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【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)

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671 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/19(水) 21:59:13.31 ID:52h3i4KQ0


その夜

モバP「……」

コンコン

モバP「未央、いるか?」

未央「あっ、モバP……」

モバP「ちょっといいかな?」

未央「うん……大丈夫だよ」
672 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/19(水) 21:59:56.32 ID:52h3i4KQ0
モバP「そうか、じゃ失礼するよ」

ガチャ

モバP「お疲れ様……本当に、いい勝負だった」

モバP「最後の最後までどっちが勝ってもおかしくない試合だった」

モバP「凛も未央も卯月も、見違えるぐらい成長しててさ」

モバP「なんか勝手に感動しちゃったよ。ははは」

未央「モバP……」
673 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/19(水) 22:00:31.81 ID:52h3i4KQ0
未央「私ね。一人じゃここまで強くなれなかった」

未央「私を信じてくれるポケモンがいた。高め合える仲間がいた」

未央「それに……ずっと応援し続けてくれた人がいた」

モバP「……」

未央「モバP。私たちを旅に送り出してくれてありがとう」

未央「そして……私たちをここまで連れてきてくれて、本当にありがとう」
674 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/19(水) 22:01:09.20 ID:52h3i4KQ0
未央「ねえ。……最後のわがまま、聞いてもらっていい?」

モバP「おいおい……」

モバP「勝手に最後だって決めつけるなよ」

モバP「俺はこれからもお前たちの一番のファンだし、兄貴分でいたいからな!」

未央「……!」

ポロッ

未央「モバP……ずるい」

未央「ずるいよぉ……!」ポロポロ

モバP「未央……」

未央「うわぁぁぁぁん!!」
675 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/19(水) 22:03:35.19 ID:52h3i4KQ0
今回はここまで

次回は月曜日に投下します
どうしても登場させたかった担当の子がいるので、最終決戦前にもう一本サイドストーリーをお送りします

読んでいただきありがとうございました
676 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 22:57:14.43 ID:PVoDCfEn0
投下します
今回は番外編、サイドストーリーです
677 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 22:57:47.66 ID:PVoDCfEn0
サイドストーリー「スズランとタンポポ」



凛が旅立つ半年前 キクチシティ

??「よいしょ! よいしょ!」

トスン

??「ふう、これで全部ですね!」

村人「ありがとう有香ちゃん、助かったよ」

有香「いえいえ、これくらいお安いご用ですよ! 筋トレにもなりますし!」

村人「いやあ、有香ちゃんにはいつも助けてばかりだなあ」

村人「これ。よかったら食べてよ」
678 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 22:58:25.42 ID:PVoDCfEn0
有香「わあ……モモンのみがたくさん!」

有香「こんなにもらっていいんですか?」

村人「いいよいいよ。この前知り合いから送られてきたんだけど、どうせ僕一人じゃ食べきれないし」

有香「ありがとうございますっ!」ペコッ

村人「いやいや、お礼を言いたいのはこっちの方だよ」

村人「いつもありがとうね」

有香「また困ったことがあったらお助けします!」

村人「うん、そうさせてもらうよ」
679 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 22:59:13.58 ID:PVoDCfEn0
ジーッ

有香「……?」

有香(誰かの視線を感じる……)

ジーッ

有香(どこだろう……)キョロキョロ

有香(!)

ガサッ
680 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 22:59:46.52 ID:PVoDCfEn0
ピクニックガール「あっ……」

有香「あ……」

有香「も、もしかしてさっき、あたしのこと、見てましたか?」

ピクニックガール「あっ、あの、その……すみません……」

ピクニックガール「あの私、この町のジムリーダーを探しているんですけど……」

有香「ジムリーダー……」

有香「それはあたしのことですね!」
681 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:00:14.91 ID:PVoDCfEn0
ピクニックガール「え?」

有香「いかにも、あたしがキクチシティのジムリーダー、かくとうタイプの有香です! 押忍!」

ピクニックガール(お、押忍……?)

有香「もしかして、挑戦者の方でしょうか?」

ピクニックガール「あっ、はい、そうです!」

有香「わかりました!」

有香「ではついてきてください。この先のジムでお相手いたしますので!」

ピクニックガール「は、はい!」
682 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:00:53.78 ID:PVoDCfEn0
イシツブテ「イシー」バタンキュー

ピクニックガール「ああ、ぶーちゃん!」

コジョフー「コジョ」スタッ

有香「勝負あり! ですね。対戦、ありがとうございました」ペコリ

有香「残念ながら、あなたにはまだジムバッジはお渡しできませんね」

ピクニックガール「うう……」

有香「……もしかして、イシツブテ以外のポケモンを持っていないのでしょうか?」
683 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:01:24.14 ID:PVoDCfEn0
ピクニックガール「は、はい……」

ピクニックガール「前のジムはでんきタイプだったので、このままぶーちゃんで行けるかと思っていたんですけど……」

有香「そうですか」

有香「ですがあたしはかくとうタイプ使い。イシツブテでは相性が不利ですね」

有香「……この町の北側にあるタカギのどうくつ、あなたも通ってきましたよね?」

ピクニックガール「は、はい」
684 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:02:14.77 ID:PVoDCfEn0
有香「どうやらあのどうくつには、跳び跳ねることでサイコパワーを生み出すポケモンが生息している、と聞いたことがあります」

