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真・恋姫無双【凡将伝Re】4
- 135 :一ノ瀬 ◆lAEnHrAlo. [saga]:2020/02/03(月) 22:30:59.79 ID:jmj/ziso0
- ◆◆◆
「桔梗さんは益州に帰らないの?」
馬家は既に軍を発している。そこに届いた袁紹による檄文。それに応じて馬家は函谷関を大きく迂回して反董卓連合への合流を目指す。
ちゃっかりと言っていいかもしれない。同行する厳顔に馬岱は不思議そうに問いかける。
「うむ。劉璋殿が囚われているのでな。益州劉家は動かん。じゃが、此度の戦に我が主は注目されておる。
故にまあ、生き恥を晒しながらもこうして同道を願っておるというわけじゃ」
にまり、と口を歪める厳顔の心根を読めるほど馬岱は人生経験が豊富ではなく、それに思いを馳せるほどに智謀に自信もなかった。
故に、そういうものとして受け入れる。おかしな動きをすれば、その時はその時である。
戦場は千変万化。ならば目の前の事象を受け入れ、動くのみ。ましてや馬家当主たる馬超が決を下したのだ。それを支えるのが役目と馬岱は心得ている。
それをずっと、物心ついた時から期待されていたのだから。
それを疎かにしては敬愛する叔父に顔向けができないというものである。
「しかし、本当に韓遂を北方の護りに充てるとはのう。いやはや、たいした肝の太さじゃ」
揶揄したような口調。それに乗らずに馬岱が応えるのはあくまで飄々。
「んー、たんぽぽはいつでも本気だよ?韓遂さんが何かしたら、洛陽を落とした後に取って返す。
そして今のお姉さまは無敵だよ?
ねえ?」
これまで無言で馬を進めていた馬超がうっそりと応える。
「……誰だっていい。立ちふさがるやつは切り捨てる。それだけだ」
馬岱は苦笑する。馬超本来の闊達さは見る影もない。だが、こちらの言に受け答えするだけましになったと。
そして目にしたならば、牽制にはもってこいである。
「おお、怖い怖い。
今の馬超殿の前に立つ輩には憐れみすら覚えるのう」
茶化す厳顔の言葉にも馬超は眉一つ動かさない。
「ああ、そうさ。父上が死んだんだ。それ相応の報いはくれてやる。くれてやるとも。
――殺してやる」
いささか、いれこみすぎかなと。
馬岱にも思うところはあるにしてもこれはいひどい。
「……まあ、二郎さんがきっとその場を準備してくれるよ、ね!お姉さま」
意識して馬岱は馬超の意識を誘導しようとするのだが。
「二郎……。そうか、あいつも、狙われたんだな……」
「そ、そうだよ?だから、ね?」
「あいつは助かって、何で父上が……!」
その言に馬岱は顔を引きつらせる。しまった、話の持って行き方を間違えたかと。
「き、紀家の宿将の雷薄さんを……。ううん、それより、許せないのは董卓だよね、お姉さま。
特に張遼なんか、あれだけ目をかけられてたのに、さ!
――お姉さま、頭を冷やしてね。武ならともかく、騎兵の運用ならば相当な遣い手だよ?」
慌てて矛先を逸らす。かつての盟友に。
「――は!少しはやるかもしれないけどな、叩き潰してやるよ」
にまり、と厳顔は内心ほくそ笑む。
どうやら益州に鎮座する主に色々と面白い情報が届けられそうだ、と。
――反董卓連合、一枚岩にあらず。
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