【安価】受付嬢「ふーん、あなたが新人冒険者?」

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304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/01(水) 00:43:49.55 ID:TRwsxRY+0
メイド「ふふっ、随分と斬新な口説き方をするのですね」

男「えっ」

メイド「夜のベッドの上でスリーサイズだけでなく女性の口説き方や扱い方など色々教えてあげましょうか?」クスッ

男「あ、あぁいや別にそういうアレではなくて、そのなんというか」

メイド「別にいいんですよ?それではまた」


そう言って彼女は立ち去った
なんとも言えない表情で彼も部屋に戻る


男「......何がいけなかったんだ?」

女魔法使い「流石に蹴りますよ」

男「正月で雅な気分だからといって人で蹴鞠をするのは違うぞ」

女賢者「それじゃあけん玉でもしましょうか?男がボールですけど」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/01(水) 02:31:43.42 ID:ZDMDiXBW0
あけおめピカチュウ
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/01(水) 20:15:11.67 ID:TRwsxRY+0
豪華な昼食を平らげる頃に、再びノックの音がする


男「はい」

執事「食器を回収しに参りました」

男「だろうと思って食器を持ってきました」

執事「ありがたいです。......それと、お伝えし忘れていたことがありまして」

男「?」

執事「この屋敷に勤めるメイドは三人です。先ほどこちらに参った目付きの悪いメイドが一人」

男「つまりあと二人居るんですね」

執事「はい。彼女はその目から『鷹』と呼ばれています」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/02(木) 21:16:43.36 ID:0JUlqZ4y0
男「へえ」

執事「それでは失礼します」


彼は去っていった
あと二人も聞き出す対象がいるのなら、それなりに作戦を練らなければならないだろう


男「......という訳だ」

女魔法使い「作戦、ですか」

女賢者「はい」

男「おっ、何か良い案があるのか?」

女賢者「>>309
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 21:20:17.15 ID:GKx2Oqwz0
安価↓
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 21:23:08.49 ID:NXChk/Uho
医者に変装して健康診断を装って計るのはどうですか?
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/03(金) 14:04:23.96 ID:1cITf5Io0
女賢者「医者に変装して健康診断を装って計るのはどうですか?」

男「な、なるほど......天才か」

女魔法使い「確かに、これで一掃ですね」


屋敷の主人に話を通し、健康診断をするという名目で集まってもらった
変装も完璧だし、認識阻害の魔法もかけてもらった


男「それでは健康診断を始めます」

男「これは簡易的なものです。今回のデータに異常が確認された場合、然るべき機関へ受診をお願いしますよ」

大金持ち「と、いうわけだから速やかに受診されるように。個室を用意しているのでプライバシーにも配慮しているぞ」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 00:18:17.74 ID:ihYutaKN0
しばらく待機していると、小柄で茶髪のメイドが入ってきた
一瞬メイドかどうか迷うような幼さがあり、ヘッドドレスも付けていない
だが、何故かその代わりに緑のベレー帽を被っている


メイド「あの......」

男「どうぞご遠慮なさらず。こちらにお掛けになってください」

メイド「ありがとうございます」

男(一応医者ってことだし、それらしいことも聞いておくか......)

男「最近何か心身に悩みなど抱えていますか?教えられる範囲でいいので教えてください」

メイド「>>313
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 00:22:50.98 ID:NkRYh5d10
安価↓
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 00:23:07.31 ID:bdn5FXhR0
胸が・・・全然大きくならないんです
もうゴニョゴニョ歳なのにこれっぽっちで(泣)
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 00:40:33.97 ID:ihYutaKN0
メイド「胸が・・・全然大きくならないんです」

男「ふむ」

メイド「もうゴニョゴニョ歳なのにこれっぽっちで」(泣)


確かに胸が貧相だ
どの程度貧相か表すならば、死ぬまで決して縦縞セーターを着ることはないと断言できるレベルだ


男「......ふむ......もしかしたら、何か深刻な病の前兆かもしれませんね」

メイド「えっ!?ど、どうしたらいいんですか?」

男「慌てないで下さい」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 00:49:05.14 ID:ihYutaKN0
メイド「そ、そんなこと言われても」

男「私を......いや、俺を信じろ!」

メイド「はいぃ......」

男「まずスリーサイズを教えてくれ。計ったことはあるか?」

メイド「む、胸はありますよ?」


心配そうに上目遣いでこちらを見る


男「ふむ、胸だけですか......胸はまぁ計るまでもないので、WとHを計りましょう」

メイド「ぐはっ」


放心状態の彼女にメジャーを当て、計測する


>>317......WとHのサイズ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 00:51:54.98 ID:NkRYh5d10
55/90
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 00:55:37.43 ID:bdn5FXhR0
53/75
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 01:10:12.83 ID:ihYutaKN0
まずWを計る
スリーサイズなど計ったことはないので大雑把だが、53だ


男「ほっそ」

メイド「ポケーッ」


続けてHを計る
75のようだ。相当細いことは彼にでも分かった


男「こんなものか」

メイド「はっ!」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 01:13:17.43 ID:ihYutaKN0
放心状態から立ち直った彼女は恐る恐る質問を投げ掛ける


メイド「ど、どんなもんでした?」

男「健康に関していえば問題ありませんね」

メイド「一安心です」

男「一つコメントしてもよろしいですか」

メイド「はい」

男「では簡潔に一言で言い表します。『板』ですね」

メイド「>>321
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 01:15:42.57 ID:NkRYh5d10
……ひどい
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 01:20:25.87 ID:m9yXs8cIo
むぅ〜(ほっぺ膨らませ)
身長か胸どっちかだけでも大きかったらまだ色気も出てくるのに〜!!
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 15:37:47.25 ID:QlkXOds20
メイド「むぅ〜」


彼女は言葉の意味を理解するや否やほっぺを膨らませる


メイド「身長か胸どっちかだけでも大きかったらまだ色気も出てくるのに〜!!」

男「あなたはそう思うんですね」

メイド「当たり前でしょ!?」

男「......俺はその体型、素敵だと思いますけどね」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 15:42:40.12 ID:QlkXOds20
メイド「......」

男「おや、気に障りましたか」

メイド「な、な......」

男「ひとまずおいとまさせていただきますよっと!」


彼は素早くドアを開けて走り去る
たなびく白衣の起こす風だけが室内に残った


メイド「......あ、あのヤロー......」
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 15:47:36.48 ID:QlkXOds20
日が暮れる頃、また戻ってくると一人のメイドが居た
見たことがないメイドなのでこの人が三人目だろう


メイド「あなたがお医者様?」

男「え、まぁ、そうなりますね」

メイド「さっき犬耳ちゃんが凄い顔してここから出てきたのを見たのだけれど」

男「犬耳?」

メイド「あのベレー帽を被った子よ。実はあの下に犬耳が生えてるの」

男「そうなんですねぇ......私は悩みを聞いてあげただけですよ」

メイド「......本当かしら」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 17:39:35.17 ID:QlkXOds20
男「ええそうですとも。長らくお待たせいたしました、診察を再開します」

メイド「分かったわ」


彼女はこちらへ向き直る
ショートの黒髪に白エプロンの掛かった和服の身に纏う
立ち振舞いも凛としており、和風メイドのようだ


男「心身に何か悩みを抱えていますか?あったら教えられる範囲で教えていただきたいのです」

メイド「>>327
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 17:44:26.09 ID:A//8bpWwO
最近、胸が大きくなりすぎて仕事に支障が……
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 17:45:01.72 ID:2B5/D5fEo
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 21:05:19.35 ID:NSaraa7c0
メイド「最近、胸が大きくなりすぎて仕事に支障が......」

男「......そ、そうなん......ですか......」

メイド「どうかしましたか」

男「いえその、犬耳さんからたまに変な目で見られたりとかしますか」

メイド「......どうして?」

男「いえ、なんでもございません。そうですね、確かに何か病気の疑いがなくもないですね」

メイド「確か、しこりとかができたら危険なんですっけ」

男「よくご存じで。しかしそのサイズではしこりができても分かりづらいかもしれませんね」

メイド「そうなんですか?」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/04(土) 21:09:20.97 ID:NSaraa7c0
男「はい」

メイド「では、どうしたら良いのですか?やはり定期的な検査が......」


彼女の顔が次第に雲っていく
あまり不安感を与えすぎるのもよくないだろう


男「今は大丈夫です。ですが、念のためにスリーサイズを教えていただけますか?」

メイド「>>331
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 21:11:03.70 ID:NkRYh5d10
100/60/88
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/04(土) 21:12:40.69 ID:ysqutHir0
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/05(日) 21:00:54.25 ID:nlW6qQyT0
メイド「100/60/88です」

男「......ああ、それなら大丈夫ですよ」

メイド「よ、良かったです」

男「これで検診は終わりです。お疲れ様でした」

メイド「ありがとうございました」


彼女はゆっくりと出ていく
まさか胸が大きすぎることが悩みな人がいるとは思わなかった


男「ふぅ」

「それでは、私もお願いできるかしら?」

男「!!」


鷹に後ろから声をかけられる
恐ろしいことに、部屋に入られたことにすら気付かなかった


鷹「安心してください。お部屋の掃除は済ませておきましたので」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/07(火) 20:38:47.92 ID:3vS5e+Cq0
男「......診察を、始めても?」

鷹「ふふ、構いませんよ」


彼女は椅子にゆっくりと腰掛ける
見慣れた動作だが、不思議な威圧感がある


男「ではまず、最近何か心身に悩みなど抱えていますか?」

鷹「>>335
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/07(火) 20:40:24.37 ID:QMLCQEyQ0
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/07(火) 20:42:03.06 ID:IEGa+4pJ0
気になる殿方が出来まして……そういえば貴方によく似ています(手を男の頬で触りながら)

口調違ったら直してください
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/07(火) 20:45:25.33 ID:86zs8q950
最近とある男性から熱烈且つ回りくどいアプローチを受けて困ってるんです…
はっきりと言っていただければいつでもお相手してさしあげますのに・・・ねぇ、探偵さん♪
うふふっ、変装してても臭いで分かりますよ、そういうプレイがお好みで?
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/08(水) 20:41:37.13 ID:ECvoKK8I0
鷹「気になる殿方が出来まして......そういえば貴方によく似ています」

男「っ!?」


彼女の透き通るような手が彼の頬に触れる
彼女のときめきが伝わってくるようだ


男「......ふむ、恋の病というやつでしょうか」

鷹「そうです」

男「なるほど。でしたら私に考えがあります」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/08(水) 20:48:36.78 ID:ECvoKK8I0
鷹「考え?」

