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とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart21
- 105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:06:44.71 ID:XQ3URfZ00
- 【 えっ?
これだけじゃ味気ないって?
何々?
ただでさえ展開の遅いこの物語は完結できるのかって?
僕もそれは気になっていたところだ。
なんせ、この作者は莫大で膨大な設定を作ったくせに物語の展開が遅すぎる。
たぶん
このままじゃ5年たっても終わらない。
だから、まぁ、そうだな。
可能性の一部を、確定している未来を、僕がお前らに見せてあげよう。
感謝 し ろ よ
読 者 共
《前略》
- 106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:07:23.34 ID:XQ3URfZ00
- だが、
「やれやれ。いたいけな少女を多人数で滅多打ちにするなんて、君達私にどれだけ嫉妬してるのさ」
世界有数の超強大な多組織連合による一方的な攻撃を受けてもなお『嫉妬』はまだ死んでいなかった。
とはいえ、
「翔流。このままいけば」
「あぁっ!このまま遠距離から一方的に攻撃すれば倒せるはずだ」
効いていないわけではない。そう上里は判断した。そしてそれは隣で上里はサポートし続ける金火も同じらしい。
そう、立ちすくむ『嫉妬』は明らかな傷を負っていた。
あの時とは違って、多くの人間が犠牲になった『七罪の咎人一斉討伐作戦』の時とは違って、幻覚でもなんでもなく確かな傷を負っていた。
「全員攻撃を切らさないで!!!このままいけば勝てる!!!!!」
金火が全軍を鼓舞する。ともすれば今すぐにでも逃げ出しそうな恐怖の中でそれでも戦えるのは、みんながいるからだった。
独りでは、一人ではきっと無理だった。
「新たな天地を望むか?」
だから、上里も戦える。戦う。この世界を守るために、世界を絶望で終わらせないために。
なのに、
「嫉妬する。私は嫉妬する。嫉妬して嫉妬して嫉妬する。妬ましい!羨ましい!君たちの結束に嫉妬する。君達の能力に嫉妬する。君たちの信頼に嫉妬する」
不気味な言葉を『嫉妬』が呟いて、
そして、
「羨望嫉妬ギルティクラウン」
《中略》
「一つ勘違いを正しておくよ」
『嫉妬』は言い放つ。すべての人間を絶望の底に落としつくす、真実ことばを。
「私の――――――『嫉妬』の能力は、すべてを掻き消すことじゃないのさ」
その言葉に、全軍全ての動きが止まった。耳が聞き届けたその言葉は、つまり上里達が知力の限りをつくして立案した作戦の全てが無に帰すことを示していた。
「憤怒」
最初の一歩で今まで与えた傷が消えた。
「色欲」
次の二歩目で仲間割れが始まった。
「怠惰」
続く三歩目で多くの人が倒れた。
「強欲」
さらに四歩目で立場を失った。
「傲慢」
この五歩目ですべての干渉が無意味と果てた。
「暴食」
終わりの六歩目は上里以外の存在を喰った。
「これが『嫉妬』だよ」
最期の七歩目で『嫉妬』が目の前に来ても上里は動けなかった。
《中略》
「あっ、がッッッ!!!」
「まだ生きているのか?その生き汚さに嫉妬する」
『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の生き汚さが、生への欲求が消えた。
「……ふ、ざ―――――――けっ」
「その怒りに嫉妬する」
『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の怒りが消えた。
「っ、ァっ!ぁぁぁあぁあああああああああああああああ!!!!!」
「その憎しみに嫉妬する」
『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の『嫉妬』への憎しみが消えた。
「――――――ぅ。ぅぅぅうううううううううう………………………………」
「その悲しみに嫉妬する」
『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の悲しみが消えた。
- 107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:07:58.33 ID:XQ3URfZ00
- 「……………………………………………」
「その無感情さに嫉妬する」
『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の無感情な部分が消えた。
「――――――――――――――――――――あっ、ぁあああああ!!!!!しっ、しッ!しっとォ……『嫉妬』おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「その後悔に嫉妬する」
『嫉妬』がそういった途端に『強欲』が発動し、上里の中の後悔が消えた。
「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」 「嫉妬する」
「嫉妬する」
- 108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:08:38.21 ID:XQ3URfZ00
- くくっ。まぁ、こんなところでどうだ。
心配するなよ。これはあくまで未来における可能性の一つ。
作者が気まぐれを起こせば、変わる可能性だってあるさ。
とはいえ、まぁ。
このままいけば、未来は変わらないだろうが、
な
[ピーーー]よ
読者共
】
- 109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:09:44.23 ID:XQ3URfZ00
- とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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ついにエタったか……と思いました?
私は思った。危ない所だった。
空白の主と大悪魔@ 原初の0.5
初まりの領域において『空白の主』が根本的な敗北をすることはあり得ない。初まりの領域は原初の世界であり、全ての基礎である場所だ。そして『空白の主』は初まりの領域の住人。全てが繋がっている初まりの領域の住人である『空白の主』を[ピーーー]ということは、つまり全時間軸に存在する全人類を全滅させるということに他ならない。
故に、『空白の主』を殺したいのであれば全時間軸に存在する全人類を全滅を許容するするしかない。それを否定したいのであれば、絶対に不可能であるが初まりの領域から『空白の主』を引き離すしかない。全時間軸の全人類の生存は逆説的かつ無条件に『空白の主』の生存を証明し、しかしながら『空白の主』の生存は人類の生存を証明しない。理不尽な相互依存関係がそこにはあるのだ。
「から、からから、からからから!」
ただ、もちろんの事、単純な実力のみで考えれば現イギリス清教最大主教アークビショップである大悪魔コロンゾンは『空白の主』に勝まさる。アレイスター=クロウリーの原型制御アーキタイプコントローラーによって区分けされた時代アイオーン。イシス、オシリス、そしてホルスの時代アイオーンすらも超越した、さらに先の世界に存在する存在。
全力の魔神複数柱からすらも逃れることの出来る、別位相ですらない『新たな天地』という新世界から地力で脱出可能な力を持つ存在。
大悪魔コロンゾン。
拡散の本質を持つ、真なる邪悪。
神話上の存在でありながらあくまでも人間でしかない『空白の主』では決して勝てない敵。
にも拘らず。
「可哀想。可哀想。七ん十可哀想七奴だ。大悪魔五六ンゾン」
這い蹲っていたのは、膝をついたのは、汗を流しているのははローラ=スチュアートだった。
「ぎ、ぐ」
その様を、
かの黄金夜明S∴M∴の創設者の1人であるサミュエル=リデル=マグレガー=メイザースが目にすれば、驚愕のあまり心臓を停止させたかもしれない。
その様を、
近代西洋魔術という形式を作り上げた学園都市の王であるアレイスター=クロウリーが目にすれば、幻と断じたかもしれない。
だって、想像できるか?
あの大悪魔が、あの大悪魔コロンゾンが、
アレイスターですら制御できなかった、メイザースをも出し抜いたあの大悪魔コロンゾンが、
たかが『空白の主』程度に敗北しているなど。
「人類七ん十見捨十十四まえば、私七ん十、五の『空白の主』程度、楽二殺せるの二」
言うまでもなく、そして何度でも繰り返すが。
大悪魔コロンゾン最大主教ローラ=スチュアートの実力は『空白の主』を上回っている。確かにこの初まりの領域は『空白の主』の庭だ。だが、だから何だ?その程度の有利ではかの大悪魔との差は埋められない。
だから、当然別の要素があった。ありていに言えば、大悪魔コロンゾン最大主教ローラ=スチュアートは非常にらしくないことをしていた。自然分解、拡散の性質、本質的な邪悪。
それが大悪魔コロンゾンだというのに。
- 110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/14(月) 16:11:42.84 ID:XQ3URfZ00
- とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六
原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ
大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?
大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?
自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?
無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。
※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。
こんな感じでオリキャラたちがメタ視点で読者を煽りながら禁書キャラや鎌池作品を蹂躙していくだろう話を応援してくれ
- 111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/14(月) 19:04:16.44 ID:ga/2O4GbO
- とんだ茶番だな
- 112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/15(火) 03:08:05.85 ID:6u9dTz//0
- >>94
つーかSSそのものよりもその手のSSに群がって来る信者が気持ち悪くて仕方ない
- 113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/15(火) 14:51:41.82 ID:kGUnaKhE0
- 上条さんの誕生日って公式で明かされてたっけ?
- 114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:36:43.81 ID:2+4dxV5n0
- 「は、ははは、はっ、くっッ!」
だが笑う。
無様な様を晒しているのは大悪魔コロンゾンの方だというのに、それでも笑う。
人間ではない人外はそもそも視点が違う。
最初から全てを超越している存在は絶対的にスケールが違う。
それを、表しているかのように。
「この霊媒アバターでは、これが限界なりけるかしらね」
局地的な勝利が全体的な勝利につながるとは限らない。スポーツの団体戦において1勝が全体の勝ちを意味しないように、ここでの敗けは許容できるものでしかない。けれど、そんなことを知らない『空白の主』にとってこの勝利は違和感にしかならなかった。
論ずるまでもなく勝てるはずがない。できるのは時間稼ぎで、それさえもできるかは分からない。
(アルフは何を四十一るのか七……。五の化物を相手二出来るの八、同じ化物の君四か一七一の二)
アルフ。
『空白の主』の友人であり同類。
秘匿された真名はbyucgjビュックグジュール・dqsディクェス・finprovzフィンプロブズ・mekhatwxメカトゥウィークス。
ともすれば、魔術側の最高戦力である魔神すらも凌駕するかもしれない存在。
来てくれれば、心強い。
「からからから。……なぜ、殺三七一?……大悪魔五六ンゾン。ま三か、人類を守っ十一るわけでも七一だろうに」
「……いひ、我は悪魔、大悪魔コロンゾンなりけるのよ」
正直なところを言えば、圧されているのはこちらの方だ、と『空白の主』は思っていた。コロンゾンの思惑が一切分からない。敗北した?負けた?まさか!そんなわけがない。コロンゾンの強さを『空白の主』は十二分に知っている。た・っ・た・2・週・間・前・に・手・に・入・れ・た・ば・か・り・の・情・報・に・よ・っ・て・コ・ロ・ン・ゾ・ン・の・強・さ・は・更・に・補・強・さ・れ・た・の・だ・。
例え血に伏せ地に臥せた状態とはいえそれでもコロンゾンの強さは何も変わらないのだ。
生命の樹セフィロトの隠されし一線、深淵アビスを守る大悪魔。
この世界■■における、頂点の一角。
「メイザースとの契約はまだ切れていない。である以上、私に貴様は殺せない」
「……かっ、からからから!!!メ一三ース!黄金夜明S∴M∴の三ミュエル=リデル=マグ零ガー=メ一三ースか!!!から、だ十す零八、だ十す零八随分十素晴ら四一事を四十九零た。ま三か、五の私の安全が、そん七語十で保障三零る十八ッ!」
『空白の主』と人類種は敵対している。かつて、全ての人類の祖である『空白の主』は全ての人類を愛していた。だが『空白の主』は愛する子供達に裏切られた。『空白の主』が完全に清浄なる存在となり、元いた場所に帰るために作った子供達は、よりにもよって逆に『空白の主』を縛ってきた。
子と親という強い強い関係性を利用して、縛ってきたのだ。人間が名を用いて契約を結ぶように。その繋がりを利用して。『空白の主』と人類種は流血ではなく流れる血によって繋がっているから。
「だったら殺せる!この私でも、人間でも、大悪魔たる君を追放できる!!!」
故にこそ、『空白の主』は初まりの領域などという辺鄙な場所にいる。魔神のいる『隠世』でもアルフのいる『最終血戦城カステルル・ブラン』でもない、常世に対する一切の干渉を制限されたこの初まりの領域に。
エイワスは例外中の例外だ。エイワスも結局のところ常世では霊媒アバターなしに大規模な行動はとれない。そして何よりも契約に縛られる。そう、かつてとあるご令嬢フロイラインと交わした契約は、今もエイワスを縛っている。
メイザースによって縛られたコロンゾンと同じように。
「あぁ、あぁ、あぁ!!!子供に罪を押し付けるまでもない!大悪魔を打ち倒すという功績を立てれば、私の罪は禊がれるッ!!!」
その喜びを抑えることはできなかった。
あるいはこの世で最も罪深き存在に唆される前の『空白の主』であれば、こんな風に欲望を露わにすることはなかったのかもしれない。人類が人類となった理由は賢くなってしまったからだ。つまるところ知恵を付けたから。その理由こそが善悪の知識の木の実を食べてしまったから。故に『空白の主』は楽園を追放された。
この出来事を、――――――失楽園ペルディトゥス・パラディススという。
「――――――戻れる、あの場所に。愛しの楽園に、もう1度ッ!!!今度こそ、私は神に成れる!」
賢さは罪だと定義されている。欲望を持つことは罪だと言われている。今より先に行きたいと、もっと楽になりたいと、誰かのためではなく自分のためにと、それらは全て、全て罪深いのだと、そう言う人がいる。神が人を楽園から追放したのは、人が神になることを恐れたからなのか。神が人に知恵の樹の実を食すことを禁じたのは、人が神の座に辿り着くことを懼れたからなのか。
『空白の主』は、自覚していない。
人類には罪がある。
傲慢スペルビア。嫉妬インウィディア。憤怒イラ。怠惰アケディア。強欲アワリティア。暴食グラ。色欲ルクスリア。
これを7つの大罪といい。
そして莠ャ螟ェ驛主・??ェ邯コ隴壹?螟ァ豐シ遘倶ク?驛弱?菫晄怏謚?閭ス縲弱じ繝サ繝ッ繝ウ繝サ繧キ繝ウ縲によれば、彼は莠コ縺ョ蜈ォ縺、逶ョ縺ョ螟ァ鄂ェを決して自覚できない、無自覚の罪の集約体を『雋ャ莉サ霆「雖』と定義した。
「だから君は此処で死んで?私のための踏み台になって?」
『空白の主』は雋ャ莉サ霆「雖している。彼女は物事を正しく見ていない。人類全体を生贄としか見ていない。当然の供仏。奉仕されることが当たり前と思っている。最も不浄であるが故に、最も清浄に憧れた『空白の主』。
こんな詩を知っているだろうか。
菴輔′鄂ェ縺九o縺九j縺セ縺吶°。
遏・諱オ縺ョ螳溘r蜿」縺ォ縺励◆縺九i縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s。
菴輔′鄂ェ縺九o縺九j縺セ縺吶°。
陋??逕倩ィ?縺ォ閠ウ繧定イク縺励◆縺九i縺ァ縺ッ縺ゅj縺セ縺帙s。
縺セ縺?鄂ェ縺後o縺九j縺セ縺帙s縺。
縺昴l縺薙◎縺後≠縺ェ縺溘?鄂ェ縺ェ縺ョ縺ァ縺。
『空白の主』は分かっていない。なぜ楽園から追放されたのか。なぜ人類が反逆したのか。与えられる側だった『空白の主』には奉仕する側の気持ちは分からないし、与える側の気持ちもわからない。
- 115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:37:39.65 ID:2+4dxV5n0
- 「くっ、くっくっくっ」
だからこそ、『空白の主』にはコロンゾンが怖く見えるのだ。恐れていて、畏れている。誰・か・に・頼・る・こ・と・で・し・か・危・機・を・脱・し・て・こ・な・か・っ・た・『空・白・の・主・』は・根・本・的・に・弱・者・だ・。
齢をどれだけ重ねても弱いまま。
実力は上がらず、弱い者いじめしかできない。
コロンゾンの思惑も分からない。
「あっはははははははははははははは!!!!!!」
思わず、といった調子であった。
まるで1秒先に来る絶望を知らない赤子を見る様に、コロンゾンは大笑いした。
「……何が、おか四一?」
「くっくっ、おかしいと思わなきかしら」
「一った一何について!?」
止めを刺そうとしないのは反撃を恐れているから。
会話を続けようとしているのは時間稼ぎのため。
神器召喚でコロンゾンを攻撃しないのは悪魔殺しの業を背負いたくないから。
『空白の主』には覚悟がない。だから、簡単に諦めて、次を探してしまう。『空白の主』は何1つとして背負っていないから、軽い。8月21日のあの日に木原脳幹と木葉桜十五夜を逃がす必要はなかったはずだ。一方通行アクセラレータに対する干渉ももっと深くできたはずだ。
世界をあるべき姿に還そうとしているコロンゾンとは格が違う。
自分だけのために戦うモノは、弱い。
「くっくっ、私がここに来た理由は、貴様と戦うためでは、ない」
「…………………………………………………………………」
『空白の主』には見えていなかった。意図的に無視をしていたわけではない。ただ純粋に、その存在を認識していなかったのだ。地を這う蟻は意識しなければ気付けないように、空を飛ぶ蚊もまた意識しなければ気付けないように。『空白の主』からすればあまりにも矮小すぎる存在ゆえに、『空白の主』はその存在を忘れていた。
なぜコロンゾンは初まりの領域に来た?
その理由ははたして何だった?
「警告、第二二章第一節。命名、『神よエリ、・何故私を見捨てたのですかエリ・レマ・サバクタニ』――――――完全発動まで一秒」
「ッッッッッ!!!!!?????」
いきなりだった。
妙に機械的な声がした瞬間には、もうその赤き閃光は『空白の主』に直撃していた。
だが、
「…………………………………出来ない」
閃光が晴れると同時に、『空白の主』は呟く。あれほどの一撃が直撃してなお無傷なのに、それでも。
認められないかのように、信じられないかのように。
大悪魔コロンゾン。三三三。拡散。自然分解。共倒れ。
それはあり得ない。
『空白の主』の対が、
いや、いいや、いいや!!!
「不可能二決まってるっ!人類で八私を、五の原初の片割零たる『空白の主』八殺せ七一っ!親殺四のパラドッ九ス。五の全時間軸二繋がっ十一る初まりの領域で八、人類の手で八私八殺せ七一!」
だからインデックスは此処にいるのか?
わざわざ、そういう風にセッティングした?『空白の主』の対が、その『破壊の象徴』が、共倒れの相手が、インデックスだと?
イギリス清教第零聖堂区必要悪の教会ネセサリウス所属の魔導書図書館。
そんなことは認められない。
そんなことは認められない!
格というモノがある。
オリンピック選手とアマチュア選手なら共倒れするのか?
最新鋭の戦闘機と旧式の装備を持った歩兵は共倒れするのか?
いや、あり得ない。だから絶対にあり得ない。インデックスでは『空白の主』の対にはなれない。なのに、なのに、それなのに!
なぜ、コロンゾンはそこまで『空白の主』を下に見る!
「馬鹿、二」
怒りが発露する。
暴風雨のような怒りが、畏れを上回る。
「馬鹿二するのも大概二四六ぉ!!!五の、五の私八っ、『空白の主』八ッ!原初の一、初まりの片割零、全十の人類の母!!!勝十七一、人類じゃ、君のバッ九アップを受けた十四十も!險ュ螳八覆ら零七一!!!!!五の、私の五十を、ど五まで下二見零八ッ!大悪魔、五六ン」
「な・ら・魔・神・な・ら・」
それは至極単純な答えだった。
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――まさか」
- 116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:38:21.20 ID:2+4dxV5n0
- 知らず、冷や汗が流れた。
インデックスの脳内に記憶されている一〇万三〇〇〇冊の魔道書を正しく使えば魔神に至ることが出来るとされている。一方で、インデックス自身が魔神になることは不可能だとされている。その理由はインデックスが魔翌力を生成することが出来ないからだ。
なら、インデックスが魔翌力を生成できるようになれば?
もしもインデックスに付けられている3つの枷が全て外れるような事態に成れば?
インデックスは分離した。今この初まりの領域にいるのは仮想人格ナンバー006『哀れな子羊アニュス・デイ』だ。
空虚な心と不完全な器。乗っ取るには、霊媒アバターとするには十二分すぎた。
「――――――魔導書図書館、Index-Librorum-Prohibitorum」
恐怖が、
死が、
そこにある。
「これならばメイザースとの契約には反しない」
元来、悪魔とは狡猾であるモノだ。メフィストフェレスなどが有名であるが、悪魔とはその弁舌で人を騙し、その弁舌で人を誘惑し、その弁舌で人を誘導する生き物だ。契約の穴を見つけることなど簡単にできる。
策はなった。
そのためだけに、コロンゾンはわざわざインデックスを『殺した』のだ。
赤・き・楔・は・掻・い・潜・ら・れ・た・。
「殺せ」
一言だった。
単純な命令だった。
絶対の死刑宣告だった。
勝てないと、本能的に分かってしまった。
因果応報。罪には罰を。盛者必衰。兵どもも夢の跡。
だから、
「ここからは私が受け持ちますdeath。我が朋友、『空白の主』」
ブンッ、と空間がぶれた。
そして、いた。
黒のスーツに黒のズボン、黒のマントと黒の指輪、黒の靴、黒の髪、黒の手袋、黒の襟、黒のモノクル、そして白い肌と紅い唇と瞳。
救援は最適のタイミングで現れた。彼は『空白の主』を庇うように前に立った。
その男の名を、アルフといった。
「第六物語シックスストーリの最終敵ラスボスであるか。そしてこの大悪魔と同じ人類外」
「同じとは人聞きが悪いdeath。私はあなたほど悪辣ではないdeathよ」
交わされた会話はそれだけだった。
そして戦いが始まった。
生命の樹セフィロトの奥に潜む悪魔と1700年前に人類種に敗北し常世から逃走した『空白の主』の息子の末裔の戦いが始まった。
さながら、最終決戦であるかのように。
さーて、『空白の主』の正体、もう分かりましたよね?全世界の神話でも五指に入るレベルで有名な人間ですよ。
- 117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:39:41.17 ID:2+4dxV5n0
- https://syosetu.org/novel/56774/76.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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いつもよりちょっとだけ長いです。
気付いた二人@ 神速の対応 一方通行と『空白の主』@ 『空白の主』
『それ』を真に正しく理解できた人間は学園都市内に二人いた。
まず一人目は学園都市の主アレイスター=クロウリー。
彼は、『それ』に強く関わっているが故に、『その領域』の人間と敵対しているが故に、『その行為』に気付くことが出来た。
「…………………………………………………………………………………………………………………………、」
ほんの一瞬だけ、
刹那の時間だけアレイスターは逡巡した。
そして、
「頼めるか」
短い問いかけがあった。
『任せておけ、アレイスター』
その問いかけに短い返答があった。
そして、問いを答えたヤツはすぐに『窓のないビル』から去り準備を始めた。
さらにもう一人。
学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階天秤の間にて風紀委員長白白白も『それ』に気付いていた。
「さすがに、予想外だな……」
確かに、見る程度ならできるかもしれないとは思っていた。それを見ることは可能かもしれないとは考えた。
だがまさか操れるとは、操作できるとは思っていなかった。
認識が甘かったと言えばそれまでだが、おそらくこの事態を予想できた人間は世界に一人もいないだろう。
かの統括理事長もこの事態は予測できないはずだと思った。
だから、これは後手に周っているわけでは無い。挽回はまだ可能だ。
「まさか、このタイミングで切り札を切ることになるとは……」
椅子に座ったまま受話器を取り、特殊なリズムで特別な番号を押した。
風紀委員本部セントラルジャッジメント。その地下第11層を住みかとする存在に、『切り札』に、命令を与えるために。
プルルというワンコールの音すらならずに電話がつながった。
「最果さいはて、出番だ」
意識を引きずられないようにしながら白は声をかける。
「おやぁ」
妙に間延びした声で、電話口の人間は答えた。
「私が表に出るのは大覇星祭の時ではなかったんじゃ?」
「事情が変わった」
「事情がぁ?」
「あぁ」
心の準備を決めてから、白は通話の相手である最果にその事情を話す。
下手をしたらそれだけで死ぬかもしれないという緊張感をまとわせ、風紀委員本部セントラルジャッジメントの切り札の一人に、白は言った。
「学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータが位」
「行こう」
白の台詞は最後まで言われることはなかった。
電話相手の最果が一方通行アクセラレータが何をしたのかに気付いたからだ。
「座標は?」
「ポイントA18だ。だが、その前にポイントX000で『彼』とぶつかるはずだ。君には『彼』を足止めしてほしい」
「………………………ほぉ」
ほんの少しだけ不満の色が見られた。とはいえ、ほぼ軟禁状態の最果にとって外にきちんと出られる機会を逃す気はない。
一方通行アクセラレータがいじった後を見ることが出来ないのは残念だが、『彼』と戦えるというのならば、そこまであからさまに反抗する必要もないだろう。
「装備は?」
「全部許可する」
「専用武器も?」
「あぁ」
「………………………ふふ、了解ぃ」
楽しそうに笑いながら、間延びした声で最果は笑った。
本当に、楽しそうに。
「迎えは奇鬼喜きききに行かせる。速やかに行動しろ」
それだけ言って白は電話を切った。
天秤の間を沈黙が満たす。
その沈黙の中でもう一度白は受話器を手に取った。今度は、十五夜につなげるために。
予期してはしないだろうが一方通行アクセラレータは世界の理に干渉してしまっていた。
だからこそ、この二人は全力を挙げて動いたいた。
これ以上、もうこれ以上いじられてはたまらない。
世界の強度がどれくらいもつのかはわからないのだから。
学園都市統括理事長、風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長。
非常に珍しいことだが、この時二人の思惑は一致していた。
まぁ、だからといって協力できるということにはならないのだから。
- 118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:40:17.78 ID:2+4dxV5n0
- 「…………………………………………………………………………………………………ぁ?????」
気がつけば白い空間に立っていた。
「こ、……こは?」
白。
白く白く白い。
ただひたすらに白しかないこの空間。
上を見ても下を見ても右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても白。
白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白。
そんな空間に一方通行アクセラレータはいた。
「なンだ?俺は、確か…………」
記憶をたどる。
今を理解するために、過去を探る。
一つ一つ順番に、たど
その時だった。
「お・や・」
声が、かけられた。
「ここ二に人間が来るとは珍四一しい」
声をかけられる。日常的な何も不思議ではないことだ。
ただそれだけだったのに、
それなのに、
「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!??????????」
全身が泡立った。
肌が、脳が、身体の全てが無意識に緊張状態に陥った。
「誰だッッッ!!!!!」
声をかけたのが誰かなど知らない。そんなことは分からない。
ただ一つわかる。
理解できる。
学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータで理解できる。
「オマエは……っっっ」
わかる。
これがそうだ。
これが、これこそが、
恐怖。
人が抱く根源の衝動。
恐・怖・。
「誰だ……っっっ……!!!!!」
その問いに、彼女は答えた。
「私か一い」
目の前の存在は見た目だけを見れば極一般的な少女の姿をしていた。
「私は、そうだね」
だが違う。
見ればわかる。感じる。認識できる。
こいつは、
こいつは、
こいつは、
絶・対・に・人・間・じ・ゃ・な・い・!!!!!!!!
