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【艦これ】伊19「魔法の鏡」
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1 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:04:44.47 ID:AHXXTsTc0
【艦これ】しおい「人魚」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1564806716/
【艦これ】北上「笠地蔵」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1565713898/
【艦これ】島風「祠」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1569270915/
とかの続き、と言い張るのはさすがにそろそろどうなんだろうと思わなくもない。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1570997084
2 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:05:54.79 ID:AHXXTsTc0
女「…」
私は少し気どったポーズを取って立ち鏡を見た。
高くもなければ低くもない私の身長と同じくらいの大きさの鏡。
電気は通っていないがお昼前なので二階のこの部屋にはちょうどいいくらいに日射しが差し込んでいた。
今日は珍しく人と会う約束をしている。
人、と言うのかは微妙なところだがまあそこは言葉のあやだ。
ともかくこれから人と会うのだ。
それにあたって私はおめかしをしていた。
オシャレをしていた。
念入りに、気合を入れて、張り切って、切羽詰まって。
3 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:06:58.31 ID:AHXXTsTc0
というのもソイツがめっちゃ可愛いのだ。
少なくとも見た目の年齢は私と同じ、華のJKと言っていいだろう。
残念ながら高校なんて今はないが年齢で言えば私はJKだしJKでいいだろう、うん。
なのに相手のJKがめちゃくちゃ可愛いのだ。ボンキュッボンなのだ。
くだらない、とは思うのだがここで諦めて実用一点張りの普段着なんかで会おうものなら戦う前から戦意喪失、不戦勝をくれてやるような気がしてなんというか非常に不愉快なのだ。
ようは女の意地だ。
ただ問題があった。
人類が概ね滅んだこの世界では流行最先端の服はない。つか新しい服なんてない。
人がいなけりゃ流行もない。何がいいかもわからない。
幸い私が無人の住宅街で見つけ忍び込んだこの家には服が大量にあった。
そこで私は何十年前かもわからないファッション雑誌を読み漁り自分の美的センスと照らし合わせながらどうにか服を選んだのだ。
それを着て、さてどんなものかと部屋の立ち鏡を見た。見たのだ。
つまり私はバッチリお洒落してポーズを取ってる私を見るはずだったのだ。
なのに…
4 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:08:22.43 ID:AHXXTsTc0
「あー!!やっと見てくれたのね!!」
女「」
女がいた。鏡の中には私じゃない女、というか少女がいた。
「いや〜正直もうダメかと思ってたの。イク、ちょっと感動なのね」
髪は青い、いや紫か?しかも先端に行くにつれピンクっぽいグラデーションになってる。
「あ、私の声聞こえてるの?いやもうこの際聞こえてなくてもいいのね!」
それにツイン、トリプル、あれトリプルの次ってなんだ。ともかくツインテール以上の何かで、スク水だ。確か雑誌にはスク水と書いてあったやつだ。
「でもでもこうしてコンタクトは取れるって事は繋がってるのは確かなのよね。なのにこの隔たりはどういうわけなのかしら?」ウーム
私よりも二回り小柄で、まるで水の中にいるかのように鏡の中で浮いている。
「私だけじゃ状況の理解はちょっと無理そうなのね。やっぱり妖精さんがいないのが原因なのかしら」
しかもなんだこの娘。ボインだ。とんでもないボインだ。これから会うアイツレベルでボインだ。
なんで私の周りにはこんなにスタイルのいいのばかり集まるんだ!嫌味か!この絶壁に対する攻撃か!
「なんにせよ会えて嬉しいの!色々と言いたいことが溜まってて何から言うか迷うところなんだけど、とりあえず今目の前の状況を見て思いついたことから言ってみるのね!」
鏡の中でまるで水で満たされたコップの中を泳ぐ魚のようにふわふわと漂う彼女は心底嬉しそうに私に向かって言い放った。
「その服装ダサいのね!」
女「あ゛?」
5 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:09:16.41 ID:AHXXTsTc0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「あの〜、大丈夫?」
女「あ゛あ゛?なんか用!?」
声の主を無視してハンガーを持ち構えを維持する。
次見えたら確実に当ててやる。眉間にだ。
「うわっ!なになにどうしたの?部屋ぐっちゃぐちゃじゃ〜ん。ゴキブリでも出た?」ガチャ
あの野郎なんの躊躇もなく部屋の扉を開けて入って来やがった。
女「そんな虫けらどうでもいいの!今はあの生意気なボインをぉ!!」
何処だ?次は何処に!