有香「そのポケモンを捕まえてきたら、きっと有利に戦うことができると思いますよ!」

ピクニックガール「そ、そうなんですか!」

ピクニックガール「あ、ありがとうございます! さっそく行ってみます!」

有香「はい! また挑戦しに来て下さいね!」

タッタッタッ

有香「ふう……」
685 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:02:55.21 ID:PVoDCfEn0
パチパチパチ

ジムの清掃員「有香ちゃん、お見事だねぇ」

有香「あ、見ていたんですね。ありがとうございます」

ジムの清掃員「でも……いいの?」

ジムの清掃員「エスパータイプのポケモンは有香ちゃんには不利だし、ジムバッジを持っていかれちゃうわよ?」

有香「いえいえ、ジムリーダーとはポケモントレーナーを指導する役目でもあるので!」

有香「最終的には勝って、あたしを越えていってほしいんです」
686 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:03:41.98 ID:PVoDCfEn0
有香「それにあたしのコジョフーはエスパータイプ相手にも簡単には負けませんから!」

コジョフー「コジョ」ドヤァ

ジムの清掃員「そう、ならいいけれど」

ジムの清掃員「ほんと、有香ちゃんはお人好しというか何というか……」

ジムの清掃員「すっかりお父さんに似てきたわねえ」

有香「あはは……そんなことないですよー」

有香(そう、あたしはいつか越えられていく存在)

有香(もちろん簡単に勝たせるわけにはいかないけれど、ジムリーダーとはそういうものなのだから)

有香(ジムリーダー……)
687 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:04:10.52 ID:PVoDCfEn0
有香(……でも本当は、あたし)


その日の夜

有香「よし……これでパトロールは終了ですね」

有香「今日も異常なし、と」

有香「……ん?」

チラッ

有香(道の路肩に、何か咲いている)

有香(あれは……何だろう)
688 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:04:41.73 ID:PVoDCfEn0
ザッ

有香(……?)

有香「スズラン……」

有香「こんなところに咲いていたなんて、気づかなかったな」

有香「きれい……」

グスッ

有香「!」

有香(今……人の気配が?)
689 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:05:19.87 ID:PVoDCfEn0
グスッ

有香(また聞こえた……)

有香(泣いているの……?)

有香(も、もしかして、お化け……)ゾクッ

グスッ

有香「う、も、もう帰った方が……」

有香「……いや! ここで怖じ気づいたらジムリーダーの名が泣きます……!」

有香「勇気を出して……こっちの方かな……?」ザッザッ
690 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:05:57.84 ID:PVoDCfEn0
グスッ

有香(……物陰の隅で誰かが膝を抱えて泣いている)

有香(女の子……?)

有香「あ、あの……」

??「!?」ビクッ

有香「あ……驚かせちゃったらごめんなさい!」

有香「どうかしたんですか?」
691 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:06:27.69 ID:PVoDCfEn0
??「あ、あの……私……」

??「うっ……うっ……」グスッ

有香「わ、と、とりあえず、移動しませんか?」

有香「こんな所にいたら風邪ひきますし……」

有香「あたしの家、すぐ近くなんです。動けますか?」

??「は、はい……」
692 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:07:12.39 ID:PVoDCfEn0
有香宅

コトッ

有香「どうぞ。温かいですよ」

??「ありがとう、ございます……」

ゴクッ

??「……」

有香「落ち着きましたか?」

??「はい、何とか」
693 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:07:43.50 ID:PVoDCfEn0
有香「よかった。あたしは有香です。この町でジムリーダーをやっています」

有香「見かけない顔ですけど……」

??「あ、まだ名乗ってなかったですね……」

ほたる「私、ほたるって言います。出身は……アイマス地方ではないんです」

ほたる「その、私……ずっと旅をしていまして」

ほたる「今夜はこの町で宿を取ろうと思っていたのですが、どこかで財布を落としてしまったみたいで」

ほたる「それで途方に暮れていたところを……」
694 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:08:20.50 ID:PVoDCfEn0
有香「そうだったんですか」

有香「あの、もしよければ、今夜は泊まっていっても大丈夫ですよ」

ほたる「……! 本当ですか?」

有香「ええ、あたしは床で寝るので、ベッドも使ってもらっても大丈夫です!」

ほたる「そ、そんな……それは申し訳ないです」

有香「いえいえ、困っているときはお互い様ですから!」

ほたる「……」

ほたる「あ、ありがとうございます……でも私、その、ベッドより床の方がよく眠れるので、やっぱり床で眠らせてもらいます」
695 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:09:00.01 ID:PVoDCfEn0
有香「わかりました!」

有香「そうだ、お腹は空いていませんか?」

ほたる「そ、そんな……そこまでしていただかなくても大丈夫ですよ」

グゥー

ほたる「あ……」

有香「大丈夫じゃなさそうですね……じゃあ何かお作りしますね!」

ほたる「す、すみません……」
696 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:09:33.14 ID:PVoDCfEn0
有香「たしか冷蔵庫に卵があったはず……」

パカッ

有香「あ、殻が入っちゃった……」

ほたる「……」


有香「ケチャップの賞味期限が近いな……」

有香「そうだ、チキンライスにしましょう!」

ジュー ジュー

有香「〜〜♪」
697 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:10:17.95 ID:PVoDCfEn0
ジュワッ

有香「ひえっ!?」

ほたる「だ、大丈夫ですか……?」

有香「あ、ああ、大丈夫です! 油が飛んだだけですので!」

ガタッ

ほたる「あっ……」

パリーン

有香「ああ、お気に入りのお皿が……!」ガックリ

ほたる「……」
698 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:10:49.86 ID:PVoDCfEn0
コトン

有香「色々とお騒がせしましたが」

有香「オムライスです、どうぞ!」ジャーン

ほたる「わあ……おいしそう……!」

ほたる「いただきます」

パクッ

有香「お口に合いましたか……?」

ほたる「……」

パクッ パクッ
699 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:11:20.97 ID:PVoDCfEn0
ほたる「……」

有香(あれ、オムライスは苦手だったのかな?)

