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【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)

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271 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:51:37.94 ID:4jVxbuGf0
未央「シャドーボール!」

加蓮「来るよスワンナ、はねやすめ!」

未央「……と見せかけて、ギガドレイン!」

ゲンガー「ゲゲー!」バリバリ

スワンナ「スワ!?」バリィッ

加蓮「うそっ!?」

瑞樹『うまいわね。恐れずダメージを与え続けて、はねやすめのタイミングを待っていたのね』

瑞樹『加蓮ちゃんとしては、はねやすめを早くに見せてしまったことが裏目に出たわね』
272 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:52:29.04 ID:4jVxbuGf0
スワンナ「スワー……」バタッ

恵磨『スワンナダウーン! まずは未央選手が先制!!』

凛「しかもギガドレインで体力も回復できたね」

未央「よーし!」

加蓮「うう、ごめんねスワンナ……」

加蓮「サーナイト!」ポン

サーナイト「サー!」

恵磨『加蓮選手、序盤にしてエースのサーナイトが登場だ!』
273 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:53:25.05 ID:4jVxbuGf0
加蓮「ムーンフォース!」

サーナイト「サー!」パァァァァ

未央「シャドーボールで対抗!」

ゲンガー「ゲゲー!」ボッ

バシィッ!

サーナイト「サー……」

ゲンガー「ゲゲ……」ヨロッ

恵磨『これは両者ともに痛いダメージを負ってしまった!』

瑞樹『でも防御の面ではサーナイトの方が一枚上手ね。僅かだけど、サーナイトに分があると思えるわ』
274 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:53:52.89 ID:4jVxbuGf0
未央「ゲンガー、まだいける?」

ゲンガー「……!」キッ

未央「よーし! もっかいシャドーボールだー!」

加蓮「サイコキネシス!」

サーナイト「サー!」パッ

美玲「ああ、シャドーボールが止められた!」
275 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:55:01.01 ID:4jVxbuGf0
加蓮「お返しよ!」

サーナイト「サー!」ズドン

ゲンガー「ゲゲー!」ズバン

未央「ああ、ゲンガー!」

ゲンガー「ゲー……」バタンキュー

恵磨『ゲンガーダウーン!! 加蓮選手、すぐさま追いつきました!!』

ワァァァァァァァァァァ
276 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:56:29.42 ID:4jVxbuGf0
未央「くっそー、やるなー加蓮!」

未央「エース対決なら負けないよ! ジュカイン!」ポン

ジュカイン「ジュカ!」

瑞樹『未央ちゃんも早い段階でエースを出してきたわね』

未央「リーフブレード!」

加蓮「エース対決ね……」

加蓮「悪いけど、それは後でね! 交代!」シュゥゥ

未央「ありゃ?」

加蓮「ウインディ!」ポン

ウインディ「ディー!」

ウインディ でんせつポケモン ほのお
体内で燃え盛る炎をエネルギーに大地を駆ける
威風堂々とした姿は古くから人々の心を虜にしてきた
277 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:57:03.50 ID:4jVxbuGf0
晶葉「相性のいいウインディを出してきたか」

志希「エース対決まで持ちこたえられるかなー?」ニャフフ

未央「ウインディかー、ならこっちも交代だね!」シュゥゥ

未央「いけー、トドゼルガ!」ポン

トドゼルガ「トドー!」

トドゼルガ こおりわりポケモン こおり/みず
大きなキバで氷山を砕きながら氷点下の海を泳ぎ回る
厚い脂肪は寒さだけでなく敵の攻撃もはね返す
278 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:57:34.41 ID:4jVxbuGf0
凛「なるほど、未央の残りの2匹はトドゼルガとゲンガーか」

卯月「トドゼルガの進化前のタマザラシって、たしかレオン島の海岸に住んでいるんだって」

卯月「未央ちゃん、あんな所まで冒険していたんだね」

乃々「あ、あんな寒いところに行くとか、むーりぃ……」ガクブル

加蓮「ウインディ、フレアドライブ!」

ウインディ「ディー!」ゴォォォォォ

未央「受けきれるよね、トドゼルガ!」

トドゼルガ「トドー!」ズドン
279 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:58:20.58 ID:4jVxbuGf0
加蓮「えっ、フレアドライブを受け止めた!?」

トドゼルガ「トド!」バシッ

ウインディ「ディー……!」ズザーッ

恵磨『トドゼルガ、『あついしぼう』でウインディの攻撃を凌いだ!』

あついしぼう
自分が受けるほのおタイプ・こおりタイプの技の威力が半減する

未央「よーし、かかったね! トドゼルガ、アンコール!」

トドゼルガ「トドー!」パチパチパチ

ウインディ「ディ!?」
280 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:59:15.60 ID:4jVxbuGf0
恵磨『ああっと、アンコールを受けてしまいました!』

瑞樹『しばらくの間、同じ技しか出せなくなる技ね』

瑞樹『フレアドライブは相性も悪いし反動のダメージもあるし、これは痛いわね』

加蓮「くっ……交代――」

未央「させないよ、とおせんぼう!」

トドゼルガ「トド!」トーセンボー

ウインディ「ディ……!?」

恵磨『しかも交代まで防がれました!』

晶葉「あのトドゼルガ、なかなかに芸達者だな」
281 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 01:59:48.78 ID:4jVxbuGf0
未央「さあ、トドゼルガともっと遊ぼうよ!」

加蓮「くぅ……!」ギリギリ

加蓮「もう許さないからね! フレアドライブ!」

ウインディ「ディー!!」ゴォォォォォ

未央「効かないよ! トドゼルガ!」

トドゼルガ「トドー」ボヨーン

未央「しおみずだー!」

トドゼルガ「トドー!」ブシュゥ
282 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:00:29.00 ID:4jVxbuGf0
ウインディ「ディ!!」バシャァ

