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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 151 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/13(木) 21:17:48.24 ID:HUnWV9g80
- 天気晴朗なれど波高し。
時代の波濤は否応なく襲いかかる。敵味方の区別なく。
ついに袁家は兵を発したのである。発した。
麗羽様が率いる旗本一万五千。軍師は稟ちゃんさん。
俺が率いる紀家が一万。
斗詩率いる顔家が一万。
張?率いる張家が一万。
猪々子が率いる文家が一万。
真桜率いる工兵が五千。
陳蘭が率いる弓兵が五千。
袁家だけで六万五千の大軍である。
その兵站を司るのが張紘だ。食糧だけじゃなく、武器防具、その他雑貨に至るまでについても傘下の母流龍九商会が請け負う。
そこに諸侯の軍勢が加わる。ばっくり把握しているだけで白蓮とこから一万、華琳とこも一万、馬家から一万五千、孫家が五千。
確実に計算できるのは以上の戦力。
他の諸侯の兵には正直期待していない。というか、勝つだけならば袁家の兵力だけでやれるし。やるし。
後はまあ、勝手働きと称して有象無象が褒賞を求めてやってくるくらいだろうか。まあ、数千くらいだろうから大勢に影響はない。はずである。
そこいらへんをも織り込んで張紘は動いているだろうから、多分大丈夫だろう。何せ張紘だぜ。多少の誤差程度くらいはなんとかしてくれるさ。
だからこそ、そこを狙われると困ったことになるんだけどね。俺なら狙うし。
でも、だからこそ張紘の身の安全は赤楽さんの出番だ。あのおっかない美人さんが秘書兼護衛としているから大丈夫。
つまり、何が言いたいかというと、勝ったも同然!ってことだ。
これは勝ったなガハハ!
……。
いや、まあ、なんだ。メイン軍師たる風ちゃんがいないとこの思惑がどうかという答え合わせもできないから、ちょっと心配なのも確かであるのだ。
ほら、稟ちゃんさんとか、忙しいから俺の思惑とかぼんやりとした絵図の相談とかできないじゃない。アホなこと言ったら怒られそうだし。
「全く。思い違いも甚だしいですね。貴方はもう少し自分の立場というものを、重みを認識するべきです」
って。
げえ、稟ちゃんさん!
「ってなんでここにいるのさ。忙しいだろうに」
俺の言葉を聞いた稟ちゃんさんがにじり寄ってくる。with眉間に皺である。ふふ、こわい。
「その認識には正直戸惑うどころか呆れすら感じます。
いいですか。此度の反董卓連合を率いるは袁家。その武の責任者は二郎殿、貴方です。
その貴方がふらついていてどうするのですか!
いいですか。貴方の号令で十万を超す軍勢は動くのです。不甲斐ない様を見せてはいけないというのは先刻ご承知でしょう!
ご心痛はあってもそれを見せてはいけない。それに――」
遮る。
「すまん。余計なことを言わせた。言いづらいことを言わせた。すまん、そしてありがとう。
んで、俺に対する気遣いは無用。この身は袁家に仕えるが本懐。
つうか、そうだな。
董家幹部を斬る覚悟ならば、既にしているとも」
だからさ、と笑いかける。
「味方の犠牲を少なく、戦後の不安要素をも少なく。
勝ち馬に乗りに来た諸侯の勢力を削りながらも完勝する。
なに、敵も味方も生身さね。斬れば死ぬんだ。
――斬っても死なぬ僵尸(キョンシー)に比べれば、さ。
楽なもんじゃないかい?」
踊らされるのはもうこりごりだ。
「そろそろ、清算せんといかん。頼りにしている」
立ちふさがるは月配下の諸将。だが、真に討ち取るべきは背後のくそったれ。
「頼む。俺なんて適当に使い潰してくれていいから、頼むよ。
完全勝利を、頼む。
頼んだ」
「――もとよりそのつもりです。
ええ、二郎殿。貴方のお好みの、つまらぬ戦いを積み上げてみせましょう。
戦う前から勝ちが約束されたような、それでこの中華を塗り上げてみせましょう。
戦わずして勝つのが最上ではない。きっちりと中華に袁家の武威を刻み込むとしましょう」
多分俺は稟ちゃんさんの言ってることの半分くらいしか分かってないのだろうと思う。
だが、それでも譲れないものはあるし、思う所もある。
そうして、挑むのだ。
こんなにも、やりたくない戦(いくさ)を。
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