ほたる「……」

ポロッ

ほたる「う……」

ほたる「ううっ……」グスッ

有香「ええ!? だ、大丈夫ですか!?」

ほたる「ううっ……大丈夫です、とてもおいしいです……」
700 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:12:00.56 ID:PVoDCfEn0
ほたる「でも、私……」グスッ グスッ

ほたる「……すみません。このオムライスをいただいたら、やっぱり私、出ていきます」

有香「え……?」

ほたる「これ以上、ご迷惑をおかけするわけにはいかないので……」

有香「……」

有香「……あたしでよければ」

有香「何か話してもらえませんか?」

有香「力になれるかはわかりませんけど、でもあたし、ほたるさんを放っておけないんです」
701 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:13:06.83 ID:PVoDCfEn0
ほたる「……」ジッ

有香「……」ジッ

ほたる「……」

ほたる「……私は昔から、不幸体質なんです」

有香「……!」

ほたる「物心ついた時から、私の近くでは、いつもよくないことが起きていました」

ほたる「周りからは疫病神だって罵られて。だから私は、故郷の町を追い出されました」
702 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:13:51.61 ID:PVoDCfEn0
ほたる「それで各地を転々としていたんですが、やはり行く先々で、私と関わった人やポケモンは不幸な目に遭っていきました」

ほたる「その度に、『お前のせいだ』って責められて……」

ほたる「今では私の側にいてくれるのは、このヤミカラスだけで」カタッ

ほたる「何か嫌なことが起きた日は、宿の部屋の中とか、誰にも見られない場所で泣いていたりするんです」

ほたる「でも、今日は遂に財布まで落としてしまい、宿に泊まることもできなくなりました」

ほたる「だから、さっき火傷しそうになったりお皿が割れてしまったり、あれは全部私のせいなんです。きっと」

有香「……」
703 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:14:22.23 ID:PVoDCfEn0
ほたる「これ以上ご迷惑をおかけするわけにはいかないというのは、そういう意味です」

ほたる「有香さんには本当に感謝しています。ありがとうございます」ペコッ

有香「……そんな……」

有香「そんなこと……!」

ポロッ

ほたる「……!」

有香「そんなこと、あるわけないじゃないですか……!」
704 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:14:54.25 ID:PVoDCfEn0
有香「あれは全部あたしの凡ミスなんです……ほたるさんは何も悪くない!」

有香「それに、何もかもほたるさんが悪いなんて簡単に決めつけられないじゃないですか!」

ポロッ ポロッ

有香「だからもう、自分のことを……責めないで下さい……」

ほたる「……有香さん……」

ほたる「どうして……どうしてそこまで……」

ポロッ ポロッ
705 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:15:53.46 ID:PVoDCfEn0
――――――――――――――――――――――――――――

有香「すみません、あたしまで泣いちゃって……」

有香「なんか、ほたるさんの気持ちを考えたら、やるせなくなったといいますか、悔しかったといいますか……」

ほたる「いえ……」

ほたる「自分のために泣いてくれる人がいるなんて、思いもしませんでした」

ほたる「有香さんはとても優しい方ですね」

有香「い、いや、そんなことは……」

ほたる「……ふふっ」
706 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:16:40.07 ID:PVoDCfEn0
ほたる「何だか、有香さんがジムリーダーだというのも、納得できます」

有香「そ、そうですか?」

ほたる「……この町では、長くジムリーダーをやっているのですか?」

有香「そうですねー、といってもまだ2年ぐらいですけれど」

有香「あたしの父もジムリーダーだったんです。2年前に父が引退して、あたしが後を継ぎました」

ほたる「そうだったんですか」

有香「ジムリーダーとしては、まだまだ未熟ですけどね……あはは」
707 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:17:31.15 ID:PVoDCfEn0
有香「……でも、あたし」

ほたる「?」

有香「一度も、挑戦者としてポケモンバトルをしたことがないんです」

有香「小さいときからジムを継ぐことを期待されて、ずっと修行を繰り返していました」

有香「だからあたし、今でも町の外に出ることもめったになくて」

有香「……今日も、挑戦者とポケモンバトルをしたんですけど」

有香「挑戦者は皆、すごくいい眼をしてやって来るんです。野心に燃える眼、っていうのかな」

有香「それが羨ましかったりして……いつかあたしも旅に出て、まだ見ぬトレーナーやポケモン達と、チャレンジャーとしてバトルをするのが夢なんです」
708 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:18:10.20 ID:PVoDCfEn0
有香「まあ、その夢が叶うのは何年後でしょうかね……あはは」

有香「あ、このことは誰にも話さないで下さいね! ジムリーダーもジムリーダーで楽しいこともいっぱいあるので!」

ほたる「……」

ほたる「すごく、素敵な夢ですね」

有香「え?」

ほたる「有香さん、すごく輝いて見えます」

ほたる「私には何もできないかもしれないけれど、私、有香さんを応援したいです」

ほたる「夢……叶うといいですね」ニコッ
709 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:18:39.32 ID:PVoDCfEn0
有香(……!)

