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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 889 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/10/19(火) 21:07:39.03 ID:xD1YxAdX0
- 度数の高い火酒が俺の喉を焼く。胃から逆流した炎が双眸から溢れそうになる。かまわず、重ねて喉を焼く。
「あららー、荒れてますねえ」
ひょっこりと姿を現したのは七乃だ。その笑みは深いような、浅いような。真意を掴ませない。凪いだ水平線のように得体が知れず、それでいて引き込まれるような。
「まあいいや。お相伴に預かりますねー」
そう言って手酌でぐびぐびと杯を重ねていこうとする。
「おい、おい。俺の分なくなりそうなんだけども」
「大丈夫ですよ。ほら」
指し示した先には大徳利を抱えた風と稟ちゃんさんがいた。
「おやおや、もうお始めですか〜」
「全く、こらえ性のない!」
「稟ちゃんが言うとどこか意味深なのですよ〜」
「ふ、風?!」
二人のやり取りに、吹き出してしまう。
「てーい」
むにゅ、と柔らかいモノが俺の顔面に押し付けられ、その柔らかさを更に主張する。
「もーう。駄目ですよ?近くにいる人を忘れて遠くを見ちゃうのは。
それに、考えても仕方のないことは考えないに限りますよ?言うじゃないですか。
下手の考えなんとやら、って」
七乃の言に少し笑う。笑ってしまう。
「休むに似たりってか?なら問題ないな!いつも公務は開店休業だし!」
言ったそばからぎゅ、と抱きしめられる。七乃の体温が心地よい。常より高いようなそれが、なぜだか嬉しい。
「胸を張るところじゃないでしょう……。ほら、風もいたずらしようとしない!
――この場でまで道化を演じる必要はないですよ?」
凛ちゃんの言が嬉しい。普段クールな彼女が俺を気にかけてくれるというのが、本当に嬉しい。
「あー。いや、俺が仕事しないのは本当だろうよ」
照れ隠し。それを知ってか知らずか風が俺の頬を小さな両手で挟み、真正面から目をそらさず。
「くふふ。
二郎さんは非常の人なのですよ。組織する人なのですよ。運営する人ではない。それは別に欠点ではないのですね〜。
むしろ、袁家という強大な組織の中枢において、慣例やらしがらみを無視して断を下せる。くふふ。その価値、風達が分からぬはずもないのですよ〜」
待って!なんか思ってたのと違う。そういうのを求めていなかったというか、ねえ。
「そうですよ。お父様が恐れたのもその果断さゆえでしょう。きっとそうでしょうそのはずです。
ええ、ですからもっとどーんと構えててくださって結構ですよ?雑事は私たちにお任せくださいな」
七乃、雑だな?!もっっと褒めて?モチベーションアップに努めて?
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