【安価】受付嬢「ふーん、あなたが新人冒険者?」

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403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 19:28:17.72 ID:dDu5LYlk0
勇者……お前を潰すために来たんだよ
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 19:29:25.77 ID:dDu5LYlk0
勇者→男でお願いします
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/21(火) 20:35:53.06 ID:SHk9rhhL0
老人「男......お前を潰すために来たんだよ」

男「いいだろう、そこまで多くの因縁を負った覚えはないがな」


彼は御者に手で合図を出し、その合図で客車は再び隣街へと向かった


老人「ケケケ......お目付けは要らぬと申すか?......まぁいいが」

男「お前が俺に挑むなら、俺が相手をする。別に不思議なことでもあるまい」

老人「ック、ケケケケケ!お主、なかなか祖父に似たようだ」

男「あの人の知り合いか......一筋縄じゃいかなそうだ」
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 20:49:02.07 ID:PcNDCnfC0
老人「むむむ......」


彼は魔法の詠唱を始める
最近の魔法使いは素早い詠唱を軸とする者が多い
しかし彼は早くはないが、着実に詠唱をするタイプのようだ


男「トロいぜ!」


素早い相手にはレイピアを使うのが有効だ
しかしそれでは一撃の威力が低い
多少相手を傷つけることになっても重い一撃が必要だった

故に彼は大剣を振りかぶる


老人「......!」


詠唱が終わった


>>408...魔法の効果
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:53:58.11 ID:7Abe4uXl0
ソードブレイカー
剣という概念を持つ武器による攻撃では一切のダメージが与えられなくなる
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/22(水) 20:55:08.73 ID:sYWPM8VR0
呪い解除
呪いを解除する魔法
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:55:30.79 ID:dMNJMNto0
物質透過
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 21:33:08.45 ID:+pCBITef0
彼の一撃は性格に老人を叩き斬った


男「ふん」


しかしその一撃は老人を殺しきるには至らなかった。そして____


???「全く、甘んじて攻撃されてやる程隙を作らねばならぬとは......」

男「!?お、お前は一体......!」


もはやそれは老人ではなかった
刃の深く刺さったその体は光沢ある緑色をたたえている
顔も若返り、より邪悪なものとなっている


???「はぁ!」

男「うっ!?」


それが咆哮すれば、大剣も彼も吹き飛ばされてしまう
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 08:03:31.35 ID:suBHuTtDO
緑色…ピッコロ大魔王かな
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 22:36:11.08 ID:QCuBn4JV0
虚空を見つめるように虚だったその鉛には情熱の火が灯った


古将「我は古将!古の王に仕える最大の忠臣である!」


彼はどこからともなく大きな薙刀を取り出す
そのまま突撃し、薙刀を振り回す


男「まだまだトロいぜ!」


薙刀による攻撃は強烈な刺突と強い力での振り上げや振り下ろしだ
どちらもガードを破壊したり捲ったりするような強力な攻撃である
男はそれを知っているので、回避に専念している
威力は高いが長物なので攻撃の速度は大してなく、軌道も直線的にならざるを得ない


古将「流石だな......しかし!これを避けきれるかな!?>>413
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:37:46.53 ID:c6Lgw1r4o
薙刀を地面に叩きつけて全方位の衝撃波攻撃
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:40:03.41 ID:Hqk/YdMI0
薙刀を分離させて二刀流に
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:40:24.15 ID:IKsiBe/Q0
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/25(土) 22:33:33.63 ID:H64sPOy80
古将「両面蛇式!」


薙刀を分離させ、二刀流の構えになる
そこから放たれる斬撃は空を切る速度だ


男「く......速い!」


盾を持たない彼にとっては、速度で上回る敵はまさに天敵だった
弾き飛ばされた剣を拾う間もなく攻撃されるので、後手に回ることもできない


古将「ふははは!愚かな若造が我を倒せるとでも!?」

男(確かに奴は速い。だが......視ることはできる!)


彼はレイピアで片方の薙刀を弾き、もう片方の薙刀は回避した
速度で勝る相手への弾きは高等技術であり、集中を必要とする
しかしながら彼は認識外を『視る』力を付けていた
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/25(土) 22:34:42.65 ID:H64sPOy80
すみません>>413でした。申し訳ございません
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/25(土) 22:39:44.85 ID:H64sPOy80
古将は地に薙刀を打ち付ける
その瞬間、強烈な衝撃波が起こる


男「くっ......!?」


衝撃波により、全身の骨が揺さぶられるようなダメージを負う
だが何よりも恐ろしいのは全身が痺れ、言うことを聞かなくなるという第二の効果だった


古将「ふははは!もらったぞ!」

男「*極小風魔法*!!」
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 23:27:05.80 ID:pT2FJd100
巻き起こした風は彼の体を反らした
しかし、薙刀の一撃は避けきることはできなかった


