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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 526 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/09/29(火) 22:32:53.41 ID:zJ58i7cd0
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「愛紗、久しいな」
「星か!いや、まったくだ」
旧友である趙雲の声に関羽はほう、と息を吐く。それで自分がどれだけ緊張していたかを認識する。
一騎当千。まさに昇り竜がごとく武名を高めている彼女が自ら出迎えてくれた。関羽はその友誼に感謝する。
「いや、しかし今を時めく星が出迎えなどとは大層なことだよ」
「なに、他ならぬ愛紗を出迎えるのだからな。まあ、一応腰の物を頂いておこうか」
「ああ、済まぬな」
愛用の――最近は活躍の機会の少ない――青竜堰月刀を趙雲に渡して尚関羽は上機嫌にあれこれと趙雲に話かける。趙雲も親しげに、時にからかい、時に真剣にそれに付き合う。
そして豪華な扉の前で趙雲は顔を引き締める。
「さて、だ。主(あるじ)は多忙。そして厄介な案件と向き合って消耗されておる。くれぐれも短慮は起こすなよ?」
関羽はその声に気持ちを引き締める。
「そなたに感謝を。ああ、そうだな。失礼のないようにしないといけないな」
とは言え、だ。自分とて難儀な使命を負っているのだ。ここからは戦場。血を流さない戦場。いや、これは諸葛亮の受け売りではあるのだが。
「主よ、愛紗を連れてきた」
趙雲が静かに、それでいてよく響く声で室内に呼びかけると扉が重々しく開かれる。
◆◆◆
「星、ご苦労」
そこに男がいた。
どっしりと椅子に深く腰掛け、頬杖をついている。だが、どこか疲れているようにどんよりとした表情でどろり、と関羽を見る。いや、いつもが覇気に溢れているかというとけしてそうではないのだけれども。
代わって関羽を突き刺す視線が二対。けして友好的ではない。いや、殺気すら込めて関羽を見据える。
一人は幼女。蒼い髪を可愛らしいリボンで結び、棒状の得物を抱える。
一人は女戦士。銀の髪をざんばらにし、徒手空拳なれども気迫は恐るべきもの。油断なくこちらを窺う。引き締まった身体には幾条も傷跡が走り、その歴戦を物語っている。
反射的に関羽は身構えるが、手元に愛槍がないことに気づく。その認識が遅れるほどに彼女らの殺気は濃く、さしもの関羽も後ずさる。
「主よ、愛紗が委縮してしまっているぞ?」
ふ、と関羽の耳元に温かい息を吹きつけて趙雲は可笑(おか)しげに笑う。
ぞくり、と関羽は全身の毛が逆立つのを感じる。別に趙雲の息遣いそのものに何かを感じたわけではない。
なんとなれば、この関羽をして背後に立つ趙雲の気配に気づかなかったのだ。いかに目前の二人に気を取られていたとはいえ、不覚。そう、不覚である。
「凪、流琉。お客様、だぞ?」
その声。
そして、可視出来そうなほどに色濃い殺気を放っていた二人。それが紀霊の後ろに控える。
「まあ、なんだ。
これくらいに愛紗は評価されているということで、気を悪くしないでほしいものだな」
くすくす、と笑う趙雲に吠えようとして関羽は留まる。本題はそこではないのだから。
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