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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 744 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/05/06(木) 22:53:54.45 ID:zEkwrGa/0
- 「いやあ、やっぱり凪の作る料理は美味いわ」
しみじみと李典が口にした台詞。それに全力で于禁が同意する。
「ほんとなのー。ますます腕に磨きがかかってる感じなのー」
赤くないし、辛くないもの。と于禁は内心で呟く。いや、それを除いても腕に磨きがかかっているというのは嘘ではない。
「そ、そんなことはない。まだまだだ、と自覚している」
楽進の言葉は謙遜ではない。まあ、比較対象が典韋であることを考えると比較基準がおかしいのだが。
とはいえ、年少とは言え料理の腕も、武も典韋に一歩どころではない差をつけられていると楽進は思っている。
前者はやはり専門の料理店である程度修行し、下地が違うと言える。後者については完全に肉体的な性能(スペック)の差ではある。だが、どちらにおいても現時点の話であり、日々研鑽を惜しまぬ楽進の未来は明るいであろう。それにどちらも常人レベルを逸脱しているのではある。
そして、料理については。
「どっちもすごく美味しいよ?あとはまあ、業務用と家庭用の違いかな?」
と某青年はコメントしている。そう評された二人はそれぞれに奮起したものだが。
「にしても真桜、最近ますます忙しそうだな」
「せやねん。最近な、いよいよ兵装が一新されそうでな?その内容で侃侃諤諤(けんけんがくがく)なんよー。鎖帷子(くさりかたびら)か板金鎧(プレートメイル)かで揉めとってなー」
李典の漏らした言葉に楽進が柳眉を逆立てる。
「おい、それは機密じゃないのか!?」
それに李典はひらひらと手を振る。
「かまへん、かまへん。二人ともそんなん漏らせへんやろし、漏れても困らんしな」
「そうなの?次期兵装の内容なんて結構な利権の塊だと思うのー」
その言に李典は苦笑する。
「どっちもなー。
母流龍九商会の工房以外に作れんのや」
無論、一点ものであれば話は別である。が、数万に及ぶ兵卒に供給しようとなれば。
「なんとも、まあ。流石は真桜、といったところか?」
楽進は嘆息する。そう言えば昔から楽進の技術――という言葉では表現できない――は自分たちを大きく助けてくれたものである。
「ちゃうねん、ちゃうねん。そらな、うちかて母流龍九商会技術部部長としての矜持はあるし、それに相応しい腕も持っとると自負しとる」
だが、と楽進は語る。
「技術開発っちゅうやつはな、確信的な閃きも必要やねんけどな、それだけやったらあかんねん。
ほんまに大事なんはな、地道にコツコツと続けて基礎を積み重ねることやねん。それが一番大事やねん。
うち一人やったらほんまたいしたことはでけへん」
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