「『空白の主』。そう、呼ばれる存在さ」
敵だ。
あきらかに、絶対に敵だ。
敵。
それも、一方通行アクセラレータの敵という意味では無い。
そんな小さな意味では無い。
危機感が絶望が終焉の気配が迫って募って嗤っている。
この目の前の女は、
人・類・の・敵・だ・!!!!!
「『空白の主』……………………」
ヤバい、と体感で分かる。
強さの質が違う。
言うならば運動会の徒競走で勝つために、参加者全員の足をへし折るようなものだ。
立っているステージが違う。
存在の位階が違う。
これはそう、
神とか呼ばれる存在だ。
現に、
現に現に現に。
「本名自体は別二あるけどね。けれど、君は見た十五六私の名を呼べる段階では七一ようだ四、『空白の主』十呼んで九零たまえ」
この存在は一方通行アクセラレータを見ていながらにして、一方通行アクセラレータを見ていない。
視線は確かに一方通行アクセラレータの方を向いていながらも一方通行アクセラレータをとらえてはいない。
もっと別の何かを見ている。
もっと奥の何かを見ている。
もっと違うモノを見ている。
見られている。見られている。見られている。
「―――――――っ、ぁ」
怖い。恐怖。
- 119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:41:04.94 ID:2+4dxV5n0
- 御坂と戦っている時だってここまではっきりとは感じなかった。
心臓を直接握られているような、脳に爆発物を入れられたような、そんな恐怖心。
対抗しようと思えること自体が奇跡とさえも思える、そんな感情。
なんなんだこいつは?
そもそもどこなんだここは?
御坂美琴は、あの戦いはどうなった?
「ん?」
いつのまにか『空白の主』と名乗る女(?)が一方通行アクセラレータの目の前に来ていた。
「ッッッ!!!!!」
グイッ!顎を持ち上げられて、
「何を恐零る必要があるんだ一?五五二来たと一う事八程度の差八あ零世界の仕組三を理解四十一ると一う事だ六う?」
などと言われた。
「五の世界の深奥の秘密。秘匿さ零た最奥の領域。明かさ零十八七ら七一その存在を知ったのだ六う」
続けて『空白の主』はこう言う。
「魔術の領域二住ま一、そ四十五五二至零たのだ。君二も何か明確七願一があるのだ六う?言っ十三七三一。何、遠慮する必要七ど七一」
願い?
願いだと?
「ね――――――がい……?」
「そうだ。願一だ」
一方通行アクセラレータは思考する。
願い。たしかにそれはある。もともと絶対能力進化実験レべルシックスシフトなんて馬鹿げた計画に参加したのは一方通行アクセラレータ自身が絶対能力者レベルシックスという領域を目指していたからだ。
絶対能力者レベルシックス。現状の学園都市に存在する超能力者レベルファイブよりも上の強度の、おそらく神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものSYSTEMに至ることすら可能なその領域に至ること。
それが目的だった。願いだった。
本当に?
「ね………………が、――――――い?」
高純度の麻薬を吸ったように脳がくらくらする。とめどない思考が体中をめぐる。
目的、目的、目的。
一方通行アクセラレータは思考を続ける。
絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加し絶対能力者レベルシックスに至る。それが一方通行アクセラレータの目的であったことは間違いがない。
でなければ劣化量産品クローンを二万体も[ピーーー]などという怠い作業を続けるわけがない。
だがしかし、そもそもなぜ一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスになろうと思ったのか。
絶対能力者レベルシックスになりたいと思っていた?
違う。一方通行アクセラレータは別に絶対能力者レベルシックスになりたいとは思っていない。
研究者の実験を断れなかった?
まさか、一方通行アクセラレータは学園都市第一位の超能力者レベルファイブにして闇の中の住人だ。その気になれば参加する実験など取捨選択は容易だ。
では単純に絶対能力者レベルシックスという領域に興味があったのか?
(…………………………………………………………………………………………いや)
それも違う。確かに絶対能力者レベルシックスには興味があった。この力はどこまで行くことが出来るのか、自分はどこまで強くなれるのか、そういうことに興味がなかったと言えば嘘だ。
でもそれは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加する理由としては弱いように思えた。力への執着のみで絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したわけでは無いのは直感的に理解できた。
であれば、いったいどうして一方通行アクセラレータは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したのだろうか。
思考する。
答えは出ない。
思考する。
答えは出ない。
思考し続ける。
答えは出ない。
答えは出ない。
答えは分からない。
学園都市一の頭脳を持っている一方通行アクセラレータでも、その問いに対する答えは、自らが絶対能力者レベルシックスを目指そうと思った理由が、その始原の衝動がわからなかった。
黙っている一方通行アクセラレータを不可解な思い出見つめていた『空白の主』はいつまでたっても黙して語らない一方通行アクセラレータを前に一つの事実に気付いた。
「……………………ま三か七一のか?」
驚愕の表情で『空白の主』は呟く。
ありえない、と内心で『空白の主』は思った。
『この場所』に来る生命が何の願いも持たないなどあり得ない。ただの興味や好奇心や偶然で来れる場所ではないのだこの場所は。
確固たる意志があり、絶対に達成したい目的があり、そのために死に物狂いで行動し、死をいとわずに動き、それでやっと至ることのできる場所なのだ。
確かにその『位階』に至ったのであれば『願い』は叶ったといってもいのかもしれない。だが、『この場所』に至るという事はそもそも世界の根幹自体を作り直したいと思ったはずだ。
ならば、願いがないなどあり得ない。
「なら仕方が七一。願一を口二四七一のであ零ば、強制的二見せ十もらうまでだ」
数年ぶりに『この領域』に来た生命がいるのだ。その生命の願いを知りたいと思うのは『空白の主』にとって自然なことだった。
なにせ、この領域に来れたという事は世界の仕組みを、重なった位相を理解したという事なのだから。
最・初・の・一・人・として長き時を生きる『空白の主』の興味を引くのも当然だった。
スッと一方通行アクセラレータの顎に手を当てたまま、『空白の主』は一方通行アクセラレータの瞳をじっと見つめた。
その瞳の奥にある一方通行アクセラレータの記憶を覗き見るように。
だが、
「……………………………………………へ?」
作者の最大の罪は作品を完結させないことですから!!!!!
- 120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:41:30.18 ID:2+4dxV5n0
- 明らかな戸惑いの声が『空白の主』からもれた。
予想もしていなかった事態が起きたのだ。
「超能力者……?ま三か、魔術師で八七一のか……!?」
『空白の主』にはとある先入観があった。それは『この領域』に来る生命は程度の差はあれ『魔術師』であるというものだ。
『魔術師』でなければこの場所には来れない。これは永き時を生きる『空白の主』にとってほとんど確定事項であった。数少ない、それこそ数人の例外を除けば『科学』に属する人間が『この領域』に来れるはずがないのだ。
だからこそ『空白の主』は一方通行アクセラレータの内面を覗き込んだ時戸惑いをあらわにした。
一方通行アクセラレータが科学の街の総本山、アレイスター=クロウリーが作り出し、支配する学園都市に属する超能力者であることに気付いたから。
「八っ、からからからからから!!!!!そうか、至零たのか!!!」
それに気づき、だから連鎖的に『空白の主』はもう一つの事実に気付いた。
つまり、魔術師では無い科学の側の人間が、超能力者がここに至るという事の意味だ。
「うん?気付一十一七一のか?なら、私が教え十あげよう」
アレイスター=クロウリーが目指したいたものの終着の形の一つ。それが、もうすでに再現されていたのだ。
つまり、
「おめで十一方通行ア九セラ零ータ。君八もう絶対能力者零ベル四ッ九ス二至っ十一るよ」
あまりにも簡単に『空白の主』は言った。
二万を殺してなれるはずの絶対能力者レベルシックスに一方通行アクセラレータはなっていると。
「そ四十、その先の領域二もね」
そのあまりにも簡単な言い草に一方通行アクセラレータは逆に確信を思えてしまった。絶対能力者レベルシックスになっているという確信を。
「ふむ、だが五のまま君が帰っ十四まうのも面白九七一七」
だから一方通行アクセラレータは一瞬戸惑った。一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスを目指していたが絶対能力者レベルシックスになりたかったわけでは無い。それを先ほど確認したばかりだ。
ならば、これから先は何を目指すのか、どうすればいいのか。
「気乗り四七一が、うん久四ぶり二戦う十するか」
そんな思考を巡らせていると唐突に『空白の主』が戦闘の意思を示してきた。
「さぁ構えたまえ一方通行ア九セラ零ータ。その力を私二向かっ十ふるっ十九零」
自然体だった。
あくまで自然体で『空白の主』はそういった。攻撃をしろ、と。
だが動けない。
明らかに隙だらけなのに感覚として感じる明確な『圧』のせいで体が動かない。
「来七一の七らば五ちらから行九ぞ?」
いつまでたっても攻撃してこない一方通行アクセラレータに辟易したのか、『空白の主』はボクシングのようなファインティングポーズをとり明確に攻撃態勢を作った。
そして、その超絶至近距離から『空白の主』の軽いジャブが一方通行アクセラレータに振るわれ、
「そこまでです」
いつのまにか現れていた風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜が『空白の主』の手を掴んでいた。
新キャラ『空白の主』。
この物語の中枢に位置する生命体です。
いまさらと言えば今更すぎるんだけど……
この作品、オリジナルでやった方がいいような気がしてきた……。
いやっ!最後まで書きますけどね!!!
- 121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:42:41.08 ID:2+4dxV5n0
- https://syosetu.org/novel/56774/77.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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寄り道します。
白白白と木葉桜十五夜@ 緊急命令 常世涯最果と木原脳幹@ 足止め
十五夜まんげつが始まりの領域で『空白の主』の腕をつかむ五分前の出来事だった。
「案外苦戦していましたね」
8月21日午後10時02分、十五夜は上条たちが戦っていた下水道の上の空間、地上で彼らの戦いの様を見ていた。
当たり前の事実だが分厚い地面で遮られている下水道のことを地上から見ることは普通出来ない。
といってもそれはあくまで一般人の話だ。この学園都市には普通から外れた人がいくらでもいる。
例をあげれば透視能力クレアボイアンスの能力者。はたまた視界共有リンクサイトの能力者。あるいは反響測定エコロケーションの能力者なんかも地下深くの下水道の様子を把握できるかもしれない。
そして当然のように十五夜も分厚い地面で遮られた下水道の様子を把握できる人間の一人だった。
「決着はついたようですし、私も動きますか」
手元に用意した二つのストロビラを弄びながら十五夜は小さくつぶやいた。
そも、十五夜がここに来たのは埋娥と百目が倒した後の上条と白井を回収し、その首筋へと設定済みのストロビラを打ち込むためだ。一応、保険として万が一二人が負けたときは代わりに上条らを倒す役目もあったが、二人が勝った以上それをする必要はない。
故に、十五夜の役目はストロビラを打ち込むことのみ。それに限定される。
視線を下にやる。
上条たちがいるであろう下水移動を地面を透視してみるように、顔ごと視線を下に下げる。
「この距離ならいけますね」
意識をほんのわずかに集中させて、十五夜は上条たちのもとへ向かうために空間を渡ろうとする。
その時だった。
ドッガアアァアァアアアアァアアァアアアアアアァアアァァァァァァアアアアンンン!!!!!!!!!
という爆発音が響き、十五夜の立っている地面が沈んだ。
「…………?」
その爆発によるダメージは十五夜には存在しない。
そもそも今の爆発は十五夜を狙ったものではないのだから。
「爆発……ですか?いったい誰が……?」
まず疑ったのは御坂美琴による粉塵爆発。白の言う通りにことが進んでいるのだとすれば、この空気を哭なかせる爆発音は御坂美琴の一撃のはずだ。
だがそうすると疑問が二つ。爆発音が近すぎるという疑問。さらに沈み込んだ地面の謎。粉塵爆発ではこの現象は起きない。
だから違う。この爆発は御坂美琴によるものではない。
次に疑ったのは苦罠の勢力。御坂という存在を除いた時、もっとも可能性があるのはどう考えてもあの二人。死縁鬼苦罠と天埜郭夜。
しかしここでも疑問が二つ。
すなわち誰を対象とした爆発なのか?そして、誰によっておこされた爆発なのか?
このタイミング、この規模。
上条たちの戦闘が終わったタイミングで10トントラックいっぱいに積まれたC4が一気に爆発したようなこの事態。
ここに存在する意思は、誰のものだ。
そんな思考を続けている十五夜のもとにピリリ、と電話がかかってきた。
「委員長……?」
ワンコールで十五夜は電話をとった。
今かかってくるのならばそれはすなわち今かけなければならないということだ。
通話をつないだ十五夜の携帯を通して、白の冷静な、そして焦った声が聞こえた。
「緊急事態だ、十五夜。第一から第八までの拘束リミッターの解除を許可する。すぐに解除してくれ」
「っ……!了解しました。すぐに」
その言葉に、十五夜は事態の深刻さを知った。
十五夜は自らの力に十の制限をかけている。その制限をかけた状態でもほとんどの存在には負けることはないが、白はその拘束を解けと言った。
つまり、それほどのことが起こってしまっているのだ。
十五夜が全力を出さなければ対応できないような、そんな事態が。
「第一jyuiru八拘束リミッターmoia解tvewiw除xbyvc。解swku除hs印コードhixa6829cfdyl3057miw16v824hwojd95022gcihre34uei5xdab6」
世界に出力される言語がぶれた。十五夜の口から放たれた言葉がぶれた。
すなわちそれは十五夜が常人ではないという証。
すなわちそれは十五夜が超能力者でも魔術師でもないという証。
すなわちそれは十五夜が種としては人間の枠に当てはまらないという証。
そう、十五夜は人であって人では無い。
生まれつきであるその力は十五夜の人としての生を木端微塵に打ち砕いていたから。
「『空白の主』が一方通行アクセラレータに干渉している。最悪全面戦闘になってでも一方通行アクセラレータをこっちに引きずり出してくれ。今ここで手札の一つを奪われるわけにはいかない」
「『空白crbf主』……っ!!!了isoa解vbyo、私全bcyw力nqimx駆使wxbok一方通行アクセラレータvwbyo奪byow取!」
「頼む」
会話は一分にも満たなかった。いつもならばだらだらと回りくどい話をする白が最小の会話で事態を伝えたのだ。
それは白が焦っているという証で、それだけ自体が緊迫しているという証だった。
「………溜vsy息znewnn」
一息だけ吐いて。
十五夜は世界位相を壊してその領域に侵入した。
- 122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:47:14.72 ID:2+4dxV5n0
- そしてもう一人。
もう一人風紀委員本部セントラルジャッジメント側の勢力から動いている人間がいた。
「来たぁ」
常世涯最果とこよのはてさいはて。
学園都市風紀委員本部セントラルジャッジメントに属する風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力のうちの一人である。
その戦闘力は風紀委員本部セントラルジャッジメントの中でも最低ランクであるが、
その特異性は風紀委員本部セントラルジャッジメントの中でも最高ランクである。
その最果に対して相対する存在は人間では無かった。
『ふむ。君は何者だね』
犬。
それもゴールデンレトリバー。
イギリス原産の大型犬である。
「ははぁ。知ってるくせにぃ」
その犬の名は木原脳幹。
学園都市に5000人ほど存在する木原一族の中でもさらに異端の存在。
「でもまぁ、確かに戦闘前には一度名乗りを上げたほうがロマンがあるのかなぁ?」
アレイスター=クロウリーの飼い犬。
この街の番犬。処刑犬バニッシャー。
今は亡き『木原』の始祖ともいうべき七名の科学者に外付け演算回路を取り付けられたことで生まれた、異色にして異端の存在。
それが木原脳幹だ。
「学園都市風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力が一人常世涯最果とこよのはてさいはて。風紀委員本部セントラルジャッジメントの中の暗部の中の暗部。いうなればローマ正教における神の右席みたいなぁ?」
風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力。
その名を聞いて脳幹はその身をふるわせた。
『なるほど、ここで出てくるのか』
当然、恐怖によるものではない。ガチャガチャガチャガチャ!!!と脳幹の体に合うように造られた様々な装備がサイコロ展開図のように完璧かつ完全に組みあがっていったのが理由だ。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント。
刃物、銃弾、砲弾、レーザービーム、液体窒素、殺人マイクロ波、ドリル、パイルバンカー等の無数の兵装で作られた『理解できない領域』の存在を撃滅、殲滅するための兵器群。
モノの数秒で、その必殺が最果の前で組みあがった。
『だが、私も君程度に足止めされるわけにはいかないのでね』
脳幹と最果は互いに一瞬だけ視線を交わした。
脳幹は既に最果がここにきた理由を察していた。封印戦力、風紀委員本部セントラルジャッジメントの暗部の中の暗部、秘中の秘。
このタイミングでその存在が出てくるのならば、それは当然足止めしかないだろう。
『空白の主』もとへ脳幹を向かわせないための足止めだ。
『悪いが、押し通らせてもらおう』
やらせるわけにはいかない。
ここで足止めを食らえば、彼の計画そのものに重大な亀裂が入ってしまう可能性があるから。
それはいただけない。
彼の使いとして、それはいただけない。
善悪で言えば悪で好悪で言っても悪。
脳幹は自らの行いをそう定義しながらも、止めるつもりはなかった。
『なぁ、君は対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを知っているかね?』
その一言を合図としたように、脳幹が対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを起動させて、
「ポチッ」
最・果・が・自・爆・し・た・。
『ぬっ!!!?』
さしもの脳幹もわずかに動揺した。
最果が手に持った何らかのボタンを押した瞬間に最果がたっていたところを中心とした爆発が広がったのだ。
さいわいのことながら起動させた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントから放たれた数十以上の誘導ミサイルがその爆発と衝撃をいい具合に中和したが、それにしたって予想外過ぎた。
まさか自爆するなど。
それも代えがきかなくもない雑兵ではなく、おそらく風紀委員本部セントラルジャッジメント内でもかなりの地位にいる、重要なポジションに位置するだろう封印戦力の一人が自爆するなどと。
あまりにも予想外過ぎた。
それこそらしくもなく動揺してしまうほどに。
『……………………』
沈黙があたりを満たす。
いかに脳幹がアレイスターの使いであり、異常ともいわれる光景を見慣れていようとも、不可解なこの自爆を前には沈黙しか返せなかった。
『……………………』
あらゆる行動には意味が生じる。
人を[ピーーー]のには人を[ピーーー]だけの理由が、
人を救うのには人を救うだけの理由が、
そして、人が死ぬという事にも必ず理由がある。}
- 123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:47:51.76 ID:2+4dxV5n0
- つまり、風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力が一人、常世涯最果が自爆したのも必ず何らかの理由がある。
最果の目的は脳幹の足止め。それを思うのならば、最果の自爆は脳幹を足止めするために行われたとみるべきだ。
しかし、自爆によって稼げる時間は多くても30秒といったところだろう。
となれば、足止めという目的は果たせないように思える。30秒程度の足止めで何が変わるというわけもあるまい。
つまり、
『なるほどな』
小さく、呟いた。
眼前の光景が示すその意味を理解したから。
最果の行動が示す意味を分かったから。
『なるほど』
脳幹はもう一度小さくつぶやいた。
最果の自爆が原因であたりに充満した煙が晴れる。
それと同時に、
「ポチッ」
ま・る・で・先・ほ・ど・の・焼・き・増・し・の・よ・う・に・も・う・一・度・最・果・が・自・爆・し・た・。
くそっ!!!私の技量じゃ脳幹先生の偉大さが表現できない!!!
あああああああ、くそっっっ!!!
唯一先生に直接脳幹先生の偉大さを教わりたいぃぃぃ!!!!!
- 124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:48:44.03 ID:2+4dxV5n0
- https://syosetu.org/novel/56774/78.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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もう本当に申し訳ないんですけどたぶん今回の話つまんないです。
なんでつまんないかと言うとこの話だけじゃ何がどういうことなのか意味不明の理解不能でちんぷんかんぷんだからです。
あとがきで話の流れだけは書いておきます。
69話目の 御坂美琴と一方通行@ 再戦 神亡島刹威と浣熊四不象@ 悪の正義 の前書きで「ラストバトルの開幕だ」的なことを書いてしまいましたね。
ごめんなさい、あれは嘘になってしまった……。
木葉桜十五夜と『空白の主』@ 神域の戦い 一方通行A 次元の違い
純白にして漆黒の空間で少女が二人、明確に対峙していた。
「今、わり十楽四んで一た十五六七んだけど?」
これ以上の不快なことはない、と言ったような口調で『空白の主』は言い放った。無粋にも『空白の主』の手を掴んでいる十五夜まんげつに向かって。
「そうですか」
だからどうした、とそんな口調で十五夜は言い放つ。一方通行アクセラレータを攻撃しようとした『空白の主』に向かって。
「もう一度言うけど、ど一十九零七一か七」
ビキビキッという音が出そうなくらい青筋を立てて不機嫌そうに『空白の主』は言う。全力で掴つかまれた手を放そうと努力しながら。
「いやですね。私はあなたを止めるように言われているので」
だが、十五夜が決して『空白の主』の手を離さない。手をひけば同じように十五夜も手を押して、手を前に出せば応ずるように手を引く。力をこめられたその手を振りほどくのは通常戦闘能力が並以下でしかない『空白の主』には至難の業わざだった。
「あぁ、そう」
だから足りない力を技術で補った。
すう、と緩急をつけながら掴まれた手を引きつつ、そのまま空いている別の手でうまく十五夜の手を誘導して切り離す。腕力という力では敵わないが経験という名の補助があれば対抗できる。
そして、そのまま数メートルほど後ろに飛びずさり十五夜と一方通行アクセラレータから距離をとった。
「七ら、四ょうが七一か七。私は本当二戦闘二八不向き七んだけど」
いつのまにか『空白の主』の手に光り輝く剣が握られていた。短剣というには長すぎるが長剣というのもはばかられる長さの剣。柄もあり峰もあり、そしてその鈍い輝きがその剣が真剣であることを如実に示していた。
「グラム……いや、クラウ・ソラスですか」
一瞬だけ勘違いしたが、その剣の名を即座に十五夜は看破した。
魔剣グラムではなくアイルランド民話におけるクラウ・ソラス。もっとも日本で知られるクラウ・ソラスにはかなりの拡大解釈は混ざりが加えられて、原典のものとは異なった剣になってしまっているのだが。
「原典と八程遠一け零ど…………今八五の方が一一、か七ッッッ!!!!!」
前述したとおりクラウ・ソラスはアイルランド民話に登場する剣である。クラウ・ソラスの意味は「輝く剣」、すなわちアイルランド民話における「輝く剣」というものの集合概念がクラウ・ソラスという剣なのだ。
もともと、民話の中に登場するクラウ・ソラスは「輝く剣」という称号こそあれ発光によって敵の目をくらます、自動追尾機能によってひとりでに敵を打倒す、隠れた敵を見つけ出す剣などというものでは無かった。それらはすべて拡大解釈であり様々な民話を合わせたものにすぎないのである。
クラウ・ソラスは多くの民話に登場する魔法剣の総称であり、物語ごとに異なる解釈がなされているものなのだから。
そして、『空白の主』はそんなクラウ・ソラスを投げた。
「ッッッ!!!」
前述したとおりクラウ・ソラスは剣である。槍では無い、剣である。投げるではなく斬るという用途で使われる剣。貫くというよりは切り裂くという方法で敵を傷つける剣。
本来ならば投擲物とうてきぶつとしては機能しない。
本来ならば!!!