男「ええ、まぁそうです。最近の口説き文句の流行りを知っていますか?」

鷹「いえ」

男「堂々と相手のスリーサイズを聞く、といったスタイルです」

鷹「......あぁ」


何か納得したような表情だ
どうせもう会うことはないだろうし、嘘をついても問題はない


男「気に障るなら申し訳ありませんが、あなたは美人です」

鷹「そうですか」

男「彼もあなたを放ってはおかないはずです。先程の様子から鑑みるに、聞かれたことがありますね?」

鷹「はい」

男「でも答える勇気があればこんなこと相談されませんよね」

鷹「そうです」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/09(木) 00:02:03.42 ID:PUbQQSfq0
男「あぁそうだ。彼の居場所を教えてくれれば、私を介してスリーサイズを教えることもできますよ」

鷹「......」

男「直接言うのが恥ずかしいということであればですがね」

鷹「スリーサイズ、伝えるしかないんでしょうか」

男「うーん......口説き文句の流行りがすぎるまで待つという手もありますよ」

鷹「それではただ問題が先送りになるだけです」


彼らは思考した
一方は純真な顔で、一方はその下に秘密を抱えて


男「そうです!では予行練習をしましょう!彼にに私が似ていると貴方は言いましたよね」

鷹「いいんですか?」

男「はい。という訳で、あなたのスリーサイズはいくつですか?」

鷹「>>341
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 00:05:30.60 ID:g6uV+82ao
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 00:09:50.12 ID:DH0jx4yN0
98/57/92ですよ。これでよろしいですか?私を"口説いた人"♪
安価↓
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 00:10:11.91 ID:a70NHBe+0
90.57.85
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/10(金) 00:46:09.08 ID:RpfLqfJb0
よく分からないですが、>>341のままにします


鷹「98/57/92ですよ。これでよろしいですか?私を”口説いた人”♪」

男「......ふむ......いつから気付いていたんだ?」

鷹「最初からです。丁度あなたが巨乳ちゃんを言いくるめていたところね」

男「そうか。......なぁ、君の言い方だと、気になる殿方ってのは俺になるんだが」

鷹「はい。それがどうかしましたか?」

男「......いや、なんでもない」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 00:49:23.82 ID:+ejioML60
そのまま安価↓という意味では?
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 01:55:11.14 ID:HZLgXDMlo
下にずらすなら何も書かずに安価下だけでいいやん
あれは書き方が悪い
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 08:01:03.99 ID:TZuwrKKtO
安価↓だから>>342になると思ってた
98/57/92って奇形すぎる……
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 21:04:01.16 ID:+7T+t2j6o
二次元のキャラなら誰に近いスタイルだ?
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/10(金) 21:11:50.58 ID:RpfLqfJb0
じゃあスリーサイズは90.57.85ということで


鷹「どうして恥ずかしがっているんですか?口説いてきたのはあなたでしょう」

男「......意地悪なひとですね」

鷹「あらあら、他の子にもスリーサイズを聞いていた人に言われたくはないですよ」

男「あの」

鷹「はい?」

男「俺が他の人にもスリーサイズを聞いていて、そんな所を見たのにあなたは俺に幻滅しないんですか」

鷹「>>349
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 21:17:11.56 ID:oLBlJ6Iqo
男性が女性の身体に興味を持つのは当たり前のことですからね、それくらいでは幻滅しませんよ
それに・・・(男の胸板をイヤらしく撫でる)
女性も男性の身体に興味があるんですよニヤリ
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 21:24:28.67 ID:+ejioML60
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 00:25:14.15 ID:Nq1iKDjp0
鷹「男性が女性の体に興味を持つのは当たり前のことですからね、それくらいでは幻滅しませんよ」

男「そ、そうか」

鷹「それに・・・」

男「っっ!?」


彼女は彼の胸板をイヤらしく撫でる


鷹「女性も男性の身体に興味があるんですよ」ニヤリ

男「だが、俺なんかで......」


彼女のじっとりと熱を帯びた視線に耐えかねて目をそらす


鷹「良い身体をしていると私は思いますよ。......ふふ、あなた良くかわいいって言われるタイプでしょう」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 00:34:28.69 ID:Nq1iKDjp0
男「ど、どうしてそのことを?」

鷹「こうして距離を詰めると、すごく初々しい反応をするからよ」


彼女は男より一回り小さな体格をしている
しかし今はそんな彼女が今にも襲いかからんとする獣にしか見えなかった
彼は慌てて椅子を立ち、部屋から出ようとする


男「すまない今日は......!?」

鷹「逃がしませんよ♪」


腕を掴まれる
彼にはその腕に込められた力がまるで万力のそれのようだと感じられた


男「......俺にも、心の準備ってもんがあるんだぞ」

鷹「その表情、すごく扇情的です。誘ってるんですか?」
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 00:45:28.14 ID:Nq1iKDjp0
男「お、俺は誘ってなんか......!」

鷹「強がらなくてもいいんですよ?」


彼女は再び距離を詰めてくる
今度は少しでも動けばお互いの肌と肌がふれ合うような距離感
視線を外すことすらできない
彼女がいたずらに微笑んだその次の瞬間___


男「あっ......」

鷹「今日はここまでにしておいてあげます」


彼女は彼の頬に口付けをする
呆然とする彼の隣を気品漂うメイドに戻った彼女が横切る
彼が気が付いた時には、部屋にはもう彼女はいなかった
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 00:57:41.56 ID:Nq1iKDjp0
彼はひとまず自室へと戻った


男「......つ、疲れた」

女魔法使い「んー。どうだった?」


出迎えた彼女は出されたお菓子を食べている


男「とりあえず全員から聞き出せたよ」

女賢者「それは良かったですね。楽しめましたか?」

男「全然。肝冷やしっぱなし」

女魔法使い「......ふーん。ほっぺにキスされた跡あるけど」

男「えっ!?あぁ、いやこれはだな。ちょっと犬にかまれたようなあれでだな?分かってくれるだろ?」

女賢者「>>356
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 00:59:51.81 ID:mWFfxY8s0
どうやら躾がなっていない犬がいるようですね…ゴゴゴ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 01:01:40.05 ID:hhUg33F70
ふーん、随分とお楽しみだったようで(キスされたほっぺツンツン)
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 01:09:37.52 ID:mWFfxY8s0
メイドたちのスリーサイズまとめ
犬耳ちゃん ぺったんこ(多分、60)/53/75
巨乳ちゃん 100/60/88
鷹 90/57/85 
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 15:16:17.31 ID:Nq1iKDjp0
女賢者「ふーん、随分とお楽しみだったようで」


彼女はキスされた側の頬をつついてくる


男「あれは不可抗力だったんだよ」

女魔法使い「どうだかね」


物凄く居づらい雰囲気になったので部屋を出た
全員のスリーサイズは調べ終わっているので、大金持ちの所に報告するとしよう


男「......という訳です」

大金持ち「ご苦労だった。仕事が速くて助かるよ」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 15:27:07.94 ID:Nq1iKDjp0
執事「私からも感謝します。私がやると完全にセクハラなのでね」

男「いえ、俺は仕事のある限り働きますので」

大金持ち「頼もしい若者だ。君の未来に期待しているよ」

男「光栄です」


大金持ちはやりとりを終えるとソファーに深く腰掛ける
何かを察した様子の執事に目配せをすると、彼はどこかへ行った


大金持ち「それでは報酬をとらせよう」

男「はい」

大金持ち「よし、持ってこい!」


彼が合図するとガラガラとキャリア付きの台に載せられて>>361
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 15:28:06.16 ID:Nq1iKDjp0
すみません、訂正します

>>362が運びこまれてきた

です
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 15:43:21.39 ID:rA7WI/tJo
珍しいアイテムや装備品の数々
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 16:04:19.64 ID:hhUg33F70
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 20:34:23.21 ID:Nq1iKDjp0
運びこまれてきたのはアイテムや装備品
そのいずれもがきらびやかに輝いている
これらは間違いなく珍品や業物であると直感的に分かる


男「......これは」

大金持ち「最初は金銭を渡そうと思っていたんたがな、君の目を見ていてこれにしようと思ったんだ」

男「では選ばせていただきます」

大金持ち「......ふふ、やはりそうか」

男「?」

大金持ち「別に全てくれてやってもいいと思っていたんだがね」
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 20:43:07.85 ID:Nq1iKDjp0
彼はいくつかのアイテムや装備品を貰うことにした
そして、それを部屋に持ち帰った
折角なので、今晩は泊まっていってくれとの事だ


男「おーい、ドア開けてくれ」

女賢者「どうしたんですかドアぐらい開けれ......!?」

女魔法使い「それ何!?」


彼は抱えたアイテムや装備品を部屋に置いた


男「これは報酬だ」

女賢者「豪勢ですね」

女魔法使い「依頼は気に入らなかったけど、この報酬なら文句は言えないね」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 21:10:31.66 ID:Nq1iKDjp0
女魔法使い「私これ欲しい!」


彼女が手に取ったのは杖だった
軽い金属で出来た杖で持ち手に宝石で刻印があしらわれている


男「そう言うと思った」

女賢者「では私はこれを」


彼女が手に取ったのは時計だった
歪な形をしており、またあり得ない周期で時を刻み続けている


男「......それ、なんか持った時に変な感覚になったから持ってきたんだけど大丈夫か?」

女賢者「それは正しい反応ですね。これは別の時空を通してこちらの時間に干渉する力を持つ時計です」

男「だからか、あの心臓のリズムが狂ったような異様な感覚」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 21:18:16.13 ID:Nq1iKDjp0
女賢者「ちなみに女魔法使いさんが選んだのは七曜杖です」

女魔法使い「七曜杖?」

女賢者「日月火水木金土属性を全て最高適正で扱えます」

女魔法使い「へぇ!」

男「それは凄いな」


女魔法使いは杖を見て目をキラキラさせている
一方女賢者は既に時計のリズムに波長を合わせているようだ


女賢者「......そういえば、男は何を戴いたんですか?」

男「俺か?俺はこの>>368
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 21:20:32.01 ID:mWFfxY8s0
安価↓
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 21:25:42.96 ID:yhWQ/B8m0
厨二と銘のあるド派手な剣
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 21:54:13.95 ID:Nq1iKDjp0
彼が取り出した剣は、一瞬目を覆う程にきらびやかだった
あえて粗忽に見えるような整形を施された大きな刀身
それを飾る眩い宝石達
何より目を引くのが刀身に大きく銘打たれた『厨二』の二文字


男「......どうよ」

女賢者「......うーん......まぁ多分業物ではあると思いますが......うーん......」

女魔法使い「センスいいね」

女賢者「えっ!?」

男「そうだろ?」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 22:04:55.14 ID:Nq1iKDjp0
しばらくすると、夕食が運ばれてくる
海鮮主体のメニューで、ぺろりと平らげてしまった


