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【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―
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1 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 20:46:01.11 ID:6zEeXjVG0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・中央部『渓谷地帯出口』―
ドスンッ ドスンッ!
ゴーレム『グオオオオォォォ!』ドゴンッ
新生暗夜軍兵士「ぐああああっ!」ドサッ
マークス「くっ! ジェネラル隊、ゴーレムの攻撃を受け止めよ! 奴らを陰にやって来るノスフェラトゥの群れにも注意するんだ」
新生暗夜軍ジェネラル隊長「お任せください、マークス様! 行くぞ、私に続け!」タタタタタッ
新生暗夜軍ジェネラル隊『うおおおおっ』ダダダダダッ
ガキィンッ ゴンッ!
グアアアッ ヒルムナ!
マークス「やはり、簡単に村へ近づけさせてはくれないか……」
カムイ「マークス兄さん!」タタタタッ
マークス「カムイか。そちらからの突破は出来そうか?」
カムイ「いいえ、ゴーレムの数は減らせていますが、増援のノスフェラトゥに埋められている状態です」
マークス「ふむ、ゴーレムが減った穴を埋めるためにノスフェラトゥが送られているのならば、ここの渓谷側の補強を優先しているのだろう。逆に考えれば、今ならここを突破し村まで入り込むことが出来るかもしれん」
カムイ「ですが、大丈夫でしょうか。その……こちらからでは敵の拠点がどうなっているのかわからないんですよね?」
マークス「ああ、村全体が黒い靄で覆われていて、敵の動きを察知することはできん。それに、どうやら敵側からはこちらが見えているようだからな。ゼロなどの偵察隊が調べた情報で分かっているのは、魔導砲台や弓砲台の大まかな位置だけだ。しかし、このまま手を出さずにいれば、渓谷に押し戻されかねん。ここで敵中を突破し、村への道を開く」
カムイ「わかりました。私はソーサラー隊の方々と一緒にゴーレムの戦列に攻撃を仕掛けます。マークス兄さんはタイミングを見て攻撃をお願いします」
マークス「うむ、任せたぞ。カムイ」
カムイ「はい、ソーサラー隊の方々は私についてきてください。左翼の敵陣に攻撃を仕掛けます」
新生暗夜軍ソーサラー隊長「わかりました、カムイ様。ゴーレムも永遠に攻撃できるわけではありません。敵の手が休んだところへ攻撃を仕掛けるのです」
新生暗夜軍ソーサラー隊『はっ!』タタタタタッ
アクア「カムイ、方針は決まったの?」
カムイ「はい、前方の戦列を崩して村内部への突破口を作ります。アクアさん援護をお願いできますか?」
アクア「ええ、わかったわ。サポートは任せて」
カムイ「よろしくおねがいします。皆さん、行きましょう!」タタタタタタッ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1572435960
2 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 20:47:47.95 ID:6zEeXjVG0
このスレは、『カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?』の続きとなっています。
最初の1スレ:カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438528779/
所々にエロ番外のある2スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1443780147/
アクアが暗夜兄妹と和解した3スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―3―
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1456839703/
タクミとの戦いが終わりを迎えた4スレ:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―4―
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466084140/
スサノオ長城攻略戦が終わりを迎えた5スレ目:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483807375/
白夜との戦いが終わり、願いが途絶えた6スレ目:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―6―
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521469400/
個人妄想全開の暗夜ルートになっています。
オリジナルで生きていたキャラクターが死んでしまったり、死んでしまったキャラクターが生き残ったりという状況が起きます。
ご了承のほどお願いします。
主人公のタイプは
体 【02】大きい
髪型 【05】ロング・セクシーの中間
髪飾り 【04】ブラックリボン
髪色 【21】黒
顔 【04】優しい
顔の特徴【04】横キズ
口調 【私〜です】
長所短所には個人的趣味を入れ込んでいます。
・長所 心想い【心を好きになる(誰とでも結婚できる)】
・短所 盲目 【目が見えない(ただそれだけ)】
※時々、番外編を挟むことがあります。
番外の場合は『◇◆◇◆◇』を付けています。
3 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 20:53:52.29 ID:6zEeXjVG0
○カムイの支援現在状況●
―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ギュンターA
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアB++
(カムイに従者として頼りにされたい)
フローラA
(すこしは他人に甘えてもいいんじゃないかと言われています)
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
リリス(消滅)
(主君を守り通した)
―暗夜第一王子マークス―
ラズワルドA
(あなたを守るといわれています)
マークスB++
(何か兄らしいことをしたいと考えています)
ピエリB
(弱点を見つけると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
オーディンA
(二人で何かの名前を考えることになってます)
ゼロB+
(互いに興味を持てるように頑張っています)
レオンA
(カムイに甘えてほしいと言われて、いろいろと考えています)
―暗夜第一王女カミラ―
ルーナA
(目を失ったことに関する話をしています)
カミラA
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカB++
(生きてきた世界の壁について話をしています)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼA
(昔、初めて出会った時のことについて話しています)
ハロルドB++
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィB++
(一緒に訓練をしました)
―白夜第二王女サクラ―
サクラA
(カムイと二人きりの時間が欲しいと考えています)
カザハナA
(素ぶりを一緒にする約束をしています)
ツバキB
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
シャーロッテA
(返り討ちにあっています)
フランネルB+
(宝物を見せることになっています)
サイラスB+
(もっと頼って欲しいと思っています)
ニュクスB++
(許されることとはどういうことなのかを考えています)
スズカゼB
(おさわりの虜になったようです)
モズメB++
(時々料理を食べさせてもらう約束をしています)
リンカB+
(過去の雪辱を晴らそうとしています)
ブノワB
(動物の餌やりを一緒にやることになっています)
アシュラB
(暗夜での生活について話をしています)
4 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 20:56:16.73 ID:6zEeXjVG0
●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
C[本篇の流れ] B[3スレ目・300] A[3スレ目・339]
・ジョーカー×フローラ
C[1スレ目・713〜715] B[1スレ目・928〜929] A[2スレ目・286]
・レオン×サクラ
C[1スレ目・511〜513] B[2スレ目・297〜299] A[3スレ目・797]
・ラズワルド×ルーナ
C[1スレ目・710〜712] B[2スレ目・477] A[4スレ目・177]
・アクア×オーディン
C[3スレ目・337] B[3スレ目・376] A[4スレ目・353]
・ルーナ×オーディン
C[4スレ目・352] B[4スレ目・411] A[4スレ目・460]
・ラズワルド×エリーゼ
C[1スレ目・602〜606] B[3スレ目・253] A[4スレ目・812]
・ベルカ×スズカゼ
C[3スレ目・252] B[3スレ目・315] A[5スレ目・57]
・オーディン×ニュクス
C[1スレ目・839〜840] B[3スレ目・284] A[5スレ目・362]
・サクラ×ラズワルド
C[5スレ目・303] B[5スレ目・337] A[5スレ目・361]
・アクア×ゼロ
C[1スレ目・866〜867] B[4スレ目・438] A[5スレ目・456]
・ラズワルド×ピエリ
C[5スレ目・823] B[5スレ目・862] A[5スレ目・890]
・マークス×リンカ
C[5スレ目・888] B[5スレ目・920] A[6スレ目・6]
・ブノワ×フローラ
C[2スレ目・283] B[2スレ目・512] A[6スレ目・31]
・レオン×エルフィ
C[3スレ目・251] B[4スレ目・437] A[6スレ目・49]
・ギュンター×ニュクス
C[3スレ目・246] B[5スレ目・480] A[6スレ目・619]
・エリーゼ×ハロルド
C[2スレ目・511] B[2スレ目・540] A[6スレ目・699]
・アシュラ×サクラ
C[3スレ目・773] B[5スレ目・106] A[6スレ目・925]
・レオン×ピエリ
C[6スレ目・76] B[6スレ目・107] A[6スレ目・948]
【支援Bの組み合わせ】
・ブノワ×エルフィ
C[5スレ目・822] B[6スレ目・77]
・ツバキ×モズメ
C[5スレ目・15] B[6スレ目・317]
・ラズワルド×シャーロッテ
C[5スレ目・479] B[6スレ目・653]
【支援Cの組み合わせ】
・サイラス×エルフィ
C[1スレ目・377〜380]
・モズメ×ハロルド
C[1スレ目・514〜515]
・ルーナ×ハロルド
C[3スレ目・375]
・カザハナ×ツバキ
C[3スレ目・772]
・マークス×エリーゼ
C[6スレ目・620]
・カミラ×ジョーカー
C[6スレ目・671]
・エルフィ×スズカゼ
C[6スレ目・698]
5 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 20:57:50.40 ID:6zEeXjVG0
●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
C[1スレ目・888〜889] B[2スレ目・285] A[3スレ目・254]
・ピエリ×カミラ
C[1スレ目・752〜753] B[2スレ目・478] A[2スレ目・513]
・フェリシア×ルーナ
C[1スレ目・864〜865] B[1スレ目・890〜891] A[1スレ目・930〜931]