男「ぐああっ!」

古将「......落ちたものよ」

男「......だが、お前のその傷は落ちた奴によるものだぜ」

古将「そうとも、だが!証人はお前だけだ!」


再び大きく薙刀を振りかぶり、衝撃波の構えだ
彼はそれを避けようともせず、ポケットから魔石を取り出す
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 20:50:14.76 ID:Gn3JL+3F0
男「*大地制御*!」

古将「ぬぅあああああ!」


大地が鳴動するのが分かる
なぜなら、唯一彼の立つ地のみ微動だにしないからだ


男「お前にも俺の気持ちを味わってもらおうか!*吸収*!」

古将「何!?」


薙刀を振り切って油断したその足元が地に沈む
砂のようになった大地が古将を飲み込む
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 20:31:58.56 ID:sVLSMYJX0
古将「ぬうっ!?」


胸部まで沈み、脱出を試みる
その内に彼は大剣を回収する


男「ちょっと沈めすぎたかな?まぁいい」

古将「貴様何を......!?」

男「さあな。だが俺の爺もこれができたはずだ、この技を知らぬということはお前はその程度ということ」

古将「我を愚弄するか」

男「そうだ。お前は『黄泉』を遡って甦ったんだろう?」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 19:50:18.28 ID:3Irjw02G0
古将「......そうだ」

男「俺は俺として戦ったが、どうやら俺の爺はお前と『剣士』としてしか戦わなかったようだ」

古将「我は......」

男「何が忠臣だ。お前は古の王の足元にも及ばない」

古将「殺せ」

男「断る。お前はこのまま沈めて地中に封印してやる」


彼がそう告げると、古将の体は地中へ落ちていく
無様な断末魔があまりに聞き苦しいので、穴はさっさと閉じてしまった


男「......やはりこの魔石、地の精霊と水の精霊によるものだな」

男「隣街へ急ぐとしよう」
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/31(金) 21:35:13.32 ID:DSp2XoJ60
無心で隣街まで走る
到着すると、街の入り口で三人が待っていた


女賢者「_____!」

女魔法使い「_______?」

鷹「_____......_____?」

男「......?」


口々に何か言っている
しかし耳から聞こえる音は混濁し、ノイズと変わらない
次第に視界が霞んでいく

彼は地面に崩れ落ちてしまった
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/31(金) 21:43:08.45 ID:DSp2XoJ60
男「......う......ここは......」


手放した意識を取り戻す


鷹「......!おや、お目覚めですか」

男「ああ、どうして俺はここに?」

鷹「原因は不明ですが、あなたの肉体から魔力エネルギーが完全に消えていました」

男「それで俺は倒れたのか?」

鷹「はい。お二方は大変肝を冷やしておられましたので、後で精神的な補填をした方がよいかと」

男「気遣いが心に沁みるよ。ところで、ここはどこなんだ?」

鷹「>>426
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 21:45:52.63 ID:p0ZLBk760
加速
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 21:46:40.38 ID:k87ZVCvU0
私達が今日泊まる宿です
部屋は一つしか空いてなかったので4人でこの部屋を使うことになります
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 23:46:53.58 ID:MhTJdmoa0
鷹「私達が今日泊まる宿です」

男「......みんないるようだが」

鷹「部屋は一つしか空いてなかったので4人でこの部屋を使うことになります」

男「ああ、そういう」


一通り事情を聞くと、二人が近寄ってくる


女賢者「気分はどうですか?」

男「俺は問題ない」

女賢者「私は最悪ですよ。いいですか?男はあの時死の一歩手前にいたんですよ?」

男「は、はぁ......魔力が枯渇しただけだろ?」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 23:54:56.37 ID:MhTJdmoa0
珍しく此方を睨み付け、怒っているようだ
思えば、彼女と出会ったときもこんな顔をしていた


女賢者「魔力が枯渇した状態で体が急激に魔力に触れたり、使ったりするとどうなると思います?」

男「触れれば吸収できるし、そもそも使えないだろ?」

女賢者「いいえ、あなたの体は弾け飛びますよ。そうして死んだ知り合いを数多く見てきましたから」

男「......すまない」

女賢者「......!いえ、こちらこそすみません。熱くなりすぎました」

男「気にするな。むしろその、人に心配されるってのは相当久し振りでな......まぁ、悪い気分じゃない」

女賢者「>>430
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 23:56:19.91 ID:x0Lntrzv0
私も男さんにそういってもらって嬉しいです
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 23:57:34.29 ID:KrnC8glbo
……ふ、ふふっ♪
最初の頃よりずっと素直で可愛げありますね、お姉さんは嬉しいです♪(頭なでなで)
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/02(日) 22:10:33.30 ID:tc9xaJQv0
女賢者「......ふ、ふふっ♪」