男「旨かったな。特に今回はエビが良かった」

女魔法使い「私もそう思います」

女賢者「おや......?」

男「どうした」

女賢者「そのお尻に付いているのは何ですか?」


彼が自らの尻を触ると、何か硬いものが付いている
引っ張ってもなかなか取れず、何か引力を受けているようだった
どうにか引き離し確認すると、それは石だった


女魔法使い「魔石のようだけど」

男「ああ。でも磁石みたいな力でくっついてたぞ」

女賢者「そこのポケットに何か入れてますか?」

男「......ま、まぁ入れてるが......この際見せるか」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 22:17:11.55 ID:Nq1iKDjp0
彼がポケットから取り出したのは、茶色の魔石だった
その魔石から全くエネルギーは出ていない。これは先ほど引き離した魔石もそうだ


男「エネルギーは出ていないが、エネルギーを持っていることは分かるだろう」

女魔法使い「直感的にだけどね」

女賢者「......まさかそれは......いや、ありえない」

男「これは父親の形見なんだ。俺の記憶の中では会ったことないけど......っ!?」


引き離した魔石と形見の魔石が引き合い、激しくぶつかった
引き離した魔石は、碧く輝きながら形見の魔石と融け合っている
そこには、ひとつになった二つの魔石が残った


女魔法使い「おお......」

女賢者「ふーん......もしかしたらそれ、凄い石かもね」

男「本来なら、形見が変質して悲しむべきなのかもしれない。しかし不思議と悪い気分はしない」


まるで、パズルのピースが埋まったような感覚
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/11(土) 22:38:42.58 ID:Nq1iKDjp0
女魔法使い「そろそろ眠くなってきた」

男「確かにな」

女賢者「今日は良い日でした」

女魔法使い「そうそう。旨いもの食えたし」


他愛もない会話をしていると、ドアをノックされる
こんな時間に一体誰だろうか。ドアを開けてみることにした


男「はい」

>>373>>374
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 22:39:53.86 ID:mWFfxY8s0
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 23:04:13.69 ID:hhUg33F70
こんばんは♪夜這いに来ました♪(顎クイッ)
って言ったら可愛らしい反応をするんですよね
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/12(日) 01:04:05.68 ID:F0Bnu03R0
鷹「こんばんは♪夜這いに来ました♪」

男「えっ!?ま、待ってくれ!俺はその......」


入り込んできた彼女に顎クイされる


鷹「って言ったら可愛らしい反応をするんですよね」


彼女は微笑み満足げに手を離す


男「っく......い、一体どうしてここに?」

鷹「別に、あなたの顔が見たかっただけですよ」
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/13(月) 00:24:07.71 ID:S4qTtR9x0
男「そうか」


彼はドアを閉める
こんな素っ気ない対応はしたくないが、嫌な予感がするのだ


鷹「つれないですね?」

男「......その移動法はなんなんだ」


またいつの間にか背後をとられていた
まるで視界の外を自由自在に動き回るかのようだ


鷹「乙女の秘密ですよ」

男「どうして俺に付きまとう?」

鷹「私、勘づいたんですよ。あなたは明日いなくなるって」

男「勘づいたということにしておいてやろう。俺は地雷原に踏みいるほど愚かじゃない」

鷹「そこで!>>378
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/13(月) 00:31:39.91 ID:sXqqDCb+0
あなたのメイドになろうと
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/13(月) 00:35:54.25 ID:r4WRTW+uo
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/14(火) 00:55:59.62 ID:aHbNBl0i0
鷹「あなたのメイドになろうと思うんです」

男「......正直怖いぞ」

鷹「ご安心下さい。あなたの望むように振る舞いますので」

男「そ、そうか。じゃあ後はみんなが許可するかだな」

女賢者「どうも、彼にキスしたのは貴女?」


彼女は振り向くとそこにいた
みんな気配を遮断するのが上手なようだ


鷹「そうです」

女賢者「......まぁ、彼が拒絶しないのであれば問題ないでしょう」
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/14(火) 20:45:54.88 ID:aHbNBl0i0
男「女魔法使い。お前はどうだ」

女魔法使い「......いいですよ」


彼女は眠気に耐えかねて枕に顔を埋めている


男「おめでとう。鷹」

鷹「ありがとうございます。ところで......」

男「ん?」

鷹「私はメイドですので、主人の望むよう振る舞う義務があります」

男「そういうのはいいよ。好きなように振る舞ってくれ」

鷹「それでは>>382
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 20:48:45.00 ID:eQqm+MrN0
男。好きです
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 20:53:03.85 ID:KK/CLGVio
では私が好きなようにということであなたを押し倒・・・冗談ですので魔翌力の手錠を解いてくれませんか?どちらがやったのか分かりませんが(この私がこうもあっさりと・・・中々できる方々のようで…)
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/15(水) 19:03:50.21 ID:fnlyCzoz0
鷹「では私が好きなようにということであなたを押し倒・・・」

男「っ!?」


彼女が肩に手を伸ばそうとする
しかしその手がこちらに向かうことはなく、彼女の手には手錠がかけられる


鷹「冗談ですので魔力の手錠を解いてくれませんか?どちらがやったのか分かりませんが」

男「あはは......外してくれよ。多分そんなことするやつじゃないからさ」


彼が二人に笑いかけると手錠が解かれる


鷹(この私がこうもあっさりと・・・中々できる方々のようで...)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/16(木) 19:45:19.27 ID:wWRZmnG80
その夜は速やかに寝ることになった
そして翌日


男「......んん、朝だ」

鷹「おはようございます。お茶を淹れておきましたのでどうぞ」

男「ありがとう。流石だな」

女魔法使い「男さんは何飲んでるんですか?私はミルクティーでした」

男「これは紅茶だな。なんとなく懐かしい味がするよ」


テーブルを見ると白いコップと茶色の水滴の残るコップがあった
女賢者はおそらくコーヒーを飲んだのだろうと推測できる
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/16(木) 20:05:31.45 ID:wWRZmnG80
その後、大金持ちにだけことわって屋敷を出た
折角なので女賢者と女魔法使いの服も仕立ててやろうかと言われたが、彼女らは拒否した

そして日銭を稼ぐため、祖父の生活を豊かにするために彼は再びギルドへ向かう
その道中、しょっちゅう意識の外を鷹が歩くのでそれを捕捉しようとして気が休まらない
途中で捕捉できなくなっても女賢者が見ている方向に必ず彼女はいるのでどうにか捕捉できた


男「ギルドに着いたが......」

女魔法使い「なんか凄い攻防をしていた気分です」

男「受付嬢。何か依頼を回してくれ」

受付嬢「>>387
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 20:12:20.69 ID:LREaO/ql0
命を狙われている新郎新婦の影武者になって頂きたいのです
先日彼らに結婚式の最中に殺害するといった内容の殺害予告が届きまして
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 20:12:28.92 ID:EYdEFEey0
内容:護衛

客車(馬車)が目的地に一般客を下車させ、客車が無事に街に戻ったら報酬を与える
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 20:15:23.36 ID:xD/23+VI0
安価入りそびれた…
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 20:23:38.21 ID:xD/23+VI0
毎回、>>386の安価にしたい時にタイミングが悪い……
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 21:14:30.00 ID:kc+7hBq2o
>>389
うるさい自分語りはいらないから黙ってろ
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/17(金) 20:55:02.12 ID:4rOKsveD0
受付嬢「護衛の依頼がありますよ」

男「ほう。具体的にどういった内容だ?」

受付嬢「客車が目的地に一般客を下車させ、客車が無事に街に戻ったら報酬を与えるというものです」

男「......それ、護衛の必要ってあるのか?」

受付嬢「うーん......詳しいことは分かりませんが、何か訳があるか、そういったサービスなのかもしれませんね」

男「なるほど。じゃあ受けるとしよう」


ギルドに客車の馬車が来ているとのことなので、すぐに向かうよう言われた


女賢者「なかなかやりますね」

鷹「そちらこそ」


二人はじゃんけんをしている
引き分け続けていることから、おそらく相手の手を見て反応する高速の後出しじゃんけんだろう


男「張り合うなぁ」

女魔法使い「私もああなりたいような、なりたくないような」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/18(土) 14:48:54.64 ID:1n6EQOih0
外に出ると、客車が停まっていた
既に乗客は乗車しているようで、御者が挨拶をしてくる


御者「あなた方が護衛を担当されるんですね?」

男「ああ。結構立派な馬車だな」


その馬車は豪華ではないが、大きく作られている
人だけでなく、物の輸送も可能だろう


御者「ありがとうございます。ウチの自慢の馬車でしてね」

男「この馬車、どこまで行くんだ?」

御者「>>394
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:52:01.31 ID:85iaWoNo0
隣街まで
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 14:54:25.24 ID:zgiQQ9dao
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/20(月) 00:18:17.70 ID:Za5PUMxL0
御者「隣街までです」

男「分かった」


前部、中部、後部座席とあるので男は前部座席に着いた
乗客は中部座席に座り、最も警戒すべき後部座席に三人を配置した


御者「それじゃ、行きますよっ!」


客車は動き出した
大きな馬車だが馬の足取りは実に軽やかで、隣街まであまり時間を要せず移動できるだろう
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/20(月) 00:18:57.81 ID:Za5PUMxL0
御者「隣街までです」

男「分かった」


前部、中部、後部座席とあるので男は前部座席に着いた
乗客は中部座席に座り、最も警戒すべき後部座席に三人を配置した


御者「それじゃ、行きますよっ!」


客車は動き出した
大きな馬車だが馬の足取りは実に軽やかで、隣街まであまり時間を要せず移動できるだろう
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/20(月) 20:37:58.21 ID:Za5PUMxL0
その後馬車は数分をかけてさらに加速し、風を切るほどになる
しかし、その速度は急に落とされ停止した
彼は異常を感じ、御者に話を聞くことにした


男「よし、俺が御者に話を聞いてくるから三人は待機していてくれ」

女魔法使い「分かったよ」


彼は馬車から降りる


男「御者さん。一体どうしたんだ?」

御者「>>399
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 20:42:27.04 ID:QzN1Smnmo
モンスターですよ
恐らく一般客の中に紛れ込んでるとあるお方を狙う輩が放った刺客ってとこでしょうね
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 20:46:17.91 ID:buL9nGZI0
感じの悪い不愛想な老人が いきなり前に立ってきたんです!
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/21(火) 19:13:26.46 ID:SHk9rhhL0
御者「感じの悪い無愛想な老人が、いきなり前に立ってきたんです!」