・フローラ×エルフィ
C[1スレ目・471〜472] B[3スレ目・338] A[3スレ目・377]
・レオン×ツバキ
C[1スレ目・492〜493] B[1スレ目・870] A[3スレ目・798]
・ベルカ×エリーゼ
C[2スレ目・284] B[3スレ目・301] A[4スレ目・354]
・ピエリ×ルーナ
C[3スレ目・249] B[4スレ目・317] A[4スレ目・412]
・アクア×ルーナ
C[3スレ目・283] B[4スレ目・461] A[4スレ目・813]
・カミラ×サクラ
C[4スレ目・175] B[5スレ目・58] A[5スレ目・107]
・ギュンター×サイラス
C[1スレ目・926〜927] B[3スレ目・316] A[5スレ目・363]
・シャーロッテ×カミラ
C[2スレ目・476] B[4スレ目・439] A[5スレ目・436]
・ラズワルド×オーディン
C[4スレ目・459] B[5スレ目・338] A[5スレ目・457]
・フェリシア×エルフィ
C[1スレ目・367〜368] B[2スレ目・541] A[5スレ目・481]
・サクラ×ニュクス
C[5スレ目・860] B[5スレ目・889] A[5スレ目・919]
・エリーゼ×カザハナ
C[5スレ目・14] B[5スレ目・921] A[6スレ目・7]
・ルーナ×カザハナ
C[4スレ目・780] B[5スレ目・861] A[6スレ目・32]
・ルーナ×フローラ
C[4スレ目・781] B[6スレ目・50] A[6スレ目・78]
・サクラ×エルフィ
C[3スレ目・774] B[6スレ目・108] A[6スレ目・633]
・ピエリ×フェリシア
C[3スレ目・250] B[6スレ目・700] A[6スレ目・926]
・ベルカ×ニュクス
C[4スレ目・176] B[4スレ目・410] A[6スレ目・949]
【支援Bの組み合わせ】
・シャーロッテ×モズメ
C[3スレ目・248] B[3スレ目・285]
・ジョーカー×ハロルド
C[1スレ目・426〜429] B[5スレ目・336]
・マークス×ギュンター
C[5スレ目・302] B[6スレ目・654]
・エルフィ×モズメ
C[1スレ目・423〜425] B[6スレ目・902]
【支援Cの組み合わせ】
・ピエリ×リンカ
C[3スレ目・247]
・フローラ×エリーゼ
C[4スレ目・178]
・エルフィ×ピエリ
C[3スレ目・771]
・スズカゼ×オーディン
C[4スレ目・318]
・ハロルド×ツバキ
C[5スレ目・56]
・アシュラ×ジョーカー
C[5スレ目・105]
・ラズワルド×ブノワ
C[5スレ目・435]
・シャーロッテ×サクラ
C[6スレ目・30]
・カミラ×アクア
C[6スレ目・106]
・シャーロッテ×カザハナ
C[6スレ目・314]
・エリーゼ×カミラ
C[6スレ目・315]
・レオン×ハロルド
C[6スレ目・606]
・スズカゼ×ブノワ
C[6スレ目・607]
6 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 21:00:01.41 ID:6zEeXjVG0
○仲間ジョブ決定一覧●
―対の存在―
・アクア(歌姫)
―城塞の人々―
・ジョーカー(パラディン)
・ギュンター(グレートナイト)
・フェリシア(ストラテジスト)
・フローラ(ジェネラル)
―暗夜第一王子マークス―
・マークス(パラディン)
・ラズワルド(ボウナイト)
・ピエリ(パラディン)
―暗夜第二王子レオン―
・レオン(ストラテジスト)
・オーディン(ダークナイト)
・ゼロ(ボウナイト)
―暗夜第一王女カミラ―
・カミラ(レヴナントナイト)
・ルーナ(ブレイブヒーロー)
・ベルカ(ドラゴンマスター)
―暗夜第二王女エリーゼ―
・エリーゼ(ストラテジスト)
・ハロルド(ブレイブヒーロー)
・エルフィ(グレートナイト)
―白夜第二王女サクラ―
・サクラ(戦巫女)
・カザハナ(メイド)
・ツバキ(バトラー)
―カムイに力を貸すもの―
・ニュクス(ソーサラー)
・アシュラ(上忍)
・フランネル(マーナガルム)
・サイラス(ボウナイト)
・スズカゼ(絡繰師)
・ブノワ(ジェネラル)
・シャーロッテ(バーサーカー)
・リンカ(聖黒馬武者)
・モズメ(弓聖)
7 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 21:01:12.00 ID:6zEeXjVG0
今日はスレ立てだけになります。
6スレ目のURLが作動していなかったのでこちらに
8 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/10/30(水) 21:08:03.26 ID:6zEeXjVG0
6スレ目のURLのリンクが出来ていませんでした。
白夜との戦いが終わり、願いが途絶えた6スレ目:【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―6―
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1521469400/
今日はスレ立てだけになります。
前スレの最後のレスが風花雪月になっていたので、この章が終わった時に書く短編は『風化雪月の百合的なもの(複数カップリング)』になりましたので、よろしくお願いします。
また、時々安価をしていこうと思っていますので、よろしければ参加していただけると幸いです。
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/10/30(水) 23:04:47.63 ID:Qhmy9T9K0
おつ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/04(月) 13:20:24.52 ID:yduE1i2n0
支援ない組み合わせでも良いならエーデル×メーチェとか見たいな
11 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 20:36:38.54 ID:cdNEYyjX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地・軍師の天幕』―
マクベス「よし、そのままノスフェラトゥを送り続けなさい、内側の数は最低限で構いません。敵を出来る限り釘付けにするのです」
旧暗夜軍兵士「はっ、マクベス様!」タタタタッ
メイド「マクベス様、防壁での戦いはこちらの優勢で進んでいます。あの魔術のおかげです」
マクベス「丸裸にしていたら、何処からでも入られてしまいますのでね。せめて視覚的に優位に立てなくては、しかし……」
メイド「? なんでしょうか、マクベス様」
マクベス「なんでしょうかではありません。まったく、最後の最後で命令に背くとは思ってもいませんでした、やってくれますね」
メイド「……後でどのような処罰でもお受けします。ですが、今は……」
マクベス「当たり前です。貴女の処遇など今すぐ決めるべきことではありません。今、命令違反という理由で処罰したところで戦力が減るだけで、何のメリットもありませんので」
メイド「ありがとうございます。それではマクベス様、私は魔法部隊の指揮を執りに向かいます」タッ
マクベス「待ちなさい、一つだけ聞いておきたいことがあります」
メイド「なんでしょうか?」
マクベス「なぜ、私の命令に背いたのか、それだけは聞いておかなくてはなりません」
メイド「簡単なことです。マクベス様に仕えることを優先した、ただそれだけです」
マクベス「それだけですか?」
メイド「はい、私はそれだけです。失礼いたします」タタタタタッ
マクベス「……ふっ」
マクベス「仕えることを優先した、ですか……。まったく、あなた方が仕えているのは暗夜王国だというのに」ガサゴソッ
マクベス(まったく……)
マクベス「困った部下たちですよ……」
マクベス(さて、空いたゴーレムの隙間を埋める様にスフェラトゥを送り込みましたが、奴らはどう動くか。このまま、渓谷まで撤退してもらえるのならば何も言うことはありませんが……)
マクベス「さて、どう出ますかな?」タタタッ
12 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 20:44:45.67 ID:cdNEYyjX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『旧暗夜軍前戦陣地・渓谷側入り口付近』―
ゴーレム「グオオオン!」グッ
アクア「!」サッ
ドゴンッ‼‼‼‼
アクア「今度はこっちの番よ、はあああっ!」チャキッ タタタタッ
グッ ブンッ
ドスリッ!
ゴーレム「!!!!」グラッ
カムイ「アクアさん、あとは私が!」ダッ
ブンッ!
ザシュンッ
ゴーレム「グオオオオォォォ……」ドタンッ!
カムイ(ゴーレムの隊列に穴が開きました。これなら!)
カムイ「みなさん、今です!」
新生暗夜軍ソーサラー隊長「よし、火力を集中して、あの一帯を焼き払うのです!」
新生暗夜軍ソーサラー隊「よし、くらえ!!!!」シュオンッ
ドゴゴゴンッ!‼‼
カムイ(ゴーレムと思われる気配が消えました。なら、次に来るのは……)
ノスフェラトゥ「グオオオオオオオオオッ‼‼‼」ダダダダダッ
アクア「ノスフェラトゥの大群ね」
カムイ「そうみたいですね。ですが、ゴーレムの数をかなり減らせています。これなら――」
マークス「こちらの好きにできるという物だ。騎馬隊、私に続け!!!」チャキッ
新生暗夜軍パラディン隊長「マークス様に続けー!」
ヒヒヒーンッ!‼‼
ドドドドドドドドッ
マークス「敵を薙ぎ払え、ジークフリート」シュオン! ブンッ
ザシュシュシュッ!‼‼‼
新生暗夜軍ジェネラル隊長「よし、騎馬隊の側面を奴らに取らせるな! グレートナイト隊は先行し、邪魔な奴らを蹴散らしてくれ!」
ギュンター「心得た。全員槍を構えよ、容赦する必要は無い、行くぞ!」
新生暗夜軍グレートナイト隊『ウオオオオッ!‼‼』ヒヒーンッ
ドドドドドドドッ
カムイ「ギュンターさん」
ギュンター「カムイ様、側面の防備は我々にお任せを。村への突破口をお願いいたします」
カムイ「はい、任せてください!」
アクア「カムイ、敵の増援はこの先からやってきているみたい。黒い靄の所為でどこから来ているかは分からないけど、そこに内部に入り込むための入り口があるはずよ」
カムイ「そこを見つけ出して突破しましょう。マークス兄さん、援護をお願いします」タタタタッ
マークス「任せておけ。全員、一気に敵の前線を崩し突破する、いくぞ!」
新生暗夜軍パラディン隊『おーーーーー!!』
ドドドドド!
13 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 20:48:31.50 ID:cdNEYyjX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カミラ「カムイたちが動きだしたようね。あの靄を突破して内部に入り込むつもりみたい」
ニュクス「かなり危険だけど、大丈夫なの?」
カミラ「仕方ないわ。劣勢とまではいわないけど、敵の増援で部隊の分断が進んでいるもの。この状態で本格的な籠城戦に切り替えられてしまったら、渓谷に一度戻らざるを得なくなる。そうなれば……」
ニュクス「敵の増援次第によっては、ここで長い時間を掛けることになるということね」
カミラ(そうなれば、奴が新しい手を打ってくるかもしれない。それが王都ウィンダムに向けられてしまったら……)
カミラ「そんなことを許すわけにはいかないわ……」
ベルカ「カミラ様、指示を。ここで待っていても状況は変わらない……」
ニュクス「ベルカの言う通り、今出来ることをするしかない、そうでしょう?」
カミラ「ええ、その通りよ。カムイ達の突入に合わせて私たちも仕掛けるわ。弓砲台と魔導砲台の位置は掴めているから、そこを縫うように仕掛けましょう。ベルカ、一部隊をあなたに預けるから、うまくやってみて」
ベルカ「わかったわ。ニュクス、しっかり掴まっていて」
ニュクス「ええ、お願いね」グッ
ベルカ「任せて、そこの部隊は私に付いてきて」バササッ
新生暗夜軍ドラゴンマスター隊『はい!』バサササッ
カミラ「それじゃ、私達も仕掛けに向かうとしましょう。付いて来なさい」バサササササッ!