「クラウ・ソラス+グングニル=万物貫九輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス」
『空白の主』は戦闘が得意ではない。だがそれは『空白の主』が戦闘を出来ないという意味にはならない。
そもそもこの領域を住みかとする『空白の主』は万物すべてを自由にできる権限があるのだから。
だがそれは十五夜にしても同じこと。
「遅い」
放たれた万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスが消えた。跡形もなく、塵も残さずに。きれいに消えて消え去った。
最初から存在しなかったかのように。
初めからそんなものは無かったかのように。
万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスはこの領域から消えた。
「先につばを付けておいたのは我々の方です。『空白の主』、あなたの方こそ引くべきではないんですか」
「からから、冗談一うね」
前述したとおり『空白の主』が形成したクラウ・ソラスは原典から遠く離れている。自動追尾機能、隠れた敵を見つけだす索敵機能等が『空白の主』の作り出したクラウ・ソラスには付けられていた。
グ・ン・グ・ニ・ル・の・万・物・貫・通・能・力・と・共・に・。
「五の領域二直接干渉する九十すらでき七一雑魚二五の領域二自力で辿り着一た一方通行ア九セラ零ータを扱える十八思え七一。大人四九私二渡四たほうが世界のため二七る四?」
ここまで言えばわかると思うが『空白の主』は神話の装具を具現化し、原典たりうる神話の装具を現実への流出具合を勘案してある程度いじくることが出来る。
もともとは「輝く剣」という称号があり、物語ごとに違う解釈であったクラウ・ソラスに後から上書きされた概念である『自動追尾機能』と『発光』などを付け加えたのがいい例だ。
そして、そこに別の概念を付け加えることも。
「管理者気取りですか。この引きこもりが」
万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス。
この剣はクラウ・ソラスの亜種とグングニルの二つを合・成・して作られた神具だ。
発光及び自動追尾並びに索敵の能力を持つクラウ・ソラスに万物貫通能力を持つグングニルを付け加えた武器。
クラウ・ソラスだけでは十五夜の自動防御機能のようなものを貫けないかもしれないと考えた『空白の主』によって放たれた武器。
まぁ、結局のところ万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスは跡形もなく掻き消されてその効力を発揮しなかったわけだが。
「からから、それを言うの七ら、前時代の遺物五そ引っ込んで一六四」
その言葉に、十五夜の顔が固まった。
どんな個体にも禁句というものはある。触れられたくない部分、触ってほしくない部分、触れられたくない記憶、思い出すことも回想する事さえしたくない記憶。
十五夜のその部分に『空白の主』は触れてしまった。
当然、わざとだが。
- 125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:49:13.74 ID:2+4dxV5n0
- 「…………………………」
いつの間にか十五夜の手に一つの竹槍が握られてた。
何の変哲もない、どこにでもあるような竹の槍。
あまりにも武器としては頼りなく、あまりにも普通な槍。
一見するとそれはこの場で使われる武器としてはふさわしくないように思えた。
「ヌ九十メロン四リーズの一つ。四スラウの時計八使わ七一のか一?」
『空白の主』は十五夜が持っている武器のことを知っていた。
懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』。
風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長魅隠罠明みかくれみんみんによって作られたヌクテメロンシリーズと呼ばれる霊装の一つ。
ヌクテメロンとは2000年近く前にティアナのアポロニウスと呼ばれる人物によって書かれた魔導書である。この書にはヌクテメロンの魔神と呼ばれる各時間に対応した72の魔神の名が書かれており、『シスラウの時計』はその72の魔神のうちの一柱『シスラウ』の話をもととして作られた霊装なのである。
ヌクテメロンの魔神『シスラウ』は12の時の内4時に対応する魔神であり、その性質は毒。あらゆる毒をつかさどる毒の魔神が『シスラウ』なのである。
その話をもとにして作られたからこそ十五夜の保持する懐中時計型霊装は『シスラウの時計』と呼ばれ、万能の毒を生成することが出来るのだ。
「まぁ、『四スラウの時計』七ん十弱一霊装八私二十って効果八七一んだけど」
十五夜は『シスラウの時計』を使うつもりはなかった。
何故ならば、『シスラウの時計』の効果や術式はとっくに『空白の主』に知られているからであり。
そして、何よりも
人・類・の・信・仰・が・生・み・出・し・た・魔・術・な・ど・ど・い・う・も・の・は・決・し・て・空・白・の・主・に・効・か・な・い・の・だ・か・ら・。
手に握った竹槍を構える。この竹槍は勝ちたいという数多の人の願いのこもった武器。それゆえに十五夜が持てば天下無双の武器となりうる。
そして、十五夜は槍を突き出して、
言った。
「殺されたいようですね、阿婆擦れ」
「からから、やって五らん四無能女」
一瞬後
世界が揺れた。
その光景を何よりも遠いすぐそばで動けないままに眺めている男がいた。
「…………っ」
強さとは何か、そんな酷くどうでもいい、だが根源的な問いが浮かぶ。
『強い』という事が戦闘能力に直結するのならば、今一方通行アクセラレータの目の前で戦っている二人よりも『強い』生物を一方通行アクセラレータは見たことが無い。
例えば、ミサカ10032号は一方通行アクセラレータと御坂美琴の戦いを神話の戦いに例えた。
例えば、一方通行アクセラレータは『空白の主』のことを神だと直感した。
だから『空白の主』と互角に、いやひょっとしたらそれ以上の領域で戦っているだろう女のことを見て一方通行アクセラレータは一つの単語を思い浮かべた。
神々の黄昏ラグナロク。
北欧神話における最終戦争。
世界に数多存在する終末の在り方の一つ。
科学の街の住人でありながらそんな戯言が思い浮かぶほど、二人は『強く』強かった。
強さ。
絶対的で究極的で圧倒的な強さ。
それを求めて参加した実験絶対能力進化実験レべルシックスシフト。
二万人を殺してでも得たかったチカラ。
それがとても小さく思えてしまうほど二人の戦いはレベルが違った。今までやっていた戦闘が子供の遊びに思えるほどに、御坂美琴との一進一退の攻防すらただの児戯に思えるほどに。
位階が違い、強度が違い、世界が違い、すべてが違った。
次元の違う場所にいるのだ。
『空白の主』によって絶対能力者レベルシックスの先の領域に足を突っ込んでいると断じられた一方通行アクセラレータよりも、高い場所に。
彼女達はいた。
- 126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:49:49.68 ID:2+4dxV5n0
- 「クソッ………………」
小さな罵声が漏れた。
我慢できなかった。一方通行アクセラレータは誰も自分に勝てないと思っていた。対抗できるヤツはいても結局は勝つと思っていた。
その考えが一瞬で覆された。
たった二人の戦いを見るだけで『上』を認識できた。
自尊心が、自意識が、ガラガラと崩れるような感じがした。
一方通行アクセラレータが思考している間にも二人の戦いは続いている。一目見るだけで一般人でも神具だと認識できるような武具が空間を裂いて現れ、十五夜に向かって無数に投下される。
それに対して、十五夜はただ手を振り払い、竹槍を振るう。それだけでもとからそこになかったかのように神域の武具は消えていく。
何がどうなっているのか、その現象がどんな理屈をもって行われているのかひとかけらもわからなかった。
科学の街『学園都市』の中でも最強の能力者であり、最高の頭脳を持つはずの、一般人よりもはるかに深い『闇』の中に住む一方通行アクセラレータですらつかめない。
その領域はきっと人間という生命体が一生をかけて辿り着くための努力をする神域なのだ。
強さとは、最強とは、いったい何なのだろうか。
心に浮かぶ感情はいつの間にか恐怖から悔しさに変わっていた。
今回の話の流れ
十五夜が『空白の主』と戦闘した。
これだけ覚えてもらえれば十分です。
おもしろいと感じた人はすごいありがたいですが、読者視点で私が読むと「はぁ?」ってレベルでつまんなかったので、久しぶりに更新間隔を早めます。
- 127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:50:31.88 ID:2+4dxV5n0
- https://syosetu.org/novel/56774/79.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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いいですか、私は!決して!脳幹大先生のことが嫌いなのではありません!!!
ただ、好きなキャラを苦戦させ、苦しめ、壊すのが好きなだけなのです!!!!!
勘違いしないでください!脳幹大先生のことは大、大、大好きですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!
常世涯最果と木原脳幹A 狩る者、狩られるモノ
「ポチッ」
現在、最果さいはてによる13度目の自爆が脳幹のことを襲っていた。
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント部分射出ダブルバーストッッッ!!!』
その自爆によっておこされる波状型の爆撃や衝撃を脳幹は対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントの兵装をもったいぶらずに解き放つことによって対応する。
爆撃にはレーザーやプラズマ砲を、衝撃にはミサイルによる爆撃をそれぞれ放つ。
そうすることで脳幹のところまで、自爆の影響を届かせない。
そんなやりとりがもう13回も続いていた。
埒らちが明かない、そう脳幹は思う。
最果の目的は脳幹の足止め、これはもう確定的に明らかだ。
分かっている。それを分かっているのに脳幹は最果を突破できないでいた。
原因は大きく分けて二つ。
最果を[ピーーー]方法が不明なこと。そして、最果の自爆最大範囲が不明なこと。この二つ。
まず最果を[ピーーー]方法についてだがこれがあまりにも不明すぎる。自爆している、ということは最果を中心とした爆発が起きているという事で間違いがない。つまり、どうしたって最果は爆発にまきこまれるはずなのだ。
なのに無傷、傷一つ負わない。威力的にも規模的にもどうしたって影響を受けなければおかしいのに。
何か、自分だけは傷つかない特殊なバリアのようなものを張っているのか?とも考えた。だが、最果の衣服は汚れているし脳幹の放つ対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントが当たればきちんと怪我を負っている。それなのに、最果ては死なないのだ。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントのレーザー攻撃は今までに三度最果を貫いた。
一度目は心臓を、二度目は脳を、三度目はその二つを同時に。
だが、レーザーによって貫かれ、血液をまき散らした後に残るのは完全に無傷な生身の最果だけ。最果の死体が現れることは決してなかった。
おそらく、超回復ハイパーリジェレネーション能力の類をもっているのだろうと推理する。
そうでなければ説明がつかない。心臓を貫かれても即時再生するほど回復速度の理由が。
しかし、そうだとしてもまだ矛盾点はあるのだが。
「ポチッ」
十四度目の自爆。
冷静にそれを対処しながら脳幹は考える。
実のところこの足止めを突破するだけならそう難しくない。どうにかして最果から逃げればいいだけなのだから。
けれど、
それが出来ない理由があった。
「ポチッ」
十五度目の自爆。
だんだんと、少しずつ自・爆・の・威・力・と・範・囲・が・あ・が・っ・て・い・る・。
最初は脳幹にギリギリ届くか届かないかという威力だったのに今は半径500メートルを巻き込むような威力になってしまっている。
このまま自爆の威力が上がってしまったら一般人にも被害が出てしまうかもしれない。
脳幹は木原一族にしては本当に本当にめずらしく他者を気遣うことが出来る存在だったから。軽々に逃げることが出来なかった。
名も知れぬ一般人が巻き込まれる可能性を考えてしまい、なんとしてもここで最果を殺そうとしていた。
『これ以上足止めされるわけにはいかないか……』
すでに最果に足止めされて1分が経過している。これ以上この場に釘づけにされれば風紀委員本部セントラルジャッジメントを止められなくなる。
故に、
選択した。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントではきっと決定打にはならない。ここまで撃っても攻撃が通らないという事は対策がされているのだ。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント、アレイスター=クロウリーに対する対策が。
だから、
「ポチッ」
16度目。
合わせて対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを撃つ。誘導ミサイル、レーザー、殺人マイクロ波、液体窒素、あらゆる兵装、その武器を。
無論効かないのはわかっている。
だ・か・ら・次・の・行・動・に・出・た・。
ガギガチガチガチャンッッッ!!!!!
機械が再構築されるような不気味な不協和音が響き渡り、脳幹がその身に纏っている対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントが姿を変える。
対攻撃翌用の態勢から、対高速移動用の態勢へと。
そして、
ゴッッッ!!!!!と、完全にその形態を変えた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントが一本の槍となって最果を貫いた。
「が、」
悲鳴が上がるにはあまりにも死亡までの時間が短すぎた。
死んだという事実を認識する暇もないほどの極超短時間で最果はその命を散らす。
そのさまを脳幹は直接認識することはなかった。
これまでの戦いで最果が即死級の怪我を負った後に無事に生還する手段を確保していることは判明している。
だから、最果の生死など脳幹は確認しなかった。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストーム。
そう友に名付けられた形態で脳・幹・は・最・果・の・こ・と・を・無・視・し・て・突・き・進・む・。
時速に換算することすら馬鹿馬鹿しく感じる、最果の視界からコンマ1秒以下の時間で外れる速度で直線的に脳幹は道を突き進んだ。
今までは馬鹿正直に正面から最果と戦っていたが、別に脳幹は最果と戦う理由はないのだ。はっきりいって無視してもいい。
ここで必要とされるのは脳幹が最果を無力化して、つまり最果によって周囲に被害が出ないようにしたうえでアレイスターに託された任務を遂行することだ。
考えてみよう。仮に最果が脳幹の一撃を受けた後に復活したとして、脳幹の姿が最果の視界内にないとすれば最果は自爆をしようと考えるだろうか。
考えない、そう脳幹は考えた。
最果はまがりなりにも風紀委員本部セントラルジャッジメントの一員。風紀委員本部セントラルジャッジメントとしての最低限の矜持ぐらいはあるはずだ。
任務に失敗した以上周りを巻き込むような八つ当たりはない。
- 128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:51:31.72 ID:2+4dxV5n0
- あの白白白が支配する風紀委員本部セントラルジャッジメントの組織員だ。いかに封印戦力などという称号が与えられていてもそれぐらいの制御はされているはず。
だから、最果を一度戦闘不能状態にして、その間に最果ての視界内から脳幹が消え去ればいい。
そうすれば、任務を失敗した最果は悪態をつきつつも帰るはずだ。
いかなる不死身、不死性を持っていたとしてもその体が純粋な人間だというのならば極超音速をたやすく突破する速度で移動する脳幹をとらえることなど不可能なのだから。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストーム。
後方に設置された無数のロケットブースターを上手に操りながら脳幹は学園都市の道を突き進む。
追手の気配はない。
1秒あればアレイスターが指定した場所に辿り着ける。
だから何の心配もない。
そう、思っていたのに。
「逃がすと、思ってぇ」
速度によって無限に加速された時間の中で、あまったるい声が脳幹の耳に響いた。
『っ!?』
思考の中にわずかな驚愕が現れるが、決して脳幹はロケットブースターの放出を止めない。
気にする必要はない
気にかける暇があるのならば今は一メートルでも先に進むべきだ。
だが、
「ポチッ」
規模も、威力も別格の17度目の自爆が脳幹を襲った。
体・内・保・存・式・緊・急・自・殺・用・超・威・力・爆・弾・『オ・メ・ガ・ジ・エ・ン・ド・』。
それが風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力常世涯最果の所有する専用武器の名だ。
効果はその名の通り自爆。
あたり一面を巻き込んだはた迷惑な自爆。
しかも、この専用武器の厄介さはそれだけにとどまらない。
一つ。自爆範囲とその威力を最果自身で調節可能であるということ。
ごく小規模かつ低威力の自爆から超大規模かつ超威力の自爆まで最果の主観で選択可能であるということ。
この機能を原因として、脳幹が感じたように自爆の範囲と威力が強化されていたわけだ。
そして、二つ。
『ぐぬっ!!!』
『オメガジエンド』によるこれまでとはけた違いの爆発が脳幹を襲う。C4を500Mt爆発させたような爆発。
そ・れ・が・指・向・性・を・も・っ・て・脳・幹・に・襲・い・か・か・っ・て・い・た・。
それこそが『オメガジエンド』の特性の二つ目。
『オメガジエンド』による爆発はその方向を決定することが出来る。誘導できるのだ。爆発の方向性を、前方へと、後方へと、左方へと、右方へと。
故に逃れることは不可能に近い。
一般人ならば容赦なく爆発に巻き込まれて死亡するだけだ。
一般人ならば。
『っ』
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストーム。
その後方にあるロケットブースターを逆噴射&左向きするようにして急制動をかけ、脳幹はその指向性を持った爆発から逃れた。
そこに声がかかる。
「ははは、逃がすわけないでしょう」
さすがの脳幹もあせっていた。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストームを使ってなお逃れることのできない最果の足止めに、頭脳をフルに回転させて対処しようとする。
脅威度は既に十段階以上引き上げられていた。
ただでさえ、対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントの直撃を受けても死なない不死性を持っているのに、それに加えて対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント高速移動形式モデルラピッドストームの脳幹に追いつくことのできる何らかの手段を保有している。
対応できなくてはないが、対応することは難解だ。
そんな域に最果の戦闘能力はあった。
だから、
その時だった。
「天地破壊流布術。髑髏されこうべ」
きりっとした声と共に上方から降ってきた布が最果の頭に巻き付いた。
「は?」
どこから、と疑問に思う暇もなかった。
突然、最果の頭に巻き付いてきた布は上から下に振り下ろされたままの勢いで最果の頭を180度ねじった。
グルンッ!と360度首が回ったのが認識できた。
ボギリ、と最果の首が折れる。
「送るよ」
乱入者は剣を振るう。
「天地破壊流。滅亡・攻防一対絶対防衛全方位断絶別位世界サークルアイギスウィズザワールド」
- 129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:52:04.62 ID:2+4dxV5n0
- 学園都市の中でも最高レベルの知識を持つ脳幹だからこそ、その行動の意味が分かった。
彼・女・の・振・る・っ・た・そ・の・剣・が・世・界・を・切・っ・た・。
なんの抵抗もなく、なんの反抗もなく。
まるで飴細工のように。
ベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキベキ!!!!!と。
切られた世界の断面のようなものから白い暗闇が現出しそうになる。
その空間に脳幹は躊躇なく入った。
誰が割って入ったのか、誰が布を使って最果を殺したのか。脳幹にはその人物が分かっていた。
『感謝する。彼者誰時に輝く月シャイニングムーン団長裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいが』
まっすぐな感情をこめて脳幹は礼を言った。
そして、木原の中でも異端の存在である脳幹は彼女らを視界にとらえる。
常人には理解不能な領域に存在する超常の存在達が戦っているそのさまを。
それを離れたところから見ているひとりの少年の姿を。
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント一斉射出フルバーストッッッッッ!!!!!!!!!!』
躊躇いはなかった。
躊躇は無かった。
脳幹はアレイスター=クロウリー友の願いをかなえるために、その超常の存在達に向かって武器をふるった。
常世涯最果 所属 風紀委員本部
役職 封印戦力
能力 不明
専用武器 体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』
- 130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:52:54.11 ID:2+4dxV5n0
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とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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領域の戦い@ 乱入者 御坂美琴E 消えた敵
目の前の光景を理解できなかった。
目の前の現象を解読できなかった。
視界に映るその意味が分からない事象を前にただ悔しさと後悔が蓄積する。
一目で神具とわかる武器群が何もない空間から発生する理屈も、それを竹槍の一振りで掻き消す理屈も、さっぱりわからない。
理解できない。理解できない。理解できない。
理解できない。理解できない。理解できない。
さっきと同じだ。
足りないのだ。
『何か』が。
その領域を理解するための『何か』が。
その領域に入るための『何か』。
掴めるはずなのに、
手に入れているはずなのに。
だが、例えパズルのピースがすべてそろっていたとしてもそれをくみ上げられるかは別問題だ。
2000ピースのパズルをくみ上げるのに多大な労力を使うように、手に入れた多くの手がかりピースをくみ上げ、理解し、自分で扱える形に持っていくのはとんでもない技術が伴う。
届かないのだ。
足りないから。
手がかりピースを組み上げるための『何か接着剤』が。
故に、見ることしかできない。
恐怖に震え縮ちぢこまりながら見ることしかできない。
限界点。
到達点。
その領域への扉は固く閉ざされてしまったままだ。
抉こじ開けることは、出来ない。
一方で十五夜まんげつと『空白の主』の戦いは激化していた。
「フラガラッハ+ブリューナク=雷速絶貫の回答者フラガラック・ブリューナク」
雷速で放たれた絶対勝利を確約する不折の剣が十五夜に迫る。
「三日月宗近みかづきむねちか+童子桐安綱どうじきりやすつな+鬼丸国綱おにまるくにつな+大興太光世おおでんたみつよ+数珠丸恒次じゅずまるつねつぐ=天下五剣」
さらに、日本を裏から守っている名家によって保存されている天下五剣の属性を一つにまとめた剣も同じように迫る。
「アイアスの盾+アイギス=石化の不貫盾アイアス・アイギス」
同時にかつてトロイア戦争において英雄ヘクトールの攻撃を防いだアイアスの盾に、相手を石化させるメドゥサの首をはめ込んだアイギスの効果を上乗せし、攻防一対の盾で防御を固める。
「無駄ですよ」
が、十五夜には効かない。
無傷。無傷。無傷。
損傷無し、零。
「いかにあなたがこの領域の支配者だとしても、私はたやすくそれを染め直すことが出来る。だから、全くの無駄」
すべて掻き消える。
十五夜のもとに、その武器が届くことはない。絶対に。
「意思を乗せろ、竹槍大衆の願い」
そして、十五夜はその手に持つ竹槍を投げる。
無造作に、無作法に、まるでただの少女のように、格好つけず、格好悪く、ただ意志のみを乗せて。
その竹槍に伝説はない。
その竹槍に神話はない。
だから、普通なら絶大な力を持つ『空白の主』には当たらない。
なのに、
にも拘らず、
「がっっ!!!……うぅ……」
そ・の・竹・槍・は・絶・対・に・貫・け・な・い・は・ず・の・石化の不貫盾アイアス・アイギスを・貫・き・『空・白・の・主・』の・肩・に・突・き・刺・さ・っ・た・。
別にこの竹槍には『シスラウの時計』のように毒の効果があるとか、万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスのように絶対必中の効果があるとか、そういうものではない。
だが、当たる。貫ける。ダメージを与える。
なぜなら、この竹槍は格上に対して絶大な効果を発揮する武具だから。
「痛つぅ……。相変わらず、冗談みたいな強さだなぁ……」
まったくもってあり得ない。
本当にたちの悪い冗談だ。
さすがは、風紀委員本部セントラルジャッジメント最強の存在。
戦闘が得意ではない『空白の主』位[ピーーー]のはわけがないわけだ。
「もう一度言います」
これが最後の忠告という事はさすがの『空白の主』にも分かった。
「手を、引きなさい」
「……」
だから、答えた。
- 131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:55:09.10 ID:2+4dxV5n0
- 「断る」
「なら[ピーーー]」
容赦はなかった。
静かな表情のままで十五夜は『空白の主』に突き刺した槍を四散させ、内部から『空白の主』を攻撃した。
「ぎゅ、がっ!!!!!」
肩につきたてられた竹槍が四散したことで『空白の主』の腕が体から離れる。そして、腕を失ったその影響で体のバランスが崩れ、傾く。
その決定的な隙を逃さずに、十五夜は一瞬で『空白の主』との距離を詰めた。
「[ピーーー]」
その時だった。
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント一斉射出フルバーストッッッッッ!!!!!!!!!!』
始まりの領域に侵入した木原脳幹が二人に向かって攻撃を仕掛けた。
「なっ!!!」
突然の乱入動物にさしもに十五夜も不意を突かれた。
『空白の主』への攻撃を中止して、視線を乱入者にやる。
(木原脳幹……っ!)
学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーの部下。
学園都市の最暗部にして最奥部の殺し屋。
様々な逸話いつわがあるが、この時十五夜が思ったことはそのどれでもなかった。
「だ・か・ら・で・す・か・……っ……!」
違和感を感じてはいたのだ。
おかしいとは思っていたのだ。
そう、
いくらなんでも弱すぎた。
その理由が判明する。
つまり、ここまですべて『空白の主』の思惑通り!!!
「ぐ、ぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅうううぅぅぅぅうううあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!」
放たれた対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントに対処せざる負えない。いくら十五夜が最強の原石だったとしても対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントをまともに喰らうのはまずい。
なんといっても対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントは完全な状態の『魔神』を[ピーーー]ことのできる兵器なのだから。
局所的には『魔神』に劣らないとはいえ、十五夜はこのレベルの戦いに役立つ力は原石しか所有していない。
故に、レーザー、マイクロ波、ミサイル、ビーム等で構成される対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントの総攻撃に対してとれる手段もそうなかった。
「っ!!!」
手に持つ竹槍では対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントに対抗できないと判断した十五夜は別のものを現出させた。
対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントに対抗するため、今を生き抜き白の命令を果たすため。
『なっ!!!』
「へぇ」
十・五・夜・を・守・る・よ・う・に・巨・大・な・船・が・現・れ・た・。
全長263.0メートル、水線長256.0メートル、幅38.9メートル、出力153553馬力、基準排水量64000トン、兵装、45口径46センチ3連装砲塔3基、60口径15.5センチ3連装砲塔2基、40口径12.7センチ連装高角砲12基、25ミリ3連装機銃52基、25ミリ単装機銃6基、13ミリ連装機銃2基。
かつて、某国を相手にした戦争で活躍したとある国の船だ。
その船が壁となり対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントのあるゆる武装は十五夜には届かなかった。
だがッ!
その船によって脳幹の視界が遮られた機会を逃さずに行動したヤツがいた。
「始めよう」
「……ぁ……」
『空白の主』が十五夜と脳幹が交戦したその一瞬のタイミングを逃さずに、一方通行アクセラレータに接近した。
まだ、十五夜は気付いていない。そして仮に気付いていたとしても対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントへの対応で手いっぱいで対処できないだろう。
「科学の叡智を手二入零よう。私がまた一つ進化するため二」
一方通行アクセラレータは動けない。
恐怖で動けない。
だから、
対応したのは別の『人間』だった。
『やらせると思うか』
バギギャゴリュリガナニニニンイニニニニニニニニニンイニキィィィィィィィイイィィィィィ!!!!!!!!!!