男「?」

女賢者「最初の頃よりずっと素直で可愛げありますね、お姉さんは嬉しいです♪」


彼女はニコニコ笑いながら頭を撫で始めた


男「や、やめろ!//////」

女賢者「照れなくてもいいんですよー?」

男「うるせぇうるせぇ!」


ベッドに戻り、毛布にくるまってしまった
それなのにせわしなくバタバタしている
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/03(月) 20:05:05.88 ID:qIIhvW6w0
暫くすると、彼は落ち着いた


女魔法使い「男さん」

男「......はい」

女魔法使い「なぜ私に心配をかけさせるんですか?」

男「倒れたことは悪いと思っている。何か埋め合わせでも___」「違います!」


両手をテーブルに叩きつける


女魔法使い「いつも決闘だの一騎討ちだの理由をつけて一人になる」

男「それは戦略的なものだ」

女魔法使い「そうかも知れませんが、これは私のエゴかもしれませんが」

女魔法使い「......あなたが命の危機にあるのを見ると、私は辛く苦しいです!無力感を覚えます!」

男「し、しかしだな......」

女魔法使い「そんなに、私が頼れませんか?」


彼女は涙ぐみこちらを見つめる
その真摯な視線を裏切ることができる奴がいるだろうか


男「>>434
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 20:09:49.49 ID:p6J/0RTxo
・・・いや、凄く頼りになるよ、この前の戦いもお前のお陰で助かった、ありがとう
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 20:14:36.14 ID:V9iCzvt+0
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/04(火) 21:01:20.54 ID:VKPol3Fi0
男「・・・いや、凄く頼りになるよ、この前の戦いもお前のお陰で助かった、ありがとう」

女魔法使い「そ、そうですか?」

男「ああ。それにな、別に直接手助けしてくれなくても俺にはお前が心の支えになっている」

女魔法使い「!」

男「俺がくたばれば死で割りを食うのはお前だからな。気分悪いぜ」

女魔法使い「......なんだ、そういうことですか」

男「どうかしたか?」

女魔法使い「もういいです。なんかバカらしくなりました」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 20:41:28.03 ID:0CxSLU8a0
男「......どうやら、みんな何か俺に思うところがあったようだ」

鷹「まぁ、あなたはこのご時世なかなか見ない性格してますからね」

女賢者「みんな悪い人じゃないと思ってますよ」

女魔法使い「一緒にいれば大なり小なりそういうとこありますよ」

男「うーん......折角だし、何か俺が取り組むよ。不満は貯めないのが一番だし」


すると、三人は会議を始めた
そこまでする必要があるのだろうか?


鷹「決まりました」

女魔法使い「何でもいいんですよね?」

男「......な、何でも?まぁいいけど」

女賢者「それじゃあ>>438
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 20:49:42.37 ID:rwfHOWCb0
私たちと結婚してください
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 20:52:13.47 ID:zURb2uNu0
明日私達が変わりばんこであなたと二人っきりになって出掛けます
つまり私達三人とデートですね♪
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 19:16:43.00 ID:X+pCR7Ev0
女賢者「明日私達が変わりばんこであなたと二人っきりになって出掛けます」

男「ほう?」

女賢者「つまり私達三人とデートですね♪」

男「で、デート......」


思わず頭を抱える


女魔法使い「もしかして......嫌?」

男「そういう訳じゃない。そういう訳じゃないが......」

鷹「ふふ。期待していますよ?」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 19:53:12.72 ID:iBR73qbO0
そんなこんなで翌日を迎えた


女賢者「それでは私が一番乗りです」

男「デートの経験はないが、やり方は知っている。至らない所があれば言ってくれ」

女賢者「そうですね。デートに正解はありませんので、特にあれこれと言うつもりはないです」

男「そうしてくれるとこちらも気が楽だ。それじゃあ行こうか」


彼は彼女の手を握る
彼女は驚き彼を見るが、彼は困った顔で目をそらす


女賢者「......ふふふっ、それで、今どこに向かってるの?」

男「映画館だ。どうやら映像を幕に投影する施設らしい」

女賢者「最近流行ってるのよね、是非一度行ってみたいと思っていたの」

男「俺より詳しいようだが、何か見たい映像はあるのか?」

女賢者「>>442
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 19:56:17.87 ID:o1eAF4+L0
恋愛映画を……
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 19:57:20.73 ID:4ZQfFPfdo
では恋愛物で
デートの定番です
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 20:44:41.96 ID:iBR73qbO0
女賢者「では恋愛物で。デートの定番です」

