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【百合】短編百合SS集【短編】
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121 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:19:00.83 ID:2Uy/g9K90
女2「うふふ、良かったぁ。じゃあ……」
女1「うん」
女2「さばくね」
女1「えっ」
女2「よいしょっと」ガタン ガチャ
女1「えっ」
女2「……大丈夫」
女1「えっ?」
女2「食用だよ」
女1「えっ、あっ」
女2「出来るまで、リビングでテレビでも見ててね〜」
女1「あっ」
鯉「……」パクパク
・
・
・
122 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:19:45.47 ID:2Uy/g9K90
・
・
・
……――国が滅びたのに、王だけ生きてるなんて――……
女1「……」
女1「……」ボケー
女1「……」
女1「……」
バタンッ
女1「!?」ビクッ
ビタンビタン バタタタッ!!
バタンッ
女1「……」
123 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:20:40.12 ID:2Uy/g9K90
女1「……」チラッ
ガンッ!!
女1「っ!?」ビクーッ
ガン! ガンガンッ!!
ゴッ!!!
女1「……」
女1「……」
シーン……
女1「……」ドキドキ
女1「……」
124 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:21:18.26 ID:2Uy/g9K90
女1「……」
女1「……?」
ゴリリッ
女1「……」ビクッ
ゴリッ バリッ
バリッ バリバリッ バリリッ
女1「……」
女1「……」ソワソワ
バキバキバキバキッ!!
メリメリメリメリ!!
パキッ!!
パキパキパキッ!!!
女1「……ハワ」
女1「……ハワワワワ」ガクガクガク
125 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:22:07.15 ID:2Uy/g9K90
女1「……ヒエ」
シーン
女1「……」ドキドキ
女1「……」
女1「……」
女2「あ、そうそう」ヒョッコリ
女1「ヒッ」
女2「冷蔵庫にビール冷やしてるから、好きに飲んでね」
女1「アッ、ス。……ザッス。スンマセンッス」
女2「え、なんで敬語」
126 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:22:40.13 ID:2Uy/g9K90
〜鯉のあらい百合・終〜
127 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:23:19.11 ID:2Uy/g9K90
〜老いらくの百合〜
128 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:23:50.62 ID:2Uy/g9K90
〜老人ホーム〜
職員「じゃー、今度はみなさんも一緒にぃ―! はいっ!」
むーすーんーでー、ひーらーいーてー
老婆1「……」ニコニコ
てーをーうってー、むーすんでー
職員「はぁい、みなさんお上手ですよーっ!」
老婆1「……」ニコニコ
129 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:24:30.90 ID:2Uy/g9K90
職員「では次は、2人1組になってくださーいっ! どなたとでも結構ですよー!」
ガヤガヤ
ガヤガヤ
老婆1「……」ニコニコ
おーきなくりのー――……
老婆1「……」ニコニコ
老婆2「ちょっと、あんた」
老婆1「……あら、私?」
老婆2「そうよ、あんた。何ボサッとしてるのよ。2人1組って言われてたの、聞いてなかったの?」
130 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:25:06.24 ID:2Uy/g9K90
老婆1「あらあら……。ごめんなさいねぇ、私、こういう施設は今日が初めてなものだから……。勝手が分からなくて」
老婆2「……あー、そう。いいから、早く組む相手探しなさいよ。ずっとボサッとしてると、あのレクの職員に、後でネチネチ絡まれるわよ。性格最悪なんだから、あの小娘」
老婆1「あらぁ、それは困るわねぇ……」ニコニコ
老婆2「だったらもっと、困った顔しなさいよ……」
老婆1「それじゃあ――……、はいっ」ギュッ
老婆2「……」
老婆1「一緒にやりましょう?」
老婆2「あんた……」ハァ
老婆1「あら……、駄目だったかしら?」
老婆2「……あのね」
老婆1「ひょっとして、お嫌だった?」
老婆2「別に、構いやしないわよっ! やってやるわよ! まったく、仕方のない……っ」
131 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:25:50.25 ID:2Uy/g9K90
老婆1「よかったわぁ。……うふふ、ボサッとしてみるものね」ニコニコ
老婆2「何がよ」
老婆1「だって、こんな可愛らしいおばあちゃまに、声をかけてもらえるなんて」
老婆2「あ、あんたね……。あんた……、ほんと……」
老婆1「ふふっ、本当のことよ?」
老婆2「……ったく」ハァ
老婆1「今日から、仲良くしてくださると嬉しいわ!」ニコニコ
老婆2「……」
132 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:26:26.05 ID:2Uy/g9K90
老婆1「ねっ、いいでしょ?」
老婆2「あー、はいはい。いいから、ほら。さっさとやるわよ、適当に」
老婆1「おーきなくりのー」
老婆2「……」
老婆1「きの、した、でっ?」
老婆2「逆よ、逆」
老婆1「あら、あら」
老婆2「それじゃ木の上になるでしょうが」
老婆1「あら、あらら」
・
・
・
133 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:27:17.73 ID:2Uy/g9K90
・
・
・
〜翌日〜
・
・
・
老婆1「……」ニコニコ
老婆1「……」ニコニコ
老婆1「……」ニコニコ
老婆2「ちょっと、あんた」
老婆1「……あら、私?」
老婆2「そうよ。何ボサッとしてるのよ、こんなところで。もうお昼の時間よ」
老婆1「あら、あらあら……」
134 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:27:57.78 ID:2Uy/g9K90
老婆2「……」
老婆1「ごめんなさいねぇ。私、こういう施設は今日が初めてなものだから、勝手が分からなくて」
老婆2「……あー、そう。いいから、早く行きなさいよ。タラタラしてると、空いてる席、なくなっちゃうわよ」
老婆1「あらぁ、それは困るわねぇ」ニコニコ
老婆2「だったらもっと、困った顔しなさいよ……」
老婆1「うふふ」
老婆2「何よ」
老婆1「ボサッとしてみるものねぇ。こんな可愛らしいおばあちゃまに、声をかけてもらえるなんて」
老婆2「……――あんたが」
老婆1「……?」
135 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:29:27.85 ID:2Uy/g9K90
老婆2「……あんたなのよ、可愛いのは。ずっと……。昔から……、今だって――……」
老婆1「……何か、おっしゃったかしら?」
老婆2「……何も言ってないわよ。ほら、行きなさいな」
老婆1「えぇ」ギュッ
老婆2「……」
老婆1「一緒に行きません?」
老婆2「……はぁ、仕方のない」
老婆1「……」ニコニコ
老婆2「……分かったわよ!」
老婆1「うふふ……。今日から、仲良くしてくださると嬉しいわ」
老婆2「……はいはい」
老婆1「……♪」ニコニコ
136 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/22(火) 21:29:55.08 ID:2Uy/g9K90
〜老いらくの百合・終〜
137 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/22(火) 21:30:26.12 ID:2Uy/g9K90
今日はここまでです
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/10/23(水) 07:18:54.36 ID:i1Gt85Fvo
切ねえ……
139 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:49:50.52 ID:AmFLpgY70
〜異世界転生百合〜
140 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:50:42.90 ID:AmFLpgY70
女「えいっ、炎の魔法!」ボワァ!