加蓮「ああ、ウインディ!」

卯月「加蓮ちゃん、一方的に攻撃されてるね」

凛「うん、あのトドゼルガ……かなり厄介だね」

未央「まだまだー!」

トドゼルガ「トド!」ブシュゥ

加蓮「ウインディ、躱して!」

ウインディ「ディ……」ヨロッ
283 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:01:23.50 ID:4jVxbuGf0
加蓮「! 傷口が沁みて……!」

ウインディ「ディー!」バシャァ

恵磨『加蓮選手、依然不利な状況が続いています!』

ウインディ「……ディ?」パチッ

加蓮「よし、アンコールの効果が切れた!」

加蓮「かみなりのキバ!」

ウインディ「ディー!」バリバリ

トドゼルガ「トド!?」ガブー

幸子「おおっ、反撃開始ですね!」
284 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:02:07.23 ID:4jVxbuGf0
未央「うーん、アンコールが切れるの、思ったより早かったなー」

未央「トドゼルガ、しおみず!」

トドゼルガ「ト、トド……」ビリビリ

未央「ありゃ!?」

加蓮「よし、マヒさせた!」

加蓮「お返しだよ! きしかいせい!!」

ウインディ「ディー……」コォォォォ

ウインディ「ディー!」バシーン
285 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:02:49.23 ID:4jVxbuGf0
トドゼルガ「トド!」

未央「ト、トドゼルガ!」

トドゼルガ「トドー」バタンキュー

恵磨『トドゼルガ、きしかいせいの一発でダウンです!』

瑞樹『きしかいせいは体力が少ないほど威力の上がる技ね』

瑞樹『未央ちゃんもまさかこの攻撃が来るとは思っていなかったでしょう』

未央「ああー、こりゃ一本取られちゃったなあ」

未央「でもまだまだ! エレザード!」ポン

エレザード「エレー!」
286 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:03:21.89 ID:4jVxbuGf0
加蓮「でんき・ノーマルタイプなら、もう一度きしかいせいで!」

未央「そうはいかないよ! エレザード、そうでん!」

エレザード「エレ!」バリッ

ウインディ「ディ!?」バリバリ

バシーン

エレザード「エレ!」ズザッ

加蓮「な、効果抜群のはずなのに!?」
287 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:04:11.11 ID:4jVxbuGf0
未央「ふっふっふ、そうでんを受けたポケモンの技はぜーんぶでんきタイプになってしまうのだ!」

未央「そしてかみなりでお仕舞いだー!」

エレザード「エレー!!」バリバリ

ウインディ「ディー!!」

ウインディ「ディ……」ズシン

恵磨『ウインディ、戦闘不能です!』

ワァァァァァァァ

加蓮「やってくれたね……! エビワラー!」ポン

エビワラー「エビ!」シュタッ

エビワラー パンチポケモン かくとう
プロボクサーの魂が乗り移っているポケモン
腕をねじりながら繰り出すパンチはコンクリートも粉砕する
288 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/14(土) 02:07:02.91 ID:4jVxbuGf0
今回はここまで
次回は1週間後です、ありがとうございました


289 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:26:42.51 ID:X85yV2jE0
投下します
290 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:27:13.75 ID:X85yV2jE0
未央「お、エビワラーか! ということは――」

カタカタ

未央「……うん、そうだよね!」

加蓮「エビワラー、じならし!」

未央「の前に交代だー!」シュゥゥン

未央「カポエラー!」ポン

カポエラー「カポ!」

カポエラー「……カポッ」グラッ
291 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:28:05.35 ID:X85yV2jE0
恵磨『交代で出てきたカポエラーにじならしがヒット! 足元を掬われました!』

晶葉「なるほど、エビワラーにカポエラー、どちらもバルキーから進化したポケモンだな」

卯月「未央ちゃん、相性のいいボーマンダは出してこなかったね」

凛「うん。未央のことだから、相性よりもカポエラーの意思を尊重したんだね」

エビワラー「……」キッ

加蓮「うん、気持ちはすごく分かるよ、エビワラー」

加蓮「信じてる……!」

カポエラー「……」キッ
292 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:28:35.78 ID:X85yV2jE0
未央「やっちゃえカポエラー! まわしげり!」

加蓮「スカイアッパー!」

カポエラー「カポー!」

エビワラー「エビー!」

ズバンッ

恵磨『両者、同時に動き出しました!』

瑞樹『威力はどちらも互角ね……!』

未央「もう一回まわしげりー!」
293 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:29:06.16 ID:X85yV2jE0
加蓮「エビワラー、みきり!」

エビワラー「エビ」キラーン

カポエラー「カポッ!?」スカッ

加蓮「よし、スカイアッパー!」

エビワラー「エビー!」ズガン

未央「カポエラー!」

カポエラー「カポー……」ズザザ

未央「よし、まだまだ!」
294 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:29:35.75 ID:X85yV2jE0
加蓮「何度来ても同じだよ! みきり!」

未央「フェイント!」

カポエラー「カポ!」ヨロッ

カポエラー「カポー!」バシー

エビワラー「エビッ!?」

未央「よし、まわしげり!」

加蓮「くっ、スカイアッパー!」

バシンッ バシンッ
295 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:30:09.27 ID:X85yV2jE0
美玲「おおー……!」

輝子「フヒ……どっちもヒャッハーしてるな……」

凛「意地と意地の張り合いだね」

凛(まゆと戦ったときの私もあんな感じだったんだろうか)

凛(……そういえば蘭子もイーブイの進化系を持っているって言ってたな)

カポエラー「カポー……」ゼーゼー

エビワラー「エビ……」ゼーゼー
296 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:30:43.37 ID:X85yV2jE0
加蓮「次が、最後の攻撃……」

未央「だね! カポエラー、まわしげり!」

加蓮「エビワラー、スカイアッパー!」

カポエラー「カポー!!」グルグル

エビワラー「エビー!!」ドドドド

ドガァッ!!

