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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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730 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/04/27(火) 19:36:40.62 ID:YZSQvDDu0
「論点をずらさないでいただきたい!」

「ずらしてなんかいませんよ?
結局は貴女が心酔している方を優遇しろと言っているだけです。
いやいや、まだしも宦官の方がマシじゃないですかね?
対価を用意するだけ」

対して貴女たちは恫喝だけでしょう?

「な!宦官以下だと言うか!」

激発したならば俺じゃあ関羽は止められないって知ってるくせに、風よ!
いや、それが狙いか?それは、それは許さんぞ?

「のっぴょっぴょーん!」

かいしんのいちげき!シリアスさんは死んでしまった!

「な、なにを……」

ここは勢いでたたみかける!

「関羽。貴様の忠誠はいい。だがな、それは何に対してだ。それを考えろ。
 劉備に対してか、北郷一刀に対してか、その思想に対してか。
 それとも、漢朝に対してか、な。
 正直、ね。お前さんの忠義、ブレすぎだと思うよ。いやさ、絞れていない、か。 
 何が大事か、考えてみろ。それができないとは言わせん。そんな奴が白蓮の下に就くなぞ許せん。
 いいか。白蓮は中華で十三席しかない州牧となるのだ。なったんだ。
 それに対して貴様らの価値は何だ。旧友以上の価値を俺に示してみろ。それならばいくらでも報いてやろう」

せめて、だ。せめて雷薄がいたならば白蓮の補佐に付けた。韓浩にはない武威。問答無用のそれがあった。いや、それを言うならば、もっとふさわしい人材もいた。白蓮の生真面目さ、韓浩の狷介さも優しく笑って、包んでくれるような人が、いた。いたんだよ。いたのだ。

くそ、未練か、後悔か。どうにも後ろ向きな思考になってしまう。くそう。

「はいはいー。とんとんしましょうねー。とんとーん」

ぺち、と頬に走る冷たい感覚が俺を現実に引き戻す。引き戻してくれる。

「風、すまんな」

「風は二郎さんの軍師ですから〜」

くふふ、と笑ってしなだれかかる風の身体をきゅ、と抱きしめる。
肉付きの薄いこの身体で、頑張ってくれてるのだなあと痛感する。

「まあ、なんだ。俺は釣った魚には全力で餌をやるからな。欲しいものあったら言ってね。
 そして、だ。
 んー。いや、なんでもない。
主従ともに息災で、な」

たはは、と。ひらひらと手を振って詫びる。

「む、色々と反応に困るのですが」

「知るかい。困って困れよ。それがお前さんに必要なことと思うし、な」

そしてぐぬぬ、と唸る関羽である。

まあ、色々堪能したからこれでヨシ!としよう。

「くふ。忠義。それは思考回路を麻痺させるものかもしれないと風は思ったのですよ。
 関羽さん、どう思います?」

容赦ない。流石風は容赦ない。

その問いには明確に応えずに去る関羽。その悄然とした様子を見て思う。

――もうちょっと苛めたらよかったかなあ。わりとそそるやん!
いや俺にそんな趣味はなかったはずなんだけどね。
ないってば。
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