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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 445 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/08/31(月) 21:34:08.46 ID:RrruOudU0
- ――夜をこめて、鶏の空音は謀るとも
よに逢坂の関はゆるさじ
かつて孟嘗君の配下が、虎牢関と並んで難攻不落を誇る函谷関を抜いた時の故事。
この時代、というか一般的に門が開くのは夜明け以降である。
そしてそれを示すのは一番鶏の鳴き声であり、孟嘗君の食客の一人が鶏の鳴き真似が上手かったからなんとかなったとかいう逸話である。
それにちなんで、あたしゃ函谷関よりもお安くないのよ、という清少納言のお言葉である。
いや、口説こうとしてこんなこと言われたらひくわー。間違いなくひくわー。
いや、意味は分かるよ?分かるけどどう答えたらいいのさ、という話である。そんな、普通の会話にそんなレベルの知識とそれを応用させての返答とか無理でしょ。俺は無理だ。
考えたら華琳とかネコミミとかはそこいらへんの要求レベル高そうである。下手な答えをするだけで好感度ダウンしそうな感じ。いまいちこう、俺を見る目が冷たいのはそこかなあ。くそ、文化人(インテリ)め!なんて時代だ!
などとぼんやりと考えている目の前で洛陽の門扉は音を立てて開いていく。
払暁にもまだ間がある未明のこと。別に鶏の真似をせんでも根回しさえしとけばこうやって開くということだ。そしてここからは速さが勝負。
ちらり、と振り返ると黒装束の軍団が控えている。彼らは張家の精鋭。そしてそれを率いる当主以外は髑髏の仮面。うむ、禍々しい仮面兵団である。
フフ、怖いか?俺はちょっとだけ怖い。ちょっとだけよ。
「じゃ、いくか」
それを率いる俺はというと紀家軍の将らしく白装束である。黒を率いる白。うん、なんか小洒落たことを思いつくかなと思ったけど、そんなことは全然なかったぜ。俺の暗黒面(ちゅうに)は仕事をサボってるなあ。
見習いたい者である。
じゃなくて。
無言で付き従う髑髏の仮面兵団。うむ。呼んどいてなんだがね。改めて、ものっそい不気味この上ない。
……率いる俺がそう思うのだからまあ、恐怖というものを振りまくにはちょうどいいであろう。
きっとね、多分。おそらくメイビー。
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