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真・恋姫無双【凡将伝Re】4

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208 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/03/17(火) 21:42:53.80 ID:gHMLdQLZ0
「うわ、すごいね、すごいよ!ご主人様!すごい人!それになにあれ!すっごい建物!」

「おいおい、桃香、あんまりはしゃぐなよ」

窘めつつも北郷一刀も驚くほどの人の集まり。それにちり、と郷愁にかられる。ごく僅かに、だが。
それを意思の力でねじ伏せ、周囲を見るとあちこちで工事が進んでいる。その忙しげな槌音にどこか安心するものを感じる。

「ほらほら、そこ邪魔やで、邪魔してんでー。ちょーっと脇にどいてくれへんかなー」
「あ、その!ごめんなさい!」

何やら図面を手にした少女が喧しくあっちへいけ、こっちは邪魔だと指示をしてくる。
本来であればびしり、と動くはずである配下の兵の動きも鈍く、人知れず赤面する。
関羽、張飛の調練により子飼いの兵は精鋭たりえるのであるが、今率いるのはそのような精兵だけではない。

――義勇軍、である。
無論劉備一行自体もそれに当たる。言ってしまえば、勝ち馬に乗り、あわよくば恩賞を得ようとする半ば愚連隊が多いのが特徴か。
だが袁家とてそ、れらを無下にできぬ、できぬのだ。
世に大義を謳う以上はそういった存在を無下にはできぬ。むしろその、義勇軍の存在こそ世に正当性を主張する一助にもなるのだから。

――もっと言えば、追い返せば野盗になるであろうそういう存在を飼殺すくらいの財力はある、ということでもある。

そこまで読み切っているのは劉家軍――道々そういった義勇軍を吸収して今や五千弱の大軍である――の中でも諸葛亮と鳳統くらいであろうが。

「うし、こっからだ。こっから始まるんだ」

なんにせよ、北郷一刀は気合十分である。ここから劉備という英傑の栄光は始まるのだ。
関羽に張飛。それに伏竜、鳳雛。
そしてその価値を知る自分がいるのだ。

飛躍を内心誓って歩を進める。そしてかけがえのないパートナーに声をかける。

「行こうか、桃香。少し遅くなっちゃったな。
 そして見極めよう。反董卓連合がいかなるものかを、さ」
「うん、ご主人様!行こう!」

義勇軍とは言え、無視できないほどにその兵は多く、将は英傑。
であるから袁家からは会議への出席を許されていたのだ。
ただし参加の人員は二名のみ。諸侯と同じ条件であるから、破格と言っていいであろう。

諸葛亮は自分か鳳統を伴うように主張していたが、自分と劉備が足を運ぶことを決める。

だって、二人は一心同体。まさに、雌雄一対の剣であるのだから。
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