男「そう......なのか?」

女賢者「そうですよ!」


二人は映画館に到着する
チケットを購入し、席へと移動する
冗長な宣伝の後に、映画は始まった

宿命や苦悩に襲われる青年が、優しい女性に心を助けられる
次第にその心は彼女に惹かれていく
二人は残酷な運命と向き合い、そしてその運命に決着をつけるという内容だ
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 21:44:22.65 ID:2hjnAZGXO
ボストンバッグの中に愛する人の一部を入れて海洋を漂う一人の女性
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 21:45:29.40 ID:KeeBmq/Ho
nice boat定期
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 10:57:13.24 ID:zow++1Hy0
誠死ね


女賢者「いい話でしたね」

男「そうだな。演技も生き生きとだった」

女賢者「あー私もなんだかあんな風に抱き締められたくなってきたなー?」


わざとらしく男を見る
男は気恥ずかしそうな表情を浮かべるが、すぐに小さくため息をつく
そして彼はその両手で彼女を抱き締める


男「......これでいいか?」

女賢者「ふふっ、ええ、いいですとも。本当素直になったものです」

男「......別に、やれと言われたからやっただけだ。お前に媚びたわけじゃない」
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 15:59:29.64 ID:M7BDWGVJ0
>>446 男「そうだな。演技も生き生きとしていた」
でした。誤字すみません


女賢者「素直じゃないですね」

男「うるさい。そろそろ時間だから帰るぞ」

女賢者「わ、分かりましたから!だからさっさと行かないで!」

男「しょうがないな。ほら」


目線を外しながら手を差し出す


女賢者「ふふ♪じゃあ行きましょう?」

男「そうだな。映画というのも悪くない、また今度観に行こうか」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/10(月) 20:48:55.16 ID:8Ilg00Y60
こうして、二人は宿に戻った
時刻はちょうど太陽が頭上で燦々としているときだ


男「ただいま」

女賢者「どうもー」

女魔法使い「お、お楽しみだったみたいだね」

鷹「......その言い方は語弊があるような気がしますが」

女魔法使い「えっ!?」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/10(月) 20:56:20.03 ID:8Ilg00Y60
女魔法使い「それじゃ、今度は私の番ですね」

男「そうだな」

女魔法使い「私、今日一緒に行きたいところがあるんです!」

男「おお、プランを練ってくるタイプか」

女魔法使い「ふふん」

男「ところで、どこに行きたいんだ?」

女魔法使い「>>451
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 20:58:08.46 ID:kQW7VEXk0
遊園地
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 21:40:33.60 ID:FUVpgnTwO
新築のマンション視察(もちろん男と今後住むための)
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 15:09:59.53 ID:7Uc0hgxV0
女魔法使い「新築のマンションを視察しましょう」

男「......マンション?なんだその建築様式は?」

女魔法使い「えっ」

男「あれ、もしや建物じゃないのか」

女魔法使い「い、いや建物だけど......マンションを知らないんですか!?」

男「生憎田舎者でな」

女魔法使い「......とりあえず、行きましょう?」

男「お、おう」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 23:02:35.60 ID:FOnVspTD0
英米でマンションと言えば豪邸のことなんだよな
ってここ英米でも日本でもなかったか
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 23:07:10.00 ID:0t43b1Poo
逆に何でマンション知ってるんだ
世界観がわからんぞ…
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 00:41:02.25 ID:0pH32j4RO
銃火器と映画館とマンションがある剣と魔法の世界…かな
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 07:34:26.12 ID:b7WbVbmBO
重火器が逆に遅れた文明なんだよな魔法があるから
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/12(水) 20:49:14.50 ID:WHb5jZTy0
女魔法使い「この町も最近潤ってきたんですよ」

男「詳しいのか?」

女魔法使い「来たことはあります。高級な石造りの建物ができてきたんですよ」

男「煉瓦でも、神殿のような造りでもないな」


町並みを楽しみつつ歩を進めると、高層マンションが見えてきた
マンションを見慣れない男はともかく、女魔法使いまでもが圧倒される


女魔法使い「ここです」

男「......そういや、何のために来たんだ?」

女魔法使い「え、ここに住むからですよ」

男「へぇ、まあこういう所にあった方がアクセスが良いしな」

女魔法使い(男と一緒に住むための、ですけどね!)
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 20:39:11.33 ID:wjbgEhhE0
圧倒されつつも、フロントへと入っていく
豪華な造りのきらびやかな受付がまず目についた
しかし、すぐさま目線はその奥へと移動した
そこには人一人分はある巨大なハンドルがあり、屈強な作業員達がいる


