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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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298 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/06/03(水) 22:35:49.38 ID:rATsiXvy0
「え、どうしようご主人様、私たちこのままじゃ逆賊になっちゃうの?」

声がでけえよ。狼狽えるにしろもちっと静かにしろや。つか、そんな覚悟もしてなかったんかいとか、そっちに心が折れそうだぜ俺は。
全く。運がいいのか悪いのかあいつらはこのタイミングでここにいたんだよ。いたんだよなあ。ほんとは後方で兵站の護衛に専念してほしかったんだけども。
まあ、手柄ということではここが稼ぎどころだし、名を上げるところという読みは正しい。腹立たしいがな。

「二郎殿、勅命だそうですが」

稟ちゃんさんの問いに、歪んでいるであろう笑みで応える。

「なに、こっちにだってあるさ」

ぱちんと指を鳴らす。あまりいい音はしなかったが、うやうやしく書簡を捧げて歩を進めるのは春蘭である。
常ならば勇ましい武者姿も今日この場では女官姿だ。いや、なんでって実は官位で言うと春蘭ね。相当上なのよ、偉いのよ。
そしてこの役割に相応しいのはその、声。

「勅である!密勅が下されている!君側の奸を除くべしと!既に何進大将軍より自らに変事あらば動けと命は下されている!
 貴様らこそが逆賊!名が惜しいならば直ちに降れい!」

烈火のごとく燃え上がる気迫が水関を揺らす。
さっすが春蘭、声でけえ。
いや、これ重要なのよ?

勅を以って勅を制す。
当然予想されていた逆賊認定スルー余裕です。

俺が準備していた切り札の一つだ。ちなみに春蘭が持つ勅は本物である。
いつぞやの際に白紙の勅を何進からもらったのを覚えてる人は偉い。記念メダルをあげよう。

まあ、形式的なもんだけどね。それでもここで朝廷を軽視するわけにはいかん。世が乱れるもとだからな。
あくまでこっちのスタンスは君側の奸を除くこと。そしてその正当性は洛陽の困窮、そしてこの密勅。

悪いが、あらゆる面で完璧に勝たせてもらうぜ?ほんとごめんね。

「問答、無用なようだな!いいだろう、ここからが本当の地獄だ。
 じっくりと味わってくれ」

ば、と右手を上げる。

ジャーン、ジャーンと銅鑼が響く。
そして鈍い、重い音が。

「圧倒的だぜ?我が軍は!よ!」

水関、なんぼのもんじゃい!くらいは言っても大丈夫と真桜が言ってた。後、稟ちゃんさんも。
だからまあ、大丈夫だろうて……。

地響きを上げて攻城兵器が進んでいく。いやあ、壮観ですね実際。
恐らく、今現在で。この中華で攻城兵器を運用したことのあるのは袁家工兵隊のみのはずだ。匈奴はそんなもの使わないからな。
逆を言えば、先の匈奴大戦で彼奴らが攻城兵器を使用していたら歴史は変わっていたかもわからんね。
まあ、ネコミミには会議後に散々となんでそんなもん大量に保有しているんだと糾弾されたがね。
いや、匈奴が今まで使わなかったからと言って、これからも使わんってこたあないだろうと反論したら黙ったが。
頭のいい人は勝手に納得してくれるからいいね!

……実際千年を経たらそれが故に蒼き狼の末裔は世界史上最大の帝国を築くだろうし。

閑話休題(それはさておき)。

今回様々な兵器を持ち込んだ真桜だが、この戦に限れば主役は投石器である。そういうことになった。

「いよいよ、か。きちんと見せ場はつくってくれるのだろう?」

春蘭が獰猛に笑う。

「んー、とりあえず門扉から出撃する兵は春蘭と秋蘭、それに斗詩で受け止めてもらうことになる。
 そんでまあ、機を見れば敏に突出してくれて構わない。なんなら水関、落としてくれても構わんぞ?」
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