男「なに......?」


御者は前方を指差し、そちらを見ると確かに老人がいた
その顔は皺にまみれており、魂の抜けた老木のような雰囲気だ


老人「......」

男「そこのご老人。申し訳ないが、そこをどいてもらえるだろうか」


しかし彼に反応はなかった


男「聞いているのか?」

老人「ケケケ......」

男「!?」
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/21(火) 19:23:55.66 ID:SHk9rhhL0
尚も立ち塞がる老人は不敵に笑い出す
その鉛のような瞳にだけは生気が宿り、こちらを見つめる


御者「ひっ」

男「......ジジイ、お前何者だ」

老人「それが人にモノを聞く態度か?老人を敬ってもらわんとなぁ......まぁいいが」

男「悪いが戯言を聞いている暇はないんだ。もう一度だけ問うが、お前は何者だ?」

老人「>>403
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 19:28:15.34 ID:lLx3f9390
わしゃただのか弱い老人じゃよ、ちょっと客者の中を見せて欲しいだけじゃ
大人しくお願いを聞いてくれたら護衛も含めて無関係な者まで手にかけたりはせんよ
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 19:28:17.72 ID:dDu5LYlk0
勇者……お前を潰すために来たんだよ
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 19:29:25.77 ID:dDu5LYlk0
勇者→男でお願いします
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/21(火) 20:35:53.06 ID:SHk9rhhL0
老人「男......お前を潰すために来たんだよ」

男「いいだろう、そこまで多くの因縁を負った覚えはないがな」


彼は御者に手で合図を出し、その合図で客車は再び隣街へと向かった


老人「ケケケ......お目付けは要らぬと申すか?......まぁいいが」

男「お前が俺に挑むなら、俺が相手をする。別に不思議なことでもあるまい」

老人「ック、ケケケケケ!お主、なかなか祖父に似たようだ」

男「あの人の知り合いか......一筋縄じゃいかなそうだ」
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 20:49:02.07 ID:PcNDCnfC0
老人「むむむ......」


彼は魔法の詠唱を始める
最近の魔法使いは素早い詠唱を軸とする者が多い
しかし彼は早くはないが、着実に詠唱をするタイプのようだ


男「トロいぜ!」


素早い相手にはレイピアを使うのが有効だ
しかしそれでは一撃の威力が低い
多少相手を傷つけることになっても重い一撃が必要だった

故に彼は大剣を振りかぶる


老人「......!」


詠唱が終わった


>>408...魔法の効果
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:53:58.11 ID:7Abe4uXl0
ソードブレイカー
剣という概念を持つ武器による攻撃では一切のダメージが与えられなくなる
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/22(水) 20:55:08.73 ID:sYWPM8VR0
呪い解除
呪いを解除する魔法
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:55:30.79 ID:dMNJMNto0
物質透過
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 21:33:08.45 ID:+pCBITef0
彼の一撃は性格に老人を叩き斬った


男「ふん」


しかしその一撃は老人を殺しきるには至らなかった。そして____


???「全く、甘んじて攻撃されてやる程隙を作らねばならぬとは......」

男「!?お、お前は一体......!」


もはやそれは老人ではなかった
刃の深く刺さったその体は光沢ある緑色をたたえている
顔も若返り、より邪悪なものとなっている


???「はぁ!」

男「うっ!?」


それが咆哮すれば、大剣も彼も吹き飛ばされてしまう
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 08:03:31.35 ID:suBHuTtDO
緑色…ピッコロ大魔王かな
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 22:36:11.08 ID:QCuBn4JV0
虚空を見つめるように虚だったその鉛には情熱の火が灯った


古将「我は古将!古の王に仕える最大の忠臣である!」


彼はどこからともなく大きな薙刀を取り出す
そのまま突撃し、薙刀を振り回す


男「まだまだトロいぜ!」


薙刀による攻撃は強烈な刺突と強い力での振り上げや振り下ろしだ
どちらもガードを破壊したり捲ったりするような強力な攻撃である
男はそれを知っているので、回避に専念している
威力は高いが長物なので攻撃の速度は大してなく、軌道も直線的にならざるを得ない


古将「流石だな......しかし!これを避けきれるかな!?>>413
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:37:46.53 ID:c6Lgw1r4o
薙刀を地面に叩きつけて全方位の衝撃波攻撃
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:40:03.41 ID:Hqk/YdMI0
薙刀を分離させて二刀流に
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:40:24.15 ID:IKsiBe/Q0
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/25(土) 22:33:33.63 ID:H64sPOy80
古将「両面蛇式!」


薙刀を分離させ、二刀流の構えになる
そこから放たれる斬撃は空を切る速度だ


男「く......速い!」


盾を持たない彼にとっては、速度で上回る敵はまさに天敵だった
弾き飛ばされた剣を拾う間もなく攻撃されるので、後手に回ることもできない


古将「ふははは!愚かな若造が我を倒せるとでも!?」

男(確かに奴は速い。だが......視ることはできる!)


彼はレイピアで片方の薙刀を弾き、もう片方の薙刀は回避した
速度で勝る相手への弾きは高等技術であり、集中を必要とする
しかしながら彼は認識外を『視る』力を付けていた
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/25(土) 22:34:42.65 ID:H64sPOy80
すみません>>413でした。申し訳ございません
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/25(土) 22:39:44.85 ID:H64sPOy80
古将は地に薙刀を打ち付ける
その瞬間、強烈な衝撃波が起こる


男「くっ......!?」


衝撃波により、全身の骨が揺さぶられるようなダメージを負う
だが何よりも恐ろしいのは全身が痺れ、言うことを聞かなくなるという第二の効果だった


古将「ふははは!もらったぞ!」

男「*極小風魔法*!!」
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 23:27:05.80 ID:pT2FJd100
巻き起こした風は彼の体を反らした
しかし、薙刀の一撃は避けきることはできなかった


男「ぐああっ!」

古将「......落ちたものよ」

男「......だが、お前のその傷は落ちた奴によるものだぜ」

古将「そうとも、だが!証人はお前だけだ!」


再び大きく薙刀を振りかぶり、衝撃波の構えだ
彼はそれを避けようともせず、ポケットから魔石を取り出す
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 20:50:14.76 ID:Gn3JL+3F0
男「*大地制御*!」

古将「ぬぅあああああ!」


大地が鳴動するのが分かる
なぜなら、唯一彼の立つ地のみ微動だにしないからだ


男「お前にも俺の気持ちを味わってもらおうか!*吸収*!」

古将「何!?」


薙刀を振り切って油断したその足元が地に沈む
砂のようになった大地が古将を飲み込む
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 20:31:58.56 ID:sVLSMYJX0
古将「ぬうっ!?」


胸部まで沈み、脱出を試みる
その内に彼は大剣を回収する


男「ちょっと沈めすぎたかな?まぁいい」

古将「貴様何を......!?」

男「さあな。だが俺の爺もこれができたはずだ、この技を知らぬということはお前はその程度ということ」

古将「我を愚弄するか」

男「そうだ。お前は『黄泉』を遡って甦ったんだろう?」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 19:50:18.28 ID:3Irjw02G0
古将「......そうだ」

男「俺は俺として戦ったが、どうやら俺の爺はお前と『剣士』としてしか戦わなかったようだ」

古将「我は......」

男「何が忠臣だ。お前は古の王の足元にも及ばない」

古将「殺せ」

男「断る。お前はこのまま沈めて地中に封印してやる」


彼がそう告げると、古将の体は地中へ落ちていく
無様な断末魔があまりに聞き苦しいので、穴はさっさと閉じてしまった


男「......やはりこの魔石、地の精霊と水の精霊によるものだな」

男「隣街へ急ぐとしよう」
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/31(金) 21:35:13.32 ID:DSp2XoJ60
無心で隣街まで走る
到着すると、街の入り口で三人が待っていた


女賢者「_____!」

女魔法使い「_______?」

鷹「_____......_____?」

男「......?」


口々に何か言っている
しかし耳から聞こえる音は混濁し、ノイズと変わらない
次第に視界が霞んでいく

彼は地面に崩れ落ちてしまった
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/31(金) 21:43:08.45 ID:DSp2XoJ60
男「......う......ここは......」


手放した意識を取り戻す


鷹「......!おや、お目覚めですか」

男「ああ、どうして俺はここに?」

鷹「原因は不明ですが、あなたの肉体から魔力エネルギーが完全に消えていました」

男「それで俺は倒れたのか?」

鷹「はい。お二方は大変肝を冷やしておられましたので、後で精神的な補填をした方がよいかと」

男「気遣いが心に沁みるよ。ところで、ここはどこなんだ?」

鷹「>>426
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 21:45:52.63 ID:p0ZLBk760
加速
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 21:46:40.38 ID:k87ZVCvU0
私達が今日泊まる宿です
部屋は一つしか空いてなかったので4人でこの部屋を使うことになります
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 23:46:53.58 ID:MhTJdmoa0
鷹「私達が今日泊まる宿です」

男「......みんないるようだが」

鷹「部屋は一つしか空いてなかったので4人でこの部屋を使うことになります」

男「ああ、そういう」


一通り事情を聞くと、二人が近寄ってくる


女賢者「気分はどうですか?」

男「俺は問題ない」

女賢者「私は最悪ですよ。いいですか?男はあの時死の一歩手前にいたんですよ?」

男「は、はぁ......魔力が枯渇しただけだろ?」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 23:54:56.37 ID:MhTJdmoa0
珍しく此方を睨み付け、怒っているようだ
思えば、彼女と出会ったときもこんな顔をしていた


女賢者「魔力が枯渇した状態で体が急激に魔力に触れたり、使ったりするとどうなると思います?」

男「触れれば吸収できるし、そもそも使えないだろ?」

女賢者「いいえ、あなたの体は弾け飛びますよ。そうして死んだ知り合いを数多く見てきましたから」

男「......すまない」

女賢者「......!いえ、こちらこそすみません。熱くなりすぎました」

男「気にするな。むしろその、人に心配されるってのは相当久し振りでな......まぁ、悪い気分じゃない」

女賢者「>>430
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 23:56:19.91 ID:x0Lntrzv0
私も男さんにそういってもらって嬉しいです
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 23:57:34.29 ID:KrnC8glbo
……ふ、ふふっ♪
最初の頃よりずっと素直で可愛げありますね、お姉さんは嬉しいです♪(頭なでなで)
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/02(日) 22:10:33.30 ID:tc9xaJQv0
女賢者「......ふ、ふふっ♪」

