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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 8 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2019/11/20(水) 21:17:01.66 ID:trIZpCq90
- 「なん、だと……」
地面が崩れていくような感覚が俺を襲い、そしてよろめく。
「では、ボクはこれで失礼しますね。あ、流琉によろしくお願いします」
桃色の髪を二つに結い上げた少女が物凄いスピードで去っていく。
その少女――許?――がもたらしたのは一通の書状。華琳からの書状。そこには二つのことしか記されていなかった。
曰く。
――董卓、叛す。
――呂布、何進を誅す。
どういう、ことだ。いや、詮索は後だ。よりによって華琳からの急報だ。
「風と七乃を呼べ!」
室の外に控える侍女に声を張り上げる。多分これは、やばい。
ちり、と危機感。
「どうされましたの?お顔の色がすぐれませんわね」
風だか七乃だかの機転だろうか。それとも余程俺の様子がおかしかったのだろうか。
室には風と七乃だけではなく、麗羽様、美羽様に猪々子と斗詩までいる。
「何進が討たれた、と華琳が報せてきました。
呂布の手によるとのことです。
であれば、おそらく此方にも手の者が来るでしょう」
報告する俺――ぐったりである――に麗羽様は柳眉を逆立てる。
そこに口を挟んだのは七乃だ。
「それはまた……。
信憑性はあるのですか?
曹操さんのことですから、此方の軽挙妄動を誘うという意図はないですかねえ」
「ないな。こちらを騙すつもりならもっとありそうなことを言ってくるさ。
そして華琳のことだからな。迷ってる時間も与えてくれてないに違いない」
恐らく董家軍は今にもこの屋敷に殺到するべく迫っているはずだ。
それくらいのギリギリ、でもどうにかならないわけでもないくらいのタイミングを華琳なら狙う。
「では、押し寄せる董家軍にどうしましょうかね。守りを固めるのは論外ですねえ。多勢に無勢です。
まあ、降るか逃げるか、ですが」
洛陽での軍事力は月と、禁軍を統べる朱儁に集約されている。
即応性を考えれば董家軍の優越は明らか。恐らく朱儁のとこにも兵は差し向けられているだろう。
で、あるならば。
「――降伏は性に合わん。逃げるとしよう。
それで、よろしいですか?」
麗羽様に問う。いやまあ、これでダメって言われたらどうしようとか今更ながらに思いながら。
「よろしくってよ。二郎さんがそうおっしゃるならばそうしましょう。
――委細、お任せいたしますわ」
即答。その信頼の篤さにぎしり、と肩が軋んだ。
が、今はそれどころじゃあない。脱出行の最中にとっ捕まるとか間抜けの極みだ。
俺のみならばともかく、麗羽様や美羽様に恥をかかすわけにはいかん。
風と七乃にざっくりでもいいから計画を、策を求めようと目を向ける前に、七乃は口を開く。
「はいはい。こんなこともあろうかと北部尉は買収済みです。既に日は落ちていますが、鼻薬を嗅がせてますので、北面の門扉は開け放たれるかな?」
は。さっすが七乃。手回しがいい。
だが、それに風が異を唱える。
「今現在洛陽の警備は董卓さんの手中にあります。それはあからさますぎやしませんかねえ。
囲師には必ず逃げ道を用意すべしと申します。
そちらは危うい道かと〜」
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