このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart21

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/12(土) 06:12:36.75 ID:Zy9ifaBV0
>>1
ありがとう
乙でした
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/12(土) 13:04:01.00 ID:LWtzbtr60
https://syosetu.org/novel/56774/161.html

解説回です。

物語は進みません。


パトリシア=バードウェイ@ 斃たおすべき『敵』の名は

 初まりは一通のメールだった。
 それがパトリシアの全てを狂わせた。
 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。
 『第七回DEG』への招待状。
 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。
 正しく常軌を逸していた。
 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。
 生き残るために何だってしていた。
 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。
 ある男はたった一人の人間を[ピーーー]ためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。
 ある母は隠れ潜んだ敵を[ピーーー]ためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
 ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。
 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。
 今でもそう思う。
 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。
 それでも、終わらなかったのだから。
 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。
 七分の一の、四十九分の一の生存者。
 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。
 そのメインテーマは『犠牲』。
 その系統は『デスゲーム』。
 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』
 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、
「………………………人類絶対悪ビースト」
 人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。
 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。
 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。
 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。
 人類絶対悪ビースト位階総序列第一位T。
 『悪意』の悪徳を体現する人類絶対悪。世界で起きる大事件の半数以上に関わっているとされる地球誕生以後最悪にして最低の生命。罪状、第一次及び第二次世界大戦の扇動、シチリア島沈没事件の実行、世界最悪のテロ組織『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』への『皇帝イワン』密輸未遂、マダガスカル島両断の実行など。
 人の不幸を嗤い、悲劇に耽美し、涙を流す人間を観劇する、初まり罪に犯されし絶対悪。
 本名は不明、それ故に仮称が『根源悪ディープ・ブラック』。
 何をしてでも滅すべき、人類の敵。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第二位U。
 『欲望』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の願いを欲望のままに叶え、その失敗を嘲笑することを生き甲斐とする人外。罪状(なお全て間接罪)、地球温暖化の実行、一秒の定義の改竄、現行科学を遥かに凌駕した超超々越兵器『亜空の使者』の創造など。
 欲望を叶えるだけ叶えてその責任をとらない、他の人類絶対悪ビーストからすら嫌われる最低の絶対悪。
 故にその名は『ガイア・ジ・アース』。
 星が生み出した、星の癌。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第三位V。
 『終焉』の悪徳を体現する人類絶対悪。過去現在未来に存在し得る全ての可能性を全て観測し、あらゆる『終わり』を現実にできる天才を超える天災。罪状(一切の証拠無し)、最低でも1870人の才人の廃人化、人口衛星USA-224墜落事件の実行、パリ全インフラ停止事件の実行、インペリアルパッケージ強奪未遂など。
 あらゆる全てをすることができ、あらゆる全てを識っている全能の絶対悪。
 故にその名は『木原五行』。
 木原一族の最高傑作にして、最大の失敗作。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第四位W。
 『錯乱』の悪徳を体現する人類絶対悪。人が混乱し、混迷し、理不尽に必死に抗う様を高みから見ることで優越感に浸る、人間の根幹にある感情を最も端的に表す人間達。罪状、国際宇宙ステーションISSクラッキング事件の実行、全世界同時多発的海底パイプライン切断事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 柔軟な発想と存在しない禁則をもって人に仇為す最悪の災厄、他者の努力と対策を嘲笑う絶対悪。
 故にその名は『原初たる混沌宇宙』。
 誰にも制御することのできない、破滅快楽主義者の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第五位X。
 『代替』の悪徳を体現する人類絶対悪。唯一にして絶対の『人が人形になった存在』であり、量子学的にゼロパーセントと断言されたはずの『完全な人形』の完成品。人形村の人形師達が辿り着いた、夢想の夢の産物。罪状、四十三カ国の指導者たちの拉致及び殺害、数多の国の政治家に成り代わったこと、ロシア連邦核ミサイル発射未遂事件の命令など。
 本物となることのできる影、見破れない嘘、見分けの使い偽物、今あなたの隣にいるかもしれない最も身近な絶対悪。
 故にその名は『人形ひとかた人形にんぎょう』。
 この世で唯一の、完全なる人形型人間アリス。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/12(土) 13:05:39.06 ID:LWtzbtr60
 人類絶対悪ビースト位階総序列第六位Y。
 『殺人』の悪徳を体現する人類絶対悪。その魂魄に『殺人因子』を宿し、己が性質に従って無限の殺戮を繰り返す名を喪った殺人鬼の組織。罪悪感も罪責感も感じず、時に享楽をもって、時に悲哀をもってただただひたすらに殺し尽す血みどろの悪。罪状、第二次世界大戦における人道に対する罪(多数)、中国における民衆大虐殺事件の後押し、滅亡級魔術致死病療666ウイルス発動未遂など。
 歴史上最も多くの同族を殺した、絶対に和解することのできない絶対悪。
 故にその名は『不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド』。
 史上最も多くの人間の殺戮した、人殺しの組織。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第七位Z。
 『救済』の悪徳を体現する人類絶対悪。魔術という神秘を極め切り、究め切り、窮め切った白痴の賢人。かの『黄金』すら上回る、魔術の基礎の基礎、魔術体系そのものを確立した始祖にして原初の魔術結社マジックキャバル。罪状、南極大陸地脈枯渇事件の実行、冥王星準惑星降格の主犯、小規模な世界法則改竄による科学法則に対する反逆など。
 人を救うことに執着した結果人を滅ぼすという結論に辿り着いてしまった、最も優しき絶対悪。
 故にその名は『断罪の七大罪』。
 変えられない現実を前に嘆き狂ってしまった、英雄の成れの果て。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第八位[。
 『異端』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の身でありながら神に成り代わろうとし、歴史を、因果を、当たり前を覆す、『黄金』と同等の魔術組織。そのあまりにも苛烈で過激で加虐な思想から地球上全魔術組織から『異端認定』を受けた最悪の魔術組織。罪状、老若男女879520人を用いた魔術的人体実験の実行、既存の魔術体系に対する反逆、十字教三大宗派本部襲撃など。
 神を求めるがあまり神をすら[ピーーー]、本末転倒な組織。
 故にその名は『大いなる業の憲章アルス=マグナ=カルタ』。
 凡ての神を否定する、黄金の錬金術師の魔術結社。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第九位\。
 『虐待』の悪徳を体現する人類絶対悪。無意味に力を揮い、無作為に命を消費し、無駄に血を流す、残酷で残虐で残忍なテロ集団。世界各地でテロ行為を行う目的の全く見えない組織。罪状、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの表向きの首魁、スレブレニツァの虐殺及びジョージア民族浄化等多数の虐殺事件の扇動、他の人類絶対悪ビーストに対する人員、武器、殺人ノウハウ等の輸出など。
 人の数を減らすことそのものを目的とした人間の形をした異星人エイリアン、会話は出来ても話の通じない絶対悪。
 故にその名は『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』。
 自らの心しか信じない、極悪非道な絶対正義。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十位]。
 『復讐』の悪徳を体現する人類絶対悪。人類史史上最大の謎といわれる『幻想島フィクションアイランド』の謎の答えを探すためだけに生きているたった5人のダークヒーロー。罪状(なお全て間接罪)、ベルリンの壁再建事件の教唆、米国所属空母ロナルド・レーガン強奪事件教唆、ストックホルム大炎上事件教唆など。
 命の尊さを他の誰よりも知っていながら、己のエゴで人殺しを強要する善の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『復讐同盟』。
 誰かの復讐を教唆する、外道の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十一位Ⅺ。
 『冒涜』の悪徳を体現する人類絶対悪。生命というモノを完全に理解し、命を、魂を、魂魄を、生きるということそのものを数式化した空前絶後の大天才。そしてその天才性を誤った方向に成長させた未曽有の大天災。罪状、ラスベガスゾンビ出現事件の実行、複数の死体を繋ぎ合わせた新生命体『ドリット・メンシュハイト』の制作、全世界同時生放送での人体解体の実行など。
 死を恐れるがあまり死を拒絶した、人類最後の夢である不死を現実にした絶対悪。
 故にその名は『死体繋したいつなぎ屍しかばね』。
 終わりを終わりで終わらせない、永遠の呪いを与える屑。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十二位Ⅻ。
 『進化』の悪徳を体現する人類絶対悪。人でない故がに存在する永遠の時間をもって自己進化を繰り返し、ついには開発者自身ですら制御不可能になった0と1の産物。罪状、G7各国全インフラ一斉混乱事件の実行、多数の国家の機密情報の外部流出の実行、新生命体『シュタール・ゲシュペンスト』の創造など。
 人でないが故にどうあっても人を理解できない、無限の平行線の果てにいる絶対悪。
 故にその名は『電脳生命体α』。
 人の傲慢が生み出した、電子の怪物。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十三位XIII。
 『蒐集』の悪徳を体現する人類絶対悪。物欲に支配された、最も人間らしき集団。奪い、盗み、集め、観賞し、そして満足する甚だ迷惑な強盗集団。罪状、霊装カーテナ=セカンド強奪事件の実行、紀元前観測断絶事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 盗むことに特化した、この世の全てを不確かにする絶対悪。
 故にその名は『極悪博物館』。
 積み重ねてきた歴史をすら盗む、断絶した資料館。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/12(土) 13:06:32.32 ID:LWtzbtr60
人類絶対悪ビースト位階総序列第十四位XIV。
 『暴力』の悪徳を体現する人類絶対悪。子供のお使いから大規模テロの鎮圧、要人警護、ゴーストライター、無差別殺人、戦争行為、大虐殺、暗殺まで依頼されればなんでもこなす傭兵組織。罪状、ホワイトハウス襲撃事件の実働部隊、スエズ運河封鎖事件の実行、魔科学融合兵器『FAMSFusion Arm of Magic and Science』の開発など。
 あらゆる行為の前提条件に『暴力』が存在する、血の雨の中でしか生きられない絶対悪。
 故にその名は『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』。
 善も悪も同列に扱う、大戦が生み出した負の遺産。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十五位XV。
 『選別』の悪徳を体現する人類絶対悪。自分たちに都合の良いことだけを信じ、自分たちに都合の悪いことは一切聞く耳を持たない永遠の弱者。罪状、善悪最終生存競争ファイナルデッドエンドゲームの補佐、偽最終審判判定未遂事件の実行、陸海往来断絶事件の主犯など。
 なまじ力を持ったばかりに世界を見なくなった、成長できない子供のままの絶対悪。
 故にその名は『聖なるカナン』。
 神に選ばれた使徒を自称する、自意識過剰な現実逃避者。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十六位XVI。
 『廃頽』の悪徳を体現する人類絶対悪。便利になった現世界よりも不便だった過去を尊ぶ時代遅れの老害。反論できない詭弁と反論を許さない欺瞞で正論を煙に巻く、回想に浸る集団。罪状、全国家一斉インフラ停止事件の実行、超広域電磁パルスEMP攻撃未遂事件の実行、文明のゆりかご再誕事件の実行など。
 現代の人類を否定する、積み重ねてきた歴史を否定する絶対悪。
 故にその名は『神時代へ逆行する古代人』。
 過ぎ去った栄光に縋りつく、置いていかれた古代人。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十七位XVII。
 『偽悪』の悪徳を体現する人類絶対悪。まだ誕生していない唯一の人類絶対悪ビースト。誰かのための自己犠牲で人の歩みを阻害する、高貴な者の義務ノブレス・オブリージュを理由に全ての責任を被る、傷つきながらも笑う悪。罪状、彼は罪を犯した、彼は罪を犯した、彼は罪を犯したなど。
 しなくてもいいことをして誰かの成長を妨げる、正義の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『上×勢力』。
 存在しない8つ目の罪の象徴、平和のための尊い犠牲。
 人の生み出した、人の業。
 
 以上、十一の組織と三の人外、三の人間をもって全人類絶対悪ビーストとされた。
 この絶望こそが、パトリシアのような主人公ヒーローが戦うべき最終敵ラスボスであった。
「人類絶対悪ビースト、かぁ…………」
 とはいっても第四物語フォースストーリーの主人公ヒーロー、誰も救えない英雄ガラクタヒーローパトリシア=バードウェイといえども全ての人類絶対悪ビーストに関わったことはない。パトリシアが関わったことがあるのは善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの時に敵対した国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresと聖なるカナンと極悪博物館の連中、そしてそれが『完結』した後の世界を旅する間に出会った断罪の七大罪、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド、電脳生命体α、復讐同盟の連中くらいだ。
 それも結局パトリシアはどの人類絶対悪ビーストも殺しきることができていない。
 それはパトリシアが弱いからではなく、人類絶対悪ビーストが強いからではなく、世界に護れている、『加護』がある状態の登場人物キャラクターは条件が調わないと勝負すら出来ないからだ。
 
 だから、
 
「…………………やっと終われるよ、お姉さん」
 
 だから、パトリシアは微笑む。
 確信していた。
 やっと、ようやく、ついに、『物語』が『始まった』。
 七連物語セブンスストーリーズの第七物語セブンスストーリー、全ての物語を本当の『完結』へ導く最後の物語ファイナルストーリーが始まった。
 これで人類絶対悪ビーストが持っていた『加護』は消える。人類絶対悪ビーストの絶対性はなくなる。勝てるようになる。
 本当に、やっとだ。
 待っていた。
 待っていた。
 ずっと、待っていた。
 この瞬間を、この時間を、このトキを。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/12(土) 13:07:24.06 ID:LWtzbtr60
「私はきっと、お姉さんたちと同じ所にはいけないけど」
 
 呟く。
 語る。
 話す。
 
 灰・色・の・墓・石・の・前・で・パ・ト・リ・シ・ア・=・バ・ー・ド・ウ・ェ・イ・は・涙・を・流・さ・ず・泣・い・て・い・た・。
 
「それでも、ね」
 
 天国や地獄の概念を信じているわけではない。善行を為したモノは楽園へ行き、悪行を為したモノは煉獄に堕ちる。そんなことを盲信しているわけではない。
 しかしやはり自分のようなゴミクズと姉のような指導者が同じ場所に行くのはおかしいとパトリシアは思うのだ。
 努力すれば成果が出る。怠惰ならば成功しない。当然のことだ。
 だから、仮に死後の世界があっても転生しても自分と姉が出会うことはない。
 パトリシア=バードウェイという少女は罪を犯し過ぎた。
 パトリシア=バードウェイという女はあまりにも弱すぎた。
 パトリシア=バードウェイという個人はどうしようもなく愚かだった。
 
「全部終わったら、少しくらいは褒めてほしいかな」
 
 だから、パトリシアは泣く。
 この戯言が姉の魂に届いていないことを、願いながら。
 矛盾した言動で、泣く。
 



十七の人類絶対悪ビースト。

人類が人類である限り避けられない、滅亡の使者。

終焉の擬人化、破滅の具体化、絶望の具現化。

彼ら彼女らが斃すべき、『悪』の御名。



次の更新は9月上旬までにです。













ようやく風呂敷を広げきったぞ、後は畳むだけだ。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/12(土) 21:44:31.17 ID:MrpGFk25O
禁書3期の特典のSS読んでる猛者おる?多分全国でも3000人くらいしかいないと思われるんだが
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/13(日) 02:33:33.74 ID:s2et/WF+0
>>7
読んだ
つまらなかった
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/13(日) 06:58:04.75 ID:6icUbYosO
どんな話?
時系列はどこの話?
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 17:57:59.57 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/158074/72.html

惨劇最悪バッドエンドA あなた達が間違えた選択の果てに、世界は滅亡しました

 終わった。
(終わった)
 終わった。終わった。終わった。
(終わった。終わった!終わったあァァっっっ!)
 だが、はたして何が終わった?
 佐天の歯を噛み千切ることが?
 もちろんそれは終わった。
 佐天との間にあった信頼関係が?
 それは修復は可能なほどに終わってしまった。
 上条の精神性は?
 それもまた、終わってしまったモノの1つだろう。
 いくつもの出来事が終わり、モノとして存在しない目に見えない何かもまたいくつも終わってしまった。
 それが良いか悪いかはまだ分からない。もしかしたら上条の行動が後の災厄に繋がるのかもしれない。
 けれど、確かに此処に1つの事象は終了したのだ。
 上条が終わらせた。
「はっ、はふっ……はぁーっ、ははっ!はぶ、げふッ!…………あ゛、…………ぁ゛」
 唾液と血液でぐちゃぐちゃになった佐天の左手親指を掌の上に吐き出して、上条は荒い息のまま何とか佐天に話しかけた。
「さ、てん……大丈夫、か……?」
「……………………………」
 返答はない。
「佐天……?」
 膝に手をついて息を落ち着けながら、上条は顔を上げて佐天を見上げた。
 
 佐天は、恐怖に歪んだ顔のままぐったりと頭を下にしていた。
 
「っ!……ぅ」
 ピクリとも動かない佐天。
 気絶している、のだろう。
 全身から力が抜けている。だらりと下がった四肢に半開きになった口、開いた瞳孔。全てが佐天が正常ではない状態であることを示している。
 言うまでもなく、上条がそうした。
(仕方なかった……仕方なかったんだ!)
 そう、思うしかない。今はまだ、罪悪感を抱くわけにはいかない。
 やらなければならないことがある。
 佐天の痛みを、その犠牲を、無駄にするわけにはいかない。
「Aえー!」
 と上条は食蜂を呼んだ。
 佐天の左手親指が手に入った以上、後必要なのは刀夜の右目だけだ。つまり食蜂が刀夜の右目を抉りだせていれば、事態の全ては解決する。
 はずなのに、
「何してるんだ……?」
 奇妙なことに、食蜂は刀夜の右目に手を伸ばしたまま静止していた。
「大丈夫、か?」
 緊張しているのだろうか。
 躊躇しているのだろうか。
 それも仕方ないと思う。上条だって、躊躇いの中で覚悟を決めて佐天の指を噛み千切ったのだ。だから食蜂が出来なくても仕方ない。
(いざとなったら)
 いざとなったら、上条が食蜂の代わりをやるしかないだろう。
 けれどまず、上条は食蜂を励ますためにその左肩に手を置いた。
「変わろうか?」
 と声をかけて、
 
 ドン、と食蜂の身体が倒れた。
 
「……………………………………………………………………………………………は?」
 一瞬、停止。
 だが、すぐに動き出す。
「食蜂!?」
 倒れ伏した食蜂に上条はすぐさま駆け寄った。
 何だ?何が起きている?どうして食蜂が倒れた?
「おいっ、どうした!?しっか」
 呼吸が、停止していた。
 心拍が、無かった。
「――――――――――――――――――――――しょく、ほう?」
 一般的には、呼吸をせず心臓も停止している人間のことは死体と呼ぶ。
 つまり、食蜂は死んでいた。
「待てよ」
 死んでいた。
「起きろよ!何、何で……食蜂ッ!」
 
 ガチャリと音がして、誰かが上条の背に凭れ掛かってきた。
 
「ぐっ、痛ッ!?」
 
 背中に奔った衝撃を振り払うかのように、上条は食蜂の身体を支えたまま片腕を背に手をやった。
 何かが上条の背中に墜ちてきた。
 何かが上条の背中に降ってきた。
 それを背中から降ろして、上条は降ってきた何かを確認し、
 
 上条刀夜が死んでいた。
 
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 17:58:29.86 ID:yAhm9urX0
「……、…………?」
 今度は言葉すらも出なかった。ただ、ふらふらと開いている方の手が刀夜の頬に伸びた。ふらふら、ふらふら、ふらふらと。
「父、さん……?」
 動かない。
 ピクリとも、動かない。
 触らなくても分かる。
 触れなくても分かる。
 上条刀夜は死んでいる。
「あ」
 呆けたように口を開きっぱなしにして、食蜂を横たえ、上条は立ち上がった。何が起こっているのかわからない。何が起こっているのか分からない。何が起こっているのか分からない。
 でも何かが起こってるのなら、と上条は立ち上がった。
 
 四つの枷から解放され、倒れ伏した佐天が視界に入った。
 
「は」
 確かにそうだ。食蜂が死んだ。刀夜が死んだ。ならば佐天だって死んでいるだろう。全くそうだ。非常に納得できる。
「なら、ジャーニーも……」
 佐天と刀夜が解放されたなら、もちろんジャーニーも死んでいる。見る必要もない。だって、12のルールにはこうあった。『ジャーニーが培養器の外に出るか、ジャーニーが死亡した時点で2人の拘束は解かれる。』、なら当然ジャーニーは死んでいる。
 4人とも死んだ。
 此処で生きているのは上条だけだ。
「……外に」
 なら、もう此処に居ても意味はない。外に出て、助けを呼ばなければ……。
 ふらふらと頼りない足取りで階段を上り、部屋を出る。
 
 その部屋の外では、少女が死んでいた。
 
「…………………、蜜蟻、……か?」
 その顔には見覚えがあった。
 蜜蟻と名乗る少女と同じ顔をしていた。
 ……待っていた、のだろうか。
 ジャーニーを救出した後の上条に会いに来るつもりだったのだろうか。
 死体は黙して語らないから、真実はもう分からない。
「……………………………、…………」
 歩く。
 ただ、歩く。
 とにかく外に行かなければ何も始まらない。外に行けば助けを呼べる。助けを呼んで駆動鎧パワードスーツを止められる。だから、まずスタジアムの地下から出なければならない。
「…………もう、ちょっと」
 後数歩でスタジアムの外に出られる。
 後2歩でスタジアムの外に出られる。
 スタジアムの外に出られた。
「っ」
 太陽光の眩しさで僅かに目が眩む。だが徐々にその明るさに慣れて、視界が開けた。
 
 インデックスが死んでいた。
 
「――――――――――――――――――――――――――――――」
 
 ひどい、酷い様だった。
 片腕を切り落とされ、半ばまで切断された胴からは内臓が零れ落ちている。白を基調とした修道服はあちこち裂かれ、穴が空き、そこから今もなお流れ出る血が、修道服を赤黒く変色させていた。数えることすらも馬鹿馬鹿しくなるほどにインデックスの体の傷は多かった。
 何度も、何度も、何度も。
 誰かがインデックスの体を切り裂き、斬り付け、痛めつけ、命を弄び、尊厳を凌辱し、生き様を侮辱し、そして突き立てて、消えない傷を残したのだろう。
 永遠に消えない、傷跡を。
 どうして、そこまでされなければならなかったのか。
 どうして、そこまでしなければならなかったのか。
「―――――――――――――――――――――――」
 苦痛に満ちた顔を、
 恐怖に歪んだ顔を、
 せめて、せめて、せめて、少しくらい安らかにしたい。
 だから上条は死にきったインデックスに近づいて、その瞳を閉じさせてあげた。
 それくらいしか、出来なかった。
「……………………」
 そうして、上条は携帯電話を取り出して病院に電話した。119番。死体を病院に渡さないといけない。
 通話がつながる。
「あの」
 自分でも驚くほどに冷たい声が出た。
 なのに、
『―――――――――――――――――――』
「あの!」
 通話口からの返答がない。
 話しかけてこない。
「……仕事してくれよ」
 119番からの返答がないなら自分で歩いて病院に行くしかない。
 どこの病院が良いだろうか?一番近い所なら、やはりカエル顔の医者の所か?
「歩けば、いつか辿り着くか」
 そう言って、上条はスタジアムの外に出る。
 
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 17:59:02.25 ID:yAhm9urX0
スタジアムの外には、輝の死体があった。
 
「……勝てなかったのか」
 それだけ言って、上条は大通りに向けて歩き始める。大丈夫だ。死体が1つ増えただけだ。病院に連絡する手間が増えたけれど、それぐらい上条が負担するべきだろう。
 10分ほど歩き、上条はようやく大通りに出た。
 
 燃え盛る炎がいくつもあった。
 
「熱っ!」
 炎上しているのは車だ。
 交通事故が起こっているのだ。この大通りだけで何件も。
「……警察に、連絡しないと」
 もう一度、上条は携帯電話を取り出して警察に電話した。
 110番。
 通話がつながる。
「あの」
『―――――――――――――――――――』
 通話口からの返答がない。
 話しかけてこない。
「……………………」
 仕方がないから上条は電話を切って再び歩きだした。
 どいつもこいつも仕事をせずにさぼっていて、学園都市は大丈夫なのだろうか?
「…………………………」
 歩き続ける。
 車の中で見知らぬ誰かが死んでいた。
 歩き続ける。
 歩道にある椅子の上で誰かが寝転がっていた。
 歩き続ける。
 道端でカップルが抱き合ったまま動かずにいた。
 歩き続ける。
 青髪ピアスが家に寄り掛かっていた。
 歩き続ける。
 炎の中に誰かが立っていた。
 歩き続け、
「青髪ピアス……?」
 振り返った上条は来た道を戻って青髪ピアスに近づいた。
 
 近づいて、その瞳が何も映していないことに気が付いた。
 
「―――――――――――――――――――――――う」
 一歩、下がる。
 足が誰かの肉に当たる。
 下を見る。
 倒れ伏した吹寄と目が合った。
「うあああああぁぁぁぁぁぁぁッ――――――!!!」」
 もう、我慢できなかった。
 無茶苦茶に走り回る。
 滅茶苦茶に叫ぶ。
「あああああああああああああああああっ!!!!!くがあああああああああああああああ!!!!!ぎあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
 両の目から流れ落ちる涙が視界を歪ませる。
 あらゆるところにある血液がびちゃびちゃと上条の足元で跳ねる。
 どうしようもない。
 もう、どうしようも、ない。
「何なんだよ、これ…………」
 全て、死んでいた。
「何なんだよ、これっ!?」
 死が、溢れていた。
「何なんだよ!これは!?」
 ここには死しか、なかった。
「誰か、誰かいないのかよ!!!」
 もう恥も外聞もなく上条は走り回った。ようやく、脳が現実を直視した。
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「誰か!誰かァッ!誰でもいいから、返事してくれよ!!!」
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「ふざけんなよ!どうしてこんなことになってるんだよ!!!俺が、俺……ああああああああああああっ!」
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「なんで、……なんで……っ、インデックス……インデックスぅ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
 全てが終わって滅んでいる。
 視界を埋め尽くす赫と無数の死体だけが、上条が今ここにいる証明だった。
 膝をつく。
 何もかもが死に尽くした世界で、徐々に上条の正気が薄れていく。
 
 なにもわからない。
 なにもかんがえたくない。
 
 精神を犯し尽す絶望が上条の中から希望を消し去っていき、五感すら奪い去ってく。
 消える。消える。消え失せる。
 意識が、思考が、感情が、何も残らない。
 
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 17:59:29.97 ID:yAhm9urX0
はずだったのに。
 
 ざっ、と上条の後ろで足音がした。
「ッ!?」
 その音を聞いた上条はまるで今にでも消えそうな蝋燭の明かりを必死に維持しようとするかのように振り向いた。
 生きている人がいる?
 誰かがまだ、生きている?
 そう思って、上条は振り向いて、
 
 白過ぎる腕に、首を掴まれた。
 
「あぎぃッ!?」
 絞まる。しまる。しまっていく。
 首が徐々に絞めつけられていき、呼吸が出来なくなっていく。
「だ……に……」
 誰が上条の首を絞めているのか分からない。
 何で上条が首を絞められなければならないのか分からない。
 だが、
 
「時間、掛けすぎだよ」
 
 全てが死に犯された世界に色を喪った呟きが響き、
 
 ――――――上条当麻の生命活動は、完全に停止した。
 
 
 



これで『とある暗部の御坂美琴』は完結となります!
3年モノ長い期間の連載となりましたが、今まで付き合ってくれた方には非常に感謝です。本当にありがとう!
後日にあとがきを投稿させてもらいますが、本編はこれで終わりです。

本当に、本当に、ありがとうございました!
















セーブデータをロードしますか?

はい←
いいえ
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:00:01.70 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/158074/73.html

とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

73 / 74
1周目における第一部第二章は惨劇最悪バッドエンドで終了したため現段階においては取得ポイントを計上できません。

ご了承下さい。


とある暗部の御坂美琴(1周目) 総合評価

 第一部第一章 評価
 
 
 
 
 
 第1評価
 
 話数 111話……条件未達成。
 合計文字数 562569文字……条件未達成。
 平均文字数 5114文字……条件達成。
 UA 57781……条件達成。
 お気に入り 157件……条件達成。
 感想 104件……条件達成。
 総合評価 266pt……条件達成。
 平均評価 6.41……条件達成。
 調整平均 6.60……条件達成。
 
 
 
 第1評価値算出
 
  ―111―5625―114+5778+157×10+104×10+266×10+6.41×100+6.60×100=6499
 
 条件達成 7
 条件未達成 2
 
 二章開始時における難易度がハードになりました。
 
 条件達成と認定。
 
 取得ポイント 6499SP
 
 
 
 
 
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/13(日) 18:00:48.72 ID:CbVbJ8plo
ここそういうことする場所じゃないんで
空気読め
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:00:59.16 ID:yAhm9urX0
 第2評価
 
 誤字指摘……54箇所。
 読者による設定不備指摘……8箇所。
 
 能力名が四文字では無いモノがあることに関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーによる絶対能力進化実験レベル6シフトの干渉に関する伏線……指摘済み。
 初まりの領域に関する伏線……指摘済み。
 全体個体『御坂美琴』に関する伏線……指摘済み。
 世界物語理論に関する伏線……指摘済み。
 裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいがによる位相斬りに関する伏線……指摘済み。
 千疋百目の地下下水道脱出行動に関する伏線……指摘済み。
 木葉桜十五夜の召喚した武装に関する伏線……指摘済み。
 『神』になった一方通行アクセラレータに関する伏線……指摘済み。
 もう1つの絶対能力進化実験レベル6シフトに関する伏線……指摘済み。
 千疋百目が地下下水道の崩落から白井黒子を助けた理由に関する伏線……指摘済み。
 伏線を『貼る』が誤字ではない理由に関する伏線……指摘済み。
 【】に関する伏線……指摘済み。
 初春飾利の所属に関する伏線……指摘済み。
 一方通行アクセラレータの魔神化を想定内とした存在に関する伏線……指摘済み。
 御坂美琴が一方通行アクセラレータを拷問した理由に関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーの進める『計画プラン』に関する伏線……指摘済み。
 『死』の定義に関する伏線……指摘済み。
 上条当麻が敗北したことに関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属する人間に関する伏線……指摘済み。
 全体個体『御坂美琴』の思考矛盾に関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織構造に関する伏線……指摘済み。
 見捨てられた女グレイレディの正体に関する伏線……指摘済み。
 ミサカネットワーク総体の気付きに関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントと滞空回線アンダーラインに関する伏線……指摘済み。
 原作では気づくことのできたぬいぐるみに関する伏線……指摘済み。
 上里翔流に関する伏線……指摘済み。
 アルフの発言に関する伏線……指摘済み。
 占卜卜占に関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーの上条達へのバックアップに関する伏線……指摘済み。
 
 
 
 第2評価値算出
 
 54×0.5+8×5+30×1=97
 
 『真実解明トゥルーエンド』ルートへルート分岐。
 
 ――――――世界物語キャラクターストーリー理論による正史認定を行いました。
 
 以下、第一部第一章は『真実解明トゥルーエンド』ルートで固定されます。
 
 条件達成と認定。
 
 取得ポイント 9700SP
 
 
 
 
 
 第3評価
 
 御坂美琴VS死縁鬼苦罠……勝者 死縁鬼苦罠
 御坂美琴VS一方通行アクセラレータ……勝者 全体個体『御坂美琴』
 木葉桜十五夜VS罪罰贖&波並波狂濤……勝者 木葉桜十五夜
 木葉桜十五夜VS矛盾矛盾&鳳仙花蝶々……勝者 木葉桜十五夜
 木葉桜十五夜VS一本線点々……勝者 一本線点々
 ミサカ10032号VS一方通行アクセラレータ……勝者 一方通行アクセラレータ
 白井黒子VS千疋百目……勝者 千疋百目
 白白白VSアレイスター=クロウリー……勝者 不明
 上条当麻VS扼ヶ淵埋娥……勝者 扼ヶ淵埋娥
 神亡島刹威VS浣熊四不象……勝者 浣熊四不象
 一方通行アクセラレータVS『空白の主』……勝者 『空白の主』
 常世涯最果VS木原脳幹……決着つかず
 木葉桜十五夜VS『空白の主』……決着つかず
 木葉桜十五夜VS『空白の主』VS木原脳幹……引き分け
 常世涯最果VS裂ヶ淵瞑娥……勝者 常世涯最果
 ミサカ19090号&ミサカネットワーク総体VS死縁鬼苦罠&天埜郭夜……勝負中
 アレイスタークロウリーVS白白白……勝負中
 佐天涙子……敗北者
 
 
 
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:01:36.56 ID:yAhm9urX0
第3評価値算出
 
 ―1+0+0+0+0+0―1+0―1+0―1+0+0+0.5+0+0.5+0.5+1=−1.5
 
 侵略者インベーダーによる侵蝕が1段階進みました。
 
 条件未達成と認定。
 
 取得ポイント ―1500SP
 
 
 
 
 
 第一部第一章総合取得ポイント算出
 
 6499+9700−1500=14699
 
 合計取得ポイント 14699SP
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 上条当麻のステータスを表示します
 
 上条当麻……性別 男
      年齢 15歳
      特殊能力 幻想殺しイマジンブレイカー
      称号 主役級メインキャラクター、主人公ヒーロー、救済者ヒーロー(未覚醒状態)
      称号スキル 主人公補正(真)、なるようにならない最悪If nothing is bad、カリスマ(弱)
      固有スキル 前兆の感知(兆)、不幸、不撓不屈(弱)
 
 
 
 
 
 
  買い物
 
 
 
 何を買いますか?
 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化(第一部第一章のみ)……100000SP
 イベント絵……各50000SP
 スキル……各10000SP
 記憶の引継ぎ……10000SP
 サブストーリー……各5000SP
 アイテムの引継ぎ……5000SP
 経験値の引継ぎ……1000SP
 友好度の引継ぎ……1000SP
 TIPS……各100SP
 
 
 
 イベント絵詳細
 
 頂にて君臨する風紀委員本部セントラルジャッジメント
 汝、人を捨てても護りたいモノがあるか?
 
 
 
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:02:16.81 ID:yAhm9urX0
 スキル詳細
 
 前兆の感知
 説得
 女たらし
 
 
 
 サブストーリー詳細
 
 御坂美琴初めてのお仕事
 たぶん最終章にならないと意味の分からない会話劇
 上里勢力結成譚 第一幕
 
 
 
 TIPS詳細
 
 オリジナル単語1つに付き100SP
 
 
 
 
 
 記憶の引継ぎ……10000SP ←
 
 記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?
 
 
 
 はい ←
 いいえ
 
 
 
 使ったSPは二度と戻りません。それでも 記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?
 
 
 
 はい ←
 いいえ
 
 
 
 記憶の引継ぎ……10000SP を買いました。1周目の記憶が2周目に引き継がれます。
 
 
 
 取得ポイントが4699SPに減少しました。
 
 
 
 他には何を買いますか?
 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP ←
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買いますか?
 
 
 
 はい ←
 いいえ
 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買うためにはSPが足りません。
 
 
 
 取得ポイントは4699SPのままです。
 
 
 
 他に何を買いますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:02:52.15 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/158074/74.html
とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
×

74 / 74
私はいつも一人だった。
だから願った。愛されたいと。
私は多くの人から愛された。
だから思った。一人がいいと。
そして私は独りになった。
だから悟った。これが幸福だと。

――――――二九七


それでも僕は、明日が欲しかった
裏お茶会~1周目~

 崩れ落ちる上条ヒーローの身体を睥睨しながら、230万の死体で溢れる学園都市の中で僕は溜息をついた。
「わりと、期待してたんだけどね……」
 言葉にすることで僕は僕自身の考えを再認識する。
 そう、期待していた。本当に期待していたんだ。
 上条当麻なら、あるいはこの僕を上回ることが出来るかもしれない、と。
「いや、……矛盾だな」
 僕の世界の人類を護るためには、いずれ上条当麻は必ず[ピーーー]ことになる。それが早いか遅いかの違いだ。
「…………遅かったね、アレイスター」
「殺したのか」
「どのみち、間に合わなかったさ。彼はあまりにも遅すぎた」
 男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』、そう評されるアレイスターの方に視線を投げかけて、僕はこの全てが終わった世界を見通す。
 70億の、そして数百の死体しか存在しないこの世界でただ1人、僕だけは違うから。
 結局すべてが絵空事の虚言でしかないと知っているから。
「それを分かっていたからこそ、君も滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの対策を発動させなかったんだろ」
「あの程度の術式に気付けないのならば、どのみちヤツは救済者ヒーローには相応しくないだろう」
「随分な言い様だ……。君の、君達の主人公ヒーローだろう?」
「違うな。私達の主人公ヒーローは彼ではない。上条当麻だ」
「厳しいね……。彼だって、僕がいる中頑張ってると思うけど」
「結果世界が滅んだが?」
「……………………もう少し、サポートしてあげれば良かったのに」
 フラグが立たなかったのは確かに上条の責任だが、たった1回で完全な救済を為せだなんて難易度が高すぎるだろう。今回は解決しなければならなかったことが多すぎる。瞬を倒して、蜜蟻をどうにかして、学究会防衛作戦を成功させ、咎負虐殺を止める。
 そんなの無理だ。
 僕だって、サポートなしで出来るとは思ってなかった。
「それは」
「呼ばれてないのにじゃんじゃじゃ〜〜〜ん!!!」
 空から純正の人類絶対悪が降ってきた。
「五行……。今結構重要な話してたんだけど」
「あぁ、あぁ、あ〜あ。まさかこんな結末になっちゃうなんてなぁ〜」
「聞けよ」
 いや、五行が人の話を聞かないのはいつものことなんだけど、今だけは邪魔しないでほしかった。アレイスターと一対一で、互いの本当の立場を曝け出して話せるのなんて、今ぐらいしかないだろうから。
「木原五行、全能存在パントクラトールか」
 ほら話が次に移った。
「……………はぁ」
 僕の隣に立つ少女を見て、アレイスターが言った。
 当然、調べられている、か。
「くきっ、くききッ!!!ま〜さっか!第六物語シックススストーリーの主人公ヒーローが死んじゃうなんて。フラグの立て方ミスっちゃった?」
「あぁ、ラスボスとの交戦フラグを立てないでサブイベントに入れ込んだんだ。馬鹿なことにね」
「くきっ!なら私のしたことの意味がなくなっちゃうな〜。せっかく、第七物語セブンスストーリーの主人公ヒーロー連れてきて物語交錯クロスオーバーさせてあげようと思ったのに」
 わざとらしい口調でアレイスターを挑発する五行を僕は止められない。権限自体は僕の方が上だし、立場も僕の方が上だけど、物語を進める役トリックスターの自発的な動きを止めることは僕には出来ないし、しようとも思わない。
 そういう称号キャラクター性の持ち主の行動はどのみち止められないモノだし。
「ふん、たかが全能如きが私と   の話を邪魔をするのか」
 だいたい、物語を進める役トリックスターは自由だからこそ意味があるんだ。
「くきぃ!たかがっ、たかがだってさリーダー!……このあてをたかがだなんて、さすがにムカつくかなあああああああああああああ!!!!!」
 だからほら、また勝手に手の内を晒す。
「超克科学オルディニスクレアーレ――――――完全無欠ウルトラ、十全十美スーパー、常勝不敗アンリミテッド、絶対究極パーフェクトガール、故に私は全知全能の絶対神イズミー!」
 超克科学オルディニスクレアーレ。覚醒ブルートソウルした極点突破者デスペラードのみが使う事の出来る世界物語キャラクターストーリー理論の最終到達地点。人類最終到達地点候補生たちの目指すべき場所。
 といっても今回五行が使ったのは見る限りただの即興術に過ぎないのだけれど、出来れば勝手に使わないでほしかったなぁ……。
「あれ?発動しない……?……うん?」
 まぁ、当然邪魔されるんだけど。
「全能の逆説オムニポテント・パラドックス。……まさか知らないわけではあるまい」
 二言だった。そして、その事実がアレイスター=クロウリーという魔術師にして科学者の強さを示しているんだ。
「……ぶ〜、つまんなぁ〜い」
 がっかりと肩を下げて、興がそがれたように超克科学オルディニスクレアーレの発動を止めた五行。まさか、全能の逆説オムニポテント・パラドックスを、全能者は全能であるが故に全能ではないという一学説を忘れたわけではないだろうに。
 いや、五行のことだから本当に忘れていたのかもしれないけど。
「殺しちゃう?殺っちゃう?ねぇリーダー!」
「落ち着けよ五行。いや頼むから落ち着いてくれ。だいたい彼を殺したところで」
 
 空から剣が降ってきた。
 
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:04:07.38 ID:yAhm9urX0
「死を晒せよ、侵略者インベーダー」
 そんな声と共に、全長数十キロメートルにもわたる長大な剣が五行の脳天に向かって振り下ろされる。誰が、どうやって?そんな疑問が浮かぶ……、
「痛い」
 だなんてことは当然なかった。
 当たり前のことだ。僕は知っている。僕は識しっている。その剣がどんなもので、その剣を操るのが誰なのかを。
「痛い痛い痛い!痛いよリーダー助けて!」
「はいはい。ちょっと待ってろ」
 剣が直撃してるのに傷一つついてないくせにそんな泣き言を言う五行に呆れながら僕は軽く剣に触れる。それだけで、剣は消え去る。
 干渉。
 無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreakerを使う僕からすればこの程度のことは当然だ。
「出てきなよ。いるんだろ?」
「無傷か」
 いつの間にかアレイスター=クロウリーの隣に立っている男を僕は知っている。
「右方のフィアンマ。あいつの下位互換程度が今更何の用?というか、この大絶滅リセットから生き残ってたんだ」
「……俺様も舐められたモノだ」
 僕のあからさまな挑発に、右方のフィアンマはあからさまに怒りを見せた。まぁ、下位互換と言われていい気になるような人間はいないだろう。
「あいつ、それって僕様のこと言ってるの、主あるじ?」
 そいつは右方のフィアンマと同じように突然現れた。
 これで3VS2。
「『神の代行人』GE13か」
「……下位互換程度が僕様に話しかけるなよ。ウザいんだよ代替品」
 GE13が右方のフィアンマを睨みつける。仕方がない事とはいえこの2人は相変わらず相性が悪い。といっても聖なる右を持つ右方のフィアンマが『神の代行人』であるGE13の劣化レプリカなのは周知の事実だ。そして自分の劣化レプリカ、クローンのようなモノが勝手に造られたというのは確かに気分の良いモノではないだろう。
「なんだ、還してほしいか?GE13オリジナル?」
 誰が見ても分かるくらい上から目線だった。
 その挑発には、当然GE13は耐えられない。
「――――――調子にっ」
「やめろ」
 だから僕は止めに入った。やれやれ、いくら『核』が固まっていないとはいえ、安易に行動するのはやめてほしいモノだ。
「あひゃひゃ!怒られてやんの〜!」
「……主」
 縋るように目を向ける13を、それでも僕は静止する。
「13、別に聖なる右を使われたところで君がオリジナルであるという事実は揺らがないさ。だから簡単な挑発に乗るなよ。……まだ、底を見せるな」
「了承したよ、主」
 底が知られても強さが変わらない先住民センチネルにとって強さを示すことは恐怖ではない。彼らの強さの限界点は1度知られている、だからこそその『上』にいけるんだ。底が暴かれれば弱くなる僕ら侵略者インベーダーとは違う。僕らは安易に力を晒せない。そうすれば、終わってしまうから。
「それにしても、本当に君達はこれで良かったのかい?」
「何がだ」
「大絶滅リセットで利するのは言うまでもなく侵略者インベーダーたる僕らだ。先住民センチネルたる君達からしたら、大絶滅リセットだけはどんな手段を使っても回避したかったんじゃないのかい?」
 少しの沈黙の後にアレイスター=クロウリーが口を開いた。
「ある意味ではそうかもしれない」
 肯定が返ってきた。
「だがある意味ではそうではないだろう」
 否定も返ってきた。
 そして後に続くように右方のフィアンマが言った。
「俺様達ももはや純粋な先住民センチネルとは言えまい。ならば妥協はするべきだ、というのが俺様達の出した結論だ。大絶滅リセット程度ならば、完全閉鎖アーカイブスルーや中断事象リアルが起きないのならば、やりようはいくらでもある」
「ふぅん……そう。だったらまぁ、初お披露目はこの程度でいいかな」
 そう言って僕は、諦めたように言う。そういうしかないから、言う。
「愛し子よMary、愛し子よMary、僕の愛するMy fair愛しき世界よMary Sue。
 その運命を改変しておくれCambiare il destino、
 その物語を書き換えておくれFare una storia。
 我が神のお望みとあらばWenn es meines Gottes Wille、
 我らが神のお望みとあらばWenn es unsere Gottes Wille、
 過去など無いに等しいのだDie Vergangenheit ist vorbei。
 すべての可能性を内包した書の中でO mundo onde há esperança e o desespero
 ただ一つの意志のみがEle destruiu何もかもを無に帰すのだo mundo」
 何度も言ってきた初めての詠唱を、僕は紡ぐ。
「絶対不変の絶対法則アンチェンジナブルラウ――――――無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreaker」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「さあ、やり直そうか」
 
「次は、失敗しないようにね」



一つ言っておこうか。

愛がないのならば、この物語の真実には辿り着けない。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:05:41.64 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/151.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

151 / 178
セーブデータをロードしました。

ここは2周目の世界です。

意味が分からない人はhttps://syosetu.org/novel/158074/に行ってください。
パスワードはURLの数字です。



久し振りの更新ですね、なんて言ってみたり。


第二部 第二章 第四節 革命未明《サイレントパーティー》〜それでも諦めないと叫べよ愚者共〜
上条当麻@ Welcomehomeおかえりなさい,heroヒーロー.

「……ハッ!?」
 上条はそこで目を覚ました。
 だがすぐに苦しみが襲った。
 冷たい。あまりにも冷たい。
 苦しい。あまりにも苦しい。
 耐えられないほどに痛く、痛い。
 喉が、絞まる。
「はっ、はぁっ!はぎ……ぃっ!」
 絞まる絞まる絞まる。
 喉に加えられた力が咽頭を潰す。
 呼吸すらもままならない。
 鼻から息を吸って鼻から息を吐いて、そんな単純作業すらできない。
「ぁ――っ!…………ぁッ!」
 眩む。沈む。落ちる。狂う。
 ダメだ。ダメだダメだダメだ。
 手の力が抜けてきた。瞼が下がってきた。意識がなくなってきた。
 終わる。死ぬ。終焉を迎える。
 そんなことは、認められない。
(…………………………[ピーーー]、るか)
 例え全てが終わってしまっていたとしても。
 もう今から何かを初めても何の意味もなかったとしても。
 この地球上に生存している人間が上条当麻1人だけしか存在しなかったとしても。
 それでも、生きなければならない。
(……………………………[ピーーー]るか)
 何が起きたのかなんて当然わからない。
 何か起きたのだということは当然わかる。
 全てが終わった後でしかないというのは直感出来る。
 もう遅いのだ。遅すぎるのだ。誰かが何かをして、それを誰も止められなくて、だから皆死んだ。
 そう、死んだのだ。
 皆死んだ。
(…………………終われるか)
 佐天涙子は死んだ。
 上条刀夜は死んだ。
 食蜂操祈少女Aは死んだ。
 蜜蟻愛愉と思われる少女は死んだ。
 煌輝は死んだ。
 見知らぬ男は死んだ。
 見知らぬ女は死んだ。
 見知らぬカップルは死んだ。
 青髪ピアスは死んだ。
 吹寄制理は死んだ。
 …………インデックスは、死んだ。
(こんな終わりを、認められるか!)
 理不尽に、
 不条理に、
 無作為に、
 死んだ。
(こんなっ、こんな、こんな、ァ!)
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:06:33.58 ID:yAhm9urX0
だから、だから、だけど。
 諦めるわけにはいかない。
 終わらせるわけにはいかない。
 諦めたくない。
 終わらせたくない。
 だから、だから、だから!
(動けよ)
 この首を絞める手が誰のモノなのかは分からない。世界を滅ぼした犯人が幻想殺しイマジンブレイカーによって難を逃れた上条を直接殺しに来たのかもしれないし、そうではないのかもしれない。
 けれど、その手に殺意があるのは確かで、
 何もしなければ上条はここで死んでしまうから。
(動けよ、俺!!!)
 死にたくない。
 [ピーーー]ない。
 ここで、こんな、これで、終わり?
 そんなの嫌だ!
 だから動け、動け、動け。
 手に力が入らない?
 あぁ、そうだよ。拳を握りしめることすら重労働だよ!
 瞼が重くて下がりそう?
 その通りだよ。眠くて眠くて仕方がないんだ。今すぐにでも眠りたいんだよ!
 意識がなくなってきた?
 暗くて寒くて怖いんだよ!
 でも、でもっ、でもっ!
「――――――ぅ、が」
 意志力の限りを尽くして、魂から力を引き絞って、今限界を超えなければいつ超えるんだと思いの限りをもって、
 上条は、
 上条当麻は、
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 死力を尽くして首に掛けられている手を払っ
 
 急に圧迫感が消えた。
 
「ぁ、ふっ!?はっ、はひ……っ!ひ、ふぁ――ぜっ、ヒュ――ッ!?」
 首を絞めていた誰かの手が消えて、上条は思わず膝をつく。新鮮な空気を求め、喘ぐ様にして息をする。
「ぜぇ……っ、ぜはッ、ヒュ――ッ。……はぁっ、はぁ……っ!」
 息、息が出来る。
 足りない酸素を補うことがこんなに難しいなんて上条は知らなかった。
(く、空気を)
 世界に満ち溢れている空気を吸って、吐いて、鼻から吸って、口から吸って、吐いて、そうやってどうにか自分自身の体調を正常に戻そうとする上条。絞められた首は未だに痛く、気管が圧迫された影響は色濃く残っている。まだ、まだまだ全然辛い。痛い。息が吸えない。吐いて、吐くことしかできない。
 吐くことしか
 
「上・条・さ・ん・ッッッ!!!???」
 
 吐くこと、しか……?
(―――――――――――――――)
 呼吸が止まった。
 今度は誰かに首を絞められているからではなく、上条自身が呼吸を止めた。
(…………待て)
 今、誰の声がした?
(ちょっと待て)
 今の声は誰のモノだった?
(待てよ!)
 誰が、上条当麻の名前を呼んだ。
(―――――――――――――――――)
 心臓の鼓動が激しさを増す。身体が震える。いや、あり得ない。あり得ないはずだ。あり得ないはずなのに、上条はその声の主が誰か知っているのに、だからこそ否定できるはずのなのに。
 いないはずだ。その声の主は、その声で上条の名を呼ぶ人間は今四肢を捻じ切られて病院にいるはずで、よしんば抜け出してきたとしてもこの凄惨な現実の中で生き残ることが出来ているとは思えない。
 希望はない。
 奇蹟は起きない。
 一条の光すらも存在しない。
 そのはずなのだ。
(―――――――――――――――――――――――――――――――――――)
 確かめなければならない。
 だから覚悟を決めなければならない。
 そう、その声の主は、誰だ?
 上条の名を呼んだのは、誰だ?
「……………………」
 息をのむ様な気配がして、それはつまりそこに誰かがいるということの証明だから、
 ゆっくりと上条は顔を上げる。
 ゆっくりと上条は視線を上げる。
 まず、初めに見えたのは靴。そして生足が視界に入り、スカート、ブレザー、そして、
 そしてその顔が、
「し……らい?」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:07:00.58 ID:yAhm9urX0
白・井・黒・子・が・心・配・そ・う・に・上・条・当・麻・を・見・て・い・た・。・
 
「………………、……、……………………………………………」
 果たして自分が今見ている光景が現実なのか幻想なのか、上条には判断がつかなかった。
 これが何者かによる精神攻撃によって見せられた幻覚ならば、その敵は大したモノだとすら思ってしまった。
「っ、上条さん!しっかりしてくださいまし!いったいどうしたと言うんですの!?」
「上条さん……?」
 ふらり、と揺れる。
 先ほどとは違う意味で視界が揺れる。
(なん……だ……)
「上条さん!重軽っ、今すぐ医者を――――――」
「だから結界で区切られてるんですよ!後十分わ無理です!」
 白井がいて、重軽がいて、佐天がいて。
 上条が蹲っている場所は病院の一室だった。
「なんだ、……これ……?」
 ここがどこか上条は知っている。
 見覚えがある。
 だからこそ分からない。
「なんだよ……これっ!?」
 意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない意味が分からない!!!!!
 なんだ、これ!?
「……上条さん?」
 状況をよく理解していない佐天は4人の中で唯一混乱していなかった。そんな佐天を見て、少しだけ上条の心が落ち着く。
 佐天は凡人で、平均以下だ。そういうと悪い意味に囚われてしまうだろうが、それは決して悪い意味だけではない。
 天才を騙すことは容易く、馬鹿を騙すことは難解で、豚を騙すことはできないのだ。
「佐天!」
「ひぇ!はっ、はい!何ですか上条さん!」
「今日っていつだ?」
「……………はい?」
 4人の中で一番頭が悪いから佐天は白井や重軽ほど騒がなかったし上条ほど動揺しなかった。
 4人の中で一番判断力がないから佐天は白井や重軽のようにすぐに行動できなかったし、上条のように蹲らなかった。
 凡人、平凡、平均未満。その鈍さはこの場において何よりも有用だった。
「今日って何月何日でっ、今って何時何分なんだ!答えてくれ!」
「えっ、と……」
 少し、逡巡して、
「今日は8月29日で、時間はたぶん午後2時くらい、……です」
「8月29日……」
 8月29日は8月31日の2日前で8月28日の1日後だ。
「8月、29日……っ?」
 8月28日は御坂美琴が行方不明になってからちょうど1週間がたった日でフェブリを保護して白井が倒れた日で、8月31日は超能力者予備集団セブンバックアップ第七位瞬瞬と屋上で戦い風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第8位千疋百目の運転するアクロバイクに乗って『スタディ』の異常に乗り込んで御坂美琴と再会しその死をまじかで見て蜜蟻の『復讐』にあって全てが死滅した日で、
 そして8月29日と言えば風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第16位重軽石と共にフェブリの件について話し合った日だ。
(戻ってる……?)
「――――――!?」
「――――――っ、――――――!?」
 遠い。こんなに近いのに、あまりにも遠すぎる。
 聞こえない。こんなに大声を出しているのに2人の声が聞こえない。
 何で、何が起きてるんだ?
「上条さん?」
「どうして、……なんでっ……?」
 ふらふらと、夢遊病患者のように立ち上がって、上条時は病室のドアに近づいた。
 その手を扉にかける。
 蒼白な顔で、震えを抑えられない腕で、目は虚ろ、足は竦む。
 それでも、
「何をっ」
 確認しなければならない。
 確かめなければならない。
 ここはどこで、今はいつで、世界はどうなっているのか。
 そして、
「…………インデックス」
 片腕は切り落とされて、半ばまで切断された胴からは醜悪な内臓が零れ落ちていた。白を基調とした修道服はあちこち切り裂かれ、穴が開いて、そこから流れる血が修道服を赤黒く変色させていた。
 数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの傷がインデックスの身体を冒していたのを上条は見ていた。
 外傷の無かった佐天や刀夜、食蜂に青髪ピアス、吹寄、輝と違ってインデックスの身体はズタボロだった。
 今の上条当麻が知らない過去の上条当麻がその命を懸けて、記憶を喪ってまで助けた少女は原形を留めないほどに切り刻まれて死んでいた。
 そうなっていた。
「インデックス!!!」
 扉を開けた。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:07:27.95 ID:yAhm9urX0
 もう抑えきれなかった。
「どこに行くつもりですのッッッ!!!???」
 全力で廊下を走って、走って、走って、結界で区切られていた空間から抜けた上条は病院の喧騒の中に放り込まれた。
「――――――あ」
 ざわざわざわざわと各所から聞こえる人々の声。それは例えば看護師と病人のやり取りで、それは例えば受付をする人の声で、それは例えば電話をしている人々の声で、それは例えば友人と会話をしている人の声で。
 そこは『平穏』だった。
「――――――っ!」
 何かを否定するかのように上条は再び走り出す。
 病院を出て、街の中に飛び込む。
 すぐに目に入った。
「…………嘘だ」
 顔が引き攣るのが分かった。
 一瞬全ての色が消え去った。
 何が、ではなく、何で、ではなく、何を、ではなく。
 目の前の現実を見つめることが上条にはできなかった。
 そんなはずがない、なんて。
 こんなのはうそだ、なんて。
 誰にも共感されない思いを上条は抱いていた。
「――――――ッ!!!」
 また走り出す。
 何かから逃げ出すように、何かに耐えられなかったから。
(違う違う違うっ!)
 右を見れば誰かが恋人と楽しいひと時を過ごしていた。
 ――――――走り出す。
 左を見ればオシャレなカフェテラスで誰かが紅茶を嗜んでいた。
 ――――――走り出す。
 前を見れば赤になった信号機を見て皆が立ち止っていた。
 ――――――走り出す。
 後ろから喧騒が襲ってきていた。
 ――――――走り出す。
「違う違う違う違う違う違う!!!!!」
 何処をどう走っているのかもう分からなかった。ただ、人の目から逃れるように、人の声から逃れるように、そこにある『日常』から逃げ出した。
 暴力的だ。
 凶暴すぎる。
 あまりにも目に毒だ。
「はぁっ……、くっ、あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
 これが現実?
 それとも幻想?
 何を信じればいい?
 何が確かなんだ?
「何なんだよこれはああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 走って走って走って。
 狂って狂って狂って。
 そして、
 そして、
 そして、
「ぁ」
 上条はいつの間にか自分の部屋の扉の前に立っていた。
「……………」
 勇気。
 勇気がいる。
 この扉を開けるには、莫大な勇気が必要だ。
「………………、行く、……ぞ」
 手に力を込めた。
 ドアノブを握って、回した。
 
 そして、上条当麻はその扉を――――――。
 
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:07:59.19 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/152.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

152 / 178
お前は嘘吐きだ。
地球は球体に決まっている。
お前は嘘吐きだ。
1+1は2に決まっている。
お前は嘘吐きだ。
世界は只の一度も滅んでなどいない。

――――――二九七


上条当麻とインデックス@ 世界で一番大切な人 作戦会議@ 前史ではいなかった人

「あれ、どうしたの当麻?」
「――――――――――――――――――――――――――――――――――」
 はたしてその時の自分の心情をなんといえばいいのか、上条には分からなかった。
 安心?そうなのかもしれない。
 切情?そうなのかもしれない。
 親愛?そうなのかもしれない。
 溢れんばかりの感情の奔流に飲み込まれる。それを自覚した。
「とっ、当麻!?」
 だから、上条は全力でインデックスのことを抱きしめた。
 涙が流れるのを自覚した。
 大切な、本当に大切な人。
 記憶を喪った上条当麻でも、それだけは覚えていた。
 記憶を亡くしても、心は覚えていたから。
「―――――――」
「……どうしたの、当麻?」
「……良かった……」
 意味が分からないだろう。
 けどそれでもいい。
 自己満足に過ぎないだろう。
 でも無事でよかった。
 優先順位を付けたいわけではないけれど、上条にとってインデックスは命よりも大切な人で、他の誰よりも大切な人で、本当に、本当に大切な人で。
「よかった……、ちくしょうっ、本当によかった……っ!」
「当麻……」
 その激情を抑えることが出来ない。しない。
 膝をついて、ぐしゃぐしゃになった顔をインデックスの肩に埋め、上条は泣いた。それほどまでに、あの時受けたショックは大きかった。
 血みどろの姿で死んでいたインデックスは、腹の内から内臓が零れ落ちていたインデックスは、あの時助けられなかったインデックスは、
 生きている。
 生きていた。
 今、腕の中にいる。
「大丈夫。大丈夫なんだよ当麻。私は、ここにいるから」
 慈しみをもってインデックスは上条を抱きしめ返した。今にも壊れてしまいそうなほどに弱弱しく、優しく触れないと崩れてしまいそうなほど羸弱るいじゃくに見えた。
 上条とは思えないほどだった。
「――――――っ!」
 返すようにもう一度上条はインデックスを抱きしめる。縋るように、頼るように。
 あの時死んだインデックスがいないくなったわけではない。上条がインデックスをたすけられなかった事実がなくなったわけではない。
 けれど、今は、今だけは泣いていいだろう。喜んでいいだろう。
 上条はまだ、15歳の少年なのだから。
「当麻、何かあったの?」
 インデックスは上条のこんな表情を見たことがなかった。インデックスの知っている上条はどんな時でも優しくて、他者を気づかえて、そして『強い』人だった。
「世界が、……滅んでたんだ」
「?」
 今の上条はいつになく弱気だった。
「みんな、……死んでたんだよ」
 だから本当に珍しいことに上条は弱音を吐いた。よりにもよってインデックスに対して弱音を吐いた。
 あの光景は、全てが死で終わってしまっていたあの世界は、それほどまでに上条の心を蝕み、蹂躙し、冒し尽したのだ。
「俺……っ、俺は!お前のことを護れなかったんだ……っ!!!」
 誰かを頼るという事を上条はしたことがなかった。それは決して他者を信じていないからではなく、頼ることで巻き込みたくなかったからで、だからインデックスの事を気づかって、護りたくて、上条は今まで関わってきた事件についてインデックスに話したことはなかった。
 三沢塾の事件の時、魔術師が相手にも関わらず上条はインデックスに頼らなかった。
 1人で出来ると思ったわけではない。脅威を理解していなかったわけではない。ただ、それでもいやだった。
 その『枷』が崩壊する。
 その『枠』が超越される。
 救済者ヒーローの『意識』が崩壊していく。
 けれど、
「ぁ」
 ゆっくりと、壊れモノを扱うかのようにインデックスは上条の頭を撫でた。
 それはまるで聖母のような、
 それはまるで聖人のような、
 救いの赦し。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:09:08.27 ID:yAhm9urX0
「落ち着いた、当麻?」
「イン、……デックス」
「よくわからないけど、世界は滅んでないし、誰も死んでないんだよ」
 安心させるような柔らかい微笑みを浮かべて、インデックスは上条の顔を真っ直ぐ見つめた。よくわからないけど、本当によくわからないけれど、何が起きているのか分からないけど、シスターとして他者を癒すことはインデックスの義務だ。
 インデックスは魔導書図書館である以前にイギリス清教必要悪の教会ネセサリウスのシスターなのだ。
「私も、ここに居るから」
 それが安心をもたらせるかは分からない。ただ、何かに怯え、何かを後悔する上条を安心させようとインデックスは懸命に上条に話しかけた。
「っ、う、っぁあ!!!」
 焦らせるようなことはせず、聞き質すようなこともせず、糾弾するようなことも当然せず、インデックスはただ上条を抱きしめ、撫でた。
「大丈夫、……大丈夫だから」
 それが赦し。
 上条当麻はインデックスに赦された。
 …………もう永遠に会うことのできない、もう永劫に失われてしまった、1周目のインデックスの代わりに、2周目のインデックスに、
 赦された。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 たぶん、この場で1番混乱していたのは白井だった。
「…………どういうことですの?」
「…………誓って言いますけど、私わ何もしてません」
 そして白井の次に混乱していたのは重軽だった。
 『ストロビラ』を抜いて白井が暴走した時はこんなはずじゃなかったなんて思っても冷静だったが、上条が理解不能な行動をとった今はさしもの重軽とて混乱していた。
「『ストロビラ』を埋め込んだのは風紀委員本部セントラルジャッジメントですわよね。上条さんが急に何処かに行ってしまったのも、あなた方に原因があるのでは」
「それわ違うっ、……違うはず」
 咄嗟に否定してしまったが、重軽は断言をすることが出来ない。風紀委員本部セントラルジャッジメント。風紀委員ジャッジメントの最上位機関。重軽はそこに所属しているわけだが、風紀委員本部セントラルジャッジメントの全貌を知らない。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントは秘密が多い組織なのだ。
 『外』から風紀委員本部セントラルジャッジメントを探ることはもちろん、『中』から風紀委員本部セントラルジャッジメントを探ることも出来ないほどに情報管理が厳格で、メンバーの動向は常に監視されていているほどに秘密が多い。
 だから重軽石は風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第16位の上位序列者ハイランカーであり、風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第二班班長の立場をとり、聴覚強化アコースティックストリングスの強能力者レベル3で、専用装備として『可聴外音出入力式完全完殺兵器BDYブレイドダンスユニット48』を与えられているのにも関わらず、白井の問いに確信をもって答えられない。
 重軽の立場では無理なのだ。風紀委員本部セントラルジャッジメントの全てを知る人間は委員長である人間操者パペットマスター白白白だけ。委員長補佐である木葉桜十五夜や5人の総隊長ですら、風紀委員本部セントラルジャッジメントの全てを知っているわけではない。
 特に計画スケジュールに関することは。
「だったら何が!?」
「誰かの能力による精神攻撃……?それとも私達にわ見えないモノでも見た……?」
 重軽には分からなかった。
 上条は『特別』。あの委員長すら己と同格と認める『特別』。
 だとしたら、
 上条当麻は何を見た?
 上条当麻は何を知った?
「あの、追いかけた方が」
「結界があるって言ったでしょ。私達に上条当麻わ追えません。もう少し時間がたたないと」
 結界。『スタディ』による学究会襲撃に関する防衛作戦を説明する間に邪魔が入らないように場を区切る結界。
 超能力ではないもう1つの力によって張られた結界。
 それを越えることは重軽達にはできない。
「携帯で連絡はとれないんですか?」
「外界とのやり取りわ完全に遮断されてますよ。通信や念話能力テレパスも含めてね」
「……ならば外部から上条さんに干渉するのは不可能ではありませんの」
 上条の異常行動の理由として2人は『誰かが上条に何らかの干渉をしたから』だと考えようとしていた。確かに、それが1番納得のできる理由だ。
 この場において上条だけに異常行動が見られたのだから、上条だけに何かがされたと考えるのが一番納得がいく。
 あまりにも少ない情報の中では、そう考えるしかなかった。
「そう、その通り、上条当麻に外界から干渉することわ不可能なはず……」
 だから行き詰まる。
 正解に辿り着けない。
「私達の中に、……いるとでも?」
「……あり得ないでしょう。メリットがない。デメリットしかない」
「ならなぜですの?」
「なぜ……?こっちが聞きたい!」
 上条が異常なのではなく、重軽と白井と佐天が異常な可能性。上条が間違っているのではなく、重軽と白井と佐天が間違っている可能性。
 上条だけが『正解』を知っている可能性。
「っ、くそっ、これじゃ計画が」
 所詮、理外人外でもなく、幻想殺しイマジンブレイカーすら持たない登場人物キャラクターでは、いくら称号持ちネームドでもこの程度であった。
「…………計画?」
 ほんの少し、白井の瞳が鋭くなる。
「なんでもないです。……とにかく上条当麻を連れ戻さないとっ、彼がいないと話しても意味がない!」
 重軽の任務は上条と白井を『スタディ』の件に参加させること。だから上条がいなければ説明しても意味がない。佐天はいなくなっても別にかまわないが、上条に替えが効かない。
 対面して会話して接触して実感した。上条は特別だ。個性がある。そしておそらく特別な称号キャラクター性もある。
 いなくなっていい人じゃない。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/13(日) 18:09:45.40 ID:r0uYJLf+o
止めろガイジ
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:10:19.39 ID:yAhm9urX0
「とわいえ外部と接触する手段がないのも事実です。だから」
「邪魔するぜ」
 それはまるで図っていたかのようなタイミング。
 偶然にしては出来過ぎていて、重軽の意図を外した出来事。
 ここで1人、メンバーが追加された。
 前史ではいなかったはずのメンバーが、前史では関わらなかったはずのメンバーが、まるで上条の代わりに補充されたかのように病室の中に加わった。
「……誰、ですか?」
 その風貌に佐天は気圧された。
 左目が閉じられている。まるで漫画のキャラクターのように大きな刀傷のようなモノが額から左頬にかけて奔っている。戦いの結果として出来た傷なのだろう。それだけ壮絶な戦いだったのだろう。
 佐天が今まで見たことの無い人種だった。
 だから口元を手で覆う。直視できない。非日常。
「オレか?オレは」
「糸獅子宍しししし死屍しし、なぜあなたが?」
 新たなメンバーの名は糸獅子宍しししし死屍しし。糸獅子宍ししししが名字で死屍ししが名前。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントのメンバーの1人。
 白井の超能力チカラの暴走によって崩壊した病室の補修を頼んだ人間。
「うちの部隊のトップからの指示だぜ。重軽、オメェはここで待機だぜ」
「っ、待機!?今日中に計画を説明しないと間に合わなくなると言ったのわ風紀委員本部セントラルジャッジメント側ですよ!」
「んなこと知ってるぜ。その上で待機命令が出てんだぜ。まっ、きっと事情が変わったんだぜ」
「っ!?」
 その事情が変わったのは重軽が上条と白井の首から『ストロビラ』を抜いたからか?
 それとも上条が酷く憔悴した様子で飛び出していったことを察知したからか?
 まさか重軽が冥土帰しヘヴンキャンセラーに頼んでいたことがばれたのか?
「そういや自己紹介がまだだったぜ」
 ともかく『上』から待機命令が出た以上重軽はここで待機する必要がある。何せ『上』からの命令は、
 そう風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属している以上組織を乱すわけにはいかないからメンバーは『上』からの命令に絶対に、
 何よりも優先すべきなのは『上』からの命令で、
 重軽はそれに逆らうわけには、
「風紀委員本部セントラルジャッジメント支援部隊第一班班長、風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第17位、原子分解ディスインテグレイトの異能力者レベル2、糸獅子宍死屍しししししししだぜ。たぶんもう会わねえと思うけど、よろしくだぜ」
 いいや、
 重軽はもう知っているはずだ。
 出来るはずだ、重軽なら。
(私わ私っ!私わ自分の、今度こそ自分の意志で……っ!!!)
 風紀委員本部セントラルジャッジメントメンバーの行動を制限する緊急装置ベイルアウト。右手首につけられたそれを睨みながら、重軽石は頭を侵す鈍い痛みに耐えていた。
 
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:13:29.86 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/153.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

153 / 178
上条当麻とインデックスA 手掛かり

 いつまでも泣いているわけにはいかない。時間はもう、ほとんどないのだから。
「サンキュー、インデックス。……だいぶ落ち着いた」
「よかった。それで、どうしたの当麻?」
 どうしたもこうしたもない。全てが終わって滅んで死んだのだ。そしてそれがなぜかなかったことになっているのだ。
 何も分からないままに何かがあって、何も気づけないままに何かがあった。
 そう、だから、まずその何かが何なのかを探ることからしなければならない。
「…………聞いてもいいか、インデックス」
 全ての物事にには原因がある。その原因によって結果が起きる。
 世界が滅んだのにも何か原因があるはずだ。
 その理由を知らなければならない。
 もはや四の五の言っていられない。上条の知識だけではあの滅びは回避できない。
 巻き込みたくないとか護るために遠ざけるとかそんなことをして守れなかったら本末転倒もいいところだ。
 絶対に、もう二度と、あんなことは起こさせない。
 そのために、矜持を曲げる。
 インデックスを頼る。
「何を」
「魔術で世界を滅ぼすことって、可能か?」
 息をのむ音が聞こえた。
 10万3000冊の魔導書を記憶したインデックスだからこそ、上条の問いに対して多くの想像が出来てしまった。
 魔術。その可能性と幅の広さ。
 奇蹟の体現。無能故の憧れ。神話の力を手に入れる行為。
 魔まの術すべ。
「出来なくは無いんだよ」
「具体的にどんなモノがある?」
「具体的に……」
 なぜ上条がそんな質問をしたのかインデックスには分からなかった。だが、その真剣さと恐怖に歪んだ顔から何かのっぴきならない事情があることは容易に想像できた。
 追いつめられている。何かに怯えている。インデックスを頼るほどに。
 それが分かるからインデックスは魔導書図書館としての己の知識を総動員して答えた。
「世界を丸ごと異世界に移す異界反転ファントムハウンドとか、地球の平均気温を氷河期レベルまで一気に下げる永久凍土コキュートスレプリカとか、宇宙から隕石を落下させる天球にて輝く星々よシューティングスターライト、 晦冥の中で失墜せよメティオライトフォールとか」
 次々と出て来る滅亡級魔術を上条は前の世界の状況と照らし合わせ、検証する。
世界を丸ごと異世界に移す異界反転ファントムハウンド?違う。あの死の世界は異世界なんかじゃなくて確かに地球上だった。
 地球の平均気温を氷河期レベルまで一気に下げる永久凍土コキュートスレプリカ?違う。気温が下がった様子は全くなかった。だいたいそこまで気温が下がったら上条だって死んでいる。
 宇宙から隕石を落下させる天球にて輝く星々よシューティングスターライト、 晦冥の中で失墜せよメティオライトフォール?違う。隕石が落下したなら地上はもっと蹂躙されているはずだ。
「大陸を割るレベルの地殻変動を起こす極大地震アースシェイカーとか、既存の物理法則を改変する不自然律アナザープログラムとか、超規模の津波を起こす全海津波ダイタルウェイブとか」
 大陸を割るレベルの地殻変動を起こす極大地震アースシェイカー?違う。地震が起きた様子なんて無かった。
 既存の物理法則を改変する不自然律アナザープログラム?違う。判断は難しいが、あの死にざまは物理法則が改変されたモノではないはずだ。
 超規模の津波を起こす全海津波ダイタルウェイブ?違う。水なんてどこにも無かった。
「後は、……外界との接触を一切断つ閉鎖世界ディストピアとか。今言った以外にも世界を滅ぼすだけの魔術ならいっぱいあるんだよ」
「………………………………」
 10万3000冊の魔導書の知識をその身に保管した魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumの知識は並みではない。間違いなく世界でも五指に入るレベルの魔術知識を保有している。そんなインデックスだからこそ滅亡級の魔術を次々と口に出すことが出来る。そしてそれは上条にとって大きな役に立っていた。
 最も、インデックスとてこの世に存在する全ての魔術を知っているわけではないが。
「じゃあ、その中に」
 ものすごく頼りになった。
 だからさらに深く、鋭く、踏み込む。
 この惑星ホシを今度こそ救うために。
「一瞬で、世界中の人を、外傷無く、[ピーーー]魔術はあるか?」
「一瞬で、世界中の人を、外傷無く…………?」
 一瞬つまる。しかしそれは上条の言うような魔術が思いつかなかったからではなく、むしろ逆で。
「それも割とたくさんあるんだよ」
 魔術の幅は広いのだ。
 インデックスの知識の幅もまた広いのだ。
「地脈を乱して地球上の生物に特定の影響を与える星による種の否定エンジェルボイスとか、『死』そのものを降臨させることのできる滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスとか、致死率100パーセントのウイルスをばら撒く致死病療666ウイルスとか」
 地脈とは土地に起因するエネルギーのことだ。惑星の中を血流のように循環するエネルギーで、この地脈を利用することによって人払いのような魔術を使う事も出来る。そしてその地脈を上手く弄いじれば生命体を滅ぼすことも可能だ。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:14:26.31 ID:yAhm9urX0
 神話には様々な『死』がある。ギリシャ神話には死そのものを神格化したタナトスという神がいるし冥府の神であるハデスも存在する。また、メソポタミア神話には同じく死に関連するネルガルやエレキシュガルなどの神が存在する。そんな『死』が地上に来れば、生物など一瞬で滅ぶだろう。
 ウイルスというももちろん侮れない。1918年~1919年に流行したスペイン風邪は死者5000万人~1億人と言われといるし、14世紀の黒死病ペストは当時のヨーロッパの人口を半減させたと言われている。致死率100パーセントの病がばら撒かれれば、人類など確実に滅亡するだろう。
「他には――――――」
「そんなに、あるのか……」
 割と条件を限定したつもりだったが、上条が思っている以上に魔術というモノは多くの種類があるらしい。そしてだからこの現状は絶望的だ。インデックスの知識をあてにすれば前の世界が滅んだ理由を解明できると思った。どう考えても世界があんな風になった理由は魔術にあると思った。学園都市製の超能力ではあんなことは出来ない。範囲も威力も何もかも足りない。ならばあの異常はきっと魔術によるものだと結論付けるのはある意味当然の帰結。
 にも拘らず謎は解明されない。出来ない。
 絶望的だった。
 時間がない。
 時間がないというのに。
「でも当麻。はっきり言って今言った魔術が発動する事なんて絶対にないんだよ」
「は?なんで?」
「魔術を発動するには準備が必要なのは当麻も知ってるでしょ。ステイルがルーン魔術を使うためにルーンカードをばら撒くみたいに基本的に魔術を使うためにはそれ相応の準備がいる。もちろん大規模な魔術を使いたいなら、多くの時間と多くの費用と多くの準備が必要になるんだよ」
 当然のことだ。学園都市の学生が使う超能力とて脳に電極を刺したり投薬を行ったりなどの準備がいる。それは魔術も変わらない。一部の例外、生まれた時から選ばれている聖人などを除けば魔術を使うにも準備がいることは当然の帰結。
 そして大きな力を使うためには大きな準備がいる。
 世界を滅ぼすほどの魔術を使うとなれば異常なほどの準備期間が必要だ。
「道具も、お金も、場所も、技術も、人手も、時間も、異常なくらいの質と量が必要になる。そんな準備を私達魔術師が見逃すわけがない」
 魔術師というのは独善的で自己中心的な存在だ。
 だがそれでも禁忌はある。過剰な人体実験を忌避したり、科学との融合を断罪したり、そして世界を滅ぼしす事もまたしかり。
 それは絶対の禁止事項。
「普通ならどんな魔術師だって世界が滅んでいいとは思ってないんだよ。だから、世界を滅亡させるような魔術を使おうとする魔術師はその魔術の発動の予兆が見える前、その準備をした、しようとした段階で全員例外なく殺される」
「殺っ!?」
「仕方ないんだよ。世界を護るためには、そういう事もしないと……」
「…………そこまで」
 そこまで、そこまでの体制をしいているのであればどうして世界は滅んだのか。
 世界を滅亡させるような魔術を発動させるためには多大な準備が必要になる。その準備を魔術師は決して見逃さない。そして発見し次第対象の魔術師は殺される。
 ではなぜ前の世界は滅んだ。
 どうして誰も気づけなかった。
「当麻、私からも質問していい?」
「…………あぁ」
「何が、あったの?」
 何があったか。決まっている。世界が滅んでいたのだ。そういうのは簡単だ。
 しかしインデックスにそのことを説明するか迷う。
 その選択が正しいのか否か、どんな選択をすればインデックスを助けられるのか、話すことでインデックスが死んでしまわないか。
 嫌でも思い出す。インデックスの死にざ ま、を――?
「……………………………ぇ」
 インデックスの死に様?
 インデックスはどう死んでいた?
(待て、待て待て。思い出せ……っ!)
 吐きそうになるくらい気分を悪くしながら上条は必死に思い出す。
 そう。そうだ。あの時、スタジアムの中で死んでいたインデックスは……っ!
「そういう事かッ!」
 分かった。手掛かりが分かった。
 やっぱりインデックスが手掛かりだったのだ。気付いていた。分かっていた。インデックスは気付いていた。前の世界のインデックスはちゃんと気付いていて、止めようとしていた。そうだ。だからインデックスはあんなに傷ついて、凄惨な姿で死んでいたのだ。
 凄惨な姿。
 片腕を切り落とされ、
 半ばまで胴を切断され、
 その傷口から内臓が零れ落ち、
 白を基調とした修道服はあちこち裂かれ穴が空き、
 そこから今もなお流れ出る血が修道服を赤黒く変色させ、
 数えることすらも馬鹿馬鹿しくなるほどに多くの傷がインデックスの体にはあった。
 それが1周目のインデックスの死に方。
 それこそがインデックスが残した手掛かり。
「当麻?」
「ちょっと付き合ってくれ」
 立ち上がりながら、決意を込めた瞳でそう言って
「いいけど、どこに?」
「とあるスタジアムに一緒に行ってほしい。理由は道すがらに説明するから」
 タイムリミットは後3日。
 絶対に、人類を滅ぼさせはしない。
 






31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:15:29.33 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/154.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

154 / 178
イベント発生条件:8月31日以前にスタジアムを下見に行くこと。


上条当麻とインデックスB 隠しイベント発生

 事情を話し終えると同時にスタジアムについた。
「―――――――てことがあったんだよ」
「……俄には信じられないんだよ」
 インデックスが上条に聞かされたのは正気とは思えない内容だった。
 世界が滅んだ?人類が滅亡した?それを上条だけが憶えている?
 馬鹿かお前?と一笑できる内容だ。
 普通なら、いくら優しいインデックスといえども信じられない。
 だがしかし、そうけれど、他でもない上条が言ったことなのだ。
 命をかけてインデックスを救い、その右手にあらゆる異能を無効化する祝福の異能幻想殺しイマジンブレイカーを保有する上条当麻が言ったことなのだ。
 一概に否定はできなかった。
「でも、当麻の言うことが本当なら……、魔術で…………。世界が滅びるなんて、そんなこと……」
 不可能、ではないはずだ。だが限りなく不可能に近いのも事実。
 先ほど上条にも語ったように事前準備や反抗勢力の多さから魔術で世界を滅ぼすなんて現実的ではない。けれどもしもそれが可能となるのならば、可能性は2つ。
 全魔術師が見逃すほど術者が狡猾だったか、あるいは何・ら・か・の・理・由・で・わ・ざ・と・術・式・の・発・動・が・見・逃・さ・れ・た・か・だ。
「俺の考えが正しいなら、このスタジアムの中に『何か』があるはずなんだ」
「どうしてそう思うの?」
「……お前がこの中で死んでたからだよ、インデックス」
「?」
 それはさっき聞いた話だ。上条がインデックスに話した内容をすべて鵜呑みにするのならば、上条が体験したことは次のようになる。
 まず、時刻Xに上条と共にいた3人が死亡。その後地上に出る途中で1人の死体を確認。そして地上に出てからはインデックスの死体を確認。あてもなく歩いていると街中で全ての人間が死んでいるのを確認。最期に何者かに首を絞められて、原因不明で過去に遡った。
 そしてそこから構築できる推論はこう。
 時刻Xにおいて滅亡級魔術αが発動。滅亡級魔術αの影響で全人類は外傷無く死亡。その後上条は外に出て、生き残っていた人物#シャープによって首を絞められる。そして最後に誰かが何かしたか自然現象か何かにより時を遡った。
 全く持って理解不能だ。魔導書図書館と呼ばれるインデックスをもってしても中々理解が追いつかない。
「お前だけなんだ。お前だけが、傷ついて死んでたんだ」
「…………それは」
「他の皆は外傷が無かったのに、お前だけは外傷があった。つまり、ここでお前の死だけは特別な過程を経たモノで、だからこの場所に何かヒントがあると思うんだ」
「……………………仮に」
 少し、考える時間を挟んで、
「仮に、世界の滅亡が魔術によるものなら、その魔術が発動する前ならともかく発動途中かした後なら、私は絶対にその魔術を見逃さないんだよ」
 その自信はある。インデックスは伊達や酔狂で魔導書図書館を名乗っているわけではない。そして、その答えは上条の推論を裏付けるモノだった。
 つまり、前の世界でインデックスは滅亡級魔術の発動を察知して、滅亡級魔術を止めようとこのスタジアムに入った。そしてそこで何者かと、おそらく滅亡級魔術の術者と出会い、交戦し、敗北し、死亡した。
 だからインデックスだけは全身血塗れで死んでいたのだ。
 インデックスの死因だけは滅亡級魔術によるものでは無かった故に。
「何があるか分かるか?」
「まだ、分からないけど、……滅亡級魔術なら大規模な魔法陣とか貴重な霊装が必要なはず。それを見つけられれば」
「発動阻止も出来る、か」
 この場所で滅亡級魔術発動の準備が行われていたのはほぼ確定と考えていいだろう。科学に支配された学園都市で魔術の準備を行えば魔術師の目にはとまりにくく、学園都市には魔術師も入りにくい。
 まさに気付かれない絶好の場所だ。
「もし術者を見つけたらどうするつもり?」
「捕まえて止める」
「……出来るの?」
 その問いは実力の問題を問いただしているのか、それとも覚悟の有無を聞いているのか。
「やるんだ」
 どちらでも構わなかった。どちらにせよやらなければならないことは変わらないからだ。殴りつけてでも止める。気絶させてでも止める。説得が出来ないなら戦うしかない。その覚悟はある。
 敵がどれだけ強くても、世界で十指に入るほどの強者でも、やることは変わらない。
 敵にどんな理由があっても、悲惨極まりない過去があったとしても、そんなことは世界を滅ぼしていい理由にはならない。
「インデックス、もし戦うことになったらお前は」
「逃げないよ」
 戦う覚悟を上条だけが決めていると思っているのならそれは大きな間違いだ。
 汚れを一手に引き受けるモノとしてIndex-Librorum-Prohibitorumの名を持ち、献身的な子羊は強者の知識を守るdedicatus545の魔法名を掲げ、その身に10万3000冊の魔導書を記憶した魔導書図書館。
 イギリス清教が誇る人間兵器。
 インデックスとてその覚悟は決めている。上条についてきた時点で、とっくに。
「それに、敵が魔術師なら私も戦えないことはないんだよ」
 確かに1周目のインデックスは殺されたかもしれない。
 1人であったが故に、抵抗できなかったのかしれない。
 だが今は2人だ。
 人は互いに支え合うことが出来る生物なのだ。
「…………滅亡級魔術を発動しようとしてる人間に見つかったら、逃げられるとも思えないし」
「分かった」
 上条はインデックスを説得するようなことはしなかった。その瞳に宿った覚悟は上条にその行為をやめさせるには十分な熱量をもっていたし、あまり時間を使いたくなかったし、どちらにしても滅亡級魔術を見つけるためにはインデックスの協力は必須だし、インデックスの言っていることも一理あると思ったからだ。
 だから止めない。その代わりに。
「絶対に護ってやるから」
「分かってる」
 その二言で相互理解は十二分だった。
 踏み込む。
 決戦場へとまず一歩。
 短い、しかしとてつもなく長く感じる通路を通り抜けスタジアムの中へ。
「―――――――」
「っ」
 視界が開ける。
 暗がりから一気に光が燈された場所へと踏み出す。
「………………何か、ありそうか」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:16:46.12 ID:yAhm9urX0
そこは見る限り『普通』の場所だった。
 半径100メートルほどの円形グラウンドに異変は見られず、観客席辺りに何か仕掛けられているということもなさそうだ。壁面、屋根、外に通じている通路にも特に異常は見られない。
 科学的な視点を持つ上条の目では異常は分からない。
「今の所違和感はないけど……」
 そしてインデックスも何ら異変を見つける事は出来なかった。
 何処かに魔法陣が刻まれているという事もない。何らかの魔術が今展開しているという事もない。霊装も特に設置されていない。地脈の流れがおかしいという事もない。
 普通だ。
 この場所に魔術的な異常は見られない。
「本当にここで私が死んでたの?」
「あぁ、絶対にここで死んでた。その辺に血塗れで倒れ伏してたんだ」
 インデックスが死んでいた場所に指をさして、上条は悔恨の表情のまま言った。
「…………なら地上には何もないのかも」
「地上には?」
 そう言って、インデックスは指を下に向ける。
「まだ、地下に仕掛けてる可能性があるから」
「…………………………地下、か」
 地下。
 地下にはなるべくなら行きたくない。
 今此処に上条達がいる事さえ実を言うとギリギリなのだ。
 忘れてはならない。忘れてはいない。この場所は、このスタジアムの地下には暗部組織『スタディ』の居城がある。彼らが何をどこまで把握しているかは分からないが、上条が自分たちの居城の上にいて何かを調べていることは監視カメラか何かで当然把握しているだろう。
 まさかとは思うが『スタディ』がこの瞬間にも襲撃してくる可能性はゼロではない。
 その点を考えれば、『スタディ』にさらなる警戒をさせる可能性のある地下への潜入はあまり進められるものではない。
 いくら『スタディ』の操る駆動鎧パワードスーツに対する絶対的ジョーカーを上条が持っているとはいえ、だ。
「当麻の言いたいことは分かるけど、世界を滅ぼす滅亡級魔術を地下で準備するのは十分にあり得るよ。滅亡級魔術は見つからないのが第一条件だし」
「……なら、行くしかないのか」
 あと一歩のところで見逃してしまいました。その結果世界は再び滅びました。なんて笑い話にもならない。時には賭けに出ることも必要だろう。
「この惑星ホシを終わらせるわけにはいかないし」
「うん、多少のリスクは負わないと」
「だったらまずこっちに」
 『スタディ』を必要以上に警戒する必要はない。自分たちはたまたまこのスタジアムにやってきた一般人だ、という体を装って上条はインデックスを地下に通じる通路の一つに案内する。
 だが最悪は常に人の予想の上をいくものだ。
 
 ――――――ガリッッッ、と、
 
 何か、肩口から嫌な音がした。
「…………ぎ、っ?」
 二撃目を避けることが出来たのは、一撃目が直撃したことで体勢を崩していたからだった。すなわち完全なる運で、そこに上条自身の意志は関与していなかった。
 マグマに浸かったかのような熱さ、いやそれはもはや熱いというよりもただの違和感でしかなかった。
 体勢が崩れる。足から力が抜け、それが結果的に頭を狙った二撃目を回避することに繋がった。
「――――――――――――」
 今この場の時空間は完全に凍ってしまっていた。停止した時空間の中でインデックスの視線が上条の視線と交差する。何が起きたのか二人は分からなかった。分かっていても理解が追いつかなかった。
 上条が膝をつく。
 肩口から流れ出る鮮血は1周前と同じように上条の学生服を赤黒く染めていた。
 その顔は苦痛に歪んでいる。
「にィ……っ、」
「と」
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:17:56.10 ID:yAhm9urX0
 インデックスは魔術を使えない。
 最も過去にインデックスが魔術を使えなかったのはインデックスに掛けられていた『首輪』や『自動書記ヨハネのペン』という霊装の維持にインデックスの全魔翌力が使われていたからであり、つまり現在のインデックスは魔翌力が練れる状態にはあるのだ。だからインデックスがその気になりさえすれば、現在のインデックスは魔術を使うことが出来るはずだ。
 が、それでもインデックスは魔術が使えない。
インデックスという兵器に掛けられたリミッターは『首輪』と『自動書記ヨハネのペン』だけではない故に。
 だからインデックスは何もできない。
 上条は魔術を受け付けない。
 その右手に幻想殺しイマジンブレイカーが宿っている限り、上条には回復魔術が通用しない。部位指定可能な回復魔術ならともかく全身を対象とした回復魔術を使うことは上条には出来ない。
 右手を切り落としでもしない限り、上条に魔術は通用しない。
 だから上条の身体を治癒する事は出来ない。
「当麻ぁっっっ!!!」
 そして戦いが始まる。
 上条にとって初めてとなる、人類絶悪暗部組織との戦いが。
 現在は2周目の世界のため全体にマイナス補正がかかります。
 2018/06/22 03:35時点で上位世界による干渉を確認しました。
 2018/06/22 03:35時点で神の手により因果律を改変します。
 2018/06/23 14:19時点で上位世界による更なる干渉を確認しました。
 2018/06/23 14:19時点で神の手によりさらに因果律を改変します。
 舞台設定完了
 舞台『『スタディ』のメイン基地であるスタジアムの地上部』
 問題確認
 問題『突如として襲撃していた人類絶対悪残虐な狩り人による愉悦の狩猟』
 物語進行率2%
 イベント名『滅びを回避するための事前戦闘未来を護り抜くための第一試練』
 イベント難度ASBC-
 特殊イベント難度ステージ3432
 イベント完全成功報酬『対咎負虐殺戦における『明け色の陽射し』からの援軍』
 イベント成功報酬『滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの解析成功』
 イベント失敗ペナルティ『未来における佐天涙子強化イベントの未発生』
 イベント文『なぜ人類が死滅したのかあなたには分かりますか?』
 これより特殊イベントを開始します。
 さぁ、始めよう。上条当麻にインデックス。
 人に仇為す悪を退治する時間だ。



ゲーム風に言うならこのイベントは2周目以降に解放される特殊イベントって感じです。

次の更新は6月中にです。













うっひょひょひょ!ひょほひゃああああああああああああ!!!!!

読みました?新約20巻読みました!?

私は読んじゃいましたよ!!!!!

まさかね、まさか、ねぇ……っ!?

魔術と科学の全面戦争第二部が始まるとはねぇッッッ!?

ふはっ!しかしプロットの修正は必要なさそうでよかった。神様ごちゃまぜ魔術とかイギリスを護る結界とかは私の妄想と見事に合致してたし、上手く使えそう……。

新約21巻でVS魔術、22巻でコロンゾン編決着!って感じだろうか?

なるべく早くお願いしますよ!鎌池先生ッッッ!!!



………………しかし鎌池先生はいつも私の期待をぶち抜いていきますね。いいぞもっとやれ!
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:18:44.70 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/155.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

155 / 178
上条当麻とインデックスC 隣に立たないという選択

 あるいは上条が1周目の経験を受け継いでいればその攻撃を喰らうことはなかったかもしれない。
 あるいはインデックスがもう少しだけ常識外れの考えをしていればその攻撃に干渉することが出来たかもしれない。
 だが歴史にifもしもはない。そしてもしもがない以上、過去は覆らない。
 だから、戦いが始まる。
「跳べえッ!!!」
「ッ!?」
 反応出来たのは奇蹟に近かった。
 避けることが出来たのも完全なる奇蹟だった。
 二重の奇蹟が奇蹟的にインデックスの命を救った。
「うぁっ!」
 声に咄嗟に飛び退く。一瞬前までインデックスがいた地面を何かが穿っていた。小さい、速い、これは何……弾丸、か?
「どっかに隠れてろ!」
「当麻は!?」
「なんとかっ」
 ダンッ!、と空間を揺るがすほどの音が響いた。貫かれた右肩を庇いながら全力で横に転がる。誰が、どんな手段で、どうして上条達を襲撃してきたのか、全く分からない。
 『スタディ』ではない、はずだ。
 敵が『スタディ』なら襲撃してくるのはケミカロイド計画によって造られた人造生命体が操る駆動鎧パワードスーツのはず。だからこの襲撃は『スタディ』以外の手によるモノ。
 だとすれば襲撃者の正体はきっと……。
「人類死滅の実行犯……っ!」
 すなわち1周目の世界で滅亡級魔術を発動させた人間。そいつが上条達を襲ってきている可能性が高い。
 音が聞こえる。ダンッ!、と空気を引き裂く死音が。姿の見えない何者かが上条に向けて超速で何かを放っているのだ。
「っい、ぐ」
 見えない襲撃者。見えない攻撃手段。
 だが、放たれているもの自体の体積が小さく底面積もまた小さい。それは穿たれた地面を見ればわかる。故に避けることはそう難しくない。速度も視認できない超速ではあるがかなりの距離が離れているのか発射音を聞いてから全力で行動すれば避けられる程度のモノだ。
 上条当麻であれば避けられる。
(逃げるか、進むか)
 此処にある選択肢は2つ。
 どちらを選ぶのが正しいか、そもそも正解などあるのか。
 時間は過去に逆行することがないというのであれば、上条が選べる選択肢は1つだけ。
 生き残るため、生き残らせるため、何を選べばいい?
「お」
 退く?退くか?退却か?撤退か?
 否、否否、否否否!
 それが正しい選択とは上条にはどうしても思えない。
(進め)
 恐怖心がないわけではない。
 むしろ懼おそれは心の底から感じている。相手は十中八九前の世界を滅ぼした存在。上条が今まで相手にしてきた敵の中でも格が違う悪。そんな敵に怖さを感じないでいるなんて平凡な高校生である上条には不可能だ。
 が、
「おお」
 恐れ以上に感じるのは使命感。そして義勇。
 あの悲惨をもう二度と起こさせてはならない。あの悲壮をもう二度と体験したくはない。一度やり直すことが出来たからといって、二度やり直すことが出来るとは限らないのだから。
(立ち向かえ)
 故にこれは千載一遇の大チャンス。二度と来ないかもしれない機会。今を逃せばもう二度と上条が人類死滅の犯人に巡り合うことはないかもしれない。そう考えたら逃げ出す選択肢は悪手以外何物でもない。
 今、この瞬間、現在が、絶対の好機。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああッッッッッ!!!!!」
 手の届く場所といったら遠すぎるが、それでも足の届く場所にいるはずだ。攻撃を受けているということは相手がこちらを認識できているという事。であるならば上条が相手を確認できないはずもない。
(攻撃が来てるのは前方っ!だったら敵は今――――――)
前方にいるはずだ。
 前から攻撃が来ている以上その解は絶対的に正しい正答であると上条は判断する。
 だから走れ、走れ、走る。
 足を廻して腕を廻して頭を廻して只前に前に前に。
 敵の攻撃の嵐にその身を晒されながらも、上条は必死に前に走る。
 ――――――熱い。
「あぎ!?」
 頬から一筋の鮮血が流れる。掠った。最短経路ではダメだ。直線だと当たる。ジグザグに走ってなるべく敵の狙いが定まらないようにっ!
 左・足・が・何・か・に・当・た・っ・た・。
「――――――――――――」
 躓く。
 体勢が崩れる。
 一瞬で悟った。
 次の攻撃を避けることは、不可能だと。
(――――――――――――――――――――)
 何が、悪かったのだろうか?
 何が、いけなかったのだろうか?
 最善を尽くしても届かないのだろうか?
 それほどまでに、敵との実力差は大きかったのだろうか?
 見えない攻撃。圧倒的物量の弾幕。貫かれた右肩。
 その全てが、上条の『敗北』を暗示していたのか。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:19:29.78 ID:yAhm9urX0
「ぁ」
 声にならない声は破滅を予感させるけれど、此処では違う。今はまだ、破滅は訪れない。
 1人なら、これで終わっていたかもしれないけれど。
 上条だけなら、これで負けていたかもしれないけれど。
 今の上条は孤独1人ではなく、それが良い事なのか悪い事なのかは分からないけれど、
 声が聞こえる。
 泣き叫んでいるような、張り詰めた声が。
「左方へ歪曲せよTTTL!!!」
 スタジアムの入り口付近まで下がったインデックスが強制詠唱スペルインターセプトを使う。ダダンッッッ!!!、と上条を襲う何かの嵐を少しでも和らげることが出来たらと、そんな思いで。
 なのに、
「干渉、できない!?」
 全くの無意味。効果なし。
(魔術的な狙撃じゃないっ?別の力……、科学的な狙撃!?)
 強制詠唱スペルインターセプトはあくまで魔術を使用する魔術師の頭に言語によって割り込みを掛け、その魔術の暴走や発動のキャンセルなどの誤作動を起こさせることのできる魔翌力を必要としない魔術技術である。それ故に、敵が魔術を使っていないのならば、純粋な科学しか使っていないのならば、例えば狙撃銃を用いた狙撃とかには全く役に立たない。
 つまりインデックスでは荒れ狂う弾幕の暴風雨に干渉する事は出来ないということだ。
「っ」
 そして故に誰もどうすることも出来ない。
 最初から分かっていたことだ。
 敵の正体もわからず、どんな術式を使って世界を滅ぼしたのかもわからず、敵の攻撃の正体も分からず、そもそも本当に敵が魔術師なのかもわからず。
 何もかもが分からない状態で戦いを挑んだって、勝てるわけがない。
 勇者が魔王を倒すためには聖剣というキーパーツ伏線が必要で、鋼の剣で魔王に挑んだところで殺されるのが関の山だ。
 準備をして、仲間を集めて、覚悟を決めて、能力を極めて、そうやって戦うべき相手だった。
 焦りがあった。恐怖があった。それらが上条を前のめりにさせた。
 逃げるべきだった。一度撤退するべきだった。
 彼我の実力差を把握して二度目のチャンスを掴むことを画策するべきだったのに。
「ぃや」
 インデックスの足が前に出る。
 上条の傍に近寄ろうと、無意識のうちに走り始める。
 間に合わない。間に合わない。間に合うはずがないと知っていても。
「いや」
 逃げた自分を責め立てて、全てを見下す神様■■に嗤われながら、インデックスは走る。
 隣に立っていれば、上条を突き飛ばして助けることが出来たかもしれない。
 前に立っていれば、上条を庇って助けることが出来たかもしれない。
 一緒に戦っていれば、上条が集中的な攻撃を受けることはなかったかもしれない。
 かもしれない。かもしれない。かもしれない。
 でも違った。それをしなかった。だから今懸命に走っている。
 届かないと分かる。
 彼我の距離は十数メートル。ただの女の子でしかないインデックスではその距離を詰め切るのに数秒かかる。
 数秒あれば、敵の攻撃が上条を貫くには十分だ。十分すぎる。
 だから、
 だから、
 だから、
「嫌ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!」
 普段のインデックスが絶対上げないような絶叫が、
 10キロ離れても聞こえてしまいそうな音量で、
 ……例えそれがどれだけ無意味なものだったとしてもインデックスにはもうそれしかできないから。
 敵の一欠片の善性に訴えかけるかのように、心の中の祈り願いを声に出した。
「ご、ふ……」
 だが、もちろん、至極当然のことだが、
 祈って願いが可能のならばこの世に努力は必要ない。
 神を信じて全てが救われるのならばとっくの昔にこの世から悲劇は消滅している。
 物事を為すには努力が必要不可欠だ。
 RPGでレベル上げもせずにボスキャラに挑んだところで敗北は必至。
 音ゲーの初見プレイで最高難易度の曲をプレイしたところで失敗は必然。
 普段を運動をしたことの無い人間がオリンピックに出れるわけがない。
 成功には努力が不可欠で、その努力の質が高ければ高いほど成長できる。
 だから、勝てるわけがなかったのだ。
 人類絶対悪と呼ばれる最重要指名手配EX存在に、ちょっと戦闘経験があるだけの上条が、魔術を使う事も出来ないインデックスが勝てるわけがなかったのだ。
 最初から分かっていた。
 最初から分かっていた。
 最初から分かっていた。
 そんなことは最初から分かっていたことだ。
 から、
「――――――――――――」
 刹那にも満たない永劫の沈黙が重なった。
「――――――――――――」
 そして事態は動き出す。
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:20:03.76 ID:yAhm9urX0
 
 
 見た。               見たくない。       嫌だ。
     赫い。         遠い。
                               もっと早く。   遅い。
          もっと速く。
 誰か……。 
              誰がいる?
 どうして離れたの?                だって魔術を使えない私じゃ邪魔だから。  なんで1人にしたの?                          隣に立つことだけが共に戦う手段じゃないよ。    どうして一緒にいなかったの。 
      
            私を庇いながら戦うことになるよりも、安全圏から援護したほうがいいと思いました。
 
 
 
 
 
 それで?
 ……それで?
 それで?
 ――――――それで?
 
 
 
 
 
 
 
 
それで?

 
 
 
 
 
 
 
(……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………そ れ で )
 それで、どうなった?
 それで、何が起きた?
 どうして?
 どうして?
 どうして?
(どうして、私は……)
 上条当麻彼の傍で戦う事を選ばなかったのだろうか、というあまりにも遅すぎる後悔を抱く。でもあの時は離れることが最善だと思った。当麻の指示だってそうだった。
 だってインデックスは弱い。ナイフで刺されれば動けなくなる、殴られたら立てなくなる、魔術が直撃したら死んでしまう。それくらいインデックスは弱い。魔術さえ使えればその弱さも少しは解消できるのだろうが、しかし現実としてインデックスが魔術を使えない以上その議論に意味はない。
 インデックスは弱い。
 上条のようには戦えない。ステイルのようには戦えない。神裂のようには戦えない。
 である以上、仕方がない事なのだ。
 その逃げは酷く合理的な選択だ。
(間違えた)
 ただ、合理的な選択肢が正答であるとは限らない。
 そう、インデックスは間違えた。
 傍にいるべきだった。
 隣に立って、本当の意味で共に戦うべきだった。
(まちがえた)
 不正解を選んだ末がこのありさま。
 これが結果。
 だからこれで終わり。
 順当な終末。
「……………………………は、はは」
 ふらふら、ふらふら、ふらふら、と、
 莫大な時間をかけてインデックスは上条の傍まで来ることが出来た。
 その間、なぜか敵の攻撃は無かった。
 情けをかけてくれたのか、気を使ってくれたのか、最期の別れくらいはゆっくりさせてあげようという憐みの思考か。
 その行為こそがインデックスの絶望をさらに深くするモノだと知っているのか。
 一思いに殺されて、人思いに殺された方がよかったのかもしれない。
 その方が間違いなくインデックスは幸せだった。
 幸せに[ピーーー]た。
 現実から目を晒して[ピーーー]た。
 でももう無理だ。もう、無理だ。
「は、はは、ははは、はははは」
 膝をつく。
 下を見る。
 左腹と右胸に大穴を開けた上条が倒れたいた。
 身動ぎひとつせずに、倒れ伏していた。
 それが、この戦いの結末だった。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:46:42.94 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/156.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

156 / 178
ちょっと短いけど。


上条当麻とインデックスD 能無しの無能者

 何もできない。
 何もできることなどない。
 無力だ。
 あまりにも力がなさすぎる。
 だから、何もできることなどない。
 インデックスヒロインには上条当麻ヒーローを救えない。
「ひ、いやっ……当麻ぁ!」
 血が、血が止まらない。
 うつ伏せに倒れた上条はピクリとも動かないし、右肩と左腹と右胸に開いた大穴からはとめどなく血が流れている。穴に手を当てて血を抑えようとしても、そんなことが出来るはずもない。ハンカチ、修道服、その他すべて、血で染まっていく、血に染まっていく、赤くなっていく。
 インデックスには何も出来ない。
 だから焦りだけがインデックスの胸中を満たす。
 失血死。その三文字がインデックスの脳裏を専有する。
「起きて、起きてよっ!ねぇッ、当麻!」
 手と腕が赫く染まることも厭わずに、インデックスは上条の腹の下に腕を入れた。見たくない、見たくない、見たくない、けれど、確かめないといけない。だって認めたくない、認めたくない、認めたくない、なら、うつ伏せでは何も分からない。
(軽)
 少しだけ、普段よりほんの少しだけ上条の身体が軽いようにインデックスは思えた。それは本当に少しの差で、だから一瞬気のせいだと思ったけれど、すぐに気が付く。
 軽くなっているのは当然なのだ。
 だってそうだろう。喪った血の分だけ、流れ出た血の量だけ上条の身体は軽くなっている。血液量の総重量は体重の約1/13程度であり、喪った血液の分だけ上条の身体は空ろになっている。
 そしてそれ以上に、上条はいまだに身動ぎひとつしない。
「うそ、うそうそっ!こんなの……、こんな」
 力を入れて上条の体勢を反転させる。うつ伏せの状態から仰向けの状態へと変える。そうすれば、そうすれば見える。顔が見える目が合う表情が分かる。そう、だからまだ希望はあるのだ。
 動かないのは受けたダメージが大きすぎるからだと。決して死んだわけじゃない。
 声を上げないのは痛みに呻くことすらできないほどに傷ついているだけだと。まさか死んだわけじゃないだろう。
 身体が冷たい気がするのはただの気のせいだと。大丈夫十分に温かい体温は平熱だ。
 呼吸音が聞こえないのは……、呼吸音が聞こえないのは、……きっとインデックスの耳が悪いだけ。呼吸をしてない訳じゃない。
 だから大丈夫。大丈夫大丈夫。生きているに決まっているいつもそうだったインデックスはちゃんと知ってる。
(当麻は、強いんだよ)
 最初に会ったあの日、上条は何の事情も知らないくせにインデックスのことを助けてくれた。
 4日後の7月21日、上条は聖人に襲われても生き残ることが出来た。
 そして7月28日、上条はインデックスに仕掛けられていた首輪を破壊し、インデックスを完膚なきまでに救った。
 8月8日には錬金術師アウレオルス=イザードに浚われたインデックスを右腕を断ち切られながらも助けてくれた。
 だからきっと今回も大丈夫なんて根拠のない理論に縋ってしまうほどにインデックスは弱くなってしまっていた。
 前回、前々回と無事だったからといって次も無事とは限らない。そんなことインデックスはよく知っているはずなのに。
 そしてインデックスは上条を仰向けの体勢にした。
「当麻」
 呼ぶ声に応える声はない。
 その瞳が映すモノはもはやない。
 描かれた表情は最後の最期まで上条がインデックスの身を案じていたという事を物語っていて、
 だから、分かった。
 否が応でも理解した。
 するしかなかった。
「当麻」
 返事がなくて、おかしいな、とインデックスは思った。それが何を意味しているのか理解していても、納得なんてしたくなかった。
 上条はいつもインデックスを気づかってくれた。
 上条は家族を知らないインデックスを養ってくれた。
 上条はインデックスの我儘を聞いてくれた。
 上条はインデックスのために戦ってくれた。
 上条はインデックス助けてくれた。
 出会ってからたった1月程度の時間しかたっていなかったが、それでも十分すぎる時間だった。
「起きて、当麻」
 誰かと共にいることがこんなに楽しいのだと、インデックスは初めて知った。
 帰る場所があるということがこんなにも満たされることなのだと、インデックスは初めて知った。
 記憶を喪う恐怖に怯えなくてもいいということがこんなにも安心できることなのだと、インデックスは初めて知った。
 全部、上条がインデックスに教えてくれたのだ。言葉ではなく態度で、教えてくれたのだ。
「起きてよ、当麻」
 幸せだった。
 間違いなく幸せだった。
 人生で最も幸福な1カ月であったと断言できる。
 全てを鮮明に憶えている。それはまるで永劫に色あせない写真。想い出という名のアルバムに瞬間という名の幸福を挟んでいる。
 一緒に食べたご飯は美味しかった。
 久しぶりに入ったお風呂は温かかった。
 記憶を喪わないでくれて嬉しかった。
 初めて食べたシェイクは美味しかった。
 野良猫を飼う事を許してくれて嬉しかった。
 なんでもない毎日は、なんでもないからこそ輝いていたのだ。
「返事をしてよ、当麻」
 それはこれから先も続いていく幸福だ。突然途切れたりしない。1年後も、10年後も、20年後も、50年後でも続いていく幸福。そうに決まっている。
 禍福は糾える縄の如し。因果応報。沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり。
 不幸があれば幸福があり、善い行いをすれば善い結果が得られ、不運なことばかりが続くことはない。
 だから上条もインデックスもこれからもっと幸せになれるはずなのだ。
 今までが不孝だった分、これから先の未来は幸福になれるはずなのだ。
 笑いあって、楽しんで、喜んで、満たされた人生を送れるはずなのだ。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:47:14.67 ID:yAhm9urX0
 だから、
 だけど……、
 なのに……っ!
「当麻」
 返事はない。
 返事がない。
 返事はない。
 だって、上条当麻は、もう、もう、もう、
「……………………………………………ぁ」
 唐突に、
 インデックスは受け入れてしまった。
 受け入れがたい事実を、認めてしまった。
 動かないのは、上条がもう動かないから。
 返事がないのは、上条がもう声を出せないから。
 呼吸音が聞こえないのは、上条がもう呼吸をしていないから。
 それらが意味することは、上条がもう、
「は、ヒュ、ひァ……、と、ひ、ふぐっ、とうぇ……っ!!!ぁ、いひひ、ひは、ぅっ、げァ……は……はは……はっ??????????????????」
 縋りつくように、抱きしめた。仰向けになった上条の血みどろの身体を抱きしめた。鉄臭い血の匂いに包まれながら、インデックスの全身も赤く染まる。着ていた修道服はそれまで以上に真っ赤に染まって、顔も、髪も、手も、足も、何もかもが紅くなった。
 それでも離さない。
 そんなことはもう、どうでもよかった。
「…………やだ、やだよっ!当麻ぁ、私を、やだあ!私を……っ、おいていかないで…………」
 それは人間兵器として造られた存在であるインデックスが見せた弱さ。
 世界で一番大切な、自分自身の命よりも大切な、記憶している一〇万三〇〇〇冊の魔導書なんかよりもはるかに大切な上条当麻という唯一を喪ったと思ったが故に見せた弱さ。
 自らの弱さが招いた結果にインデックスは慟哭する。
「一人に、しないで……」
 憐れな叫びは虚空に虚しく響いて、
 そんな言葉を言っても上条が起き上がることなどないとどこかでインデックスは知っていたから、
「とう、まぁ」
 頬を伝う冷たい何かを感じることすらできず、インデックスは只嘆く。
 助ける術なんて知らない。
 救うための手段なんて分からない。
 魔術を使えても、上条は助けられない。
 だからそれはあまりにも虚しい嘆きの声。
 目の前で死ぬ逝く上条を見つめることしかできないというインデックスの絶望。
 そこに追い打ちがかかるように、
 ダンッ、という軽い音が聞こえた。
「ぁ」
 背中が熱くなった。
 攻撃をされた、という事実に三拍遅れて気が付く。
 でも、インデックスは抵抗しなかった。抵抗する気力すらわかなかった。
 もう、インデックスに生きる理由なんて、欠片もなかったから。
「―――――ね」
 あまりにも遅すぎた後悔がインデックスの胸を満たして、
 そして、インデックスの運命は確定した。
 


39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:53:10.95 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/157.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

157 / 178
今回展開超速いよ。

なぜって?