男「?」

女賢者「最初の頃よりずっと素直で可愛げありますね、お姉さんは嬉しいです♪」


彼女はニコニコ笑いながら頭を撫で始めた


男「や、やめろ!//////」

女賢者「照れなくてもいいんですよー?」

男「うるせぇうるせぇ!」


ベッドに戻り、毛布にくるまってしまった
それなのにせわしなくバタバタしている
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/03(月) 20:05:05.88 ID:qIIhvW6w0
暫くすると、彼は落ち着いた


女魔法使い「男さん」

男「......はい」

女魔法使い「なぜ私に心配をかけさせるんですか?」

男「倒れたことは悪いと思っている。何か埋め合わせでも___」「違います!」


両手をテーブルに叩きつける


女魔法使い「いつも決闘だの一騎討ちだの理由をつけて一人になる」

男「それは戦略的なものだ」

女魔法使い「そうかも知れませんが、これは私のエゴかもしれませんが」

女魔法使い「......あなたが命の危機にあるのを見ると、私は辛く苦しいです!無力感を覚えます!」

男「し、しかしだな......」

女魔法使い「そんなに、私が頼れませんか?」


彼女は涙ぐみこちらを見つめる
その真摯な視線を裏切ることができる奴がいるだろうか


男「>>434
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 20:09:49.49 ID:p6J/0RTxo
・・・いや、凄く頼りになるよ、この前の戦いもお前のお陰で助かった、ありがとう
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 20:14:36.14 ID:V9iCzvt+0
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/04(火) 21:01:20.54 ID:VKPol3Fi0
男「・・・いや、凄く頼りになるよ、この前の戦いもお前のお陰で助かった、ありがとう」

女魔法使い「そ、そうですか?」

男「ああ。それにな、別に直接手助けしてくれなくても俺にはお前が心の支えになっている」

女魔法使い「!」

男「俺がくたばれば死で割りを食うのはお前だからな。気分悪いぜ」

女魔法使い「......なんだ、そういうことですか」

男「どうかしたか?」

女魔法使い「もういいです。なんかバカらしくなりました」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/05(水) 20:41:28.03 ID:0CxSLU8a0
男「......どうやら、みんな何か俺に思うところがあったようだ」

鷹「まぁ、あなたはこのご時世なかなか見ない性格してますからね」

女賢者「みんな悪い人じゃないと思ってますよ」

女魔法使い「一緒にいれば大なり小なりそういうとこありますよ」

男「うーん......折角だし、何か俺が取り組むよ。不満は貯めないのが一番だし」


すると、三人は会議を始めた
そこまでする必要があるのだろうか?


鷹「決まりました」

女魔法使い「何でもいいんですよね?」

男「......な、何でも?まぁいいけど」

女賢者「それじゃあ>>438
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 20:49:42.37 ID:rwfHOWCb0
私たちと結婚してください
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 20:52:13.47 ID:zURb2uNu0
明日私達が変わりばんこであなたと二人っきりになって出掛けます
つまり私達三人とデートですね♪
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 19:16:43.00 ID:X+pCR7Ev0
女賢者「明日私達が変わりばんこであなたと二人っきりになって出掛けます」

男「ほう?」

女賢者「つまり私達三人とデートですね♪」

男「で、デート......」


思わず頭を抱える


女魔法使い「もしかして......嫌?」

男「そういう訳じゃない。そういう訳じゃないが......」

鷹「ふふ。期待していますよ?」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 19:53:12.72 ID:iBR73qbO0
そんなこんなで翌日を迎えた


女賢者「それでは私が一番乗りです」

男「デートの経験はないが、やり方は知っている。至らない所があれば言ってくれ」

女賢者「そうですね。デートに正解はありませんので、特にあれこれと言うつもりはないです」

男「そうしてくれるとこちらも気が楽だ。それじゃあ行こうか」


彼は彼女の手を握る
彼女は驚き彼を見るが、彼は困った顔で目をそらす


女賢者「......ふふふっ、それで、今どこに向かってるの?」

男「映画館だ。どうやら映像を幕に投影する施設らしい」

女賢者「最近流行ってるのよね、是非一度行ってみたいと思っていたの」

男「俺より詳しいようだが、何か見たい映像はあるのか?」

女賢者「>>442
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 19:56:17.87 ID:o1eAF4+L0
恋愛映画を……
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 19:57:20.73 ID:4ZQfFPfdo
では恋愛物で
デートの定番です
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 20:44:41.96 ID:iBR73qbO0
女賢者「では恋愛物で。デートの定番です」

男「そう......なのか?」

女賢者「そうですよ!」


二人は映画館に到着する
チケットを購入し、席へと移動する
冗長な宣伝の後に、映画は始まった

宿命や苦悩に襲われる青年が、優しい女性に心を助けられる
次第にその心は彼女に惹かれていく
二人は残酷な運命と向き合い、そしてその運命に決着をつけるという内容だ
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 21:44:22.65 ID:2hjnAZGXO
ボストンバッグの中に愛する人の一部を入れて海洋を漂う一人の女性
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 21:45:29.40 ID:KeeBmq/Ho
nice boat定期
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 10:57:13.24 ID:zow++1Hy0
誠死ね


女賢者「いい話でしたね」

男「そうだな。演技も生き生きとだった」

女賢者「あー私もなんだかあんな風に抱き締められたくなってきたなー?」


わざとらしく男を見る
男は気恥ずかしそうな表情を浮かべるが、すぐに小さくため息をつく
そして彼はその両手で彼女を抱き締める


男「......これでいいか?」

女賢者「ふふっ、ええ、いいですとも。本当素直になったものです」

男「......別に、やれと言われたからやっただけだ。お前に媚びたわけじゃない」
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 15:59:29.64 ID:M7BDWGVJ0
>>446 男「そうだな。演技も生き生きとしていた」
でした。誤字すみません


女賢者「素直じゃないですね」

男「うるさい。そろそろ時間だから帰るぞ」

女賢者「わ、分かりましたから!だからさっさと行かないで!」

男「しょうがないな。ほら」


目線を外しながら手を差し出す


女賢者「ふふ♪じゃあ行きましょう?」

男「そうだな。映画というのも悪くない、また今度観に行こうか」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/10(月) 20:48:55.16 ID:8Ilg00Y60
こうして、二人は宿に戻った
時刻はちょうど太陽が頭上で燦々としているときだ


男「ただいま」

女賢者「どうもー」

女魔法使い「お、お楽しみだったみたいだね」

鷹「......その言い方は語弊があるような気がしますが」

女魔法使い「えっ!?」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/10(月) 20:56:20.03 ID:8Ilg00Y60
女魔法使い「それじゃ、今度は私の番ですね」

男「そうだな」

女魔法使い「私、今日一緒に行きたいところがあるんです!」

男「おお、プランを練ってくるタイプか」

女魔法使い「ふふん」

男「ところで、どこに行きたいんだ?」

女魔法使い「>>451
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 20:58:08.46 ID:kQW7VEXk0
遊園地
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 21:40:33.60 ID:FUVpgnTwO
新築のマンション視察(もちろん男と今後住むための)
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 15:09:59.53 ID:7Uc0hgxV0
女魔法使い「新築のマンションを視察しましょう」

男「......マンション?なんだその建築様式は?」

女魔法使い「えっ」

男「あれ、もしや建物じゃないのか」

女魔法使い「い、いや建物だけど......マンションを知らないんですか!?」

男「生憎田舎者でな」

女魔法使い「......とりあえず、行きましょう?」

男「お、おう」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 23:02:35.60 ID:FOnVspTD0
英米でマンションと言えば豪邸のことなんだよな
ってここ英米でも日本でもなかったか
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 23:07:10.00 ID:0t43b1Poo
逆に何でマンション知ってるんだ
世界観がわからんぞ…
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 00:41:02.25 ID:0pH32j4RO
銃火器と映画館とマンションがある剣と魔法の世界…かな
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 07:34:26.12 ID:b7WbVbmBO
重火器が逆に遅れた文明なんだよな魔法があるから
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/12(水) 20:49:14.50 ID:WHb5jZTy0
女魔法使い「この町も最近潤ってきたんですよ」

男「詳しいのか?」

女魔法使い「来たことはあります。高級な石造りの建物ができてきたんですよ」

男「煉瓦でも、神殿のような造りでもないな」


町並みを楽しみつつ歩を進めると、高層マンションが見えてきた
マンションを見慣れない男はともかく、女魔法使いまでもが圧倒される


女魔法使い「ここです」

男「......そういや、何のために来たんだ?」

女魔法使い「え、ここに住むからですよ」

男「へぇ、まあこういう所にあった方がアクセスが良いしな」

女魔法使い(男と一緒に住むための、ですけどね!)
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 20:39:11.33 ID:wjbgEhhE0
圧倒されつつも、フロントへと入っていく
豪華な造りのきらびやかな受付がまず目についた
しかし、すぐさま目線はその奥へと移動した
そこには人一人分はある巨大なハンドルがあり、屈強な作業員達がいる


男「......なんだこれ?」

作業員「こちらのハンドルを回すとこの隣の箱が上昇します」


確かに、人が数人入れるくらいの箱がある


女魔法使い「人力昇降機ですね!」

作業員「はい。いずれ魔力で可動するエレベーターという乗り物になる予定です」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 01:17:34.63 ID:Pamua6cDO

460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/14(金) 20:39:31.12 ID:au0cD9sr0
男「へぇ」

作業員「何階まで行かれますか」

女魔法使い「100階まで」

作業員「100階ですか!?」

男「......へ?」


呆気に取られていると、作業員がハンドルに手をかける
彼女は男の手を引き、箱へと連れていく
ハンドルが勢いよく回され、箱は上昇していく
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 07:21:13.46 ID:09kWn7qxO
電動や魔法じゃなくて人力エレベーターかよww
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/15(土) 17:57:22.53 ID:1N8iq1KM0
そうこうしている内に、100階へ到着する


男「高いな」

女魔法使い「そりゃあ100階ですからね。こっちに来てください」


彼女の示す先には、黒光りするドアがある
扉を開き、中へ入ればそこには美しい眺望が広がっていた


男「ここは......リビング、なのか?」

女魔法使い「そうです。その眺望も拝めるように大きな窓がついているんです」

男「視察と言ったが、本当にここに住むのか?」

女魔法使い「はい」

男「......お前、家賃払えるのか?」

女魔法使い「私の家って結構金持ってるんですよ。なんで問題ないです」

男「もう住むことを決めていたような口振りだが、何のために俺をここに連れてきた?」

女魔法使い「>>464
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 18:06:18.58 ID:PH+Gqd9c0
母を紹介したいのです
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 18:23:32.46 ID:GkLOxzcHO
465 :今まで使った肩書きの中の最長記録を更新しました [saga]:2020/02/16(日) 21:05:29.58 ID:NLT6uQu00
女魔法使い「母を紹介したいのです」