- 132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:55:51.58 ID:2+4dxV5n0
- 奇妙な音が響き『領域』の空間が裂けた。
瞑娥めいがが切った世界をさらに引裂くようにして、その『人間』は『空白の主』に攻撃をふるった。
その銀の杖を無造作にふるった。
だから、
「か」
吹き飛ばされる『空白の主』。
それを視認することすらなく『人間』はすぐさま『領域』から脱出した。
「からからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからかかかかかかかかかかかかかかかか!!!!!!!!!!!!!!」
嗤い声を上げる『空白の主』。
本当におかしかった。
おかしくて、おかしくて、おかしくて、おかしくて、おかしかった。
「昇零、そ四十」
だって、
だってだって、
だってだってだってだってだってだってだってだってだってだってだって、
すべて、計・画・通・り・に・進・ん・で・い・る・の・だ・か・ら・。
「砕け六」
世界が砕けた。
「…………ぁ……ぁあ」
実のところ彼女の意識はまだ覚醒していなかった。
一方通行アクセラレータに対して行っていた攻撃はほぼ本能的な無意識レベルでの反射で、まっとうな思考力を発揮して、計算して行っていたものではなかった。
能力を発揮するための演算も、超電磁砲弾きクロッシングレールガンなどという絶技もすべて意識的に行たものではない。
それはすべて『守る』という本能から来たもので、
それはすべて『守りたい』という本能から来たものだった。
心の奥底に刻まれた意志は、その遺志は決して潰えず体を動かすものなのだ。
故に、彼女が覚醒したのは『今』だった。
「こ、…………こ……は?」
意識が覚醒した。
御坂美琴はここに、確かにその意識を現した。
「わた、…………しっ、……はッッッ!!!?」
急激に目覚める。
覚醒。
そして、御坂は自分が起こした行動を思い出す。
超電磁砲弾きクロッシングレールガンを放って一方通行アクセラレータに大ダメージを与え、地面を無様に転がった一方通行アクセラレータに向けて雷撃の追撃を放ち、一方通行アクセラレータを[ピーーー]あと一歩まで追い詰めて、追い込んで、
そして、
御坂は見た。聞いた。
最期の一撃が一方通行アクセラレータに当たるその直前に、
爆・音・が・聞・こ・え・操・車・場・中・の・地・面・が・輝・き・一方通行アクセラレータの・身・体・が・消・え・た・こ・と・を・。
「何が、起こっているって……いうの?」
何もかもがわからなかった。
なぜ、地面が光ったのか?
あの爆音はなんだったのか?
なぜ、御坂美琴が蘇ったのか?
なぜ、一方通行アクセラレータが消えているのか?
なぜ、なぜ、なぜ。
どうして?
「勝ったの……?」
狩ったのか?
「倒したの……?」
斃したのか?
「殺せたの……?」
殺したのか?
いったいぜんたいどうなった?
だれが、
だれに、
だれを、
だれで、
勝者は、
だれ
- 133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:56:42.22 ID:2+4dxV5n0
- 百目がなんとか知恵を絞って生き残っていたその頃、二人の化物と一匹の怪物の戦いは激化していた。
「意思を乗せろ、竹槍大衆の願い!!!」
十五夜はその右手に構えた竹槍を幾度も幾度も投擲していた。
「フラガラッハ+ブリューナク+天下五剣=天下に轟く雷速絶貫の回答者天剣・フラガラック・ブリューナク!!!」
『空白の主』はいくつもの性質を上乗せした神具を無限に生成し放っていた。
そして、
『対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメント一斉射出フルバースト!!!!!』
この戦いの中である意味では最も有利な条件で戦っている脳幹は、その身で操る対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントをふんだんに使って二人を攻撃していた。
この二人と一匹の戦いの構図は非常に単純でありながら、いまだに誰もが明確な手傷を負わせることが出来ず、負ってもいなかった。
その理由はただ一つ。
基本的に自分以外は敵、その構図が全力で攻撃することを躊躇させていたのだ。
「埒があきませんね……」
仮に、わずかな間でも協力できるような関係がこの三者の間に構築されていたとした情勢は変わっていただろう。
一対一対一から二対一へと。
そうすれば、決着は一瞬とはいかないまでもついていた。
だが出来ない。
それは、それが出来ない。
信用できないから。
この各勢力のトップの代理戦争ともいえる構図で敵対勢力と協力関係を作るなどできるはずがない。
故に、だれも本気をだせない。
「からから、全くどうするかな」
仮に一瞬でも誘いではなく全力で猛撃するような動作を見せれば、その瞬間防御がおろそかになる。すると必然自分以外の二者の攻撃を受けることになり、防御がおろそかになった自分自身は死ぬ。
だから迂闊に動けない。
『……………さて、どうするべきか』
二人と一匹はそれぞれが世界最強クラスの存在達だ。
最強の原石にして風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜このはざくらまんげつ。
始まりの領域を住みかとする規格外にして埒外の化物『空白くうはくの主あるじ』。
学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーの配下にして魔神をも屠る力対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントを所有する木原脳幹。
どいつもこいつも本気になれば世界を壊せる力を持つ。
まぁ、この始まりの場所ならばいくら全力をふるっても問題ないのだが、それでも世界という絵画に与える影響は大きいのだ。
この場所で戦うからこそ。
だから、この流れは既定路線だったのかもしれない。
「提案ですが」
切り出したのは十五夜だった。
「一時休戦としませんか」
文頭に誠に遺憾ながらという言葉がつきそうなほどイライラした口調で十五夜は提案する。このままここで緊張状態を続けているのは誰にとっても得策ではないのは自明の理。ならば、一度見逃した方がいいと考えた。
「『…………………………………………………』」
その提案に一人と一匹は沈黙する。
それは彼らも思っていたことだ。『空白の主』も脳幹もすでに目的は果たしている。これ以上の戦闘は望むところでは無い。
だが、
それで素直に帰るほど彼らは素直では無いのだ。
「冗談一うね」
言葉と共に神速の槍が放たれた。
万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラス。
必中、不敗、自動追尾。様々な性質が付け加えられたその槍が。
再び場に軽い緊張状態が現れる。
『空白の主』が万物貫く輝煌の剣クラウ・グングニル・ソラスを投げた。つまり、『空白の主』は十五夜の提案を、休戦というその提案を却下したのだ。
交渉は決裂した。
と・い・う・わ・け・で・は・な・い・。
そう、これは交渉決裂という事ではないのだ。
『空白の主』の目を見ればわかる。敵であるからこそ理解できる。
その瞳は『早く帰れ』といっている。
見逃してやるからさっさと帰れと言っている。
敵対しているという立場上、明確に見逃してやることは出来ない。そんなことをすればほかの組織や人間から共謀が疑われてしまう。
それは避けたい。
『空白の主』は戦闘が得意ではないのだから。
だから、ある程度戦った後うまい具合に適当なタイミングで勝手に帰れ、と。
そういうことだった。
脳幹と十五夜は『空白の主』のその意をくんだ。
結局しばらく戦闘を行って脳幹と十五夜は学園都市に帰った。
- 134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 18:57:13.09 ID:2+4dxV5n0
-
もしも、この場に白がいればこう言うだろう。
彼ら彼女らの勝負がお流れになるのは当然のことだ、と。
理由?
問う必要があるのだろうか?
みんな知っていることだろう?
最・強・級・の・キ・ャ・ラ・は・序・盤・に・本・気・を・出・さ・な・い・。
なぜかって?
そ・の・方・が・読・者・の・方・々・の・興・味・を・引・け・る・か・ら・だ・。
【朗報】この章でやること、後は御坂美琴と一方通行のバトルだけ。
これにて第三節は終了です。
次の第四節が第一章の最後の節となります。
気付いている人は気付いていると思いますが、この作品の最重要単語は『世界物語《キャラクターストーリー》理論』です。
- 135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:00:24.33 ID:2+4dxV5n0
- https://syosetu.org/novel/56774/107.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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白白白と木葉桜十五夜C 狂気狂乱狂騒狂宴
伏線は物語には絶対に必要なモノである。
恋愛ものでいえば普段自分から遊びに誘わない幼馴染が唐突に「明日遊びに行かない?」などと電話してくる。
バトル物でいえば倒した敵が「本当の敵は、お前のお――――――」と言った瞬間に何者かに殺される。
推理ものでいえば事件が起きたその時にある人物だけ姿が見えなかった。
異論はあるかもしれないが、これらのようなモノは伏線と呼ばれる。
伏線とはのちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくことだと言われる。この説明がばっちりそうなのかというと微妙かも知れないが、大筋は外していないだろう。
そして、だから、上条当麻は敗北した。
伏線が『はられて』いなかったから。
「伏線……」
「伏線だよ。十五夜。伏線。伏線。伏線なんだ。この世の全ては伏線がはられてなければならない。僕も君も彼も彼女もあいつもこいつもどいつもこいつも伏線をはらなければ、貼らなければならないんだ。この世界で有利に生きたいのならば」
狂騒するかのように口をまわして熱烈に語り語る。それは十五夜でも見ることの少ない、白の興奮した姿だった。
何が、白をここまで駆り立てるのか。それはながい付き合いの十五夜にも分からない。
「伏線。ただそれだけでいいんだ。それさえあれば、それが、それ故にそれを、伏線を貼っておけば僕はこの世界に生きられる。生きて、生き、て、伏線の通りに、伏線のままに、伏線のはった道筋を通って」
だが、それでも分かるのは。
」
- 136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:02:10.32 ID:2+4dxV5n0
- 「伏せられた事実を、貼られた螺旋を、上にある傍点が、引かれた傍線に、ちょっとしたしぐさが、表情が、地の文の事実が、誰かの僕の君のおまえのこいつのあなたの彼女の見知らぬ人の化物の罪人の咎負の黒幕の大罪の彼の言動が、血筋が関係が、その異常性が、すべてがすべて全部何もかもちょっとしたことでも伏線になってなりうってなりえてなりなりうる。だから、言動一つにでも行動一つにでも言葉一つにでも日常においても非日常おいてもちょっとしたすべてに気を使って気を付けて気を散らして気を張って気張らなければならないんだ。例えば十五夜君の言動なんてまさしくそうだ君が外に出て戦っていた間に無意識だろうがいくつもの行動がはられてしまっているんだぞそのことに君は気付いているのか?まず最初は君がこの『天秤の間』から第八学区の超高層ビルに位相を改竄して移動した時だがこれはまだここから移動するのは観測もされないから別にいいんだただ次だわざわざ位相の改変を利用してビルの金網を透過しさらにビルから飛び降りる必要はどこにあったんだ階段を使えよ階段をわざわざあのタイミングで位相操作を行うなんてどう考えても伏線になってしまうだろうがわきまえろよ僕の努力を無駄にするつもりか塵芥人形その後もだ彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの狙撃を防ぐのにお前は位相を使った防御を行ったなそれはなぜだなぜあのタイミングで位相による防御を行う羽目になったのか君の力を外に示すことになったのか君はお前は貴様はあなたは本当に分かって考えて思考しているるるるのか貴様がもっと最初から警戒範囲を広めていればあんなことにはならなかったはずだろうが確かに地の文で『今、十五夜が彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの狙撃を防いだのは、当然のことながら偶然では無い。その理由は十五夜の原石にあった――――――』くらいのことは書かれるかもしれないがこんな序盤で普通ならお前の力の詳細は明かされないはずなんだなのにおそらく今回の件で読者の奴らは別として他勢力特にアレイスターの奴にはお前の力が原石が能力が『局地的位相操作』だと分かってしまったぞお前君は貴君あなたテメェその責任とれるのか君力は僕が見た数多の人間の中でも強力で扱いやすくてだからこそわざわざ引きこもっている君を僕が引っ張り出していろいろ調教してやったのにそのすべてを無に帰きす無に帰かえす無かったことにするつもりかいい加減にしろいいかよく考えてから行動しろお前の一挙手一投足から言動思考内心その他すべては作者によって描写される可能性があるんだぞそのまわらない頭にもう一度深く刻んでおけよ木偶塵屑戦う時に考えるべきことも思考してはいけないこともいちいちいちいちいちいちいちいち僕が説明しないといけないほど愚かで馬鹿な愚図じゃないだろうお前はいいか何度でもいうが僕のフォローにも限度限界があるんだからな確かに僕は目的のために一心不乱に万進して前進して歩み進んでいく気概はあるが僕の目的の達成に君は必要だからめんどくさく思いつつも無意味だろうが説明をしてやってるんだあぁ二度も三度も同じことを言わせるなよ一度の説明で完全に完璧に完成にどうして理解できないんだ僕よりも優秀で僕よりも有能で僕よりも優美で僕よりも多芸で僕よりも万能で僕よりも優等で僕よりも赫々かっかくなのにどうしてお前らは!君は!言われたことを覚えることも実行することも出来ないんだそんな難しいことを言っているつもりはないのに不可能なことを命令しているわけでは無いのにのにのにも関わらず八面六臂の活躍をできる君たちが万能で全能な君たちは言われたことが出来ないんだいいかもう一度言うぞ何度目か知らないがもう一度言うぞもう何度でもいうぞ脳に直接刻み込んでおけよ塵人形!!!その一挙手一投足から!思考にいたるまでの全てが!全部!何もかも!あらゆることがものが!描写される危険性があるんだよ!!!だからもっと注意深く行動しろ注意して行動しろ迂闊な言動行動は控えろここではともかく外では絶対に控えろさもないと十数年をかけて育んで育ててきた僕の計画がすべて全部何もかも意味がないことになるだろうが!!!気取られないように慎重に用心深く翼々と抜け目なく進んできた計画が計略が計画スケジュールが無意味に無価値に無意義に無用になってしまってそうしたら僕が!僕が己の全てをかけて!ずっとそれだけのために生きてきたのに失敗するなんてそんなことに今更なったらどう責任をとるつもりなんだあああ、ああああああ、あ、ああ、ああああああああああああああああああ、ああああ。あああ、あ、君は僕が見出して僕が!作り出したのに、なのになのになのにそれで最高の人材を素材を人間を生物を生命を選定して伐採して剪定して精選して厳選して択ってここまで育てて育成してきたのにその期待を!希望を!軌跡を!奇跡奇蹟を!どうして踏みにじるようなまねが裏切りが出来るんだよ恩を忘れたとか恩を売るとかそんなつもりは全然まったくこれっぽっちもないが君たちお前たち僕たちは僕の理想に理屈に幻想に賛成して賛同して支持して賛して共鳴して同意して同心して合意してだからここにいてこの立場につくことを許したはずだろうなのにだからなのにどうしてどうやってどうすればここまで僕がそれだけはと注意して注視させたことを破ることが出来るんだ!!!僕よりも頭のいいくせに僕なんか目じゃないくせに僕を圧倒できるだけの能力が頭脳があってあるからあるのに僕よりも僕が僕僕僕に僕を僕僕僕僕僕僕僕僕僕とともにこのせ」
「委員長!!!!!」
今・の・白・は・異・常・だ・、ということ。
「―――――――――――――――――――――――おっと、僕としたことが。あぁ、今のことは忘れてくれ十五夜。とんだ醜態をさらしたな」
「いえ、そんなことは」
- 137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:03:05.61 ID:2+4dxV5n0
- 「忘・れ・ろ・」
「―――――――――――――は、――――――い」
そ・の・言・葉・に・対・応・す・る・か・の・よ・う・に・十・五・夜・の・目・か・ら・光・が・消・え・た・。
「ちっ、………………そのまま4分26秒23前までの記憶を消去デリートしろ。その後再起動リスタート」
「―――――――は、―――――――――――――――――ぃ」
それは同じ人間にするにはあまりにも非情な命令ではあった。だが、無意識化でそれを実行するように刻まれている十五夜の意識は、本人の拒絶の有無を問わずに白の命令を実行した。
記憶を削除し、時間感覚を制御し、白の言うように意識を再起動させる。
現在から4分26秒23前までの記憶を無かったことにされた十五夜は自らの記憶に一切の疑問を持たずに、もう一度4分28秒前と同じ言葉を発した。
「伏線…………」
「そう伏線だ、十五夜。もっと言えば上条当麻がある手がかりをつかんでさえいればあの戦いで埋娥に勝つことは出来た」
「ある手がかり……ですか?」
気付いていない。
気付いていない。
気付けない。
十五夜は決して気付けない。自らの記憶がデリートされてしまっていることも、目の前にいる男がそれをなしたという事も絶対に気付けない。
なぜなら、それは十五夜が白のことを信じているからで、十五夜が白のことを盲信しているからで、十五夜が白のことを全肯定しているからだった。
十五夜は白が他者に『悪い』ことをするなんて考えていない。
十五夜は白が人間に『悪』をなすなんて思っていない。
だから違和感も感じない。
「ベッドの下の」
そして話題は移る。移ってしまう。
「くまのぬいぐるみの中の」
十五夜が気付けないままに。
「レポート用紙の束」
過ぎ去った話題を十五夜が指摘することはもう無い。だから、話題は移る。上条が回収できなかった、気付くことのできなかった、伏線へと。
「それが、上条当麻の見逃した最高レベルの伏線キーだ」
「ベッドの下のくまのぬいぐるみの中のレポート用紙の束……ですか。それは、上条当麻が訪ねた常盤台学生寮の部屋の中のことを言っているのですか?」
「その通り。さすがに頭のまわりが早いな。あの時、上条当麻と白井黒子は絶対能力進化実験レべルシックスシフトの憔悴していた御坂美琴についてのてがかりを得ようとしていただろう。そしていないはずの妹、初春飾利からの妹達シスターズという情報、絶対能力進化実験レべルシックスシフト等様々な情報をえた」
あの時の上条らの動きは自分たちの得意分野を駆使した最高レベルのものだった。上条当麻、白井黒子、初春飾利。誰が欠けても御坂のもとに辿り着くことは不可能だっただろう。
だが、それでも上条らは御坂美琴が何かに巻き込まれていて、それが絶対能力進化実験レべルシックスシフトと呼ばれるものであるという事までは辿り着けたが、その絶対能力進化実験レべルシックスシフトの内容まではたどり着けなかった。
だから負けたのだ。
目的が明確化されていなかったから、事情が完璧には分からなかったから。
「だけど彼らは絶対能力進化実験レべルシックスシフトの内容がわからなかった。御坂美琴が何に巻き込まれているのかわからなかった。それさえ分かっていれば、きっと届いたのに」
「…………………………………」
「そしてあったんだ。上条当麻がいたあの部屋の中に。御坂美琴が普段使っているベッドの下に置いてあるくまのぬいぐるみの中に。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの内容が記された書類が。御坂美琴が絶対能力進化実験レべルシックスシフトについてしらべるために収集した情報が」
御坂美琴は寮の規則で禁止されているものを持ち込むためにくまのぬいぐるみを改造して使っている。そのくまのぬいぐるみの中に絶対能力進化実験レべルシックスシフトについての情報が記された書類もあった。
「それさえあれば、勝てた。過去をやり直すことは僕には出来ないが、それでも言うのなら、あの時上条当麻か白井黒子のどちらかがその絶対能力進化実験レべルシックスシフトについて記した書類に気付いていれば状況は確実に変わっていた。変わっていたんだ」
白井ならばもしかしたらくまのぬいぐるみの中に何らかのものが入っていることは知っていたかもしれない。でも、白井もまさかそんなところに自分たちの求めている情報があるとは思わなかった。そして上条は言わずもがなだろう。
だから、誰も気付けなかった。
その場にあった重要な伏線に。
「勝てなかったのは上条たちが書類伏線を見つけ回収しなかったから。……納得はいったか?」
「はい。――――――説明していただき、ありがとうございます」
「そうか。納得がいったならもう出ていけ。僕も、これから考えなければならないことがあるからな」
「はい。失礼します」
『天秤の間』から出ていく十五夜をしり目に見ながら、白はこれからのことについて思考を巡らせた。
「アレイスター=クロウリー。死縁鬼苦罠。天埜郭夜。妹達シスターズ。御坂美琴。…………考えなければならないことは無数にあるな」
計画は絶対に成功させる。でなければここまで生きた意味がない。
そう、強く思って、白は考えを深める。
「――――――そういえば、伝え忘れたな。……まぁいいか、後で各総隊長と十五夜には送っておこう」
今まで忘れていたが、先ほど諜報部隊の報告にあったことを白は思い出した。たいして重要でもないことだから。今の今まで忘れていた。
「第三生産部門が壊滅したという報をな」
何でもないように、大事を口にした。一部門が壊滅するなどどう考えてもたいしたことである。だが、白にとってはそうでもなかった。
「さて、次の選定はどうするか」
だから今日も白は思考する。
世界の嫌われもの、白白白は考える。
世界をよりよくするために、世界の風紀を守るために。
世界を、――――――ために。
前半の白のセリフ読みにくいですよね。
わざとです。
- 138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:04:18.38 ID:2+4dxV5n0
- https://syosetu.org/novel/56774/110.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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不明の項目多すぎワロタ
オリジナルキャラクター紹介
白白白はくびゃくしろ……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 造られた子供たちプログラムチルドレン
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの委員長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属している部下を使って暗躍した。
木葉桜十五夜このはざくらまんげつ……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐、学園都市特記戦力
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長補佐のため無し
特殊能力 原石 世界支配ワールドイズマイン
二つ名 最強原石 風紀委員本部セントラルジャッジメント最後の切り札 委員長の懐刀 意思無き人形 正義の尖兵等
所持武器 専用武器懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』
戦闘スタイル 位相操作、万能型
風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い暗躍した。基本的に白には絶対服従である。原石世界支配ワールドイズマインは局地的位相操作を行うことのできる力であり、基本的に戦闘で負けることはない。十のリミッターがかけられており、普段の力は大幅に制限されている。
扼ヶ淵埋娥やくがぶちまいが……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 攻撃部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 数の無い槍ロストオブランス
所持武器 火炎放射器
戦闘スタイル 近接格闘、遠距離火炎放射
風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い上条当麻と戦闘を行い勝利した。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。能力は現段階では不明だが、地下下水道の崩落から身を守るために能力を使ったように描写がされている。
魅隠罠明みかくれみんみん……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 開発部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
作ったモノ 懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』等
風紀委員本部セントラルジャッジメントの開発部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件で動いた様子はないが、開発部隊総隊長だけあって武器や防具、兵器、道具類を作ることに天才的能力をほこる。ただし、自分の製作したモノを馬鹿にされたと感じるとヒステリー気味に怒鳴る。罠明の製作したモノを馬鹿にするのは止めた方が賢明である。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。ただし、白が別組織から引き抜いたような描写がなされる。懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』の製作者は彼女であるが、霊装をつくれるという事は魔術師なのかもしれない。
- 139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:05:10.19 ID:2+4dxV5n0
- 千疋百目せんひきひゃくめ……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊第二班班長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 第10位→第8位
特殊能力 超能力『反転世界パラレルワールド』
強度 大能力者レベルフォー
二つ名 逆さまに狂う世界オセロゲーム
所持武器 不明(本来なら武器は所持しているようだ)
戦闘スタイル 近接格闘、投擲
称号 宿敵ライバル
風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊第二班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と戦闘を行い勝利した。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの一件終了後白の指示によってに風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングが二つ上がった。傷を負うことを恐れており、本人は少なくとも風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング五位になるまで無傷でいなければならないと思っている。第八拘束リミッターまでを解除した十五夜の姿を見て気絶ですんだことからも、百目自身の強さがうかがえる。
無何有峠妃むかいとおげきさき……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 諜報部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。両名が地下下水道に入ったのを見てから撤退を行った。
五寸釘匕首ごすんくぎあいくち……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第一班班長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
特殊能力 超能力一方念話ワンサイドテレパス
強度 強能力者レベルスリー
二つ名 無し
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第一班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白と妃の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。また、同時に連絡要員として能力を使用し埋娥や百目に指示をした。
浣熊四不象あらいぐましふぞう……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第■班■■
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 爆弾使用、銃?使用
風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第■班■■。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い空中の戦力への対応、人員の回収を行った。『HsAFH-18』に追いつき、侵入できるほどの能力を持っている。空を飛ぶ姿を確認できるが、何らかの道具によるものなのかそれとも能力によるものなのかは不明。
常世涯最果とこよのはてさいはて……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 封印戦力のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 専用武器体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』
戦闘スタイル 自爆
風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力。最果のことは苦罠らも表に出てくるまで知らなかった。能力は不明ながら擬似的な不死のようなものだと推察できる。脳幹は『封印』という手段で楽に対処できると語った。普段は 風紀委員本部セントラルジャッジメントの地下第11層にいる。白さえもなるべく使いたくないと思う戦力であるが、自爆戦法を使えるという点ではほかの何物にもできない唯一の戦力ではある。
常闇燕獅とこやみえんし……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント防衛部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 防衛部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの防衛部隊総隊長。それ以外のデータは現段階では一切不明。
- 140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:05:55.64 ID:2+4dxV5n0
- 白神九十九つくもがみつくも……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント支援部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 支援部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの支援部隊総隊長。白は十五夜を通してこの人物に百目の風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングを上げるように命令した。
五安城安土城いなぎあづちじょう……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント■■■■■■■■■
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
詳細一切不明。白曰く外のことを任せているらしい。
死縁鬼苦罠しえんきくわな……性別 男
所属 学園都市統括理事会
役職 学園都市統括理事会メンバー
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
ブレイン 天埜郭夜
学園都市統括理事会メンバーの一人。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では天埜郭夜と共に暗躍した。計画プロジェクトと呼ばれる計画を進めているようだが詳細不明。交渉力、部下の豊富さ、知略に富んだ頭脳、どれをとっても敵にまわしたくない存在である。木原幻生とのつながりがあり、大覇星祭中に御坂美琴の絶対能力者レベルシックス化を行う予定だったようだが、何のためかは不明。彼がここまで御坂美琴にこだわる理由はいったい何なのだろうか……。
神亡島刹威かみなきじまさつい……性別 女
所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
役職 死縁鬼苦罠直属の部下
特殊能力 超能力交点爆撃チェックボンバー
強度 無能力者レベルゼロ
二つ名 無し
所持武器 無し
戦闘スタイル 近接戦闘型
死縁鬼苦罠の部下の一人。といってもいくらでもいる消耗品としての部下であり本人もそれは自覚している。それでも苦罠に尽くすのはかつて苦罠に『闇』から救われたから。浣熊四不象によって殺害され、『HsAFH-18』の爆破と共に死体も消失した。実は見捨てられた女グレイレディによって操られていたが本人は当然自覚していない。交点爆撃チェックボンバーは定めた人物と自身の視線の交わった部分を一直線として、その直線の中間部分を爆破する能力。ただし無能力者レベルゼロ
のため実用性は皆無。完全に死亡しているため今後登場することはない。
巳神蔵豈唖みかぐらあにあ……性別 女
所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
役職 死縁鬼苦罠直属の部下
特殊能力 超能力水分生成クウォータージェネレーション
強度 大能力者レベルフォー
二つ名 無し
所持武器 無し
戦闘スタイル 能力使用
死縁鬼苦罠の部下の一人。替えはききにくいレア度☆3くらいの存在。御坂美琴と交渉するときの苦罠の護衛として選ばれた。
- 141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/15(火) 19:06:42.33 ID:2+4dxV5n0
- 波並波狂濤なみなみなみきょうとう……性別 男
所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
役職 第一級大隊長
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 急速冷却機構内臓型窒素弾丸生成狙撃銃HsSR-04
戦闘スタイル 狙撃
彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級大隊長。十五夜足止めのために戦った人間の一人。超々一流の狙撃手であり二キロ先の獲物を確実に狙撃することが出来る。狙撃時のペアは贖である。
屑爬劉くずのはりゅう……性別 男
所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
役職 第三級大隊長
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
何やら苦罠らが動かしていた存在。現在の所、何をしたのかは不明。
一本線点々いっぽんせんてんてん……性別 男
所属 無し
役職 個人傭兵、学園都市特記戦力
特殊能力 不明
二つ名 三千世界武神
所持武器 剣(名称不明)
流派 天下無双流
学園都市に三人しかいない個人傭兵の一人。苦罠の依頼で十五夜の足止めを行った。戦いに飢えているというよりは強さを求める類の戦闘狂であり、かつては全能神トールと戦い引き分けたこともある。位相を操る十五夜に一撃を与えたことからもその戦力の強大さがわかる。
『空白の主』……性別 不明
所属 不明
役職 不明
特殊能力 位相操作、神器創造、神器属性混合
二つ名 空白の主
所持武器 不明
戦闘スタイル 武器投影及び投擲
初まりの領域と呼ばれる場所に住む異形の存在。一方通行アクセラレータは直感的に人類の敵と感じた。位相操作能力を持つが、濃度で十五夜に劣るため戦いでは押し負ける。ただし、人類の生み出した魔術は効かない、初まりの領域では死なない、一方通行アクセラレータを上の位相世界に送り届けるなど隔絶した実力を持つことは変わりない。
アルフ……性別 不明
所属 不明
役職 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
『空白の主』と親しげに話す正体不明の存在。普段は最終血戦城カステルル・ブランという場所にいるらしい。
占卜卜占せんぼくぼくせん……性別 女
所属 不明
役職 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
佐天涙子を占った占い師。ただの一般人のようにも思えるが……?