男「......なんだこれ?」

作業員「こちらのハンドルを回すとこの隣の箱が上昇します」


確かに、人が数人入れるくらいの箱がある


女魔法使い「人力昇降機ですね!」

作業員「はい。いずれ魔力で可動するエレベーターという乗り物になる予定です」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 01:17:34.63 ID:Pamua6cDO

460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/14(金) 20:39:31.12 ID:au0cD9sr0
男「へぇ」

作業員「何階まで行かれますか」

女魔法使い「100階まで」

作業員「100階ですか!?」

男「......へ?」


呆気に取られていると、作業員がハンドルに手をかける
彼女は男の手を引き、箱へと連れていく
ハンドルが勢いよく回され、箱は上昇していく
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 07:21:13.46 ID:09kWn7qxO
電動や魔法じゃなくて人力エレベーターかよww
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/15(土) 17:57:22.53 ID:1N8iq1KM0
そうこうしている内に、100階へ到着する


男「高いな」

女魔法使い「そりゃあ100階ですからね。こっちに来てください」


彼女の示す先には、黒光りするドアがある
扉を開き、中へ入ればそこには美しい眺望が広がっていた


男「ここは......リビング、なのか?」

女魔法使い「そうです。その眺望も拝めるように大きな窓がついているんです」

男「視察と言ったが、本当にここに住むのか?」

女魔法使い「はい」

男「......お前、家賃払えるのか?」

女魔法使い「私の家って結構金持ってるんですよ。なんで問題ないです」

男「もう住むことを決めていたような口振りだが、何のために俺をここに連れてきた?」

女魔法使い「>>464
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 18:06:18.58 ID:PH+Gqd9c0
母を紹介したいのです
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 18:23:32.46 ID:GkLOxzcHO
465 :今まで使った肩書きの中の最長記録を更新しました [saga]:2020/02/16(日) 21:05:29.58 ID:NLT6uQu00
女魔法使い「母を紹介したいのです」

男「......どういうことだ?」

女魔法使い「隠れてないで出てきてください」


彼女が告げると、部屋のクローゼットから女性が出てくる


女魔法使い母「バレてた?」

女魔法使い「当然です。いつもやられていれば分かりますよ」

男(個性的な家庭だなぁ......)
466 :今まで使った肩書きの中の最長記録を更新しました [saga]:2020/02/16(日) 21:08:58.00 ID:NLT6uQu00
女魔法使い母「ご紹介にあずかりました、私、彼女の母でございます」

男「はは、エネルギッシュですね」

女魔法使い母「まだまだ若い者には負けませんよ」

男「それはそれは。......ところで、どうしてお母さんの紹介を?」

女魔法使い母「そんなの、決まっていますよね」

女魔法使い「>>468
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 21:13:35.19 ID:0OcsBgul0
加速
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 21:14:57.06 ID:iDQ8z02F0
私に相応しい男性か見てもらうためですよ
あなたの旅に付いていくと決めたので、まずは私を任せられる人かどうか一目見たかったらしいです
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 20:54:53.89 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「私に相応しい男性か見てもらうためですよ」

男「お前に?」

女魔法使い「あなたの旅に付いていくと決めたので、まずは私を任せられる人かどうか一目見たかったらしいです」

男「なるほど......正直な話、結構困るな」

女魔法使い「何か後ろめたいことでもあるの?」

男「俺は人の身を預かるにはまだまだ早いんだ。以前爺に言われた」

女魔法使い「そうかな?」

男「ああそうだ。実際お前達の中に不満が発生したから今ここにいるんだ」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 21:13:54.74 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「でも、男さんは私達を一度も危険な目に遭わせてないですよね?」

男「当たり前だろう」

女魔法使い「......んんん?」


彼の言葉があまりにひっかかったようで、首を捻っている


女魔法使い母「まぁ!素晴らしい心意気ですこと」

男「いえ、ですから当然のことですよ」

女魔法使い母「何言ってるのよ。それじゃあ何が足らないの?」

男「常に気を配り、あらゆる場面でのエスコートをすることです」

女魔法使い母「あらあら、あらあらあらあら......私、もう満足したわ。それじゃあね」


彼女はそう言って帰っていった
おそらくはお眼鏡にかなったということなのだろう
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 21:25:32.48 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「ちょっと!」

男「どうかしたか」

女魔法使い「どういうことなんですか!私だって仲間なんですよ!?」

男「......悪い。何を言いたいんだ?」

女魔法使い「ああもう!危険な目に遭わせないのが当然って、私に戦うなって言いたいの?」


詰め寄られ、服を掴まれる


男「いや、お前は後衛だろう」

女魔法使い「敵が私を遠距離攻撃で狙ったら?」

男「俺が盾になる。俺のポリシーどうこうではなく、前衛がそうあるべきなんだ」

女魔法使い「じゃあ私がダメージを受けるか男さんが死ぬかだったら!?」

男「そうだな。まぁ死ぬだろう」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 21:42:52.10 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「ふ......ふざけないで!」