新生暗夜軍レヴナントナイト隊『分かりました、カミラ様に続け!』バサササッ
カミラ(戦闘を行っている敵兵力に人間がいない以上、多くは村の内部でこちらが来るのを待っているでしょうね。足並みを揃えないで攻めても各個で対処されるし、そうならないようにしないと……)ゴソゴソッ スッ
カミラ「レオン、聞こえる?」
14 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 20:54:50.40 ID:cdNEYyjX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
エリーゼ「えーい!」シュオンッ ドゴンッ!
ドサリッ
エリーゼ「やったー! って、あれ?」
ノスフェラトゥ「グオオオオオオッ!」ダダダダッ
エリーゼ「え、まだいるの!? わわっ!」
レオン「ブリュンヒルデ!」シュオンッ
ググッ バシュンッ!
ノスフェラトゥ「グオオオオオオオオオ……」ドササッ
レオン「エリーゼ、大丈夫か?」
エリーゼ「う、うん。ありがとう、レオンおにいちゃん。でも、どうしよう、これじゃ押し込まれちゃうよ」
レオン「ああ、何か手を打たないといけないな……」
サクラ「レオンさん、大丈夫ですか?」
レオン「ああ、何とかね。すまないけど、ノスフェラトゥの攻撃を抑えてくれているジェネラル隊のサポートに回ってくれるか」
サクラ「はい、任せてください」
エリーゼ「サクラ、あたしも行くよ!」
タタタタッ
レオン(どうにか敵を倒しつつ、戦線は維持できている。だけど、だんだんと圧されているのも確かだ……)
レオン「どうにかして突破口を作らないと、このままじゃ渓谷に戻されかねない」
カミラ『レオンも苦戦しているみたいね』
レオン「ああ、ニュクスの作ってくれた水晶で連携は取れるから、すぐに崩れるってことは無いけどね」
15 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 21:13:55.84 ID:cdNEYyjX0
カミラ『そうね、ニュクスが作ってくれたこの水晶には助けられてばかりよ』
レオン「ああ、本当にね。それよりも仕掛けるのかい、姉さん」
カミラ『ええ、カムイ達が敵陣の突破を始めているみたいなの。でも、今は内部にいる敵の動きが分からないわ。だから、カムイ達を援護しつつ一斉に攻勢を仕掛けようと思うのだけど……。そっちは動けそう?』
レオン「なるほどね。ベルカの部隊が靄に近づきつつあるのも、その一つっていうことかな?」
カミラ『ええ、そうよ。私もこれから仕掛けるつもり。靄を突破してそのまま敵陣地に入り込んで、防壁を制圧するわ』
レオン「かなり危険だけど今はそれしかないか……。わかった。敵増援の流入が穏やかになってる。そろそろ、増援を終えて門を閉じるつもりかもしれない。閉じられる前に仕掛けよう」
カミラ『なら決まりね。それじゃ、これから仕掛けることにするわ』
レオン「わかった、こっちもベルカの部隊が攻撃に入るのを見計らって仕掛ける。中で会おう、姉さん」
カミラ『ええ、それじゃ』
レオン「……よし」
エリーゼ「レオンおにいちゃん、今のカミラおねえちゃんから?」
レオン「ああ、今から村内部へ強行突破を試みることになった」
エリーゼ「え、あの靄の中に飛び込むの!?」
レオン「同時に攻撃を仕掛ければ、靄の中の奴らも対応するのが難しくなるはずだ。危険は承知だ、でも、敵に圧されて渓谷に戻されるのだけはどうにかしないといけない。これ以上、奴に手を打たせるわけにはいかないからね」
エリーゼ「……そうだよね、白夜王都の時みたいなこと、させるわけにはいかないもん!」
レオン「ああ、絶対にね。ストラテジストとダークナイトを中心にした騎馬戦力で一気に敵戦列を押し上げて、ジェネラルや徒歩の部隊は側面から迫るノスフェラトゥやゴーレムを対処、隙を突いて村に入り込む」
エリーゼ「わかったよ、みんなに伝えてくるね!」タタタタタッ
レオン「ああ。よし、陣形を再編成して攻撃を掛ける! 全員準備するんだ」
16 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 21:17:45.05 ID:cdNEYyjX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地・内部中央に建てられた監視塔』―
旧暗夜軍兵士A「敵の飛竜部隊が二手に分かれました。さらに南西の門へ敵の騎馬隊が接近しているとの情報あり」
旧暗夜軍兵士B「南東門周辺の敵は隊列を組み直しています。おそらく、この部隊も突破を試みようとしているのだと思われます」
旧暗夜軍アドベンチャラー「おい、さっきの別れた飛竜部隊、あれも攻撃に向かってくるつもりだぜ。恐らく弓砲台と魔導砲台が狙いか? それで、あわよくばそのまま突破しようって魂胆だな」
マクベス「ふむ、同時に四カ所を攻撃するつもりですか。まぁ、この状況で攻め入ろうというのならば、それくらいしか向こうに手は無いでしょう」
旧暗夜軍アドベンチャラー「おっと、マクベス様。敵は概ね予想通りに攻撃してきてますよ」
マクベス「当たり前です、これでも綿密に作戦を立てましたのでね。この状況を早急に打開するためにとって来るだろう行動は予想できています。しかし、幾分か敵の動きが早かったか……」
旧暗夜軍アドベンチャラー「まぁ、元から兵力の差もあるわけで、そこは仕方ないですよ。で、どうします?」
マクベス「ここで弓砲台と魔導砲台失うわけにはいきません。直ちに例のポイントへの移動を。それと防壁の守備についている者たちは敵が防壁を突破したら、すぐに行動を起こすように指示を出して置いてください」
旧暗夜軍アドベンチャラー「了解しました。ちなみに敵を抑えられた場合は閉門ってことも伝えておきますよ」タタタタタッ
マクベス(閉門ですか。そうなれば、こちらとしても助かりますが、向こうもそうさせまいと突破してくるでしょうね)
旧暗夜軍兵士A「マクベス様、外部掃討戦力分のノスフェラトゥは次の部隊で最後となります」
マクベス「わかっています。引き続き、あなた方はここで敵の動向を監視を。何かあり次第合図を出すように、それと――」
旧暗夜軍兵士B「わかっています、あの大屋敷までですよね?」
マクベス「その通りです、あの大屋敷までですので、お忘れないように」
旧暗夜軍兵士A「はい、承知しておりますマクベス様。ここは私達にお任せください」
マクベス「頼みましたよ」タッ
マクベス(南側が破られれば敵の飛竜隊の第一陣が入り込んでくるでしょう。もっとも、それがこちらの狙いでもあります)
マクベス「ふっ、軍師である前に、私が魔術師であることを忘れてもらっては困りますよ。彼らは渓谷出口からすでに戦闘が始まっていると思っているのでしょうが――」
「本当の攻撃はまだ始まってすらいないのですよ。カムイ王女……」ニヤッ
17 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/05(火) 21:27:02.09 ID:cdNEYyjX0
今日はここまで
マクベスは軍師であり魔術師でもある。白夜の眼鏡軍師とは違うのです。
風花の百合的短編は、出来そうなら安価で決める形になるかもしれません。
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 16:02:42.00 ID:oUDqekCDO
乙
卓上の鬼神「乱戦の定め」
19 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 18:34:06.96 ID:dhfGnLTA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地・南方防壁前』―
カムイ「やあああっ!」
ザシュンッ!
ノスフェラトゥ「グオオオオオォォォ……」ドタンッ
カムイ「さすがにここまで近づくと、敵が多くなりますね」
アクア「ええ。あの靄の奥に門があるとは思うけど、ここから目星を立てるのは難しいわ」
カムイ「でも、敵はまだ流入を続けています。なら、その動きから推測することはできます。それに目ではなく気配で探るのなら、私に分があります」
カムイ(これほど近づけば靄の気配も感じられます。それに靄の中を移動する奴らの気配も分かります。後は敵の増援がやって来た方角を辿れば、きっと……)
カムイ「さらに接近します。ソーサラー隊の皆さんも援護を頼みます!」ダッ!
新生暗夜軍ソーサラー隊長「わかりました。カムイ様を援護に回ります」タタタタッ
カムイ(靄の内部の気配、それを探り当てれば、きっと……)
ノスフェラトゥ「グオオオオオオオオッ!!!!」ダダダダダダッ
アクア「させないわ。はああっ!」グッ ブンッ
ザシュンッ
ドササッ
新生暗夜軍ソーサラー隊長「そこです、ギンヌンガガプ!」シュオンッ!
ドドオオンッ
新生暗夜軍ソーサラーA「よし、このまま押し込んでしまえば……ん?」
ノスフェラトゥ「グオオオオッ!」ドドドドドドッ
新生暗夜軍ソーサラーA「なっ、側面から!? しまっ――」
ノスフェラトゥ「グオオオオオオオッ!」ブンッ
ドゴンッ
新生暗夜軍ソーサラーA「ぎゃああああっ‼‼‼」ドササッ
新生暗夜軍ソーサラーB「側面の敵に対処しろ。このままだと押し潰される!」
新生暗夜軍ソーサラー隊長「全火力を側面より接近する敵に集中します。残っているゴーレムの攻撃にも気を配ってください」
シュオンッ ドドドドドッ
ドゴオオンッ!
20 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 18:45:40.73 ID:dhfGnLTA0
カムイ(ソーサラー隊の皆さんがどうにか持ち堪えてくれている間に、村への手がかりを見つけないと……)
ノスフェラトゥたち「グオオオオオオオッ!」ドドドドドッ
カムイ「敵の増援……」
カムイ(この敵戦列、一直線にこちらへ向かっている。真正面から向かってきたと言う事は、この先に村に続く門があるかもしれません……)
新生暗夜軍ソーサラーB「新たな敵部隊、正面からこちらにやってきます!」
新生暗夜軍ソーサラー隊長「このままでは押し込まれるかもしれません。どうします、カムイ様」
カムイ「このまま靄へと突入します。今現れた敵の増援は真正面にこちらへと向かってきていました。おそらく、村を出て真っ直ぐにこちらに向かってきたのだと思います。なら、このまま直進することで……」
新生暗夜軍ソーサラー隊長「靄の先にある村に辿り着けると言う事ですか」
カムイ「はい、残念ながら確実に辿り着けるという保証はありませんが……」
新生暗夜軍ソーサラー隊長「いいえ、問題ありません、カムイ様の判断に従いましょう。各自、前方に現れた新たな敵へ攻撃を集中してください」
新生暗夜軍ソーサラーC「わかりました」シュオン バシュンッ!