女店主「うひゃあ!」
女「雷の魔法! 氷の魔法!」カキーン
女店主「つつ冷たぁい!」
女「ふふふ……、今のはほんのデモンストレーション……。本気の1万分の1も出していませんよ」
女店主「そ、そうなんだ……」
女「魔法だけじゃありません! 剣や弓、はては銃まで、ありとあらゆる武器のスキルも全てレベル上限突破!」
女店主「はぁー……」
女「さらに全てのステータスもカンスト済み!」
女店主「へぇぇ……」
女「この世界に転生するときに、ありとあらゆるチートを与えられたのです! まさに転生無双! この世界に私に敵う相手などいません!」
女店主「そ、そりゃすごいね……」
141 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:51:12.39 ID:AmFLpgY70
女「でしょう!? 私を雇えば、どんなモンスターが出ても、もう怯える必要もないんですよ!?」エッヘン
女店主「はぁ……、とは言えねぇ……」
女「……」
女店主「モンスターなんて出ないし……」
女「……」
女店主「あとウチ、コンビニだし……」
女「でーすーよーねぇーーーー!」
女店主「う、うん」
女「あぁぁー!!!」
女店主「だ、大丈夫?」
142 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:52:01.51 ID:AmFLpgY70
女「あー! せっかく! せっかく憧れの転生チートを手に入れたのに! なのに! なんで元の世界とほぼほぼ一緒なんですか!!」
女店主「えぇ……」
女「普通の街並み! 普通の眺め! 普通に電車が走ってるし、普通にサラリーマンが出勤とか……! 異世界なのに!!」
女店主「だってここ立川だし……」
女「しかも何なんですか、コンビニって! どうして異世界にコンビニがあるんですかぁ!!」
女店主「た、立川だから……、なんかごめんね……」
女「はぁ……。せっかくの転生チートなのに……。何も知らない現地民を相手に知識でも無双できると思ったのに……」
女店主「そ、それはよく分からないけど……」
女「はぁぁ……」
143 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:52:33.01 ID:AmFLpgY70
女店主「でも、とってもスゴい力なわけだしね、せっかくなんだから、その力を活かせる仕事を探した方がいいと思うけど。その……、コンビニバイトよりも」
女「……たとえば?」
女店主「え!? あの……、人や物を、その力で守ったりとか」
女「……」
女店主「えーと……建物とかも」
女「警備員ですよね、それ」
女店主「り、立派な仕事よ?」
女「そうだけど! そうですけど! でもチートいらないじゃないですか!!」
女店主「じ、じゃあ、魔法を活用するのは? 人前でやったら、みんなビックリすると思うし! テレビに出て大スターとか……」
女「……見世物にされて変な番組出されて、インチキ扱いされた挙句、SNSとかで炎上するのがオチですよ……」
女店主「ネガティブ過ぎない!? っていうか、そっちの世界にもSNSとかあるんだ……!」
女「むしろこっちにもあるんですか……」
144 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:53:22.48 ID:AmFLpgY70
女店主「……なんか、ほぼほぼ一緒ね」
女「だから、そうなんですって」
女店主「余談だけど、なんてトコから転生してきたの? 貴方」
女「チチイナ県ラブポス市」
女店主「う〜ん、異世界だなぁ……」
女「全然、そんな感じしないですけどね」
女店主「……まあでも、どんな仕事にせよ」
女「……」
女店主「せっかくスゴい、チート? 持ってるんだから」
女「……」
女店主「もっとお賃金が良かったり、待遇が良いお仕事探した方がいいと思うけど……」
145 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:54:27.63 ID:AmFLpgY70
女「そもそも私……」
女店主「ん?」
女「こっちの世界に、戸籍も履歴もないですし……」
女店主「……あぁ」
女「そんなんで雇ってくれるところも、あるわけないですし……」
女店主「まぁ、それもそうねぇ……」
女「うぅぅ……っ!」グス
女店主「わっ、そんな、何も泣くこと――……」
女「お願いしますっ!」ガバッ
女店主「わっ!」
女「お願いです、ここで働かせてください!真面目に働きますから! フルタイムで週5いけますから!」
女店主「ちょ、ちょっと! ちょっと落ち着いて! っていうか週休2日は譲らないのね!」
女「チート能力もありますからぁぁ!!」
女店主「それは別にいいかな!」
146 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:55:05.11 ID:AmFLpgY70
女「うぇぇぇぇん!」グスグス
女店主「あぁ、もう。泣かないでよぅ」
女「うぅぅ……」グスグス
女店主「……そういえば、貴方、お家は?」
女「あるわけないじゃないですかぁ……」グス
女店主「ま、まぁ、そっか……。じゃあさ、あの……」
女「……?」
女店主「とりあえず……、私の家、来る……?」
女「え……」
147 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:55:30.98 ID:AmFLpgY70
女店主「しばらくウチにいてさ、落ち着いたら色々……、資格取ったり、仕事探してみたりしたら、いいんじゃないかな?」
女「そ、それは、ありがたいですけど……。でも……」
女店主「でも……?」
女「い、いいんですか? 私みたいな、どこの馬の骨とも知れないようなヤツを、そんな簡単に……」
女店主「困ったときは、お互い様。でしょ? それに――……」
女「それに?」
女店主「違う世界の女の子なんて、何だか素敵じゃない?」
女「……」
女店主「うふふっ」
148 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:56:17.49 ID:AmFLpgY70
