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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 666 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2021/02/21(日) 23:20:40.10 ID:QHd3saAi0
- どさり、衝撃一つ。
そして揺れる世界は彩りに薄い。
いささかばかりに酒精を取り過ぎたか。
「水を、お願いできますか」
真横にある人影。声をかけたが。
「いいぜ。任せろ」
くい、と水差しから液体を含み、注ぎ込む。
常ならばそんなこと許しはしない。
だが、ここに例外が存在する。
「二郎殿。いけません。いけません。
駄目、駄目なのです」
注ぎ込まれたのは火酒。
世界は揺れ、今自分がどこにいるかも定かではない。
確かなのは唇を合わせた男の身体のみ。
ぎゅ、と抱きしめ、熱い炎を飲み干す。
喉を焼き、五臓六腑に火を付ける。目から炎、口からは煉獄。
そして至る思考は支離滅裂。
だから、嬉しい。
ここまでしてくれたのか、と思う。
ここまでさせてしまったのか、と思う。
合わせた唇からは悦楽の波が伝わり、自分の身体が女なのだと痛感する。
それが、嬉しい。好いた男が寄せる情欲が、嬉しい。
「ください」
溢れた思い。
前戯や口説きはもういらない。
今はただひたすらに蹂躙してほしい。
だから、達した。
一突きごとに達した。
尖りを突き込まれて、達した。
絶叫した。してない。わからない。
既にそれは夢うつつ。
愛しい男の身体を抱きしめたようでもあり、ただなすすべもなくされるがままだったようでもあり。
ただ、達していたのは確かなこと。
口を開ければ注ぎ込まれる炎。
その痛みに叫んだ、ような気がした。
現かまことか。
それすら混迷。いや。
確かなのは、男がいること。
惚れた男がいること。
愛しい男がいること。
男と肌を合わせているということ。
こちらの体温が高い。なのに熱さが押し寄せてくる。
絶頂ひとつ。
肺腑からの叫びを漏らした。叫んだ。
我を喪う。
それは、とてもとても気持ちがいいこと。
だから、日が昇り、覚醒したとき。
床にはひとり。
そして、郭嘉は初めて喪失と寂寥を知って、その涙で渇きを潤すのであった。
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