加蓮「エビワラー……!」

エビワラー「エビ……」

エビワラー「……!」バタッ

カポエラー「カポ……」ヨロヨロ
297 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:31:19.39 ID:X85yV2jE0
恵磨『先にダウンしたのはエビワラーだーー! 激しい攻防はカポエラーが制しました!!』

ワァァァァァァァ

未央「よし、頑張ったね、カポエラー!」

未央「とはいえもう戦えないか……戻って!」

加蓮「さすがだね、未央」

加蓮「お願い、ランクルス!」ポン

ランクルス「クルー!」

ランクルス ぞうふくポケモン エスパー
特殊な液体で作られた腕は岩を握りつぶす
仲間同士で握手するとサイコパワーが増幅する
298 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:31:45.99 ID:X85yV2jE0
未央「エレザード!」ポン

エレザード「エレー!」

未央「ランクルス……特殊防御が高そうだけど」

未央「攻める! かみなり!」

加蓮「ランクルス、本気でいくよ! きあいだま!」

ランクルス「クルー!」バシュッ

未央「! 避けて!」

ランクルス「クルー!!」
299 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:32:15.86 ID:X85yV2jE0
エレザード「エレ!?」ドゴォッ

恵磨『あーっと、きあいだまがクリーンヒット!』

瑞樹『ランクルスは『いのちのたま』を持っているわね』

瑞樹『あの攻撃力、大会でもトップクラスかも』

いのちのたま
持たせると攻撃するたび体力が減るが、技の威力が上がる

未央「避けきれないなら……エレザード! かみなり!」

エレザード「エレー!」バリバリ
300 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:32:44.45 ID:X85yV2jE0
ランクルス「クルー!」ドォォォォォン

未央(うん、見た目通りそんなに素早くないみたいだ)

未央(ここはエレザードのスピードで翻弄する!)

加蓮「サイコキネシス!」

未央「エレザード、躱して!」

エレザード「エレ!」ヒョイ

未央「当たらなきゃどうってことないね! かみなり!」
301 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:33:15.61 ID:X85yV2jE0
エレザード「エレー!」バリバリ

ランクルス「クルー……!」

加蓮「きあいだま!」

未央「躱して!」

エレザード「エレー」ヒョイ

未央(かみなりもたくさん撃ったし、エレザードの動きも鈍くなってきた)

未央(なら……)
302 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:34:02.16 ID:X85yV2jE0
未央「エレザード、上に跳んで!」

エレザード「エレー!」ヒョーイ

恵磨『エレザード、ランクルスの頭上に回った!』

未央(きっとエレザードでランクルスを突破するのは難しいから……)

未央「ドラゴンテール!」

加蓮「チャンス、きあいだま!」

ランクルス「クルー!!」バシュゥ
303 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:34:39.74 ID:X85yV2jE0
ランクルス「クルッ……」ドッ

エレザード「エレー…!」ズドォン

恵磨『お互いに技がヒットしました!』

エレザード「エレー」バタンキュー

ランクルス「クルー……!」シュゥゥン

恵磨『エレザードダウン! そしてランクルスはボールに戻っていきました!』

瑞樹『土壇場で相手を強制的に交代させるドラゴンテールを当てられたわね』
304 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:35:16.86 ID:X85yV2jE0
卯月「二人ともいい勝負だね」

凛「うん、でも」

凛「未央の方が余裕があるように見えるね」

未央「……」

未央(加蓮が次に出してくるのはサーナイトかもう一匹のポケモン)

未央(でもさっき言ったみたいにエース対決を望んでいるなら、サーナイトはまだ温存してくるはず)

未央(ここはボーマンダがベターかな…?)

未央「ボーマンダ!」ポン

ボーマンダ「ボー!」
305 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:35:56.60 ID:X85yV2jE0
加蓮「デンリュウ!」ポン

デンリュウ「デーン!」

デンリュウ ライトポケモン でんき
明るく輝くシッポは船乗りたちの道しるべ
遠い地方には灯台の灯りを灯し続けるデンリュウがいるらしい

未央(デンリュウかあ。『せいでんき』があるしドラゴンクローで攻めるのは怖いかも……)

未央「――いいや、ビビるのはちゃんみおらしくないねっ! ドラゴンクロー!」

ボーマンダ「ボー!」ズバッ

恵磨『まずはボーマンダが素早く先制!』
306 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:36:26.25 ID:X85yV2jE0
加蓮「デンリュウ、りゅうのはどう!」

デンリュウ「デーン!」バババ

未央「躱して!」

ボーマンダ「ボー!」サッ

未央「ふー危ない危ない……」

加蓮「パワージェム!」

未央「おっとボーマンダ! ストーンエッジだよ!」

ボーマンダ「ボー!」ドゴォッ
307 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:37:01.09 ID:X85yV2jE0
恵磨『ボーマンダ、目の前にストーンエッジを撃つことで岩の壁を作りました!』

瑞樹『相手の攻撃を防ぐだけじゃなく、相殺したときの目眩ませにも使うつもりね。うまいわ』

シューー……

バシュッ

未央「ボーマンダ! かみなりのキバ!」

ボーマンダ「ボー!」

デンリュウ「デ、デーン!」ガブー
308 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:37:36.37 ID:X85yV2jE0
美玲「え、ここででんき技かよ!?」

乃々「な、なんで……?」

志希「まーまー、見てればわかるって♪」

加蓮「その程度の攻撃で……デンリュウ!」

デンリュウ「デ、デン!?」ビクゥ

加蓮「な、怯んでる!?」

未央「隙ありー! ボーマンダ、ドラゴンクロー!」
309 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:38:12.08 ID:X85yV2jE0
ボーマンダ「ボー!!」

加蓮「デンリュウ、かみなり!」

デンリュウ「デーン!」ズバッ

ボーマンダ「ボー!」バリバリバリ

デンリュウ「デ……デーン」バタンキュー

恵磨『デンリュウダウーーン!!』

瑞樹『急所に当たったみたいね。加蓮ちゃん、これは想定外のダメージだったんじゃないかしら』

未央(よし、りゅうせいぐんを温存できた! これでランクルスも突破できれば……)
310 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:39:05.28 ID:X85yV2jE0
加蓮(くっ……追い詰められてきた……!)