女「……店主さんって、あの……結構変わってますね」
女店主「貴方に言われたくないわよぅ」
女「それじゃ、あの、えっとぉ……」モジモジ
女店主「はい」
女「ふ、ふつつかモノですが、よろしく、お願いします」ペコリ
女店主「ふふっ、こちらこそ。……あ、でも一緒に暮らすからには、家事とかはちゃんと、手伝ってもらうわよ?」
女「うぅぅ……が、がんばります……」
女店主「チート級のお料理スキル、期待してるんだから」
女「あ……、すみません、料理はこれっぽっちも」
女店主「チートって、何かしらねぇ……」
女「あぁぁぁん! やっぱり普通の異世界転生がよかったぁぁぁ!!」
149 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:57:00.74 ID:AmFLpgY70
〜異世界転生百合・終〜
150 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/24(木) 22:58:26.64 ID:AmFLpgY70
今日はここまでです
151 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:20:07.50 ID:cu4HQV2C0
〜オカ研百合〜
152 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:20:33.20 ID:cu4HQV2C0
真知「アーーールーーー、エルステーーー、オリニレーーー」
サクラ「……」
真知「ナーーーメルステーー、ルクレーーーー」
サクラ「……」
真知「ニーーーレステーー、ニヤルスーーーー……」
サクラ「……」
真知「ウーニャ!!!!」
サクラ「うっさ! 声でかっ!」
真知「ちょっと、集中してよね! 今いいとこでしょ!」
サクラ「いいとこなんだ……。知らんけど……」
153 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:22:09.14 ID:cu4HQV2C0
真知「何で知らないのよ。マニュアル作ってあげたじゃない。読んでないの?」
サクラ「ウチのパソコン、パワポ見れねえし」
真知「先に言ってよ……って、ああ! アセンション切れた! あーもう、また最初からだ……」
サクラ「なぁー、もういいじゃん。何も起きないってー。帰ろうぜー」
真知「何言ってんの。今日は10年に1度のペガサス座5次元時空大接近の日でしょ! このタイミングを逃すわけがないでしょ!」
サクラ「ペガサス座て。アンタね、それどんだけ遠いと思ってんだよ。いや、私もよく知らんけど」
真知「ペガサス座α星までの距離は、地球から約133光年よ」
サクラ「だろー? そんなん、もし仮にペガサス星人さんたちが、このトンチキ儀式見てたとしても、そのお返事が届くまでに何千年かかることやら……」
真知「ペガサス星人じゃなくて、ウニャ星人。彼らは高次思念生命で、その精神エネルギーは時間も空間も超越した、5次元概念粒子の波動だから、そのメッセージは、約133光年ならだいたい、1時間で到達するわ」
サクラ「げ……、まさか1時間も続ける気かよ」
真知「当然でしょ。っていうか、そういうのも全部、マニュアルに書いたんだから。ちゃんと読んでおきなさいよね」
サクラ「でもあのマニュアル、サイズが1ギガもあったんだけど……」
154 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:22:34.87 ID:cu4HQV2C0
真知「はぁ……、いいから、ほらもう1回、最初から」
サクラ「あー……、えーっと? ニャーニャーニャーだっけ?」
真知「全然違う! 真面目にやんなさいよ!」
サクラ「えっへへ……」
真知「もう……。何で貴方みたいな人が、オカ研に来たの……」
サクラ「そりゃ、アンタがいるから」
真知「なっ……!?」
サクラ「マジでさ」
真知「ふ、ふざけな――……」
サクラ「いやー、こうやって密室で2人きりだなんて、感ムリョーだなぁー……」
真知「ば……ばばば馬鹿言ってないで、せせ、精神集中! アセンション高めて!」カァァァ
サクラ「へいへい」
真知「……はぁ、ふぅ……」スーハー
155 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:23:28.85 ID:cu4HQV2C0
サクラ「……」
真知「……エーーーーウミャーーーー、ニャクテーーーー」
サクラ「あ、赤くなってる。可愛い」
真知「エニ……っっ!? ばっ、馬鹿ぁ!」カァ
サクラ「なぁ」ズイ
真知「っ!?」
サクラ「私と一緒って……、イヤ?」
真知「そ……っ!?」
サクラ「……」
真知「それは……!」
サクラ「……」
真知「……、その……」
サクラ「……」
156 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:24:13.02 ID:cu4HQV2C0
真知「あの……、その……」
サクラ「……」ユラ
真知「……えと、えっと……」
サクラ「……」ユラユラ
真知「……」
サクラ「……ぅ」フラ
真知「……?」
サクラ「……ぅ、ぅ、うぐぅぅぅぅ……!?」ガクン
真知「えっ! な、何!?」
サクラ「わ……、分からない……っ! だ、誰か……誰かの声が、急に頭の中に……っ!」ガクガク
真知「そ、そんな……っ! まさか本当に……? ね、ねえ! ちょっとっ!」
サクラ「あぁぁっ! 私の……私の意識がっ、誰かに乗っ取られていく……っ! やめろ……ウゥゥゥッ!」
真知「ねえ! しっかりして! ねえったら!」
サクラ「……!」ガクン
真知「サクラ!」
157 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:24:53.79 ID:cu4HQV2C0
サクラ「……」
真知「……」
サクラ「……」ユラァ
真知「……!」
サクラ「……アー、アー」トントントントン
真知「……」
サクラ「ワーレーワーレーハー……、ん゛っ! ん゛ン゛ッ」
真知「……」
サクラ「ワーレーワーレーハー、宇宙人ダー」トントントン
真知「1人じゃん……」
