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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 529 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/09/29(火) 22:34:58.26 ID:zJ58i7cd0
- 「だから感謝したいのだよ。今宵は某が主と同衾するからして」
くつくつと、無邪気に笑う趙雲に関羽は激昂する。
「不埒な!破廉恥な!星よ!貴様の武人としての矜持はどこにいったのだ!」
その声に一瞬きょとん、とした後に趙雲は応える。
「何をそのように大層な。未通娘(おぼこ)でもあるまいに」
「ふざけるな!私とご主人様はそのような破廉恥な関係ではない!」
その気迫に流石の趙雲がよろめく。いや、それは発言の内容に対してかもしれないが。
「はあ?いや、愛紗よ、それは無理があるぞ?主従ともどもに彼に傅(かしず)いておって、それはないだろう。そっちこそ爛れた関係であったと思っていたのだが」
ぐぬぬ、と関羽は唸る。世間一般ではそのように見られているのであろうか、と。いや、確かに主君たる劉備、そして張飛は。いや、諸葛亮と鳳統もそうだろうか。
考えるほどに反論の余地がないことを関羽は自覚し、その顔色を白くしていく。
その様子に色々と察したのか趙雲が問いかける。
「ならば問おう。愛紗。貴殿はその武を何に捧げる」
「知れたこと。桃香様とご主人様に、だ。皆が笑って暮らせる世の中の為に、だ」
揺るぎなく関羽は応える。だが、趙雲はそれにどこか不満げである。
「愛紗よ、それは貴殿の言葉ではなかろう」
何故だろうか。その言葉が関羽の胸を打つ。
「私が知る愛紗はもっと、だな。自分の言葉で理想を語ったものだ。
拙くても、それが貴殿の思いであり、武の根幹であったろう」
ぐ、と。
関羽は趙雲の言に反論できない。
なぜだろう。あれほどまでに信じていたものが、薄く。そして遠く感じられる。
「理想を語るのは大いに結構」
だが、と趙雲は艶然と笑う。そのままでは、な。
――理想を抱えて、溺死せんようにな。
けらけら、と軽く笑ってその場を去る
――その場に残された関羽は何も、言えなかった。
何も、言えなかったのである。
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