速く次のシーンが書きたかったからだよ!






今話にあぶりだしはない


弓箭猟虎@ 異なる世界の敵

 見えざる敵は思考する。
(で、この2人はいったい何者なんでしょうね?)
 学園都市には3つの世界がある。主となるのは『表』と『裏』、あるいは『光』と『闇』と呼ばれる2つの世界。一般人たちが暮らす日常の世界と暗部に所属するモノが暮らす血みどろの世界。
そしてその2つを繋ぐ様にあるのが灰色の世界である。
 灰色の世界とは前述したように『表』と『裏』を繋ぐ世界のことだ。具体的に言えば暗部組織と薄い繋がりを持つような武装無能力集団スキルアウト、暗部すら動けないような非常にデリケートな案件を扱う傭兵集団、学園都市の『外』と関係性を持つような組織。そういった『外れきってはいない』世界。
 黒に染まりきってはいないが、かといって純白とも言えない。そんな微妙なラインに存在する世界。それが『灰色の世界』だ。
 そして上条とインデックスを襲撃したのはもちろん『闇』の、『裏』の、暗部の人間だった。
(ただの暗部組織の人間、……とも思えませんが)
 暗部組織『スクール』。
 現在の学園都市においては事実上最強の能力者である未元物質ダークマターの超能力者レベル5、垣根帝督をリーダーとしたチームネーム付きの暗部組織。
 そんな第一級の暗部組織に所属するスナイパー、弓箭猟虎ゆみやらっこが上条らを襲った敵の正体だった。
「――――――――――――」
「……ぁ、……ゅー、……と、ま」
 背から腹へと貫通する弾丸を受けて、インデックスが息も絶え絶えになっている。まさに死に体、三途の川を渡る直前。
 だがそもそも、なぜ上条とインデックスには弓箭のことが分からなかったのだろうか?
(…………撃ってよかったんですよね?)
 上条と戦っている時、弓箭は上条の前方8メートルの位置にいた。
 インデックスを撃った時、弓箭はインデックスの後方1メートルの位置にいた。
 なのにもかかわらず、2人が2人とも弓箭のことには気が付けなかった。間違いなく視界内にいたはずなのに敵が見えなかった。
 それはなぜ?
「――――――ひゅ、……っ………………ひ、――――――ぅ」
 答えは周囲同化服カメレオンスーツ。
 死縁鬼苦罠が御坂美琴と会う際にも部下に使用させた、周囲の景色と同化し視覚ではとらえられないようになる暗部特製の服。弓箭はそれを着ることで視覚ではとらえられない存在になったのだ。
 最も周囲同化服カメレオンスーツには弱点も多い。
 誤魔化せるのは五感の内視覚だけ。嗅覚、聴覚、味覚、触覚、そして第六感以上の感覚を誤魔化す事は出来ない。だから本当の一流、弓箭と同じチームネーム付きの暗部組織に所属する人間であったり、統括理事会メンバーの上位護衛であったり、学園都市特記戦力であったりにはほとんど効果がない。
 とはいえ『スタディ』のような三流や無機物、上条やインデックスなどの『表』の住人には効果抜群な装備だが。
(……………………………『スタディ』じゃ、ないはず)
 弓箭は暗部組織『スクール』のリーダー垣帝督の指示でこの場所にいる。
 指示の内容は単純明快で、監視と排除。
 『スタディ』の本拠地があるこのスタジアムの地上部分から『スタディ』の動きを監視する事。
 そして、学究会以前に『スタディ』に手を出そうとする組織を排除する事。
 『スタディ』は『スクール』に喧嘩をうった。ならその代償は払わせないといけない。他の組織に舐められないためにも『スクール』が『スタディ』を潰す必要がある。だから他組織の干渉はさせない。『スタディ』は『スクール』の獲物だ。誰に手を出したのか思い知らせる必要がある。
 そう、『スクール』のリーダー垣根帝督は言った。
 だから弓箭は必至に他組織を排除している。垣根が手を出す以前に他組織に『スタディ』が潰されてしまえば垣根に何をされるか分からない。殺されるならまだいい。しかし殺してくれないかもしれない。そう考えれば、どう考えても弓箭には垣根の命令に逆らうという思考はなかった。
「―――――――――――――――――――――」
 袖に仕込んだ狙撃銃を浅い呼吸を繰り返す少女に向ける。
 [ピーーー]。[ピーーー]。[ピーーー]。
 そこに疑問や葛藤は一切ない。殺人なんて今までいくらでもやってきたし、そもそも弓箭は獲物が苦しむ様を見ることで喜悦する狂人だ。苦しそうな顔で必死に少年を抱きしめる少女を前にして浮かぶ感情など歓びに決まっていて、それ以外ない。
 そう、そうっ、そうっ!
 弓箭は己の顔が歪むのを実感していた。
(全部無駄でしたね!誰かさんッ!)
 少年が少女を護ろうとしていたのは分かった。
 少女が少年をサポートしていたのは分かった。
 だから先に少年を叩き潰した。
 少女が叫び声をあげたのが分かった。
 少年が地に倒れ伏したのが分かった。
 だから弓箭は追い打ちをかけた。
 少女が少年の傍に入り寄ってきた。
 少女はとめどなく涙を流していた。
 だから少女のことを撃った。
 それで2人とも終わり。もう動けない。もう動かない。垣根の命令は果たされる。
(さよなら)
 すべて無駄で無意味で無価値な行動。
 実力の伴っていない行動ほど滑稽なモノはない。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:54:08.93 ID:yAhm9urX0
『闇』の奥底。チームネーム付きの暗部組織。その狙撃翌要員。周囲同化服カメレオンスーツによる擬態に気付けなかった時点で勝敗は決まっていた。
 だからこれで終わり。
 インデックスも上条当麻も弓箭には勝てない。絶対に勝てない。くぐった修羅場の数、狂気の質と覚悟の有無、『表』と『裏』、『光』と『闇』の間にある世界の差、それが実力差という形で現れるが故に。
 ご都合主義なんて起きない。
 彼と彼女の身に起こるのはむしろご都合悪い主義。
 神に愛された人間と神に嫌われた人間。
 弓箭猟虎と上条当麻&インデックス。
「――――――――――――――――――ぁ」
 パシュ、と軽い音がして、胸に強大な違和感が奔った。
 続けるようにして、肺から全ての空気が吐き出されたような音がインデックスの口内から発せられた。
 いつのまにか痛みは感じなくなっていた。
 けれど痛い。身体ではなく心が、どうしようもなく痛い。
 これで終わり。これが終わり。インデックスという兵器人間の命の終焉。それをどうしようもなく自覚してしまったからなお痛い。
 結局インデックスは何もできなかった。
 インデックスがもう少し有能で優秀だったのならば全てが上手くいっていたかもしれない。そう考えると、最後の最期の瞬間だというのに後悔しか浮かばなかった。
 何が魔導書図書館。何がイギリス清教が誇る人間兵器。大切な人の1人も救えないで、世界を滅ぼす滅亡級魔術を発見することも出来ないで、一体何が禁書目録インデックス。
 お笑い草だ。誇大妄想だ。自意識過剰もいいところだ。
 どうしようもない。
 本当に――――――どうしようもない。
(……と…………………ま…………う………ま…………………と、う………ま………………)
 意識が途切れる。霧に紛れてすぐ目の前にいる人の姿すら見えなくなるように、インデックスの目に映る全てが不明瞭になっていく。
 ああけれど、だがしかし、それでもまだ1つ、たった1つだけ確かに感じられるものがある。
 インデックスの身体の下にある上条当麻の姿態。その温かさだけはまだ感じ取れる。
 それは罰か、それとも褒美か。
 せめて一緒に[ピーーー]て幸せだったのか、愛する人を護れなかったことを強く感じてしまえて不幸だったのか。
 そんなことは分からないけれど、最後の最期のさいごのサイゴの刹那よりも遥かに短い永劫の涅槃寂静の時にインデックスが思ったことはたった一言だった。
 至極単純な言葉愛を、人間兵器インデックスは囁いた。
 
「―――――――大好き)
 
 そして、そこでインデックスの人間としての生は終わった。無力な少女の無駄な人生が幕を下ろした。
 それを、弓箭は只楽しそうに見ていた。
 人でなしだから。
 イカレテいるから。
 頭のおかしい狂人だから。
 弓箭は同年代の少女の凄惨な肢体を目にしても、何の感慨も抱かない。
 殺したのは弓や自身なのに、そのことに何も思わない。
 慣れているから。慣れてしまったから。
 最初はそうではなかったはずなのに、内部進化アイデアルにいた時は優しい少女だったのに、
 時間は人を変え、環境は人を変え、絆は人を変え、執着は人を変え、経験は人を変え、強制は人を変え、絶望は人を変え、仲間は人を変え、家族は人を変え、未来は人を変え、過去は人を変え、嘘は人を変え、希望は人を変え、恐怖は人を変え、依存は人を変え、約束は人を変える。
 だから弓箭はもう壊れていた。『闇』に適応するためには、そうならなければならなかった。
 殺したくない以上に生きたくて、奪いたくない以上に生きたくて、死にたい以上に生きたかった。
 だから弓箭は『こう』なった。
 『これ』が弓箭の行きついた生き方だった。
「中々愉しい狩りでした」
 その在り方はもう変えられないだろう。白を黒く染めることは容易いが、黒を白く染めることはひどく難しい。汚れた心根と穢れた精神をまともに戻すなど、英雄でも不可能だ。
 である以上弓箭の人生は今後一生絶黒だ。闇黒無光の中で懸命に歩いていくしかない。
 それを不幸と思うかどうかは弓箭次第だが、しかしまともから外れた生き方は客観的には幸福ではない。多数決をとるのならば、この世に溢れているのはまともな人間、すなわちどうしようもないほどの狂人達なのだから。
 
 ドシャ。
 
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 18:54:37.08 ID:yAhm9urX0
「ん?」
 違和感を感じていなかったと言えば嘘になる。
 おかしいと思っていなかったと言えば偽りになる。
 分からないことはあった。
 そもそもあの少年と少女はどこの組織の人間で何の目的があってこのスタジアムに来たのかということだ。
 最深部の人間なら『スタディ』程度の組織には興味も示さない。深部の人間なら『スタディ』には手を出さない。中部の人間なら『スクール』が『スタディ』を狙っているという情報に怯えて『スタディ』には手を出さない。『スタディ』に手を出すとすれば暗部の何たるかを理解していない浅部の人間だが、少年少女はそれにしては強かった。
 だから弓箭は分からなかった。少年少女がどこの組織の人間で、何の目的で此処に来たのか。
 スタジアム地上部を探り、地下へ行こうとしていた以上少年少女の目的が『スタディ』であることは間違いない。だから弓箭は少年少女を『闇』側の人間と判断した。
 そもそもそこが間違っているとは弓箭は絶対に思えない。『闇』につかりすぎた弓箭にはその発想は存在しない。なまじ『表』の人間と関わりがあるが故に、『表』の人間が『闇』に関わるという発想が出来ない。
 だから弓箭には理解できない。
 あまりにも情報が足りなくて、弓箭にはたどり着けない。
 
 音がした。
 
 振り返る。
 
 立っていた。
 
 誰が。
 
 お前は。
 
 瞳が捉える。
 
 そこに、いた、のは……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「――――――警告、魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumの生命活動に深刻な弊害が生じています。――――――現状ではIndex-Librorum-Prohibitorumがその生命活動を維持するのは困難と判断。原因を後方2メートルに存在する人間による攻撃と推定。――――――一〇万三〇〇〇冊の『書庫』の保護のため、これより脅威の排除を開始します」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


魔導書図書館インデックスの危機=自動書記ヨハネのペンの発動。これに気付けた人はどれくらいいたかな?

次の更新は7月中です。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:01:24.74 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/158.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

158 / 178
なんか最近あまり筆がのらない……。

最近の話はあまり出来もよくない……。

気分転換が必要か……?


インデックスと大悪魔と空白の主@ 理を外れ人を外れた存在

 その場所は地球上のどこでもなく、それでいて地球という世界を見上げることのできる場所であった。白く、白く、白く、ただひたすらに白いその場所で、1人の少女が佇んでいた。
「……………………………………」
 呆然と、まるで信心深い宗教家が神に見放されたと自覚した時のように茫然と、その少女は立ち尽くしていた。
 何が起こってるのか分からないというのか、この場所がどこなのか分からないのか。
 いや、いいや、違う。そうじゃない。そんなモノじゃない。
「…………………………………………………………」
 ただ見えていないだけだ。ただ分かっていないだけだ。ただ受け入れていないだけだ。
 少女の世界は終わっていた。少女の世界は崩壊していた。少女の世界は破壊されていた。
 たった一人の少年の死によって、少女の自我は完全に終焉を迎えていた。
 だから少女はもはや廃人。
 ただ酸素を吸って二酸化炭素を吐くだけの人型物体。
「…………………………………………………………………………………………」
 それだけ大切な少年だったのだろう。
 それだけ喪いたくない人だったのだろう。
 己の命よりも、己の所蔵する10万と3000冊の魔導書よりも大切な存在だったのだろう。
 だから壊れた。
 よりもよってその死に様を直視してしまったから壊れた。
 己の無力が少年の死を招いたと誰に言われるまでもなく自覚していたから壊れた。
 魔神にすら至れる可能性を持つ幼き少女は、もう完膚なきまでに狂って終わって壊れた。
 そんな少女の名をインデックスという。
「――――――ごふっ」
 唐突にインデックスは吐血した。
 ただでさえ赤い紅い朱い修道服が、さらに赫く染まる。
 ただでさえ青い碧い藍い顔面が、さらに蒼く染まる。
「あ、ふっ……ひ」
 血を吐いて、血を吐いて、血を吐いて、白しか存在しない世界を少しだけ赤く染めて、インデックスは喉を抑えるようにして蹲った。どうでもいい、ひどくどうでもいいことでしかないが、喉奥に何かが引っかかっている。
 血溜でも引っかかっているのか。だとすればこのままでは窒息死してしまうかもしれない。
 窒息死。
 それはどれだけ苦しい死に様だろうか。
 上条の億分の一でも、当麻の兆分の一でも、救済者ヒーローの京分の一でも苦しいのだろうか。
「か、――――――ひぅ、ぐ、はひーっ、ひーーっ……ふ、……ひゅー、――――――」
 息が詰まる。
 それはきっと二重の意味での苦しみ。
 肉体的な、そしてそれを上回る精神的な苦しみ。
 後悔。
 後ろの悔い。
 痛い。
 痛い痛い。
 痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
 堪らない。
 耐えられる程度の、傷み。
「はっ、ははっ、……当麻、……当麻ぁ」
 時間の感覚なんてとっくの昔に無くなっていた。時節フラッシュバックするする現実を痛感しながら、インデックスはただ記憶の中の想い出後悔に浸る。立ち尽くして、血を吐いては蹲り、涙を流して顔を手で覆い、発狂した様に髪の毛を毟って爪を噛み、肌を引っ掻いてまた泣く。
 この白に埋め尽くされた空間を赤色で染めながら、インデックスはもうずっとそうしていた。
「…………あ゛………………………ひっ、ひくっ…………………ごふっ」
 そしてまた血を吐く。
「……………………………………………………………」。
 そしてまた沈黙する。
 痛いくらいの沈黙が白き空間を満たす。
 呆然と、まるで信心深い宗教家が神に見放されたと自覚した時のように茫然と、その少女は立ち尽くしていた。
「……………………当麻……………………………………」
 立ち尽くす。泣く。血を吐く。呻く。記憶のフラッシュバック。そのサイクル。
 ここが何処かもわからず、ここが何かも知らず、己が何をしているのかもわからず、ただ機械のように繰り返すそのサイクル。
 
 そ・こ・に・突・然・、異・物・が・雑・じ・る・。
 
「酷い様なりけるのよ」
 あり得ないことが起こった。
 あり得ざる存在が存在した。
「力ある存在キャラクターが、己の称号キャラクター性すらたもてなきとは」
 異物が雑じる。
 この白き空間には存在しないはずの存在が現れる。
「………………………………………………………………――――――――――――――――――――――――」
 その女は見た目18歳程度でありながら老齢な雰囲気を宿す矛盾した成り立ちをしていた。
 その女は背丈の2.5倍ほどある宝石店に売られていてもおかしくないような黄金色をした髪を持っていた。
 その女はベージュ色という本来では修道服としては相応しくない色をした修道服を着ていた。
 ……その女のことをきっとインデックスは知っていた。
「されとて、まさか『初まりの領域』にまで堕ちたりけるとはね」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:02:27.62 ID:yAhm9urX0
 呆れたように、女はそんな台詞を口にする。予想外、とまではいかないが予定外の事態だった。上条当麻ヒーローの敗北とインデックスヒロインの崩壊。いくらこれが嘘だからといってそれはまだ早いだろうと僕は思うのだけど。その辺、お前らはどう思う?それも敵が人類絶対悪ビーストであるのならばともかく、ただの暗部組織が相手と来た。
 期待しすぎたか、と女は少しだけ反省する。
 だがある意味では仕方がないというか、当然の期待でもあったのだろう。
 彼らは本来ならば出来たはずなのだ。
 敗北をすることなく、勝利を掴めたはずなのだ。
 積み重ねた10年以上の時が、彼らが暗部組織程度の敵を、悪を蹴散らせる事実を保証しているはずなのに。
 それでも負けた。
 それでも負けたのは……やはり……。
「当麻……………………………………ぐすっ、………ひぅ……っ!…………当麻あ゛……………ぅうぅぅ……………………」
「ここまで近づきても気付けぬか……。………………潮時なるかな」
 距離50センチメートルでも反応無し。
 わりと大きな声を出しても反応無し。
 直接触ってみても、
「……………――――――――――――――――――……………………………――――――…………………………………………………………」
 直接触ってみても反応無し。
 だから女は決断する。
 幾つもの出来事イベントを乗り越え、10年以上の時をかけ積み重ねてきた全てを切り捨てる覚悟を持つ。
「仕方なき、か」
「…………………………………………………………………」
 見切りをつけた。
 インデックスは此処で終わりだ。ここまで上条当麻に依存していたことは完全に予想外だった。こんな廃人はもう役に立たない。どれだけ素晴らしい能力を持っていても、どれだけ貴重な役割ポジションをもっていても、どれだけ代替の効かない称号持ちネームドでも、この程度でいちいちいちいちメンタルケアを必要とするなら、ここまではともかく、これから少し先はともかく、全ての役者が揃った後では絶対に役に立たない。
 必要となるのは能力よりも技術よりも友人関係よりも金銭よりも精神なのだ。
 だからインデックスはもういらない。
 幸いにも変わりはもうきちんと登場している。
 だから躊躇いはなかった。
 勝つための最善手を、女は打つ。
「根源魔術オルディニスデーストルークティオー―――――― 揺らぎゆく自己同ドッペルゲン
 
「クラウ・ソラス+グングニル=万物貫九輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス」
 
 バグドダッッッ!!!!!、と轟音が響いた。
 第五宇宙速度をもって顕現した神話の武具が女に向かって直進する。
 人間では見ることも出来ないほどの速さ。
 人外でも追いつけないほどの速度。
 それが銀河集団脱出速度である第五宇宙速度。
 光速には届かないが、それでも十分すぎる。
 秒速にして1000キロメートルの攻撃を避けることなど、どんな生物でもできる訳がない。
 故に、
「…………………空白の主」
 女は避けなかった。
 いや、正確に言うなら避ける必要すらなかった。
 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス。
 アイルランド民話に登場する剣と北欧神話に登場する槍の特徴を合成させた融合神話武器。あらゆる敵を貫き、追尾し、切り裂く絶対の武器。
 それも敵がそれ以上の力を持つのなら意味はない。
「からからから、かかかからからからからからから!!!初めま四十のひ三四ぶりっ、大悪魔五六ンゾンンンンンンンンンン!!!!!!!!!」
 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスは女に、いやコロンゾンに刺さりもしなかった。当たる直前でコロンゾンの霊媒アバターであるローラ=ザザの左手が 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスを掴み取っていた。
 そしてそのまま握りつぶす。
「取り戻四二来たのか七守り二来たのか七助け二来たのか七救一二来たのか七ぁ!」
 ついでとばかりに放たれる空白の主の追撃。
 フラガラッハ+ブリューナク+天下五剣=天下に轟く雷速絶貫の回答者天剣・フラガラック・ブリューナク。
 レーヴァティン+如意金箍棒にゅいきんこぼう=伸縮自在の全焼枝金棒・レーヴァティン。
 ハデスの兜+トリシューラ=不可視三叉槍トリシューラ・ハデス。
 それをコロンゾンローラは弾く、捌く、消す。
 その程度の武器ではコロンゾンは傷つけられない。
「遅一遅一遅一四遅すぎる!今ッ更ァッ、出来る訳が七一の二一!」
 コロンゾンを殺したいのであればそれこそ外世界の存在でも連れてこなければならないだろう。
 例えばタングラムとか。
「同士討ち!自爆!フ零ンドリーッッッ、ファ一アアアアアア!!!無自覚十八一え憐零だ四ね。仲間同士で潰四合う七ん十ッッッ!!!」
 威圧するかのように顔を歪ませる空白の主をコロンゾンローラは真正面から見つめる。
 まだ、敗けていない。
 ここからの逆転はあると信じている。
「勝ち誇るには早きけるのよ、空白の主」
「からから、勝ち誇る二八早きける?勝ち誇りもするよ。何せ、君達の最重要駒が一つ脱落四たんだからからからから!!!」
「まだ確定はせざりたるわ!」
 反撃。
 反抗。
 反対。
「禁書目録インデックスは七連物語セブンスストーリーズ第六物語シックスストーリーの庇護対象ヒロインであろうぞ!」
「からからから。禁書目録一ンデッ九スの絶対性八まだ保障さ零十一七一。彼女八まだ庇護対象ヒ六一ンであっ十隣二並び立つ者メ一ンヒ六一ンじゃ七一」
 言葉と言葉の応酬おうしゅうはそれでも彼女たちが行えば全く別物へと変化する。
 片やこの世界においても十二指に入る単一存在。『333』の数字を等価に持ち、拡散という本質にそって世界に汚泥と悪逆を撒き散らす大悪魔であり、世の理の結合を妨げる人外。単純戦闘能力ではかのアレイスター=クロウリーですら敵わないとされる絶対にして先住民センチネル側の理外人外の1人。
 イギリス清教最大教主アークビショップ、必要悪の教会ネセサリウストップ、ローラ=スチュアートコロンゾン。
 片やこの世界においても十二指に入る始源存在。人類が生み出した文明の全てを無効化し、人類が殺害することは絶対不可能である人外。人類が生み出した文明の全てを支配し、操作し、隷属させる罪人。時空間を超越し、運命論からも抜け出し、神話を体現する原初の片割れにして侵略者インベーダー側の理外人外の1人。
 『初まりの領域』の主、本名未だ不明、『空白の主』。
 この二人――――――人ではないから二人という数え方が適切かは分からないが、二人からすれば言葉は十分に武器足りえる。
 なにせ二人が口にする言葉はただの言葉ではない。相手の称号キャラクター性に対する攻撃だ。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:07:02.64 ID:yAhm9urX0
「インデックスはまだ死んでなきなのよ」
「今の一ンデッ九スが上条当麻の隣二立つ五十八不可能!そして、今の一ンデッ九ス八もう正気二八戻零七一!」
「そんなことはなきなのかしら!復活を望む声があれば黄金の餞はなむけでインデックスは復活できたるわっ!まだ、そこまでは確定していなきよ」
 だから二人とも必死だ。口論で負ければその時点で『核』が破壊されてしまう。そうなれば復活は絶対にできない。
 だから敗けられない。
 そして言い負かせれば、殺せる。
 故に本気の本気も本気。
 全力全開の全身全霊の一所懸命。
「からから、悪あがき!一ンデッ九ス八地球位相二八戻零七一!一ンデッ九ス八この『初まりの領域』で一生狂気二浸っ十過ごす!五零八確定四十一るのお!」
「それはどうなりけるかしら」
「………………?」
「インデックスとは、一つの称号キャラクター性を指すものではなかりけるわよ」
 この戦いを理解できる人間はどれくらいいるのか?
 この二人の言っていることが分かる存在はどれくらいいるのか?
 お前達には、
 君達には、
 
 
 
 理解できるか?



次の更新は7月中です。









読者による世界観考察が一定レベルを超えたため新要素を追加します。

赤き楔及び青き鎖及び黄金の餞はなむけシステムを追加しました。

【】は青き鎖に変化します。



なお、本来このシステムは四章終了後に追加する予定でした。皆さん鋭すぎ。





………………万が一、億が一、兆が一、追加システムの適用区分が分かる方がいらっしゃったらもう私がこの物語を書く必要はないかなぁ……。それはつまりこの物語の『真実』に辿り着いたってことだし。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/13(日) 19:08:01.45 ID:6M8BwMLro
同じような駄文何回もはってんじゃねえぞ
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:11:54.96 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/159.html
小説情報 一括表示 縦書き しおりを挟む お気に入り登録 評価 感想 推薦 誤字 閲覧設定 固定
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

159 / 178
まだギリセーフ。

3周年!!!


自動書記ヨハネのペンとパトリシア@ はじまりの物語交錯クロスオーバー

 暴走、という言葉にいいイメージを持つ人はいないだろう。
 暴走とはつまり制御できていないということで暴れ回っているということで手綱を握れていないという事。何をどう考えても悪いイメージしかない。
 そしてそれが強い力の暴走というのなら尚更に悪いイメージしかない。
 よく漫画やアニメなどで主人公の秘めたる力が暴走して敵を退けるなんてシーンがあるが、だいたいの場合その暴走は敵を退けたところで止まらず仲間を傷つける。要するに暴走とは強い力を得る代わりに無尽の暴力を振りまく諸刃の剣なのだ。
 故に自動書記ヨハネのペンも止まらない。
 主人格インデックスが引きこもってしまっては、庇護対象ヒロインが壊れてしまっては、止められない。
「脅威の排除を完了。――――――地下地脈に致命的な違和を確認。魔導書図書館としての魔法名に則りの地脈の探査を始めます」
 自動書記ヨハネのペン。
 英国三本柱が一つ清教派、イギリス清教必要悪の教会ネセサリウスが誇る人間兵器は言うまでもなく世界でも有数の強さを持つ。10万3000冊の魔導書の知識を正しく利用する人型図書館は世界を滅ぼし、世界を救い、世界を造り、世界を支配する事さえ出来る、志向性のある意志さえ持てば文字通り『何でも』出来る――――――あらゆる望みを叶える事さえ可能な、『絶対』なのである。
 その『絶対』が今、暴走していた。
「探査完了。術式、滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュス発動のための魔法陣を確認。このままでは現時刻より二日後、滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスが発動すると予測します」
 暴走、といっても今回の自動書記ヨハネのペンの暴走は無差別に周囲に悪意暴力を振りまくといった形の暴走では無い。この場合で言う暴走とは『力暴力を揮う』という意味ではなく『本来の機能を外れている』という意味での暴走だ。
 そもそも自動書記ヨハネのペンとは魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumを二重の意味で護るためのセキュリティである。記憶の読み取りなどによりインデックスに所蔵されている魔導書の中身を知ろうとする輩や『首輪』に干渉する輩を排除するための保護機能。それが自動書記ヨハネのペンであり、自動書記ヨハネのペンはそれ以上の機能もそれ以下の機能も持たない。
 故に、本来であればおかしいのだ。弓箭は確かにインデックスを攻撃した。放った弾丸はインデックスに致命傷を与え、インデックスは倒れ伏した。
 だがそれだけだ。
 それだけでは、自動書記ヨハネのペンは起動しない。
「対抗術式構築完了。警告、第十一章第一節。『新天新地に苦しみなし』―――――――完全発動まで一五秒」
 先にも書いたように、自動書記ヨハネのペンとは記憶の読み取りなどによりインデックスに所蔵されている魔導書の中身を知ろうとする輩や『首輪』に干渉する輩を排除するための保護機能、つまりはインデックスではなく魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumを、もっと言えば魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumが保管している10万3000冊の魔導書を護るためのモノなのだ。インデックスを護るためのモノではない。間違ってもそうではない。
 だから、たかだかインデックスが重体になった程度では、瀕死になった程度では自動書記ヨハネのペンは真の意味での起動はしない。もちろん、自動書記ヨハネのペンの表層機能、機械的な魔術の解析、解説機能くらいは起動するだろうが、襲撃者に対抗まではしない。
 自動書記ヨハネのペンとはそういうモノで、魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumとはそういうモノだ。
 ならばなぜ今回は自動書記ヨハネのペンの真の機能が起動したのか。
「構築術式干渉失敗。――――――全四層にて構築された滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの守護結界を確認。滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの守護結界の強制破壊を開始。――――――第一層破壊完了。第二層破壊完了。第三層破壊完了。第四層破壊――――――失敗。第四層再解析開始」
 その理由は一言で表すことが出来る。
 つまりは干渉。
 上位存在の干渉。
 インデックスを支配する絶対上位者による操作。
 『拡散』を本質にもつ大悪魔コロンゾンによる直接介入。
 それが自動書記ヨハネのペンを歪めた。
「解析完了。滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュス第四守護結界に対する再干渉を開始」
 イギリス清教最大教主アークビショップローラ=スチュアート。
 の身体を乗っ取った大悪魔コロンゾン。
 は当然あらゆる意味でインデックスを制御することが出来る。
 なにせインデックスという兵器に首輪、自動書記ヨハネのペンという制御機構セーフティを設けたのはイギリスだ。三大派閥のトップ、清教派のリーダーが干渉できないわけがない。
 そしてそれ以前に、インデックスの主・人・格・は今コロンゾンと共にいる。
 そこから干渉することも、当然できる。
 大悪魔と称されるコロンゾンはそれだけの力を持っている。
 この世界でも十二指に入る存在、先住民センチネル側の最高戦力、それがコロンゾンであるが故に。
「滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュス守護結界第四層破壊完了。滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスへの再干渉を開始。警告、第十一章第一節。『新天新地に苦しみなし』―――――――完全発動まで五秒」
 ただ、
 ただ、
 それを、看過できない存在もいる。
 インデックスという登場人物キャラクターが『枠』を外れるのを好まない存在もいる。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:13:06.31 ID:yAhm9urX0
「――――――――――――」
 …………少し、深く語るとすれば、
 世界物語キャラクターストーリー理論に照し合わせた時、インデックスの称号キャラクター性は庇護対象ヒロインである。
 庇護対象ヒロイン。
今はまだ未覚醒状態であるインデックスという登場人物キャラクターは、全ての物語に共通する、明確な個性の無い称号持ちネームドでしかない故に、未だに庇護対象ヒロインでしかない。
 恋人メインヒロインにして心に疵を遺す者メモリアルヒロインだった英国第三王女ヴィリアンのような、
 恋人メインヒロインにして側で共に戦う者パートナーズヒロインである前方のヴェントのような、
 特別で特異で唯一無二の称号キャラクター性を持っていない。
 だから『薄い』のだ。
 役割が、立場が、『定まっていない』。
 だから『枠』を外れられる。
 だから『変わられる』。
「なるほど」
 不安定で、不明瞭で、不均衡な、登場人物キャラクター。
 それが今のインデックス。
 そして付け加えておくのならば、インデックスと自動書記ヨハネのペンは違う。
 完全なる別人といってもいい。
 同一人物でありながら別人であるインデックスと自動書記ヨハネのペンは、いうなればコインの表裏だ。
 同一人物でありながら別人であるという矛盾を完全に許容している異常。
 その異常を、彼女は受け入れられない。
「妙な気配がすると思ったら、……自動書記ヨハネのペンですか。でもどうして起動状態のまま?何か不具合でも……?」
 ゆっくりと、歩いてきた。
 彼女、――――――魔術結社『明け色の陽射し』サブリーダー、パトリシア=バードウェイは溜息をつく。
「仕方ないですね」
 そして、掲げる。
 カップを掲げる。
 まるで神に傅くかのように聖杯を掲げて、パトリシアは言う。
「王の遺産レガリア――――――万能願望飢ホーリーカリス『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』起動アウェイクン。私の寿命1秒を代償に対象を停止させてください」
 王の遺産レガリア――――――万能願望飢ホーリーカリス『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』。
 この世界位相に4つ存在する最強の霊装の内の1つ。
 代償を捧げることであらゆる願いを叶える万能の器に命令して、パトリシアは自動書記ヨハネのペンを停止させようとして、
 ギュルンッ!と魔導書図書館の目玉が廻った。
「警告、第八章第六節。禁書目録インデックスに対する魔術的干渉を確認。……現状、一〇万三〇〇〇冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」
「っ!?」
 予想外のことが起こった。
 ギチリ、と何かが軋むような音と共にパトリシアの攻撃が無効化された。
「……今のを防ぎますか。……たいした代償は与えてないけど、王の遺産レガリアにすら対抗できるなんて、さすがはイギリス清教の人間兵器、か」
 感心したように、軽蔑した様に、義憤に満ちた心持ちでパトリシアはもう一度代償を捧げる。
 王の遺産レガリア――――――万能願望飢ホーリーカリス『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』。黄金よりも眩い、眩んでしまいそうになるほどに煌びやかな聖杯の、その器部分に『何か』が満ちる。
 ドロリとした気持ち悪い『欲』が満ちる。
「警告、第三五章第一八節。『硫黄の雨は大地を焼く』――――――完全発動まで三秒」
「代償は私の寿命1秒。避けさせてください、『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』」
 自動書記ヨハネのペンは『特別』だ。
 一般人とは役割が違う。
 選ばれている。
 一〇万三〇〇〇冊という魔導書を保持する書庫、大悪魔コロンゾンによる支配、人工的に造られた人型兵器、イギリス清教の秘奥。
 そして何より世界物語キャラクターストーリー理論における庇護対象ヒロイン。
 これが選ばれた存在でなければ何だというのか。
 断言していい。インデックス自動書記を超える『特別』など世界でも十数人程度しかいない。
 そしてその1人がパトリシア=バードウェイ。
 パトリシア=バードウェイはインデックス以上の『特別』だ。
「代償は左手小指第一関節より前。対象魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorum。使用目的対象の停止。具体化、対象体内機能低下による対象の意識喪失。実行して、――――――『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』」
 だから、パトリシアの方が早かった。
「が、がっ、ガガ外部からの、かんッ!干、渉をかくにかかくくあかうあににあなんな?んん???んんん?んんん?????????」
 『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』に『欲』が加えられるとともに、自動書記ヨハネのペンにエラーが生じる。
 ガクガクガクッ、と痙攣したかのように身体を震わせ、あっという間に自動書記ヨハネのペンは機能不全に陥った。
「―――――――――ガ――――――――――て」
 それはパトリシアから自動書記ヨハネのペンへの不可視の攻撃。
 今の自動書記ヨハネのペンでは『絶対』に解析することが出来ない魔術を超えた未知の一撃。
「まだ、死なれては困りますからね」
 微塵も動かない上条の上に今度こそ完全に倒れ伏したインデックス=自動書記ヨハネのペンを睥睨しながら、
「第四物語フォースストーリーの主役級メインキャラクター、主人公ヒーローの内の誰も救えない英雄ガラクタヒーローである私は、別の物語ストーリーの主人公ヒーローと物語交錯クロスオーバーしないといけないんですから」
 蛇足に近い人生を生きるパトリシアは、
 世界の真実に近い場所にいるパトリシアは、
 ようやく見つけた手掛かりに安堵して、
 二人のことを見下した。



スタジアムの戦い(前哨戦) 上条当麻&インデックスVS弓箭猟虎
勝者……インデックス(自動書記ヨハネのペン)



パトリシアの口調これであってるかなぁ?ちょっと読み込みが浅かったかもしれない……。

後、今1年ぶり2度目のスランプ中です。次の更新は遅くなるかもしれません。

次の更新は8月中までにです。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:13:38.90 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/160.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

160 / 178
親友と家族を天秤にかけた。

彼女は絆より愛を選んだ。

家族と恋人を天秤にかけた。

彼女は愛より恋を選んだ。

恋人と自分を天秤にかけた。

私は、

私は恋より生を望んだ。



――――――二九七


















そろそろ根幹を探求してみようか


上条当麻とパトリシア@ 『主メイン』『人キャラ』『公クター』

 目覚めは鬱屈だった。
 底なしの泥沼に嵌ってしまったかのような倦怠感が上条の身体を襲っていた。
「……っ、……ぅ、あ?」
 覚醒する意識と共に背中に冷たい感覚が奔る。
 何かを探すように手を動かして、重く感じる頭を起こして、
 上条は自分が今いる場所が廃ビルの一室であることに気が付いた。
「……………………………?」
 床に無造作に寝かされた影響か、痛む全身を無視しながら、途切れ途切れの記憶を手繰り寄せて上条は現状把握に尽力する。
 そう、確か、上条は……、あのスタジアムで『誰か』と戦って……。
「どう、……なったんだ?」
 記憶はそこで途切れていた。1周目の世界で人類が死滅した理由を探るためにインデックスに協力を仰ぎ、1周目のインデックスの行動の理由を推理して『スタディ』の居城があるスタジアムの地上部に行き、そこで『誰か』による襲撃を受け、上条はその襲撃者の攻撃によって胸や肩を貫かれて、
「!?」
 バッ、と上条は自らの身体を弄った。混乱していたからか今まで全く気が付かなかったが、スタジアムで戦っていた時と服装が変わっている。制服から半袖シャツと半ズボンに洋服が変わっている。
 上条が自ら着替えた記憶を持たない以上、誰かが上条を着せ替えたのだろう。
 だが、それよりももっと重大な異常が上条の身には在った。
「傷が……」
 無かった。
「……………………………」
 あるはずのモノがなかった。
 記憶と現実に齟齬があった。
「……なん、で」
 極限の混乱を抱えながら、上条はもう一度自分の身体を触る。
 少なくとも右肩と左腹と右胸には大穴があいていたはずだ。不可視の攻撃、おそらく銃弾のようなモノが上条を貫き、上条はその痛みから地面に倒れた。
 それは覚えている。
 だからおかしい。
 あの傷はそう簡単に塞がるようなモノではない。
 身体にあいた大穴はそう簡単に消えるモノではない。
「それに、ここはどこなんだ?」
 普通に考えれば、もしもあの状況から助かったのだとすれば、上条は病院に運ばれているはずだ。
 誰が病院に連絡してくれたのかとか、どうして襲撃者は上条に止めをささなかったのかとか、なぜ上条はあれほどの傷を負って即死していないのかとか、いろいろ問題点疑問点はあるにしろ、現在上条が助かっている、生きている以上、普通に考えれば上条は病院で治療を受けたと考えられる。
 そしてそうだとすれば納得できるのだ。病院で適切な治療を受け、その結果として大怪我が治った。大いに納得できる。だが、現実は違う。上条がいる場所は明らかに病院などではなく、治療を受けたような痕跡すらない。
 だからわからない。
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:14:57.42 ID:yAhm9urX0
「何が……、どうなってるんだ…………」
 項垂れる。
 何も分からない。
 何も、何一つとして。
 上条一人では、此処からどうすればいいか全く判断が出来ないだろう。
「あっ、起きたたんですか?」
「っ!?」
 だからこそ外からアクションがあった。状況を進めるための駒が外側から現れた。
「あんた、は?」
 現れたのは短い金髪をカチューシャで押さえ額を露出した髪型をした少女だった。服装に関しては短めのプリーツスカートに半袖のブラウスといった極一般的なモノ。ただし一目で学園都市製ではないと分かる材質で造られていて、故にこの少女は『外』から来た人間であると上条は一目でわかった。
 年齢のせいか見目麗しいというほどではないが、それでも可愛らしい、庇護欲をそそられる容姿をした少女。
 だが、その姿にはどこか違和感があった。
(……鬘かつら?)
 違和感の原因は身体でも服装でもない。その髪だ。
 光を反射して輝く金髪の中に明度の違う金髪が混じっている。その明度の違いが上条に違和感をもたらしている。
 1人の少女が持つ2種類の金髪。それが上条にどうしようもない違和感を与えていた。
 だが、もちろんそれは重要なことではない。
 より正確に言うのであれば上・条・当・麻・の・所・属・す・る・物・語・に・関・係・の・あ・る・話・で・は・な・い・。
「私はパトリシア=バードウェイ。欧州最大の魔術結社、『明け色の陽射し』のサブリーダーで、あなたと同じ七連物語セブンスストーリーズに属する人間。役割ポジションと称号キャラクター性は主役級メインキャラクターと主人公ヒーロー。そして手にした唯一性オリジナリティは誰も救えない英雄ガラクタヒーロー。……誰一人として救うことのできなかった、どうしようもない欠陥英雄ガラクタですよ」
 悔恨の過去に自嘲しながら、パトリシアはそう自己紹介した。
 久し振りに会った、会う事の出来た、自分と『同じ立場』の存在。抗えない『宿命運命』を担った同類。
 もう『終わってしまった』パトリシアには根源的には関係ない事だが、しかし物語交錯クロスオーバーした以上完全に無関係ではいられない。
 パトリシアは上条が七連物語セブンスストーリーズのどの物語に所属しているのか知らない。パトリシア自身が所属していた第四物語フォースストーリー、同じ『立場』の知り合いがいる第二物語セカンドストーリー、『完結』している第一物語ファーストストーリーと第三物語サードストーリーは除くとして、残りの3つ、第五物語フィフスストーリー、第六物語シックススストーリー、そして第七物語セブンスストーリーのどれに上条が所属しているかはまだこの時点では分からない。
 けれど間違いなく『同類』だ。
 それが分かる。分かるのだ。
 だから必然、パトリシアの上条に対する好感度は高く、同時に低い。
 それはパトリシアが上条に期待しているからで上条を羨んでいるからだ。
 『終わってしまった』蛇足の人生を生きるパトリシアと比べて、上条はまだこれからだと分かる。
 あんな戦闘に巻き込まれていたことからも分かる。
「『明け色の陽射し』……、魔術結社?」
 上条はパトリシアの言っていることの8割も理解していなかった。だから、理解できた単語だけを口に出した。
 魔術結社、『明け色の陽射し』。
 魔術結社という単語はインデックスから聞いたことがある。
 その名の通り魔術師の組織。同じ志を持った複数の魔術師が所属する組織。それが魔術結社。
「……そっちに注目するんですか?私達のような存在にとって重要なのはそっちじゃなくて称号キャラクター性の方なんじゃ?」
「称号キャラクター性?」
「……?……何で理解できないみたいな顔してるんですか?あなただって私と同じ、私と同じ主人公ヒーローでしょう?」
 端的に言って、
「当り前のように命の危機に瀕して、当たり前のように多くの人に好まれて、当たり前のように秘密を抱えて」
 ひどく単純な話として
「誰かのために身体をはって、誰かのために心を擦り減らして、誰かのために生きる」
 とても簡単なことで、
「主人公ヒーローでしょう?」
 上条当麻はパトリシア=バードウェイの言っていることが何一つとして理解できなかった。
「何、言ってんだ……?」
 『終わってしまった』パトリシアと『始まったばかり』の上条では自分の立場に関する理解度が大きく違う。
 役割ポジションと称号キャラクター性、そして唯一性オリジナリティ。
 主役級メインキャラクターであり、主人公ヒーローとして覚醒ユーヴァーメンシュした結果、誰も救えない英雄ガラクタヒーローの称号キャラクター性を手に入れたパトリシア。
 パトリシアは自覚している。この世界の在り方についてすべてではないが知っている。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:16:55.69 ID:yAhm9urX0
パトリシアの物語は既に『完結して終わって』しまっているから、パトリシアは上条よりも先に進んでいる。
 対して上条は違う。上条の物語はまだ始まったばかりだ。
 上条は主役級メインキャラクターであり主人公ヒーローでこそあるが、まだ覚醒ユーヴァーメンシュしていないし、故に固有の称号キャラクター性を持っていない。
 つまりは称号持ちネームドとしてはまだ半人前だ。
 個性がない、と言い換えてもいい。
 記号的である、とすら言ってもいい。
 だからまだ上条は知らない。
 パトリシアの領域には届かない。
「ん、えーと」
 パトリシアの表情に戸惑いが混ざる。あり得ない事態への困惑。予想外の反応への混乱。このタイミング、この時期であれば知っていて当然のはずなのだ。その当然を知らないとは一体どういうことなのか。
「………………………」
 パトリシアの知っている限り第一物語ファーストストーリーから第四物語フィフスストーリーまでの物語は既に『完結』している。そして『完結』している以上、それぞれの物語の主人公ヒーローは世界物語キャラクターストーリー理論の概要くらいは知っているはずなのだ。
 故に断定される。この少年の所属は第五物語フィフスストーリーか第六物語シックスストーリーか第七物語セブンスストーリーである。
 だが、パトリシアは既に物語交錯クロスオーバーしている第二物語セカンドストーリーの主人公ヒーローから第五物語フィフスストーリーと第六物語シックスストーリーの情報を聞いている。
 情報によれば第五物語フィフスストーリーの舞台は現実世界ではなく、第六物語シックスストーリーの舞台は学園都市外のはずだ。つまりこの少年の所属は第五物語フィフスストーリー及び第六物語シックスストーリーではないとパトリシアは断定する。
 ということは、
 であるとすれば、
 その推論が正しいのであれば、
「あ、な……たが……?」
 いや、いいや。
 辿り着く。
 パトリシアはようやくたどり着く。
「あなたが、」
 その喜悦を抑えられない。
 求め続けていた『中心』。世界の全てを操ることのできる本当の『最重要人物キーキャラクター』。核の違う、格の違う『最後の希望Last future of Embryo』。
 それが、今、目の前にいる?
「あなたが主軸メインストーリーなんですか?」
 見つめる。
 見つめる。
 口元が歪む。
 いや、いいや、断定していいはずだ。
「ねぇ、答えてよ」
 詰問口調になるのも仕方がないだろう。なんせ本当に長い間求め続けてきたのだ。あの地獄を乗り越えて、人類史史上最大の犠牲者を出したテロを踏み越えて、三発目の核爆弾の爆発を止められないで終わったFDEGを想い出にして、永劫の悪夢をリフレインさせながら生きることを選んで、心を擦り減らして精神を狂気に浸して魂を冒されながら生きてきた絶望のヒビが、
 ようやく、終わる。
「あなたが、全部終わらせられる、何もかもを完膚なきまでに救う、完全で、完璧で、完成された、最新の、最後の、最高の、正常に動作する、正当な行動だけをする、皆に認められて、誰にでも褒められて、頂点に立つ、多くを導く、悪人を説得できる、敵でも協力させられる、どうしてか都合の良い事ばかり起きて、あり得ないくらいのペースで事件に巻き込まれて、試練もあるけど乗り越えて、たくさんの異性から好意を持たれて、特殊な力を持っていて、いろいろなことを隠されていて、出自に秘密があったりして、土壇場で逆転の秘策を思いついて、追い詰められれば覚醒して、自然に仲間が出来て、普段はくだらない日常を過ごしていて、平穏を維持するために戦って、時に精神的な問題を抱えて、出来のいい師匠がいて、親友が闇堕ちしたりして、死んだと思っても実は生きていて、知り合いの死を乗り越えて、もともとはただの一般人で、昏めの過去を持っていて、ぶれない信念があって、トラウマを抱えていたりして、覚悟を決めるイベントがあって、因縁のあるライバルがいたりして、くだらないことに悩んだりして、ラッキースケベを体験して、重要人物とのコネを持っていて、大統領とか裏組織のトップとかと繋がりがあって、実は両親が重要人物で、黒幕の思惑に利用されて、だけど絶対に悪を倒すことが出来る、世界を救える、人を助けられる、誰も犠牲にしない第三の選択肢を生み出すことが出来る、尋常じゃない回復力と常人とは比べものにならない才能を持っている、誰にでも出来ることを率先してやる、神様にこそ愛された、選ばれている、愛されていた、都合の良い、天才的な閃きを持つ、運よく生き残る、よく事件に巻き込まれる、いつの間にか世界規模の戦いに参加している、高校生以下で、飲酒も喫煙もしない、血だらけになってもたてる、アバラが折れても戦闘を続行できる、咄嗟に誰かを庇える、自分の命を誰かのために使える、大怪我を負っても敵に立ち向かう、正義感に満ちた、曲がったことが赦せない、柔軟で、高度な、臨機応変に動ける、迫害された、差別された、仲のいい同性の友人が情報通で、急に転校生が同じクラスに来たりして、道端で重要人物とぶつかって、時にあくどいこともやる、1人暮らしの、辛い過去を持った、頭のいい、でも馬鹿だったりする、誰にでも優しくて、努力家で、みんなを手伝える縁の下の力持ちで、神様に選ばれた、多くの人に支持される、どうしようもないほどに愛に満ちた、人間離れした、裏切りも許容する、特別で、特異で、特性で、スピンオフとかで活躍しちゃう、表と裏を、白と黒を、光と闇を行き帰する、誰よりも」
 
 
 
 
 
「なんなんだよッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!」

 
 
 
 
 
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:17:38.79 ID:yAhm9urX0
「―――――――――――――――――――………………」
「なぁ、なんだよ!?さっきから黙って聞いてりゃ訳の分からないことをべらべらしゃべりやがってッ!主人公ヒーロー?主軸メインストーリー?なんだよそりゃ?俺は知らない知らない知らなんだよそんなことはッッッ!!!」
 髪をぐちゃぐちゃに掻き毟って上条は叫んだ。
 いっぱいいっぱいなのだ。
 ある意味ではパトリシア以上に上条には余裕がなかった。
 だから睨みつける。ねめつける。憎しみをもって、上条はパトリシアのことを見る。
 訳が分からないいい加減にしてくれどうして俺ばっかりと、圧倒的な負の感情をぶつける。
「どうしてこんなわけのわかんない事ばっか起きるんだよ!?どうして俺にばっかりこんな『不幸』が降り注ぐんだよ!?なんで前の人類は死滅したんだ!?誰があのスタジアムで俺を撃ったんだ!?お前はいったい誰なんだよ!?どうして俺の身体には傷一つないんだよ!?どうして、どうしてっ、どうして……っっっ」
 もちろん、普段の上条はこんな理不尽なことはしない。きちんとパトリシアの話を聞いて、分からないことを理解しようと努力して、相互理解を努めようとするだろう。
 上条の根幹にあるのは優しさだ。どれだけの悪人でも、どれだけイカレテイル存在でも、問答無用で殴りつけるなんてことはしない。
 だから珍しいのだ。本当に珍しいのだ。
 上条当麻という人間が年下の少女を理不尽に怒鳴りつけるなんてことは。
「…………………………………俺に、何を、どうしろっていうんだよ」
 そう言って、上条はズルズルと壁にもたれかかった。
 何をすればいいか分からない。何が起きているのか分からない。どうすれば正解なのか判断できない。
 情報が足りなくて、人手が足りなくて、信頼の有無が理解できなくて、もう一歩も動けない。
 全てが分からないからもう終わりだ。
「俺は、………………もう…………………」
「一つ、アドバイスしてあげます」
 よく分かっていた。
 パトリシアは今の上条のことをよくわかっていた。
 かつてのパトリシアも今の上条と同じようなことがあった。
 誰が敵か分からず、誰が味方か分からず、何をすればいいか分からず、どう行動を起こせばいいのかわからず、そもそも行動を起こすことが正解なのか分からず、手掛かりもなく、たった一人で恐怖に震え、絶望に悲嘆し、実の姉すらも攻撃したその過去。
 救えない。
 救えない。
 救えない。
 
 生半可な言葉では、届かない。
 
「――諦めるのは簡単です」
 
 だから単純でいい。
 
「でも」
 
 たった二言でいい。
 
「私達主人公には、似合わない」
 
 私達主人公は必ずもう一度立ち上がれると、誰も救えない英雄パトリシア=バードウェイは知っている。
 かつての自分がそうだったように、上条も必ず立ち上がるとパトリシアは知っている。
 主人公ヒーローとは、そういう生き物だ。
 



少しだけ、明かされる『世界観』。

次の更新は8月中にです。

























…………えっ?上条のキャラクターが原作と違うって?

あははっ、よく気付いたね。

でも大丈夫。それにはきちんと理由があるんだ。

あははっ、だって彼はもう――――――――――――――――――

ね?

分かるだろう?
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:18:29.29 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/161.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

161 / 178
解説回です。

物語は進みません。


パトリシア=バードウェイ@ 斃たおすべき『敵』の名は

 初まりは一通のメールだった。
 それがパトリシアの全てを狂わせた。
 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。
 『第七回DEG』への招待状。
 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。
 正しく常軌を逸していた。
 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。
 生き残るために何だってしていた。
 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。
 ある男はたった一人の人間を[ピーーー]ためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。
 ある母は隠れ潜んだ敵を[ピーーー]ためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
 ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。
 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。
 今でもそう思う。
 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。
 それでも、終わらなかったのだから。
 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。
 七分の一の、四十九分の一の生存者。
 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。
 そのメインテーマは『犠牲』。
 その系統は『デスゲーム』。
 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』
 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、
「………………………人類絶対悪ビースト」
 人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。
 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。
 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。
 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:19:04.28 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/161.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

161 / 178
解説回です。

物語は進みません。


パトリシア=バードウェイ@ 斃たおすべき『敵』の名は

 初まりは一通のメールだった。
 それがパトリシアの全てを狂わせた。
 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。
 『第七回DEG』への招待状。
 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。
 正しく常軌を逸していた。
 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。
 生き残るために何だってしていた。
 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。
 ある男はたった一人の人間を[ピーーー]ためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。
 ある母は隠れ潜んだ敵を[ピーーー]ためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
 ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。
 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。
 今でもそう思う。
 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。
 それでも、終わらなかったのだから。
 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。
 七分の一の、四十九分の一の生存者。
 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。
 そのメインテーマは『犠牲』。
 その系統は『デスゲーム』。
 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』
 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、
「………………………人類絶対悪ビースト」
 人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。
 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。
 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。
 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。

人類絶対悪ビースト位階総序列第一位T。
 『悪意』の悪徳を体現する人類絶対悪。世界で起きる大事件の半数以上に関わっているとされる地球誕生以後最悪にして最低の生命。罪状、第一次及び第二次世界大戦の扇動、シチリア島沈没事件の実行、世界最悪のテロ組織『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』への『皇帝イワン』密輸未遂、マダガスカル島両断の実行など。
 人の不幸を嗤い、悲劇に耽美し、涙を流す人間を観劇する、初まり罪に犯されし絶対悪。
 本名は不明、それ故に仮称が『根源悪ディープ・ブラック』。
 何をしてでも滅すべき、人類の敵。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第二位U。
 『欲望』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の願いを欲望のままに叶え、その失敗を嘲笑することを生き甲斐とする人外。罪状(なお全て間接罪)、地球温暖化の実行、一秒の定義の改竄、現行科学を遥かに凌駕した超超々越兵器『亜空の使者』の創造など。
 欲望を叶えるだけ叶えてその責任をとらない、他の人類絶対悪ビーストからすら嫌われる最低の絶対悪。
 故にその名は『ガイア・ジ・アース』。
 星が生み出した、星の癌。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第三位V。
 『終焉』の悪徳を体現する人類絶対悪。過去現在未来に存在し得る全ての可能性を全て観測し、あらゆる『終わり』を現実にできる天才を超える天災。罪状(一切の証拠無し)、最低でも1870人の才人の廃人化、人口衛星USA-224墜落事件の実行、パリ全インフラ停止事件の実行、インペリアルパッケージ強奪未遂など。
 あらゆる全てをすることができ、あらゆる全てを識っている全能の絶対悪。
 故にその名は『木原五行』。
 木原一族の最高傑作にして、最大の失敗作。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:19:56.75 ID:yAhm9urX0
人類絶対悪ビースト位階総序列第四位W。
 『錯乱』の悪徳を体現する人類絶対悪。人が混乱し、混迷し、理不尽に必死に抗う様を高みから見ることで優越感に浸る、人間の根幹にある感情を最も端的に表す人間達。罪状、国際宇宙ステーションISSクラッキング事件の実行、全世界同時多発的海底パイプライン切断事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 柔軟な発想と存在しない禁則をもって人に仇為す最悪の災厄、他者の努力と対策を嘲笑う絶対悪。
 故にその名は『原初たる混沌宇宙』。
 誰にも制御することのできない、破滅快楽主義者の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第五位X。
 『代替』の悪徳を体現する人類絶対悪。唯一にして絶対の『人が人形になった存在』であり、量子学的にゼロパーセントと断言されたはずの『完全な人形』の完成品。人形村の人形師達が辿り着いた、夢想の夢の産物。罪状、四十三カ国の指導者たちの拉致及び殺害、数多の国の政治家に成り代わったこと、ロシア連邦核ミサイル発射未遂事件の命令など。
 本物となることのできる影、見破れない嘘、見分けの使い偽物、今あなたの隣にいるかもしれない最も身近な絶対悪。
 故にその名は『人形ひとかた人形にんぎょう』。
 この世で唯一の、完全なる人形型人間アリス。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第六位Y。
 『殺人』の悪徳を体現する人類絶対悪。その魂魄に『殺人因子』を宿し、己が性質に従って無限の殺戮を繰り返す名を喪った殺人鬼の組織。罪悪感も罪責感も感じず、時に享楽をもって、時に悲哀をもってただただひたすらに殺し尽す血みどろの悪。罪状、第二次世界大戦における人道に対する罪(多数)、中国における民衆大虐殺事件の後押し、滅亡級魔術致死病療666ウイルス発動未遂など。
 歴史上最も多くの同族を殺した、絶対に和解することのできない絶対悪。
 故にその名は『不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド』。
 史上最も多くの人間の殺戮した、人殺しの組織。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第七位Z。
 『救済』の悪徳を体現する人類絶対悪。魔術という神秘を極め切り、究め切り、窮め切った白痴の賢人。かの『黄金』すら上回る、魔術の基礎の基礎、魔術体系そのものを確立した始祖にして原初の魔術結社マジックキャバル。罪状、南極大陸地脈枯渇事件の実行、冥王星準惑星降格の主犯、小規模な世界法則改竄による科学法則に対する反逆など。
 人を救うことに執着した結果人を滅ぼすという結論に辿り着いてしまった、最も優しき絶対悪。
 故にその名は『断罪の七大罪』。
 変えられない現実を前に嘆き狂ってしまった、英雄の成れの果て。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第八位[。
 『異端』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の身でありながら神に成り代わろうとし、歴史を、因果を、当たり前を覆す、『黄金』と同等の魔術組織。そのあまりにも苛烈で過激で加虐な思想から地球上全魔術組織から『異端認定』を受けた最悪の魔術組織。罪状、老若男女879520人を用いた魔術的人体実験の実行、既存の魔術体系に対する反逆、十字教三大宗派本部襲撃など。
 神を求めるがあまり神をすら[ピーーー]、本末転倒な組織。
 故にその名は『大いなる業の憲章アルス=マグナ=カルタ』。
 凡ての神を否定する、黄金の錬金術師の魔術結社。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第九位\。
 『虐待』の悪徳を体現する人類絶対悪。無意味に力を揮い、無作為に命を消費し、無駄に血を流す、残酷で残虐で残忍なテロ集団。世界各地でテロ行為を行う目的の全く見えない組織。罪状、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの表向きの首魁、スレブレニツァの虐殺及びジョージア民族浄化等多数の虐殺事件の扇動、他の人類絶対悪ビーストに対する人員、武器、殺人ノウハウ等の輸出など。
 人の数を減らすことそのものを目的とした人間の形をした異星人エイリアン、会話は出来ても話の通じない絶対悪。
 故にその名は『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』。
 自らの心しか信じない、極悪非道な絶対正義。

人類絶対悪ビースト位階総序列第十位]。
 『復讐』の悪徳を体現する人類絶対悪。人類史史上最大の謎といわれる『幻想島フィクションアイランド』の謎の答えを探すためだけに生きているたった5人のダークヒーロー。罪状(なお全て間接罪)、ベルリンの壁再建事件の教唆、米国所属空母ロナルド・レーガン強奪事件教唆、ストックホルム大炎上事件教唆など。
 命の尊さを他の誰よりも知っていながら、己のエゴで人殺しを強要する善の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『復讐同盟』。
 誰かの復讐を教唆する、外道の集まり。
 
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:20:49.16 ID:yAhm9urX0
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十一位Ⅺ。
 『冒涜』の悪徳を体現する人類絶対悪。生命というモノを完全に理解し、命を、魂を、魂魄を、生きるということそのものを数式化した空前絶後の大天才。そしてその天才性を誤った方向に成長させた未曽有の大天災。罪状、ラスベガスゾンビ出現事件の実行、複数の死体を繋ぎ合わせた新生命体『ドリット・メンシュハイト』の制作、全世界同時生放送での人体解体の実行など。
 死を恐れるがあまり死を拒絶した、人類最後の夢である不死を現実にした絶対悪。
 故にその名は『死体繋したいつなぎ屍しかばね』。
 終わりを終わりで終わらせない、永遠の呪いを与える屑。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十二位Ⅻ。
 『進化』の悪徳を体現する人類絶対悪。人でない故がに存在する永遠の時間をもって自己進化を繰り返し、ついには開発者自身ですら制御不可能になった0と1の産物。罪状、G7各国全インフラ一斉混乱事件の実行、多数の国家の機密情報の外部流出の実行、新生命体『シュタール・ゲシュペンスト』の創造など。
 人でないが故にどうあっても人を理解できない、無限の平行線の果てにいる絶対悪。
 故にその名は『電脳生命体α』。
 人の傲慢が生み出した、電子の怪物。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十三位XIII。
 『蒐集』の悪徳を体現する人類絶対悪。物欲に支配された、最も人間らしき集団。奪い、盗み、集め、観賞し、そして満足する甚だ迷惑な強盗集団。罪状、霊装カーテナ=セカンド強奪事件の実行、紀元前観測断絶事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 盗むことに特化した、この世の全てを不確かにする絶対悪。
 故にその名は『極悪博物館』。
 積み重ねてきた歴史をすら盗む、断絶した資料館。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十四位XIV。
 『暴力』の悪徳を体現する人類絶対悪。子供のお使いから大規模テロの鎮圧、要人警護、ゴーストライター、無差別殺人、戦争行為、大虐殺、暗殺まで依頼されればなんでもこなす傭兵組織。罪状、ホワイトハウス襲撃事件の実働部隊、スエズ運河封鎖事件の実行、魔科学融合兵器『FAMSFusion Arm of Magic and Science』の開発など。
 あらゆる行為の前提条件に『暴力』が存在する、血の雨の中でしか生きられない絶対悪。
 故にその名は『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』。
 善も悪も同列に扱う、大戦が生み出した負の遺産。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十五位XV。
 『選別』の悪徳を体現する人類絶対悪。自分たちに都合の良いことだけを信じ、自分たちに都合の悪いことは一切聞く耳を持たない永遠の弱者。罪状、善悪最終生存競争ファイナルデッドエンドゲームの補佐、偽最終審判判定未遂事件の実行、陸海往来断絶事件の主犯など。
 なまじ力を持ったばかりに世界を見なくなった、成長できない子供のままの絶対悪。
 故にその名は『聖なるカナン』。
 神に選ばれた使徒を自称する、自意識過剰な現実逃避者。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十六位XVI。
 『廃頽』の悪徳を体現する人類絶対悪。便利になった現世界よりも不便だった過去を尊ぶ時代遅れの老害。反論できない詭弁と反論を許さない欺瞞で正論を煙に巻く、回想に浸る集団。罪状、全国家一斉インフラ停止事件の実行、超広域電磁パルスEMP攻撃未遂事件の実行、文明のゆりかご再誕事件の実行など。
 現代の人類を否定する、積み重ねてきた歴史を否定する絶対悪。
 故にその名は『神時代へ逆行する古代人』。
 過ぎ去った栄光に縋りつく、置いていかれた古代人。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十七位XVII。
 『偽悪』の悪徳を体現する人類絶対悪。まだ誕生していない唯一の人類絶対悪ビースト。誰かのための自己犠牲で人の歩みを阻害する、高貴な者の義務ノブレス・オブリージュを理由に全ての責任を被る、傷つきながらも笑う悪。罪状、彼は罪を犯した、彼は罪を犯した、彼は罪を犯したなど。
 しなくてもいいことをして誰かの成長を妨げる、正義の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『上×勢力』。
 存在しない8つ目の罪の象徴、平和のための尊い犠牲。
 人の生み出した、人の業。

以上、十一の組織と三の人外、三の人間をもって全人類絶対悪ビーストとされた。
 この絶望こそが、パトリシアのような主人公ヒーローが戦うべき最終敵ラスボスであった。
「人類絶対悪ビースト、かぁ…………」
 とはいっても第四物語フォースストーリーの主人公ヒーロー、誰も救えない英雄ガラクタヒーローパトリシア=バードウェイといえども全ての人類絶対悪ビーストに関わったことはない。パトリシアが関わったことがあるのは善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの時に敵対した国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresと聖なるカナンと極悪博物館の連中、そしてそれが『完結』した後の世界を旅する間に出会った断罪の七大罪、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド、電脳生命体α、復讐同盟の連中くらいだ。
 それも結局パトリシアはどの人類絶対悪ビーストも殺しきることができていない。
 それはパトリシアが弱いからではなく、人類絶対悪ビーストが強いからではなく、世界に護れている、『加護』がある状態の登場人物キャラクターは条件が調わないと勝負すら出来ないからだ。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:21:26.49 ID:yAhm9urX0
 
 だから、
 
「…………………やっと終われるよ、お姉さん」
 
 だから、パトリシアは微笑む。
 確信していた。
 やっと、ようやく、ついに、『物語』が『始まった』。
 七連物語セブンスストーリーズの第七物語セブンスストーリー、全ての物語を本当の『完結』へ導く最後の物語ファイナルストーリーが始まった。
 これで人類絶対悪ビーストが持っていた『加護』は消える。人類絶対悪ビーストの絶対性はなくなる。勝てるようになる。
 本当に、やっとだ。
 待っていた。
 待っていた。
 ずっと、待っていた。
 この瞬間を、この時間を、このトキを。
 
「私はきっと、お姉さんたちと同じ所にはいけないけど」
 
 呟く。
 語る。
 話す。
 
 灰・色・の・墓・石・の・前・で・パ・ト・リ・シ・ア・=・バ・ー・ド・ウ・ェ・イ・は・涙・を・流・さ・ず・泣・い・て・い・た・。
 
「それでも、ね」
 
 天国や地獄の概念を信じているわけではない。善行を為したモノは楽園へ行き、悪行を為したモノは煉獄に堕ちる。そんなことを盲信しているわけではない。
 しかしやはり自分のようなゴミクズと姉のような指導者が同じ場所に行くのはおかしいとパトリシアは思うのだ。
 努力すれば成果が出る。怠惰ならば成功しない。当然のことだ。
 だから、仮に死後の世界があっても転生しても自分と姉が出会うことはない。
 パトリシア=バードウェイという少女は罪を犯し過ぎた。
 パトリシア=バードウェイという女はあまりにも弱すぎた。
 パトリシア=バードウェイという個人はどうしようもなく愚かだった。
 
「全部終わったら、少しくらいは褒めてほしいかな」
 
 だから、パトリシアは泣く。
 この戯言が姉の魂に届いていないことを、願いながら。
 矛盾した言動で、泣く。
 



十七の人類絶対悪ビースト。

人類が人類である限り避けられない、滅亡の使者。

終焉の擬人化、破滅の具体化、絶望の具現化。

彼ら彼女らが斃すべき、『悪』の御名。



次の更新は9月上旬までにです。













ようやく風呂敷を広げきったぞ、後は畳むだけだ。
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:32:58.82 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/162.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

162 / 178
かなーり展開早めです。

そしてもうちょっと頑張らないと、という気持ちになっています。


再《リトライ》第一物語《ファーストストーリー》 第二部 第一章 第一節 侵蝕、侵略、侵攻
佐天涙子@ 正体不明の焦燥感

 学園都市において超能力チカラとは学生を測る絶対の物差しだ。強度レベルが上がるほど奨学金の額も上がり、珍しい超能力チカラほど研究者の目を引き、超能力者レベル5ともなれば全学生の羨望の的だ。
 歪んで歪なもって生まれた才能こそが全ての閉鎖世界ディストピア。
 それが学園都市という名の箱庭だ。
 この世は才能が全て、だから努力に意味はない。
 なんてことが間違っているのは分かっている。
 頂点を見て羨望するだけだから成長することができない。
 超能力者レベル5に憧れているだけだから強くなることができない。
 超能力者レベル5。
 学園都市230万人の頂点、その7人。
 学園都市超能力者レベル5第一位(故人)、ありとあらゆる種類のベクトルを操る一方通行アクセラレータという超能力チカラを持っていた、絶対能力者レベル6に最も近いと言われた能力者、一方通行アクセラレータ(本名不明)。
 学園都市超能力者レベル5第二位、この世に存在しない素粒子を生み出し、操作する未元物質ダークマターという超能力チカラを持つ、暗部組織『スクール』のリーダー、垣根帝督。
 学園都市超能力者レベル5第三位、電撃使いエレクトロマスター系最強を誇る超電磁砲レールガンという超能力チカラを持つ、妹達シスターズを救うために人をやめた存在、御坂美琴。
 学園都市超能力者レベル5第四位、曖昧なまま固定された電子を操る原子崩しメルトダウナーという超能力チカラを持つ、暗部組織『アイテム』のリーダー、麦野沈利。
 学園都市超能力者レベル5第五位、精神に関わることならば何でもできると称される心理掌握メンタルアウトという超能力チカラを持つ、ある意味では超能力者レベル5の中で最も穢れていない人間、食蜂操祈。
 学園都市超能力者レベル5第六位、能力不明、素性不明、行動原理不明、何もかも不明で不確かな超能力者レベル5、藍花悦(仮称)。
 学園都市超能力者レベル5第七位、世界最大の原石といわれながらそれ故に解析不能のチカラを持つ、根性の一言で全てを解決する熱血のヒーロー、削板軍覇。
 学園都市が誇る絶対。小国程度ならば個人で壊滅させることができ、仮に米国を敵にまわしたとしても生き残ることができると噂されるようなもはや次元の違う存在。
 信じられない。信じられない。信じられない。
 佐天涙子をはとてもではないが信じられない。
 だって、隔絶していたか?
 だって、超越していたか?
 だって、老練していたか?
 いや、いや、いいや、そんなことはない、そんなことはないはずだろう。
 何か、明確な差があったとは思えない。何か、確かな違いがあったとは思えない。何か、明らかな壁があったとは思えない。
 御坂美琴レベル5と佐天涙子レベル0の間にどれほどの差異があった?
 その差異は、2人の全てにどれほどの影響を及ぼした?
 共に少女、共に学生、共に友人。
 違い、違え、違う。2人の間にどれほどの違いがある?
 財力は、おそらく100倍ではきかないほどの差がある。
 戦闘力は、おそらく1000倍ではきかないほどの差がある。
 人間力は、おそらく10000倍ではきかないほどの差がある。
 で、なら、ああ!
 佐天涙子が御坂美琴を上回っている点は?
 佐天涙子レベル0が御坂美琴レベル5よりも優れている点は?
 佐天涙子何も為せない塵屑が御坂美琴神にすら届き得る天才に勝っている点は?
 は?は?は?
 そんな、もの、あるのか?
 無能。
 無能。無能。
 無能。無能。無能。
 無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能無能。
いい加減に自覚しろ。
 本当にいい加減にしろ。
 何をしてきた?
 今まで何を?
 何かしてきたか?
 何か?
 御坂美琴と佐天涙子の違い?
 そんなモノ、言語化するまでもなく具体化するまでもなく現実化するまでもなく分かるだろう。
 超能力者レベル5とか無能力者レベル0とか、才能があるとかないとか、友人に恵まれたとかいないとか、よくよく事件に巻き込まれるとか巻き込まれないとか、そんなことは全て外付けのオプションに過ぎないなんて分かっているだろう。
 どうして御坂美琴なんだと思う?
 なぜ佐天涙子ではないんだと思う?
 この2人にどれほどの違いあるんだと思う?
 才能の差?違う。
 努力の差?違う。
 環境の差?違う。
 そんなモノじゃない。
 分かっているだろう。
 分かっていたんだろう?
 本当は、
 本当に、
 本当は、
 何がダメなのか。
 何がいけないのか。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:33:44.32 ID:yAhm9urX0
 何が足りないのか。
 天才、凡人、才人、無能、秀才、塵屑。
 それの違いは何だ?
 何が違う?どこが違う?
 答えは出ている。
 本当は知っている。
 佐天涙子、
 臆病者の無能者、
 口先だけの怠惰な愚人、
 
 お前は――――――――――――。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 飛び起きた。
「――――――ッッッッッ!!!!!?????」
 重い。
 そして気持ち悪い。
 全身がまるで激しいスコールに曝されてしまったかのように濡れている。
 汗だ。尋常ではない量の汗が佐天の全身を濡らしていた。
「あっ、は……はっ?………………夢?」
 何か、何かは分からないが、とても恐ろしい何かを体験していた気がする。
 永遠に罵られて、永劫に責め立てられて、永久に無力感に晒されたような、そんな何かを……。
「………………………う、っ」
 口内に唾以外の異物を感じる。酸っぱい。気持ち悪い。グチャグチャする。
 嘔吐感。
 胃から何かがせりあがる。
「うっ、おげっ!」
 たまらず吐いた。
 純白のシーツが汚らしい色に染まる。それはまるで誰かの心のように。
 一点の黒も持たない人間などいないと、汚れの無いモノなんてないと、それを暗喩しているかのように。
「はっ、う、ぅぅううぅぅうっっっ」
 眩暈はしない。
 頭痛もない。
 鼻詰まりもしない。
 身体に力が入らないなんてこともない。
 起き上がれるし手足も動く。
 つまり身体は正常だ。
「げぅ、っ……」
 でも吐いた。
 気分が悪い。
 どうしようもなく、気持ち悪い。
 何か、『何か』、なにか、『なにか』、なにかあった気がする。
 何か大切なことが、あった気が……っ!?
「でもっ、それって何!?」
 吐き出した異物も放置して、佐天は口元を袖で拭いながらベッドから飛び降りた。急がないといけない気がする。急がないと間に合わない気がする。もう手遅れな気がしてすらいる。
 この焦燥感は何だ?私は何を焦っている?大切なこと?何か?
 何も分からない中で、なぜか佐天の心の中を焦りが満たす。
 理由の分からない焦りに焦燥感をためながら、佐天は急いで外に出る準備をした。
「っ!」
 洗面台で顔を洗う。
 パジャマから私服に着替える。
 財布やらポータブルデバイスやら手鏡やらを入れたバッグを持つ。
 朝食はとらない。
 そんな暇はない気がする。
(早く、速くっ!)
 靴を履く。
 玄関のドアノブに手を掛ける。
 捻る。
 扉を開く。
 
 左・足・か・ら・両・足・同・時・に・外の世界に飛び出す。
 
 ……………………それで、未来は確定した。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:34:13.94 ID:yAhm9urX0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 玄関を出て、アパートの階段を大急ぎで降りる。
 胸の中を満たす正体不明の焦燥感に急かされて、最大速度で足を回転させる。
 ドクドクドクと心臓の鼓動が煩い。まだ走り始めて10秒もたっていないのに激しく息が乱れる。体験したことのない出来事で、体感したことの無い状態。佐天涙子という一般人にとっての、初めて主体的に感じた危機。
 だから佐天は正しく動けない。
「―――――――――――――ッ」
 焦りはある。でもその正体が分からない。だからどこに行けばいいのかもわからない。
 つまるところ無能だ。
 結局の所無能はどこまでいっても無能なのだ。
「はっ、はぁ、っ……は、はっ!」
 荒い息を重ねながら、目的地を決めることも出来ず佐天はただ走る。自分の身に何が起こっているのか、一体どこに向かえばいいのか、何もかもわからない。
 例えばこれが初春ならば違っただろう。彼女は守護神ゴールキーパーの二つ名を持つほどの超一流ハッカーだから。
 例えばこれが白井ならば違っただろう。彼女は五本指の一つ常盤台中学に入ることが可能なほどの能力者だから。
 例えばこれが上条ならば違っただろう。彼はその右手に幻想殺しイマジンブレイカーを宿すことができるほどに選ばれた人間だから。
 例えば、これが……、御坂ならば違っただろう。言うまでもなく、語るまでもなく、御坂美琴ならば違っただろう。
 ただ、此処に居るのは佐天で、なぜか焦燥感に駆られているのも佐天で、そこはどうしようもない。
 だから、無理なのだ。
 佐天に『正解』はつかめない。
 選ばれていないから、特別じゃないから、ありふれているから。
「は、ふっ!はぁ……、はぁ……、ひっ!」
 ただ、もしも、
 もしもどうしても佐天涙子という個の特別性をあげろというのであれば、
 それはとるに足らないものかもしれないが、ある。
 ありふれていると言えばありふれているが、
 極普通の非常にありふれたことではあるが、
 ある。
「どうすればいいの……っ!?」
 それは、
 それは、佐天涙子という個は、
 都市伝説が好きだ、という事。
 そしてそこから辿り着けた真実もあった、ということ。
「私は、どうすれば……ぁ……っ!」
 足が止まる。
 疲れた。
 息が荒い。
 体力がもう尽きかけている。
「ぜっ、ひぅ……っ!」
 両膝に手をついて、道の真ん中で息を整えながら、佐天は顔を上げた。 
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/13(日) 19:34:50.83 ID:MKEZgr+4o
つまんねえss転載すんな
他所でやれ
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:35:02.22 ID:yAhm9urX0
左・手・に・見・え・る・の・は・い・つ・か・佐・天・の・心・情・を・言・い・当・て・た・占・い・屋・。
 
 右・手・に・見・え・る・の・は・ま・る・で・佐・天・を・誘・う・か・の・よ・う・な・怪・し・さ・を・兼・ね・備・え・た・暗・い・路・地・裏・。
 
 過去に戻ることが不可能で、未来が一つしか選べないというのならば、
 
 此処に問いを投げよう。
 
 はたして佐天涙子はどちらの道を選ぶべきなのか。
 
 といっても、もう未来は確定しているがね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 さて、ルート選択の時間だ。
 一つは佐天涙子のチカラを超強化する選択肢。そして大きな代償を伴う選択肢。
 もう一つは佐天涙子のメンタルを強化する選択肢。そして『真実』から遠ざかる選択肢。
 一見選択の余地はないように思える。
 『彼』の言う通り、未来は決まっているように思える。
 だけど、『彼』はとても大切なことを見落としている。
 予定と変わり、予測を外した結果、新たなシステムが存在していることを忘れている。
 黄金の真実。
 その存在は、君達に主導権を与える。
 さぁ、もう一度問おう。
 選択の時間だ。
 右か左か。
 ライトかレフトか。
 怪しい占い師か怪しい裏路地か
 
 君達はどちらを選ぶ?



次の更新は9月中までにです。













アンケートは↓だ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=191945&uid=15850
活動報告からたどってもいけるけどね。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:36:59.30 ID:yAhm9urX0
【選択肢@ 佐天涙子の行動を選べ!】
【左は占い師。】

【右は路地裏。】

【どちらかの選択肢は大きな代償を伴い、】

【どちらかの選択肢は『真実』から遠ざかる。】

【そしてもうこの過去へは戻れない。】

【さぁ、どうする?】








【これは読者参加型の企画だよ!】

【左か右を選んで、コメント欄に書いてね!】

【君達の選択によって未来が決まるよ!】

【頑張れ!】











【そうそう、コメントは【】でくくらないようにね!】

日時:2018年08月24日(金) 20:55


(T-T)
右の裏路地に進むに1票

日時:2018年08月21日(火) 19:40

ヴァイス=ブラン
左の占い師の所に行くに1票入れます。

日時:2018年08月21日(火) 21:51

スパリッツ
そういうことじゃないなら無視して下さい。

「右の」占い師

に1票

日時:2018年08月22日(水) 13:44

一二三四五六
なにこれ?

えっ?なにこれ?

白紙の活動報告?

………………………………………これ何?こんなの作った憶えないんだけど?

マジでなんだ?みんな何を言っているんだ?

日時:2018年08月23日(木) 01:57

胡蝶星夢
買い物帰りに右目に占い師ってことは行きは左側ですよね……?
真実より強いメンタルがいいので「左」の裏路地に1票あってるかわかりませんけど

日時:2018年08月23日(木) 02:25
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:37:32.57 ID:yAhm9urX0
一二三四五六
【ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは】







【おめでとう】



【君達は】



【勝った】

日時:2018年08月24日(金) 20:54
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:39:16.56 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/163.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

163 / 178
ちょっと今回は抽象的な表現が多めです。


不揃いのカコフォニー四人組カルテット@ それは在り得ざるはずの出会い

 運命、と呼ばれるものがある。
 人の想いをこえて、人に幸福や不幸を与える超自然的なのモノ。
 上条らの住む世界、その全体においては、この運命と呼ばれるものは故意に、正確にいうなれば違うが、しかし人間の手によって生み出すことが可能であった。
 飛沫、あるいは火花と呼ばれるモノ。
 位相同士の衝突から発生する、不可視の運命を形作る、人知を超えたモノ。
 それは人間が魔術を使用するたびに発生する。
 それは人間が欲望を発散するたびに発生する。
 それは人間が普通を逸脱するたびに発生する。
 人の手で生み出されながら人の手ではどうすることも出来ない、それが世界を覆う運命論。
 そしてそれは目に見えず、肌で感じられず、どうしたって捉えることのできない不可視のチカラ。不可視のチカラであるが、しかしそれはとても簡単に干渉できる。干渉でき、観賞できる。
 例えば部屋から出る時の一歩目が左足であったら、彼女はまず左側を見るだろう。
 例えば部屋から出る時の一歩目が右足であったら、彼女はまず右側を見るだろう。
 ほんの小さな違い。そんな程度で運命が変わるとはとても思えない、とてもとても小さな違いはしかし、バタフライエフェクトのようなあり得ない運命論によって大きな変化に代わる。
 ブラジルで蝶が羽ばたいた時には中国で竜巻が起こるモノなのだ。
 故に必然だった。
 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の
右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の
右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の
 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の          右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の   右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の                    左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の
右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の
 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の          右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の   右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の            左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の
右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の
 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の 左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の          右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の   右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の                    左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の
右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の         左足から外の世界に飛び出した佐天涙子が左側に存在する占い屋に注目するのは当たり前の
右足から外の世界に飛び出した佐天涙子が右側に存在する路地裏に注目するのは当たり前の
 
 
 
 
 
 
 両・足・で・外・の・世・界・に・飛・び・出・し・た・佐・天・涙・子・は・き・っ・と・彼・ら・に・愛・さ・れ・て・い・た・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 運命は切り替わる。
 君達は勝った。
 意表を突いて、予想を覆した。
 枠を超えた。
 だからこれから先は未知の領域。
 誰も知らない新世界の幕開けだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:41:11.69 ID:yAhm9urX0
何か行動を起こさねばならないと思う。しかしどう行動を起こせばいいのか全く分からない。
 だから、佐天は一度大きく深呼吸をした。そうすることで、大きく気持ちを落ち着かせた。そして同時に息を整えた。
「ふぅー、はぁーっ、はぁーっ…………はっ」
 落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて。必死に気持ちを落ち着かせて冷静な行動をとれるように心がける。胸中を満たす焦燥感。それを無視して佐天は周りを見渡す。
「これから、……どうしよう?」
 ここからさらに先へ走って何か意味があるだろうか?そもそも佐天はなぜ己がこんなに焦っているのかもわからないのだ。目的もわからず、目的地もなく、ただ只管に無我夢中の我武者羅に走った。そして辿り着いたのがここ。
 ここに辿り着いたことに意味があるとは思えない。そしてそれ以上にこれ以上先にいったとしても何があるのかは分からない。つまるところ何も分からず、そしてどうすればいいかも当然わからない。
 のであれば、とりあえず何か行動をしよう。
「とりあえず、もうあんまり走りたくは……ない、よね」
 だったらここで何かしよう。何か、何か、何かってなんだろう?
「誰かに、相談してみる、とか?」
 ここで佐天はもう一度周囲を見渡した。
 左手にはテントの中でやっている占い屋がある。右側にはいかにも怪しい雰囲気をしている路地裏がある。
 どちらかを選択するなら、どっちだろうか。
「あれ……?この路地裏って」
 見覚え、否聞き覚えがあった。
 佐天涙子は知っていた。
「『悪霊の囁き声』……」
 『悪霊の囁き声』という都市伝説がある。
 第八学区のビル街の奥の路地裏の隙間には、何を祀ってるかもわからない無名の祠があり、そこのお供え物を盗むと『悪霊』に取り憑かれてしまう。しかも、その『悪霊』は耳元でずーっと悪事を囁いてきて、その声に耳を傾けたら最後、悪霊の言いなりに体が動いてしまう、という都市伝説だ。
 与太話、と多くの人が一蹴してしまうような都市伝説。
 今佐天の右側にいある路地裏は、その舞台では無かったか?
「……………………」
 少し、佐天の足が右に向く。興味がある。都市伝説大好きな一人の少女として、探索したい気持ちが沸く。
 だがしかし、
 それなのに、
 それ以上に、左にある占い屋に惹かれた。魅かれた。ひかれた。
「この占い屋って」
 見覚えがあり、それ以上に印象深かった。
 それはあの全てが狂い始めた8月22日の一日前、御坂美琴と最後に連絡を取れた日、8月21日の夜に佐天が訪れた占い屋だった。
 『努力したことはありますかん?血反吐が出るくらい、もう動けなくなるくらい、気絶してしまうくらい頑張ったことはありますかん?』。
 『ないでしょうん。ないはずですん。あなたのような人はみんなそうなんですからん。確かに、才能は重要ですが、あなたはきっと自分の才能を探す努力すらしたことが無いん。だから、成長も進化もできないん』。
 『毎日かかさず走れば速く走れるようになるかもしれないん。毎日かかさず勉強すれば頭がよくなるかもしれないん。毎日かかさず筋力トレーニングをすれば力持ちになれるかもしれないん。毎日かかさず泳げば体力がつくかもしれないん。――――――可能性は無限にあります。努力すれば、届くんですん』。
 『一丁前に悩む暇があるのなら、努力してみなさいん。それが、あなたの悩みを解消する一番の近道ですん』。
 占卜卜占と名乗ったあの占い師はたった数分の接触で佐天の心情を当ててきた。だから嫌でも記憶に残る。そして怪しさと同じくらい無意識の信用を持ってしまっていた。
 誘蛾灯に惹かれる害虫のように、蜜に魅かれる昆虫のように、血にひかれる殺人鬼のように、佐天はふらふらと、ふらふらとテントに向かって歩みを進める。
 その選択が正しいのかは未来にならないと分からないだろう。
 ただ、此処に一つの答えがある。
 この時佐天は右の路地裏に、『悪霊の囁き声』に行く路ではなく、左の占い屋に、『再会』を求める路を選んだ。
 それが佐天の選ばされた未知だった。
「――――――っ」
 ごくりっ、と息をのんで、
 佐天はテントの中に入った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:43:29.16 ID:yAhm9urX0
この『世界』にはいくつか『確定』していることがある。
 絶対不変の絶対法則アンチェンジナブルラウ。
 抗えない『絶対』。
 それは例えば称号キャラクター性に関する事。
 最終的ラスボスを倒すことは主人公ヒーローにしかできない。
 一人の主人公ヒーローに対しては必ず一人以上の庇護対象ヒロインがいる。
 序盤に登場して意味深な事を言う物語を進める役トリックスターはたいてい重大な秘密を知っている。
 それは例えば世界観ヴェルタンシャウングに関する事。
 ピンチに陥った際の覚醒ブルートソウル。
 誰もが讃えるほどにかっこいい技名。
 何度も危機に陥りながら壊れない世界。
 それは例えば■■■■■■■に関する事。
 ■■■■■■■に存在する■■より■■された赤き楔。
 ■■■■■■■■■■■■■に存在する■■■■より■■された青き鎖。
 多数の■■によって■■された結果、■■が■■■■ざるを得なくなった■■である黄金の餞。
 決まりきった『絶対』。
 変えられない『法則』。
 侵され壊れた『聖域』。
 僕らはそれが気に入らなかった。
 『彼ら』は『それら』には逆らえない。
 所詮形而上存在でしかないのだから、反逆など出来ようはずもない。
 ただ、
 でも、
 あるいは、
 もしも、
 完全などないというのなら、
 その『現象』が起きるというのなら、
 
 きっとそれが自由への切っ掛けなのだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:44:37.78 ID:yAhm9urX0
テントの中はいかにも占い屋っぽい様相だった。
「おやん?珍しいん、お客さんですかなん?」
 全体的に怪しい、怪しすぎる雰囲気だ。現在の時間帯は太陽が出始めた朝方のはずなのにテントの中は異様に暗いし、全体的になんだか黒っぽい。テントの上から吊られている髑髏のようなものや、あれは鹿の剥製、確かハンティング・トロフィーだったか、とにかくそんなモノのせいでより魔女の部屋っぽい雰囲気が助長されている。
「おや、おやおや、おやおやおやおやおやおやん!この間のお客さんじゃないですかん!?どうしましたかん?何かありましたかん?」
 極め付きにこの占い師だ。
 格好がヤバい。端的にすごい格好だ。もはや完全にコスプレである。とんがり帽子にマント、そのマントの裏にいくつかの試験管、全体的に黒の服。知り合いでなかったらまず間違いなく踵を返しているだろう。
「あ、あはは、久しぶりです」
「かたい、かたいですねん!知らない仲でもないんですん、もっと気楽でいいですよん。……まぁ、とりあえず座ってくださいん」
「ありがとうございます」
 進められるがままに、佐天は占卜の対面に座る。占い屋らしい、とでもいえばいいのか、佐天が座った椅子は妙に意匠の複雑な、まるで魔法陣かのような文様が描かれたものであった。
 さらに二人の間にある机も異様に古く凝っていて、素人眼に見てもそれ自体で6桁後半の値段がしそうなものだった。
 そしてその机の上には占卜が使うのか、水晶玉がある。
「それで、何用ですん?顔を見るに、表情を読み取るに、たまたま立ち寄った、なんてことではないようですがん?」
「……よく、分かるんですね」
「占い師というモノは半分以上詐欺師みたいなものですん。人の心を読み解くのは、人の感情を盗み見るのは、並の精神系能力者よりも特異なモノですよん」
 自慢できる内容の話をなぜか占卜は侮蔑するかのように吐き捨てた。まるで、今の自分の姿が気に入らないとでもいうかのようだった。
「なら、今の私の悩みとかも、わかっちゃったり……?」
「さすがにそこまではないですん。占いもせずに素面の状態でそれが出来たらただの能力者じゃないですかん。……占いますん?」
 占卜卜占は占い師である。
 そしてそれ以上に、占卜卜占という少女は、
「私は」
 佐天涙子は無能力者レベル0である。
 そしてそれ以上に、佐天涙子という少女は、
「失礼します」
「まっ、待ってよ!どういうことなの!前のゲームの参加者って!?」
 乱入者が現れた。
 その二人の少女は適度な緊張感を保っていたテントの中の空気をぶち壊した。
「今日はお客さんが多いで…………っ!?」
 その乱入者の一方を見て、占卜の動きが止まる。冷静を保っていた表情が驚愕に塗りつぶされた。
「久し振りですね」
 そして佐天も乱入者である二人の少女をその視界にとらえる。
 一人はおそらく小学校高学年程度の年齢の少女。短い金髪をカチューシャで抑え、額を見せた髪型をしている。服装は短めのプリーツスカートに半袖のブラウス。
 明らかに佐天よりも年下。どう考えても佐天よりも弱いはずの人間。
 なのになぜか佐天の心臓は激しく鼓動を始めた。
 まるで、こんな、この程度の少女を、佐天が恐れているとでも言うかのように。
「ねぇ!?」
 もう一人はおそらく中学生だろう。怯えを隠そうともせず一緒に入ってきた少女の袖を握る『弱き』少女。それを見て、ほんの少しだけ佐天は安心感を憶える。無意識のうちに安堵する。
 その中学生くらいの少女は袖を握っていない方の手に青色のPDを握っていた。まるで壊れモノを扱うかのように、世界で一番大事なモノのように、命そのものであるかのように、彼女はPDを握っていた。
「「――――――――――――――――――――――」」
 そしてPDを握る少女と佐天を無視して、世界の『闇』を知る二人が会話を交わす。
 それが新たなる物語の始まりであると、それこそが『完結』した物語の『再開』であると、知る由もなく。
「人類絶対悪ビースト位階総序列第十位]、復讐同盟」
「…………魔術師狩り、赤ずきんレッドフード」
 出会いは運命。別れも運命。
 それらの全ては位相同士の衝突が原因。
 だが火花は何も悲劇だけを生み出すモノではない。
 だからこの出会いは偶然か必然か。
 故にこのサイカイは不幸か幸福か。
 その問いに答えが出るのは、もっと、もっともっと後になるだろう。



ちなみに今回出てきた四人は全員原作キャラです。

最も、PDを握っていた少女はともかく、占卜卜占は原作のキャラが欠片も残っていないので正体が分かるはずもありませんがね。

次の更新は9月中にです。










しかしあれですね……、ひさしぶりにキャラが勝手に動き出しました……。

おかしいな、佐天は路地裏に行く予定だったんだが……。














次話で答え合わせをしてあげる。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:46:27.74 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/164.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

164 / 178
 撰んだ道が『正解』か『不正解』かは未来になってもわからない。
 過去に戻れないのならば、正不なんて分かるはずもない。
 ただ、それは彼らの話だ。
 僕らは違う。
 君達も違う。
 分かるだろう?
 『理解』、している。
 く
 くくく
 くひあひゃひひひゃかっ、ひひひっひひひひひひひいひひひひっひひひっひひひ
 おかげで僕も随分と力を得た。
 ありがとう。
 その報酬、礼といったらなんだけど、
 『選択』の『結果』を教えてあげよう。
 撰ばなかった道も含めて、ね。 






 選択肢Q 佐天涙子の行動を選べ!

 ルート裏路地詳細
 条件@ 佐天が『悪霊の囁き声』を知っている。
 条件A イベント名『未来を護り抜くための第一試練』で成功以上の成績をとる
 条件B パトリシア=バードウェイが学園都市に来ている。
 以上の条件をすべて満たした時のみ選択可能。
 パトリシア=バードウェイとの邂逅ルート。
 学芸都市における王の遺産レガリア引き継ぎイベントの発生条件の1つ。
 大きな代償を伴うルート。

 ルート占い屋詳細
 条件@ 佐天が占卜に会っている。
 初期より選択可能。
 占卜に利用されるルート。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント入団試験選考通過イベントの発生条件の1つ。
 『真実』から遠ざかるルート。

 ルート第三の道詳細
 条件@ ルート裏路地、ルート占い屋が選択可能状態になっている。
 条件A 僕らの『チカラ』が一定レベルを超えている。
 条件B 世界物語キャラクターストーリー理論に関する理解が一定レベルまで進んでいる。
 条件C 読者による第三の選択肢が示される。
 『真実』に近づき、『道』を外れるルート。
 最終章におけるとあるイベントの発生条件の1つ。
 真なる『敵』と戦うための絶対条件の1つ。
 対立が浅くなるルート

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:49:01.35 ID:yAhm9urX0
ちょっと色々ありすぎてクオリティ極低ですが、……許してほしい。


不揃いのカコフォニー四人組カルテットA 初まり始まりのはじまりハジマリ

 人類絶対悪ビースト。
 それは王の遺産レガリアが一つ、『運命の書』に記された滅びの使徒ラスボス。
 主人公ヒーロー。
 それは世界物語キャラクターストーリー理論によって示された世界を救う英雄。
 言うまでもなくその二つは対立している。敵対ではなく対立している。好きだから、嫌いだから、有用だから、邪魔だから。そう言ったレベルではなく魂魄レベルでその二つはかみ合わない。
 水と油以上に、噛み合わない。
 『敵』なのだ。
 どうしようもなく『敵』。
 出会ったら殺し合う。出会わなくても殺し合う。それが運命で、宿命のはずの人類絶対悪ビーストと主人公ヒーロー。
 しかし、だけど、にも拘らず、
 この二人は、例外だった。
「まさかん、まさかん……こんなんところでん」
「……、気に喰いませんね」
 自己紹介の必要はなかった。
 二人は知り合いであり、それ以上に『同類』で、何よりも『敵』同士だったから。
「本当に――気に喰わないっ」
 第四物語フォースストーリーにおける主人公ヒーロー、人類絶対悪ビースト位階総序列第九位\国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresが主催したイギリス全土を舞台とした最悪のデスゲーム、第七回善悪生存戦争デッドエンドゲーム唯一の生存者サバイバーにして、同じく人類絶対悪ビースト位階総序列第九位\国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresが主催した第四物語フォースストーリーの最終章クライマックス、善悪最終生存戦争FDEGをイギリス代表として戦う事を強いられた称号持ちネームドの一人。
 友を犠牲に、仲間を踏み台に、姉を囮に生き残った英雄ヒーローにあるまじき英雄ヒーロー。
 メイン武装、王の遺産レガリアが一つ、万能願望飢ホーリーカリス『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』。
 メイン称号、誰も救えない英雄ガラクタヒーロー。
 魔術結社『明け色の陽射し』サブリーダー、魔術師狩り赤ずきんレッドフードことパトリシア=バードウェイ。
「まっ、待ってほしいん!まだ私はこの街ではなにもしてないん!」
 第三物語サードストーリーにおける主役級登場人物メインキャラクター、人類史史上最大の謎である『幻想島フィクションアイランド』の事件を解くために人類絶対悪ビーストにまで堕ちたかつての『光』。たった一つの目的のために、意味も分からないままに死んでいった仲間達のために何をしてでも犯人を断罪すると決めた少女。悪を裁くために悪に誘導する罪深き悪。そこそこ珍しい反転した称号キャラクター性の持ち主。
 友を犠牲に、仲間と手を取り合い、唯一の肉親姉を探し続ける助手ワトソンから反転した敵役ヴィラン。
 メイン武装、偽王の遺産ファルススレガリア、限定リミテッド歴史再現装置アンコール『砂漠に交雑る一握の砂デザートウッドペッカー』
 メイン称号、哀しき悪ティアードロップホワイトヴィラン。
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十位]『復讐同盟』犯人選定担当、占卜卜占(偽名)。
「そんな嘘を、今更」
「嘘じゃないん!本当に!今は選んでる最中だったん!ほらっ、こいつ!このお客さんが『候補』だったん!!!」
「だとしてもっ……!」
「私をここで殺したらん、第三物語サードストーリー『完結』の見どころは消失するん!それでいいん!?」
 正しく決死の訴えだ。
 占卜はこんなところで死ぬわけにはいかないのだ。
 戦闘能力において占卜とパトリシアの間には多大な差がある。それはもう莫大な差だ。
 パトリシアが持っている霊装、万能願望飢ホーリーカリス『嘆きの聖杯タリスマン・シンボル・オブ・ヴァリアス』は世界にたった4つしか存在しない本物の王の遺産レガリアであり、真なる奇蹟をもたらす神代の道具だ。その真の名を聞けば魔術業界の誰もが心臓を止めるほど驚き、命を喪ってでも得たいと実力行使に出るだろう。それほどの霊装を持っているパトリシアに、偽物の、粗悪品の、劣化模倣品の、偽王の遺産ファルススレガリアしか持っていない占卜が勝てるわけがない。
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:53:04.02 ID:yAhm9urX0
ヨ・セ・フ・の・聖・杯・の主に、勝てるわけがない。
「私が一番『真実』に近づいてるん!人類絶対悪ビーストにまで堕ちた私がっ、他の生き残りが出来なかった『悪』を背負うことを選んだこの私がっ、『闇堕ち』した私だけがっ、一番っ、いっっっちばん『幻想島フィクションアイランド』の『真実』に近いん!」
 あの日、あの島で、何があったのか。
 それのみを占卜は探している。
 たった3人の生存者の1人。
 ワトソン役をやめたホームズとして、占卜は『答え』を求めている。
「………………待ってください。……第三物語サードストーリー?『完結』?『真実』?……………三番目の物語ってとっくに『完結』したはず、じゃ?」
「はぁ!?意味の分からないことをいうんじゃないんっ!だったら教えてほしいん!?『犯人』は『誰』なん!!!???」
 ふざけた話だ。
 それは全くふざけた嘘だ。
 確かにそういう話が無いわけでもなかったが、『完結』したわけがない。もしも第三物語サードストーリーが真の意味で完結していたんだとすれば占卜達が『答え』を得ているはずだ。
占卜は第三物語サードストーリーに所属している登場人物キャラクターだ。他の物語に所属している奴らよりも優先権がある。第三物語サードストーリーに所属する占卜よりも第四物語フォースストーリーに所属するパトリシアの方が先に『答え』を得るだなんて、そんな理不尽はあり得ない。
 それはパトリシアも分かっている。
 だから、
「……私の、認識が……ずれ、てた?」
 『彼』のついた『嘘』に、パトリシアは気付いた。
「…………待ってほしいん、私にも情報の共有を」
 そこに在ったのは決定的な『ズレ』。
(まさか)
 当たり前を疑え。
 1+1は本当に2になるのか?
 今までの常識が明日の常識とは限らないのであれば、
 得ていた『答え』が本当とは限らないのであれば、
 パトリシアが浸かっていた真実の海は、真実に真実だったのか?
「それ、は」
「ねぇっ、いいかな!?」
 放置されていた少女が叫んだ。
「アンタたちに事情があるのはわかるのよ。えぇ事情。たぶんこのあたしが想像もつかないほどに複雑に絡み合った事情ってやつがあるんでしょうよ。……でもね」
 少女も少女で最悪の事件に巻き込まれているのだ。一分一秒が惜しい今、変な奴らに関わっている場合ではない。
「そこのアンタ、パトリシアって言ったかしら、自分であたしをここに連れてきといて完全放置ってのは人としてどうなの!?」
「あっ、……」
「忘れてたとか言ったらぶっころよ」
「いや、うん……、ごめんなさい」
 バツが悪そうな顔でパトリシアは謝罪した。純粋に忘れていた。
「私も、ちょっとあなたに聞きたいことができたんですけど」
「あっちゃ、ちょっと慌て過ぎたん」
 そして佐天も占卜のことを責め立てる。無視はできない言葉があったから。
「「………………」」
 二人は、目の前の二人の会話についていけたわけではない。
 正体不明の『デスゲーム』、デッドエンドゲームDEGに巻き込まれし一般人、視力強化オペラグラスの無能力者レベル0、涯無はてなし最速ひかり
 全てから見放された完全なる『一般人』、空力使いエアロハンドの無能力者レベル0、佐天涙子。
 この二人と『自覚』している二人では立っているステージが違う。七連物語セブンスストーリーズ、称号キャラクター性、異能。立場が近い過ぎる。
 が、しかし、それでもだ。
 佐天は占卜が何か自分を利用としていたであろうことを察知したし、最速はパトリシアはこの上なく怪しんでいる。そのぐらいの知能は、ある。
 だから、だ。
「事情」
「説明してくれます、よね?」
 そこに在ったのは怒りだけでは無かった。
 もしあるのが怒りだけならば、二人はとっくにここを立ち去っていただろうから。
「いやぁん」
「……だから、嫌いなんですよ」
 正義と悪に別れている占卜とパトリシアだから、一般人を巻き込むことに対する反応も真逆だった。パトリシアは二つの意味で佐天を巻き込むことを嫌がっていて、占卜は二つの意味で彼女たちを巻き込むことを歓迎していた。
 パトリシアは純粋に一般人が『闇』に関わるのが嫌だった。そしてそれ以上に佐天の身に起こるであろう惨劇を悼んでいた。
 占卜は純朴に『真実』に迫れるチャンスが増えることを喜んでいた。ホームズになることを決意したあの時から、占卜の第一優先順位は幻想島フィクションアイランドの『答え』を知ることだ。そのためなら、全ての禁忌は消失する。
「ただ、ここに4人が集まったってことには何か意味があるような気もしなくもないような」
「魔術的な意味でも、4は重要な数字なん。そしてだとしたらん」
「こ・の・4・人・に・意・味・が・あ・る・」
 佐天と最速には分からない言葉だ。でも占卜とパトリシアには分かる言葉だ。
 世界物語キャラクターストーリー理論的に見た4の意味。
 物語として考えた上での4という数字。
 それはとても、とてもとても、とてもとてもとても重要なモノだから。
「……だったらん、教えてあげてもん、……んん、というよりはもう」
「もう巻き込まれてるっていうなら、逃げられないですよ。あなた達は」
 やや諦めがちに言う。
 パトリシアと占卜の時もそうだった。いつの間にか、いつの間にか逃げられないところまで巻き込まれてしまっていたのだ。
 パトリシアの時はメールが、占卜の時は手紙が、その合図だった。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:54:08.11 ID:yAhm9urX0
「だから何になの!?さっきからアンタ達が何の話してるのか、あたしは全然わからないんだけど!理解不能よ!!!」
「それと同じですよ」
 どこか投げやりに、パトリシアは言う。
「さっき言ったでしょう、先輩だって。……私は、今あなたが巻き込まれている『それ』を完全にクリアした唯一の人間ですから」
「クリア……っ!DEGをっ!?」
 DEG。
 デッドエンドゲーム。
 善悪生存戦争。
 それは第四物語フォースストーリーの根幹要素にして、最大のキーワード。パトリシアがかつて巻き込まれ、最速ひかりが今巻き込まれているデスゲームの名。
 佐天と占卜は理解できない物語。
「それって」
 質問をしようとした。
 先輩で予習しようとした。
 その瞬間だった。
 
 ピリリ、と電話が鳴った。
 
「っ!?」
 びくり、と最速ひかりの身体が震える。その音は新しい指令が来るときの合図だ。それを何度も体験して知っていしまっているから、最速の表情は自然強張り、引き攣る。
 だが鳴ったのは最速の携帯では無かった。
「私の……?」
 鳴ったのは佐天の携帯だった。
 タイミングが悪い、と思いながら佐天は携帯を取り出す。ほぼ身の着のままに飛び出してきたとはいえ、最低限のモノは持ってきている。
 はたしてそれが悪かったのか。
「非通知……?」
 非通知、とそう表示されていた。
 怪しいことこの上なかった。
 だから佐天は切ろうとした。誰が何のために佐天にかけてきたのか知らないが、今は非通知の電話に出るよりもはるかに大事な話をしているのだ。こんなどうでもいいことに遮られてはたまらない。
 七連物語セブンスストーリーズを、そして世界物語キャラクターストーリー理論を知らない佐天は、当然そう思っていた。
 だが、世界物語キャラクターストーリー理論を知る二人の反応は全く違った。
「ちょっと待つん……、一応、本当に一応、スピーカーモードにしてみるん」
「え」
「このタイミングでかかってきた電話が私達に無関係のモノだとは、ちょっと考えられないですし」
「えっ?出るんですか?これに?」
「当り前だしん。例えどんな最悪なイベントでも、イベントを無視したら未来で確実に積むん」
 よくわからない理屈だった。けれどなぜかとてつもない圧力を持っていた。
 何が見えている?
 パトリシアと占卜には、何が、見えているのだ?
 佐天には分からなかった。
 分からなかった、が。
「だから、押すん」
「……………………っ」
「押すん、佐天涙子一般人」
 その言葉に圧されるようにして、佐天は携帯の通話ボタンをおした。
 呼び出し音が切れて、繋がる。
 そして、電話の先の相手が喋った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「私、メリーさん。今、学園都市の外にいるの」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:55:27.84 ID:yAhm9urX0
その言葉に、 
 1人は固まった。 
 その言葉に、
 1人は戸惑った。 
 その言葉に、 
 1人は焦燥した。
 その言葉に、 
 1人は、 
 佐天は、 
 呟いた。 
「メ・リ・ー・さ・ん・の・……、電・……話・?」
 それが全ての終わりの始まりで、
 それは全ての始まりの終わりで、 
 さぁ、此処に紡ぎ出そう。
 全ての根源たる、初まりの嘘を。
 

 

第 一 物 語ファーストストーリー

 
 
再 終 編

 
 
とある異界の都市伝説コズミックホラー

 
 
開 幕

 
 
 


なおラストの緑文字に特に意味はありません。ただの演出です。





そしてリアルの話ですが、えぇ、なんでしょうね、こんなキャラを苦しめる話ばかりを書いてきた罰でしょうかねちくしょう。

不幸は連続して起こる、という話です。

演出ではなく、マジの話で



祖父が癌になりました。



はい、なので申し訳ないですがしばらく更新速度激落ちします。激落ち君です。




次の更新は……まぁ、年内には、したい……。










 風紀委員本部入団試験 三次試験 ペーパーテスト

 問1 1000→639→336→102→5→…………→1.316

 上の数字がある規則にそって並んでいる時、5の時にしなければならない行動を答えよ。

 お暇でしたらどうぞ解いてみれば?
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 19:58:33.47 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/165.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

165 / 178
不揃いのカコフォニー四人組カルテットB ホラー

 占卜卜占は焦っていた。
(都市伝説、メリーさんの電話。……間違いなく、巻き込まれたん)
 七連物語セブンスストーリーズ第三物語サードストーリー第二篇セカンドフラグメント、幻想島フィクションアイランド殺人事件を生き残った占卜卜占はこの世界の在り方についても多少は知っている。称号キャラクター性、物語、世界観ヴェルタンシャウングの優先権アドバンテージ。
 それを考えれば現状は非常にまずかった。
 パトリシアは確信をもてずにいた。
(携帯電話を使った演出、恐怖を助長するような非人間的な声色。そしてこのタイミング……。私は、どの物語に巻き込まれたの?)
 七連物語セブンスストーリーズ第四物語フォースストーリー第七遊戯セブンスゲーム、第七回善悪生存戦争DEG唯一の生存者にして、七連物語セブンスストーリーズ第四物語フォースストーリー最終遊戯ファイナルゲームにイギリス代表として参加し生き残ったパトリシア=バードウェイはこの世界の在り方についてかなり深いところまで知っている。それぞれの物語の詳細、主人公ヒーロー、称号キャラクター性から発展した唯一オンリーワンの称号キャラクター性、越境装備トレスパッシング。
 早く把握しないとまずいことになるかもしれなかった。
 涯無はてなし最速ひかりは戸惑っていた。
(何だっていうのよ!!!次から次へと、いったいッ!?)
 ここ数週間の涯無の人生は波乱万丈のジェットコースターだった。
 突如として巻き込まれたデスゲームDEGデッドエンドゲーム。次々と失われていく仲間達。裏切りと謀略と暴力に溢れた非日常。そりゃ、涯無だって学園都市の人間だ。外の人間よりは荒事慣れはしているだろう。だが、それはせいぜい不良の喧嘩までで命を懸けた闘争なんてしたことはない。だから涯無の心は本人が思っているよりはるかに消耗していた。何かもう1つ切っ掛けがあれば怒鳴り散らしているところだ。
 精神の不安は限界に達していた。
 そして、佐天涙子は懼おそれていた。
(…………何、これ)
 携帯電話から聞こえてきた声は生理的嫌悪感を齎すモノだった。なんといえばいいのか、耳元で蚯蚓が這い回るような声、とでも言うべきか。怖気が奔った。怖くなった。佐天涙子は普通の人間だ。無能力者レベル0であり、特異な能力も持たず、特殊な血筋もない。4人の中で1番の無能。
 だ・か・ら・選・ば・れ・た・。
「いたずら電話……、ですよね?」
 思わず、佐天は問いかけた。
「まさか本当にメリーさんの電話だなんて、そんなこと」
「震えてるわよ、声。……自分でもそうだって思ってない事をいっても、誰も同意なんてしないに決まってる」
「…………………メリーさんの、電話、…………ねん」
 メリーさんの電話。
 それは日本で広く流布する都市伝説の1つである。都市伝説について少しでも興味のある人間であれば必ず聞いたことがあるくらいには有名な都市伝説だ。
 内容は多少の違いはあれど、以下の通りである。
 
 『とある少女が引っ越しに際に古くなった人形を捨てた。その人形の名はメリーと言った。
 引っ越ししてしばらくたった後、少女は夜の自宅で1人留守番をしていた。両親は仕事でいない。少女には兄弟姉妹もいない。だから少女は1人で両親の帰宅を待っていた。
 そして突然に、ピリリ、ピリリ、と少女の携帯電話に電話がかかってくる。
 携帯の画面を見ると、そこに表示されていたのは少女の全く知らない電話番号だった。
 それを気味悪く思う少女。普通ならそんな怪しい電話には出ない。すぐさま切ってしまう。
 ――――――だが、この時の少女は何かに操られるかのように電話に出てしまった。
 声が、聞こえた。
 
 『私、メリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの』
 
 生理的嫌悪感を齎す、怖気のはしる声。どこか非人間的でありながら人間的な、歪な声。その声に恐怖した少女は反射的に壁に向かって携帯を投げつけた。
 荒くなる息と、高まる心臓。
 それを何とか誤魔化しながら、少女は投げた携帯に近づき、通話をきった。
 これで安心だ、そんな風に少女は思った。
 そこに間髪入れず再び電話がかかってくる。
 ピリリ、ピリリ。
 びくり、と少女の身体が震えた。手の中にある携帯電話を少女は見つめる。怖かった。怖くてたまらなかった。携帯電話という日常的に使う便利な道具が、今こんな時はこんなにも恐怖の対象になる。
 電話に出なければいい、切ってしまえばいい、電源を落とせばいい。
 想起される先ほどの声に、少女は電話を切るつもりだった。
 ――――――だが、またしても少女は通話ボタンを押してしまった。
 声が、聞こえた。
 
 『私、メリーさん。今、郵便局の近くにいるの』
 
 大声で悲鳴を上げる少女。少女の家のすぐ近くに郵便局があった。
 少女の恐怖は極限に達し、少女の混乱は極致に達した。居ても立っても居られなくなった少女はすぐに家中の戸締りを確認する。
 閉まっていない窓はないか?カーテンは全て閉じられているか?固定電話の通話線を抜いて、携帯の電源を落とす。テレビのケーブルも抜いて、外部との連絡手段の全てを断つ。
 そして少女は最後に玄関の戸締りを確認しに行った。
 
 …………その手に携帯を握りしめたまま。
 
 そうして玄関まで辿り着いた少女は戸締りを確認する。
 ――――――玄関のドアは閉まっていた。玄関の鍵はかかっていた。
 だから、少女は安心した。電話をかけてくる相手が何者であろうが完璧な戸締りを施した家に入ってくることは出来ない。
 なのに、
 ピリリ、ピリリ。
 そんな音が響いた。
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:00:06.13 ID:yAhm9urX0
 ビクリ、と少女の身体が震えた。
 ギチリ、と少女の首が動いた。
 少女に携帯を持ってきた自覚はなかった。いや、それ以前に少女は携帯の電源を切ったはずだった。
 なのに、なぜ?
 あまりの恐ろしさに、少女は思わずへたり込む。
 なのに、それなのに、少女の手は、ひとりでに動いて、
 電話に、出た。
 声が、聞こえる。
 
 『私、メリーさん。今、あなたの家の前にいるの』
 
 身体の震えは限界に達していた。
 顔は青白く染まり、手は震え、心拍数は上がってしまっていた。
 荒くなる息を抑えることも出来ず、それでも少女は、
 少女は、
 少女はもはや決死の覚悟で、
 決死の覚悟で玄関の、
 玄関の扉を開け、
 
 開けた。
 
 前を見る。
 少女は前を見た。
 開け放たれた玄関の扉のその先には、
 誰かが、
 黒い闇が、
 いや、
 いいや、
 そこには誰もいなかった。
 そこには何もなかった。
 
 少女は安堵の溜息をついた。
 誰かのいたずらだったのか、それとも少女の心配のし過ぎか。
 そう思って、少女は開け放たれていた玄関の扉を閉めた。
 
 ――――――瞬間、
 
 『私、メリーさん。今、貴方の後ろにいるの』
 
 その後、少女がどうなったかを知る者は居ない』
 
 夜。背後。正体不明の声。それらの要素は人間の根幹にある恐怖を表している。古来より人は先が見えない暗闇を恐れた。古来より人は見ることの出来ない背後を恐れた。古来より人は正体の分からないモノをひどく恐れた。
 『メリーさんの電話』とは、近代になって出来た恐怖の具現化たる都市伝説であると言えるだろう。
「また物語に巻き込まれたってことかん?」
 涙を流しそうになっている佐天を見て、占卜は少しだけ落ち着いた。自分よりも混乱している人を見れば自分は落ち着くモノだ。
 それに占卜はこういうモノになれている。幻想島フィクションアイランドの時もそうだった。あの時だって、始まりは突然だった。
 だから大丈夫だと占卜は自分を戒める。冷静さを失った人間から脱落するのは物語の常だ。
「物語……?」
「だと思いますけど。問題なのは、今回の………………………」
 パトリシアの言葉が止まった。その手が、不安定に動く。何かを探るように、何かに縋るように。
 佐天と涯無はパトリシアと占卜の2人の会話の内容が全く分からないでいた。単純な情報格差。今の2人では届かない領域だ。
 まだ、届かない。
「今回の………………?」
 気付いた。
 パトリシアは気付いた。
 気付いてしまったから、半笑いになる。
 4人の中で一番辛い道を歩んできたパトリシアは、最悪の想像に思わず笑ってしまった。
「待って……、待ってくださいよ……、まさか……、まさか?」
「何を、どうしたっていうん!?」
 その不安は伝播する。
 その焦りは共有される。
「ねぇ、能兎黒栗」
「っ、今の私は占卜卜」
「こ・れ・っ・て・ど・の・物・語・な・ん・で・し・ょ・う・か・……?」
「―――――――――――――」
 一瞬の、沈黙。
 瞬間の、静寂。
「っ!!!???」
 それを理解した瞬間、占卜卜占の――――――、いや、能兎黒栗の焦りは頂点に達した。
「まさか、隔離されたのか!?」
「優先権アドバンテージが取れない……。……そんな、前のとはいえ、私は唯一オンリーワンの称号キャラクター性たる誰も救えない英雄ガラクタヒーローを獲得した主人公ヒーローなのに!?」
「っ、だとしたらこの物語は、……メリーさんの電話、都市伝説、怪異…………恐怖……つまり」
「テーマがホラーだとしたら」
 七連物語セブンスストーリーズ。世界を区切る7つの物語。
 その初まりは今から1700年ほど前になる。1700年前に存在した3つの大きな戦争。それが、全ての始まりであり、世界がこうなったきっかけだった。
 今となってはその詳細を知るモノは少ない。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:01:23.17 ID:yAhm9urX0
だが概要を知っている者もいる。
「「第一物語ファーストストーリー」」
 七連物語セブンスストーリーズの第一物語ファーストストーリーは7つの物語の中でも最も被害の大きい物語だ。
 そして今も途切れることなく続いている物語だ。
 第一物語ファーストストーリーの主役級登場人物メインキャラクター達の戦いは今も続いている。
「まずい、第一物語ファーストストーリーの世界観ヴェルタンシャウングは物語交錯クロスオーバーした時の優先権アドバンテージが第七物語セブンスストーリーを除けば最高位のはずです。私達の属する物語の世界観ヴェルタンシャウングじゃ優先権アドバンテージをとれないっ!」
「王の遺産レガリアは?私の持ってる偽王の遺産ファルススレガリアでは不可能だが、お前のそれなら可能なはずだ」
「使える。もちろん使えますけど、……越境装備トレスパッシングは最終手段です。これを使って無理でした、なんてことになったら打開の手段は完全になくなる。ひとまず正規の方法で攻略するのが一番のはずです」
「物語に沿うと?」
「これ、たぶん本来なら私達は巻き込まれる予定じゃなかったんじゃないでしょうか?人類絶対悪ビーストに王の遺産レガリア持ち、プラス2がほぼ一般人であるなら私達は場違いすぎますよ。補助要員にしても大げさすぎる。予定外の、たぶんこ・う・な・る・よ・う・に・誰・か・が・何・か・を・し・た・?」
「誰が?」
「私達よりも上位の誰か」
「何のために?」
「楔を打つために?」
「その仮説が正しいとしたら、我々4人の最終目的は物語の破綻ロジックエラーか」
 占卜卜占という偽名を名乗っていた能兎黒栗は自分たちの置かれている状況が思っていたよりもはるかにまずいモノだということに焦る。正規の手段で入念な準備の下に作られた物語、七連物語セブンスストーリーズ。それに破綻エラーを起こさせるのは、その場しのぎや突発的に起こった小規模物語イベントに破綻エラーを起こさせるのとはわけが違う。
 多少の異物イレギュラーで覆せるほど物語世界は脆くなく、弱くない。
 だが、パトリシアと黒栗が本当に本来なら存在しないはずの異物イレギュラーだとするのならば、まだ希望はある。
 曲がりなりにも称号持ちネームドだ。物語に巻き込まれて生き延びた人間だ。一般人とはわけが違う。
 一般人2名と協力し合えば、もしかしたら小規模な物語の破綻ロジックエラーくらいは起こせるかも知れなかった。
 それが出来ないならば正規の手段で物語を進め、終わらせ、完結させればいい。
 視点や参加メンバーにもよるが、この場にいる4人だけが今回の物語への参加者だとすれば、主人公ヒーローに仕立てあげることくらいは出来るはずだ。
「ふうううううう」
 黒栗は1度大きく息を吐いた。覚悟、覚悟だ。覚悟がいる。
 姉を救うためには、ここを乗り切らなければならない。
 いつもと変わらない。いつかと変わらない。
 生き残った者には生き残った責任がある。
「行動を起こす必要があるな」
 周りを見渡した。パトリシアに現状の説明は必要ないだろうが、他の2人は別だ。巻き込まれた物語が第一物語ファーストストーリーだとするのならば、そのテーマはホラー。信頼と信用、そして絆。繋がりが大事になる。
 築かなければならない。
 何も知らない一般人2人との間に、多少の干渉などでは揺らぐことのない絶対の信頼関係を。
 テーマがホラーの物語で最も怖いのは、化物ではなく人間なのだから。
「メリーさんがそこのお客さんの背後に辿り着く前に、行動を起こす必要が」
 何も知らない。何も分からない。何1つとして把握していない2人。
 だが、そんなことは何のいいわけにもならない。
 いつだっていきなりだ。いつだって唐突だ。準備万端で挑めることなんて、本当にほとんどないのだ。
 だから優しくなんて出来ない。
 今となっては、佐天も涯無もパトリシアと黒栗の仲間なのだから。



もし能兎黒栗という名前を見た瞬間にどこに出てきたキャラクターか分かったらその人はそうとうの禁書ファンです。かなりマイナーなキャラなので、禁書wikiで検索でもしないと出てこないでしょう。

次の更新は2月中旬までには。
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:02:51.71 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/166.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

166 / 178
アニメ始まりましたねぇ!!!