加蓮(ううん、でもまだ勝機はある)

加蓮(絶対に勝つ。勝って……凛のところへ行くんだ)

加蓮「サーナイト!」ポン

サーナイト「サナ!」

未央「へっ!?」

未央「ってそりゃそうか、相性いいからそりゃサーナイト出してくるよね」

未央「あちゃー……りゅうせいぐん、出し惜しみしちゃったなあ……」
311 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:39:37.36 ID:X85yV2jE0
未央「ま、仕方ないよね! ボーマンダ、戻って!」シュゥゥ

未央「エースにはエースだ、ジュカイン!」ポン

ジュカイン「ジュカ!」

瑞樹『ここで改めてのエース対決ね』

未央(ここは様子見で……)

未央「ジュカイン、リーフブレード!」

ジュカイン「ジュカ!」
312 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:40:22.68 ID:X85yV2jE0
加蓮「リフレクター!」

サーナイト「サー!」パァァァ

ジュカイン「ジュカッ!」ガキッ

茜「手堅く守りを固めてきましたね!」

卯月「リーフブレード以上に有効な技がなかったら、未央が一気に不利になっちゃうね」

凛「いや……未央はまだ何か隠し持ってる」

志希「そうだよねー、ジョーカーは出すタイミングが大事だもんねー」ニャフフ
313 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:41:02.65 ID:X85yV2jE0
未央(ジュカインがサーナイトに有効な技はアイアンテールだけ)

未央(でもいきなりアイアンテールを見せちゃうと向こうも警戒してくるだろうし、ここは様子見していて正解だった)

未央(加蓮はその場凌ぎで動くタイプっぽいから、油断させて一撃で決める!)

未央「ジュカイン、リフレクターが切れるまで粘るよ!」

未央「リーフブレード!」

加蓮「ムーンフォース!」

ジュカイン「ジュカ!」ガキッ

サーナイト「サナー!」パァァァ

ジュカイン「ジュカ!!」ビビビ
314 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:41:31.49 ID:X85yV2jE0
加蓮「よし!」

未央「くっ……これは避け続けた方がいいかも」

未央「ジュカイン、とにかく走り回るよ!」

ジュカイン「ジュカ!」ダッ

恵磨『ジュカイン、フィールド外周をグルグルと回っています!』

加蓮「サーナイト! よく狙って!」

サーナイト「サナー……」パァァァ

加蓮「ムーンフォース!」
315 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:42:06.68 ID:X85yV2jE0
未央「ジュカイン、回れ右!」

ジュカイン「ジュカ!」クルー

スカッ

加蓮「あーもう、ちょこまかとー!」

加蓮「サイコキネシス!」

未央「リーフブレード!」

ジュカイン「ジュカ!」バシィ

恵磨『未央選手、的確な指示で攻撃を躱し続けています!』
316 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:42:46.34 ID:X85yV2jE0
加蓮「やっぱり、リフレクターが切れる瞬間を待ってるみたいだね……」

加蓮(それでも、ダメージは積もっていってるはず。ジリ貧だけどこのまま攻め続ければ……!)

パッ

卯月「リフレクターが切れた……!」

未央「今だ! ジュカイン!」

ジュカイン「ジュカ!」

加蓮「やっぱりね! リフレク――」
317 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:43:34.69 ID:X85yV2jE0
未央「アイアンテール!」

ジュカイン「ジュカ!」シャキーン

サーナイト「サナ!!」バシィン

加蓮「なっ!?」

幸子「おお、ジュカインってあんなに早く動けたんですか!?」

晶葉「いや、あれがジュカインの本来のスピードだ」

美玲「ええっ? ってことは、さっきまでずっと手加減しながら走り回ってたのか?」

凛「そういうことだね」

凛「私たちは今まで外周を走り回っていたジュカインが、勝手に最高速度で動いていると思い込んでいたんだ」

志希「ニャフフ、錯覚ってやつだねぇ」
318 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:44:09.59 ID:X85yV2jE0
サーナイト「サナー……!」ズザーッ

加蓮「そんな、サーナイト……!」

恵磨『サーナイト、万事休すか!?』

未央「よし、トドメだよジュカイン!」

加蓮「……」

加蓮「ごめんね、サーナイト」
319 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:45:48.55 ID:X85yV2jE0

加蓮「いやしのねがい!!」


サーナイト「サナ……」

サーナイト「サナー――」パァァァ

未央「へ!?」

恵磨『おっと!?』

サーナイト「……」パタリ

恵磨『サーナイトが自らの技で力尽きてしまった!?』

加蓮「ただ倒れたんじゃないよ……サーナイトは未来に託してくれた」

加蓮「だから絶対に、最後まで諦めない……!」

加蓮「勝つのは私なんだから!!」
320 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/22(日) 22:47:26.13 ID:X85yV2jE0
今回はここまで
次回は火曜日です、ちゃんみおVS加蓮も決着させます
321 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:15:26.83 ID:pmNvb2h60
投下します
322 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:16:21.96 ID:pmNvb2h60
加蓮「頑張って、ランクルス!」ポン

ランクルス「クルー!」

キラキラ

恵磨『こ、これは! いやしのねがいの効果で、ランクルスの体力がみるみる回復していく!』

未央「なっ……」

凛(加蓮は多分これを使うのを待っていたんだろうね)

凛(ボーマンダに対してサーナイトを出したのはもちろん相性もあるけど、次に出るランクルスを万全の状態で送り出すため)

凛(サーナイトがエースとは言いつつも、最初からランクルスに託すつもりだったんだ)
323 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:17:35.32 ID:pmNvb2h60
加蓮「ランクルス! サイコキネシス!」

ランクルス「クルー!!」

未央「来るよジュカイン、躱して!」

加蓮「ジュカインのトップスピードは読めてるよ!」

ランクルス「クルー!」

ジュカイン「ジュカッ!」バシィン
324 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:18:14.98 ID:pmNvb2h60
恵磨『サイコキネシスがヒット! しかもいのちのたまで強化されています!』

恵磨『加蓮選手、まだまだ諦めません!!』

瑞樹『手持ちの数だと差があるように見えるけど、未央ちゃんは3匹とも既に手負いね』

瑞樹『それにランクルスのあの火力だと、持ちこたえ続けるのは厳しそうだわ』

未央「くっ……」

未央(お願いジュカイン……もう少し耐えて……!)