有香(ほたるさん……あんなに辛い経験をしてきたのに)

有香(笑った顔がすごく素敵だ)

有香(それに、さっきヤミカラスの入ったボールに手を添えたとき)

有香(すごく真っ直ぐな眼をしていた)

有香(……)


710 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:19:26.46 ID:PVoDCfEn0
翌朝

ほたる「本当に、お世話になりました」ペコッ

有香「……」

ほたる「一文無しなのは変わりないですけど、今日からまた何とかやっていきます」

ほたる「有香さんのような親切な方もいると考えたら、少し気持ちが楽になりました」

ほたる「本当に……ありがとうございました」ペコリ

有香「……」
711 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:20:06.75 ID:PVoDCfEn0
ほたる「それでは――」

有香「ちょ、ちょっと待って下さい!」

ほたる「!」

有香「あの、いきなりですみません。あたしとポケモンバトル、しませんか?」

ほたる「えっ?」

ほたる「いいですけど、ど、どうしてですか?」

有香「いえ、何となく! ジムリーダーとしての血が騒いだというか、何というか……」

有香「ポケモンセンターの前にバトル用のフィールドがあるんです。そこでよろしいですか?」

有香「ルールは一対一! 手短に済ませるので!」

ほたる「は、はい!」
712 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:20:35.18 ID:PVoDCfEn0
ほたる「ヤミカラス、つばさでうつ!」

ヤミカラス「ヤミー!」バシィ

コジョフー「コジョ!」

コジョフー「コジョー」バタンキュー

有香「……!」

ほたる「か……勝ちました……!」

ヤミカラス「ヤミ〜♪」
713 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:21:07.95 ID:PVoDCfEn0
有香「お疲れ様です、コジョフー」

有香「……」フゥ

有香「対戦、ありがとうございました。完敗です」ペコリ

有香「ほたるさん」

ほたる「は、はい」

有香「もしよければ……この町に住みませんか?」

ほたる「!」
714 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:21:54.43 ID:PVoDCfEn0
有香「さっきのバトル……実は勝ち負けどうこうではなく」

有香「ほたるさんがポケモンに対してどんな気持ちを抱いているか、ということを知りたくて、バトルを挑ませてもらいました」

有香「試すような真似をしてすみません」

有香「でも、これで確信が持てました。心優しいほたるさんなら……きっとこの町の人たちは受け入れてくれると思います」

有香「どうでしょうか?」

ほたる「……!」

ほたる「ありがとう、ございます……!」
715 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:22:28.40 ID:PVoDCfEn0
ほたる「……!」ハッ

ほたる(そういえば。夕べ……)


有香『いつかあたしも旅に出て、まだ見ぬトレーナーやポケモン達と、チャレンジャーとしてバトルをするのが夢なんです』


ほたる(チャレンジャーとして……)

ほたる(有香さんが、おそらく誰にも打ち明けなかったことを私に話してくれた)

ほたる(私なら……)
716 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:23:13.69 ID:PVoDCfEn0
有香「……? どうかしましたか?」

ほたる「……あの」

有香「?」

ほたる「もし、この町に住ませてもらえるのであれば」

ほたる「私に、ジムリーダーをやらせてもらえませんか?」

有香「……!」

ほたる「有香さん、お話しされてましたよね。いつかチャレンジャーとしてポケモンバトルをしたいって」

ほたる「私がジムリーダーになれば……その夢を叶えられると思うんです」

ほたる「私なりに……有香さんに恩返しをさせてもらえませんか?」
717 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:23:58.47 ID:PVoDCfEn0
有香「……」

有香(さっきのバトル、あたしも結構本気でバトルしたつもりだったけど)

有香(ほたるさんの実力は本物だ)

有香(あたしのコジョフーは相手の攻撃を躱しつつ、『ヨガのポーズ』で攻撃力を上げていく戦い方が得意だけど)

有香(ヤミカラスはそれを『くろいきり』で打ち消してきた)

有香(ただ攻めるだけじゃない、ああいう臨機応変な戦い方ができるのなら……)

有香「……わかりました」

有香「手続きとか、色々あるので、それが終わり次第――」

有香「次のキクチシティのジムリーダーを、ほたるさん。あなたに任命させて下さい」

ほたる「……!」
718 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:24:58.66 ID:PVoDCfEn0
有香「ほたるさん」

有香「あなたが本当に不幸体質なのかどうかは、あたしにはわかりません」

有香「でも、あなたのような人に出会えて……あたしはすごく幸せ者です」

有香「それにヤミカラスも、すごく幸せそうです」

有香「ポケモンが一緒にいるなら、ほたるさんはどんな不幸にも負けない……そう思います」

有香「キクチシティを、よろしくお願いします」ペコリ

ほたる「……!」

ほたる「ありがとう……ございます……!」ポロポロ
719 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:25:56.65 ID:PVoDCfEn0

数週間後


有香「ジムの改修も終わりましたし」

有香「ほたるちゃん、明日から正式にジムリーダーですね。頑張って下さい!」

ほたる「はい、ありがとうございます」

ほたる「有香さんも、今日旅立たれるんですね」

有香「まあ、まだどこに行こうかは決めてないですけど。あはは……」

ほたる「あの、よかったらこれを……」
720 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:26:32.37 ID:PVoDCfEn0
有香「……?」

有香「これは……タンポポの髪飾り?」

ほたる「はい」

ほたる「有香さん、お家にタンポポを活けてあったりして、好きなのかな……と思いまして」

有香「ほたるちゃん……ありがとうございます!」

有香「そうなんです。タンポポって花が咲き終わっても倒れても、綿毛になる時には前よりも高く伸びる植物で」

有香「そういう強さとか健気さが好きだなって思っていたんです!」
721 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:27:08.92 ID:PVoDCfEn0
有香「嬉しい……! 大事にしますね!」