たぶんこれで全員だと思います。漏れがあったら教えてください。
あっ、モブキャラは書いてませんのであしからず。
- 142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 12:40:05.92 ID:QkM6+4Ac0
- 実は作者が宣伝も兼ねて自分のSSをコピペしてるのか?
- 143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/16(水) 17:17:36.41 ID:qMbscrAR0
- 言っておくけどこんな事をしても無駄だぞ
読んでないからな
- 144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/16(水) 18:38:46.50 ID:mUnlvxPa0
- オリキャラに自己投影してる人はこの手のSSが大好きなんだろうな
理解し難い神経だが
- 145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:15:44.43 ID:NvR0Tfn20
- F1 ID:EYbP0TXs 2019年06月14日(金) 14:51 (Good:2/Bad:0) 報告
魔神なんぞただの雑魚といわんばかりに原作よりもインフレというか規模がすごいですね
鎌池作品から白き女王でも連れてこなきゃどうにもならないんでは・・・ww
返信:一二三四五六 2019年06月17日(月) 00:13
感想ありがとうございます!
ああああああああ、本当にごめんなさい更新が出来なくて!色々とリアルの方で色々とあって、ここで詳しく言う事ではないので詳細は控えますが、もしかしたら秋ごろまで更新は無理かもしれない……。でも更新が完全に途絶えることはないので!それは絶対にしないので!
万万が一1年間更新できなかったらその時は前から言ってますが設定資料集の方を公開します。申し訳ないが、そうさせていただきます。
そしてここからが感想返信です。
魔神が雑魚ってことはありませんのでご安心を。魔神に基礎スペックから勝てる存在は理外人外12名のみです。これは絶対に揺らがないので。
まぁ木原五行やパトリシア=バードウェイは|王の遺産《レガリア》を持っているので魔神に対抗は出来ますし、空白の主は絶対値で張り合う事は出来ますが。
白き女王は■■■■によって■■することは一応可能ですが、正直白き女王はこの|■■■《■■■■■■■■■■》では[ピーーー]ことが出来ます。なぜならば『穢れなき真実の剣持つ「白き」女王《iu・nu・fb・a・wuh・ei・kx・eu・pl・vjz》』は既に『|■■《■■■■■》』で――――――。
いえ、これは一応ネタバレになるので避けておきましょうか。
むしろ理外人外に対抗できるのは現状ならばアンナ=シュプンゲルが最有力候補ですかね。あるいはドラゴンキラー。あるいは東川守。あるいは俺。あるいは『ウミガメもどき』。あるいは『編み物のヒツジ』。
最も、本当の意味での最有力候補は『訪れた者の願いを歪んだ形で叶えてしまう街』から脱出した1人の少年と1人の少女ですが。
これからも精進して参りますのでどうかよろしくお願いいたします。
- 146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:16:29.66 ID:NvR0Tfn20
- https://syosetu.org/novel/56774/176.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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キャラ崩壊っていうかキャラ消失した。
いや、予定通りなんだけども。
上条当麻と瞬瞬A 例え世界が違っても、2人の運命は変わらない
世界物語キャラクターストーリー理論。
それは風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長、白白白が提唱する世界の在り方に関する理論の事だ。端的に言えば、世界を1つの物語として見る理論。ファンタジー、ミステリー、デスゲーム、サイエンスフィクション、コメディ、ホラー、群像劇などなど、世界をいくつかのジャンルに、もっと言えば物語に見立てる理論。物語の筋書きにそった形で、物語上において有利になるように、自意識的な行動を行えば、世界は思い通りに動く、という理論。
具体的に語ろう。
絶海の孤島にある別荘に複数人の初対面の人とツアーで訪れた。その状況下で1人の人間が殺された。島の通信手段は全て断たれ、もちろん携帯も繋がらない。なおかつ島は台風に巻き込まれた影響で脱出不可能であると。そんな状況下で『こんなところにいたくない!私部屋に戻る!』といった人間がどうなるか、簡単に想像がつくだろう?逆にいかにもな風体で死体を調べ始めた人間がいれば、多くの場合そんな人間は物・語・的・に・は・最後まで生き残り、そして島から救助されるだろう?
具体的に語ろう。
夜道を歩いている時に意味の分からないほど巨体で強大な明らかな化物に襲われた。必死に逃げているその時に、その化物を一刀のもとに切り捨てる少女が現れた。少女は言うだろう。『このことは忘れなさい』と。この時『分かった』と答えれば物語ストーリーはそこで途切れる。だが『忘れられるわけないだろ!』と、そう答えれば?もちろん物語は続く。いいや、むしろそこから物語は始まるのだ。
つまり世界物語キャラクターストーリー理論とは、そういう理論である。
そしてその世界物語キャラクターストーリー理論における重要要素が称号キャラクター性。
称号キャラクター性とはその人間の根幹を表すものである。行動に付属するものでもあり、それでいて魂に由来するものでもある。外部と隔絶された空間で殺人事件が起こった際、犯人を見つけようと積極的に行動する人間は探偵ホームズだ。その人間を手伝う人間は助手ワトソンだ。登場人物キャラクターはその行動によって、その行動に沿った称号キャラクター性を得ることが出来る。
だが、それだけではない。それは世界物語キャラクターストーリー理論の一要素に過ぎない。確かに、行動によって新たな称号キャラクター性を得ることは可能だ。だが、少なくともこの世界■■においては、最初から固有の称号キャラクター性を持っている存在が複数いる。それは例えば主人公ヒーローという称号キャラクター性。あるいは最終敵ラスボスという称号キャラクター性。もしくは好敵手ライバルという称号キャラクター性。他にも他にも、最初から称号キャラクター性を持っている存在が多々いる。
それはこの世界■■が■■■■だからである。
故に、最初からそうであるものはただそうある。
対照的で対称的な2つの世界■■。■■と■■■■。縺昴%縺ォ螻槭☆繧九Δ繝朱#縺ッ、譬ケ譛ャ逧?↓逶ク縺?l縺ェ縺。つまりは■だ。上条当麻と白白白。御坂美琴と木原五行。アレイスター=クロウリーとGE13。コロンゾンとAdam。
核があるモノとないモノ。格が高いモノと低いモノ。
だからバックアップが欲しい。
だからこそ、勝ちたい。
故にこそ、いやあるいはだからこそ、それは最初から決着のついている勝負であるのであろうが。
- 147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:17:30.93 ID:NvR0Tfn20
- 例えば、大切な人を目の前で失ったとして、どれだけの人間が冷静でいられるだろうか?恋人が死んだ、両親が死んだ、親友が死んだ。それを『ふぅん』の一言で片づけられる人間は、人間として適していない。人間なら誰であろうと涙を流す。涙を流さずとも悲しんでいる。
上条だって、もちろんそうで、そうなる。
はずがないだろう?
「おい!イン、デックス!?」
その呼称を使うのに躊躇いが無かったわけではない。上条の中ではもうインデックスという少女は『死んで』いる。人間という存在の個体識別性を外見ハードで見るか人格ソフトで見るかという問題には、多くの人は後者を選ぶだろう。
外見ハードと人格ソフト。それが2つ揃ってこその同一人物だ。少なくとも、人間の定義とはそういうモノのはずなのだ。
だからこそ異常なのは御坂美琴だ。御坂美琴は二重に異常だ。まずもって、劣化量産品クローンの身体に御坂美琴の個人データを入れた程度でそれを自身で御坂美琴であると再認識している。これは通常あり得ないことだ。自分がコピーされた存在であることに人間は耐えられない。変わりがいるということはいてもいなくとも変わらないという事。コピーであるということはいつでも消去できて、いつでも作り直せるという事。いくら切羽詰まった状況だったとしても、それを実行し、あまつさえ安定状態にあるなどあり得ない。
そしてもう1つ異常なのが、御坂美琴が外見ハードと人格ソフトを完全に個別で見ていて、御坂美琴にとっての『人間』というモノが人格ソフト単体であるということだ。つまり、人格が同じならば誰でもいいのだ。地球上に存在していなくても、ただの電子データでも構わない。御坂は人間を再定義して見せた。だから、御坂は妹達シスターズを1人も殺していない。それどころか妹達シスターズは今も2万人全員がちゃんと『生きて』いる。
それを分かっていなければ、誰も御坂を攻略することなどできはしない。
つまり、御坂美琴はもはや人間ではない。
そして、だ。
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ぅ」
救済者であるならば、人間であってはいけない。
誰でも平等に手を差し伸べるということは、実の所誰も見ていないに等しい。
魔術的な意味ではなく、本当の意味での聖人は気持ち悪いモノなのだ。
『右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ』。『汝の敵を愛せよ』。かつて神の子はそういったという。意味は分かるだろう?つまり争いは何も生まないと言っている。あるいは平和的な争いについて言っている。
だが、だ。
なるほど言葉の意味は分かる。大いに納得し、そして実行すべきことだろう。
だが、だ。
それを言えるとは、いったいどんな精神構造をしているのだ?
コロンブスの卵。追従ではなく率先することはとても難しい。言えるか?はたして?『右の頬を殴られたら左の頬を差し出せ』。『汝の敵を愛せよ』。そんな言葉を一番初めに言えるか?
だから神の子は神の子であり、それはもはや人間でありながら人間ではない。気持ち悪くて気味が悪い。
上条当麻という、いや神浄討魔という人間は、そこに片足を突っ込んでいる。
してきたことが信仰を生み、期待を生み、そして狂信を生んだ。今の上条では絶対に気付けないそれは、しかし確かに上条を縛っているのだ。
「ぁ、ああ?うん???……、……?????」
安全地帯、と■■は言った。
人を片っ端から救いあげる性質、と科学者は言った。
誰に教えられなくても、自身の内から湧く感情に従って真っ直ぐに進もうとする者、と天使は言った。
探してごらんよ。君らが思っているよりも、この世界物語はずっと歪んでいるから。
「えっ、と……?ごめんなさい。あなた、誰ですか?」
「――――――ぁ」
最も、だからこそ上条は主人公ヒーロー足りえるのだろうが。
世界物語キャラクターストーリー理論とは、運命論の一種である。ただし、世界を物語ととらえるのはあくまでも白白白の世界に対する見方の1つであり、それが絶対的に正しい解であるとは限らない。
例えば、だ。
運命論には世界物語キャラクターストーリー理論の他にも時間収斂バックノズルと代替可能ジェイルオルタナティヴという理論がある。
時間収斂バックノズルとは簡単に言ってしまえば時間軸と空間軸に捕らわれずに事象を確約する理論だ。時間跳躍や運命操作、因果律改変に上位存在による干渉を行ったとしても初めからそうであると決まっていることはそうであるようになるということ。特定の時間にそれが起きなくとも、起きると決まっている事象は些細な違いはあれど必ず違う場所違う時間で絶対に起こるというものであり、それを避けることはできないという事。
そして代替可能ジェイルオルタナティヴとは簡単に言ってしまえば特定個体論に捕らわれずに事象を書く託する理論だ。時間跳躍や運命操作、因果律改変に上位存在による干渉を行ったとしても起こることは絶対に起こるということ。誰かがやらなければならないことは、必ず誰かがやる。本来の誰かが懸命に固辞したとしても、その時は変わりの誰かがやるという事。
- 148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:18:18.73 ID:NvR0Tfn20
- つまりは二重の意味で、決まりきったことは絶対的に変えられないという理論。すでに起こったことを変えることは難しい。あらゆる物事は外界によって客観的に観測されないと確定しない。個体による認識の確定には限度がある。それが多くの存在に認識されればされるほど、それは絶対的な核を持ち、不変の事実となる。
例えば、だ。
仮に時間跳躍によって世界が滅んだという事実を回避したとする。だが、世界が滅んだという事実は仮に時間跳躍による世界滅亡回避を行ったとしてもより上位の時間軸では消せるものではない。タイムリープモノの本を読んでいる時、ページをめくり返せばそこには世界が滅んだ事実があるだろう。つまりは観測されている。世界の滅亡は回避されていない。仮・に・世・界・を・物・語・と・し・て・見・る・の・で・あ・れ・ば・、既・に・起・こ・っ・た・事・を・回・避・す・る・の・は・あ・ら・ゆ・る・手・段・を・賭・し・て・も・不・可・能・に・近・い・の・だ・。
故に、それは起こった。
時間は違った。場所も違った。状況すらも違った。
しかし、それは過去に確かに起こった出来事で既に大多数に観測されていた出来事だ。例・え・既・に・切・り・捨・て・ら・れ・た・世・界・の・出・来・事・で・あ・ろ・う・と・も・起・こ・っ・た・こ・と・は・嘘・に・は・で・き・な・い・。世界というものは帳尻を合わせようとするものだ。
戦いは起こる。和解はなされる。負けを認める。勝敗は明確な形ではつかない。
だから、運命は残酷であった。
唐突に、だ。
カツン、と空間を音が渡ってきた。
「ッ!?」
その音に、誰よりも先に反応したのは上条であった。ビクリ、と身体を振るわせて恐る恐ると扉の方を振り返る。といっても現在上条たちがいるのはただの廃墟ビルだ。扉なんてないし、もっといえば窓にガラスすらも嵌っていない。だから正確に言えば、ドアを設置していたであろう場所を、と言った方が正しいか。
カツンカツン、と連続して音が響いた。
「あの、えっと、あなたは誰なんですか?……それにここは、……わたし、あれ……?わたしって、わたし、……わた、し……は?」
(どうする!?)
足音の主が気になる。だがそれ以上に、今のインデックス、いやもはやインデックスではない少女を放置しておくことはできない。修道服を着た少女は今非常に混乱している。錯乱していると言い換えてもいいかもしれないくらいには。
「わたし、なに……ひ、や、わたしって、だれなの!?なに、これ、やだ、やだやだ!!!なんで何もわからないの!?こんなッ、なんなの!!!???あなたは、っ、あなたがっ、わたしはなんなの!?」
「っ、落ち着いてくれ。……大丈夫だから!」
「大丈夫な訳ないでしょッ!!!何か、何か変な本が私に迫ってくるの!やだ、怖いよぉ!!!助けてよ、誰か!」
「俺はお前を知ってるから!」
少女に何が起きたかなど上条には分からなかった。ただ、少女がとても混乱していて、とても錯乱していて、とても怯えていて、とても正気ではなくなっていることは分かった。何が原因なのかはわからない。複数の人格を植え付けられていたはずの魔導書図書館Index-Librorum-Prohibitorumがどうしてこうなったかなど皆目見当がつかない。
だからもちろんかける言葉の全ては気休めで、解決策などなりはしない。
けれど、少女は縋れる人を見つけてしまった。
「あ、あなた、わたしのことを知ってるの!ちゃんと知ってるの!?ねぇ、わたしは『誰』なの!?なんで、わたしはわたしのことを何も知らないの!なんでわたしはわたしのことを何も知らないのに、変な本の、魔道書?の知識だけは全部わかるの!?」
「……知らない?」
「分からない。分からないのよ!なんで、なんでっ、なんで!!!全然分からないの!!!」
発狂した様にその長い銀髪を振り回し、何十本もの安全ピンで布地を固定しただけの修道服を思いっきり握りしめ、かつて上条にインデックスと呼ばれていた少女は喚く。
分からないから怖い。自分のことが何も分からないのに、妙な知識だけは十二分に分かるから。
「ううん。魔道書だけじゃない。魔術?っていうのも全部分かる!わたしは、わたしがわからないのにっ!!!」
動揺を隠そうともせず、少女はひたすらに訴える。全てはリセットされた。ゼロになった。初期化された。
今の少女には、魔術の知識しかない。
「ねぇ、わたしって誰?わたしって、どんな人だったの!?ねぇ、ねぇっ、ねぇっっっ!!!!!」
「お前、……記憶が、ない、……のか?」
「ないのよ!わたし、わたしは!」
「さっきまでの、ことも……?」
「さっきまで、っ……わたし、あなたと一緒にいたの?」
「あぁ、俺達はさっきまで」
「馬鹿、な」
静かな声だった。
目の前の少女の声にかき消されてしまいそうなほどに、小さい声だった。
でもなぜか上条の耳には聞こえた。
ずっと響いていた足音は止まっていた。
その声は上条の向いている方向とは逆方向、つまりは扉の方向から聞こえた。後方20メートルくらいの距離から聞こえた。
その声を、上条は知っていた。
「――――――」
上条は再び振り返った。修道服を着た少女から目を逸らすことはきっと少女を不安がらせるからしたくなかったが、それ以上にその声の主を無視できなかった。
だって、上条の予想通りならばそこにいるのは。
「……唖然。お前、は」
「な」
そこにいたのは、知り合いだった。
かつて をめぐって路地裏で戦い、 を守るために病院の屋上で戦い、そして一緒に屋上から落下した少年。
瞳で捉えた指定物体を捻じ曲げる能力を持つ、学園都市の『闇』の住人。
「瞬、瞬!?」
「……疑問。お前何故俺の名を知っている!?」
彼らは再び、いや三度であった。
まるで運命に導かれているように、出会った。
- 149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:19:00.03 ID:NvR0Tfn20
- さて、ルート選択の時間だ。
君達の知っているインデックスは死んだ。
だから、魔術知識と魔道書知識以外の全てを喪った可哀想な少女に君達が施しを与えてあげよう。
個人を識別するための最重要要素、名前を。
『彼』の言う通り、未来は決まっているように思える。
だけど、『彼』はとても大切なことを見落としている。
もうこの世界は『彼』だけのモノではないということを。
調子に乗って、『彼』はやりすぎたんだ。
もはや黄金の真実を使うまでもない。最も、僕らは黄金の真実は使えないのだけどね。
さぁ、もう一度問おう。
選択の時間だ。
よく考えろ。
何十本もの安全ピンで布地を固定しただけの修道服を着た少女の新たな名前は何だ?
あくまでも『上』から目線で、君達が名前を付けろ。
記憶喪失コンビ結成です。良かったですね上条当麻。これでインデックスに自分は記憶喪失だっていう必要はなくなるよ!
しかし26話はよかったですね。アレイスターのアレイスターらしさはよく出ていたと思います。あの終わり方なら新約を買う新規さんも増えそうなので、その点ではJCSには感謝ですね。
次の更新は4月中には。
ちなみに今回の上条の選択は完全に正しい選択です。もし上条が修道服の少女を放置して足音の主を確認しに行ったら全てが終わっていました。文字通りに。
アンケートは↓だ。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=212103&uid=15850
活動報告からたどってもいけるけどね。
- 150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:19:47.58 ID:NvR0Tfn20
- https://syosetu.org/novel/56774/177.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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このための瞬瞬であったとも言える。
上条当麻と瞬瞬B 死者との再会
ひょっとしたら、その再会に一番驚いているのは瞬の方かもしれなかった。
「……唖然。どういう、ことだ?」
柄にもなく、そして非常に珍しいことに、瞬は一瞬躊躇った。普段の瞬であれば問答無用に攻撃していた。先手を取ることの重要さを知っている。後手にまわる人間は絶対にイニシアチブをとれない。先手を取る人間がいつも勝利する。
だが動けない。
考えることがあった。
「……逡巡。いや、まさか、だが」
超能力者予備集団セブンバックアップ序列第七位、視線歪曲オッキョクールヴァの大能力者レベル4、元十二暦計画カレンダプロジェクト第十計画『崩壊の十月実験』被験者ナンバー008、人類絶対悪ビースト位階総序列第三位全能存在パントクラトール木原五行によって整備された道人生をそうと知らずに歩いている瞬瞬は、自身の上にいるモノの意図を考えていた。
あれは、偶然ではなかった?
いったいどこから誘導されていた?
「……詰問。お前、天埜郭夜を知っているか?」
「天埜、郭夜?」
それは、上条の知らない名前であった。上条はま・だ・、天埜郭夜という極大にして極限の異常者には出会っていない。存在すらも知らない。
今は、まだ。
「……納得。そうか、……そういうことか」
瞬は納得した。前も、今も、この出会いは偶然だ。少なくとも上条にとっては偶然だ。そして瞬にとっても偶然。だが、これは仕組まれた偶然で、作為的な邂逅だ。そもそもがあり得ない。なぜ、瞬は8月28日のあの時あの裏路地で上条と白井に出会った?あの時の瞬は を誘拐していた。つまり表の人間には見つかるはずの無い絶対安全なルートを通っていた。なのに、捕捉された。その理由は何だ?
簡単だ。あまりにも簡単な答えだ。
だが、その簡単すぎる解答に今の今まで辿り着けなかった。瞬が馬鹿だったのではない。黒幕が賢すぎるのだ。そうと悟られずに演出した。いや、ひょっとしたらここで瞬が黒幕の意図に気付くことさえも策の内かもしれない。
常軌を逸した天才の考えることなど瞬には分からない。だがそれでも抗うと決めたのは瞬自身だ。
「……提案。話をしよう。俺達の間には、きっと誤解がある」
筋書きから外れて見せよう。
運命を覆そう。
蒼穹そらの彼方から瞬を見下すお姫様を嗤ってやろう。
まだ、何も終わってはいないのだから。
「誤解、だって?お前がフェブリのことを利用しようとしているのは事実だろうが!?」
「 ……?誰の事だそれは?マーチのことなら、お前達が冥土帰しヘヴンキャンセラーの病院に匿っているんだろう?」
「マーチ……?」
それは上条の知らない名前だった。病院にいるのは のはずだ。マーチ?誰だそれは?マーチなんて名前、上条には聞き覚えがない。
「……強引。まぁいい、そもそもお前はマーチをなぜ守ろうとしている。お前にとってマーチなどただの赤の他人にすぎないはずだろう?加えて言えばマーチは人間ではない。薬品を合成して造られた人外に過ぎん。ただ人の形をしているだけの存在だ。そもそもマーチの寿命はどれだけ長くとも後半年もない。そんな存在のために命を懸けるなど馬鹿らしいとは思わないか?」
それは限りなく本音に近い言葉だった。少なくとも、瞬ならば助けない。現在の瞬であれば、助けない。
一方で、上条は極大の違和感をもっていた。
(……マーチって誰だよ!)
何度でも言うが、上条が助けたのはマーチではなく である。少なくとも、上条の認識上ではそうなっている。そして、どうしてズレが生じたのか上条には分からない。前の世界で瞬が狙っていたのは で間違いない。だって、瞬が話していた。 と言っていた。なのに、今回の世界では瞬が狙っていたのはマーチだと?
(同じじゃ、ない?細部が、違う?)
この世界は、違うのかもしれないと思ってしまった。
もしかしたらこの世界は、
(前・に・い・た・世・界・と・は・違・う・?)