全力で突き飛ばされる
予想外のことに、バランスを崩して倒れてしまう


男「......伝え忘れていたが、俺は自分の命に大した価値も意味もないと思っている」

女魔法使い「っ!」

男「だが心はある。だから何かを失うくらいなら死ぬ。そういうことだ」

女魔法使い「うるさいっ!!もう口を開かないで!(*?*)」


彼女が叫ぶと、体が言うことを聞かなくなる
指一本動かないのだ


男「ぐっ!?これは魔法か......?し、しかし!」

女魔法使い「どうして男さんが女賢者さんと旅をしていたか、なんとなく分かったの」

男(誤算だった......まさか彼女もまた、俺の考え方を否定する者だとは)

女魔法使い「その考え方、絶対に変えさせてあげます」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/18(火) 20:40:42.40 ID:yk38u0050
男「そこまで言われるとは、失言だったようだ」

女魔法使い「男さんにとってはそうですが私としては、男さんについて知ることのできる機会でした」

男「忘れたほうが楽だと思うが」

女魔法使い「......ふふ、そういう意味では、忘れられない思い出になりそうですね」


彼女がこちらを見据える目はより確かになっていた
かつての熱に浮かされたような視線は嘘のようだ


男「ひとまず帰ろう」

女魔法使い「そうですね」

男「......いや、動けないのだが」

女魔法使い「え!?」

男「こっちのセリフだ!解き方が分からないのか!?」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/19(水) 23:26:33.48 ID:ad951JDk0
女魔法使い「いや、待ってください。もしかしたら出来るかもしれません」

男「お、おい!?いいか落ち着けよ!?この前も俺を眠らせたばかりだろう?」

女魔法使い「大丈夫です。私だって仲間なんですから信用してください」

男「当然信用している。念入れだ」

女魔法使い「むむむむむ......はっ!!」


>>476...何が起きた?
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:30:34.86 ID:OP2iNo4y0
一時的に男に恋愛感情が芽生える
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:30:39.18 ID:HtTKyDj8o
辺りが霧に包まれ始めた
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:31:47.96 ID:Fbi+xJB9o
動けるようになったが今度は二人とも磁石のようにくっついてしまっま
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/20(木) 20:37:25.80 ID:9osJ7pt80
彼女が力を込めると、辺りに霧が立ち込めた


男「......な、なんだこの霧は!?」

女魔法使い「もう何がなんだか分かりません!!」

男「だが......動けるぞ!」


霧が体にまとわりつき、魔法の拘束を弱めていく
どうやらこの霧には魔法を弱める力があるようだ


女魔法使い「どうにか解けたようですね」

男「ああ、一時はどうなることかと思ったが」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/21(金) 20:52:32.39 ID:DAUegClt0
どうにか騒動も終わり、宿に帰ってきた


男「ただいま」

女魔法使い「はちゃめちゃに疲れましたよ」

女賢者「魔力がだいぶもってかれてますね」

男「ちょっとはしゃぎ過ぎちゃってね」

女魔法使い「えへへ」


二人は椅子に腰掛け、ハーブティーを飲み始めた
しかし、ハーブティーを淹れたと思われる彼女の姿がない


男「あれ?」


見回していると、ちょいちょいと服を摘ままれる
振り向けば、彼女が部屋の入口で既に外出の準備を整えている


鷹「......すみません。服を摘まむというのは不躾でした」

男「別に気にしないさ。それじゃあ行こうか」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 16:20:06.80 ID:P8pKTwph0
鷹「どこへ行かれるか決まっておりますか?」

男「いくつか目星はつけてあるが、どこか行きたい所があるのか?」

鷹「いえ、私はあなたの行くところにどこまでても着いていく所存です」

男「......そうか、じゃあちょっと歩こうか」


二人は日の暮れた町を散策する
都の隣にあるだけあって、夜でも活気がある


鷹「こういった所は初めてです」

男「そうか?俺も田舎者だからよく分からないぞ。それが新鮮な面白さって奴なのかもな」

鷹「そうかもしれませんね」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 16:26:18.00 ID:P8pKTwph0
男「お、あれは......」