ドゴゴンッ ドゴゴゴゴンッ!
カムイ「敵の隊列を切り開きます。私に続いてください!」タタタタタタッ!
21 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 18:55:17.11 ID:dhfGnLTA0
新生暗夜軍パラディンA「マークス様、カムイ様の部隊が靄の中へ突入するようです」
マークス「よし、われわれもカムイに続く! いくぞっ!」
新生暗夜軍の兵士たち『おおおおおおーーー!‼‼』
ドドドドドドドッ
カムイ「よかった、マークス兄さんたちも追いついてくれそうです」
アクア「カムイ、黒靄の奥には防壁が隠れているわ。弓の攻撃に注意しながら進みましょう」
カムイ「はい」
カムイ(ですが、この距離まで来たというのに敵の矢が飛んでくる気配がありません。敵の人員が多くないことは聞いていますが、明らかに攻撃の勢いが落ちている。まるで、誘導されているのかのようです)
カムイ「いえ、そう考えるべきなのでしょうね」
カムイ(ですが、この靄と防壁を突破して村に入り込めれば、この膠着状態を破ることが出来るはず)
ノスフェラトゥ「グオオオオオッ!‼‼‼」
アクア「はっ!」ザシュンッ
カムイ「やああっ!」ドスリッ ザシュンッ
ブシャアア―― ドサリッ
アクア「カムイ、靄の中に入るわ」
カムイ「はい。アクアさん、失礼しますね」ガシッ
アクア「か、カムイ?」
カムイ「離れないようにしてください。私が先導しますから」
アクア「わ、わかったわ。……お願いね」ギュッ
カムイ「はい、任せてください」
タタタタタタッ
22 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 19:23:48.48 ID:dhfGnLTA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
新生暗夜軍ドラゴンマスターA「マークス様、カムイ様の部隊が靄へと入っていきます」
ニュクス「敵もそれに対処しようとするはずだから、仕掛けるなら今ね」
ベルカ「……そうね、仕掛けましょう」チャキッ バサバサバサッ!
新生暗夜軍ドラゴンマスターA「よし、ベルカの後に続け!」バサバサバサッ
ベルカ(この先には弓砲台があったはず、靄まであと少し……)
ベルカ「弓砲台の射程に入るわ。それ以外の攻撃もあるはずだから、各自注意して…」
新生暗夜軍ドラゴンマスター隊『わかりました』
バサバサッ
バサバサッ
新生暗夜軍ドラゴンマスターC「……攻撃が来ない?」
新生暗夜軍ドラゴンマスターA「引き付けてから攻撃するつもりなのか……」
新生暗夜軍ドラゴンマスターB「わかりません。もしかしたらマークス様達の進軍を抑えるために、兵を割いたのかもしれませんし……」
ベルカ「状況はどうあっても変わらない。このまま靄を抜けて弓砲台近辺の防壁上部を制圧する」
バサササッ!
ニュクス「……おそらく待ち伏せているでしょうね」
ベルカ「ええ」
ベルカ(靄の中に入り込んだ瞬間に攻撃を仕掛けてくる可能性もある。それを避けられるかどうかはわからないけど……)
ベルカ「やるしかないわ…」
ニュクス「そうね。こっちは魔力の気配を探るわ」
ベルカ「ええ。靄に入るわ…」
ボスンッ!
ボスンボスンッ!
23 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 19:33:55.63 ID:dhfGnLTA0
ベルカ(思った以上に視界が悪い……。だけど、それほどの距離じゃないはず……)
グオオオオオオッ……
ベルカ「このうめき声……」
ニュクス「ゴーレムがいるわね……。それにこのうめき声、攻撃態勢に入って――」
バシュッ!
ベルカ「ニュクス、掴まって!」グッ
ニュクス「!」ギュッ
ヒュンッ! ドゴンッ!
新生暗夜軍ドラゴンマスターB「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ……」ドサンッ
新生暗夜軍ドラゴンマスターA「ちっ、一人やられた!」
ニュクス「向こうからこっちが丸見えっていうのは、冗談でも何でもないみたいね」
ベルカ「このまま突破する」バササッ
新生暗夜軍ドラゴンマスター隊『はっ!』バサバサッ
ニュクス「それにしてもこの靄、村を覆うように広がっているわね。少しでも入り込んだら視界を遮られてしまうようだから気を付けて」
ベルカ「ええ、注意するわ」
ボスンッ ボスンッ
ベルカ(靄を出たわ。敵は――)
ゴーレム「グオオオオオッ!」
新生暗夜軍ドラゴンマスターA「防壁上部にゴーレム多数! 弓兵の姿はありません!」
新生暗夜軍ドラゴンマスターC「ちっ、思ったより高度が取れねえ。ちょっと高く上がりすぎると靄の中に逆戻りしちまう」
ベルカ「各自、攻撃開始」バサバサッ
ゴーレム「グオオオオオオッ」ドスンッ!
24 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 19:40:22.14 ID:dhfGnLTA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カミラ「はああああああっ!!!」グッ ブンッ!‼‼
ドスリッ!
ゴーレム「グオオオオオオオォォォ……」グニャリ……ドタンッ……
カミラ「ふぅ、どうにか防壁上部に辿り着けたわね。こっちの被害は?」
レヴナントナイトA「靄を抜ける際に数名がやられましたが、多くは健在です」
カミラ「そう、良かった。この様子なら、他もうまく入り込めたと思うわ。この地点を維持して、後続の援護に入りましょう」
新生暗夜軍レヴナントナイトA「はい。しかし、本当にこちらからはすべてが丸見えなのですね」
カミラ「ええ、こんなにはっきりと見えるなんてね。うまく、同時に仕掛けられたからよかったけど、バラバラに攻めていたら各個撃破されていたでしょうね」
カミラ(そう、それくらいこの仕掛けは有効なもののはず。なのに、これは……)
カミラ「……」
新生暗夜軍レヴナントナイトA「どうかされましたか?」
カミラ「ここはこの村の防衛の要よ。その防衛をゴーレムにだけ任せているのは変でしょう?」
新生暗夜軍レヴナントナイトA「敵の人員が足りないと言う事でしょう。現在、白夜平原へ続く街道が脅かされているという状況で、そちらに兵力を割いた結果かと……。ここ周辺にいた兵の多くを門の防衛に回したのかもしれません」
カミラ「……だとしても、ここは重要な拠点よ。それをわからないマクベスではないはず……」
カミラ(それに、ここにあるはずの魔導砲台が無くなっている。移動させたっていう事は、防壁を元から放棄するつもりだったということ?)
カミラ「色々と不思議な点はあるけれど、まず村の内部へ降りましょう。みんなと合流するわ」
新生暗夜軍レヴナントナイトA「はっ!」バサバサッ
25 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 19:45:36.87 ID:dhfGnLTA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
レオン「ブリュンヒルデ!」シュオンッ
ザシュシュシュ!‼‼
ドサリッ
レオン「よし、ここだな。エリーゼ、門の周辺にいる敵に対処してくれ。僕は内部に入り込んで、周辺を確保に向かう」
エリーゼ「わかったよ、レオンおにいちゃん。誰も通さないんだから!」チャキッ
サクラ「レオンさん、内部からノスフェラトゥが向かって来ます!」
レオン「大丈夫だ、数は少ない。一気に突破して、門の閉門を阻止するよ。ダークナイト隊、準備はいいか?」
新生暗夜軍ダークナイト隊長「はい、レオン様」
レオン「よし、殲滅しろ!」スッ
新生暗夜軍ダークナイト隊『オオオオオーーーー!』ドドドドドッ
キィンッ! ズシャッ
ガキィンッ! ギュアアアッ!
レオン(よし、どうにか閉門を阻止することはできたな。これで門を閉じられる心配はない。敵に取り返されないようにしつつ、後続を援護しないと……)
新生暗夜軍ダークナイト隊長「レオン様、門周辺の掃討、完了しました」
レオン「わかった。それで状況は?」
新生暗夜軍ダークナイト隊長「その、不思議なことに兵士が一人もいないのです。いるのはノスフェラトゥばかりでして、それ以外は何も……」
レオン「……」
新生暗夜軍ダークナイト隊長「いかがしますか?」
レオン「どうにか内部に入ることが出来た以上、ここを捨てる事は出来ないよ。まずは他の部隊と合流しつつ、この地点を維持する」
新生暗夜軍ダークナイト隊長「はっ」タタタタッ
26 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 19:53:07.47 ID:dhfGnLTA0
レオン「ここ、突破させるためにあえて手薄にしていたと見るべきか……」
レオン(この状況、明らかにこっちを誘い込んでいる形だ。ここを防衛するだけなら、靄の壁を突破させないことが重要になる。だけど、この状況を見る限り突破されることを考えていた。いや、そもそも突破させるつもりだったのかもしれない)
レオン「防壁とこの視界を遮る靄……」
レオン(この二つを捨てるほどの何かがマクベスにはあるということか……)
タタタタタタッ
レオン「……ん?」
サクラ「レオンさん、門周辺の敵は倒し終わりました」
エリーゼ「それとね、後続の部隊が向かってる。もう少しで合流できるって」
レオン「わかった。姉さんたちも突破出来ただろうから、まずは合流しないと」
エリーゼ「うん、わかったよ。それにしても、なんだか不思議だね。こっちからは全部丸見えなんだもん」
レオン「ああ、敵の防御が厚かったら、こう簡単にはいかなかった」
エリーゼ「うん、何とかなって良かったー」
サクラ「はい。だけど、また外に押し出されてしまわないようにしないといけませんね」
レオン「ああ」
レオン(とにかく、村への道を築けた。今心配するべきは、後続が村の中に入れなくなるという事態だけだ)
レオン「それさえ、どうにかできれば、僕らの勝ちだ」
27 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 19:56:53.05 ID:dhfGnLTA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地内部・南方防壁西側・上部見張り台』―
旧暗夜軍ボウナイトA「敵が障壁を突破しています」
旧暗夜軍アドベンチャラー「おお、そうか。あれは例の王女様だな。あいつら、手を繋いでこっちに向かってやがる。まったく、健気だねぇ」
旧暗夜軍ボウナイトB「攻撃しますか?」
旧暗夜軍アドベンチャラー「いいや、ここで攻撃する必要は無いってよ。靄の視界不良があるとはいえ攻撃してもあいつらの進軍は止まらないからな。となると、ここはあと少しで落ちる。ここにいてもしょうがねえ。弓砲台の移動処理は終えたんだ。あとは少ないゴーレムが時間稼ぎをしてくれるさ」
ゴーレム「グオオオオオッ」ガチャンッ ドゴンッ!