ほたる「はい!」

有香「じゃあ、あたしからもこれを!」スッ

ほたる「えっ?」

有香「これ、スズランで作ったブローチなんです。スズランの花言葉は『再び幸せが訪れる』だと知って、ぜひほたるちゃんに渡したいなって」

ほたる「そんな……いいんですか?」

有香「はい! きっとつけていたらいいことがあると思います!」

ほたる「ありがとうございます……」ウルッ
722 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:28:02.26 ID:PVoDCfEn0
有香「それでは、あたしはそろそろ行きます」

有香「どうかお元気で!」

ほたる「はい……お元気で!」


有香「……」スタスタ

村人「有香ちゃーーーん!!」

有香「!」
723 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:28:37.66 ID:PVoDCfEn0
村人「有香ちゃん、行ってらっしゃーい!」

村人「あたし達はいつでも待ってるからねー!」

村人「身体には気を付けるんだぞー!」

村人「あんたはキクチの誇りだー!」

村人「でっかくなって帰ってくるんだよー!」

有香「……!」

グッ

有香「みんな……ありがとう……!」

有香「行ってきます……押忍!!」
724 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:29:37.88 ID:PVoDCfEn0

現在 キクチシティ


ほたる「……」スラスラ

ほたる(拝啓、有香さん)

ほたる(元気でしょうか? 私は元気です)

ほたる(あれから厳しい自然災害が頻発したり、私のヤミカラスが何処かへ飛び立ったきり帰ってこなくなったりと、気持ちが滅入るようなことがたくさんありました)

ほたる(町の人たちとも折り合わず、どうしようもなく苦しいこともありました)

ほたる(でもそんな時、私を助けてくれたトレーナーがいました。その人のおかげで、今は皆で前を向いて生きています)
725 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:30:09.88 ID:PVoDCfEn0
ほたる(その人は、自分から一歩踏み出す勇気を、恐れない勇気を教えてくれました)

ほたる(つくづく、私は周りの人に恵まれているなと感じます)

ほたる(改めて、この町に住んでよかった)

ほたる(有香さん、私に居場所を与えてくれてありがとうございます)

ほたる(どうか、有香さんの今いる居場所が素敵な場所でありますように。……敬具)

ほたる「……」トン

ほたる「……ふう」
726 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:30:44.61 ID:PVoDCfEn0
ほたる「……窓、開けようかしら」

ガラッ

ほたる(……?)

ほたる(何かを咥えた鳥ポケモンが、こっちに飛んできている……)

ほたる(……)

ほたる(……!)

ヤミカラス「ヤミー!」

ほたる「あ……ああ……!」



サイドストーリー「スズランとタンポポ」 Fin.
727 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/02/24(月) 23:33:02.32 ID:PVoDCfEn0
今回はここまでです

次回は金曜日、チャンピオンとの最終決戦です
読んでいただきありがとうございました
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 19:09:17.35 ID:lqjNDa4q0

チャンピオンと四天王ってこの大会の順位で決まるんだっけ?
そうなると蘭子・凛・未央・杏・きらりがそうなんかな?
729 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 01:57:17.56 ID:8yUrNr/B0
少し遅れましたが投下していきます

>>728
その通りです
730 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 01:57:59.01 ID:8yUrNr/B0
決勝戦 前夜


凛「……」

ポン ポン ポン ポン ポン ポン

ゲッコウガ「ゲコ」

ムクホーク「ムクホー」

ドリュウズ「ドリュ!」

サンダース「ダース」

サザンドラ「サザー!」

チャーレム「チャー……?」
731 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 01:58:34.89 ID:8yUrNr/B0
凛「みんな、夜遅くにごめんね」

凛「明日、決勝戦だね。その前に……伝えたかったんだ」

凛「卯月や未央と一緒に旅に出てから、色んなことが起きてさ」

凛「まさかシンデレラ団とあんなに関わることになるとは思わなかったし」

凛「もうダメかもって思ったときも何度もあった」

凛「でも振り返ってみたら、私一人じゃ絶対ここまで来れなかった」

凛「みんながいたから……みんなが私に力を与えてくれたんだ」
732 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 01:59:06.31 ID:8yUrNr/B0
凛「だから、何というか……ここまでついてきてくれて……本当にありがとう」

サンダース「ダース」ペロッ

凛「サンダース……」

凛「……ふふっ。タマゴから孵ったときはあんなに泣きじゃくっていたのに」

凛「すっかり頼もしくなったね」

凛「……そういえば、蘭子もイーブイの進化形を持っているんだっけ」

凛「じゃあその相手は決まりだね、サンダース」

サンダース「ダース!」
733 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 01:59:50.38 ID:8yUrNr/B0
凛(……進化といえば)

凛「蘭子はおそらくメガシンカを使ってくる……」

凛「そうなったら、私もメガシンカを使うつもりだけど」

カチャ

凛「勝負のカギは、チャーレムにかかっている……」

凛「その時は、よろしくね」

チャーレム「チャー」
734 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:00:25.82 ID:8yUrNr/B0
凛「ドリュウズ」

凛「あの時、ヤミラミとどっちを捕まえようか迷ったけど」

凛「ドリュウズを選んでよかったって思ってる」

凛「裕子や肇、茜に勝てたのはドリュウズのおかげだから。ドリュウズのガッツにたくさん助けてもらったね」

凛「明日も……よろしくね」

ドリュウズ「ドリュー」スリスリ
735 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:00:52.87 ID:8yUrNr/B0
サザンドラ「サザー」

凛「サザンドラも、育てるのが大変だったけど」

凛「強くなったね。頼りにしてるよ」

凛「ねえ、この傷……覚えてる?」スッ

凛「モノズの時に触れ合おうとして噛み付かれた跡だよ」

凛「すごく痛かったけど、そんなことも昨日の出来事みたい。ふふっ」

サザンドラ「サザ……」
736 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:01:20.63 ID:8yUrNr/B0
凛「……?」

サザンドラ「……」クイッ

凛(サザンドラが右腕を差し出している)

凛(……)

ソーッ

ポン
737 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:02:11.49 ID:8yUrNr/B0
凛(……!)