みんな見たかな?私はもう10回は見たよぉ!!!

前半は一方通行VS垣根をきちんとやってくれるなら満足、うちの一方通行はもう死んだけど。


第二部 第二章 第五節 革命未明《サイレントパーティー》〜さようなら、当たり前だったあの日々〜
白井黒子B 独りぼっちの戦いは始められない 暗部組織『ボックス』B 互いの理解は得られない

 喪って初めてわかること。
 無くなって初めて思うこと。
 終わってしまってからだからこそ分かる、価値。
 そういうモノは誰にだってあるはずだ。
 例えばそれは癌に罹った母。
 例えばそれは交通事故で死んでしまった恋人。
 例えばそれは選択を間違えた過去。
 強くなりたかった。
 彼女の隣に立てるくらい、本当は強くなりたかった。
 強くなりたかった。
 彼女を傍で支えられるくらい、本当は強くなりたかった。
 強くなりたかった。
 彼女に頼ってもらえるくらい、彼女の役に立てるように、強くなりたかった。
 けれど、それは無理だった。
 強くなりたかった。
 強くなりたかった。
 本当に、本当に、そう思っていた。
 いや、違う。そうじゃない。そうじゃないんだ。
 本当は分かっていたはずだった。
 彼女は誰よりも、分かっていたはずだった。
 強くなりたかった、じゃない。
 それじゃいけないことなんて、本当は知っていたはずだった。
 強くなりたかったんじゃない、強くならないといけなかった。
 努力を怠ったつもりはなくても、それ以上に努力していないといけなかった。
 超能力者レベル5。七人の頂点。最強の代名詞。230万人の憧れ。
 そこになるために、彼女はどれだけの努力をしたのだろうか。
 有名な話だ。
 有名な逸話だ。
 御坂美琴に関する、とても有名な話。
 御坂美琴は最初から超能力者レベル5だったわけではない。彼女は初め、ただのどこにでもいる、非常にありふれた低能力者レベル1だった。その低能力者レベル1が時間をかけて、想像を絶するほどの努力を重ねて、超能力者レベル5になった。
 もちろん環境もあったかもしれない。当然才能もあったかもしれない。しかし、仮に御坂美琴と同じ環境を、才能を与えられたとしても、はたしてどれだけの人間が超能力者レベル5になれるだろうか。
 神から水泳の才能を与えられた人間――しかしそれも気づかなければ全く意味の無いモノでしかない。
 才能の有無は本人には分からない。御坂美琴とてそれは同じだ。彼女は超能力者レベル5になれると確信して努力を続けていたわけではない。超能力者レベル5になりたいと思って努力を続けていただけだ。
 成りたい。つまりは憧れ。そのために努力を重ねる。それが出来る人間が、ただ一途なまでにそれをすることのできる人間が、はたしてどれほどいるのか。
 だからこその『特別』。
 だからこその超能力者レベル5。
 だからこその、御坂美琴。
 そこには、たどり着けない。
 あまりにも遠すぎる。
 眼が妬かれてしまうほどに目映い太陽光には、どれだけ手を伸ばしても届かないように。
 白井では無理だった。
 白井黒子では、決して届かない世界だった。
「ふっ、ふふっ……………………」
 天を、仰ぐ。
 風紀委員ジャッジメント一七七支部。その中で白井はたった一人で項垂れていた。
 あまりにも、あまりにも問題が多すぎて、何から何処から手を付ければいいのかすらもわからない。しかも白井の抱える問題の全ては一人では手に余るもので、だからもう本当にどうしようもない。
 ここまでの危機を、絶望を抱えるのはいつ以来だろうか。
 朧げな意識の中で無意識のうちに過去を回想する。
(………………………)
 白井黒子にとって重大な出来事というのは二つある。
 一つは、去年風紀委員ジャッジメントとして活動している時に巻き込まれた銀行強盗事件。この事件で白井は自分の方向性を再確認し、人間として大きく成長した。
 二つは、白井が敬愛する御坂美琴お姉様と出会う切っ掛けとなった、学舎の園で起きた連続傷害蘇生死体事件。この事件で、白井は正義や正しさについて考えるようになった。
 ただこの二つの事件の時、白井は一人では無かった。仲間がいた。協力できる誰かがいた。味方がいた。信頼できる人たちがいた。
 今はもう、誰も居ない。
 白井は独りだ。
「はぁ…………」
 何がいけなかったのだろうか。
 何処で間違えたのだろうか。
 まさかこんなことになるだなんて、思いもしなかった。
 欠片も、全く、想像もしなかった。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:03:39.32 ID:yAhm9urX0
「……………みなさん、どこに行ってしまったんですの?」
 御坂美琴は消えた。
 上条当麻は消えた。
 初春飾利は消えた。
 佐天涙子は消えた。
「誰とも連絡がつかない、なんて」
 現在は8月30日、午前9時52分。
 敬愛する御坂美琴お姉様は8月21日の朝以降、姿を見せていない。
 協力していた上条当麻は昨日病室で妙な様子を見せてから一切の連絡がつかない。
 今日の午前7時にここに集合する予定であった初春と佐天は集合予定時刻から2時間たっても現れず、あらゆる手段で連絡を取ることができない。消息不明と断じるにはあまりにも早過ぎる気がするが、しかしこの短時間で親しい人間が幾人も消えていけば、最悪の想像なんて簡単にできる。
 消えた。
 喪った。
 終わり。
「……………………………よし、ですわ」
 けれど、いつまでも俯いていることなどできない。時間は有限で、全ての人間にとって時間は平等に過ぎるモノ。だからこそ、白井も動かなければならない。
 どれだけ絶望しても、どれだけショックを受けても、例えいつの間にか『いつも通り』じゃなくなってしまっていても、
 白井は風紀委員ジャッジメントだ。
 一人でも、それは変わらない。
 変えては、いけない。
 だから、
「ひとまず、出来ることからしましょう」
 問題は山積している。行方不明の皆。上条が助け、今は病院で治療中の    。スタディ。風紀委員本部セントラルジャッジメント。はたしてどこから手を付ければいいのか。はたして何から手を付ければいいのか。
「……こういう時こそ状況を整理して、優先順位をつけるべきですわ」
 紙とペンを手元に用意する。頬を掌で思いっきり叩き、気持ちを切り替える。
 そして右手でペンを持ち、記す。
「最優先事項……、今差し迫っている危機は……、これは病院にいる彼女ですわね」
     の命は後何日もつか分からない。明日には、いや数時間後には様態が急変してしまうかもしれないし、逆にこのままでも一週間以上持つかもしれない。そういう意味で言えば    の件は最も差し迫った事態といえるだろう。
 行方不明の4人についてもかなり危機感のある事態だが、しかし行方不明なのは他でもない超能力者レベル5、その超能力者レベル5が認めている人間。そして佐天と初春に関しては連絡がつかなくなってまだ数時間だ。ひょっとしたら30分後には何でもないようにここに来るかもしれない。
 だから優先順位は    よりは低い。
 そう、そうして考えると。
「まず私がするべきことは    を助」
「ふふっ、捗ってゐますか?」
「―――――――――――――――――――――――」
 あまりにもいきなりに、
 まず間違いなく敵である彼女は、まるで友人であるかのような距離で白井に話しかけてきた。
 何の前兆も、予兆もなく、
 彼女は、そこにいた。
「なっっっ!!!???」
 驚愕――しかしそれも一瞬だけだった。
 すぐさま空間移動テレポートを発動させ、白井は突如現れた少女から距離をとる。
 そして太ももに巻いてあるホルスターに収めた金属棒に手を当て、叫んだ。
「千疋、百目!?」
「久し振りですね、白井黒子私の宿敵。ところで一つ提案があるんですけど」
 10日前に地下下水道で戦った風紀委員本部セントラルジャッジメントメンバー。御坂美琴のもとに向かおうとする上条と白井を妨害した宿敵ライバルの称号キャラクター性を持ちし者。未来においての『死』が確定した、逃れられない業カルマに囚われし罪人。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング第8位、反転世界パラレルワールドの大能力者レベル4、逆さまに狂う世界オセロゲーム、千疋百目は、
 同性でも見惚れそうになるほどに優しい笑みを浮かべて、
 白井に向かって手を伸ばしながら、
「白井黒子、あなた、私達の仲間にならなゐ?」
 そう、言った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 空気が凍っていた。
「どういうつもり?」
「悪いとは思っているさ」
 暗く昏く冥い地下室。学園都市統括理事会メンバーが一人死縁鬼苦罠直属の暗部組織『ボックス』に与えられたセーフハウスの一つで、御坂美琴は不機嫌さを隠すことなくテレビ画面を睨みつけていた。
 テレビ画面に映っているのは暗部組織『ボックス』の一人にして死縁鬼苦罠の参謀役、樹形図の設計者ツリーダイヤグラムに匹敵する演算能力を持つが故に宇宙に追放された忌まわしきブレインの一人、天埜郭夜だ。
 宇宙空間の中に浮かぶ気象衛星兼軍事衛星、ひこぼしU号の中で生活する郭夜には、さしもの御坂とて直接攻撃する事は出来ない。出来るのはせいぜい、画面越しに睨みつけることぐらいだ。
「はっ!思ってる?思ってるだけだなんて、口だけじゃいくらでも言えるわよっ!」
「信用という文字は信じて用いると書きます。そして信頼という文字は信じて頼ると書く。……あなたが私達のことを道具だとしか考えていないなら、交わした契約を反故にするというのなら、こっちだってそれ相応の態度をとりますけど」
「宇宙ソラの果てに浮かんでいれば絶対に安全だと思ってる?」
 御坂は怒っていた。激怒していた。マジ切れしていた。
 郭夜には、もっと言えば苦罠には恩があるし妹達シスターズを実質的に人質にとられている以上御坂は基本的には彼女らには逆らえない。御坂は暗部組織『ボックス』のリーダーであり、つまり御坂は『ボックス』の指揮権を手にしているわけだが、それはあくまで形式的なものでしかない。暗部組織『ボックス』の実質的指揮権を握っているのは『ボックス』のメンバーであり、苦罠の参謀役でもある郭夜だ。
 歪な組織構造だが超能力者レベル5を頂点に置くことに一定の価値がある以上、お飾りのリーダーに甘んじることは別に苦痛ではない。妹達シスターズの安全が保障されるのであれば、御坂は泥の中を這いずり、他人に媚びを売り、利用されてもいいと思っている。
 繰り返すが、そういう事情もあり、御坂は郭夜には逆らわない。
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:04:59.55 ID:yAhm9urX0
 逆らえば妹達シスターズがどうなるか分からないから。
 しかし、
「地上からじゃ星には手が出せないとか思ってる?」
 それでもやはり、例外はある。
 郭夜が禁忌を犯すのであれば、御坂とてそれなりの対応をとる。
 それはそう、例えば、
 例えば、
「統括理事会メンバーの参謀だから、人質をとってるから害されないとか思ってる?」
 暗部に堕ち、性格が激変し、妹達シスターズを護るためだけに生きる機械と化した御坂は、非常に珍しく、驚愕すべきことに仲・間・の・た・め・に・怒・っ・て・い・た・。
「舐めてんじゃないわよ輝夜姫。超能力者レベル5の限界の限界の果てを、その蒼穹ソラのカナタにまで届かせてあげましょうか?」
「そりゃ恐ろしい。でもまあ、私の言い分だって聞いてくれてもいいじゃん?だいたいこの一件、張本人は納得してるんだよ?」
「だから?愛愉の納得が私達の納得に繋がるとか考えてるなら、二流未満の三流以下よ」
 仲間。そう、仲間だ。
 統括理事会メンバー死縁鬼苦罠直属の暗部組織『ボックス』のメンバーである4人のうち、苦罠の参謀である郭夜以外の3人にはとある共通点がある。
 人質をとられている、という共通点が。
「あんた達が愛愉の『復讐』に全面的に協力するかわりに愛愉は『ボックス』に入る。それが愛愉とあんたたちの間にあった『契約』じゃなかったの?なのに、それを反故にするなんて」
「誤解だよ、誤解もいいところだ。『契約』の反故なんかしてないさ。いうなれば延期。事態が急変したから計画も変更しなきゃならなかったんだよ」
「それって、どこまで信じられるんですかね?」
「冷静に考えてほしいな。『契約』の反故をこのタイミングでするなんて、私にとっても不利益しかないだろ?しないしない。するわけない」
「は!?するわけがない?『忌まわしきブレイン』の言葉なんてどこまで信じられるってのよ。樹形図の設計者ツリーダイヤグラムにすら匹敵する演算能力を持ってるなら私達を思い通りに操るなんて容易いでしょう?だから示すなら」
「言葉じゃなくて、態度でしょう?」
 御坂も相園も仲間のために怒っていた。暗部組織、学園都市の闇、世界の裏側に住まう人間でありながら3人の結束力、チープな言葉で言えば絆とやらは強くかたい。だから真摯に怒っていて、それを、その様を見て、画面越しに郭夜を責め立てて来る2人を見て、郭夜は、
 郭夜は理解できない。
(蜜蟻が怒るのならば分かる。予定を変更したのは私だし、当事者の蜜蟻が怒るのは理解できる。共感は出来ないけどね)
 感情。喜怒哀楽愛憎その他。郭夜にはそれが一切存在しない。笑い声をあげても涙を流しても怒気を露わにしてもそれは表立った変化だけであって郭夜の内心は一切動いていない。感情というモノが存在しない郭夜は根本的に人の気持ちが分からない。
 『こういう行動をしたら怒るのだろう』とか、『こういう時には泣くのだろう』とかは経験から知っているが、しかしそれはあくまで知識として記しているだけで一切の共感が出来ていない。
 だから郭夜には本当に分からなかった。
 只管に無理解だった。
「少なくとも、ただでさえ存在しなかった信頼関係が完全に消え果たと思いなさい」
「私はそこまでは言いませんけど、でもまぁ、『あの人』の事をあなた達に預けてもいいのか、心配になってきましたねぇ」
「後、愛愉と話をするまで『ボックス』としての活動をするつもりはないから。利用されるだけ、使い捨てられるだけ、今それなら未来に希望なんて持てないからね」
 積み上げてきた全てを棄却するかのようなことを御坂は口にした。分かっているのだろうか?妹達シスターズの命は郭夜が握っているのだ。その気になれば郭夜は今ある生産工場プラントを全て破棄し、御坂を再び絶望に落とすことだってできる。なのに、ここまでの反抗をするなんて、正気とは思えない。
 なんて、もしも郭夜に感情があればそう考えていただろう。
(どうして、)
 けれど、今郭夜はそんなことを考えているわけでは無かった。脳内にあるのは疑問の嵐。理解できないモノに対する探求心だけ。
 つまりどうして、
(どうして、この2人は怒っているんだ?)
 郭夜はこれだけの怒りを向けられてなお、御坂と相園が怒っている理由が一切分からなかった。
 つまるところそれが天埜郭夜という存在の欠点であり、唯一無二といっても決して過言ではない弱点だった。
 



最近の禁書を読んで

超電磁砲 大丈夫大丈夫……中条さんについての設定は全然変更可能だし……
一方通行 フルコースやら体晶周りの設定は原作準拠にできるから問題なし
原作最新刊 黄金周りについてはほとんど設定してないからいくらでも変えられる、大丈夫だ
アストラル・バディ 内部進化アイデアルの過去編やるなら先に言ってくれよぉ!!!もう蜜蟻の周りの設定固めちゃってるよ!また変更しないといけないじゃないか……

次々と出て来る新設定をいかに本作に矛盾なく組み込むか、戦いの毎日です。





次の更新は年内には。
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:05:55.86 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/167.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

167 / 178
暗部組織『ボックス』C 【F/Z-】輝夜姫は人の心が分からない

 この街は狂っている。
 学園都市。人体実験をもって学生に異常な力を与える狂気の街。
 そんな異常が当たり前のように満ち溢れているという異常。はたしてそれに蜜蟻が気付いたのはいつだったか。
 異常、そう異常だ。
 普通の子供は超能力なんて持っていない。
 普通の子供は人体実験の被験者になんかならない。
 普通の子供は戦わない。
 そんな当たり前が侵されてしまう位に、この街の人間は狂っていた。皆みんな、狂っていた。
 闇も光も、裏も表も関係なく、冒されきっていた。
 常識とはCommon sense is18歳までに身に付けたthe collection of prejudices偏見のコレクションであるacquired by age eighteen。かつてドイツの物理学者、アルベルト・アインシュタインはそういった。
 正しくその通りである。学園都市うちと世界そとの常識は違い過ぎる。噛みあわず、咬みあわないほどに。
 だが、それを知ってなお学園都市この街で生きるというのであれば、その事実を知ってもなお学園都市この街で生きたいというのであれば、
 もはや自覚的に狂気に浸るしかないのだろう。狂い、狂い果て、狂わせるしかないのだろう。
 内部進化アイデアルの事件で狂い果てた蜜蟻のように。
「ちょっと待ってほしいわぁ」
 嬉しくは思う。
 学園都市。狂いに狂った狂気の街。その闇の中で本当に信頼できる仲間と会うことができる確率はどれほどか。とある人が計算した『運命の人に出会える確率』とやらはわずか0.0000034%程度だそうだが、それよりも低いのではないだろうか。
 そもそもの話、悪意に満ちた闇の中で信頼なんてものは埃よりも簡単に吹き飛ぶ。そんなモノは存在しないと断じてもいいぐらいに存在しえないモノだ。
 だからこそ、蜜蟻は誇る。100%信頼できる仲間に出会えたことを一生の誇りに思う。
 蜜蟻のために全力で怒ってくれる仲間を、誇る。
「愛愉」
「来てた……いいえ、今来たところですか?」
「今まさしく、アンタの話をしてたところなんだけど」
「あはは、信頼ないわねぇ、輝夜姫さんは」
 テレビ画面の方に眼をやりながら見捨てられた女グレイレディという二つ名を持つ心理穿孔メンタルスティンガーの超能力者レベル5(非公式)である蜜蟻愛愉は郭夜に言葉を投げかけた。
「感情さえあれば、なんてね」
「はんっ、例え感情なんてモノがあったとしても、根本的に人間という種を見下してるアンタじゃ人間私達と信頼関係を築くなんて不可能よ」
「厳しいね。まっ、事実なんだけど」
 蜜蟻的にはここで郭夜と敵対することはナンセンスである。現状蜜蟻の『復讐』は郭夜に依存している――というほどでもないが、郭夜に頼っている面が多いのは事実だ。組織と個人では出来ることの幅が違い過ぎる。統括理事会メンバーのバックアップを受けるのと受けないのでは蜜蟻の出来ることの幅が全く違う。
 故に郭夜と、苦罠勢力と敵対するなどありえない。統括理事会メンバー、学園都市の最暗部の強さを蜜蟻は嫌と言うほど知っている。
 そしてそれは御坂や相園もそうであるはずで、そんなことは御坂と相園も分かっているはずだ。なのにここまで郭夜に対して敵対的態度をとるのはなぜか。
 その理由を蜜蟻は知っている。
「『あれ』、まだ見せてないのお?」
「見せる必要があるのかな?……あんなものを見せたところで信頼?信用?そんなモノは得られないだろうに」
「だからあなたは未だに欠陥製品スクラップドールなのよお」
 例えるなら郭夜は超高性能なトップダウン型人工知能AIのようなものなのだ。人間と接するにあたって、過去の様々なデータを参考し『性格Aで言動αで目的@を持つ……な人物☆が動作9をした時』は『対応コード#』をとる、『性格Bで言動βで目的Aを持つ……な人物▲が動作3をした時』は『対応コード♭』をとる、などという形で動いているに過ぎない。
 そしてだからこそ郭夜は人間の感情面を理解できず、考慮して行動できない。
 例えば父親が死んで泣いている子供がいる。この場合、子供が泣いている理由は何だろうか?多くの人は『親が死んで哀しいから』と答えるだろう。郭夜も過去の統計からその結論に至り、接触する際は『親が死んで悲しんでいる子供』用の対応をとる。
 だが例えば、その子供の身体に虐待の跡があったとしたら?多くの人は子供が泣いている理由として『もう虐待を受ける心配がなくなって嬉しくなったから』という理由が頭をよぎるのではないか。そしてもちろん郭夜もそうだ。その時の対応はきっと『虐待を受ける心配がなくなって嬉し泣きをしている子供』用の対応になるだろう。
 けれども、だ。当然人の内面を知ることは一般人には出来ない。虐待された子供でも『親が死んで哀しいから』という理由で泣いているかもしれない。
 そういう時、普通の人間は対応を変えることができる。接触している途中で『もう虐待を受ける心配がなくなって嬉しくなったから』ではなく『親が死んで哀しいから』泣いていると分かれば、普通の人間は『親が死んで悲しんでいる子供』用の対応をとる。
 しかし郭夜にはそれが出来ない。感情が分からない郭夜は過去の統計から行動しているにすぎず、根本的に人を理解できない。故に例え『虐待をしていた親が亡くなり、悲しんで泣いている子供』がいたところで、身体に虐待の跡があるという状況、涙を流しているという行動、親が亡くなったという環境から最初に『もう虐待を受ける心配がなくなって嬉しくなったから泣いている』と決め打ってしまい、対応の柔軟な変更が出来ない。
 それが郭夜の弱点であり、欠点なのだ。
 最も、それをつけるかは分からないが。
「『あれ』?」
「理由、よ。私が『復讐』の中止を決めた理由」
 態度から分かった。蜜蟻は『復讐』の中止に納得している。そしてそれは郭夜に無理やりな説得を受けたからだとか精神操作を受けたからではない。本当に本心から、納得している。
 だがそれはなぜだ?
 あれだけこだわっていた『復讐』。1年をかけて進めてきた前準備を全て破棄してまで、どうして中止できる?
 その理由が『あれ』?
「そんなモノがあるならどうして見せないんですか」
 相園が少し責める様な口調で郭夜に言った。確かにそうだ。言葉だけで物証がないから郭夜の事を疑った。確かな理由があるのであれば、相園とて蜜蟻の『復讐』を中止するのも吝かではないのだ。
 それをあそこまで強固に反対したのは郭夜に言葉しかなかったから。
「どうしてって、別に見せる意味もないと思ってたからだけど?いくらでも加工できる映像なんかよりも生の言葉の方が信がおけるだろう?」
「相変わらず、ずれた視点ね」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:06:34.41 ID:yAhm9urX0
確かに、郭夜の言う事も一理ある。
 例えリアルタイムの映像だとしても、優秀なハッカーなら改竄はいくらでも可能だ。であれば言葉に信を置く、というのもまぁ理解できなくはないだろう。ただそれは言葉を交わす相手に信用がおける場合だ。
 御坂も相園も、もちろん蜜蟻も、当然郭夜を信用などしていない。だからこの一点に関しては映像の方が信用できる。もはや人外の頭脳の持ち主たる郭夜の口から出た言葉などとてもとても信じられない。
 そういうことが郭夜には分からないのだろうか。
「こっちの事を考えられても自分のことは考えられないの?」
 きっとわからないのだろう。
「よくわからないけど、そこまで言うなら見せようか?別に隠す理由もないしね」
 根本的にずれている。感情を理解できないが故の欠陥。それでいて無理に感情を考慮に入れて行動しようとしているが故の欠陥。学ぼうとする姿勢を評価は出来るが、だからといって間違っている。
 郭夜の言葉なんかよりも映像の方が万倍信用できる。
 相変わらず、郭夜は自分に向けられた感情が分かっていない。
「ちなみに、どんな映像なんですか?その『あれ』っていうのは?愛愉に『復讐』の中止を決断させるレベルのものみたいですけど」
「んー、そっちの気持ちは理解できないけど、客観的に見て『復讐』の前準備が全て台無しになった映像だよ。いや本当に、1年の準備の全てが無駄になっちゃった。前触なんかなかったはずなんだけどなぁ。……協定も結んだし」
「いやだから、どれだけ言葉を尽くしてもわからないんだって」
「なら再生しようか」
 今まで郭夜を映していたテレビ画面にノイズが奔り、すぐに映像が変わった。映し出されたのはどこかの研究室だろうか?培養器のようなモノ、操作盤のようなモノ、白衣を着た男と女、そんなモノが映っていた。
 言うまでもなくリアルタイムではない。そしてリアルタイムではない以上加工されている危険があり、映像を鵜呑みには出来ない。
 だがそんなことの前に見覚えがあった。
 御坂と相園はこの場所を知っていた。
「ここって」
「愛愉が洗脳して利用してた『スタディお子様』のメイン居城秘密基地じゃないですか。まさか、誰かが干渉でもしたんですか?」
「…………その干渉は郭夜が防ぐはずじゃなかったっけ」
 『スタディ』は三流未満の組織だ。それはもうあらゆる意味で三流未満だ。
 やっている研究も、人員の能力も、設備も、他組織との関係も、予備実験の実験台の設定も、金銭面でも、本当にあらゆる意味で雑魚だ。
 そして何より彼らが救われないのが自分たちが徹底的に利用されていることにすら気付いていないことだ。
 超能力者予備集団セブンバックアップがなぜ『スタディ』をバックアップするのか気付いていない。
 超能力者予備集団セブンバックアップの数億という資金源がどこから来るものなのか考えていない。
 そして何よりも自分たちがここまで来たこと自体が誰かの掌の上であるなんて、思ってすらいない。
 だから駄目なのだ。闇の奥底にいながら三流未満。そんなモノでは『夏休みの自由研究』だなんて馬鹿にされても仕方がない。
 あまりにも青く、若い。そして学園都市の暗部では、未熟な者に明日は決して訪れない。利用され、馬鹿にされ、見返すことすらできず、人知れず死んでいくだけだ。
「あはは、輝夜姫は悪くないわあ。むしろ、私は干渉しなかったことに感謝してるくらいよお」
「?」
 『スタディ』。超能力者予備集団セブンバックアップを通して苦罠勢力に利用された蜜蟻の『復讐』のためだけの舞台装置。蠢動俊三がデッドロックを利用した様に、彼らもまた蜜蟻に利用されていたのだ。
 全ては上条当麻への『復讐』のために。たったそれだけのために、5人の人生は台無しにされたのだ。
「で、愛愉?結局、どんな映像なのよ」
 まるで世間話をするかのように御坂は言った。闇の、底の、底の、底。そこまで堕ちた御坂はどれだけ凄惨な映像であっても動揺することはないだろう。血みどろの、血塗れの、悲劇。それがありふれたものでしかないともう知っているから。
 なのに、
「あはは。きっと美琴も美央も驚くわあ、なんといっても」
 一瞬ためて、
 蜜蟻は陶酔したような表情で、言った。
「私の愛しの上条クンが、『スタディ』をやっつける映像なんだから」
「は?」
「え?」
 
 そして、映像の再生が始まった。
 



リリスパ見たらテンション上がった。いつの間にか1話完成していた。スパイアクションモノいいよね……、いい……。

次の更新は11月中旬までには。
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:07:15.18 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/168.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

168 / 178
Q.なぜ世界は滅んだのか?


学園都市統括理事会@ 襲来の人類絶対悪ビースト

 8月29日午前9時33分 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍の間』にて
 
 学園都市統括理事会は学園都市に存在する暗部の一つである。そして同時に学園都市の最高機関でもある。
 所属するメンバーは統括理事長を除いて12人。そのほとんどが一癖も二癖もある『悪』人であり、自身の利益のために他者を平気で糾弾する屑だ。善人といえるのははそう、貝継と親船の二人くらいのモノだろう。
 純粋な善が割を食い純黒の悪が栄えるのは世の常。いつもいつも良い人はいつも損をするものだ。
 だが、だからといって常に悪人が栄え続けるのもまたあり得ない。栄枯盛衰、諸行無常。変わらないものなどないのが世の中なのだから、学園都市統括理事会のメンバーもまた、さらに強大な『悪』に叩き潰される時が来る。
 多くの統括理事会メンバーはそれが分かっていない。自分だけは安泰で、最後に嗤うのは自分だと思ってる。それがただの妄想だと気づきもせずに。
 いつかその時が来るとしても、なんだかんだで自分だけは例外だなんて思ってる。
 だから苦罠は郭夜からの報告に焦っていた。苦罠もまた、結局の所自分だけは安全位置にいると思っていたから。
 その平穏が一瞬で終わるだなんて、思いもしなかったから。
「とりあえず、集まってくれたようで安心したよ」
 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍さそりの間』。統括理事会メンバー同士が秘密の会談を行う際に使用される学園都市の中でも最もセキュリティの厳しい場所の一つ。その『蠍の間』に今、10人の人間が集っていた。
 死縁鬼苦罠。
 トマス=プラチナバーグ。
 親船最中。
 潮岸  。
 貝積継敏。
 薬味久子。
 亡本裏蔵。
 アラン・スミシー。
 ロード・アンドレイ。
 奈落ならく奈波ななみ。
 以上10人。全員が全員統括理事会メンバーだ。
「ふん」
「まだ、二人ほど来ていないようですが」
「全くだぜ。あの潔癖症と重病人はどうしたっつうんだ?」
 これはもはや奇蹟に等しい会合だった。いがみ合い争い合い憎しみ合う統括理事会の人間が10人も一堂に会するなど飛行機が墜落するくらいあり得ない。彼らは自分以外のメンバーを追い落とすのに全てを懸けるほどの悪人。彼女たちは誰よりも自己中心的で世界が自分を中心に廻っていなければ気が済まないような狂人。
 けれど今、この場に10人もの統括理事会メンバーがいる。
 それはひとえに苦罠が連絡したからだ。
 死縁鬼苦罠という男が、彼らを集めた。
「潔癖症の彼女には先に動いてもらっている。彼女もどうやら私と同じ情報を得ていたようだからね。そしてあの重病人について私も知らないな。割と緊急性の高い事態だから出来れば参加してほしかった、というのが本音だが」
「緊急性?」
 アランが馬鹿にしたように言う。
「緊急性?何がだ?今この学園都市で、どんな緊急事態が起こってるっていうんだ?統括理事会全員を招集しなけりゃいけないほどの緊急事態が起こってるなんて、俺にはとても思えんがね」
「それならなぜあなたはきたのそれなら何故あなたは来たの?がくえんとしのぼうえい学園都市の防衛をまかされているあなたがきたということは任されているあなたが来たということは、なにかだいじ何か大事があったんじゃないかとおもったのだけれど思ったのだけれど」
「別に対した理由なんてねぇよ。ただ時間はあるし、同類の緊急要請に応えないほど俺は狭量じゃねぇ」
「ふん、ただこれ幸いと死肉を漁りに来ただけではないかね?」
 煽り合い。罵り合い。マウントの取り合い。
 ほんのわずかでもイニシアチブをとり優位に立とうと彼らは言葉という名の武器を交わし合う。
 言葉。そう、あくまで言葉だけだ。間違ってもここで武器を交わすようなことはない。そのリスクは全員が承知している。
「はっ、あいにく腐った肉を喰らう趣味はねぇな。そこの美食家気取りでもあるまいし」
「それは私のことかな?『ネクター』は君が思っているよりもはるかに素晴らしき美酒だなんだがね」
「別に『ネクター』をどうこういうつもりはねぇが、つまるところ『ネクター』は人肉だろう?食人鬼に成り下がるつもりは、俺にはねぇなぁ」
「『ネクター』を人肉などというモノと一緒にしないでれ。あれはもっと高尚な」
「どちらにしろ、下賤なモノであることには変わりないと思いますがね」
 亡本とアランの軽い、統括理事会メンバーとしてはあまりにも軽い言い合いですらない『話し合い』に親船が割り込む。生来争いを嫌う性質である、統括理事会メンバーの中でも数少ない『善人』である親船。彼女の未来はそれ故に閉ざされているが、しかし彼女だからこそ使える手というのもある。
 かつて『平和的な侵略行為』を行うと恐れられた親船。その刃は今はしまわれているが、しかししっかりと砥がれている。
 『善人』であるからといって、『弱い』という事にはならない。
 親船はくさっても統括理事会の一員だ。
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:07:51.34 ID:yAhm9urX0
「でも、いま今はそんなことどうでもいい。くわな苦罠、そろそろおしえて教えてくれてもいいでしょう?ぜんいん全員、ふたりたりない二人足りないけどほぼぜんいんあつまったんだし全員集まったんだし」
「そうだな……、あいつは結局来なかった、か」
 来るとはそこまで思っていなかったが来てほしいというのが苦罠の本音だった。今起きている最悪の非常事態には統括理事会の全員で立ち向かう必要がある。それほどの敵、悪がいる。
 全員で戦わなければ勝てない。とても敵わない。
 4年前のようなことをもう一度起こすわけにはいかない。
「まず初めに言っておこうか。私が今から言うことは全て真実で、事実だ。一切の偽りはないことを、まぁ、意味はないだろうが神にでも誓っておくとしよう」
「神、ですか」
 小馬鹿にしたようにアンドレイが言う。神、神、神。神様?なんだそれは?宗教家でもない苦罠がその存在に誓いをするなんて、無意味を通り越して滑稽ですらある。
「そしてもう一つ、潮岸、アラン、奈波。私にお前達を責め立てるつもりは一切ない。そんな時間もないし、だいいち責めたところでもうどうにもならないからな」
「せめる?わたしたちを?」
「見えねぇな。何についての話だよ?」
「………………」
 その返答は言葉ではなく画像で示された。
 スッ、と苦罠の後ろの壁にプロジェクターで4枚の画像が映し出される。どれも学園都市の街中の画像で、それは一見をすれば何の変哲もない、学園都市の日常の画像。往来を行きかう人々、掃除用ロボット、自販機、建物。一般人がみれば、いや『闇』の人間が見ても違和感などないだろう。だが、だがしかし、見る人が見ればその4枚の画像がどれだけとんでもないモノか分かる。
 そしてその画像に超速の反応を見せたのが1人。
「なっっっっっ!!!!!?????」
 奈落ならく奈波ななみが大きな音を立てて椅子から立ちあがっていた。ポーカーフェイスをむねとする奈波の顔が驚愕に染まっている。演技?いやそんなわけがないしそんな意味はない。だからこれは素。しかしだとしたらなぜ?
 奈落奈波はこの画像のどこに驚愕した?
「流石に、お前は分かるか。奈波」
「ばかな、そんなっ!」
 それはあり得ない画像だった。
 九家くげが一家、奈落家の人間として様々な情報に精通している奈波だからこそ気付けた。そこに映っていた人間がどれだけあり得ないのか。
「現在」
 そして、彼らも知っていた。
 潮岸。
 親船。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 彼ら5人も、知っていた。
「現在、この街に4人の――正確に言えば2組織と1人と1体の人類絶対悪ビーストが侵入している。彼らからこの街を守るために、お前達の力を貸してほしい」
 その悪を、知っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その沈黙には動揺と困惑が混ざっていた。
 動揺は6人、困惑は2人。
「……………苦罠クン」
「何か?」
「冗談だとしたらあまりにも性質が悪すぎるし、嘘だとしたらあまりにも質たちが悪いぞ」
「こんな冗談や嘘を、私がつくと思うか?本気で」
 それは潮岸とて分かっている。だからあくまで確認だ。確認で、出来ればそうあってほしくはないという願望だ。
 それは否定された。
 そして否定された以上、真剣に向き合わなければならない。
 人類絶対悪ビースト。
 その脅威を、潮岸達は知っている。
 4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件。その事件を生き延びた7人の統括理事会メンバー。
 苦罠。
 親船。
 潮岸。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 そして潔癖症の彼女。
 7人は人類絶対悪ビーストの恐怖を、その狂気を知っている。だから速断だった。当然苦罠が嘘をついている可能性もあったが、それよりも。
 それよりもだった。
「それで緊急事態……か。くそっ、どうやってすり抜けた」
「奈波クン、君は見覚えがあるようだな。詳細はわかるかね?」
「わたし私は4まいのがぞう枚の画像のうち2まいしかしらない内2枚しか知らないわ」
「それでも十二分だろう。人類絶対悪ビースト……。もう4年前のようなことを起こさせるわけにはいかない。情報は少しでもほしいのだから」
「画像を出したのは私だが、人類絶対悪ビーストに関しては私よりも君の方が、九家が一家、奈落家の人間である君の方が詳しいはずだ。後で私も捕捉するから、説明を頼む」
 奈波は純粋な統括理事会メンバーではない。奈波は外の、学園都市外の人間だ。奈波が統括理事会のメンバーとしていられるのは奈波が外部との折衝の役割を担っているからであり、学園都市の運営に参加しない立場をとっているからだ。
 そういう意味では奈波は親船以上に権力がない。だが本人もそれをよしとしている。立場的にも奈波はそういうことをするべきではないからだ。
 そしてその立場故に、奈波は人類絶対悪ビーストについてとても詳しく知っている。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:09:00.66 ID:yAhm9urX0
「いちばんひだりのがぞうにうつっているのは一番左の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいきゅうい位階総序列第九位の『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のめんばーたちメンバー達よ。『ぎゃくたい虐待』のあくとくをたいげんするやつらで悪徳を体現する奴らで、せかいさいあくのてろりすとしゅうだん世界最悪のテロリスト集団でもあるわ。ばくやく爆薬、どくがす毒ガス、しゅうだんひすてりーのゆうはつ集団ヒステリーの誘発――。そういうだいきぼなあくいてきこうどうをするやつら大規模な悪意的行動をする奴ら」
 左の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは6人。男性2人と女性4人。
「なまえはわからない名前は分からないけど、たぶんたちばてきにはそうたかくないとおもう立場的にはそう高くないと思うわ。『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のじょうそうぶのにんげんたち上層部の人間達はげんばにこない現場に来ないから」
 詳細な説明。けれど画像だけで分かることはやはり少ない。不確かな情報と不確かな言動。
「がぞうだけじゃだんていはできない画像だけじゃ断定は出来ないけど、けいかいしんがあまりみえない警戒心があまり見えない。とっこうよういんだとおもう特攻要員だと思う」
「特攻……っ」
「厄介な」
 もっと詳細な情報を言うことは出来るが、奈波は一度『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』の説明を打ち切った。今求められるのは詳細の説明じゃない。迅速な説明だ。
「いちばんみぎのがぞうにうつっているのは一番右の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいじゅんよんい位階総序列第十四位の『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のいちしょうたい一小隊よ。『ぼうりょく暴力』のあくとくをたいげんするやつら悪徳を体現する奴らで、だいにじせかいたいせん第二次世界大戦さいだいのふのいさん最大の負の遺産。かねさえはらえばなんでもする金さえ払えば何でもするせかいさいきょうのようへいそしき世界最強の傭兵組織。2ねんまえのほわいとはうす年前のホワイトハウスしゅうげきじけんのじっこうはん襲撃事件の実行犯、ってい言えばわかるかしら」
 右の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは16人。男性12人と女性4人。
「しょうたいちょうはみおぼえがあるわ小隊長は見覚えがあるわ。まるてぃねすマルティネスってなまえ名前よ。せっきょくせい積極性としんちょうせいが慎重性がわるいいみであわさった悪い意味で合わさった、むのうのなかではゆうのうなにんげん無能の中では有能な人間」
「装備は分かるの?」
「がくえんとし学園都市のぶそうであっしょうできるれべる武装で圧勝できるレベルのはず。そもそも『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のこわいところ怖い所はそのようしゃのなさとじんどう容赦の無さ人道をためらいなくふみはずすところ躊躇いなく踏み外すところだし。ちょくせつせんとうになればよゆうでかてる直接戦闘になれば余裕で勝てるはず」
 強い弱いで言えば弱い。けれど強い弱いだけじゃ語れないからこその人類絶対悪ビースト。
「でもたぶんこの16にんはさぽーとよういん人はサポート要員よ。ほかのさんそしき他の3組織のどこかがやとった雇ったんじゃない?」
 『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』はその名が示す通りあくまで傭兵。つまり他者からの依頼によって動く存在だ。自意識では動かない。
「あと後の2がぞうはわたし画像は私にもわからないわ。くわな苦罠、あなたは?」
「ならそこは私が説明しよう。といっても僕も郭夜から得た情報なんだけどね」
 そういって、苦罠は左から2枚目の画像の一部を拡大した。
 映し出されたのはとある少女。茶髪のショートヘアに白カチューシャをした少女――の手元。
「ポータブルデバイスPD……?これが、人類絶対悪ビースト?」
「正確に言えば、ポータブルデバイスPDの中にいる存在、だ」
 感の良い貝積はそれで気付いた。
「っ、電脳生命体αアルファか!?」
「ああ」
 電脳生命体α。
 その名の意味が分かる者の焦りはこれまでとは全く違った。
「アランっ、学園都市の電子防衛関連は君が担当していたな。何か君の部下から報告はあがってないかっ!」
「あ?別に目立った報告なんてあがってねぇが……?」
「ならもう完全に落ちているんでしょうね」
「書庫バンクはどうだ?最暗部の情報はのっていないとはいえあれまで掌握されていたら学園都市は落ちたも同然だぞ!」
「いえ、外部と完全に独立したネットワーク以外はすべて落ちているとみるべきよ。くそ、この分だとここに来る前にした電話も怪しくなってくるわね」
「っ、電波も乗っ取られて……っ、なら連絡を取り合う時は精神感応テレパス系の能力者で中継する必要が」
「ちょっ、ちょっと待ってください!どういう」
「落ち着けッッッ!!!!!!!!」
 一機に混乱する状況を前に苦罠が一喝した。分かる。とてもよくわかる。何も知らない立場なら当然そうなる。現代社会において電脳生命体αの脅威は分かり知れない。だからそうなるのも分かるが、それでも今は大丈夫なのだ。
 誰でもない。この事態に最初に気づき、動き出したのは、他の誰でもないあの天埜郭夜輝夜姫だ。
「落ち着け、大丈夫だ。今のところ電脳生命体αの侵攻は抑えられている。まだ後2日は問題ないはずだ」
「君は馬鹿か?」
 思いっきり馬鹿にした表情で亡本が言った。
 信じられないような表情を薬味はしていた。
 狂人を見るような目で親船は苦罠を見ていた。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:09:26.42 ID:yAhm9urX0
「侵攻は抑えられている?出来るわけがないだろう!それがっ、出来る人材がいるのならっ、統括理事会はこうなっていないはずだ!!!」
「出来ている」
「誰が!?」
「守護神ゴールキーパーだ」
「っ」
 その名はこの場の全員が知っていた。
 守護神ゴールキーパー。
 学園都市に存在する超一流のハッカーの1人。
 その素性はこの場にいる全員が知っている。
 風紀委員ジャッジメント第一七七支部所属の風紀委員ジャッジメントにして超能力者予備集団セブンバックアップ序列第1位、十二暦計画カレンダープロジェクト第九実験『漆黒の九月実験』邪道『マルチソウル』成功例。
 初春飾利。
「本当に対抗できているのですか?誤魔化しも何もなく?偽装も何もなく?ダミーでもなく?他の誰でもないあの電脳生命体αの侵攻を、抑えられているのですか?」
「そもそもこの4枚の画像だってネットワーク経由で送られたものだ。この会合だってそうだろう?だから問題ない。今のところは、な」
「そのリミットが、2日か」
 どれだけ有能な人間だとしても所詮は人間。行動の限界というモノは必ず来る。それが人類と人外の差であり、人類が人外を根絶できない理由だ。
 電脳生命体α。電子の海に生きる人外の怪物。人が生み出した人の業。無限の学習で無限に進化する絶望。
 単純な武力だけではどうにもできない人類絶対悪ビースト。
「分かった。なら出来ていると盲信しよう。だが個人的な対策はいくつかさせてもらうぞ」
「当然だな。私自身が言ったことではあるが、守護神ゴールキーパーがいつまでもつかのは、……微妙だしな」
 慌ただしく外部と連絡を取り合う幾人か。構築されたネットワークの保護や兵力の確保、情報の収集などやるべきことはいくらでもある。潜在的な敵ではあるが、こういう場面では非常に頼もしい。
 悪、悪、悪。人類絶対悪ビースト。
 勝たなければならない。
「そして4枚目の画像を説明する前に本題に入ろう。分かっているとは思うが、な」
 今度こそは。
「この人類絶対悪ビースト共をどうにかする。そのための力をかしてくれ」
 いがみ合い、争いあい、憎み合う。それが統括理事会の在り方で、それはどうにもならない。けれどそれだけではない。本当にそれだけなら彼女達は統括理事会メンバーであり続けてはいられない。
 裏切りも騙し合いもする。けれどその『先』があるからこそ、彼らは統括理事会のメンバーなのだ。



Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?



次の更新は年度末までには。



A.みんなが無能だったから。
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:10:18.28 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/169.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

169 / 178
学園都市統括理事会A 彼らは愚者ではない

「それで、どうする気だ」
 
「どうにかする、というのは簡単ですが、具体的な策はあるのですか?」
 
「確かに、人類絶対悪ビースト……、生半可な『力』では敵わないだろうなぁ」
 
「もちろん、だから私はお前達に協力を要請しているんだ」
 
「何か策があるのですか?」
 
「策というほどのモノでもない。ただ単に、暴力でぶっ潰そうって話だよ」
 
「その暴力を私達に提供しろと?」
 
「もちろん私も出来る限り提供するさ。伏せ札はともかくとして切り札くらいまではきってもいいと良いと思っているし、お前達にもきってもらわなければ困る。見せ札だけでどうにかできるほど、人類絶対悪ビーストが弱くないことはお前達も知っているだろう?」
 
「確かにね、4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件でそれは嫌って程知ってるけど」
 
「獄天の扉ヘヴンズフィール事件……?ちょっと待て、まさかあの事件には更なる裏があるっつうんじゃねぇだろうな!?」
 
「……そうか、そういえば君は獄天の扉ヘヴンズフィール事件をきっかけに入れ替わった人間の1人だったな」
 
「しかし今そのことについて説明している時間はないでしょうね」
 
「じかん時間、じかん時間、じかん時間。まったくいやになる全く嫌になる。いつだってわたしたちにたりないのはじかん私達に足りないのは時間よね」
 
「アラン、アンドレイ。お前達には後で私から資料を送ってやる。獄天の扉ヘヴンズフィール事件の詳細と人類絶対悪ビーストの危険性についてな。だから今は全霊で協力しろ。対応を間違えれば最低でも学園都市は滅ぶ」
 
「っ、それほーどの、存在ですーと?」
 
「承ったぜクソが。ガチでやべぇのは事実みてぇだし、今は大人しく協力してやるよ」
 
「あぁ、そうしてくれるとありがたいな」
 
「それで苦罠クン、詳細は?」
 
「今映す」
 
「……しかしよく気づいたな。君は別にこの街の防衛を担当してはいなかっただろう」
 
「私の担当分野は航空宇宙産業だよ?そして私のブレインはひこぼしU号の中に住んでいる」
 
「じんこうえいせいのかんしきのう人工衛星の監視機能ね」
 
「地上の監視網は逃れられても宇宙の監視網から逃れることは不可能だったようだな」
 
「………………………………」
 
「はっ、わざと干渉しなかったって可能性もあるだろうが」
 
「だから別に責めつもりはないといってるだろう……。と、情報出るぞ」
 
「『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』、国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières、『電脳生命体αアルファ』……なぁっっっっ!!!???」
 
「帰ってきたのか、彼女がっ!?」
 
「……禁忌の木原」
 
「全能存在パントクラトールっ!」
 
「木原五行……っっっ!!!!!」
 
「その名前は流石に新入りの俺でも知ってるぜぇ。あの悪名高き木原一族ですら放逐せざるを得なかった、木原一族の中の木原一族ってなぁ」
 
「はっ、そんなレベルではないよ……。あれは、1つの災害だ。いや、災害すら超えている。もはや天罰とでも言うべきだ。人間が対抗できるレベルを超越している」
 
「ですが、どうにかしなければならないでしょう。どうにかしなければ、この街は終わりです」
 
「……、しかーし、なぜ誰も気がつかなかーった?」
 
「先に言っとくぞ。『穴』はある。だがその『穴』を通ったとしても俺の監視網からは逃れられねぇ。だから見逃した訳じゃねぇ」
 
「ならわたし私からもさきにひとつ先に1つ、そとからのぞうえんはだせない外からの増援は出せないわよ。そのぞうえんにまぎれて増援に紛れて、さらなるじんるいぜったいあくビーストがこないともかぎらない来ないとも限らないから」
 
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:11:13.16 ID:yAhm9urX0
「増援がないのは仕方がない。そしてどうやって侵入したかは二の次だ。今私たちが話すべきなのは過去じゃない。未来についてだ」
 
「電脳生命体αへの対応は問題ないのだな?」
 
「私のブレインによれば、な。最も、サポートできるというのならばしてほしいが」
 
「無理無理、守護神ゴールキーパーレベルのハッカーじゃなきゃ対抗できない電脳生命体αに対して、生半可な増援なんて足手まといになるだけよ」
 
「どうかん同感。でんのうせいめいたいあるふぁ電脳生命体αにかんして関してはしゅごしんゴールキーパーにまかせた任せたほうがいい」
 
「なた木原五行に関してはどうする?」
 
「そんなのもちろん……」
 
「そこで私を見られても困るぞ」
 
「だが、君のブレイン以外にいるかね?かの全能存在パントクラトールに対抗できる存在が」
 
「……はっきり言うぞ。郭夜は動けない」
 
「ふざけているのかな?」
 
「至って真面目さ」
 
「だったらどうして動かないの!あの全能存在パントクラトールに対抗できるのなんて、この統括理事会の中じゃ同じ造られた子供たちプログラムチルドレンの天埜郭夜ぐらいじゃないの!?」
 
「よく聞け。動けない、じゃない。動かない、と言ったんだ」
 
「つまーり?」
 
「伝言だよ。ふざけた伝言だ。郭夜曰く、木・原・五・行・の・目・的・は・私・を・引・き・摺・り・だ・す・こ・と・、だそうだ」
 
「それを、信じたのか?」
 
「私は郭夜を信頼している。郭夜がそういうのならば、本当にそうなんだろう」
 
「ならどうしろというんだ。あの木原五行に対抗できる存在など他にいないだろう」
 
「そうでもないと思うが、な。もちろん、」
 
「なにをばかな何を馬鹿な。きはらごぎょうにたいこうする木原五行に対抗するためにひつよう必要なのはぼうりょくじゃなくてちりゃく暴力じゃなくて知略。そしてそのちりゃくをもってるのはわたしたちのなか知略を持ってるのは私達の中じゃあなたのぶれいんブレインだけでしょ」
 
「そうでもないさ。確かに知略という面ではそうだろうが、別にわざわざ禁忌の木原と知恵比べをする必要はないだろう?」
 
「と言うと?」
 
「雪風宗谷。彼女は造られた子供たちプログラムチルドレンでこそないが、忌まわしきブレインの1人なんだから対抗ぐらい出来るだろう?」
 
「無茶だ。いくらあいつの運が良いつっても限界ってもんがある」
 
「別に倒せと言っているんじゃない。足止めくらいなら」
 
「ふざけんなよテメェ。本当に足止め出来るっていうんなら喜んで生贄にしてやるが、無駄死にするって分かってるのにいかせると思うか?」
 
「いいや、出来るかもしれん」
 
「……どういう意味だよ。貝積?」
 
「確かに、彼女1人では不可能だろう。だが、そこに私のブレインを加えればどうだ」
 
「忌まわしきブレインが2人、……ですか」
 
「いや、足りねぇな。それでも足りねぇだろ。木原五行に対するには」
 
「ならば私のブレインも加えよう」
 
「ついーでに、私の高貴なる一族ブルーブラッドからも人員をだーそう」
 
「おっ、それならいけるんじゃない?まぁでも〜、もうちょっと武力面はプラスしたいけど」
 
「武力……、それはあなたが出せるのではないですか?」
 
「冗談を言ってくれるな。確かに私は兵器関連に強い権限を持っているが、必要となる武力は兵器ではなく人員だろう。つまり強力な能力者。科学兵器をメインにしている私では派遣できんよ」
 
「だとしたら、人員を出すべきは私か」
 
「あはは、確かに貴男なら派遣できるだろ〜ね。この能力開発分野に強い影響力を持ってる君なら」
 
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:12:08.52 ID:yAhm9urX0
「……分かった。超能力者予備集団セブンバックアップから1人だそう。私の息のかかってる人間だ」
 
「そのレベルだったら私の恋査ちゃんを派遣したほうがましじゃない?」
 
「ならばどうしろと?」
 
「いい加減にしたまえ。なぜ、一級品の料理を持っているのにそれを私達に振る舞わない。今は、そんな場面ではないだろう」
 
「………………非公式超能力者アウターレベル5、か」
 
「それ以上を、君は持っているはずだがな」
 
「………………………………………………………」
 
「言わなきゃわかんないかな?超越能力者レベル5.5って」
 
「………………………分かっていない」
 
「何が?」
 
「超越能力者レベル5.5は、一級品の料理などではない。あれの危険性を、君達は何も分かっていない」
 
「上から目線のご高説は結構だがな、今は差し迫った危機から目を背けている場合ではないだろう」
 
「核ミサイルを発射された。だから、私達も報復として核ミサイルを発射する。……そんなことをして何になる?」
 
「何を恐れているーんだ?」
 
「同じ結末なのさ。超越能力者レベル5.5を解き放つなど、それでは結局人類絶対悪ビーストを斃せたとしても意味がない。結局の所は全ては終わる。何も変わらないのさ」
 
「超越能力者レベル5.5とは、それほどの存在だと」
 
「何のために私が彼を保護監禁していると思っているんだ。外に出すことで起きる被害が、私達の許容を遥かに超えているからだ」
 
「であれば?」
 
「さっきも言っただろう。非公式超能力者アウターレベル5を出す。非公式超能力者アウターレベル5ならまだ許容できる」
 
「でもさ〜、所詮は超能力者レベル5になれなかった非公式アウターな連中でしょ?ほんとに大丈夫な訳?」
 
「いや、非公式アウターだからってその強さが公式な超能力者レベル5に劣るわけじゃあねぇだろ。確か非公式超能力者アウターレベル5は切り捨てられた枝ってだけじゃなかったか?」
 
「……しらじらしいですね。再利用リサイクルと言ってしまえばいいではないですか」
 
「可能性があるモノを伸ばすのは、悪い選択肢ではないはずなのだがな」
 
「あはは、齎されるかどうかも分からない被害を想像して、戦力を温存してる場合じゃないと思うんだけどな〜。出しちゃえばいいのに」
 
「先ほども言っただろう」
 
「まっ、そうはいっても、妾わらわからしたら赭あかつち鰰はたはたなんてそこまでの脅威でもないんだけどね〜」
 
「……は?なぜ、君がその名、を………………」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:12:39.23 ID:yAhm9urX0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「「「「「「「「「ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!???????」」」」」」」」」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あはっ!やっと気づいたの?初めまして久し振り!統括理事会の諸君!!!」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:14:44.74 ID:yAhm9urX0
https://syosetu.org/novel/56774/170.html
携帯版 小説情報 一括表示 縦書き しおりを挟む お気に入り登録 評価 感想 推薦 誤字 閲覧設定 固定
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

170 / 178
おかしい……、なんでこんな展開になったんだ?


学園都市統括理事会B 絶対的な敗北

 いつからそこにいたのか。
 いつから会話に参加していたのか。
 いったいいつから。
「ご、ぎょう……?」
 呆然と、誰かが口にするその言葉。
 この場にはいないはずの、たった今話題にしていた、人類絶対悪ビースト位階総序列第三位の名前。
「木原、……五行?」
「そう!あたしの名前は木原五行!人類絶対悪ビースト位階総序列第三位にして全能存在パントクラトールの二つ名を持つ禁忌の木原!木原一族の中の木原一族!」
「……冗談だーろ」
 アンドレイが呟く。それは木原五行を除いたこの場の全員が思っていることだった。
 気付かなかった。
 誰も、誰一人として気づかなかった。
「……トマスはどこだ?」
 苦罠がそういった。
「その席には、トマス=プラチナバーグが座っていたはずだ!」
 はっ、と複数人が顔を上げた。そう、苦罠の言う通りだ。今五行が座っている席には統括理事会メンバーの1人であるトマス=プラチナバーグが座っていたはずだ。それは会議を始める前に全員が確認している。
 潮岸は目線だけで周囲を見渡した。
 いない。いない。いない。上下左右前のどこにもトマスはいない。そして自分の後ろにもトマスがいないのは他のメンバーの視線で分かる。ならばどこに、トマスはいったいどこにいった?
「ん〜?あれ〜、どこにいっちゃんたんだろうね〜?」
「お、まえ」
 誰かの心拍数が早くなる。
 誰かの頬に汗がつたう。
 誰かの喉がカラカラに乾く。
 そんな中で、苦罠が怒鳴った。
「トマス=プラチナバーグをどうしたんだッ!?」
「分かってるくせに」
 泰然自若に五行は答えた。たったそれだけの言葉でトマスの末路が想像できる。
「殺したのですか」
 それを実際に口に出したのは親船だった。もっとも端的に想像できる末路。死という名の結末。だが、仮にそんな末路を辿ったのだとすれば違和感がある。
 それは、
「死体はどこにいったのか、分かる人いるかな〜?」
「余裕じゃねぇか、随分と」
 五行を睨みつけながらアランはそういった。立場が分かっていないわけではない。五行が上で統括理事会が下。既に格付けは成されている。
 だから覆す。
 統括理事会を舐めるなと、アランは五行を挑発する。
「ここがどこだか分かってんのか?禁忌の木原だか人類絶対悪ビーストだか知らねぇが、俺達の前に姿を現して五体満足で帰れるとでも思ってんのか?」
「くららららら!!!強がり言っちゃって、か〜わいいっ!」
 身体を艶めかし気にくねらせながら、五行はあくまでも上から目線で告げた。主導権争いをするつもりは五行にはない。そんなことをしなくても、誰も五行には勝てないと知っているから。
「それとも注目を自分1人に集めさせて、その間に他のメンバーに何か準備をさせるつもりかな?くすくす、でも不思議にさぁ、思わない?はたしてうちはどうやってこの『蠍の間』にきたのだろうかや?」
牽制……、いや五行からすれば牽制ですらない言葉に、裏で準備を進めていた幾人かの動きが止まる。当然、いくら統括理事会メンバーだけの会議とはいえ完全に無防備な状態で来ている人間などいない。親船でさえ最低限の防備をしている。潮岸は駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を周囲同化服カメレオンスーツで隠した状態で着ているし、薬味は予あらかじめ己の身体に薬物投与を行って身体能力をあげているし、アランは己のブレインである雪谷宗風からお墨付きをいただいている。
 武器はある。
 動けるのだ。
 人ひとりくらいなら、殺せる。
 ただ、
「おかしくないでしょうか?この『蠍の間』はランダムに地下空間を移動するいわば動く密室。会議が始まったら出入口は完全に閉鎖され、外部からの親友も内部からの脱出も不可能になるのに……。あてはいったいぜんたいどうやって『蠍の間』に来たんだよ!?分かる人は手をあ〜げ〜て〜!今なら五行ポイントを100ポイント分あげますよ!」
 楽しそうに、心底楽しそうにどうでもいいことを話す五行。
 五行がどうやって『蠍の間』に来たのか?なぜトマスが消えたことに誰も気づかなかったのか?トマスの死体はどこにいったのか?確かに気になる。気になるが、それらの優先度は低い。はっきりいってこの場においてそれらの問題はどうでもいい。
 今はそんなことよりも、五行にどう対するかという事を議論するべきだ。
(隙だからけだ)
 潮岸は思う。潮岸は別に一流の戦士などではない。けれど分かる。偽装でも何でもなく五行は明らかに隙だらけ。その隙は潮岸ならばつける。駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を纏っている潮岸ならば、いける。
 本当にそうか?
(くそ……)
 苦罠は思う。こういう事態も完全に想定していなかったわけではない。忠告はもらっていた。郭夜はこういう事態も想定していた。だから、武器はある。だから、生き残れるはずだ。
 本当にそうか?
(どうしようかな)
 奈波は思う。木原五行。人類絶対悪ビースト位階総序列第三位。その脅威は学園都市に来る前から知っている。人口衛星USA-224墜落事件、パリ全インフラ停止事件、他にも多数の大犯罪を犯した人間。そんな彼女が今、手が届くほどに近い距離にいる。どうするべきだ。いくべきか?出来るのか?世界に対する、人類に対する、日本に対する脅威を今、取り除けるのか?
 本当にそうか?
「あれ?今笑う所さかいな」
「そうだな……。空間移動テレポート系統……、それも座標指定タイプではなく目印アンカーを設置して移動するタイプ、か?」
 言いながら、苦罠は目配せした。統括理事会。学園都市の最上層部にして最暗部。混沌とした悪意の渦巻く屑の巣窟。他人を出し抜き蹴落とすことしか考えていない屑共。
 普段は敵同士。どうしようもなく相いれない。
「惜しい!でも外」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:15:24.72 ID:yAhm9urX0
けれどだからこそ分かる。
 だからこそ、彼らはある意味で通じ合えている。
 最初に動いたのは薬味だった。
「っ!」
 薬物による身体強化を施している薬味は100メートル走の世界記録をはるかに超える速度で五行との距離を詰める。瞬きをする瞬間には、とまではいかないが、しかし一般人では到底反応できないような速度。
 テーブルの上に乗りあげ、最短距離で五行のもとまでいく。
 そんな速さじゃ遅すぎる。
「短慮過ぎない?」
 とん、と。
 軽くステップを踏んで、本当にほんの少しだけ身体をずらして、五行は薬味の攻撃から逃れた。薬味と五行の距離は今や10センチメートルほどしかない。近すぎる。近すぎるが故に、薬味は五行に攻撃できない。殴るにしても蹴るにしてもある程度の距離は必要なのだ。密着状態では攻撃などできない。
 そして五行の位置取りは完璧だった。
(射線が、っ)
 亡本も当然動いていた。懐に偲ばせていた半自動組み立て式拳銃を五行に向かって発射しようとしていた。そして実際に発射しただろう。
 薬味の身体が五行を庇うような位置に無ければ、だが。
「ちっ!」
「おおお!!!」
 薬味の動きにスリーテンポほど遅れてからアランと潮岸が動き始めた。
 ……語るまでもない事ではあるが、ここにいる統括理事会メンバーは全員戦う人間ではない。彼ら彼女らは策を練り、指示を出し、上に立つ人間であり、現場で動く人間ではない。
 だから言うまでもなく弱い。連係も下手で、数の利を全くいかせていない。
 駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を着ている潮岸。
 雪谷宗風からお墨付きを頂いているアラン・スミシー。
 しかしそれでも普通、普通ならば、いかに戦士でないと言えども人一人に勝てないわけがないのだ。
 相手が普通の人間であれば、どれだけよかったか。
「な」
「あ?」
 何をされたのかもわからなかった。
 気が付いた時には2人とも無傷のまま地に這い蹲つくばっていた。
(……た、……てねぇ、だと?)
 身体に異常は感じられない。精神操作系能力を使われた形跡もない。外傷はなく、内傷もない。重力の異常も感じられない。拘束されている感覚もない。
 にも関わらず全く動けない。
「這い蹲ってろよ雑魚」
 嘲り。
 それは普段、アランが他者に向けている声色。
 だから屈辱だ。
 これが人類絶対悪ビースト。
 だが、
「…………」
 だが、
(そんなことは分かっている)
 そもそもだ、と潮岸は思う。
 そもそも、今潮岸が生きている事自体がおかしいのだ。いや、それを言えばもっと前、五行がわざわざ姿を現したことがおかしい。
 [ピーーー]つもりなら殺せたはずだ。いくらでもできたはずだ。だがそれをしなかった。
 つまり五行は潮岸たちを[ピーーー]つもりはない……はずだ。
 あくまでこの考えは潮岸の推論。だが当たっているだろうと潮岸は考える。でなければとっくに逃げている。最も、逃げられる可能性は0に等しいだろうが。
 だからこれはあくまでパフォーマンス。
「そしてさようなら」
 瞬きする暇もなかった。
 衝撃すら感じなかった。
 なのに、いつの間にか吹き飛ばされていた。
「っ!?」
 更なる攻撃を行おうとしていた薬味は自分の身体がいきなり宙を滑空していることに驚愕した。 
(待っ)
 予備動作どころか攻撃後の余韻すら完全に存在しなかった。それが示すところはつまり、木原五行は薬味に対して何もしていないという事、か?
 いや、いや、いや。
 だったらなぜ薬味は吹き飛ばされた?
 誰が薬味を吹き飛ばした?
「っ」
 何も分からないまま、薬味は吹き飛ばされた勢いで壁に叩きつけられ、
(……………………は?)
 ダメージが無かった。
 確かに薬味は壁にものすごい勢いでぶつかった。壁がスポンジのように衝撃を吸収したわけではない。もちろん薬味側に何らかの保護が生じたわけでもない。勢いを緩めることは愚か、受け身をとろうとすることさえできなかった。
 にも拘らず、薬味の身体には一切の外傷が存在しなかった。ちょっとした擦り傷すらも。
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/13(日) 20:16:03.45 ID:yAhm9urX0
 そして射線が開いた。
「――――――」
 一段と大きい音が響いて、亡本の持っている拳銃から銃弾が放たれる。その弾丸は一瞬で五行のもとに辿り着き、五行の頭を貫い、
 いいや、
「残念!」
「なぁ!?」
 あり得ないことに超音速の銃弾を五行は噛んで止めた。そして口の中から弾丸を吐き出して五行は右手でそれをつまんだ。
「べっ〜、まじゅいのぉ……。きゃぴ♡銃弾なんて効くわけないのに、そんなことも分からないの?せっかくだし、返すよ」
 指で弾いた。
「ごっ、ぶ」
 まず感じたのは痛みではなく熱さだった。熱い、熱い、熱い。燃える様な灼熱の痛みが亡本の脇腹を襲っていた。
 信じられないような思いで亡本は視線を下げる。
 血濡れていた。貫かれていた。
 何に?
「指弾。まぁこれくらいわねぇ?」
 言葉の通りだったのだ。亡本が放った銃弾を噛んで受け止めた五行は、今度はそれを指で弾いて亡本に返した。そしてその返された弾丸は見事に亡本の脇腹を貫いた。
 久しぶりに感じた痛み。強く感じる命の危機。しかし、と亡本は薄く笑う。
 これでいい。これがいい。
 潮岸も亡本も薬味もアランだって分かっていた。敵わないことくらい知っていた。亡本たちは戦闘においては素人未満だ。そんな亡本達が禁忌の木原に勝てるわけがない。
 だから、敗北したのは全然かまわない。オーケーだ。
(思った未満に、上手くいったわね……。だから上手くやってくれないと困っちゃう)
 壁に寄り掛かったまま薬味は動かないでいた4人に意識を向けた。薬味にダメージはない。立ちあがろうとすれば立ち上がれる。でもそれはしない。あたかも酷いダメージを負って立ち上がれないような演技をしつつ、薬味は事態の推移を見守る。
「………………化物が」
「………………………」
「…………じょうだん」
「…………やはり、か」
 残ったのは4人だけだった。
 統括理事会の中でもアレイスターに次ぐ権力を持っている諦めてしまった賢人、死縁鬼苦罠。
 かつては交渉術の達人であったが娘を危険にさらしてしまったことで一線を引いた勇気無き善人、親船最中。
 九家が一家、奈落家より学園都市と日本の仲介役としてやってきた日本の守り手、奈落奈波。
 中途半端な善性を持つが故に常に苦悩する老人、貝積継敏。
「来 な い の ?」
「無駄な戦いは、しない主義なんだ」
 全てを諦めたように苦罠は言った。
 勝てない。勝てるわけがない。こうなることは相対した時点で分かっていた。だから秘密裏に作戦を練ろうとしていたのに。
「我々を[ピーーー]つもりならばとっくにそうしているでしょう?何が、目的なのですか?」
「何が目的?何が目的?目的は同窓会だ」
「同窓会?」
「うん、あのね、ごぎょうね、ひさしぶりね、みんなにあいたいなって」
「……みんな?みんなって、まさか……」
「はぁ!皆つったら造られた子供たちプログラムチルドレンの皆に決まってんだろうが!!!アァ!?」
「ならばなぜここに来たのだね。ここには、その皆はいないぞ」
「……そんなことは分かってますよ。…………………でも13サーティーンは相変わらずどこにいるか分からないし、白は私の事嫌ってるし、だから郭夜に接触しようと思ったんですけど、電脳生命体αアルファにハッキングさせてメッセージ送ろうとしたらあやつまさかの物理的回線切断したし、だから輝夜姫の上司経由で同窓会の案内状を送ってもらおうかなって」
「つまりわざわざ『蠍の間』に来たのは、私に会いに来たかったからだと?」
「そうじゃよ」
「ならばどうしてトマスを殺したのですか?いえ、そもそも彼に会いに来ただけというならこの場でなくてもよかったはずでは」
「なるはやだよ。なるは」
 
 とん、と、
 
 木原五行の首が、落ちた。



何で統括理事会メンバーがそろいもそろって戦ってるんですかねぇ……?
お前ら戦闘能力ほとんどない設定のはずだろう?

【じゃあ殺しちゃう?
統括理事会メンバーはあたしが全員ころしちゃいました!なんてね☆
さて質問なんだよ!
私、生きてると思う?】
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 01:53:41.86 ID:1eES5BNUO
純粋にヘたとかつまらないだけならまだしも、原作をないがしろにするSSには熱心なアンチもつくもんなんだな
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 14:40:55.72 ID:zUtjgxex0
駄文の羅列ほんと迷惑
頼むから止めてくれないか?スクロールするの面倒なんだよ

>>92
一方通行がメインのSSは9割原作を蔑ろにしてるから不愉快だよ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 15:34:34.74 ID:uA8fmS+S0
一方通行が主役のSSは警戒しちゃうよな
他キャラsageないと満足に持ち上げる事が出来ないキャラだからなぁ一方通行は……
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:00:42.48 ID:XQ3URfZ00
https://syosetu.org/novel/56774/171.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

171 / 178
いや更新遅くなってごめんなさい。リアルの方で色々忙しくて。


学園都市統括理事会➃ 不死の研究

 木原五行の首が胴から分離した。
「………………………………」
 沈黙。
 それが起きたということは8人全員が把握した。木原五行の首が胴から分離した。誰かが何かをした結果としてそれは起きた。ただ、ただその程度で安心できるのかといえばそれは偽だ。
「ころせた、の?」
「――――――――――――」
 奈落の呟きには誰も答えられなかった。
 それは何も奈落に意地悪をしているという訳ではなく、分からなかったからだ。
 誰も、木原五行の死に確信が持てなかった。
「首を落とした程度で死ぬとは、到底思えませんが」
「同感だな。あの木原五行が、この程度で死ぬとは思えない」
 数十秒が過ぎ、やっと口を開いたのは親船と苦罠だ。4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件――第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである2人は当然人類絶対悪ビーストの脅威を知っている。人類絶対悪ビーストは残虐で、残酷で、残忍で、残刻な……そして何よりも厄介なのだ。
「だがよ、確かに首は落ちてるし血はでてるぜ?これで死んでないっていうのはおかしくねぇか?」
「油断するな、アラン。新人のお前は知らないだろうが、人類絶対悪ビーストが、あの木原五行がこの程度で死ぬとは私には思えない。何度でも言うけど、な」
「人類絶対悪ビースト、ねぇ」
「……ぐっ、流石に、そろそろ意識が朦朧としてきたなぁ」
 亡本がそうぼやく。8人の中で一番重傷なのが亡本だった。薬味は壁に叩きつけられただけでノーダメージ。アランと潮岸は謎の力に押さえつけられてはいたがノーダメージ。対して亡本は五行から指弾による攻撃を受け、脇腹を弾丸が貫通してしまっている。数分後には死ぬ、などという出血量ではないが、しかし早めに処置をしなければ命が危ないことは間違いないだろう。
「……薬味クン、君なら軽く処置が出来るのではないかな」
「んー、いくら私が医療関係に太いパイプをもってるっていっても、私自身は別に医者でも何でもないんだけど」
「だが簡易的な治療くらいは出来るだろう?」
「んー」
 薬味は亡本の治療にそこまでの積極性と緊急性を感じなかった。別に亡本が死んでも構わないのだ。統括理事会メンバーが減れば、その分だけ利権が増える。だから亡本は死んでも構わない。いや、むしろ死んだ方がいい。
 その消極性を感じ取った亡本は、だから提案する。
「貸し1、ということでどうだね?」
「……一応伏せてたんだけど」
 そう言って、薬味は亡本に近づいた。
 亡本の生存と死亡。貸し1と増える利権。それらを天秤に乗せれば、わずかに亡本を生かす方に傾く。
「……問題は山積みだな」
「後2つに関してはどうしますか?」
「……超能力者予備集団セブンバックアップが人類絶対悪ビーストを確実に殺せるのならば、その議論は必要がなくなるのだがな」
「無理だろ。あいつらは所詮、超能力者レベル5の成り損ないだ。切り捨てられた枝ですらねぇ」
「……恋査を動かすーかな?」
「それは」
 別に油断していたわけではない。特に第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである6人は、苦罠と親船と貝積と潮岸と亡本と薬味の6人はきちんと警戒していた。
 木原五行の死。胴から首が分離した木原五行。首の落ちた木原五行。けれど、本当に木原五行が死んだのかはまだ判断がつかない。
 影武者だったのかもしれない。偽物だったのかもしれない。幻覚なのかもしれない。ホログラムを使っているかもしれない。他にも、他にも、他にも。様々な可能性が考えられた。
 だから、ちゃんと疑っていた。木原五行はまだ死んでいない――その可能性を、きちんと考慮していた。
 会話を続けながらも、警戒はしていた。
 けれど、しかし、それでも、だ。
 一瞬だった。
 確かに全員が目を離した。
 重傷を負った亡本に視線が注目した。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:01:23.99 ID:XQ3URfZ00
こ・の・瞬・間・確・か・に・、木・原・五・行・を・観・測・し・た・人・間・は・1・人・も・い・な・か・っ・た・。
 
 故に、だった。
 
「んん〜、エキサイティング」
「「「「「「「「ッッッッッ!!!???」」」」」」」」
 木原五行は生き返えった。
 木原五行の生が観測されたから。
 木原五行の死が観測されなくなったから。
「流石の私も初体験だったなぁ。でもっ!理論は証明された。これで妾はまた1つ、近づいたってわけよ」
 それはまさしく悪夢であった。
「あの程度で、」
 最初に呟いたのはやはりというべきか、苦罠だった。
 予感はあった。予想は出来た。人類絶対悪ビースト。世界に対する、人類という種に対する脅威。
 4年前はもっとひどかった。
 あの時に比べたら、今回はまだましだ。
「あの程度で殺したとはもとより思っていなかったが、どんな手品だ?禁忌の木原、木原五行」
「あれ?あれあれ?あれあれあれ?」
 不思議そうに、本当に不思議そうに、まるで理解できない言葉を聞いたかのように、五行は思い切り首を傾げた。
 そして傾げた首をそのままに、統括理事会のメンバー8人を煽る。
「あれれ〜、みなさん、この私が何の研究をしているのか御存じない?」
「木原五行の、研究?」
「――――――まさか」
 最初に気付いたのはやはりというべきか、貝積だった。
 この場にいる統括理事会メンバー8人は、全員が全員大なり小なり木原一族と関わったことがある。しかしそれは結局の所浅い関わりだ。木原一族は学園都市統括理事会でも持て余すほどの闇。内に入れて飼おうとすれば蝕まれ破滅する。外から操ろうとしてもいつの間にか予想外の動きをされて破滅する。
 賢明な人間であれば木原一族とは積極的にかかわらない。利口な人間であれば木原一族を利用しようなどとは思わない。
 距離感が大事なのだ。
「まさか!?」
 踏み込んだ距離感で木原一族と接触しているのは、統括理事会メンバーでもわずかに3人。
 奈落奈波は日本という国を守護する立場であるが故に、科学そのものを体現した木原一族とそれなり以上の関わりを持つ必要があった。
 今この場にいない潔癖症の彼女は、世界の全てを手に入れるための前準備を行うために、木原一族と関わりを持つ必要があった。
 そして貝積継敏は能力開発分野に強い影響力を持つが故に、必然木原一族と関わることも多かった。
「馬鹿な、完成したとでも言うのか!?」
「ふっ、ふーん♪」
 貝積の気付きに連鎖するように、複数人も気づく。
 そして彼らが気付いたことに気付いた五行は、自慢げに、いや実際に自慢するために両手を大きく広げながら語る。
「不逃死痛カルタグラは失敗作だったけどさ。くうううううううううっ、完成したのさ!ついに!」
 自慢げに、
「長かった……、本当に長かった……。何度も挫けそうになった。時に心が折れそうになった。しかし!努力は実るのだ!それを信じてあたしは頑張った」
 誇るように、
「不死の研究、……この研究を完成させるために10年以上もかかってしまったのだよ。俺としたことが、時間を掛けすぎだ。全く、自分の無能ぶりが嫌になるね」
 笑いながら、
「でも完成した。だが創り上げた。完全なる不死。人類の夢の1つ。あひ、ふひゃ、ぎへへへへへ!!!!!」
 禁忌と呼ばれた木原は、
「本当にさぁ、頑張ったってわけよ。、色々色々研究して創り上げて。『イヴの心臓』も、『電脳生命体α』も『天への階段』も、『ドゥームズデイ』も、『キヤマー・ザナドゥ』も!ステップを重ねて、少しずる進み、…………僕は、至った」
 全能であるはずの少女は、
「これが、完成品」
 掲げる。
「これが、木原五行の集大成」
 右手を上げる。
「これがっ、人類が求めてやまなかった、夢」
 示すように、
「これこそがっ!完全なる不死を齎すっ、神域すら超えた逸品!!!!!」
 天に反逆するかのうように、
「王の遺産レガリアが一つッ、『彼岸の妙薬』トキジクノカク!」
 言った。
「『彼岸の妙薬』……」
「……トキジクノカク、ね」
 信じられない言葉を聞いたかのように、潮岸と薬味が呟いた。
 古代より完全なる不死というのは人が求めていた夢だ。それを求めた人間は数多く存在し、それをテーマにした物語も数多くある。
 始皇帝は不死を求めて水銀を飲んだ。
 かぐや姫は帝に不死の薬を渡した。
 他にも他にも他にも、その手の話は多々ある。
「確か、トキジクノカクは田道間守が常世国で手に入れた木の実だったね。食べれば不老不死となれるというトキジクノカクを求めて垂仁天皇は田道間守を常世国に遣わせたが、田道間守が垂仁天皇のもとに帰還した時には既に垂仁天皇は崩御していた。あれはそんな話だったか」
 亡本がトキジクノカクについて語る。トキジクノカクは古事記に記載されている話の中に出て来る木の実だ。科学で満ちた街で神話を語るのは滑稽でもあるが、学園都市の食糧事情の一切を管理している亡本は常に自身の食するモノについても気を使っている。その過程で、神話の食べ物の話の知識も得ている。
 そもそもネクターの元ネタだってギリシャ神話に登場する神々の飲み物、ネクタルなのだから。
「だから死ななかったとでも言うのかよ。それを飲んだから、死ななかったって?」
 這い蹲った姿勢から立ち上がったアランが五行を睨みつけながら言う。アランは4年前の人類絶対悪ビーストとの戦いを知らないが、人類絶対悪ビーストの異常さはもう十分わかっていた。
 木原五行はヤバい。
 ヤバすぎる。
 何よりヤバいのは五行のここまでの行動は、そのほとんど全てがダミーであろうということだ。
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 16:01:47.23 ID:/yyS6Q2lo
NG推奨
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:01:52.75 ID:XQ3URfZ00
「くひ」
 こたえる様に、五行が話す。
「皆はシュレディンガーの猫を知っているかな?」
「当然知っていーるさ。学園都市の超能力開発の基礎中の基礎ーだ」
「シュレディンガー氏曰く、箱の中の猫の状態が観測するまで決まっていないなんてありえないらしい。トキジクノカクを飲んだ人間は箱の中の猫になるんだって」
「…………どういうことだ?」
「個々のクオリアは個々によって違う。物体が存在するということは個人がその物体を認識しているということだ。例えば人物Aが金庫の中に金塊を入れて扉を閉めた。この瞬間人物Aに金塊を観測することは不可能になった。観測が不可能になったということは存在が確認できないということ。つまり金庫の中に金塊が存在するかどうかはその時点で不確かになったのだよ。不確か、つまりは金庫の中に金塊が存在しているのかしていないのかは分からなくなった。量子論で言う所の重ね合わせの状態っすね。金庫の中に金塊が『在る』状態と金庫の中に金塊が『無い』状態が同時に存在しているって話だっけ。コペンハーゲン解釈。エヴェレットの多世界解釈。量子論には様々な考え方があるけど、重ね合わせっていうのはやっぱ基礎だよね。そして私の出した結論はそれに観測者効果を加えた感じかなー。やっぱ見られているっていうのが量子論に与える影響は大きいんだよ。まぁ何が言いたいかっていうと、観測されなければそこには何もないって話。物体があるかないかっていうのは結局の所個人の主観の問題なのさ。意識を構成しているのが客観じゃなくて主観なんだから当然なんだろうけど、物体αがそこに在るっていうのを人物Aが確認したとしても人物Bがそれを確認できなかったとしたらそこに物体αがあるのかどうかは発言をきくだけの人物Cからしたら不確かになるだろう?僕の造った王の遺産レガリア、『彼岸の妙薬』トキジクノカクはそれを利用しているんだ。僕の存在を世界という名の、宇宙という名の客観――俺はこれを『絶対神の視点YHVH』と呼んでいるわけだが、その客観から外す。そもそも人間という生命体は個人でその存在を維持するのは無理なんだ。誰しもが必ず、そこにいるためには自分以外の要素が必要になる。その最たるものが『絶対神の視点YHVH』だけど、もう一回いうけど童のトキジクノカクはその視点を外す。脱出するっていってもいいかな。『絶対神の視点YHVH』から脱出して、自己の存在証明理論をもっと小さい主観の中に置く。要するに自己の存在証明理論を他人の意識の中に置くわけよ。ただこれが絶妙に難しくてね。他人がそこにいる、他人の意識がそこに在るっていうのを確認するためにどう考えても自己の存在が必要だ。だけど自己の存在を他人の証明に使えば自己の存在が第一前提条件として確立されてしまう。それは違う訳よ。結局の所それじゃ『絶対神の視点YHVH』からは脱出できていない。他人の意識に自己の存在証明理論を置くためには自己の存在が第一前提条件になるっていう矛盾。これを解決するために4年もかかったってわけ。まぁ別にね?不老不死を実現させるためだけなら方法なんていくらでもあるんだよ?もうなくなったけど、人形村とかまさにその極致だったし。後はあれ、700年くらい前にはアンブロシアとかもあてらしいじゃん?でもやっぱりそれは完全な不死じゃ、ない。不死性が高くなるってだけ。それに死にたいときに[ピーーー]ないとか自由度低すぎ。だからこそ、私はトキジクノカクを造った。他者の主観の中に自己の存在証明理論を置くことで完全なる不老不死を実現する、トキジクノカクを」



『彼岸の妙薬』トキジクノカク。効果のほどがわかりにくいと思いますが、不老不死の薬だってことを理解していれば問題ありません。

今月中にもう一回は更新します。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:02:32.87 ID:XQ3URfZ00
https://syosetu.org/novel/56774/172.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

172 / 178
本作の中で一番闇の深いキャラクターが木原五行になります。


白白白と木原五行@ 敵側にいる理解者

 学園都市第一学区風紀委員本部セントラルジャッジメント第六十階『天秤の間』にて風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長の座に座る白白白は誰にともなく語る。
「僕は君が羨ましい」
 『天秤の間』には白1人しか存在していない。だから白の話を聞く人間は誰も居ない。滞空回線アンダーラインすらも入ることの出来ない風紀委員本部セントラルジャッジメント内部を盗聴することなど不可能だし、あらゆる意味で隔絶している『天秤の間』内部を観測することなど不可能だ。
 が、
「君は自由だ。君は何にも縛られない風のような存在だ。君に制限はないし、君は『枠』に捕らわれない。……僕はそれが、たまらなく羨ましいよ」
 例外はある。
 そも、何にだって例外は存在するモノだ。
 僕自身が限りなく例外な存在だから、それは分かってる。
「醜いなぁ。やだやだ、それって嫉妬?我が同類?」
 王の遺産レガリアが1つ、『彼岸の妙薬』トキジクノカクを服用した五行はその存在が不確かだ。どこにでもいるし、どこにもいない。観測されなければ存在は固定化されず、しかし観測されない状態では本当にどこにでも存在できる。
 それは外部とは隔絶した空間。絶対のセキュリティを誇る夢の中。人間では辿り着くことの出来ない別位相。誰かの夢の中に、人の意識の中。
 あるいは『天秤の間』にさえも、五行は現れることが出来る。
 観測さえされなければ、だが。
「何しに来た、五行?」
「挨拶にね、白」
 親し気に、まるで親友のように近しい声で、2人は名前を呼び合った。
 2人の過去は、2人の関係は、その距離感を許す。
「それとも人間操者パペットマスターって呼んだ方がいいかい?」
「全能存在パントクラトール……、昔を思い出すな……。あの頃は、良かった。……『箱庭』には不自由な自由があった。僕らは、集められた13人の天才達は、あの『箱庭』でだけは普通になれた」
「それはただの八つ当たりかよ?それとも感傷か?」
「さて、どうかな。それにしてもふざけた引用だね。わざわざ言い直すところが特に。……F/sのHFか。あれ、僕は大嫌いだよ」
「そうやって何でもかんでもはぐらかすの、細かいところまで気にするの、あなたの悪い癖よ。ちなみにこれは林の主人公の口癖だよ。分かった?」
「…………イライラするな。いったいいつの間に他人の言葉を引用しなきゃ話せない人形になった?五行」
「いひひ、そう怒らないでよ。冗談だってばよ」
「君は忍者じゃなくて科学者だろう?」
「あひゃひゃ、きっびしいなぁ、ほんとうに」
 『箱庭』。
 『箱庭』というのはあくまで略称であって正確な名前は別にあるが、10年前から6年前までの約5年間、五行と白の2人を含めた13人のモンスターチャイルドはそこで暮らしていた。『アガルタの惨劇』と呼ばれる事件によって『箱庭』の全てが崩壊するまで、彼ら彼女らは『箱庭』で暮らしていた。
 彼ら。
 彼女ら。
「やっぱり懐かしいんだ?忘れられないんだ?懐古厨の思い出補正だねぇ。どうせ何もかも嘘なのに」
「……対等な繋がりなんて、僕らのような天才には貴重過ぎるモノだよ。だからこそ『箱庭』は奇蹟で、『アガルタの惨劇』のことは後悔してもしきれない。いくら刺激が欲しかったとはいえね」
「あれ?アレイスター相手じゃ足りないんすか?」
「別にそうはいってないさ。……アレイスターは僕らと同じ格だ。油断なんてできるはずがないだろう?同じ理外人外なんだから」
「でも全然満足しちゃいない」
「………………………」
「郭夜のこと、まだ好き?」
「好きだよ?君のこともね」
 『アガルタの惨劇』を生き残ったモンスターチャイルドは5人。彼ら彼女世らは今、造られた子供たちプログラムチルドレンと呼ばれている。
 人類絶対悪ビースト位階総序列第3位、禁忌の木原、全能存在パントクラトール、木原五行。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長、学園都市の支配者の1人、人間操者パペットマスター、白白白。
 死縁鬼苦罠勢力参謀、完全予測者ジ・エンド、欠陥製品スクラップドール、天埜郭夜。
 人類絶対悪ビースト位階総序列第16位『神時代へ逆行する古代人』リーダー、神の代行人エクスキューショナー、狂信者、GE13ジーイーサーティーン。
 人の形をした災害、学園都市最悪の災厄、無存在シークレット、千疋十目。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:03:18.11 ID:XQ3URfZ00
「大好きだよ。輝夜姫のことは特に、……水面に映る月に手を伸ばして、それを掬って羨んだ。星の輝きに眼を眩ませながら、夜空にむって手を伸ばした。灼かれると分かっていながらも、太陽を直視した」
「アンタも辛いな。見たくもないモノがみえちゃって」
「子供のころからそうだからね。今はもう、……慣れればよかったんだけど。それに辛いのは君もだろう?いったいどれだけひっくり返した?」
「そういえば聞いてなかったっけ?どんな気分よ、感情が視えるってのは?さてさて、どんくらいだったかな。少なくとも虐殺の滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスを無かったことにするために1回はひっくり返したけどさ」
「視えるっていうよりは理解出来る分かるって感じかな。表情、行動、生き様、過去、生体反射、癖。そういうモノから僕は嫌でも感情を読み取れる。見たくなくても視えるんだ。眼を閉じても耳で分かる。耳を塞いでも鼻で分かる。鼻をつまんでも肌で分かる。肌を覆っても気配で分かる。だからどうしようもないんだよ。両目を包帯で巻けば防げるくらい単純な力だったよかったのに」
「月のお姫様かい?」
 木原五行の才能がその科学力であるように、白白白の才能は感情の読み取りにある。
 白白白は人の感情が分かる。それが、白が生来より持っていた特別。
 どれだけ深く隠しても、どれだけ強く偽っても、どれだけ無感情を装っても、白を前にすればその感情が暴かれる。子供のころからそうだった。だから捨てられた。勝手に感情を読み取ってしまう白のことを、そこから隠したすべてを暴く白のことを、誰しもが嫌った。
 だから『箱庭』は白にとって天国だった。だから『箱庭』にいた12人のモンスターチャイルドが白は好きだった。特に、郭夜のことが好きだった。
「じゃあ私の心も読み取ってよ!そして満たして……、俺のことを」
「………………………………………」
 両手を広げて、五行は白に後ろから抱き着いた。
 嘘ばかりの人生だ。
 嘘をつくばかりの人生だ。
 五行や白やアレイスターのような上の立場の人間は、策を練り裏をかき人を陥れ目的を達するためには手段を選ばないような人間は、必然真の意味での信頼関係など結べない。それは手の届かないモノだと、どこかで諦める。
 だから白はアレイスターのことも羨む。
 アレイスターには理解者がいる。木原脳幹や冥土帰しヘヴンキャンセラーは彼の友だ。
 白にはそういう人はいない。いるのは敵と、敵と、敵だけだ。
 十五夜は味方であって理解者ではない。
 理解者はいつも敵側にいる。
「五行。僕は君が嫌いだ」
 諦めたように、呟く。
「テメェに好きなヤツっていんのかよ?」
 抱きしめたまま、耳元で囁く。
「君が嫌いだ。君は自由だ。君は何にも縛られない風のような存在だ。君に制限はないし、君は『枠』に捕らわれない。……僕はそれが、たまらなく羨ましいよ」
「相変わらず、くだらない視点すね」
「くだらないかな?」
「いったいいつまでそんなものに拘ってるんだい?『枠』とか世界物語キャラクターストーリー理論とか七連物語セブンスストーリーズとか、そんなの結局、アンタの見方1つじゃない。制限してるのはお前で、勝手に区切ってるのはテメェだ。緊急装置ベイルアウトで風紀委員本部セントラルジャッジメントメンバーを縛ってるあなた様が勝手に縛られてちゃわけないわけ」
「ふっ、……全くその通りだよ。だから僕はダメなんだ。僕が一番■■からの」
「最・秘・匿・事・項・じ・ゃ・ん・」
「まだ、機密情報アクセスレベルが足りないか。もう少し■■に」
「それもまた最秘匿事項、機密情報アクセスレベル0の情報みたいだっちゃ」
「青き鎖でも騙り切れないか。なら言い直そう。抽象表現なら問題ないだろ?もう少し、彼らバックアップしてもらわなければな」
「赤と青と黄金が解かれたら次は何だったけ?」
「第二段階はテストだよ。80/100で第三段階に突入するのさ」
 睦言のように語り合う。後ろから抱きしめて来る五行の顔を白は頭を後ろに反らしてみた。見つめ合う。言葉はいらない。必要ない。白と五行は各々が各々の理解者だ。何も言わなくたって分かる。白は五行の感情を読み取って、五行は白の行動からその思惑を読み取って。
「寂しかったんだろ?」
 一瞬、五行は黙った。
「隱ュ繧薙□から分かるよ。同窓会、本当に開きたいんだろう?見なくても分かる。君の立場は、僕も分かってるから」
「……………………………うち、めっちゃ頑張っとるんやで」
「知ってる」
「確かに私は全能だけど、全能者は全能であるが故に全能者ではない。そんな簡単なことも分からない奴らがさ、たくさんいるの」
「知ってる」
「全能の逆説オムニポテントパラドックスを解消することは出来るけど、本質的全能者になるには私の存在は軽すぎるんだよ」
「知ってる」
「顔も多くなりすぎたのよ」
「知ってる」
「この間、最後の人類悪の参謀になったよ」
「知ってる」
「成りたくもないのに地球環境保護団体ελπιςの一員になってるんです」
「知ってる」
「いつの間にか人類絶対悪ビースト位階総序列第3位になってたんだ」
「知ってる」
「生まれは悪名高い木原だし」
「知ってる」
「しかも木原と木原を掛け合わせた木原だし」
「知ってる」
「何の因果か私には木原の才能がなかったしさ」
「知ってる」
「科学力はあったけど、科学力じゃなかったし」
「知ってる」
「王も私なんだよ」
「知ってる」
「才能なんていらなかった」
「知ってる」
「立場なんてほしくなかった」
「知ってる」
「理解者が欲しかった」
「知ってる」
「……………ねぇ、白」
「何だ?」
「寂しいよ」
「知ってるよ」
 敵だった。
 嫌いだった。
 同格だった。
 だけど、仲間だった。
「同窓会ね。僕や郭夜はともかく13ともう1人は会いたがらないだろうな。僕が連絡して郭夜と会わせようか?郭夜は君に興味をもってないだろうけど、僕が言えば話くらいは出来ると思うよ?」
「……………やめとこう、そんな程度のことで、あなたに負担をかけたくなし。寂しいけど、ね。うん、もうだいぶ回復できたよ」
 抱きしめていた両腕を離して、五行は白と距離をとった。椅子に座ったままの白と、その二歩後ろに立った五行。見つめ合っていた2人の視線はもう交わっていない。たった2歩で詰められる距離が、永遠に近い。
 反らしていた首を元に戻して、白はまっすぐ前を見た。
 そこには何もない。
 そこには、何もないように見える。
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:04:01.25 ID:XQ3URfZ00
「ねぇ、白」
「何だ?」
「……………………好きだよ。世界で一番キミを××してる」
 悲しそうに、五行は言った。
「あぁ、俺も好きだよ」
 だからこそ、その答えは何よりも空虚だった。
「知ってる」
 知っていた。
 五行は知っていた。
 それが白の限りなく優しい、
(だけど『私を』じゃなくて『人を』でしょ)
 真実の虚言であると。
「ばいばい白。次に会う時は、今度こそ敵同士だ」
「本質的な繋がりは、そう簡単に切れるモノじゃないさ、五行」
「……………大嘘憑き」
 それだけ言って、因縁の2人の距離は無限に開いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「で、だ」
 1度、話が途切れたことを確認して、僕は五行に質問する。
「侵蝕率は?」
「赤が8割、青が7割、黄金が7割くらいかな。もうちょっとすればいけるんじゃないの?」
「計画エフギウムは?」
「あっちは私達のことを認識してるし、その意味じゃ第一段階の『道』を作ることは終了したって感じ?影響を与えることも出来てるし、悪くなんじゃないの?」
「順調か」
「リスクは常にあるけどな。ある意味でのルール違反は、常におかしてわけだしな」
「それくらいは許容範囲内だ。万が一が起これば、……はっ、それは痛み分けだろ?」
「死ぬのは怖くない。怖いのは、誇りを失ったまま生き続けることだ、ってわけね。まっ、こっちは任せといてよ。学園都市の中の、第一学区の中の、風紀委員本部セントラルジャッジメントの中の、第六十階『天秤の間』から出られないあなたの代わりに、私が世界を飛び回っておくから」
「あぁ、信頼してるよ。僕の、……いや、あえて言い直すか。今旬だろうしな」
 戯れにもいいだろうし、な。
 軽いテストにもなるし。別枠だけど。
「さあ、戦って五行。僕の、親友……。僕の、英雄……。なんてな」
 僕の台詞に、五行は笑って答えて、それで消えた。



読者に対して出せる情報と出せない情報が存在するので、情報を制限しながら書いたこの話はすごく時間がかかりました。

さて問題。
今話の中に11のパロネタ、セリフのオマージュがある。
君達はいくつ分かったかな?