「ボイン?」
「あー!鈴谷なのー!!」
鈴谷「へ、誰?ってうわっ!?何これ!」
女「そこかぁ!!」
声の方を向く。
なるほど今しがた鈴谷が開けた部屋の扉。そこに嵌め込まれているガラスにボインが映っていた。
鈴谷「えぇ!ちょっとタンマタンマ!!ストップストォォップ落ち着いて!!一体何があったの!?」
女「どうもこうもないわよ!そいつがいきなり鏡に現れて!鏡使えないし!しかも私の服がダサいとか訳の分からん事言い出すし!!」
鈴谷「「いやそれはダサい(のね」」
女「あ゛!?」
6 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:10:00.66 ID:AHXXTsTc0
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴谷「へ〜そっかこの娘が。ふ〜んなるほどなるほど」
所詮勝手に忍び込んでるだけの家。リビングなどを掃除しているわけもないのでぐちゃぐちゃになったこの部屋に二人、と一人で落ち着く事になった。
室内でも何十年とほっとかれてると色々酷いのよね。
女「そもそも鈴谷はなんで入ってきたの」
鈴谷「え〜だってなんかすっごい物音がしたから」
こんな時代に泥棒なんていようはずもなく、だから私は鍵なんてかけてなかった。
つか私が泥棒なわけだし。勝手に入ってる人なわけだし。
鈴谷「ビックリしたもん。待ち合わせ時間ピッタに家の前に来たのにさ」
女「あ」
時計を見る。うわ時間過ぎてる。
鈴谷「まあその辺りはどうでもいい些事の範疇だとして、この娘よ問題は」
いつもの立ち鏡は私が叩き割ってしまったので別の部屋から少し小さめの鏡を持ってきた。
鏡に合わせて小さくなってはいるが、ボインは相変わらずその中で揺れている。
7 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:10:52.43 ID:AHXXTsTc0
鈴谷「伊19、よね。その姿は」
「…ふーん、そっか、そうなのね。"鈴谷は違うのね"」
鈴谷「うん、多分私はアナタと違う」
女「おいおい待て待て私を置いて話を進めるな」
鈴谷「あ〜ゴメンゴメン。とりあえず自己紹介ね。私は鈴谷。艦娘"もどき"で〜すヨロシク」
女「詐欺師で〜す」
鈴谷「嘘はついてないじゃん!」
女「はいはいなんとでも言え。私は女。華のJKで〜す」
鈴谷「今日日JKて」
女「うるさい」
「素敵な人達で嬉しいのね!伊十九なの。そう、イクって呼んでもいいの!」
女「まずさ、その伊19って何?」
イク「名前なの」
女「いや名前ではないでしょ」
鈴谷「名前なのよ。潜水艦はね」
女「潜水艦?」
8 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:11:51.38 ID:AHXXTsTc0
イク「そう、伊号潜水艦。イクなのね!」
鈴谷「潜水艦はちょっと特殊なのよ。ちょっとってーかかなりね」
女「…そんなの聞いてない。艦娘ってのは艦でしょ?潜水艦なんているの?」
鈴谷「だって言ってないもん」
女「…」
やはり詐欺師だこの女。
鈴谷「それで、何があってこうなったの?詳しく聞かせてちょ〜だい」
女「詳しくって言っても、アンタから言われた通りにやっても艦娘が召喚出来なくて、文句言ってやろうと今日を迎えたら鏡の中にって、それだけよ」
そう。それこそが私が鈴谷と出会ったきっかけであり今日会う約束をした理由だ。
初めは向こうから接触してきた。
"艦娘に会いたいか?"と。
だから私は私の持てるものを全部差し出してその方法と道具を詐欺師から受け取った。
なのに何も起きなかった、と思っていた。
9 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:12:58.52 ID:AHXXTsTc0
鈴谷「ふむふむ。それで、イクちゃんの方はどうなの?」
イク「イクは呼ばれた時からずっといたの。ただ私はずっとこんな感じに海の中で、アナタの事は見えていたけど触れる事が出来なかったの」
女「そしたら鏡越しに出会えたと」
イク「そうなの!もう諦めかけてたところだったのね」
鈴谷「なるほどねぇ。これは興味深い。でもとりあえずアナタは私に言うことがあるんじゃなぁい?」
女「な、何よ」
鈴谷「鈴谷を詐欺師だとか言ってたじゃ〜ん」
女「いやそれはその通りでしょ。一回くらい嘘つかなかったからって許されるとでも」
鈴谷「なんで!なんでそんなに当たりが強いの!?」
10 :
◆rbbm4ODkU.
[saga]:2019/10/14(月) 05:13:37.29 ID:AHXXTsTc0
鈴谷「もぉいいや…で?"アナタは何を願ったの?"」
イク「願った?」
鈴谷「そ、艦娘を呼ぶには願わなきゃいけないからね。在りし日のなんやかんやを形作るだけの強い思いが必要なの」
女「…」
鈴谷「何、その沈黙」
女「なんか恥ずかしくて」
鈴谷「別に恥ずかしく思うこともないでしょ。今は誰もが自分の願いに自由でいられる時代だからね」
女「…艦娘が何を見ていたのか知りたい」
鈴谷「?」
女「知りたかったのよ。もどきじゃなくて、本当の本物の艦娘達が何を思って、何を聞いて、何を見ていたのか。私の知らないあの赤い海に」
鈴谷「…へぇ」
イク「…」
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