サザンドラ「サザー」

凛「……噛み付かないの?」

サザンドラ「サザー」

凛(……)

凛(すごくサザンドラらしくない振る舞いだけど)

凛(これは私に心を開いてくれた、ってことなのかな)

凛「サザンドラ……ありがとう」
738 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:02:45.41 ID:8yUrNr/B0
凛「ムクホーク」

凛「初めて自分の力でゲットしたのがムックルの時だったね」

凛「すごく嬉しかった。あの事も、よく覚えてる」

凛「きらりを倒せたのはムクホークの踏ん張りがあったからだったよね。ありがとう」

凛「明日も、頑張ろうね」

ムクホーク「ムクホー!」
739 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:03:27.31 ID:8yUrNr/B0
凛「そして……ゲッコウガ」

ゲッコウガ「ゲコ」

凛「こんな私についてきてくれて本当にありがとう」

凛「ううん、感謝してもし足りないな」

凛「ゲッコウガにはもう見えてるよね。夢に見ていた……あの場所が」

ゲッコウガ「ゲコ」コクリ

凛「……うん、そうだよね」
740 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:03:58.33 ID:8yUrNr/B0
凛「よし……みんな」

凛「明日は絶対に勝とうね……!!」

ゲッコウガ「ゲコ」

ムクホーク「ムクホー」

ドリュウズ「ドリュ!」

サンダース「ダース!」

サザンドラ「サザ!」

チャーレム「チャー」
741 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:04:32.62 ID:8yUrNr/B0

翌日


ドワァァァァァァァァァ

卯月「うわ、すごい歓声だね」

未央「そりゃあそうだよ! 何たってチャンピオンが決まるんだから!」

ザワザワザワザワ

恵磨『皆様、大変長らくお待たせいたしました!』

恵磨『今年もさまざまなドラマが生まれたポケモンリーグですが!』

恵磨『遂に最終日! チャンピオン決定戦を迎えました!!』

ワァァァァァ
742 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:05:12.12 ID:8yUrNr/B0
瑞樹『なんだか寂しくなってくるわね。……あ、解説の瑞樹です』

恵磨『実況は恵磨です! 最後までよろしくお願い致します!!』

恵磨『さあ、まずはここまで勝ち上がってきたチャレンジャーに入場してもらいましょう!』

ガーッ

恵磨『リーグ初出場ながら四天王の愛梨選手を下し、同じく初出場のきらり選手、未央選手とも名勝負を繰り広げてきた超新星――』

恵磨『アマミタウン出身、凛選手だぁぁ!!』

凛「……」ザッ
743 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:05:48.34 ID:8yUrNr/B0
ワァァァァァァァァァ

『凛ー! 頑張れー!!』

『俺は凛ちゃんを応援してるよー!!』

美玲「おお、凛、気合い入ってるな!」

幸子「それに私たち以外にも凛さんを応援してる人がたくさんいますね!」

輝子「フヒ……すっかり人気者だな」

乃々「す、すごいなあ……」
744 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:06:21.84 ID:8yUrNr/B0
晶葉「凛……」

志希「晶葉ちゃん、凛ちゃんより顔が固いよー?」

晶葉「あ、ああ……何だか私まで緊張してきてな」

晶葉「それにあの時のイーブイがここまで来たかと思うと……ついな」

文香「凛さんなら、きっと大丈夫ですよ」

こずえ「……うん……」

茜「凛ちゃぁぁぁぁぁん!! ファイトォォォーーー!!!」
745 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:07:02.72 ID:8yUrNr/B0
モバP「……」

真奈美「同席、失礼するよ」

モバP「ん? ……ああ、真奈美さんか」

モバP「それと……」

ありす「門下生のありすです。はじめまして」ペコリ

晴「晴だぜ!」

モバP「ああ、どうも」
746 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:08:07.23 ID:8yUrNr/B0
モバP「真奈美さん、ジムを空けてて大丈夫なのかい?」

真奈美「ああ、問題ないよ」

真奈美「それより凛の勇姿を見届けることが最優先だと思ったからね」

真奈美「他のジムリーダーもジムからは離れていないが、今ごろテレビ中継に釘付けのはずだよ」

モバP「そうか」

モバP「……」

真奈美「緊張しているのかい?」

モバP「ああ、そりゃあ緊張するさ」

モバP「あの凛が、いよいよここまで来るなんてな……」
747 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:08:40.46 ID:8yUrNr/B0
凛(結局、蘭子に会うことはできなかった)

凛(メガシンカのこと、確認したかったけど……まあ仕方ないかな)

凛(こっちは準備できてるから、後は相手次第だ)

恵磨『そして、チャレンジャー凛選手と相まみえるは――』

恵磨『チャンピオン・蘭子!! 満を持しての登場です!!』

ガーッ

蘭子「……」

ザッ
748 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:09:12.73 ID:8yUrNr/B0
ワァァァァァァァァァ