158 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:25:29.85 ID:cu4HQV2C0
サクラ「コーヨーイー、キーサーマーヲー、アベ……、アデ――……、アトラクション、スールー」トントントン
真知「アブダクションでしょ……」
サクラ「……アブダクションスルー」トントントン
真知「……はぁ」
サクラ「成増マーデー、アブダクションスールー」トントントン
真知「なんで成増……」
サクラ「ワタシノ、アパートガアルカラー」
真知「……」
サクラ「夕飯モー、出シマスー」
真知「……はぁ」
159 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:26:11.02 ID:cu4HQV2C0
サクラ「……」
真知「……もう」
サクラ「……」
真知「しかたないなぁ……」
サクラ「えっ」
真知「……いいよ」
サクラ「えっ、……えっ!」
真知「……アブダクション。してくれるんでしょ? 宇宙人さん!」
サクラ「する! するする! しますします!」
真知「あんまりヘンなことは、しないでよね?」
サクラ「しないしない! しません!」
160 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:26:38.90 ID:cu4HQV2C0
真知「……だったら」
サクラ「……あ」
真知「いいよ。さらわれてあげる」
サクラ「うぉぉぉ! っショイ! っしゃぁ!」
真知「うっさ……」
サクラ「よし! なら行こう! すぐ行こう! 銀河を超えてペガサス座まで!!」
真知「成増でしょ……」
サクラ「私のハイテクUFOでー!!」
真知「東上線でしょ……」
161 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/26(土) 23:27:07.92 ID:cu4HQV2C0
〜オカ研百合・終〜
162 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/26(土) 23:28:18.04 ID:cu4HQV2C0
今日ハココマデデス
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/10/27(日) 00:11:05.70 ID:0F7easq6o
よいですねえ
164 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:01:00.56 ID:k2SSbmj+0
〜メヌエット百合〜
165 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:01:31.68 ID:k2SSbmj+0
〜♪ 〜〜♪♪
〜♪
地味子「……」
令嬢「……ふぅ」
地味子「……」
令嬢「……」
地味子「ね、もう一回合わせない?」
令嬢「なぁ〜んでよ〜〜〜、もぉ〜〜〜」
地味子「ごめん! もう一回だけ!」
令嬢「なんなのよ! 今ので完璧だったでしょ!」
地味子「う、うん……、そうなんだけど」
令嬢「もう日が暮れちゃうじゃない! 何なの!? 今日は学校に泊まってやるつもりなの!?」
地味子「ち、ちがうって。ほんと、最後一回だけだから……」
166 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:03:11.67 ID:k2SSbmj+0
令嬢「コンサートは明日なのよ。今さらジタバタしたって、どうにもならないじゃない」
地味子「いや、分かってるけど、でも……」
令嬢「そもそも、3年間ずぅっと一緒にデュオやってきた曲よ? 普段の部活でも、コンクールでも、あの謎のお祭りでも……」
地味子「S町サボテン祭りは、30年続く由緒ある地域のイベントで……」
令嬢「100回聞いたわよ! なんなの!? どういう郷土愛!?」
地味子「じゃあ、ごめん、頭から――……」
令嬢「しれっとはじめようとしてるんじゃないわよ! ……もう、なんでコンクールでもない、ただの演奏会に、そんな必死になってるのよ……」
地味子「……う、うん、でも……、そうじゃなくて」
令嬢「なによ」
地味子「……明日が、最後だから」
令嬢「……」
地味子「人前じゃなくて、演奏するの……、今日で終わりだから」
令嬢「……」
167 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:03:51.43 ID:k2SSbmj+0
地味子「……だから」
令嬢「チョップ!」ビシッ
地味子「あうっ」
令嬢「あのね! 私は! 最後じゃないの!!」
地味子「あ、そ……そうだよね。令嬢ちゃんは、音大だもんね……」
令嬢「そうよ! 春からは晴れて、花の音大生! ……ったく、やっとこんな田舎とサヨナラして、東京に戻れると思うと、楽しみで仕方ないわ」
地味子「す、すごいなぁ……、音大生なんて。さすが令嬢ちゃん」
令嬢「……あんただって」
地味子「え?」
令嬢「……あんたなら、その気になれば、音大くらい……、全然余裕で行けたんだから……」
地味子「そんなこと……」
168 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:04:37.02 ID:k2SSbmj+0
令嬢「あんたは! ……あんたにはね、それだけの才能が……」
地味子「うふふ、うまいなあ、令嬢ちゃんは」
令嬢「私は本気で――……っ!」
地味子「……でも、決めちゃったから。看護学校行くの。……えへへ」
令嬢「……何がおかしいのよ」
地味子「だって」
令嬢「……」
地味子「令嬢ちゃん、いつも褒めてくれるから。私のこと」
令嬢「……」
地味子「私のクラリネット、好きだって言ってくれたのも……、令嬢ちゃんだけだから」
令嬢「……」
地味子「ありがとう」
169 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:05:19.70 ID:k2SSbmj+0
令嬢「……どういうタイミングで言うのよ、それ……」
地味子「え、えへへ、そうだよね……」
令嬢「バカ……」
地味子「ごめん……」
