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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 489 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/09/15(火) 22:42:09.61 ID:1UTVWaR70
- 「はいはい、押さないでくださいねー。商品はたっぷりとありますのでー」
洛陽の市街は、端的に言って大混乱であった。これまでの禁足令が解かれ、それまで欠品続きで開店休業であった商店にも商品が溢れているのである。洛陽の民はここぞとばかりに商店におしかけているのだ。
無論、この機に乗じて不埒な暴利を貪る者や、正規の値で買った商品を転売しようとする者もいる。だがそれも徒花(あだばな)というものであろう、そう程立は思うのだ。
なにせ、だ。どうせ物資はふんだんにあるのだからして、いずれは適正価格に落ち着くであろう。そして、不埒な商売をするような商店はしっぺ返しをくらうものである。とはいえ。
「はいはい、ちゃんと並んでね。並んでねってば。この、この!ええい!」
そのような道理なぞどこ吹く風と、店頭で魯粛に絡むような不埒者も出てくる。矮躯(ミニサイズ)な魯粛を与しやすしと見たか、掴みかかって店頭の商品を掻っ攫おうとする者も出てくる。
「てい、てい!てややー!」
掴みかかる巨漢すらを、魯粛は軽やかに叩きのめす。的確に加えられる打撃は見事なものであり、程立は感嘆の声を漏らす。
「おお、これは結構なお点前で〜」
「や、それほどでもあるかなー。
まあ、実際これくらいできないと荒れた江南では生きていけなかったからねえ」
感慨深く呟く魯粛。片手間に数人の暴漢を叩きのめす。
「実際、本当に飢えた集団ならこうはいかないからねえ。流石に幾度も組み伏せられたよ。多勢に無勢ってね。
女でよかったと思うのはそんな時さ。殺されはしないからね」
きゃらきゃらと笑うその表情に暗さはない。修羅場をくぐるどころか、身を浸していた凄味がそこにはある。
「でもまあ、元気すぎるのも困るなあ」
雲霞の如く湧き出る不埒者にさしもの魯粛も苦笑する。どうしたものか、と。
可愛らしく小首を傾げて程立に視線で問うてくる。とは言え、程立にもここに至って名案なぞなく。
「ぐう」
「寝るなー!」
「おお、寝てました!」
実際どうしようもないのだ。ある程度の混乱は致し方ない。
ただ、自分がそこに巻き込まれるのは避けたかったのだが、そうも言っていられない。状況は加速度的に悪化していた。
そして混乱に立ち向かう魯粛とは違い、実際逃げるしか方策はないのではある。流石に圧倒的な数の暴力にそれすらも果たせそうにない。文武両道の魯粛と違って正真正銘無力であるので、いささかまずいことになったなあと思っていたのだが。
「噴(フン)!」
人とは、空を飛ぶものであったか。それも航続距離は凄そうだ。
「破!」
また一人、大空に飛び立った。まさか人の手によるものとは誰も思うまい。だが事実だ。
その異常事態をもたらした青年に程立は親しげに語りかける。
「いや、助かりました。それともお見事となお点前と言った方がよろしいのでしょうか?」
フン、と鼻で笑い張?は次々と不埒者を叩きのめしていく。その勢いに押されたか暴徒予備軍の不埒者たちは沈静化していく。わざわざ派手に吹き飛ばしたのはこの効果を狙ったものであろう。
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