『蘭子ぉぉぉぉぉーーー!!』

『絶対王者の力を見せてくれーー!!』

未央「おお、こっちもすごい歓声……!」

ザッ

凛「蘭子……!」

蘭子「クックック……」
749 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:09:57.72 ID:8yUrNr/B0
蘭子「『蒼き瞳を持つ者』よ。いつここまで辿り着くか、心待ちにしていたぞ」

蘭子「頂点に立つ者として、この舞台で汝と魂を競い合えることが嬉しいわ」

凛「うん……私も、蘭子と戦えるのがすごく楽しみだったよ」

蘭子「クックック……」

蘭子「しかし……今日に至るまで、まことに退屈だったわ」

凛「……?」
750 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:11:04.09 ID:8yUrNr/B0
蘭子「何故なら我は祝宴の開催を告げた後からその身を深淵に隠し、戦場から遠退いていたの」
  (凛ちゃん達の試合は一度も見ていないの)

蘭子「いずれ訪れる勇者との邂逅に、黒き魂を踊らせながら……」
  (挑戦者とは公平に戦いたかったから!)

凛「そ、そうだったんだ」

凛(……そうか。だから実況席の裏はいつも空席になってたんだ)

蘭子「……時に勇者よ」

凛「ん?」

蘭子「先日の創造神の件、改めてここで感謝の意を示す」
  (アルセウスを鎮めて下さってありがとうございました!)

蘭子「よもや神をも従わせるとは思わなかったが……」

蘭子「果敢にも立ち向かった汝の姿、我が魂にしかと刻んだぞ」
751 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:12:13.85 ID:8yUrNr/B0
凛「ううん。あれは私一人じゃどうにもできなかった」

凛「みんながいてくれたからだよ。私はその一端を担っただけ」

蘭子「……そう。そうしていかなる苦難も同胞と共に乗り越えてきたのだな」
  (どんな困難にぶつかっても仲間やポケモンと乗り越えてきたのね)

蘭子「それは何時如何なる時も己を超克してきたということ。その姿、尊敬に値するわ」
  (それはどんな時でも自分に勝ってきたということ。素晴らしいわ)

蘭子「……しかし! 我は魔王!」

蘭子「勇者である汝を圧倒的に叩き潰してこそ、我が威光は再びこの大地に示される!」

凛「!」
752 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:13:44.04 ID:8yUrNr/B0
蘭子「勇者よ! 約束の頂を前にして、大いなる闇の力にひれ伏すがいい!!」
  (ポケモンリーグチャンピオンとして、あなたを倒します!!)

蘭子「さあ、始めよう!!」


ババァン


チャンピオンの蘭子が勝負をしかけてきた!


恵磨『バトル……』

恵磨『スタートォォォォォォ!!!!』
753 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:14:35.95 ID:8yUrNr/B0
凛「いくよ、ゲッコウガ!」ポン

ゲッコウガ「ゲコ」

蘭子「ゆくぞ、御霊の化身よ!」ポン
  (ミカルゲ、いきますよ!)

ミカルゲ「おんみょーん」ズン

ミカルゲ ふういんポケモン ゴースト/あく
108個の魂が集まって生まれたポケモン
500年前に悪さをしたため要石のひび割れに縛りつけられてしまった

晶葉「おお、ミカルゲか」

文香「珍しいポケモンですね」

乃々「何あのポケモン、怖い……ペラペラだし……」
754 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:15:11.44 ID:8yUrNr/B0
恵磨『まずはゲッコウガとミカルゲの対面です!』

瑞樹『凛ちゃん、いきなりエースで勝負してきたわね』

凛(相手が何をしてくるのか全くわからない……)

凛(なら、攻めるのが私の戦い方!)

凛「ゲッコウガ、みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュバババ

蘭子「効かぬわ!」
755 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:15:52.71 ID:8yUrNr/B0
ミカルゲ「みょん」ヒョイヒョイヒョイ

凛「え!?」

恵磨『なんとミカルゲ、無駄のない動きでみずしゅりけんを全て躱した!?』

瑞樹『……いえ、全て躱したわけではないわ。半分は最初から当てが外れていたわね』

瑞樹『そうさせたのは……おそらく』

キラッ

瑞樹『……あれの仕業ね』
756 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:16:49.30 ID:8yUrNr/B0
凛(ミカルゲの体がわずかに輝いている)

凛(あれは『ひかりのこな』……?)

ひかりのこな
相手の命中率を下げる

凛「そうか、どうりで当たらないわけだ」

蘭子「『幻影の術』よ!」
  (かげぶんしんです!)

ミカルゲ「みょん!」

ヒュンヒュンヒュン
757 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:17:22.81 ID:8yUrNr/B0
恵磨『さらにミカルゲ、分身を生み出しました!』

瑞樹『これは厄介ね』

瑞樹『ただでさえ攻撃が当たりづらいのに、ミカルゲの特性は『プレッシャー』。このままだと凛ちゃんにとってはジリ貧だわ』

蘭子「クックック……」

蘭子「さあ、何処からでもかかってくるがよい!」

凛「……」

凛「わかった。そうさせてもらうよ!」キッ
758 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:17:58.82 ID:8yUrNr/B0
凛「ゲッコウガ!」