男「......どういうことだ?」

女魔法使い「隠れてないで出てきてください」


彼女が告げると、部屋のクローゼットから女性が出てくる


女魔法使い母「バレてた?」

女魔法使い「当然です。いつもやられていれば分かりますよ」

男(個性的な家庭だなぁ......)
466 :今まで使った肩書きの中の最長記録を更新しました [saga]:2020/02/16(日) 21:08:58.00 ID:NLT6uQu00
女魔法使い母「ご紹介にあずかりました、私、彼女の母でございます」

男「はは、エネルギッシュですね」

女魔法使い母「まだまだ若い者には負けませんよ」

男「それはそれは。......ところで、どうしてお母さんの紹介を?」

女魔法使い母「そんなの、決まっていますよね」

女魔法使い「>>468
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 21:13:35.19 ID:0OcsBgul0
加速
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 21:14:57.06 ID:iDQ8z02F0
私に相応しい男性か見てもらうためですよ
あなたの旅に付いていくと決めたので、まずは私を任せられる人かどうか一目見たかったらしいです
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 20:54:53.89 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「私に相応しい男性か見てもらうためですよ」

男「お前に?」

女魔法使い「あなたの旅に付いていくと決めたので、まずは私を任せられる人かどうか一目見たかったらしいです」

男「なるほど......正直な話、結構困るな」

女魔法使い「何か後ろめたいことでもあるの?」

男「俺は人の身を預かるにはまだまだ早いんだ。以前爺に言われた」

女魔法使い「そうかな?」

男「ああそうだ。実際お前達の中に不満が発生したから今ここにいるんだ」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 21:13:54.74 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「でも、男さんは私達を一度も危険な目に遭わせてないですよね?」

男「当たり前だろう」

女魔法使い「......んんん?」


彼の言葉があまりにひっかかったようで、首を捻っている


女魔法使い母「まぁ!素晴らしい心意気ですこと」

男「いえ、ですから当然のことですよ」

女魔法使い母「何言ってるのよ。それじゃあ何が足らないの?」

男「常に気を配り、あらゆる場面でのエスコートをすることです」

女魔法使い母「あらあら、あらあらあらあら......私、もう満足したわ。それじゃあね」


彼女はそう言って帰っていった
おそらくはお眼鏡にかなったということなのだろう
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 21:25:32.48 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「ちょっと!」

男「どうかしたか」

女魔法使い「どういうことなんですか!私だって仲間なんですよ!?」

男「......悪い。何を言いたいんだ?」

女魔法使い「ああもう!危険な目に遭わせないのが当然って、私に戦うなって言いたいの?」


詰め寄られ、服を掴まれる


男「いや、お前は後衛だろう」

女魔法使い「敵が私を遠距離攻撃で狙ったら?」

男「俺が盾になる。俺のポリシーどうこうではなく、前衛がそうあるべきなんだ」

女魔法使い「じゃあ私がダメージを受けるか男さんが死ぬかだったら!?」

男「そうだな。まぁ死ぬだろう」
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 21:42:52.10 ID:QCRMo/Pf0
女魔法使い「ふ......ふざけないで!」


全力で突き飛ばされる
予想外のことに、バランスを崩して倒れてしまう


男「......伝え忘れていたが、俺は自分の命に大した価値も意味もないと思っている」

女魔法使い「っ!」

男「だが心はある。だから何かを失うくらいなら死ぬ。そういうことだ」

女魔法使い「うるさいっ!!もう口を開かないで!(*?*)」


彼女が叫ぶと、体が言うことを聞かなくなる
指一本動かないのだ


男「ぐっ!?これは魔法か......?し、しかし!」

女魔法使い「どうして男さんが女賢者さんと旅をしていたか、なんとなく分かったの」

男(誤算だった......まさか彼女もまた、俺の考え方を否定する者だとは)

女魔法使い「その考え方、絶対に変えさせてあげます」
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/18(火) 20:40:42.40 ID:yk38u0050
男「そこまで言われるとは、失言だったようだ」

女魔法使い「男さんにとってはそうですが私としては、男さんについて知ることのできる機会でした」

男「忘れたほうが楽だと思うが」

女魔法使い「......ふふ、そういう意味では、忘れられない思い出になりそうですね」


彼女がこちらを見据える目はより確かになっていた
かつての熱に浮かされたような視線は嘘のようだ


男「ひとまず帰ろう」

女魔法使い「そうですね」

男「......いや、動けないのだが」

女魔法使い「え!?」

男「こっちのセリフだ!解き方が分からないのか!?」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/19(水) 23:26:33.48 ID:ad951JDk0
女魔法使い「いや、待ってください。もしかしたら出来るかもしれません」

男「お、おい!?いいか落ち着けよ!?この前も俺を眠らせたばかりだろう?」

女魔法使い「大丈夫です。私だって仲間なんですから信用してください」

男「当然信用している。念入れだ」

女魔法使い「むむむむむ......はっ!!」


>>476...何が起きた?
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:30:34.86 ID:OP2iNo4y0
一時的に男に恋愛感情が芽生える
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:30:39.18 ID:HtTKyDj8o
辺りが霧に包まれ始めた
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 23:31:47.96 ID:Fbi+xJB9o
動けるようになったが今度は二人とも磁石のようにくっついてしまっま
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/20(木) 20:37:25.80 ID:9osJ7pt80
彼女が力を込めると、辺りに霧が立ち込めた


男「......な、なんだこの霧は!?」

女魔法使い「もう何がなんだか分かりません!!」

男「だが......動けるぞ!」


霧が体にまとわりつき、魔法の拘束を弱めていく
どうやらこの霧には魔法を弱める力があるようだ


女魔法使い「どうにか解けたようですね」

男「ああ、一時はどうなることかと思ったが」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/21(金) 20:52:32.39 ID:DAUegClt0
どうにか騒動も終わり、宿に帰ってきた


男「ただいま」

女魔法使い「はちゃめちゃに疲れましたよ」

女賢者「魔力がだいぶもってかれてますね」

男「ちょっとはしゃぎ過ぎちゃってね」

女魔法使い「えへへ」


二人は椅子に腰掛け、ハーブティーを飲み始めた
しかし、ハーブティーを淹れたと思われる彼女の姿がない


男「あれ?」


見回していると、ちょいちょいと服を摘ままれる
振り向けば、彼女が部屋の入口で既に外出の準備を整えている


鷹「......すみません。服を摘まむというのは不躾でした」

男「別に気にしないさ。それじゃあ行こうか」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 16:20:06.80 ID:P8pKTwph0
鷹「どこへ行かれるか決まっておりますか?」

男「いくつか目星はつけてあるが、どこか行きたい所があるのか?」

鷹「いえ、私はあなたの行くところにどこまでても着いていく所存です」

男「......そうか、じゃあちょっと歩こうか」


二人は日の暮れた町を散策する
都の隣にあるだけあって、夜でも活気がある


鷹「こういった所は初めてです」

男「そうか?俺も田舎者だからよく分からないぞ。それが新鮮な面白さって奴なのかもな」

鷹「そうかもしれませんね」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 16:26:18.00 ID:P8pKTwph0
男「お、あれは......」


陽気なオヤジがスイーツを売っている
出来た人だかりを掻き分けて、甘い匂いが漂ってくる


鷹「スイーツ、でしょうか。おそらくソフトクリームの類でしょう」

男「あれ食べたいか?」

鷹「......しかし、あなたは既に二人とデートしています」

男「そうか、買ってくるよ」

鷹「え?」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 16:30:16.62 ID:P8pKTwph0
彼はソフトクリームを持って戻ってきた
驚くような高さのソフトクリームを二人分買ってきたのだ


男「ほらよ」

鷹「......では、いただきます」

男「それでいい。少しいい顔になったな」

鷹「先程から、一体どういうことですか?」

男「んー?クリームが溶けちまうぞ。これ食ったらな」

鷹「分かりました」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/22(土) 18:20:30.60 ID:P8pKTwph0
二人はソフトクリームを食べ終えた
先に食べ終わった彼女は、神妙な顔でただじっとしている


男「うまかったな」

鷹「はい」

男「......お前、もう少しわがまま言ったらどうだ?」

鷹「しかし......」


普通なら目を逸らす所を、彼女はそらさない
目付きが鋭いので、むしろこちらが緊張する


男「これがデートだと分かっているのならわがままの一つでも溢すのが対等な関係だ」

鷹「......」

男「別にお前が悪いと言うつもりはないさ。だがな、少なくとも今お前と俺は主従関係じゃない」

鷹「そうですね」

男「だったらやりたいことは色々あるだろう。俺の仲間になる前のお前はもっと欲を見せていた」

鷹「恥ずかしい限りです」

男「いいか、手始めに一つだけわがままを聞いてやる。よく考えて言うんだ、いいな?」

鷹「......はい......でしたら......>>485
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 18:21:04.53 ID:3OpmZTEgO
キスしてください
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 18:24:21.49 ID:6yRPMNaCo
デートの間は常に腕を組んで歩きましょう
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/23(日) 16:24:41.19 ID:ffEsFzbX0
鷹「デートの間は常に腕を組んで歩きましょう」

男「ああ、構わないぞ」


男は立ち上がり、左腕を差し出す
彼女はその手を掴んで立ち上がり、腕を組んだ


鷹「ふふ......ふふふ」

男「どうした?」

鷹「なんでもございませんよ。それじゃあ行きましょうか」

男「足元に気を付けて歩けよ」
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/24(月) 20:28:52.80 ID:x+RI0eVb0
男「......ありゃ、もう閉まってる」


彼が連れていく予定だったカフェは既に閉店時間を過ぎていた


鷹「残念です」

男「申し訳ない。どうしたものか」


思案していると、首筋に冷たいものが当たる


鷹「おや」

男「これは......雪か。誰か降らせているのか?」

鷹「物好きな魔法使いはやるかもしれませんね」

男「そうだ!行きたいところがある!」
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/25(火) 20:12:16.68 ID:xRWYI5jh0
鷹「ここは......公園ですか?」

男「そうだ。もう雪が積もっているな」

鷹「ロマンがありますね。真っ白な世界で二人きりなんて」

男「だろ......っと!?」


華麗な足払いで男を倒す
それに引かれて彼女自身もまた、雪の中に倒れる


鷹「足元には気を付けて下さいよ」

男「この......」

鷹「そう怒らないで下さい。疲れましたよね?ここで少し休みましょう」

男「そうだな、しかしなんだか眠くなってきたぞ」

鷹「死にますよ」

男「あぁ、このままじゃ死んじゃうよ。だから何か目の覚めるようなことを言ってくれ」

鷹「>>490
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 20:18:01.28 ID:Vi/IYBePo
寝たら犯します
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 20:30:51.06 ID:ApV3Kl0A0
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/26(水) 20:52:13.10 ID:Z6PPwrK20
鷹「寝たら犯します」