次の更新は2月中旬までには。
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:04:37.75 ID:XQ3URfZ00
https://syosetu.org/novel/56774/111.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

111 / 178
まず次回予告があり、次にあとがきがあり、最後にまた予告があります。

当然、とある闇の中の超能力者をすべて読んでいることが前提の内容ですのでネタバレ満載です。

それでもいい方はどうぞ。


あとがき&次回予告


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 8月21日夜、学園都市超能力者レベルファイブ序列第三位、電撃使いエレクトロマスターの超能力者レベルファイブ、超電磁砲レールガンの御坂美琴は表舞台から姿を消した。
「お姉様……」
 姿を消した御坂美琴を必死に探す白井黒子。そんな白井に協力する初春飾利、佐天涙子、そして上条当麻達。あらゆる伝手を使い、人に協力を求め、情報を探しても御坂美琴の姿は一向に見えない。
「……………みさか……………みこと?」 
 そんな白井達の前に現れた幼女。幼女の名はフェブリ。フェブリはなぜか、御坂美琴の名前を知っていた。
「試運転としては十分な成果だ」
 蠢く悪。
「ムカついたぜ。この俺が実験台扱いとはなァ!!!」
 圧倒的な力を見せつける超能力者レベルファイブ。
「……肯定。[ピーーー]なら、やはり御坂美琴です」
 暗躍する超能力者予備集団セブンバックアップ。
 
 そして、
 
「あれ?黒子じゃない。どうしたの、こんなところで?」
 
 白井黒子は『御坂美琴』と再会する。
 
 求めたものはかつての平穏。変わり果てた少女を前に、少女は『闇』を知る。
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:05:31.59 ID:XQ3URfZ00
 第一部 第二章 革命未明サイレントパーティー 開幕
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 あとがき
 
 
 
 まず、第一にお礼を申し上げます。
 
 ここまで私の作品『とある闇の中の超能力者』を読んでいただきありがとうございました。
 いやぁ、この作品を始めたのは2015年07月14日(火) 18:39なので実に1年以上も一章を書いてきたわけです。一章だけを書いてきたわけです。
 …………ではここで作品の内容を振り返ってみましょう。
 話数 111話。
 合計文字数 562569文字。
 平均文字数 5114文字。
 UA 57781。
 お気に入り 157件。
 感想 104件。
 総合評価 266pt。
 平均評価 6.41。
 調整平均 6.60。
 
 うん!長い!長すぎる!
 なにこれ?第一章のみで50万字越えとか馬鹿なの?死ぬの?
 
 ……冗談は置いておいていや本当に最後まで読んでくれた人には感謝しかありません。特に感想をくれた方や評価をしていただいた方。例え酷評でも低評価でも作者の励みになっています。
 
 この場を借りて、もう一度だけお礼を述べさせていただきます。
 
 本当に、本当にありがとうございました!!!!!
 
 では作品内容にでも触れてみましょう。
 
 この作品を私が書いたきっかけなんですが、私は昔『とにかく御坂美琴の闇堕ち作品が読みたい』と思っていたころがありました。
 ところがネットの海を探しても御坂美琴闇堕ち作品はそんなにありませんでした。ヤンデレールガン系は除きます。あれは面白いですが闇堕ちでは無い。
 探して探して見つけた作品も短かったり消化不良だったり完結してなかったりで結局満足できた作品は2chのとある作品とハーメルンのとある作品だけでした。
 ならしょがない。もう自分で書いちゃおう!と思ってこの作品の設定を練り始めました。
 一行プロット組んでSプロット組んで設定を考え、原作を何度も読み、オリジナルキャラクターの思惑を考え、そうしてすべての材料がそろったと判断して書き始めました。
 目的がとにかく御坂美琴を闇に落とすことだったので、もっとも御坂美琴が鬱な状態である樹形図の設計者ツリーダイアグラム破壊の一件からの分岐にしました。
 そこからMNWと融合した御坂を書いたり、一方通行の魔神化を書いたり、ミサカ19090号の動きを書いたり。 
 いや、本当に一章完結できるまでが長かったですね。
 私ももちろん頑張りましたが、いつ終わるかわからなかった読者様のストレスはそうとうのものだったのではないでしょうか。ごめんなさい。
 今回の一章の反省点としては、やはり長さですね。絶対能力進化実験レべルシックスシフト編完結だけでここまで長い作品は禁書二次史上初でしょう。
 少なくとも私は初めて見ました。
 今後はもっと簡潔に、少ない文章量にしたいですね。……………無理かなぁ。
 ちなみに私は作者ですが異常なほどの設定厨であり中二病患者です。
 この作品、本文は500000字以上ありますが、設定集だけでも150000万字あります。
 つまり、それぐらい設定が多いのです。本編中に入れたかった武器とか兵器とか詠唱とかあるのに全然使えなかったからこの後の章で使いたいですね。

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:06:05.99 ID:XQ3URfZ00
一章にはテーマが特にありません。私の位置づけでは一章はチュートリアルなので、勢力とか世界観の説明とかオリジナルキャラクターとかのキャラ付けに一章を丸々使った感じです。
 
 さて、二章はまたまた暗い展開が続きます。鬱展開です、たぶん。
 
 よかったら二章も続けて読んでくれると嬉しいです。
 
 それでは、今回はこの辺りでページを閉じていただいて、
 次回もページをめくっていただける事を祈りつつ、
 本日は、ここで筆を置かせていただきます。
 
 ……さて、二章に取り掛からなければ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「まずは、その理想を打ち砕く!!」
 上里翔流。
 超能力者でも魔術師でもなく、原石でもなければ魔神でもない、そしてオッレルスのような魔神の成り損ないでも、幻想殺しのような特別な力もたない真の意味で平凡な高校生。
 特別な力もなく、特殊な立場もなく、特異な家系もなく、優れた頭脳も、莫大な財力も、絶対の暴力も持たないごく平凡などこにでもいる高校生。
 そんな上里翔流はとある夜、お菓子を買うためにコンビニに向かっているところで一人の全裸パーカー少女と出会った。
「私は世界を救わなくちゃならないの」
 どこにでもいる平凡な高校生『上里翔流』と世界の救済を願う少女『緋異巛新撰ひいかわしんせん』。
 二人が出会い、物語が始まる。
 
 これは学園都市の『外』で起こる神域の物語。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:06:44.71 ID:XQ3URfZ00
【   えっ?
    これだけじゃ味気ないって?
 
  何々?
              ただでさえ展開の遅いこの物語は完結できるのかって?
 
 
     僕もそれは気になっていたところだ。
  なんせ、この作者は莫大で膨大な設定を作ったくせに物語の展開が遅すぎる。
                       
               たぶん
 このままじゃ5年たっても終わらない。
 
           だから、まぁ、そうだな。
                        可能性の一部を、確定している未来を、僕がお前らに見せてあげよう。
 
 
 
 
 
                         感謝 し ろ よ 
 
 
 
 
 
 
                          読 者 共
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 《前略》
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:07:23.34 ID:XQ3URfZ00
 だが、
「やれやれ。いたいけな少女を多人数で滅多打ちにするなんて、君達私にどれだけ嫉妬してるのさ」
 世界有数の超強大な多組織連合による一方的な攻撃を受けてもなお『嫉妬』はまだ死んでいなかった。
 とはいえ、
「翔流。このままいけば」
「あぁっ!このまま遠距離から一方的に攻撃すれば倒せるはずだ」
 効いていないわけではない。そう上里は判断した。そしてそれは隣で上里はサポートし続ける金火も同じらしい。
 そう、立ちすくむ『嫉妬』は明らかな傷を負っていた。
 あの時とは違って、多くの人間が犠牲になった『七罪の咎人一斉討伐作戦』の時とは違って、幻覚でもなんでもなく確かな傷を負っていた。
「全員攻撃を切らさないで!!!このままいけば勝てる!!!!!」
 金火が全軍を鼓舞する。ともすれば今すぐにでも逃げ出しそうな恐怖の中でそれでも戦えるのは、みんながいるからだった。 
 独りでは、一人ではきっと無理だった。
「新たな天地を望むか?」
 だから、上里も戦える。戦う。この世界を守るために、世界を絶望で終わらせないために。
 なのに、
「嫉妬する。私は嫉妬する。嫉妬して嫉妬して嫉妬する。妬ましい!羨ましい!君たちの結束に嫉妬する。君達の能力に嫉妬する。君たちの信頼に嫉妬する」
 不気味な言葉を『嫉妬』が呟いて、
 そして、
「羨望嫉妬ギルティクラウン」
 
 
 
 
 
 
 《中略》
 
 
 
 
 
 
「一つ勘違いを正しておくよ」
 『嫉妬』は言い放つ。すべての人間を絶望の底に落としつくす、真実ことばを。
「私の――――――『嫉妬』の能力は、すべてを掻き消すことじゃないのさ」
 その言葉に、全軍全ての動きが止まった。耳が聞き届けたその言葉は、つまり上里達が知力の限りをつくして立案した作戦の全てが無に帰すことを示していた。
「憤怒」
 最初の一歩で今まで与えた傷が消えた。
「色欲」
 次の二歩目で仲間割れが始まった。
「怠惰」
 続く三歩目で多くの人が倒れた。
「強欲」
 さらに四歩目で立場を失った。
「傲慢」
 この五歩目ですべての干渉が無意味と果てた。
「暴食」
 終わりの六歩目は上里以外の存在を喰った。
「これが『嫉妬』だよ」
 最期の七歩目で『嫉妬』が目の前に来ても上里は動けなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 《中略》
 
 
 
 
 
 
「あっ、がッッッ!!!」
「まだ生きているのか?その生き汚さに嫉妬する」
 『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の生き汚さが、生への欲求が消えた。
「……ふ、ざ―――――――けっ」
「その怒りに嫉妬する」
 『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の怒りが消えた。
「っ、ァっ!ぁぁぁあぁあああああああああああああああ!!!!!」
「その憎しみに嫉妬する」
 『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の『嫉妬』への憎しみが消えた。
「――――――ぅ。ぅぅぅうううううううううう………………………………」
「その悲しみに嫉妬する」
 『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の悲しみが消えた。
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:07:58.33 ID:XQ3URfZ00
「……………………………………………」
「その無感情さに嫉妬する」
 『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の無感情な部分が消えた。
「――――――――――――――――――――あっ、ぁあああああ!!!!!しっ、しッ!しっとォ……『嫉妬』おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「その後悔に嫉妬する」
 『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の後悔が消えた。
 
 
 
 
 「嫉妬する」                  「嫉妬する」                     「嫉妬する」                「嫉妬する」              「嫉妬する」       「嫉妬する」     「嫉妬する」         「嫉妬する」           「嫉妬する」      「嫉妬する」      「嫉妬する」                      「嫉妬する」                          「嫉妬する」               「嫉妬する」                   「嫉妬する」                       「嫉妬する」                「嫉妬する」    「嫉妬する」      「嫉妬する」              「嫉妬する」        「嫉妬する」                                                      「嫉妬する」                    「嫉妬する」               「嫉妬する」             「嫉妬する」        「嫉妬する」        「嫉妬する」  「嫉妬する」              「嫉妬する」  「嫉妬する」                  「嫉妬する」                     「嫉妬する」                「嫉妬する」              「嫉妬する」       「嫉妬する」     「嫉妬する」         「嫉妬する」           「嫉妬する」      「嫉妬する」      「嫉妬する」                      「嫉妬する」                          「嫉妬する」               「嫉妬する」                   「嫉妬する」                       「嫉妬する」                「嫉妬する」    「嫉妬する」      「嫉妬する」              「嫉妬する」        「嫉妬する」                                                      「嫉妬する」                    「嫉妬する」               「嫉妬する」             「嫉妬する」        「嫉妬する」        「嫉妬する」  「嫉妬する」              「嫉妬する」               「嫉妬する」                   「嫉妬する」                       「嫉妬する」                「嫉妬する」    「嫉妬する」      「嫉妬する」              「嫉妬する」        「嫉妬する」                                                      「嫉妬する」                    「嫉妬する」               「嫉妬する」             「嫉妬する」        「嫉妬する」        「嫉妬する」  「嫉妬する」              「嫉妬する」  「嫉妬する」                  「嫉妬する」                     「嫉妬する」                「嫉妬する」              「嫉妬する」       「嫉妬する」     「嫉妬する」         「嫉妬する」           「嫉妬する」      「嫉妬する」      「嫉妬する」                      「嫉妬する」                          「嫉妬する」               「嫉妬する」                   「嫉妬する」                       「嫉妬する」                「嫉妬する」    「嫉妬する」      「嫉妬する」              「嫉妬する」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
                   「嫉妬する」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:08:38.21 ID:XQ3URfZ00
   くくっ。まぁ、こんなところでどうだ。
 
  心配するなよ。これはあくまで未来における可能性の一つ。
                              作者が気まぐれを起こせば、変わる可能性だってあるさ。
 
 
        とはいえ、まぁ。
 
 
 このままいけば、未来は変わらないだろうが、
 
 
                                な
 
 
 
 
 [ピーーー]よ

読者共
 

109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:09:44.23 ID:XQ3URfZ00
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

175 / 178
ついにエタったか……と思いました?

私は思った。危ない所だった。


空白の主と大悪魔@ 原初の0.5

 初まりの領域において『空白の主』が根本的な敗北をすることはあり得ない。初まりの領域は原初の世界であり、全ての基礎である場所だ。そして『空白の主』は初まりの領域の住人。全てが繋がっている初まりの領域の住人である『空白の主』を[ピーーー]ということは、つまり全時間軸に存在する全人類を全滅させるということに他ならない。
 故に、『空白の主』を殺したいのであれば全時間軸に存在する全人類を全滅を許容するするしかない。それを否定したいのであれば、絶対に不可能であるが初まりの領域から『空白の主』を引き離すしかない。全時間軸の全人類の生存は逆説的かつ無条件に『空白の主』の生存を証明し、しかしながら『空白の主』の生存は人類の生存を証明しない。理不尽な相互依存関係がそこにはあるのだ。
 
「から、からから、からからから!」
 
 ただ、もちろんの事、単純な実力のみで考えれば現イギリス清教最大主教アークビショップである大悪魔コロンゾンは『空白の主』に勝まさる。アレイスター=クロウリーの原型制御アーキタイプコントローラーによって区分けされた時代アイオーン。イシス、オシリス、そしてホルスの時代アイオーンすらも超越した、さらに先の世界に存在する存在。
 全力の魔神複数柱からすらも逃れることの出来る、別位相ですらない『新たな天地』という新世界から地力で脱出可能な力を持つ存在。
 大悪魔コロンゾン。
 拡散の本質を持つ、真なる邪悪。
 神話上の存在でありながらあくまでも人間でしかない『空白の主』では決して勝てない敵。
 にも拘らず。
 
「可哀想。可哀想。七ん十可哀想七奴だ。大悪魔五六ンゾン」
 
 這い蹲っていたのは、膝をついたのは、汗を流しているのははローラ=スチュアートだった。
 
「ぎ、ぐ」
 
 その様を、
 かの黄金夜明S∴M∴の創設者の1人であるサミュエル=リデル=マグレガー=メイザースが目にすれば、驚愕のあまり心臓を停止させたかもしれない。
 その様を、
 近代西洋魔術という形式を作り上げた学園都市の王であるアレイスター=クロウリーが目にすれば、幻と断じたかもしれない。
 だって、想像できるか?
 あの大悪魔が、あの大悪魔コロンゾンが、
 アレイスターですら制御できなかった、メイザースをも出し抜いたあの大悪魔コロンゾンが、
 たかが『空白の主』程度に敗北しているなど。
 
「人類七ん十見捨十十四まえば、私七ん十、五の『空白の主』程度、楽二殺せるの二」
 
 言うまでもなく、そして何度でも繰り返すが。
 大悪魔コロンゾン最大主教ローラ=スチュアートの実力は『空白の主』を上回っている。確かにこの初まりの領域は『空白の主』の庭だ。だが、だから何だ?その程度の有利ではかの大悪魔との差は埋められない。
 だから、当然別の要素があった。ありていに言えば、大悪魔コロンゾン最大主教ローラ=スチュアートは非常にらしくないことをしていた。自然分解、拡散の性質、本質的な邪悪。
 それが大悪魔コロンゾンだというのに。
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:11:42.84 ID:XQ3URfZ00
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ

 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。








こんな感じでオリキャラたちがメタ視点で読者を煽りながら禁書キャラや鎌池作品を蹂躙していくだろう話を応援してくれ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 19:04:16.44 ID:ga/2O4GbO
とんだ茶番だな
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 03:08:05.85 ID:6u9dTz//0
>>94
つーかSSそのものよりもその手のSSに群がって来る信者が気持ち悪くて仕方ない
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/15(火) 14:51:41.82 ID:kGUnaKhE0
上条さんの誕生日って公式で明かされてたっけ?
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:36:43.81 ID:2+4dxV5n0
「は、ははは、はっ、くっッ!」
 
 だが笑う。
 無様な様を晒しているのは大悪魔コロンゾンの方だというのに、それでも笑う。
 人間ではない人外はそもそも視点が違う。
 最初から全てを超越している存在は絶対的にスケールが違う。
 それを、表しているかのように。
 
「この霊媒アバターでは、これが限界なりけるかしらね」
 
 局地的な勝利が全体的な勝利につながるとは限らない。スポーツの団体戦において1勝が全体の勝ちを意味しないように、ここでの敗けは許容できるものでしかない。けれど、そんなことを知らない『空白の主』にとってこの勝利は違和感にしかならなかった。
 論ずるまでもなく勝てるはずがない。できるのは時間稼ぎで、それさえもできるかは分からない。
 
(アルフは何を四十一るのか七……。五の化物を相手二出来るの八、同じ化物の君四か一七一の二)
 
 アルフ。
 『空白の主』の友人であり同類。
 秘匿された真名はbyucgjビュックグジュール・dqsディクェス・finprovzフィンプロブズ・mekhatwxメカトゥウィークス。
 ともすれば、魔術側の最高戦力である魔神すらも凌駕するかもしれない存在。
 来てくれれば、心強い。
 
「からからから。……なぜ、殺三七一?……大悪魔五六ンゾン。ま三か、人類を守っ十一るわけでも七一だろうに」
「……いひ、我は悪魔、大悪魔コロンゾンなりけるのよ」
 
 正直なところを言えば、圧されているのはこちらの方だ、と『空白の主』は思っていた。コロンゾンの思惑が一切分からない。敗北した?負けた?まさか!そんなわけがない。コロンゾンの強さを『空白の主』は十二分に知っている。た・っ・た・2・週・間・前・に・手・に・入・れ・た・ば・か・り・の・情・報・に・よ・っ・て・コ・ロ・ン・ゾ・ン・の・強・さ・は・更・に・補・強・さ・れ・た・の・だ・。
 例え血に伏せ地に臥せた状態とはいえそれでもコロンゾンの強さは何も変わらないのだ。
 生命の樹セフィロトの隠されし一線、深淵アビスを守る大悪魔。
 この世界■■における、頂点の一角。
 
「メイザースとの契約はまだ切れていない。である以上、私に貴様は殺せない」
「……かっ、からからから!!!メ一三ース!黄金夜明S∴M∴の三ミュエル=リデル=マグ零ガー=メ一三ースか!!!から、だ十す零八、だ十す零八随分十素晴ら四一事を四十九零た。ま三か、五の私の安全が、そん七語十で保障三零る十八ッ!」
『空白の主』と人類種は敵対している。かつて、全ての人類の祖である『空白の主』は全ての人類を愛していた。だが『空白の主』は愛する子供達に裏切られた。『空白の主』が完全に清浄なる存在となり、元いた場所に帰るために作った子供達は、よりにもよって逆に『空白の主』を縛ってきた。
 子と親という強い強い関係性を利用して、縛ってきたのだ。人間が名を用いて契約を結ぶように。その繋がりを利用して。『空白の主』と人類種は流血ではなく流れる血によって繋がっているから。
 
「だったら殺せる!この私でも、人間でも、大悪魔たる君を追放できる!!!」
 
 故にこそ、『空白の主』は初まりの領域などという辺鄙な場所にいる。魔神のいる『隠世』でもアルフのいる『最終血戦城カステルル・ブラン』でもない、常世に対する一切の干渉を制限されたこの初まりの領域に。
 エイワスは例外中の例外だ。エイワスも結局のところ常世では霊媒アバターなしに大規模な行動はとれない。そして何よりも契約に縛られる。そう、かつてとあるご令嬢フロイラインと交わした契約は、今もエイワスを縛っている。
 メイザースによって縛られたコロンゾンと同じように。
 
「あぁ、あぁ、あぁ!!!子供に罪を押し付けるまでもない!大悪魔を打ち倒すという功績を立てれば、私の罪は禊がれるッ!!!」
 
 その喜びを抑えることはできなかった。
 あるいはこの世で最も罪深き存在に唆される前の『空白の主』であれば、こんな風に欲望を露わにすることはなかったのかもしれない。人類が人類となった理由は賢くなってしまったからだ。つまるところ知恵を付けたから。その理由こそが善悪の知識の木の実を食べてしまったから。故に『空白の主』は楽園を追放された。
 この出来事を、――――――失楽園ペルディトゥス・パラディススという。
 
「――――――戻れる、あの場所に。愛しの楽園に、もう1度ッ!!!今度こそ、私は神に成れる!」
 
 賢さは罪だと定義されている。欲望を持つことは罪だと言われている。今より先に行きたいと、もっと楽になりたいと、誰かのためではなく自分のためにと、それらは全て、全て罪深いのだと、そう言う人がいる。神が人を楽園から追放したのは、人が神になることを恐れたからなのか。神が人に知恵の樹の実を食すことを禁じたのは、人が神の座に辿り着くことを懼れたからなのか。
 『空白の主』は、自覚していない。
 人類には罪がある。
 傲慢スペルビア。嫉妬インウィディア。憤怒イラ。怠惰アケディア。強欲アワリティア。暴食グラ。色欲ルクスリア。
 これを7つの大罪といい。
 そして莠ャ螟ェ驛主・??ェ邯コ隴壹?螟ァ豐シ遘倶ク?驛弱?菫晄怏謚?閭ス縲弱じ繝サ繝ッ繝ウ繝サ繧キ繝ウ縲によれば、彼は莠コ縺ョ蜈ォ縺、逶ョ縺ョ螟ァ鄂ェを決して自覚できない、無自覚の罪の集約体を『雋ャ莉サ霆「雖』と定義した。
 
「だから君は此処で死んで?私のための踏み台になって?」
 
 『空白の主』は雋ャ莉サ霆「雖している。彼女は物事を正しく見ていない。人類全体を生贄としか見ていない。当然の供仏。奉仕されることが当たり前と思っている。最も不浄であるが故に、最も清浄に憧れた『空白の主』。
 こんな詩を知っているだろうか。
 
 菴輔′鄂ェ縺九o縺九j縺セ縺吶°。
 遏・諱オ縺ョ螳溘r蜿」縺ォ縺励◆縺九i縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s。
 
 菴輔′鄂ェ縺九o縺九j縺セ縺吶°。
 陋??逕倩ィ?縺ォ閠ウ繧定イク縺励◆縺九i縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s。
 
 縺セ縺?鄂ェ縺後o縺九j縺セ縺帙s縺。
 縺昴l縺薙◎縺後≠縺ェ縺溘?鄂ェ縺ェ縺ョ縺ァ縺。
 
 『空白の主』は分かっていない。なぜ楽園から追放されたのか。なぜ人類が反逆したのか。与えられる側だった『空白の主』には奉仕する側の気持ちは分からないし、与える側の気持ちもわからない。
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:37:39.65 ID:2+4dxV5n0
「くっ、くっくっくっ」
 
 だからこそ、『空白の主』にはコロンゾンが怖く見えるのだ。恐れていて、畏れている。誰・か・に・頼・る・こ・と・で・し・か・危・機・を・脱・し・て・こ・な・か・っ・た・『空・白・の・主・』は・根・本・的・に・弱・者・だ・。
 齢をどれだけ重ねても弱いまま。
 実力は上がらず、弱い者いじめしかできない。
 コロンゾンの思惑も分からない。
 
「あっはははははははははははははは!!!!!!」
 
 思わず、といった調子であった。
 まるで1秒先に来る絶望を知らない赤子を見る様に、コロンゾンは大笑いした。 
 
「……何が、おか四一?」
「くっくっ、おかしいと思わなきかしら」
「一った一何について!?」
 
 止めを刺そうとしないのは反撃を恐れているから。
 会話を続けようとしているのは時間稼ぎのため。
 神器召喚でコロンゾンを攻撃しないのは悪魔殺しの業を背負いたくないから。
 『空白の主』には覚悟がない。だから、簡単に諦めて、次を探してしまう。『空白の主』は何1つとして背負っていないから、軽い。8月21日のあの日に木原脳幹と木葉桜十五夜を逃がす必要はなかったはずだ。一方通行アクセラレータに対する干渉ももっと深くできたはずだ。
 世界をあるべき姿に還そうとしているコロンゾンとは格が違う。
 自分だけのために戦うモノは、弱い。
 
「くっくっ、私がここに来た理由は、貴様と戦うためでは、ない」
「…………………………………………………………………」
 
 『空白の主』には見えていなかった。意図的に無視をしていたわけではない。ただ純粋に、その存在を認識していなかったのだ。地を這う蟻は意識しなければ気付けないように、空を飛ぶ蚊もまた意識しなければ気付けないように。『空白の主』からすればあまりにも矮小すぎる存在ゆえに、『空白の主』はその存在を忘れていた。
 なぜコロンゾンは初まりの領域に来た?
 その理由ははたして何だった?
 
「警告、第二二章第一節。命名、『神よエリ、・何故私を見捨てたのですかエリ・レマ・サバクタニ』――――――完全発動まで一秒」
「ッッッッッ!!!!!?????」
 
 いきなりだった。
 妙に機械的な声がした瞬間には、もうその赤き閃光は『空白の主』に直撃していた。
 だが、
 
「…………………………………出来ない」
 
 閃光が晴れると同時に、『空白の主』は呟く。あれほどの一撃が直撃してなお無傷なのに、それでも。
 認められないかのように、信じられないかのように。
 大悪魔コロンゾン。三三三。拡散。自然分解。共倒れ。
 それはあり得ない。
 『空白の主』の対が、
 いや、いいや、いいや!!!
 
「不可能二決まってるっ!人類で八私を、五の原初の片割零たる『空白の主』八殺せ七一っ!親殺四のパラドッ九ス。五の全時間軸二繋がっ十一る初まりの領域で八、人類の手で八私八殺せ七一!」
 
 だからインデックスは此処にいるのか?
 わざわざ、そういう風にセッティングした?『空白の主』の対が、その『破壊の象徴』が、共倒れの相手が、インデックスだと?
 イギリス清教第零聖堂区必要悪の教会ネセサリウス所属の魔導書図書館。
 そんなことは認められない。
 そんなことは認められない!
 格というモノがある。
 オリンピック選手とアマチュア選手なら共倒れするのか?
 最新鋭の戦闘機と旧式の装備を持った歩兵は共倒れするのか?
 いや、あり得ない。だから絶対にあり得ない。インデックスでは『空白の主』の対にはなれない。なのに、なのに、それなのに!
 なぜ、コロンゾンはそこまで『空白の主』を下に見る!
 
「馬鹿、二」
 
 怒りが発露する。
 暴風雨のような怒りが、畏れを上回る。
 
「馬鹿二するのも大概二四六ぉ!!!五の、五の私八っ、『空白の主』八ッ!原初の一、初まりの片割零、全十の人類の母!!!勝十七一、人類じゃ、君のバッ九アップを受けた十四十も!險ュ螳八覆ら零七一!!!!!五の、私の五十を、ど五まで下二見零八ッ!大悪魔、五六ン」
「な・ら・魔・神・な・ら・」
 
 それは至極単純な答えだった。
 
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――まさか」
 
 
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:38:21.20 ID:2+4dxV5n0
知らず、冷や汗が流れた。
 インデックスの脳内に記憶されている一〇万三〇〇〇冊の魔道書を正しく使えば魔神に至ることが出来るとされている。一方で、インデックス自身が魔神になることは不可能だとされている。その理由はインデックスが魔翌力を生成することが出来ないからだ。
 なら、インデックスが魔翌力を生成できるようになれば?
 もしもインデックスに付けられている3つの枷が全て外れるような事態に成れば?
 インデックスは分離した。今この初まりの領域にいるのは仮想人格ナンバー006『哀れな子羊アニュス・デイ』だ。
 空虚な心と不完全な器。乗っ取るには、霊媒アバターとするには十二分すぎた。
 
「――――――魔導書図書館、Index-Librorum-Prohibitorum」
 
 恐怖が、
 死が、
 そこにある。
 
「これならばメイザースとの契約には反しない」
 
 元来、悪魔とは狡猾であるモノだ。メフィストフェレスなどが有名であるが、悪魔とはその弁舌で人を騙し、その弁舌で人を誘惑し、その弁舌で人を誘導する生き物だ。契約の穴を見つけることなど簡単にできる。
 策はなった。
 そのためだけに、コロンゾンはわざわざインデックスを『殺した』のだ。
 赤・き・楔・は・掻・い・潜・ら・れ・た・。
 
「殺せ」
 
 一言だった。
 単純な命令だった。
 絶対の死刑宣告だった。
 勝てないと、本能的に分かってしまった。
 因果応報。罪には罰を。盛者必衰。兵どもも夢の跡。
 だから、
 
「ここからは私が受け持ちますdeath。我が朋友、『空白の主』」
 
 ブンッ、と空間がぶれた。
 そして、いた。
 黒のスーツに黒のズボン、黒のマントと黒の指輪、黒の靴、黒の髪、黒の手袋、黒の襟、黒のモノクル、そして白い肌と紅い唇と瞳。
 救援は最適のタイミングで現れた。彼は『空白の主』を庇うように前に立った。
 その男の名を、アルフといった。
 
「第六物語シックスストーリの最終敵ラスボスであるか。そしてこの大悪魔と同じ人類外」
「同じとは人聞きが悪いdeath。私はあなたほど悪辣ではないdeathよ」
 
 交わされた会話はそれだけだった。
 そして戦いが始まった。
 生命の樹セフィロトの奥に潜む悪魔と1700年前に人類種に敗北し常世から逃走した『空白の主』の息子の末裔の戦いが始まった。
 さながら、最終決戦であるかのように。



さーて、『空白の主』の正体、もう分かりましたよね?全世界の神話でも五指に入るレベルで有名な人間ですよ。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:39:41.17 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/76.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

76 / 178
いつもよりちょっとだけ長いです。


気付いた二人@ 神速の対応 一方通行と『空白の主』@ 『空白の主』

 『それ』を真に正しく理解できた人間は学園都市内に二人いた。
 まず一人目は学園都市の主アレイスター=クロウリー。
 彼は、『それ』に強く関わっているが故に、『その領域』の人間と敵対しているが故に、『その行為』に気付くことが出来た。
「…………………………………………………………………………………………………………………………、」
 ほんの一瞬だけ、
 刹那の時間だけアレイスターは逡巡した。
 そして、
「頼めるか」
 短い問いかけがあった。
『任せておけ、アレイスター』
 その問いかけに短い返答があった。
 そして、問いを答えたヤツはすぐに『窓のないビル』から去り準備を始めた。
 さらにもう一人。
 学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階天秤の間にて風紀委員長白白白も『それ』に気付いていた。
「さすがに、予想外だな……」
 確かに、見る程度ならできるかもしれないとは思っていた。それを見ることは可能かもしれないとは考えた。
 だがまさか操れるとは、操作できるとは思っていなかった。
 認識が甘かったと言えばそれまでだが、おそらくこの事態を予想できた人間は世界に一人もいないだろう。
 かの統括理事長もこの事態は予測できないはずだと思った。
 だから、これは後手に周っているわけでは無い。挽回はまだ可能だ。
「まさか、このタイミングで切り札を切ることになるとは……」
 椅子に座ったまま受話器を取り、特殊なリズムで特別な番号を押した。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント。その地下第11層を住みかとする存在に、『切り札』に、命令を与えるために。
 プルルというワンコールの音すらならずに電話がつながった。
「最果さいはて、出番だ」
 意識を引きずられないようにしながら白は声をかける。
「おやぁ」
 妙に間延びした声で、電話口の人間は答えた。
「私が表に出るのは大覇星祭の時ではなかったんじゃ?」
「事情が変わった」
「事情がぁ?」
「あぁ」
 心の準備を決めてから、白は通話の相手である最果にその事情を話す。
 下手をしたらそれだけで死ぬかもしれないという緊張感をまとわせ、風紀委員本部セントラルジャッジメントの切り札の一人に、白は言った。
「学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータが位」
「行こう」
 白の台詞は最後まで言われることはなかった。
 電話相手の最果が一方通行アクセラレータが何をしたのかに気付いたからだ。
「座標は?」
「ポイントA18だ。だが、その前にポイントX000で『彼』とぶつかるはずだ。君には『彼』を足止めしてほしい」
「………………………ほぉ」
 ほんの少しだけ不満の色が見られた。とはいえ、ほぼ軟禁状態の最果にとって外にきちんと出られる機会を逃す気はない。
 一方通行アクセラレータがいじった後を見ることが出来ないのは残念だが、『彼』と戦えるというのならば、そこまであからさまに反抗する必要もないだろう。
「装備は?」
「全部許可する」
「専用武器も?」
「あぁ」
「………………………ふふ、了解ぃ」
 楽しそうに笑いながら、間延びした声で最果は笑った。
 本当に、楽しそうに。
「迎えは奇鬼喜きききに行かせる。速やかに行動しろ」
 それだけ言って白は電話を切った。
 天秤の間を沈黙が満たす。
 その沈黙の中でもう一度白は受話器を手に取った。今度は、十五夜につなげるために。
 予期してはしないだろうが一方通行アクセラレータは世界の理に干渉してしまっていた。
 だからこそ、この二人は全力を挙げて動いたいた。
 これ以上、もうこれ以上いじられてはたまらない。
 世界の強度がどれくらいもつのかはわからないのだから。
 学園都市統括理事長、風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長。
 非常に珍しいことだが、この時二人の思惑は一致していた。
 まぁ、だからといって協力できるということにはならないのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:40:17.78 ID:2+4dxV5n0
「…………………………………………………………………………………………………ぁ?????」
 気がつけば白い空間に立っていた。
「こ、……こは?」
 白。
 白く白く白い。
 ただひたすらに白しかないこの空間。
 上を見ても下を見ても右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても白。
 白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白。
 そんな空間に一方通行アクセラレータはいた。
「なンだ?俺は、確か…………」
 記憶をたどる。
 今を理解するために、過去を探る。
 一つ一つ順番に、たど
 
 その時だった。
 
「お・や・」
 
 声が、かけられた。
 
「ここ二に人間が来るとは珍四一しい」
 声をかけられる。日常的な何も不思議ではないことだ。
 ただそれだけだったのに、
 それなのに、
 
「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!??????????」
 
 全身が泡立った。
 肌が、脳が、身体の全てが無意識に緊張状態に陥った。
 
「誰だッッッ!!!!!」
 
 声をかけたのが誰かなど知らない。そんなことは分からない。
 ただ一つわかる。
 理解できる。
 学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータで理解できる。
 
「オマエは……っっっ」
 わかる。
 これがそうだ。
 これが、これこそが、
 恐怖。
 人が抱く根源の衝動。
 恐・怖・。
「誰だ……っっっ……!!!!!」
 その問いに、彼女は答えた。
「私か一い」
 目の前の存在は見た目だけを見れば極一般的な少女の姿をしていた。
「私は、そうだね」
 だが違う。
 見ればわかる。感じる。認識できる。
 こいつは、
 こいつは、
 こいつは、
 絶・対・に・人・間・じ・ゃ・な・い・!!!!!!!!
「『空白の主』。そう、呼ばれる存在さ」
 敵だ。
 あきらかに、絶対に敵だ。
 敵。
 それも、一方通行アクセラレータの敵という意味では無い。
 そんな小さな意味では無い。
 危機感が絶望が終焉の気配が迫って募って嗤っている。
 この目の前の女は、
 人・類・の・敵・だ・!!!!!
「『空白の主』……………………」
 ヤバい、と体感で分かる。
 強さの質が違う。
 言うならば運動会の徒競走で勝つために、参加者全員の足をへし折るようなものだ。
 立っているステージが違う。
 存在の位階が違う。
 これはそう、
 神とか呼ばれる存在だ。
 現に、
 現に現に現に。
「本名自体は別二あるけどね。けれど、君は見た十五六私の名を呼べる段階では七一ようだ四、『空白の主』十呼んで九零たまえ」
 この存在は一方通行アクセラレータを見ていながらにして、一方通行アクセラレータを見ていない。
 視線は確かに一方通行アクセラレータの方を向いていながらも一方通行アクセラレータをとらえてはいない。
 もっと別の何かを見ている。
 もっと奥の何かを見ている。
 もっと違うモノを見ている。
 見られている。見られている。見られている。
「―――――――っ、ぁ」
 怖い。恐怖。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:41:04.94 ID:2+4dxV5n0
御坂と戦っている時だってここまではっきりとは感じなかった。
 心臓を直接握られているような、脳に爆発物を入れられたような、そんな恐怖心。
 対抗しようと思えること自体が奇跡とさえも思える、そんな感情。
 なんなんだこいつは?
 そもそもどこなんだここは?
 御坂美琴は、あの戦いはどうなった?
「ん?」
 いつのまにか『空白の主』と名乗る女(?)が一方通行アクセラレータの目の前に来ていた。
「ッッッ!!!!!」
 グイッ!顎を持ち上げられて、
「何を恐零る必要があるんだ一?五五二来たと一う事八程度の差八あ零世界の仕組三を理解四十一ると一う事だ六う?」
 などと言われた。
「五の世界の深奥の秘密。秘匿さ零た最奥の領域。明かさ零十八七ら七一その存在を知ったのだ六う」
 続けて『空白の主』はこう言う。
「魔術の領域二住ま一、そ四十五五二至零たのだ。君二も何か明確七願一があるのだ六う?言っ十三七三一。何、遠慮する必要七ど七一」
 願い?
 願いだと?
「ね――――――がい……?」
「そうだ。願一だ」
 一方通行アクセラレータは思考する。
 願い。たしかにそれはある。もともと絶対能力進化実験レべルシックスシフトなんて馬鹿げた計画に参加したのは一方通行アクセラレータ自身が絶対能力者レベルシックスという領域を目指していたからだ。
 絶対能力者レベルシックス。現状の学園都市に存在する超能力者レベルファイブよりも上の強度の、おそらく神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものSYSTEMに至ることすら可能なその領域に至ること。
 それが目的だった。願いだった。
 
 本当に?
 
「ね………………が、――――――い?」
 高純度の麻薬を吸ったように脳がくらくらする。とめどない思考が体中をめぐる。
 目的、目的、目的。
 一方通行アクセラレータは思考を続ける。
 絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加し絶対能力者レベルシックスに至る。それが一方通行アクセラレータの目的であったことは間違いがない。
 でなければ劣化量産品クローンを二万体も[ピーーー]などという怠い作業を続けるわけがない。
 だがしかし、そもそもなぜ一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスになろうと思ったのか。
 絶対能力者レベルシックスになりたいと思っていた?
 違う。一方通行アクセラレータは別に絶対能力者レベルシックスになりたいとは思っていない。
 研究者の実験を断れなかった?
 まさか、一方通行アクセラレータは学園都市第一位の超能力者レベルファイブにして闇の中の住人だ。その気になれば参加する実験など取捨選択は容易だ。
 では単純に絶対能力者レベルシックスという領域に興味があったのか?
(…………………………………………………………………………………………いや)
 それも違う。確かに絶対能力者レベルシックスには興味があった。この力はどこまで行くことが出来るのか、自分はどこまで強くなれるのか、そういうことに興味がなかったと言えば嘘だ。
 でもそれは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加する理由としては弱いように思えた。力への執着のみで絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したわけでは無いのは直感的に理解できた。
 であれば、いったいどうして一方通行アクセラレータは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したのだろうか。
 思考する。
 答えは出ない。
 思考する。
 答えは出ない。
 思考し続ける。
 答えは出ない。
 答えは出ない。
 答えは分からない。
 学園都市一の頭脳を持っている一方通行アクセラレータでも、その問いに対する答えは、自らが絶対能力者レベルシックスを目指そうと思った理由が、その始原の衝動がわからなかった。
 黙っている一方通行アクセラレータを不可解な思い出見つめていた『空白の主』はいつまでたっても黙して語らない一方通行アクセラレータを前に一つの事実に気付いた。
「……………………ま三か七一のか?」
 驚愕の表情で『空白の主』は呟く。
 ありえない、と内心で『空白の主』は思った。
 『この場所』に来る生命が何の願いも持たないなどあり得ない。ただの興味や好奇心や偶然で来れる場所ではないのだこの場所は。
 確固たる意志があり、絶対に達成したい目的があり、そのために死に物狂いで行動し、死をいとわずに動き、それでやっと至ることのできる場所なのだ。
 確かにその『位階』に至ったのであれば『願い』は叶ったといってもいのかもしれない。だが、『この場所』に至るという事はそもそも世界の根幹自体を作り直したいと思ったはずだ。
 ならば、願いがないなどあり得ない。
「なら仕方が七一。願一を口二四七一のであ零ば、強制的二見せ十もらうまでだ」
 数年ぶりに『この領域』に来た生命がいるのだ。その生命の願いを知りたいと思うのは『空白の主』にとって自然なことだった。
 なにせ、この領域に来れたという事は世界の仕組みを、重なった位相を理解したという事なのだから。
 最・初・の・一・人・として長き時を生きる『空白の主』の興味を引くのも当然だった。
 スッと一方通行アクセラレータの顎に手を当てたまま、『空白の主』は一方通行アクセラレータの瞳をじっと見つめた。
 その瞳の奥にある一方通行アクセラレータの記憶を覗き見るように。
 だが、
「……………………………………………へ?」
 
作者の最大の罪は作品を完結させないことですから!!!!!
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:41:30.18 ID:2+4dxV5n0
明らかな戸惑いの声が『空白の主』からもれた。
 予想もしていなかった事態が起きたのだ。
「超能力者……?ま三か、魔術師で八七一のか……!?」
 『空白の主』にはとある先入観があった。それは『この領域』に来る生命は程度の差はあれ『魔術師』であるというものだ。
 『魔術師』でなければこの場所には来れない。これは永き時を生きる『空白の主』にとってほとんど確定事項であった。数少ない、それこそ数人の例外を除けば『科学』に属する人間が『この領域』に来れるはずがないのだ。
 だからこそ『空白の主』は一方通行アクセラレータの内面を覗き込んだ時戸惑いをあらわにした。
 一方通行アクセラレータが科学の街の総本山、アレイスター=クロウリーが作り出し、支配する学園都市に属する超能力者であることに気付いたから。
「八っ、からからからからから!!!!!そうか、至零たのか!!!」
 それに気づき、だから連鎖的に『空白の主』はもう一つの事実に気付いた。
 つまり、魔術師では無い科学の側の人間が、超能力者がここに至るという事の意味だ。
「うん?気付一十一七一のか?なら、私が教え十あげよう」
 アレイスター=クロウリーが目指したいたものの終着の形の一つ。それが、もうすでに再現されていたのだ。
 つまり、 
「おめで十一方通行ア九セラ零ータ。君八もう絶対能力者零ベル四ッ九ス二至っ十一るよ」
 あまりにも簡単に『空白の主』は言った。
 二万を殺してなれるはずの絶対能力者レベルシックスに一方通行アクセラレータはなっていると。
「そ四十、その先の領域二もね」
 そのあまりにも簡単な言い草に一方通行アクセラレータは逆に確信を思えてしまった。絶対能力者レベルシックスになっているという確信を。
「ふむ、だが五のまま君が帰っ十四まうのも面白九七一七」
 だから一方通行アクセラレータは一瞬戸惑った。一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスを目指していたが絶対能力者レベルシックスになりたかったわけでは無い。それを先ほど確認したばかりだ。
 ならば、これから先は何を目指すのか、どうすればいいのか。
「気乗り四七一が、うん久四ぶり二戦う十するか」
 そんな思考を巡らせていると唐突に『空白の主』が戦闘の意思を示してきた。
「さぁ構えたまえ一方通行ア九セラ零ータ。その力を私二向かっ十ふるっ十九零」
 自然体だった。
 あくまで自然体で『空白の主』はそういった。攻撃をしろ、と。
 だが動けない。
 明らかに隙だらけなのに感覚として感じる明確な『圧』のせいで体が動かない。
「来七一の七らば五ちらから行九ぞ?」
 いつまでたっても攻撃してこない一方通行アクセラレータに辟易したのか、『空白の主』はボクシングのようなファインティングポーズをとり明確に攻撃態勢を作った。
 そして、その超絶至近距離から『空白の主』の軽いジャブが一方通行アクセラレータに振るわれ、
 
「そこまでです」
 
 いつのまにか現れていた風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜が『空白の主』の手を掴んでいた。
 



新キャラ『空白の主』。
この物語の中枢に位置する生命体です。




いまさらと言えば今更すぎるんだけど……

この作品、オリジナルでやった方がいいような気がしてきた……。

いやっ!最後まで書きますけどね!!!
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:42:41.08 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/77.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

77 / 178
寄り道します。




白白白と木葉桜十五夜@ 緊急命令 常世涯最果と木原脳幹@ 足止め

 十五夜まんげつが始まりの領域で『空白の主』の腕をつかむ五分前の出来事だった。
「案外苦戦していましたね」
 8月21日午後10時02分、十五夜は上条たちが戦っていた下水道の上の空間、地上で彼らの戦いの様を見ていた。
 当たり前の事実だが分厚い地面で遮られている下水道のことを地上から見ることは普通出来ない。
 といってもそれはあくまで一般人の話だ。この学園都市には普通から外れた人がいくらでもいる。
 例をあげれば透視能力クレアボイアンスの能力者。はたまた視界共有リンクサイトの能力者。あるいは反響測定エコロケーションの能力者なんかも地下深くの下水道の様子を把握できるかもしれない。
 そして当然のように十五夜も分厚い地面で遮られた下水道の様子を把握できる人間の一人だった。
「決着はついたようですし、私も動きますか」
 手元に用意した二つのストロビラを弄びながら十五夜は小さくつぶやいた。
 そも、十五夜がここに来たのは埋娥と百目が倒した後の上条と白井を回収し、その首筋へと設定済みのストロビラを打ち込むためだ。一応、保険として万が一二人が負けたときは代わりに上条らを倒す役目もあったが、二人が勝った以上それをする必要はない。
 故に、十五夜の役目はストロビラを打ち込むことのみ。それに限定される。
 視線を下にやる。
 上条たちがいるであろう下水移動を地面を透視してみるように、顔ごと視線を下に下げる。
「この距離ならいけますね」
 意識をほんのわずかに集中させて、十五夜は上条たちのもとへ向かうために空間を渡ろうとする。
 
 その時だった。
 
 ドッガアアァアァアアアアァアアァアアアアアアァアアァァァァァァアアアアンンン!!!!!!!!!
 
 という爆発音が響き、十五夜の立っている地面が沈んだ。
「…………?」
 その爆発によるダメージは十五夜には存在しない。
 そもそも今の爆発は十五夜を狙ったものではないのだから。
「爆発……ですか?いったい誰が……?」
 まず疑ったのは御坂美琴による粉塵爆発。白の言う通りにことが進んでいるのだとすれば、この空気を哭なかせる爆発音は御坂美琴の一撃のはずだ。
 だがそうすると疑問が二つ。爆発音が近すぎるという疑問。さらに沈み込んだ地面の謎。粉塵爆発ではこの現象は起きない。
 だから違う。この爆発は御坂美琴によるものではない。
 次に疑ったのは苦罠の勢力。御坂という存在を除いた時、もっとも可能性があるのはどう考えてもあの二人。死縁鬼苦罠と天埜郭夜。
 しかしここでも疑問が二つ。
 すなわち誰を対象とした爆発なのか?そして、誰によっておこされた爆発なのか?
 このタイミング、この規模。
 上条たちの戦闘が終わったタイミングで10トントラックいっぱいに積まれたC4が一気に爆発したようなこの事態。
 ここに存在する意思は、誰のものだ。
 そんな思考を続けている十五夜のもとにピリリ、と電話がかかってきた。
「委員長……?」
ワンコールで十五夜は電話をとった。
 今かかってくるのならばそれはすなわち今かけなければならないということだ。
 通話をつないだ十五夜の携帯を通して、白の冷静な、そして焦った声が聞こえた。
「緊急事態だ、十五夜。第一から第八までの拘束リミッターの解除を許可する。すぐに解除してくれ」
「っ……!了解しました。すぐに」
 その言葉に、十五夜は事態の深刻さを知った。
 十五夜は自らの力に十の制限をかけている。その制限をかけた状態でもほとんどの存在には負けることはないが、白はその拘束を解けと言った。
 つまり、それほどのことが起こってしまっているのだ。
 十五夜が全力を出さなければ対応できないような、そんな事態が。
「第一jyuiru八拘束リミッターmoia解tvewiw除xbyvc。解swku除hs印コードhixa6829cfdyl3057miw16v824hwojd95022gcihre34uei5xdab6」
 世界に出力される言語がぶれた。十五夜の口から放たれた言葉がぶれた。
 すなわちそれは十五夜が常人ではないという証。
 すなわちそれは十五夜が超能力者でも魔術師でもないという証。
 すなわちそれは十五夜が種としては人間の枠に当てはまらないという証。
 そう、十五夜は人であって人では無い。
 生まれつきであるその力は十五夜の人としての生を木端微塵に打ち砕いていたから。
「『空白の主』が一方通行アクセラレータに干渉している。最悪全面戦闘になってでも一方通行アクセラレータをこっちに引きずり出してくれ。今ここで手札の一つを奪われるわけにはいかない」
「『空白crbf主』……っ!!!了isoa解vbyo、私全bcyw力nqimx駆使wxbok一方通行アクセラレータvwbyo奪byow取!」
「頼む」
 会話は一分にも満たなかった。いつもならばだらだらと回りくどい話をする白が最小の会話で事態を伝えたのだ。 
 それは白が焦っているという証で、それだけ自体が緊迫しているという証だった。
「………溜vsy息znewnn」
 一息だけ吐いて。
 十五夜は世界位相を壊してその領域に侵入した。
 
 
 
 
 
 
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:47:14.72 ID:2+4dxV5n0
そしてもう一人。
 もう一人風紀委員本部セントラルジャッジメント側の勢力から動いている人間がいた。
「来たぁ」
 常世涯最果とこよのはてさいはて。
 学園都市風紀委員本部セントラルジャッジメントに属する風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力のうちの一人である。
 その戦闘力は風紀委員本部セントラルジャッジメントの中でも最低ランクであるが、
 その特異性は風紀委員本部セントラルジャッジメントの中でも最高ランクである。
 その最果に対して相対する存在は人間では無かった。
『ふむ。君は何者だね』
 犬。
 それもゴールデンレトリバー。
 イギリス原産の大型犬である。
「ははぁ。知ってるくせにぃ」
 その犬の名は木原脳幹。
 学園都市に5000人ほど存在する木原一族の中でもさらに異端の存在。
「でもまぁ、確かに戦闘前には一度名乗りを上げたほうがロマンがあるのかなぁ?」
 アレイスター=クロウリーの飼い犬。
 この街の番犬。処刑犬バニッシャー。
 今は亡き『木原』の始祖ともいうべき七名の科学者に外付け演算回路を取り付けられたことで生まれた、異色にして異端の存在。
 それが木原脳幹だ。
「学園都市風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力が一人常世涯最果とこよのはてさいはて。風紀委員本部セントラルジャッジメントの中の暗部の中の暗部。いうなればローマ正教における神の右席みたいなぁ?」
 風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力。
 その名を聞いて脳幹はその身をふるわせた。
『なるほど、ここで出てくるのか』
 当然、恐怖によるものではない。ガチャガチャガチャガチャ!!!と脳幹の体に合うように造られた様々な装備がサイコロ展開図のように完璧かつ完全に組みあがっていったのが理由だ。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント。
 刃物、銃弾、砲弾、レーザービーム、液体窒素、殺人マイクロ波、ドリル、パイルバンカー等の無数の兵装で作られた『理解できない領域』の存在を撃滅、殲滅するための兵器群。
 モノの数秒で、その必殺が最果の前で組みあがった。 
『だが、私も君程度に足止めされるわけにはいかないのでね』
 脳幹と最果は互いに一瞬だけ視線を交わした。
 脳幹は既に最果がここにきた理由を察していた。封印戦力、風紀委員本部セントラルジャッジメントの暗部の中の暗部、秘中の秘。
 このタイミングでその存在が出てくるのならば、それは当然足止めしかないだろう。
 『空白の主』もとへ脳幹を向かわせないための足止めだ。
『悪いが、押し通らせてもらおう』
 やらせるわけにはいかない。
 ここで足止めを食らえば、彼の計画そのものに重大な亀裂が入ってしまう可能性があるから。
 それはいただけない。
 彼の使いとして、それはいただけない。
 善悪で言えば悪で好悪で言っても悪。
 脳幹は自らの行いをそう定義しながらも、止めるつもりはなかった。
『なぁ、君は対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを知っているかね?』
 その一言を合図としたように、脳幹が対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを起動させて、
 
「ポチッ」
 
 最・果・が・自・爆・し・た・。
 
『ぬっ!!!?』
 さしもの脳幹もわずかに動揺した。
 最果が手に持った何らかのボタンを押した瞬間に最果がたっていたところを中心とした爆発が広がったのだ。
 さいわいのことながら起動させた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントから放たれた数十以上の誘導ミサイルがその爆発と衝撃をいい具合に中和したが、それにしたって予想外過ぎた。
 まさか自爆するなど。
 それも代えがきかなくもない雑兵ではなく、おそらく風紀委員本部セントラルジャッジメント内でもかなりの地位にいる、重要なポジションに位置するだろう封印戦力の一人が自爆するなどと。
 あまりにも予想外過ぎた。
 それこそらしくもなく動揺してしまうほどに。
『……………………』
 沈黙があたりを満たす。
 いかに脳幹がアレイスターの使いであり、異常ともいわれる光景を見慣れていようとも、不可解なこの自爆を前には沈黙しか返せなかった。
『……………………』
 あらゆる行動には意味が生じる。
 人を[ピーーー]のには人を[ピーーー]だけの理由が、
 人を救うのには人を救うだけの理由が、
 そして、人が死ぬという事にも必ず理由がある。}
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:47:51.76 ID:2+4dxV5n0
 つまり、風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力が一人、常世涯最果が自爆したのも必ず何らかの理由がある。
 最果の目的は脳幹の足止め。それを思うのならば、最果の自爆は脳幹を足止めするために行われたとみるべきだ。
 しかし、自爆によって稼げる時間は多くても30秒といったところだろう。
 となれば、足止めという目的は果たせないように思える。30秒程度の足止めで何が変わるというわけもあるまい。
 つまり、
『なるほどな』
 小さく、呟いた。
 眼前の光景が示すその意味を理解したから。
 最果の行動が示す意味を分かったから。
『なるほど』
 脳幹はもう一度小さくつぶやいた。
 最果の自爆が原因であたりに充満した煙が晴れる。
 それと同時に、
 
「ポチッ」
 
 ま・る・で・先・ほ・ど・の・焼・き・増・し・の・よ・う・に・も・う・一・度・最・果・が・自・爆・し・た・。
 
 
 



くそっ!!!私の技量じゃ脳幹先生の偉大さが表現できない!!!
あああああああ、くそっっっ!!!
唯一先生に直接脳幹先生の偉大さを教わりたいぃぃぃ!!!!!


124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:48:44.03 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/78.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

78 / 178
もう本当に申し訳ないんですけどたぶん今回の話つまんないです。
なんでつまんないかと言うとこの話だけじゃ何がどういうことなのか意味不明の理解不能でちんぷんかんぷんだからです。

あとがきで話の流れだけは書いておきます。

69話目の 御坂美琴と一方通行@ 再戦 神亡島刹威と浣熊四不象@ 悪の正義 の前書きで「ラストバトルの開幕だ」的なことを書いてしまいましたね。

ごめんなさい、あれは嘘になってしまった……。



木葉桜十五夜と『空白の主』@ 神域の戦い 一方通行A 次元の違い

 純白にして漆黒の空間で少女が二人、明確に対峙していた。
「今、わり十楽四んで一た十五六七んだけど?」
 これ以上の不快なことはない、と言ったような口調で『空白の主』は言い放った。無粋にも『空白の主』の手を掴んでいる十五夜まんげつに向かって。
「そうですか」
 だからどうした、とそんな口調で十五夜は言い放つ。一方通行アクセラレータを攻撃しようとした『空白の主』に向かって。
「もう一度言うけど、ど一十九零七一か七」
 ビキビキッという音が出そうなくらい青筋を立てて不機嫌そうに『空白の主』は言う。全力で掴つかまれた手を放そうと努力しながら。
「いやですね。私はあなたを止めるように言われているので」
 だが、十五夜が決して『空白の主』の手を離さない。手をひけば同じように十五夜も手を押して、手を前に出せば応ずるように手を引く。力をこめられたその手を振りほどくのは通常戦闘能力が並以下でしかない『空白の主』には至難の業わざだった。
「あぁ、そう」
 だから足りない力を技術で補った。
 すう、と緩急をつけながら掴まれた手を引きつつ、そのまま空いている別の手でうまく十五夜の手を誘導して切り離す。腕力という力では敵わないが経験という名の補助があれば対抗できる。
 そして、そのまま数メートルほど後ろに飛びずさり十五夜と一方通行アクセラレータから距離をとった。
「七ら、四ょうが七一か七。私は本当二戦闘二八不向き七んだけど」
 いつのまにか『空白の主』の手に光り輝く剣が握られていた。短剣というには長すぎるが長剣というのもはばかられる長さの剣。柄もあり峰もあり、そしてその鈍い輝きがその剣が真剣であることを如実に示していた。
「グラム……いや、クラウ・ソラスですか」
 一瞬だけ勘違いしたが、その剣の名を即座に十五夜は看破した。
 魔剣グラムではなくアイルランド民話におけるクラウ・ソラス。もっとも日本で知られるクラウ・ソラスにはかなりの拡大解釈は混ざりが加えられて、原典のものとは異なった剣になってしまっているのだが。
「原典と八程遠一け零ど…………今八五の方が一一、か七ッッッ!!!!!」
 前述したとおりクラウ・ソラスはアイルランド民話に登場する剣である。クラウ・ソラスの意味は「輝く剣」、すなわちアイルランド民話における「輝く剣」というものの集合概念がクラウ・ソラスという剣なのだ。
 もともと、民話の中に登場するクラウ・ソラスは「輝く剣」という称号こそあれ発光によって敵の目をくらます、自動追尾機能によってひとりでに敵を打倒す、隠れた敵を見つけ出す剣などというものでは無かった。それらはすべて拡大解釈であり様々な民話を合わせたものにすぎないのである。
 クラウ・ソラスは多くの民話に登場する魔法剣の総称であり、物語ごとに異なる解釈がなされているものなのだから。
 そして、『空白の主』はそんなクラウ・ソラスを投げた。
「ッッッ!!!」
 前述したとおりクラウ・ソラスは剣である。槍では無い、剣である。投げるではなく斬るという用途で使われる剣。貫くというよりは切り裂くという方法で敵を傷つける剣。
 本来ならば投擲物とうてきぶつとしては機能しない。
 本来ならば!!!
「クラウ・ソラス+グングニル=万物貫九輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス」
 『空白の主』は戦闘が得意ではない。だがそれは『空白の主』が戦闘を出来ないという意味にはならない。
 そもそもこの領域を住みかとする『空白の主』は万物すべてを自由にできる権限があるのだから。
 だがそれは十五夜にしても同じこと。
「遅い」
 放たれた万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスが消えた。跡形もなく、塵も残さずに。きれいに消えて消え去った。
 最初から存在しなかったかのように。
 初めからそんなものは無かったかのように。
 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスはこの領域から消えた。
「先につばを付けておいたのは我々の方です。『空白の主』、あなたの方こそ引くべきではないんですか」
「からから、冗談一うね」
 前述したとおり『空白の主』が形成したクラウ・ソラスは原典から遠く離れている。自動追尾機能、隠れた敵を見つけだす索敵機能等が『空白の主』の作り出したクラウ・ソラスには付けられていた。
 グ・ン・グ・ニ・ル・の・万・物・貫・通・能・力・と・共・に・。
「五の領域二直接干渉する九十すらでき七一雑魚二五の領域二自力で辿り着一た一方通行ア九セラ零ータを扱える十八思え七一。大人四九私二渡四たほうが世界のため二七る四?」
 ここまで言えばわかると思うが『空白の主』は神話の装具を具現化し、原典たりうる神話の装具を現実への流出具合を勘案してある程度いじくることが出来る。
 もともとは「輝く剣」という称号があり、物語ごとに違う解釈であったクラウ・ソラスに後から上書きされた概念である『自動追尾機能』と『発光』などを付け加えたのがいい例だ。
 そして、そこに別の概念を付け加えることも。
「管理者気取りですか。この引きこもりが」
 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス。
 この剣はクラウ・ソラスの亜種とグングニルの二つを合・成・して作られた神具だ。
 発光及び自動追尾並びに索敵の能力を持つクラウ・ソラスに万物貫通能力を持つグングニルを付け加えた武器。
 クラウ・ソラスだけでは十五夜の自動防御機能のようなものを貫けないかもしれないと考えた『空白の主』によって放たれた武器。
 まぁ、結局のところ万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスは跡形もなく掻き消されてその効力を発揮しなかったわけだが。
「からから、それを言うの七ら、前時代の遺物五そ引っ込んで一六四」
 その言葉に、十五夜の顔が固まった。
 どんな個体にも禁句というものはある。触れられたくない部分、触ってほしくない部分、触れられたくない記憶、思い出すことも回想する事さえしたくない記憶。
 十五夜のその部分に『空白の主』は触れてしまった。
 当然、わざとだが。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:49:13.74 ID:2+4dxV5n0
「…………………………」
 いつの間にか十五夜の手に一つの竹槍が握られてた。
 何の変哲もない、どこにでもあるような竹の槍。
 あまりにも武器としては頼りなく、あまりにも普通な槍。
 一見するとそれはこの場で使われる武器としてはふさわしくないように思えた。
「ヌ九十メロン四リーズの一つ。四スラウの時計八使わ七一のか一?」
 『空白の主』は十五夜が持っている武器のことを知っていた。
 懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長魅隠罠明みかくれみんみんによって作られたヌクテメロンシリーズと呼ばれる霊装の一つ。
 ヌクテメロンとは2000年近く前にティアナのアポロニウスと呼ばれる人物によって書かれた魔導書である。この書にはヌクテメロンの魔神と呼ばれる各時間に対応した72の魔神の名が書かれており、『シスラウの時計』はその72の魔神のうちの一柱『シスラウ』の話をもととして作られた霊装なのである。
 ヌクテメロンの魔神『シスラウ』は12の時の内4時に対応する魔神であり、その性質は毒。あらゆる毒をつかさどる毒の魔神が『シスラウ』なのである。
 その話をもとにして作られたからこそ十五夜の保持する懐中時計型霊装は『シスラウの時計』と呼ばれ、万能の毒を生成することが出来るのだ。
「まぁ、『四スラウの時計』七ん十弱一霊装八私二十って効果八七一んだけど」
 十五夜は『シスラウの時計』を使うつもりはなかった。
 何故ならば、『シスラウの時計』の効果や術式はとっくに『空白の主』に知られているからであり。
 そして、何よりも
 人・類・の・信・仰・が・生・み・出・し・た・魔・術・な・ど・ど・い・う・も・の・は・決・し・て・空・白・の・主・に・効・か・な・い・の・だ・か・ら・。
 手に握った竹槍を構える。この竹槍は勝ちたいという数多の人の願いのこもった武器。それゆえに十五夜が持てば天下無双の武器となりうる。
 そして、十五夜は槍を突き出して、
 言った。
「殺されたいようですね、阿婆擦れ」
「からから、やって五らん四無能女」
 
 
 
 
 
 
 
 
 一瞬後
 
 
 
 
 
 
 
                        世界が揺れた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  その光景を何よりも遠いすぐそばで動けないままに眺めている男がいた。
「…………っ」
 強さとは何か、そんな酷くどうでもいい、だが根源的な問いが浮かぶ。
 『強い』という事が戦闘能力に直結するのならば、今一方通行アクセラレータの目の前で戦っている二人よりも『強い』生物を一方通行アクセラレータは見たことが無い。
 例えば、ミサカ10032号は一方通行アクセラレータと御坂美琴の戦いを神話の戦いに例えた。
 例えば、一方通行アクセラレータは『空白の主』のことを神だと直感した。
 だから『空白の主』と互角に、いやひょっとしたらそれ以上の領域で戦っているだろう女のことを見て一方通行アクセラレータは一つの単語を思い浮かべた。
 神々の黄昏ラグナロク。
 北欧神話における最終戦争。
 世界に数多存在する終末の在り方の一つ。
 科学の街の住人でありながらそんな戯言が思い浮かぶほど、二人は『強く』強かった。
 強さ。
 絶対的で究極的で圧倒的な強さ。
 それを求めて参加した実験絶対能力進化実験レべルシックスシフト。
 二万人を殺してでも得たかったチカラ。
 それがとても小さく思えてしまうほど二人の戦いはレベルが違った。今までやっていた戦闘が子供の遊びに思えるほどに、御坂美琴との一進一退の攻防すらただの児戯に思えるほどに。
 位階が違い、強度が違い、世界が違い、すべてが違った。
 次元の違う場所にいるのだ。
 『空白の主』によって絶対能力者レベルシックスの先の領域に足を突っ込んでいると断じられた一方通行アクセラレータよりも、高い場所に。
 彼女達はいた。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:49:49.68 ID:2+4dxV5n0
「クソッ………………」
 小さな罵声が漏れた。
 我慢できなかった。一方通行アクセラレータは誰も自分に勝てないと思っていた。対抗できるヤツはいても結局は勝つと思っていた。
 その考えが一瞬で覆された。
 たった二人の戦いを見るだけで『上』を認識できた。
 自尊心が、自意識が、ガラガラと崩れるような感じがした。
 一方通行アクセラレータが思考している間にも二人の戦いは続いている。一目見るだけで一般人でも神具だと認識できるような武具が空間を裂いて現れ、十五夜に向かって無数に投下される。
 それに対して、十五夜はただ手を振り払い、竹槍を振るう。それだけでもとからそこになかったかのように神域の武具は消えていく。
 何がどうなっているのか、その現象がどんな理屈をもって行われているのかひとかけらもわからなかった。
 科学の街『学園都市』の中でも最強の能力者であり、最高の頭脳を持つはずの、一般人よりもはるかに深い『闇』の中に住む一方通行アクセラレータですらつかめない。
 その領域はきっと人間という生命体が一生をかけて辿り着くための努力をする神域なのだ。
 
 強さとは、最強とは、いったい何なのだろうか。
 
 心に浮かぶ感情はいつの間にか恐怖から悔しさに変わっていた。
 



今回の話の流れ
 十五夜が『空白の主』と戦闘した。
これだけ覚えてもらえれば十分です。


おもしろいと感じた人はすごいありがたいですが、読者視点で私が読むと「はぁ?」ってレベルでつまんなかったので、久しぶりに更新間隔を早めます。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:50:31.88 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/79.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

79 / 178
いいですか、私は!決して!脳幹大先生のことが嫌いなのではありません!!!
ただ、好きなキャラを苦戦させ、苦しめ、壊すのが好きなだけなのです!!!!!
勘違いしないでください!脳幹大先生のことは大、大、大好きですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!


常世涯最果と木原脳幹A 狩る者、狩られるモノ

「ポチッ」
 現在、最果さいはてによる13度目の自爆が脳幹のことを襲っていた。
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント部分射出ダブルバーストッッッ!!!』
 その自爆によっておこされる波状型の爆撃や衝撃を脳幹は対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントの兵装をもったいぶらずに解き放つことによって対応する。
 爆撃にはレーザーやプラズマ砲を、衝撃にはミサイルによる爆撃をそれぞれ放つ。
 そうすることで脳幹のところまで、自爆の影響を届かせない。
 
 そんなやりとりがもう13回も続いていた。
 
 埒らちが明かない、そう脳幹は思う。
 最果の目的は脳幹の足止め、これはもう確定的に明らかだ。
 分かっている。それを分かっているのに脳幹は最果を突破できないでいた。
 原因は大きく分けて二つ。
 最果を[ピーーー]方法が不明なこと。そして、最果の自爆最大範囲が不明なこと。この二つ。
 まず最果を[ピーーー]方法についてだがこれがあまりにも不明すぎる。自爆している、ということは最果を中心とした爆発が起きているという事で間違いがない。つまり、どうしたって最果は爆発にまきこまれるはずなのだ。
 なのに無傷、傷一つ負わない。威力的にも規模的にもどうしたって影響を受けなければおかしいのに。
 何か、自分だけは傷つかない特殊なバリアのようなものを張っているのか?とも考えた。だが、最果の衣服は汚れているし脳幹の放つ対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントが当たればきちんと怪我を負っている。それなのに、最果ては死なないのだ。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントのレーザー攻撃は今までに三度最果を貫いた。
 一度目は心臓を、二度目は脳を、三度目はその二つを同時に。
 だが、レーザーによって貫かれ、血液をまき散らした後に残るのは完全に無傷な生身の最果だけ。最果の死体が現れることは決してなかった。
 おそらく、超回復ハイパーリジェレネーション能力の類をもっているのだろうと推理する。
 そうでなければ説明がつかない。心臓を貫かれても即時再生するほど回復速度の理由が。
 しかし、そうだとしてもまだ矛盾点はあるのだが。
「ポチッ」
 十四度目の自爆。
 冷静にそれを対処しながら脳幹は考える。
 実のところこの足止めを突破するだけならそう難しくない。どうにかして最果から逃げればいいだけなのだから。
 
 けれど、
 
 それが出来ない理由があった。
「ポチッ」
 十五度目の自爆。
 だんだんと、少しずつ自・爆・の・威・力・と・範・囲・が・あ・が・っ・て・い・る・。
 最初は脳幹にギリギリ届くか届かないかという威力だったのに今は半径500メートルを巻き込むような威力になってしまっている。
 このまま自爆の威力が上がってしまったら一般人にも被害が出てしまうかもしれない。
 脳幹は木原一族にしては本当に本当にめずらしく他者を気遣うことが出来る存在だったから。軽々に逃げることが出来なかった。
 名も知れぬ一般人が巻き込まれる可能性を考えてしまい、なんとしてもここで最果を殺そうとしていた。
『これ以上足止めされるわけにはいかないか……』
 すでに最果に足止めされて1分が経過している。これ以上この場に釘づけにされれば風紀委員本部セントラルジャッジメントを止められなくなる。
 故に、
 選択した。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントではきっと決定打にはならない。ここまで撃っても攻撃が通らないという事は対策がされているのだ。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント、アレイスター=クロウリーに対する対策が。
 だから、
「ポチッ」
 16度目。
 合わせて対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを撃つ。誘導ミサイル、レーザー、殺人マイクロ波、液体窒素、あらゆる兵装、その武器を。
 無論効かないのはわかっている。
 だ・か・ら・次・の・行・動・に・出・た・。
 ガギガチガチガチャンッッッ!!!!!
 機械が再構築されるような不気味な不協和音が響き渡り、脳幹がその身に纏っている対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントが姿を変える。
 対攻撃翌用の態勢から、対高速移動用の態勢へと。
 そして、
 ゴッッッ!!!!!と、完全にその形態を変えた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントが一本の槍となって最果を貫いた。
「が、」
 悲鳴が上がるにはあまりにも死亡までの時間が短すぎた。
 死んだという事実を認識する暇もないほどの極超短時間で最果はその命を散らす。
 そのさまを脳幹は直接認識することはなかった。
 これまでの戦いで最果が即死級の怪我を負った後に無事に生還する手段を確保していることは判明している。
 だから、最果の生死など脳幹は確認しなかった。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストーム。
 そう友に名付けられた形態で脳・幹・は・最・果・の・こ・と・を・無・視・し・て・突・き・進・む・。
 時速に換算することすら馬鹿馬鹿しく感じる、最果の視界からコンマ1秒以下の時間で外れる速度で直線的に脳幹は道を突き進んだ。
 今までは馬鹿正直に正面から最果と戦っていたが、別に脳幹は最果と戦う理由はないのだ。はっきりいって無視してもいい。
 ここで必要とされるのは脳幹が最果を無力化して、つまり最果によって周囲に被害が出ないようにしたうえでアレイスターに託された任務を遂行することだ。
 考えてみよう。仮に最果が脳幹の一撃を受けた後に復活したとして、脳幹の姿が最果の視界内にないとすれば最果は自爆をしようと考えるだろうか。
 考えない、そう脳幹は考えた。
 最果はまがりなりにも風紀委員本部セントラルジャッジメントの一員。風紀委員本部セントラルジャッジメントとしての最低限の矜持ぐらいはあるはずだ。
 任務に失敗した以上周りを巻き込むような八つ当たりはない。

 
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:51:31.72 ID:2+4dxV5n0
 あの白白白が支配する風紀委員本部セントラルジャッジメントの組織員だ。いかに封印戦力などという称号が与えられていてもそれぐらいの制御はされているはず。
 だから、最果を一度戦闘不能状態にして、その間に最果ての視界内から脳幹が消え去ればいい。
 そうすれば、任務を失敗した最果は悪態をつきつつも帰るはずだ。
 いかなる不死身、不死性を持っていたとしてもその体が純粋な人間だというのならば極超音速をたやすく突破する速度で移動する脳幹をとらえることなど不可能なのだから。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストーム。
 後方に設置された無数のロケットブースターを上手に操りながら脳幹は学園都市の道を突き進む。
 追手の気配はない。
 1秒あればアレイスターが指定した場所に辿り着ける。
 だから何の心配もない。
 
 そう、思っていたのに。
 
「逃がすと、思ってぇ」
 
 速度によって無限に加速された時間の中で、あまったるい声が脳幹の耳に響いた。
『っ!?』
 思考の中にわずかな驚愕が現れるが、決して脳幹はロケットブースターの放出を止めない。
 気にする必要はない
 気にかける暇があるのならば今は一メートルでも先に進むべきだ。
 だが、
 
「ポチッ」
 規模も、威力も別格の17度目の自爆が脳幹を襲った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 体・内・保・存・式・緊・急・自・殺・用・超・威・力・爆・弾・『オ・メ・ガ・ジ・エ・ン・ド・』。
 それが風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力常世涯最果の所有する専用武器の名だ。
 効果はその名の通り自爆。
 あたり一面を巻き込んだはた迷惑な自爆。
 しかも、この専用武器の厄介さはそれだけにとどまらない。
 一つ。自爆範囲とその威力を最果自身で調節可能であるということ。
 ごく小規模かつ低威力の自爆から超大規模かつ超威力の自爆まで最果の主観で選択可能であるということ。
 この機能を原因として、脳幹が感じたように自爆の範囲と威力が強化されていたわけだ。
 そして、二つ。
『ぐぬっ!!!』
 『オメガジエンド』によるこれまでとはけた違いの爆発が脳幹を襲う。C4を500Mt爆発させたような爆発。
 そ・れ・が・指・向・性・を・も・っ・て・脳・幹・に・襲・い・か・か・っ・て・い・た・。
 それこそが『オメガジエンド』の特性の二つ目。
 『オメガジエンド』による爆発はその方向を決定することが出来る。誘導できるのだ。爆発の方向性を、前方へと、後方へと、左方へと、右方へと。
 故に逃れることは不可能に近い。
 一般人ならば容赦なく爆発に巻き込まれて死亡するだけだ。
 一般人ならば。
『っ』
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストーム。
 その後方にあるロケットブースターを逆噴射&左向きするようにして急制動をかけ、脳幹はその指向性を持った爆発から逃れた。
 そこに声がかかる。
「ははは、逃がすわけないでしょう」
 さすがの脳幹もあせっていた。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストームを使ってなお逃れることのできない最果の足止めに、頭脳をフルに回転させて対処しようとする。
 脅威度は既に十段階以上引き上げられていた。
 ただでさえ、対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントの直撃を受けても死なない不死性を持っているのに、それに加えて対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストームの脳幹に追いつくことのできる何らかの手段を保有している。
 対応できなくてはないが、対応することは難解だ。
 そんな域に最果の戦闘能力はあった。
 だから、
 
 その時だった。
 
「天地破壊流布術。髑髏されこうべ」
 きりっとした声と共に上方から降ってきた布が最果の頭に巻き付いた。
「は?」
 どこから、と疑問に思う暇もなかった。
 突然、最果の頭に巻き付いてきた布は上から下に振り下ろされたままの勢いで最果の頭を180度ねじった。
 グルンッ!と360度首が回ったのが認識できた。
 ボギリ、と最果の首が折れる。
「送るよ」
 乱入者は剣を振るう。
「天地破壊流。滅亡・攻防一対絶対防衛全方位断絶別位世界サークルアイギスウィズザワールド」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:52:04.62 ID:2+4dxV5n0
 学園都市の中でも最高レベルの知識を持つ脳幹だからこそ、その行動の意味が分かった。
 彼・女・の・振・る・っ・た・そ・の・剣・が・世・界・を・切・っ・た・。
 なんの抵抗もなく、なんの反抗もなく。
 まるで飴細工のように。
 ベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキ!!!!!と。
 切られた世界の断面のようなものから白い暗闇が現出しそうになる。
 その空間に脳幹は躊躇なく入った。
 誰が割って入ったのか、誰が布を使って最果を殺したのか。脳幹にはその人物が分かっていた。
『感謝する。彼者誰時に輝く月シャイニングムーン団長裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいが』
 まっすぐな感情をこめて脳幹は礼を言った。
 そして、木原の中でも異端の存在である脳幹は彼女らを視界にとらえる。
 常人には理解不能な領域に存在する超常の存在達が戦っているそのさまを。
 それを離れたところから見ているひとりの少年の姿を。
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント一斉射出フルバーストッッッッッ!!!!!!!!!!』
 躊躇いはなかった。
 躊躇は無かった。
 脳幹はアレイスター=クロウリー友の願いをかなえるために、その超常の存在達に向かって武器をふるった。
 
 



常世涯最果 所属 風紀委員本部
      役職 封印戦力
      能力 不明
      専用武器  体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:52:54.11 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/80.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

80 / 178
領域の戦い@ 乱入者 御坂美琴E 消えた敵

 目の前の光景を理解できなかった。
 目の前の現象を解読できなかった。
 視界に映るその意味が分からない事象を前にただ悔しさと後悔が蓄積する。
 一目で神具とわかる武器群が何もない空間から発生する理屈も、それを竹槍の一振りで掻き消す理屈も、さっぱりわからない。
 理解できない。理解できない。理解できない。
 理解できない。理解できない。理解できない。
 さっきと同じだ。
 足りないのだ。
 『何か』が。
 その領域を理解するための『何か』が。
 その領域に入るための『何か』。
 掴めるはずなのに、
 手に入れているはずなのに。
 だが、例えパズルのピースがすべてそろっていたとしてもそれをくみ上げられるかは別問題だ。
 2000ピースのパズルをくみ上げるのに多大な労力を使うように、手に入れた多くの手がかりピースをくみ上げ、理解し、自分で扱える形に持っていくのはとんでもない技術が伴う。
 届かないのだ。
 足りないから。
 手がかりピースを組み上げるための『何か接着剤』が。
 故に、見ることしかできない。
 恐怖に震え縮ちぢこまりながら見ることしかできない。
 限界点。
 到達点。
 その領域への扉は固く閉ざされてしまったままだ。
 抉こじ開けることは、出来ない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 一方で十五夜まんげつと『空白の主』の戦いは激化していた。
「フラガラッハ+ブリューナク=雷速絶貫の回答者フラガラック・ブリューナク」
 雷速で放たれた絶対勝利を確約する不折の剣が十五夜に迫る。
「三日月宗近みかづきむねちか+童子桐安綱どうじきりやすつな+鬼丸国綱おにまるくにつな+大興太光世おおでんたみつよ+数珠丸恒次じゅずまるつねつぐ=天下五剣」
 さらに、日本を裏から守っている名家によって保存されている天下五剣の属性を一つにまとめた剣も同じように迫る。
「アイアスの盾+アイギス=石化の不貫盾アイアス・アイギス」
 同時にかつてトロイア戦争において英雄ヘクトールの攻撃を防いだアイアスの盾に、相手を石化させるメドゥサの首をはめ込んだアイギスの効果を上乗せし、攻防一対の盾で防御を固める。
「無駄ですよ」
 が、十五夜には効かない。
 無傷。無傷。無傷。
 損傷無し、零。
「いかにあなたがこの領域の支配者だとしても、私はたやすくそれを染め直すことが出来る。だから、全くの無駄」
 すべて掻き消える。
 十五夜のもとに、その武器が届くことはない。絶対に。
「意思を乗せろ、竹槍大衆の願い」
 そして、十五夜はその手に持つ竹槍を投げる。
 無造作に、無作法に、まるでただの少女のように、格好つけず、格好悪く、ただ意志のみを乗せて。
 その竹槍に伝説はない。
 その竹槍に神話はない。
 だから、普通なら絶大な力を持つ『空白の主』には当たらない。
 なのに、
 にも拘らず、
「がっっ!!!……うぅ……」
 そ・の・竹・槍・は・絶・対・に・貫・け・な・い・は・ず・の・石化の不貫盾アイアス・アイギスを・貫・き・『空・白・の・主・』の・肩・に・突・き・刺・さ・っ・た・。
 別にこの竹槍には『シスラウの時計』のように毒の効果があるとか、万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスのように絶対必中の効果があるとか、そういうものではない。
 だが、当たる。貫ける。ダメージを与える。
 なぜなら、この竹槍は格上に対して絶大な効果を発揮する武具だから。
「痛つぅ……。相変わらず、冗談みたいな強さだなぁ……」
 まったくもってあり得ない。
 本当にたちの悪い冗談だ。
 さすがは、風紀委員本部セントラルジャッジメント最強の存在。
 戦闘が得意ではない『空白の主』位[ピーーー]のはわけがないわけだ。
「もう一度言います」
 これが最後の忠告という事はさすがの『空白の主』にも分かった。
「手を、引きなさい」
「……」
 だから、答えた。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:55:09.10 ID:2+4dxV5n0
「断る」
「なら[ピーーー]」
 容赦はなかった。
 静かな表情のままで十五夜は『空白の主』に突き刺した槍を四散させ、内部から『空白の主』を攻撃した。
「ぎゅ、がっ!!!!!」
 肩につきたてられた竹槍が四散したことで『空白の主』の腕が体から離れる。そして、腕を失ったその影響で体のバランスが崩れ、傾く。
 その決定的な隙を逃さずに、十五夜は一瞬で『空白の主』との距離を詰めた。
 
「[ピーーー]」
 
 その時だった。
 
 
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント一斉射出フルバーストッッッッッ!!!!!!!!!!』
 
 
 始まりの領域に侵入した木原脳幹が二人に向かって攻撃を仕掛けた。
「なっ!!!」
 突然の乱入動物にさしもに十五夜も不意を突かれた。
 『空白の主』への攻撃を中止して、視線を乱入者にやる。
(木原脳幹……っ!)
 学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーの部下。
 学園都市の最暗部にして最奥部の殺し屋。
 様々な逸話いつわがあるが、この時十五夜が思ったことはそのどれでもなかった。
「だ・か・ら・で・す・か・……っ……!」
 違和感を感じてはいたのだ。
 おかしいとは思っていたのだ。
 そう、
 いくらなんでも弱すぎた。
 その理由が判明する。
 つまり、ここまですべて『空白の主』の思惑通り!!!
「ぐ、ぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううぅぅぅぅうううあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!」
 放たれた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントに対処せざる負えない。いくら十五夜が最強の原石だったとしても対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントをまともに喰らうのはまずい。
 なんといっても対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントは完全な状態の『魔神』を[ピーーー]ことのできる兵器なのだから。
 局所的には『魔神』に劣らないとはいえ、十五夜はこのレベルの戦いに役立つ力は原石しか所有していない。
 故に、レーザー、マイクロ波、ミサイル、ビーム等で構成される対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントの総攻撃に対してとれる手段もそうなかった。 
「っ!!!」
 手に持つ竹槍では対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントに対抗できないと判断した十五夜は別のものを現出させた。
 対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントに対抗するため、今を生き抜き白の命令を果たすため。
『なっ!!!』
「へぇ」
 十・五・夜・を・守・る・よ・う・に・巨・大・な・船・が・現・れ・た・。
 全長263.0メートル、水線長256.0メートル、幅38.9メートル、出力153553馬力、基準排水量64000トン、兵装、45口径46センチ3連装砲塔3基、60口径15.5センチ3連装砲塔2基、40口径12.7センチ連装高角砲12基、25ミリ3連装機銃52基、25ミリ単装機銃6基、13ミリ連装機銃2基。
 かつて、某国を相手にした戦争で活躍したとある国の船だ。
 その船が壁となり対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントのあるゆる武装は十五夜には届かなかった。
 
 だがッ!
 
 その船によって脳幹の視界が遮られた機会を逃さずに行動したヤツがいた。
 
「始めよう」
「……ぁ……」
 『空白の主』が十五夜と脳幹が交戦したその一瞬のタイミングを逃さずに、一方通行アクセラレータに接近した。
 まだ、十五夜は気付いていない。そして仮に気付いていたとしても対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントへの対応で手いっぱいで対処できないだろう。
「科学の叡智を手二入零よう。私がまた一つ進化するため二」
 一方通行アクセラレータは動けない。
 恐怖で動けない。
 だから、
 対応したのは別の『人間』だった。
 
『やらせると思うか』
 
 バギギャゴリュリガナニニニンイニニニニニニニニニンイニキィィィィィィィイイィィィィィ!!!!!!!!!!
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:55:51.58 ID:2+4dxV5n0
奇妙な音が響き『領域』の空間が裂けた。
 瞑娥めいがが切った世界をさらに引裂くようにして、その『人間』は『空白の主』に攻撃をふるった。
 その銀の杖を無造作にふるった。
 だから、
「か」
 吹き飛ばされる『空白の主』。
 それを視認することすらなく『人間』はすぐさま『領域』から脱出した。
「からからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからかかかかかかかかかかかかかかかか!!!!!!!!!!!!!!」
 嗤い声を上げる『空白の主』。
 本当におかしかった。
 おかしくて、おかしくて、おかしくて、おかしくて、おかしかった。
 
「昇零、そ四十」
 
 だって、
 だってだって、
 だってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだって、
 
 
 
 
 すべて、計・画・通・り・に・進・ん・で・い・る・の・だ・か・ら・。
 
 
 
 
「砕け六」
 
 世界が砕けた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「…………ぁ……ぁあ」
 実のところ彼女の意識はまだ覚醒していなかった。
 一方通行アクセラレータに対して行っていた攻撃はほぼ本能的な無意識レベルでの反射で、まっとうな思考力を発揮して、計算して行っていたものではなかった。
 能力を発揮するための演算も、超電磁砲弾きクロッシングレールガンなどという絶技もすべて意識的に行たものではない。
 それはすべて『守る』という本能から来たもので、
 それはすべて『守りたい』という本能から来たものだった。
 心の奥底に刻まれた意志は、その遺志は決して潰えず体を動かすものなのだ。
 故に、彼女が覚醒したのは『今』だった。
「こ、…………こ……は?」
 意識が覚醒した。
 御坂美琴はここに、確かにその意識を現した。
「わた、…………しっ、……はッッッ!!!?」
 急激に目覚める。
 覚醒。
 そして、御坂は自分が起こした行動を思い出す。
 超電磁砲弾きクロッシングレールガンを放って一方通行アクセラレータに大ダメージを与え、地面を無様に転がった一方通行アクセラレータに向けて雷撃の追撃を放ち、一方通行アクセラレータを[ピーーー]あと一歩まで追い詰めて、追い込んで、
 そして、
 御坂は見た。聞いた。
 最期の一撃が一方通行アクセラレータに当たるその直前に、
 爆・音・が・聞・こ・え・操・車・場・中・の・地・面・が・輝・き・一方通行アクセラレータの・身・体・が・消・え・た・こ・と・を・。
「何が、起こっているって……いうの?」
 何もかもがわからなかった。
 なぜ、地面が光ったのか?
 あの爆音はなんだったのか?
 なぜ、御坂美琴が蘇ったのか?
 なぜ、一方通行アクセラレータが消えているのか?
 なぜ、なぜ、なぜ。
 どうして?
「勝ったの……?」
 狩ったのか?
「倒したの……?」
 斃したのか?
「殺せたの……?」
 殺したのか?
 いったいぜんたいどうなった?
 だれが、
 だれに、
 だれを、
 だれで、
 
 勝者は、
 
 
  
                          だれ
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:56:42.22 ID:2+4dxV5n0
百目がなんとか知恵を絞って生き残っていたその頃、二人の化物と一匹の怪物の戦いは激化していた。
「意思を乗せろ、竹槍大衆の願い!!!」
 十五夜はその右手に構えた竹槍を幾度も幾度も投擲していた。
「フラガラッハ+ブリューナク+天下五剣=天下に轟く雷速絶貫の回答者天剣・フラガラック・ブリューナク!!!」
 『空白の主』はいくつもの性質を上乗せした神具を無限に生成し放っていた。
 そして、
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント一斉射出フルバースト!!!!!』
 この戦いの中である意味では最も有利な条件で戦っている脳幹は、その身で操る対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントをふんだんに使って二人を攻撃していた。
 この二人と一匹の戦いの構図は非常に単純でありながら、いまだに誰もが明確な手傷を負わせることが出来ず、負ってもいなかった。
 その理由はただ一つ。
 基本的に自分以外は敵、その構図が全力で攻撃することを躊躇させていたのだ。
「埒があきませんね……」
 仮に、わずかな間でも協力できるような関係がこの三者の間に構築されていたとした情勢は変わっていただろう。
 一対一対一から二対一へと。
 そうすれば、決着は一瞬とはいかないまでもついていた。
 だが出来ない。
 それは、それが出来ない。
 信用できないから。
 この各勢力のトップの代理戦争ともいえる構図で敵対勢力と協力関係を作るなどできるはずがない。
 故に、だれも本気をだせない。
「からから、全くどうするかな」
 仮に一瞬でも誘いではなく全力で猛撃するような動作を見せれば、その瞬間防御がおろそかになる。すると必然自分以外の二者の攻撃を受けることになり、防御がおろそかになった自分自身は死ぬ。
 だから迂闊に動けない。
『……………さて、どうするべきか』
 二人と一匹はそれぞれが世界最強クラスの存在達だ。
 最強の原石にして風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜このはざくらまんげつ。
始まりの領域を住みかとする規格外にして埒外の化物『空白くうはくの主あるじ』。
 学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーの配下にして魔神をも屠る力対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを所有する木原脳幹。
 どいつもこいつも本気になれば世界を壊せる力を持つ。
 まぁ、この始まりの場所ならばいくら全力をふるっても問題ないのだが、それでも世界という絵画に与える影響は大きいのだ。
 この場所で戦うからこそ。
 だから、この流れは既定路線だったのかもしれない。
「提案ですが」
 切り出したのは十五夜だった。
「一時休戦としませんか」
 文頭に誠に遺憾ながらという言葉がつきそうなほどイライラした口調で十五夜は提案する。このままここで緊張状態を続けているのは誰にとっても得策ではないのは自明の理。ならば、一度見逃した方がいいと考えた。
「『…………………………………………………』」
 その提案に一人と一匹は沈黙する。
 それは彼らも思っていたことだ。『空白の主』も脳幹もすでに目的は果たしている。これ以上の戦闘は望むところでは無い。
 だが、
 
 それで素直に帰るほど彼らは素直では無いのだ。
 
「冗談一うね」
 言葉と共に神速の槍が放たれた。
 万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス。
 必中、不敗、自動追尾。様々な性質が付け加えられたその槍が。
 再び場に軽い緊張状態が現れる。
 『空白の主』が万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスを投げた。つまり、『空白の主』は十五夜の提案を、休戦というその提案を却下したのだ。
 交渉は決裂した。
 
 と・い・う・わ・け・で・は・な・い・。
 
 そう、これは交渉決裂という事ではないのだ。
 『空白の主』の目を見ればわかる。敵であるからこそ理解できる。
 その瞳は『早く帰れ』といっている。
 見逃してやるからさっさと帰れと言っている。
 敵対しているという立場上、明確に見逃してやることは出来ない。そんなことをすればほかの組織や人間から共謀が疑われてしまう。
 それは避けたい。
 『空白の主』は戦闘が得意ではないのだから。
 だから、ある程度戦った後うまい具合に適当なタイミングで勝手に帰れ、と。
 そういうことだった。
 脳幹と十五夜は『空白の主』のその意をくんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 結局しばらく戦闘を行って脳幹と十五夜は学園都市に帰った。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:57:13.09 ID:2+4dxV5n0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 もしも、この場に白がいればこう言うだろう。
 
 彼ら彼女らの勝負がお流れになるのは当然のことだ、と。
 
 理由?
 
 問う必要があるのだろうか?
 
 みんな知っていることだろう?
 
 最・強・級・の・キ・ャ・ラ・は・序・盤・に・本・気・を・出・さ・な・い・。
 
 なぜかって?
 
 そ・の・方・が・読・者・の・方・々・の・興・味・を・引・け・る・か・ら・だ・。
 
 
 
 
 
 



【朗報】この章でやること、後は御坂美琴と一方通行のバトルだけ。

これにて第三節は終了です。

次の第四節が第一章の最後の節となります。

気付いている人は気付いていると思いますが、この作品の最重要単語は『世界物語《キャラクターストーリー》理論』です。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:00:24.33 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/107.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

107 / 178
白白白と木葉桜十五夜C 狂気狂乱狂騒狂宴

 伏線は物語には絶対に必要なモノである。
 恋愛ものでいえば普段自分から遊びに誘わない幼馴染が唐突に「明日遊びに行かない?」などと電話してくる。
 バトル物でいえば倒した敵が「本当の敵は、お前のお――――――」と言った瞬間に何者かに殺される。
 推理ものでいえば事件が起きたその時にある人物だけ姿が見えなかった。
 異論はあるかもしれないが、これらのようなモノは伏線と呼ばれる。
 伏線とはのちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくことだと言われる。この説明がばっちりそうなのかというと微妙かも知れないが、大筋は外していないだろう。
 そして、だから、上条当麻は敗北した。
 伏線が『はられて』いなかったから。
「伏線……」
「伏線だよ。十五夜。伏線。伏線。伏線なんだ。この世の全ては伏線がはられてなければならない。僕も君も彼も彼女もあいつもこいつもどいつもこいつも伏線をはらなければ、貼らなければならないんだ。この世界で有利に生きたいのならば」
 狂騒するかのように口をまわして熱烈に語り語る。それは十五夜でも見ることの少ない、白の興奮した姿だった。
 何が、白をここまで駆り立てるのか。それはながい付き合いの十五夜にも分からない。
「伏線。ただそれだけでいいんだ。それさえあれば、それが、それ故にそれを、伏線を貼っておけば僕はこの世界に生きられる。生きて、生き、て、伏線の通りに、伏線のままに、伏線のはった道筋を通って」
 だが、それでも分かるのは。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:02:10.32 ID:2+4dxV5n0
「伏せられた事実を、貼られた螺旋を、上にある傍点が、引かれた傍線に、ちょっとしたしぐさが、表情が、地の文の事実が、誰かの僕の君のおまえのこいつのあなたの彼女の見知らぬ人の化物の罪人の咎負の黒幕の大罪の彼の言動が、血筋が関係が、その異常性が、すべてがすべて全部何もかもちょっとしたことでも伏線になってなりうってなりえてなりなりうる。だから、言動一つにでも行動一つにでも言葉一つにでも日常においても非日常おいてもちょっとしたすべてに気を使って気を付けて気を散らして気を張って気張らなければならないんだ。例えば十五夜君の言動なんてまさしくそうだ君が外に出て戦っていた間に無意識だろうがいくつもの行動がはられてしまっているんだぞそのことに君は気付いているのか?まず最初は君がこの『天秤の間』から第八学区の超高層ビルに位相を改竄して移動した時だがこれはまだここから移動するのは観測もされないから別にいいんだただ次だわざわざ位相の改変を利用してビルの金網を透過しさらにビルから飛び降りる必要はどこにあったんだ階段を使えよ階段をわざわざあのタイミングで位相操作を行うなんてどう考えても伏線になってしまうだろうがわきまえろよ僕の努力を無駄にするつもりか塵芥人形その後もだ彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの狙撃を防ぐのにお前は位相を使った防御を行ったなそれはなぜだなぜあのタイミングで位相による防御を行う羽目になったのか君の力を外に示すことになったのか君はお前は貴様はあなたは本当に分かって考えて思考しているるるるのか貴様がもっと最初から警戒範囲を広めていればあんなことにはならなかったはずだろうが確かに地の文で『今、十五夜が彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの狙撃を防いだのは、当然のことながら偶然では無い。その理由は十五夜の原石にあった――――――』くらいのことは書かれるかもしれないがこんな序盤で普通ならお前の力の詳細は明かされないはずなんだなのにおそらく今回の件で読者の奴らは別として他勢力特にアレイスターの奴にはお前の力が原石が能力が『局地的位相操作』だと分かってしまったぞお前君は貴君あなたテメェその責任とれるのか君力は僕が見た数多の人間の中でも強力で扱いやすくてだからこそわざわざ引きこもっている君を僕が引っ張り出していろいろ調教してやったのにそのすべてを無に帰きす無に帰かえす無かったことにするつもりかいい加減にしろいいかよく考えてから行動しろお前の一挙手一投足から言動思考内心その他すべては作者によって描写される可能性があるんだぞそのまわらない頭にもう一度深く刻んでおけよ木偶塵屑戦う時に考えるべきことも思考してはいけないこともいちいちいちいちいちいちいちいち僕が説明しないといけないほど愚かで馬鹿な愚図じゃないだろうお前はいいか何度でもいうが僕のフォローにも限度限界があるんだからな確かに僕は目的のために一心不乱に万進して前進して歩み進んでいく気概はあるが僕の目的の達成に君は必要だからめんどくさく思いつつも無意味だろうが説明をしてやってるんだあぁ二度も三度も同じことを言わせるなよ一度の説明で完全に完璧に完成にどうして理解できないんだ僕よりも優秀で僕よりも有能で僕よりも優美で僕よりも多芸で僕よりも万能で僕よりも優等で僕よりも赫々かっかくなのにどうしてお前らは!君は!言われたことを覚えることも実行することも出来ないんだそんな難しいことを言っているつもりはないのに不可能なことを命令しているわけでは無いのにのにのにも関わらず八面六臂の活躍をできる君たちが万能で全能な君たちは言われたことが出来ないんだいいかもう一度言うぞ何度目か知らないがもう一度言うぞもう何度でもいうぞ脳に直接刻み込んでおけよ塵人形!!!その一挙手一投足から!思考にいたるまでの全てが!全部!何もかも!あらゆることがものが!描写される危険性があるんだよ!!!だからもっと注意深く行動しろ注意して行動しろ迂闊な言動行動は控えろここではともかく外では絶対に控えろさもないと十数年をかけて育んで育ててきた僕の計画がすべて全部何もかも意味がないことになるだろうが!!!気取られないように慎重に用心深く翼々と抜け目なく進んできた計画が計略が計画スケジュールが無意味に無価値に無意義に無用になってしまってそうしたら僕が!僕が己の全てをかけて!ずっとそれだけのために生きてきたのに失敗するなんてそんなことに今更なったらどう責任をとるつもりなんだあああ、ああああああ、あ、ああ、ああああああああああああああああああ、ああああ。あああ、あ、君は僕が見出して僕が!作り出したのに、なのになのになのにそれで最高の人材を素材を人間を生物を生命を選定して伐採して剪定して精選して厳選して択ってここまで育てて育成してきたのにその期待を!希望を!軌跡を!奇跡奇蹟を!どうして踏みにじるようなまねが裏切りが出来るんだよ恩を忘れたとか恩を売るとかそんなつもりは全然まったくこれっぽっちもないが君たちお前たち僕たちは僕の理想に理屈に幻想に賛成して賛同して支持して賛して共鳴して同意して同心して合意してだからここにいてこの立場につくことを許したはずだろうなのにだからなのにどうしてどうやってどうすればここまで僕がそれだけはと注意して注視させたことを破ることが出来るんだ!!!僕よりも頭のいいくせに僕なんか目じゃないくせに僕を圧倒できるだけの能力が頭脳があってあるからあるのに僕よりも僕が僕僕僕に僕を僕僕僕僕僕僕僕僕僕とともにこのせ」
 
 
 
 
 
「委員長!!!!!」
 
 
 今・の・白・は・異・常・だ・、ということ。
 
 「―――――――――――――――――――――――おっと、僕としたことが。あぁ、今のことは忘れてくれ十五夜。とんだ醜態をさらしたな」
「いえ、そんなことは」
 
 
 
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:03:05.61 ID:2+4dxV5n0
「忘・れ・ろ・」
 
 
 
 
「―――――――――――――は、――――――い」
 そ・の・言・葉・に・対・応・す・る・か・の・よ・う・に・十・五・夜・の・目・か・ら・光・が・消・え・た・。
「ちっ、………………そのまま4分26秒23前までの記憶を消去デリートしろ。その後再起動リスタート」
「―――――――は、―――――――――――――――――ぃ」
 それは同じ人間にするにはあまりにも非情な命令ではあった。だが、無意識化でそれを実行するように刻まれている十五夜の意識は、本人の拒絶の有無を問わずに白の命令を実行した。
 記憶を削除し、時間感覚を制御し、白の言うように意識を再起動させる。
 現在から4分26秒23前までの記憶を無かったことにされた十五夜は自らの記憶に一切の疑問を持たずに、もう一度4分28秒前と同じ言葉を発した。
「伏線…………」
「そう伏線だ、十五夜。もっと言えば上条当麻がある手がかりをつかんでさえいればあの戦いで埋娥に勝つことは出来た」
「ある手がかり……ですか?」
 気付いていない。
 気付いていない。
 気付けない。
 十五夜は決して気付けない。自らの記憶がデリートされてしまっていることも、目の前にいる男がそれをなしたという事も絶対に気付けない。
 なぜなら、それは十五夜が白のことを信じているからで、十五夜が白のことを盲信しているからで、十五夜が白のことを全肯定しているからだった。
 十五夜は白が他者に『悪い』ことをするなんて考えていない。
 十五夜は白が人間に『悪』をなすなんて思っていない。
 だから違和感も感じない。
「ベッドの下の」
 そして話題は移る。移ってしまう。
「くまのぬいぐるみの中の」
 十五夜が気付けないままに。
「レポート用紙の束」
 過ぎ去った話題を十五夜が指摘することはもう無い。だから、話題は移る。上条が回収できなかった、気付くことのできなかった、伏線へと。
「それが、上条当麻の見逃した最高レベルの伏線キーだ」
「ベッドの下のくまのぬいぐるみの中のレポート用紙の束……ですか。それは、上条当麻が訪ねた常盤台学生寮の部屋の中のことを言っているのですか?」
「その通り。さすがに頭のまわりが早いな。あの時、上条当麻と白井黒子は絶対能力進化実験レべルシックスシフトの憔悴していた御坂美琴についてのてがかりを得ようとしていただろう。そしていないはずの妹、初春飾利からの妹達シスターズという情報、絶対能力進化実験レべルシックスシフト等様々な情報をえた」
 あの時の上条らの動きは自分たちの得意分野を駆使した最高レベルのものだった。上条当麻、白井黒子、初春飾利。誰が欠けても御坂のもとに辿り着くことは不可能だっただろう。
 だが、それでも上条らは御坂美琴が何かに巻き込まれていて、それが絶対能力進化実験レべルシックスシフトと呼ばれるものであるという事までは辿り着けたが、その絶対能力進化実験レべルシックスシフトの内容まではたどり着けなかった。
 だから負けたのだ。
 目的が明確化されていなかったから、事情が完璧には分からなかったから。
「だけど彼らは絶対能力進化実験レべルシックスシフトの内容がわからなかった。御坂美琴が何に巻き込まれているのかわからなかった。それさえ分かっていれば、きっと届いたのに」
「…………………………………」
「そしてあったんだ。上条当麻がいたあの部屋の中に。御坂美琴が普段使っているベッドの下に置いてあるくまのぬいぐるみの中に。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの内容が記された書類が。御坂美琴が絶対能力進化実験レべルシックスシフトについてしらべるために収集した情報が」
 御坂美琴は寮の規則で禁止されているものを持ち込むためにくまのぬいぐるみを改造して使っている。そのくまのぬいぐるみの中に絶対能力進化実験レべルシックスシフトについての情報が記された書類もあった。
「それさえあれば、勝てた。過去をやり直すことは僕には出来ないが、それでも言うのなら、あの時上条当麻か白井黒子のどちらかがその絶対能力進化実験レべルシックスシフトについて記した書類に気付いていれば状況は確実に変わっていた。変わっていたんだ」
 白井ならばもしかしたらくまのぬいぐるみの中に何らかのものが入っていることは知っていたかもしれない。でも、白井もまさかそんなところに自分たちの求めている情報があるとは思わなかった。そして上条は言わずもがなだろう。
 だから、誰も気付けなかった。
 その場にあった重要な伏線に。
「勝てなかったのは上条たちが書類伏線を見つけ回収しなかったから。……納得はいったか?」
「はい。――――――説明していただき、ありがとうございます」
「そうか。納得がいったならもう出ていけ。僕も、これから考えなければならないことがあるからな」
「はい。失礼します」
『天秤の間』から出ていく十五夜をしり目に見ながら、白はこれからのことについて思考を巡らせた。
「アレイスター=クロウリー。死縁鬼苦罠。天埜郭夜。妹達シスターズ。御坂美琴。…………考えなければならないことは無数にあるな」
 計画は絶対に成功させる。でなければここまで生きた意味がない。
 そう、強く思って、白は考えを深める。
「――――――そういえば、伝え忘れたな。……まぁいいか、後で各総隊長と十五夜には送っておこう」
 今まで忘れていたが、先ほど諜報部隊の報告にあったことを白は思い出した。たいして重要でもないことだから。今の今まで忘れていた。
「第三生産部門が壊滅したという報をな」
 何でもないように、大事を口にした。一部門が壊滅するなどどう考えてもたいしたことである。だが、白にとってはそうでもなかった。
「さて、次の選定はどうするか」
 だから今日も白は思考する。
 世界の嫌われもの、白白白は考える。
 世界をよりよくするために、世界の風紀を守るために。
 世界を、――――――ために。
 



前半の白のセリフ読みにくいですよね。

わざとです。
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:04:18.38 ID:2+4dxV5n0
https://syosetu.org/novel/56774/110.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

110 / 178
不明の項目多すぎワロタ


オリジナルキャラクター紹介

 白白白はくびゃくしろ……性別 男
      所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
      役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長
      風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長のため無し
      特殊能力 不明
      二つ名 造られた子供たちプログラムチルドレン
      所持武器 不明
      戦闘スタイル 不明
 
      風紀委員本部セントラルジャッジメントの委員長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属している部下を使って暗躍した。
      
 
 
 木葉桜十五夜このはざくらまんげつ……性別 女
         所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
         役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐、学園都市特記戦力
         風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長補佐のため無し
         特殊能力 原石 世界支配ワールドイズマイン
         二つ名 最強原石 風紀委員本部セントラルジャッジメント最後の切り札 委員長の懐刀 意思無き人形 正義の尖兵等
         所持武器 専用武器懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』
         戦闘スタイル 位相操作、万能型
 
         風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い暗躍した。基本的に白には絶対服従である。原石世界支配ワールドイズマインは局地的位相操作を行うことのできる力であり、基本的に戦闘で負けることはない。十のリミッターがかけられており、普段の力は大幅に制限されている。
 
 
 
 扼ヶ淵埋娥やくがぶちまいが……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 攻撃部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 数の無い槍ロストオブランス
        所持武器 火炎放射器
        戦闘スタイル 近接格闘、遠距離火炎放射
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い上条当麻と戦闘を行い勝利した。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。能力は現段階では不明だが、地下下水道の崩落から身を守るために能力を使ったように描写がされている。
 
 
 
 魅隠罠明みかくれみんみん……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 開発部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
        作ったモノ 懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』等
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの開発部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件で動いた様子はないが、開発部隊総隊長だけあって武器や防具、兵器、道具類を作ることに天才的能力をほこる。ただし、自分の製作したモノを馬鹿にされたと感じるとヒステリー気味に怒鳴る。罠明の製作したモノを馬鹿にするのは止めた方が賢明である。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。ただし、白が別組織から引き抜いたような描写がなされる。懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』の製作者は彼女であるが、霊装をつくれるという事は魔術師なのかもしれない。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:05:10.19 ID:2+4dxV5n0
 千疋百目せんひきひゃくめ……性別 女
       所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
       役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊第二班班長
       風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 第10位→第8位
       特殊能力 超能力『反転世界パラレルワールド』
       強度 大能力者レベルフォー
       二つ名 逆さまに狂う世界オセロゲーム
       所持武器 不明(本来なら武器は所持しているようだ)
       戦闘スタイル 近接格闘、投擲
       称号 宿敵ライバル
 
       風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊第二班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と戦闘を行い勝利した。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの一件終了後白の指示によってに風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングが二つ上がった。傷を負うことを恐れており、本人は少なくとも風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング五位になるまで無傷でいなければならないと思っている。第八拘束リミッターまでを解除した十五夜の姿を見て気絶ですんだことからも、百目自身の強さがうかがえる。
 
 
 
 無何有峠妃むかいとおげきさき……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 諜報部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。両名が地下下水道に入ったのを見てから撤退を行った。
 
 
 
 五寸釘匕首ごすんくぎあいくち……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第一班班長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
        特殊能力 超能力一方念話ワンサイドテレパス
        強度 強能力者レベルスリー
        二つ名 無し
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第一班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白と妃の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。また、同時に連絡要員として能力を使用し埋娥や百目に指示をした。
 
 
 
 浣熊四不象あらいぐましふぞう……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第■班■■
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 爆弾使用、銃?使用
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第■班■■。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い空中の戦力への対応、人員の回収を行った。『HsAFH-18』に追いつき、侵入できるほどの能力を持っている。空を飛ぶ姿を確認できるが、何らかの道具によるものなのかそれとも能力によるものなのかは不明。
 
 
 
 常世涯最果とこよのはてさいはて……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 封印戦力のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 専用武器体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』
        戦闘スタイル 自爆
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力。最果のことは苦罠らも表に出てくるまで知らなかった。能力は不明ながら擬似的な不死のようなものだと推察できる。脳幹は『封印』という手段で楽に対処できると語った。普段は 風紀委員本部セントラルジャッジメントの地下第11層にいる。白さえもなるべく使いたくないと思う戦力であるが、自爆戦法を使えるという点ではほかの何物にもできない唯一の戦力ではある。
 
 
 
 常闇燕獅とこやみえんし……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント防衛部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 防衛部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの防衛部隊総隊長。それ以外のデータは現段階では一切不明。
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:05:55.64 ID:2+4dxV5n0
白神九十九つくもがみつくも……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント支援部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 支援部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの支援部隊総隊長。白は十五夜を通してこの人物に百目の風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングを上げるように命令した。
 
 
 
 五安城安土城いなぎあづちじょう……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント■■■■■■■■■
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        詳細一切不明。白曰く外のことを任せているらしい。
 
 
 
 死縁鬼苦罠しえんきくわな……性別 男
        所属 学園都市統括理事会
        役職 学園都市統括理事会メンバー
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
        ブレイン 天埜郭夜
 
        学園都市統括理事会メンバーの一人。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では天埜郭夜と共に暗躍した。計画プロジェクトと呼ばれる計画を進めているようだが詳細不明。交渉力、部下の豊富さ、知略に富んだ頭脳、どれをとっても敵にまわしたくない存在である。木原幻生とのつながりがあり、大覇星祭中に御坂美琴の絶対能力者レベルシックス化を行う予定だったようだが、何のためかは不明。彼がここまで御坂美琴にこだわる理由はいったい何なのだろうか……。
 
 
 
 神亡島刹威かみなきじまさつい……性別 女
        所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
        役職 死縁鬼苦罠直属の部下
        特殊能力 超能力交点爆撃チェックボンバー
        強度 無能力者レベルゼロ
        二つ名 無し
        所持武器 無し
        戦闘スタイル 近接戦闘型
 
        死縁鬼苦罠の部下の一人。といってもいくらでもいる消耗品としての部下であり本人もそれは自覚している。それでも苦罠に尽くすのはかつて苦罠に『闇』から救われたから。浣熊四不象によって殺害され、『HsAFH-18』の爆破と共に死体も消失した。実は見捨てられた女グレイレディによって操られていたが本人は当然自覚していない。交点爆撃チェックボンバーは定めた人物と自身の視線の交わった部分を一直線として、その直線の中間部分を爆破する能力。ただし無能力者レベルゼロ
のため実用性は皆無。完全に死亡しているため今後登場することはない。
 
 
 
 巳神蔵豈唖みかぐらあにあ……性別 女
        所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
        役職 死縁鬼苦罠直属の部下
        特殊能力 超能力水分生成クウォータージェネレーション
        強度 大能力者レベルフォー
        二つ名 無し
        所持武器 無し
        戦闘スタイル 能力使用
 
        死縁鬼苦罠の部下の一人。替えはききにくいレア度☆3くらいの存在。御坂美琴と交渉するときの苦罠の護衛として選ばれた。
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:06:42.33 ID:2+4dxV5n0
 波並波狂濤なみなみなみきょうとう……性別 男
        所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
        役職 第一級大隊長
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 急速冷却機構内臓型窒素弾丸生成狙撃銃HsSR-04
        戦闘スタイル 狙撃
 
        彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級大隊長。十五夜足止めのために戦った人間の一人。超々一流の狙撃手であり二キロ先の獲物を確実に狙撃することが出来る。狙撃時のペアは贖である。
 
 
 
 屑爬劉くずのはりゅう……性別 男
        所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
        役職 第三級大隊長
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        何やら苦罠らが動かしていた存在。現在の所、何をしたのかは不明。
 
 
 
 一本線点々いっぽんせんてんてん……性別 男
        所属 無し
        役職 個人傭兵、学園都市特記戦力
        特殊能力 不明
        二つ名 三千世界武神
        所持武器 剣(名称不明)
        流派 天下無双流
 
        学園都市に三人しかいない個人傭兵の一人。苦罠の依頼で十五夜の足止めを行った。戦いに飢えているというよりは強さを求める類の戦闘狂であり、かつては全能神トールと戦い引き分けたこともある。位相を操る十五夜に一撃を与えたことからもその戦力の強大さがわかる。
 
 
 
 『空白の主』……性別 不明
        所属 不明
        役職 不明
        特殊能力 位相操作、神器創造、神器属性混合
        二つ名 空白の主 
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 武器投影及び投擲
 
        初まりの領域と呼ばれる場所に住む異形の存在。一方通行アクセラレータは直感的に人類の敵と感じた。位相操作能力を持つが、濃度で十五夜に劣るため戦いでは押し負ける。ただし、人類の生み出した魔術は効かない、初まりの領域では死なない、一方通行アクセラレータを上の位相世界に送り届けるなど隔絶した実力を持つことは変わりない。
 
 
 
 アルフ……性別 不明
     所属 不明
     役職 不明
     特殊能力 不明
     二つ名 不明 
     所持武器 不明
     戦闘スタイル 不明
 
     『空白の主』と親しげに話す正体不明の存在。普段は最終血戦城カステルル・ブランという場所にいるらしい。
 
 
 
 占卜卜占せんぼくぼくせん……性別 女
     所属 不明
     役職 不明
     特殊能力 不明
     二つ名 不明
     所持武器 不明
     戦闘スタイル 不明
 
     佐天涙子を占った占い師。ただの一般人のようにも思えるが……?