ジュカイン「ジュカ……」ヨロッ

加蓮「あたしは――」
325 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:18:59.27 ID:pmNvb2h60
加蓮「あたし達はこんなところで終わらない!」

ランクルス「クルゥゥゥ!!」

未央「……へへっ」

未央「それはちゃんみおだって同じだぁーー!!」

未央「今だジュカイン! 最大パワーで、ハードプラント!!」

ジュカイン「ジュカ……」

ジュカイン「ジュカァァァァ!!」
326 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:20:07.59 ID:pmNvb2h60
加蓮「ランクルス!」

ランクルス「クル――」

ドドドドドドドドドドドド

恵磨『こ、これは!』

恵磨『ものすごい威力のハードプラントがランクルスを襲うーーー!!』

凛「あれが……ジュカインの究極技……」

卯月「すごい……バトルライブで見たとき以上だ……!」

シュゥゥ

加蓮「! ラ、ランクルス……!」

ランクルス「クルー……」バタンキュー
327 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:21:38.47 ID:pmNvb2h60
恵磨『ランクルス戦闘不能!』

恵磨『最後にベスト4入りを決めたのは……未央選手だぁぁぁーーー!!!』

ワァァァァァァァァァァ

卯月「未央ちゃん!」

凛「うん、さすがだね」

凛(あのパワーの源、きっと『しんりょく』の効果もあっただろうけど)

凛(未央はそれに加えて『ヤタピのみ』を持たせていたんだね)

ヤタピのみ
ピンチになると特殊攻撃の威力が上がる
328 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:22:46.78 ID:pmNvb2h60
凛(たまたま未央にあげていたきのみ、上手く使えたみたいだね)

加蓮「……」

未央「ふー。加蓮、すごく強かったね!」

未央「まさかちゃんみおがあんなに苦戦するとは――」

加蓮「……」クルッ

加蓮「……」スタスタ

未央「あ、あれー。加蓮ー?」

未央「拗ねちゃったのかなぁ」
329 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:23:35.63 ID:pmNvb2h60
恵磨『今一度、白熱のバトルを見せてくれた準々決勝出場者8名に、大きな拍手をお送りください!!』

パチパチパチパチ

恵磨『さあ、瑞樹さん! これで今大会のベスト4、つまり今年の四天王候補が出揃いましたね!』

瑞樹『ええ。あとはチャンピオンの蘭子ちゃん次第ね』

瑞樹『今年は全員が初出場……時代の移り変わりを感じるわね。さて、チャンピオンへの切符を掴むのは誰かしら?』

恵磨『これにて準々決勝が終わりました! 明後日からはいよいよ準決勝となります!!』

ワァァァァァァァァァァ

330 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:24:48.66 ID:pmNvb2h60
幸子「はあー、これでもまだ準々決勝なんですか」

志希「そうだよー、これからもっとすごい勝負を見せてくれるんだよ! 主に凛ちゃんが!」

晶葉「やめんか」

美玲「ポケモンリーグってすげえな! うちもいつかは……」

文香「……とても、心が揺さぶられる一戦ばかりでした」

こずえ「……うん、すごかったー」

晶葉「準決勝の組み合わせは――」

晶葉「凛ときらり、そして杏と未央の対戦か」
331 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:25:24.36 ID:pmNvb2h60
卯月「まずは凛ちゃんだね! 頑張って!」

茜「私も応援していますぞ!」

乃々「も、もりくぼも応援してます……」

凛「うん、ありがとう。……」

凛(……)クルッ

凛(加蓮……大丈夫かな?)

332 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:25:52.84 ID:pmNvb2h60


その日の夜 宿舎

凛(……ここかな)

コンコン

??「はい」

凛「凛だよ。入っていい?」

??「ああ、凛か……いいよ」

凛「それじゃ」
333 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:26:23.65 ID:pmNvb2h60
カチャ

凛「お邪魔します」

奈緒「おう」

奈緒「何というか……お疲れ」

加蓮「凛……」

凛「何だ、加蓮もいたんだ」

加蓮「うん、ちょっと眠れなくて、ね」
334 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:27:12.65 ID:pmNvb2h60
奈緒「そうそう。二人でポテト食ってたんだ」

奈緒「凛もどうだ? コンソメとチーズがあるけど」

凛「いや、私はいいよ」

奈緒「そっか。それで、こんな夜中にどうしたんだ?」

凛「試合が終わってから話しかけられなかったからね。一声かけたいなって思って」

凛「……奈緒も加蓮も、すごく強かった。本当にここまで急ピッチで来たのかって思うぐらい」

奈緒「へへ、いーよ、そういうフォローは。何か照れ臭いし」
335 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:27:49.55 ID:pmNvb2h60
奈緒「あーあ、凛ともう一回戦いたかったなぁ」

奈緒「……なんて」

加蓮「あたしも」

加蓮「凛のこと、追いかけてばかりだった。今度こそ追い抜いてやろうと思ったのに」

加蓮「追い抜くどころか、どんどん差を付けられちゃったね」

凛「ううん、そんなことないよ」

凛「今日、二人の試合を見て思ったんだ」

凛「二人とも、この先もっともっと強くなるって気がした」
336 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:28:40.41 ID:pmNvb2h60
凛「二人とも負けず嫌いじゃん。だから、その……心配になって」