陽気なオヤジがスイーツを売っている
出来た人だかりを掻き分けて、甘い匂いが漂ってくる


鷹「スイーツ、でしょうか。おそらくソフトクリームの類でしょう」

男「あれ食べたいか?」

鷹「......しかし、あなたは既に二人とデートしています」

男「そうか、買ってくるよ」

鷹「え?」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 16:30:16.62 ID:P8pKTwph0
彼はソフトクリームを持って戻ってきた
驚くような高さのソフトクリームを二人分買ってきたのだ


男「ほらよ」

鷹「......では、いただきます」

男「それでいい。少しいい顔になったな」

鷹「先程から、一体どういうことですか?」

男「んー?クリームが溶けちまうぞ。これ食ったらな」

鷹「分かりました」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 18:20:30.60 ID:P8pKTwph0
二人はソフトクリームを食べ終えた
先に食べ終わった彼女は、神妙な顔でただじっとしている


男「うまかったな」

鷹「はい」

男「......お前、もう少しわがまま言ったらどうだ?」

鷹「しかし......」


普通なら目を逸らす所を、彼女はそらさない
目付きが鋭いので、むしろこちらが緊張する


男「これがデートだと分かっているのならわがままの一つでも溢すのが対等な関係だ」

鷹「......」

男「別にお前が悪いと言うつもりはないさ。だがな、少なくとも今お前と俺は主従関係じゃない」

鷹「そうですね」

男「だったらやりたいことは色々あるだろう。俺の仲間になる前のお前はもっと欲を見せていた」

鷹「恥ずかしい限りです」

男「いいか、手始めに一つだけわがままを聞いてやる。よく考えて言うんだ、いいな?」

鷹「......はい......でしたら......>>485
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 18:21:04.53 ID:3OpmZTEgO
キスしてください
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 18:24:21.49 ID:6yRPMNaCo
デートの間は常に腕を組んで歩きましょう
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/23(日) 16:24:41.19 ID:ffEsFzbX0
鷹「デートの間は常に腕を組んで歩きましょう」

男「ああ、構わないぞ」


男は立ち上がり、左腕を差し出す
彼女はその手を掴んで立ち上がり、腕を組んだ


鷹「ふふ......ふふふ」

男「どうした?」

鷹「なんでもございませんよ。それじゃあ行きましょうか」

男「足元に気を付けて歩けよ」
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/24(月) 20:28:52.80 ID:x+RI0eVb0
男「......ありゃ、もう閉まってる」


彼が連れていく予定だったカフェは既に閉店時間を過ぎていた


鷹「残念です」

男「申し訳ない。どうしたものか」


思案していると、首筋に冷たいものが当たる


鷹「おや」

男「これは......雪か。誰か降らせているのか?」

鷹「物好きな魔法使いはやるかもしれませんね」

男「そうだ!行きたいところがある!」
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/25(火) 20:12:16.68 ID:xRWYI5jh0
鷹「ここは......公園ですか?」

男「そうだ。もう雪が積もっているな」

鷹「ロマンがありますね。真っ白な世界で二人きりなんて」

男「だろ......っと!?」


華麗な足払いで男を倒す
それに引かれて彼女自身もまた、雪の中に倒れる


鷹「足元には気を付けて下さいよ」

男「この......」

鷹「そう怒らないで下さい。疲れましたよね?ここで少し休みましょう」

男「そうだな、しかしなんだか眠くなってきたぞ」

鷹「死にますよ」

男「あぁ、このままじゃ死んじゃうよ。だから何か目の覚めるようなことを言ってくれ」

鷹「>>490
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 20:18:01.28 ID:Vi/IYBePo
寝たら犯します
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 20:30:51.06 ID:ApV3Kl0A0
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/26(水) 20:52:13.10 ID:Z6PPwrK20
鷹「寝たら犯します」

男「ひっ」

鷹「ふふふ。ここにはスリルもロマンもありますよ」

男「風邪ひくぞ」

鷹「それもそうですね......」


雪は止み、雲間から星の瞬きが差す
澄んだ空気の中に、雄大な宇宙を感じることができる


男「綺麗だ」

鷹「......あなたが先におっしゃるんですね」

男「む?」

鷹「なんでもありません」
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/27(木) 20:58:00.75 ID:LMZg8jld0
二人は宿に帰ってきた


男「ただいま......俺はもう寝るぞ......」


男はベッドへ倒れこんだ


鷹「やはり、無理をさせてしまったかもしれません」

女賢者「気にすることはないと思いますよ」

女魔法使い「男さんは多分こういうこと嫌がってないと思いますしね」

鷹「......そうですね。私ももう少し強気に出ようと思います」
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/28(金) 19:20:36.88 ID:q0Ns01P40
翌日