だが、それを深く考えている時間はない。そして1人で考え続けても答えの出るモノではない。その答えを知りたいのならば、犯人を見つける必要がある。世界を巻き戻した犯人を見つける必要がある。
とにかく今は目の前のことに集中するしかない。1つ1つ乗り越えていこう。順番に片づけていこう。そうして、必ず世界を救うのだ。
他でもない上条当麻が。
故に、まずは答える。
「だから引けって?随分勝手な理屈だな。赤の他人だろうが人間じゃなかろうが、目の前で泣いてるヤツを助けるのに、ごたいそうな理由がいるのかよ」
「……疑問。マーチはお前が命を懸けるのに値する存在だと?」
「当然だろ」
前も、同じような質問に同じような答えを返した。そして何度問われても上条の答えは変わらない。主人公ヒーローとはそういうものだ。
「……思案。そうか…………ならば」
そして上条がそう答えるであろうことは瞬も分かっていた。
青すぎるくらいに青い、絶望を知らない『表』の人間。きっと、信じているのだろう。全てを救えると。きっと、決意をしているのだろう。全てを救うと。だが、瞬は知っている。それがどれだけ荒唐無稽で不可能な砂上の楼閣の如き絵空事であると。
この世には、努力では届かない壁がある。
才能という名の壁が。
だから瞬は――――――。
「……立言。ならばこちらが引こう」
「は……?」
「正直な話、割に合わないと俺は思っている。俺達の新世界ジャイアントキリング計画にとってマーチは絶対必須のパーツではない」
嘘は言っていない。だが真実も言っていない。
瞬達の計画を達成するうえで『ケミカロイド計画』の産物は絶対に必要だ。だがそれは別にマーチでなくても構わない。現在『ケミカロイド計画』によって生産された個体はジャーニーとマーチの2人だけだ。しかし別に3人目を造れないわけではない。ジャーニーかマーチ、あるいは『ケミカロイド計画』のノウハウさえ手に入ればもう『スタディ』は用済みだ。
マーチは絶対必須のパーツではない。必要なのは、『ケミカロイド計画』の産物なのだから。
「俺達はマーチから、そして『スタディ』の革命未明サイレントパーティから手を引く。だからお前ももう俺達位階超越オーバーステップには関わるな」
「そんなんで、俺が納得するとでも思ってんのか!?」
「……冷静。ならどうするんだ?ここで戦うか?この俺と?」
両目を大きく見開いて、瞬は上条を威圧する。その視線が、わずかに上条の後ろにいる少女の方に向く。
そう、この場にいるのは上条と瞬の2人だけではない。明らかに場違いな少女がこの場にはいるのだ。
- 151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:21:17.57 ID:NvR0Tfn20
- 「……人質。お前がどれだけ強いかなど俺は知らない。だが、お前の後ろにいるその女。その女は真実ただの一般人だろう。先ほどから明らかに怯えている。……そんな奴を、お前は巻き込むつもりか?」
「っ、お前!!!」
「……解明。俺の能力は視線歪曲オッキョクールヴァ。瞳でとらえた物体を捻じ曲げる力だ。そして俺の強度レベルは大能力者レベル4。右目でお前を牽制しながら左目で女を捻じ曲げることなど簡単にできる」
「っ」
その脅威を上条は理解していた。前の世界で白井と2人で戦った時は瞬によって白井の四肢を千切られたのだ。上条も決して小さくはない傷を負ったのだ。そして何よりも脅威なのは、瞬の能力チカラは瞬の全身に埋め込まれた98の眼球にも適用されているということだ。
自覚する。瞬の言っていることは正しい。上条では守れない。上条の攻撃手段に遠距離攻撃はない。つまり瞬と戦うのならば上条は嫌でも瞬に近づかなくてはならない。あの時のように、閃光手榴弾フラッシュグレネードなど持っていないのだから当然だ。そして上条が瞬に近づけば、必然上条とかつてインデックスだった少女の距離は離れる。まさか戦っている最中も常に近くにいろなんていえるわけがないし、今のインデックス、いや記憶を無くした少女にそれが出来るとは思えない。距離が離れれば瞬の少女に対する攻撃は防げなくなる。
つまり戦えばかつてインデックスと呼ばれていた少女が傷つくのは必至。
「……脅迫。お前の能力チカラももう分かっている。無効化系能力……、ただし範囲は右手のみ。確かに珍しい。能力チカラに頼りきっている雑魚では相手にはならないだろう。だが、その程度の能力チカラで俺に勝てると思うか?その女を守れると思うか?……種はもう、割れている」
「瞬!」
「……和解。引け、一般人。俺とお前が戦う理由など、もはやないはずだ」
理屈は理解できる。
記憶を無くした少女を守るためならば、それは最適解。
だから大人しくここは引くべき。
それが最善の解答。
だが、
(見捨てられるか)
別に上条は瞬瞬という人間の事を詳しく知っているわけではない。だが、少なくとも瞬が、多少の迷いはあれども幼女を誘拐できる人間というのは間違いない事実だ。マーチから手を引いたとしても、『スタディ』と手を切ったとしても、絶対に瞬はまた何かを始める。
新世界ジャイアントキリング計画。
その詳細など上条はもちろん知らない。だけどきっと、何か大きな企みのはずだ。何か大きな犠牲を伴う計画のはずだ。絶対に止めなければならない。つまり瞬を野放しには出来ない。ここで戦わなければならない。1周目では出来なかったが、瞬の心を変えなければならない。
だが、だがそれでは後ろにいる全てを喪った少女の安全が脅かされる。
だから上条は臆病になる。いつもなら踏み出せていたはずの足が踏み出せない。
故に、
「だめ」
そのバックアップは運命的な必然だった。
「っ」
その一言を絞り出すのに、はたしてどれほどの度胸が必要だったのだろう。
そのたった2音を言うのに、いったいどれだけの勇気が必要だったのだろうか。
本人ではない上条には決してわからないけれど、その横顔だけでも感じ取れるものはあった。
まるで、楽な方向に流れようとする上条を殴りつけるかのように未だ名の無き少女は上条の袖を引っ張りながら言ったのだ。
「それは、だめ、だよ」
口調は違った。雰囲気は違った。行動は違った。表情は違った。態度は違った。対応は違った。空気は違った。音程は違った。
だけど被った。思い起こされた。
「イン」
「わたし、何も知らないけど!確かにあなたの言う通り部外者だけど!」
きッ、と、
名と記憶を喪った少女は宣戦を布告した。
「でも違う。そうじゃない。あなた、間違ってる!」
はっきりと断言した。善悪を判断したのではない。好悪で判断したのだ。お前が嫌いだと、少女は突きつける。
今この時の主人公ヒーローが上条当麻だとするのならば、
今この時の庇護対象ヒロインは間違いなく名を喪った少女だった。
そして、
そして、
そして、
初めて、瞬の興味が少女に向いた。
「……憮然。随分とまぁ、ボロクソに否定してくれる。何も知らない、部外者ごと」
瞬が、
瞬の瞳が、
かつてインデックスと呼ばれていた少女を、
今では魔術知識と魔道書知識外の全てを無くしてしまった少女を、
捉えた。
「…………………………………………………………………………………………………………………」
捉えてしまった。
「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ぇ」
か細い声だった。
動揺に揺れていた。
それは、数年ぶりの感情。
それは、数年ぶりの感傷。
仕組まれた邂逅であると、瞬は思っていた。上条と瞬は、黒幕によって出会うように仕組まれていたのだと。だが、違う。いや、間違ってはいないがそれでも違う。天才とは凡人の予想の範疇に収まるモノではなく、凡人の想像の範疇に収まる者でもない。
改めて、歓迎しよう。
その邂逅は、仕組まれた偶然必然だった。
- 152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:21:52.07 ID:NvR0Tfn20
-
「――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――目め、次つぎ?」
瞬瞬という人間も、過去は善人であった。
だが過去は人間という存在の核を変え得るものだ。
親は強盗に殺された。
妹は自殺した。
訪れた街は燃えた。
木原五行はそれを瞬の体質のせいだと言った。なるようにならない最悪If nothing is bad、その不完全版のようなものだと。事故頻発性体質だと。
瞬は、それを信じてしまった。それほどまでに瞬は不幸で、弱かった。
「お前、」
焦がれる様に、熱い顔。
求める様に、伸ばした手。
灼かれる様に、罪深き声。
「お前、――――――生きて、いた、……のか」
蒼穹宇宙の果て彼方で、
瓶竹の中から生産まれた天埜郭夜輝夜姫が、
嗤っていた泣いていた。
忙しくて小説が書けない→クオリティが落ちる→出来に納得がいかない→修正→忙しくて小説が書けない……のループに陥ってしまっている。
このままではダメだ。どこかで挽回しないと……。
- 153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:22:19.70 ID:NvR0Tfn20
- https://syosetu.org/novel/56774/178.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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終わらないよ。完結させるまでは終わらない。まだ、まだまだ書きたいことは幾等でもあるんだからな!
というわけで遅れましたごめんなさい。待っててくれた人は本当にありがとう。どのくらいのペースで投稿できるかは分かりませんが、これからも書き続けていきますよ!
廃墟での戦い@ 再会は銃声と共に イギリス@ 人が人外と共にある国
それが仕組まれたことなのかなど瞬にとってはどうでもよかった。重要なのは、もう絶対に会えないはずの人間と会えたことだ。
奇蹟。とても簡単にそう言ってしまってもいいのかもしれない。
策謀。その果てにある結果なのかもしれない。
しかしそれでも全然構わなかった。利用されている?構わない。踊らされている?問題ない。嗤われている?気にしない。だって、今目の前にいる。後悔の源泉。過ちの過去の象徴。助けられなかった最愛。
瞬瞬は、数年前に実の妹を喪った。
目に入れても痛くないくらい可愛い妹だった。両親を強盗に殺されて以降、たった2人の家族だった。だが、妹は自殺した。ありふれた理由だった。親の死んだ瞬兄妹を引き取った孤児院の院長による性的暴行。くだらない。どこにでもあるような話だ。
瞬は、気付かなかった。気づくことが出来なかった。全てが終わった後に思い返せば、予兆はいくらでもあったというのに。大切だという言葉は口先だけだった。大事にしたいと思いながら行動が伴っていなかった。愛していながら真正面から見ていなかった。
そして人は時を越えられない。故に瞬の時間は止まったまま。失った喪ったウシナッタモノが戻らないから、代替原理の代わりを求めて幽鬼のように彷徨った。
だがしかし、もうそれをする必要はない。
いる。
確かに、
会えないはずの、死んだはずの、救えなかったはずの、瞬の実の妹。
家族。
「は「は「は」
ふらふらと、一歩。
くらくらと、二歩。
はらはらと、三歩。
顔を手で覆い、泪を流して、狂ったように、
笑う。
笑う。
笑う。
「は!「はは!「ははは!「はははは!「ははははは!「はははははは!」
怯える少女が瞬の目には映っていないのか。
竦んでいる少女の姿が瞬の眼には映っていないのか。
少女を守るように立つ上条のことが瞬の眼には映っていないのか。
ただ、求めるだけ。
「……感激。生きて、いたのか」
一方的な愛はただの執着だ。
一方向の愛はただの妄執だ。
互いに思いあってこその家族。互いに満たし合ってこその家族。絶対に、押し付ける様な事があってはならない。
「目次めつぎ!」
瞬瞬。
現超能力者予備集団セブンバックアップ第七位。視線歪曲オッキョクールヴァの大能力者レベル4。
闇の中で絶望の海に浸かる子供達を救うために、新世界ジャイアントキリング計画を実行している悪党。だがその根源には善性がある。あの時、燃え盛る街の中で現人類絶対悪ビースト位階総序列第3位、木原五行にさえ出会わなければ瞬はこんな風にはならなかっただろう。
妹を救えなかったという後悔をつかれ、五行に誘導された結果だ。だがその責任は瞬にある。転嫁してはならない。純粋な善意は時に純朴な悪意に転じる。自覚無自覚は関係ない。ただ、そういう結果があるのだ。
故に恐怖。
「ひっ!」
かつてインデックスと呼ばれた少女、今はエピソード記憶の全てを喪ってしまった名も無き少女からすれば、瞬は初対面の誰かさんに過ぎない。なぜ、これほどまでに自分に執着しているのか分からない。目次?誰の事だそれは?自分の事なのか?それさえも分からないから、ただ只管に怖い。
アイドルに纏わりつくストーカー犯罪者と変わらない。知らない誰かの狂気的な瞳。その瞳を向けられるだけで、膝が崩れる、身体が震える、涙が出て来る。何もない少女、全てを喪った少女、名前の無い少女。
少女は弱かった。
思わず、隣にいる上条に抱き着いてしまうほどに。
- 154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:23:01.67 ID:NvR0Tfn20
- 「っ……!?」
そんな目次の行動を見て、瞬はひどくショックを受けたような表情をした。避けられたという事実、そして目次が頼ったのが瞬ではなく上条であったという事実にひどく打ちのめされる。
瞬は少女の事情を知らない。少女が記憶喪失であることを知らない。だから、とてもショックを受けた。肉親よりも敵を頼った。少女の行動は瞬を否定するモノだった。
だが、めげない。
それでも、求める。
「……紹介。目次、俺だ。瞬だ。……分からないか?確かに、俺もひどく変わったからな」
その変わり身に突破口を感じたのは上条だった。理由は全く分からないが、瞬は少女を求めている。つまり、逆説的に考えれば少女こそが瞬を説得するための切り札カード。
話が通じるということは、心を変えられるということ。
か・つ・て・偽善使いフォックスワードと・自・称・し・て・い・た・上・条・は・そ・の・や・り・口・を・使・う・こ・と・が・出・来・る・。
記憶はなくとも、魂には刻まれているから。
「……瞬。お前は、コイツの……いや、インデックスの何なんだ?」
「……懐疑。インデックス?それは、目次のことを言っているのか」
「……………………?」
食い違いが発生していた。上条はインデックスと呼ばれていた時代の少女を知っていて、瞬は目次と呼ばれていた時代の少女を知っている。そして2人は共に、少女が目次でもインデックスでも無かった時代の事を知らない。
少女がどれだけ過酷な人生を歩んできたのか、2人は知らないのだ。
「……返答。俺は目次の兄だ」
「兄!?ちょっと待て、ならお前もイギリス清教の魔術師なのか!?」
「……不明。魔術師?何のことを言っている、とにかく目次は俺の妹だ。お前と目次にどんな関係があるかなど知らないが、目次を返してもらおう」
「兄…………?」
名前を持たない少女が呟く。それは驚くほどに空虚で現実感の無い妄想染みた言葉だった。兄、兄貴、お兄ちゃん……。どれも、しっくりこない。
分からないのだ。
思い出を喪ってしまった少女には、何もないから。
「お兄、ちゃん……?」
だが、思い出を喪ったのならまた紡げばいい。少女には未来があるのだから。少し前に全てを喪った少女。しかし、少女には頼れる人がいる。目を覚ました時に傍にいた上条は少女に優しくしてくれたし、自らを兄と名乗る男も雰囲気や目つきこそ怖いが、少女に優しくしてくれるだろうことが分かる。
だから、少女はそっと顔を上げた。
そして、右手で上条の服を掴んだまま瞬の事を見る。
「……歓喜。帰ろう、目次。お前に何があったのか、俺には分からない。だが、俺が!今度こそお前の事を必ず幸せにしてやるから!!!」
「ぁ」
死別したと思っていた家族との再会。もう二度と会えない人と会えた奇蹟。求めて縋って恋焦がれ、暴走した果てに手に入れた結末。
それなのに、現実は過酷だった。
「残念だ、カミやん」
ドン、と、
一発の銃声が、鳴り響いた。
- 155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:23:36.67 ID:NvR0Tfn20
- 一般的には知られていないことではあるが、ヨーロッパはもう死滅している。
比喩ではない。単なる事実だ。イギリス、アイルランド、フィンランド、ドイツ、イタリア、フランス、ベラルーシ、オーストリアなどなど、一般的にヨーロッパ圏といわれている国々は壊滅状態に陥っている。懸命な復興と必死な隠蔽によって幸いにも表には出ていないが――まぁ、何の意味もない事実であろう。
無論、その原因はヨーロッパ全土を舞台に起こった最悪最低のデスゲーム――善悪生存戦争デッドエンドゲーム=DEGだ。
8年前に第一回DEGが起こり1人が勝ち残った。
7年前に第二回DEGが起こり1人が勝ち残った。
6年前に第三回DEGが起こり1人が勝ち残った。
5年前に第四回DEGが起こり1人が勝ち残った。
4年前に第五回DEGが起こり1人が勝ち残った。
3年前に第六回DEGが起こり1人が勝ち残った。
2年前に第七回DEGが起こり1人が勝ち残った。
そして1年前、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームが起こりヨーロッパが滅んだ。
『ひひ』
ウィンザー城。
英国イギリスが誇る、ヨーロッパ全体から見ても長きに渡る歴史を持つ英国君主の公邸。その中を、奇妙な生物が徘徊していた。
『いひひ。いひひひひひ』
その生物は全体的に透けていて、その上で背中に翼をはやしていて、さらにはしっぽのようなものまで持っていた。塵クズを寄せ集めて作った不格好な汚らしいロングスカートドレスに、触手のようなうねうね蠢く髪。その癖中途半端な人型を保っているから、見る人間を余計に不快にさせてしまう。
その生命の種族名は悪魔。
固体名はクリファパズル545。
本・来・で・あ・れ・ば・ア・レ・イ・ス・タ・ー・に・よ・る・英・国・襲・撃・を・防・ぐ・た・め・に・コ・ロ・ン・ゾ・ン・が・用・意・し・て・い・て・防・衛・機・構・の・1・つ・。
そしてその隣を歩く人物こそが、現在のイギリスの核の1つ。
「くそ」
『いひひひひ。いい加減に受け入れたらどうですう?こうすることでしか、生き残る道はないって』
「っ、黙れ!!!」
第二王女、キャーリサ。現在の『騎士派』の事実上のトップであり、イギリス三王女の中でも『軍事』の才に秀でし傑物。
しかし、その才を振るう暇もなく、ヨーロッパは壊滅した。
「…………くそっ!」
口汚く罵りっても現状が回復しないことはもう知っている。だからこそ、求めているのはこの災厄を覆すことの出来る切り札カードだ。キャーリサは今、その切り札カードを作ることの出来る人物の部屋を訪れるところだった。
「もどったし」
扉の前に立ち、そう言葉を投げかける。最高レベルの魔術的防御と最高レベルの科学的防御。趣の違う2種類の防御を無理やりぶち破って部屋の中に入ることなど、キャーリサにも出来ない。
『山と言えば』
「海の方がいいし」
合言葉によって扉が開く。そしてキャーリサは若干の楽観的希望論をもって部屋の中に入った。
部屋の中には既に女性が1人いた。
「なんだ、お前も来ていたか。ヴィリアン」
「姉上……。やはり、私は…………」
「お前の妄想は聞き飽きたし。具体的なプランもなく、この事態を『仕方ない』なんて甘受するだけなら、とっととここから去るがいいし」
「姉上ッ!?」
信じられない言葉だった。少なくとも、今のヴィリアンにとっては。
だって、キャーリサは知っているはずだ。今のヴィリアンがどういう存在なのか、より正確に言うのであれば今のヴィリアンに何が憑りついているのか。
『それ』は、キャーリサとヴィリアンの間にある齟齬に敏感に反応した。――キャーリサはヴィリアンを遠ざけたいと思っており、そしてヴィリアンはキャーリサ達を手伝いたいと思っていた。2人の間にある無理解と不寛容。それが即座に物理現象として現実世界に出力される。
「ぐッ!!!???」
キャーリサの肌に蛇が噛みつく。それも1匹ではない。10匹、100匹、いいやそれ以上の数。ヴ・ィ・リ・ア・ン・の・髪・の・毛・の・本・数・分・の・蛇・が・キ・ャ・ー・リ・サ・に・噛・み・つ・く・。
- 156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:24:12.15 ID:NvR0Tfn20
- 「まっ、やめてぇ!!!」
制止の声を上げるヴィリアンだが、そんな命令を蛇たちが従うはずがない。10万匹以上の蛇たちはヴィリアンの命令に従うではなく、ただ作られた機能を果たすだけなのだ。
蛇たちの攻撃が終わる頃にはキャーリサの身体は噛み傷だらけになっていた。
「っ、姉上!大丈夫ですか姉上!」
「この程度の不理解にも反応するか……」
『いひひひひひひひひひひひひひひひ。優しいですう、ご主人様は☆』
10万の蛇。うねうねと蠢くヴィリアンの髪の毛。1年前の善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲーム以来、イギリスは変わってしまった。人が生きられない土地になってしまった。だから、ヴィリアンも変わるしかなかった。その身にある全ての髪の毛を蛇に変えてでも、生きるしかなかった。
それはとても簡単な結論であった。
世界が現在の人類では適応できない環境に変化したというのならば、人類の在り方そのものを変えてしまえばいい。ある意味では諦め、ある意味では縋りつき。だが、その解決策がイギリスに住む人間を救ったのも事実であった。
ワ・チ・ェ・ッ・ト・=・レ・ト・。
大悪魔コロンゾンが用意した対アレイスター用霊装神威混淆ディバインミクスチャの1つ。
その霊装をイギリス第三王女ヴィリアンは使ったのだ。
生き延びるために、生き残るために。
「ぅぅう、……どうして、こんなことに」
『泣き言はもう聞き飽きたわ。だから、そろそろ本題に入ってもいいかしら』
けれど、だ。
悪魔クリファパズル545と契約して生き延びた『軍事』の第二王女キャーリサ。
神威混淆ディバインミクスチャにその身を捧げて生き延びた『人徳』の第三王女ヴィリアン。
彼女達2人はまだ、肉の器を保っているという意味でマシな方である。
このレベルの悪意でさえ、まだ薄味。
少なくとも、医学的な観点では死んでしまったと言えるリメエアよりはマシなのだ。
『最も、そのまま姉妹仲良く乳繰り合うというのならば私は別の『鏡』に身を映すけれど』
「ほざくな姉上。いいから早く本題に入ったらどうなの」
『あらそう?』
鏡に映るリメエアの姿に向かって、キャーリサがそう答える。
最も、鏡に映るといっても、この部屋の中にリメエアはいない。それどころか、リメエアはもうこの世に存在しない。
善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲーム。1年前に起きた最悪のゲーム遊戯に『明け色の陽射し』サブリーダーパトリシア=バードウェイと共に立ち向かったリメエアはそこで国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresに殺された。
だが、リメエアはただでは殺されなかった。己の肉体をもとにパトリシアに善悪最終生存戦争FDEGを終わらせるだけの力を与え、そして余った魂を身魂の別離アナザーディメイションという魔術を使って鏡の中に映したのだ
身魂の別離アナザーディメイション。
古来より鏡の映る像というのは神聖視されるものである。『白雪姫』における『魔法の鏡』などはそれを表す筆頭だろう。鏡に映る像が、元となった人間とは別の行動をとる。身魂の別離アナザーディメイションはそういうあいまいな伝説をもとにした魔術だ。
肉体が滅んだ彩、鏡の中に魂を映す移す。リメエアはそのようにして、ヨーロッパ壊滅から生き延びた。故に、リメエアは鏡の中でしか生きられない。あらかじめ術式を仕掛けておいた鏡にはリメエア自身の意志で映ることが出来るが、仮に術式を仕掛けた鏡が1つもなくなってしまえば、その時がリメエアの魂の死と言えるだろう。
「…………………できたのか?」
『大まかには』
「そうか、……なら、私は行く」
「姉上っ!」
「私が、行く」
血だらけの身体に、傷ついた心。諦観と絶望に満たされそうになる魂を、それでも誇りと自負、そしてイギリスという国にそこに暮らす6000万以上の人々を想って繋ぎ止める。
あの日、何でもすると決めた。
何をしてでも国を、国民を守ると決めた。
例え世界最低の悪となり果てようとも、それでも守ると決めたのだ。
少女1人の犠牲でイギリスを救えるのであれば、安いモノだろう?
「新たなる魔導書図書館インデックス、……この国を守るために、せいぜい使い潰させてもらうぞ」
外部からのあらゆる干渉を拒絶する鋼鉄の意志を持って、英国第二王女キャーリサはそう宣言した。
久し振りの投稿で伏線を増やしていくスタイル。
学園都市書くの飽きたからしばらくは佐天さんサイドか上里サイドを書くことになるかもしれないです……。
- 157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/16(水) 19:52:53.63 ID:NvR0Tfn20
- ちかま ID:EYbP0TXs 2019年06月18日(火) 10:26 (Good:0/Bad:0) 報告
そんなのが12人いるんじゃ未踏級以下の禁書勢は蹂躙されるだけですね
返信:一二三四五六 2019年07月21日(日) 22:15
感想ありがとうございます!
理外人外はマジで生きる世界が違うからしょうがないですね……。奴らはステージが違う。といってもパトリシアや能兎黒栗がやろうとしてるみたいに|物語の破綻《ロジックエラー》によって対抗することはできますが。
これからも精進して参りますのでどうかよろしくお願いいたします。
- 158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 05:17:16.82 ID:Wwc1Y7nt0
- こんな物より上条さんが無双するSSが読みたいわ
- 159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 18:06:12.63 ID:q4kmqJxf0
- 作中の女キャラは全て上条さんの物だ
- 160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:05:49.69 ID:E68TXkFso
- 禁書のss見るといつも上条さんはこんなことしてられるほどスケジュールに空きがあるのか?って思っちゃう
原作の上条さんのスケジュールにオフの日ってどっかあったっけ?