奈緒「なーんだ、そんなことか!」

凛「?」

奈緒「そういうことならちょーっと来るのが遅かったなあ。もう少し早くに来てれば加蓮の泣きじゃくる姿が見れたのに」

加蓮「ちょっと、奈緒ッ!」カァッ

凛(……本当だ。加蓮は若干目が赤い)

奈緒「あたしたちだって……本当は死ぬほど悔しいよ」
337 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:29:31.76 ID:pmNvb2h60
奈緒「でも、きっと凛も、こんなに悔しい思いを何度も経験して、それでもずっと立ち上がり続けてきたと思うんだ」

加蓮「まあ、実際に苦労してきたかどうかは見たことないからわかんないけどね」

加蓮「あたしも奈緒も、凛を倒すって目標に目が行き過ぎて、目の前のことが疎かになってたのかも」

加蓮「だから、負けはしたけど、いい経験になったな、って、今は思える」

凛「……そう」

凛「ふふっ、じゃあ大丈夫そうだね。お節介だったかな」

加蓮「ええ、それはもう!」

奈緒「ったく、素直じゃないんだから……」
338 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:30:05.62 ID:pmNvb2h60
奈緒「ありがとな、凛」

凛「ううん、どういたしまして」

奈緒「あたしの分まで、きらりに勝ってくれよな!」

加蓮「あたしたちも応援しに行くから!」

凛「うん。……頑張るよ」

凛「じゃあ、夜遅くにごめんね。おやすみ」
339 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:30:52.53 ID:pmNvb2h60
奈緒「おう、おやすみー」

加蓮「おやすみー」

ガチャン


奈緒「……行ったかな」

奈緒「……」

奈緒「……ちくしょう」グスン

奈緒「……泣かないって、決めてたのに……」
340 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:31:49.41 ID:pmNvb2h60
加蓮「奈緒……」

奈緒「……はは」

奈緒「本当に……お節介な奴だぜ……」グスッグスッ

奈緒「加蓮……」ポロポロ

加蓮「奈緒……ね、あたしも、今は泣いていい?」グスッ

加蓮「見せない涙があっても……いいよね……」
341 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/25(水) 01:37:32.03 ID:pmNvb2h60
今回はここまで
いよいよ準決勝出場者が揃いました

次回は週末に超ショートなサイドストーリーをお送りして年内最後の投下とさせていただきます
年明けからは準決勝です

読んでいただき有難うございました、よいクリスマスを
342 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:35:17.41 ID:nH+zBC0J0
投下していきます

みんな大好きあの中二病コンビが登場です
343 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:36:02.34 ID:nH+zBC0J0
サイドストーリー「双翼の覇王妃」



少し前……

日菜子『しかし……蘭子ちゃんがこの街に来ているとは思いませんでした。いったいどうして?』

蘭子『頂点に立ちし後より、私は再びこの母なる大地を巡り、魔力を蓄えていたのだ。この街を訪れたのは、運命の女神の悪戯か……』


……………中略……………


蘭子「クク……いつか汝と相対すその刻が待ち遠しいわ……!」

蘭子「では、闇に飲まれよ!」バッ
344 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:36:38.07 ID:nH+zBC0J0

ミズタニやま 頂上


リザードン「リザー」バサッ

蘭子「感謝する、我が相棒よ」スタッ

蘭子「さて……」

蘭子「相変わらず視界が悪いな、ここは」

ヒュォォ

蘭子「我が友、飛鳥よ。久しいな」
345 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:37:07.67 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「おっと……誰かと思えば。青天の霹靂、だな」

飛鳥「久しぶりだな、蘭子。たしか……ポケモンリーグに挑む直前、以来だったか」

蘭子「ええ、そうね」

蘭子「気高き魂が集うあの場所で、私は頂点の玉座に辿り着いたわ」
  (私ね、チャンピオンになったの!)

飛鳥「……! そうか、あの蘭子が……」

飛鳥「遂に黄金の冠を手にしたんだな」

蘭子「い、いやあー、黄金の冠なんて、そんなぁー」

蘭子「っていけないいけない」
346 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:37:39.66 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「わざわざボクに報せを届けに来てくれたんだね、感謝するよ」

飛鳥「でも、こんな辺鄙な所を訪ねて来たんだ、目的はそれだけじゃないだろう?」

蘭子「ええ、さすがは我が友。瞳の奥の意思までも見通すか」
  (飛鳥ちゃんは何でもお見通しね!)

蘭子「飛鳥……頂点に立ちし後より、我は再びこの母なる大地を巡り、魔力を蓄えている最中だ」

蘭子「そこで」

蘭子「今一度、頂点を極めし王者として、貴方に決闘を申し出る!」ババァン
347 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:38:17.82 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「……!」

飛鳥「……ふっ、いいだろう」

飛鳥「ボクも心のどこかで、いつか再びキミと戦える日を心待ちにしていたんだ」

飛鳥「ただし、過去のボクを現在のボクに投影しないことだね」

飛鳥「例え蘭子であれ、容赦はしない!」

蘭子「あーはっはっは! ええ、その意気よ!」

飛鳥(蘭子から放たれるオーラが、一段と強くなっている)

飛鳥(会っていない期間は短かったはず。きっとその間に、数えきれないほどの死線をくぐり抜けてきたんだろう)

飛鳥(ふっ、それでこそ! このボクが相手するに相応しい!)
348 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:38:57.41 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「お互いに手札は一枚ずつ。もちろんそれはエースであるべきだ、そうだろう?」

蘭子「ええ、そうね!」

蘭子「ではゆくぞ! 我が紅の翼竜よ!」ポン
  (いけー! リザードン!)

リザードン「リザー!」

飛鳥「大地を駆け巡れ! コバルオン!」ポン

コバルオン「コバー!」ズシン

蘭子(玉鋼の聖剣士……! 一度ならず二度までも、我が翼竜を地に落とした英傑)
  (コバルオン……! とても強いポケモンだわ)

蘭子(相手にとって不足はない……!)
349 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:39:27.82 ID:nH+zBC0J0
蘭子「魂が猛る……!」

蘭子「灼熱の吐息だ!」
  (だいもんじよ!)

