうなんですか。分かりました」


さな「それじゃあ、そろそろ晩御飯の準備しませんか」

いろは「うん。あっ、ごめんね、私ちょっと先にお手洗いに行ってくるね」

さな「はい、待ってます」

いろは「・・・・・」 テクテク

桜子[コピー]「 |・・・・・| 」テクテク



12 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:37:20.52 ID:5yCClcPC0

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トイレ


いろは「・・・・・」

桜子[コピー]「 |・・・・・| 」

いろは「・・・・・」

桜子[コピー]「 |・・・・・・・| 」

いろは「・・・・えっと。桜子ちゃん?」

桜子[コピー]「 |なあに?| 」

いろは「桜子ちゃんもお手洗い? 私待ってるから先にする?」

桜子[コピー]「 |ううん。そもそも私に排泄は必要ない| 」

いろは「そ、そっか・・・・」

桜子[コピー]「 |うん| 」

いろは「・・・・・・・」

桜子[コピー]「 |・・・・・・| 」

いろは「じゃ、じゃあ、私しちゃうから、待っててくれるかな?」

桜子[コピー]「 |うん、待ってる| 」

いろは「だ、だからっ・・・。おトイレの外で待ってて・・・」

桜子[コピー]「 |どうして?| 」

いろは「ど、どうしてって・・・。あのね、えっとね、トレイの個室は一人で入るのが一般的な常識でね・・・? 桜子ちゃんはまだ知らなかったかな?」

桜子[コピー]「 |知ってる。でも、私はいろはの側に居てもいいって、いろが私に言ったから| 」

いろは「だからってトイレの中までなんて―――・・・・あっ、うっ」ブルッ

いろは「トイレの前に立ったら緊張が解けちゃって・・・このままじゃ、も、もれちゃう・・・っ」

いろは「桜子・・・ちゃん・・・お願い、早く出て、よっ・・・」プルプル....

桜子[コピー]「 |私はいろはの側に居たい。ダメなの?| 」

いろは「ダメじゃないけどっ・・・今は―――・・・・ううっ、もうッ・・・」プルプル....

桜子[コピー]「 |私がいろはの側に居たら、いろはの迷惑なの・・・?| 」ショボン...

いろは「迷惑っていうか・・・。桜子ちゃんの方がイヤに思わない・・・? 私がトレイするところなんて見たくないでしょ・・・?」

桜子[コピー]「 |? どうして私がイヤに思うの? いろはの側にいられるのに| 」

いろは「うっ、くっ・・・わかった・・・! 桜子ちゃんそこに居ていいからっ・・・! だけど、せめて後ろ向いて耳塞いでてっ・・・っ!」

桜子[コピー]「 |うん| 」

いろは「・・・・っ」

いろは「んっ・・・・んっ・・・・ふっ・・・・」

桜子[コピー]「 |出汁巻き、アジのみりん干し、お味噌汁、納豆| 」

いろは「へっ?」

桜子[コピー]「 |匂いを分析した。健康的でバランスの良い食事をしているね| 」

いろは「〜っ!///// 鼻も塞いでっ!!////」

桜子[コピー]「 |両耳を塞いでいるから手が足りない| 」

いろは「いいから塞いでーっ!/////」

桜子[コピー]「 |そう言われても・・・。んっ・・・こうかな? んん・・・難しい・・・・| 」



13 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:39:33.77 ID:5yCClcPC0

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お風呂


フェリシア「ゔ―・・・・」

桜子[コピー]「 |いろは、背中流すよ| 」

いろは「ありがとう。あっ、そうだ、おでこのコピーの文字消さないとね」

フェリシア「だあーっ!! なんでオマエも風呂に入ってくるんだよ! 狭いだろ! 邪魔だ! 出ろよ!」

桜子[コピー]「 |出たくない。私はいろはの側に居たいから| 」

いろは「う、うん・・・。こう言ってるし、それに、おトイレに比べたらお風呂くらいならいいかなって思って・・・」

フェリシア「よくねーよ!」

フェリシア「せっかく今日はういがいないから、いろはと一緒に風呂に入れると思ったのに・・・。久しぶりに二人きりで遊んだりしたかった・・・」ブクブク....

いろは「フェリシアちゃん・・・。ご、ごめんね・・・。明日また一緒に入ろう。ねっ?」

フェリシア「明日になったらソイツいなくなんのかよ?」

いろは「うっ、う〜ん・・・・・」






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翌朝 神浜市立大附属学校
中学校の教室



先生「おーしっ、ホームルーム始めるぞー。みんな席に付けー」

ザワザワ.....