男「ひっ」

鷹「ふふふ。ここにはスリルもロマンもありますよ」

男「風邪ひくぞ」

鷹「それもそうですね......」


雪は止み、雲間から星の瞬きが差す
澄んだ空気の中に、雄大な宇宙を感じることができる


男「綺麗だ」

鷹「......あなたが先におっしゃるんですね」

男「む?」

鷹「なんでもありません」
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/27(木) 20:58:00.75 ID:LMZg8jld0
二人は宿に帰ってきた


男「ただいま......俺はもう寝るぞ......」


男はベッドへ倒れこんだ


鷹「やはり、無理をさせてしまったかもしれません」

女賢者「気にすることはないと思いますよ」

女魔法使い「男さんは多分こういうこと嫌がってないと思いますしね」

鷹「......そうですね。私ももう少し強気に出ようと思います」
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/28(金) 19:20:36.88 ID:q0Ns01P40
翌日


男「おはよう」

鷹「おはようございます。モーニングティーの用意を致しますね」

男「あぁ、ありがとう」

女魔法使い「疲れは取れた?」

男「寝たからな。当然元気だ」

女賢者「......そろそろ、都市に帰りますか?」

男「そうそう、それなんだがな」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/01(日) 00:07:59.86 ID:TI4w+E/q0
鷹「失礼します。モーニングティーでございます」


香ばしい紅茶が運ばれてきた


男「ありがとう。悪いね......それでな、一回実家に帰ろうと思う」

女魔法使い「実家!?」

男「やけに食いつくな。理由としては、ある程度金が貯まったからだ」

女賢者「仕送りなら、郵便で送って貰えばいいじゃないですか」

男「うーん......まず郵便業者は実家に辿り着けないな。山とか谷とかがあるから」

鷹「なるほど、そういう訳なんですね」

男「そうだ。というかそもそも住所が存在しない所に住んでるから、受け付けて貰えない」

女魔法使い「じゃあ男さんが迷ったらそこで終わりですね」

男「自分の庭で迷う奴があるかよ。途中までは馬車で行けるから、そこまで乗せていって貰おう」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/01(日) 22:52:38.53 ID:TI4w+E/q0
そこから、馬車に揺られること数時間
馬車から降り、周りを見回せば一面の森
太陽は空の頂に上りつめ、異世界に迷いこんでしまったような雰囲気だ


男「それじゃいくぞ。多分こっちだ」

女魔法使い「動物とか出ます?」

男「そんな出ないと思うぞ。出ても狐とかそんなもんよ」

女賢者「確かに、穏やかな森ですね」

鷹「山菜採りに来たいですね。きっと楽しいですよ」

男「......楽しい......うーん、俺はよく毒系の山菜やらキノコやら採って苦しんでたからなぁ」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/02(月) 20:55:06.92 ID:uPaVgLJf0
草木を掻き分け、森を進む
途中には段差や穴があったが、男が把握していた為、さして苦戦しなかった


男「そろそろだな......」


彼が呟いたその直後
森を抜け、新鮮な風が吹き込む
しかし、そこにあったのは目的地ではなく大きな谷だった
大口を開けて待ち構えるその亀裂を越えるのは容易ではないと分かる


男「あれ、吊り橋がないな」

女魔法使い「えっ!?」

女賢者「どうしましょうか?」

鷹「そうですね......」

女魔法使い「そうだ!>>498
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:02:58.50 ID:EgFLBcft0
女賢者さんのワープ!
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:03:49.98 ID:xNQI7GaF0
近くにいるグリフォンを捕まえて飛んで渡りましょう!
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/03(火) 20:43:21.62 ID:svTxGL8U0
女魔法使い「近くにいるグリフォンを捕まえて飛んで渡りましょう!」

男「......グリフォン?そんな奴、この山には居ないぞ」


彼がそう言って笑うと、四人に大きな影が落ちる


鷹「ですが、あれはグリフォンではありませんか?」

女賢者「間違いないですね。幻獣とは珍しい」

男「へ?」


そこに居たのは猛獣の体に鳥の顔を持ち、天翔ける両翼をもて余すように羽ばたかせる巨獣だった
先程から感じていた風はより強くなる


女魔法使い「やいそこなる幻獣よ!我々を谷の向こうまで運びたまえ!」

男「なんだそのしゃべり方」
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/04(水) 20:46:37.05 ID:RaBus9t30
グリフォン「断る」

鷹「それは困りましたね」

男「......うぅむ......面倒な......」


彼は急に苦虫を噛み潰したような顔になる
何やら俯いて考えているようだ


女賢者「どうかしました?」

男「これ、多分うちの爺が橋を落としたんだと思うぞ......」

女賢者「どうしてですか?いくら人が通らないからといって橋は落とさなくともいいでしょう」

男「どうにかこいつを納得させて谷を渡れってことらしい。俺の真心とやらを試すつもりのようだ」


彼は頭を上げ、グリフォンに対して向き直った


男「天の宮殿の主。汝は素晴らしき宝物を宮殿に収めていると聞く」

グリフォン「いかにも」

男「誠に残念ながら、我々は宝石を持っていない」

グリフォン「ならば帰れ」

男「しかし、献上するにふさわしい話はございます」

グリフォン「ならば語れ。我を楽しませてみせよ」
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 21:24:48.14 ID:XHdcZ1500
男「時に空の主。だじゃれというものを知っているか?」

グリフォン「知らぬ」

男「一つの文における五十音の被り、とくに同音異義語などを見つける遊びです」

グリフォン「......ほう。その内容の如何によって貴賤が分かれるということか?」

男「左様にございます。その中でも特に上質なものを献上することと致します」

グリフォン「言うてみよ」

男「>>503
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 21:28:03.42 ID:0iYuP6HE0
安価↓
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 21:45:10.58 ID:DZPviIFL0
捜査官が「今日の夜も激しくやるぜ」というと女は「そう、お盛んね」と答えた
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 01:00:16.68 ID:yn/qYOsDO
だじゃれじゃなくてアメリカンジョークかよ
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 07:37:30.16 ID:Ztat+5oLO
悟空「フトンがふっとんだ!」
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/06(金) 19:48:44.42 ID:QZvM+42W0
男「捜査官が「今日の夜も激しくやるぜ」というと女は「そう、お盛んね」と答えた」

グリフォン「......」


場には静寂が立ち込める
実際には谷に風が吹き、風鳴りはしていたが、感覚的にそうだった


女魔法使い(さすが下ネタはまずかったんじゃあ......)

グリフォン「ふむ、面白い。良いだろう、汝らを谷の向こうまで運んでやる」

男「感謝します」

女賢者「見事なものです。私はもうダメかと思いましたよ」

鷹「......え?面白かったですよね」

男「だろ?」

女魔法使い「......」
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/07(土) 20:50:37.52 ID:m8rgQYeE0
四人はグリフォンに騎乗する
大きなその体には不思議な安心感がある
空の許す限りどこまでも飛んでいけそうだ

しかし、癒しの時間はそう長くは続かなかった
谷を渡るだけなのだから当然と言えば当然なのだが


男「......また、どこかで会えたら」

グリフォン「うむ。汝は聞いていた通りの男だったぞ」

女賢者「貴重な体験をさせていただきました」

女魔法使い「それじゃ!」

鷹(グリフォン、かわいいなぁ)
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/08(日) 23:53:53.59 ID:z8fk058T0
陽が暮れる頃、小さな城の様な建物に辿り着く


男「ここが俺の家だ」

女賢者「......なんですかこの家?城や宮殿のような建築様式ですが」

鷹「もしかしていかがわしい建物ですか?」

男「違うわ!」

女魔法使い「早速おじいさまに会いにいきましょう!」

男「お、おう。何か勘違いしてないか?」

女魔法使い「何のことでしょう」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/09(月) 23:40:11.38 ID:y0T7XhQB0
玄関のドアをノックする


男「ただいま帰りました」


すると、待ち構えていたような反応速度で扉が開きはじめる
ゆっくりと開いているので、食いぎみな印象は受けない


爺「......」

男「値踏みするような目で見てくれるな」

爺「>>511
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 23:44:31.98 ID:SIQJocxBo
・・・ワシが若い頃でも流石に三股は・・・(ドン引き
しかも三人一緒に引き連れて家来るって少し見ない間にとんでもない性欲魔神の節操無しになりおったな
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 23:46:23.64 ID:kl0Ygnp50


それにしても……どの子も美人ばかりじゃのぉ……ハナノバシー
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/10(火) 20:55:56.93 ID:FTsjZ8zY0
爺「…ワシが若い頃でも流石に三股は…」(ドン引き

男「いや違うから」

爺「しかも三人一緒に引き連れて家来るって少し見ない間にとんでもない性欲魔神の節操無しになりおったな」

男「そういうのでもないし!清い関係だから!」

爺「それにしても......どの子も美人ばかりじゃのぉ......」ハナノバシ-

男「爺さんも大概じゃねーか!」

女魔法使い「これは『そういうこと』ですよね!?」

男「うるせぇ!」
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/11(水) 18:53:29.75 ID:10ymMpTQ0
爺は立ち話も何だと四人を応接室に招いた
女性陣は備え付けのソファーに座らされたが、彼は爺と女性陣の間に座らされた
大変居づらそうだが、これがディナーの席であれば主催の座る位置だ


爺「第一、清い関係と言っておったが、お主は彼女らそれぞれとの関係性を説明できるのか?」

男「で、できるとも!」

爺「じゃあまずそこのお姉ちゃんからじゃ」

男「......」

女賢者「......えっ」

爺「どうやら、そういうことらしいな」

男「いやいやいや、違うから!彼女は俺の仲間だ!そうだよな?」

女賢者「>>515
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 19:02:43.89 ID:8Hb9Sz7AO
そこまで必死にならなくてもいいじゃないですか…
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 19:03:52.30 ID:vQCiXKk8o
・・・ニヤリ
何度か同じ部屋で、同じベッドで共に夜を過ごしましたね♪
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 19:04:19.05 ID:GOahreEw0
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/12(木) 19:19:42.38 ID:l8Pj+CVL0
女賢者「......」ニヤリ