リザードン「リザー!」ボオーッ

飛鳥「ふっ、相変わらず、ボクまで焼き尽くしそうな業火だ」

飛鳥「だが……荒れ狂う岩窟よ、炎を鎮めろ! ストーンエッジ!!」

コバルオン「コバ!」ドドドド

バシィッ!
350 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:40:04.26 ID:nH+zBC0J0
蘭子「ふむ、ならば!」

蘭子「羽ばたけ!」
  (エアスラッシュ!)

リザードン「リザ!」ヒュゥゥゥゥ

飛鳥「ほう、羽ばたくだけで刃を起こせるようになっているとは」

飛鳥「空気の奔流をも味方につけるなんてね。流石だよ、蘭子」

飛鳥「だが……」

飛鳥「コバルオン、切り裂け!」
351 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:40:50.08 ID:nH+zBC0J0
コバルオン「コバ!」スパーン

蘭子「なっ、空気の刃が……!」

飛鳥「ボクの剣は例えるならエクスカリバー。ふふ、この世に切れないものなどないさ。……なんてね」

飛鳥「チャンピオンなんて地位も名誉も、結局は足枷だ」

飛鳥「この地の誰もがチャンピオンという偶像を目指す、なんてセオリーにはボクは従いたいと思えなかった」

飛鳥「それに限界なんて知りたくなかったからね」

飛鳥「だけどキミはそれでもポケモンリーグを目指した」
352 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:41:29.04 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「蘭子、たしかにキミはこの地を制覇して、夢に見た偶像に手が届いたんだろう」

飛鳥「だけど蘭子、知っているかい? この地には、ポケモンリーグすら見下ろすことができる場所があるということを」

蘭子「なるほどね……それがこのサンクチュアリ……!」
         (それがこのミズタニ山の頂……!)

飛鳥「未だ限界の限界を夢見る未完成なボクと、チャンピオンという一種の完成形に為ったキミ」

飛鳥「そんな二人が交わったら……XとYの間には、何が生まれるんだろうね」

飛鳥「コバルオン! せいなるつるぎだ!」

コバルオン「コバ!」シャキーン

蘭子「応戦せよ!」
353 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:41:56.16 ID:nH+zBC0J0
リザードン「リザー!」ボオオオ

飛鳥「突っ切れ!」

コバルオン「コバ!」

ドドドド

コバルオン「コバァ!」シャキーン

蘭子「なっ、吐息もを真っ二つに!?」

蘭子「その切れ味、オーディーンが如く……ね」
  (コバルオンの剣はやっぱりすごいわ!)

蘭子「相棒よ!」
354 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:42:30.20 ID:nH+zBC0J0
リザードン「リザ!」バサーッ

飛鳥「消えた……?」

スーッ……

飛鳥「くっ、霧が……まるでここでの争いを拒んでいるかのようだ」

蘭子「さあ、いくわよ!」

蘭子「闇をも切り裂く破弾よ……聖剣を退けよ!」
  (きあいだまです!)

リザードン「リザー!」
355 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:43:05.76 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「!? どこから来る!?」キョロキョロ

飛鳥「……」

飛鳥「……! 正面か! コバルオン!」

リザードン「リザー!」バシュゥ

コバルオン「コバ!!」ドゴォッ

蘭子「ククク、見えているものこそ見えなくなる、これが決闘の恐ろしいところよ」
  (まさか正面から来るとは思っていなかったでしょ?)

蘭子「しかしそれでも相討ちに持ち込んだか……」

蘭子「やはり貴方は我が片翼を担うに相応しいわ!」
356 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:43:53.28 ID:nH+zBC0J0
シュー・・・・・・

バッ

蘭子「なにっ!?」

リザードン「リザァッ!?」ドガァ

飛鳥「ふっ、痛いだろう?」

飛鳥「これはメタルバースト……言うなれば聖剣士からのギフト、だね」
357 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:44:21.60 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「追撃だ、コバルオン!」

コバルオン「コバ!」シャキーン

飛鳥「せいなるつるぎ!」

蘭子「灼熱の吐息よ!」

リザードン「リザ!」

ドゴォォッ

蘭子「互角……!」

飛鳥「ならば、勝負を決めるのは!」
358 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:45:02.07 ID:nH+zBC0J0
蘭子「ええ、そうね……!」

飛鳥「どちらの魂が気高いか……競い合おうじゃないか!」

蘭子「聖剣士よ、我が魔力の前に跪け!」
  (これでトドメです!)

飛鳥「せいなるつるぎ!」

蘭子「紅蓮の神風よ! すべてを無に帰せ!」
  (ブラストバーン!)

コバルオン「コバァァァ!!」ズバァッ

リザードン「リザァァァ!!」グォォォ

カッ

ズドォォォォ・・・・・・ン
359 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:45:32.88 ID:nH+zBC0J0


…………………………


飛鳥「蘭子」

蘭子「なんだ?」

飛鳥「何故人は、ポケモンを手にし、自ら争いに身を投じてゆくのだろう」

飛鳥「そもそも、ポケモン同士を戦わせる、なんてゲームを生み出したのは誰なんだろう」

飛鳥「ポケモンマスター、なんてよく言ったものだ」

飛鳥「皆が口を揃えて言うポケモンマスターとは何者なのか? セカイの何処に存在するのか?」

飛鳥「もしくは幻想の果てにすら存在しないオーパーツなのか?」
360 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:46:15.14 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「いつまでも偶像に縋ろうとする心理が、ボクにはわからないよ」

蘭子「……なぜその疑問を我に?」

飛鳥「ポケモンリーグというセカイを観察した蘭子なら、何か掴んだものがあるんじゃないかと思ってね」

飛鳥「どうだろう」

蘭子「ふむ……」

蘭子「我とて、万物を理解したわけではないからな」

蘭子「結論から言えば、気高き魂たちと争った後も、我にはその答えは知り得られなかった」
   (ポケモンリーグに行ってもわからなかったわ)
361 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:47:25.66 ID:nH+zBC0J0
蘭子「しかし……」

