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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 97 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/01/16(木) 21:12:47.59 ID:LgjHVKE/0
- 「な、なんと?
しかし、韓遂は難物なのだろう?」
くすくす、と馬岱は澄んだ笑みを浮かべる。いかにもおかしげに。いや、これは見知っていた馬岱なのであろうかと厳顔は瞠目する。
その表情に迷いなく、面差しには覚悟が現れている。
「うーん。正直、今のお姉さまだったら鎧袖一触だと思うなあ。
それに韓遂だって根っこは同じだと思うよ?何せおじ様の義兄弟だしね。
それでなお立ちふさがるならばまあ、錦馬超の真価、というやつ。その武威ってやつ。それを、ね。
身をもって知るんじゃないかな?」
「……匈奴はどうする。背後の備えは」
「洛陽を落としてから返す刀で蹂躙すればいいでしょ。匈奴に領土欲はないからね。あっさり逃げると思うし。
まあ、もし長城を越えて本当に来たならば、こちらも長城を越えるだけだし」
血で血を洗う戦場を駆け抜けた少女と、要害に楽園を築こうとしていた艶女の認識の差は埋めがたく。
「お姉さまをね、止めていたのは。準備が整っていないからというのは厳顔さんにも言ってたよね。
あれは方便じゃなかったの。
そしてその準備は整ったんだなこれが。
ああ、そんな顔しないでほしいなあ。たんぽぽ嘘は一度も言ってないし。勝算だって十分あるしね」
勝算?首を傾げる厳顔に馬岱は笑いかける。
「うん。馬家が万全に戦の準備を完了したんだから、袁家だって同じだと思うよ?
根拠?
だって、二郎様とたんぽぽは気が合ったもの。武家の匂いがしたもの。
だからおじ様もあんなにも気に入ってたの。分かるかなあ。分からないかもしれないけどね。
袁家と馬家は似た者同士だよ。そりゃあ、色々と違って見えるし、実際違うんだろうけどね。でも、根っこは同じ」
さて、お前はどうする?益州劉家はどうするのだと笑う。
これが連綿と国境を守っていた武家の凄味かと厳顔は思う。ならば。
「劉璋様には申し訳ないことになるかもしらんな……」
主たる劉焉に送る書状の内容を推敲しながら厳顔はそうつぶやいていた。
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