- 161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:10:21.92 ID:E8PWYGZK0
- 上条さんは戦場か病院のベッドの上でクリスマスやお正月やバレンタインデー迎えそう
- 162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:12:38.52 ID:l6aSQntV0
- https://syosetu.org/novel/158074/71.html
とある暗部の御坂美琴(1周目) 作:一二三四五六
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13のルールE 佐天涙子の左手親指
手の指というモノは基本的に3つの骨で構成されている。爪が付属している末節骨、中節骨、基節骨である。ただ、そのうち中節骨は5本の指「ぎっ、い゛じっ!あ゛ばげッ!?」の内の4本にしか存在しない。つまり母指には中節骨は存在しないのだ。この理由は母指、すなわち親指の関節の自由度を上げるための構成である。親指は2つの指節骨しか持たない故に「ああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!」母指端を使って円を描くような動きを与えられる。他の指は中手骨同士の関節を含むためにこの動きは親指がもっとも得意なのだ。(ぶっ、くァ!か、噛め噛め゛噛め躊躇う゛なッ!!!) そして人間が痛みというモノを感じるシステムだが、これは案外複雑に出来ている。まず、人は痛みを感じたとしても傷つけられた部位で痛みを感じているわけではない。痛みを感じる部位は脳だ。まず、傷ついた「いだい゛い゛だい痛いぎだ遺体イタイ゛い゛だい゛い゛いいぃぃいいぃ゛ぃぃぃい゛い゛ぃぃいッッッッッ!!!!!」部分に存在する末梢神経の先端にある侵害受容器が刺激を感じ、そこから末梢神経へと刺激が伝わる。そしてAδ線維とC繊維がその刺激を中枢神経へと伝え、脳の視床、体性感覚野、帯状回、前頭葉、小脳などに刺激を伝えることで初めて人は痛みを感じることが出来る。つまり連鎖反応なのだ。連鎖反応だからこそ、その連『口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある口の中に人肉がある』鎖の一部でも断絶させてしまえば人は簡単に痛みを感じなくなるのだが人体に関して造詣が深い人間ならばそんな馬鹿なことはしないし出来ないだろう。なぜなら痛みは重要なセンサーだから。痛みというのは重要な感覚だから。痛い、痛み、痛覚というのは自身の存在を自覚する上で必要不可欠の事象なのだ。仮に痛覚が存在しなくなれば人は己の身体を認識できない。人間は『口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある口の中に佐天の肉がある』己の身体を認識するのに視覚でも聴覚でも味覚でも嗅覚でもなく触覚を使っている。触覚、つまりは痛覚だ。ここにいる、ここにある、と認識するためには痛覚は必須なのだ。でなければ狂う。モノを触ってい『口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる口の中が佐天の血液で満ちる』るのに触れている感覚がないのであればモノを触っていないも同じだ。痛覚がないのならば歩いている時に足は地面からの反発を感じず、傷を負っても気付けない。ステージ4の癌を患っていたとしても死んでも気付けず、後ろから切りつけられても見えてないから何をされたか分からず、見えず聞こえないなら全てないも同然。それが(熱い厚いあつい篤い暑いあついアツい温井熱い厚いあつい熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!) 痛覚を喪うということだ。だからどんな人間でも正気であるのならば痛覚の除去は行わない。だが一方で痛覚を消してしまいたいと思ってしまうような状況がないわけでもないのだ。極限下の痛みに襲われている時、左手親指を噛み千切られている真っ最中なんかはまさしく痛覚を消し(ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!) てしまいたいと思う事だろう。つまり今の佐天のような状況なら。さて、では痛みに関する講義が一通り終わったところで次は歯についてにでも語ろうか。歯。人間の歯というのは基本的には28本ある。永久歯が28本という意味だ。そしてこの歯にもしっかりと感覚はある。神経が通っている。いや、正確に言えば神経ではないが、歯髄と呼ばれる疎線維性結合組織が俗に歯の神経と呼ばれているのだ。この歯髄は象牙質の産生や『違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感違和感』刺激に対する修復象牙質の産生、さらには歯牙の感覚などの機能が存在している。そして歯髄は刺激に対して疼痛の反応を示す。といっても歯髄には圧覚や温覚などは存在しないので、熱さや冷たさなどは全て疼痛として処理されるが。なお、完全に余談だが、人類が体験可能な最高の痛みは歯にフッ化水素酸(気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い) を直接塗られることだ、という話がある。
- 163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:13:19.44 ID:l6aSQntV0
- この事象は現実に起こっており、実際に歯にフッ化水素酸をぬられた人間は2メートルも飛び上がり、後日死亡したという。話は逸れたが歯についての話を続けてみよう。永久歯は3種類が存在する。モノを噛み切る切歯。切歯には中切歯と側切歯の2種類がある。モノを切り裂く犬歯。これは犬歯の1種類のみだ。モノを磨り潰す臼歯。この臼歯には第1小『不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快不快不快腐海深い深い腐海不快不快不快』臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯の5種類がある。そしてこれらはそれぞれ上顎と下顎、左右に存在する。故に上条が佐天の指を噛み千切るのだとすれば、使うのは切歯か犬歯がいいだろう。指を噛み千切ると言っているのに磨り潰す歯である臼歯を使うのはいただけない。いただけないが、果たしてこの極限状況下でそんな冷静な判断を下せる人間がどれほど存(硬ッ、噛み切れな――――――)在するだろうか。よほど冷酷な人間かはたまた慣れている人間でない限り、どうしたってどの歯で噛み千切ろうなんて考えは出ないだろう。とはいえ普通に指を噛み千切ろとするのならば自動的に切歯か犬歯を使うことになるのも事実ではある。臼歯はイコールで奥歯だ。実際に指を口に突っ込んでみれば分かるだろうが、指を噛み千切「いいいいぎぃぃぃぃいぃぃいぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいがあああああああああああああッ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!…………!?………………………、――――――あ?」る部分は指の第二関節あたりになる。そうすると当然切歯か犬歯が第二関節あたりに接触することになる。故に臼歯は指を噛み千切る部分に接触しない。だから実はどの歯で噛み千切ろうなどと考えなくてもいいのだ。とはいえまぁ、だからといって簡単に噛み千切れるかといえばもちろんそうではない。一番問題となるのは指を噛み千切(くち、あい……?おわ、っ……ひゃ?)る際の口内の感触だろう。指を歯で噛み千切ろうとすれば当然噛み千切ろうとしている指の断面から出血が起こる。つまり噛み千切ろうとする人の口内が噛み千切られている人の血で満たされるとはいかないまでも侵されるということだ。血を舐めたことくらいなら誰しもあるかもしれない。し(これ噛み千切れるのか!?……もう1回、……[ピーーー]気で……ッ!?)かしコップに満たされた血液をトマトジュースのように一気飲みしたことがある人はなかなかいないだろう。指の断面から起きた出血は口内を容易く血液で満たせるほどに大量で、多量だ。そしてそ「かみ、じょさ」の感覚はよほど逸脱した精神性を持っている人間でない限り絶対に不快感を催す。血液の味、これは何とも形容しがたいモノで、どうしたって非日常故に。そして血液だけではない。噛み千切る側は噛み千切られる側の肉を喰うことになるのだ。肉、肉片、皮膚片といってもいいだろう。噛み千切る際に出た人肉を喰らう『だからもう1度噛んだ。今度こそ噛み千切れるように、全身全霊で噛んだ』とになる。もちろんそれは血液ほど口内を侵すモノではないが、しかし絶対に不快感はでる。それ以上に歯で肉を喰らう感覚。ブチブチと千切れる筋線維。皮膚の絶妙な柔らかさと反発感。すぐ下にある骨の硬さ。全て全てが一度に歯髄を通して脳に殺到するのだ。
- 164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:13:55.38 ID:l6aSQntV0
- 『噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み噛み噛み咬みかみ咬み噛みカミ噛みかみ咬みかみカミかみ噛み噛み』人の指を噛む、噛み千切る。皮膚を切り裂き、筋肉を断ち切り、骨を砕く。噛み千切る側にとっても悪夢、いやまだ悪夢の方がましだろう。等活地獄に落ちるのと同等の精神的苦しみを味わうようなモノだ。そしてきっと噛み「い゛ッ!?ぎぃ、ぎょべびふ゛ッ、あ゛ひばびゃあぁぁあぁ゛ぁぁああ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ああぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあぁあああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛あああ゛あああああああああ゛あ゛あ゛ああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!?????????????」千切られる側は噛み千切る側よりも圧倒的に苦しい。自分の指が手から離れていく感覚。その痛みをゆっくりじっくりまじまじと堪能することになり、五指が四指になる過程を痛覚で体感することになる。どれほどのショックを受け、どれほどのトラウマになるだろうか。しかもそれが自分から進んでではなく強制的になのだからそれは当然痛い痛い死にたい死にたくなるだろう。『終わってなかった上条は1回じゃ佐天の指を噛み千切りきれなかった躊躇があったのかもしれない躊躇いがあったのかもしれないふざけた気遣いがあったのかもしれない絶叫で口を閉じる力が弱まったのかもしれないだから2回目があった。2回口を閉じることになった』落差。10メートルの高所から落ちるのと100メートルの高所から落ちるのでは当然後者の方が落下ダメージが大きい。では精神的なダメージの話をしよう。虐められている人間は心に傷を負う。誰も助けてくれない現状に悲観して自[ピーーー]る。では誰かが助けてくれれば心の傷は治るのか。いや治らない。精神に負ったダメージは必ず残るモノだ。記憶は消えない。想い出は無くならない。そして1度(今度こそ噛み切れ、えッ!)は助けてくれた人がなぜか裏切って虐める側に加担することになればたぶんもう2度と立ち直れない。偽りの希望に縋ればそれに頼らざるを得なくなり依存するから。最底辺から救い上げて高所に登らせてあげた。そこからもう1度最底辺に落ちる。極上の逸品を食べなれた人間がファーストフードをまずいと感じるように、金持ちが貧乏人になっても金持ち時代の金銭感覚を忘れられないように。それはそういうモノで、そういったモノだ。だから佐天はもう二度と上条の友達にはなれないかもしれない。事実はどうでもよくて、ただ客観的に上条に裏切られたと感じてしまったのならば。
- 165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:14:26.72 ID:l6aSQntV0
- 「あああああああああAAAAAAAAAAAAAAAAAaaああああああああああああああああああああああああああああああaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 ([ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー][ピーーー]「[ピーーー]う!」ぅがああああああああああああああ!!!!![ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー][ピーーー][ピーーー]シネシね[ピーーー]シネ[ピーーー]死「許さないィ、いぎッ!!!」ね[ピーーー][ピーーー][ピーーー])
(死んじゃう!死んじゃう!死んじゃう!死んじゃう!)
(なんであたしがなんであたし「助けて」がなんであたしが) なんでアたし難であた死が) なんであたし仮名んであたしが) なんで亞たしがなんであた「助けて」しが) なんであたしがなんであたしが) なんであた歯牙なんであたしが) なんであたしが「助けて」なんであたしが) なんであたしヶ何であたしが) なんであたしがなんであたしが)なんであたしが) 「助けて」
「助けて」 「助けて」 「助けて」
「助けて」 「助けて」
「助けて」 「助けて!」
「助けて!」
(千切れる千切れちゃうよお……曲がる曲がる曲がる指がッ!?)
(あっあうっあああ指があああふヴば「指!」ヴぁののののののう指の左が左みたいだ ゆびが ゆが びが ゆびぃ のあうをあられた ああああぁ「指!」どあ どうな なるど なる なうら あうるのか「指!」? あおばる のか あ? はっはっ えが はっ えが「指!」 ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!!!!!!!!)
(助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて(HELPHELPHELPHELPHELPHELPHELPHELPHERPHELPHELPHERPHERPHERPHERPHELPHELPHERPMEMEMEMEMEMEMEMEMEME)助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて(救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って救って)助けて助けて助けて助けて助けて)
- 166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:15:03.48 ID:l6aSQntV0
- https://syosetu.org/novel/158074/72.html
とある暗部の御坂美琴(1周目) 作:一二三四五六
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惨劇最悪バッドエンドA あなた達が間違えた選択の果てに、世界は滅亡しました
終わった。
(終わった)
終わった。終わった。終わった。
(終わった。終わった!終わったあァァっっっ!)
だが、はたして何が終わった?
佐天の歯を噛み千切ることが?
もちろんそれは終わった。
佐天との間にあった信頼関係が?
それは修復は可能なほどに終わってしまった。
上条の精神性は?
それもまた、終わってしまったモノの1つだろう。
いくつもの出来事が終わり、モノとして存在しない目に見えない何かもまたいくつも終わってしまった。
それが良いか悪いかはまだ分からない。もしかしたら上条の行動が後の災厄に繋がるのかもしれない。
けれど、確かに此処に1つの事象は終了したのだ。
上条が終わらせた。
「はっ、はふっ……はぁーっ、ははっ!はぶ、げふッ!…………あ゛、…………ぁ゛」
唾液と血液でぐちゃぐちゃになった佐天の左手親指を掌の上に吐き出して、上条は荒い息のまま何とか佐天に話しかけた。
「さ、てん……大丈夫、か……?」
「……………………………」
返答はない。
「佐天……?」
膝に手をついて息を落ち着けながら、上条は顔を上げて佐天を見上げた。
佐天は、恐怖に歪んだ顔のままぐったりと頭を下にしていた。
「っ!……ぅ」
ピクリとも動かない佐天。
気絶している、のだろう。
全身から力が抜けている。だらりと下がった四肢に半開きになった口、開いた瞳孔。全てが佐天が正常ではない状態であることを示している。
言うまでもなく、上条がそうした。
(仕方なかった……仕方なかったんだ!)
そう、思うしかない。今はまだ、罪悪感を抱くわけにはいかない。
やらなければならないことがある。
佐天の痛みを、その犠牲を、無駄にするわけにはいかない。
「Aえー!」
と上条は食蜂を呼んだ。
佐天の左手親指が手に入った以上、後必要なのは刀夜の右目だけだ。つまり食蜂が刀夜の右目を抉りだせていれば、事態の全ては解決する。
はずなのに、
「何してるんだ……?」
奇妙なことに、食蜂は刀夜の右目に手を伸ばしたまま静止していた。
「大丈夫、か?」
緊張しているのだろうか。
躊躇しているのだろうか。
それも仕方ないと思う。上条だって、躊躇いの中で覚悟を決めて佐天の指を噛み千切ったのだ。だから食蜂が出来なくても仕方ない。
(いざとなったら)
いざとなったら、上条が食蜂の代わりをやるしかないだろう。
けれどまず、上条は食蜂を励ますためにその左肩に手を置いた。
「変わろうか?」
と声をかけて、
ドン、と食蜂の身体が倒れた。
「……………………………………………………………………………………………は?」
一瞬、停止。
だが、すぐに動き出す。
「食蜂!?」
倒れ伏した食蜂に上条はすぐさま駆け寄った。
何だ?何が起きている?どうして食蜂が倒れた?
「おいっ、どうした!?しっか」
呼吸が、停止していた。
心拍が、無かった。
「――――――――――――――――――――――しょく、ほう?」
一般的には、呼吸をせず心臓も停止している人間のことは死体と呼ぶ。
つまり、食蜂は死んでいた。
「待てよ」
死んでいた。
「起きろよ!何、何で……食蜂ッ!」
ガチャリと音がして、誰かが上条の背に凭れ掛かってきた。
- 167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:15:38.53 ID:l6aSQntV0
- 「ぐっ、痛ッ!?」
背中に奔った衝撃を振り払うかのように、上条は食蜂の身体を支えたまま片腕を背に手をやった。
何かが上条の背中に墜ちてきた。
何かが上条の背中に降ってきた。
それを背中から降ろして、上条は降ってきた何かを確認し、
上条刀夜が死んでいた。
「……、…………?」
今度は言葉すらも出なかった。ただ、ふらふらと開いている方の手が刀夜の頬に伸びた。ふらふら、ふらふら、ふらふらと。
「父、さん……?」
動かない。
ピクリとも、動かない。
触らなくても分かる。
触れなくても分かる。
上条刀夜は死んでいる。
「あ」
呆けたように口を開きっぱなしにして、食蜂を横たえ、上条は立ち上がった。何が起こっているのかわからない。何が起こっているのか分からない。何が起こっているのか分からない。
でも何かが起こってるのなら、と上条は立ち上がった。
四つの枷から解放され、倒れ伏した佐天が視界に入った。
「は」
確かにそうだ。食蜂が死んだ。刀夜が死んだ。ならば佐天だって死んでいるだろう。全くそうだ。非常に納得できる。
「なら、ジャーニーも……」
佐天と刀夜が解放されたなら、もちろんジャーニーも死んでいる。見る必要もない。だって、12のルールにはこうあった。『ジャーニーが培養器の外に出るか、ジャーニーが死亡した時点で2人の拘束は解かれる。』、なら当然ジャーニーは死んでいる。
4人とも死んだ。
此処で生きているのは上条だけだ。
「……外に」
なら、もう此処に居ても意味はない。外に出て、助けを呼ばなければ……。
ふらふらと頼りない足取りで階段を上り、部屋を出る。
その部屋の外では、少女が死んでいた。
「…………………、蜜蟻、……か?」
その顔には見覚えがあった。
蜜蟻と名乗る少女と同じ顔をしていた。
……待っていた、のだろうか。
ジャーニーを救出した後の上条に会いに来るつもりだったのだろうか。
死体は黙して語らないから、真実はもう分からない。
「……………………………、…………」
歩く。
ただ、歩く。
とにかく外に行かなければ何も始まらない。外に行けば助けを呼べる。助けを呼んで駆動鎧パワードスーツを止められる。だから、まずスタジアムの地下から出なければならない。
「…………もう、ちょっと」
後数歩でスタジアムの外に出られる。
後2歩でスタジアムの外に出られる。
スタジアムの外に出られた。
「っ」
太陽光の眩しさで僅かに目が眩む。だが徐々にその明るさに慣れて、視界が開けた。
インデックスが死んでいた。
- 168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:16:13.89 ID:l6aSQntV0
- 「――――――――――――――――――――――――――――――」
ひどい、酷い様だった。
片腕を切り落とされ、半ばまで切断された胴からは内臓が零れ落ちている。白を基調とした修道服はあちこち裂かれ、穴が空き、そこから今もなお流れ出る血が、修道服を赤黒く変色させていた。数えることすらも馬鹿馬鹿しくなるほどにインデックスの体の傷は多かった。
何度も、何度も、何度も。
誰かがインデックスの体を切り裂き、斬り付け、痛めつけ、命を弄び、尊厳を凌辱し、生き様を侮辱し、そして突き立てて、消えない傷を残したのだろう。
永遠に消えない、傷跡を。
どうして、そこまでされなければならなかったのか。
どうして、そこまでしなければならなかったのか。
「―――――――――――――――――――――――」
苦痛に満ちた顔を、
恐怖に歪んだ顔を、
せめて、せめて、せめて、少しくらい安らかにしたい。
だから上条は死にきったインデックスに近づいて、その瞳を閉じさせてあげた。
それくらいしか、出来なかった。
「……………………」
そうして、上条は携帯電話を取り出して病院に電話した。119番。死体を病院に渡さないといけない。
通話がつながる。
「あの」
自分でも驚くほどに冷たい声が出た。
なのに、
『―――――――――――――――――――』
「あの!」
通話口からの返答がない。
話しかけてこない。
「……仕事してくれよ」
119番からの返答がないなら自分で歩いて病院に行くしかない。
どこの病院が良いだろうか?一番近い所なら、やはりカエル顔の医者の所か?
「歩けば、いつか辿り着くか」
そう言って、上条はスタジアムの外に出る。
スタジアムの外には、輝の死体があった。
「……勝てなかったのか」
それだけ言って、上条は大通りに向けて歩き始める。大丈夫だ。死体が1つ増えただけだ。病院に連絡する手間が増えたけれど、それぐらい上条が負担するべきだろう。
10分ほど歩き、上条はようやく大通りに出た。
燃え盛る炎がいくつもあった。
「熱っ!」
炎上しているのは車だ。
交通事故が起こっているのだ。この大通りだけで何件も。
「……警察に、連絡しないと」
もう一度、上条は携帯電話を取り出して警察に電話した。
110番。
通話がつながる。
「あの」
『―――――――――――――――――――』
通話口からの返答がない。
話しかけてこない。
「……………………」
仕方がないから上条は電話を切って再び歩きだした。
どいつもこいつも仕事をせずにさぼっていて、学園都市は大丈夫なのだろうか?
「…………………………」
歩き続ける。
車の中で見知らぬ誰かが死んでいた。
歩き続ける。
歩道にある椅子の上で誰かが寝転がっていた。
歩き続ける。
道端でカップルが抱き合ったまま動かずにいた。
歩き続ける。
青髪ピアスが家に寄り掛かっていた。
歩き続ける。
炎の中に誰かが立っていた。
歩き続け、
「青髪ピアス……?」
振り返った上条は来た道を戻って青髪ピアスに近づいた。
近づいて、その瞳が何も映していないことに気が付いた。
- 169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:16:17.69 ID:IL2pbg5Q0
- 上条さんには最終的に美琴か操祈と結ばれて欲しい
あの二人は上条さんに対して特に献身的だから好印象
恩知らずで役立たずのインなんとかさんは絶対にNG
- 170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:17:02.76 ID:l6aSQntV0
- 「―――――――――――――――――――――――う」
一歩、下がる。
足が誰かの肉に当たる。
下を見る。
倒れ伏した吹寄と目が合った。
「うあああああぁぁぁぁぁぁぁッ――――――!!!」」
もう、我慢できなかった。
無茶苦茶に走り回る。
滅茶苦茶に叫ぶ。
「あああああああああああああああああっ!!!!!くがあああああああああああああああ!!!!!ぎあああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
両の目から流れ落ちる涙が視界を歪ませる。
あらゆるところにある血液がびちゃびちゃと上条の足元で跳ねる。
どうしようもない。
もう、どうしようも、ない。
「何なんだよ、これ…………」
全て、死んでいた。
「何なんだよ、これっ!?」
死が、溢れていた。
「何なんだよ!これは!?」
ここには死しか、なかった。
「誰か、誰かいないのかよ!!!」
もう恥も外聞もなく上条は走り回った。ようやく、脳が現実を直視した。
死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「誰か!誰かァッ!誰でもいいから、返事してくれよ!!!」
死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「ふざけんなよ!どうしてこんなことになってるんだよ!!!俺が、俺……ああああああああああああっ!」
死んでいる。死んでいる。死んでいる。
「なんで、……なんで……っ、インデックス……インデックスぅ……うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
全てが終わって滅んでいる。
視界を埋め尽くす赫と無数の死体だけが、上条が今ここにいる証明だった。
膝をつく。
何もかもが死に尽くした世界で、徐々に上条の正気が薄れていく。
なにもわからない。
なにもかんがえたくない。
精神を犯し尽す絶望が上条の中から希望を消し去っていき、五感すら奪い去ってく。
消える。消える。消え失せる。
意識が、思考が、感情が、何も残らない。
はずだったのに。
ざっ、と上条の後ろで足音がした。
「ッ!?」
その音を聞いた上条はまるで今にでも消えそうな蝋燭の明かりを必死に維持しようとするかのように振り向いた。
生きている人がいる?
誰かがまだ、生きている?
そう思って、上条は振り向いて、
白過ぎる腕に、首を掴まれた。
「あぎぃッ!?」
絞まる。しまる。しまっていく。
首が徐々に絞めつけられていき、呼吸が出来なくなっていく。
「だ……に……」
誰が上条の首を絞めているのか分からない。
何で上条が首を絞められなければならないのか分からない。
だが、
「時間、掛けすぎだよ」
全てが死に犯された世界に色を喪った呟きが響き、
――――――上条当麻の生命活動は、完全に停止した。
これで『とある暗部の御坂美琴』は完結となります!
3年モノ長い期間の連載となりましたが、今まで付き合ってくれた方には非常に感謝です。本当にありがとう!
後日にあとがきを投稿させてもらいますが、本編はこれで終わりです。
本当に、本当に、ありがとうございました!
セーブデータをロードしますか?
はい←
いいえ
- 171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:18:01.70 ID:l6aSQntV0
- https://syosetu.org/novel/158074/73.html
とある暗部の御坂美琴(1周目) 作:一二三四五六
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1周目における第一部第二章は惨劇最悪バッドエンドで終了したため現段階においては取得ポイントを計上できません。
ご了承下さい。
とある暗部の御坂美琴(1周目) 総合評価
第一部第一章 評価
第1評価
話数 111話……条件未達成。
合計文字数 562569文字……条件未達成。
平均文字数 5114文字……条件達成。
UA 57781……条件達成。
お気に入り 157件……条件達成。
感想 104件……条件達成。
総合評価 266pt……条件達成。
平均評価 6.41……条件達成。
調整平均 6.60……条件達成。
第1評価値算出
―111―5625―114+5778+157×10+104×10+266×10+6.41×100+6.60×100=6499
条件達成 7
条件未達成 2
二章開始時における難易度がハードになりました。
条件達成と認定。
取得ポイント 6499SP
- 172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:18:41.13 ID:l6aSQntV0
- 第2評価
誤字指摘……54箇所。
読者による設定不備指摘……8箇所。
能力名が四文字では無いモノがあることに関する伏線……指摘済み。
アレイスター=クロウリーによる絶対能力進化実験レベル6シフトの干渉に関する伏線……指摘済み。
初まりの領域に関する伏線……指摘済み。
全体個体『御坂美琴』に関する伏線……指摘済み。
世界物語理論に関する伏線……指摘済み。
裂ヶ淵瞑娥さくがぶちめいがによる位相斬りに関する伏線……指摘済み。
千疋百目の地下下水道脱出行動に関する伏線……指摘済み。
木葉桜十五夜の召喚した武装に関する伏線……指摘済み。
『神』になった一方通行アクセラレータに関する伏線……指摘済み。
もう1つの絶対能力進化実験レベル6シフトに関する伏線……指摘済み。
千疋百目が地下下水道の崩落から白井黒子を助けた理由に関する伏線……指摘済み。
伏線を『貼る』が誤字ではない理由に関する伏線……指摘済み。
【】に関する伏線……指摘済み。
初春飾利の所属に関する伏線……指摘済み。
一方通行アクセラレータの魔神化を想定内とした存在に関する伏線……指摘済み。
御坂美琴が一方通行アクセラレータを拷問した理由に関する伏線……指摘済み。
アレイスター=クロウリーの進める『計画プラン』に関する伏線……指摘済み。
『死』の定義に関する伏線……指摘済み。
上条当麻が敗北したことに関する伏線……指摘済み。
風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属する人間に関する伏線……指摘済み。
全体個体『御坂美琴』の思考矛盾に関する伏線……指摘済み。
風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織構造に関する伏線……指摘済み。
見捨てられた女グレイレディの正体に関する伏線……指摘済み。
ミサカネットワーク総体の気付きに関する伏線……指摘済み。
風紀委員本部セントラルジャッジメントと滞空回線アンダーラインに関する伏線……指摘済み。
原作では気づくことのできたぬいぐるみに関する伏線……指摘済み。
上里翔流に関する伏線……指摘済み。
アルフの発言に関する伏線……指摘済み。
占卜卜占に関する伏線……指摘済み。
アレイスター=クロウリーの上条達へのバックアップに関する伏線……指摘済み。
第2評価値算出
54×0.5+8×5+30×1=97
『真実解明トゥルーエンド』ルートへルート分岐。
――――――世界物語キャラクターストーリー理論による正史認定を行いました。
以下、第一部第一章は『真実解明トゥルーエンド』ルートで固定されます。
条件達成と認定。
取得ポイント 9700SP
第3評価
御坂美琴VS死縁鬼苦罠……勝者 死縁鬼苦罠
御坂美琴VS一方通行アクセラレータ……勝者 全体個体『御坂美琴』
木葉桜十五夜VS罪罰贖&波並波狂濤……勝者 木葉桜十五夜
木葉桜十五夜VS矛盾矛盾&鳳仙花蝶々……勝者 木葉桜十五夜
木葉桜十五夜VS一本線点々……勝者 一本線点々
ミサカ10032号VS一方通行アクセラレータ……勝者 一方通行アクセラレータ
白井黒子VS千疋百目……勝者 千疋百目
白白白VSアレイスター=クロウリー……勝者 不明
上条当麻VS扼ヶ淵埋娥……勝者 扼ヶ淵埋娥
神亡島刹威VS浣熊四不象……勝者 浣熊四不象
一方通行アクセラレータVS『空白の主』……勝者 『空白の主』
常世涯最果VS木原脳幹……決着つかず
木葉桜十五夜VS『空白の主』……決着つかず
木葉桜十五夜VS『空白の主』VS木原脳幹……引き分け
常世涯最果VS裂ヶ淵瞑娥……勝者 常世涯最果
ミサカ19090号&ミサカネットワーク総体VS死縁鬼苦罠&天埜郭夜……勝負中
アレイスタークロウリーVS白白白……勝負中
佐天涙子……敗北者
- 173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/17(木) 19:19:03.73 ID:n6MRq9y1o
- でも上条さんはインデックスが上条さんにキスされかけたらぶちギレるくらいにはインデックスのこと大好きなんだよな
- 174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:19:23.38 ID:l6aSQntV0
- 第3評価値算出
―1+0+0+0+0+0―1+0―1+0―1+0+0+0.5+0+0.5+0.5+1=−1.5
侵略者インベーダーによる侵蝕が1段階進みました。
条件未達成と認定。
取得ポイント ―1500SP
第一部第一章総合取得ポイント算出
6499+9700−1500=14699
合計取得ポイント 14699SP
上条当麻のステータスを表示します
上条当麻……性別 男
年齢 15歳
特殊能力 幻想殺しイマジンブレイカー
称号 主役級メインキャラクター、主人公ヒーロー、救済者ヒーロー(未覚醒状態)
称号スキル 主人公補正(真)、なるようにならない最悪If nothing is bad、カリスマ(弱)
固有スキル 前兆の感知(兆)、不幸、不撓不屈(弱)
買い物
何を買いますか?