先生「おいっ、静かにしろー。・・・・あっ?」

いろは「ううっ・・・・・」

桜子[コピー]「 |・・・・・| 」

先生「え、ちょっと、そこの人? うちの生徒じゃないよね? なんでここにいるの?」

桜子[コピー]「 |私はいろはの側に居たいからここにいる| 」

先生「環の知り合いか?」

いろは「はっ、はい、そうです・・・」

先生「おいおい困るよ環。部外者を教室に入れてもらっちゃあ」

いろは「そ、そうですよね、ごめんなさい・・・。でもっ、あのっ、この子は授業の邪魔をしないので、ここにいさせてもらえないでしょうか?」

先生「いやいやダメだってー。放課後になるまで外で待っててもらってよ」

いろは「そこをなんとか・・・」

先生「あのなあ・・・・」


レナ「・・・・・・・ぷっ」

レナ(なにこれなにこれっ! ちょーシュールなんだけどっ! ウワサが堂々と教室にいて注目されてるw そりゃそうよっw ウケるw)

レナ(ひーっw も、だめっ、笑い声を我慢するのでお腹くるひぃwww)


先生「おいっ、水波」

レナ「あひゃい?!」ビクッ

先生「環と仲良かったよな。水波からもなんとか言ってくれよ」

レナ「うっ・・・・・」



14 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:40:40.99 ID:5yCClcPC0

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お昼休み


レナ「ってことがあってレナまでとばっちり受けたんだけどっ!」

ももこ「あはは・・・。そりゃ難儀だったな・・・」

いろは「ごめんねレナちゃん・・・・」

桜子[コピー]「 |私、いろはを困らせてる?| 」

レナ「物凄く! 半端じゃなく! 困らせてるわよ! バカッ!」

いろは「レナちゃん、そこまできつく言わなくても・・・」

かえで「桜子ちゃん、この前もここに来ちゃったことあったよね」

いろは「うん・・・。その時は叱って、次の日からはちゃんと南凪の学校に通ってもらうようにしたんだけど・・・」

レナ「今も叱りなさいよ!」

いろは「う、うーん・・・。どうやって叱ったらいいかなあって・・・」

ももこ「どういうこと?」

いろは「桜子ちゃんって今は二人いる状態なの。もう一人の桜子ちゃんは今日もちゃんと南凪の学校に登校してるから、こっちの桜子ちゃんに『南凪の学校に行って』とは言えないし・・・・」

いろは「それに、無理に私から引き離すとどうなるか分からないって、やちよさんに言われてて。この桜子ちゃんはミラーズで会って、しかも鶴乃ちゃんですら敵わないほどに強いから・・・」

ももこ「そっかあ・・・。こりゃあとんだ爆弾を抱えちまったかもなあ」






15 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:50:21.70 ID:5yCClcPC0

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放課後 みかづき荘



いろは「ただいまー」

桜子[コピー]「 |ただいま| 」

やちよ「おかえりなさい」

うい「お姉ちゃんおかえりー! あっ桜子ちゃんも!」

いろは「ういっ。先に帰ってたんだ。修学旅行楽しかった?」

うい「うんっ! すっごく楽しかったよ! いっぱいお話したいことがあるのっ!」

いろは「うん、聞かせて。桜子ちゃんもういのお話聞きたいよね?」

桜子[コピー]「 |あまり興味ない| 」

うい「えっ・・・・」ショボン.....

やちよ(この桜子さんはういちゃんにも関心が薄いのね・・・)

いろは「ああっ! うい気にしないで! お姉ちゃんはういのお話聞きたいなあ! 聞かせて! どんなものを見てきたのっ?」

うい「・・・う、うんっ。あのね、お城! お城がすごかったよ。中にも入れたの。中は歴史博物館みたいになってて色んなものが見られたの」

うい「縄文時代の土器とか、江戸時代の服とか、明治時代の食器とか! 時代時代で色も形も全然違うんだよっ」

やちよ「そういう歴史的な物を実際目で見ると、歴史って面白いって思えるわよね」

うい「うんっ! 人の歴史って長くてすごいんだなーって、感動しちゃった!」

いろは「色々見てきたんだね。何が一番印象に残ってる?」

うい「うーんとね。あっ、あれかなあ・・・」

いろは「あれ?」
16 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:55:37.91 ID:5yCClcPC0

