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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 98 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/01/16(木) 21:13:15.11 ID:LgjHVKE/0
- ◆◆◆
「という訳で、どうやら袁家は出兵の準備をしているようですね」
諸葛亮の報告にふむふむと北郷一刀は頷く。なるほど、袁紹という盟主がいなくとも歴史の流れは変わらぬのかと。
――県令として劉備が任地に赴任し数か月がたつ。余り紀霊と友好的な関係を結べていないこともあり、とんでもない僻地、荒地に左遷されるのではないかという危惧は杞憂に終わった。
前任者はそれなりに有能、それなりに善良であったようでよく治められている。
これまで政に携わったことのなかった劉備一行にはあれこれと丁寧に引継ぎすらしてくれており、今のところ大過なく治められている。
――劉備の治世についての領民の評判はすこぶるいい。清貧を地でいく劉備の人徳もあるが、官庫を開いたことが大きい。
二千人の義勇兵を養って余りあるほどのそれを領民に還元したのである。
余程の天変地異でもない限り問題はない程度に食糧、金銭の貯蓄を減らす。更には付き従う義勇兵には開墾を命じる。
屯田兵、と北郷一刀が命名した彼らは実に熱心に地を耕している。きっと秋の収穫には大いなる実りがあるはずである。
なに、慣れぬ農作業も農徳新書さえあればある程度の収穫は見込めるというものである。
――閑話休題。諸葛亮の報告を受けて北郷一刀は口を開く。
「反董卓連合、か」
その推察が自らのそれと重なり諸葛亮は改めて自らの主人に心服する。これだけの限られた情報でそこまで至るとは、と。
「洛陽で暴政を敷く董卓。大いにありえますね」
諸葛亮の言に劉備は戸惑う。
「え、でもでも!
月ちゃんがそんなことするかなあ。あんなにいい子だったのに。
ねえ、ご主人様。本当に月ちゃんがそんなことするって思う?」
劉備の疑問は無理からぬこと。あの穏やかな娘が権力を求めて蜂起するなど。
「だから、ここにいちゃあそれも分からないから。だから俺たちも洛陽に向かおう。
本当に何があったのかを見極めよう。もし、月が本当にそんなことをしていたのなら、叱ってやろうよ。
そして、誰かに騙されているんだったら救ってやろう。
きっと洛陽に向かい挙兵がある。それに乗じて俺たちは俺たちで動こう。
きっと俺たちにしかできないことがあるはずさ」
そう。思えば劉備が飛躍したのは反董卓連合での活躍からだったはず。
だったら、そういうことなのだろうと北郷一刀は思う。
天下三分の一つを占めながらも徒花と散った蜀。
自分がここにいるのはきっと彼女らを導くためなのだ。それが、右も左も分からぬ自分を守ってくれた彼女らに対する恩返しのはずだと北郷一刀は確信する。
桃園の三人に加えて伏竜と鳳雛がいるのだ。何を畏れることあろうか。
「桃香、頑張ろうな。皆が笑って暮らせる世界のために!」
そう、まさに北郷一刀と劉備。それは雌雄一対の剣であるのだ。
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