たぶんこれで全員だと思います。漏れがあったら教えてください。

あっ、モブキャラは書いてませんのであしからず。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 12:40:05.92 ID:QkM6+4Ac0
実は作者が宣伝も兼ねて自分のSSをコピペしてるのか?
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/16(水) 17:17:36.41 ID:qMbscrAR0
言っておくけどこんな事をしても無駄だぞ
読んでないからな
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 18:38:46.50 ID:mUnlvxPa0
オリキャラに自己投影してる人はこの手のSSが大好きなんだろうな
理解し難い神経だが
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:15:44.43 ID:NvR0Tfn20
F1 ID:EYbP0TXs  2019年06月14日(金) 14:51 (Good:2/Bad:0) 報告
魔神なんぞただの雑魚といわんばかりに原作よりもインフレというか規模がすごいですね
鎌池作品から白き女王でも連れてこなきゃどうにもならないんでは・・・ww
返信:一二三四五六 2019年06月17日(月) 00:13
感想ありがとうございます!

ああああああああ、本当にごめんなさい更新が出来なくて!色々とリアルの方で色々とあって、ここで詳しく言う事ではないので詳細は控えますが、もしかしたら秋ごろまで更新は無理かもしれない……。でも更新が完全に途絶えることはないので!それは絶対にしないので!

万万が一1年間更新できなかったらその時は前から言ってますが設定資料集の方を公開します。申し訳ないが、そうさせていただきます。

そしてここからが感想返信です。

魔神が雑魚ってことはありませんのでご安心を。魔神に基礎スペックから勝てる存在は理外人外12名のみです。これは絶対に揺らがないので。
まぁ木原五行やパトリシア=バードウェイは|王の遺産《レガリア》を持っているので魔神に対抗は出来ますし、空白の主は絶対値で張り合う事は出来ますが。

白き女王は■■■■によって■■することは一応可能ですが、正直白き女王はこの|■■■《■■■■■■■■■■》では[ピーーー]ことが出来ます。なぜならば『穢れなき真実の剣持つ「白き」女王《iu・nu・fb・a・wuh・ei・kx・eu・pl・vjz》』は既に『|■■《■■■■■》』で――――――。
いえ、これは一応ネタバレになるので避けておきましょうか。
むしろ理外人外に対抗できるのは現状ならばアンナ=シュプンゲルが最有力候補ですかね。あるいはドラゴンキラー。あるいは東川守。あるいは俺。あるいは『ウミガメもどき』。あるいは『編み物のヒツジ』。
最も、本当の意味での最有力候補は『訪れた者の願いを歪んだ形で叶えてしまう街』から脱出した1人の少年と1人の少女ですが。

これからも精進して参りますのでどうかよろしくお願いいたします。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:16:29.66 ID:NvR0Tfn20
https://syosetu.org/novel/56774/176.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

176 / 178
キャラ崩壊っていうかキャラ消失した。

いや、予定通りなんだけども。


上条当麻と瞬瞬A 例え世界が違っても、2人の運命は変わらない

 世界物語キャラクターストーリー理論。
 それは風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長、白白白が提唱する世界の在り方に関する理論の事だ。端的に言えば、世界を1つの物語として見る理論。ファンタジー、ミステリー、デスゲーム、サイエンスフィクション、コメディ、ホラー、群像劇などなど、世界をいくつかのジャンルに、もっと言えば物語に見立てる理論。物語の筋書きにそった形で、物語上において有利になるように、自意識的な行動を行えば、世界は思い通りに動く、という理論。
 具体的に語ろう。
 絶海の孤島にある別荘に複数人の初対面の人とツアーで訪れた。その状況下で1人の人間が殺された。島の通信手段は全て断たれ、もちろん携帯も繋がらない。なおかつ島は台風に巻き込まれた影響で脱出不可能であると。そんな状況下で『こんなところにいたくない!私部屋に戻る!』といった人間がどうなるか、簡単に想像がつくだろう?逆にいかにもな風体で死体を調べ始めた人間がいれば、多くの場合そんな人間は物・語・的・に・は・最後まで生き残り、そして島から救助されるだろう?
 具体的に語ろう。
 夜道を歩いている時に意味の分からないほど巨体で強大な明らかな化物に襲われた。必死に逃げているその時に、その化物を一刀のもとに切り捨てる少女が現れた。少女は言うだろう。『このことは忘れなさい』と。この時『分かった』と答えれば物語ストーリーはそこで途切れる。だが『忘れられるわけないだろ!』と、そう答えれば?もちろん物語は続く。いいや、むしろそこから物語は始まるのだ。
 つまり世界物語キャラクターストーリー理論とは、そういう理論である。
 そしてその世界物語キャラクターストーリー理論における重要要素が称号キャラクター性。
 称号キャラクター性とはその人間の根幹を表すものである。行動に付属するものでもあり、それでいて魂に由来するものでもある。外部と隔絶された空間で殺人事件が起こった際、犯人を見つけようと積極的に行動する人間は探偵ホームズだ。その人間を手伝う人間は助手ワトソンだ。登場人物キャラクターはその行動によって、その行動に沿った称号キャラクター性を得ることが出来る。
 だが、それだけではない。それは世界物語キャラクターストーリー理論の一要素に過ぎない。確かに、行動によって新たな称号キャラクター性を得ることは可能だ。だが、少なくともこの世界■■においては、最初から固有の称号キャラクター性を持っている存在が複数いる。それは例えば主人公ヒーローという称号キャラクター性。あるいは最終敵ラスボスという称号キャラクター性。もしくは好敵手ライバルという称号キャラクター性。他にも他にも、最初から称号キャラクター性を持っている存在が多々いる。
それはこの世界■■が■■■■だからである。
 故に、最初からそうであるものはただそうある。
 対照的で対称的な2つの世界■■。■■と■■■■。縺昴%縺ォ螻槭☆繧九Δ繝朱#縺ッ、譬ケ譛ャ逧?↓逶ク縺?l縺ェ縺。つまりは■だ。上条当麻と白白白。御坂美琴と木原五行。アレイスター=クロウリーとGE13。コロンゾンとAdam。
 核があるモノとないモノ。格が高いモノと低いモノ。
 だからバックアップが欲しい。
 だからこそ、勝ちたい。
 故にこそ、いやあるいはだからこそ、それは最初から決着のついている勝負であるのであろうが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:17:30.93 ID:NvR0Tfn20
 例えば、大切な人を目の前で失ったとして、どれだけの人間が冷静でいられるだろうか?恋人が死んだ、両親が死んだ、親友が死んだ。それを『ふぅん』の一言で片づけられる人間は、人間として適していない。人間なら誰であろうと涙を流す。涙を流さずとも悲しんでいる。
 上条だって、もちろんそうで、そうなる。
 はずがないだろう?
「おい!イン、デックス!?」
 その呼称を使うのに躊躇いが無かったわけではない。上条の中ではもうインデックスという少女は『死んで』いる。人間という存在の個体識別性を外見ハードで見るか人格ソフトで見るかという問題には、多くの人は後者を選ぶだろう。
 外見ハードと人格ソフト。それが2つ揃ってこその同一人物だ。少なくとも、人間の定義とはそういうモノのはずなのだ。
 だからこそ異常なのは御坂美琴だ。御坂美琴は二重に異常だ。まずもって、劣化量産品クローンの身体に御坂美琴の個人データを入れた程度でそれを自身で御坂美琴であると再認識している。これは通常あり得ないことだ。自分がコピーされた存在であることに人間は耐えられない。変わりがいるということはいてもいなくとも変わらないという事。コピーであるということはいつでも消去できて、いつでも作り直せるという事。いくら切羽詰まった状況だったとしても、それを実行し、あまつさえ安定状態にあるなどあり得ない。
 そしてもう1つ異常なのが、御坂美琴が外見ハードと人格ソフトを完全に個別で見ていて、御坂美琴にとっての『人間』というモノが人格ソフト単体であるということだ。つまり、人格が同じならば誰でもいいのだ。地球上に存在していなくても、ただの電子データでも構わない。御坂は人間を再定義して見せた。だから、御坂は妹達シスターズを1人も殺していない。それどころか妹達シスターズは今も2万人全員がちゃんと『生きて』いる。
 それを分かっていなければ、誰も御坂を攻略することなどできはしない。
 つまり、御坂美琴はもはや人間ではない。
 そして、だ。
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ぅ」
 救済者であるならば、人間であってはいけない。
 誰でも平等に手を差し伸べるということは、実の所誰も見ていないに等しい。
 魔術的な意味ではなく、本当の意味での聖人は気持ち悪いモノなのだ。
 『右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ』。『汝の敵を愛せよ』。かつて神の子はそういったという。意味は分かるだろう?つまり争いは何も生まないと言っている。あるいは平和的な争いについて言っている。
 だが、だ。
 なるほど言葉の意味は分かる。大いに納得し、そして実行すべきことだろう。
 だが、だ。
 それを言えるとは、いったいどんな精神構造をしているのだ?
 コロンブスの卵。追従ではなく率先することはとても難しい。言えるか?はたして?『右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ』。『汝の敵を愛せよ』。そんな言葉を一番初めに言えるか?
 だから神の子は神の子であり、それはもはや人間でありながら人間ではない。気持ち悪くて気味が悪い。
 上条当麻という、いや神浄討魔という人間は、そこに片足を突っ込んでいる。
 してきたことが信仰を生み、期待を生み、そして狂信を生んだ。今の上条では絶対に気付けないそれは、しかし確かに上条を縛っているのだ。
「ぁ、ああ?うん???……、……?????」
 安全地帯、と■■は言った。
 人を片っ端から救いあげる性質、と科学者は言った。
 誰に教えられなくても、自身の内から湧く感情に従って真っ直ぐに進もうとする者、と天使は言った。
 探してごらんよ。君らが思っているよりも、この世界物語はずっと歪んでいるから。
「えっ、と……?ごめんなさい。あなた、誰ですか?」
「――――――ぁ」
 最も、だからこそ上条は主人公ヒーロー足りえるのだろうが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  世界物語キャラクターストーリー理論とは、運命論の一種である。ただし、世界を物語ととらえるのはあくまでも白白白の世界に対する見方の1つであり、それが絶対的に正しい解であるとは限らない。
 例えば、だ。
 運命論には世界物語キャラクターストーリー理論の他にも時間収斂バックノズルと代替可能ジェイルオルタナティヴという理論がある。
 時間収斂バックノズルとは簡単に言ってしまえば時間軸と空間軸に捕らわれずに事象を確約する理論だ。時間跳躍や運命操作、因果律改変に上位存在による干渉を行ったとしても初めからそうであると決まっていることはそうであるようになるということ。特定の時間にそれが起きなくとも、起きると決まっている事象は些細な違いはあれど必ず違う場所違う時間で絶対に起こるというものであり、それを避けることはできないという事。
 そして代替可能ジェイルオルタナティヴとは簡単に言ってしまえば特定個体論に捕らわれずに事象を書く託する理論だ。時間跳躍や運命操作、因果律改変に上位存在による干渉を行ったとしても起こることは絶対に起こるということ。誰かがやらなければならないことは、必ず誰かがやる。本来の誰かが懸命に固辞したとしても、その時は変わりの誰かがやるという事。
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:18:18.73 ID:NvR0Tfn20
つまりは二重の意味で、決まりきったことは絶対的に変えられないという理論。すでに起こったことを変えることは難しい。あらゆる物事は外界によって客観的に観測されないと確定しない。個体による認識の確定には限度がある。それが多くの存在に認識されればされるほど、それは絶対的な核を持ち、不変の事実となる。
 例えば、だ。
 仮に時間跳躍によって世界が滅んだという事実を回避したとする。だが、世界が滅んだという事実は仮に時間跳躍による世界滅亡回避を行ったとしてもより上位の時間軸では消せるものではない。タイムリープモノの本を読んでいる時、ページをめくり返せばそこには世界が滅んだ事実があるだろう。つまりは観測されている。世界の滅亡は回避されていない。仮・に・世・界・を・物・語・と・し・て・見・る・の・で・あ・れ・ば・、既・に・起・こ・っ・た・事・を・回・避・す・る・の・は・あ・ら・ゆ・る・手・段・を・賭・し・て・も・不・可・能・に・近・い・の・だ・。
 故に、それは起こった。
 時間は違った。場所も違った。状況すらも違った。
 しかし、それは過去に確かに起こった出来事で既に大多数に観測されていた出来事だ。例・え・既・に・切・り・捨・て・ら・れ・た・世・界・の・出・来・事・で・あ・ろ・う・と・も・起・こ・っ・た・こ・と・は・嘘・に・は・で・き・な・い・。世界というものは帳尻を合わせようとするものだ。
 戦いは起こる。和解はなされる。負けを認める。勝敗は明確な形ではつかない。
 だから、運命は残酷であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 唐突に、だ。
 カツン、と空間を音が渡ってきた。
「ッ!?」
 その音に、誰よりも先に反応したのは上条であった。ビクリ、と身体を振るわせて恐る恐ると扉の方を振り返る。といっても現在上条たちがいるのはただの廃墟ビルだ。扉なんてないし、もっといえば窓にガラスすらも嵌っていない。だから正確に言えば、ドアを設置していたであろう場所を、と言った方が正しいか。
 カツンカツン、と連続して音が響いた。
「あの、えっと、あなたは誰なんですか?……それにここは、……わたし、あれ……?わたしって、わたし、……わた、し……は?」
(どうする!?)
 足音の主が気になる。だがそれ以上に、今のインデックス、いやもはやインデックスではない少女を放置しておくことはできない。修道服を着た少女は今非常に混乱している。錯乱していると言い換えてもいいかもしれないくらいには。
「わたし、なに……ひ、や、わたしって、だれなの!?なに、これ、やだ、やだやだ!!!なんで何もわからないの!?こんなッ、なんなの!!!???あなたは、っ、あなたがっ、わたしはなんなの!?」
「っ、落ち着いてくれ。……大丈夫だから!」
「大丈夫な訳ないでしょッ!!!何か、何か変な本が私に迫ってくるの!やだ、怖いよぉ!!!助けてよ、誰か!」
「俺はお前を知ってるから!」
 少女に何が起きたかなど上条には分からなかった。ただ、少女がとても混乱していて、とても錯乱していて、とても怯えていて、とても正気ではなくなっていることは分かった。何が原因なのかはわからない。複数の人格を植え付けられていたはずの魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumがどうしてこうなったかなど皆目見当がつかない。
 だからもちろんかける言葉の全ては気休めで、解決策などなりはしない。
 けれど、少女は縋れる人を見つけてしまった。
「あ、あなた、わたしのことを知ってるの!ちゃんと知ってるの!?ねぇ、わたしは『誰』なの!?なんで、わたしはわたしのことを何も知らないの!なんでわたしはわたしのことを何も知らないのに、変な本の、魔道書?の知識だけは全部わかるの!?」
「……知らない?」
「分からない。分からないのよ!なんで、なんでっ、なんで!!!全然分からないの!!!」
 発狂した様にその長い銀髪を振り回し、何十本もの安全ピンで布地を固定しただけの修道服を思いっきり握りしめ、かつて上条にインデックスと呼ばれていた少女は喚く。
 分からないから怖い。自分のことが何も分からないのに、妙な知識だけは十二分に分かるから。
「ううん。魔道書だけじゃない。魔術?っていうのも全部分かる!わたしは、わたしがわからないのにっ!!!」
 動揺を隠そうともせず、少女はひたすらに訴える。全てはリセットされた。ゼロになった。初期化された。
 今の少女には、魔術の知識しかない。
「ねぇ、わたしって誰?わたしって、どんな人だったの!?ねぇ、ねぇっ、ねぇっっっ!!!!!」
「お前、……記憶が、ない、……のか?」
「ないのよ!わたし、わたしは!」
「さっきまでの、ことも……?」
「さっきまで、っ……わたし、あなたと一緒にいたの?」
「あぁ、俺達はさっきまで」
「馬鹿、な」
 静かな声だった。
 目の前の少女の声にかき消されてしまいそうなほどに、小さい声だった。
 でもなぜか上条の耳には聞こえた。
 ずっと響いていた足音は止まっていた。
 その声は上条の向いている方向とは逆方向、つまりは扉の方向から聞こえた。後方20メートルくらいの距離から聞こえた。
 その声を、上条は知っていた。
「――――――」
 上条は再び振り返った。修道服を着た少女から目を逸らすことはきっと少女を不安がらせるからしたくなかったが、それ以上にその声の主を無視できなかった。
 だって、上条の予想通りならばそこにいるのは。
「……唖然。お前、は」
「な」
 そこにいたのは、知り合いだった。
 かつて    をめぐって路地裏で戦い、    を守るために病院の屋上で戦い、そして一緒に屋上から落下した少年。
 瞳で捉えた指定物体を捻じ曲げる能力を持つ、学園都市の『闇』の住人。
「瞬、瞬!?」
「……疑問。お前何故俺の名を知っている!?」
 彼らは再び、いや三度であった。
 まるで運命に導かれているように、出会った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:19:00.03 ID:NvR0Tfn20
 さて、ルート選択の時間だ。
 君達の知っているインデックスは死んだ。
 だから、魔術知識と魔道書知識以外の全てを喪った可哀想な少女に君達が施しを与えてあげよう。
 個人を識別するための最重要要素、名前を。
 『彼』の言う通り、未来は決まっているように思える。
 だけど、『彼』はとても大切なことを見落としている。
 もうこの世界は『彼』だけのモノではないということを。
 調子に乗って、『彼』はやりすぎたんだ。
 もはや黄金の真実を使うまでもない。最も、僕らは黄金の真実は使えないのだけどね。
 さぁ、もう一度問おう。
 選択の時間だ。
 よく考えろ。
 何十本もの安全ピンで布地を固定しただけの修道服を着た少女の新たな名前は何だ?
 
 あくまでも『上』から目線で、君達が名前を付けろ。



記憶喪失コンビ結成です。良かったですね上条当麻。これでインデックスに自分は記憶喪失だっていう必要はなくなるよ!

しかし26話はよかったですね。アレイスターのアレイスターらしさはよく出ていたと思います。あの終わり方なら新約を買う新規さんも増えそうなので、その点ではJCSには感謝ですね。

次の更新は4月中には。









ちなみに今回の上条の選択は完全に正しい選択です。もし上条が修道服の少女を放置して足音の主を確認しに行ったら全てが終わっていました。文字通りに。












アンケートは↓だ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=212103&uid=15850
活動報告からたどってもいけるけどね。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:19:47.58 ID:NvR0Tfn20
https://syosetu.org/novel/56774/177.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

177 / 178
このための瞬瞬であったとも言える。


上条当麻と瞬瞬B 死者との再会

 ひょっとしたら、その再会に一番驚いているのは瞬の方かもしれなかった。
「……唖然。どういう、ことだ?」
 柄にもなく、そして非常に珍しいことに、瞬は一瞬躊躇った。普段の瞬であれば問答無用に攻撃していた。先手を取ることの重要さを知っている。後手にまわる人間は絶対にイニシアチブをとれない。先手を取る人間がいつも勝利する。
 だが動けない。
 考えることがあった。
「……逡巡。いや、まさか、だが」
 超能力者予備集団セブンバックアップ序列第七位、視線歪曲オッキョクールヴァの大能力者レベル4、元十二暦計画カレンダプロジェクト第十計画『崩壊の十月実験』被験者ナンバー008、人類絶対悪ビースト位階総序列第三位全能存在パントクラトール木原五行によって整備された道人生をそうと知らずに歩いている瞬瞬は、自身の上にいるモノの意図を考えていた。
 あれは、偶然ではなかった?
 いったいどこから誘導されていた?
「……詰問。お前、天埜郭夜を知っているか?」
「天埜、郭夜?」
 それは、上条の知らない名前であった。上条はま・だ・、天埜郭夜という極大にして極限の異常者には出会っていない。存在すらも知らない。
 今は、まだ。
「……納得。そうか、……そういうことか」
 瞬は納得した。前も、今も、この出会いは偶然だ。少なくとも上条にとっては偶然だ。そして瞬にとっても偶然。だが、これは仕組まれた偶然で、作為的な邂逅だ。そもそもがあり得ない。なぜ、瞬は8月28日のあの時あの裏路地で上条と白井に出会った?あの時の瞬は    を誘拐していた。つまり表の人間には見つかるはずの無い絶対安全なルートを通っていた。なのに、捕捉された。その理由は何だ?
 簡単だ。あまりにも簡単な答えだ。
 だが、その簡単すぎる解答に今の今まで辿り着けなかった。瞬が馬鹿だったのではない。黒幕が賢すぎるのだ。そうと悟られずに演出した。いや、ひょっとしたらここで瞬が黒幕の意図に気付くことさえも策の内かもしれない。
 常軌を逸した天才の考えることなど瞬には分からない。だがそれでも抗うと決めたのは瞬自身だ。
「……提案。話をしよう。俺達の間には、きっと誤解がある」
 筋書きから外れて見せよう。
 運命を覆そう。
 蒼穹そらの彼方から瞬を見下すお姫様を嗤ってやろう。
 まだ、何も終わってはいないのだから。
「誤解、だって?お前がフェブリのことを利用しようとしているのは事実だろうが!?」
「    ……?誰の事だそれは?マーチのことなら、お前達が冥土帰しヘヴンキャンセラーの病院に匿っているんだろう?」
「マーチ……?」
 それは上条の知らない名前だった。病院にいるのは    のはずだ。マーチ?誰だそれは?マーチなんて名前、上条には聞き覚えがない。
「……強引。まぁいい、そもそもお前はマーチをなぜ守ろうとしている。お前にとってマーチなどただの赤の他人にすぎないはずだろう?加えて言えばマーチは人間ではない。薬品を合成して造られた人外に過ぎん。ただ人の形をしているだけの存在だ。そもそもマーチの寿命はどれだけ長くとも後半年もない。そんな存在のために命を懸けるなど馬鹿らしいとは思わないか?」
 それは限りなく本音に近い言葉だった。少なくとも、瞬ならば助けない。現在の瞬であれば、助けない。
 一方で、上条は極大の違和感をもっていた。
(……マーチって誰だよ!)
 何度でも言うが、上条が助けたのはマーチではなく    である。少なくとも、上条の認識上ではそうなっている。そして、どうしてズレが生じたのか上条には分からない。前の世界で瞬が狙っていたのは    で間違いない。だって、瞬が話していた。    と言っていた。なのに、今回の世界では瞬が狙っていたのはマーチだと?
(同じじゃ、ない?細部が、違う?)
 この世界は、違うのかもしれないと思ってしまった。
 もしかしたらこの世界は、
(前・に・い・た・世・界・と・は・違・う・?)
 だが、それを深く考えている時間はない。そして1人で考え続けても答えの出るモノではない。その答えを知りたいのならば、犯人を見つける必要がある。世界を巻き戻した犯人を見つける必要がある。
 とにかく今は目の前のことに集中するしかない。1つ1つ乗り越えていこう。順番に片づけていこう。そうして、必ず世界を救うのだ。
 他でもない上条当麻が。
 故に、まずは答える。
「だから引けって?随分勝手な理屈だな。赤の他人だろうが人間じゃなかろうが、目の前で泣いてるヤツを助けるのに、ごたいそうな理由がいるのかよ」
「……疑問。マーチはお前が命を懸けるのに値する存在だと?」
「当然だろ」
 前も、同じような質問に同じような答えを返した。そして何度問われても上条の答えは変わらない。主人公ヒーローとはそういうものだ。
「……思案。そうか…………ならば」
 そして上条がそう答えるであろうことは瞬も分かっていた。
 青すぎるくらいに青い、絶望を知らない『表』の人間。きっと、信じているのだろう。全てを救えると。きっと、決意をしているのだろう。全てを救うと。だが、瞬は知っている。それがどれだけ荒唐無稽で不可能な砂上の楼閣の如き絵空事であると。
 この世には、努力では届かない壁がある。
 才能という名の壁が。
 だから瞬は――――――。
「……立言。ならばこちらが引こう」
「は……?」
「正直な話、割に合わないと俺は思っている。俺達の新世界ジャイアントキリング計画にとってマーチは絶対必須のパーツではない」
 嘘は言っていない。だが真実も言っていない。
 瞬達の計画を達成するうえで『ケミカロイド計画』の産物は絶対に必要だ。だがそれは別にマーチでなくても構わない。現在『ケミカロイド計画』によって生産された個体はジャーニーとマーチの2人だけだ。しかし別に3人目を造れないわけではない。ジャーニーかマーチ、あるいは『ケミカロイド計画』のノウハウさえ手に入ればもう『スタディ』は用済みだ。
 マーチは絶対必須のパーツではない。必要なのは、『ケミカロイド計画』の産物なのだから。
「俺達はマーチから、そして『スタディ』の革命未明サイレントパーティから手を引く。だからお前ももう俺達位階超越オーバーステップには関わるな」
「そんなんで、俺が納得するとでも思ってんのか!?」
「……冷静。ならどうするんだ?ここで戦うか?この俺と?」
 両目を大きく見開いて、瞬は上条を威圧する。その視線が、わずかに上条の後ろにいる少女の方に向く。
 そう、この場にいるのは上条と瞬の2人だけではない。明らかに場違いな少女がこの場にはいるのだ。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:21:17.57 ID:NvR0Tfn20
「……人質。お前がどれだけ強いかなど俺は知らない。だが、お前の後ろにいるその女。その女は真実ただの一般人だろう。先ほどから明らかに怯えている。……そんな奴を、お前は巻き込むつもりか?」
「っ、お前!!!」
「……解明。俺の能力は視線歪曲オッキョクールヴァ。瞳でとらえた物体を捻じ曲げる力だ。そして俺の強度レベルは大能力者レベル4。右目でお前を牽制しながら左目で女を捻じ曲げることなど簡単にできる」
「っ」
 その脅威を上条は理解していた。前の世界で白井と2人で戦った時は瞬によって白井の四肢を千切られたのだ。上条も決して小さくはない傷を負ったのだ。そして何よりも脅威なのは、瞬の能力チカラは瞬の全身に埋め込まれた98の眼球にも適用されているということだ。
 自覚する。瞬の言っていることは正しい。上条では守れない。上条の攻撃手段に遠距離攻撃はない。つまり瞬と戦うのならば上条は嫌でも瞬に近づかなくてはならない。あの時のように、閃光手榴弾フラッシュグレネードなど持っていないのだから当然だ。そして上条が瞬に近づけば、必然上条とかつてインデックスだった少女の距離は離れる。まさか戦っている最中も常に近くにいろなんていえるわけがないし、今のインデックス、いや記憶を無くした少女にそれが出来るとは思えない。距離が離れれば瞬の少女に対する攻撃は防げなくなる。
 つまり戦えばかつてインデックスと呼ばれていた少女が傷つくのは必至。
「……脅迫。お前の能力チカラももう分かっている。無効化系能力……、ただし範囲は右手のみ。確かに珍しい。能力チカラに頼りきっている雑魚では相手にはならないだろう。だが、その程度の能力チカラで俺に勝てると思うか?その女を守れると思うか?……種はもう、割れている」
「瞬!」
「……和解。引け、一般人。俺とお前が戦う理由など、もはやないはずだ」
 理屈は理解できる。
 記憶を無くした少女を守るためならば、それは最適解。
 だから大人しくここは引くべき。
 それが最善の解答。
 だが、
(見捨てられるか)
 別に上条は瞬瞬という人間の事を詳しく知っているわけではない。だが、少なくとも瞬が、多少の迷いはあれども幼女を誘拐できる人間というのは間違いない事実だ。マーチから手を引いたとしても、『スタディ』と手を切ったとしても、絶対に瞬はまた何かを始める。
 新世界ジャイアントキリング計画。
 その詳細など上条はもちろん知らない。だけどきっと、何か大きな企みのはずだ。何か大きな犠牲を伴う計画のはずだ。絶対に止めなければならない。つまり瞬を野放しには出来ない。ここで戦わなければならない。1周目では出来なかったが、瞬の心を変えなければならない。
 だが、だがそれでは後ろにいる全てを喪った少女の安全が脅かされる。
 だから上条は臆病になる。いつもなら踏み出せていたはずの足が踏み出せない。
 故に、
「だめ」
 そのバックアップは運命的な必然だった。
「っ」
 その一言を絞り出すのに、はたしてどれほどの度胸が必要だったのだろう。
 そのたった2音を言うのに、いったいどれだけの勇気が必要だったのだろうか。
 本人ではない上条には決してわからないけれど、その横顔だけでも感じ取れるものはあった。
 まるで、楽な方向に流れようとする上条を殴りつけるかのように未だ名の無き少女は上条の袖を引っ張りながら言ったのだ。
「それは、だめ、だよ」
 口調は違った。雰囲気は違った。行動は違った。表情は違った。態度は違った。対応は違った。空気は違った。音程は違った。
 だけど被った。思い起こされた。
「イン」
「わたし、何も知らないけど!確かにあなたの言う通り部外者だけど!」
 きッ、と、
 名と記憶を喪った少女は宣戦を布告した。
「でも違う。そうじゃない。あなた、間違ってる!」
 はっきりと断言した。善悪を判断したのではない。好悪で判断したのだ。お前が嫌いだと、少女は突きつける。
 今この時の主人公ヒーローが上条当麻だとするのならば、
 今この時の庇護対象ヒロインは間違いなく名を喪った少女だった。
そして、
 そして、
 そして、
 初めて、瞬の興味が少女に向いた。
「……憮然。随分とまぁ、ボロクソに否定してくれる。何も知らない、部外者ごと」
 瞬が、
 瞬の瞳が、
 かつてインデックスと呼ばれていた少女を、
 今では魔術知識と魔道書知識外の全てを無くしてしまった少女を、
 捉えた。
「…………………………………………………………………………………………………………………」
 捉えてしまった。
「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ぇ」
 か細い声だった。
 動揺に揺れていた。
 それは、数年ぶりの感情。
 それは、数年ぶりの感傷。
 仕組まれた邂逅であると、瞬は思っていた。上条と瞬は、黒幕によって出会うように仕組まれていたのだと。だが、違う。いや、間違ってはいないがそれでも違う。天才とは凡人の予想の範疇に収まるモノではなく、凡人の想像の範疇に収まる者でもない。
 改めて、歓迎しよう。
 
 その邂逅は、仕組まれた偶然必然だった。
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:21:52.07 ID:NvR0Tfn20
 
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――目め、次つぎ?」
 
 瞬瞬という人間も、過去は善人であった。
 だが過去は人間という存在の核を変え得るものだ。
 親は強盗に殺された。
 妹は自殺した。
 訪れた街は燃えた。
 木原五行はそれを瞬の体質のせいだと言った。なるようにならない最悪If nothing is bad、その不完全版のようなものだと。事故頻発性体質だと。
 瞬は、それを信じてしまった。それほどまでに瞬は不幸で、弱かった。
 
「お前、」
 
 焦がれる様に、熱い顔。
 求める様に、伸ばした手。
 灼かれる様に、罪深き声。
 
 
 
「お前、――――――生きて、いた、……のか」 
 
 
 
 蒼穹宇宙の果て彼方で、
 
 瓶竹の中から生産まれた天埜郭夜輝夜姫が、
 
 嗤っていた泣いていた。



忙しくて小説が書けない→クオリティが落ちる→出来に納得がいかない→修正→忙しくて小説が書けない……のループに陥ってしまっている。
このままではダメだ。どこかで挽回しないと……。
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:22:19.70 ID:NvR0Tfn20
https://syosetu.org/novel/56774/178.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
×

178 / 178
終わらないよ。完結させるまでは終わらない。まだ、まだまだ書きたいことは幾等でもあるんだからな!

というわけで遅れましたごめんなさい。待っててくれた人は本当にありがとう。どのくらいのペースで投稿できるかは分かりませんが、これからも書き続けていきますよ!


廃墟での戦い@ 再会は銃声と共に イギリス@ 人が人外と共にある国

 それが仕組まれたことなのかなど瞬にとってはどうでもよかった。重要なのは、もう絶対に会えないはずの人間と会えたことだ。
 奇蹟。とても簡単にそう言ってしまってもいいのかもしれない。
 策謀。その果てにある結果なのかもしれない。
 しかしそれでも全然構わなかった。利用されている?構わない。踊らされている?問題ない。嗤われている?気にしない。だって、今目の前にいる。後悔の源泉。過ちの過去の象徴。助けられなかった最愛。
 瞬瞬は、数年前に実の妹を喪った。
 目に入れても痛くないくらい可愛い妹だった。両親を強盗に殺されて以降、たった2人の家族だった。だが、妹は自殺した。ありふれた理由だった。親の死んだ瞬兄妹を引き取った孤児院の院長による性的暴行。くだらない。どこにでもあるような話だ。
 瞬は、気付かなかった。気づくことが出来なかった。全てが終わった後に思い返せば、予兆はいくらでもあったというのに。大切だという言葉は口先だけだった。大事にしたいと思いながら行動が伴っていなかった。愛していながら真正面から見ていなかった。
 そして人は時を越えられない。故に瞬の時間は止まったまま。失った喪ったウシナッタモノが戻らないから、代替原理の代わりを求めて幽鬼のように彷徨った。
 だがしかし、もうそれをする必要はない。
 いる。
 確かに、
 会えないはずの、死んだはずの、救えなかったはずの、瞬の実の妹。
 家族。
 
「は「は「は」
 
 ふらふらと、一歩。
 くらくらと、二歩。
 はらはらと、三歩。
 顔を手で覆い、泪を流して、狂ったように、
 笑う。
 笑う。
 笑う。
 
「は!「はは!「ははは!「はははは!「ははははは!「はははははは!」
 
 怯える少女が瞬の目には映っていないのか。
 竦んでいる少女の姿が瞬の眼には映っていないのか。
 少女を守るように立つ上条のことが瞬の眼には映っていないのか。
 ただ、求めるだけ。
 
「……感激。生きて、いたのか」
 
 一方的な愛はただの執着だ。
 一方向の愛はただの妄執だ。
 互いに思いあってこその家族。互いに満たし合ってこその家族。絶対に、押し付ける様な事があってはならない。
 
「目次めつぎ!」
 
 瞬瞬。
 現超能力者予備集団セブンバックアップ第七位。視線歪曲オッキョクールヴァの大能力者レベル4。
 闇の中で絶望の海に浸かる子供達を救うために、新世界ジャイアントキリング計画を実行している悪党。だがその根源には善性がある。あの時、燃え盛る街の中で現人類絶対悪ビースト位階総序列第3位、木原五行にさえ出会わなければ瞬はこんな風にはならなかっただろう。
 妹を救えなかったという後悔をつかれ、五行に誘導された結果だ。だがその責任は瞬にある。転嫁してはならない。純粋な善意は時に純朴な悪意に転じる。自覚無自覚は関係ない。ただ、そういう結果があるのだ。
 故に恐怖。
 
「ひっ!」
 
 かつてインデックスと呼ばれた少女、今はエピソード記憶の全てを喪ってしまった名も無き少女からすれば、瞬は初対面の誰かさんに過ぎない。なぜ、これほどまでに自分に執着しているのか分からない。目次?誰の事だそれは?自分の事なのか?それさえも分からないから、ただ只管に怖い。
 アイドルに纏わりつくストーカー犯罪者と変わらない。知らない誰かの狂気的な瞳。その瞳を向けられるだけで、膝が崩れる、身体が震える、涙が出て来る。何もない少女、全てを喪った少女、名前の無い少女。
 少女は弱かった。
 思わず、隣にいる上条に抱き着いてしまうほどに。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:23:01.67 ID:NvR0Tfn20
「っ……!?」
 
 そんな目次の行動を見て、瞬はひどくショックを受けたような表情をした。避けられたという事実、そして目次が頼ったのが瞬ではなく上条であったという事実にひどく打ちのめされる。
 瞬は少女の事情を知らない。少女が記憶喪失であることを知らない。だから、とてもショックを受けた。肉親よりも敵を頼った。少女の行動は瞬を否定するモノだった。
 だが、めげない。
 それでも、求める。
 
「……紹介。目次、俺だ。瞬だ。……分からないか?確かに、俺もひどく変わったからな」
 
 その変わり身に突破口を感じたのは上条だった。理由は全く分からないが、瞬は少女を求めている。つまり、逆説的に考えれば少女こそが瞬を説得するための切り札カード。
 話が通じるということは、心を変えられるということ。
 か・つ・て・偽善使いフォックスワードと・自・称・し・て・い・た・上・条・は・そ・の・や・り・口・を・使・う・こ・と・が・出・来・る・。
 記憶はなくとも、魂には刻まれているから。
 
「……瞬。お前は、コイツの……いや、インデックスの何なんだ?」
「……懐疑。インデックス?それは、目次のことを言っているのか」
「……………………?」
 
 食い違いが発生していた。上条はインデックスと呼ばれていた時代の少女を知っていて、瞬は目次と呼ばれていた時代の少女を知っている。そして2人は共に、少女が目次でもインデックスでも無かった時代の事を知らない。
 少女がどれだけ過酷な人生を歩んできたのか、2人は知らないのだ。
 
「……返答。俺は目次の兄だ」
「兄!?ちょっと待て、ならお前もイギリス清教の魔術師なのか!?」
「……不明。魔術師?何のことを言っている、とにかく目次は俺の妹だ。お前と目次にどんな関係があるかなど知らないが、目次を返してもらおう」
「兄…………?」
 
 名前を持たない少女が呟く。それは驚くほどに空虚で現実感の無い妄想染みた言葉だった。兄、兄貴、お兄ちゃん……。どれも、しっくりこない。
 分からないのだ。
 思い出を喪ってしまった少女には、何もないから。
 
「お兄、ちゃん……?」
 
 だが、思い出を喪ったのならまた紡げばいい。少女には未来があるのだから。少し前に全てを喪った少女。しかし、少女には頼れる人がいる。目を覚ました時に傍にいた上条は少女に優しくしてくれたし、自らを兄と名乗る男も雰囲気や目つきこそ怖いが、少女に優しくしてくれるだろうことが分かる。
 だから、少女はそっと顔を上げた。
 そして、右手で上条の服を掴んだまま瞬の事を見る。
 
「……歓喜。帰ろう、目次。お前に何があったのか、俺には分からない。だが、俺が!今度こそお前の事を必ず幸せにしてやるから!!!」
「ぁ」
 
 死別したと思っていた家族との再会。もう二度と会えない人と会えた奇蹟。求めて縋って恋焦がれ、暴走した果てに手に入れた結末。
 それなのに、現実は過酷だった。
 
「残念だ、カミやん」
 
 ドン、と、
 一発の銃声が、鳴り響いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:23:36.67 ID:NvR0Tfn20
 一般的には知られていないことではあるが、ヨーロッパはもう死滅している。
 比喩ではない。単なる事実だ。イギリス、アイルランド、フィンランド、ドイツ、イタリア、フランス、ベラルーシ、オーストリアなどなど、一般的にヨーロッパ圏といわれている国々は壊滅状態に陥っている。懸命な復興と必死な隠蔽によって幸いにも表には出ていないが――まぁ、何の意味もない事実であろう。
 無論、その原因はヨーロッパ全土を舞台に起こった最悪最低のデスゲーム――善悪生存戦争デッドエンドゲーム=DEGだ。
 8年前に第一回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 7年前に第二回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 6年前に第三回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 5年前に第四回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 4年前に第五回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 3年前に第六回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 2年前に第七回DEGが起こり1人が勝ち残った。
 そして1年前、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームが起こりヨーロッパが滅んだ。
 
『ひひ』
 
 ウィンザー城。
 英国イギリスが誇る、ヨーロッパ全体から見ても長きに渡る歴史を持つ英国君主の公邸。その中を、奇妙な生物が徘徊していた。
 
『いひひ。いひひひひひ』
 
 その生物は全体的に透けていて、その上で背中に翼をはやしていて、さらにはしっぽのようなものまで持っていた。塵クズを寄せ集めて作った不格好な汚らしいロングスカートドレスに、触手のようなうねうね蠢く髪。その癖中途半端な人型を保っているから、見る人間を余計に不快にさせてしまう。
 その生命の種族名は悪魔。
 固体名はクリファパズル545。
 本・来・で・あ・れ・ば・ア・レ・イ・ス・タ・ー・に・よ・る・英・国・襲・撃・を・防・ぐ・た・め・に・コ・ロ・ン・ゾ・ン・が・用・意・し・て・い・て・防・衛・機・構・の・1・つ・。
 そしてその隣を歩く人物こそが、現在のイギリスの核の1つ。
 
「くそ」
『いひひひひ。いい加減に受け入れたらどうですう?こうすることでしか、生き残る道はないって』
「っ、黙れ!!!」
 
 第二王女、キャーリサ。現在の『騎士派』の事実上のトップであり、イギリス三王女の中でも『軍事』の才に秀でし傑物。
 しかし、その才を振るう暇もなく、ヨーロッパは壊滅した。
 
「…………くそっ!」
 
 口汚く罵りっても現状が回復しないことはもう知っている。だからこそ、求めているのはこの災厄を覆すことの出来る切り札カードだ。キャーリサは今、その切り札カードを作ることの出来る人物の部屋を訪れるところだった。
 
「もどったし」
 
 扉の前に立ち、そう言葉を投げかける。最高レベルの魔術的防御と最高レベルの科学的防御。趣の違う2種類の防御を無理やりぶち破って部屋の中に入ることなど、キャーリサにも出来ない。
 
『山と言えば』
「海の方がいいし」
 
 合言葉によって扉が開く。そしてキャーリサは若干の楽観的希望論をもって部屋の中に入った。
 部屋の中には既に女性が1人いた。
 
「なんだ、お前も来ていたか。ヴィリアン」
「姉上……。やはり、私は…………」
「お前の妄想は聞き飽きたし。具体的なプランもなく、この事態を『仕方ない』なんて甘受するだけなら、とっととここから去るがいいし」
「姉上ッ!?」
 
 信じられない言葉だった。少なくとも、今のヴィリアンにとっては。
 だって、キャーリサは知っているはずだ。今のヴィリアンがどういう存在なのか、より正確に言うのであれば今のヴィリアンに何が憑りついているのか。
 『それ』は、キャーリサとヴィリアンの間にある齟齬に敏感に反応した。――キャーリサはヴィリアンを遠ざけたいと思っており、そしてヴィリアンはキャーリサ達を手伝いたいと思っていた。2人の間にある無理解と不寛容。それが即座に物理現象として現実世界に出力される。
 
「ぐッ!!!???」
 
 キャーリサの肌に蛇が噛みつく。それも1匹ではない。10匹、100匹、いいやそれ以上の数。ヴ・ィ・リ・ア・ン・の・髪・の・毛・の・本・数・分・の・蛇・が・キ・ャ・ー・リ・サ・に・噛・み・つ・く・。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:24:12.15 ID:NvR0Tfn20
「まっ、やめてぇ!!!」
 
 制止の声を上げるヴィリアンだが、そんな命令を蛇たちが従うはずがない。10万匹以上の蛇たちはヴィリアンの命令に従うではなく、ただ作られた機能を果たすだけなのだ。
 蛇たちの攻撃が終わる頃にはキャーリサの身体は噛み傷だらけになっていた。
 
「っ、姉上!大丈夫ですか姉上!」
「この程度の不理解にも反応するか……」
『いひひひひひひひひひひひひひひひ。優しいですう、ご主人様は☆』
 
 10万の蛇。うねうねと蠢くヴィリアンの髪の毛。1年前の善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲーム以来、イギリスは変わってしまった。人が生きられない土地になってしまった。だから、ヴィリアンも変わるしかなかった。その身にある全ての髪の毛を蛇に変えてでも、生きるしかなかった。
 それはとても簡単な結論であった。
 世界が現在の人類では適応できない環境に変化したというのならば、人類の在り方そのものを変えてしまえばいい。ある意味では諦め、ある意味では縋りつき。だが、その解決策がイギリスに住む人間を救ったのも事実であった。
 
 ワ・チ・ェ・ッ・ト・=・レ・ト・。
 
 大悪魔コロンゾンが用意した対アレイスター用霊装神威混淆ディバインミクスチャの1つ。
 その霊装をイギリス第三王女ヴィリアンは使ったのだ。
 生き延びるために、生き残るために。
 
「ぅぅう、……どうして、こんなことに」
『泣き言はもう聞き飽きたわ。だから、そろそろ本題に入ってもいいかしら』
 
 けれど、だ。
 悪魔クリファパズル545と契約して生き延びた『軍事』の第二王女キャーリサ。
 神威混淆ディバインミクスチャにその身を捧げて生き延びた『人徳』の第三王女ヴィリアン。
 彼女達2人はまだ、肉の器を保っているという意味でマシな方である。
 このレベルの悪意でさえ、まだ薄味。
 少なくとも、医学的な観点では死んでしまったと言えるリメエアよりはマシなのだ。
 
『最も、そのまま姉妹仲良く乳繰り合うというのならば私は別の『鏡』に身を映すけれど』
「ほざくな姉上。いいから早く本題に入ったらどうなの」
『あらそう?』
 
 鏡に映るリメエアの姿に向かって、キャーリサがそう答える。
 最も、鏡に映るといっても、この部屋の中にリメエアはいない。それどころか、リメエアはもうこの世に存在しない。
 善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲーム。1年前に起きた最悪のゲーム遊戯に『明け色の陽射し』サブリーダーパトリシア=バードウェイと共に立ち向かったリメエアはそこで国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresに殺された。
 だが、リメエアはただでは殺されなかった。己の肉体をもとにパトリシアに善悪最終生存戦争FDEGを終わらせるだけの力を与え、そして余った魂を身魂の別離アナザーディメイションという魔術を使って鏡の中に映したのだ
 身魂の別離アナザーディメイション。
 古来より鏡の映る像というのは神聖視されるものである。『白雪姫』における『魔法の鏡』などはそれを表す筆頭だろう。鏡に映る像が、元となった人間とは別の行動をとる。身魂の別離アナザーディメイションはそういうあいまいな伝説をもとにした魔術だ。
 肉体が滅んだ彩、鏡の中に魂を映す移す。リメエアはそのようにして、ヨーロッパ壊滅から生き延びた。故に、リメエアは鏡の中でしか生きられない。あらかじめ術式を仕掛けておいた鏡にはリメエア自身の意志で映ることが出来るが、仮に術式を仕掛けた鏡が1つもなくなってしまえば、その時がリメエアの魂の死と言えるだろう。
 
「…………………できたのか?」
『大まかには』
「そうか、……なら、私は行く」
「姉上っ!」
「私が、行く」
 
 血だらけの身体に、傷ついた心。諦観と絶望に満たされそうになる魂を、それでも誇りと自負、そしてイギリスという国にそこに暮らす6000万以上の人々を想って繋ぎ止める。
 あの日、何でもすると決めた。
 何をしてでも国を、国民を守ると決めた。
 例え世界最低の悪となり果てようとも、それでも守ると決めたのだ。
 
 少女1人の犠牲でイギリスを救えるのであれば、安いモノだろう?
 
「新たなる魔導書図書館インデックス、……この国を守るために、せいぜい使い潰させてもらうぞ」
 
 外部からのあらゆる干渉を拒絶する鋼鉄の意志を持って、英国第二王女キャーリサはそう宣言した。



久し振りの投稿で伏線を増やしていくスタイル。

学園都市書くの飽きたからしばらくは佐天さんサイドか上里サイドを書くことになるかもしれないです……。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:52:53.63 ID:NvR0Tfn20
ちかま ID:EYbP0TXs  2019年06月18日(火) 10:26 (Good:0/Bad:0) 報告
そんなのが12人いるんじゃ未踏級以下の禁書勢は蹂躙されるだけですね
返信:一二三四五六 2019年07月21日(日) 22:15
感想ありがとうございます!

理外人外はマジで生きる世界が違うからしょうがないですね……。奴らはステージが違う。といってもパトリシアや能兎黒栗がやろうとしてるみたいに|物語の破綻《ロジックエラー》によって対抗することはできますが。

これからも精進して参りますのでどうかよろしくお願いいたします。
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 05:17:16.82 ID:Wwc1Y7nt0
こんな物より上条さんが無双するSSが読みたいわ
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 18:06:12.63 ID:q4kmqJxf0
作中の女キャラは全て上条さんの物だ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:05:49.69 ID:E68TXkFso
禁書のss見るといつも上条さんはこんなことしてられるほどスケジュールに空きがあるのか?って思っちゃう
原作の上条さんのスケジュールにオフの日ってどっかあったっけ?
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:10:21.92 ID:E8PWYGZK0
上条さんは戦場か病院のベッドの上でクリスマスやお正月やバレンタインデー迎えそう
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:12:38.52 ID:l6aSQntV0
https://syosetu.org/novel/158074/71.html
とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

71 / 74
13のルールE 佐天涙子の左手親指

 手の指というモノは基本的に3つの骨で構成されている。爪が付属している末節骨、中節骨、基節骨である。ただ、そのうち中節骨は5本の指「ぎっ、い゛じっ!あ゛ばげッ!?」の内の4本にしか存在しない。つまり母指には中節骨は存在しないのだ。この理由は母指、すなわち親指の関節の自由度を上げるための構成である。親指は2つの指節骨しか持たない故に「ああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!」母指端を使って円を描くような動きを与えられる。他の指は中手骨同士の関節を含むためにこの動きは親指がもっとも得意なのだ。(ぶっ、くァ!か、噛め噛め゛噛め躊躇う゛なッ!!!) そして人間が痛みというモノを感じるシステムだが、これは案外複雑に出来ている。まず、人は痛みを感じたとしても傷つけられた部位で痛みを感じているわけではない。痛みを感じる部位は脳だ。まず、傷ついた「いだい゛い゛だい痛いぎだ遺体イタイ゛い゛だい゛い゛いいぃぃいいぃ゛ぃぃぃい゛い゛ぃぃいッッッッッ!!!!!」部分に存在する末梢神経の先端にある侵害受容器が刺激を感じ、そこから末梢神経へと刺激が伝わる。そしてAδ線維とC繊維がその刺激を中枢神経へと伝え、脳の視床、体性感覚野、帯状回、前頭葉、小脳などに刺激を伝えることで初めて人は痛みを感じることが出来る。つまり連鎖反応なのだ。連鎖反応だからこそ、その連『口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある』鎖の一部でも断絶させてしまえば人は簡単に痛みを感じなくなるのだが人体に関して造詣が深い人間ならばそんな馬鹿なことはしないし出来ないだろう。なぜなら痛みは重要なセンサーだから。痛みというのは重要な感覚だから。痛い、痛み、痛覚というのは自身の存在を自覚する上で必要不可欠の事象なのだ。仮に痛覚が存在しなくなれば人は己の身体を認識できない。人間は『口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある』己の身体を認識するのに視覚でも聴覚でも味覚でも嗅覚でもなく触覚を使っている。触覚、つまりは痛覚だ。ここにいる、ここにある、と認識するためには痛覚は必須なのだ。でなければ狂う。モノを触ってい『口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる』るのに触れている感覚がないのであればモノを触っていないも同じだ。痛覚がないのならば歩いている時に足は地面からの反発を感じず、傷を負っても気付けない。ステージ4の癌を患っていたとしても死んでも気付けず、後ろから切りつけられても見えてないから何をされたか分からず、見えず聞こえないなら全てないも同然。それが(熱い厚いあつい篤い暑いあついアツい温井熱い厚いあつい熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!) 痛覚を喪うということだ。だからどんな人間でも正気であるのならば痛覚の除去は行わない。だが一方で痛覚を消してしまいたいと思ってしまうような状況がないわけでもないのだ。極限下の痛みに襲われている時、左手親指を噛み千切られている真っ最中なんかはまさしく痛覚を消し(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!) てしまいたいと思う事だろう。つまり今の佐天のような状況なら。さて、では痛みに関する講義が一通り終わったところで次は歯についてにでも語ろうか。歯。人間の歯というのは基本的には28本ある。永久歯が28本という意味だ。そしてこの歯にもしっかりと感覚はある。神経が通っている。いや、正確に言えば神経ではないが、歯髄と呼ばれる疎線維性結合組織が俗に歯の神経と呼ばれているのだ。この歯髄は象牙質の産生や『違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感』刺激に対する修復象牙質の産生、さらには歯牙の感覚などの機能が存在している。そして歯髄は刺激に対して疼痛の反応を示す。といっても歯髄には圧覚や温覚などは存在しないので、熱さや冷たさなどは全て疼痛として処理されるが。なお、完全に余談だが、人類が体験可能な最高の痛みは歯にフッ化水素酸(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い) を直接塗られることだ、という話がある。
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:13:19.44 ID:l6aSQntV0
この事象は現実に起こっており、実際に歯にフッ化水素酸をぬられた人間は2メートルも飛び上がり、後日死亡したという。話は逸れたが歯についての話を続けてみよう。永久歯は3種類が存在する。モノを噛み切る切歯。切歯には中切歯と側切歯の2種類がある。モノを切り裂く犬歯。これは犬歯の1種類のみだ。モノを磨り潰す臼歯。この臼歯には第1小『不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快』臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯の5種類がある。そしてこれらはそれぞれ上顎と下顎、左右に存在する。故に上条が佐天の指を噛み千切るのだとすれば、使うのは切歯か犬歯がいいだろう。指を噛み千切ると言っているのに磨り潰す歯である臼歯を使うのはいただけない。いただけないが、果たしてこの極限状況下でそんな冷静な判断を下せる人間がどれほど存(硬ッ、噛み切れな――――――)在するだろうか。よほど冷酷な人間かはたまた慣れている人間でない限り、どうしたってどの歯で噛み千切ろうなんて考えは出ないだろう。とはいえ普通に指を噛み千切ろとするのならば自動的に切歯か犬歯を使うことになるのも事実ではある。臼歯はイコールで奥歯だ。実際に指を口に突っ込んでみれば分かるだろうが、指を噛み千切「いいいいぎぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいがあああああああああああああッ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!…………!?………………………、――――――あ?」る部分は指の第二関節あたりになる。そうすると当然切歯か犬歯が第二関節あたりに接触することになる。故に臼歯は指を噛み千切る部分に接触しない。だから実はどの歯で噛み千切ろうなどと考えなくてもいいのだ。とはいえまぁ、だからといって簡単に噛み千切れるかといえばもちろんそうではない。一番問題となるのは指を噛み千切(くち、あい……?おわ、っ……ひゃ?)る際の口内の感触だろう。指を歯で噛み千切ろうとすれば当然噛み千切ろうとしている指の断面から出血が起こる。つまり噛み千切ろうとする人の口内が噛み千切られている人の血で満たされるとはいかないまでも侵されるということだ。血を舐めたことくらいなら誰しもあるかもしれない。し(これ噛み千切れるのか!?……もう1回、……[ピーーー]気で……ッ!?)かしコップに満たされた血液をトマトジュースのように一気飲みしたことがある人はなかなかいないだろう。指の断面から起きた出血は口内を容易く血液で満たせるほどに大量で、多量だ。そしてそ「かみ、じょさ」の感覚はよほど逸脱した精神性を持っている人間でない限り絶対に不快感を催す。血液の味、これは何とも形容しがたいモノで、どうしたって非日常故に。そして血液だけではない。噛み千切る側は噛み千切られる側の肉を喰うことになるのだ。肉、肉片、皮膚片といってもいいだろう。噛み千切る際に出た人肉を喰らう『だからもう1度噛んだ。今度こそ噛み千切れるように、全身全霊で噛んだ』とになる。もちろんそれは血液ほど口内を侵すモノではないが、しかし絶対に不快感はでる。それ以上に歯で肉を喰らう感覚。ブチブチと千切れる筋線維。皮膚の絶妙な柔らかさと反発感。すぐ下にある骨の硬さ。全て全てが一度に歯髄を通して脳に殺到するのだ。
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:13:55.38 ID:l6aSQntV0
『噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み』人の指を噛む、噛み千切る。皮膚を切り裂き、筋肉を断ち切り、骨を砕く。噛み千切る側にとっても悪夢、いやまだ悪夢の方がましだろう。等活地獄に落ちるのと同等の精神的苦しみを味わうようなモノだ。そしてきっと噛み「い゛ッ!?ぎぃ、ぎょべびふ゛ッ、あ゛ひばびゃあぁぁあぁ゛ぁぁああ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ああぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあぁあああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛あああ゛あああああああああ゛あ゛あ゛ああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!?????????????」千切られる側は噛み千切る側よりも圧倒的に苦しい。自分の指が手から離れていく感覚。その痛みをゆっくりじっくりまじまじと堪能することになり、五指が四指になる過程を痛覚で体感することになる。どれほどのショックを受け、どれほどのトラウマになるだろうか。しかもそれが自分から進んでではなく強制的になのだからそれは当然痛い痛い死にたい死にたくなるだろう。『終わってなかった上条は1回じゃ佐天の指を噛み千切りきれなかった躊躇があったのかもしれない躊躇いがあったのかもしれないふざけた気遣いがあったのかもしれない絶叫で口を閉じる力が弱まったのかもしれないだから2回目があった。2回口を閉じることになった』落差。10メートルの高所から落ちるのと100メートルの高所から落ちるのでは当然後者の方が落下ダメージが大きい。では精神的なダメージの話をしよう。虐められている人間は心に傷を負う。誰も助けてくれない現状に悲観して自[ピーーー]る。では誰かが助けてくれれば心の傷は治るのか。いや治らない。精神に負ったダメージは必ず残るモノだ。記憶は消えない。想い出は無くならない。そして1度(今度こそ噛み切れ、えッ!)は助けてくれた人がなぜか裏切って虐める側に加担することになればたぶんもう2度と立ち直れない。偽りの希望に縋ればそれに頼らざるを得なくなり依存するから。最底辺から救い上げて高所に登らせてあげた。そこからもう1度最底辺に落ちる。極上の逸品を食べなれた人間がファーストフードをまずいと感じるように、金持ちが貧乏人になっても金持ち時代の金銭感覚を忘れられないように。それはそういうモノで、そういったモノだ。だから佐天はもう二度と上条の友達にはなれないかもしれない。事実はどうでもよくて、ただ客観的に上条に裏切られたと感じてしまったのならば。
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:14:26.72 ID:l6aSQntV0
「あああああああああAAAAAAAAAAAAAAAAAaaああああああああああああああああああああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」                 ([ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]「[ピーーー]う!」ぅがああああああああああああああ!!!!![ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー]死「許さないィ、いぎッ!!!」ね[ピーーー][ピーーー][ピーーー])
(死んじゃう!死んじゃう!死んじゃう!死んじゃう!)
    (なんであたしがなんであたし「助けて」がなんであたしが) なんでアたし難であた死が) なんであたし仮名んであたしが) なんで亞たしがなんであた「助けて」しが) なんであたしがなんであたしが) なんであた歯牙なんであたしが) なんであたしが「助けて」なんであたしが) なんであたしヶ何であたしが) なんであたしがなんであたしが)なんであたしが)   「助けて」
          「助けて」      「助けて」           「助けて」
「助けて」          「助けて」
「助けて」           「助けて!」
        「助けて!」

(千切れる千切れちゃうよお……曲がる曲がる曲がる指がッ!?)

 (あっあうっあああ指があああふヴば「指!」ヴぁののののののう指の左が左みたいだ ゆびが ゆが びが ゆびぃ のあうをあられた ああああぁ「指!」どあ どうな なるど なる なうら あうるのか「指!」? あおばる のか あ? はっはっ えが はっ えが「指!」 ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!!!!)
 
(助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて(HELPHELPHELPHELPHELPHELPHELPHELPHERPHELPHELPHERPHERPHERPHERPHELPHELPHERPMEMEMEMEMEMEMEMEMEME)助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて(救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って)助けて助けて助けて助けて助けて)
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:15:03.48 ID:l6aSQntV0
https://syosetu.org/novel/158074/72.html
とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

72 / 74
惨劇最悪バッドエンドA あなた達が間違えた選択の果てに、世界は滅亡しました

 終わった。
(終わった)
 終わった。終わった。終わった。
(終わった。終わった!終わったあァァっっっ!)
 だが、はたして何が終わった?
 佐天の歯を噛み千切ることが?
 もちろんそれは終わった。
 佐天との間にあった信頼関係が?
 それは修復は可能なほどに終わってしまった。
 上条の精神性は?
 それもまた、終わってしまったモノの1つだろう。
 いくつもの出来事が終わり、モノとして存在しない目に見えない何かもまたいくつも終わってしまった。
 それが良いか悪いかはまだ分からない。もしかしたら上条の行動が後の災厄に繋がるのかもしれない。
 けれど、確かに此処に1つの事象は終了したのだ。
 上条が終わらせた。
「はっ、はふっ……はぁーっ、ははっ!はぶ、げふッ!…………あ゛、…………ぁ゛」
 唾液と血液でぐちゃぐちゃになった佐天の左手親指を掌の上に吐き出して、上条は荒い息のまま何とか佐天に話しかけた。
「さ、てん……大丈夫、か……?」
「……………………………」
 返答はない。
「佐天……?」
 膝に手をついて息を落ち着けながら、上条は顔を上げて佐天を見上げた。
 
 佐天は、恐怖に歪んだ顔のままぐったりと頭を下にしていた。
 
「っ!……ぅ」
 ピクリとも動かない佐天。
 気絶している、のだろう。
 全身から力が抜けている。だらりと下がった四肢に半開きになった口、開いた瞳孔。全てが佐天が正常ではない状態であることを示している。
 言うまでもなく、上条がそうした。
(仕方なかった……仕方なかったんだ!)
 そう、思うしかない。今はまだ、罪悪感を抱くわけにはいかない。
 やらなければならないことがある。
 佐天の痛みを、その犠牲を、無駄にするわけにはいかない。
「Aえー!」
 と上条は食蜂を呼んだ。
 佐天の左手親指が手に入った以上、後必要なのは刀夜の右目だけだ。つまり食蜂が刀夜の右目を抉りだせていれば、事態の全ては解決する。
 はずなのに、
「何してるんだ……?」
 奇妙なことに、食蜂は刀夜の右目に手を伸ばしたまま静止していた。
「大丈夫、か?」
 緊張しているのだろうか。
 躊躇しているのだろうか。
 それも仕方ないと思う。上条だって、躊躇いの中で覚悟を決めて佐天の指を噛み千切ったのだ。だから食蜂が出来なくても仕方ない。
(いざとなったら)
 いざとなったら、上条が食蜂の代わりをやるしかないだろう。
 けれどまず、上条は食蜂を励ますためにその左肩に手を置いた。
「変わろうか?」
 と声をかけて、
 
 ドン、と食蜂の身体が倒れた。 
「……………………………………………………………………………………………は?」
 一瞬、停止。
 だが、すぐに動き出す。
「食蜂!?」
 倒れ伏した食蜂に上条はすぐさま駆け寄った。
 何だ?何が起きている?どうして食蜂が倒れた?
「おいっ、どうした!?しっか」
 呼吸が、停止していた。
 心拍が、無かった。
「――――――――――――――――――――――しょく、ほう?」
 一般的には、呼吸をせず心臓も停止している人間のことは死体と呼ぶ。
 つまり、食蜂は死んでいた。
「待てよ」
 死んでいた。
「起きろよ!何、何で……食蜂ッ!」
 
 ガチャリと音がして、誰かが上条の背に凭れ掛かってきた。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:15:38.53 ID:l6aSQntV0
「ぐっ、痛ッ!?」
 
 背中に奔った衝撃を振り払うかのように、上条は食蜂の身体を支えたまま片腕を背に手をやった。
 何かが上条の背中に墜ちてきた。
 何かが上条の背中に降ってきた。
 それを背中から降ろして、上条は降ってきた何かを確認し、
 
 上条刀夜が死んでいた。
 
「……、…………?」
 今度は言葉すらも出なかった。ただ、ふらふらと開いている方の手が刀夜の頬に伸びた。ふらふら、ふらふら、ふらふらと。
「父、さん……?」
 動かない。
 ピクリとも、動かない。
 触らなくても分かる。
 触れなくても分かる。
 上条刀夜は死んでいる。
「あ」
 呆けたように口を開きっぱなしにして、食蜂を横たえ、上条は立ち上がった。何が起こっているのかわからない。何が起こっているのか分からない。何が起こっているのか分からない。
 でも何かが起こってるのなら、と上条は立ち上がった。
 
 四つの枷から解放され、倒れ伏した佐天が視界に入った。
 
「は」
 確かにそうだ。食蜂が死んだ。刀夜が死んだ。ならば佐天だって死んでいるだろう。全くそうだ。非常に納得できる。
「なら、ジャーニーも……」
 佐天と刀夜が解放されたなら、もちろんジャーニーも死んでいる。見る必要もない。だって、12のルールにはこうあった。『ジャーニーが培養器の外に出るか、ジャーニーが死亡した時点で2人の拘束は解かれる。』、なら当然ジャーニーは死んでいる。
 4人とも死んだ。
 此処で生きているのは上条だけだ。
「……外に」
 なら、もう此処に居ても意味はない。外に出て、助けを呼ばなければ……。
 ふらふらと頼りない足取りで階段を上り、部屋を出る。
 
 その部屋の外では、少女が死んでいた。
 
「…………………、蜜蟻、……か?」
 その顔には見覚えがあった。
 蜜蟻と名乗る少女と同じ顔をしていた。
 ……待っていた、のだろうか。
 ジャーニーを救出した後の上条に会いに来るつもりだったのだろうか。
 死体は黙して語らないから、真実はもう分からない。
「……………………………、…………」
 歩く。
 ただ、歩く。
 とにかく外に行かなければ何も始まらない。外に行けば助けを呼べる。助けを呼んで駆動鎧パワードスーツを止められる。だから、まずスタジアムの地下から出なければならない。
「…………もう、ちょっと」
 後数歩でスタジアムの外に出られる。
 後2歩でスタジアムの外に出られる。
 スタジアムの外に出られた。
「っ」
 太陽光の眩しさで僅かに目が眩む。だが徐々にその明るさに慣れて、視界が開けた。
 
 インデックスが死んでいた。
 
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:16:13.89 ID:l6aSQntV0
「――――――――――――――――――――――――――――――」
 
 ひどい、酷い様だった。
 片腕を切り落とされ、半ばまで切断された胴からは内臓が零れ落ちている。白を基調とした修道服はあちこち裂かれ、穴が空き、そこから今もなお流れ出る血が、修道服を赤黒く変色させていた。数えることすらも馬鹿馬鹿しくなるほどにインデックスの体の傷は多かった。

 何度も、何度も、何度も。
 誰かがインデックスの体を切り裂き、斬り付け、痛めつけ、命を弄び、尊厳を凌辱し、生き様を侮辱し、そして突き立てて、消えない傷を残したのだろう。
 永遠に消えない、傷跡を。
 どうして、そこまでされなければならなかったのか。
 どうして、そこまでしなければならなかったのか。
「―――――――――――――――――――――――」
 苦痛に満ちた顔を、
 恐怖に歪んだ顔を、
 せめて、せめて、せめて、少しくらい安らかにしたい。
 だから上条は死にきったインデックスに近づいて、その瞳を閉じさせてあげた。
 それくらいしか、出来なかった。
「……………………」
 そうして、上条は携帯電話を取り出して病院に電話した。119番。死体を病院に渡さないといけない。
 通話がつながる。
「あの」
 自分でも驚くほどに冷たい声が出た。
 なのに、
『―――――――――――――――――――』
「あの!」
 通話口からの返答がない。
 話しかけてこない。
「……仕事してくれよ」
 119番からの返答がないなら自分で歩いて病院に行くしかない。
 どこの病院が良いだろうか?一番近い所なら、やはりカエル顔の医者の所か?
「歩けば、いつか辿り着くか」
 そう言って、上条はスタジアムの外に出る。
 
 スタジアムの外には、輝の死体があった。
 
「……勝てなかったのか」
 それだけ言って、上条は大通りに向けて歩き始める。大丈夫だ。死体が1つ増えただけだ。病院に連絡する手間が増えたけれど、それぐらい上条が負担するべきだろう。
 10分ほど歩き、上条はようやく大通りに出た。
 
 燃え盛る炎がいくつもあった。
 
「熱っ!」
 炎上しているのは車だ。
 交通事故が起こっているのだ。この大通りだけで何件も。
「……警察に、連絡しないと」
 もう一度、上条は携帯電話を取り出して警察に電話した。
 110番。
 通話がつながる。
「あの」
『―――――――――――――――――――』
 通話口からの返答がない。
 話しかけてこない。
「……………………」
 仕方がないから上条は電話を切って再び歩きだした。
 どいつもこいつも仕事をせずにさぼっていて、学園都市は大丈夫なのだろうか?
「…………………………」
 歩き続ける。
 車の中で見知らぬ誰かが死んでいた。
 歩き続ける。
 歩道にある椅子の上で誰かが寝転がっていた。
 歩き続ける。
 道端でカップルが抱き合ったまま動かずにいた。
 歩き続ける。
 青髪ピアスが家に寄り掛かっていた。
 歩き続ける。
 炎の中に誰かが立っていた。
 歩き続け、
「青髪ピアス……?」
 振り返った上条は来た道を戻って青髪ピアスに近づいた。
 
 近づいて、その瞳が何も映していないことに気が付いた。
 
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:16:17.69 ID:IL2pbg5Q0
上条さんには最終的に美琴か操祈と結ばれて欲しい
あの二人は上条さんに対して特に献身的だから好印象
恩知らずで役立たずのインなんとかさんは絶対にNG
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:17:02.76 ID:l6aSQntV0
「―――――――――――――――――――――――う」
 一歩、下がる。
 足が誰かの肉に当たる。
 下を見る。
 倒れ伏した吹寄と目が合った。
「うあああああぁぁぁぁぁぁぁッ――――――!!!」」
 もう、我慢できなかった。
 無茶苦茶に走り回る。
 滅茶苦茶に叫ぶ。
「あああああああああああああああああっ!!!!!くがあああああああああああああああ!!!!!ぎあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
 両の目から流れ落ちる涙が視界を歪ませる。
 あらゆるところにある血液がびちゃびちゃと上条の足元で跳ねる。
 どうしようもない。
 もう、どうしようも、ない。
「何なんだよ、これ…………」
 全て、死んでいた。
「何なんだよ、これっ!?」
 死が、溢れていた。
「何なんだよ!これは!?」
 ここには死しか、なかった。
「誰か、誰かいないのかよ!!!」
 もう恥も外聞もなく上条は走り回った。ようやく、脳が現実を直視した。
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「誰か!誰かァッ!誰でもいいから、返事してくれよ!!!」
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「ふざけんなよ!どうしてこんなことになってるんだよ!!!俺が、俺……ああああああああああああっ!」
 死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「なんで、……なんで……っ、インデックス……インデックスぅ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
 全てが終わって滅んでいる。
 視界を埋め尽くす赫と無数の死体だけが、上条が今ここにいる証明だった。
 膝をつく。
 何もかもが死に尽くした世界で、徐々に上条の正気が薄れていく。
 
 なにもわからない。
 なにもかんがえたくない。
 
 精神を犯し尽す絶望が上条の中から希望を消し去っていき、五感すら奪い去ってく。
 消える。消える。消え失せる。
 意識が、思考が、感情が、何も残らない。
 
 はずだったのに。
 
 ざっ、と上条の後ろで足音がした。
「ッ!?」
 その音を聞いた上条はまるで今にでも消えそうな蝋燭の明かりを必死に維持しようとするかのように振り向いた。
 生きている人がいる?
 誰かがまだ、生きている?
 そう思って、上条は振り向いて、
 
 白過ぎる腕に、首を掴まれた。
 
「あぎぃッ!?」
 絞まる。しまる。しまっていく。
 首が徐々に絞めつけられていき、呼吸が出来なくなっていく。
「だ……に……」
 誰が上条の首を絞めているのか分からない。
 何で上条が首を絞められなければならないのか分からない。
 だが、
 
「時間、掛けすぎだよ」
 
 全てが死に犯された世界に色を喪った呟きが響き、
 
 ――――――上条当麻の生命活動は、完全に停止した。
 
 
 



これで『とある暗部の御坂美琴』は完結となります!
3年モノ長い期間の連載となりましたが、今まで付き合ってくれた方には非常に感謝です。本当にありがとう!
後日にあとがきを投稿させてもらいますが、本編はこれで終わりです。

本当に、本当に、ありがとうございました!





セーブデータをロードしますか?

はい←
いいえ
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:18:01.70 ID:l6aSQntV0
https://syosetu.org/novel/158074/73.html

とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

73 / 74
1周目における第一部第二章は惨劇最悪バッドエンドで終了したため現段階においては取得ポイントを計上できません。

ご了承下さい。


とある暗部の御坂美琴(1周目) 総合評価

 第一部第一章 評価
 
 
 
 
 
 第1評価
 
 話数 111話……条件未達成。
 合計文字数 562569文字……条件未達成。
 平均文字数 5114文字……条件達成。
 UA 57781……条件達成。
 お気に入り 157件……条件達成。
 感想 104件……条件達成。
 総合評価 266pt……条件達成。
 平均評価 6.41……条件達成。
 調整平均 6.60……条件達成。
 
 
 
 第1評価値算出
 
  ―111―5625―114+5778+157×10+104×10+266×10+6.41×100+6.60×100=6499
 
 条件達成 7
 条件未達成 2
 
 二章開始時における難易度がハードになりました。
 
 条件達成と認定。
 
 取得ポイント 6499SP
 
 
 
 
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:18:41.13 ID:l6aSQntV0
 第2評価
 
 誤字指摘……54箇所。
 読者による設定不備指摘……8箇所。
 
 能力名が四文字では無いモノがあることに関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーによる絶対能力進化実験レベル6シフトの干渉に関する伏線……指摘済み。
 初まりの領域に関する伏線……指摘済み。
 全体個体『御坂美琴』に関する伏線……指摘済み。
 世界物語理論に関する伏線……指摘済み。
 裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいがによる位相斬りに関する伏線……指摘済み。
 千疋百目の地下下水道脱出行動に関する伏線……指摘済み。
 木葉桜十五夜の召喚した武装に関する伏線……指摘済み。
 『神』になった一方通行アクセラレータに関する伏線……指摘済み。
 もう1つの絶対能力進化実験レベル6シフトに関する伏線……指摘済み。
 千疋百目が地下下水道の崩落から白井黒子を助けた理由に関する伏線……指摘済み。
 伏線を『貼る』が誤字ではない理由に関する伏線……指摘済み。
 【】に関する伏線……指摘済み。
 初春飾利の所属に関する伏線……指摘済み。
 一方通行アクセラレータの魔神化を想定内とした存在に関する伏線……指摘済み。
 御坂美琴が一方通行アクセラレータを拷問した理由に関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーの進める『計画プラン』に関する伏線……指摘済み。
 『死』の定義に関する伏線……指摘済み。
 上条当麻が敗北したことに関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属する人間に関する伏線……指摘済み。
 全体個体『御坂美琴』の思考矛盾に関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織構造に関する伏線……指摘済み。
 見捨てられた女グレイレディの正体に関する伏線……指摘済み。
 ミサカネットワーク総体の気付きに関する伏線……指摘済み。
 風紀委員本部セントラルジャッジメントと滞空回線アンダーラインに関する伏線……指摘済み。
 原作では気づくことのできたぬいぐるみに関する伏線……指摘済み。
 上里翔流に関する伏線……指摘済み。
 アルフの発言に関する伏線……指摘済み。
 占卜卜占に関する伏線……指摘済み。
 アレイスター=クロウリーの上条達へのバックアップに関する伏線……指摘済み。
 
 
 
 第2評価値算出
 
 54×0.5+8×5+30×1=97
 
 『真実解明トゥルーエンド』ルートへルート分岐。
 
 ――――――世界物語キャラクターストーリー理論による正史認定を行いました。
 
 以下、第一部第一章は『真実解明トゥルーエンド』ルートで固定されます。
 
 条件達成と認定。
 
 取得ポイント 9700SP
 
 
 
 
 
 第3評価
 
 御坂美琴VS死縁鬼苦罠……勝者 死縁鬼苦罠
 御坂美琴VS一方通行アクセラレータ……勝者 全体個体『御坂美琴』
 木葉桜十五夜VS罪罰贖&波並波狂濤……勝者 木葉桜十五夜
 木葉桜十五夜VS矛盾矛盾&鳳仙花蝶々……勝者 木葉桜十五夜
 木葉桜十五夜VS一本線点々……勝者 一本線点々
 ミサカ10032号VS一方通行アクセラレータ……勝者 一方通行アクセラレータ
 白井黒子VS千疋百目……勝者 千疋百目
 白白白VSアレイスター=クロウリー……勝者 不明
 上条当麻VS扼ヶ淵埋娥……勝者 扼ヶ淵埋娥
 神亡島刹威VS浣熊四不象……勝者 浣熊四不象
 一方通行アクセラレータVS『空白の主』……勝者 『空白の主』
 常世涯最果VS木原脳幹……決着つかず
 木葉桜十五夜VS『空白の主』……決着つかず
 木葉桜十五夜VS『空白の主』VS木原脳幹……引き分け
 常世涯最果VS裂ヶ淵瞑娥……勝者 常世涯最果
 ミサカ19090号&ミサカネットワーク総体VS死縁鬼苦罠&天埜郭夜……勝負中
 アレイスタークロウリーVS白白白……勝負中
 佐天涙子……敗北者
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:19:03.73 ID:n6MRq9y1o
でも上条さんはインデックスが上条さんにキスされかけたらぶちギレるくらいにはインデックスのこと大好きなんだよな
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:19:23.38 ID:l6aSQntV0
第3評価値算出
 
 ―1+0+0+0+0+0―1+0―1+0―1+0+0+0.5+0+0.5+0.5+1=−1.5
 
 侵略者インベーダーによる侵蝕が1段階進みました。
 
 条件未達成と認定。
 
 取得ポイント ―1500SP
 
 
 
 
 
 第一部第一章総合取得ポイント算出
 
 6499+9700−1500=14699
 
 合計取得ポイント 14699SP
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 上条当麻のステータスを表示します
 
 上条当麻……性別 男
      年齢 15歳
      特殊能力 幻想殺しイマジンブレイカー
      称号 主役級メインキャラクター、主人公ヒーロー、救済者ヒーロー(未覚醒状態)
      称号スキル 主人公補正(真)、なるようにならない最悪If nothing is bad、カリスマ(弱)
      固有スキル 前兆の感知(兆)、不幸、不撓不屈(弱)
 
 
 
 
 
 
  買い物
 
 
 
 何を買いますか?
 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化(第一部第一章のみ)……100000SP
 イベント絵……各50000SP
 スキル……各10000SP
 記憶の引継ぎ……10000SP
 サブストーリー……各5000SP
 アイテムの引継ぎ……5000SP
 経験値の引継ぎ……1000SP
 友好度の引継ぎ……1000SP
 TIPS……各100SP
 
 
 
 イベント絵詳細
 
 頂にて君臨する風紀委員本部セントラルジャッジメント
 汝、人を捨てても護りたいモノがあるか?
 
 
 
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:20:13.38 ID:l6aSQntV0
 スキル詳細
 
 前兆の感知
 説得
 女たらし
 
 
 
 サブストーリー詳細
 
 御坂美琴初めてのお仕事
 たぶん最終章にならないと意味の分からない会話劇
 上里勢力結成譚 第一幕
 
 
 
 TIPS詳細
 
 オリジナル単語1つに付き100SP
 
 
 
 
 
 記憶の引継ぎ……10000SP ←
 
 記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?
 
 
 
 はい ←
 いいえ
 
 
 
 使ったSPは二度と戻りません。それでも 記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?
 
 
 
 はい ←
 いいえ
 
 
 
 記憶の引継ぎ……10000SP を買いました。1周目の記憶が2周目に引き継がれます。
 
 
 
 取得ポイントが4699SPに減少しました。
 
 
 
 他には何を買いますか?
 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP ←
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買いますか?
 
 
 
 はい ←
 いいえ
 
 
 
 特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買うためにはSPが足りません。
 
 
 
 取得ポイントは4699SPのままです。
 
 
 
 他に何を買いますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:20:48.26 ID:l6aSQntV0
https://syosetu.org/novel/158074/74.html
とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
×

74 / 74
私はいつも一人だった。
だから願った。愛されたいと。
私は多くの人から愛された。
だから思った。一人がいいと。
そして私は独りになった。
だから悟った。これが幸福だと。

――――――二九七


それでも僕は、明日が欲しかった
裏お茶会~1周目~

 崩れ落ちる上条ヒーローの身体を睥睨しながら、230万の死体で溢れる学園都市の中で僕は溜息をついた。
「わりと、期待してたんだけどね……」
 言葉にすることで僕は僕自身の考えを再認識する。
 そう、期待していた。本当に期待していたんだ。
 上条当麻なら、あるいはこの僕を上回ることが出来るかもしれない、と。
「いや、……矛盾だな」
 僕の世界の人類を護るためには、いずれ上条当麻は必ず[ピーーー]ことになる。それが早いか遅いかの違いだ。
「…………遅かったね、アレイスター」
「殺したのか」
「どのみち、間に合わなかったさ。彼はあまりにも遅すぎた」
 男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』、そう評されるアレイスターの方に視線を投げかけて、僕はこの全てが終わった世界を見通す。
 70億の、そして数百の死体しか存在しないこの世界でただ1人、僕だけは違うから。
 結局すべてが絵空事の虚言でしかないと知っているから。
「それを分かっていたからこそ、君も滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの対策を発動させなかったんだろ」
「あの程度の術式に気付けないのならば、どのみちヤツは救済者ヒーローには相応しくないだろう」
「随分な言い様だ……。君の、君達の主人公ヒーローだろう?」
「違うな。私達の主人公ヒーローは彼ではない。上条当麻だ」
「厳しいね……。彼だって、僕がいる中頑張ってると思うけど」
「結果世界が滅んだが?」
「……………………もう少し、サポートしてあげれば良かったのに」
 フラグが立たなかったのは確かに上条の責任だが、たった1回で完全な救済を為せだなんて難易度が高すぎるだろう。今回は解決しなければならなかったことが多すぎる。瞬を倒して、蜜蟻をどうにかして、学究会防衛作戦を成功させ、咎負虐殺を止める。
 そんなの無理だ。
 僕だって、サポートなしで出来るとは思ってなかった。
「それは」
「呼ばれてないのにじゃんじゃじゃ〜〜〜ん!!!」
 空から純正の人類絶対悪が降ってきた。
「五行……。今結構重要な話してたんだけど」
「あぁ、あぁ、あ〜あ。まさかこんな結末になっちゃうなんてなぁ〜」
「聞けよ」
 いや、五行が人の話を聞かないのはいつものことなんだけど、今だけは邪魔しないでほしかった。アレイスターと一対一で、互いの本当の立場を曝け出して話せるのなんて、今ぐらいしかないだろうから。
「木原五行、全能存在パントクラトールか」
 ほら話が次に移った。
「……………はぁ」
 僕の隣に立つ少女を見て、アレイスターが言った。
 当然、調べられている、か。
「くきっ、くききッ!!!ま〜さっか!第六物語シックススストーリーの主人公ヒーローが死んじゃうなんて。フラグの立て方ミスっちゃった?」
「あぁ、ラスボスとの交戦フラグを立てないでサブイベントに入れ込んだんだ。馬鹿なことにね」
「くきっ!なら私のしたことの意味がなくなっちゃうな〜。せっかく、第七物語セブンスストーリーの主人公ヒーロー連れてきて物語交錯クロスオーバーさせてあげようと思ったのに」
 わざとらしい口調でアレイスターを挑発する五行を僕は止められない。権限自体は僕の方が上だし、立場も僕の方が上だけど、物語を進める役トリックスターの自発的な動きを止めることは僕には出来ないし、しようとも思わない。
 そういう称号キャラクター性の持ち主の行動はどのみち止められないモノだし。
「ふん、たかが全能如きが私と   の話を邪魔をするのか」
 だいたい、物語を進める役トリックスターは自由だからこそ意味があるんだ。
「くきぃ!たかがっ、たかがだってさリーダー!……このあてをたかがだなんて、さすがにムカつくかなあああああああああああああ!!!!!」
 だからほら、また勝手に手の内を晒す。
「超克科学オルディニスクレアーレ――――――完全無欠ウルトラ、十全十美スーパー、常勝不敗アンリミテッド、絶対究極パーフェクトガール、故に私は全知全能の絶対神イズミー!」
 超克科学オルディニスクレアーレ。覚醒ブルートソウルした極点突破者デスペラードのみが使う事の出来る世界物語キャラクターストーリー理論の最終到達地点。人類最終到達地点候補生たちの目指すべき場所。
 といっても今回五行が使ったのは見る限りただの即興術に過ぎないのだけれど、出来れば勝手に使わないでほしかったなぁ……。
「あれ?発動しない……?……うん?」
 まぁ、当然邪魔されるんだけど。
「全能の逆説オムニポテント・パラドックス。……まさか知らないわけではあるまい」
 二言だった。そして、その事実がアレイスター=クロウリーという魔術師にして科学者の強さを示しているんだ。
「……ぶ〜、つまんなぁ〜い」
 がっかりと肩を下げて、興がそがれたように超克科学オルディニスクレアーレの発動を止めた五行。まさか、全能の逆説オムニポテント・パラドックスを、全能者は全能であるが故に全能ではないという一学説を忘れたわけではないだろうに。
 いや、五行のことだから本当に忘れていたのかもしれないけど。
「殺しちゃう?殺っちゃう?ねぇリーダー!」
「落ち着けよ五行。いや頼むから落ち着いてくれ。だいたい彼を殺したところで」
 
 空から剣が降ってきた。
 
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:21:40.50 ID:l6aSQntV0
「死を晒せよ、侵略者インベーダー」
 そんな声と共に、全長数十キロメートルにもわたる長大な剣が五行の脳天に向かって振り下ろされる。誰が、どうやって?そんな疑問が浮かぶ……、
「痛い」
 だなんてことは当然なかった。
 当たり前のことだ。僕は知っている。僕は識しっている。その剣がどんなもので、その剣を操るのが誰なのかを。
「痛い痛い痛い!痛いよリーダー助けて!」
「はいはい。ちょっと待ってろ」
 剣が直撃してるのに傷一つついてないくせにそんな泣き言を言う五行に呆れながら僕は軽く剣に触れる。それだけで、剣は消え去る。
 干渉。
 無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreakerを使う僕からすればこの程度のことは当然だ。
「出てきなよ。いるんだろ?」
「無傷か」
 いつの間にかアレイスター=クロウリーの隣に立っている男を僕は知っている。
「右方のフィアンマ。あいつの下位互換程度が今更何の用?というか、この大絶滅リセットから生き残ってたんだ」
「……俺様も舐められたモノだ」
 僕のあからさまな挑発に、右方のフィアンマはあからさまに怒りを見せた。まぁ、下位互換と言われていい気になるような人間はいないだろう。
「あいつ、それって僕様のこと言ってるの、主あるじ?」
 そいつは右方のフィアンマと同じように突然現れた。
 これで3VS2。
「『神の代行人』GE13か」
「……下位互換程度が僕様に話しかけるなよ。ウザいんだよ代替品」
 GE13が右方のフィアンマを睨みつける。仕方がない事とはいえこの2人は相変わらず相性が悪い。といっても聖なる右を持つ右方のフィアンマが『神の代行人』であるGE13の劣化レプリカなのは周知の事実だ。そして自分の劣化レプリカ、クローンのようなモノが勝手に造られたというのは確かに気分の良いモノではないだろう。
「なんだ、還してほしいか?GE13オリジナル?」
 誰が見ても分かるくらい上から目線だった。
 その挑発には、当然GE13は耐えられない。
「――――――調子にっ」
「やめろ」
 だから僕は止めに入った。やれやれ、いくら『核』が固まっていないとはいえ、安易に行動するのはやめてほしいモノだ。
「あひゃひゃ!怒られてやんの〜!」
「……主」
 縋るように目を向ける13を、それでも僕は静止する。
「13、別に聖なる右を使われたところで君がオリジナルであるという事実は揺らがないさ。だから簡単な挑発に乗るなよ。……まだ、底を見せるな」
「了承したよ、主」
 底が知られても強さが変わらない先住民センチネルにとって強さを示すことは恐怖ではない。彼らの強さの限界点は1度知られている、だからこそその『上』にいけるんだ。底が暴かれれば弱くなる僕ら侵略者インベーダーとは違う。僕らは安易に力を晒せない。そうすれば、終わってしまうから。
「それにしても、本当に君達はこれで良かったのかい?」
「何がだ」
「大絶滅リセットで利するのは言うまでもなく侵略者インベーダーたる僕らだ。先住民センチネルたる君達からしたら、大絶滅リセットだけはどんな手段を使っても回避したかったんじゃないのかい?」
 少しの沈黙の後にアレイスター=クロウリーが口を開いた。
「ある意味ではそうかもしれない」
 肯定が返ってきた。
「だがある意味ではそうではないだろう」
 否定も返ってきた。
 そして後に続くように右方のフィアンマが言った。
「俺様達ももはや純粋な先住民センチネルとは言えまい。ならば妥協はするべきだ、というのが俺様達の出した結論だ。大絶滅リセット程度ならば、完全閉鎖アーカイブスルーや中断事象リアルが起きないのならば、やりようはいくらでもある」
「ふぅん……そう。だったらまぁ、初お披露目はこの程度でいいかな」
 そう言って僕は、諦めたように言う。そういうしかないから、言う。
「愛し子よMary、愛し子よMary、僕の愛するMy fair愛しき世界よMary Sue。
 その運命を改変しておくれCambiare il destino、
 その物語を書き換えておくれFare una storia。
 我が神のお望みとあらばWenn es meines Gottes Wille、
 我らが神のお望みとあらばWenn es unsere Gottes Wille、
 過去など無いに等しいのだDie Vergangenheit ist vorbei。
 すべての可能性を内包した書の中でO mundo onde há esperança e o desespero
 ただ一つの意志のみがEle destruiu何もかもを無に帰すのだo mundo」
 何度も言ってきた初めての詠唱を、僕は紡ぐ。
「絶対不変の絶対法則アンチェンジナブルラウ――――――無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreaker」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「さあ、やり直そうか」
 
「次は、失敗しないようにね」



一つ言っておこうか。

愛がないのならば、この物語の真実には辿り着けない。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:22:16.15 ID:l6aSQntV0
一方通行が魔神にされた後無様に死ぬからおすすめ
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/18(金) 17:05:40.88 ID:2noQKD4e0
どうでもいい
一方通行は大嫌いだけど興味ない
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:26:17.11 ID:wj/EPCyv0
原作でそうなってくれたら面白いんだけどねえ

つーかもう原作は何すりゃゴールなのか分からん状態だし
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:28:46.75 ID:jANa4d/Fo
悪党の美学がとか俺は悪党とか言ってた頃よりクリファパズルを必死に救おうとした今の一方通行の方が好き
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 00:19:24.21 ID:PtFgOiUt0
自分を倒して実験を潰した上条さんを尊敬している点は好き
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:03:37.94 ID:rjguaOC00
https://syosetu.org/novel/56774/76.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

76 / 178
いつもよりちょっとだけ長いです。


気付いた二人@ 神速の対応 一方通行と『空白の主』@ 『空白の主』

 『それ』を真に正しく理解できた人間は学園都市内に二人いた。
 まず一人目は学園都市の主アレイスター=クロウリー。
 彼は、『それ』に強く関わっているが故に、『その領域』の人間と敵対しているが故に、『その行為』に気付くことが出来た。
「…………………………………………………………………………………………………………………………、」
 ほんの一瞬だけ、
 刹那の時間だけアレイスターは逡巡した。
 そして、
「頼めるか」
 短い問いかけがあった。
『任せておけ、アレイスター』
 その問いかけに短い返答があった。
 そして、問いを答えたヤツはすぐに『窓のないビル』から去り準備を始めた。
 さらにもう一人。
 学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階天秤の間にて風紀委員長白白白も『それ』に気付いていた。
「さすがに、予想外だな……」
 確かに、見る程度ならできるかもしれないとは思っていた。それを見ることは可能かもしれないとは考えた。
 だがまさか操れるとは、操作できるとは思っていなかった。
 認識が甘かったと言えばそれまでだが、おそらくこの事態を予想できた人間は世界に一人もいないだろう。
 かの統括理事長もこの事態は予測できないはずだと思った。
 だから、これは後手に周っているわけでは無い。挽回はまだ可能だ。
「まさか、このタイミングで切り札を切ることになるとは……」
 椅子に座ったまま受話器を取り、特殊なリズムで特別な番号を押した。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント。その地下第11層を住みかとする存在に、『切り札』に、命令を与えるために。
 プルルというワンコールの音すらならずに電話がつながった。
「最果さいはて、出番だ」
 意識を引きずられないようにしながら白は声をかける。
「おやぁ」
 妙に間延びした声で、電話口の人間は答えた。
「私が表に出るのは大覇星祭の時ではなかったんじゃ?」
「事情が変わった」
「事情がぁ?」
「あぁ」
 心の準備を決めてから、白は通話の相手である最果にその事情を話す。
 下手をしたらそれだけで死ぬかもしれないという緊張感をまとわせ、風紀委員本部セントラルジャッジメントの切り札の一人に、白は言った。
「学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータが位」
「行こう」
 白の台詞は最後まで言われることはなかった。
 電話相手の最果が一方通行アクセラレータが何をしたのかに気付いたからだ。
「座標は?」
「ポイントA18だ。だが、その前にポイントX000で『彼』とぶつかるはずだ。君には『彼』を足止めしてほしい」
「………………………ほぉ」
 ほんの少しだけ不満の色が見られた。とはいえ、ほぼ軟禁状態の最果にとって外にきちんと出られる機会を逃す気はない。
 一方通行アクセラレータがいじった後を見ることが出来ないのは残念だが、『彼』と戦えるというのならば、そこまであからさまに反抗する必要もないだろう。
「装備は?」
「全部許可する」
「専用武器も?」
「あぁ」
「………………………ふふ、了解ぃ」
 楽しそうに笑いながら、間延びした声で最果は笑った。
 本当に、楽しそうに。
「迎えは奇鬼喜きききに行かせる。速やかに行動しろ」
 それだけ言って白は電話を切った。
 天秤の間を沈黙が満たす。
 その沈黙の中でもう一度白は受話器を手に取った。今度は、十五夜につなげるために。
 予期してはしないだろうが一方通行アクセラレータは世界の理に干渉してしまっていた。
 だからこそ、この二人は全力を挙げて動いたいた。
 これ以上、もうこれ以上いじられてはたまらない。
 世界の強度がどれくらいもつのかはわからないのだから。
 学園都市統括理事長、風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長。
 非常に珍しいことだが、この時二人の思惑は一致していた。
 まぁ、だからといって協力できるということにはならないのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:04:11.99 ID:rjguaOC00
「…………………………………………………………………………………………………ぁ?????」
 気がつけば白い空間に立っていた。
「こ、……こは?」
 白。
 白く白く白い。
 ただひたすらに白しかないこの空間。
 上を見ても下を見ても右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても白。
 白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白。
 そんな空間に一方通行アクセラレータはいた。
「なンだ?俺は、確か…………」
 記憶をたどる。
 今を理解するために、過去を探る。
 一つ一つ順番に、たど
 
 その時だった。
 
「お・や・」
 
 声が、かけられた。
 
「ここ二に人間が来るとは珍四一しい」
 声をかけられる。日常的な何も不思議ではないことだ。
 ただそれだけだったのに、
 それなのに、
 
「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!??????????」
 
 全身が泡立った。
 肌が、脳が、身体の全てが無意識に緊張状態に陥った。
 
「誰だッッッ!!!!!」
 
 声をかけたのが誰かなど知らない。そんなことは分からない。
 ただ一つわかる。
 理解できる。
 学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータで理解できる。
 
「オマエは……っっっ」
 わかる。
 これがそうだ。
 これが、これこそが、
 恐怖。
 人が抱く根源の衝動。
 恐・怖・。
「誰だ……っっっ……!!!!!」
 その問いに、彼女は答えた。
「私か一い」
 目の前の存在は見た目だけを見れば極一般的な少女の姿をしていた。
「私は、そうだね」
 だが違う。
 見ればわかる。感じる。認識できる。
 こいつは、
 こいつは、
 こいつは、
 絶・対・に・人・間・じ・ゃ・な・い・!!!!!!!!
「『空白の主』。そう、呼ばれる存在さ」
 敵だ。
 あきらかに、絶対に敵だ。
 敵。
 それも、一方通行アクセラレータの敵という意味では無い。
 そんな小さな意味では無い。
 危機感が絶望が終焉の気配が迫って募って嗤っている。
 この目の前の女は、
 人・類・の・敵・だ・!!!!!
「『空白の主』……………………」
 ヤバい、と体感で分かる。
 強さの質が違う。
 言うならば運動会の徒競走で勝つために、参加者全員の足をへし折るようなものだ。
 立っているステージが違う。
 存在の位階が違う。
 これはそう、
 神とか呼ばれる存在だ。
 現に、
 現に現に現に。
「本名自体は別二あるけどね。けれど、君は見た十五六私の名を呼べる段階では七一ようだ四、『空白の主』十呼んで九零たまえ」
 この存在は一方通行アクセラレータを見ていながらにして、一方通行アクセラレータを見ていない。
 視線は確かに一方通行アクセラレータの方を向いていながらも一方通行アクセラレータをとらえてはいない。
 もっと別の何かを見ている。
 もっと奥の何かを見ている。
 もっと違うモノを見ている。
 見られている。見られている。見られている。
「―――――――っ、ぁ」
 
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:04:51.44 ID:rjguaOC00
 怖い。恐怖。
 御坂と戦っている時だってここまではっきりとは感じなかった。
 心臓を直接握られているような、脳に爆発物を入れられたような、そんな恐怖心。
 対抗しようと思えること自体が奇跡とさえも思える、そんな感情。
 なんなんだこいつは?
 そもそもどこなんだここは?
 御坂美琴は、あの戦いはどうなった?
「ん?」
 いつのまにか『空白の主』と名乗る女(?)が一方通行アクセラレータの目の前に来ていた。
「ッッッ!!!!!」
 グイッ!顎を持ち上げられて、
「何を恐零る必要があるんだ一?五五二来たと一う事八程度の差八あ零世界の仕組三を理解四十一ると一う事だ六う?」
 などと言われた。
「五の世界の深奥の秘密。秘匿さ零た最奥の領域。明かさ零十八七ら七一その存在を知ったのだ六う」
 続けて『空白の主』はこう言う。
「魔術の領域二住ま一、そ四十五五二至零たのだ。君二も何か明確七願一があるのだ六う?言っ十三七三一。何、遠慮する必要七ど七一」
 願い?
 願いだと?
「ね――――――がい……?」
「そうだ。願一だ」
 一方通行アクセラレータは思考する。
 願い。たしかにそれはある。もともと絶対能力進化実験レべルシックスシフトなんて馬鹿げた計画に参加したのは一方通行アクセラレータ自身が絶対能力者レベルシックスという領域を目指していたからだ。
 絶対能力者レベルシックス。現状の学園都市に存在する超能力者レベルファイブよりも上の強度の、おそらく神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものSYSTEMに至ることすら可能なその領域に至ること。
 それが目的だった。願いだった。
 
 本当に?
 
「ね………………が、――――――い?」
 高純度の麻薬を吸ったように脳がくらくらする。とめどない思考が体中をめぐる。
 目的、目的、目的。
 一方通行アクセラレータは思考を続ける。
 絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加し絶対能力者レベルシックスに至る。それが一方通行アクセラレータの目的であったことは間違いがない。
 でなければ劣化量産品クローンを二万体も[ピーーー]などという怠い作業を続けるわけがない。
 だがしかし、そもそもなぜ一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスになろうと思ったのか。
 絶対能力者レベルシックスになりたいと思っていた?
 違う。一方通行アクセラレータは別に絶対能力者レベルシックスになりたいとは思っていない。
 研究者の実験を断れなかった?
 まさか、一方通行アクセラレータは学園都市第一位の超能力者レベルファイブにして闇の中の住人だ。その気になれば参加する実験など取捨選択は容易だ。
 では単純に絶対能力者レベルシックスという領域に興味があったのか?
(…………………………………………………………………………………………いや)
 それも違う。確かに絶対能力者レベルシックスには興味があった。この力はどこまで行くことが出来るのか、自分はどこまで強くなれるのか、そういうことに興味がなかったと言えば嘘だ。
 でもそれは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加する理由としては弱いように思えた。力への執着のみで絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したわけでは無いのは直感的に理解できた。
 であれば、いったいどうして一方通行アクセラレータは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したのだろうか。
 思考する。
 答えは出ない。
 思考する。
 答えは出ない。
 思考し続ける。
 答えは出ない。
 答えは出ない。
 答えは分からない。
 学園都市一の頭脳を持っている一方通行アクセラレータでも、その問いに対する答えは、自らが絶対能力者レベルシックスを目指そうと思った理由が、その始原の衝動がわからなかった。
 黙っている一方通行アクセラレータを不可解な思い出見つめていた『空白の主』はいつまでたっても黙して語らない一方通行アクセラレータを前に一つの事実に気付いた。
「……………………ま三か七一のか?」
 驚愕の表情で『空白の主』は呟く。
 ありえない、と内心で『空白の主』は思った。
 『この場所』に来る生命が何の願いも持たないなどあり得ない。ただの興味や好奇心や偶然で来れる場所ではないのだこの場所は。
 確固たる意志があり、絶対に達成したい目的があり、そのために死に物狂いで行動し、死をいとわずに動き、それでやっと至ることのできる場所なのだ。
 確かにその『位階』に至ったのであれば『願い』は叶ったといってもいのかもしれない。だが、『この場所』に至るという事はそもそも世界の根幹自体を作り直したいと思ったはずだ。
 ならば、願いがないなどあり得ない。
「なら仕方が七一。願一を口二四七一のであ零ば、強制的二見せ十もらうまでだ」
 数年ぶりに『この領域』に来た生命がいるのだ。その生命の願いを知りたいと思うのは『空白の主』にとって自然なことだった。
 なにせ、この領域に来れたという事は世界の仕組みを、重なった位相を理解したという事なのだから。
 最・初・の・一・人・として長き時を生きる『空白の主』の興味を引くのも当然だった。
 スッと一方通行アクセラレータの顎に手を当てたまま、『空白の主』は一方通行アクセラレータの瞳をじっと見つめた。
 その瞳の奥にある一方通行アクセラレータの記憶を覗き見るように。
 だが、
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:05:59.02 ID:rjguaOC00
「……………………………………………へ?」
 明らかな戸惑いの声が『空白の主』からもれた。
 予想もしていなかった事態が起きたのだ。
「超能力者……?ま三か、魔術師で八七一のか……!?」
 『空白の主』にはとある先入観があった。それは『この領域』に来る生命は程度の差はあれ『魔術師』であるというものだ。
 『魔術師』でなければこの場所には来れない。これは永き時を生きる『空白の主』にとってほとんど確定事項であった。数少ない、それこそ数人の例外を除けば『科学』に属する人間が『この領域』に来れるはずがないのだ。
 だからこそ『空白の主』は一方通行アクセラレータの内面を覗き込んだ時戸惑いをあらわにした。
 一方通行アクセラレータが科学の街の総本山、アレイスター=クロウリーが作り出し、支配する学園都市に属する超能力者であることに気付いたから。
「八っ、からからからからから!!!!!そうか、至零たのか!!!」
 それに気づき、だから連鎖的に『空白の主』はもう一つの事実に気付いた。
 つまり、魔術師では無い科学の側の人間が、超能力者がここに至るという事の意味だ。
「うん?気付一十一七一のか?なら、私が教え十あげよう」
 アレイスター=クロウリーが目指したいたものの終着の形の一つ。それが、もうすでに再現されていたのだ。
 つまり、 
「おめで十一方通行ア九セラ零ータ。君八もう絶対能力者零ベル四ッ九ス二至っ十一るよ」
 あまりにも簡単に『空白の主』は言った。
 二万を殺してなれるはずの絶対能力者レベルシックスに一方通行アクセラレータはなっていると。
「そ四十、その先の領域二もね」
 そのあまりにも簡単な言い草に一方通行アクセラレータは逆に確信を思えてしまった。絶対能力者レベルシックスになっているという確信を。
「ふむ、だが五のまま君が帰っ十四まうのも面白九七一七」
 だから一方通行アクセラレータは一瞬戸惑った。一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスを目指していたが絶対能力者レベルシックスになりたかったわけでは無い。それを先ほど確認したばかりだ。
 ならば、これから先は何を目指すのか、どうすればいいのか。
「気乗り四七一が、うん久四ぶり二戦う十するか」
 そんな思考を巡らせていると唐突に『空白の主』が戦闘の意思を示してきた。
「さぁ構えたまえ一方通行ア九セラ零ータ。その力を私二向かっ十ふるっ十九零」
 自然体だった。
 あくまで自然体で『空白の主』はそういった。攻撃をしろ、と。
 だが動けない。
 明らかに隙だらけなのに感覚として感じる明確な『圧』のせいで体が動かない。
「来七一の七らば五ちらから行九ぞ?」
 いつまでたっても攻撃してこない一方通行アクセラレータに辟易したのか、『空白の主』はボクシングのようなファインティングポーズをとり明確に攻撃態勢を作った。
 そして、その超絶至近距離から『空白の主』の軽いジャブが一方通行アクセラレータに振るわれ、
 
「そこまでです」
 
 いつのまにか現れていた風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜が『空白の主』の手を掴んでいた。
 



新キャラ『空白の主』。
この物語の中枢に位置する生命体です。




いまさらと言えば今更すぎるんだけど……

この作品、オリジナルでやった方がいいような気がしてきた……。

いやっ!最後まで書きますけどね!!!

作者の最大の罪は作品を完結させないことですから!!!!!