うい「うん・・・。ちょっと悲しい事なんだけど・・・」

いろは「悲しいこと?」

うい「お城の昔の写真。写真の中のお城はすっごくボロボロになってた」

いろは「どうしてボロボロだったの?」

うい「昔、大きな戦争があって、その時に外から大砲をいっぱい撃たれたみたいなの」

うい「その戦争はお城を守るために、女の人も銃や長刀を持って戦って、多くの人が亡くなったって記録があって・・・」

いろは「どうしてそんな争いが・・・」

やちよ「戦争はね・・・正義と正義がぶつかって起きるのよ・・・。戦う人はみんな、命のため、仲間のため、故郷のために戦うから、多くの人が亡くなるまで終わらない・・・。本当に痛ましいわ・・・」

いろは「悲しいですね・・・・」

うい「うん・・・。明日香さんみたいな人が命がけで戦っていたかと思うと、とても悲しくなったよ・・・」

うい「それでね、その戦争ではお城の方が攻め落とされて降伏したんだけど、その時に生き残った女の人が歌を詠んだの。慣れ親しんだこの故郷が、明日からどうなってしまうんだろう・・・っていう、未来に対する不安の気持ちが込められた歌」

うい「その歌から気持ちが伝わってきて、わたしもすごく悲しくなっちゃった・・・・」

いろは「そっか・・・・」

うい「でもね、お城を出た時に良いことがあったよ。お城の周りは芝生の広場になっててね、近くの幼稚園から小さい子達がたくさん遊びに来てた。みんな、お花を探したり蝶々を追いかけたりしてて楽しそうだった」

うい「昔ここは砲弾や銃弾が飛び交う危険な場所だったのに、今は子供たちが自由に無邪気に遊べている。歌の中で詠まれていた、どうなるか分からない不安な未来は、こんなにも平和なんだって思ったら、わたし色んな気持ちがあふれ出てきて泣いちゃった」

やちよ「ういちゃん。それはういちゃんが優しくて良い子の証拠よ。その体験は今後の人生に必ず良い影響を与えるわ。貴重な体験ができたわね」

うい「うんっ!」

いろは「ういの今のお話を聞いていたら、お姉ちゃん星屑タイムビューワのウワサを思い出したよ」

やちよ「星屑タイムビューワのウワサ?」

いろは「自分の未来を見ることができるウワサなんです」

やちよ「えっ? そんなにすごいウワサがあったの? それでいろはは未来を見たの?」

いろは「はい。私が見た未来は、魔法少女が争わないで、キュゥべえとも和解して、誰も傷つかずみんなが笑顔でいられる、そんな未来でした」

いろは「私たちは、マギウスと戦争とも言えるような大きな争いをしたけど、これからは私が見た平和な未来に歩めるんだって思っています」

いろは「ただ、星屑タイムビューワのウワサが見せてくれる未来は絶対じゃないから、気は抜けないんですけども」

やちよ「ふふっ、大丈夫。私たちならきっと、いろはが願う平和な未来を築けるわ」ニコッ

うい「うんっ! 灯花ちゃんもねむちゃんも生き続けるって決めてくれたんだもん! がんばろう!」

いろは「うん、そうだね」



17 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 14:57:39.84 ID:5yCClcPC0

灯花「おじゃましまーす」

ねむ・桜子「お邪魔します」

みふゆ「やっちゃんただいまー。お茶くださいなー」

やちよ「あら、みんないらっしゃい。って、なんでみふゆはただいまなのよ。今は他の家に住んでいるんでしょ」

みふゆ「やっちゃんのいけずぅ・・・」

灯花「あっ、ういー。帰って来てたんだ」

うい「うんっ。みんなはどうしたの?」

ねむ「お姉さんがミラーズで桜子を拾ってきたと聞いてね。気になって様子を見に来たんだ」

うい「桜子ちゃんを拾った? ・・・あ、あれっ?!」

桜子「 |うい。修学旅行のお話を聞かせて| 」

桜子[コピー]「 |いろは。お茶淹れたけど飲む?| 」

うい「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」

いろは「あはは・・・色々あってね・・・・。あっ、お茶ありがとう」

灯花「桜子。わたくしとねむにもお茶淹れて」

桜子[コピー]「 |なんで?| 」

桜子「 |うん、いいよ。ちょっと待ってて| 」

灯花「ほら見たねむ? わたくしにはんこー的なんだよ、このコピー桜子」

ねむ「そうみたいだね。実に興味深い。桜子のコピーだと聞いたから、ウワサの内容に縛られて僕たち4人に執着するものと推察していたけど、どういうわけか実際はお姉さんにしか関心がないようだね」

