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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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446 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/08/31(月) 21:34:43.40 ID:RrruOudU0
◆◆◆

屍山血河が築かれていく。それは人の手によってもたらされている。その光景は控え目に言って凄惨、無惨と言えるであろう。
命乞いをする宦官。逃げ惑う宦官。立ち向かってくる宦官。そのすべてが数瞬後は物言わぬ骸と化していく。いくのだ。
髑髏の仮面を纏った黒装束の殺戮。もはや虐殺と言っていい。
それらを睥睨し、ぴくとも表情を変えない紀霊。それをどこか可笑しげに眺めながら、彼は報告する。

「知恵の回る宦官は宮中に逃亡した模様です」

ち、と舌打ち一つ。

「いかがなさる?」

「疑わしきは、殺すべし。
 やるなら徹底的にやらんといかん。
 汚れは根こそぎ浄化するべし」

逡巡すら見せない。ここで後顧の憂いを断つ、とばかりに紀霊は命を下す。
にまり、と張郃は僅かに唇を歪ませて配下に命じる。

後宮のみならず宮中にも阿鼻叫喚が溢れる。溢れていく。
どれだけの返り血を浴びても張家の黒装束は其の色を変えない。ただ、死臭を纏うのみ。
官吏の幾人もが、ひげが生えていないというだけで冥府への旅路を余儀なくされる。
目端の利く者は、這い寄る死の気配から逃れるために局部を露わにして命を繋いだなどという話も残されているほどだ。

そして。

「な、なによ!私は一介の女官よ。どうして。あ!痛い!放しなさい!」

待ち人、来たる。

「逢いたかったぜ、李儒よ」

ぼそり、と呟く紀霊。そこには万感の思いが込められていても、声は枯れ果てている。
そして深く、ため息を。

その様に李儒は顔色を白くする。悟る。宦官誅滅。それすら欺瞞工作。その真意は宮中の奥にあり、手を出せない自分。それが主眼だと。

「な、なによ。どうするつもり?此度の董卓の暴挙については私のあずかり知らぬことよ。
私を責めるのはお門違いにも……び!
ぐ、ふ……。
が……」

容赦なく、幾度も加えられた鉄拳。
李儒は反吐と鮮血を撒き散らす。

「おお赤い赤い。
なんだなあ、中身は思ったより綺麗じゃないか。
もっとこう、どす黒い、名状しがたき何かが出てくると思ってたんだが」

倒れ伏す李儒に軽く――紀霊主観である――蹴りを加えてせせら笑う。
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