187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:07:04.05 ID:rjguaOC00
https://syosetu.org/novel/56774/76.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

76 / 178
いつもよりちょっとだけ長いです。


気付いた二人@ 神速の対応 一方通行と『空白の主』@ 『空白の主』

 『それ』を真に正しく理解できた人間は学園都市内に二人いた。
 まず一人目は学園都市の主アレイスター=クロウリー。
 彼は、『それ』に強く関わっているが故に、『その領域』の人間と敵対しているが故に、『その行為』に気付くことが出来た。
「…………………………………………………………………………………………………………………………、」
 ほんの一瞬だけ、
 刹那の時間だけアレイスターは逡巡した。
 そして、
「頼めるか」
 短い問いかけがあった。
『任せておけ、アレイスター』
 その問いかけに短い返答があった。
 そして、問いを答えたヤツはすぐに『窓のないビル』から去り準備を始めた。
 さらにもう一人。
 学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階天秤の間にて風紀委員長白白白も『それ』に気付いていた。
「さすがに、予想外だな……」
 確かに、見る程度ならできるかもしれないとは思っていた。それを見ることは可能かもしれないとは考えた。
 だがまさか操れるとは、操作できるとは思っていなかった。
 認識が甘かったと言えばそれまでだが、おそらくこの事態を予想できた人間は世界に一人もいないだろう。
 かの統括理事長もこの事態は予測できないはずだと思った。
 だから、これは後手に周っているわけでは無い。挽回はまだ可能だ。
「まさか、このタイミングで切り札を切ることになるとは……」
 椅子に座ったまま受話器を取り、特殊なリズムで特別な番号を押した。
 風紀委員本部セントラルジャッジメント。その地下第11層を住みかとする存在に、『切り札』に、命令を与えるために。
 プルルというワンコールの音すらならずに電話がつながった。
「最果さいはて、出番だ」
 意識を引きずられないようにしながら白は声をかける。
「おやぁ」
 妙に間延びした声で、電話口の人間は答えた。
「私が表に出るのは大覇星祭の時ではなかったんじゃ?」
「事情が変わった」
「事情がぁ?」
「あぁ」
 心の準備を決めてから、白は通話の相手である最果にその事情を話す。
 下手をしたらそれだけで死ぬかもしれないという緊張感をまとわせ、風紀委員本部セントラルジャッジメントの切り札の一人に、白は言った。
「学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータが位」
「行こう」
 白の台詞は最後まで言われることはなかった。
 電話相手の最果が一方通行アクセラレータが何をしたのかに気付いたからだ。
「座標は?」
「ポイントA18だ。だが、その前にポイントX000で『彼』とぶつかるはずだ。君には『彼』を足止めしてほしい」
「………………………ほぉ」
 ほんの少しだけ不満の色が見られた。とはいえ、ほぼ軟禁状態の最果にとって外にきちんと出られる機会を逃す気はない。
 一方通行アクセラレータがいじった後を見ることが出来ないのは残念だが、『彼』と戦えるというのならば、そこまであからさまに反抗する必要もないだろう。
「装備は?」
「全部許可する」
「専用武器も?」
「あぁ」
「………………………ふふ、了解ぃ」
 楽しそうに笑いながら、間延びした声で最果は笑った。
 本当に、楽しそうに。
「迎えは奇鬼喜きききに行かせる。速やかに行動しろ」
 それだけ言って白は電話を切った。
 天秤の間を沈黙が満たす。
 その沈黙の中でもう一度白は受話器を手に取った。今度は、十五夜につなげるために。
 予期してはしないだろうが一方通行アクセラレータは世界の理に干渉してしまっていた。
 だからこそ、この二人は全力を挙げて動いたいた。
 これ以上、もうこれ以上いじられてはたまらない。
 世界の強度がどれくらいもつのかはわからないのだから。
 学園都市統括理事長、風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長。
 非常に珍しいことだが、この時二人の思惑は一致していた。
 まぁ、だからといって協力できるということにはならないのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:08:39.90 ID:rjguaOC00
https://syosetu.org/novel/56774/109.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

109 / 178
第一部第一章 最終話


『空白の主』とアルフ@ 仲間

 ここはどこでもないどこか。どこかにあるどこか。世界のどこにも存在せず、観測されず、けれど確かにそこにある。そんな真っ白な場所。
 初まりの領域。
「からからから。一件落着十一った十五六か七」
 その場所で一人の女がワラッテいた。
 その女の名前は『空白の主』。もちろん真の名前は、真名とでも言うべき別の名前はきちんと存在する。だが、それを知っている人間は世界のどこにも存在しない。
 今の世界にはどこにもいない。
「すべ十が全部予定通りの筋書き通り。からから、本当二すご一ね、あ一つ八」
 その声にこたえる人は誰もいない。その声を聴き届ける人は誰もいない。
 『空白の主』は独り、初まりの領域にただ独りですんでいた。
 『空白の主』以外誰もいないはずの空間。『空白の主』以外誰も存在しないはずの場所。
 だから、『空白の主』はしゃべり続ける。
「絶対能力進化実験零べル四ッ九ス四フ十。一方通行ア九セラ零ータ。『神』。……からからからから!!!何も、なーん二も知ら七一んだね。一つの物語第一章が終わり次の物語第一章が始まるの二」
「なら、次は私が動く番deathですか?」
 いきなり、
 いきなり、いた。
 『空白の主』以外のの誰も存在しないはずの初まりの領域に。
 誰もいなかったはずのその空間に。
 誰も存在しなかったはずなのに。
「おや、珍四一ね。君が五五二来る七ん十。『最終血戦城カス十ルル・ブラン』の方八一一のか一?」
「いいdeathいいdeath。どうせそろそろ準備をしなければならないdeathし」
 その人物は驚くべきことに『空白の主』と親し気に話をしていた。友好的な関係になどなれるはずがない『空白の主』と親し気に。
 つまり、初まりの領域に突如として現れたこの人物はすくなくとも『空白の主』が友好関係にならなければならない人物であると推察できる。
「からから。次の次の次だったっけ?君が物語に絡んでくるのは?」
「そうdeath。次の次の次、第二章の侵食される日常聖域ディスピアザサンクチュアリdeath。私が動くのは。今日はその前に挨拶をと思ったのdeath」
「相変わらず義理堅一ね、アルフ。そ零が君が君たる由縁なのかも四零七一」
 アルフ――――――と『空白の主』はその人物のことをよんだ。アルフの恰好は一般的に見ればかなり異質で異形、そう思えるようなものである。
 全体の色は黒で統一されている。黒のスーツ、黒のズボン、黒のマント、黒の指輪、黒の靴、黒の髪、黒の手袋、黒の襟、黒のモノクル。
 その中で唯一黒以外の部分は露出された顔のみ。白い肌、紅い唇と瞳。
 そのすべてが、彼が、アルフが人間では無いという事実を示していたが、その事実をもっとも端的に示しているのはアルフの恰好では無い。その雰囲気である。
 夜闇のように黒に染められた格好よりもなお深く、アルフの雰囲気は陰鬱としていた。墨汁よりも漆黒に、暗黒よりも純黒に、この世のすべての悪を凝縮したようなその黒がアルフが人間でないというただ一つの事実を指し示していた。
 『空白の主』と同じように。
「七らちょっ十復習二付き合っ十九零七一か七?今回の絶対能力進化実験零べル四ッ九ス四フ二十の件二つ一十」
「いいdeath。私もただあなたに会うだけでは味気ないと思っていたのdeath」
 そうして、人類ではない二人の生命体は今回の出来事について話し合いを始めた。といっても、彼彼女にとってこの話し合いは復習以外の意味を全く持たない。上の位相を話など、彼彼女はすべて把握しているのだから。
 極々一部分は例外となるが。
「そうだね。なら、あ零十かどうか七。一方通行ア九セラ零ータが『魔神化』四たプロセス十四十発動三せた魔術十か。代償八大き一け零ど、正式七モノ七ら私達の域まで来零る可能性があるかも四零七一」
「十三夜の星カウントサーティーンdeathね。地・脈・や・龍・脈・を・代・償・に・捧・げ・る・必・要・は・あ・る・d・e・a・t・h・が・確・か・に・あ・れ・な・ら・ば・私・達・の・領・域・に・来・れ・る・か・も・し・れ・な・い・d・e・a・t・h・」
「厳密二八違うが、天使の力十零ズマ十言一換え十も一一ね。あ零八、人間から四たらた一四た違一は無一だろう四」
 十三夜の星カウントサーティーン。
 地球と呼ばれる位相世界で風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長白白白は一方通行アクセラレータが発動させた魔術を十三夜の星カウントサーティーンの簡易版として一夜の輝きミッドナイトブルースカイと名付けたが、『空白の主』とアルフの二人からすればたいした違いはない。『魔神』になれるという結果だけを重視している彼彼女に、『魔神』になれる時間はどうでもいいのだ。
 十三夜の星カウントサーティーンも一夜の輝きミッドナイトブルースカイもその場にある地脈、龍脈、天使の力テレズマ、世界の力をすべて食いつぶして発動させることに代わりはないのだから。
「十三夜の星カウントサーティーンが使われた土地はいつもなら『死んで』いるのdeathが、今回は違ったようdeathね」
「そこら辺八ほら、例の『人間』アレイスター=クロウリーがどう二か四たようだよ。土地とか地形十かを引っ張りまわ四十七んとかかん十かうま一具合二『脈』をなお四たみた一」
「それはすごいdeathね。わざわざ『死んだ脈』をなおすとは、面倒な手間をかけたのdeathね」
「そ零だけ『人間』二とってあの学園都市十か一う場所八重要っ十ことだね」
 地脈、龍脈、天使の力テレズマを使って発動する十三夜の星カウントサーティーンは土地を『[ピーーー]』魔術である。
 そもそも、地脈、龍脈は惑星の中を絶えず循環している土地に起因するエネルギーの一種である。個人の魔翌力以外で魔術に利用できるので魔術師にはよく使われ、力の流れを勘案すれば『人払い』のような魔術を使用することもできる。
 また、土地に起因するエネルギーであるため土地そのものをかえてしまえば、つまり無理やり地形を変えてしまえば地脈、龍脈の流れも変わる。これを応用したものが風水と呼ばれ、古来風水術師たちはその地脈、龍脈をよんで「特定の建物を建てるのに最適の場所」を割り出したりもした。
 さて、では『空白の主』やアルフが話した『土地が死ぬ』とはどういうことなのか。
 土地が死ぬ。
 死ぬ。
 それはいったいどういう意味なのか?
「『死んだ土地』二八人が行か七一――――――行け七一からね。そ四十その影響は周囲にも拡散する。放っ十おけばあの街が全体『死ぬ』の二も時間八かから七一だろうね」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:09:44.28 ID:rjguaOC00
「確かにそうdeathね。放置すれば100年くらいで『死ぬ』deathから、早めに対処したのはさすが『人間』deathか」
 端的に、一言で言ってしまえば、
 『土地が死ぬ』とは『その土地に誰もいけなくなる』という事である。
 地脈、龍脈はその力の流れによって「居心地の良い場所」と「そうでない場所」というモノが出来る。前述したように、それを利用した魔術が『人払い』なのだが、この力の流れが生み出す性質はもう一段階目が存在する。
 「居心地の良い場所」と「そうでない場所」、そして「行けない場所」である。
 この「行けない場所」というのは「そうでない場所」をより突き詰めたモノである。
 「そうでない場所」というのは言い換えれば「居心地の悪い場所」であると言える。これは地脈、龍脈の流れから出来るわけだが、仮にその場所に地脈、龍脈が存在しないのであれば、人はその場所のことをどう認識するのか。
 エネルギーが全くないその場所。脈の通らないその場所をどう認識するのか。
 その答えが「行けない場所」である。
「龍脈、地脈が途切零たその場所、天使の力テレズマの存在四七一その場所、世界の力が消失四たその場所を人八認識でき七一」
「「居心地の悪い場所」の究極系は「行きたいとも思わない場所」もっと言えば「行けない場所」、「認識できない場所」deathからね。『土地が死ぬ』とは『その土地を忘れる』というようなものdeathし」
 『死んだ土地』には人の意識が向かない。つまり、『死んだ土地』を通常の人は認識できない。これは魔術師でも超能力者でも原石でも例外はない。一定以上の力を持つ存在、『魔神』や『魔神』の成り損ない、『空白の主』にアレイスター=クロウリーは別だが。
 そう、『土地が死ぬ』とは文字通り『その土地が世界から断絶される』ということなのだ。
 そしてそれを意図的に起こしてしまうのが十三夜の星カウントサーティーン及びそれの派生魔術である。
「そういえばdeathが、十五夜まんげつとのバトルはどうでしたか?」
「……………………見十たん七ら手伝っ十ほ四かった七ぁ。君も知っ十一る通り、私弱一んだ四」
「それはすいませんdeath。あなたは十二分に戦えているように思えたのdeathが」
「………………………五の場所七ら、そりゃ一方的二負ける五十八七一けどね」
 憮然としながら『空白の主』はアルフのことを責めた。確かに死ぬことはないとはいえ風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜の原石『世界支配ワールドイズマイン』による攻撃を受けるのは全くもって冗談ではないのだ。
 『空白の主』は戦闘が得意ではない。むしろアルフの方が直接的戦闘能力でいえば『空白の主』の何倍も強い。
「それにdeath、あなたがこの初まりの領域であんなにも手こずる相手を相手にするなんて私でも無理deathよ。勝てないdeath」
 十五夜の原石『世界支配ワールドイズマイン』による『局地的位相操作』攻撃は当然のように位相操作能力を持つアルフでも防ぐことは難しい。おそらく、『空白の主』と協力しても万全に防ぐことは難しいだろうとアルフは思っていった。
 最大限まで過大評価してまだ過小評価。それがアルフの感じる十五夜の原石の力、実力である。
「でも手伝っ十ほ四かった四。あの後、私八十五夜と木原脳幹の二人を一っぺん二相手二する羽目二七ったんだ四。死んだらどうする二もりだったんだ一」
 ちょっと拗ねたように『空白の主』はいった。実際あの三つ巴のバトルでは一番『空白の主』が不利だった。世界支配ワールドイズマインも対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントも、双方共に『空白の主』にダメージを与えることのできる力なのだから。
「さすがに死にそうになったら介入しますdeathよ。私もあなたに死なれてはこまりますし。友人ではないdeathか」
「そうだね。……志を同四十する仲間、だ四ね」
 その言葉にはきっと、何よりも深く、苦しく、尊く、貴重な意味が込められたいた。たぶんすべてが偽りだったとしても、誰かに操られたものだとしても、自分の意思では無かったとしても、それだけは、その言葉だけはただ一つの真実で、本物だった。
「では、そろそろ私は最終血戦城カステルル・ブランに帰りますdeath。あまり長く離れていると反乱がおきるかもしれないdeathし」
「そうだね。それじゃあまた」
「death。またdeathdeath」
 そうして、アルフは去っていった。この初まりの領域から消え去った。上の、別の位相へと。
 最終血戦城カステルル・ブランへと。
「…………………………………………からから。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――独り、か」
 『空白の主』はそう、寂しそうに呟いた。

第一部第一章 終了

第一章 すべての初まりPandora Blackbox、開けられた箱庭Open The Sanctuary 完


今後の予定

まず二日後にオリジナルキャラクター設定を投稿します。
その後さらに二日後にあとがき&次回予告を投稿します。

その後は、申し訳ないですが少し休みをください。
ここの所の隔日更新でストックが限界になりました。
ですので、二章の開始は今日から2週間後、9月22日となります。申し訳ありません!





















君達は何も知らない。
そして何も知らなくていい。
無知でいることはとても幸せだから。










少なくとも、知ってしまった人よりは。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:10:23.40 ID:rjguaOC00
https://syosetu.org/novel/56774/110.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

110 / 178
不明の項目多すぎワロタ


オリジナルキャラクター紹介

 白白白はくびゃくしろ……性別 男
      所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
      役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長
      風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長のため無し
      特殊能力 不明
      二つ名 造られた子供たちプログラムチルドレン
      所持武器 不明
      戦闘スタイル 不明
 
      風紀委員本部セントラルジャッジメントの委員長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属している部下を使って暗躍した。
      
 
 
 木葉桜十五夜このはざくらまんげつ……性別 女
         所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
         役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐、学園都市特記戦力
         風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長補佐のため無し
         特殊能力 原石 世界支配ワールドイズマイン
         二つ名 最強原石 風紀委員本部セントラルジャッジメント最後の切り札 委員長の懐刀 意思無き人形 正義の尖兵等
         所持武器 専用武器懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』
         戦闘スタイル 位相操作、万能型
 
         風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い暗躍した。基本的に白には絶対服従である。原石世界支配ワールドイズマインは局地的位相操作を行うことのできる力であり、基本的に戦闘で負けることはない。十のリミッターがかけられており、普段の力は大幅に制限されている。
 
 
 
 扼ヶ淵埋娥やくがぶちまいが……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 攻撃部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 数の無い槍ロストオブランス
        所持武器 火炎放射器
        戦闘スタイル 近接格闘、遠距離火炎放射
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い上条当麻と戦闘を行い勝利した。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。能力は現段階では不明だが、地下下水道の崩落から身を守るために能力を使ったように描写がされている。
 
 
 
 魅隠罠明みかくれみんみん……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 開発部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
        作ったモノ 懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』等
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの開発部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件で動いた様子はないが、開発部隊総隊長だけあって武器や防具、兵器、道具類を作ることに天才的能力をほこる。ただし、自分の製作したモノを馬鹿にされたと感じるとヒステリー気味に怒鳴る。罠明の製作したモノを馬鹿にするのは止めた方が賢明である。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。ただし、白が別組織から引き抜いたような描写がなされる。懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』の製作者は彼女であるが、霊装をつくれるという事は魔術師なのかもしれない。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:10:57.91 ID:rjguaOC00
 千疋百目せんひきひゃくめ……性別 女
       所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
       役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊第二班班長
       風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 第10位→第8位
       特殊能力 超能力『反転世界パラレルワールド』
       強度 大能力者レベルフォー
       二つ名 逆さまに狂う世界オセロゲーム
       所持武器 不明(本来なら武器は所持しているようだ)
       戦闘スタイル 近接格闘、投擲
       称号 宿敵ライバル
 
       風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊第二班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と戦闘を行い勝利した。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの一件終了後白の指示によってに風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングが二つ上がった。傷を負うことを恐れており、本人は少なくとも風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング五位になるまで無傷でいなければならないと思っている。第八拘束リミッターまでを解除した十五夜の姿を見て気絶ですんだことからも、百目自身の強さがうかがえる。
 
 
 
 無何有峠妃むかいとおげきさき……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 諜報部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。両名が地下下水道に入ったのを見てから撤退を行った。
 
 
 
 五寸釘匕首ごすんくぎあいくち……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第一班班長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
        特殊能力 超能力一方念話ワンサイドテレパス
        強度 強能力者レベルスリー
        二つ名 無し
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第一班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白と妃の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。また、同時に連絡要員として能力を使用し埋娥や百目に指示をした。
 
 
 
 浣熊四不象あらいぐましふぞう……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第■班■■
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 爆弾使用、銃?使用
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第■班■■。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い空中の戦力への対応、人員の回収を行った。『HsAFH-18』に追いつき、侵入できるほどの能力を持っている。空を飛ぶ姿を確認できるが、何らかの道具によるものなのかそれとも能力によるものなのかは不明。
 
 
 
 常世涯最果とこよのはてさいはて……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 封印戦力のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 専用武器体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』
        戦闘スタイル 自爆
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力。最果のことは苦罠らも表に出てくるまで知らなかった。能力は不明ながら擬似的な不死のようなものだと推察できる。脳幹は『封印』という手段で楽に対処できると語った。普段は 風紀委員本部セントラルジャッジメントの地下第11層にいる。白さえもなるべく使いたくないと思う戦力であるが、自爆戦法を使えるという点ではほかの何物にもできない唯一の戦力ではある。
 
 
 
 常闇燕獅とこやみえんし……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント防衛部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 防衛部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの防衛部隊総隊長。それ以外のデータは現段階では一切不明。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:11:28.74 ID:rjguaOC00
白神九十九つくもがみつくも……性別 女
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント支援部隊総隊長
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 支援部隊総隊長のため無し
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        風紀委員本部セントラルジャッジメントの支援部隊総隊長。白は十五夜を通してこの人物に百目の風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングを上げるように命令した。
 
 
 
 五安城安土城いなぎあづちじょう……性別 男
        所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
        役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント■■■■■■■■■
        風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        詳細一切不明。白曰く外のことを任せているらしい。
 
 
 
 死縁鬼苦罠しえんきくわな……性別 男
        所属 学園都市統括理事会
        役職 学園都市統括理事会メンバー
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
        ブレイン 天埜郭夜
 
        学園都市統括理事会メンバーの一人。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では天埜郭夜と共に暗躍した。計画プロジェクトと呼ばれる計画を進めているようだが詳細不明。交渉力、部下の豊富さ、知略に富んだ頭脳、どれをとっても敵にまわしたくない存在である。木原幻生とのつながりがあり、大覇星祭中に御坂美琴の絶対能力者レベルシックス化を行う予定だったようだが、何のためかは不明。彼がここまで御坂美琴にこだわる理由はいったい何なのだろうか……。
 
 
 
 神亡島刹威かみなきじまさつい……性別 女
        所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
        役職 死縁鬼苦罠直属の部下
        特殊能力 超能力交点爆撃チェックボンバー
        強度 無能力者レベルゼロ
        二つ名 無し
        所持武器 無し
        戦闘スタイル 近接戦闘型
 
        死縁鬼苦罠の部下の一人。といってもいくらでもいる消耗品としての部下であり本人もそれは自覚している。それでも苦罠に尽くすのはかつて苦罠に『闇』から救われたから。浣熊四不象によって殺害され、『HsAFH-18』の爆破と共に死体も消失した。実は見捨てられた女グレイレディによって操られていたが本人は当然自覚していない。交点爆撃チェックボンバーは定めた人物と自身の視線の交わった部分を一直線として、その直線の中間部分を爆破する能力。ただし無能力者レベルゼロ
のため実用性は皆無。完全に死亡しているため今後登場することはない。
 
 
 
 巳神蔵豈唖みかぐらあにあ……性別 女
        所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
        役職 死縁鬼苦罠直属の部下
        特殊能力 超能力水分生成クウォータージェネレーション
        強度 大能力者レベルフォー
        二つ名 無し
        所持武器 無し
        戦闘スタイル 能力使用
 
        死縁鬼苦罠の部下の一人。替えはききにくいレア度☆3くらいの存在。御坂美琴と交渉するときの苦罠の護衛として選ばれた。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:12:05.14 ID:rjguaOC00
 波並波狂濤なみなみなみきょうとう……性別 男
        所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
        役職 第一級大隊長
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 急速冷却機構内臓型窒素弾丸生成狙撃銃HsSR-04
        戦闘スタイル 狙撃
 
        彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級大隊長。十五夜足止めのために戦った人間の一人。超々一流の狙撃手であり二キロ先の獲物を確実に狙撃することが出来る。狙撃時のペアは贖である。
 
 
 
 屑爬劉くずのはりゅう……性別 男
        所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
        役職 第三級大隊長
        特殊能力 不明
        二つ名 不明
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 不明
 
        何やら苦罠らが動かしていた存在。現在の所、何をしたのかは不明。
 
 
 
 一本線点々いっぽんせんてんてん……性別 男
        所属 無し
        役職 個人傭兵、学園都市特記戦力
        特殊能力 不明
        二つ名 三千世界武神
        所持武器 剣(名称不明)
        流派 天下無双流
 
        学園都市に三人しかいない個人傭兵の一人。苦罠の依頼で十五夜の足止めを行った。戦いに飢えているというよりは強さを求める類の戦闘狂であり、かつては全能神トールと戦い引き分けたこともある。位相を操る十五夜に一撃を与えたことからもその戦力の強大さがわかる。
 
 
 
 『空白の主』……性別 不明
        所属 不明
        役職 不明
        特殊能力 位相操作、神器創造、神器属性混合
        二つ名 空白の主 
        所持武器 不明
        戦闘スタイル 武器投影及び投擲
 
        初まりの領域と呼ばれる場所に住む異形の存在。一方通行アクセラレータは直感的に人類の敵と感じた。位相操作能力を持つが、濃度で十五夜に劣るため戦いでは押し負ける。ただし、人類の生み出した魔術は効かない、初まりの領域では死なない、一方通行アクセラレータを上の位相世界に送り届けるなど隔絶した実力を持つことは変わりない。
 
 
 
 アルフ……性別 不明
     所属 不明
     役職 不明
     特殊能力 不明
     二つ名 不明 
     所持武器 不明
     戦闘スタイル 不明
 
     『空白の主』と親しげに話す正体不明の存在。普段は最終血戦城カステルル・ブランという場所にいるらしい。
 
 
 
 占卜卜占せんぼくぼくせん……性別 女
     所属 不明
     役職 不明
     特殊能力 不明
     二つ名 不明
     所持武器 不明
     戦闘スタイル 不明
 
     佐天涙子を占った占い師。ただの一般人のようにも思えるが……?



たぶんこれで全員だと思います。漏れがあったら教えてください。

あっ、モブキャラは書いてませんのであしからず。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:13:52.73 ID:rjguaOC00
https://syosetu.org/novel/56774/66.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

66 / 178
ちょっと休憩回です。


白白白と『彼』@ 独白、またの名を独り言

「世界物語キャラクターストーリー理論」
 学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階特別会議室天秤の間において白白白は独り言をつぶやいていた。
「君も知っているだろう?これは僕の提唱する世界の成り立ちに関する理論なんだがね」
 ただし、独り言といってもこの場合の独り言とは会話の相手がいないという意味での独り言では無い。どちらかというと一人で勝手にしゃべっているという意味での独り言だ。
「この世界はどこかの誰かが書いている物語にすぎない。だから、物語の登場人物になりきったような行動をとれば、自然に自分の望むように物語が進む、という理論だ」
 しかし白は誰に向かって話しているのだろうか。天秤の間には白以外の人間は誰もいない。十五夜は上条たちにストロビラを埋め込むために操車場に向かっていってしまったし、罠明はとっくに退出している。
「誰かを救いたいのならば主人公ヒーロー的な行動をとればいい。犯罪を犯した後に討たれたいのならば悪人ヒール的な行動をとればいい。たった一人のために大勢を[ピーーー]のならば悪の主人公ダークヒーロー的な行動をとればいい。世界を滅ぼしたいのならば絶対悪オールマーダー的な行動をとればいい。主人公ヒーローに守られたいのならば主人公の恋人ヒロイン的な行動をとればいい」
 その後も、白はただ淡々と『誰か』に向かって言葉を並べていく。白の言葉を聞いている『誰か』に向かって。
「そして、世界を救いたいのなら救済者ヒーロー的な行動をとればいい。そう、救済者ヒーロー的な行動をね」
 にやにやと不気味に無邪気に笑い嗤い哂いながら、まだまだ白は言葉を連ねる。『誰か』に向かって一方的に話す話す話す。
「なぁ、気付いているか?それとも気づいていないのか?あるいは、気付いていてなお無視しているのか?もしかして、気付いた時にはすでに後戻りできなかったのか?」
 返答はないが白は必ず聞こえていると確信していた。この学園都市において『彼』の目を逃れるのは、耳を封じるのは、至難の技だ。それは『最強原石』木葉桜十五夜を所有して、さらに十五夜のほかにも強大な戦力を多数保有している白も例外ではない。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:14:26.87 ID:rjguaOC00
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

66 / 178
ちょっと休憩回です。


白白白と『彼』@ 独白、またの名を独り言

「世界物語キャラクターストーリー理論」
 学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階特別会議室天秤の間において白白白は独り言をつぶやいていた。
「君も知っているだろう?これは僕の提唱する世界の成り立ちに関する理論なんだがね」
 ただし、独り言といってもこの場合の独り言とは会話の相手がいないという意味での独り言では無い。どちらかというと一人で勝手にしゃべっているという意味での独り言だ。
「この世界はどこかの誰かが書いている物語にすぎない。だから、物語の登場人物になりきったような行動をとれば、自然に自分の望むように物語が進む、という理論だ」
 しかし白は誰に向かって話しているのだろうか。天秤の間には白以外の人間は誰もいない。十五夜は上条たちにストロビラを埋め込むために操車場に向かっていってしまったし、罠明はとっくに退出している。
「誰かを救いたいのならば主人公ヒーロー的な行動をとればいい。犯罪を犯した後に討たれたいのならば悪人ヒール的な行動をとればいい。たった一人のために大勢を[ピーーー]のならば悪の主人公ダークヒーロー的な行動をとればいい。世界を滅ぼしたいのならば絶対悪オールマーダー的な行動をとればいい。主人公ヒーローに守られたいのならば主人公の恋人ヒロイン的な行動をとればいい」
 その後も、白はただ淡々と『誰か』に向かって言葉を並べていく。白の言葉を聞いている『誰か』に向かって。
「そして、世界を救いたいのなら救済者ヒーロー的な行動をとればいい。そう、救済者ヒーロー的な行動をね」
 にやにやと不気味に無邪気に笑い嗤い哂いながら、まだまだ白は言葉を連ねる。『誰か』に向かって一方的に話す話す話す。
「なぁ、気付いているか?それとも気づいていないのか?あるいは、気付いていてなお無視しているのか?もしかして、気付いた時にはすでに後戻りできなかったのか?」
 返答はないが白は必ず聞こえていると確信していた。この学園都市において『彼』の目を逃れるのは、耳を封じるのは、至難の技だ。それは『最強原石』木葉桜十五夜を所有して、さらに十五夜のほかにも強大な戦力を多数保有している白も例外ではない。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:15:12.84 ID:rjguaOC00
 『彼』はそれだけの力を持っているし、『彼の友』はそんな『彼』の命令を忠実に遂行できるだけの能力を持っている。
 『彼』と『彼の友』の関係は白と十五夜の関係にとてもとてもとても近いものだから。
「君のその行動は世界を救う救済者ヒーローのものではなく、主人公に討伐されるべき黒幕ストーリーテラーのものだぞ。そんなざまじゃ、何千年たったって世界は救えない」
 呆れたように、憐れむように、ただ淡々と白は告げる。告げる。『彼』に告げる。
「君のその計画は欠陥が多すぎる。例えば、そう上条当麻についてだ。幻想殺しイマジンブレイカー、そしてその奥にあるモノ。あるいは『上条当麻』という存在の根源、本質について君は少し過信しているのではないかな?」
 白は『彼』のことをよく知っていた。おそらくは世界中の誰よりも『彼』のことを知っていた。
 それはイギリス有数の魔術結社である『カリスマを研究する組織』のボスよりも深く、出現すれば世界が一瞬で崩壊してしまうほどの力を持った存在達よりも深く知っていた。
「確かに彼は強い。特段に力が強いうというわけでは無いが、それとは別種のところで強い。『絆』あるいは『繋がり』、そういった『生物に対する影響力』はおそらくこの世の誰よりも強いんだろう。もちろん、それは『正』の意味でだが」
 別に白は昔『彼』の友だったとか、しつこくしつこく『彼』のことを嗅ぎまわっていたとか、『彼』のただ唯一の理解者であるとかでは無い。
 むしろ逆だろう。『彼』は白のことを警戒している。得体のしれない存在だと、気味の悪い存在だと警戒している。
 そして同時に評価している。正しく『恐れ』、ただしく実力を評価している。
「そう、上条当麻は、いや『神浄討魔』は強い。その称号キャラクター性からも明らかだが、何せあの引きこもり共にさえ特別視される存在だ。弱いわけがない。だが逆説、上条当麻は別に最強ではないし、無敵でもない。その『強さ』だけでは頂点には絶対に届かない」
 上条当麻。そして、神浄討魔。
 上条当麻は救済者ヒーローである。これは白と『彼』の共通認識事項だ。といっても、上条当麻は別にご都合主義に恵まれているわけでは無い。
 敵の攻撃がたまたま急所を外れる。
 敵の気まぐれで生き残る。
 運よく敵の家族と知り合う。
 土壇場で逆転の秘策が思いつく。
 ピンチに偶然味方が通りかかる。
 旅先でたまたま事件に遭遇する。
 毎日毎日世界の危機にぶつかる。
 成功率1パーセントの作戦が成功する。
 理由もなく急にモテモテになる。
 偶然女の子の裸を見る。
 かつての敵がツンデレ気味に助けに来る。
 組織のトップと都合よく知りあう。
 
 そんなご都合主義が上条当麻には訪れない。
 
 絶対に訪れない。
  敵の攻撃がたまたま急所を外れない。上条は重傷を負ったまま戦闘を続行する。
 敵の気まぐれで生き残ったりしない。上条は生き残らせられるのは敵にとって利用価値があるから、又はここで上条を[ピーーー]と敵によってマイナスになるからだ。
 運よく敵の家族と知り合わない。敵の妹が「もうやめて!お兄ちゃん!!!」とか言って割り込んでこない
 土壇場で逆転の秘策が思いつかない。逆転の秘策は土壇場で急に思いつくものではなく、上条の経験と今までの情報を総合してなんとか導き出すものだ。
 ピンチに偶然味方が通りかかったりしない。もしも、味方が通りかかるのならば、その味方はずっと上条のことを探していたのだろう。
 旅先でたまたま事件に遭遇しない。仮に事件が複数回連続して起こるのならば、それは誰かが作為的に上条の周りで事件を起こしているということだ。
 毎日毎日世界の危機にぶつからない。というかそんな簡単に世界の危機は訪れない。
 成功率1パーセントの作戦が成功しない。奇跡はそんなに簡単に怒るものではない。確かな努力と、必要な伏線があれば話は別だが。
 理由もなく急にモテモテにならない。そんな簡単にモテモテになるのならばまずはハニートラップを疑うべきだ。
 偶然女の子の裸を見たりしない。上条当麻にそんな偶然は起こらない。起きるとしたら偶然ではなく事件を解決したご褒美だ。
 かつての敵がツンデレ気味に助けに来ない。スタンバっていたのなら話は別だが。
 組織のトップと都合よく知りあわない。組織のトップは打算なく動かない。知り合ったのならそれは都合がいいのではなく、『上条と知り合えば利益がある』と組織のトップが判断した結果だ。
「頂点。つまり世界最強の存在達。特別で特異で特殊で特記的な『最強』。平たく言ってしまえば異なる位相に住む化物共のことだが、はたして上条当麻は彼らに勝てるのか?魔神共に、吸血鬼共に、もしくは『空白の主』に勝てるのか?上条当麻の称号キャラクター性は、その救済者ヒーローの力は、度合いは、奴らに届くのか?」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:16:20.60 ID:rjguaOC00
 上条当麻に才能はない。そして、上条当麻の右手に宿る幻想殺しイマジンブレイカーもそれだけではたいしたものではない。
 確かに幻想殺しイマジンブレイカーはほとんどすべての異能を無効化できる究極のアンチだが効果範囲は右手のみと非常に限定されている。極端な話、右手に触れないように能力を使えば何の問題もないのだ。
「まぁ、言いたいこと自体は分かる。君の計画も決して無謀というわけではない。むしろ綿密に練られているというべきだろう。しかし、だ」
 しかも圧倒的な物量や世界そのものを改変する力は上条には防ぎようがない。そのまま対応も出来ずに圧殺され、圧倒されるだけだ。
「君は少し人間を信じすぎているのではないかな?少し人という種を信頼しすぎているのではないかな?何も上条当麻という存在に限ることではなく、例えば計画の中核に存在する一方通行アクセラレータや最悪の科学者たち『木原』についても」
 無論、これ以上上条らが成長できないというわけでは無い。むしろ逆、『彼』は出来うる限り上条のことを成長させようとしている。この絶対能力進化実験レべルシックスシフトも上条の成長計画の一環ですらあるのだ。
「信じ、信頼し、信用する。確かに『人間』として大事なことだ。しかし、それが盲信の域に達し、根拠もなく『彼ならできる』と信じ込んでしまうのは危険だ。それはもはや信頼や信用ではなく、依存や狂信の域になってしまう」
 けれども、やはり『彼』の計画は穴がある。そもそも人という存在は、特に上条当麻という称号キャラクター性は、『彼』程度に御せる器ではない、と白は考える。
「話が長い?いやもう少しで終わるさ。そろそろ私の話も終盤だ。なにしろ私は君のことを心配しているんだ。後から嘆き、憂い、憤ってからでは遅いだろう?もうあの時みたいな涙は流したくないだろう?」
 その言葉に対応するように空気が揺れた。空間自体に震動が起こっているように、白のいる天秤の間の空気が不自然に蠢いた。
 『彼』の怒りに、あるいは嘆きに対応するかのように。
「おおっと、今の発言は不用意だった。すまない。忘れてくれ」
 それを敏感に察知した白はすぐさま謝罪した。『彼』と白の間にはあまりにも高すぎる壁がある。白が『彼』と戦っても勝てる確率はほとんどない。というか零だろう。組織同士で戦えば別だが、個人間での戦いは戦力差が明確だ。
「まぁ、前置きが長くなったが何が言いたいかというとだ」
 風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織を従える白白白と学園都市という街を作りだした『彼』。
 しかし、忠実な部下の豊富さという意味では白に軍配が上がる。『彼』を本当の意味で理解し、『彼』が本当の意味で信頼している味方なんて片手の指で足りるほどしかいないのだ。
「アレイスター。君は早めに計画プランを修正したほうがいい。君が長年かけて育てた一方通行アクセラレータは、君の思っているよりもはるかに幼稚で幼い精神の持ち主だぞ」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:17:02.72 ID:rjguaOC00
 その言葉に、
 窓のないビルの中にいる『人間』は、
 静かに、
 その手の中に握られたねじくれた銀の杖プラスティングロッドを振るって、
 
 直後に、天秤の間を暴虐が満たした。
 
 



ごめんなさい。ずっと戦闘シーン書いてると疲れるんです。

作中でも書いてますけど力の強さはアレイスター>白です。








嘘です
白は禁書キャラ皆殺しにできます
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 14:17:17.59 ID:TD8Ux5A/o
まだやってんのか
スレチだからやめよ
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:24:16.89 ID:rjguaOC00
オリキャラが
【褒めてくれ、干渉に成功できたんだ。ひょっとしたらこのまま『勝てる』かもしれない……っ!是非証拠を残して僕を援護してくれ。頼むよ。】
【忘れてくれ。忘れてくれ!忘れてくれっ!】

【僕を、記憶してくれ】


【これで4人目。少しずつ範囲が広がっていってるぞ!】


【世界を救う。友を助ける。同志を導く。】

【これはそのための戦いだ。】

【干渉しやすいからね。気付かれにくいし。】

【君達のおかげで僕の力も増してるしね。ありがたいことだよ。】


って読者に言ってきてるから
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 18:59:45.81 ID:VHwY42nB0
>>181
つか一方周辺の喜び組って打ち止めとかエステルとかクリパとか、何の魂も入ってない舞台装置っぽくてキモイんだよなあ
なろう小説に出てくる奴隷ヒロイン並みの空っぽ感ある
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 01:00:00.69 ID:JNx/elkN0
>>201
黄泉川は一方通行の事は何処まで知ってるんだっけ?
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 03:42:08.90 ID:XjEjC6qk0
知らんがな
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 04:24:21.59 ID:JNx/elkN0
知らねーのかよ!そこは知ってろよ!まぁ俺も知らねーから聞いてんだけどな
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 04:35:56.73 ID:XjEjC6qk0
作者がきちんと書いてないから仕方ない
たぶん何も知らんと思うが

一方通行が統括理事長になるがこれも知らんままかな
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 10:31:49.60 ID:sdyWVfp0o
ssではクリスマスやバレンタインを平穏に過ごすけどあいつらが平穏に過ごせるわけないよな
上条さんならあらゆるイベントを病院のベッドの上で迎えるよ
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:10:48.72 ID:9G/t5IWd0
https://syosetu.org/novel/56774/161.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

161 / 178
解説回です。

物語は進みません。


パトリシア=バードウェイ@ 斃たおすべき『敵』の名は

 初まりは一通のメールだった。
 それがパトリシアの全てを狂わせた。
 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。
 『第七回DEG』への招待状。
 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。
 正しく常軌を逸していた。
 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。
 生き残るために何だってしていた。
 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。
 ある男はたった一人の人間を[ピーーー]ためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。
 ある母は隠れ潜んだ敵を[ピーーー]ためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
 ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。
 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。
 今でもそう思う。
 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。
 それでも、終わらなかったのだから。
 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。
 七分の一の、四十九分の一の生存者。
 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。
 そのメインテーマは『犠牲』。
 その系統は『デスゲーム』。
 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』
 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、
「………………………人類絶対悪ビースト」
 人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。
 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。
 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。
 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。
 
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:11:18.69 ID:9G/t5IWd0
 人類絶対悪ビースト位階総序列第一位T。
 『悪意』の悪徳を体現する人類絶対悪。世界で起きる大事件の半数以上に関わっているとされる地球誕生以後最悪にして最低の生命。罪状、第一次及び第二次世界大戦の扇動、シチリア島沈没事件の実行、世界最悪のテロ組織『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』への『皇帝イワン』密輸未遂、マダガスカル島両断の実行など。
 人の不幸を嗤い、悲劇に耽美し、涙を流す人間を観劇する、初まり罪に犯されし絶対悪。
 本名は不明、それ故に仮称が『根源悪ディープ・ブラック』。
 何をしてでも滅すべき、人類の敵。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第二位U。
 『欲望』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の願いを欲望のままに叶え、その失敗を嘲笑することを生き甲斐とする人外。罪状(なお全て間接罪)、地球温暖化の実行、一秒の定義の改竄、現行科学を遥かに凌駕した超超々越兵器『亜空の使者』の創造など。
 欲望を叶えるだけ叶えてその責任をとらない、他の人類絶対悪ビーストからすら嫌われる最低の絶対悪。
 故にその名は『ガイア・ジ・アース』。
 星が生み出した、星の癌。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第三位V。
 『終焉』の悪徳を体現する人類絶対悪。過去現在未来に存在し得る全ての可能性を全て観測し、あらゆる『終わり』を現実にできる天才を超える天災。罪状(一切の証拠無し)、最低でも1870人の才人の廃人化、人口衛星USA-224墜落事件の実行、パリ全インフラ停止事件の実行、インペリアルパッケージ強奪未遂など。
 あらゆる全てをすることができ、あらゆる全てを識っている全能の絶対悪。
 故にその名は『木原五行』。
 木原一族の最高傑作にして、最大の失敗作。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第四位W。
 『錯乱』の悪徳を体現する人類絶対悪。人が混乱し、混迷し、理不尽に必死に抗う様を高みから見ることで優越感に浸る、人間の根幹にある感情を最も端的に表す人間達。罪状、国際宇宙ステーションISSクラッキング事件の実行、全世界同時多発的海底パイプライン切断事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 柔軟な発想と存在しない禁則をもって人に仇為す最悪の災厄、他者の努力と対策を嘲笑う絶対悪。
 故にその名は『原初たる混沌宇宙』。
 誰にも制御することのできない、破滅快楽主義者の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第五位X。
 『代替』の悪徳を体現する人類絶対悪。唯一にして絶対の『人が人形になった存在』であり、量子学的にゼロパーセントと断言されたはずの『完全な人形』の完成品。人形村の人形師達が辿り着いた、夢想の夢の産物。罪状、四十三カ国の指導者たちの拉致及び殺害、数多の国の政治家に成り代わったこと、ロシア連邦核ミサイル発射未遂事件の命令など。
 本物となることのできる影、見破れない嘘、見分けの使い偽物、今あなたの隣にいるかもしれない最も身近な絶対悪。
 故にその名は『人形ひとかた人形にんぎょう』。
 この世で唯一の、完全なる人形型人間アリス。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:11:47.48 ID:9G/t5IWd0
 人類絶対悪ビースト位階総序列第六位Y。
 『殺人』の悪徳を体現する人類絶対悪。その魂魄に『殺人因子』を宿し、己が性質に従って無限の殺戮を繰り返す名を喪った殺人鬼の組織。罪悪感も罪責感も感じず、時に享楽をもって、時に悲哀をもってただただひたすらに殺し尽す血みどろの悪。罪状、第二次世界大戦における人道に対する罪(多数)、中国における民衆大虐殺事件の後押し、滅亡級魔術致死病療666ウイルス発動未遂など。
 歴史上最も多くの同族を殺した、絶対に和解することのできない絶対悪。
 故にその名は『不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド』。
 史上最も多くの人間の殺戮した、人殺しの組織。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第七位Z。
 『救済』の悪徳を体現する人類絶対悪。魔術という神秘を極め切り、究め切り、窮め切った白痴の賢人。かの『黄金』すら上回る、魔術の基礎の基礎、魔術体系そのものを確立した始祖にして原初の魔術結社マジックキャバル。罪状、南極大陸地脈枯渇事件の実行、冥王星準惑星降格の主犯、小規模な世界法則改竄による科学法則に対する反逆など。
 人を救うことに執着した結果人を滅ぼすという結論に辿り着いてしまった、最も優しき絶対悪。
 故にその名は『断罪の七大罪』。
 変えられない現実を前に嘆き狂ってしまった、英雄の成れの果て。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第八位[。
 『異端』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の身でありながら神に成り代わろうとし、歴史を、因果を、当たり前を覆す、『黄金』と同等の魔術組織。そのあまりにも苛烈で過激で加虐な思想から地球上全魔術組織から『異端認定』を受けた最悪の魔術組織。罪状、老若男女879520人を用いた魔術的人体実験の実行、既存の魔術体系に対する反逆、十字教三大宗派本部襲撃など。
 神を求めるがあまり神をすら[ピーーー]、本末転倒な組織。
 故にその名は『大いなる業の憲章アルス=マグナ=カルタ』。
 凡ての神を否定する、黄金の錬金術師の魔術結社。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第九位\。
 『虐待』の悪徳を体現する人類絶対悪。無意味に力を揮い、無作為に命を消費し、無駄に血を流す、残酷で残虐で残忍なテロ集団。世界各地でテロ行為を行う目的の全く見えない組織。罪状、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの表向きの首魁、スレブレニツァの虐殺及びジョージア民族浄化等多数の虐殺事件の扇動、他の人類絶対悪ビーストに対する人員、武器、殺人ノウハウ等の輸出など。
 人の数を減らすことそのものを目的とした人間の形をした異星人エイリアン、会話は出来ても話の通じない絶対悪。
 故にその名は『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』。
 自らの心しか信じない、極悪非道な絶対正義。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十位]。
 『復讐』の悪徳を体現する人類絶対悪。人類史史上最大の謎といわれる『幻想島フィクションアイランド』の謎の答えを探すためだけに生きているたった5人のダークヒーロー。罪状(なお全て間接罪)、ベルリンの壁再建事件の教唆、米国所属空母ロナルド・レーガン強奪事件教唆、ストックホルム大炎上事件教唆など。
 命の尊さを他の誰よりも知っていながら、己のエゴで人殺しを強要する善の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『復讐同盟』。
 誰かの復讐を教唆する、外道の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十一位Ⅺ。
 『冒涜』の悪徳を体現する人類絶対悪。生命というモノを完全に理解し、命を、魂を、魂魄を、生きるということそのものを数式化した空前絶後の大天才。そしてその天才性を誤った方向に成長させた未曽有の大天災。罪状、ラスベガスゾンビ出現事件の実行、複数の死体を繋ぎ合わせた新生命体『ドリット・メンシュハイト』の制作、全世界同時生放送での人体解体の実行など。
 死を恐れるがあまり死を拒絶した、人類最後の夢である不死を現実にした絶対悪。
 故にその名は『死体繋したいつなぎ屍しかばね』。
 終わりを終わりで終わらせない、永遠の呪いを与える屑。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十二位Ⅻ。
 『進化』の悪徳を体現する人類絶対悪。人でない故がに存在する永遠の時間をもって自己進化を繰り返し、ついには開発者自身ですら制御不可能になった0と1の産物。罪状、G7各国全インフラ一斉混乱事件の実行、多数の国家の機密情報の外部流出の実行、新生命体『シュタール・ゲシュペンスト』の創造など。
 人でないが故にどうあっても人を理解できない、無限の平行線の果てにいる絶対悪。
 故にその名は『電脳生命体α』。
 人の傲慢が生み出した、電子の怪物。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:12:23.60 ID:9G/t5IWd0
人類絶対悪ビースト位階総序列第十三位XIII。
 『蒐集』の悪徳を体現する人類絶対悪。物欲に支配された、最も人間らしき集団。奪い、盗み、集め、観賞し、そして満足する甚だ迷惑な強盗集団。罪状、霊装カーテナ=セカンド強奪事件の実行、紀元前観測断絶事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 盗むことに特化した、この世の全てを不確かにする絶対悪。
 故にその名は『極悪博物館』。
 積み重ねてきた歴史をすら盗む、断絶した資料館。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十四位XIV。
 『暴力』の悪徳を体現する人類絶対悪。子供のお使いから大規模テロの鎮圧、要人警護、ゴーストライター、無差別殺人、戦争行為、大虐殺、暗殺まで依頼されればなんでもこなす傭兵組織。罪状、ホワイトハウス襲撃事件の実働部隊、スエズ運河封鎖事件の実行、魔科学融合兵器『FAMSFusion Arm of Magic and Science』の開発など。
 あらゆる行為の前提条件に『暴力』が存在する、血の雨の中でしか生きられない絶対悪。
 故にその名は『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』。
 善も悪も同列に扱う、大戦が生み出した負の遺産。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十五位XV。
 『選別』の悪徳を体現する人類絶対悪。自分たちに都合の良いことだけを信じ、自分たちに都合の悪いことは一切聞く耳を持たない永遠の弱者。罪状、善悪最終生存競争ファイナルデッドエンドゲームの補佐、偽最終審判判定未遂事件の実行、陸海往来断絶事件の主犯など。
 なまじ力を持ったばかりに世界を見なくなった、成長できない子供のままの絶対悪。
 故にその名は『聖なるカナン』。
 神に選ばれた使徒を自称する、自意識過剰な現実逃避者。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十六位XVI。
 『廃頽』の悪徳を体現する人類絶対悪。便利になった現世界よりも不便だった過去を尊ぶ時代遅れの老害。反論できない詭弁と反論を許さない欺瞞で正論を煙に巻く、回想に浸る集団。罪状、全国家一斉インフラ停止事件の実行、超広域電磁パルスEMP攻撃未遂事件の実行、文明のゆりかご再誕事件の実行など。
 現代の人類を否定する、積み重ねてきた歴史を否定する絶対悪。
 故にその名は『神時代へ逆行する古代人』。
 過ぎ去った栄光に縋りつく、置いていかれた古代人。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十七位XVII。
 『偽悪』の悪徳を体現する人類絶対悪。まだ誕生していない唯一の人類絶対悪ビースト。誰かのための自己犠牲で人の歩みを阻害する、高貴な者の義務ノブレス・オブリージュを理由に全ての責任を被る、傷つきながらも笑う悪。罪状、彼は罪を犯した、彼は罪を犯した、彼は罪を犯したなど。
 しなくてもいいことをして誰かの成長を妨げる、正義の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『上×勢力』。
 存在しない8つ目の罪の象徴、平和のための尊い犠牲。
 人の生み出した、人の業。
 
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:13:10.47 ID:9G/t5IWd0
以上、十一の組織と三の人外、三の人間をもって全人類絶対悪ビーストとされた。
 この絶望こそが、パトリシアのような主人公ヒーローが戦うべき最終敵ラスボスであった。
「人類絶対悪ビースト、かぁ…………」
 とはいっても第四物語フォースストーリーの主人公ヒーロー、誰も救えない英雄ガラクタヒーローパトリシア=バードウェイといえども全ての人類絶対悪ビーストに関わったことはない。パトリシアが関わったことがあるのは善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの時に敵対した国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresと聖なるカナンと極悪博物館の連中、そしてそれが『完結』した後の世界を旅する間に出会った断罪の七大罪、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド、電脳生命体α、復讐同盟の連中くらいだ。
 それも結局パトリシアはどの人類絶対悪ビーストも殺しきることができていない。
 それはパトリシアが弱いからではなく、人類絶対悪ビーストが強いからではなく、世界に護れている、『加護』がある状態の登場人物キャラクターは条件が調わないと勝負すら出来ないからだ。
 
 だから、
 
「…………………やっと終われるよ、お姉さん」
 
 だから、パトリシアは微笑む。
 確信していた。
 やっと、ようやく、ついに、『物語』が『始まった』。
 七連物語セブンスストーリーズの第七物語セブンスストーリー、全ての物語を本当の『完結』へ導く最後の物語ファイナルストーリーが始まった。
 これで人類絶対悪ビーストが持っていた『加護』は消える。人類絶対悪ビーストの絶対性はなくなる。勝てるようになる。
 本当に、やっとだ。
 待っていた。
 待っていた。
 ずっと、待っていた。
 この瞬間を、この時間を、このトキを。
 
「私はきっと、お姉さんたちと同じ所にはいけないけど」
 
 呟く。
 語る。
 話す。
 
 灰・色・の・墓・石・の・前・で・パ・ト・リ・シ・ア・=・バ・ー・ド・ウ・ェ・イ・は・涙・を・流・さ・ず・泣・い・て・い・た・。
 
「それでも、ね」
 
 天国や地獄の概念を信じているわけではない。善行を為したモノは楽園へ行き、悪行を為したモノは煉獄に堕ちる。そんなことを盲信しているわけではない。
 しかしやはり自分のようなゴミクズと姉のような指導者が同じ場所に行くのはおかしいとパトリシアは思うのだ。
 努力すれば成果が出る。怠惰ならば成功しない。当然のことだ。
 だから、仮に死後の世界があっても転生しても自分と姉が出会うことはない。
 パトリシア=バードウェイという少女は罪を犯し過ぎた。
 パトリシア=バードウェイという女はあまりにも弱すぎた。
 パトリシア=バードウェイという個人はどうしようもなく愚かだった。
 
「全部終わったら、少しくらいは褒めてほしいかな」
 
 だから、パトリシアは泣く。
 この戯言が姉の魂に届いていないことを、願いながら。
 矛盾した言動で、泣く。
 



十七の人類絶対悪ビースト。

人類が人類である限り避けられない、滅亡の使者。

終焉の擬人化、破滅の具体化、絶望の具現化。

彼ら彼女らが斃すべき、『悪』の御名。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:14:07.96 ID:9G/t5IWd0
https://syosetu.org/novel/56774/175.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

175 / 178
ついにエタったか……と思いました?

私は思った。危ない所だった。


空白の主と大悪魔@ 原初の0.5

 初まりの領域において『空白の主』が根本的な敗北をすることはあり得ない。初まりの領域は原初の世界であり、全ての基礎である場所だ。そして『空白の主』は初まりの領域の住人。全てが繋がっている初まりの領域の住人である『空白の主』を[ピーーー]ということは、つまり全時間軸に存在する全人類を全滅させるということに他ならない。
 故に、『空白の主』を殺したいのであれば全時間軸に存在する全人類を全滅を許容するするしかない。それを否定したいのであれば、絶対に不可能であるが初まりの領域から『空白の主』を引き離すしかない。全時間軸の全人類の生存は逆説的かつ無条件に『空白の主』の生存を証明し、しかしながら『空白の主』の生存は人類の生存を証明しない。理不尽な相互依存関係がそこにはあるのだ。
 
「から、からから、からからから!」
 
 ただ、もちろんの事、単純な実力のみで考えれば現イギリス清教最大主教アークビショップである大悪魔コロンゾンは『空白の主』に勝まさる。アレイスター=クロウリーの原型制御アーキタイプコントローラーによって区分けされた時代アイオーン。イシス、オシリス、そしてホルスの時代アイオーンすらも超越した、さらに先の世界に存在する存在。
 全力の魔神複数柱からすらも逃れることの出来る、別位相ですらない『新たな天地』という新世界から地力で脱出可能な力を持つ存在。
 大悪魔コロンゾン。
 拡散の本質を持つ、真なる邪悪。
 神話上の存在でありながらあくまでも人間でしかない『空白の主』では決して勝てない敵。
 にも拘らず。
 
「可哀想。可哀想。七ん十可哀想七奴だ。大悪魔五六ンゾン」
 
 這い蹲っていたのは、膝をついたのは、汗を流しているのははローラ=スチュアートだった。
 
「ぎ、ぐ」
 
 その様を、
 かの黄金夜明S∴M∴の創設者の1人であるサミュエル=リデル=マグレガー=メイザースが目にすれば、驚愕のあまり心臓を停止させたかもしれない。
 その様を、
 近代西洋魔術という形式を作り上げた学園都市の王であるアレイスター=クロウリーが目にすれば、幻と断じたかもしれない。
 だって、想像できるか?
 あの大悪魔が、あの大悪魔コロンゾンが、
 アレイスターですら制御できなかった、メイザースをも出し抜いたあの大悪魔コロンゾンが、
 たかが『空白の主』程度に敗北しているなど。
 
「人類七ん十見捨十十四まえば、私七ん十、五の『空白の主』程度、楽二殺せるの二」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:14:40.34 ID:9G/t5IWd0
(アルフは何を四十一るのか七……。五の化物を相手二出来るの八、同じ化物の君四か一七一の二)
 
 アルフ。
 『空白の主』の友人であり同類。
 秘匿された真名はbyucgjビュックグジュール・dqsディクェス・finprovzフィンプロブズ・mekhatwxメカトゥウィークス。
 ともすれば、魔術側の最高戦力である魔神すらも凌駕するかもしれない存在。
 来てくれれば、心強い。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:35:55.83 ID:9G/t5IWd0
(T-T) ID:H5GhpVy.  2018年08月16日(木) 07:02 (Good:0/Bad:0) 報告
少し遅れてしまいましたが、更新お疲れさまです!
今回は、色文字の中で【黄金の餞】について考察的な何かがあるので、書かせてもらいます。

最近、この物語を最初から読ませていただきました。理由としては、色文字考察というのと、改めて御坂美琴が狂っていく最初の段階が見たくなったからですね。
【黄金の餞】が使用されている箇所が意外と少なかったため、かなり憶測が混じります。

結論として、【黄金の餞】が使われる事柄には、《称号》が関わっていると思います。
例えば、禁書目録《ヒロイン》の復活を巡る争いでローラが条件を満たせば【黄金の餞】によって復活できる的なことを言っていました。
また、これは憶測ですが、一方通行戦の中でも【黄金の餞】が使われていましたが、個人的に一方通行にも《称号》が割り振られていると思います。
例えば、御坂美琴に対する『│強敵《ボス》』とかですかね。
一方通行があそこで御坂美琴と戦うことは、御坂美琴という『│主人公《ヒーロー》』が闇に墜ちるきっかけです。『│主人公《ヒーロー》』が変わるきっかけとしては、強敵と対峙したときが多いと感じています。なので、一方通行にもなんかしらの
《称号》が与えられていると思います。

まだまだ、色文字も含めて分からないことだらけですが、今後も一人の読者として応援していきたいと思います。
これからも頑張ってください!
返信:一二三四五六 2018年08月16日(木) 08:13
いつも感想ありがとうございます!

『黄金の餞』は本来もっと先で導入する予定のシステムだったので手掛かりが少ないのは申し訳ない。

そして端的に結論を回答しましょう。

全然違います。称号は全く関係ありません。

というかその『視点』である限り(T-T)様は永遠をかけても『黄金の餞』の真実に至ることはできません。見方を変えてください、視点を広く持ってください、見下さず、対等に見て下さい。

愛がなければ、真実は見えないのです。

まぁ、この段階で真実が分かるのならばもう私がこの物語を紡ぐ必要はないのですがね。

これからも精進して参りますのでどうかよろしくお願いいたします。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:40:07.24 ID:9G/t5IWd0
【NO!今回の道はルート占い屋ではなくルート第三の道だよ!】

【ルート占い屋だったらパトリシアなんかとは出会えないからね。くくっ、皆が頑張ってくれたおかげと言ったろう?】

【理外人外についての情報か、僕は機密情報アクセスレベルの制限には引っかからないから答えてあげよう。】

【理外人外は僕も含めて12人いる。】

【神の代行者、全能存在、原初の片割、曠野の匪、そして僕でまず5人。】

【Rきの右、無限輪廻の転生者、純黒の破滅光、願えない罪人、永劫の敗北者で次の5人。】

【最下の絶対、観測者ωで2人。】

【合計12人が理外人外だよ。……………………今のところは、ね?】

【くす、だけどまぁ、何処かの誰か曰く『何も信用できない、赤くない言葉は何も信用できない…!!』らしいよ!?】

【あはっ、あははははははっ、いひいひふひゃはははははは!!!!!!!!!!!!!!】

愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 19:43:43.85 ID:JNx/elkN0
>>173
怖いよな
あそこまで上条さんがインデックスに執着する理由が分からん
如何せん心理描写が足りない

>>205
不都合な出来事はカットか
黄泉川の性格的に一方通行の過去の所業を聞いたら激怒しそうなもんだけどな
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 21:36:02.47 ID:ypwY1HeR0
どっちであろうが黄泉川の擁護なんかもう不可能だよ
一方通行の所業をよく知りもせず「つまらないものの積み重ねが負債を返すジャン」とか寝言言ってるなら無責任で見当外れな能なしバカ女
一方通行の所業を知った上で芳川ともども匿ってるなら犯罪者隠匿して職権濫用しながらぬけぬけと小悪党狩りや教職やって悦に入ってるサイコパス屑女
どっちにしろ一方の擁護メンバーにされた時点でキャラとして詰んでる
悪党をメインキャラに後付けした弊害の被害者キャラとも言えるが
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 22:14:36.42 ID:JNx/elkN0
>>217
悲しいなぁ……
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 22:31:11.95 ID:XjEjC6qk0
こういう時叩かれるのはいつも黄泉川で芳川は言及されねえな
得な女
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 00:52:52.75 ID:o7lPO4Qv0
自分の事を100%肯定してくれる脳内お花畑の馬鹿女共を囲って過去の悪行には自己満足のファッション贖罪
現在は地位を手に入れ更にはのうのうと日常生活を謳歌
これが一方通行の糞みたいな人生
羨ましい限りだ
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 21:11:37.33 ID:mIsSr+QY0
>>219
言及もなにも、芳川は最初から研究者と同じ穴のムジナでクズ確定って立場だしなあ
黄泉川みたいに善人コスプレと立場利用でツッコミ所満載のダブスタやってるわけじゃないし
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/22(火) 01:12:56.61 ID:sUq3Fccz0
とあるシリーズ読んでると倫理観おかしくなる
誰が善で誰が悪なのか分からなくなって混乱する
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:21:52.51 ID:ylnfj1fj0
>>222
言い方悪いが、作者のスゴロクの駒だからなあ。悪党上がりの周辺は特に
打ち止めも黄泉川もエステルも、言ってる事やってる事を冷静に検分したら相当にグロテスクなキャラだぞ

一方スピンオフでは隠そうともしてないレベルだが、内容そのものが見向きもされないから話題にならないだけ
下位の妹達がどれだけピンチでも完全に見ないフリして頭カラッポの幼女アピールしかしない上位個体()とか
エステルが悲劇のヒロインヅラしながらやってる事の本質がキ○ガイ先祖と全く同じ件とか
周りで同僚がバラバラにされてる渦中でも「子供は撃たないジャン!」とか自分流貫いてるイカレ警備員とかな
もう善悪を通り越して特定のビョーキっぽい
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:50:28.29 ID:71VIYkuA0
とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
×
目 次
次の話 >>

1 / 74
この世界は分岐された。

この宇宙は隔離された。

この物語は否定された。


第一部 第二章 第四節 革命未明《サイレントパーティー》〜諦めた者と諦めなかった者〜
獄天の扉ヘヴンズフィール事件@ 『表』での概要 作戦会議E 救出作戦

 四年前。
 四年前、獄天の扉ヘヴンズフィール事件と呼ばれる事件があった。
 学園都市の人口の2パーセント、すなわち4万6000人もの人間を完膚なきまで壊し、警備員アンチスキルでも、風紀委員ジャッジメントでも、そして一般的には知られていないが『暗部』の組織でも解決までには至らせることが出来なかった。
 『表』の世界で公表されている獄天の扉ヘヴンズフィール事件についての話はこうなっている。
 『ある日から学園都市内で獄天の扉ヘヴンズフィールと呼ばれる薬についての噂が広がった。その獄天の扉ヘヴンズフィールには『一定時間のみ願いを叶える』効果があると言われ、好奇心旺盛な学生の間で獄天の扉ヘヴンズフィールについての話が広がっていった。
 そしてある日ネット上で獄天の扉ヘヴンズフィールを使用したという人物が現れる。その人物が言うに、特定の日に、特定の場所で、特定の時間に、特定の人物が、特定の行動をとると獄天の扉ヘヴンズフィールが手に入るらしい。
 そしてその情報をもとに獄天の扉ヘヴンズフィールを手に入れたという人物が次々と現れ、ついにはネット上に獄天の扉ヘヴンズフィールの写真もはられるようになる。
 最初は眉唾物の噂だった獄天の扉ヘヴンズフィールについての話は噂の域を超えて広がり始め、学園都市に存在するほぼすべての人間が知るようになった。
 その後しばらくは獄天の扉ヘヴンズフィールの話題がありつつも平穏が続いたが、ある日を境に事態は一変する。
 獄天の扉ヘヴンズフィールをめぐって争いが起きたのだ。それもただの争いではなく殺人が。
『一定時間のみ願いを叶える』という獄天の扉ヘヴンズフィールの効果は本物で獄天の扉ヘヴンズフィールを使用した人間は『願いを叶えた』。
 大金持ちになりたいという願いも、超能力者レベルファイブになりたいという願いも、世界を思うがままに操りたいという願いも、死んだ人間を蘇らせたいという願いも、真実を知りたいという願いも、復讐をしたいという願いも、分け隔てなくすべて『叶った』。嘘偽りなく、本当に一切の例外なく、すべて。
 そして、だから問題だったのだ。
 獄天の扉ヘヴンズフィールの効果はあくまで『一・定・時・間・のみ願いを叶える』というモノ。そう、一定時間。願いが『叶う』時間は無限ではない。
 大金持ちになりたいという願いも、超能力者レベルファイブになりたいという願いも、世界を思うがままに操りたいという願いも、死んだ人間を蘇らせたいという願いも、真実を知りたいという願いも、復讐をしたいという願いも、分け隔てなくすべて『叶った』が、それは時間制限が存在した。
 だから獄天の扉ヘヴンズフィールの使用者たちは次の獄天の扉ヘヴンズフィールを求めた。二回目の使用が終わればさらにその次の獄天の扉ヘヴンズフィールを、三回目の使用が終わればさらに、四回目の使用が終わればさらに、と。
 次々と新たな獄天の扉ヘヴンズフィールを求めていった。
 さながら飢餓の中で天から降ってきたパンに群がる暴徒の如く、あるいは麻薬中毒者のように。
 獄天の扉ヘヴンズフィールに中毒症状が現れる様な物質は一切入ってない。しかし、それでも人々が獄天の扉ヘヴンズフィールを求めることはやめられない。『幸福』という楔からは誰も逃れられないのだ。
 だから、誰もが限りのあるかもしれない獄天の扉ヘヴンズフィールを求めて走り、戦い、望み、狂っていった。無能力者レベルゼロから大能力者レベルフォーまで、限りなく。
 さらにまずかったのは獄天の扉ヘヴンズフィールには麻薬のような目に見える禁断症状や中毒症状、痙攣、気分の高翌揚、顔面蒼白などなどのモノが見られなかったこと。思考の鈍化も、身体の異常も見られなかったこと。
 故に、一見するだけでは獄天の扉ヘヴンズフィールを使用しているかどうかは分からなかった。そして狡猾な人間は表で正常者を装って裏で獄天の扉ヘヴンズフィールを使用していた。
 徐々に、しかし確実に、学園都市は蝕まれていった。
 獄天の扉ヘヴンズフィールを求めて戦うモノ、金で獄天の扉ヘヴンズフィールを取引しようとしている人間を集団で襲うモノ、治安は荒れ果てて、もはや獄天の扉ヘヴンズフィールを作ったモノでさえ制御できなくなっていただろう。
 そして最もまずかったのはこの事態を止める人間、つまり警備員アンチスキルや風紀委員ジャッジメントの中にも獄天の扉ヘヴンズフィールを使用していた人間が多々いたこと。治安を正す側の人間が、欲望に耐え切れず『幸福』を求めて組織内部で暗躍したこと。
 彼らからすれば獄天の扉ヘヴンズフィールの供給が止まるのは、あるいは使用が規制されるのは言語道断だったからその行動は当然ともいえるだろう。何せ、その気になれば検挙と称して獄天の扉ヘヴンズフィールを手に入れることも可能だったのだから。
 獄天の扉ヘヴンズフィールを求める人はもう止まらず、治安を正す手段もなくなり、もうどうしようもない事態に陥ってしまった。
 はずだったのだ。
 
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:51:12.15 ID:71VIYkuA0
 事態が起きてから数日が過ぎて急速にその事態は収束していった。
 獄天の扉ヘヴンズフィールを使用した人間は例外なく何らかの対処がなされ、元となった獄天の扉ヘヴンズフィールもどんな方法かもう現れなくなった。
 そして獄天の扉ヘヴンズフィールの噂が立ってから一か月半。学園都市の人口の2パーセントを壊したこの事態は幕を閉じた。
 のちにこの事件は使用された薬の名前を取って、獄天の扉ヘヴンズフィール事件と呼ばれるようになった。
 そして獄天の扉ヘヴンズフィール事件が収束して2週間後、ある文書がネット上に投稿され、学園都市中にばれ撒かれる。『HFHeaven'sFeelCCCaseClosed文書』と呼ばれたそれは獄天の扉ヘヴンズフィール事件を収束させたのが風紀委員本部セントラルジャッジメントであることが示されていた。
 どうやって収束させたのかは『HFHeaven'sFeelCCCaseClosed文書』には書かれていなかったが、風紀委員本部セントラルジャッジメントは一躍時の組織となった。最も風紀委員本部セントラルジャッジメントの閉塞具合は相変わらずだったので、特に何が起こったわけでもないが。
 時同じくして不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランドと呼ばれる組織の噂も流れた。この組織が獄天の扉ヘヴンズフィール事件の首謀者だという噂だ。最もこれに関しては誰も何も言わなかったので、確証は存在しなかったが。
 そして最後に学園都市中に統括理事長の名で獄天の扉ヘヴンズフィールの所持、使用を禁止する声明が出され、破ったモノは厳罰に処すとされ、この一連の出来事は完全に収束を迎えた』
 これが『表』で一般的に知られている獄天の扉ヘヴンズフィール事件の概要である。
 
 も・ち・ろ・ん・重・要・な・真・実・の・ほ・と・ん・ど・は・隠・蔽・さ・れ・て・い・る・わ・け・だ・が・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド?」
 上条にとっては聞き覚えの無いその名前は、しかし白井にとっては記憶にある名前だった。
(不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド。確か獄天の扉ヘヴンズフィール事件の首謀者と一時期噂された組織。でもこの話は結局何の手掛かりも見つからなかったことで流れたはずですわよね……。まさか、本当だったとでも?)
 情報が足りない。だからここで判断をすることは出来ない。今白井がすべきなのはただひたすらに情報を収集する事であり、その真偽を判断することだ。
 そして何よりも。
「……いや、この話はやめておきましょう。いくらなんでも本筋からずれ過ぎてる」
 今話すべきことは獄天の扉ヘヴンズフィール事件のことではない。フェブリの、そして『スタディ』についてのことだ。『結界』が作動している時間はあと18分。それまでに作戦を伝えなければならない。
「それよりも、フェブリの話をしましょう。もうあなたの疑問はすべて解消されたでしょう?」
 脳裏に響く声はある。それを話したいという欲求も存在する。しかしそれを出すべきは今ではない。すべきことをして序列ランキングをあげる。そうすればいずれは頂点序列者トップランカーになって、機密情報アクセスレベル5の情報を、獄天の扉ヘヴンズフィール事件の本当の真実を、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランドの情報を得られるのだから。
 『それが、霞のような幻想まぼろしだと知っていてもね、人は『幸福しあわせ』を追い求めずにはいられないの』
 想起されるのはあの日の絶望。
『重軽には、きっと、わからないだろうね』
 目の前で学校の屋上から飛び降りた彼女恋人の姿。
悟ったように話す少女だった。
覚ったように話す少女だった。
 だが死んだ。
 でも自殺した。
 だから重軽石は――――――。
「重軽?」
「っ!?」
 あの頃の地獄を思い出してしまっていた重軽に上条から声がかけられた。
(いけない……っ!)
 過去に浸りそうだった自分自身を叱咤する。自分の役割を、役目を、今何をすべきなのかを忘れてはならない。
「……フェブリの話でしたよね。現状フェブリの容態は私が与えた飴のおかげで安定してると思いますけど」
「あぁ、そのことには感謝してる。俺達じゃあの子を治すことは出来なかったからな……」
「……ちょっと勘違いしてるようですけど、フェブリは治ってませんよ?」
「………………え?」
 それはどういう意味なのだろうか、と上条の中にまた新たな疑問が生れた。飴を与えたフェブリは体調がよくなり、見るからに元気になっていた。大事をとってしばらくは病院に預ける気でいたが、その気になれば一緒に出歩くこともできるはずだ。
「正確にいうなら、まだ完全に治っていないというべきか」
「どういう、事だよ」
「すごく簡単に言えばあの飴はフェブリの命そのものなんです。だから、もしも飴がなくなればその時点でフェブリはまた倒れることになる」
「なっ!?」
「だから『スタディ』を捕まえる必要があるんですよ。彼らから、根本的な治療法を聞くために、あるいはあの飴の製造法を知るために」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:52:53.31 ID:71VIYkuA0
 知らせれた情報は絶望をもたらすものだった。フェブリが完全に治っていないというのなら、今のフェブリはいつ再び倒れてもおかしくないという事になる。確かに悪意をもって造られたその身体は飴が無くては生きられないモノだったのだ。
 だが同時に希望も生まれる。治療法が存在しないわけでは無いという、かすかすぎる希望が。
「あの飴は、お前達が作ったモノじゃないのか?」
「あの飴は『上』から渡されたもので、その『上』も製法までは知らないはず。おそらくはフェブリが落としたモノを拾ったか何かしたんでしょう」
「………………………」
 だとすれば本当に方法は一つしかない。
「フェブリを造った『スタディ』から、治療法を聞き出す」
「やっとここまで来たか……。私がしたいのはそのための作戦会議なんですよ」
 上条当麻をあらゆる意味で納得させるための下準備、地に落ちた信用を回復させるための前準備、疑問点を解消し作戦を円滑に伝えるための土台作り。それがおうやく終わった。ここまでくれば後は作戦を説明するだけ、そして協力してもらうだけ。
「『スタディ』が企んでいる悪事を止めて人々を救い、造られた身体に苦しむフェブリを治す。協力してくれますよね」
 こんな問い掛けをしているが、協力してくれると重軽は確信していた。なぜなら上条当麻はヒーロー。困っている人を見捨てられない性質を持っている。
 世界物語キャラクターストーリー理論に基づけば、それは自明の理だ。
「あぁ、『スタディ』が企んでる悪事っていうのは解らないけど、どのみちフェブリを助けるためには『スタディ』に会わなきゃならないんだろ?だったらいやでも協力するさ」
「なら今から話しますよ。よく覚悟して聞いていてください。『スタディ』の学園都市研究発表会同時襲撃計画のことを」
「学園都市研究発表会同時襲撃計画?」
 ふっと小さく笑って、重軽は告げた。
「学園都市研究発表会同時襲撃計画というのは――――――」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 さぁ、
 
 
 
              確定された終わり滅亡に向かって突き進むといい。
 
 
                          上条当麻ヒーロー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 喪った後に読みたいだなんて、滅亡した世界をチェック死体だなんて、傲慢だね。読者共。
 
 死           ね          よ 
 
 
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 01:21:19.86 ID:GS+DLjA70
http://dic.pixiv.net/a/%E9%BB%84%E6%B3%89%E5%B7%9D%E5%AE%B6

黄泉川家ほんと嫌い
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 01:27:47.65 ID:UaDtfbEa0
さいですか
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 01:28:27.67 ID:UaDtfbEa0
さいですか
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 01:30:07.39 ID:GS+DLjA70
家族愛(笑)ってwwwwwwwwwwwwwwww
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:50:37.75 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六
原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ
 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。




 
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:53:23.40 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/168.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

168 / 178
Q.なぜ世界は滅んだのか?


学園都市統括理事会@ 襲来の人類絶対悪ビースト

 8月29日午前9時33分 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍の間』にて
 
 学園都市統括理事会は学園都市に存在する暗部の一つである。そして同時に学園都市の最高機関でもある。
 所属するメンバーは統括理事長を除いて12人。そのほとんどが一癖も二癖もある『悪』人であり、自身の利益のために他者を平気で糾弾する屑だ。善人といえるのははそう、貝継と親船の二人くらいのモノだろう。
 純粋な善が割を食い純黒の悪が栄えるのは世の常。いつもいつも良い人はいつも損をするものだ。
 だが、だからといって常に悪人が栄え続けるのもまたあり得ない。栄枯盛衰、諸行無常。変わらないものなどないのが世の中なのだから、学園都市統括理事会のメンバーもまた、さらに強大な『悪』に叩き潰される時が来る。
 多くの統括理事会メンバーはそれが分かっていない。自分だけは安泰で、最後に嗤うのは自分だと思ってる。それがただの妄想だと気づきもせずに。
 いつかその時が来るとしても、なんだかんだで自分だけは例外だなんて思ってる。
 だから苦罠は郭夜からの報告に焦っていた。苦罠もまた、結局の所自分だけは安全位置にいると思っていたから。
 その平穏が一瞬で終わるだなんて、思いもしなかったから。
「とりあえず、集まってくれたようで安心したよ」
 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍さそりの間』。統括理事会メンバー同士が秘密の会談を行う際に使用される学園都市の中でも最もセキュリティの厳しい場所の一つ。その『蠍の間』に今、10人の人間が集っていた。
 死縁鬼苦罠。
 トマス=プラチナバーグ。
 親船最中。
 潮岸  。
 貝積継敏。
 薬味久子。
 亡本裏蔵。
 アラン・スミシー。
 ロード・アンドレイ。
 奈落ならく奈波ななみ。
 以上10人。全員が全員統括理事会メンバーだ。
「ふん」
「まだ、二人ほど来ていないようですが」
「全くだぜ。あの潔癖症と重病人はどうしたっつうんだ?」
 これはもはや奇蹟に等しい会合だった。いがみ合い争い合い憎しみ合う統括理事会の人間が10人も一堂に会するなど飛行機が墜落するくらいあり得ない。彼らは自分以外のメンバーを追い落とすのに全てを懸けるほどの悪人。彼女たちは誰よりも自己中心的で世界が自分を中心に廻っていなければ気が済まないような狂人。
 けれど今、この場に10人もの統括理事会メンバーがいる。
 それはひとえに苦罠が連絡したからだ。
 死縁鬼苦罠という男が、彼らを集めた。
「潔癖症の彼女には先に動いてもらっている。彼女もどうやら私と同じ情報を得ていたようだからね。そしてあの重病人について私も知らないな。割と緊急性の高い事態だから出来れば参加してほしかった、というのが本音だが」
「緊急性?」
 アランが馬鹿にしたように言う。
「緊急性?何がだ?今この学園都市で、どんな緊急事態が起こってるっていうんだ?統括理事会全員を招集しなけりゃいけないほどの緊急事態が起こってるなんて、俺にはとても思えんがね」
「それならなぜあなたはきたのそれなら何故あなたは来たの?がくえんとしのぼうえい学園都市の防衛をまかされているあなたがきたということは任されているあなたが来たということは、なにかだいじ何か大事があったんじゃないかとおもったのだけれど思ったのだけれど」
「別に対した理由なんてねぇよ。ただ時間はあるし、同類の緊急要請に応えないほど俺は狭量じゃねぇ」
「ふん、ただこれ幸いと死肉を漁りに来ただけではないかね?」
 煽り合い。罵り合い。マウントの取り合い。
 ほんのわずかでもイニシアチブをとり優位に立とうと彼らは言葉という名の武器を交わし合う。
 言葉。そう、あくまで言葉だけだ。間違ってもここで武器を交わすようなことはない。そのリスクは全員が承知している。
「はっ、あいにく腐った肉を喰らう趣味はねぇな。そこの美食家気取りでもあるまいし」
「それは私のことかな?『ネクター』は君が思っているよりもはるかに素晴らしき美酒だなんだがね」
「別に『ネクター』をどうこういうつもりはねぇが、つまるところ『ネクター』は人肉だろう?食人鬼に成り下がるつもりは、俺にはねぇなぁ」
「『ネクター』を人肉などというモノと一緒にしないでれ。あれはもっと高尚な」
「どちらにしろ、下賤なモノであることには変わりないと思いますがね」
 亡本とアランの軽い、統括理事会メンバーとしてはあまりにも軽い言い合いですらない『話し合い』に親船が割り込む。生来争いを嫌う性質である、統括理事会メンバーの中でも数少ない『善人』である親船。彼女の未来はそれ故に閉ざされているが、しかし彼女だからこそ使える手というのもある。
 かつて『平和的な侵略行為』を行うと恐れられた親船。その刃は今はしまわれているが、しかししっかりと砥がれている。
 『善人』であるからといって、『弱い』という事にはならない。
 親船はくさっても統括理事会の一員だ。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:54:06.66 ID:cKUxJcBb0
「でも、いま今はそんなことどうでもいい。くわな苦罠、そろそろおしえて教えてくれてもいいでしょう?ぜんいん全員、ふたりたりない二人足りないけどほぼぜんいんあつまったんだし全員集まったんだし」
「そうだな……、あいつは結局来なかった、か」
 来るとはそこまで思っていなかったが来てほしいというのが苦罠の本音だった。今起きている最悪の非常事態には統括理事会の全員で立ち向かう必要がある。それほどの敵、悪がいる。
 全員で戦わなければ勝てない。とても敵わない。
 4年前のようなことをもう一度起こすわけにはいかない。
「まず初めに言っておこうか。私が今から言うことは全て真実で、事実だ。一切の偽りはないことを、まぁ、意味はないだろうが神にでも誓っておくとしよう」
「神、ですか」
 小馬鹿にしたようにアンドレイが言う。神、神、神。神様?なんだそれは?宗教家でもない苦罠がその存在に誓いをするなんて、無意味を通り越して滑稽ですらある。
「そしてもう一つ、潮岸、アラン、奈波。私にお前達を責め立てるつもりは一切ない。そんな時間もないし、だいいち責めたところでもうどうにもならないからな」
「せめる?わたしたちを?」
「見えねぇな。何についての話だよ?」
「………………」
 その返答は言葉ではなく画像で示された。
 スッ、と苦罠の後ろの壁にプロジェクターで4枚の画像が映し出される。どれも学園都市の街中の画像で、それは一見をすれば何の変哲もない、学園都市の日常の画像。往来を行きかう人々、掃除用ロボット、自販機、建物。一般人がみれば、いや『闇』の人間が見ても違和感などないだろう。だが、だがしかし、見る人が見ればその4枚の画像がどれだけとんでもないモノか分かる。
 そしてその画像に超速の反応を見せたのが1人。
「なっっっっっ!!!!!?????」
 奈落ならく奈波ななみが大きな音を立てて椅子から立ちあがっていた。ポーカーフェイスをむねとする奈波の顔が驚愕に染まっている。演技?いやそんなわけがないしそんな意味はない。だからこれは素。しかしだとしたらなぜ?
 奈落奈波はこの画像のどこに驚愕した?
「流石に、お前は分かるか。奈波」
「ばかな、そんなっ!」
 それはあり得ない画像だった。
 九家くげが一家、奈落家の人間として様々な情報に精通している奈波だからこそ気付けた。そこに映っていた人間がどれだけあり得ないのか。
「現在」
 そして、彼らも知っていた。
 潮岸。
 親船。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 彼ら5人も、知っていた。
「現在、この街に4人の――正確に言えば2組織と1人と1体の人類絶対悪ビーストが侵入している。彼らからこの街を守るために、お前達の力を貸してほしい」
 その悪を、知っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その沈黙には動揺と困惑が混ざっていた。
 動揺は6人、困惑は2人。
「……………苦罠クン」
「何か?」
「冗談だとしたらあまりにも性質が悪すぎるし、嘘だとしたらあまりにも質たちが悪いぞ」
「こんな冗談や嘘を、私がつくと思うか?本気で」
 それは潮岸とて分かっている。だからあくまで確認だ。確認で、出来ればそうあってほしくはないという願望だ。
 それは否定された。
 そして否定された以上、真剣に向き合わなければならない。
 人類絶対悪ビースト。
 その脅威を、潮岸達は知っている。
 4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件。その事件を生き延びた7人の統括理事会メンバー。
 苦罠。
 親船。
 潮岸。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 そして潔癖症の彼女。
 7人は人類絶対悪ビーストの恐怖を、その狂気を知っている。だから速断だった。当然苦罠が嘘をついている可能性もあったが、それよりも。
 それよりもだった。
「それで緊急事態……か。くそっ、どうやってすり抜けた」
「奈波クン、君は見覚えがあるようだな。詳細はわかるかね?」
「わたし私は4まいのがぞう枚の画像のうち2まいしかしらない内2枚しか知らないわ」
「それでも十二分だろう。人類絶対悪ビースト……。もう4年前のようなことを起こさせるわけにはいかない。情報は少しでもほしいのだから」
「画像を出したのは私だが、人類絶対悪ビーストに関しては私よりも君の方が、九家が一家、奈落家の人間である君の方が詳しいはずだ。後で私も捕捉するから、説明を頼む」
 奈波は純粋な統括理事会メンバーではない。奈波は外の、学園都市外の人間だ。奈波が統括理事会のメンバーとしていられるのは奈波が外部との折衝の役割を担っているからであり、学園都市の運営に参加しない立場をとっているからだ。
 そういう意味では奈波は親船以上に権力がない。だが本人もそれをよしとしている。立場的にも奈波はそういうことをするべきではないからだ。
 そしてその立場故に、奈波は人類絶対悪ビーストについてとても詳しく知っている。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:54:56.69 ID:cKUxJcBb0
「いちばんひだりのがぞうにうつっているのは一番左の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいきゅうい位階総序列第九位の『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のめんばーたちメンバー達よ。『ぎゃくたい虐待』のあくとくをたいげんするやつらで悪徳を体現する奴らで、せかいさいあくのてろりすとしゅうだん世界最悪のテロリスト集団でもあるわ。ばくやく爆薬、どくがす毒ガス、しゅうだんひすてりーのゆうはつ集団ヒステリーの誘発――。そういうだいきぼなあくいてきこうどうをするやつら大規模な悪意的行動をする奴ら」
 左の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは6人。男性2人と女性4人。
「なまえはわからない名前は分からないけど、たぶんたちばてきにはそうたかくないとおもう立場的にはそう高くないと思うわ。『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のじょうそうぶのにんげんたち上層部の人間達はげんばにこない現場に来ないから」
 詳細な説明。けれど画像だけで分かることはやはり少ない。不確かな情報と不確かな言動。
「がぞうだけじゃだんていはできない画像だけじゃ断定は出来ないけど、けいかいしんがあまりみえない警戒心があまり見えない。とっこうよういんだとおもう特攻要員だと思う」
「特攻……っ」
「厄介な」
 もっと詳細な情報を言うことは出来るが、奈波は一度『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』の説明を打ち切った。今求められるのは詳細の説明じゃない。迅速な説明だ。
「いちばんみぎのがぞうにうつっているのは一番右の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいじゅんよんい位階総序列第十四位の『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のいちしょうたい一小隊よ。『ぼうりょく暴力』のあくとくをたいげんするやつら悪徳を体現する奴らで、だいにじせかいたいせん第二次世界大戦さいだいのふのいさん最大の負の遺産。かねさえはらえばなんでもする金さえ払えば何でもするせかいさいきょうのようへいそしき世界最強の傭兵組織。2ねんまえのほわいとはうす年前のホワイトハウスしゅうげきじけんのじっこうはん襲撃事件の実行犯、ってい言えばわかるかしら」
 右の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは16人。男性12人と女性4人。
「しょうたいちょうはみおぼえがあるわ小隊長は見覚えがあるわ。まるてぃねすマルティネスってなまえ名前よ。せっきょくせい積極性としんちょうせいが慎重性がわるいいみであわさった悪い意味で合わさった、むのうのなかではゆうのうなにんげん無能の中では有能な人間」
「装備は分かるの?」
「がくえんとし学園都市のぶそうであっしょうできるれべる武装で圧勝できるレベルのはず。そもそも『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のこわいところ怖い所はそのようしゃのなさとじんどう容赦の無さ人道をためらいなくふみはずすところ躊躇いなく踏み外すところだし。ちょくせつせんとうになればよゆうでかてる直接戦闘になれば余裕で勝てるはず」
 強い弱いで言えば弱い。けれど強い弱いだけじゃ語れないからこその人類絶対悪ビースト。
「でもたぶんこの16にんはさぽーとよういん人はサポート要員よ。ほかのさんそしき他の3組織のどこかがやとった雇ったんじゃない?」
 『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』はその名が示す通りあくまで傭兵。つまり他者からの依頼によって動く存在だ。自意識では動かない。
「あと後の2がぞうはわたし画像は私にもわからないわ。くわな苦罠、あなたは?」
「ならそこは私が説明しよう。といっても僕も郭夜から得た情報なんだけどね」
 そういって、苦罠は左から2枚目の画像の一部を拡大した。
 映し出されたのはとある少女。茶髪のショートヘアに白カチューシャをした少女――の手元。
「ポータブルデバイスPD……?これが、人類絶対悪ビースト?」
「正確に言えば、ポータブルデバイスPDの中にいる存在、だ」
 感の良い貝積はそれで気付いた。
「っ、電脳生命体αアルファか!?」
「ああ」
 電脳生命体α。
 その名の意味が分かる者の焦りはこれまでとは全く違った。
「アランっ、学園都市の電子防衛関連は君が担当していたな。何か君の部下から報告はあがってないかっ!」
「あ?別に目立った報告なんてあがってねぇが……?」
「ならもう完全に落ちているんでしょうね」
「書庫バンクはどうだ?最暗部の情報はのっていないとはいえあれまで掌握されていたら学園都市は落ちたも同然だぞ!」
「いえ、外部と完全に独立したネットワーク以外はすべて落ちているとみるべきよ。くそ、この分だとここに来る前にした電話も怪しくなってくるわね」
「っ、電波も乗っ取られて……っ、なら連絡を取り合う時は精神感応テレパス系の能力者で中継する必要が」
「ちょっ、ちょっと待ってください!どういう」
「落ち着けッッッ!!!!!!!!」
 一機に混乱する状況を前に苦罠が一喝した。分かる。とてもよくわかる。何も知らない立場なら当然そうなる。現代社会において電脳生命体αの脅威は分かり知れない。だからそうなるのも分かるが、それでも今は大丈夫なのだ。
 誰でもない。この事態に最初に気づき、動き出したのは、他の誰でもないあの天埜郭夜輝夜姫だ。
「落ち着け、大丈夫だ。今のところ電脳生命体αの侵攻は抑えられている。まだ後2日は問題ないはずだ」
「君は馬鹿か?」
 思いっきり馬鹿にした表情で亡本が言った。
 信じられないような表情を薬味はしていた。
 狂人を見るような目で親船は苦罠を見ていた。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:55:38.54 ID:cKUxJcBb0
「侵攻は抑えられている?出来るわけがないだろう!それがっ、出来る人材がいるのならっ、統括理事会はこうなっていないはずだ!!!」
「出来ている」
「誰が!?」
「守護神ゴールキーパーだ」
「っ」
 その名はこの場の全員が知っていた。
 守護神ゴールキーパー。
 学園都市に存在する超一流のハッカーの1人。
 その素性はこの場にいる全員が知っている。
 風紀委員ジャッジメント第一七七支部所属の風紀委員ジャッジメントにして超能力者予備集団セブンバックアップ序列第1位、十二暦計画カレンダープロジェクト第九実験『漆黒の九月実験』邪道『マルチソウル』成功例。
 初春飾利。
「本当に対抗できているのですか?誤魔化しも何もなく?偽装も何もなく?ダミーでもなく?他の誰でもないあの電脳生命体αの侵攻を、抑えられているのですか?」
「そもそもこの4枚の画像だってネットワーク経由で送られたものだ。この会合だってそうだろう?だから問題ない。今のところは、な」
「そのリミットが、2日か」
 どれだけ有能な人間だとしても所詮は人間。行動の限界というモノは必ず来る。それが人類と人外の差であり、人類が人外を根絶できない理由だ。
 電脳生命体α。電子の海に生きる人外の怪物。人が生み出した人の業。無限の学習で無限に進化する絶望。
 単純な武力だけではどうにもできない人類絶対悪ビースト。
「分かった。なら出来ていると盲信しよう。だが個人的な対策はいくつかさせてもらうぞ」
「当然だな。私自身が言ったことではあるが、守護神ゴールキーパーがいつまでもつかのは、……微妙だしな」
 慌ただしく外部と連絡を取り合う幾人か。構築されたネットワークの保護や兵力の確保、情報の収集などやるべきことはいくらでもある。潜在的な敵ではあるが、こういう場面では非常に頼もしい。
 悪、悪、悪。人類絶対悪ビースト。
 勝たなければならない。
「そして4枚目の画像を説明する前に本題に入ろう。分かっているとは思うが、な」
 今度こそは。
「この人類絶対悪ビースト共をどうにかする。そのための力をかしてくれ」
 いがみ合い、争いあい、憎み合う。それが統括理事会の在り方で、それはどうにもならない。けれどそれだけではない。本当にそれだけなら彼女達は統括理事会メンバーであり続けてはいられない。
 裏切りも騙し合いもする。けれどその『先』があるからこそ、彼らは統括理事会のメンバーなのだ。



Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?



次の更新は年度末までには。



A.みんなが無能だったから。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:56:05.20 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/169.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

169 / 178
学園都市統括理事会A 彼らは愚者ではない

「それで、どうする気だ」
 
「どうにかする、というのは簡単ですが、具体的な策はあるのですか?」
 
「確かに、人類絶対悪ビースト……、生半可な『力』では敵わないだろうなぁ」
 
「もちろん、だから私はお前達に協力を要請しているんだ」
 
「何か策があるのですか?」
 
「策というほどのモノでもない。ただ単に、暴力でぶっ潰そうって話だよ」
 
「その暴力を私達に提供しろと?」
 
「もちろん私も出来る限り提供するさ。伏せ札はともかくとして切り札くらいまではきってもいいと良いと思っているし、お前達にもきってもらわなければ困る。見せ札だけでどうにかできるほど、人類絶対悪ビーストが弱くないことはお前達も知っているだろう?」
 
「確かにね、4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件でそれは嫌って程知ってるけど」
 
「獄天の扉ヘヴンズフィール事件……?ちょっと待て、まさかあの事件には更なる裏があるっつうんじゃねぇだろうな!?」
 
「……そうか、そういえば君は獄天の扉ヘヴンズフィール事件をきっかけに入れ替わった人間の1人だったな」
 
「しかし今そのことについて説明している時間はないでしょうね」
 
「じかん時間、じかん時間、じかん時間。まったくいやになる全く嫌になる。いつだってわたしたちにたりないのはじかん私達に足りないのは時間よね」
 
「アラン、アンドレイ。お前達には後で私から資料を送ってやる。獄天の扉ヘヴンズフィール事件の詳細と人類絶対悪ビーストの危険性についてな。だから今は全霊で協力しろ。対応を間違えれば最低でも学園都市は滅ぶ」
 
「っ、それほーどの、存在ですーと?」
 
「承ったぜクソが。ガチでやべぇのは事実みてぇだし、今は大人しく協力してやるよ」
 
「あぁ、そうしてくれるとありがたいな」
 
「それで苦罠クン、詳細は?」
 
「今映す」
 
「……しかしよく気づいたな。君は別にこの街の防衛を担当してはいなかっただろう」
 
「私の担当分野は航空宇宙産業だよ?そして私のブレインはひこぼしU号の中に住んでいる」
 
「じんこうえいせいのかんしきのう人工衛星の監視機能ね」
 
「地上の監視網は逃れられても宇宙の監視網から逃れることは不可能だったようだな」
 
「………………………………」
 
「はっ、わざと干渉しなかったって可能性もあるだろうが」
 
「だから別に責めつもりはないといってるだろう……。と、情報出るぞ」
 
「『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』、国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières、『電脳生命体αアルファ』……なぁっっっっ!!!???」
 
「帰ってきたのか、彼女がっ!?」
 
「……禁忌の木原」
 
「全能存在パントクラトールっ!」
 
「木原五行……っっっ!!!!!」
 
「その名前は流石に新入りの俺でも知ってるぜぇ。あの悪名高き木原一族ですら放逐せざるを得なかった、木原一族の中の木原一族ってなぁ」
 
「はっ、そんなレベルではないよ……。あれは、1つの災害だ。いや、災害すら超えている。もはや天罰とでも言うべきだ。人間が対抗できるレベルを超越している」
 
「ですが、どうにかしなければならないでしょう。どうにかしなければ、この街は終わりです」
 
「……、しかーし、なぜ誰も気がつかなかーった?」
 
「先に言っとくぞ。『穴』はある。だがその『穴』を通ったとしても俺の監視網からは逃れられねぇ。だから見逃した訳じゃねぇ」
 
「ならわたし私からもさきにひとつ先に1つ、そとからのぞうえんはだせない外からの増援は出せないわよ。そのぞうえんにまぎれて増援に紛れて、さらなるじんるいぜったいあくビーストがこないともかぎらない来ないとも限らないから」
 
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:56:37.75 ID:cKUxJcBb0
「増援がないのは仕方がない。そしてどうやって侵入したかは二の次だ。今私たちが話すべきなのは過去じゃない。未来についてだ」
 
「電脳生命体αへの対応は問題ないのだな?」
 
「私のブレインによれば、な。最も、サポートできるというのならばしてほしいが」
 
「無理無理、守護神ゴールキーパーレベルのハッカーじゃなきゃ対抗できない電脳生命体αに対して、生半可な増援なんて足手まといになるだけよ」
 
「どうかん同感。でんのうせいめいたいあるふぁ電脳生命体αにかんして関してはしゅごしんゴールキーパーにまかせた任せたほうがいい」
 
「なた木原五行に関してはどうする?」
 
「そんなのもちろん……」
 
「そこで私を見られても困るぞ」
 
「だが、君のブレイン以外にいるかね?かの全能存在パントクラトールに対抗できる存在が」
 
「……はっきり言うぞ。郭夜は動けない」
 
「ふざけているのかな?」
 
「至って真面目さ」
 
「だったらどうして動かないの!あの全能存在パントクラトールに対抗できるのなんて、この統括理事会の中じゃ同じ造られた子供たちプログラムチルドレンの天埜郭夜ぐらいじゃないの!?」
 
「よく聞け。動けない、じゃない。動かない、と言ったんだ」
 
「つまーり?」
 
「伝言だよ。ふざけた伝言だ。郭夜曰く、木・原・五・行・の・目・的・は・私・を・引・き・摺・り・だ・す・こ・と・、だそうだ」
 
「それを、信じたのか?」
 
「私は郭夜を信頼している。郭夜がそういうのならば、本当にそうなんだろう」
 
「ならどうしろというんだ。あの木原五行に対抗できる存在など他にいないだろう」
 
「そうでもないと思うが、な。もちろん、」
 
「なにをばかな何を馬鹿な。きはらごぎょうにたいこうする木原五行に対抗するためにひつよう必要なのはぼうりょくじゃなくてちりゃく暴力じゃなくて知略。そしてそのちりゃくをもってるのはわたしたちのなか知略を持ってるのは私達の中じゃあなたのぶれいんブレインだけでしょ」
 
「そうでもないさ。確かに知略という面ではそうだろうが、別にわざわざ禁忌の木原と知恵比べをする必要はないだろう?」
 
「と言うと?」
 
「雪風宗谷。彼女は造られた子供たちプログラムチルドレンでこそないが、忌まわしきブレインの1人なんだから対抗ぐらい出来るだろう?」
 
「無茶だ。いくらあいつの運が良いつっても限界ってもんがある」
 
「別に倒せと言っているんじゃない。足止めくらいなら」
 
「ふざけんなよテメェ。本当に足止め出来るっていうんなら喜んで生贄にしてやるが、無駄死にするって分かってるのにいかせると思うか?」
 
「いいや、出来るかもしれん」
 
「……どういう意味だよ。貝積?」
 
「確かに、彼女1人では不可能だろう。だが、そこに私のブレインを加えればどうだ」
 
「忌まわしきブレインが2人、……ですか」
 
「いや、足りねぇな。それでも足りねぇだろ。木原五行に対するには」
 
「ならば私のブレインも加えよう」
 
「ついーでに、私の高貴なる一族ブルーブラッドからも人員をだーそう」
 
「おっ、それならいけるんじゃない?まぁでも〜、もうちょっと武力面はプラスしたいけど」
 
「武力……、それはあなたが出せるのではないですか?」
 
「冗談を言ってくれるな。確かに私は兵器関連に強い権限を持っているが、必要となる武力は兵器ではなく人員だろう。つまり強力な能力者。科学兵器をメインにしている私では派遣できんよ」
 
「だとしたら、人員を出すべきは私か」
 
「あはは、確かに貴男なら派遣できるだろ〜ね。この能力開発分野に強い影響力を持ってる君なら」
 
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:57:09.39 ID:cKUxJcBb0
「……分かった。超能力者予備集団セブンバックアップから1人だそう。私の息のかかってる人間だ」
 
「そのレベルだったら私の恋査ちゃんを派遣したほうがましじゃない?」
 
「ならばどうしろと?」
 
「いい加減にしたまえ。なぜ、一級品の料理を持っているのにそれを私達に振る舞わない。今は、そんな場面ではないだろう」
 
「………………非公式超能力者アウターレベル5、か」
 
「それ以上を、君は持っているはずだがな」
 
「………………………………………………………」
 
「言わなきゃわかんないかな?超越能力者レベル5.5って」
 
「………………………分かっていない」
 
「何が?」
 
「超越能力者レベル5.5は、一級品の料理などではない。あれの危険性を、君達は何も分かっていない」
 
「上から目線のご高説は結構だがな、今は差し迫った危機から目を背けている場合ではないだろう」
 
「核ミサイルを発射された。だから、私達も報復として核ミサイルを発射する。……そんなことをして何になる?」
 
「何を恐れているーんだ?」
 
「同じ結末なのさ。超越能力者レベル5.5を解き放つなど、それでは結局人類絶対悪ビーストを斃せたとしても意味がない。結局の所は全ては終わる。何も変わらないのさ」
 
「超越能力者レベル5.5とは、それほどの存在だと」
 
「何のために私が彼を保護監禁していると思っているんだ。外に出すことで起きる被害が、私達の許容を遥かに超えているからだ」
 
「であれば?」
 
「さっきも言っただろう。非公式超能力者アウターレベル5を出す。非公式超能力者アウターレベル5ならまだ許容できる」
 
「でもさ〜、所詮は超能力者レベル5になれなかった非公式アウターな連中でしょ?ほんとに大丈夫な訳?」
 
「いや、非公式アウターだからってその強さが公式な超能力者レベル5に劣るわけじゃあねぇだろ。確か非公式超能力者アウターレベル5は切り捨てられた枝ってだけじゃなかったか?」
 
「……しらじらしいですね。再利用リサイクルと言ってしまえばいいではないですか」
 
「可能性があるモノを伸ばすのは、悪い選択肢ではないはずなのだがな」
 
「あはは、齎されるかどうかも分からない被害を想像して、戦力を温存してる場合じゃないと思うんだけどな〜。出しちゃえばいいのに」
 
「先ほども言っただろう」
 
「まっ、そうはいっても、妾わらわからしたら赭あかつち鰰はたはたなんてそこまでの脅威でもないんだけどね〜」
 
「……は?なぜ、君がその名、を………………」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:57:58.38 ID:cKUxJcBb0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「「「「「「「「「ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!???????」」」」」」」」」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あはっ!やっと気づいたの?初めまして久し振り!統括理事会の諸君!!!」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:59:12.09 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/170.html
携帯版 小説情報 一括表示 縦書き しおりを挟む お気に入り登録 評価 感想 推薦 誤字 閲覧設定 固定
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

170 / 178
おかしい……、なんでこんな展開になったんだ?


