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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 162 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/27(木) 21:34:45.83 ID:mIa3hCl/0
- ◆◆◆
「なあ」
応える声は低い。常のように笑みを含んだものではない。
だからこそ張紘は重ねて問おうとする。
それを赤楽は言わせない。
「できればこのまま君の口を塞いでしまいたいものだな。
いや、割と本気で。
いい。いや、いいんだ。これは私の我儘だろうな。
違うな、ちょっと混乱しているだけ。気の迷いみたいなものだろうよ」
赤楽は、苦笑する。その笑みはいつになく、苦く、暗い。
それを見て張紘は窘める。
「そんな風に言ったものじゃあないだろ。だって、これで身元が分かったじゃあないか。
あんなにもお前は根無し草だったのを気にしていたじゃあないか」
その言葉に赤楽――徐庶――は苦笑する。
「分かったところで。ああ、私は結局のところ、人殺しなのさ。
思った通りで意外性の欠片もないのが申し訳ないがね。
更には天涯孤独ときたものだ。
ああ、今までと変わりなく、今までではいられない。
苛立ちしかないね。厄介極まりない。
それが自分の足跡と思えばこそ、さ!」
吐き捨てる彼女に張紘は笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。
「そうかい?
おいらは嬉しいけどね。あんなにも自分を、自分の足跡に悩んでたじゃあないか。
だから、おいらはお前の旅路が終わって、嬉しいよ」
「やめてくれよ」
ぐしゃ、と。
それまでの取り繕っていた表情を崩して嘆く、泣く。
「何がだ。何がだ!
人を殺し、狂人を演じる。
恩を返す父母は無く、だからこそ因果に囚われる!
一体私は!あそこで死ぬべきじゃあなかったのか!救われて!
君に救われて!どうしろっていうんだ!
人の死と絶望しかない私をどうするんだよ!
君と義兄弟はあんなにも光に包まれているじゃないか!
だから君も、もっと光に!
そっちにいけよ!私なんてほっといてさあ!」
「そいつは聞けない相談だな」
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