ねむ「そもそも僕の本に記されていないウワサがこうして外で自由に歩き回っていること自体が摩訶不思議な現象だ」

灯花「お姉さまっ、この桜子と一緒に居て変なことされなかった? 迷惑かけられたりしてなーい?」

いろは「あー・・・えと・・・」

いろは「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

いろは「だ、大丈夫だよ?」

ねむ「随分間があった上に、表情が引きつっているよ」

いろは「あはは・・・・」

18 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 15:01:05.65 ID:5yCClcPC0

灯花「コピー桜子! お姉さまを煩わせないでー!」

桜子[コピー]「 |・・・・・| 」プイッ

灯花「にゃー! なにその態度?! ハラタツー!」

桜子「 |偽物、いろはに迷惑をかけないで。それと、いろはに近すぎる。いろはは嫌がってるから離れて| 」

桜子[コピー]「 |嫌がってない。いろはは私に側に居ていいって言ってくれた| 」

桜子「 |私だっていろはの側に居たいっ・・・!| 」ガシッ

桜子[コピー]「 |何この手は? また倒されたいの?| 」

いろは「わわっ! 待って待って喧嘩しないでっ!」

いろは「桜子ちゃん! あっ、えっと、ねむちゃんと来てくれた方の桜子ちゃん! ういがお話ししたいって言ってたから、聞いてあげてくれるかなっ? お願いっ」

桜子「 |・・・・うん| 」

ねむ「異様なまでにお姉さんに執着しているね。一体何のためにそうしているのか、何を考えているのか、皆目見当もつかないよ。だけど構わない。僕たちはそれを調べるために来たんだ」

いろは「調べる?」

灯花「そー! コピーの桜子は魔法少女のコピーと違って、ウワサのコピーでしょ。だからそのコピー桜子をハッキングしてその脳髄の中にあるデータをさらけ出させるのっ!」

やちよ「そんなことできるの?」

灯花「やってみせるよー。ハッキングで引っ張り出したデータをわたくしとねむで解析すれば色々と分かるはずだよ。うまく行けば、どういうプロセスでコピーが作られるのかとか、わたくしたちにもコピーの魔法が使えるのかとか、更には鏡の魔女の正体まで分かるかもしれない」

やちよ「鏡の魔女の正体もっ? もし本当にそれができればすごいことよっ」

みふゆ「はい。鏡の魔女の結界は、ワタシたちが見つけてから今までの長い間に、何人もの魔法少女が挑みましたが、結界の謎も、魔女の姿も未だに誰も突き止められていませんから」

やちよ「ええっ、そうよ。鏡の魔女の正体が分かるっていうのなら私も気になるわ。神浜に残っている危険因子を一つ潰せることにもなるし」

19 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 15:05:59.83 ID:5yCClcPC0

灯花「というわけで、お姉さま。そのコピー桜子にファイヤーウォールを張ったりとかの抵抗をしないよう言いつけて」

いろは「う〜ん・・・。そういうことしていいのかなあ・・・。プライバシーとかあるし・・・」

ねむ「偽物に配慮する必要なんてないと思うけど。お姉さんは何を逡巡しているの?」

灯花「お姉さまお願いっ。鏡の魔女の力を応用できれば、わたくしたちが目指している、自動浄化システムを世界中に広げる事に役立つかもしれいないのっ」

いろは「そう・・・? それじゃあ、桜子ちゃん、いいかな・・・?」

桜子[コピー]「 |いろはが望むならいいよ| 」

ねむ「お姉さんばかりに決断をゆだねて、君には自分というものはないのかい? まあいいよ、今はそれが好都合。灯花始めて」

灯花「おっけー。始めるよー」

みふゆ「その小さなノートパソコンでハッキングができるんですか?」

灯花「んーん。これはただの遠隔操作端末。ハッキングに必要な高速演算処理は、わたくしの部屋にあるサーバーでやるよ」

灯花「それじゃー、ハッキングかいしー♪」カタカタカタッターン!