旧暗夜軍アドベンチャラー「ほぉ、敵が見えた瞬間に攻撃とは頼りがいがあるね。それじゃ、こっちは合流地点に向かうか」
旧暗夜軍ボウナイトA「わかりました。しかし、こんな作戦良く思いつくものですね」
旧暗夜軍アドベンチャラー「まったくな。その結果、もう防壁上部にはいられなくなるけどよ」
旧暗夜軍ボウナイトB「他の者たちは中央広場へ向かいました。残っているのは我々だけです」
旧暗夜軍アドベンチャラー「よし、それじゃ撤退するぞ」
旧暗夜軍ボウナイトA「はっ!」タタタタタタッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「さてと、他の場所も残ってるのはゴーレムだけ、これで準備は整ったってところか」チャキッ
ググッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「合図を上げるぜ、マクベス様!」
パシュッ
ヒュイイイイイインッ!‼‼‼
28 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 20:06:26.08 ID:dhfGnLTA0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地・南方防壁西側前』―
ヒュイイイイイインッ!‼‼
カムイ「この音……」
アクア「前方からよ。敵が合図を送ったのかもしれないわ」
カムイ「ええ、それにしても矢は飛んできませんが、ゴーレムの攻撃が激しいですね。出来れば、この先に門があればいいのですが……」
カムイ(頼みますよ……)
ドドドドドドドッ
マークス「靄を抜けたか……」
新生暗夜軍パラディンA「前方、ノスフェラトゥ多数。その付近に内部へと通じる門があります!」
マークス「よし、周りの雑魚に構うな! まずは門を制圧する。全軍、掛かれ!」スッ
新生暗夜軍兵士たち『オーーーッ!』ドドドドドドドドッ
カムイ「はぁはぁ、どうにか辿り着けましたね、アクアさん」
アクア「ええ、何とかね。ふふっ、ありがとう先導してくれて」
カムイ「はい」
マークス「カムイ、よくやってくれた。どうにか、門を制圧できそうだ」
カムイ「マークス兄さん。いいえ、私たちの部隊だけではここまでたどり着けませんでした。マークス兄さんが率いる騎馬隊のおかげですよ」
マークス「ふっ、そうか。よし、後続も追いついている。このまま行けば……む?」
カムイ「マークス兄さん?」
マークス「まだ靄の中に入っていたようでな、視界が突然悪くなってしまった」
アクア「境界が分かり辛いから仕方ないわ。実際、こっちからだとどこから先が靄なのかわからないもの。ともかく、まずは靄から離れましょう」タタタタタッ
マークス「ああ。もっともここを抜けた以上、これが障害になることはない。あとは村を制圧するだけだ」タタタタタッ
カムイ「はい、マークス兄さん」タタタタタッ
ズズズズズズッ
カムイ「ん?」
29 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 20:15:15.97 ID:dhfGnLTA0
アクア「どうしたの?」
カムイ「……」
カムイ(おかしい、たしか靄の気配はもう少し後ろにあったはず……。でも、今気配があるのは私たちがいた場所を越えています)
ガシャンッ ガシャンッ
新生暗夜軍ジェネラルA「くそっ、この靄の境目はどこなんだ。ああ、視界が曇ったり晴れたり鬱陶しい!」
新生暗夜軍ジェネラル隊長「ほら、早く来い。遅れているとノスフェラトゥに追いつかれるぞ」
新生暗夜軍ジェネラルA「すみません隊長、本当に視界が見え辛くて。くそっ、この靄、まるで付いて来てるみたいだ。いつになっても視界が晴れない」
カムイ「靄が付いて来る?」
カムイ(靄の気配は……)
ググッ グググググッ
カムイ「動いている……」
アクア「え?」
マークス「どうした、カムイ?」
カムイ「この靄、だんだんと村に近づいているようなんです」
マークス「こちらの侵攻に合わせているという事か? しかし、そのような小細工など――」
新生暗夜軍ジェネラルA「ぐっ、うああああ!」ガシャンッ
カムイ「!?」
マークス「な、なんだ!?」
30 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 20:19:03.04 ID:dhfGnLTA0
新生暗夜軍ジェネラルA「た、たいちょう、くっくるしい……」ガシャンッ
新生暗夜軍ジェネラルB「お、おい、何倒れてるんだ。そんなところで倒れたら、やられちまうぞ!? おい!」ガシャンガッシャンッ
ボスンッ
新生暗夜軍ジェネラルB「な、なんだ? どうして視界が……さっきまで靄はここまで来てなかったはず――」
ドクンッ
新生暗夜軍ジェネラルB「がっ……、うっ、な、なんだごれ……、が、がらだが……」
ビチャッ
新生暗夜軍ジェネラルB「ぐ、ぐる、ぐるじい……。だ、だれが……」ガシャンッ ガシャンッ
ドサリッ ポタタタタッ
新生暗夜軍兵士「ひっ、な、なんだこれは!?」
グアアアア――
ウアアアアア――
マークス「な、何が起きている!?」
アクア「わからない。でも、敵が何かをしてきたことは間違いないわ。あの靄、さっきのように視界を遮るだけじゃ済まないみたいよ」
ググググッ
カムイ「! 靄がこちらに迫ってきます」
マークス「くっ、この靄に飲まれたらどうなるかわからん。全員、村の中に退避せよ!」
新生暗夜軍兵士「村に急げ、早く!」タタタタッ
カムイ「くっ」タタタタタッ
カムイ(ここは守るべき村でも拠点でもなかった。だからこそ、靄の中を進む私たちに対して、敵は攻勢を仕掛けなかった。そう、ここに私たちが入り込むことこそが狙いだった。これが、いいえ、この村そのものが――)
(マクベスさんが仕掛けた罠なのですね)
31 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/18(月) 20:36:57.61 ID:dhfGnLTA0
今日はここまで
後続を断つマクベスの罠
風花雪月、衣装が増えてうれしい。でも、教員組は衣装チェンジが出来なくて悲しい。
次の展開を安価で決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◆◇◆◇◆◇
今回の戦闘に参加する仲間を決めたいと思います。
・チーム『城塞組男+α』
(ギュンター・ジョーカー・サイラス)
・チーム『城塞組メイド+α』
(フェリシア・フローラ・ブノワ)
・チーム『マークス隊+α』
(ラズワルド・ピエリ・フランネル)
・チーム『エリーゼ隊+α』
(ハロルド・エルフィ・モズメ)
・チーム『サクラ女隊+α』
(カザハナ・ツバキ・アシュラ)
・チーム『レオン隊+α』
(オーディン・ゼロ・スズカゼ)
・チーム(カミラ隊+αα』
(ルーナ・シャーロッテ・リンカ)
◆◇◆◇◆◇
カムイ部隊「カムイ・アクア・マークス」と行動を共にするチーム
>>32
カミラ部隊「カミラ・ベルカ・ニュクス」と行動を共にするチーム
>>33
レオン部隊「レオン・サクラ・エリーゼ」と行動を共にするチーム
>>34
このような形で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/11/18(月) 23:56:54.31 ID:/YPAN2oq0
チーム『城塞組メイド+α』
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/19(火) 00:02:40.44 ID:LjEEiQt30
サクラ女隊+α
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/19(火) 00:05:00.52 ID:AAuTMwZtO
チーム(カミラ隊+αα』
(ルーナ・シャーロッテ・リンカ)
35 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:26:33.34 ID:5uemCYmX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地・南西門内部』―
タタタタタタタッ
カムイ「はぁ、はぁ……。大丈夫、靄は追って来ないようです。防壁内側に達したところで動きが止まりました」
マークス「そうか、他の者たちは大丈夫か?」
アクア「私は平気よ。だけど、靄の中にいた部隊はやられてしまったみたい」
カムイ「それに靄の所為で後続が村に辿りつくには多くの時間を要するはずです。いずれ、靄が晴れるかもしれませんが、それを敵が待ってくれるとは思えません」
マークス「どうにか内部に入り込めた戦力だけでどうにかしなくてはならないか……」
カムイ「私たち以外に突入出来た部隊はいるのでしょうか?」
マークス「レオン、そしてカミラの部隊が突入に成功しているようだ。まずは、二人の部隊と合流を目指すべきだろう」
カムイ「よかった。カミラさんとレオンさんの部隊が突入に成功しているのですね。これなら、きっと――」
???『大丈夫、そう言いたいのでしょう。カムイ王女』
カムイ「!」チャキッ
マークス「マクベスか!」チャキッ
???『ええ、そうです。声だけで察するとは驚きましたよ』スゥ
カムイ「……マクベスさん」
マクベス『くっくっくっ。お久しぶりですね、裏切り者の皆さん』
36 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:31:58.88 ID:5uemCYmX0
マークス「マクベス……」
マクベス『よもや、私のことを覚えているとは思いませんでした。もっとも、ガロン王様に泥を塗る不貞な輩に覚えられていたくありませんでしたがね。特にあなたのような存在には……』
マークス「何とでも言うがいい、私は私の信じる道を進む。それがお前達に刃を向ける道だとしてもな」
マクベス『ふん、言葉を濁す必要は無いと言う事ですか。結構、これで気兼ねなくあなた方、暗夜の汚点たる王族を皆殺しに出来るというもの。ふっ、皆殺しにしてしまえば、きっとガロン王様も喜ばれるはず。もちろん、あなたも例外ではありませんよ、カムイ王女』
