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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 274 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/05/08(金) 21:43:46.20 ID:i5Oynv2e0
- 俺の脳天に死を告げる天使がこんにちわしようとする。それをしのいだとおもったらば、返す刀できっちりと首筋に斬撃が。いや、普通に一撃がめっちゃ重いのだが。
いやこれ、普通に死ぬだろう。そんなことを思う間もなく襲いかかる斬撃に戦々恐々である。
いや、死ぬし。マジ死ぬし。
あかん、マジ躱しきれん。後数合なく俺は死ぬ。死んでしまう。
時が揺蕩(たゆた)い、春蘭の繰り出す太刀筋がスローモーションになり俺を襲う。
だが、見えるのと、それをどうこうするべく動けるかどうかというのはまた別の話であり、俺は死を覚悟せんといかんのだろうなあと。
こん、と俺の脳天から響く音は果てしな軽く。
「ふ、ふはは!二郎よ。まだまだ未熟よな!は!」
目の前で可笑しそうに笑う美女をどうしたらいいものか。その、なんだ。困る。
「え。いや。なんだ。ありがとうございました」
きっとこれはありえないほどに貴重な経験。格上の武人と命のやり取りをして生き残ったという経験。
「ふん、私も身体が鈍りそうだったからな。いい気分転換ではあった。
……それにな、二郎よ。以前より腕を上げたな。
うん、強くなった。本当に」
春蘭のその言葉が俺の胸に染み渡る。俺は、少しでも強くなったのだろうかと日々自問していた煩悶が。
「本当に?」
問う俺に、獰猛な笑みで春蘭が応える。
「勿論だ。今ここで討ち取ったならば華琳様の覇道に益するのではないかと思うほどに、な。
それに」
くすり、と。
澄んだ笑みで。
「それにな、二郎よ。
お前の子を孕んでやってもいい。
そう思うくらいには、な」
いやあんたなんちゅうこと言うのん。
そんな俺に春蘭はにまり、と意味深な笑みを浮かべる。
はたして武人として出番よこせというのか、それ以外か。
混乱まっしぐらな俺を見て春蘭は苦笑する。
「なに、そんなに難しく考える必要はないのだぞ」
頭のいい奴は変に深読みするからな、などとぼやく春蘭である。
その苦労は分かるような、分からないような。
まあ、いいか。
と思っていたが、一部始終を知った稟ちゃんさんからは冷たい目線を頂きました。
ねえねえ、怒ってる?
「怒ってませんよ」
ほんとにござるかー?
「怒っていませんとも」
その日はこれ以降何言っても無視されたんですけど。けど!
さみしいから流琉呼んで美味しいおつまみ作って貰いました。
今日はもう寝ようそうしよう。
流琉を抱き枕にしてっと。
おやすー。
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