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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 319 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/06/12(金) 22:38:07.20 ID:S9RcxdRd0
- ふむ、と北郷一刀は思う。なるほど、大筋で三国志に準ずる展開なんだなあと。
ならばここで名を上げないといけないであろう。張飛と関羽という英傑がいるのだ。
なに、何せ呂布が相手となるのだ。きっと彼女たちに出番はある。
いや、むしろ彼女たち以外に万夫不当が止められるはずもないのだ。
それはそれとして思いついたことを今のうちに幼女軍師二人に問う。
「例えば、皇帝の身柄を確保して洛陽から物資と資金を略奪して、長安に遷都するとかってのは、どうだろう。
いや、月がそんなことをするはずはないんだけどさ、ふと思って」
唐突なその絵図に諸葛亮も鳳統もその幼い身を震わせる。
なんとも鬼畜の所業。だが、有効ではあるのだ。
「あ、あわわ……。荒廃した洛陽を餌として退くのは本当に有効と思います。
そこまでされたら、どうしようもないですね……」
嘆息する諸葛亮に鳳統も頷く。
そうなれば、荒廃した洛陽を前に諸侯は割れるであろう。
なんの旨みもない反董卓連合はその目的を果たすことなく解散されるはずだ。
いや、互いに争うかもしれない。
そこまでの未来絵図を示唆する眼前の青年の叡智はやはり天の御使いに相応しいだろう。
「でも、月がそんなことをするはずがない。そしたら、なんで恋達はあんなにも必死に抵抗するんだろう」
むむむとばかりに考え込む。そんなの分かり切ったことなのに。
「きっと月さんは悪い人に捕えられているか、操られているんです。
そうでないとつじつまが合いません!
それに、董家軍は時間稼ぎを最優先しています。本来霞さんも恋さんも戦場を駆け廻る人です。
ですから、董家軍のおかしな動きも、それで説明がつきます」
あくまで推論ですがと諸葛亮は嘯く。
北郷一刀は思う。月を救って、なおかつ義勇軍たる自分たちの名声を高める。どちらもせねばならないなあと。
そして、声望高まる機会はここに至りもたらされるだろう。
「……とりあえず、紀霊に会おう。なに、無碍にはされないと思うよ」
――なにせ万夫不当の呂布を封じるべく動くのだ。
張飛と関羽。
彼女らの武があれば流石の呂布も拘束できるだろう。
そして董卓の現状を聞けばいい。
だって。あの優しげな少女が漢朝を揺るがす動乱の元凶だなんて、ありえないことなのだから。
だから、できることをしようと決心も新たに、北郷一刀は張飛と関羽を呼び寄せる。
そして呂布と董卓を思い、心を震わせる。
そうだ。皆が笑って暮らせる世界。
だったら彼女たちを見捨てるわけにはいかない。
「愛紗、鈴々。頼まれてくれるか――」
決意を新たに、北郷一刀は口を開く。
彼がこの外史にその意思をもって介入を決意したその瞬間であった。
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