令嬢「……」
地味子「……」
令嬢「……」
地味子「……」
令嬢「……終わりなんて」
地味子「え……?」
令嬢「終わりなんて、言わないでよ……。最後なんて……」
地味子「……だけど」
170 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:05:58.88 ID:k2SSbmj+0
令嬢「奏者になれなんて、もう言わない。……でも、だけど……」
地味子「令嬢ちゃん……」
令嬢「私は……、私はまた、あんたと……っ」
地味子「……そうだね」
令嬢「……」
地味子「続けるよ、クラリネット」
令嬢「……うん」
地味子「誰にも聴いてもらえなくても、色んなこと、嫌になっちゃっても……。続ける」
令嬢「うん」
地味子「だから」
令嬢「……」
171 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:06:27.15 ID:k2SSbmj+0
地味子「だからさ、5年後――……、ううん。10年後でもいい。20年、30年たっても」
令嬢「……」
地味子「一緒に、やってほしいな」
令嬢「……」
地味子「私と、この曲を」
令嬢「……バカ」
地味子「……」
令嬢「当たり前でしょ……」
地味子「……えへへ」
令嬢「いつかまた」
地味子「いつかまた、この曲を」
令嬢「この曲を、2人で」
地味子「えへへ……っ」
令嬢「……ふふっ」
地味子「……そうと決まれば! ねっ、もう一回! もう一回だけ!」
令嬢「結局それなのね、あんたは……」
172 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/27(日) 22:07:22.93 ID:k2SSbmj+0
〜メヌエット百合・終〜
173 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/27(日) 22:08:07.89 ID:k2SSbmj+0
今日はここまでです
174 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:15:20.71 ID:Br41nEN20
〜魔女の館百合〜
175 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:16:03.53 ID:Br41nEN20
女「……いやぁ、やっぱり昔と、全然変わったねぇ」
女友「そうかなぁ。全然でしょ。なーんもない、田舎のまんま」
女「いやいや、相当変わったって」
女友「ってか、そんな昔ってほど、昔じゃないじゃん。5年前くらいでしょ? 東京行ったのって」
女「6年だよ。中学からもう、向こうの学校だったわけだから」
女友「それにしてもよ」
女「でもほら、この用水路も」
女友「あぁ、確かに。子供のころはフェンスとかなかったかも」
女「そうそう。危なかったよね、人食い用水路とか呼ばれて」
女友「そうだった、そうだった」
176 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:17:19.48 ID:Br41nEN20
女「あと、駅前の商店も、コンビニになってたし」
女友「あそこ、お婆ちゃんが亡くなってねー」
女「えぇー、そうなんだぁ……。ちょっとショックー」
女友「ま、あの当時からもう、いい歳だったしね」
女「……あ」
女友「ん?」
女「ここ……」
女友「あぁ……、『魔女の館』ね。昔、ちょっと騒がれたよね。心霊スポット的な感じで」
女「まだあったんだ……」
女友「そりゃあるでしょ。古いけど、立派なお屋敷だし」
女「……」
女友「普通に誰か、住んでるでしょ」
女「え……そうなの? 知ってるの?」
女友「え? いや、知らないけど。見たことないし」
177 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:18:33.40 ID:Br41nEN20
女「……」
女友「でもほら、塀? っていうか柵? 格子になってるから、庭とか見えるじゃん。結構手入れとか、されてるっぽいし」
女「そっかぁ」
女友「……? どうかした?」
女「思い出した……。私さぁ」
女友「うん」
女「昔、入ったことあるんだよね。ここ」
女友「嘘っ!? なんでなんで!?」
女「探検的な? あ、建物は入ってないんだけどね。庭まで」
女友「うわぁ……。え、それって、いつくらい?」
女「小4とか、小5くらいの時だったかなぁ……」
女友「ヤンチャだねぇ」
女「昔はね」
178 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:19:16.57 ID:Br41nEN20
女友「それで?」
女「ん?」
女友「どうだった? 中の感じとか」
女「……」
女友「……」
女「……あぁ」
女友「……?」
女「……」
女(そうだ……、思い出した。あの時は――……)
・
・
・
179 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:19:47.77 ID:Br41nEN20
・
・
・
子供の頃の女『……』
女『よッ……』ヒョイ
女『……っと』
女『んしょ……』
女『……ほいっ』スタッ
女『……』ムフー
女『……』
180 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:20:14.76 ID:Br41nEN20
女『……』
女(ここが……)
女(『魔女の館』……)
女『ふわぁ……』
女(でっかい)
女(ひっろい)
女『……』
女(ここには魔女が……、子供をカエルに変えちゃう、怖い魔女がいて……)
女『……』ゴクリ
181 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:20:59.02 ID:Br41nEN20
??『あら!』
女『っ!?』ビクッ
少女『あらあら! お客様だわ! いらっしゃい!』
女『あっ、あぁっ』
女(魔女……!? 魔女……この世のものじゃなくて、ザンコクで……)
女(子供を……カエルに……)
女(私のことも……っ!?)
