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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 350 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/07/02(木) 21:32:31.51 ID:JiI9QVaH0
- ◆◆◆
水関と虎牢関を守備する兵。それが怒涛となり前進する。四万の大軍に用兵なし。
ただ前進せよとばかりに真正面の敵にぶつかる。ぶつかる。
そして。
「やるやないか」
数の上では初手に於いてはこちらが上であるのにも関わらず。
真正面からぶつかり合って押し負けることなく、戦線を支えている。いや、このままであれば押し返すやもしれぬ。
で、あれば。
張遼は手を挙げ、振り下ろす。
「いったれー!」
銅鑼が響き、神速と謳われる張遼がいよいよ戦場に姿を現す。
ぐる、と左翼より出でて向かうは袁家本陣。
狙うは袁紹の首級一つ。
孫家軍の脇を掠めて陣を布く袁家に迫る。
涼州騎兵の本領を見よとばかりに駆けに駆ける。
「っしゃおらーー!」
だが、その突撃は勢いよく姿を現した軍勢に阻まれることになる。
張の旗を確認するや否や馬超は無言で出撃する。
言葉はいらない、最早いらないとばかりに。
「張遼!」
最早かつて交わした真名をすら呼ばずに突出する馬超に刹那、切なげに視線を送り馬岱は号令を下す。
「いくよ!」
馬家軍は一つの生き物となり動き出す。走り出す。一つとなって突き進む。そこには熱狂。
そう、馬家軍は一塊の狂戦死と化して馬超に続く。
なんとなれば、馬家当主を喪った怨恨は馬家軍の末端まで刻み込まれ、焔となり吹き出でる。
だから、真正面からぶつかる。神速の張遼なにするものぞとばかりに我先に身を投じる。
よくも、よくもおめおめと我らの前に身を晒したなと。
なるほど、一番槍はお嬢に譲ろう。だが、彼奴らは殲滅してやる。涼州騎兵、舐めるな。
そして騎兵と騎兵が。精鋭と精鋭がぶつかり合う。
初撃は互角。流石に鍛えていると馬岱は内心感嘆しながらも姉の姿を見失わない。
「あああああああああ!」
羅刹と化した馬超はそれでも直線的に馬を走らせる。
張遼からすれば厄介なことに迷いなく張遼に向かい突き進んでいる。その勢いたるや。
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