カムイ「残念ですが、あなたに殺されるつもりはありません。本当の敵を打つまで、私は倒れるわけにはいかないのです」
マクベス『ふんっ。ご安心ください。あなたにとっての本当の敵などに興味はありません。私にとってはあなた方こそが倒すべき敵、ガロン王様の覇道を拒む存在。ガロン王様の紡ぐ覇道を支えることこそが私の使命である以上、あなた方を生かしておくわけにはいきません』
カムイ「ガロン王……」
カムイ(やはり、マクベスさんはガロン王……いいえ、奴の命令に従って戦っているということなのですか……)
カムイ「アクアさん、マクベスさんから奴の気配を感じますか?」
アクア「……いいえ。幻影からは何もわからないわ。だけど、村の中心から奴に似た気配がある。おそらく、何かあるはずよ」
カムイ(その気配の源がマクベスさんに何かしらの影響を与えているのかもしれません。でも、こうして話をすることができるのなら、今が最後のチャンスのはず……)
マクベス『さて、挨拶はここまででいいでしょう。これから殺すあなた方の慌てる姿を見れただけで満足ですので。ふふっ、ふははははははははっ』
カムイ「マクベスさん」
マクベス『む? なんですかな、カムイ王女。もしや、この期に及んで命乞いでもしてくれるのでしょうか。いいでしょう、見せてください。あなたの無様な姿を見れば、私の考えが変わるやも――』
カムイ「あなたは、ガロン王の正体を知っているのですか?」
37 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:40:56.52 ID:5uemCYmX0
マクベス『ガロン王様の正体……ですか?』
カムイ「はい……」
マクベス『ふん、この期に及んでつまらないことを聞いてくるものだ。ガロン王様は暗夜の王であり、この世界を統べる御方です。そして、私にとって唯一の主君、それ以外の答えはありません』
カムイ(そう、マクベスさんはガロン王を信じている。マクベスさんは長くガロン王に仕えてきたのですから、この言葉に嘘偽りはないでしょう。だからこそ、私は伝えなくてはいけないんです。それが奴に利用されているという事を)
カムイ「それがマクベスさんにとってのガロン王なのでしょう。でも、今いるガロン王はあなたが信じているガロン王ではないんです。ガロン王の皮を被った紛い物でしかありません」
マクベス『……紛い物?』
カムイ「ガロン王はもう死んでいます。今、あなたが従っているガロン王は別人なんです。奴はただ人を殺す為だけにガロン王に成りすまし、戦いを行うための道具にしている。そこにはガロン王が掲げ、あなたが信じているような覇道もなにもありません」
マクベス『……』
カムイ「もう、マクベスさんが信じているガロン王はいないんです。だから――」
マクベス『こうして争う必要は無い、そう言いたいのですかな?』
カムイ「……そうです」
マクベス『……争う必要はないですか。ふっ、まったく面白いことを言う。まさか、そのようなつまらないことを口にしてくるとは思いませんでした』
カムイ「マクベスさん、信じられない話だとは思います! でも、今あなたが従っているガロン王は――」
マクベス『カムイ王女、どうやら私の言葉をちゃんと理解出来ていないようですね。言ったはずです、ガロン王様は私にとって唯一の主君だと、それはどのような状況であっても変わらない。たとえ――』
マクベス『あなたの言ったことが真実であったとしても、私が戦う意味は変わることはありません』
38 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:44:21.09 ID:5uemCYmX0
カムイ「……え?」
マクベス『……』
カムイ「マクベスさん。まさか、あなたは……」
マークス「カムイ……」スッ
カムイ「マークス兄さん」
マークス「マクベス。それが、お前の正義と言う事か?」
マークス「……どうなのだ、マクベス?」
マクベス『私は正義のためなどという信念で戦ってなどいません。私は主君、ガロン王様のために戦うのです。それ以外のことなど考える必要もない。すべてはガロン王様のため、ガロン王様が作り上げる世界のため、それ以外のことに費やす時間も力もありはしませんよ』
マークス「そうか……。それ故に退くつもりはないのだろう?」
マクベス『ええ、あなた方をここへ招き入れたのは戦うためですので。あなた方をこの手で殺し、再びガロン王様が求めた世界にしていくため。だからこそ、あなたと相容れることはないでしょう。あなたの求める世界の形と、私の求める世界の形は全く別物。ガロン王様が築いた暗夜王国とそこから広がる世界こそが、私が生きるすべてなのです。故に戦う以外の道はないのですよ、カムイ王女』
カムイ「マクベスさん……」
マクベス『……』
カムイ(この意思は私の言葉で揺らぎはしないでしょう。それほどにマクベスさんの言葉には明確な信念と、そして私が求めてやまない和解に対する拒絶が見える。みんなが思っていたように、マクベスさんの意思は変わらない。とても真っ直ぐなこの意思を折る術を私は知らない。なら、それに対して私がするべきことは、一つだけです)チャキッ
カムイ「私には倒さなくてはならない敵がいます。それを打つためにもあなたをここで打ちます。あなたのその信念に全力で挑ませてもらいますよ、マクベスさん」
マクベス『ふっ、いいでしょう。ですが、ここであなた方を打つのは私のほうです。精々悪あがきに徹することですな』
シュオンッ!
39 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:50:01.98 ID:5uemCYmX0
アクア「カムイ、マクベスは……」
カムイ「私は伝えるべきことは伝えました。正直、結果は皆さんの予想した通りになってしまいましたが……」
アクア「……」
カムイ「でも、なんだか不思議なくらいに安心している自分がいるんです」
アクア「安心?」
カムイ「ええ、憎い敵だからとかではなくて、その何でしょうか。すみません、うまく言葉が見つからないんですけど」
アクア「そう、私にはわからないけれど、多分それはあなたにとってとてもいい事なのかもしれないわ。あなたが安心できた意味が分かるといいわね」
カムイ「はい」
マークス「しかし、マクベスがあれほどの忠誠心を持っているとは。そして、ここにいるのはそのマクベスの下に集った兵士だ。先鋭と見て間違いないだろう」
カムイ「はい。でも、こちらも先鋭揃いですから。そう簡単にはやられませんよ」
マークス「ああ、む?」
タタタタタッ
フェリシア「あ、カムイ様! やっと見つけました、無事でよかっ――はわわわっ!」ビターンッ
フローラ「ちょっと、フェリシア!?」
フェリシア「ううっ、転んじゃいましたぁ……」
アクア「こちらも、先鋭揃い……ね」
マークス「ふむ……」
40 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:53:44.35 ID:5uemCYmX0
カムイ「ああ、フェリシアさん大丈夫ですか?」スッ
フェリシア「あ、カムイ様。ぐすっ、だ、大丈夫です。ご無事でよかったです」
フローラ「カムイ様、お怪我は?」
カムイ「大丈夫です。フローラさんも無事に内部に入ってこられたようでよかったです」
フローラ「今は重装部隊の一員ですので。それにブノワがサポートしてくれましたから」
ブノワ「気にしなくていい…。カムイ様達と合流できてよかった…」
カムイ「はい、ブノワさんたちが無事で何よりです。しかし、こちらから入り込めた人たちだけで中央に攻め入るのは危険ですね」
マークス「ああ、このまま敵本陣を攻めるのは厳しい。なにより敵の罠で後続が到達出来ない以上、まずは他の部隊と合流を図り、戦力の立て直すべきだろう」
カムイ「そうですね。まずは防壁付近から侵攻したカミラ姉さんの部隊と合流を目指しましょう。おそらく、レオンさんの部隊もカミラ姉さんとの合流するために動くと思いますから」
マークス「おそらくな。それに、敵も狙うならまずは飛竜部隊からだろう。今の状況では、カミラ達もうまく飛び回れるとは思えん。追い詰められているかもしれん」
カムイ「はい、急ぎましょう」
マークス「よし、まずはカミラたちとの合流を目指す。全員、敵の奇襲に警戒しつつ、進軍を開始せよ!」
カムイ(カミラ姉さん、他のみなさんも無事でいてください)タタタタタタッ
41 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 16:56:01.41 ID:5uemCYmX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷出口の村『暗夜軍前戦陣地・南中央防壁内部』―
ヒュンッ! カッ
グオオオオオンッ! グオオオオンッ!
ドススンッ!
旧暗夜軍アドベンチャラー「よし、一騎落としたぜ。各員、攻撃の手を休めるなよ。ドラゴン共を絶対に移動させるな」
旧暗夜軍ボウナイトA「はっ!」
旧暗夜軍アドベンチャラー(よし、魔術部隊の到着まで抑えて置ければ、ここは勝ちだ)
パカラパカラッ!
旧暗夜軍アドベンチャラー「ん?」
旧暗夜軍ボウナイトB「敵に動きがありました。現在、東西、それぞれの門より入り込んだ敵部隊がこちらに向けて進軍していると」
旧暗夜軍アドベンチャラー「そうか。まぁ、この状況なら満足に動けないだろうドラゴンをこっちが狙うってことくらいは読めるか……。まぁいい、東の方はブレイブとランサーの部隊が相手してくれる。西の敵はこの先の十字路にいるゴーレムとノスフェラトゥで時間稼ぎ出来るはずだ。こっちは魔術部隊の到着まで、現状況を維持するぞ」
旧暗夜軍兵士たち『おーっ!』
旧暗夜軍アドベンチャラー「さぁ、このまま詰めさせてもらうぜ」チャキッ パシュンッ!
42 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 17:06:59.26 ID:5uemCYmX0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒュンッ キィンッ
カキィンッ!