女『ひぇ、ふぇ……ご、ゴベンナ゛ザ――……』
少女『あら? どうかされたの?』
女『アノッ、アッ、ソノッ!』
少女『うふふ、さあさあ、こちらいらして! 可愛いお客様!』グイッ
女『あっ……!』
スタスタ
182 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:21:34.63 ID:Br41nEN20
女『……』
女(女の子――……)
女(すごくキレイ……、お人形さんみたい。髪もフワフワで、キレイなドレスで――……)
スタスタ
女『あわっ、あわわわ』
少女『ちょうどお庭で、お茶をしていたところなのよ』
女『へ? あっ、え……っ』
少女『さ、おかけになって?』
女『えっ、で……っ、でも……』オドオド
少女『ねっ』
女『う……っ、ハ、ハイ……』
183 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:22:21.36 ID:Br41nEN20
女(魔女……、魔女だ……。絶対そうだ……)
女(テーブルもイスも、こんなに立派で……)
女(並んだカップもお菓子も、映画みたいで……)
少女『さ、お茶をどうぞ?』スッ
女『……』
女(こんなところに、女の子がひとりきりなんて……、絶対におかしい……)
女(それに……)
少女『うふふ、たくさん飲んでね? おかわりもあるのよ?』
女『うぅぅ……』ゴクゴク
少女『ああ、本当に楽しいわ! これってお茶会ね!? お茶会にお客様が来てくれるって、なんて素敵なんでしょう!』
女(それに、こんなキレイな子が、本当にいるなんて! 絶対に! 普通じゃない!)
184 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:23:01.30 ID:Br41nEN20
女『うぅ……っ!』
少女『ふふ、クッキーも召し上がってね』ニッコリ
女『……』
少女『いいのよ? 遠慮なさらなくても』
女(言うとおりにしないと……、なにされるか……っ)
女(カエルに……、カエルにされて……)
女『……っ!』サクサクサクサク
少女『うふふっ! ほっぺたいっぱいにして……、まるでリスさんみたいよ?』クスクス
女『……』カァァァ
少女『……ねえ、私とあなた、きっといいお友達になれると思わない?』
女『え……』
185 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:23:35.64 ID:Br41nEN20
少女『そうよ! そうに決まってるわ! だって、あなたみたいな素敵な子が、ただの偶然にやってきて、一緒にお茶会をしてくれるはずがないもの!』
女『……っ』ゾワ
少女『そう……、偶然なんかじゃない……。私たちは、友達……いえ、親友? いえ、いいえ……。きっと――……』
女『ヒゥ』ゾクゾク
少女『……あら?』
女『ひっ』ビクッ
少女『ふふ……、ほっぺにクッキー、ついちゃってるわ』スッ
女『あ……っ』
少女『ン――……』ペロリ
女『……!?』
少女『……とれた。うふふふふっ』
女『っ!!!』ガタン! バッ
少女『あら』
186 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:24:09.46 ID:Br41nEN20
女『……っ!!』ダッ
女(逃げなきゃ!)
女(逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ)
女(捕まりたくない捕まりたくない捕まりたくない捕まりたくない)
女『……うッ、ぐっ!』ガタガタ! ピョンッ!
女『……っあぁ!』バサバサバサッ
女(いたい……っ! 痛い痛い痛い……! でも柵は越えられた……っ)
女(走れ! 走れ走れ走れ走れ!)
女『ヒッ、ヒッ、ハッ、ヒィッ!!』タッタッタッ
タッタッタッ…
タッタッ…
…
・
・
・
187 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:24:39.25 ID:Br41nEN20
・
・
・
女「……」
女友「……」
女「……」
女友「……どうかした?」
女「……あっ、いや! 別に何でも……! ……中はね、別に何もなかったよ」
女友「えー」
女「……誰もいなかったし」
女友「なーんだ、つまらん」
女「……あはは」
188 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:25:48.75 ID:Br41nEN20
女「……」
女(……そういえば、あの時は確か)
女(このあたりから、柵を乗り越えて――……)チラッ
少女「……」
女「……え」
少女「…………」ニコリ
女「ヒッ……!」
女友「わっ、どしたどした!?」
女「えっ! あっ!? 今――……」クルリ
女友「……?」
女「あ……」
女(……いない?)
女(けど、今確かに――……)
189 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:26:26.45 ID:Br41nEN20
女友「なになに、どしたのよぅ」
女「……」
女(確かに……、あの時の……)
女友「……女?」
女「……な、なんでも。なんでも、ない……」
女友「……顔色悪いよ? 大丈夫?」
女「本当に……、何でもないから。ごめん……」
女友「そう? だったらいいけど」
女(そんなわけがない……)
女(あの時の女の子のはずがない……)
女(だって――……)
190 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/28(月) 23:27:44.08 ID:Br41nEN20
女「……」チラッ
女(あの時のまま、少しも変わらない姿でいるなんて、そんなはずが……)
女(そんなはず……)
女「……」ゴクリ
女(考えるな)
女友「どうする? 今日この後、昔のみんなで集まる予定なんだけど」
女「え? 私は……」
女(確かめてみたいだなんて……)
女(もう一度、見てみたいだなんて……)
女(そんなこと……)
女(けれど――……)
女「わ、私……、私は……」
女(私は――……)
女(私はきっと、もう一度――……)
191 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/28(月) 23:28:22.58 ID:Br41nEN20
〜魔女の館百合・終〜
192 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/28(月) 23:29:16.97 ID:Br41nEN20
今日はここまでです
5レス〜10レス程度とはいったい…
193 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:31:06.53 ID:FQhmzIBd0
〜人類最後の百合(氷河期編)〜
194 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:31:44.19 ID:FQhmzIBd0
後輩「地下シェルターは静かだなぁ……」\
バタン! ガタッ! ドンッ!