桜子[コピー]「 |・・・・・・・| 」

灯花「くふっ♪ それそーれ、ごかいちょー」

灯花「・・・んっ? あれっ? なんかサーバーの反応が悪いにゃー・・・・」

ねむ「大丈夫?」



うい「それでねっ、お宿で出た郷土料理がとってもおいしかったの! 海鮮の出汁に山の幸が加わっててねっ」

桜子「 |うんうん| 」ニコニコ

うい「もう本当に楽しかった!」

桜子「 |ういが楽しいと私も楽しい| 」ニコニコ

うい「桜子ちゃんは学校どう? 観鳥さんとひなのさんとはお友達になったんだよね?」

桜子「 |うん。ひなのは忙しいからあまり一緒になれないけど、この前はたまたま時間があったから、令とひなのと私の三人でお昼を一緒したよ| 」

うい「楽しかった?」

桜子「 |うん。楽しかった| 」

うい「よかったねっ。どんなことお話ししたの?」

桜子「 |観鳥報とか化学実験の事か、あと香水の話| 」

うい「香水?」

桜子「 |うん。ひなのはとても良い香りのする香水を作れる。意中の相手もメロメロにできる香水も作れるって言ってた| 」

うい「なにそれっ、すごいっ! 欲しいっ!」

桜子「 |いろはやういはそう言うと思って、香水を分けてもらようお願いしたけど、そう簡単には渡せないって言われた。本当に特別な香水だから、意中な人ができた時にはあげてもいいって| 」

うい「そうなんだっ! 覚えておこうっと」

桜子「 |そうだね。・・・・ん?| 」

うい「桜子ちゃん? どうしたの?」

桜子「 |急に灯花のサーバーとの接続が切れた| 」

うい「えっ?」



灯花「にゃ? なんでっ? わたくしのサーバーからの応答がないっ」

ねむ「どうしてそうなったの?」

灯花「ちょっと待って、応答が無くなるまでのログを見るから」

灯花「えーっと・・・・。えっ、うそっ、そんにゃ・・・・。CPUがオーバーフローしてる・・・。サーバー壊れちゃったかも・・・・」

ねむ「ちょっと待って、それは一大事じゃないの? 灯花のサーバーには大事なデータが山ほど記録してあったはずだよ」

灯花「データは大丈夫だよ。別の場所にバックアップしてあるから」
20 : ◆LXjZXGUZxjdx [sage saga]:2019/12/01(日) 15:08:17.66 ID:5yCClcPC0

ねむ「そうかい。それなら安心したよ」

灯花「ぜんっぜん安心じゃなーいっ! あのサーバーを構築するのにものっすっごいくろーしたんだよー! こんなことってあるーっ?! にゃーもーっ!」

やちよ「よくわからないけど、結局鏡の魔女の正体は分からずじまいってことね」

みふゆ「そうみたいですね。やっぱりそう簡単にはいきませんね」

灯花「いやまだっ、なんとか復旧させるからっ、ちょっと時間ちょーだいっ。わたくしはまだ負けてないっ、天才はこんなことで諦めないんだからーっ」カタカタ

ねむ「時間かかりそうだね。やちよお姉さん、しばらくここに居てもいい?」

やちよ「うちにいるのはいいけど、あんまり遅くならないようにね。あなたたちのご家族が心配するから」

ねむ「ありがとう」

みふゆ「それじゃゆっくりしましょー。やっちゃーん、お茶―」

やちよ「はいはい、しょうがないわね」

やちよ「あっ、そうだ里見さん」

灯花「にゃーにー?」

やちよ「ちょっとついでに見てほしい機械があるのだけど、いいかしら?」

灯花「うんいいよー。ちょっと勉強すれば機械の事はなんでもわかるから」

やちよ「ありがとうね。持ってくるわ」

みふゆ「お茶・・・・」


---------------


やちよ「里見さん、この機械なんだけど」

いろは「わっ、すっごい大きなCDですね」

うい「えっ、なになに? ほんとだっ、おっきい!」

灯花「うーん・・・? それは多分CDじゃなくて」

桜子「 |アナログレコード。CDが普及する以前に一般に広く使われていた音声記録媒体| 」

灯花「ああやっぱりそうにゃんだ。知識はあるけど見るのは初めてだよ」

うい「へー! 昔はこれで音楽とか聴いてたんだ」

やちよ「ええそうよ。こっちのプレイヤーにこのレコード盤を置いて、針を当てて音楽を聴くの。昔はうちのおばあちゃんがよくこれで音楽を聴いていたわ」

灯花「随分年代物だねー。やちよお姉さまはこのプレイヤーの使い方が知りたいの?」

やちよ「いえ、使い方はおばあちゃんに教えてもらったから私でも分かるわ」

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