男「おはよう」

鷹「おはようございます。モーニングティーの用意を致しますね」

男「あぁ、ありがとう」

女魔法使い「疲れは取れた?」

男「寝たからな。当然元気だ」

女賢者「......そろそろ、都市に帰りますか?」

男「そうそう、それなんだがな」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/01(日) 00:07:59.86 ID:TI4w+E/q0
鷹「失礼します。モーニングティーでございます」


香ばしい紅茶が運ばれてきた


男「ありがとう。悪いね......それでな、一回実家に帰ろうと思う」

女魔法使い「実家!?」

男「やけに食いつくな。理由としては、ある程度金が貯まったからだ」

女賢者「仕送りなら、郵便で送って貰えばいいじゃないですか」

男「うーん......まず郵便業者は実家に辿り着けないな。山とか谷とかがあるから」

鷹「なるほど、そういう訳なんですね」

男「そうだ。というかそもそも住所が存在しない所に住んでるから、受け付けて貰えない」

女魔法使い「じゃあ男さんが迷ったらそこで終わりですね」

男「自分の庭で迷う奴があるかよ。途中までは馬車で行けるから、そこまで乗せていって貰おう」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/01(日) 22:52:38.53 ID:TI4w+E/q0
そこから、馬車に揺られること数時間
馬車から降り、周りを見回せば一面の森
太陽は空の頂に上りつめ、異世界に迷いこんでしまったような雰囲気だ


男「それじゃいくぞ。多分こっちだ」

女魔法使い「動物とか出ます?」

男「そんな出ないと思うぞ。出ても狐とかそんなもんよ」

女賢者「確かに、穏やかな森ですね」

鷹「山菜採りに来たいですね。きっと楽しいですよ」

男「......楽しい......うーん、俺はよく毒系の山菜やらキノコやら採って苦しんでたからなぁ」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/02(月) 20:55:06.92 ID:uPaVgLJf0
草木を掻き分け、森を進む
途中には段差や穴があったが、男が把握していた為、さして苦戦しなかった


男「そろそろだな......」


彼が呟いたその直後
森を抜け、新鮮な風が吹き込む
しかし、そこにあったのは目的地ではなく大きな谷だった
大口を開けて待ち構えるその亀裂を越えるのは容易ではないと分かる


男「あれ、吊り橋がないな」

女魔法使い「えっ!?」

女賢者「どうしましょうか?」

鷹「そうですね......」

女魔法使い「そうだ!>>498
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:02:58.50 ID:EgFLBcft0
女賢者さんのワープ!
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:03:49.98 ID:xNQI7GaF0
近くにいるグリフォンを捕まえて飛んで渡りましょう!
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/03(火) 20:43:21.62 ID:svTxGL8U0
女魔法使い「近くにいるグリフォンを捕まえて飛んで渡りましょう!」

男「......グリフォン?そんな奴、この山には居ないぞ」


彼がそう言って笑うと、四人に大きな影が落ちる


鷹「ですが、あれはグリフォンではありませんか?」

女賢者「間違いないですね。幻獣とは珍しい」

男「へ?」


そこに居たのは猛獣の体に鳥の顔を持ち、天翔ける両翼をもて余すように羽ばたかせる巨獣だった
先程から感じていた風はより強くなる


女魔法使い「やいそこなる幻獣よ!我々を谷の向こうまで運びたまえ!」

男「なんだそのしゃべり方」
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/04(水) 20:46:37.05 ID:RaBus9t30
グリフォン「断る」

鷹「それは困りましたね」

男「......うぅむ......面倒な......」


彼は急に苦虫を噛み潰したような顔になる
何やら俯いて考えているようだ


女賢者「どうかしました?」

男「これ、多分うちの爺が橋を落としたんだと思うぞ......」

女賢者「どうしてですか?いくら人が通らないからといって橋は落とさなくともいいでしょう」

男「どうにかこいつを納得させて谷を渡れってことらしい。俺の真心とやらを試すつもりのようだ」


彼は頭を上げ、グリフォンに対して向き直った


男「天の宮殿の主。汝は素晴らしき宝物を宮殿に収めていると聞く」

グリフォン「いかにも」

男「誠に残念ながら、我々は宝石を持っていない」

グリフォン「ならば帰れ」

男「しかし、献上するにふさわしい話はございます」

グリフォン「ならば語れ。我を楽しませてみせよ」
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 21:24:48.14 ID:XHdcZ1500
男「時に空の主。だじゃれというものを知っているか?」

グリフォン「知らぬ」

男「一つの文における五十音の被り、とくに同音異義語などを見つける遊びです」

グリフォン「......ほう。その内容の如何によって貴賤が分かれるということか?」

男「左様にございます。その中でも特に上質なものを献上することと致します」

グリフォン「言うてみよ」

男「>>503
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 21:28:03.42 ID:0iYuP6HE0
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