後輩「お」
先輩「あ〜〜〜! さむさむさむっ!」ガタガタガタガタ
後輩「先輩、おかえりなさい」
先輩「うい、ただいま。はぁ〜……、さむかったぁ〜!」ガタガタ
後輩「どうでした、外は?」
先輩「全然ダメ! 今日は収穫なし! 生き物も植物も、なんも見当たらねえでやんの」
後輩「そっかぁ……」
先輩「明日はちょっと、遠出してみようかね」
195 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:32:17.38 ID:FQhmzIBd0
後輩「……ワシントンとの通信は?」
先輩「そっちもダメ。全然応答なしだわ」
後輩「これで10日間応答なしですか」
先輩「ま、最後の通信とか、完全に限界そうだったしな。さすがにもうムリじゃね?」
後輩「ベルリンもダメ、シドニーもダメ、ワシントンもダメ……、となると……」
先輩「そうなあ」
後輩「これはいよいよ……」
先輩「私たちが、最終走者って感じか」
後輩「……」
先輩「おいおい! そーんな暗い顔すんなよ! どっこい生きてるぜ、私とお前!」
後輩「そ、そうですね……」
196 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:32:51.06 ID:FQhmzIBd0
先輩「そうそう! ……ってか、全然震え止まんないんだけど。ちょっと暖房失礼、っと」ピピッ
後輩「あっ!ちょっと、何してるんですか先輩!」ガシッ
ピーッピッ
先輩「あっ! おいっ、何すんだよ!」
後輩「燃料だって限りがあるんですよ! 大事に使わなきゃ!」
先輩「うーるせぇ! こっちはさっきまで、マイナス30度の世界にいたんだっての! ちょっとくらい暖かくさせろ!」ガシッ ピピッ
後輩「だーめですったら! 毛布あるから!」ガシッ ピーッピッ
先輩「足しなるかそんなもん!」ガシッ ピピッ
後輩「だーめーでーすー!」ピーッピッ
先輩「リモコンよこせぇーーっ!」ピピッ
後輩「かーえーしーてーーーー!!!」
ギャーギャー
ワーワー
197 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:33:25.28 ID:FQhmzIBd0
後輩「あーもうっ! 先輩っ!」ガシッ
先輩「わひゃっ」
後輩「そんなに暖まりたいんだったら!」ガッチリ
先輩「こ、後輩?」
後輩「そんなに……、暖まりたいんだったら……、先輩……」
先輩「お、おい? なに? どうしたの後輩ちゃん……?」
後輩「だったら……」モゾッ
先輩「あっ、ちょ……」
後輩「私が……、暖めてあげますから、先輩の身体……」モゾモゾ
先輩「やっ、待っ……、だめ、そんな……っ、とこ……ぉ、んっ!」
後輩「ダメですよ、大人しくしてください……、すぐに、暖かくなりますから――……」
・
・
・
198 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:33:55.13 ID:FQhmzIBd0
・
・
・
先輩「……――みたいなシチュエーションで、一発お願いします」
後輩「はぁ……、絶対やりませんけど」
199 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:34:26.70 ID:FQhmzIBd0
〜人類最後の百合(氷河期編)・終〜
200 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:35:07.37 ID:FQhmzIBd0
〜人類最後の百合(パンデミック編)〜
201 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:35:53.36 ID:FQhmzIBd0
後輩「地下シェルターは静かだなぁ……」
ウィーン プシュー
――滅菌処理を開始します――
後輩「お」
ゴウンゴウンゴウンゴウン
シュバババババ
プシュー
――滅菌処理が完了しました――
先輩「……いやぁ、たまらんね、あの消毒ルームだけは」
後輩「先輩、おかえりなさい」
先輩「うい、ただいま。はぁ〜……、しんどかったぁ〜……」
後輩「どうでした、外は?」
先輩「どうもこうも……、行けども行けども死体ばっかり! 動物も植物も、残らず野垂れ死によ!」
後輩「そっかぁ」
202 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:36:23.51 ID:FQhmzIBd0
先輩「どんな死に方するにしても、あんな風に、腐りながら徐々に徐々に死んでいくのだけは、絶対にノーサンキューだな」
後輩「亡くなった人を、そんな風に言ったら悪いですよ」
先輩「ごめんね! ……しかし、ワシントンもシドニーも通信はブラックアウト。こりゃいよいよ……」
後輩「……ま、まだ、そうと決まったわけじゃないです」
先輩「だといいけどな。……しかし、この防護服だけは、そろそろ勘弁してもらいてーなぁ」
後輩「先輩、いっつも言ってますよね、それ」
先輩「だってよー。しんどいんだもんこれ。重いし息苦しいし……」
後輩「だけど、これがないと、ウィルスがあっという間に侵入してきちゃいますから」
先輩「そうは言ってもよぉ、もう生きてるヤツなんて、羽虫一匹残っちゃいないぜ? こんな世界じゃ、ウィルスだって生き残れや……」
後輩「パパの研究によれば、ウィルスはカビなどの真菌に付着すると、隔膜分離を起こして休眠状態になるそうなので……」
先輩「カビを踏んづけたら、ウィルスが空気中にバッ! ってわけか。やるせないねぇ」
203 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:36:52.40 ID:FQhmzIBd0
後輩「このクリーンルームと、この防護服だけが、私たちの安息の場所なんです」
先輩「分かってるって……、じゃ、その安息の防護服、片付けといてくれよ」
後輩「はぁ、もう……。それくら自分で…………ん……?」
先輩「どした?」
後輩「先輩……、防護服のココ……、破れて……」
先輩「……っ!」
後輩「……。……先輩」
先輩「ち、違う! 私は感染してない! ……そうだ、ほら! インナー! インナーもきちんと着込んでるから……っ」
204 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:37:58.75 ID:FQhmzIBd0
後輩「ふふっ、本当ですかぁ? どうしたのかなぁ、先輩……そんな慌てちゃって」グイッ
先輩「うぁ……っ! や……、後輩……。ちょっと、なにす……」
後輩「本当に何ともないか……、ちゃぁんと調べさせてもらいますよ、先輩?」モゾッ
先輩「あ……っ、やめ……こうは……っ、後輩ちゃんってば……ぁ」
後輩「抵抗しないでくださいね、先輩……。体中、すみからすみまで、余すところなく調べてあげますから……」モゾモゾ
先輩「だ……め、あぁ! 後輩……くぅぅ!」
後輩「んふっ、こっちが真剣に調べてるのに、赤い顔で甘い声を出して……、仕様のない先輩ですねぇ……」
先輩「あっ、やぁっ、あぁ、あぁぁ――……」
・
・
・
205 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:38:24.31 ID:FQhmzIBd0
・
・
・
先輩「……――みたいなシチュエーションで、一発お願いします」
後輩「……………………」
先輩「……あれっ!? まんざらでもない!?」
後輩「ちちち違いますっ! 違う! やりません! やらない! 絶対やらないですからねっ!」
206 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:38:55.88 ID:FQhmzIBd0
〜人類最後の百合(パンデミック編)〜
207 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:40:37.21 ID:FQhmzIBd0
終わりって入ってへんやんけ。な。
〜人類最後の百合(パンデミック編)・終〜
208 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:41:09.34 ID:FQhmzIBd0
〜人類最後の百合(巨大隕石編)〜
209 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:41:48.28 ID:FQhmzIBd0
後輩「地下シェルターは静かだなぁ……」
バタン! ガタッ! ドンッ!