女賢者「何度か同じ部屋で、同じベッドで共に夜を過ごしましたね♪」

爺「ほう!」

男「待て待て、それには語弊がある」

女賢者「でも事実でしょう?」

男「くっ......」

爺「お主、この姉ちゃんと同じベッドに入った上で一切彼女を意識せんかったと言うのか?」

男「......ま、まぁ......意識ぐらいはしたかもしれないが......」


節目がちでしゃべる彼を見て、彼女は勝ち誇ったような顔をする
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/12(木) 19:26:47.12 ID:l8Pj+CVL0
爺「まったく、お主という奴は......」

女賢者「ふふ、まぁそういう関係にないのは事実ですので、どうかご容赦を」

爺「そうなのか?」

男「そうとも」


どうにか乗りきった
これ以上の事態にはもうならないだろう


爺「うむ、ではその隣のお嬢さんとはどうなんだ?」

男「彼女もまた、俺の仲間です。時々奇行に走りますけど」

爺「相違ないか?」

女魔法使い「>>520
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 19:40:11.02 ID:pWYs8lxD0
安価↓
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 19:53:13.47 ID:Ovb4JCV70
ふふっ♪男さんにぜ〜ったいに(以前語られた考えを改めてもらうって私に決意させた)責任取ってもらうまでついていきますからね!
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/13(金) 21:30:49.50 ID:2dSUqF2E0
女魔法使い「ふふっ♪男さんにぜ〜ったいに(以前語られた考えを改めてもらうって私に決意させた)責任取ってもらうまでついていきますからね!」

男「せっ、責任!?」

爺「お主......やはりそういう関係を持っておったのか」

男「違う!やましいことはない!......まぁ、何度か寝込みを襲われたりはしたが......」

女魔法使い「それは男さんがもともと......その......///」

男「お前は何を勘違いしているんだ!?」

爺「これ、それ以上言うとお嬢さんが傷付くじゃろう」

男「む......」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/14(土) 20:56:25.90 ID:ntAo4HeD0
爺「ところで、そこのメイドさんとはどういう関係なんじゃ?」

男「彼女も仲間だ」

爺「む?メイド服を着ているが.....」

男「確かにメイドらしいこともよくしているが、彼女はああ見えて結構女性らしい。そして何より強いんだ」

爺「ほう。そうなのか?」

鷹「>>524
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 20:57:46.15 ID:rXTt5+nK0
はい。男……いえ、ご主人様には初対面の時に情熱的な口説き方をされまして……
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 20:58:37.52 ID:HuoT0nv7o
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/16(月) 08:37:43.23 ID:Q5FzgBzS0
鷹「はい。男......いえ、ご主人様には初対面の時に情熱的な口説き方をされまして......」

爺「なんじゃお主、口説いたのか。レイプしかできんのかと思ったわ」

男「どっちもできねぇ!」

鷹「私、あんなに強く求められたのは初めてだったのでつい......」

爺「ふん。やはり性欲魔人じゃの」

男「違うからな。確かにどこかで彼女を求めてたかもしれないけど、俺は何も言ってないからな」

鷹「おや」


彼女が目を細める
またしてもやってしまったのだ
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/16(月) 21:14:22.28 ID:Q5FzgBzS0
男「......ふん」

爺「くくく、面白いのう」

鷹「あら、自分の息子を笑うとは酷い親ですね」

爺「くく、仲間を笑うお主らには言われとうないがの。わしは少し席を外すぞ」


そう言って爺はどこかへ行ってしまった


男「......覚えてろよ」

女賢者「んふ、怖いですね」

女魔法使い「私なんか言いました?」

鷹「すみません、ついご主人様がかわいいもので」

男「まだ呼び方が抜けてないぞ」
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/17(火) 20:26:49.05 ID:+tC5Btzd0
しばらくすると、箱を持って爺が帰ってきた


爺「そろそろ息子が帰ってくるじゃろうと思っていたところでの」

男「その箱はなんだ?」

爺「そう焦るな。お主らに贈り物じゃ」


爺は大理石のテーブルの上に置かれた箱を開け、中身を取り出す


男「......なんだ、それ?」

爺「>>529
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 20:29:12.89 ID:Q7XUqy7K0
開いたものの願いをかなえてくれる箱じゃ
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 20:29:36.55 ID:I7TUvDrTo
勿論コンドー・・・じょ、冗談だってば
こっちが本命じゃ!つ大きな卵
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/18(水) 19:59:17.52 ID:qK05IGs/0
爺「勿論コンドー・・・」

男「今日こそは屍になってもらおうか老いぼれ」

爺「じょ、冗談だってば、こっちが本命じゃ!」


出しかけたコンドームをしまい、大きな卵を取り出す
というかこの爺、ご丁寧にコンドームまで持ってきたらしい


鷹「おいしい卵焼きができそうですね」

爺「うぅむ......まぁ実際うまそうじゃが、これは食用じゃないぞ」

女魔法使い「じゃあなんですか?」

爺「これはな、ドラゴンの卵じゃ」

男「......ド、ドラゴン!?」
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/19(木) 20:52:57.95 ID:u02hw+TV0
爺「あと、お主はそろそろ運命が近づいておるな」

男「運命......」

女賢者「運命とは何ですか?」

爺「うちの子供は若い内に宿敵と戦うんじゃ」

女魔法使い「なるほど、よく変な敵と戦ってますね」

男「あれは前座だ。いつか世界の脅威になるような奴と戦うことになる」

爺「それなりに強く育てたつもりではあるが、正直お主の仲間の方が強そうじゃがの」


男は複雑な表情をしている


鷹「気にしないでください」

男「ん?あー、まぁ......うん」
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/20(金) 22:15:41.18 ID:06QAFzdh0
爺「その卵はじきに孵るじゃろう」

男「そうだ爺さん。古王ってやつの封印がそろそろ解けてるっぽいんだが」

爺「あぁ、あやつか?なあに大した奴じゃないぞ。ただ死なないだけの化物じゃ」

男「それが問題だと思うんだが」

爺「また封印すればええじゃろう。そこら辺に埋めておけ」

男「......はぁ。あと、もう一ついいか?」


男が問いかけると、家がどこからかの強い衝撃を受ける
何かが家を揺さぶっているかのような感覚だ


爺「なんじゃ」

男「その卵、どう調達した?」

爺「巣からとってきた」

男「やっぱりか!」


男は家の外に武器を持って飛び出した
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/21(土) 21:48:25.50 ID:N+6nyjjP0
家の外には、ゆうに4mを超える巨大なドラゴンがいた
家の屋根にしがみついて揺さぶっている
このままでは、家の崩壊は時間の問題だろう


男「おいドラゴン!」

ドラゴン「......クァ......!!!」

女賢者「ちょ、待って下さい!そうやって一人で無茶ばかり!」

女魔法使い「デカい!」

鷹「......しかし、ここで殺すというのは少々かわいそうですね」

男「だが、こいつはあくまで野生の生物。卵を寄越したからといって大人しく見逃してくれるとは思えない」
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/23(月) 20:46:27.69 ID:yKc+4FWd0
男「ここで仕留める!」


男は素早く、ドラゴンの喉元に飛び掛かる
しかし、それは同時にドラゴンの逆鱗に触れることにもなる


ドラゴン「ゴアアアッ!!!」


ドラゴンは口から炎を噴いて攻撃しようとする
彼はあくまで攻撃をされる前にドラゴンを殺すつもりのようだ


女賢者「水球反作用!」


女賢者は水の玉をドラゴンの口許に発射し、炎を消火した
これで安心して攻撃できるというわけだ
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/24(火) 20:31:31.96 ID:+dKYT9q+0
男「ぜぁっ!!」


彼は懐から大剣を取りだし、ドラゴンの首をはねた


男「......よし!」

爺「ほっほっほ。これで夕飯を買いにいかずにすんだぞい」

女魔法使い「ということは?」

爺「本日の夕飯はドラゴン肉じゃ」

女魔法使い「やったー!」

鷹「私も調理を手伝いますよ」
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/24(火) 22:29:41.07 ID:pUX1wcGDO
堅そうな肉…
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 01:02:32.42 ID:QcTICzsfO
これとんでもない悪行だよな…
子供(卵)を拐われその悪人を倒して子供を取り返しうとしたドラゴンの首はねてるんだからな
538 :諸行無常 [saga]:2020/03/25(水) 20:31:38.50 ID:pwBCN60R0
ちなみにドラゴンは親子共々悪霊になって男の次の代で復讐しにきます


爺「......げっ」

男「どうした?」

爺「お主、逆鱗ごと斬りおったな?」

男「まぁ......そうなんじゃないか?どうも大剣は上手くコントロールできないんだ」

爺「逆鱗は高く売れるんじゃ。しかもこいつを失って死んだドラゴンは成仏できんのじゃ」

女賢者「ドラゴンゾンビというやつですね」

爺「わしが死んだらドラゴンの魂が宿るかもしれんぞ?」

男「爺の相手は遠慮したいなぁ」
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/26(木) 20:47:53.71 ID:Mqn7Ohf90
鷹「ところで、一体どこの肉を食べるんですか?」

爺「んー......まず腕とかは駄目じゃ。流石に堅すぎる。食える奴もいるがの」

鷹「顔の周りも駄目そうですね」

爺「顔は駄目じゃが、首と顎の繋ぎ目の部分はいける」

鷹「と、言われますと......尻尾は向いてますかね」


ドラゴンの周りをぐるぐると回りながら目星をつけていく


爺「うむ。比較的柔軟に動く部分は食べやすい」

女賢者「ええ。このドラゴンのそういった部分はサメの歯のようになくなればまた形成されます」
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/27(金) 00:21:08.76 ID:JgeUqS38O
目の回りの肉は絶対旨いはず魚のアラなんか最高やからな目の回りは
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/28(土) 20:32:01.68 ID:VTo61pfx0
>>540
ほへぇ、そうなんですか。参考にします


その後、爺と鷹はダイニングにドラゴンの肉を運び込んだ


鷹「ダイニング大きいですね」

爺「うむ。こういうこともあるじゃろうと思うての」

鷹「私もやりやすいですよ」

爺「ところで、一体どのように料理するんじゃ?」

鷹「>>543
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/28(土) 20:33:16.76 ID:ejb5ck110
まず細かく切ります サッ(どこからともなく包丁を出す)
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/28(土) 20:49:26.48 ID:VqzjGF/Eo
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/29(日) 20:53:50.53 ID:xUS2dK8u0
鷹「まず細かく切ります」サッ


どこからともなく包丁を取りだし、肉を切り始める


爺「それは___」

鷹「ご安心を、殺菌してありますので」

爺「そうか。調理の準備はしておくでの」

鷹「助かります。この量の調理を一人で、というのは流石に骨が折れますからね」
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:11:14.75 ID:J3H4DkODO
待ってるんだぞずっと
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