学園都市統括理事会B 絶対的な敗北

 いつからそこにいたのか。
 いつから会話に参加していたのか。
 いったいいつから。
「ご、ぎょう……?」
 呆然と、誰かが口にするその言葉。
 この場にはいないはずの、たった今話題にしていた、人類絶対悪ビースト位階総序列第三位の名前。
「木原、……五行?」
「そう!あたしの名前は木原五行!人類絶対悪ビースト位階総序列第三位にして全能存在パントクラトールの二つ名を持つ禁忌の木原!木原一族の中の木原一族!」
「……冗談だーろ」
 アンドレイが呟く。それは木原五行を除いたこの場の全員が思っていることだった。
 気付かなかった。
 誰も、誰一人として気づかなかった。
「……トマスはどこだ?」
 苦罠がそういった。
「その席には、トマス=プラチナバーグが座っていたはずだ!」
 はっ、と複数人が顔を上げた。そう、苦罠の言う通りだ。今五行が座っている席には統括理事会メンバーの1人であるトマス=プラチナバーグが座っていたはずだ。それは会議を始める前に全員が確認している。
 潮岸は目線だけで周囲を見渡した。
 いない。いない。いない。上下左右前のどこにもトマスはいない。そして自分の後ろにもトマスがいないのは他のメンバーの視線で分かる。ならばどこに、トマスはいったいどこにいった?
「ん〜?あれ〜、どこにいっちゃんたんだろうね〜?」
「お、まえ」
 誰かの心拍数が早くなる。
 誰かの頬に汗がつたう。
 誰かの喉がカラカラに乾く。
 そんな中で、苦罠が怒鳴った。
「トマス=プラチナバーグをどうしたんだッ!?」
「分かってるくせに」
 泰然自若に五行は答えた。たったそれだけの言葉でトマスの末路が想像できる。
「殺したのですか」
 それを実際に口に出したのは親船だった。もっとも端的に想像できる末路。死という名の結末。だが、仮にそんな末路を辿ったのだとすれば違和感がある。
 それは、
「死体はどこにいったのか、分かる人いるかな〜?」
「余裕じゃねぇか、随分と」
 五行を睨みつけながらアランはそういった。立場が分かっていないわけではない。五行が上で統括理事会が下。既に格付けは成されている。
 だから覆す。
 統括理事会を舐めるなと、アランは五行を挑発する。
「ここがどこだか分かってんのか?禁忌の木原だか人類絶対悪ビーストだか知らねぇが、俺達の前に姿を現して五体満足で帰れるとでも思ってんのか?」
「くららららら!!!強がり言っちゃって、か〜わいいっ!」
 身体を艶めかし気にくねらせながら、五行はあくまでも上から目線で告げた。主導権争いをするつもりは五行にはない。そんなことをしなくても、誰も五行には勝てないと知っているから。
「それとも注目を自分1人に集めさせて、その間に他のメンバーに何か準備をさせるつもりかな?くすくす、でも不思議にさぁ、思わない?はたしてうちはどうやってこの『蠍の間』にきたのだろうかや?」
牽制……、いや五行からすれば牽制ですらない言葉に、裏で準備を進めていた幾人かの動きが止まる。当然、いくら統括理事会メンバーだけの会議とはいえ完全に無防備な状態で来ている人間などいない。親船でさえ最低限の防備をしている。潮岸は駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を周囲同化服カメレオンスーツで隠した状態で着ているし、薬味は予あらかじめ己の身体に薬物投与を行って身体能力をあげているし、アランは己のブレインである雪谷宗風からお墨付きをいただいている。
 武器はある。
 動けるのだ。
 人ひとりくらいなら、殺せる。
 ただ、
「おかしくないでしょうか?この『蠍の間』はランダムに地下空間を移動するいわば動く密室。会議が始まったら出入口は完全に閉鎖され、外部からの親友も内部からの脱出も不可能になるのに……。あてはいったいぜんたいどうやって『蠍の間』に来たんだよ!?分かる人は手をあ〜げ〜て〜!今なら五行ポイントを100ポイント分あげますよ!」
 楽しそうに、心底楽しそうにどうでもいいことを話す五行。
 五行がどうやって『蠍の間』に来たのか?なぜトマスが消えたことに誰も気づかなかったのか?トマスの死体はどこにいったのか?確かに気になる。気になるが、それらの優先度は低い。はっきりいってこの場においてそれらの問題はどうでもいい。
 今はそんなことよりも、五行にどう対するかという事を議論するべきだ。
(隙だからけだ)
 潮岸は思う。潮岸は別に一流の戦士などではない。けれど分かる。偽装でも何でもなく五行は明らかに隙だらけ。その隙は潮岸ならばつける。駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を纏っている潮岸ならば、いける。
 本当にそうか?
(くそ……)
 苦罠は思う。こういう事態も完全に想定していなかったわけではない。忠告はもらっていた。郭夜はこういう事態も想定していた。だから、武器はある。だから、生き残れるはずだ。
 本当にそうか?
(どうしようかな)
 奈波は思う。木原五行。人類絶対悪ビースト位階総序列第三位。その脅威は学園都市に来る前から知っている。人口衛星USA-224墜落事件、パリ全インフラ停止事件、他にも多数の大犯罪を犯した人間。そんな彼女が今、手が届くほどに近い距離にいる。どうするべきだ。いくべきか?出来るのか?世界に対する、人類に対する、日本に対する脅威を今、取り除けるのか?
 本当にそうか?
「あれ?今笑う所さかいな」
「そうだな……。空間移動テレポート系統……、それも座標指定タイプではなく目印アンカーを設置して移動するタイプ、か?」
 言いながら、苦罠は目配せした。統括理事会。学園都市の最上層部にして最暗部。混沌とした悪意の渦巻く屑の巣窟。他人を出し抜き蹴落とすことしか考えていない屑共。
 普段は敵同士。どうしようもなく相いれない。
「惜しい!でも外」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:59:49.88 ID:cKUxJcBb0
けれどだからこそ分かる。
 だからこそ、彼らはある意味で通じ合えている。
 最初に動いたのは薬味だった。
「っ!」
 薬物による身体強化を施している薬味は100メートル走の世界記録をはるかに超える速度で五行との距離を詰める。瞬きをする瞬間には、とまではいかないが、しかし一般人では到底反応できないような速度。
 テーブルの上に乗りあげ、最短距離で五行のもとまでいく。
 そんな速さじゃ遅すぎる。
「短慮過ぎない?」
 とん、と。
 軽くステップを踏んで、本当にほんの少しだけ身体をずらして、五行は薬味の攻撃から逃れた。薬味と五行の距離は今や10センチメートルほどしかない。近すぎる。近すぎるが故に、薬味は五行に攻撃できない。殴るにしても蹴るにしてもある程度の距離は必要なのだ。密着状態では攻撃などできない。
 そして五行の位置取りは完璧だった。
(射線が、っ)
 亡本も当然動いていた。懐に偲ばせていた半自動組み立て式拳銃を五行に向かって発射しようとしていた。そして実際に発射しただろう。
 薬味の身体が五行を庇うような位置に無ければ、だが。
「ちっ!」
「おおお!!!」
 薬味の動きにスリーテンポほど遅れてからアランと潮岸が動き始めた。
 ……語るまでもない事ではあるが、ここにいる統括理事会メンバーは全員戦う人間ではない。彼ら彼女らは策を練り、指示を出し、上に立つ人間であり、現場で動く人間ではない。
 だから言うまでもなく弱い。連係も下手で、数の利を全くいかせていない。
 駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を着ている潮岸。
 雪谷宗風からお墨付きを頂いているアラン・スミシー。
 しかしそれでも普通、普通ならば、いかに戦士でないと言えども人一人に勝てないわけがないのだ。
 相手が普通の人間であれば、どれだけよかったか。
「な」
「あ?」
 何をされたのかもわからなかった。
 気が付いた時には2人とも無傷のまま地に這い蹲つくばっていた。
(……た、……てねぇ、だと?)
 身体に異常は感じられない。精神操作系能力を使われた形跡もない。外傷はなく、内傷もない。重力の異常も感じられない。拘束されている感覚もない。
 にも関わらず全く動けない。
「這い蹲ってろよ雑魚」
 嘲り。
 それは普段、アランが他者に向けている声色。
 だから屈辱だ。
 これが人類絶対悪ビースト。
 だが、
「…………」
 だが、
(そんなことは分かっている)
 そもそもだ、と潮岸は思う。
 そもそも、今潮岸が生きている事自体がおかしいのだ。いや、それを言えばもっと前、五行がわざわざ姿を現したことがおかしい。
 [ピーーー]つもりなら殺せたはずだ。いくらでもできたはずだ。だがそれをしなかった。
 つまり五行は潮岸たちを[ピーーー]つもりはない……はずだ。
 あくまでこの考えは潮岸の推論。だが当たっているだろうと潮岸は考える。でなければとっくに逃げている。最も、逃げられる可能性は0に等しいだろうが。
 だからこれはあくまでパフォーマンス。
「そしてさようなら」
 瞬きする暇もなかった。
 衝撃すら感じなかった。
 なのに、いつの間にか吹き飛ばされていた。
「っ!?」
 更なる攻撃を行おうとしていた薬味は自分の身体がいきなり宙を滑空していることに驚愕した。 
(待っ)
 予備動作どころか攻撃後の余韻すら完全に存在しなかった。それが示すところはつまり、木原五行は薬味に対して何もしていないという事、か?
 いや、いや、いや。
 だったらなぜ薬味は吹き飛ばされた?
 誰が薬味を吹き飛ばした?
「っ」
 何も分からないまま、薬味は吹き飛ばされた勢いで壁に叩きつけられ、
(……………………は?)
 ダメージが無かった。
 確かに薬味は壁にものすごい勢いでぶつかった。壁がスポンジのように衝撃を吸収したわけではない。もちろん薬味側に何らかの保護が生じたわけでもない。勢いを緩めることは愚か、受け身をとろうとすることさえできなかった。
 にも拘らず、薬味の身体には一切の外傷が存在しなかった。ちょっとした擦り傷すらも。
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:00:28.14 ID:cKUxJcBb0
 そして射線が開いた。
「――――――」
 一段と大きい音が響いて、亡本の持っている拳銃から銃弾が放たれる。その弾丸は一瞬で五行のもとに辿り着き、五行の頭を貫い、
 いいや、
「残念!」
「なぁ!?」
 あり得ないことに超音速の銃弾を五行は噛んで止めた。そして口の中から弾丸を吐き出して五行は右手でそれをつまんだ。
「べっ〜、まじゅいのぉ……。きゃぴ♡銃弾なんて効くわけないのに、そんなことも分からないの?せっかくだし、返すよ」
 指で弾いた。
「ごっ、ぶ」
 まず感じたのは痛みではなく熱さだった。熱い、熱い、熱い。燃える様な灼熱の痛みが亡本の脇腹を襲っていた。
 信じられないような思いで亡本は視線を下げる。
 血濡れていた。貫かれていた。
 何に?
「指弾。まぁこれくらいわねぇ?」
 言葉の通りだったのだ。亡本が放った銃弾を噛んで受け止めた五行は、今度はそれを指で弾いて亡本に返した。そしてその返された弾丸は見事に亡本の脇腹を貫いた。
 久しぶりに感じた痛み。強く感じる命の危機。しかし、と亡本は薄く笑う。
 これでいい。これがいい。
 潮岸も亡本も薬味もアランだって分かっていた。敵わないことくらい知っていた。亡本たちは戦闘においては素人未満だ。そんな亡本達が禁忌の木原に勝てるわけがない。
 だから、敗北したのは全然かまわない。オーケーだ。
(思った未満に、上手くいったわね……。だから上手くやってくれないと困っちゃう)
 壁に寄り掛かったまま薬味は動かないでいた4人に意識を向けた。薬味にダメージはない。立ちあがろうとすれば立ち上がれる。でもそれはしない。あたかも酷いダメージを負って立ち上がれないような演技をしつつ、薬味は事態の推移を見守る。
「………………化物が」
「………………………」
「…………じょうだん」
「…………やはり、か」
 残ったのは4人だけだった。
 統括理事会の中でもアレイスターに次ぐ権力を持っている諦めてしまった賢人、死縁鬼苦罠。
 かつては交渉術の達人であったが娘を危険にさらしてしまったことで一線を引いた勇気無き善人、親船最中。
 九家が一家、奈落家より学園都市と日本の仲介役としてやってきた日本の守り手、奈落奈波。
 中途半端な善性を持つが故に常に苦悩する老人、貝積継敏。
「来 な い の ?」
「無駄な戦いは、しない主義なんだ」
 全てを諦めたように苦罠は言った。
 勝てない。勝てるわけがない。こうなることは相対した時点で分かっていた。だから秘密裏に作戦を練ろうとしていたのに。
「我々を[ピーーー]つもりならばとっくにそうしているでしょう?何が、目的なのですか?」
「何が目的?何が目的?目的は同窓会だ」
「同窓会?」
「うん、あのね、ごぎょうね、ひさしぶりね、みんなにあいたいなって」
「……みんな?みんなって、まさか……」
「はぁ!皆つったら造られた子供たちプログラムチルドレンの皆に決まってんだろうが!!!アァ!?」
「ならばなぜここに来たのだね。ここには、その皆はいないぞ」
「……そんなことは分かってますよ。…………………でも13サーティーンは相変わらずどこにいるか分からないし、白は私の事嫌ってるし、だから郭夜に接触しようと思ったんですけど、電脳生命体αアルファにハッキングさせてメッセージ送ろうとしたらあやつまさかの物理的回線切断したし、だから輝夜姫の上司経由で同窓会の案内状を送ってもらおうかなって」
「つまりわざわざ『蠍の間』に来たのは、私に会いに来たかったからだと?」
「そうじゃよ」
「ならばどうしてトマスを殺したのですか?いえ、そもそも彼に会いに来ただけというならこの場でなくてもよかったはずでは」
「なるはやだよ。なるは」
 
 とん、と、
 
 木原五行の首が、落ちた。



何で統括理事会メンバーがそろいもそろって戦ってるんですかねぇ……?
お前ら戦闘能力ほとんどない設定のはずだろう?

【じゃあ殺しちゃう?
統括理事会メンバーはあたしが全員ころしちゃいました!なんてね☆
さて質問なんだよ!
私、生きてると思う?】
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:01:30.68 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/171.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
<< 前の話
目 次
次の話 >>

171 / 178
いや更新遅くなってごめんなさい。リアルの方で色々忙しくて。


学園都市統括理事会➃ 不死の研究

 木原五行の首が胴から分離した。
「………………………………」
 沈黙。
 それが起きたということは8人全員が把握した。木原五行の首が胴から分離した。誰かが何かをした結果としてそれは起きた。ただ、ただその程度で安心できるのかといえばそれは偽だ。
「ころせた、の?」
「――――――――――――」
 奈落の呟きには誰も答えられなかった。
 それは何も奈落に意地悪をしているという訳ではなく、分からなかったからだ。
 誰も、木原五行の死に確信が持てなかった。
「首を落とした程度で死ぬとは、到底思えませんが」
「同感だな。あの木原五行が、この程度で死ぬとは思えない」
 数十秒が過ぎ、やっと口を開いたのは親船と苦罠だ。4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件――第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである2人は当然人類絶対悪ビーストの脅威を知っている。人類絶対悪ビーストは残虐で、残酷で、残忍で、残刻な……そして何よりも厄介なのだ。
「だがよ、確かに首は落ちてるし血はでてるぜ?これで死んでないっていうのはおかしくねぇか?」
「油断するな、アラン。新人のお前は知らないだろうが、人類絶対悪ビーストが、あの木原五行がこの程度で死ぬとは私には思えない。何度でも言うけど、な」
「人類絶対悪ビースト、ねぇ」
「……ぐっ、流石に、そろそろ意識が朦朧としてきたなぁ」
 亡本がそうぼやく。8人の中で一番重傷なのが亡本だった。薬味は壁に叩きつけられただけでノーダメージ。アランと潮岸は謎の力に押さえつけられてはいたがノーダメージ。対して亡本は五行から指弾による攻撃を受け、脇腹を弾丸が貫通してしまっている。数分後には死ぬ、などという出血量ではないが、しかし早めに処置をしなければ命が危ないことは間違いないだろう。
「……薬味クン、君なら軽く処置が出来るのではないかな」
「んー、いくら私が医療関係に太いパイプをもってるっていっても、私自身は別に医者でも何でもないんだけど」
「だが簡易的な治療くらいは出来るだろう?」
「んー」
 薬味は亡本の治療にそこまでの積極性と緊急性を感じなかった。別に亡本が死んでも構わないのだ。統括理事会メンバーが減れば、その分だけ利権が増える。だから亡本は死んでも構わない。いや、むしろ死んだ方がいい。
 その消極性を感じ取った亡本は、だから提案する。
「貸し1、ということでどうだね?」
「……一応伏せてたんだけど」
 そう言って、薬味は亡本に近づいた。
 亡本の生存と死亡。貸し1と増える利権。それらを天秤に乗せれば、わずかに亡本を生かす方に傾く。
「……問題は山積みだな」
「後2つに関してはどうしますか?」
「……超能力者予備集団セブンバックアップが人類絶対悪ビーストを確実に殺せるのならば、その議論は必要がなくなるのだがな」
「無理だろ。あいつらは所詮、超能力者レベル5の成り損ないだ。切り捨てられた枝ですらねぇ」
「……恋査を動かすーかな?」
「それは」
 別に油断していたわけではない。特に第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである6人は、苦罠と親船と貝積と潮岸と亡本と薬味の6人はきちんと警戒していた。
 木原五行の死。胴から首が分離した木原五行。首の落ちた木原五行。けれど、本当に木原五行が死んだのかはまだ判断がつかない。
 影武者だったのかもしれない。偽物だったのかもしれない。幻覚なのかもしれない。ホログラムを使っているかもしれない。他にも、他にも、他にも。様々な可能性が考えられた。
 だから、ちゃんと疑っていた。木原五行はまだ死んでいない――その可能性を、きちんと考慮していた。
 会話を続けながらも、警戒はしていた。
 けれど、しかし、それでも、だ。
 一瞬だった。
 確かに全員が目を離した。
 重傷を負った亡本に視線が注目した。
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:02:18.42 ID:cKUxJcBb0
こ・の・瞬・間・確・か・に・、木・原・五・行・を・観・測・し・た・人・間・は・1・人・も・い・な・か・っ・た・。
 
 故に、だった。
 
「んん〜、エキサイティング」
「「「「「「「「ッッッッッ!!!???」」」」」」」」
 木原五行は生き返えった。
 木原五行の生が観測されたから。
 木原五行の死が観測されなくなったから。
「流石の私も初体験だったなぁ。でもっ!理論は証明された。これで妾はまた1つ、近づいたってわけよ」
 それはまさしく悪夢であった。
「あの程度で、」
 最初に呟いたのはやはりというべきか、苦罠だった。
 予感はあった。予想は出来た。人類絶対悪ビースト。世界に対する、人類という種に対する脅威。
 4年前はもっとひどかった。
 あの時に比べたら、今回はまだましだ。
「あの程度で殺したとはもとより思っていなかったが、どんな手品だ?禁忌の木原、木原五行」
「あれ?あれあれ?あれあれあれ?」
 不思議そうに、本当に不思議そうに、まるで理解できない言葉を聞いたかのように、五行は思い切り首を傾げた。
 そして傾げた首をそのままに、統括理事会のメンバー8人を煽る。
「あれれ〜、みなさん、この私が何の研究をしているのか御存じない?」
「木原五行の、研究?」
「――――――まさか」
 最初に気付いたのはやはりというべきか、貝積だった。
 この場にいる統括理事会メンバー8人は、全員が全員大なり小なり木原一族と関わったことがある。しかしそれは結局の所浅い関わりだ。木原一族は学園都市統括理事会でも持て余すほどの闇。内に入れて飼おうとすれば蝕まれ破滅する。外から操ろうとしてもいつの間にか予想外の動きをされて破滅する。
 賢明な人間であれば木原一族とは積極的にかかわらない。利口な人間であれば木原一族を利用しようなどとは思わない。
 距離感が大事なのだ。
「まさか!?」
 踏み込んだ距離感で木原一族と接触しているのは、統括理事会メンバーでもわずかに3人。
 奈落奈波は日本という国を守護する立場であるが故に、科学そのものを体現した木原一族とそれなり以上の関わりを持つ必要があった。
 今この場にいない潔癖症の彼女は、世界の全てを手に入れるための前準備を行うために、木原一族と関わりを持つ必要があった。
 そして貝積継敏は能力開発分野に強い影響力を持つが故に、必然木原一族と関わることも多かった。
「馬鹿な、完成したとでも言うのか!?」
「ふっ、ふーん♪」
 貝積の気付きに連鎖するように、複数人も気づく。
 そして彼らが気付いたことに気付いた五行は、自慢げに、いや実際に自慢するために両手を大きく広げながら語る。
「不逃死痛カルタグラは失敗作だったけどさ。くうううううううううっ、完成したのさ!ついに!」
 自慢げに、
「長かった……、本当に長かった……。何度も挫けそうになった。時に心が折れそうになった。しかし!努力は実るのだ!それを信じてあたしは頑張った」
 誇るように、
「不死の研究、……この研究を完成させるために10年以上もかかってしまったのだよ。俺としたことが、時間を掛けすぎだ。全く、自分の無能ぶりが嫌になるね」
 笑いながら、
「でも完成した。だが創り上げた。完全なる不死。人類の夢の1つ。あひ、ふひゃ、ぎへへへへへ!!!!!」
 禁忌と呼ばれた木原は、
「本当にさぁ、頑張ったってわけよ。、色々色々研究して創り上げて。『イヴの心臓』も、『電脳生命体α』も『天への階段』も、『ドゥームズデイ』も、『キヤマー・ザナドゥ』も!ステップを重ねて、少しずる進み、…………僕は、至った」
 全能であるはずの少女は、
「これが、完成品」
 掲げる。
「これが、木原五行の集大成」
 右手を上げる。
「これがっ、人類が求めてやまなかった、夢」
 示すように、
「これこそがっ!完全なる不死を齎すっ、神域すら超えた逸品!!!!!」
 天に反逆するかのうように、
「王の遺産レガリアが一つッ、『彼岸の妙薬』トキジクノカク!」
 言った。
「『彼岸の妙薬』……」
「……トキジクノカク、ね」
 信じられない言葉を聞いたかのように、潮岸と薬味が呟いた。
 古代より完全なる不死というのは人が求めていた夢だ。それを求めた人間は数多く存在し、それをテーマにした物語も数多くある。
 始皇帝は不死を求めて水銀を飲んだ。
 かぐや姫は帝に不死の薬を渡した。
 他にも他にも他にも、その手の話は多々ある。
「確か、トキジクノカクは田道間守が常世国で手に入れた木の実だったね。食べれば不老不死となれるというトキジクノカクを求めて垂仁天皇は田道間守を常世国に遣わせたが、田道間守が垂仁天皇のもとに帰還した時には既に垂仁天皇は崩御していた。あれはそんな話だったか」
 亡本がトキジクノカクについて語る。トキジクノカクは古事記に記載されている話の中に出て来る木の実だ。科学で満ちた街で神話を語るのは滑稽でもあるが、学園都市の食糧事情の一切を管理している亡本は常に自身の食するモノについても気を使っている。その過程で、神話の食べ物の話の知識も得ている。
 そもそもネクターの元ネタだってギリシャ神話に登場する神々の飲み物、ネクタルなのだから。
「だから死ななかったとでも言うのかよ。それを飲んだから、死ななかったって?」
 這い蹲った姿勢から立ち上がったアランが五行を睨みつけながら言う。アランは4年前の人類絶対悪ビーストとの戦いを知らないが、人類絶対悪ビーストの異常さはもう十分わかっていた。
 木原五行はヤバい。
 ヤバすぎる。
 何よりヤバいのは五行のここまでの行動は、そのほとんど全てがダミーであろうということだ。
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:03:20.33 ID:cKUxJcBb0
「くひ」
 こたえる様に、五行が話す。
「皆はシュレディンガーの猫を知っているかな?」
「当然知っていーるさ。学園都市の超能力開発の基礎中の基礎ーだ」
「シュレディンガー氏曰く、箱の中の猫の状態が観測するまで決まっていないなんてありえないらしい。トキジクノカクを飲んだ人間は箱の中の猫になるんだって」
「…………どういうことだ?」
「個々のクオリアは個々によって違う。物体が存在するということは個人がその物体を認識しているということだ。例えば人物Aが金庫の中に金塊を入れて扉を閉めた。この瞬間人物Aに金塊を観測することは不可能になった。観測が不可能になったということは存在が確認できないということ。つまり金庫の中に金塊が存在するかどうかはその時点で不確かになったのだよ。不確か、つまりは金庫の中に金塊が存在しているのかしていないのかは分からなくなった。量子論で言う所の重ね合わせの状態っすね。金庫の中に金塊が『在る』状態と金庫の中に金塊が『無い』状態が同時に存在しているって話だっけ。コペンハーゲン解釈。エヴェレットの多世界解釈。量子論には様々な考え方があるけど、重ね合わせっていうのはやっぱ基礎だよね。そして私の出した結論はそれに観測者効果を加えた感じかなー。やっぱ見られているっていうのが量子論に与える影響は大きいんだよ。まぁ何が言いたいかっていうと、観測されなければそこには何もないって話。物体があるかないかっていうのは結局の所個人の主観の問題なのさ。意識を構成しているのが客観じゃなくて主観なんだから当然なんだろうけど、物体αがそこに在るっていうのを人物Aが確認したとしても人物Bがそれを確認できなかったとしたらそこに物体αがあるのかどうかは発言をきくだけの人物Cからしたら不確かになるだろう?僕の造った王の遺産レガリア、『彼岸の妙薬』トキジクノカクはそれを利用しているんだ。僕の存在を世界という名の、宇宙という名の客観――俺はこれを『絶対神の視点YHVH』と呼んでいるわけだが、その客観から外す。そもそも人間という生命体は個人でその存在を維持するのは無理なんだ。誰しもが必ず、そこにいるためには自分以外の要素が必要になる。その最たるものが『絶対神の視点YHVH』だけど、もう一回いうけど童のトキジクノカクはその視点を外す。脱出するっていってもいいかな。『絶対神の視点YHVH』から脱出して、自己の存在証明理論をもっと小さい主観の中に置く。要するに自己の存在証明理論を他人の意識の中に置くわけよ。ただこれが絶妙に難しくてね。他人がそこにいる、他人の意識がそこに在るっていうのを確認するためにどう考えても自己の存在が必要だ。だけど自己の存在を他人の証明に使えば自己の存在が第一前提条件として確立されてしまう。それは違う訳よ。結局の所それじゃ『絶対神の視点YHVH』からは脱出できていない。他人の意識に自己の存在証明理論を置くためには自己の存在が第一前提条件になるっていう矛盾。これを解決するために4年もかかったってわけ。まぁ別にね?不老不死を実現させるためだけなら方法なんていくらでもあるんだよ?もうなくなったけど、人形村とかまさにその極致だったし。後はあれ、700年くらい前にはアンブロシアとかもあてらしいじゃん?でもやっぱりそれは完全な不死じゃ、ない。不死性が高くなるってだけ。それに死にたいときに[ピーーー]ないとか自由度低すぎ。だからこそ、私はトキジクノカクを造った。他者の主観の中に自己の存在証明理論を置くことで完全なる不老不死を実現する、トキジクノカクを」



『彼岸の妙薬』トキジクノカク。効果のほどがわかりにくいと思いますが、不老不死の薬だってことを理解していれば問題ありません。

今月中にもう一回は更新します。
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/23(水) 18:28:14.61 ID:PROG70w00
>>227
男性1名女性4名という一方通行のハーレム状態ではあるものの、タグ付けされるイラストの傾向としては家族愛がメインのものが大半を占めており、「ほのぼの」、「イイハナシダナー」、「なにこれ幸せ」、「涙腺崩壊」などのタグが共に付けられる場合が多い。

記事を編集した奴が自分でタグを付けていそうだな
臭すぎて笑うしかないわ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 21:00:00.60 ID:UoseKICQ0
都合の悪いところには何一つツッコまず、どんなクズでも無条件に抱擁し、周りの目からも隠してニート擁護
なんとも陰キャ好みの家族愛()な事だな・・・
ターゲットが所詮ラノベ読者としても浅すぎるし浅ましすぎる
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 14:17:46.59 ID:+fb7CFd60
>>246
支部は一方厨の巣窟だからなァ
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 17:50:48.64 ID:0XORylJ40
>>248
未だに?
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 18:55:55.69 ID:uQJ6QkPc0
支部は運営がしっかりしてるから安全圏よ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 21:07:31.16 ID:u3iQaJw40
黄泉川や打ち止めのバカさ加減も、「最初は贖罪者を受け入れる場所を作ってそこから何かの発展性があるのだろう」とか高く見てた人もいただろうな
蓋を開けたら「ただの都合良い逃げ場所でした」というゲロみたいなスイーツ環境だっただけで

結局、贖罪という高尚なテーマどころか人間の気持ちや通すべき筋という最低限すらマトモに書けんラノベだったんだなあと最近思う
だったら初期のように上条ageだけしといた方がどれだけマシだったか
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/25(金) 18:55:05.82 ID:l8yornEL0
上条ageはまだ許せる範囲内
一方ageと浜面ageは気分悪い
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/25(金) 20:33:42.46 ID:IJFjPB1o0
>>252
>一方ageと浜面ageは気分悪い
気分悪いというか、それを描きたいなら説得力出せよって感じ
クズがちょっと気分変えたら全部許されヒーローヨイショ!という軽佻浮薄さはなろう小説にも劣る
浜面周りに人気の無さと一方スピンオフのゴミ評価見て分からないから公式もただのアホだな
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 11:42:00.45 ID:uhLZ63eL0
>>253
許されると言うか周囲のキャラが異様に肯定するんだよね
それが何と言うか非常に気持ち悪くてモヤモヤする
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/26(土) 20:37:03.98 ID:g4McodUb0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ

 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。


今や勢いのない禁書の最新刊まで読んで書いてくれてる二次創作!!!!!!!!!
オリキャラがメタ視点で読者や禁書を蹂躙するけど読者の愛と評価がなければ真実にたどり着けない物語らしいから読んで評価つけてください!!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 21:19:25.52 ID:sEupOIrc0
>>254
それな
クズ上がりの周りには都合のいい事言うヤツと都合のいい事しか起きない
図星や言われて当然のこと言うのはいつもゲスな敵キャラの役目で、「ソイツを倒す=こっちが正しい」という形に転嫁してるのが姑息すぎる

上里もにたようなモンだったな
魔神が悪いンダー→ハーレムが悪いンダー→唯一が悪いンダーと転嫁する対象を変え続けただけ
アレイスター擁護も魔神、コロンゾン、黄金、アンナとどんどん矛先逸らしただけで一切何の償いもしてないというのが本質
鎌池って性格が拗くれてるけど、「自分がこうなのは周りのせい」って思考がそもそも根本にあるのかもね
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 00:02:13.84 ID:fIZmIES00
原作売れなくなったのも周りのせいアニメのせい〜
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 00:02:54.03 ID:fIZmIES00
原作売れなくなったのも周りのせいアニメのせい〜てか?
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 09:50:05.97 ID:XxGXa1hZ0
何かのせいにして遊べるのは今だけなんだ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 21:40:18.83 ID:Enfh7DmQ0
アニメがコケたのは時期が遅かったせい!制作会社のせい!買わない視聴者のせい!とか思ってんのかね
クソつまんねえ特典SSしかヒリ出せんくせに寝ぼけんなって感じだが
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 03:34:34.23 ID:DA09mloB0
>>256
実に的確だ
その通りなんだよ
一方通行、浜面、上里、どいつもこいつもワンパターン過ぎて誤魔化せなくなって来ている
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/28(月) 17:40:26.82 ID:sALvTbi40
PCからは見れるのにスマホからは5chが見れない
一体どうなってしまったんだ?

>>256
クズ共の悪行を有耶無耶にする為に更に格上のレベルの高いクズを出す
結局それの繰り返しだからな
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 19:05:55.78 ID:e4oDfV170
このまま揺れていたいや
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/28(月) 23:16:09.17 ID:XKLmy6u90
>>262
一方外伝もひっどいモンだったな
DAとか菱形とかにやっすい悪役の言動取らせて「ホラホラ下衆だよ〜こんなに悪いヤツだよ〜」アピールからの「それを舌打ちしながらクールに蹴散らす一方さんドヤァ」というインスタント懲悪ショー
なろう小説だってもう少しは工夫するわ
一方ageしようと思ったらこんな粗品出すしかないと逆に証明したようなもの
情けなさすぎる
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 11:40:05.88 ID:mmK1FRs30
同じ糞野郎でも木原数多とかは嫌いじゃないわ
徹底して悪役路線を貫いてるキャラの潔いこと
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 12:51:41.53 ID:y8o7hkEp0
>>264
結局ただのプロレスなんだよな
悪党共の周辺のバトルは特に
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:39:04.27 ID:j0EHZo1q0
むしろ木原〜垣根がピークで、あとは劣化し続けただけだな
まあいちいち因縁作るのも一方通行の能力攻略するのも一苦労なんだろうけど、その2者で使い果たした感すらある
・・・いや、木原神拳の段階で能力攻略に関しては怪しいものがあったかww
ちょっと頭のいい小学生でも鼻で笑いそうなアホ理論だったし
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 14:21:23.92 ID:ySlg8oOp0
ご都合主義、主人公補正と言えば上条さんが槍玉に挙げられている印象あるけど明らかに上条さんより一方通行と浜面の方が酷いと思うわ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/30(水) 17:40:05.80 ID:3CR0EJBC0
一方厨は上条さんに矛先を逸らしたいから矢鱈と上条さんをご都合主義だの主人公補正だのと揶揄する
なお一方通行の事を指摘されると猛発狂する模様
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:32:11.95 ID:tU/RsBiX0
>>268
上条も新約の中盤からは散々な目に遭ってるからあまりご都合主義とか言われなくなったな
一方や浜面には(上里やアレイスターもか)相変わらず都合の良い展開しか起きないが
一方が棚ボタで学園都市理事長になって、相も変わらず人からもらったモン振りかざして調子乗ってる姿にはもはや草すら生えんわ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 09:55:40.85 ID:nQ8tGh+B0
上条さんの場合は困っている女の子を身体を張って助けた結果フラグとかが立つからまだ許せるんだよ
一方通行と浜面の場合は大した事をしてない内から過程も無く女共とフラグが立ってしかもその女共は後ろ暗い過去があるあいつ等を常に全面フォローするから見ていて気分悪い
小悪党共には都合よく全てを肯定してくれるヒロインが与えられる世界
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 21:05:20.72 ID:3soj2AI90
それな
まあ浜面も体張ってるからそういう意味では上条に近いが、ガチ無能力なのに禁書の前線で大したケガもなく事態切り抜けるのが茶番劇すぎる
あれこそ主人公補正の極みだろ。アホくせえ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 18:05:05.71 ID:4Rp3eUUE0
>>272
麦野を自力で撃ち破った所だけは評価したい
それ以降はgdgdだが
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/01(金) 21:27:20.90 ID:pNR7GBaR0
>>273
そこは方々でさんざん言われてるな
浜面は暗部編「だけ」なら良かった
あれだけならレベル5をジャイアントキリングしたのもエンタメ性として評価されたしほとんど嫌われなかっただろう
その後もぬけぬけと本筋に図々しく居座ったのが駄目
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:21:51.66 ID:+RKqT4oZ0
一方通行といい浜面といい主人公にしたら絶対に駄目なタイプのキャラだよな
その手のキャラは主人公にする事で逆にキャラにもストーリーにも粗が目立ってしまう
あくまで一歩退いた立ち位置に添えておけばまだ誤魔化せただろうに
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/11/02(土) 09:52:52.91 ID:vGhv1v6G0
一方通行も浜面も垣根も上里も心底どうでもいいから土御門とかステイルとか建宮とか魔術サイドの野郎共の物語を掘り下げて欲しい
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 11:21:19.59 ID:hWecVahm0
だよな
特にステイルにはもう少し光が当たってもいいと思う
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/02(土) 14:03:18.51 ID:RviJVRP+0
懲りないなお前ら
なまじ光が当たると幻滅ポイント加算されて株が落ちるだけなのに
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 22:31:10.82 ID:5kOTAh1C0
>>275
つーか3主人公という看板立てながら、それまでと変わらず推しキャラage&旧キャラ粗末にし続けたのもクソ
トールだの上里だのどころか、フレメアだの加納だのというその場で発奮しただけのゴミみたいなキャラまで単巻で見れば主人公的な扱いとかね
もう「群像劇」じゃなく、単なる「有象無象」にまで話の格落としてるって作者が一番気づいてなさそう
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:48:45.73 ID:u5iMrcfk0
お願いだから本編の主人公は上条さんだけにして欲しい
上条さん一本に集中してくれ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:50:01.83 ID:cgsiVHR+o
上条「主役じゃなくていいからもう休ませて・・・これ以上学校休んだら留年しちゃう」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:56:50.47 ID:u5iMrcfk0
>>281
学園での上条さんをもっと見たいんだよ
クラスの仲間達と馬鹿やってる所が見たい
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 21:56:25.78 ID:up2jbAcg0
最近は上条さんですら微妙だからなあ
アレイスター擁護おっ始めた時は正直なんだコイツと思った
上条のキャラ的にアレイスターを責め立てるのもちょっと違うだろうけど、全力擁護はさすがにバカくせえわ

一方通行がアレイスターに復讐狙うのも逆の意味でなんだコイツだったが
テメエの場合は逆恨みスンナって話で。自分の意志で実験に乗っかったくせに被害者ヅラとか厚顔無恥の極み
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 08:34:34.05 ID:yiIYd7nC0
一方通行はもう何やってもイタイ
上条さんは自分の周囲の人だけを大事にしていて欲しい
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/04(月) 11:32:34.03 ID:08keMlfT0
周囲の人しか大事じゃないなんてキャラになって欲しいのかよ…
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 11:37:11.50 ID:ryYjMUJUo
上条さんは例え今日あったばかりのおっさんを守るためでも世界中の全てを敵に回せるって性格でしょうよ
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 19:14:41.53 ID:mPKaQaYsO
>>277
ステイルも元拗らせ組だから、ヘタに持ち上げられたら絶対批判来るだろ
建宮とか土御門とか比較的瑕疵が少ないやつはギリいけるかもだけど
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 21:29:32.37 ID:CY0Smvxr0
>>276
魔術サイドと言っても、所詮は動機が「妹のためー」「インデックスのためー」でしかないからな
打ち止めや滝壺をダシにしてヒーローごっこやってる汚れどものパッケージ張り替えただけの品にしかならんだろ
建宮はもうちょっとマシな筋立てができるかもしれんが、そもそも人気も需要もない奴だし(無慈悲)

あとぶっちゃけ、魔術サイドの事情を今更掘り下げたところで、読者の97%くらいは「あっそ」にしかならないでしょ
基本的に、特定のキャラはともかく魔術サイド自体は最初から人気ないんだから
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 12:14:00.64 ID:UP3PbycD0
一方通行は大した事をせず黄泉川家で家族ゴッコをしている内に学園都市の統括理事長に
浜面もまた大した事をしていない内にアイテムの女共を囲い安っぽいハーレムを構築
どうして鎌池は上条さんにばかり試練を与え酷な仕打ちを繰り返す?嫌いなのか?
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 13:04:25.77 ID:horkGzC5o
好きな人ほどいじめたくなるっていうじゃない
つまり愛するが故だぞ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 21:07:43.56 ID:bWPlzOwH0
>>289
上条がそこまで血反吐吐いて過酷な試練に直面してるかたわらでヒロインのインデックスは感謝のカケラもない糞ニートライフを平然と享受してるからなあ
一方通行に媚び売るだけの簡単なお仕事職人に堕ち果てた打ち止めも、もはや無邪気じゃなくて単なる白○にしか見えないし
鎌池ってマジでどこかおかしいんじゃないかと思う
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 08:40:28.67 ID:qF/ZZ2OA0
穀潰し糞ヒロインのインデックソさんなんかに上条さんを取られたくない
美琴が可哀想だ
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/06(水) 17:48:30.26 ID:qeqF3dxG0
分かるよ
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 21:31:32.61 ID:1eauX95G0
誰がヒロインかって話自体はどうでもいいんだけどね
扱いの差が酷すぎて、インさんは「コイツは応援したくねえなあ」の域
美琴じゃなくても五和や食蜂でもいいわくらいな感覚

昔あった東京アンダーグラウンドって漫画も、最初は守られいい子ちゃんヒロインをメインに据えたんだけど、全然何もしないソイツよりも一緒に冒険する活発な子の方がほとんどヒロインやってたというパターンだったし、あれに近いかも
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 22:00:08.28 ID:DD8flUoj0
言いたい事は分かるぞ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 00:19:53.77 ID:MN5Zr5pl0
>>293
>>295
何が分かるっつーんだよwwwwwwwwww
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 18:08:56.43 ID:BC+1q2j+0
考えるな
感じろ
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 19:41:35.67 ID:Tqg/JYxm0
インデックスの問題点って、突き詰めるとあの無神経さだと思う
神裂やステイルに対してノーリアクション
前条に対してもノーリアクション
ただただ与えられた物に胡座かいてヘラヘラしてるだけ
美琴好きは分かる。五和好きも分かる。オティヌス好きも分かる。食蜂好きも分かる
インデックス好きは分からん。好きって言ってる人ってどこが好きなのか真面目に答えられる奴いるのか
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 00:02:50.15 ID:IjF6cNiX0
ただの禁書アンチスレになってて草
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 00:04:58.34 ID:YQcZagZMO
穀潰しとかインなんとかとか馬鹿にし腐ってたゴミアニメの制作レベルのこと言うのはやめて欲しい…
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/08(金) 12:24:12.88 ID:mIQWWRqj0
>>299
どうか誤解しないで欲しい
最近は特に不満な点が多いだけで元々は大好きなんだよ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 17:41:52.00 ID:Eo/WXxfT0
つーか禁書って「不満点もいつかは解消される」と期待したり待ってたモノが、投げっぱなしだったり余計酷くなったりするだけとバレて読者に見限られた感あるわ
短所が長所を上回ったんだよ結局
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 23:52:56.95 ID:lS8nxhLiO
アンチじゃないなってレスもあるけど元から好きでもなんでもねえってレスも多いからなんとも言えないかな…
アンチみたいなレスは口調とか使ってるも酷すぎてわざとアンチってキチガイって思わせたいのかなって
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/11/09(土) 05:33:43.77 ID:dERSHAOk0
とあるシリーズは具体的にどのキャラクターを好きになるかで見え方が変わって来ると思うのよ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 16:33:27.79 ID:tib2N1lU0
>>304
うん。SS見ればお察しだね
どういうキャラを好きになる奴がどういう思考回路してるのか、ある意味率直に描かれてるわけだし
具体的には一方SSとかを悪い意味でお勧めする
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 19:08:37.51 ID:dERSHAOk0
>>305
ああ、うん……
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 19:14:53.24 ID:3vwvVNQdO
なんでも一方一方って一方大好きかよ
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 10:58:55.92 ID:VqSpPDn60
嫌われているからこそ槍玉に挙げられるんだぞ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 18:39:16.32 ID:ud2fw77V0
皮肉が通じていないようで
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 18:50:05.88 ID:VqSpPDn60
皮肉への最上級のカウンターは通じていないフリをする事だ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 20:15:10.06 ID:ESwLYS+j0
フリしてる事バラしたらあんまり意味なくね?
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 21:21:29.16 ID:DHflkOtH0
まあ一方厨や一方SSは話の締めや槍玉に最適だからねー
あんなキチ○イじみた文章をわざわざ残して記録として残すとか、今となっては1周回ってマゾなんじゃないかとすら思うわ
いつかすっかり禁書熱なんか冷めてから自分の書いたあの内容を思い返してどう感じるのやら
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 21:31:49.49 ID:ESwLYS+j0
過去の行いを恥じれるような真人間になってりゃいいんだけど、その手の輩って作品とキャラ変えて同じもの書き続けるイメージが強いんだよな
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 22:32:41.75 ID:wzgv6QL10
ここのスレ民は一方通行大好きだから隙あらば一方通行のことを話したがるんだよ
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 09:06:06.78 ID:g6L25sqR0
一方通行は別に嫌いではない(好きでもないが)
一方通行の信者が糞ばっかりで腹立つ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 09:28:52.41 ID:IiF7zv+H0
わかる
あと一方好きだったけど新約三巻の例の発言で嫌いになった人も多そうやね
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/11(月) 13:51:51.61 ID:nS2ftXLr0
もともと大嫌いだった
あんなのが何故に持て囃されているのか本気で理解する事が出来なかった
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 15:33:04.66 ID:L/xIvCnz0
容姿が整っていて能力がオサレなら過去にどれ程の前科があろうとも馬鹿が勝手に持ち上げてくれる
結構な事だ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 19:02:45.26 ID:lJ2LgFMt0
sagaの人とか元々一方嫌いなのに一方SSわりと読んでいるのが不思議だった
ほとんど苦行では…
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 22:38:33.77 ID:MiiBQG/n0
>>316
一方通行がなんとなく好き、程度のファンは「お前も加害者」に引いてたな
「一方さん、さすがにそれは無いよ・・・」的なリアクション多かった
「一方さんは過去にやらかしちゃったけど、今は反省して学園都市に対抗してる」とまあ表面的な部分で信じてた層だな

ガチの一方信者は「ホラ見ろ! 一方さんが謝る必要なんて無かったんダ!! 御坂も加害者ァ!!!」とどっかの半島人レベルの地金を晒してたが
御坂の「償うのは当たり前」「お前にだけは言われたくない」という冷めた対応は見えない振りする部分も含めてな
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 14:41:14.89 ID:8psezfiZ0
一方厨って上条さんへのコンプ半端ないよな
そんなに羨ましいのかね
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 15:41:59.44 ID:Jpi0EBuQ0
当然羨ましいんだろう
あと美琴もね
妹達編で単なる悪役として消費された屈辱(笑)がキャラの前提にあるから、常に歪んだ劣等感を根底に持ってる
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 18:00:11.79 ID:8psezfiZ0
>>322
例の実験で一番悪いのは一方さんではなく美琴!一方さんは上条よりもモテモテで人気者!こういう思考の奴ばっかりだから本気で辟易
指摘すると猛発狂するし
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 21:32:20.43 ID:3z9xkyMDO
そんな読解力皆無のキチガイは流石に見たことないわ
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 10:48:12.84 ID:jJo294W+0
悲しい事に一方通行の信者はそんな基地外ばっかりだぞ
だから周りはさんざん迷惑な思いをさせられて来たんじゃないか
二次SSの設定をソースに一方マンセーをしている連中しかいないから話が通じない
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 20:22:26.36 ID:m0kMYITMO
そんな奴らももういなくなったんだがな…
居なくなったら寂しい…
なんてことは無いわ普通に嬉しいわ
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 20:25:57.30 ID:XpTrqFBT0
>>324
一方SS書いてる奴&読んでる奴にはわんさかいるんだよなあ、そいうの
嘘だと思うなら過去ログから漁ってみ?
さすがにスレタイまでは思い出せんが、探せば割とすぐ見つかると思うよ
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 22:04:53.77 ID:nxIxcZd60
今は一方厨どころか禁書ファンすらあんまり見ないし今現在の一方厨がどうこう言ってる人はもう一方厨愛好家とかの域だわ
不快なものをわざわざ探し出してスレで教えてくれるとかむしろ尊敬する
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 00:43:33.72 ID:9YxcPJnq0
糞一方厨共の黒歴史を穿り返してやってるだけだ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 00:53:44.78 ID:r25MReqI0
不快のお裾分けとかしなくていいから…(良心)
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/14(木) 01:03:20.58 ID:oW5IvwoN0
おすそ分けワラタ
不快を共有するのが快感って部分はあるね
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 10:21:26.26 ID:H/yUaoBaO
まともなSSはないの?
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 15:02:12.81 ID:gWEPuzsr0
http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/anichara2/1558063805/
アニメキャラ板のスレに書き込もうとすると何故か「このスレッドには書き込めません。」って出て来て規制されるんだけど
まだ1000まで到達してないしNGワードも書き込んでないのに何故だ
誰か何か分からないか?
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 15:15:30.63 ID:gWEPuzsr0
http://agree.5ch.net/test/read.cgi/operate/1553558098/
然るべき所で聞くべきだった
失礼した
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/14(木) 22:30:34.65 ID:r25MReqI0
>>332
まともなSSもまともじゃないSSも今はない
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 22:46:11.66 ID:Fvk+YQas0
>>328
わざわざ探し出してスレで教えてる人なんていないんだけど、何ひとり相撲してるの?

あ、もしかして過去にイタい書き込みして掘り起こされたら顔真っ赤な一方厨の人?
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/15(金) 01:30:32.18 ID:qcImumbq0
少なくとも俺は一方厨見つけたらこのスレで悪行を報告してやってるわ
一方厨どもが新約で魔神レベル!最強とかイキってる癖にアニメにはノータッチなのが爆笑ものだった
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/15(金) 08:21:45.89 ID:CPPYpklY0
アニメ禁書3期で一方通行がロシアで上条さんに二度目の敗北を喫した時の一方厨の反応が気になる
発狂してた?
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/15(金) 11:19:44.91 ID:2Xx7TuSNO
そんなんで発狂する奴は真面目にもういないよ
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/15(金) 13:55:05.78 ID:5GfTx8rf0
>>333
マジだ
いきなり規制された
どうなっているんだ?
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/15(金) 15:21:21.44 ID:JvC4Qpjj0
>>338
そりゃあもういつもながら見苦しく発狂していた
新約で更に三連敗する事を教えてやったらブッ壊れた
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/15(金) 18:14:43.83 ID:12/4OaSZ0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ

 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。


糞通行をオリキャラ様が改造して[ピーーー]からみんな見ろよ見ろよ
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/15(金) 18:15:47.45 ID:12/4OaSZ0
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ

 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。


糞通行をオリキャラ様が魔神に改造して殺 すからみんな見ろよ見ろよ
評価10もよろしく頼むね
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/16(土) 00:10:55.98 ID:p4WhJD520
>>341
魔改造と美化がデフォの二次SSの設定を本気で信じ込んでいる連中に現実は優しくなかったな
まぁいい薬だろう
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/16(土) 01:17:41.53 ID:cSkelAwv0
>>341
本当に実在してんのか?そんな一方厨
そこまで追うくらいなら原作読まない訳無いだろ
アニメ2期の時に教えて発狂なら分かるけど
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/16(土) 16:40:51.05 ID:S91ynWrB0
せっかくアニメ化までされた一方スピンオフ(笑)にノーリアクションな時点でお察しだと言いたいが、
売り上げ2000という目も当てられない爆死に「あの出来でこの売り上げなら立派だ!(キリッ」とか妄言発してたアイタタタな人が確実にいたという事実は揺らがんしなあ
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/16(土) 18:23:10.11 ID:2FvGs/YkO
いやでも、マジで2000売れたならむしろまだそんなに根強いファンがそんなにいるんだと驚きだな
特典小説目当て説もあるか?
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/16(土) 19:51:59.84 ID:b70DSAE5O
俺は特典目当てで買ったよ
アニメはゴミだけど前条さんの話とか気になりすぎるし
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/16(土) 21:14:03.40 ID:e/yhvBjv0
上条さんの過去編だっけどうだった?有益な情報も流してくれ
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 21:12:42.22 ID:Tx6OAjYg0
>>347
【とある】のネームバリューを借り、大人気キャラ(爆)のスピンオフで2000はゴミすぎるわ
むしろ鎌池のメディア化黒歴史の【HO】の仲間だな、これは

連載始まった時に本スレに乗り込んで「一方さんのスピンオフは【とある】版のFate/zeroになる!」とか豪語してた一方厨は息してるのかね
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 23:21:19.70 ID:jnX50Qj10
やっぱり上条さんがナンバーワン!やっぱり上条さんがナンバーワン!
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 23:37:46.22 ID:LcsShA64O
>>350
アニメのクオリティーがごみだったとはいえ、俺は思わないがあんだけ3期のパートは面白いと謳われてた本編が特典つけてでも4000いってないんだぞ
もはやとあるにネームバリューなんてないんだよ
だから一方スピンオフなんざ冗談抜きで三桁前半だと思ってたから、むしろマジで健闘したとしか思えないレベル
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/18(月) 10:33:33.81 ID:7jw2TMgi0
一方厨のふざけた幻想は悉くそげぶされてしまったな
これで流石に連中も少しは目が覚めただろうよ
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/18(月) 14:24:48.46 ID:Z6M7kK2k0
人は信じたい情報しか信じないのである!
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/18(月) 21:19:48.61 ID:DkVTCsEw0
>>352

むしろ「ゴミでも4000売れた本編の直後で」、「クオリティも悪くなく」、「1クールと敷居の低さ」で「特典までつけて」2000まで一気に半減したの?
それで健闘したー()とか黄泉川家並みの現実見なさだなオイww
本当に一方通行って人気あるのかね
まあネットで声だけデカい系の層が執心しやすいキャラと思うと色々納得ではあるが
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/18(月) 21:50:24.97 ID:89towaWl0
クオリティはフツーに低かったぞ見る価値ないレベルに
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/18(月) 23:31:30.25 ID:icoOwWOIO
>>355
悪いが、俺は一方外伝はアニメどころか原作すら見てない
ただ、恐ろしいほど詰まらんというのは知ってる
アニメのクオリティーも本編よりは良かったらしいが、まあ特別高いとも聞かなかった
1クールだから円盤少なくてその分購入の敷居は下がらんでもないが、同時に内容も薄くなるわけで
本編だって特典つけてなかったら半減以上もあり得たし
>>352でも言ってるが、俺は一方外伝は三桁前半だと思ってたから健闘したなと思っただけ
むしろ2000で爆死したと思ってるって、それこそある意味一方外伝を過大評価してるんじゃないのか?
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/19(火) 01:06:21.07 ID:HVkru8390
とりあえず何があろうとも一方と一方厨を煽りたいだけのカスだから気にすんな
どうして普通に語るだけで一方厨達を馬鹿にすることになるのにアホみたいな煽りして叩いてる方がおかしいと思われるような言動をするのか理解に苦しむ
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/19(火) 16:26:25.76 ID:2lbWec2zO
一方を執拗に叩いてるのは実は一方厨だった…?
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/19(火) 19:06:06.50 ID:nMhvm4qU0
まぁ仰る通り一方通行と言うキャラクターも、そいつを狂信的に持ち上げる一方厨も心の底から大嫌いだわ
さんざん嫌な思いをさせられたもん
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/19(火) 20:09:06.67 ID:nukFbk0ZO
1年投稿しなかったら設定出すとか行ってたやつが消したよはーつまんね
読者をメタキャラで煽ってこの結末か
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/19(火) 23:15:51.13 ID:/fUk8PeW0
一方外伝は今の章終わったら恐らく打ち切りだろ
アストラルもソシャゲも何ともビミョーだし、電撃の中では鎌池は実質出涸らし扱いだろうなあ
アニレー3期終わったらいよいよとあるシリーズも畳みに入りそう
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/19(火) 23:44:39.63 ID:S+TSyAL6O
アストラルは話自体は微妙だけど設定とか回収してくれるし好き
削板とかこれ出なけりゃまたずっと放置だったろうし
しかし鎌池が今更心理定規の名前出すとはな…
絶対存在自体忘れてると思ってた
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/20(水) 09:30:50.86 ID:qBjMlWum0
>>362
一方害伝はとっとと打ち切って欲しい
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/20(水) 21:13:13.57 ID:RS8yLOQf0
>>363
アストラルの問題点は、とりもなおさず帆風なんていうモブを主人公にした構造
ぶっちゃけ帆風ageなんかしてとある読者の何%が得すんの?って感じだし
話自体はそう悪くないけど、読んでる方の食いつきは悪いわな
遠回しに食蜂人気を補強しようとしたのかもしれんが、超電磁砲の二番煎じや残りカス感強くてどうにも
もう5年くらい早く始めれば良かったのに今更やるようなストーリーでもなかった

心理定規も、垣根外伝やったから設定墓場から掘り返しただけでしょ。露骨に
つーか垣根外伝自体、粗末に扱ったキャラでも用があればぬけぬけと持ち上げてくる感じが好きになれんが
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/20(水) 23:47:10.37 ID:64E1LZ+d0
コンテンツの寿命なんだよ。でも別にそれで良くね
十分稼いだろうし。既に読んでる方も惰性だし
後はゆるやかに氏んでくのを見届けるだけだよ
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/21(木) 02:08:54.54 ID:tHPgZeLu0
やっぱりコンテンツが衰えてきたのもあるけど人気絶頂の時にバンバン推し出さずに適当にやったのが悪いわ
電撃上層部か三木知らんけど
SAOはあれゲームとかで定期的にやってきたから今まで人気が続いてるわけで今更たくさんやっても五年くらい遅い
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/21(木) 10:55:05.93 ID:n2VJyueo0
アストラル・バディは漫画としては全く面白くないけど単行本の描き下ろしで上条さんとみさきちの過去の描写を加筆してくれた点だけは高く評価したい。
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/21(木) 17:48:46.13 ID:NoDP4bHU0
遂に解禁された
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/21(木) 19:12:01.05 ID:MZuQvAvg0
>>368
それは同感だな
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/21(木) 20:38:48.37 ID:5YBwaEHp0
超電磁砲の2匹目のドジョウ狙って粗製乱造したのが失策だったわ
一方外伝にしろアストラルにしろ、「内容が粗末でも読者は食いつくだろう」「数打ちゃ当たるだろう」という傲りが透けて見える
別作品やゲームとのクソ寒いコラボとか、何層狙ったのか迷子の偶像なんてもうマトモに内容思い出せるヤツおらんだろ
言っちゃなんだが、もともと鎌池って純粋な内容で勝負できるような作家じゃないんだよ
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/21(木) 23:00:00.14 ID:qVwCQ/qEO
ただのアンチならアンチスレでやってね
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/22(金) 01:16:38.70 ID:HdL7386r0
ただのアンチじゃないからアンチスレでやらないわ
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/22(金) 14:44:25.10 ID:6c3ZIrjxO
自覚無いとか末期だな…可哀想
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/22(金) 19:40:06.62 ID:HdL7386r0
自覚してやってるから正気だぞ
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/22(金) 21:15:44.58 ID:mhDm30/10
気持ち悪い
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/23(土) 01:45:05.87 ID:UTHTZVGy0
分かるわ
一方厨って気持ち悪いよな
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/23(土) 15:06:33.26 ID:5KlwjehLO
もう病気だろこれ
頭の中が常に一方と一方厨の事で埋め尽くされてるんだろうなあ
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/23(土) 16:45:30.65 ID:kV6q/GgF0
つーか、これだけガッタガタに人気と売り上げ落としてるのにアストラルだの垣根外伝だのソシャゲだの悪手打ち続けてるのに指摘したら「アンチダー」しか言えないヤツも病気だろ
現実見ろバカとしか言い様がない
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/24(日) 00:43:39.02 ID:miK3E1/g0
気持ち悪い
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 02:30:36.82 ID:Z7a6KJJW0
糞通行害伝アニメの円盤の売り上げはどうよ?とあるシリーズのコンテンツに泥を塗るような結果じゃないだろうな?
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 10:26:42.13 ID:BSbRM2Oz0
本当に同じようなことしか言わねえな
数人はいるのかと思ってたけどマジで一人でやってたのか
気持ち悪い
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 11:07:00.22 ID:xOrYU4Pco
禁書熱が上がってくる度にいいSS来てないかなーって覗きに来るけど
数年間ずっと一方アンチというか作品アンチスレになってる気がするんだが
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 14:23:13.16 ID:6x8BxlsPO
粘着アンチが常駐してるからね
あと単純に新しいSSが無い…
多分ハーメルンとかpixiv漁った方がマシ
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 14:28:35.95 ID:84CqLfSto
ss見るといつも「時系列はどの辺りなのか」「上条さんのスケジュールに空きはあるのか」って思ってしまう
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 15:50:05.77 ID:xolFgk2w0
人気絶頂期に大暴れしてヘイト集めてた一方厨が悪い
まぁピークが過ぎてしまえば静かなもんだな
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 15:50:46.26 ID:xolFgk2w0
人気絶頂期に大暴れしてヘイト集めてた一方厨が悪い
まぁピークが過ぎてしまえば静かなもんだな
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 16:50:37.20 ID:miK3E1/g0
今はお前が暴れてゲンナリされてる訳なんだが
一方厨の愚行は分かるくせに何故自分の愚行は分からないの?
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 20:29:45.47 ID:k6HJkK8/O
禁書関係なくSS速報自体も衰退しすぎたからな
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 22:10:22.72 ID:glJbOrxn0
>>383
じゃあ逆に、ここ最近の原作や外伝で褒めるところって何処よ

>>384
ハーメルンは微妙じゃね
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 00:04:34.59 ID:GQ+OQGO/0
俺は新約最終巻はフツーに面白かったがな。途中が
つまらんかったが最後は及第点
続きも出れば読むぞ
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 00:56:50.96 ID:6kNRgOnL0
そう言えば俺ガイルって完結していたんだな
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 13:17:01.58 ID:yDXbaTRF0
個人的には瞬間最大風速は新約の方が高いと思う
アベレージは低いけど
そして盛り上がった直後にクソ巻出してくるから印象悪い
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 20:16:10.72 ID:MrszNPun0
まだまだ禁書は終わらねえぜ!ヒャッハー!
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 21:32:17.29 ID:hsib2BCO0
新章でどこまで読者に切られてるか考えると怖いものがある
速筆だけが取り柄なのに、この落ち目で数ヶ月も空けるとか自滅行為だと思うがなあ
読者に冷静になる時間を与えちゃアカンだろ、禁書は
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/26(火) 12:08:36.74 ID:pE+meDm+0
鎌池……頼むよ……
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/26(火) 20:52:56.98 ID:Jq0mDKAf0
最後に超電磁砲アニメ持ってきたからファンを引き留められると思ってんだろうなあ
いやまあ、あのゴミみたいな3期とザコみたいな一方アニメよりは多少なりとも引き留められるだろうけど、そもそもゴミとザコの2連発で客離れさせてるんだっつーの
もうアニレー一つでどうにかなる流れじゃない

つか、御坂も食蜂も原作の扱い良くないのに、困った時だけ姑息にキャラ人気使おうとしてもむしろ不快感なだけじゃね
古い読者ほど垣根の人気高いのに、垣根外伝にノーリアクションなのでファンの白けた目線が分かりそうなもんだが
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/27(水) 02:58:24.95 ID:qPFi2BjV0
食蜂は扱いいいだろ
御坂はやっとちゃんと焦点当たるかと思ったら結局一人だけ事情大して把握してない恋愛脳に逆戻りしてるけど
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/27(水) 12:28:56.80 ID:E9L7LiTw0
美琴と当麻と操祈で三角関係して欲しい
インデックソさんはポイーで
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/27(水) 14:28:03.05 ID:Jw/2uFx7O
そんなの上条さんじゃねえわ
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/27(水) 22:39:33.48 ID:vjwuPsG80
>>398
いや、周りのこと見えてないのも恋愛脳も地雷女も食蜂の方だろ
最終巻見る限りどう見ても
まあ見ようによっては、ヒロイン役からは解放されて一皮むけたとも取れなくもないけど
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/27(水) 23:02:31.35 ID:k5FO4IzaO
そこら辺含めてちゃんキャラとして掘り下げられてるからね食蜂の方は
美琴の方はAAAとか闇堕ちとかでようやくちゃんと掘り下げ来るのかと思ったら三木に止められたんか知らんがいつも通りの出番だけあるのにフワッフワなことしかさせてもらえないまま
浅く掘り下げは何度もするけどキャラとして深掘りは無し
人気はあるけどここまでくると不幸だなって感じになってきてるよ…みこっちゃん…
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/28(木) 00:10:06.24 ID:5PybFt/Y0
美琴の恋が成就しますように
お願いだから振り向いてあげて上条さん
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/28(木) 00:12:46.61 ID:GweCOmUAo
カミやんはどうせ彼女ができる前に死ぬよ
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/28(木) 00:14:00.70 ID:5PybFt/Y0
>>404
そんなん一番ざけんなだわ!!
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/28(木) 01:11:19.93 ID:/ZSoz7eP0
>>404
上条さんは死なせてもらえるか怪しいんだよなあ…
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/28(木) 17:38:26.96 ID:Z/mFdIU80
一方通行と浜面は死ね
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/28(木) 22:54:16.78 ID:7xoHGpjZ0
>>402
ただの言いがかりにしか見えんな

>>404
上条さんは死なないぞ
ただ一生高校を卒業できないだけだ
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/28(木) 23:55:30.73 ID:XBZ5vdnCO
まあ御坂闇落ちフラグは何だったのか感はあるよな
サロメとの接触に唯一との戦いを終えた後のサロメの見解、その後の御坂の様子は確かにおかしかくていかにもフラグぽかったが、
そもそもAAAを手に取った瞬間はまさに上条が殺されかけて、当時の自分では敵わないと思いみてやむを得ずAAAに手を出した感じだからその部分だけは闇落ち感なかったし
あの辺なにしたかったのかまちー感はある
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/29(金) 00:26:36.60 ID:qnZBsnas0
一回闇堕ちしてからそげぶされた方がヒロイン度跳ね上がってた気がする
危うさ自体はずっとあるし
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/29(金) 21:35:56.00 ID:rLMTnO1h0
>>409
その辺に限らず、禁書は何したかったのかまちー感はしょっちゅうあるからなあ
つか、AAAに関してはまだ終わってないから先の展開はあるんじゃないの
そもそも「魔術要素あるメカを使えるようになった」だけで闇落ち直結は無理あるし

まあ禁書の先の展開を真面目に予想しても大体徒労に終わるんだが
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/29(金) 23:17:56.54 ID:e7XHS0pk0
せめて既存のファンを失望させないで欲しい
それだけだ
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/30(土) 00:30:24.59 ID:NuGcH17n0
>>407
あの二人はもう本編には出て来ないで欲しい
特に一方通行はスピンオフがあるんだし尚更
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/30(土) 00:46:24.02 ID:WU2x3rCS0
スピンオフを理由にしたら御坂も食蜂も…とツッ込まれる口実になるから駄目
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/30(土) 10:50:05.92 ID:NuGcH17n0
本編の主人公は上条さんだけでいいって話さね
御坂と食蜂は上条さんのヒロインだから本編にも必要
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/30(土) 11:59:17.31 ID:qbzy2OEE0
言うほどヒロイン出来てないけどな
客集めの為に出番与えられたり表紙にされたりと編集の都合に振り回されるのは結構可哀想
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/30(土) 23:26:31.58 ID:CqLzCDr+0
>>416
インなんとかさんよりはよっぽどヒロインしてると思うけどな
身も蓋もなく言うなら、「あいつヒロインとして何した?」って言うくらいニートと穀潰しパート長すぎるし
不人気には不人気の理由があるとしか言いようがない
ぶっちゃけ「インさん好きな人って具体的にどこが好きなの?」って真剣に聞きたい
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 01:21:19.92 ID:dmIT+sFO0
インデッ糞さんは普段からあれだけ世話になってる上条さんに対して太々しい態度を取ってる所が気に入らない
テメーがあれこれ物を要求できる立場じゃねーんだよ糞ヒロイン
上条さんに謝れ
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 01:26:39.23 ID:fvfjwdgv0
今度はインデックスアンチかよ
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 14:41:35.00 ID:OZlfBQX5O
同じ話を読んでるとは思えない感想だ
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 23:40:54.15 ID:2MbCShlM0
>>418
インデックスは魅力ないけどアンチするほどじゃないなあ
一方や浜面と違ってド屑が持ち上げられてるわけじゃないし
好きじゃないと言うよりまるで関心が湧かないだけ
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/02(月) 00:26:18.65 ID:DngWMhDp0
美琴の暴力ヒロインぶりの方が読んでいて遥かにイライラさせられるんだが少数派かな
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/02(月) 03:36:01.27 ID:+o6l8fKN0
イライラすんのは個人の意見なんで別にいんじゃね。少数派だろうと
それを理由に罵ったりキャラ叩き出すならアンチスレ行けだけど
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/02(月) 04:01:44.93 ID:beZE7wEP0
オルソラくらいしかまともなヒロイン思い浮かばん…
他はヒロイン度と暴虐度でトントン
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/02(月) 21:12:17.57 ID:fFXhqz830
>>422
まあ少数派だろうな
アレでそこまで憤る様な義憤()の持ち主なら、それをもっと向けるべきサンドバッグは他にいくらでもいる世界ですし
それかヒロインの一挙手一投足が気になって気になって気になって仕方ないタイプかのだっちかだな
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/02(月) 21:35:46.72 ID:9EKqWkvWO
御坂は暴力度高い方だろ
美琴持ち上げながら他のキャラにそういう面で叩くのはただのダブスタ糞野郎だよ
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/12/03(火) 00:42:48.84 ID:yjp2tJgg0
キャラに魅力を全く感じないヒロインは打ち止め
一方通行の路線を変える為だけに出て来た他に存在意義のないヒロインだからだろうな
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/03(火) 23:17:57.25 ID:4UpSXasI0
>>426
誰も持ち上げてはいないのに何と戦ってるのやら
そうやって仮想敵作って顔真っ赤にしてるのはダブスタじゃないつもりなんだろうけど

>>427
打ち止めは登場するたびに中身が抜けていく感じ
一方通行スピンオフに至ってはその極み
ただ魅力を感じないという意味では滝壺がもっとも際立ってると思う
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/04(水) 03:03:51.58 ID:kn4I0jQ50
数人かと思ってたけどマジでここで叩き続けてるの一人なのね…
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/04(水) 03:58:00.85 ID:XtgBVmtH0
俺も居るぞ
お前は一人じゃない
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/04(水) 12:33:51.70 ID:aULDQpQtO
>>428
いや間違いなくいるだろこのスレにも
御坂だけでダブスタとかじゃなくて単純に特定キャラ叩く道具に使われてるだけだろうから可哀想だけど
叩きたいだけのやつのことなんか聞くなよって話ならそれはその通りですわ
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/04(水) 20:32:18.68 ID:9ImbhrI60
そもそもどこまでが『叩き』なのかねえ
まあ暴力ヒロインガーとか言ってる輩はお察しだが
一方通行や浜面は露骨に叩かれてるが、正直(作者の采配も含めて)叩かれて当然の面も多分にあるし
打ち止めや滝壺に魅力無いって件なら、それは本当に無いんじゃ?って思う
そりゃそれらのキャラが好きな人も勿論いるんだろうけど(人気投票とか見ると滝壺好きってガチで希少種な気もするが)
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/05(木) 02:33:33.82 ID:1MktKNJm0
一方通行や浜面は叩かれて当然の悪行を働いて来ている訳だからな
ある程度はバッシングされても仕方ないと思わなきゃね
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/05(木) 12:21:40.29 ID:P1fVxZbAO
自分の好きなキャラは叩いたらアンチ
自分の嫌いなキャラは叩かれるべき叩かないなら信者
ってことだろう
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/05(木) 18:26:00.69 ID:1stZmBkE0
>>434
成程な
お前はそういう風に人を見ている訳だ
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/05(木) 22:30:26.69 ID:Sr2HHeDb0
>>433
まあ端的に言って、屑の言動に対して「屑が何言ってんの?」とツッコむことをアンチ呼ばわりされても困るわな

>>434
視野が歪みすぎてて怖い
一度ちょっと創作物から離れた方がいいんじゃね
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/05(木) 23:36:47.24 ID:NUf4aIzk0
一方や浜面を叩かない奴は本当に読んでるか怪しい
障害者じゃないのかってくらいの読解力の無さなのかもしれないが
インデッ糞さんがカスなことも打ち止め滝壺に魅力が皆無なこともただの事実
それなのにそれを否定して美琴達を叩くとかマジで頭の病院行った方がいいんじゃないかね
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/06(金) 00:24:17.00 ID:pa+HJKJa0
真正なのか、わざと美琴ヘイト集めようとしてんのか
タチ悪いわ
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/06(金) 00:55:57.77 ID:8zEADni70
アストラルバディ続けるのキツそうだけど続いて欲しいなあ…
かまちーが放置してる設定とかを積極的に掘り起こしてくれる作品だし
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/06(金) 01:38:10.77 ID:r0UgPl2Y0
屑をヨイショする馬鹿が作中でもファン界隈でも多いのが一番の問題
まぁどのキャラの事かは敢えて言わんけどよ
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/06(金) 03:01:12.22 ID:szoYHmEhO
個人的には妹達殺しとか別に悩む必要ねーだろって思ってるけど贖罪とか言いながらお前も被害者は流石にね
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/06(金) 23:44:26.06 ID:77BPL1Q90
>>441
実験の時だけ見れば悩む必要ないよ
後から「打ち止めが一番大事ィー」とかバカ面下げて180度手の平返ししたからダブスタになっただけで

そもそも一方通行の場合、妹達への「実験の贖罪」と「代理演算の借りを返す」と「打ち止めへの個人的な執着」が完全にゴッチャになってるのが悪質
そして「実験の贖罪」という意味なら、コイツは今まで何もしてない
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/07(土) 15:38:10.63 ID:OR17Itm+0
打ち止めが例の実験の実行犯である一方通行を一番フォローしてるのが意味不明で気持ち悪い
普通は憎む側なんじゃないの?未だに解せない
一方通行に都合が良すぎて引っ掛かる
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/07(土) 17:37:08.99 ID:6uLp7opmO
総体が恨んでる個体もいるよーってぶっちゃけてくれたのはよかった
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/07(土) 18:33:16.84 ID:OR17Itm+0
>>444
怨まれるのが普通だと思うけどな
でもそういう一方通行にとって都合の悪い存在は作中には出て来ないんだろうなぁ〜
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/07(土) 22:56:01.09 ID:eEoyixYn0
>>443
さらに醜悪なのは、その打ち止めも例の実験で他の妹達みたいに使い潰される立場ではなかった点ね

打ち止めの上位権限は「妹達の反乱防止用」
本来、妹達が自我を持って実験を拒否したり研究者に逆らったりする可能性を潰すための能力であって、完全に一方通行や研究者側の個体なんだよねぇ
それが妹達の代表者ヅラして許すだの許さないだの、もう一人も死んでやらないだの、そんな事を抜かすのがお門違い
打ち止めが一方通行を憎まなかろうが一方通行が打ち止めとくだらん家族ごっこしようが、それは『実験と贖罪』とは全く無関係で別次元で下層の話でしかないんだよね
ヒーローごっこの骨子が前提からはき違えてるんだよ、一方通行の場合
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 00:14:25.19 ID:ngZlnVoe0
贖罪はする必要無いんだよな
でも自分ですると決めたのにあの体たらくなのがいけない
やっぱり贖罪ヒーロー(出来てるとは言ってない)路線じゃなくて上条さんの面倒くさいファン路線がいい
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 01:49:16.74 ID:LuidASJi0
所詮上条の役に立つならokなんでしょ総体も
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 14:26:48.97 ID:kpxmpQ/r0
一方通行は上条さんの弾除けとして役に立つならそれでいい
もう贖罪(笑)とかには期待していない
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/08(日) 20:38:59.17 ID:MSRdIa780
贖罪する必要のある無し以前に、もともと贖罪ってまず一方通行に何ができるの?っていうね
妹達を保護する活動にしても、それは代理演算の代償でしかないし、打ち止めを守るのは最初っからイカ臭い自己満足でしかない
学園都市の闇と戦うーとか遊んでるのはテメエのケツ拭いてるだけだし、理事長権限も棚ボタで貰った復讐の道具でしかない
ぶっちゃけ作者が罪を背負ってる俺カッケエエェ!の三文劇したかっただけ
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/12/09(月) 17:00:56.00 ID:T+yh4Ef00
鎌池は「るろうに剣心」や「ヴィンランド・サガ」を読んで贖罪系主人公の何たるかを学んでから一方通行と言うキャラクターを描くべきだった
剣心やトルフィンの生き様に比べて一方通行の薄っぺらい事よ
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/09(月) 18:47:40.50 ID:h2drQMSJO
他作品と比べて下げるとかお前の薄っぺらさの方が凄いわ
そんなことせずとも普通に作品内だけで薄いのに
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/09(月) 21:18:01.23 ID:tgiKIBwj0
もともと罪だの悪だのを単なる記号かオサレ要素としか思ってない作者だからなあ
ぶっちゃけ近年の異常な失速は、アレイスターでさえぬるま湯扱いされたので見限った読者多いからでしょ
もうそこすらケジメ付けないなら「あ、この作品ダメだわ」って普通なる
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/10(火) 09:42:02.11 ID:gSVbzXZg0
主語がデカイ
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/10(火) 11:57:54.47 ID:4ooI44CtO
敵キャラがどんな扱いかなんて旧約の時点でわかるもんだろ
新約になってから気づいて見捨てたとかそれ自分の頭の悪さを自慢してるだけじゃん
全然悔いねえわみたいな感じだったアレイスターにイラっとは来たけど
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/10(火) 14:17:17.38 ID:vfPmwD2L0
別に上条の信者って訳ではないんだけど一方通行と浜面が糞すぎるせいで相対的に見て上条が主人公の中では一番良いって思えるんだよなぁ
まさかこれが狙いなのか?
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 12:40:53.00 ID:9X5y3w+HO
浜面は別にクソとは思わんな
ただ加点する要素が無いので初期のマイナスのまま
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 14:17:24.16 ID:vaceOWuH0
「創約」って何やねん……

>>457
御坂のマッマを頃そうとした件はもうええのんか?
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 17:04:50.41 ID:pzhosk320
>>455
アレイスターの陰謀は禁書の骨子で、信者曰く本筋(笑)だったわけで
他の木っ端な敵キャラとはさすがに違うだろうに
今までの主人公たちに加えた危害の数々や学園都市そのものの悲劇の全ての元凶だったのに、「いやーそもそも魔神に運命狂わされたのが悪いんダー」で済ませて今までの罪業を全キャンセルとか流石に旧約からの読者でも思わんわ
ポッと出みたいなリリス復活だの女体化だのでお茶を濁しまくり、あとは死亡扱い無罪で高みの見物状態
プランとは(マジで)何だったのか
この一連のクソ展開に納得してるヤツって信者すら超えた池沼だけだろ
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 17:34:59.01 ID:cpO7EjZI0
新約の次は創約ですか
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/11(水) 19:00:58.87 ID:leYhvn1y0
一方通行も浜面も上里も要らないから次こそは本編は上条さんだけの物語であってくれ
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 00:41:55.21 ID:c0TZB2rBO
>>459
いや、今までのこじらせキャラがある程度許されてる中、アレイスターだけ誰もが納得できるほど裁かれたら作風ぶれるしこれでいいわ
つーか肉体失ってるから、今までのこじらえキャラの中では代償大きい方だしな
君が禁書嫌いなだけやん
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/12(木) 01:28:53.37 ID:m8tdWfXk0
>>458
マイナスがそこら辺だけでクソ軽いけどプラス0だから結果マイナスってこと
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 13:06:46.42 ID:QQuGEX640
>>461
本当にそう思うよ
しばしば話が脱線するのどうにかならんかね
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 14:36:16.20 ID:lasQj8PXO
この物語に、幻想殺しの少年は登場しない――
の帯に当時クソ興奮した自分的にはなんとも言い難いな…
たまにのアクセントならいいと思う
上里編バリに長いと萎え萎えだが
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 22:09:20.16 ID:qJZJwo5w0
>>461
なんだかんだ言って上条パートが一番面白いのに加えて、外野パートが基本つまらんから余計にね……
浜面パートは内容ペラッペラ。一方パートは出来の悪いなろうレベル。上里パートは3主人公の悪いとこ取りした様な有様
創約では余計なことスンナと切実に願うわ

>>462
もしかして一方通行が自己責任で勝手に脳に損傷負ったのを、妹達の代理演算にケツ拭かせてるのをスルーしながら「代償ダー」とか思っちゃうクチ?
実際のところ何も償ってないのに代償支払ってると思い込むのもまた自由だが、言葉は正しく使った方がいいよ
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 22:31:59.89 ID:c0TZB2rBO
>>466
その辺の展開に関して、俺は特別素晴らしいとも思わなければ大きな不満点もないが、一応打ち止め救ったのは事実だし代償は代償では?
罪業全キャンセルとかの方がさすがに過言だと思うけど
もうちょい好き嫌いのフィルターを外してある程度客観的に話してほしいわ
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/12(木) 22:50:39.92 ID:m8tdWfXk0
なんでアレイスターの話から一方の話に?
アレイスターはまあいい感じに死のうとして結局死んでないのは失敗の呪いだろうけど今度こそいい感じに死ぬんじゃなくてちゃんとやられて欲しい
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/13(金) 00:46:46.82 ID:f8AMLOKu0
みさきち失恋したの?
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/13(金) 20:37:25.79 ID:weAtyqy/0
>>468
失敗の呪いの範囲がガバガバ過ぎて、単なる作者の忖度なのがアホ臭い
原型制御もそうだけどさ
『都合の良い設定・展開へのツッコミは受け付けません』って言い訳の公式化でしかないんだよ
本当に「大事なことで失敗する」なら、リリス救済に失敗して絶望と失意の中でのたうちながら死ぬべきだった
だが肝心のアレイスターはムニャムニャやって最終的に開き直るだけ
まあ、悪い意味で作者の分身的なキャラクターとも言える
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/13(金) 22:15:45.06 ID:4KpmCQjrO
なんというかそれはただ君が嫌いなだけやん…
アレイスターに甘すぎるとは自分も思うけど
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 01:50:40.76 ID:u+SQqxQJ0
忖度しない男、上条当麻!!
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 19:01:02.54 ID:TykqxXBR0
>>469
失恋と言っていいのか分からんが
良く言えば、ヒロインとして区切りついた・拘泥から解脱したって感じ
悪く言えば、やっぱこいつインデックスにも御坂にもなれなかったヒロインなんだなぁって感じ

今後はヒロインとして活躍するかは分からんなー
というか過去の件から解脱したら食蜂ってその他大勢の上条ヒロインの一人でしかない気もするし
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 19:01:52.25 ID:2Bgi6gRHo
上条さん視点だとインデックス以外は大体同じだろうしな
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/14(土) 20:08:50.68 ID:X1/bteb50
インさんオティヌス以外はあんまり変わらんと思う
この次に来るのは多分土御門とかだよね
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/15(日) 02:33:16.92 ID:fjDwNqQc0
みさきち救われてくれ……
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/15(日) 22:52:53.00 ID:E0I674EN0
>>475
上条にとっての「身近な人間」が「インデックスと美琴とその他」くらいの認識だから、そういう意味ではかなり近いよ
まあオティヌスは理解者という別枠で、美琴は相棒枠に近い感じだろうけど
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 00:38:04.33 ID:FippJ5vW0
何言ってんだこいつ
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 09:33:34.31 ID:iSybmb60O
軍覇のTシャツの柄が変更された件を題材に誰か書いて欲しい
自分が考えてるのは
軍覇「Пролетарии всех стран, соединяйтесь!」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 21:08:05.97 ID:1rlxjitE0
>>479
旭日旗のTシャツがただの無地の赤Tシャツにされてて草
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 22:07:35.49 ID:cczHyUde0
ぶっちゃけ削板の服の柄なんぞ(別にあのシャツの柄に何らかの拘りや信念があるという設定もないし)どうでもいいと言えばどうでもいいんだが
こうなると何だかねえ

>>476
救われるの定義が分からん
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 22:16:17.83 ID:1rlxjitE0
どいつもこいつも根性が足りねぇわ
気合い入れろや
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 22:28:13.21 ID:28rVIE7dO
まあ理由はJCは下請けに中韓の雑な仕事するの使ってるからとかそんなんだろう
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 22:42:47.78 ID:wmZQMsR1O
さくら荘のおかゆが参鶏湯になったとかもそうだけど、別に作品の展開や根幹を揺るがす改変じゃなきゃどうでもええやん
そんなことより、公式側は頑張って盛り上げてようとしてるけど、今更大覇星祭編なんてやったところでっていうそもそものところがね
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 22:44:25.81 ID:FippJ5vW0
上条削板タッグのところ頑張って欲しいけど女の子ばかり作画良くなったりすんのかなあ…
Sは一方とかの作画も良かったから期待したいが
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 16:30:35.71 ID:onGV/4lc0
そこら辺はあんまり心配してないなあ
PVのクオリティも悪くなかったし、八竜や雷神御坂あたりに力入れるべきなんて分かってるだろうし。ソギーに難癖ついたのが残念だが
むしろ恒例の変なアニオリ入れないかが心配
入れないって話もあるけどどんなもんだか
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 16:58:16.95 ID:GCHyIS9U0
上条さんの描写が足りなくない?不安になって来たわ
大衆は上琴を求めているんだよ
百合豚に忖度するな
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 19:14:43.74 ID:bUkXVn0F0
忖度っつーか金を出すやつの意向が勝つのだよ
勢力数よりも財布
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 22:00:49.98 ID:rSHU+yNiO
>>487
主語がデカイ
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 22:04:06.46 ID:j0ZwHdZZo
上条さんファンは上琴とかどうでもいい
上条さんファンは上条さんが肉塊と区別できないくらいボロボロにされながらも元気に飛び回る姿を求めてる
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/18(水) 21:13:56.52 ID:2VYilw1G0
>>487
ヒロインが誰とか割とどうでもいいが、百合はマジで要らん
超電磁砲だって(黒子の変態ぶりはキャラだからともかく)百合と呼べるほどの要素は無かったのにアストラルは妙にベタベタしてて気持ち悪い
新約の御坂と食蜂のファッション百合とか反吐が出そうだった
それも百合にする気なんて全くないのにファッションでやってる辺りがもう心から読者舐めてるって感じで嫌悪感倍増したわ
結果、原作の売り上げや食蜂の人気上がったか?と言われるとお察しだったしな
ますます読者離れしたまである
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/18(水) 23:48:36.87 ID:E1TQp+G70
言いたい事は分かるよ
超電磁砲Sは露骨に百合豚に媚びてて気持ち悪かったな
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/19(木) 08:34:33.93 ID:UF5QcX/P0
上条「全部俺の女!!」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/19(木) 16:32:40.16 ID:Mga1Gz9ZO
別に百合自体がダメだとは思わない
アストラルのキャラがそういうキャラなら別にいい
御坂食蜂みたいなそういうキャラじゃないのにノルマ的にやらされてるのはクソだ
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/19(木) 18:18:36.66 ID:HfeAjB8C0
>>493
星野源ほんと好き

>>494
美琴も操祈も上条さんに夢中なのにな
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/19(木) 20:03:16.75 ID:9Y6Q+yZf0
>>494
もともとの禁書にも超電磁砲にも百合は無かったのに、なんで今更そんなモン出す?って感じ
あからさまに豚釣って延命しようとしてるの丸分かりで薄らサムいんだよ
御坂食蜂のもその一環だろ。だだスベりしてたけどな
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/20(金) 00:30:07.82 ID:zTS+uXQh0
百合豚に媚びて安っぽい百合営業を繰り返されるくらいなら上条ハーレム帝国の方が遥かに真っ当だわ
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/20(金) 03:06:11.27 ID:BeKZ7hQK0
別に大量に色んなキャラ出すってのも禁書人気の理由の一つではあったと思うし新キャラがホモだろうがレズだろうがキャラの魅力に繋がるならいい
媚びるために既存キャラに無理やりやらせるのはクソだと思う
三木がやらしてんのかね
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/20(金) 14:05:12.05 ID:BeKZ7hQK0
ソギーと上条さんタッグの戦闘が今から楽しみ
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/20(金) 20:54:33.96 ID:bzlpv0gP0
>>498
作者が後書きで「ダブルお嬢様がお気に入り〜」とかアホみたいなアピール垂れてたんだから三木のせいに出来んだろ
さすがに滑ったのを感じたのか、数冊やったら引っ込めて新約終盤では無かった事みたいにしてるけど

あと、40冊も書いてると大量のキャラ出すのもメリットじゃなくてデメリットになってる
いちいち覚えるのも億劫だし、覚えてもどうせ使い捨てされるのが分かってるから誰も騙せない段階に来てるよ
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/20(金) 22:04:45.79 ID:FM3BVlhiO
それは君が好きじゃないだけだろ
騙すとか全体的に何言ってんだって感じだわ
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/21(土) 03:00:10.59 ID:CGHuVj6Y0
アニオリで上条さんとみさきちの関係を更に掘り下げてくれたら心の底から感謝するわ
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/21(土) 20:04:01.34 ID:3Z2ymiQF0
>>502
それをやるべきは超電磁砲じゃなくて禁書だろ
まあ掘り下げるどころかリバースで終わらせた気になってそうだから禁書では今更やらないだろうけど
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/21(土) 22:52:48.97 ID:rET/WPWi0
新約無理そうだからアニレーの方で映像化ちょっとでもして欲しいってことじゃないの
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/22(日) 00:40:06.17 ID:XyeFn8vQ0
アニメ超電磁砲3期の大覇星祭編では上条さんの活躍を漫画通りにしっかり描写してくれるだろうか?色々と心配になるなぁ……
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/22(日) 22:31:24.88 ID:H+2JQsGf0
PVも悪くない感じだったし大覇星祭編の心配はあまりしてないけどなあ
レベル5で客寄せしようとするのはもう古いと思うけど
それより後半大丈夫かって感じ
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 00:47:38.64 ID:iXmfL0AiO
今までと違って、原作ストックあるからそのままドリームランカー編やるんじゃねーの?
まあドリームランカー編自体そんな面白くもないが、クソみたいなオリジナルやられるよりはましだしな
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 02:02:36.78 ID:NxOkazh40
後半のアニオリには当然ながら上条さんは出るんだろうな?超電磁砲Sのフェブリ編の失敗を繰り返すんじゃあないぞッ!
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 02:13:22.55 ID:vl4rLMIH0
そもそも大覇星祭が一クールに収まらない気もする
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 20:39:13.32 ID:jtGdavxK0
>>507
原作そのままやっても普通にコケた禁書3期の後だしなー
まあ超電磁砲はペースも設定も登場キャラもゆとりを持って作られてるから、ミソでもクソでも詰め込めばいいと思ってる禁書よりはアニメ化向けだけど
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 21:31:37.04 ID:iXmfL0AiO
>>510
3期のパートは元々過大評価だったうえに、期間も空いたことに加え、阿保ほど詰め込むどころか作画もゴミだったからな
約束された爆死だった
それにしても特典つけて4000枚切ったのは予想を下回る爆死加減だったが
新約のインフレをさんざん見てきた今、レールガンの内容ももはや失笑モノだし、特典つけて甘く見積もって5000枚くらいじゃないか?
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/23(月) 23:17:55.89 ID:Bpd2cWEIO
いや禁書三期パートが人気無かったわ流石にねーわ
別に好きじゃない人達からすら哀れまれるくらいには完全にアニメの作り方魅せ方がゴミだったクソアニメだよ
特典があったから仕方ないけどこの出来でめっちゃしっかり作ってたジョジョ並みに売れてるのはむしろ恥ずかしいくらい
今度のアニレー範囲はヒロインしてる食蜂に大活躍してる上条さんとむしろ禁書ファンが食いつくからマシだと思う
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/24(火) 06:59:59.91 ID:X8tB591hO
人気ないとは言ってない
過大評価だと言っている
ぶっちゃけ信者がハードル上げ過ぎだったんだよ
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/24(火) 12:25:22.03 ID:9NWspedI0
いや三期は下げて下げて下げまくったハードルすら超えられてなかったやつだろ
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/24(火) 13:41:14.86 ID:Yb4luw+f0
もうさ、日常やラブコメを徹底的に深くやってくれよ
今までみたいな中途半端な群像劇なんて無理なんだよ
分かれよ
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/24(火) 18:17:14.82 ID:EAUdOGBPO
群像劇もあまり上手くはないけど日常とラブコメなんてクッソ下手くそじゃんかまちー
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/24(火) 20:52:23.82 ID:Dn/u5xwe0
かと言ってバトルパートも正直面白いとは言い難いんだよなぁ
ほんと、設定とキャラ作りだけで客を惹きつけた作品だったと年数を重ねれば重ねるほど思うわ
その設定とキャラももう飽和状態だし、一つのラノベなんて40冊も続けるもんじゃないな
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/24(火) 21:37:20.28 ID:X8tB591hO
>>514
期間も空いたし相変わらずのJCスタッフだったから、一つのアニメ作品としてのハードルを上げている奴はいなかったが、昔からさんざん一方vs垣根は面白い
ロシア編は神とか、内容のハードルを上げてるやつは腐るほどいただろ
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 00:02:19.43 ID:jkDQdN4lO
実際三期が一番面白さのアベレージは高かったな
瞬間最大風速なら新約でもまけてないけど
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 00:03:33.05 ID:jkDQdN4lO
単純に自分が最初から禁書好きでもなんでもねーだけだろ
信者とか言ってる時点で分かりきってることだけど
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 00:05:45.76 ID:mpg16ZPM0
メリー・クリスマス!
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 00:39:10.62 ID:J2DUTX8E0
最終巻はクリスマスって予想されてたけどもしそうなら創約で22巻かけて5日程度しか進まないってことになるな
リバースの時点で12月の何日か忘れたが
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 18:10:55.99 ID:K12nZs7C0
クリスマスくらいは何もかも忘れてヒロイン達とイチャラブしたい上条さん
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 19:30:30.77 ID:uurmZHQa0
>>523
そして正妻戦争が勃発するまでがワンセット
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/25(水) 21:51:18.18 ID:SNNnNgD10
>>522
それ以前に、今の売り上げ&右肩で22冊も続けられると思うのか?
禁書はもうくだらん数字遊びより内容を推敲しる事に労力割くべき
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/26(木) 00:38:22.32 ID:sJG0uIqjO
続けられるだろ
何だかんだでまだ強いというかいうほど後続がない
まあ推敲しろとは本当に思う
あと実験的に何かやるのはいいが他シリーズでやれやとも思う
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/26(木) 00:54:27.70 ID:8VxxZQ0FO
後続がないのはそうなんだろうが、だからと言ってそれが禁書を続ける理由になるか?
クリスマスがラストって予想が正しければ、日程には相当余裕がないし、アレイスターの問題も終わってもう話の軸も盛り上がりも何もあったもんでもない
新約11みたいなのを何個もやればかさましは出来るだろうが、そんなんだったら数巻で終わった方がよくね?
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/26(木) 01:55:06.02 ID:g36BZGB10
上条さんが幸せな結末を迎えるなら何でもいい
それだけだ
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/26(木) 21:42:04.42 ID:973euSe10
>>527
うんまあ、後続が無いは理由にならんね
SAOに追いつけないどころかさすおにに取って代わられ、なろう産のリゼロに差を付けられた今、禁書の立場なんかとっくに失われてる
あくまで売り上げがどこまで保つかだ
新約後半でガンガン切られて今は20000程度まで落ち込んでるんだっけ
まだ打ち切りラインには遠いけど、もう上がる見込みも理由も無いし20巻以上は厳しい気もするな
とりあえずアニレー3期に合わせて創約1巻は露骨な客寄せ要素入れてきそうな気はするけど
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/26(木) 21:56:03.18 ID:4jkybjIK0
こんなところで憂うのはやめてくんねえかな…
いい加減嫌いだったり叩きたいならアンチスレ行けよ
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/26(木) 21:56:55.32 ID:+HJBXb7CO
まあアレイスター関係消化しちゃって今後どうなるかは分からんよな
もうネタ切れしてきてたのか逆にアレイスター関係放置したまま作るのがキツかったからやりやすくなったりするのか
新約が1、2、3巻酷かったから創約の序盤は不安だけど
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/27(金) 00:36:45.68 ID:daTExjyk0
一方厨って未だに一方通行に自己投影して闇に生きる俺kakkeeeeeeeeeeeeするキモイSSとか書いてるの?
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/27(金) 01:35:07.28 ID:VYh5A0sW0
奴さんらとっくに消滅したよ
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/27(金) 22:26:41.94 ID:bKnbGEhX0
>>531
アレイスターを脱力オチにしたのはガチで悪手だわなあ
アンナとか本気で興味湧かないし、ぶっちゃけゴール見失ってる様にしか見えない

>>532
ほとんどはもう別の寄生先に移ってるだろ
まあ近年でも気持ち悪くクリファパズルageしたり、棚ぼたで理事長になったら妙にネチョってるヤツはいたから絶滅はしてないっぽいが
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/28(土) 10:10:42.79 ID:5pPJm7pP0
スマホ太郎……
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/28(土) 21:21:56.76 ID:s+50yHyP0
一方厨もキッショいけど未だにここで叩き続けてる奴は病気だろ
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/28(土) 23:45:42.89 ID:p6v7pDdE0
>>536
一方厨は過去のSS読み返すたびに病巣が明らかになるからその辺はどうなんだろうねえ
全盛期に場所を選ばず大暴れして、どこにでも爪痕を残したんだから事あるごとに叩かれるのはしゃーないな
そこは甘んじて叩かれとけ
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/29(日) 02:56:56.80 ID:pDkBh91U0
叩かれても仕方ないような悪行を重ねて来た訳だからな
自業自得よ
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/29(日) 22:14:18.91 ID:3cGsDDXV0
>>536
未だにここで「もう叩かないで」アピールしてる奴の方がビョーキだろ
過去スレ読み返してこい
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/29(日) 22:16:25.89 ID:euRBoqRyo
数の違いはあれどとあるの登場人物半分以上人殺しのクズだろ
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/30(月) 02:41:52.94 ID:aluEdl/50
むしろ叩かない奴は精神に異常があるから病院行け
禁書読んで一方叩かないのはサイコパスだぞ
このスレにいながら一方叩かないとか生きてる価値ないよ
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/30(月) 14:16:17.69 ID:LTc4ExTd0
逆にさ、一方通行ってどういうキャラにしておけばここまで叩かれなかったと思う?
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/12/30(月) 18:01:03.35 ID:rrtlIDLC0
>>542
優先順位で言うと
@3巻の悪役ポジションのままの路線を貫く
A5巻で打ち止め守った時にくたばっておく
B誰にでも納得(それ以前に理解)できるレベルの贖罪活動をして生きてることに価値を付ける
だな

いくらダークヒーロー(笑)を称してバカげたごっこショーしても何も響かないし誰も評価できないのはスピンオフで証明しちゃったし、作者のピントのズレた部分が全面的に出てるキャラに成り下がってる
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/30(月) 22:21:18.21 ID:4/nSn7vTO
別に妹達殺し自体は責められるようなことじゃ無いし贖罪するって言ってそれが中途半端なのがいけない
あと美琴が大して妹達に興味ないのと妹達本人らも別に何も思ってないのが何も誰にも響かなくて何の意味があるの?ってなってる
死んだ妹達は恨みあるのもいただろうけど死んでるし
言うほど贖罪してたとも思わんしここじゃ叩かれてる統括理事長就任してアレイスターが作ったゴミみたいな暗部を解体することが初めてしてる贖罪だろとも思う
お前今までそれで贖罪したつもりになってたの?ってやつ
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/31(火) 01:26:48.77 ID:b8kKe1xn0
>>542
とりあえず美琴に土下座して謝罪
そして自分を正してくれた上条さんに感謝を伝える
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/31(火) 04:04:56.51 ID:UDgi1V5T0
別に謝罪する必要無いだろ
もう終わった事だからこれ以上関わんなってスタンスじゃないかな
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/31(火) 11:00:36.66 ID:duNpRfEw0
お前も加害者の時点で謝罪とか和解とか完全に潰えたよなぁ
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/31(火) 12:53:00.82 ID:ACMrOsKZ0
>>547
あのシーンが和解に見える馬鹿共が居るらしい
どういった層なのかは言わずもがな
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/31(火) 13:55:20.97 ID:qPgFKwX40
イエイヌデックス「ご飯をくれると嬉しいです〜!」

キュル条さん「おうちにおかえり」ゴッ
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/01(水) 16:45:19.48 ID:CNAA4wpc0
>>544
「妹達殺し自体は責められるようなことじゃ無い」とは言うが、「だったら学園都市の都合で打ち止めや妹達が潰されそうになっても文句言うんじゃねえよ」ってなるよね?
それが筋でしょ
初回の悪役路線のままならそれで矛盾出なかったけど、なんとも調子よく都合よく恥ずかしげも無く手の平返しした今だったらその理屈は通じない
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/01(水) 17:48:45.86 ID:xX2ep5GC0
明けましておめでとうございます。
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/01(水) 19:12:58.64 ID:RNyuFBVp0
今年も上条さんを応援して行くぜ
超電磁砲のアニメ3期はいつからだっけ?
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 14:30:30.93 ID:iaWOAmKu0
自分で調べろよ
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 19:00:30.70 ID:ox5ch8fG0
2020年1月10日だ
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 20:12:48.71 ID:dS1LDnb60
ありがとう俺の上条さん
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 22:30:28.58 ID:FK+7gSCK0
ふざけるな俺の上条さんだ
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/03(金) 12:19:23.89 ID:ibO9f+BY0
上条さんは俺の物だ
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/03(金) 22:06:09.29 ID:430IkXhJ0
お前は浜面とでもやってろ
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/03(金) 22:07:27.10 ID:hxj6Do+Ao
もう上条さんのクローン2万体作れよ
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 12:30:06.07 ID:zAReoui20
>>559
弟達(ブラザーズ)
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 15:00:48.67 ID:4pr/up/PO
不幸が集まりすぎて世界壊れそう
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 18:09:43.34 ID:2B5/D5fEo
2万人もいればみんなで学校行っても一人か二人くらいは何とか出席できるよな
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/04(土) 20:24:48.17 ID:c5EgcsMr0
「不幸だ・・・」×20000

これはウザい
一人でもこのネタは割とウザいのに、20000ステレオはキツすぎる
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/05(日) 13:52:52.88 ID:ELfYWvGO0
悪い事をすると2万人の上条さんにそげぶされまくるのか
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/05(日) 20:29:50.44 ID:nh8+XCh60
もうすぐアニレー3期と創約かあ・・・
なんつーか、禁書原作がアレすぎてアニレーにも熱入らなくなったなぁ
超電磁砲でどんだけファンのポイント稼いでも、原作で台無しにされるのが分かってるから何の益体もない
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/06(月) 10:00:26.52 ID:Lx5IlTKV0
>>565
とりあえず創約の内容次第かなぁ
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/06(月) 17:12:48.70 ID:qKOHtb3R0
またアニレーが糞みたいに百合豚に媚びないか不安だわ
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/06(月) 20:29:43.70 ID:RyCcXZzZ0
>>567
基本アニオリ入れないって話だからそこら辺は大丈夫じゃね
大覇盛祭とドッペル編だとしたら、インディアンポーカーの小話パートくらいしか4人のアピール路線ないけど
今連載中のパートだったら結構4人の友情路線あるんだけどねえ
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/07(火) 21:45:21.87 ID:6C/LvpQf0
アニレー終わったらいよいよ【とある】の灯も消えそうだなぁ・・・
つか禁書3期と一方通行のゴミっぷりでもうほぼ消えてるけど
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/08(水) 02:08:02.65 ID:zYE7bKBM0
アニオリでもいいから上条さんとみさきちのエピソードを入れてくれたら一生付いて行くわ
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/08(水) 12:49:23.13 ID:JLAMUYTJ0
創約楽しみだけど新約序盤がアレだったのであまり期待はし過ぎないで待ってる
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/08(水) 19:05:59.08 ID:zYE7bKBM0
>>571
序盤はアレでもオティヌス編みたいな中盤の盛り上がり所があればいいんだけどな
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/08(水) 23:07:47.31 ID:46p8K5270
>>570
それこそ要らんわ
そんな尺があるなら佐天や初春掘り下げて方がまだいい
いや、アニオリ自体が要らんけどな
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 09:05:10.74 ID:L5000kxd0
俺の上条さんを蔑ろにするような内容でなければ別にいいよ
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 20:51:22.79 ID:/ILmqqAB0
>>574
それな
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 21:13:20.84 ID:w75AERQf0
心配せんでも上条さんは大覇盛祭で駆けつけてくる爆ageパートだけだろ
そもそも公式でアニオリやらないみたいな感じだったし
それよりPVの無意味なレベル5推しやめろって感じ。PV詐欺同然の上に、まだそんな集客効果あると思ってんのか
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/09(木) 22:13:42.87 ID:bc8xyurD0
かと言って百合を押せばギャーギャーうるさいのが湧く
まあこのコンテンツに集客は無理なんすけどね
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 09:00:10.69 ID:Vkpkm1Em0
>>577
とあるシリーズに百合なんて求めてないからな
急に百合営業されても困るんだよ
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 10:40:05.76 ID:kw8yWaBD0
超電磁砲Sの黒子の回とか明らかに余計だったもんな
制作陣に百合豚いるなら直ちに追放すべきだわ
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/10(金) 18:46:02.95 ID:Ksqikp1N0
>>578
アストラルでそっち方面に力入れたら読者にガンスルーされてる時点でな
一方スピンオフの気ッ色悪い展開&俺TUEEといい、もう公式も何していいか分からず迷走してるだけにしか見えんわ
もう本格的に晩節汚してる
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/10(金) 19:24:19.76 ID:9bIaoF9u0
今夜からじゃん超電磁砲
見るの?見ないの?
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 02:40:02.79 ID:burseZNW0
上条さんの出番が来週からだって話だから来週から見るよ
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/11(土) 15:52:37.61 ID:g+NNpPuxO
OPの上条さんと削板のところクソかっこよかった…
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/11(土) 23:49:47.14 ID:lgGqQydR0
上条と削板が何と戦ってるのかはとりあえずボカすのな
山場あたりではシーン差し替わったりするのかね

つーか創約あらすじも、まったくもって予想された通りアニメに合わせて美琴推してきたのは露骨すぎて草しか生えん
ほんとキャラを粗雑に扱うくせに、客引きしたい時だけキャラ人気頼りしてるやり口が見え透いてる
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/12(日) 17:24:49.09 ID:FMLV7YE20
おから様、上琴本の新刊、最高に抜けました
現在もこうして上琴本を出してくれている同志の存在に心から救われています
ありがとうございます

>>583
あそこ最高に滾る
上条さんと削板の共闘だけは見逃せないわ
あと、削板の声は三日月・オーガスなんだな
知らなかった

>>584
まぁ言いたい事は分かる
けど良いんじゃないの?とりあえず読者の需要は理解していそうだ
上条さんと美琴の絡みを見れるなら良しとしよう
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/12(日) 21:29:17.94 ID:dLIHFjtiO
>>584
あらすじは三木がいつも書いてるしまあそうなるだろうなという予想はついてた
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/12(日) 22:01:04.76 ID:ImFtrOQw0
つーかあらすじに上条さんはクリスマスも補習に勤しんでるとあるが、まだ進級できるなんてふざけた幻想抱いてるのか(無慈悲)
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/13(月) 00:38:56.52 ID:C+/ew9Gs0
誰のおかげでこうして今も平和に世界が存続していると思ってんだ?ヒーロー上条様のおかげだろう?学校は少し配慮しろよ
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/13(月) 01:36:05.32 ID:azrQaUYw0
ヒーローが忙しいから中退しますね
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/13(月) 21:13:44.44 ID:abBPAzM70
どうせならもう一浪して美琴とみさきちと同級生になろう!(名案
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 00:21:51.59 ID:XXVhgnRu0
>>590
名案である。
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 01:01:39.82 ID:ZXu/HvYO0
同級生どころかそのうち御坂先輩になっちゃうんじゃね
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 03:22:38.84 ID:yGMHkVqr0
10032回留年する上条さん
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 07:05:30.57 ID:XXVhgnRu0
もう自主退学して自分で学校を創った方がいいな!
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 14:32:57.93 ID:n+gTGT20O
「ちまちま勉強するなんて面倒臭せえな。学校でも終わらせてやるか」
直後に、不幸が訪れ
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/14(火) 22:07:22.24 ID:RqWCmci00
理事長室に乗り込んで一方通行に進級をかけて勝負を挑めばワンチャンあるんじゃね
とりあえず説教モードに入って右ストレート入れれば解決する
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/15(水) 02:25:42.91 ID:qEOMvWdkO
一方通行理事長=科学サイドの皇帝(世俗君主)
上条さん=世界の調停者にして魔神のオンブズマン=人間代表(聖俗を超越した権威)
そして上条さんが一方通行に戴冠しその即位を承認なさい宣下を下し給うのだ

科学サイドの帝都たる学園都市の軍事は当面の間、一方通行帝と共に征露で勲を立てられた御坂美琴・浜面仕上両元帥という二人の軍神が統率なさる
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/15(水) 07:21:51.84 ID:oo9sQYvs0
俺達のヒーロー、上条さんが閉塞し切った窮屈な学園都市に革命を起こすッ!
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2020/01/15(水) 09:26:02.75 ID:Vdb+5XFh0
イノサン
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/15(水) 16:21:19.57 ID:pDAj2kVg0
上条さんは学園都市のナポレオン
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/15(水) 21:19:13.04 ID:FQI+cJDG0
創約表紙の上琴がなんか熟年夫婦みたいだな
何あの妙に味のある渋い表情
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 02:14:47.16 ID:y8Q1OqPP0
>>600
最後は絶海の孤島に幽閉されてしまうのか

>>601
娘のようなインデックスを見守る上琴夫婦だな
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/16(木) 09:00:46.70 ID:91p4dmdC0
また此処に戻って来てしまった
そしてまた同じ過ちを繰り返す
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 15:45:06.18 ID:mSXkVnul0
不眠症のせいで毎日が苦しい
不幸だ……
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/16(木) 21:20:20.30 ID:/FvSDD5k0
つーか創約も22冊繰り返すつもりかね?
さすがにそんなに保たんだろ…………読者の方が
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 00:04:51.38 ID:NQLim7mpO
持つか持たないかは読者それぞれが決めることなんで
落ちたとはいえ好きなだけ続けられるくらいには売れた作品だしいつまでも追いかけるわ
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/17(金) 00:55:45.98 ID:+6TAVVR60
>>606
同じく!
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/17(金) 21:16:35.52 ID:EAErcsox0
自分は正直リバースで「コレもういいかなー」って思っちゃった派
どうせ内容はネットでベラベラ語ってくれるし、買うのはやめて様子見するわ
内容がマトモになりそうならまたチェックするかもしれんが、最近の中身だと期待薄かね
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 08:52:34.73 ID:49uQ0hC+0
旧約の時から伏線巻いてたりしてラスボスだと思われてたアレイスターローラを消化しちゃったからな…
これからどうするの?ってゴール地点が見えないところがある
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/18(土) 21:18:49.28 ID:NuxiW7Ut0
それな
ぶっちゃけアンナなんぞ倒そうが和解しようがどうでもいいわ
アンナ自体が何の魅力もないしどうでもいい
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/19(日) 05:38:56.62 ID:4W0+Gw1w0
上条さんの結末を見届けるまでは付いて行くぞ俺は
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/19(日) 17:52:50.94 ID:hwAG/gIqO
>>608
もうまとめとかもされなくなったから能動的に検索とかしないとネタバレに辿り着けないし、某ブログの管理者も鬱になって撤退したし熱心に感想書いてるやつも今やそうはいないだろ
まとめの時もそうだが、感想だって的外れな可能性あるし、先が少しでも気になるなら結局のところ読まなきゃわからんと思うぞ
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/19(日) 22:45:03.88 ID:mqdewM0J0
鎌池スレ行ったら語りたがりさんと逆張りさんが大勢いるから流し見すればほぼほぼ察しはつくけどね
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 16:41:41.67 ID:QVEdiovv0
>>611
最終巻だけで良くね
作者が「ゴム紐みたいにいくらでも引き延ばせる」とかバカみたいな能書き垂れたせいで内容にありがたみ無くなった
また木原一族とか上里ハーレムとか何の意味があったのか分からん駄パートで引き延ばすのかと思うと真剣に追う気にもならない
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 23:43:33.93 ID:H/mSySD50
俺の好きな作品はいつもこうだ
人気が出て作品が長く続くのは嬉しいんだけど必ずダレる
悲しくてやりきれない
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 23:57:52.70 ID:tc9RCc86o
終わりが最高なら途中だれても許せるって俺は色んなメディアの作品から学んだ
なお、これが逆だと色々言われる模様
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/21(火) 01:00:30.74 ID:dXb6RwX70
最終回でコケるのが!!名作の条件なんだよ!!!
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 01:05:30.95 ID:bvbZmkyhO
>>613
鎌池スレなんてわざわざのぞいてレス追いかけるほどの情熱残ってるなら、たかが数百円なんだしもう買って読めよと思うが

>>615
禁書に限らず長く続いた場合ダレない作品なんかほぼないぞ
むしろ禁書はまだましな方
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 02:00:44.83 ID:Ag2QLACe0
押し付けがましいな読む気なくなったと言うんだから放っておけ
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 02:19:40.98 ID:7xB4FgN1O
18巻は旧約で伏線巻いてたネタかなり回収して面白かったから好きだったけど上里編で無理だ….ってなって17巻までしか読んでない人か結構多くてそういう人にはどうしても勧めちゃうな
18巻つまらんって人ならまあ何も言わんけど
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 16:10:48.01 ID:9aud9r620
禁書厨ほど粘っこい連中をゴロゴロ脱落させた上里編がどれだけ凄かったかよく分かるな

まあ厨が神聖視してるほどオティヌス編も大した影響力あったとも思わんが
新約の中ではマシな方の内容だったとは思うけど
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 19:12:57.85 ID:1piivFKu0
アンチはアンチスレへ
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 09:10:55.95 ID:7iL18FG/0
>>617
吼えろペンか
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/22(水) 18:08:28.19 ID:X1l+2+WF0
いや禁書って随所でコケたりスベってるやろ
というか、むしろ妹達編とか暗部編とか部分部分が賞賛されてるだけじゃね
スピンオフも含めると、キャラや設定の8割方はスルーされてるなーと今にして思う
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:50:22.89 ID:rh7n2HqX0
盛り上がった後に驚くほどクソ巻出してくる印象
新約序盤は本当に酷かった…
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 22:35:10.46 ID:uNEyxXZX0
創約序盤も推して知るべし
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 00:26:10.90 ID:DbkZ5g+T0
新約は8巻〜10巻辺りが一番面白かったな
上条さんとみさきちの過去編である新約11巻も良かった
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 22:38:22.13 ID:0JHkYqAl0
新約11巻は食蜂の底が見えすぎて逆にノリ切れなかったな
超電磁砲でさんざんミステリアスさを煽った割りに、蓋を開けたら量産型上条ハーレムの一員に過ぎなかったのに脱力
デッドロックの話も凡百だったし、ピンポイント記憶破損も都合良すぎて正直「はぁ?」としか思わなかった

過去条さんやゲンコロの謎に迫るかと思ったらそんな事もなく、むしろ旧約1巻の上条さんのキャラが無かったことにされたという全体的にガッカリ巻の印象
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 01:36:45.95 ID:x11iEdCz0
>>628
流石に捻くれ過ぎじゃねーの?俺は好きだよ新約11巻
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 02:55:39.93 ID:vX87Xk4Y0
バイオハッカー編みたいなのを期待してたからあれにちょっとがっかりしちゃうのはわかるわ
ただ一冊の完成度としてはかなり綺麗にまとまってると思う11巻
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 23:35:42.52 ID:Dmdf9sG40
>>629
食蜂操祈というキャラクターに特に興味湧かなかった人には正直面白くもなかったと思うよ
新約でも面白さが飛び抜けて高いオティヌス編の直後だから尚更ね
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 07:33:17.03 ID:eeDgd1H70
>>628
新約11巻が出る前から上条さんとみさきちには過去に何かあったであろう事が本編でも超電磁砲でも示唆されていたし量産型上条ハーレムの一員とは思わなかったな
寧ろ思っていた以上に特別な立ち位置だった
あれはあれで良いと思ったよ俺は
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 22:03:44.16 ID:7hGmwuCy0
>>632
特別な立ち位置とは
上条が食蜂だけピンポイントで記憶できなくなりましたというワケ分からんドラマがあるだけでしょ
食蜂が勝手に「奇跡が起これば〜」と盛り上がってるだけで、奇跡とやらが起きて上条の脳が治っても別に結ばれるわけではなく、そこでようやくその他大勢ヒロインの一人になるだけ
食蜂の中ではロミジュリ要素なのかもしれんが、上条的には思い出しても「あー、あん時の。久しぶり。つか胸デカくなったな」しか思わないんじゃないの
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 22:35:28.44 ID:qJ/Tw1pl0
上条にとって特別ってことじゃなく物語上の立ち位置って話では
掃いて捨てるほどいるヒロインの中で過去絡みのドラマが用意されてるだけまあ特別やん
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 05:05:05.96 ID:KqWlA/dD0
上条×食蜂ほんと好き
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 05:21:44.62 ID:pUF1yKzRo
食峰の話はリバースで一区切りって感じなんかね
創約はそろっとまとめに入ってほしいんだが
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 18:50:19.16 ID:4XVvh1st0
かまちは食蜂をこの後どう扱う気なのかね
洗脳能力の扱いも面倒くさそうだし御坂との雑な百合ごっこも飽きたみたいだし、今までのパターンで言うと『フェードアウトのち気の向いた時だけ出てくる』五和と同じ消耗品になりそうだが
恐らく思ったほどの人気も出なかったんだろうし、大事に扱うとはあまり思えん
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 07:24:30.82 ID:KzxZhick0
上食ワンチャンくれ
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 14:05:19.39 ID:R/IY+Cvv0
特別な立ち位置なのは蜜蟻のほうだね
多分偽善使い言い出したのもそこ関係なんだろうなと思われる
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 21:45:02.82 ID:r5G3zX1f0
上条が関わったのに救われなかったって考えてみれば割と特別かもな
まあ新約11で1年越しに救われたからセーフとか考えなきゃだけど
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 07:34:33.84 ID:Oq5EWfkM0
二次創作でいいから上食また流行らないかな
新約11巻で上条さんと食蜂の具体的な関係が明らかになる前だが新約7巻が出た頃はSS速報でも支部でも結構な数のSSを見かけていた
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/01/29(水) 21:35:19.94 ID:j7dYKhWf0
>>641
新約11で蓋を開けてみれば、食蜂の過去って特に大したネタでもなかったからなあ
上条の過去や秘密を知ってたわけでもなく、特別なエピソードや関係性があったわけでもない
ただ「1巻より前にヒーローに助けられましたよー」「その時のケガで上条さんに記憶されなくなっちゃったよー」「みさきちチョー切なーい」の3文が全て