後輩「お」
先輩「あ〜、すごかったぁ〜!」
後輩「先輩、おかえりなさい」
先輩「うい、ただいま。はぁ〜……、とんでもなかったぁ……」
後輩「どうでした、外は?」
先輩「どうもこうも! どいつもこいつも乱痴気騒ぎ! ろーにゃくにゃんよとわず」
後輩「老若男女」
先輩「老若男女問わず、騒ぎまくってさぁ。街中クラブハウスみてーに、変な音楽ガンガン流れてるし、そこら中でヤリまくってるし……」
後輩「そっかぁ……」
210 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:42:23.57 ID:FQhmzIBd0
先輩「いやぁ、みんな楽しそうだったなぁ」
後輩「……まぁ、マトモに絶望できる人は、みんな自殺しちゃったでしょうからね」
先輩「そういうこと。……あ、そうそう」
後輩「なんです?」
先輩「このシェルターの開発者に会えたぞ」
後輩「えっ! パパに!?」
先輩「おう」
後輩「ど……、どんな感じでしたか……?」
先輩「今から死ぬって」
後輩「……そう」
211 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:43:01.59 ID:FQhmzIBd0
先輩「あとな、やっぱりな、この地下シェルターな、さすがに無理っぽいってさ。やっぱり」
後輩「あー、やっぱりー」
先輩「地殻が蒸発して、マグマの雲みたいになったヤツ……? それが来たら、このシェルターもオーブンだってよ」
後輩「オーブン。蒸し焼きですらなく」
先輩「確か、あと4時間くらいって言ってたかな……」
後輩「今からだと?」
先輩「もう、あと3時間くらいか」
後輩「3時間かぁ……」
212 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:44:33.45 ID:FQhmzIBd0
先輩「あと、お前にプレゼントって」
後輩「え」
先輩「お薬」
後輩「えぇ……」
先輩「こっちが安楽死の薬でー」
後輩「……」
先輩「こっちがLSD」
後輩「……どっちもいらないです」
先輩「そう? 私は余った方で良かったんだけど。じゃあ捨てとくか」ポイ
後輩「そうですね」
先輩「……なあ、後輩」
後輩「はい」
先輩「……外、でちゃおっか」
後輩「え……」
213 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:45:03.46 ID:FQhmzIBd0
先輩「どうせここにいても、外にいても、オチは一緒じゃん」
後輩「……」
先輩「どうせなら、最後は楽しくさ」
後輩「……」
先輩「最後のお日様も、拝みながらさぁ」
後輩「出てますかね、太陽?」
先輩「さっきは出てた」
後輩「そうですか……」
先輩「……」
後輩「……」
214 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:45:41.19 ID:FQhmzIBd0
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「……私は」
先輩「おう」
後輩「先輩と、2人がいいです」
先輩「……」
後輩「2人きりが」
先輩「……んー」
後輩「……」
先輩「そっか」
後輩「はい」
先輩「じゃ、ここでいっか」
215 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:46:26.97 ID:FQhmzIBd0
後輩「はい」
先輩「でも、あと3時間かぁ……」
後輩「……」
先輩「……やることねぇな!」
後輩「身も蓋もないですね」
先輩「うーん、どうしよっか……」
後輩「先輩」
先輩「おう」
後輩「て」
先輩「て?」
216 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:46:58.31 ID:FQhmzIBd0
後輩「手、握ってください」
先輩「おう」
ギュ
後輩「……」ギューッ
先輩「……」ギュ
後輩「……ずっと」
先輩「うん」
後輩「ずっと、握っててください」
先輩「うん」
後輩「ずっと、ずぅっと」
先輩「しょうがねえな、後輩ちゃんはよ」
後輩「絶対、離さないでくださいね」
先輩「離すもんかよ。世界が終わっても」
217 :
◆UhQaGpUR76
[saga]:2019/10/29(火) 21:47:27.69 ID:FQhmzIBd0
〜人類最後の百合(巨大隕石編)・終〜
218 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/29(火) 21:48:49.53 ID:FQhmzIBd0
これにておしまい!
お読みいただきありがとうございました
HTML化依頼出しておきます
219 :
◆UhQaGpUR76
[sage saga]:2019/10/29(火) 21:57:35.89 ID:FQhmzIBd0
おしながきです
01.WindowsXP
02.マシュマロ女子
03.赤ちゃんは泣くのが仕事
04.雄鶏理論
05.デスマーチ
06.意識高い系
07.バレンタインデー
08.広島の助っ人外国人
09.落ちる
10.ピアニスト
11.鯉のあらい
12.老いらくの
13.異世界転生
14.オカ研
15.メヌエット
16.魔女の館
17.人類最後の(氷河期編)
18.人類最後の(パンデミック編)
19.人類最後の(巨大隕石編)
またどこかでお目にかかれたら幸いです。それでは
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/10/30(水) 03:36:23.96 ID:kxQSjR/Lo
おつでした
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