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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 312 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/06/10(水) 22:02:13.75 ID:4bcIfx7b0
- 「水関が落ちたそうだよ」
その声に少女は肩をびくり、と震わせる。
「ああ、安心したらいい。董家軍に大した被害はなかったようだから」
クク、と言葉を紡ぐのは皇甫嵩である。目の前の少女――董卓――に笑いかけながら慰める。その笑みは爽やかではあるのだが、実質嬲っているのと同意である。
ここは洛陽の奥の奥。執金吾の地位をもって洛陽に広げる捜査の網も届かぬ地。
そこで董卓は監禁されている。そして、いまだ生かされている。
もとから線の細い少女であったがその顔色はより青白く、その身体はややもすると儚くなってしまいそうな印象を受ける。
だが瞳には確かな意思の力があり、臆することなく視線を受け止めていた。
「それにしても大ごとになっちゃったわね。それもこれも貴女のせいよ?相国様?
貴女のせいで洛陽は荒廃し、諸侯は叛乱しているわ。
ねえ、どんな気持ちかしら?貴女のせいで世は乱れているのよねえ。
禁裏を血で染め、恩人を屠ってなお命を永らえているなんて……、可愛い顔して随分とえげつないわねえ……」
侮蔑の念を隠そうともせずに董卓を糾弾するのは李儒である。にまりと笑いながら楽しげに言の葉を紡ぐ。
だが、青白くも表情を変えない董卓の表情を見ていらだたしげに舌打ちを重ねる。
「ああもう!生意気なその顔を見られないようにしてやろうかしら!」
ヒステリックに響くその言葉に皇甫嵩は口を挟む。。
「その辺にしておくんだね。正直、見苦しいよ」
その言葉に李儒は黙り込む。自分との面会で複数の人物が来たのは初めてである。だが、中々に興味深い構図だと董卓は思う。
そ、と窺えば王允が後ろに控えている。だが口を挟む様子は全くない。
この三者の力関係。それを親友に伝えられれば、思う。叶うことはないことであろうが。
しばしの沈黙。それを破ったのは王允であった。初めて董卓に問う。
どうして生きているのか、と。この上は死で償おうと思わないのか、と。
「あら、的外れね。この子はね。命乞いまでしてるのよ。生き汚いったら!
誇りとか、そういうのを期待するのが馬鹿よ。お馬鹿さんよ。
ええ、そうでしょうよ。蝶よ花よと甘やかされてたんでしょうよ。
だから死ぬなんて考えもしないのでしょう!そうよね!そうでしょ!
死にたくないでしょ!死にたくないんでしょ?」
皇甫嵩がうんざりとした表情で口を開こうとする前に、董卓はその小さな身を折りたたむ。
「お願いです。殺さないでください。この身、如何様にもお任せしますのでお助け下さい」
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