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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 438 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/08/25(火) 22:30:13.95 ID:6LwOn5rb0
- 「なるほど、明日、か」
劉協は嘆息する。
至尊の座に座るのも明日が最後と思えば、ため息の一つも漏れようというものである。
とはいえ、偽帝として討たれるという心配はない。袁家からは内々に陳留王として政務に携わって欲しいという打診を受けている。
まあ、劉弁は愚鈍にして惰弱。そして洛陽に攻め寄せたという後ろめたさもあるのであろう。皇族、それも優秀な皇族が支持するというのは袁家にとっても益があるということである。そしてそれは目の前で持参した美酒を楽しむ男にもあてはまる。
皇甫嵩。清流派の首魁にして禁軍を掌握する重要人物である。彼が禁軍を握っているからこそ、朝廷は平穏を保っていると言ってもいい。
「ま、仕方ないね。想定内の事態ではあるし、ね」
軽く肩をすくめる皇甫嵩。彼も袁家より、内々に三公の座を打診されている。状況が落ち着けば、現状よりもその影響力は大きくなるだろう。
悠然と酒杯を干す。その所作に劉協は湧き起こっていた焦燥を噛み殺す。まだ、皇甫嵩と遣り合うには早い。だが。
「陳留王たるわが身、宦官、そして清流派の首魁たる貴殿、か。
天下三分とはよく言ったものだな」
時さえあれば、皇族たる自分が敵対する二者を圧倒するのは自明の理。劉協にとって時間は味方なのだ。
それを思えば喉を潤す酒精が甘露に思える。いや、実際に銘酒なのであろうが。
「そうだね、僕もそう思う。なるほど、天下を三分にすれば即ち三竦み。容易に動けるものではない。見事、さ。誰が考えたかは知らないけどね」
ぐびり、と皇甫嵩は杯を干して笑う。
「でもね、その一角。宦官は明日未明に誅されるよ」
「なに……?
なん、だって……?」
劉協は言葉を喪う。
何を言っているのだ皇甫嵩は。そんなことができるものか。
「どうやら袁家は宦官という存在を許さないみたいだねえ。いやぁ、怖い怖い」
くすくすとした笑みを深める皇甫嵩。
「き、聞いてないぞ!朕は聞いてないぞ!皇甫嵩!」
「そりゃそうさ、言ってないからね。そして朕とか言うなよ見苦しい。
君は結局偽帝さ。それを認めるのがそんなに嫌かい?」
劉協は言葉を失う。これまでそのような無礼な言葉を聞いたことはない。なんとも不敬か!
「貴様――あ、ぐ、ぶぼ?」
ごぽり、と湧き出る真紅の塊に劉協は言葉を喪う。物理的に。
これは、なんだ。何故、どうして。どうして赤く、染まっているのか。
「まあ、そういうことさ。天下を分ける必要はない。乱れたその後は余計にね。だから、ゆっくり休んでくれたまえ。そして天下はきちんと僕が預かるからさ」
くそ、総取りかと劉協は血を吐きながら目の前で悠然としている男を睨む。せめて、呪われてあれ、と。
「ふふ、負け犬が吠えることもできずに倒れ伏すのを見るのは中々いいねえ。それも特等席ならなおのこと、ね」
宦官勢力が撃滅されたならば敵対するは劉協。そしてあの何進が恐れた才能とまともに組み合うほど皇甫嵩は愚かではない。そして、天下三分。そのうち二つが失われたならば。
「くく、そうさ。ようやく天は相応しい人物へと転がり込むのさ」
計画通り、とばかりにその秀麗な顔を歪めて皇甫嵩は笑う。
「ただまあ、駒が足りないというのがねえ」
文武共に配下の人材については物足りないという言葉では全く足りない。
清流派、とは言え実務に耐えうる人材の少ないことよ。
ことに軍を率いることのできる人材なぞ皆無に等しい。
「いいさ、当てはあるしね」
細工は流々。皇甫嵩はにまりと笑い、室を後にする。
残された劉協は虚空を睨み掴もうとして、無念そのものであった。
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