蘭子「それが何なのかわかっていれば、我らはここには存在していないのではないか?」

飛鳥「……!」

蘭子「飛鳥が言うように、ポケモンマスターなんてこの世に存在しないのかもしれない」

蘭子「だけど、それでも我々は真理を追い求める。不確かなまま……ね」

蘭子「いつの時代も、そうやって幾つもの輪廻が廻ってきているのだと思うわ」

飛鳥「……ふっ」

飛鳥「皮肉なものだ。曖昧な存在のために存在する、とはな」
362 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:48:01.95 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「だが、それもまたボクらの性、というわけか」

飛鳥「ふふ。キミに相談して正解だったよ、蘭子」

蘭子「どうということはない。クックック……」

蘭子「そういえば先刻、特異な瞳を持つ者に出会ったわ」
  (そういえばこの前、すごいトレーナーに会ったの!)

飛鳥「特異な瞳……?」

蘭子「ええ。……とても強い眼差し、そして無限の可能性を秘めていたわ」

蘭子「あの者、いずれは貴方と邂逅することになるのかも」
  (いずれ、飛鳥と戦うことになるかもね)
363 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:48:49.22 ID:nH+zBC0J0
飛鳥「へえ、それは面白いね」

飛鳥「キミのお墨付きとあらばぜひお手合わせ願いたいものだけど」

飛鳥「ま、その子がこの山の頂を登って来られれば、の話だね」フッ

飛鳥「それに、ボクの宿敵は未来永劫、蘭子。キミしかいない。その真実は揺るがないよ」

蘭子「あーはっはっは! 流石は我が友だ!」

蘭子「では、我はそろそろ行くとするか」

蘭子「では、闇に飲まれよ!」バサァッ


…………………………


飛鳥「……」

飛鳥「セカイの鍵を握る存在、か――」



サイドストーリー「双翼の覇王妃」 Fin.
364 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2019/12/28(土) 21:53:52.39 ID:nH+zBC0J0
今回はここまで
書いててめちゃくちゃ楽しくてお気に入りのストーリーです

飛鳥はED後に戦うめっちゃ強い裏ボスポジションです
HGSSのレッドとかUSUMのサカキとかそういうポジション
コバルオン以外に使ってそうなポケモン思いつかなかった

来年からは準決勝です
次は来週の日曜に投下予定です

今年もありがとうございました、来年もよろしくです
365 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/01/16(木) 01:06:38.57 ID:fh82jGXn0
だいぶ時間が経ってしまいましたが新年一発目の投稿ですね、今年もよろしくです

前回までのトーナメント表
https://imgur.com/sHXl9Xo
366 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/01/16(木) 01:07:04.73 ID:fh82jGXn0
ワァァァァァ

恵磨『さあさあさあ、遂にやって参りました!! 白熱のポケモンリーグ、ここからは準決勝となります!』

恵磨『果たしてチャンピオン・蘭子への挑戦権は誰の手に渡るのでしょうか!?』

恵磨『実況は引き続き恵磨と!』

瑞樹『瑞樹でお送りします。ところで恵磨ちゃんってずっと叫んでいるのに全く声が枯れないわよね』

恵磨『ええ、喉の強さには自信あるんで!』グッ

恵磨『さぁ、まずは第一回戦、対戦するのは……』
367 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/01/16(木) 01:07:35.63 ID:fh82jGXn0
凛「……」ザッ

恵磨『前回の試合で四天王・愛梨を打ち破った凛選手と!』

きらり「にょわーーっ! 凛ちゃーーーんっ! よろしくおにゃーしゃー☆ うきゃー!!」バァン

凛「……!?」ギクッ

恵磨『ここまで圧倒的なパワーで勝ち上がってきたきらり選手だーー!!』

瑞樹『性格もテンションも両極端な二人ね』

茜「凛ちゃーーーん!! がんばれぇーーーー!」

杏「きらり……!」
368 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/01/16(木) 01:08:11.51 ID:fh82jGXn0

………………………………………………………………

試合前……

杏「きらり」

きらり「うにゅ? どしたの杏ちゃん」

杏「次の相手、凛だね。……気をつけて」

きらり「どーしたの? 杏ちゃんがそんなに怖い顔するなんて」

杏「ほら、前に凛と会った時にさ、メガシンカがどーとか言ってたじゃん」

杏「で、私が逆にメガシンカがどうしたのかって返したら、アイツははぐらかしてた」
369 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/01/16(木) 01:08:51.10 ID:fh82jGXn0
杏「もしかしたら……凛はそのメガシンカ、ってやつがどういうのかを知ってて、しかも使ってくるかもしれない」

杏「まあ、どんなポケモンがどんな方法で、かつどんな場面で使ってくるかは杏にもわからないけどさ」

杏「パソコンから調べられるデータではわからない秘密兵器を、凛は持っていると思う」

杏「用心しておくに越したことはないね」

きらり「うーん……いちおーりょーかい! だにぃ」

きらり「杏ちゃん、心配してくれてありがとねえ! うぇへへ☆」

杏「ま、きらりなら大丈夫だろうけど。念には念を、ってね」

杏「じゃーね、まあ頑張ってー」

きらり「はーい☆」

…………………………………………………………

370 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/01/16(木) 01:09:32.73 ID:fh82jGXn0
杏(一応忠告はしておいたけど)

杏(メガシンカか……もしかしたら前の試合でも使う予定だったのかな)

杏(いや、だとしたら前の試合で使わなかったのは何でなんだろ)

杏(あれが切り札だとしたら、凛の性格的には追い詰められるまでは使わなさそうだけど)

杏(前の試合では使わなかった……? いや、使えなかった……?)

杏(……うむむ……)

杏(……ダメだ、頭使いすぎて疲れた)プシュー
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