ゲッコウガ「ゲコ」ダッ

恵磨『ゲッコウガ、分身したミカルゲの一つに突撃していきます!』

未央「あの迷いのない感じ……そうか!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

ミカルゲ「みょ!?」

フッ

蘭子「……ほう!」
759 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:18:28.05 ID:8yUrNr/B0
恵磨『ゲッコウガ、分身したミカルゲを一瞬で見抜いた!!』

茜「おぉ!!」

美玲「な、なんで一発で本体がわかったんだ!?」

志希「あれは『つばめがえし』だねえ」

晶葉「『つばめがえし』は攻撃の際に極限まで精神を研ぎ澄ませて放つ技でもある」

晶葉「だから自分が目潰しを受けていたり、相手が分身していても必ず攻撃を当てられるんだ」

卯月「それがわかっていたから凛ちゃんは迷わず本体を狙えたんだね」

幸子「なるほど、これで相手の作戦は崩せましたね!」
760 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:19:05.40 ID:8yUrNr/B0
蘭子「クックック……そうか、我が幻影を破るとは」

蘭子「ならばここは一度身を引こう」シュゥゥ

蘭子「ゆくぞ、鉄鎧のガーディアンよ!」ポン
  (ブリガロンでいきます!)

ブリガロン「ブリガー!」

ブリガロン とげよろいポケモン くさ/かくとう
顔の前で拳を合わせて防御のポーズをとる
自分が盾となって仲間を守るほか、爆弾の直撃も耐えることができる

恵磨『チャンピオン・蘭子、2体目はブリガロンだー!』
761 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/01(日) 02:21:36.28 ID:8yUrNr/B0
今回はここまで
初手ミカルゲは完全にシロナさんリスペクト

次回は水曜日です、ありがとうございました
762 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:14:00.23 ID:jhzmxTwl0
投下します
763 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:14:47.23 ID:jhzmxTwl0
恵磨『チャンピオン・蘭子、2体目はブリガロンだー!』

凛(ブリガロンか……ここは不利だね)

凛「ゲッコウガ、交代!」シュゥゥ

凛「ムクホーク!」ポン

ムクホーク「ムクホー!」

蘭子「ふむ、相性のよい飛獣に代えたか」

蘭子「……だが! 我がガーディアンは崇高なる魔王の盾!」

蘭子「何人たりとも先には通さないわ! 飛獣よ、地に堕ちるがいい!!」
764 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:15:18.64 ID:jhzmxTwl0
ブリガロン「ブリガ……」コォォ

ブリガロン「ブリガッ!」

ズドォン

ムクホーク「ムクホー!?」

凛「くっ!」

ムクホーク「ムクホー……!」ズシン

恵磨『凛選手、相性のいいムクホークに交代しましたが……』

恵磨『『うちおとす』で痛い一撃をお見舞いされました!』
765 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:15:57.47 ID:jhzmxTwl0
晶葉「まずいな。『うちおとす』は翼を持つポケモンを撃ち落してしまう技だ」

晶葉「飛行能力が弱まってしまったら、ムクホークには厳しくなるな」

ムクホーク「ムクホー!」バサッ

凛「ムクホーク、まだいけるよね!」

蘭子「クックック……パトスがみなぎっているな!」
  (気合い十分のようですね!)

凛「ブレイブバード!!」

ムクホーク「ムクホー!!」ギュォォォ
766 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:16:34.45 ID:jhzmxTwl0
蘭子「来たな……構えよ!」

ブリガロン「ブリガ!」ズン

美玲「う、受け止める気か!? ブレイブバードだぞ!?」

茜「どうやらそのようですね……!」

ブリガロン「ブリガー」ジャキッ

晶葉「あの構え……まずい、凛!!」

蘭子「我が結界の前に跪け!」

蘭子「『ニードル・ガード』!!」
767 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:17:02.64 ID:jhzmxTwl0
ブリガロン「ブリガー!!」

ズドォン

ムクホーク「ムクホー……!」グググ

恵磨『ブリガロン、ムクホークの突進を受け止めたぁー!!』

凛「!? ムクホークが止められている……!?」

コォォ

凛「!」

カッ

バシュゥゥン
768 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:18:23.48 ID:jhzmxTwl0
ムクホーク「ムクホッ……!」グサッ

凛「な……」

凛(ブリガロンの後ろから緑のトゲが飛んできた!)

ムクホーク「ムクホー……」ドサァ

卯月「ああ、ムクホーク!」

恵磨『ムクホーク、相手を攻撃するつもりが逆に跳ね飛ばされてしまったぞ!?』

瑞樹『ニードルガードは相手の攻撃を防ぎつつ、トゲで反撃する技ね』

瑞樹『肉弾戦が得意なムクホークは特に格好の獲物だわ』
769 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:18:56.18 ID:jhzmxTwl0
凛「……」

凛(やっぱりチャンピオン……さっきの影分身といい、防御の面でも一流だ)

凛(スキがない……!)

蘭子「ではこちらからゆくぞ! ガーディアンよ!」

ブリガロン「ブリガー!」ズギュン

未央「は、速い!?」

卯月「あんなに重そうな体なのに……!」

蘭子「『反撃の鉄槌』よ!」
   (アームハンマー!!)
770 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/04(水) 22:19:38.37 ID:jhzmxTwl0
ブリガロン「ブリガー!」ブン

凛「ムクホーク、躱して!」

ムクホーク「ムクホー!」グル

ズドォン

瑞樹『蘭子ちゃんのブリガロンはあのトゲを攻撃にも防御にも活かしてくるのが特徴ね』

瑞樹『まさに難攻不落……というわけ』

凛(何とか躱せたけど……すごい威力だ)

凛(あれは一度だって喰らえないな)
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