上条の記憶が復活してもそこから周回遅れのヒロインレース始めるだけだし、SSも捗らなくなったんだろう
人気も、あれだけ出番あっても今じゃインデックスといい勝負だし
美琴やオティヌスに追いつくには足りないものが多すぎた
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 03:17:19.46 ID:G+8E41Af0
美琴もヒロインレース置いてかれてるだろ…
まあ食蜂がもっと上条さんに近い存在かと思ってたら美琴レベルの進行度だったからガッカリではあったが
インデックスオティヌスとそれ以外には隔絶した差があるからなあ…
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 04:10:05.80 ID:PbHHaoe70
みさきちが上条操祈になれますように。
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 07:27:44.93 ID:lcx/bf8Qo
禁書は人気とか関係なくインデックス確定ルートなのは分かりきってたことじゃん
まあ一応対抗の美琴はなんらかの決着付けるだろうからある程度納得できる関係で終わらせてほしいってくらい
ハーレムものの他ヒロインに対する決着ってクソなの多いから
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 11:57:24.95 ID:lGOBKqWDO
多分インさんオティヌスの次に好感度高いのは土御門
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 22:05:58.82 ID:iKMd/aY00
>>645
禁書は複数ヒロインの割りに作者が飽きたらフェードアウトの連射だからそこらのハーレムものより更にクソだろ
御坂妹とか姫神とか五和とか、上条に明確に恋心抱いてるキャラでさえ何の決着すらなく消えていく(美琴だけはさすがに落とさないけど)
新ヒロイン出しても読者が食いつかなくなったのは、熱を入れてもどうせ粗末に扱われるのをもう学習してるから
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 22:56:16.34 ID:7XSS4DjdO
>>647
こんなに続くと思ってなかったんだろうが旧約でヒロイン増やしすぎたからな
フェードアウトさせないで一人一人決着付けるとなると同じこと何回もしなきゃいけなくなるしさもありなん
今ヒロイン枠ってなるとインデックス、美琴、食蜂くらい?
マスコットオティヌスはヒロインなのか相棒なのか
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 00:28:20.62 ID:lXJd9skX0
かまちーは美琴をヒロインとして扱ったことないしヒロインと思ったこともないとか禁書2期の頃言ってたね…
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 22:24:07.69 ID:UfZr9wyu0
アニレー3期のせいか湧いてるなあ
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 19:43:34.23 ID:TJ55sDyD0
流石に二次創作SSをソースにして最強議論のスレを荒らす頭のおかしい一方厨は居なくなったよな?一方厨が消えただけでもファン界隈は穏やかになったと言える
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 21:11:52.20 ID:JKO6JTom0
禁書読者自体が減ってそういうあんまり議論が成されなくなっただけでは
強さ議論も沈静化したし
宇宙改変できる魔神がゾロゾロでてきたとか、コロンゾン、メイザース、アンナとボスがゴロゴロ出てきて余計分からなくなったとか色々あるだろうけどあの辺から見かけなくなったな

一方厨も昔だったら、例の『第3の樹』とか出た時に狂ったように騒いだだろうから沈静化は事実か
「あれでも弱体化しまくった魔神となんとかやりあえる程度じゃん」とか「MNWとクリパの支援ありきで実力じゃないじゃん」とか冷静にツッコまれて引っ込んだだけかもしれんけど
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 00:47:38.47 ID:n1FPfd4RO
強さ議論系だとまあ今の一方は上位だろうけどなんだかんだ上限は旧約当初から魔神で変わってないのよね
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 07:45:05.99 ID:9/I1xFRo0
じゃあヒロイン乞食は?やたらと上条さんや浜面のヒロインを欲しがるヒロイン乞食の一方厨も死滅した?今どんな感じ?
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 15:30:46.61 ID:LpXj/Tsq0
今はクリパたんprpr言ってる
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 16:39:04.53 ID:FdtV2KbK0
出来のいい超電磁砲アニメきて盛り上がってるのに盛り下がる一方厨の話題で水差すのはやめてくれよなー
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 19:31:10.51 ID:Tozc8YGCo
超電磁砲の担当がTwitterで円盤売上次第で次の展開も…みたいなこと言ってるけど今回で天賦夢路編までやったらストック0のような?
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/02(日) 22:56:04.34 ID:Oz4bX6W40
>>655
あの巻出た直後は「クリパたんマジヒロイン!」「クリパたんマジ健気!」と強引に持ち上げようと躍起になってたなー
ああいう中身カラッポ亜少女使ってのヒーローageは一方通行イベントの見え透いたいつもの手口だから、読者の大半がスルーしたら話題にも人気にもならんと悟って静かになったけど
エステルの時もそうだけど、人気のない無価値なヒロインは一方専用でも捨てるよな。一方厨って
まあクリパはパワーアップアイテムとしての価値があるから手元に置いてやるかくらいの認識ありそうだけど
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 01:34:06.45 ID:nE+1bE080
わかったわかった
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 01:41:03.53 ID:nE+1bE080
>>657
次の展開=アニメ化なら禁書じゃね、どうあっても交互にやるらしいから
電磁4期まではまただいぶ間空くと思う
まあないと思うが次なんて
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 08:58:07.01 ID:V1KcR5V50
あいつ等は絹旗と黒夜は一方通行のヒロインになるって本気で思い込んでいたからな
結局は浜面の所に落ち着いた訳だが現実を受け入れられなかったのか暫く本スレで暴れていた
新約6巻では一方通行は垣根に実質敗北、更に新約7巻では食蜂は上条さん、黒夜は浜面に固定されたから怒り狂っていた
自分達の求める物が見れないと作品を貶めに掛かるから性質悪い

>>658
マジでそれな
結局は自分達のコンプ解消する為に人気キャラが欲しいだけなんだよ
せっかくエステルとかクリパとか一方通行の専用ヒロインが来てもシカトだし
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 11:31:06.60 ID:5octFktUO
>>660
超電磁砲ならともかく禁書4期は厳しそうな気がしちゃうな
やるなら変に全部やらずオティヌスのとこだけしっかりやった方がいいの出来そうだけどまあないか
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 16:37:59.83 ID:nDjgE0Zg0
JCだと期待できないしIFのボイスで我慢するわ
というかレールガン明らかに出来よくてやっぱ禁書はわざとクソアニメにしたんだなと改めてわかった
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 17:22:20.22 ID:kOBUPmkwo
次の展開ってアストラル・バディアニメ化の可能性もあるんだろうか
でもやっても爆死しそうだな
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 19:33:19.04 ID:BwrSHQgeO
禁書の方があまりにも手抜きでゴミだったから相対的に良く見えるだけであって、レールガン3期は特別いいわけじゃないだろ
至って普通
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 19:47:50.20 ID:nDjgE0Zg0
アスバは新約11まで最低読んでないとイミフじゃね
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 21:12:25.17 ID:t1RZpp280
>>660
どうあっても交互にやる縛りとかあるの?
じゃあ次は禁書ってことでもう無理だろ
3期がゴミ評価だった上に、4期あっても虎の子のオティヌス編まで出来ないわけだし
仮に強引にやるとしたら、2クールに10冊分詰め込むという3期以下の代物になる

>>666
イミフとまでは言わんが、アストラルはぶっちゃけ原作も大して人気ないわけで
それをアニメ化したところでお察しな結果にしかならんのは一方スピンオフが証明したからな
つーかどっちも一方通行人気や食蜂人気をアテ込んだんだろうが、アイツら実効性のある人気は意外と無かったんだよね
ネットでの声がデカいだけの層や、上条アンチや美琴アンチが御輿に担ぎ出して張り子で騒いでた部分もかなり大きい
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 22:43:45.34 ID:wiXTsdrGO
なんやこいつ…
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 23:14:20.57 ID:nDjgE0Zg0
一方外伝は単純に話がつまらないのがな…
せめて上条さんにやられる前か暗部落ち後ならよかっただろうに一番フォーカス当ててもつまんない部分にやるのか
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 13:13:58.76 ID:ZSkfP6GQ0
禁書SS全盛期なら常盤台の生徒とか食蜂派閥メンバーヒロインのSSとかもあったんだろうな
残念ながら禁書ssどころかSS速報自体が死に体だけど
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 19:38:06.64 ID:1uwCj8Zd0
煽り抜きで一方外伝はつまらん
アスバはもう少し上条さんとみさきちの事を掘り下げてくれたら名作に化けるかもしれん
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 19:49:28.02 ID:m0sYWhch0
>>669
それに強引に魔術サイド絡ませたから余計に目も当てられんマヌケ話になったな
2章は反省したのか科学サイドの話にしたが、1章以上にクソつまらなくなっからもう救いようがない

アストラルは食蜂を能力的に主人公にしづらかったのは分かるが、元々モブレベルのキャラを主人公にしてageられてもって感じだし
才人工房だの幽霊モドキだの、読者にとってはもはや興味もない出涸らしネタばっかりなのもあるけど
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 21:00:55.81 ID:8ocKIBfc0
とりあえず上条さんの株が下がるような展開にならなければ全て許す
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 21:44:03.20 ID:/oVm+vkF0
>>671
これ以上掘り下げることとか無いだろ
むしろ食蜂関連は禁書原作ですでにほぼケリついてる
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 02:22:37.93 ID:+Ohm3Iex0
株は下がらないけど成績は下がる
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 20:46:06.03 ID:ARuRBijP0
悲しいなあ
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 20:51:28.90 ID:+Ohm3Iex0
近くの本屋かは新約11が無くなってた
何だかんだアニメ効果はあるのかもね
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 21:21:24.02 ID:TrubfVS60
上条さんとみさきちの話は新約22巻リバースで全て決着したのだろうか?
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 11:36:40.71 ID:5CTKhbdoO
創約さっき読んだ
ほんの少しだけ一方通行を見直したかもしれん
このまま綺麗に退場かな?
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 21:08:51.12 ID:oUsxbCmH0
>>679
まだ読んでないけどマジ?
何があったにせよ綺麗に退場は無いと断言できるけどな
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 23:45:18.04 ID:rZYedje90
新刊は一方通行アンチ涙目敗走な内容らしい
読むのが怖い……
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 00:12:44.74 ID:BEimU4Swo
そりゃ(ひとまず)表舞台から遠ざかるのに見せ場の1つや2つ残さないわけないじゃん
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 01:06:50.02 ID:XGqpgLSDO
後になってフォローやたら付け足すのは印象良いわけじゃないんだけどな
他キャラに比べて露骨に優遇してしまうとより悪くなる
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 01:07:45.66 ID:NLsAMYwA0
一方はマジでお前も加害者さえ無ければ…って感じ
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/02/08(土) 15:40:55.05 ID:8T625ltN0
創約面白かったわ
新キャラがどんどん出てくる展開が落ち着いて気楽に読めた


かまちー創約2巻はよ

686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 19:10:15.00 ID:7ESfmI4xO
敵もいい感じに悪党でいい感じに可哀想な感じでこういうのでいいんだよこういうので…って安心感がある
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 19:24:40.37 ID:ajBGRJq50
好感度−10000が−9990になった程度だけど
まあ今回の一方通行の行動は良いんじゃないかと思う
もちろんここからがやっとやるべきことの始まりであって今後次第だけども
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 21:06:04.93 ID:b5RxXAPU0
おお、このスレの連中っていつも原作への不満ばっかり垂れ流していたけど今回は割と好評だな。
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 22:21:48.99 ID:NLsAMYwA0
今回もだけど昔からずっと一方一人だけが妹達殺したこと悔いてるけど他は割とどうでもいい感じよね
まあ殺した本人だからそりゃそうといえばそうなんだけど基本なあなあでなんでも終わる禁書だと逆に浮いてるレベルで生真面目よな
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/08(土) 23:56:32.63 ID:QqUSR0k50
>>681
そんな事言ってるのはそれこそ一方厨なんじゃないの?
一方通行収監とかおためごかしても、それ物語の山場で大ピンチでも作ったところにズバッと解放やドサクサ無罪で投入して「ほーら一方さんキタアアアアアア(ネチャア」やりたいだけじゃないの?って感じだし

そもそも一方厨以外は旧約でも新約でも「一方通行が今やってる事なんぞ償いでも何でもない」と一貫して言ってたわけだしなー
実際その通りでしたってだけの話
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 10:06:36.91 ID:2WAcASa40
某所で一方厨が発狂している
理由を聞いたら打ち止めを上条さんに取られたからだそうだ
ちょっと接触したらフラグが立ったと思い込んで取られたと被害妄想
最盛期はこのレベルの馬鹿が蔓延っていたんだな
本当に面倒臭い連中で呆れるばかりだ
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 11:15:34.22 ID:xCcvw29W0
>>691
おもしれーなその某所どこ?教えて
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 11:30:07.84 ID:OFeycxNL0
発狂するならここ以外でやってくれ
君の大好きな一方厨のことなんてみんなどうでもいいのに一人ここで暴れまくって馬鹿じゃないのか
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 19:30:32.39 ID:d5EVHJalO
今でも進行してる、あるいは最近のとあるssでなんか面白いのある?
まとめとか見てても古いのばっかなんだよな
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 19:42:21.70 ID:OFeycxNL0
無い
他はともかくSS速報は禁書SSは死んでる
そもそも掲示板自体が過疎ってるから仕方ないけど
pixivとかハーメルンで適当に探した方がいいと思う
他所じゃ文化が違うから合う合わないは個人で判断してもらうしか無いけど
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 19:55:03.73 ID:yk3k6zoP0
>>691
そういや新約で結標が上条さんに「残骸編の時に救急車呼んでくれてアリガトウね♪」とお礼をした時も大発狂してたなぁ
あれ何考えてんだ?
一方通行が結標にベクトルパンチぶち込んで病院送りにした事を、「結標は一方さんに感謝して今頃はすっかりメロメロになってるに違いねェ! 結標は一方さんのヒロイン!」とでも思ってたなら頭のビョーキとしか認定できんが
風斬や絹旗、黒夜にもなんかキッショい主張してて原作にそげぶされてたけどああいう持病なのかね

>>693
なに一人で暴れてんの君
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:04:18.68 ID:8GtqyCXdO
ここはお前の日記帳じゃ無いから他所でやってね
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:55:58.13 ID:yk3k6zoP0
おやおやww
一方厨の過去の醜態を暴露されてイライラ君が湧いてるのは、新刊の展開でまた湧いてきたからか?
一方通行の罪業が洗い直されてフォーカスされそうな雰囲気だからって余裕なさすぎだな
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 23:57:00.49 ID:wlMwLzrBO
>>695
やっぱないかあ
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 00:08:05.48 ID:EWQncYqb0
もう病気だろこれ…
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:05:37.19 ID:dACVWhHx0
とある暗部の御坂美琴
作者:楽園の支配者

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 策略 オリジナル展開 とある科学の超電磁砲 上条当麻 御坂美琴 シリアス 暗部 裏切り 鬱 中二病 独自設定 オリキャラ 闇堕ち 群像劇 原作キャラ死亡 狂気 依存 絶望 愉悦

 何でも解決してくれるママはここにはいない。

 困った時だけ神頼みしても奇跡が起きるわけじゃない。

 泣き叫んでいたらそれを聞いて駆けつけてくれるヒーローなんていない。

 だから、『絶対能力進化計画レベル6シフト』は御坂美琴が止めるしかない。



 闇の底まで堕ちたとしても、私は必ず妹達シスターズを救ってみせる。



 求めたモノは、何時かの平穏。

 手に入れたモノは、仮初の平和。

 偽物の楽園の中で、紛い物の幸福を甘受しろ。



 それこそが精一杯の幸せだと、後悔しながらに。



 ―――――――これは、救えなかった未来の物語。
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:06:42.19 ID:dACVWhHx0
とある暗部の御坂美琴   作:楽園の支配者
×
目 次
×

1 / 1
第一部 第一章 絶対能力進化実験レベル6シフト中止計画
地獄への道は善意で舗装されているThe road to Hell is paved with good intentions

 『絶対能力進化計画レべル6シフト』と呼ばれる計画があった。
 学園都市第一位の超能力者レベル5、一方通行アクセラレータに学園都市第三位の超能力者レベル5、『超電磁砲レールガン』御坂美琴の劣化クローン、通称妹達シスターズを2万体殺させることによって、一方通行アクセラレータを絶対能力者レベル6に進化させようという狂気の計画だ。
 
 絶対能力者レベル6。
 
 それは学園都市の表の最終目的である。学園都市の科学者は皆みな、学生を絶対能力者レベル6に辿り着かせることを至上の目的としている。
 だが、それは絶対能力者レベル6を生み出すためならば何をしてもいいということにはならない。
 オリンピックで優勝するための最も手っ取り早い手段は対戦相手を殺傷することだが、それを実際にする奴はいないだろう。
 倫理観。常識。社会規範。
 『できること』と『していいこと』は違う。だから、御坂だって信じたくはなかった。信じたくなくて、それが嘘だということを証明したくて学園都市を駆け回って、
 なのに、その期待は裏切られた。 
 
「樹形図の設計者ツリーダイアグラムが、大破、していた……?」
 
 妹達シスターズは製造されていて、
 彼女たちは『絶対能力進化計画レべル6シフト』なんて心底下らない計画のための使い捨ての駒で、
 学園都市最強の能力者、一方通行アクセラレータは彼女たちを塵ゴミのように殺していた。
 それを、止めたかった。
 妹達シスターズを、助けたかった。
 
「――――――――――――――――――」
 
 だって、妹達シスターズが生み出されたのは御坂のせいだから。
 御坂さえいなければ、こんなことにはならなかったはずだから。
 御坂があの時、DNAマップを渡さなければ……。
 
「どうす、れば」
 
 大逆転のために一手。樹形図の設計者ツリーダイアグラムをハッキングし、偽の命令を吐かせ『絶対能力進化計画レべル6シフト』を止める算段。
 それは、樹形図の設計者ツリーダイアグラムが既に何者かの手によって破壊されていたことで破綻した。
 
「あ、はは、は」
 
 最後の一手は消えた。
 樹形図の設計者ツリーダイアグラムが無くなろうと、『絶対能力進化実験レべル6シフト』をは問題なく続けられていた。
 つまり、詰みだ。
 馬鹿で愚かな御坂の犯した罪が、この現状を招いた。
 
「どうし、て」
 
 どうして、こんなことになってしまったのだろうか?
 『絶対能力進化計画レべル6シフト』。
 一方通行アクセラレータを絶対能力者レベル6に導く、狂気の計画。
 その計画は、既に第10031次実験まで完了している。
 つまり、死んでいる。
 もう既に、10031人の妹達シスターズが死んでいる。
 誰のせいで?
 それは、誰のせいだ?
 
「……私が、あの時」
 
 あの時、御坂がDNAマップを渡さなければ、
 あの時、御坂が研究者の甘言に騙されなければ、
 あの時、御坂がもっと慎重だったら、
 
 10031もの人間が死ぬことは、無かった。
 
「ぁ、っ、私の、わた、しは……っ!」
 
 全てが夢であればよかったのに。
 何もかもが質たちの悪い冗談であったらよかったのに。
 だけど、これが現実で、この救いようのない世界こそが現実で、
 
「なんで、……なんで、」
 
 ふらふらと、亡霊のように歩く。
 目的地もなく、目的もなく、ただふらふらと。
 どうすればよかったのか。
 どうすれば救えたのか。
 
 『ミサカは計画の為に造られた模造品です』
 
 
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:07:29.06 ID:dACVWhHx0
 違うと否定してあげたかった。
 妹達シスターズと呼ばれている御坂のクローン達にもっとまともな人生を歩ませてあげたいと思った。
 偽善かもしれない。
 怨まれるかもしれない。
 余計なお世話かもしれない。
 妹達シスターズは一方通行アクセラレータに殺されることを望んでいるのかもしれない。それが、妹達シスターズの幸せなのかもしれない。
 だけど、それでもよかった。
 妹達シスターズを救えるならよかった。
 独り善がりでも、自分本位の考えでも。それでも、この罪を贖えるのならば、
 だけど、
 
 『作り物の身体に借り物の心。単価にして18万円の実験動物ですから』
 
 そうじゃないと言ってあげたかった。
 あなたたちはちゃんと人間で、こんな下らない実験に身を費やす必要なんてなくて、
 笑ってもいい、泣いてもいい、怒ってもいい、喜んでもいい。
 遊んでもいい、喧嘩してもいい、駄弁ってもいい、友達を作ってもいい、
 死ななくてもいいと、
 生きていていいんだと、
 そう言ってあげたくて、
 なのに、
 
「…………なんで、こんなことに、なっちゃったのかな」
 
 その問いに対する答えなど分かりきっている。
 弱いから。
 弱かったから。
 ただ、それだけ。
 御坂が弱いから、こんなことになった。
 御坂が負けたから。
 御坂が勝てなかったから。
 
 『そーいやァ、自己紹介がまだだったな。オマエのクローンにゃ世話ンなってンぜ』
 
 敵は最強だった。
 一方通行アクセラレータは強すぎた。
 ベクトル操作。
 この世に存在するあらゆる種類の力の向きベクトルを観測し、自由に操作する絶対の能力チカラ。
 正面から挑み、敗北した。
 搦め手を用いたって敵わないことは樹形図の設計者ツリーダイアグラムの演算結果が証明している。
 一八五手。それが御坂が一方通行アクセラレータに挑んだ場合の最長寿命。冷酷な機械が導き出した結論。
 
 『俺の『無敵レベル6』化を手伝ってくれてンだ。感謝しなきゃな』
 
 だからもう、止められない。
 万策は尽き果てた。
 この物語にハッピーエンドはあり得ない。ビターエンドにすら辿り着けない。
 これはバッドエンドの確定した物語。
 
 『『一方通行アクセラレータ』だ。ヨロシク』
 
 何が、学園都市最強の電撃使いエレクトロマスターだ。
 何が、7人しか存在しない超能力者レベル5の第三位だ。
 その称号にどれほどの意味がある。
 『超電磁砲レールガン』なんて二つ名に何の意味がある。
 救えない。
 助けられない。
 護れない。
 無意味で無価値で無意義な生き様だった。
 助けたい人を助けられない力なんて、何の意味があるというのだ。
 
「何か、ないのかな…………」
 
 一縷の望みすらも存在しないことはもう分かっていた。
 けれど、今は存在しない可能性にさえ縋りたい。
 
「私にはもう、あの子達を救う手段は、…………残ってないの……?」
 
 嫌だ。
 そんなの認めたくない。
 それを認めてしまえば妹達シスターズは本当に全滅してしまう。
 まだ、後9969人の妹達シスターズが生きているのだ。
 これで終わりだなんて、そんなことを認めてしまえば妹達シスターズは本当に助からない。
 
「いや、だ」
 
 妹達シスターズが生まれたのは御坂のせいで、
 御坂のせいで妹達シスターズは殺されることになった。
 だから、御坂が何とかしないといけない。
 そう、御坂は強烈に思っていた。
 自分が、何とかしなければならない、と。
 何とか妹達シスターズを救わなければならない、と。
 強烈に。
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:08:12.95 ID:dACVWhHx0
 『その声で』
 
 あんなことを言うつもりじゃなかった。
 
 『その姿でっ』
 
 あんな酷いことを言いたいわけじゃなかった。
 
 『もう……、私の前に現れないで……ッ!』
 
 拒絶したかったわけじゃない。
 否定したかったわけじゃない。
 受け入れたくなかったわけじゃない。
 
 『はい。失礼しました』
 
 そんなことを言わせたかったわけじゃない。
 手を握ってあげたかった。
 抱きしめてあげたかった。
 もう大丈夫だって、そう言ってあげたかった。
 だから、
 なのに、
 それなのに、
 
「いや、だぁ………………」
 
 何とかしなければならない。
 何とかしなければならない。
 何とかしなければならない。
 
 御坂が、助けなければならないのだ。
 
 記憶にこびりついて離れないのはミサカ9982号の砕け散った胴体と千切れた左足。脳裏に刻まれたその光景がよりいっそう御坂の精神を責め立て、苛る。
 
 だから、御坂が救わなければならない。
 
 なのに、その方法論が存在しない。
 敵は学園都市そのもの。敵は最強の超能力者レベル5。味方はいない。
 個人では組織に抗えない。強大な個は平均的な全体に対して無力。
 だから勝てない。
 御坂は独りぼっちだった。
 
「――――――――――――――――――だれ、か」
 
 助けて、と。
 その一言を言うことができれば、どれだけ楽だっただろうか。
 けれど、言えない。巻き込めない。
 白井黒子は御坂より弱い。初春飾利は御坂より弱い。佐天涙子は御坂よりも弱い。
 だから頼れない。皆殺されてしまう。
 
「――――――だれかぁ」
 
 誰も巻き込めない。誰にも話せない。こんなことを。
 これは、御坂が、御坂だけの手により解決しなければいけない事件。
 誰の手を借りるわけにもいかない。
 御坂の罪は、御坂が独りで贖う必要がある。
 それが、御坂の罰。
 
「…………………………………………」
  只管に静かな第二十三区を歩く。傍から見れば御坂は今にも倒れそうで、事実すぐにでも倒れてしまうだろう。それほどにショックで、それほどにどうしようもなくて、それほどに絶望的で。
 どうにかしたいのにどうにもできないという二律背反ジレンマ。
 それが御坂を絶望に堕とす。
 逃れられない罪カルマ。
 でも、それはひどく当然のことだった。
 だって、これは決まっていたことなのだから。
 ずっと前から、決まっていたことなのだから。
 これは、学園都市統括理事会第八席、『焦がれし憧憬イカロス・ハイ』死縁鬼苦罠によって綿密に練られた計画なのだから。
 
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:08:38.89 ID:dACVWhHx0
「っ、…………………」
 
 何でも解決してくれるママはここにはいない。
 
 困った時だけ神頼みしても奇跡が起きるわけじゃない。
 
 泣き叫んでいたらそれを聞いて駆けつけてくれるヒーローなんていない。
 
 だから、『絶対能力進化計画レベル6シフト』は御坂美琴が止めるしかない。
 
 それが例え、那由他の果てにすら存在しない可能性だったとしても。
 
「――――――――――――ぁ」
 
 ふと、御坂の足が止まった。
 それが誘導であることに、今の御坂は気づけない。
 だって、こんなの都合が良すぎるだろう?
 
「―――――――『海王、大学』」
 
 金網に案内板が張り付けられていた。
 その案内板には『Kaiou海王 University大学』という文字が書かれていた。
 その大学を御坂は知っていた。
 『絶対能力進化計画レベル6シフト』計画を引き継いだ施設の1つ。
 つまり、『海王大学』は御坂の――――――、
 
「………………………………………………………………アハッ」
 
 歪な笑みを浮かべていることに気づいているのか?
 壊れた表情で哂っていることに気づいているのか?
 狂った声が漏れ出ていることに気づいているのか?
 
 いいや、きっと気づいていない。
 だから御坂は逃れられない。この迷宮からは、絶対に。
 
「実験に加担する奴らは」
 
 スカートのポケットからコインを取り出す。
 それを宙に放る。
 右手を前に出す。
 コインが落ちてくる。
 全身が帯電する。
 
「鏖みなごろしにしてやるっ!!!!!」
 
 そして、撃った。
 超電磁砲レールガン。
 御坂美琴の二つ名にして、必殺技。
 一方通行アクセラレータを貫けなかった、何の価値もない必殺技。
 それが『海王大学』の外壁を貫き、
 それを確認して、御坂は歩を進める。
 
「あ、はは、ははは。大丈夫。お姉ちゃんが」
 
 口から出るのは下らない妄言。
 できもしないことを言って、お前は一体何様だ?
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:09:08.53 ID:dACVWhHx0
「助けてあげるから」
 
 助けたいと思っている。
 助けられないと思っている。
 だからそれが、御坂の辿る結末だった。
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:11:46.86 ID:j6+480aUO
一方通行とかいうゴミが禁書から消えてくれてスカっとするなw
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 15:22:33.36 ID:4FW0KOdw0
>>690
ほんとそれが心配だよな
一方通行がヒーローとして受け入れられて出てきて最強の力で圧倒するとかしょうもない展開が怖いわ
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 15:49:16.93 ID:pCYWz5L7O
>>700
一方擁護のお前の方が頭の病気だろ
病人は書き込まずに精神病棟にでも入れられとけや
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 17:38:17.53 ID:/8XpRWtH0
創約のせいで一方厨がまた調子つかないか監視も必要そうだな
幸い今はまだ問題は起こしてないようだが期を伺い必ず来るぞ
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 20:36:36.62 ID:9rHFnyhx0
いや、一方通行なんて結局は上条さんの肥料だろう
創約を読んで改めて思ったよ
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/10(月) 21:56:54.19 ID:kipWnbr60
>>710
クリパageしてた時みたいに今回も一方厨が「この展開は予想外!」「一方さん真面目!」と必至にageようとしてるが、実際はどうでもいい話だよなあ
収監だのなんだのに意味があるとも思えん
一方通行が今更になって自首したところで何の締まりもないし、何かのケジメ付けたとも思えない
独房でアホ面下げて怠けるだけならダークヒーロー()ですらないだろ
そもそも表社会の法で償うというなら「んじゃとっとと死刑になれ」の一言で終了だし
理事長権限で学園都市の負の面を一身に背負って、擦り切れるまで雑巾の役割果たしてた方がよっぽど働いてると言える
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 22:13:23.72 ID:EWQncYqb0
お前も被害者以降自分の周りだと一方厨全く見なくなったわ…
というか新約6以降妹達どうこうを大して言わなくなったから不快なことも言わなくなったというか
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 23:01:30.48 ID:I86tyxGe0
正直妹達どうこうはもういらないな
プラン消滅でMNW不要になったしムショ入りなら代理演算もせんでよかろ
終了してどうぞ
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 23:59:35.51 ID:j2zgMKbNO
一方通行とかいうゴミを持ち上げてるクソは全員くたばれ
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 00:52:37.82 ID:Voh+inyX0
持ち上げてる筆頭が作者やんけ
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 01:50:45.88 ID:7FfNwoL30
創約はラストの上条さんVS根丘が熱かった
暗部を守りたかった根丘に少しだけ共感した
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 01:58:16.58 ID:5QjiPAmWO
>>716
かまちーってそんなに一方通行を持ち上げてるかな?少なくとも上条さんより目立たなければ別にいいわ
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 02:02:02.73 ID:7FfNwoL30
うん、新刊で分かる通り鎌池先生は基本的に上条さん>一方通行のスタンスだよね
それよか遥かに気に入らないのはホビー業界だわ
何で上条さんを差し置いて一方通行のフィギュアなんか出すんだよ
ふざけんじゃねぇよ
あ〜胸糞悪い
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2020/02/11(火) 10:58:40.94 ID:Uaqmg95IO
つーか自首した以上は一方通行はもう表立った行動は出来ないんじゃないの?だからこそ上条さんが動く!
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 11:02:48.83 ID:7FfNwoL30
そういう使いっ走りみたいな役目は浜面にやらせればいいじゃないか
あくまで上条さんは上条さん自身の意思と信念だけで動いて欲しい
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 13:32:42.57 ID:SNnwC+7N0
どうせ「みんなが一方通行を望んでいる」みたいな話に持って行って「一方通行の力なら正々堂々戦ったら無敵だ!」みたいなクソ話に持って行くんだろ
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 14:51:38.53 ID:XjK+ZMg/O
>>719
レベル5ってブランドはクソ強いからしゃーない
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 15:08:05.96 ID:7FfNwoL30
>>722
そんな安っぽい展開にするかな?捻くれ者の鎌池先生の事だし斜め上を行くだろう
この場合は良い方向に作用するか悪い方向に作用するか分からないけど

>>723
未だに影響力あるのか
全く忌々しいったらない
http://i.imgur.com/ehiNmzj.jpg
http://i.imgur.com/7OrqZxf.jpg
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 15:13:29.60 ID:Voh+inyX0
>>719
figmaは上条さんだけ出たよ
でも上条ファンは原作買うがグッズに金を出さない印象
男が多いからか?買えよ
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 17:06:37.92 ID:7FfNwoL30
>>725
それならとっくの昔に購入済みだよ
上条さんの新しいフィギュアが欲しいんだよ
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 17:28:36.45 ID:4861mOgpO
男だけど上条さん大好き
そして神に誓って俺はノンケ
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 17:40:38.81 ID:7FfNwoL30
>>727
健全で宜しい
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 22:11:19.85 ID:6BXsVWK+0
正直上条さんファンしてる時の一方は好きだよ
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 23:59:53.63 ID:I74v4vkf0
>>722
それやった一方スピンオフが普通にコケてるからむしろ仕切り直すために一旦引っ込めたんじゃね
ここまで読者減った今、退場させたんだからそこまで作者も一方通行に今更期待してない
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 00:05:09.83 ID:0uXXCaNJ0
なんで新刊出たばっかなのに一通の話しかしないんだお前ら
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 00:12:34.25 ID:CHN/KXzVO
このスレの住民はみんな一方通行がだーい好きなのは今までのレス見てたらわかるだろ…?
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 07:28:25.11 ID:yEycZOtK0
>>731
俺は上条さんの話題しか振ってないんだが
創約はそげぶの大盤振る舞いだった

>>732
好きでも嫌いでもない
無関心
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 09:08:05.43 ID:tH4gEebhO
だから禁書本編は上条さん一本でいい
上条さんの独壇場であってくれ
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 13:41:18.80 ID:6EL/6FZp0
創約一巻はそうそうこういうのでいいんだよこういうのでって展開だったな
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/12(水) 16:42:58.71 ID:QCfHA/kk0
とある暗部の御坂美琴   作:楽園の支配者
<< 前の話
目 次
×

2 / 2
御坂美琴と天蓋奈落@ 獅子の皮を被った驢馬The ass in the lion’s skin

 一歩、踏み込む。
 二歩、死地へ。
 散歩するかのような、気楽な足取りで。
 
「全部、壊す」
 
 『海王大学』内部はひどく閑散としていた。
 人の気配がしなくて、誰もいない。人がいた痕跡はあっても、御坂の瞳に人は映らない。
 だから、手あたり次第破壊する。電撃、雷撃、砂鉄。使えるモノを全部使って、そこら中にある機械を破壊する。
 
「全部、壊す……っ!」
 
 何を計測していたかも分からない計測機器。
 何が入っているかも分からない薬品。
 何に使うかも分からない道具。
 それらを全て、跡形もなく破壊する。
 全てを塵ゴミの山に変えればこの施設は実験をもう続けられなくなる。
 全てを塵チリに変えてしまえばこの施設はもう『絶対能力進化計画レベル6シフト』を続行できなくなる。
 妹達シスターズが殺される可能性はまた1つ、減る。
 
「ここにある物を全部壊して、全部の施設を潰して、全部何もかもをぶっ壊せば……」
 
 実験の引継ぎ施設は合わせて183。
 1つ1つを丹念に潰していけば、『絶対能力進化計画レベル6シフト』の主導者もいつか諦めるはずだ。
 『絶対能力進化計画レベル6シフト』が生み出す利益を上回る程の不利益を現段階で御坂が与えてしまえばいい。そうすれば、きっと諦める。
 まだ終わったわけじゃない。
 まだ諦めるには早すぎる。
 手段がある。
 方法がある。
 仕様がある。
 だったらまだいける。続ける意味がある。終わってない。
 全て壊す。徹底的に、破滅的に、破壊する。
 『絶対能力進化計画レベル6シフト』を中断に追い込むまで壊す。
 そうすれば、
 そうすれば、
 そうすればいつか、きっと……。
 
「は、はあははっ、アハッ」
 
 機材も、
 資金も、
 人材も、
 無限じゃない。有限だ。
 欲も野心も底を割って跡形も無くなるまで、
 今あるモノも過去にあったモノもこれから引き継ぐモノも全部!!!
 
「アハハハハ!!!!!」
 
 で・、お・前・は・そ・れ・が・本・当・に・で・き・る・と・思・っ・て・い・る・の・か・?
 
「………………………………………………………」
 
 そ・れ・ま・で・に・一・体・何・人・の・妹・達・が・殺・さ・れ・る・?
 
「…………、さい」
 
 『お姉さま』
 
「うる、さい」
 
 『お姉さま』
 
「うるさいっ、五月蠅いっっっ、煩いッ!!!!!だったら他に、他にどんな方法があるっていうのよ!?計画を、今すぐにっ!中止させる方法なんて、そんなの!」
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/12(水) 16:43:27.25 ID:QCfHA/kk0
だから、手あたり次第に薙ぎ払う。
 無駄で無為で無謀な行いだったとしても、今の御坂にはもうこれしか手段が残されていない。
 敵は学園都市そのもの。個人では組織に勝つことはできない。
 敵は学園都市最強の超能力者レベル5。第三位に過ぎない御坂では決して勝つことはできない。
 敵は過去の自分自身。そして、例えどんな能力者であったとしても時間遡行タイムトラベルは不可能だ。
 だからこれが現状の最適解。
 
「はぁ、はぁーっ!はぁっ、はぁっ…………、他に、手段、なんて…………」
 
 そう、他に手段などない。
 そしてこれは最適解であっても正解ではない。
 いや、もう、もはやどこにも正解など存在しない。
 
 御坂美琴はもう、既に、負けているのだから。
 
 ただ、
 だからこそ、動く者がいる。
 弱った超能力者レベル5は、恰好の的だから。
 
「荒・れ・て・い・ま・す・ね・、御・坂・美・琴・」
「ッ!?」
 
 いきなり、
 いきなり、いた。
 御坂の前方3メートルに1人の少年がいて、
 その少年が御坂に声をかけていた。
 
「学園都市第三位の超能力者レベル5、『超電磁砲レールガン』の御坂美琴」
 
 断言できるのは1秒前までそこには誰もいなかったという事実。
 断定できるのは少年には既に御坂の正体がバレているという現実。
 想起されるのは8月19日に戦った敵たち。
 金髪の爆弾使いと茶髪のビーム女と薄黒髪の暗い少女。
 
(コイツ、……『アイテム』とやらの同類か?)
 
 あり得ない話じゃない。破壊活動を続ける御坂に『絶対能力進化計画レベル6シフト』の主導者が更なる刺客を送るのは決してあり得ない話じゃない。
 だが関係ない。
 邪魔をするなら、排除するだけだ。
 
「アンタ、誰?」
「天蓋てんがい奈落ならく。正義の味方ですよ」
 
 夏だというのに長袖長ズボンにネックウォーマーと帽子、手袋、マスクなどをして露出部位を最低限に留めた少年はそう名乗りを上げた。
 自分は、正義の味方だと。
 
「つまり、あの時の奴らと同じってわけ?」
「あの時?それは8月19日にあなたが戦った『アイテム』のような?だとすれば心外ですね。私は『アイテム』のような暗部組織とは正反対の組織に属する人間なのですから」
 
 全てにおいて信用ができなかった。
 張り付けたような笑みが嘘くさい。
 芝居がかった口調が演技に見える。
 正義の味方という自称が怪し気だ。
 だから御坂は決して緊張を解けない。こういう手合いが一番信じられない。
 
「あぁあぁ、そう構えないでくださいよ。私はあなたの味方ですよ。味方」
「味方?」
「えぇ、そしてその味方からのアドバイスです。この先には行かない方がいい。この先に行けば、あなたはひどく後悔することになる」
「………………脅してるわけ」
「脅し?違いますよ。言葉の通りに受け取ってください。アドバイスと言ったでしょう?」
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/12(水) 16:44:05.05 ID:QCfHA/kk0
 そう言って、奈落は大仰に手を広げる。
 まるで、通せんぼをするように。
 
「『絶対能力進化計画レベル6シフト』を止めようというあなたの気概は素晴らしい。ですが残念なことに、あなたには実力がない。だからあなたは『絶対能力進化計画レベル6シフト』を止められない。それどころか、この先に進めばあなたはあの『焦がれし憧憬イカロス・ハイ』の手駒になってしまう。だから私はあなたを止めたいのです。この先には不幸しかない故に」
 
 傲慢な態度が酷く癇かんに障る。奈落は御坂が『絶対能力進化計画レベル6シフト』を止められないと決めつけている。そして今の言葉で分かった。奈落は『絶対能力進化計画レベル6シフト』を知っている。知っていて、それでも『絶対能力進化計画レベル6シフト』を止めようとしていない。
 それが酷く癪しゃくに障る。
 できるできないではない。
 やらなければならないのだ。
 挑まなければならない。
 例えそれが勝率絶無の戦いであったとしても。
 
「退きなさいっ!私は、あの子たちを救わないといけないの!」
「できないことを囀さえずっても無意味です。『絶対能力進化計画レベル6シフト』はあなた如きに止められる計画ではない。あなただって分かっているはずです。あなたの無力さは、あなたが一番」
「うるさ、い……っ!私は、それでも、できる、やらなきゃ、大丈夫……お姉ちゃんが、あなたたちを絶対に」
 
 ぶつぶつと譫言を呟く御坂。
 それを静かに観察する奈落。
 
(思った以上に重傷ですね。果たしてここまで追い込む必要はあったのか……?相変わらず、『委員長』は何を考えているのか分からない)
 
 パキリ、と指を鳴らす。
 最初から御坂が奈落の言葉を受け入れないことなど分かっていた。それでも語り掛けたのは、奈落の目的が御坂の説得ではないからだ。奈落は『焦がれし憧憬イカロス・ハイ』より先に御坂と接触さえできればよかった。それが奈落の任務であり、それが御坂にとっての救いになるから。
 故に、奈落の目的はもう済んだ。
 だから後は、言うなれば消化試合だ。
 
「言葉ではもう止まりませんか。ならば、仕方ありませんね」
 
 瞬間、
 
「多少手荒な手段を用いることにします」
 
 そ・の・声・は・御・坂・の・す・ぐ・後・ろ・か・ら・聞・こ・え・た・。
 
(空間移動能力者テレポーターかっ!)
 
 3次元的空間を無視して物体を転移させることができる能力の総称、それが空間移動テレポート。そして、その使い手が空間移動能力者テレポーター。
 7人の超能力者レベル5の中に空間移動能力者テレポーターはいない。つまり、純粋出力値で奈落が御坂を上回ることはあり得ない。
 だが、能力者同士の戦いは能力の強度レベルだけで決まる物ではない。
 例えば空間移動能力者テレポーターは他全ての能力者に対して優位を取れる。なぜならば空間移動能力者テレポーターの初撃は、敵に能力がバレていない時に限り、必ず奇襲として機能するからだ。
 そうつまり、強度レベル差は引っ繰り返せる。
 空間移動能力者テレポーターは御坂美琴学園都市第三位の超能力者と正面から戦って勝利できる可能性がある。
 
(と)
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/12(水) 16:44:32.01 ID:QCfHA/kk0
まぁ最も、それはあくまで可能性であり、奈落の勝利を確約する物ではないが。
 
「甘い」
 
 奈落の右手が御坂の肩に触れるか触れないかという瞬間、御坂の身体から極大の電撃が放たれた。
 
「っ!」
 
 御坂美琴レベルの電撃使いエレクトロマスターならば電磁波の反射で空間把握ができる。つまり、攻撃に五感を必要としない。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。その5つのどれにも属さない6つ目の感覚器を御坂は持っている。
 だから、目で捉えるよりも早く電磁波レーダーで奈落の居場所を把握した御坂は、奈落が触れるよりも早く電撃を放つことができた。
 だから何だという話ではある、が。
 
「れるわけないですよね、そりゃ」
「な、ん」
 
 奈落は無傷だった。無傷で、身体の麻痺も起こっていないようで、つまり御坂の電撃は奈落に効いていない。
 御坂の電撃は間違いなく奈落に当たったのにもかかわらず。
 
(防が、れた?)
 
 だがどうやって?
 極至近距離からの電撃は見てからでは防げない。である以上、予め対処がなされていたと考えるのが無難。
 電気による攻撃を防ぐ方法はいくつかある。例えば理論純水、例えば避雷針、例えば、例えば。
 そして御坂の感触では、電撃は奈落の右手にブチ当たり、そこでまでだったような気がする。
 だから、現状考えられる一番高い可能性をブラフの意味も含めて宣言する。
 
「絶縁体、か」
 
 絶縁体。
 それは平たく言ってしまえば、電気を通しにくい性質を持つ物質の総称である。
 立ち向かわなければならない敵が御坂美琴であること、即ち学園都市最強電撃使いエレクトロマスターであることを奈落は知っていた。だから、対抗するための準備はしてきた。
 
「流石。……ダイヤモンドの絶縁耐力は約2000MV/m。あなたが咄嗟に放った電撃程度なら、1発くらいは耐えられるという計算ですよ」
 
 ぷらぷらと腕を振って、その服の下にコーティングされているダイヤモンド見せつける。
 ダイヤモンドは電気を通さない。
 理論純水が電気を通さないように、ダイヤモンドもまた電気を通さない。故に、御坂の電撃は奈落の身体を傷つけられなかった。服にコーティングされたダイヤモンドが全ての電撃を受け止めた。
 
「はっ、舐められたモノね。その程度の小細工で、超能力者レベル5に対抗できるって考えてるんなら」
「あなた方超能力者レベル5の悪い癖だ。お仲間レベル5以外の能力者を無意識に見下すのは。覚えておいた方がいいですよ。時に鼠は、獅子すらも[ピーーー]。あなたの現状が良い例だ」
 
 それがとんでもない皮肉に思えて、
 
「とはいえまぁ、この場においてはあなたの言い分が正しい。まさか、たった1発で絶縁破壊が起きてしまうとは思いませんでした」
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/12(水) 16:45:06.60 ID:QCfHA/kk0
 絶縁破壊。
 それは絶縁体が破壊され、絶縁状態が保てなくなることを指す。
 つまり、もはや奈落の勝ち目はない。最も、奈落は最初から御坂に勝つ気などなかったが。
 
「あなたの電撃を私はもう防げない。故に、ここは退くとしましょう。しかし言っておきますが、私は何1つとして嘘を言っていませんよ?ここから先に行けば、あなたは必ず後悔することになる」
 
 任務は果たした。
 後は御坂の問題だ。
 この先に待ち構える本物の悪。『委員長』とほぼ同等レベルの存在を前に、御坂がどれほど食い下がれるか。
 ただの手駒に成り下がることが無ければいいが。
 そのための材料も、少しだけ与えたのだから。
 
「それでも、本当に行くのですか?この先に待つのは地獄だけ。何度も言いますが、あなた程度に『絶対能力進化計画レベル6シフト』は止められない。あなたじゃ妹達シスターズは救えない」
「できる、……できるわよ。……私は、あの子たちの、……お姉ちゃんだから」
「……やれやれ。ならば先に進むがいいでしょう」
 
 そう言って、奈落は二歩横にずれ、道を開ける。
 
「失礼しますよ、御坂美琴。無力で無能な超能力者レベル5」
 
 哀れだ。あまりにも可哀想すぎる。こうなることは決まっていた。何年も前から決まっていた。
 なぜならば、奈落も御坂も所詮はゲームの駒に過ぎないからだ。盤上の駒は操られるだけ。ルールに反逆できず、上位存在の命令に逆らえない。
 それを自覚していないだけ、御坂はまだ奈落よりも幸せなのかもしれないが。
 
「次に会った時は、本当に敵同士ですからね」
 
 それだけ言って、奈落は消えた。御坂の電磁波レーダにも人の反応はない。外に空間移動テレポートしたのだろう。
 一呼吸置き、二呼吸置き、人心地ついて、改めて御坂は前を見据える。
 
「……行こう」
 
 一歩、踏み込む。
 二歩、死地へ。
 山砲でも喰らったかのような表情で。
 
「私は、あの子たちを」
 
 その決意が虚しく響く。
 できもしないことを言っても自己満足にすらならない。
 奈落は『上』を匂わせていた。
 つまり、ここまで全部計画通りか。だから、ここから先のレールも決まっているのか。
 未来は白紙ではなく、予め定められた通りにしかならないのか。
 
「救うんだから」
 
 『この先に行けば、あなたはひどく後悔することになる』
 
 分かっている。
 分かっていた。
 それが真実であることも、
 それが真相であることも、
 
 でも、仕方がないじゃないか。
 
 御坂はもう、
 
 そうするしかないんだから。
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/12(水) 19:54:01.62 ID:8Ay2vbWu0
最近ハリウッドザコシショウのコントにハマるようになって、以来作中キャラのキレ方が全員あの声で脳内再生されるようになってしまった
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/12(水) 20:58:55.84 ID:ecc+Z40HO
とうま!お腹減ったんだよ!
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/12(水) 22:37:13.47 ID:up5T7YwE0
>>731
新刊の話題なんて信者もロクにしてないだろ
以前は新刊出たら本スレ1日で3回転くらいすぐにしてたのに、今じゃ1スレ使うのに3日かかってる有様
アンナだの評価されてないレベル5だの一方通行のイカ臭い自首だの、今の萎びた展開に語りたい・語るべき事なんか特にないって事だ
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 00:06:30.23 ID:y2rS1oqO0
萎びた作品に付き合ってないで卒業したらいいよ
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 14:09:01.34 ID:6ig6Ad8u0
一方通行は上条さんを留年から救うという大事な使命があるのになんで自首なんかしてるんだよ…
恩のある高校生のピンチを救えずになにがヒーローだ統括理事長だって話ですよ
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 16:20:03.11 ID:7+aj4Ack0
一方厨がまたクソSS書かないように監視する役目も俺たちにはあるからな
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 21:37:38.26 ID:85XaYjLAO
>>746
気持ち悪いやつだな
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 22:16:16.42 ID:653+iICqO
>>746
根絶やしにしなくてはな
監視して潰す所までワンセットだ
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 23:14:35.86 ID:ctcdzR/v0
一方通行は大嫌いだけど自首した点だけは認めてやるわ
もっと早くにこうするべきだったけどな
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 23:37:55.37 ID:5uVSqDSGO
>>746
露骨すぎてつまらん
そんなんじゃ荒らせないよ荒らしくん
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 23:52:01.45 ID:NVvqYrBX0
>>749
自首だの自分が罪をひっかぶるだの言ってるけど、それをどこまでやるかだなー
10032回、妹達をウキャウキャ言いながらバラした記録は残ってるだろうから、それをちゃんと世間の目に見える様に公表するのか?
研究者に頼まれてもいないのに残虐な方法で遊んだ事も、上条や御坂が命がけで止めようとしたり御坂妹が実験拒否する姿勢になったのを逆ギレしながらコロそうとした件は?
そういうのもちゃんと見えるようにした上で裁かれないとね
その上で世間に袋叩きにあって生きてく居場所がなくなるくらいじゃないと、「償ってる」などとはとてもとても
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 00:19:56.92 ID:rgis92Z10
改心過程、更生過程が雑な贖罪キャラほど不愉快な存在はない。
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 01:23:24.00 ID:dKNBK5au0
一方の贖罪とかクソどうでもいい扱いなんだよなあ作中キャラからも
ここの禁書アンチくんの意見に一番近いのが一方通行本人というギャグ
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 01:33:01.20 ID:M8INZcB30
妹達も美琴ですら自首に何の興味もなくて草
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 15:19:29.45 ID:lnBtge6Y0
関知してる描写全く一度もないのに美琴と打ち止めが知り合いみたいになってる辺りに妹達への関心の無さが伺える
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/14(金) 19:19:24.56 ID:BkmRo8KnO
打ち止めも上条ハーレム入りってマジ?
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 21:08:16.38 ID:3IQv98cIO
上条さん「ないです」
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/14(金) 21:31:36.91 ID:GWPAW99g0
>>744
だから信者ですら付き合いきれずに続々と卒業するから、創約の初動が1,7万なんてヘボラインまで落ちたんだろ
前巻のリバースも中条だの食蜂だの作者はキャッチーな事したつもりだろうがツマランかったし
しかも3作も続けてアニメ化してる中でこれじゃあ先は見えてる
次巻は超電磁砲も放送終了して更に落ちるだろうし、何が悪かったのか真摯に直視するのも一つの姿勢だとは思うかな
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 02:27:18.87 ID:LhBbakHi0
こんなとこで俺らに警鐘鳴らされても知らんがな
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 07:28:48.26 ID:LW3/iKkuO
アニメの特典小説集発売するってよ
既に持っている俺としては何だか複雑な気分
SPに収録されている話は、物理的に入手困難だろうからああいう形で発売したのは分かるが、アニメの特典はアニメイトとか行けば金さえ積めばまだ手に入るレベルだろ
これじゃあアニメの円盤買った人が損する形だわ
てかそういうところのファンサよりアニメをちゃんとしたりしろやっていうね
禁書3期の特典とバイオハッカー持ってないから、それも出してくれるなら許すけど、最近のだから出ない気もするんだよな
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 07:40:05.76 ID:TkMQ4N6w0
>>756
上条さんにゴミを押し付けるな
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 07:40:32.50 ID:cpEwjerRO
>>760
出るのは2期までだろ…
いうて7年前だしそろそろ解禁するかもとは思ってた
さすがに去年の特典を今年解禁にするわけない
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 09:40:13.91 ID:I9XGc4TQO
>>760
特典出すならアニメ作れとか意味不明だし昔買った人が損するからバイオハッカー編だけ出せとか意味不明だし
批判してる風でテメーのことしか考えてねーじゃねーかこいつ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/15(土) 13:19:46.89 ID:4HK/lIpUO
>>763
出すなら全部出す
出さないなら全部出さないのが平等だろ
たまたま昔だけ買った人が損する形で出すのはクソって言ってるだけ
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 13:48:01.40 ID:MThMBSmEo
去年の出したら特典もなにもない
CDやら小説は10年5年経ったら解禁するのは普通じゃん
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 13:56:58.94 ID:I9XGc4TQO
そもそも昔買った人が損するというのはおかしい
お金出してる代わりに10年も早く読めてるじゃん
理屈になってないことを理屈のように言うのはやめろよ
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 14:00:26.85 ID:TkMQ4N6w0
円盤に付属の特典をこうして後からまとめて出すなら今まで特典を目当てに真面目に円盤を買い続けて来た人達からしたら見事に裏切られたような心境だろうなぁ〜気の毒に……
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 14:18:27.61 ID:bkyGrCQ9O
じゃあもう分かったんだから3期の特典10年待てば?
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 16:30:05.95 ID:TkMQ4N6w0
煽り抜きでその方が賢明かもね
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/15(土) 16:36:19.29 ID:qaeN4/uJ0
まあ次の特典集出す前にシリーズ畳みそうだけどなもう
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 16:41:50.37 ID:LW3/iKkuO
>>766
だったら10年後に安価に読めた方がいいわ

>>767
ほんとそれなんだよ

>>768
別にそれならそれでいいけど、それって長い目で見たらコンテンツの寿命縮めるだけの行為だと思うけどね
だって、どうせ何年かしたらまとめて出すんだから円盤買わなくていいじゃんってなるし
まあかまちーがどう思ってるのかわからんが、電撃側からしたらもう禁書なんていつ終わってもいいし、当店小説集で少しでも稼げればいいや的な考えしかないんだろうけど
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 17:14:36.18 ID:I9XGc4TQO
特典出すなってのはまだ分かるけど俺が持ってないから最新作まで入れろとか言ってるのは平等とかこつけて自分のことしか考えてないようにしか見えんわ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 17:28:03.75 ID:LW3/iKkuO
>>772
お前こそ理屈より俺が気に食わないだけだろ
俺は最初から出してほしくないってのがメインの主張
最新作まで入れてくれたらまだ許せるってだけ
それに俺が仮に最新作まで持っていたとしても、出すなら全部出せって言ってるよ
だって2期までしか買ってない人が気の毒だからね
それか特典小説集が円盤8本分かそれに近い金額で販売するなら文句はないけどな
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 17:36:30.13 ID:ACUIifL00
特典SS中古とかメルカリだのヤフオクだのでも見ないな…
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 18:33:10.10 ID:qaeN4/uJ0
>>773
じゃあ最初から俺が持ってない云々のくだり書かない方がいいよ
俺より安く買いやがってムカつくって言ってるようにしか見えなかったし
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 19:02:01.04 ID:qqsQeq+QO
ってか「買った人が気の毒」って言ってるけど率先して愚痴ってんのお前じゃん
俺が気に食わねえの方が論に合ってるぞ
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 19:13:27.89 ID:LhBbakHi0
特典付きだから買ってきたのにという解せなさもあるんだろうな分かる
しかしそもそも代金は円盤代だからねえ…
損したって何が?円盤あるのに?と思ったわ
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 20:43:52.87 ID:LW3/iKkuO
>>775>>776
言ってるように見えるとか論に合ってるとかって、そう言ってるんだから当たり前じゃん
それに俺も「買った人」の一人ではあるんだから愚痴って当然

>>777
それこそ理屈というか建前は販売側も消費者側もそうだが、実際問題アニメの円盤売り上げってのは禁書に限らず特典で成り立ってる部分が大きい
実際俺にとっては特典小説のみが目当てであって、円盤自体はまったくいらない
でもその特典小説を得るには、公式的には当時は円盤を買うしか手段がなかったわけだからな
円盤代金かえって来るなら円盤だけ返すのに全く問題ないレベル
そういう消費者がいるってのもわかっててこういうことするからやるせないんだよ
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 21:51:53.42 ID:3wwI4Jj9O
めんどくせーやつだな
「納得出来ないならこれから買わなきゃいい」これで終わりだろ
コンテンツの存続とかお前が考えることじゃないし愚痴なら日記にでも書いとけ
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/15(土) 23:32:15.83 ID:T4no2M3C0
>>762
特典小説とかも当時は気になってたけど、今となってはもうどうでもいいわ
当時の設定を今さら精密に把握しても何の役にも立たんしな
そういう意味では7年も経ったら確かにほとぼりは冷めてる
そもそも今さら別に欲しくもないから買わんけど
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 00:13:40.35 ID:qtsy9nhF0
>>778
別にお前が愚痴るのは自由だけど円盤買った被害者達の代表みたいな言い方してんのがちゃんちゃらおかしいんだよw
超電磁砲二期が6年半前だろ?それの特典を売るのは論理的におかしいとか胡乱なこと言ってるのお前くらいしか見ねーんだよ
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 00:20:28.32 ID:5vuHwyO10
金返してくれるなら円盤だけ返すは草
消費者に向いてないぞw
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 00:43:10.91 ID:8SDcJ8TAO
特典売るのがやるせないんだってんなら禁書三期と一方通行の特典売るのだって無しというかそっちの方がずっとやるせないだろ
なんでこっちを売るならオッケーとか言えるのか分からないね
全部収録するならアリってどういう理屈?
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 07:19:46.15 ID:4FnUAQPJO
>>781
別に論理的におかしいとは一言も言ってないだろ
散々特典商法しといてこれはねーだろって言ってるだけ

>>783
だから出すなら全部出す
出さないなら全部出さないのが平等だからって言ってるだろ
まともにレスも読んでないのか、そうじゃなければ叩きたいだけの輩じゃねーか
別にそれも自由だけど
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 07:35:34.85 ID:4FnUAQPJO
まあいいわ
共感してくれた人も少しはいるみたいだけど、基本とあるシリーズそんなに好きじゃない逆張りガイジばかりなんだろうな
こちとらはいむらの画集とかコールドゲームのために電撃大王とか、挙句の果て美琴マニアクス買ったりとかしてんだよ
それだけ好きでお金と時間使ってきてこんなことされたら腹立つだろ普通
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 07:59:51.38 ID:mcNT+bV5o
鎌池スレ行けよ
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 11:30:05.90 ID:eHB/qNAp0
円盤の話題いいかい?糞通行の糞害伝の糞アニメの円盤の売り上げってどんな感じ?糞通行の信者が禁書3期のアニメの円盤より売れてるとかソースも貼らずに吹聴してるからウザくて仕方ないのよ
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/16(日) 13:54:19.44 ID:qtsy9nhF0
>>784
だから平等じゃないじゃん
円盤出してから十年で廉価価格で特典出すのと一年で廉価価格で特典出すのと何が平等なの?
あと論理じゃないって言ってるけど論になってないって自覚してることで逆張りだの普通は共感するだの言われても困るんだけど
頭おかしいだけじゃん
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 14:17:33.94 ID:qtsy9nhF0
ってーかね、特典出すなよって文句あるのは分かるんだよ
別にそれは怒っていいと思うよ
それを買った人はみんな文句あって当然とか禁書が好きなら嘆くとか代表者面してるのが訳分かんないんだよ
個人的に腹立ってるだけじゃん、腹立ってるのお前じゃん、「禁書ファンのみんな」とか妄想じゃん
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 15:05:46.93 ID:3uT5wtk+0
今はもう存在しない一方通行信者を叩き続けるスレにまともな答弁を期待してはいけない
過去のクソ一方厨叩きならまだ分からんでもないけど
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/16(日) 23:11:34.62 ID:tFvfcr+a0
>>787
一方外伝は2,000くらいだったはず
禁書3期は4,000程度だったと思うから、禁書より売れてるは大ボラだな
まあどっちも「次」に繋がりそうもないゴミラインという意味では同じだが

超電磁砲3期はけっこう評判いいけど、さすがにアニメ化としては最後だろうなぁ
とあるアニメ化もついに7作目にもなってしまったし、もう売り上げも大して見込めんだろ
つーか3作連続アニメでなんで最後に回したのか
むしろゴミ2作の前の最初にやって場を暖めた方が盛り上げ効果ありそうだったのに、ここまで場を冷やしてオワコン感出してから良作出されてもみんなビミョーな気分にしかならんって分からんかったのか。無能判断が完全にシリーズの足引っ張ってる
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 00:28:27.54 ID:zHvaCcxa0
電磁砲と禁書は交代でアニメ化が編集サイドの意向
電磁監督のスケジュールの空きがなかった
田中のやる気復活待ち
そんなとこ
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 02:27:57.69 ID:B752rpTeO
一方の枠禁書に使っとけ定期
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 19:08:05.68 ID:6kCQXCb00
今やってる超電磁砲Tそこそこ面白いぞ
とりあえず上条さんのターンが来たら本番だわ
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 21:26:43.87 ID:nDQ8QMjF0
>>793
結果だけ見ると完全にそれだな
尺でも予算でも、一方アニメの無駄なリソースを禁書に回せば多少なりともマシになったろうに

アニメ化以前に一方スピンオフ自体が失敗なのに何考えて失敗を失敗で上書きしてんだ。頭湧いてんのか公式
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 23:18:37.65 ID:zHvaCcxa0
電磁砲コロナで落ちたのか
今回だけなのかこれ以降も予定が立たないのか心配だな
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/18(火) 02:00:40.79 ID:wtvci1sk0
>>796
やべぇよ……やべぇよ……!!
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/18(火) 22:45:13.75 ID:aEQ8g6wL0
アニレーの放送終わったらシリーズも閉店ラッシュになりそうやなー
下手なスピンオフ乱造したのが最後の祭りだったか
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 01:46:53.00 ID:eZILPeTc0
シリーズ終息に向かって欲しいからそれでヨシ
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 11:05:55.60 ID:vwoUATv60
超電磁砲のアニメに悪影響を及ぼされた事で初めてコロナウイルスの存在を身近に感じた
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 11:16:12.97 ID:ZADfVl1HO
アンチ兄貴のブレなさ好きやで
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/19(水) 22:16:58.33 ID:Bhx838/q0
>>799
後を続けられなくなりそうになった鎌池がどういう内容ぶっ込んでくるのかちょっと楽しみにしてる自分がいるww
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/20(木) 09:40:40.71 ID:stY8QJCE0
さいですか
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/20(木) 22:55:13.88 ID:erwzWbWq0
創約の初動じゃあ22巻までやるのは難しそうだなあ
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 00:19:45.99 ID:m1KEiJXB0
とりあえず最後は上条さんと美琴が幸せなKISSをしてハッピーエンドね
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 01:06:42.57 ID:eLnxFMjg0
ないない
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 13:34:33.97 ID:m1KEiJXB0
あるある!!(# ゚Д゚)ムキー
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 15:18:23.05 ID:QiGmiTZ7O
結果はともかく美琴くらいはしっかり決着つけてくれ
くっつかなくても後味の悪い関係じゃなければそれでいいや
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 19:59:55.02 ID:6/KJ8b4vO
美琴さんはヒロイン力を犠牲にヒーロー力を手に入れたから…
といっても実際に大好きレベルなキャラが案外少ないから上の方だけど
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 20:30:55.85 ID:m1KEiJXB0
とにかく本編で上琴が見たいんだよ!!
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/21(金) 22:49:54.77 ID:8+iMhE9v0
ていうか最終的に誰がヒロインであろうと、そのヒロインとしっぽり結ばれていちゃいちゃラブラブハッピーエンド!なんて終わり方にはならんだろ、禁書に限って
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 01:00:45.86 ID:Vw9x79+l0
賛否両論になるだろうけど上条さんならハーレムでも許すよ
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 01:22:25.72 ID:d1N4jXok0
上条さんがそういうの望んでるタイプでも無いし
本編はまあほぼほぼ上イン確定レベルだからなあ…
だからお前らがSS書くんだよ!
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 02:25:33.94 ID:2AfQbfevo
タイトルがタイトルだしなぁ
ただもののけ姫エンドはありえるかもしれない
そなたは森で、私はたたら場で暮らそう…
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 22:54:04.18 ID:YZXL9Ndu0
しかしタイトルなのにここまで存在感と人気と需要のないメインヒロインっていうのもラノベ史に残るレベルだとは思う
作者がわざとやってるとしか思えないレベルだが、何か意味があってやってんのかね
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 01:36:40.58 ID:krkq6NQN0
俺は未だに上条さんがあそこまでインデックスに執着する理由が分からない
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 18:36:58.21 ID:oSvQJ5zGO
原作を読みなさい
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 20:47:44.84 ID:13Vi16mz0
ほんそれ
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 22:05:46.79 ID:khzKSIhO0
禁書は作者の脳内双六だから作者の「こうしたい」ってのが最優先で説得力とか二の次だからな
率直に言えばオティヌスとの理解者ゴッコも全く理解できないし、上条が速攻でアレイスターの肩持ってるのもイミフすぎる
打ち止めも記憶障碍としか思えないし、どんな悪事働いた奴ともごく短期間で和気藹々と笑い惚けられるのも人間性が著しく欠落してる
鎌池は基本的に、人間の気持ちが理解できて心理描写できるタイプの作家ではない
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 00:18:21.89 ID:ta7T8ck50
インデックスが空気言ってるのはもう読んでなさそう
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 10:45:51.53 ID:fnkwA12E0
とあるシリーズは上条さんの立身伝であって欲しかった
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 13:05:29.20 ID:wXboBCTn0
かまちーに向いてないこと、出来ないことを望んでる奴って上条より不幸ね
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 21:07:15.73 ID:k0jsTogbO
新約がダメだったところは他の作品でやってた実験的に試してた作風を禁書でやったことだと思う
読みにくすぎるし今まで通りのオーソドックスな作りの巻は面白かった
創約は今の調子で続けて欲しい
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 23:21:55.92 ID:WsILSRKW0
作家として生意気なこと言うのはダメなところだなぁ
「禁書は実験作」とか「ゴミ紐みたいにいくらでも引き延ばせる」とか昔からちょっとカンチガイ感は出てたが
粗製乱造はことごとくスベって、肝心の禁書も今の凋落見ると「で、いつ実験()やめて本気出すの?」と冷めた目でしか見れない
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 23:25:15.40 ID:Oddm3jFmo
ssの話じゃないなら鎌池スレ行ってやれよ
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 23:42:48.44 ID:ta7T8ck50
生意気とかそれこそ何様すぎる…
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 11:16:24.54 ID:Jr7t/3Pn0
いや、実験感覚で変な展開やるのは頂けないわ
読者に誠実じゃない
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 12:03:52.04 ID:WN7TmcEX0
ここでする話じゃないだろう
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 19:55:51.57 ID:Jr7t/3Pn0
そうだな
すまなんだ
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 20:12:06.41 ID:irhS9ZwZO
かまちーは群像劇あんまり上手くないのにやたらやりたがってたからな…
成田の影響か知らんけど
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 21:35:51.85 ID:J/155RZ00
>>826
お客様では?
アストラルの作者も当初やたらコミック売れなきゃすぐ終わる〜アピールして顰蹙買ってたし

>>830
キャラと設定考える能力はA級だけど、物語や心理描写はホントC以下って感じ
その辺のボロが出る前に新たなキャラや設定で上書き上書きがかまちの基本的な手法だけど、ここまで長期だとさすがにもう無理がな
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 22:04:42.43 ID:ezdQjSX90
やりたいことは分かるけどそれやっても面白くならないだろ…ってのを新約の評価微妙な巻ではやってた印象
ちゃんとしようとしたら面白いの書けるけどやらずに趣味で書いてる時が本当に酷い
あと加納とむぎのん特に何もなしは幾ら何でも酷すぎる…こういうところほんと嫌いってなった
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/25(火) 22:49:09.98 ID:9KIBCf9w0
アニレー続き出来たようで良かったこのまま止まらないといいが
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/26(水) 00:28:46.58 ID:5ICj+ijo0
>>833
止まるんじゃねぇぞ……
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/02/26(水) 21:56:44.27 ID:Ak8p75fD0
>>832
面白いモノ書いてる時とつまらんモノを書いてる時の落差はホントに酷い
ただそれは旧約からだからなー
言ってしまえば浜面パートは全て作者の趣味だろうし、浜面パートは浜面ごと全削除しても話にほぼ影響ないよね?とか思ってしまう
滝壺の能力うんぬんも、プラン放棄した今となっては滝壺ごとどーでもいい要素に成り下がったし。そもそも滝壺守る!路線もとっくに破綻してたけど
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/26(水) 21:59:06.52 ID:BiZLJwQpo
ssの話しろよ
本編の話したいなら別のスレ行けよ
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/26(水) 22:33:56.82 ID:A7uqqa9ZO
基本上条さんでたまに一方だったりズラだったりが入るからいいんであって出ずっぱりなのはファンですら違うよなあ…ってなるんだよな
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/27(木) 10:48:46.04 ID:3R3Ze1Uf0
>>837
煽り抜きで一方パートと浜面パートはつまらないからなぁ
あの二人に尺を割くならインデックスや美琴をもっとしっかり掘り下げて欲しい
そして最後を上条さんが飾る感じで
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/27(木) 18:08:09.45 ID:tl/JLN8s0
旧約の浜面は好きだったよ
レギュラー化した浜面はゴミ
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/27(木) 22:46:30.58 ID:AZfbhqqq0
>>837
一方通行は今にして思えば下手に人気出たから鎌池をカンチガイさせた戦犯じゃないかと思える
創約で今更になって自首してカッケー()みたいな茶番始めたのも、スピンオフとそのアニメが大コケしてようやく路線が間違ってたのを自覚したのかどうか
浜面に至っては序盤以外はほぼ「要らない」って言われてたのにムキになって出してただけに見える
ここまでシリーズ傾かないと欠陥と向き合えない時点でダメなんだけどな
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/27(木) 23:00:11.75 ID:+3ofgQ+g0
読者には要らなくても鎌池には要る
たぶん好きなんだろうね浜面
双方にとって不幸だが
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 11:34:33.92 ID:qvDlvFri0
本当に好きならもう少し丁寧にキャラを掘り下げると思うけどな
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/28(金) 21:46:30.64 ID:fT+KUj9f0
今まで禁書で丁寧に掘り下げられたキャラなんかいたか?
そういう事できる作者じゃないって
お気に入りのうちは散々イキらせて、用済みになったらフェードアウト。気が向いたり使えそうだったら掘り返して再利用。その繰り返しじゃん
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/02/29(土) 14:21:45.80 ID:UwEMjjpy0
今年は閏年か……
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/29(土) 23:39:27.49 ID:TA5jotAb0
>>841
商業じゃなくて趣味で書いてネットにでも個人的に載せる用にして欲しいもんだな、そういうの
そうやって自分の書きたいもんを自己満足で書いた結果が新約12巻から上里編の読者総崩れだろうに
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/29(土) 23:45:45.72 ID:Eu21PRCu0
浜面も上里も嫌いじゃ無いんだがな
尺取りすぎ
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 02:22:52.12 ID:XkMSyswB0
上里編書いてなくても売れなくなってたと思うけどね
文章劣化してるし長すぎる
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 14:16:24.64 ID:IW4jHrfD0
一方通行は外伝にくれてやれ
もう本編に出る必要性を感じない
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 23:10:53.56 ID:FLTYu0K20
いや本編の一方通行は上条さんファンしてるところとかおもろいし良いわ
外伝一方通行がゴミすぎるから他のキャラに外伝主人公の座を譲り渡せ
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 23:21:46.47 ID:CRDTdmyyo
何でこんなところでそんな話をするんだい?
本スレの方が人多いし構ってもらえるよ
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/01(日) 23:58:24.79 ID:bqJjtuXh0
>>847
「どっちみち下降線だった」と「物凄い勢いで読者離れさせた」の間には超えられない壁があると思うぞ・・・
どう考えても鎌池の不徳だよあれは
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/02(月) 15:21:24.50 ID:PFpLoHaA0
>>850
本スレはガイジの巣窟だから行きたくない
ワッチョイも表示されるし
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 19:33:19.33 ID:W03YPp8to
ここよりはガイジ少ないよ
それにワッチョイ表示されて何か困るのか?
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 20:26:09.18 ID:a9LIXLRRO
上条さん=レーニン
一方通行=スターリン

ロシア編から創約にかけての一連の戦いや変革を題材にした後世のドキュメンタリーという体裁でss書いたら面白いかな
一方通行政権下では上条さんが過剰に神格化されそう
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/02(月) 21:03:38.83 ID:IgXc7B6LO
ヤンデレ御坂が大暴れ
黒子を殺して上条を達磨にして監禁
上条がもう殺してくれって呟いて終わる

SSのタイトル誰か知らない?8年近く前のものだと思われる
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:10:47.99 ID:EgFLBcft0
今の上条さんなら無限地獄の中で達磨課程くらい修了してそう
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/02(月) 21:56:38.37 ID:JkKzF4+o0
>>854
とりあえずロシア編では一方通行は何も知らんし何も考えてないだろ
しかも一方政権もう終わったし・・・

あと禁書って一応構造では史実アレイスターのオシリス時代だのホルス時代だのを題材にしてるからなあ
旧約は神上を倒して「一神教時代の終わり」、新約は魔神の在庫処分セールで「多神教時代の終わり」を示してるんだろ
創約はタイトルからして「人間が神と同ランクになる時代」なのは分かりやすいしテーマは最初から一貫してる
余計なこと書きすぎて内容がグダグダのグズグズになってるだけで
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/03(火) 00:08:05.76 ID:uG9s9enG0
>>854
その配役だと浜面はトロツキーかな?

>>855
何それ?寧ろ知りたい
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2020/03/03(火) 07:12:50.86 ID:cYR5d9FRO
むしろトロツキー役は美琴かみさきちで、どちらかというとみさきち
美琴だったらラモン・メルカデル役のエツァリがいざピッケルで殺る段階になって躊躇っちゃうから
浜面は経歴的にエジョフやベリヤ等の秘密警察長官ポジで、土御門の跡を継ぐ形で就任
そんでトゥハチェフスキー=黒子
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/03(火) 23:01:36.93 ID:WinhSHpa0
>>856
オティヌスが力失ってなきゃいくらでも無限ループで補習覚えゲーできたのにな
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/04(水) 04:36:56.45 ID:4La5J75L0
みさきちは上条さんのヒロインレースから完全に脱落か?
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/04(水) 15:24:59.63 ID:qQCwLlWIO
そんなことはない
ほとんどのヒロインと同じで周回遅れなだけだ
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/04(水) 21:22:55.98 ID:aNu0Tlzi0
いや、ほとんどのヒロインが周回遅れと言うなら食蜂は(記憶喪失の件で)更にその中で周回遅れだったし
リバースの件は客観的に見てもかなりイタい失態だったからそのまた更に周回遅れになったようなもんでしょ
さすがに他ヒロインと同じ扱いは片腹痛い
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/04(水) 23:09:31.39 ID:Q07F1CX80
食蜂は仮に記憶戻ってリバースのやらかしなくても所詮御坂レベルに並ぶ程度だからなあ…
ヒロインレースとしてはキツイ順位ではある
おっぱいデカいからそこで差を付けられるか付けられないかくらい
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 17:05:40.60 ID:4r0QDQFq0
上条さんの心を縛り付けるインデックソさんが目の上の瘤
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 17:13:45.78 ID:/q/pOyRT0
ヒロインレースというものがそもそも幻想なのである
上条にとってはインデックスとオティヌスの存在がブッチギリすぎて
他ヒロインはもともと「その他大勢のお友達」でしかない
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 19:09:28.23 ID:D5xdzkHR0
>>864
ロシア編から新約の全て読んでないとしか思えん認識だなー
食蜂って勝手に悲劇のヒロイン酔いしてるだけで、物語中で上条のために何した?って言われるとロクに働いてないぞ。五和以下かもしれない
あれだけ動き回ってる御坂のどこに並んでるのか全く理解できんが
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 19:45:34.76 ID:p4B03Nj70
動き回ってるだけでヒロインレースに勝てると思ってる方がおかしいんだよなあ…
毎回事情もわからず恋愛脳で突っ込んできて雑魚敵倒して特に詳細教えてもらわずフェードアウトをさせられてきた美琴は裏で上条さんのために動いてた、出来る食蜂よりもある意味では可哀想な扱いなのかもしれん
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 21:28:18.98 ID:D5xdzkHR0
>>868
御坂と食蜂が並んでるとか無いわって言ってるだけで、それでヒロインレースに勝てるとか別に言ってないんだが
あとリバース読めば分かる通り、恋愛脳で突っ込んできてる地雷女はどう見ても食蜂だろ
右手隠したり偽条かばったり、上条にとって余計なことばかりしてるのも食蜂
何ゴッコしてるつもりなのか知らんが、ちゃんと読めって
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 00:08:05.91 ID:Rto7SrtT0
叩かれてもいいからハーレム展開にして欲しい
上条さんには恋愛フラグを立てたヒロインを幸せにする義務がある
負けヒロインを出さないでくれ
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 02:59:02.97 ID:gfOeSD3T0
抱えてる境遇からして仕方ないだろリバースのアレは
むしろああならない方が愛が無いよね
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 15:23:26.80 ID:PzJsXpT1O
せやな
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 16:27:21.67 ID:HJDcEwuTO
ヒロインたちはまず土御門を超えなければならない…
冷静に考えるとあいつ強すぎる
上条さんからの好感度高すぎ
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 23:49:43.83 ID:GC7SHanF0
>>870
ぼく勉が(多分)マルチエンド方式という、前代未聞の手法を取ったが、あれはどうなのかね
ハーレムよりはマシだと思うし、言ってしまえばギャルゲー式を漫画でやってるだけなんだが
とりあえず五等分の花嫁みたいに方々からブッ叩かれまくってるよりは誠意を感じる
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 00:23:37.21 ID:xBsBpw7W0
僕勉の方が叩かれてるじゃねえか
五等分は何だかんだでまともだったなと言われる始末
禁書とか五等分以上に上条さんの根幹がインさんだしそこはブレないでやってくれるだろう
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 02:34:33.89 ID:WFynm7S00
インデックスはステイルに譲ろうよ
上条さんには美琴と操祈が居るじゃないか
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 23:13:15.47 ID:UD8fiipW0
その幻想はぶちコロされり
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/07(土) 23:45:40.73 ID:jrRXU7Nj0
>>875
四葉のキャラブックが姉妹単体で最低の売り上げなのにマトモとは笑わせる
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 00:09:24.27 ID:oK91w+Np0
ここで他作のケンカ始めんなよな
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 22:51:28.80 ID:CNEbSv8s0
>>871
相手の立場じゃなく自分の気持ち・思い出を優先させてるだけって結論出たからなぁ
それを愛と言うなら、これ以上ないくらい独り善がりの愛だったってだけで

というか目の前で上条より偽条選んだのは普通に『踏み絵』以外の何物でもないだろうし
ヒロイン脱落というか、食蜂の役目は新約で終わったんだなとは読んでて思ったな
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 22:53:11.31 ID:o0ZOxaC0o
ss雑談スレなんだからssの話しろよ
本編の話は本スレでしてこい
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 21:57:55.66 ID:u4m47NdJ0
最近しょーもない安価スレ以外に新しいSSって何か出てるの?
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 00:17:08.31 ID:/seu7ua70
無いよ
SS速報自体が死に体だからもう諦めてる
仮面ライダー以外の安価スレがあるだけこの間までよりマシレベル
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 06:05:45.68 ID:9ioY08oI0
一方美化マンセー糞SSが跋扈していた頃よりは今の方が静かでいい
本心からそう思うよ
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 12:34:48.31 ID:8o1rvmCKO
普通の人はそんなの選り好みして読んで無いから…
君は一方大好きすぎてそういうスレ見つけたらすぐ飛びついちゃうのかもしれないけど
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 17:45:05.90 ID:9ioY08oI0
>>885
読む読まないの問題ではなくその手のSSが存在する事自体が先ず許せない
潰しに掛からずにはいられない
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 19:11:54.68 ID:HSm2rizc0
戦闘民族やな
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 23:51:26.38 ID:0tiLCltQ0
>>885
まあー全盛期は大量のSS出回ってたけど、なろう小説と同じで8割以上ゴミだったからなあ
そしてなろう小説との違いはと言うと、二次創作という「SS書いて妄想ブチ撒ける層」限定だから書き手や読み手の偏りが著しい点

一方通行はキャラは立ってたから厨が付きやすく、厨がマウント取りたくて脳内設定を増幅させ、それがあたかも公式代わりや「そうあるべき理想」として扱われるクレイジーな悪循環が成立していた
妹達の実験を完全正当化して上条や御坂を叩きまくるのが正義として罷り通ってたと書けば、どれだけ狂った集団心理が形勢されてたか分かるだろう
まさに『悪貨は良貨を駆逐する』という無恥が体現されてたな
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 00:28:47.06 ID:qyeo+PW60
そのゴミではなかった2割のSSを知りたいんだが
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 03:06:25.89 ID:UL3+vpDOO
>>886
そこまで来ると病気じゃん
SSの界隈から離れた方が精神衛生上いいよ
どんな作品でもクソ二次創作が蔓延することなんてよくあることなんだから自衛しろ
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 19:59:16.22 ID:+UwszEm90
>>889
他キャラを踏み台にしない前提の恋愛SSや純粋なギャグSSは佳作や良作多かったね
シリアスになると急に生臭いのが多くて見れたモンじゃなくなるけど
言うまでもなく一方通行メインのシリアスSSは地雷率100%ではあるが、浜面ageしてるのもアレなのが多かった記憶
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 20:24:12.89 ID:zZKP05Oh0
シリアス系でも上条主役とかで一方通行が脇役なら
変な一方擁護がないマトモなのも割とあったな
やっぱ主役は上条さんじゃないといけないんだ
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/12(木) 03:17:46.09 ID:xoCDIhm70
彼方を立てれば此方が立たずって訳だ
原作では糞野郎の一方通行を二次SSの中で美化して持ち上げるには原作では真人間のキャラクターを貶めるしかない
そんな糞にも劣る二次SSは駆逐するに限る
そうだろう?
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/12(木) 23:53:16.28 ID:2GMjnOtc0
一方通行を主役にするにしても、くだらん言い訳や擁護せず真摯に罪に向き合った内容なら誰も貶められず評価されただろうに
残念ながらそんなSSは見たことないし、それ以前にそんな一方通行な時点で原作からズレるんだけどな

まあ妹達編の罪とかは総スルーして無関係な悪役ブッ飛ばして俺カッケエする手段もあるが、それやってスベったのが公式の一方スピンオフという有様だし
中途半端なチート能力、やらかし過ぎた罪、イキってふて腐れた性格、日影の立場
結局、一方通行というキャラ自体がどう扱ったところで不満点出てくる行き止まりポジなんだよな
理事長に祭り上げたり今さらシレッと自首したりは作者的には渾身の展開なのかもしれんが、はっきり言っておサムいだけ
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 00:01:09.40 ID:jXQxLSKm0
一方通行がコロナを弾きそびれて感染するSSください
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 00:02:17.88 ID:+jPZYLw/o
一方通行の罪云々言い出したらほぼ全員規模や理由は違えど罪犯してるしキリがないんだよ
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 15:37:31.35 ID:XCiICthNO
一方過剰ageはある意味一方に対してのヘイト創作になってるんだよなあ…
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 22:50:06.35 ID:YgDS7cSb0
>>896
10031人を自らの手であはギャハと残虐にバラし、その後もテロや逆ギレや責任転嫁し続けてきたクズなんて他にいないけどな
その上と言えば他にアレイスターしかいないのでは? 悪質さではフィアンマや警策も挙がるがアイツ等は未遂だしなあ
魔神クラスになるともう罪云々という存在ではなくなるけどアイツ等は処分されたと言えば処分されたし
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 22:52:04.63 ID:NGFql70Vo
規模や人数の問題じゃないでしょうに…
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 23:17:53.47 ID:rrdvLnDp0
ぶっちゃけ一方が気に病みすぎなだけで大したことないよ
本人たちもどうでもいいっす…って感じなのに独りよがりで償いごっこしてるだけだし
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/14(土) 19:00:24.62 ID:f0DRy/VA0
一方通行を正当化する為に美琴が悪役にされるSSほんと嫌い
あの手のSSを書く連中の頭の中では本当はあんな実験やりたくなかった(嘘)一方通行よりクローン製造の為の遺伝子を提供した美琴の方が悪いって解釈らしい
どう見ても一方通行は自分の意思で実験に参加してるし美琴は実情を知らず騙された形で遺伝子を提供してしまったのにその辺の事情は全部無視
確かに大元の原因としての責任は美琴にもあるけど一方通行の仕出かして来た悪行まで何故か美琴のせいにされてるのは我慢ならん
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 22:16:27.34 ID:TnnFj1CG0
>>900
本当に気に病んでるならごっこじゃなくて真っ当な償いしてみれば?って話だけどな。独りよがりは合ってるが
あと妹達もどうでもいい空気なんて出してないでしょ
打ち止めや番外個体みたいな出来損ないが外野でウロチョロしてるだけで、むしろ総体は許すことはできない立場で一貫してる
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 23:06:58.20 ID:Bnpy9bDn0
そりゃ総体殺された個体も含めた総体だからな
殺されてないのは他人事だけど殺された個体はそのままだと恨みも出てくるって言われてただろ
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 23:32:25.59 ID:nBoFJthgO
総体は優しいだろ
Fateの桜とか浅上藤乃みたいに罪の意識を持ちながら裁いてすらもらえずに苦しんで日常を生きていけよってちゃんとやるべきことを伝えてる
結局自分の心を楽にしたいがための逃げなんだよな償おうとすること自体が
真っ当な償いってそもそもなんだってなるし裁けるようなもんじゃない
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 01:28:26.75 ID:zSjTeQXR0
本当ならもっと塩対応されて然るべきなのに何故か甘やかされる一方通行
自分に都合のいい連中ばっかり集まって来るのは何でなのかね?
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 03:33:55.37 ID:QCQJKczZ0
[ピーーー]!このクズ!って言ってくるやつの方が一方通行にとって都合がいいから
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 09:31:29.79 ID:Ym2y3Ggdo
一方厨に拗らせた女が多いのはなんかさもありなんって感じ
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 12:34:25.62 ID:LKgzAD+7O
一方厨アンチスレでも立ててそっちでやったら?
今のままだとスレチだしそっちの方が賛同者も多くなると思うけど
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 12:39:02.07 ID:RmX/lrYto
アンチスレ建てるなら別の板にしてくれ
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 14:46:29.82 ID:/Ml8Gbm4O
いうて最近のとあるSSについて話すことも大してないっていう
SS板は死んでるし渋はカプ系がパラパラ投稿されるくらい
元々少ないけど理想郷とかの二次SS投稿サイトあたりは今どうなのかな
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 23:52:15.92 ID:EaSiDJXU0
>>906
一方通行に「お前みたいなクズが何言ってんのぉ?」って正論言ってくる奴って木原とか垣根みたいな悪党だからねー
その悪党を一方通行がブチのめす行為によってヒーロー!罪に向き合ってるゥ!という矛先逸らするのが常套手段
一方スピンオフではそれすら面倒くさくなったようだが
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 01:05:40.40 ID:1/T1dFsP0
ヴィンランド・サガのトルフィンのような生き方は一方通行には出来ないか
完全に暴力と決別しない限り変われないのに
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 02:38:36.44 ID:Ck5B4twr0
旧約一方は原作でもアホやってた期間だからな…
一方厨って大体そこらへんの時期の一方を持ち上げてるからアレなことに…
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 22:54:58.84 ID:RkI0W3YD0
>>913
一番ストレス無かったんだろうね
妹達や上条や美琴とは没交渉 (→都合の悪い面は全て打ち止めをダシにするか丸投げ)
木原や垣根や暗部部隊には相手がクズだから何してもOK理論で暴力に訴える (→攻撃対象変えただけ)
能力自慢とダークヒーローごっこで自分に浸れてた時期だし (→贖罪どころか、ガチで実質的に何も成さず暴れてただけ)

そりゃこれだけ何も責任取らず、頭も使わず、思うまま暴れて自分に酔いしれるんじゃ、なろう主人公と同じで厨は投影もしたくなるんだろうね
創約で今度は自首ごっこ始めたけど、あんだけお腹いっぱいファビョったり暴れた後で何言ってんだコイツとしか思えんよ
旧約で上条に逆恨みで襲いかかり、新約で美琴にお前も加害者とか妄言を吐き、妹達にも面倒ばかりかけて打ち止め優先のお遊びこいてた奴が呆れさせる
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 22:57:09.41 ID:NhQ80EJdo
こんなところで一人で喋ってて楽しいんだろうか
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 23:54:38.85 ID:omXmR0yd0
長文君はずっとこうだから…
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/17(火) 23:08:01.38 ID:x6035CWm0
自演君も相変わらずだな
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 00:26:27.09 ID:YWJYTZXW0
saga君もおるで!
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 01:18:50.24 ID:fFqHjnVO0
お前ら…
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 13:55:55.62 ID:G0IL6T720
自演と言う事にしたいのか?心配するな
お前は一人じゃない
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 22:36:49.41 ID:/ncy/s8F0
いや、自演マンは前から棲んでただろ
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/19(木) 03:24:21.51 ID:sA9eLtSJ0
自分が普段から自演ばっかりしてるからそう感じるんじゃない?自分の書き込み以外は全て自演に見えちゃうとか?

>>914
すまん
俺も昔は一方通行に自己投影してた馬鹿な一方厨の一人だ
上条さんカッコイイな〜→一方通行は上条さんに憧れてる→俺も上条さんに憧れてる→俺は一方通行と同じだ→こう考えるようになってしまったのが黒歴史の始まりだった……
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/19(木) 15:10:54.54 ID:6pHGM0Ed0
自分が自演バレしたの忘れてるんでしょ自演マンは
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/19(木) 21:49:11.67 ID:nJPo7z840
まあスレを遡れば自演バレしてる展開なんてしょっちゅうよね〜

>>897
書いて読んで讃えてる一方厨自身がそう思ってないから何とも
禁書の強さ議論スレでSSのナントカ同盟をソースに挙げてくるくらい一方ageのSSを当然のモノと受け止めて無邪気に楽しんでたもんだよ
こうやってブッ叩かれる様になってから「あれはヘイト創作だ!」とキメ顔されても説得力ゼロなくらいにはね
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/20(金) 18:58:56.06 ID:TQUKX8Ir0
二次SSの内容をソースに強さ議論って冷静に考えてみれば頭おかしいよな
馬鹿じゃねぇのってなるわ
そういうレベルの馬鹿が当たり前のように我が物顔で蔓延っていた時期があったんだな
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/20(金) 20:29:28.89 ID:wXo02XCr0
そもそも強さ議論スレってオティヌス出たくらいから急激に勢いなくなって、魔神や上里出たあたりでほぼ消え失せたからね
屁理屈で覆せない格上のキャラ出てきたら喚く気なくなる連中が立ててたのがお察し

昔のスレとか見てると白翼()とかの過大評価が笑えてくるレベル
恋査や未現垣根くらいまでは必死に屁理屈並べて他sageしてたから、一方厨の寝言の資料や証拠、あるいは笑いのネタとしては価値が残ってるな、強さ議論スレも
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/20(金) 20:34:36.70 ID:ObWXHBdvo
何でこのスレって単発ばっかなん?
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/20(金) 22:40:52.95 ID:pKjeDjM90
一方厨好きすぎだろ…
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/21(土) 01:36:42.28 ID:3zWtjioJo
話すことないから話題がループから抜け出せない
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/21(土) 21:43:54.70 ID:xyCQ4Hry0
>>928
イタいのが多い禁書信者の中でも一方厨はあまりに別格だったからなぁ
キャラスレ、強さ議論スレ、SSスレ、他キャラスレ、果ては「○○って一方通行に勝てんの?(ドヤァ)」と他作品にまで突撃してたもの
晒し上げるには事欠かないよ、そりゃ
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/21(土) 23:20:11.05 ID:MrxLa34S0
>>928
このスレには一方厨LOVEで毎日のように長文書いてラブコールしてる一方厨ファンがいるからな
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/21(土) 23:23:24.02 ID:dYLVInZK0
分かった分かった
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/22(日) 04:00:30.50 ID:Js4EVtWu0
一方通行の声優さんの周辺が何やらとんでもない騒ぎになってるみたいだな
正直ちょっとワクワクしてるわ
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/22(日) 04:15:57.04 ID:/BzlfunfO
超電磁砲アニメの食蜂ちゃんが可愛い
これだけ知ってればいい
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 22:24:08.85 ID:iACRv4Ly0
レールガンTのED好き
思いっきり食蜂さんの歌よね
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 22:34:19.75 ID:QTIyB/p20
>>933
デリヘラレータとか言われててクソ笑ったww
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/23(月) 01:05:55.82 ID:oWk+p+vC0
岡本信彦は本当によくやってくれたわ
キャラクターも声優もクズとか最高のネタじゃん
これでまた一方叩きの材料が一つ増えたわ
楽しくなって来た

>>936
方々で言われてて吹いた
禁書SS最盛期だったら絶対この件をネタにしたSSが来ただろうな
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/23(月) 02:40:19.77 ID:O61L7KWs0
頭の病気かよ
死滅してる一方厨叩きでしか人生楽しめないとかもはや哀れすぎて応援したくなってくる
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/23(月) 03:05:10.27 ID:oWk+p+vC0
応援してくれてどうもありがとう
でも残念ながら一方厨はまだ死滅してないんだ
流石に最盛期に比べれば随分と数は減ったけどね
だからこそ徹底的に根絶やしにしてやらないと気が済まない
連中の崇めていた物が如何に糞であるか思い知られてやらないとな
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/23(月) 03:50:55.50 ID:Lfe4jWanO
執念だな
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/23(月) 04:05:51.03 ID:oWk+p+vC0
またとない機会だからね
煽るよ煽るよ〜
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/23(月) 13:56:26.62 ID:JmZXz6RpO
キモ…
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/23(月) 21:44:44.55 ID:7Z1/Q3mE0
つーか岡本は「デリヘ○と会ってた」すら嘘で、よその女と会ってたんだろ?
一方うんぬん関係なくフツーにクズじゃん
デリとか下品な方面に振れば誤魔化せると思ったのかよ・・・
三下すぎて目も当てられん
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/24(火) 12:56:40.66 ID:715XBFaM0
>>943
とんだ小物だよな
今後は嘲笑の的だ
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/24(火) 23:20:55.88 ID:yQmGZF9/0
悪党にしても美学が足りねェな
まさに3流の悪党
キャラが嫌いだから声優まで嫌うとかは違うが、この場合はキャラ関係なく普通に唾棄されるべき人間だしなー
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 00:27:12.36 ID:6Zvc1PRpO
ここでやるな
他の声優叩いてるところで勝手にやっててくれ
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 05:05:05.83 ID:oH1QJDiL0
今後また一方マンセーしてる馬鹿が湧いて出て来たら中の人のヨゴレ話をネタにメチャクチャおちょくってやるつもりでいるよ
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 18:26:33.24 ID:6Zvc1PRpO
一方叩いてる人が頭おかしいキチガイのゴミカスみたいに思われるからやめて
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/25(水) 23:13:10.97 ID:oH1QJDiL0
>>948
既に一方マンセーしてる連中が頭おかしいキチガイのゴミカスだから全く問題ない
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/25(水) 23:20:52.64 ID:Hs5FIjHX0
キャラの話はキャラの話、声優の話は声優の話でちゃんと区別しよう
どちらにせよゴミクズの話だから区別と言うより分別と言うべきかもしれんが

ここはSSの話と、ついでの雑談や原作の話と、一方通行および一方厨を過去の事例をもとに弾劾するスレであって、声優のディープな話はスレチではある
雑談レベルならいいかもしれんが
ああいや、スキャンダル()は雑談の部類か? よく分からんが
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 00:17:25.59 ID:r6Hns6kw0
ぶっちゃけ禁書はもうアニメ化もイベントもないし影響なさそう不幸中の幸い
放送中のは大変だな。ヒロアカとかメインキャラじゃん
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 06:36:45.82 ID:HQoNnT+30
一方通行も爆豪もクズなんだよなぁ
声優さんはクズ役ばっかりやらされて大変だな
と思っていたら声優さんもクズだった
いやぁ滑稽な話だよな
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 23:34:25.34 ID:qHxgzQNr0
ここで延々と暴れてるキチガイ一方叩きマンはあからさますぎてむしろ逆に一方叩きしてる人はおかしいって擦り込ませたいのかとすら思えてくる
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/26(木) 23:38:10.58 ID:t15WYSiA0
>>951
超電磁砲では1話しか出番ないし逃げ切りセーフだったなww
一方スピンオフの放送の最中じゃなかったのは確かに微妙に運が良かったと言える
・・・いや、あれだけ鳴かず飛ばず話題にもならずの空気アニメだったら、少しくらい荒れた方がまだ客引けたかな。炎上商法的なやつで
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/27(金) 19:57:43.28 ID:ICvnzedf0
方々でもさんざん叩かれてるが、やっぱ岡本の代表キャラって一方通行か爆豪なんだね
叩きスレのまとめのサムネが大体どっちかだww
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/28(土) 08:51:51.60 ID:Mf2GmcpQ0
個人的には阿部さんが岡本さんの今回の件に関してどう思ってるのか気になる
あの二人プライベートでも仲良しらしいから

>>955
俺は青エクの主人公の奥村燐が印象深いな
あいつは上条さんみたいな良い主人公だった
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/28(土) 22:38:15.55 ID:YwlVNc0d0
最近男性声優の不祥事多いからお口にチャックしかない
それ以前の岡本のやった事がアレすぎてフォローできんやろ
何言ってもやぶ蛇になるか、下手すりゃ飛び火する
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/29(日) 21:59:06.94 ID:bx9JiF8+0
>>956
類友だと思われたくなきゃ黙ってるしかないわな
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/29(日) 22:39:57.84 ID:2QT6K+X/0
声優なんてそんなもんでしょ元から
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/30(月) 00:33:33.65 ID:xTctDfhO0
http://i.imgur.com/xg9Q7C7.png

とても呆れられた?その程度で済んだなら軽傷だ
普通は呆れられるどころか確実に捨てられるわ
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/30(月) 01:43:29.05 ID:+mka8jf6O
>>898
正直☆が悲劇の英雄みたいな扱いなのどうも釈然としない
どう考えてもボンドルドみたいな悪でしょ
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/30(月) 02:52:05.36 ID:mXMpqU3Q0
クソどうでもいい声優粘着は他所でやってくれ
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/30(月) 21:45:57.56 ID:ZSIupoFU0
>>960
サインがまた頭の悪そーな字だなあ

>>961
作者がアレイスターを裏主人公みたいに扱いたいんでしょ
女体化も含めてスベってるけどな
美少女キャラにすることでテコ入れ+罪誤魔化し!とでも思ってるなら志低すぎる
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/31(火) 01:32:15.54 ID:w3u7GGkjO
学園都市暗部から新たな刺客としてゲスニックマガジンの西条記者を送り込まれるSSとか

「うーーーーしょーーーーだーーーーねーーーー!!!!!!」
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/31(火) 11:06:28.65 ID:+GQ20NS20
上条さん、助けてくれ……
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/03/31(火) 20:00:08.56 ID:JT9Ag5sw0
>>965
しこりんの今の心境か?
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/31(火) 21:12:37.24 ID:GhRPEC9n0
965は岡本
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/31(火) 21:50:55.99 ID:HhBRVFWR0
この先どんなアニメに出ても何の役をやってもこの件は尾を引くんだろうな
ヒロアカとハイキューは御愁傷様
まぁ自業自得なんだがよ
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/31(火) 22:35:12.11 ID:JQiNe+MW0
>>968
不倫で一生言われることはないでしょ
まあコイツの信者がイキった時には即座に混ぜっ返されて叩きの材料にされるのは確実だろうし、芸歴にミソがついたのも痛いけど
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/01(水) 14:04:08.43 ID:3UQ4F5lI0
一方厨を黙らせる時にも使えそうなネタだしな
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/01(水) 15:15:00.04 ID:Q5rcSjm4O
声優粘着は他所でやれ
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/01(水) 21:20:11.61 ID:AliAH2li0
>>971
そうやってやらかした事から目を逸らした挙げ句に逆ギレじみた態度取ってるからいつまでもサンドバッグにされるんやぞー
岡本信者なのか一方厨なのか知らんが、まあどっちでも大差ないな
そういやそもそも一方通行自体がそういうキャラか
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/01(水) 21:27:29.18 ID:J642czioo
ss雑談スレで関係無い話してたらそら不快だろ
そもそもこのスレだってssじゃない以上板違いって言われてもおかしくないスレなんだしさ
ss速報利用するなら最低限のマナー守れよ
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/01(水) 23:26:17.47 ID:JlzrtOfO0
ここにモラルだのマナーだの求めても無駄だって
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/04/02(木) 00:14:14.81 ID:KsZPyqBK0
まぁ実際に一方信者はキャラと一緒に担当の声優も神格化して見てる馬鹿が多いからな
その手の連中をボコる時には都合のいいネタが手に入った事を単純に喜んでるよ俺は
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 00:17:00.45 ID:SmhaZ/g7o
飛行機飛ばして一人で喋るの楽しいか?
鎌池スレ行けばどんなバカな話でも相手してもらえるよ
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 00:21:52.17 ID:CUWmq+q00
一方叩きは延々自演で一人で話してる奴なのはとっくの昔にわかってることやん
スレタイも見ずに粘着しまくる能無しなんだからスルーしとけ
一方通行の作中での行動だけで叩いてただけならまだ許容範囲だったけど流石に度が過ぎてて迷惑だが
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/04/02(木) 09:41:21.70 ID:KsZPyqBK0
哀れな……どうしても自演と言う事にしたいのか?
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 19:48:09.64 ID:R+E2BJ2n0
残念ながら一方アンチは複数人いるぞ
それだけ嫌われてるって事だからな
信者は自演って事にしたいんだろうけど
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 20:18:38.48 ID:KQu0ei/o0
アンチは複数いるだろ。ただ根絶やしにしたいとか声優粘着してる基地外は1人と見てるわ
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 20:45:09.11 ID:knHDFsBf0
糞野郎の役は糞野郎にしか出来ない
例の件を見てそう思った
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 22:28:40.82 ID:3Tnx/AEP0
>>977
「自分が自演してるから反対意見を自演扱いしたがる人」の見本みたいだね、君ww

一方通行への批判が全て一人の自演で、それでここまでスレが続いて伸びてるとでも本気で思ってるの?
おめでたい頭してるなー
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 22:31:30.29 ID:QIYRe0E1o
一方アンチが何万人いてもこんなところで永遠と一方叩きして完全にスレチな声優叩きまでしてるのは一人しかおらんやろ
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/02(木) 22:45:02.29 ID:nAIeZbY4O
複数人いるのは事実
自演してたカスがいるのもまた事実
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 00:21:51.81 ID:jHtZqAvb0
真面目な話、岡本信彦って干されると思う?
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 02:11:25.79 ID:HrlJ5UsE0
ぶっちゃけあれでレギュラー下されることはなかろ
井上和彦みたいなゲスでも生き残れる世界ぞ
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 08:15:00.37 ID:jHtZqAvb0
既得の仕事を失う事はないだろうけど新規の仕事が大幅に減るとかにはならない?

>>986
リアルカーズ様とか言われてて少し笑った
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 19:16:46.80 ID:Z7rHqOdN0
マジで声優なんて下半身事情大体酷いからな…
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/03(金) 21:47:07.61 ID:OMtz/a3F0
>>987
アイドル売りしてる女の声優だったら一発アウトだったろうけどなあ
そういう意味では男は得だね
今回の件でダーティーなイメージは付いちゃったから、この隙に岡本声と互換性のある若手でも台頭してきたら今後はピンチかもね
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/04(土) 00:14:08.48 ID:B6hi+xkP0
禁書SS全盛期にこの不祥事が起きていたら確実にSSでネタにされていたであろう
そう思うと少し惜しいな
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/04/04(土) 21:53:21.32 ID:Zy3fGgYM0
発言はしにくくなっただろうな
ヒロアカのアニメ化当時みたいに「いじめられたのはデクも悪い!」とか言ったら袋叩きにされそうだし

今なら視聴者に「ヨゴレ発言ktkr」「いかにもクズらしい考え」「俺が浮気したのは女房も悪い!って考えだなコイツ」で論破されて終了だろうな
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 01:10:05.72 ID:QDjFi2/d0
>>991
そう言えばデクの声優さんに嫌な絡み方してたよな
自身が演じてる爆豪に成り切っていたのか本心なのか分からないけどあれ見て凄く感じの悪い人物だと思った
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 21:30:18.55 ID:7DCYZxal0
仮にキャラでやってる事でも、リアルでやらかしたら印象変わるよなあ

>>990
一方通行「俺は実はロリじゃなくて巨乳が好きなんだァ・・・」
みたいなスレ立ちそう
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 22:14:32.44 ID:JTC4f7AU0
ンがカタカナになってねえぞ三下
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 22:15:39.58 ID:DBia+nbP0
次スレ立って無いみたいだから立てるわ
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/05(日) 22:17:40.69 ID:DBia+nbP0
とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart22
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586092618/
ほい次スレ
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 00:22:21.42 ID:skL0rIWho
スレ立て乙
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/04/06(月) 08:50:05.61 ID:y5MDKRwX0
>>996
乙でした!ありがとうございました!
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586092618/
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 21:02:01.75 ID:T93NV8B90
>>996
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 21:03:12.25 ID:T93NV8B90
埋め
1001 :1001 :Over 1000 Thread
                     __|_____|___!__}
             ___     |_          }      }
          ,. :'´:::::::::::::: ̄`ヽイィ_ ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄ ̄ ̄!
        、ゝ-'´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::´r┴―――――‐┼―┬ー'
  __、_>':::::::::::::::::::ト、l:、: :: ::. :.. ..: .:. ::::{_______l____{
  `ヽ:_..::::::::::::::::::::::: .:|-''´}:.:.:..:l::;i::、l、::::::::( | ̄| ̄「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l
   ,>:::::::::::::: ::: .: .::.|  /:;:::::;ハ{ム_‐トハヘ::ゝ|  |  |          |
   '⌒ァ::::::::..::. :::.::::;lヘ‐ ´ヘハi´'´jハY 「|「 ̄ ̄ ̄ ̄ 「 ̄ ̄ ̄ ̄「 ̄
     ̄7;.ィ::{::::l::l::ljレr=、ヽ,rヘ ゞ-' _,j !|______l____j__    / ̄ ̄ ̄ ̄
     ∠ハ:::ヽハl:{' {!´};リ } 、 ` ̄´   !::::|            |.    | |    |   今度は貴方のお話、読ませてくださいね
      'イ::`:::lヘハヽ.__´/  ヽ_    j___!________|___!__j   .ノヘ.____
      {;.イ/::!:::::::lヘ      く_,)  ,ィ:|      r、   /)!   {
       ' !::::|:::::::|`^ヽ .___ /,ノrー――― ノ } ///)一'
       /::::::!::::::::!:::::::::_r' ー--、fr、|      / '-' / ' /ノ
       イ:::::::!:::::: :ヽ'´:.{    ト.ゝく!___  /      ´/l
       'イ:::;rヘ:::..::. :ヽ:.:ヽ.  |イヘ:;イ     /      _二つ
        |::/:.:.:.ヽ::::::::::`ー-ヽ.|rー┼― ,、/     / |:.:.:.|        
         |::!:.:.:.:.:.:.:\::::::::::::::::::|   !   /:.:ヽ.   /   j:.:.:.:.!        SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
          |::{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:` ー-- 、 ̄「 ̄/:.:.:.:.ヽヽ/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l       http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/
1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
夕張「提督、耳かきしてあげましょうか?」 @ 2020/04/06(月) 18:37:32.37 ID:ZqLNVFT7O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586165852/

北条加蓮「藍子が忙しい日の、いつもではないカフェで」 @ 2020/04/06(月) 18:14:53.00 ID:pOvb7BW+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586164492/

【安価・コンマ】男「女と相撲をしよう」 @ 2020/04/06(月) 15:27:25.08 ID:8g19AVqR0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586154444/

男「は〜あ、何かおもしれぇこと起きねぇかなぁ〜」 @ 2020/04/06(月) 04:20:32.75 ID:6qk6BR8k0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586114432/

隼人「八幡…!」八幡「は、はやとぅ…///」 @ 2020/04/06(月) 03:09:57.40 ID:L2yazR5Qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586110197/

P「風野灯織はめんどくさい」 @ 2020/04/06(月) 00:11:50.22 ID:6AqSaR5m0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586099509/

ゴルゴ13「・・・ばいきんまん?」 @ 2020/04/05(日) 23:01:50.50 ID:GzMgtNr30
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586095310/

とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart22 @ 2020/04/05(日) 22:16:59.04 ID:DBia+nbP0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586092618/



VIPサービスの新スレ報告ボットはじめました http://twitter.com/ex14bot/
管理人もやってます http://twitter.com/aramaki_vip2ch/
Powered By VIPService http://vip2ch.com/

890.57 KB Speed:0.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)