カミラ「はぁ、うまく釘付けにされちゃったわね。とりあえず、ドラゴンたちは家屋の影に隠れさせておきなさい。ここで頭数を減らすわけにはいかないわ」
新生暗夜軍レヴナントナイトA「はっ」
ベルカ「カミラ様、これからどうする?」
カミラ「まだ上昇限界がどこまでかわからないし、大勢で下手には動けないわ。戦線は持ち堪えられそう?」
ニュクス「そうね、白兵部隊をそれなりに輸送できたから、今はどうにか持っているわ。でも、このままじゃ時間の問題よ。明らかに敵の方が多いもの」
カミラ「そう、難しいところね。でも今はまだ持っているのなら、まだ反撃の機会はあるわ。それに負傷者の手当ても大丈夫そうだから」チラッ
新生暗夜軍兵士「いてえ、いてえよぉ」
カザハナ「ああもう、負傷したのは早く物陰に来なさい。こっちはぴょんぴょん行ったり来たり出来るわけじゃないんだから! 大丈夫、この程度じゃ死なないから落ち着きなさい」
ツバキ「落ち着くのはカザハナもだよ。落ち着かないと、治療もうまく行えなくなるからねー」
カザハナ「わ、分かってる! ほら、さっさと負傷箇所見せて、早くしないといけないんだから! ちょっと、ツバキも早く――」
ニュクス「確かにどうにかなっているわね。少しうるさいけど」
カミラ「あら、にぎやかでいいと思うわ。士気が落ちない様に鼓舞もしてくれるし、十分すぎる働きよ。さすがはサクラ王女の臣下ね」
ベルカ「……でも、騒がしいわ」
アシュラ「そう言うなって、現にあの二人がいなかったら負傷者の誘導とかはうまく行かなかったからな。あの二人は十分仕事を熟しているさ」
カミラ「アシュラの言う通りよ。ところで、敵の陣だけど突破口はあるかしら?」
アシュラ「無いわけじゃねえが、結局敵の矢を掻い潜って近づかないとならねえ。まぁ、もたもたしてると、敵が切り込んでくるだろうがな」
カミラ「そう、なら動きましょう。レオンもカムイも私たちとの合流を目指すはずだから、どちらかと合流するまでは持ち堪えないといけないけど、この状況じゃ到着まで持たないもの。ツバキ、カザハナ、負傷者の治療は一段落したわね」チャキッ
ツバキ「うん、どうにかなったよー」
カザハナ「な、なんとかね。で、どうするの? レオン王子かカムイ様の部隊が来るのを待つの?」
カミラ「もう隠れるのはおしまい。一気に距離を詰めて敵の弓兵部隊を瓦解させるわ。ツバキとカザハナはベルカたちと待機して、ニュクスとアシュラは私と一緒にちょうだい」
アシュラ「わかったぜ」
ニュクス「いいけど、動くってどういうつもり?」
カミラ「簡単なことよ。向こうも的が無くて退屈だろうから――」
「無理にでも狙いたくなるように、こっちから動いてあげるのよ」
43 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/11/30(土) 17:12:44.53 ID:5uemCYmX0
今日はここまで
ここのマクベスはガロン王のために戦う、そんな軍師である。
そして、今日はカミラ王女の誕生日です。お誕生日おめでとう。
44 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 18:38:19.91 ID:CJ43w1Gz0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『南中央防壁内部』―
カミラ「こんな感じの作戦だけど、どうかしら?」
ニュクス「率直に言ってかなり危険な作戦ね」
カミラ「ええ危険よ、不満があるなら降りてくれても構わないわ」
ニュクス「早とちりしないで、危険だと言っただけよ」
カミラ「ふふっ、それじゃニュクスは乗ってちょうだい」
ニュクス「わかったわ」
カミラ「アシュラ、私たちができる限り敵を引き付けるから、あなたはその隙を突いてちょうだい」
アシュラ「ああ、部隊指揮は初めてだが、まぁ、上手くやってみるさ」タタタタッ
カザハナ「カミラ王女、あたしたちはどうすればいいの?」
カミラ「アシュラの部隊が敵陣に入り込むと同時に攻めてちょうだい。敵全体に圧力を掛けるように攻撃を仕掛けてくれればいいわ」
ツバキ「全体? この状況ならアシュラの部隊みたいに一点を狙った方がいいんじゃないかな?」
カミラ「そうしたいけど、敵の援軍がレオンやカムイの到達より早かったら、突出した部隊を袋叩きにされかねない。それに飽く迄も私達がするべきことは援軍到着までの時間稼ぎよ」
ツバキ「わかりました。こっちは任せてください、カミラ王女」
カミラ「ええ、お願いね。ベルカは動ける竜騎兵を指揮して、二人の援護に努めなさい」
ベルカ「わかったわ、カミラ様」
カミラ「それじゃ、作戦開始よ」
45 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 18:40:59.39 ID:CJ43w1Gz0
旧暗夜軍アドベンチャラー「よし、敵はほとんど動きがなくなったな。まだまだ追いこんで本当に身動きが取れないようにしてやる。弓砲台はいつでも打てるように準備をしておけ」
旧暗夜軍兵士「はい」
旧暗夜軍アドベンチャラー「よし、前に出るぞ。進め!」
旧暗夜軍ボウナイトA「はっ。各員前進!」
ザッザッザッ
旧暗夜軍アドベンチャラー(どうなるかと思ったが、防壁を越えて中に入り込んだ敵の総数はこっちと同等、少なからずは落とした以上、戦力的にこっちが有利だ。へっ、このまま押し込んでやる)
旧暗夜軍アドベンチャラー「へへっ、マクベス様にいい報告が出来そうだぜ」
バサバサッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「?」
旧暗夜軍ボウナイトB「敵のドラゴンが一騎上がりました。まっすぐ、こちらに向かってきます!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「堪え性がないのが出てきたってところか? たった一匹で何ができる。準備は出来てるか?」
旧暗夜軍兵士「はい、間もなく砲台の射程に入ります」
旧暗夜軍アドベンチャラー「よし、打て!」
バシュンッ!
46 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 18:45:38.38 ID:CJ43w1Gz0
ニュクス「カミラ王女、矢が来るわ」
カミラ「そう、それじゃ激しくするから捕まってなさい」グッ
ニュクス「え、ちょ、ちょっと!?」ガシッ
グオオオオンッ! バサバササッ
ヒュンッ! フォン! ドゴンドゴンッ!
カミラ「回避完了ね」
ニュクス「はぁはぁ……。もう少し早く言って、落ちかけたわ」
カミラ「ふふっ、ごめんなさい。でも、ちゃんと避けられたでしょう?」
ニュクス「それはそうだけど、もう少し抑えてちょうだい。まだ、ベルカの方が優しかったわ」
カミラ「あらあら、ベルカのこと気に入っているのね。主としてとっても嬉しい情報ね」
ニュクス「それより、今の攻撃は弓砲台の物みたい。すぐ飛んでこないから設置されているのは一機だけみたいね」
カミラ「ええ、それじゃ距離を詰めるわよ」グッ
バサササッ!
旧暗夜軍ボウナイトB「敵、さらに加速します」
旧暗夜軍アドベンチャラー「けっ、どんな命知らずだよ。根性あるじゃねえか」
旧暗夜軍ボウナイトB「む、あの特徴的な外装、カミラ王女か?」
旧暗夜軍アドベンチャラー「ほぅ、王族が突出してきたか、縮こまって下がった士気を高めるためかもしれないが、これでこっちが王女を落とせれば総崩れってもんだ。再装填が済み次第、すぐに攻撃しな」
旧暗夜軍兵士「はい。準備完了しました。打ちます!」ガシャコンッ
バシュンッ!!!
47 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 18:50:05.96 ID:CJ43w1Gz0
ヒュンッ! ドゴンッ!
カミラ「砲台の発射間隔がこれなら行けそうね。ニュクス、準備はいい?」
ニュクス「大丈夫よ、カミラ王女も聞く準備は出来ているの?」
カミラ「心配しないで。あなたの声はちゃんと耳に届いているわ。あなたに命を預けているのだから、当然でしょう?」
ニュクス「そ、そう……」
カミラ「どうかした?」
ニュクス「気にしないで。おそらく三射目が来るわ」
カミラ「そう、それじゃ……」
バシュンッ! ヒュンッ!
カミラ「行くわよ!」ググッ!
バサバサバサッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「どういうことだ? 王女の奴、いきなり高度を上げ始めやがったぞ」
旧暗夜軍アドベンチャラー(まさか、この期に及んで逃げ出そうとしてるのか? 王族だからって結局は命が惜しい、そういうことかよ)
旧暗夜軍アドベンチャラー「へっ、一騎だけで出てきたから何かと思ったが、結局尻尾巻いて逃げるか。へっ、そう簡単にここを抜けられると思っているのか? マクベス様の罠は完璧に作動してんだ。王女だろうがなんだろうが、靄に入った瞬間に死ぬだけだぜ」
48 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 18:54:18.84 ID:CJ43w1Gz0
バサバサッ
カミラ「ニュクス、もう靄に達するかしら?」
ニュクス「……そこよ!!」
カミラ「!」グッ
グルンッ
バサバサッ
ニュクス「もう少し余裕はあるけど、この高さまでね」
カミラ「そう、だけどこれだけの高さがあれば十分、行くわよ」グッ!
バサバサッ!
旧暗夜軍ボウナイトA「敵、急降下を開始! こちらに向かって来ます!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「なっ、迎撃!」
新生暗夜軍兵士「だ、だめです。まだ装填が――」
カミラ「残念ね。それじゃ、死んでちょうだい」グッ
ブンッ
ガシャンッ!!!
旧暗夜軍兵士「ぎゃああああっ!!!」ドサッ
旧暗夜軍兵士「砲台が……。くそ、逃がすか!」チャキッ
カミラ「ニュクス!」
ニュクス「ライナロック!」
ドコォ゙ンッ!!!
旧暗夜軍兵士「ぐあああああっ!!!」ドサッ!
カミラ(これで、砲台は無力化できた。あとは派手に動き回るだけよ)
49 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 18:57:17.18 ID:CJ43w1Gz0
旧暗夜軍アドベンチャラー「てめえ!!」チャキッ パシュッ
サッ
カミラ「残念ね。もっとしっかりと狙わないと、私は落とせないわよ」バサバサッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「その言葉後悔させてやる! 王女を落とせ!」
旧暗夜軍ボウナイトA「はっ!」チャキッ パシュッ!
サッ バサバサッ
旧暗夜軍ボウナイトB「ちっ、ちょこまかと!」
パシュシュッ
ササッ バサバサッ
カミラ「これくらい敵を引き付けられれば上々ね」
ニュクス「ええ、ここ周辺の敵はこっちの動きに気を取られている。みんな私たちしか見ていないわ」
カミラ「ふふっ、それじゃ、もう少し付き合ってもらいましょう。アシュラが動きやすいようにね」ググッ
バサバサバサッ!
