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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 690 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/03/23(火) 21:20:38.80 ID:bzWH2Hg30
- 張紘の問いかけにニヤリ、と星は極上の笑みを漏らす。うむ。安心できん。
意外と星ってば、はっちゃけるからなあ。
「ふむ。腹案はある」
すちゃり、と懐から取り出したのは、蝶の仮面?
「これこのように、だ。仮面を纏ったならば。
法で裁けぬ巨悪。それを糾すは正体不明の華蝶仮面。
華麗、その一言がその存在を象徴するのだ――」
「却下」
びしり、とポーズを決めた星に無慈悲な俺の声が響くのだよ。
「なんと――!」
なんと?!じゃないっつの。
「あのなあ、法で裁けぬとか言うなよ、お前さん、執金吾だろうが。自分の職責を貶めてどうするんだってばよ」
「むむむ」
「なにがむむむだ。
却下だ却下。法で裁けぬ悪とかはもちっと治安が上向いてからだな。今はまだ漢朝の法治を讃えねばならんさ」
それでも、星は不満げである。
理屈は分かってるはずなのに、と。
「こんなに、恰好いいのに……」
「怒るぞ!」
何か知らんけど蝶々的なマスクは没収である。はい、没収!
涙目で星はあれこれと訴えかけてきたけど知らん。
「無体な……」
はいはい、きっちり仕事してからそういうことは言いましょうねと。
しかし思うんだけどさ、この、蝶をかたどった仮面を装備してその素性が誤魔化せるとか本気で思ってたのかねえ。いや、まさかな。まさかに。
俺は手元でその、蝶をかたどった仮面を弄びながら大きくため息を吐いた。
あれ、俺って結構真面目にお仕事しているんだろうか。
くそ!なんて時代だ!
のんびりスローライフが最終目的だと心に誓う俺なのであった。
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