旧暗夜軍兵士「なんだ、あの動きは!? 何とか撃ち落とさないと――」
タタタタタタッ
旧暗夜軍兵士「な、なんだ? こっちの路地から足音が――」
新生暗夜軍兵士たち『……』
旧暗夜軍兵士「て、敵!? 早く知らせ――」
ザシュンッ
旧暗夜軍兵士「がっ……」ドサッ
アシュラ「すまねえな。こっちも勝つのに必死なんでよ」
新生暗夜軍兵士「アシュラ様」
アシュラ「このまま、真正面の広場を強襲するぞ。隠れる必要はないぜ、俺たちの存在を見せつけてやれ」
新生暗夜軍兵士「はっ!」
アシュラ「さぁ、第二段階開始だ」タタタタタタッ
50 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:00:50.17 ID:CJ43w1Gz0
旧暗夜軍ボウナイトA「正面に敵部隊が出現! 前方の広場に向かっています」
旧暗夜軍アドベンチャラー「なんだと!?」
旧暗夜軍アドベンチャラー(くそっ、あの王女に気を取られて敵の別動隊を見落としたっていうのか!?)
旧暗夜軍アドベンチャラー「このままじゃ、広場から突破される。歩兵隊、割り込んできた奴らを抑え込めるか?」
旧暗夜軍ランサーA「はい、お任せください。敵を迎え打つ、全員進め!」タタタタタタッ
旧暗夜軍ランサー部隊『おおおおおおおっ!!!!』ドドドドドドッ
旧暗夜軍ボウナイトA「前進してくる敵を攻撃するぞ、全員弓構え!!!」チャキッ
旧暗夜軍ボウナイト部隊『!』チャキッ ギリリッ
旧暗夜軍ボウナイトA「打てぇ!」スッ
パシュッ パシュシュッ!
アシュラ「敵の攻撃が来るぞ! 身を隠せ!」
グアアアッ
ドサッ
アシュラ「ちっ、流石に少しは貰うか。だが、この程度なら問題ねえ」
旧暗夜軍アドベンチャラー(くっ、矢のほとんどが家屋に当たりやがる。距離を稼ぐための曲射じゃ命中率も期待できねえか)
アシュラ「このまま突っ込むぞ!」
新生暗夜軍兵士たち『はい!』
旧暗夜軍ボウナイトA「敵が広場に到達! どうしますか?」
旧暗夜軍アドベンチャラー「魔術部隊はもう少しで到着するはずだ。お前達は広場で敵を抑えに向かえ、俺達は回り込んで奇襲を掛ける。広場で止められれば、こっちの――」
旧暗夜軍ボウナイトB「た、大変です!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「どうした?」
旧暗夜軍ボウナイトB「敵のドラゴン部隊が動き始めました。数、三十以上!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「!!!!」
51 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:04:48.75 ID:CJ43w1Gz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ベルカ「みんな行けそう?」
新生暗夜軍ドラゴンナイトA「はい、問題ありません。これほどの高さがあれば十分に戦えます」
新生暗夜軍レヴナントナイトA「一刻も早く、カミラ様の援護に向かいましょう」
ベルカ「ええ、分かってるわ。そういうわけだから、私たちは先に行って弓兵の注意を引くから、その隙を突いて……」
カザハナ「うん、まかせて!」
ベルカ「それじゃ、行くわ」バサバサッ
カザハナ「そういうわけだから、みんな準備はいい?」
新生暗夜軍兵「はい!」
ツバキ「僕らは広場の左から攻撃を掛けるから、カザハナは右側から攻撃してくれると助かるよー」
カザハナ「わかってる。それじゃ、行くよ!!!!」タタタタタタッ
ウオオオオオオオーーーーッ!!!!!
ドドドドドドドドドドッ
52 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:07:11.85 ID:CJ43w1Gz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
旧暗夜軍ボウナイトB「敵ドラゴン部隊、広場に向かって来ます! このままでは戦線が維持できません!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「周辺の兵を広場に向かってるドラゴンの対処に回せ。突破は何としても阻止するんだ!」
旧暗夜軍ボウナイトB「! さらに後続の歩兵部隊が展開、進軍してきます!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「な、なんだと!?」
旧暗夜軍アドベンチャラー(このままじゃ、押し切られる。側面からの奇襲は中止して、俺たちだけでも右翼の敵を抑え込まねえと。でも、左翼と中央は抑えきれない)
旧暗夜軍アドベンチャラー(敵の攻撃速度に太刀打ちできない。中央に寄せ過ぎた戦力を配分できる余裕もない……)
バサバサッ!
新生暗夜軍ドラゴンナイトB「よし、まずは弓兵を狙え!」
新生暗夜軍ドラゴンナイト隊『おーーーーっ!!!」バサバサバサッ
旧暗夜軍ボウナイトB「敵竜騎兵がこちらに向かってきます!」
旧暗夜軍アドベンチャラー「くっ……」チャキッ
旧暗夜軍アドベンチャラー(だめだ、間に合わねえ!)
バサバサッ
新生暗夜軍ドラゴンナイトB「喰らえ!!!!」ググッ!
旧暗夜軍アドベンチャラー「!」
ザシュッ
53 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:11:22.46 ID:CJ43w1Gz0
新生暗夜軍ドラゴンナイトB「がっ」ドサッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「へっ? な、何が起きた?」
???「アドベンさん、何をしているのですか。ここを任されているあなたが項垂れていてどうします? マクベス様の御役に立ちたいのでしたら、最後まで指示を出してください」
旧暗夜軍アドベンチャラー「……わかってる。だが、そっちも来るのが遅いぞ、メイド」
旧暗夜軍メイド「ええ、それについては謝罪いたします。それよりも、今はできる限り部隊を退却させたいので援護をお願いします。ここで多くの戦力を失うわけにはいきませんから」タタタタッ
旧暗夜軍アドベンチャラー「退却って、ここであいつらを潰すんじゃねえのか?」
旧暗夜軍メイド「本来ならばそうしたいところです。あの王族の王女を含めた部隊を潰せれば、マクベス様も喜ばれるはずですから」
旧暗夜軍アドベンチャラー「なら、今こそチャンスだろ。ドラゴン共は魔法に弱いんだからよ。ここで一気に――」
旧暗夜軍メイド「わかっています。ですが、私達が到達するのに時間が掛りすぎました……。ここで待っていても私達に勝機はありません。絶対に……」
旧暗夜軍アドベンチャラー「それはどういう……ん?」
54 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:13:27.10 ID:CJ43w1Gz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カミラ「どうやら、敵の援軍が間に合ってしまったようね」
ニュクス「ええ、でもここまで戦線を上げておけてよかったわ。これならまだ持ち堪えられるは……ん? まって、西の方を見て」
カミラ「あらあら、考えていたら来てくれるなんて、運がいいわね」
ニュクス「ええ」
タタタタタタタッ
カムイ「どうにか間に合ったようですね」
マークス「ああ、各員部隊の援護に入れ! 敵にこれ以上好きにさせるな」
新生暗夜軍兵士たち『オオオオオオオオオーーーーーーッ!』
ドドドドドドドドドッ
55 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:16:02.46 ID:CJ43w1Gz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
旧暗夜軍アドベンチャラー「ちっ、敵の援軍も到着したってことか」
旧暗夜軍メイド「そういうことです。ですから、ここは放棄します。まだ手はありますし、おそらく外に出ていた彼らも戻ってきている頃でしょうから」
旧暗夜軍アドベンチャラー「今更か。もう少し早く戻ってくればあいつらの到着も遅れたっていうのによ」
旧暗夜軍メイド「仕方ありません。単純な命令にしか従わないのが、あの肉達磨の利点であり欠点でもあります」
旧暗夜軍アドベンチャラー「たしかにな。それで、ブレイブとランサーの部隊はどうなってるんだ」
旧暗夜軍メイド「現在、東門より侵入した敵部隊と交戦しているようです。まだ退却していないようですから、奮闘しているようですね」
旧暗夜軍アドベンチャラー「そうかい。今からそっちの援護に向かう感じか?」
旧暗夜軍メイド「はい、と言っても私が数名を率いて向かいます。アドベンさんは中央で敵の侵攻を喰い止めてください。あそこは私たちにとって最高の攻撃地帯ですから」
旧暗夜軍アドベンチャラー「わかったぜ。よし、大屋敷の手前まで退くぞ」
タタタタタタッ
旧暗夜軍メイド「では、東へ向かいましょう。あの二人の部隊がどうなっているかはわかりませんが、少なくともこっちの様にはなっていないでしょう」タタタタタッ
56 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:17:49.09 ID:CJ43w1Gz0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『東区域』―
キィン カキィンッ
ルーナ「はあっ! やああっ!」
旧暗夜軍ランサー女「はっ、それ!」
シャーロッテ「ルーナ、ちょっと下がりな。おらああっ!」グッ ブンッ!
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ランサー、下がれ」
旧暗夜軍ランサー女「はいよっ」サッ
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふんっ」キィィンッ ガコンッ!
ズササー ズササーッ
ルーナ「はぁはぁ、思ったよりやるじゃないの。そんな、誰もが持ってるような装備の癖に」
旧暗夜軍ランサー女「戦いの腕は装備で決まるのかもしれないけど、実際は鍛錬の差で決まるもの、そうでしょうブレイブ?」
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ランサー、軽口は慎め」
旧暗夜軍ランサー女「そこは同意してよ。それで、勝てる?」
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「愚問だな。この程度ならどうにでもなる。力強いがそれだけの攻撃だ、恐れる理由は無い」
シャーロッテ「……ちっ、むかつくこと言ってくれるじゃないの」
サクラ「シャーロッテさん……」
シャーロッテ「大丈夫。それより、私たちから離れないでよ、サクラ様」
サクラ「は、はい」
ルーナ「……」
シャーロッテ(ちっ、まさかこのタイミングでレオン様たちと逸れる羽目になるなんて、ツいてないわ。緊急事態とは言っても、これはまずいわ。それにもっとツいてないのはこの二人ね……)
旧暗夜軍ブレイブヒーロー&ランサー女『……』チャキッ
シャーロッテ(息が無駄にぴったりだし、武器の捌き方も他の奴らと一味違う。正直に言ってこの二人――)
(めちゃくちゃ強いんだけど……)
57 :
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]:2019/12/14(土) 19:18:30.47 ID:CJ43w1Gz0
今日はここまで
更新があまりできなくて申し訳ないです。
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