特殊文字(認識不可状態)の可視化(第一部第一章のみ)……100000SP
イベント絵……各50000SP
スキル……各10000SP
記憶の引継ぎ……10000SP
サブストーリー……各5000SP
アイテムの引継ぎ……5000SP
経験値の引継ぎ……1000SP
友好度の引継ぎ……1000SP
TIPS……各100SP
イベント絵詳細
頂にて君臨する風紀委員本部セントラルジャッジメント
汝、人を捨てても護りたいモノがあるか?
- 175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:20:13.38 ID:l6aSQntV0
- スキル詳細
前兆の感知
説得
女たらし
サブストーリー詳細
御坂美琴初めてのお仕事
たぶん最終章にならないと意味の分からない会話劇
上里勢力結成譚 第一幕
TIPS詳細
オリジナル単語1つに付き100SP
記憶の引継ぎ……10000SP ←
記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?
はい ←
いいえ
使ったSPは二度と戻りません。それでも 記憶の引継ぎ……10000SP を買いますか?
はい ←
いいえ
記憶の引継ぎ……10000SP を買いました。1周目の記憶が2周目に引き継がれます。
取得ポイントが4699SPに減少しました。
他には何を買いますか?
特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP ←
特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買いますか?
はい ←
いいえ
特殊文字(認識不可状態)の可視化……100000SP を買うためにはSPが足りません。
取得ポイントは4699SPのままです。
他に何を買いますか?
- 176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:20:48.26 ID:l6aSQntV0
- https://syosetu.org/novel/158074/74.html
とある暗部の御坂美琴(1周目) 作:一二三四五六
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74 / 74
私はいつも一人だった。
だから願った。愛されたいと。
私は多くの人から愛された。
だから思った。一人がいいと。
そして私は独りになった。
だから悟った。これが幸福だと。
――――――二九七
それでも僕は、明日が欲しかった
裏お茶会~1周目~
崩れ落ちる上条ヒーローの身体を睥睨しながら、230万の死体で溢れる学園都市の中で僕は溜息をついた。
「わりと、期待してたんだけどね……」
言葉にすることで僕は僕自身の考えを再認識する。
そう、期待していた。本当に期待していたんだ。
上条当麻なら、あるいはこの僕を上回ることが出来るかもしれない、と。
「いや、……矛盾だな」
僕の世界の人類を護るためには、いずれ上条当麻は必ず[ピーーー]ことになる。それが早いか遅いかの違いだ。
「…………遅かったね、アレイスター」
「殺したのか」
「どのみち、間に合わなかったさ。彼はあまりにも遅すぎた」
男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見える『人間』、そう評されるアレイスターの方に視線を投げかけて、僕はこの全てが終わった世界を見通す。
70億の、そして数百の死体しか存在しないこの世界でただ1人、僕だけは違うから。
結局すべてが絵空事の虚言でしかないと知っているから。
「それを分かっていたからこそ、君も滅亡齎す七の子羊セプテム・アニュスの対策を発動させなかったんだろ」
「あの程度の術式に気付けないのならば、どのみちヤツは救済者ヒーローには相応しくないだろう」
「随分な言い様だ……。君の、君達の主人公ヒーローだろう?」
「違うな。私達の主人公ヒーローは彼ではない。上条当麻だ」
「厳しいね……。彼だって、僕がいる中頑張ってると思うけど」
「結果世界が滅んだが?」
「……………………もう少し、サポートしてあげれば良かったのに」
フラグが立たなかったのは確かに上条の責任だが、たった1回で完全な救済を為せだなんて難易度が高すぎるだろう。今回は解決しなければならなかったことが多すぎる。瞬を倒して、蜜蟻をどうにかして、学究会防衛作戦を成功させ、咎負虐殺を止める。
そんなの無理だ。
僕だって、サポートなしで出来るとは思ってなかった。
「それは」
「呼ばれてないのにじゃんじゃじゃ〜〜〜ん!!!」
空から純正の人類絶対悪が降ってきた。
「五行……。今結構重要な話してたんだけど」
「あぁ、あぁ、あ〜あ。まさかこんな結末になっちゃうなんてなぁ〜」
「聞けよ」
いや、五行が人の話を聞かないのはいつものことなんだけど、今だけは邪魔しないでほしかった。アレイスターと一対一で、互いの本当の立場を曝け出して話せるのなんて、今ぐらいしかないだろうから。
「木原五行、全能存在パントクラトールか」
ほら話が次に移った。
「……………はぁ」
僕の隣に立つ少女を見て、アレイスターが言った。
当然、調べられている、か。
「くきっ、くききッ!!!ま〜さっか!第六物語シックススストーリーの主人公ヒーローが死んじゃうなんて。フラグの立て方ミスっちゃった?」
「あぁ、ラスボスとの交戦フラグを立てないでサブイベントに入れ込んだんだ。馬鹿なことにね」
「くきっ!なら私のしたことの意味がなくなっちゃうな〜。せっかく、第七物語セブンスストーリーの主人公ヒーロー連れてきて物語交錯クロスオーバーさせてあげようと思ったのに」
わざとらしい口調でアレイスターを挑発する五行を僕は止められない。権限自体は僕の方が上だし、立場も僕の方が上だけど、物語を進める役トリックスターの自発的な動きを止めることは僕には出来ないし、しようとも思わない。
そういう称号キャラクター性の持ち主の行動はどのみち止められないモノだし。
「ふん、たかが全能如きが私と の話を邪魔をするのか」
だいたい、物語を進める役トリックスターは自由だからこそ意味があるんだ。
「くきぃ!たかがっ、たかがだってさリーダー!……このあてをたかがだなんて、さすがにムカつくかなあああああああああああああ!!!!!」
だからほら、また勝手に手の内を晒す。
「超克科学オルディニスクレアーレ――――――完全無欠ウルトラ、十全十美スーパー、常勝不敗アンリミテッド、絶対究極パーフェクトガール、故に私は全知全能の絶対神イズミー!」
超克科学オルディニスクレアーレ。覚醒ブルートソウルした極点突破者デスペラードのみが使う事の出来る世界物語キャラクターストーリー理論の最終到達地点。人類最終到達地点候補生たちの目指すべき場所。
といっても今回五行が使ったのは見る限りただの即興術に過ぎないのだけれど、出来れば勝手に使わないでほしかったなぁ……。
「あれ?発動しない……?……うん?」
まぁ、当然邪魔されるんだけど。
「全能の逆説オムニポテント・パラドックス。……まさか知らないわけではあるまい」
二言だった。そして、その事実がアレイスター=クロウリーという魔術師にして科学者の強さを示しているんだ。
「……ぶ〜、つまんなぁ〜い」
がっかりと肩を下げて、興がそがれたように超克科学オルディニスクレアーレの発動を止めた五行。まさか、全能の逆説オムニポテント・パラドックスを、全能者は全能であるが故に全能ではないという一学説を忘れたわけではないだろうに。
いや、五行のことだから本当に忘れていたのかもしれないけど。
「殺しちゃう?殺っちゃう?ねぇリーダー!」
「落ち着けよ五行。いや頼むから落ち着いてくれ。だいたい彼を殺したところで」
空から剣が降ってきた。
- 177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:21:40.50 ID:l6aSQntV0
- 「死を晒せよ、侵略者インベーダー」
そんな声と共に、全長数十キロメートルにもわたる長大な剣が五行の脳天に向かって振り下ろされる。誰が、どうやって?そんな疑問が浮かぶ……、
「痛い」
だなんてことは当然なかった。
当たり前のことだ。僕は知っている。僕は識しっている。その剣がどんなもので、その剣を操るのが誰なのかを。
「痛い痛い痛い!痛いよリーダー助けて!」
「はいはい。ちょっと待ってろ」
剣が直撃してるのに傷一つついてないくせにそんな泣き言を言う五行に呆れながら僕は軽く剣に触れる。それだけで、剣は消え去る。
干渉。
無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreakerを使う僕からすればこの程度のことは当然だ。
「出てきなよ。いるんだろ?」
「無傷か」
いつの間にかアレイスター=クロウリーの隣に立っている男を僕は知っている。
「右方のフィアンマ。あいつの下位互換程度が今更何の用?というか、この大絶滅リセットから生き残ってたんだ」
「……俺様も舐められたモノだ」
僕のあからさまな挑発に、右方のフィアンマはあからさまに怒りを見せた。まぁ、下位互換と言われていい気になるような人間はいないだろう。
「あいつ、それって僕様のこと言ってるの、主あるじ?」
そいつは右方のフィアンマと同じように突然現れた。
これで3VS2。
「『神の代行人』GE13か」
「……下位互換程度が僕様に話しかけるなよ。ウザいんだよ代替品」
GE13が右方のフィアンマを睨みつける。仕方がない事とはいえこの2人は相変わらず相性が悪い。といっても聖なる右を持つ右方のフィアンマが『神の代行人』であるGE13の劣化レプリカなのは周知の事実だ。そして自分の劣化レプリカ、クローンのようなモノが勝手に造られたというのは確かに気分の良いモノではないだろう。
「なんだ、還してほしいか?GE13オリジナル?」
誰が見ても分かるくらい上から目線だった。
その挑発には、当然GE13は耐えられない。
「――――――調子にっ」
「やめろ」
だから僕は止めに入った。やれやれ、いくら『核』が固まっていないとはいえ、安易に行動するのはやめてほしいモノだ。
「あひゃひゃ!怒られてやんの〜!」
「……主」
縋るように目を向ける13を、それでも僕は静止する。
「13、別に聖なる右を使われたところで君がオリジナルであるという事実は揺らがないさ。だから簡単な挑発に乗るなよ。……まだ、底を見せるな」
「了承したよ、主」
底が知られても強さが変わらない先住民センチネルにとって強さを示すことは恐怖ではない。彼らの強さの限界点は1度知られている、だからこそその『上』にいけるんだ。底が暴かれれば弱くなる僕ら侵略者インベーダーとは違う。僕らは安易に力を晒せない。そうすれば、終わってしまうから。
「それにしても、本当に君達はこれで良かったのかい?」
「何がだ」
「大絶滅リセットで利するのは言うまでもなく侵略者インベーダーたる僕らだ。先住民センチネルたる君達からしたら、大絶滅リセットだけはどんな手段を使っても回避したかったんじゃないのかい?」
少しの沈黙の後にアレイスター=クロウリーが口を開いた。
「ある意味ではそうかもしれない」
肯定が返ってきた。
「だがある意味ではそうではないだろう」
否定も返ってきた。
そして後に続くように右方のフィアンマが言った。
「俺様達ももはや純粋な先住民センチネルとは言えまい。ならば妥協はするべきだ、というのが俺様達の出した結論だ。大絶滅リセット程度ならば、完全閉鎖アーカイブスルーや中断事象リアルが起きないのならば、やりようはいくらでもある」
「ふぅん……そう。だったらまぁ、初お披露目はこの程度でいいかな」
そう言って僕は、諦めたように言う。そういうしかないから、言う。
「愛し子よMary、愛し子よMary、僕の愛するMy fair愛しき世界よMary Sue。
その運命を改変しておくれCambiare il destino、
その物語を書き換えておくれFare una storia。
我が神のお望みとあらばWenn es meines Gottes Wille、
我らが神のお望みとあらばWenn es unsere Gottes Wille、
過去など無いに等しいのだDie Vergangenheit ist vorbei。
すべての可能性を内包した書の中でO mundo onde há esperança e o desespero
ただ一つの意志のみがEle destruiu何もかもを無に帰すのだo mundo」
何度も言ってきた初めての詠唱を、僕は紡ぐ。
「絶対不変の絶対法則アンチェンジナブルラウ――――――無限に修正され続ける罪深き世界5Re:worldbreaker」
「さあ、やり直そうか」
「次は、失敗しないようにね」
一つ言っておこうか。
愛がないのならば、この物語の真実には辿り着けない。
- 178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/17(木) 19:22:16.15 ID:l6aSQntV0
- 一方通行が魔神にされた後無様に死ぬからおすすめ
- 179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/18(金) 17:05:40.88 ID:2noQKD4e0
- どうでもいい
一方通行は大嫌いだけど興味ない
- 180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:26:17.11 ID:wj/EPCyv0
- 原作でそうなってくれたら面白いんだけどねえ
つーかもう原作は何すりゃゴールなのか分からん状態だし
- 181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/18(金) 20:28:46.75 ID:jANa4d/Fo
- 悪党の美学がとか俺は悪党とか言ってた頃よりクリファパズルを必死に救おうとした今の一方通行の方が好き
- 182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 00:19:24.21 ID:PtFgOiUt0
- 自分を倒して実験を潰した上条さんを尊敬している点は好き
- 183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:03:37.94 ID:rjguaOC00
- https://syosetu.org/novel/56774/76.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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いつもよりちょっとだけ長いです。
気付いた二人@ 神速の対応 一方通行と『空白の主』@ 『空白の主』
『それ』を真に正しく理解できた人間は学園都市内に二人いた。
まず一人目は学園都市の主アレイスター=クロウリー。
彼は、『それ』に強く関わっているが故に、『その領域』の人間と敵対しているが故に、『その行為』に気付くことが出来た。
「…………………………………………………………………………………………………………………………、」
ほんの一瞬だけ、
刹那の時間だけアレイスターは逡巡した。
そして、
「頼めるか」
短い問いかけがあった。
『任せておけ、アレイスター』
その問いかけに短い返答があった。
そして、問いを答えたヤツはすぐに『窓のないビル』から去り準備を始めた。
さらにもう一人。
学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階天秤の間にて風紀委員長白白白も『それ』に気付いていた。
「さすがに、予想外だな……」
確かに、見る程度ならできるかもしれないとは思っていた。それを見ることは可能かもしれないとは考えた。
だがまさか操れるとは、操作できるとは思っていなかった。
認識が甘かったと言えばそれまでだが、おそらくこの事態を予想できた人間は世界に一人もいないだろう。
かの統括理事長もこの事態は予測できないはずだと思った。
だから、これは後手に周っているわけでは無い。挽回はまだ可能だ。
「まさか、このタイミングで切り札を切ることになるとは……」
椅子に座ったまま受話器を取り、特殊なリズムで特別な番号を押した。
風紀委員本部セントラルジャッジメント。その地下第11層を住みかとする存在に、『切り札』に、命令を与えるために。
プルルというワンコールの音すらならずに電話がつながった。
「最果さいはて、出番だ」
意識を引きずられないようにしながら白は声をかける。
「おやぁ」
妙に間延びした声で、電話口の人間は答えた。
「私が表に出るのは大覇星祭の時ではなかったんじゃ?」
「事情が変わった」
「事情がぁ?」
「あぁ」
心の準備を決めてから、白は通話の相手である最果にその事情を話す。
下手をしたらそれだけで死ぬかもしれないという緊張感をまとわせ、風紀委員本部セントラルジャッジメントの切り札の一人に、白は言った。
「学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータが位」
「行こう」
白の台詞は最後まで言われることはなかった。
電話相手の最果が一方通行アクセラレータが何をしたのかに気付いたからだ。
「座標は?」
「ポイントA18だ。だが、その前にポイントX000で『彼』とぶつかるはずだ。君には『彼』を足止めしてほしい」
「………………………ほぉ」
ほんの少しだけ不満の色が見られた。とはいえ、ほぼ軟禁状態の最果にとって外にきちんと出られる機会を逃す気はない。
一方通行アクセラレータがいじった後を見ることが出来ないのは残念だが、『彼』と戦えるというのならば、そこまであからさまに反抗する必要もないだろう。
「装備は?」
「全部許可する」
「専用武器も?」
「あぁ」
「………………………ふふ、了解ぃ」
楽しそうに笑いながら、間延びした声で最果は笑った。
本当に、楽しそうに。
「迎えは奇鬼喜きききに行かせる。速やかに行動しろ」
それだけ言って白は電話を切った。
天秤の間を沈黙が満たす。
その沈黙の中でもう一度白は受話器を手に取った。今度は、十五夜につなげるために。
予期してはしないだろうが一方通行アクセラレータは世界の理に干渉してしまっていた。
だからこそ、この二人は全力を挙げて動いたいた。
これ以上、もうこれ以上いじられてはたまらない。
世界の強度がどれくらいもつのかはわからないのだから。
学園都市統括理事長、風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長。
非常に珍しいことだが、この時二人の思惑は一致していた。
まぁ、だからといって協力できるということにはならないのだから。
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:04:11.99 ID:rjguaOC00
- 「…………………………………………………………………………………………………ぁ?????」
気がつけば白い空間に立っていた。
「こ、……こは?」
白。
白く白く白い。
ただひたすらに白しかないこの空間。
上を見ても下を見ても右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても白。
白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白白。
そんな空間に一方通行アクセラレータはいた。
「なンだ?俺は、確か…………」
記憶をたどる。
今を理解するために、過去を探る。
一つ一つ順番に、たど
その時だった。
「お・や・」
声が、かけられた。
「ここ二に人間が来るとは珍四一しい」
声をかけられる。日常的な何も不思議ではないことだ。
ただそれだけだったのに、
それなのに、
「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!??????????」
全身が泡立った。
肌が、脳が、身体の全てが無意識に緊張状態に陥った。
「誰だッッッ!!!!!」
声をかけたのが誰かなど知らない。そんなことは分からない。
ただ一つわかる。
理解できる。
学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータで理解できる。
「オマエは……っっっ」
わかる。
これがそうだ。
これが、これこそが、
恐怖。
人が抱く根源の衝動。
恐・怖・。
「誰だ……っっっ……!!!!!」
その問いに、彼女は答えた。
「私か一い」
目の前の存在は見た目だけを見れば極一般的な少女の姿をしていた。
「私は、そうだね」
だが違う。
見ればわかる。感じる。認識できる。
こいつは、
こいつは、
こいつは、
絶・対・に・人・間・じ・ゃ・な・い・!!!!!!!!
「『空白の主』。そう、呼ばれる存在さ」
敵だ。
あきらかに、絶対に敵だ。
敵。
それも、一方通行アクセラレータの敵という意味では無い。
そんな小さな意味では無い。
危機感が絶望が終焉の気配が迫って募って嗤っている。
この目の前の女は、
人・類・の・敵・だ・!!!!!
「『空白の主』……………………」
ヤバい、と体感で分かる。
強さの質が違う。
言うならば運動会の徒競走で勝つために、参加者全員の足をへし折るようなものだ。
立っているステージが違う。
存在の位階が違う。
これはそう、
神とか呼ばれる存在だ。
現に、
現に現に現に。
「本名自体は別二あるけどね。けれど、君は見た十五六私の名を呼べる段階では七一ようだ四、『空白の主』十呼んで九零たまえ」
この存在は一方通行アクセラレータを見ていながらにして、一方通行アクセラレータを見ていない。
視線は確かに一方通行アクセラレータの方を向いていながらも一方通行アクセラレータをとらえてはいない。
もっと別の何かを見ている。
もっと奥の何かを見ている。
もっと違うモノを見ている。
見られている。見られている。見られている。
「―――――――っ、ぁ」
- 185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:04:51.44 ID:rjguaOC00
- 怖い。恐怖。
御坂と戦っている時だってここまではっきりとは感じなかった。
心臓を直接握られているような、脳に爆発物を入れられたような、そんな恐怖心。
対抗しようと思えること自体が奇跡とさえも思える、そんな感情。
なんなんだこいつは?
そもそもどこなんだここは?
御坂美琴は、あの戦いはどうなった?
「ん?」
いつのまにか『空白の主』と名乗る女(?)が一方通行アクセラレータの目の前に来ていた。
「ッッッ!!!!!」
グイッ!顎を持ち上げられて、
「何を恐零る必要があるんだ一?五五二来たと一う事八程度の差八あ零世界の仕組三を理解四十一ると一う事だ六う?」
などと言われた。
「五の世界の深奥の秘密。秘匿さ零た最奥の領域。明かさ零十八七ら七一その存在を知ったのだ六う」
続けて『空白の主』はこう言う。
「魔術の領域二住ま一、そ四十五五二至零たのだ。君二も何か明確七願一があるのだ六う?言っ十三七三一。何、遠慮する必要七ど七一」
願い?
願いだと?
「ね――――――がい……?」
「そうだ。願一だ」
一方通行アクセラレータは思考する。
願い。たしかにそれはある。もともと絶対能力進化実験レべルシックスシフトなんて馬鹿げた計画に参加したのは一方通行アクセラレータ自身が絶対能力者レベルシックスという領域を目指していたからだ。
絶対能力者レベルシックス。現状の学園都市に存在する超能力者レベルファイブよりも上の強度の、おそらく神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くものSYSTEMに至ることすら可能なその領域に至ること。
それが目的だった。願いだった。
本当に?
「ね………………が、――――――い?」
高純度の麻薬を吸ったように脳がくらくらする。とめどない思考が体中をめぐる。
目的、目的、目的。
一方通行アクセラレータは思考を続ける。
絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加し絶対能力者レベルシックスに至る。それが一方通行アクセラレータの目的であったことは間違いがない。
でなければ劣化量産品クローンを二万体も[ピーーー]などという怠い作業を続けるわけがない。
だがしかし、そもそもなぜ一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスになろうと思ったのか。
絶対能力者レベルシックスになりたいと思っていた?
違う。一方通行アクセラレータは別に絶対能力者レベルシックスになりたいとは思っていない。
研究者の実験を断れなかった?
まさか、一方通行アクセラレータは学園都市第一位の超能力者レベルファイブにして闇の中の住人だ。その気になれば参加する実験など取捨選択は容易だ。
では単純に絶対能力者レベルシックスという領域に興味があったのか?
(…………………………………………………………………………………………いや)
それも違う。確かに絶対能力者レベルシックスには興味があった。この力はどこまで行くことが出来るのか、自分はどこまで強くなれるのか、そういうことに興味がなかったと言えば嘘だ。
でもそれは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加する理由としては弱いように思えた。力への執着のみで絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したわけでは無いのは直感的に理解できた。
であれば、いったいどうして一方通行アクセラレータは絶対能力進化実験レべルシックスシフトに参加したのだろうか。
思考する。
答えは出ない。
思考する。
答えは出ない。
思考し続ける。
答えは出ない。
答えは出ない。
答えは分からない。
学園都市一の頭脳を持っている一方通行アクセラレータでも、その問いに対する答えは、自らが絶対能力者レベルシックスを目指そうと思った理由が、その始原の衝動がわからなかった。
黙っている一方通行アクセラレータを不可解な思い出見つめていた『空白の主』はいつまでたっても黙して語らない一方通行アクセラレータを前に一つの事実に気付いた。
「……………………ま三か七一のか?」
驚愕の表情で『空白の主』は呟く。
ありえない、と内心で『空白の主』は思った。
『この場所』に来る生命が何の願いも持たないなどあり得ない。ただの興味や好奇心や偶然で来れる場所ではないのだこの場所は。
確固たる意志があり、絶対に達成したい目的があり、そのために死に物狂いで行動し、死をいとわずに動き、それでやっと至ることのできる場所なのだ。
確かにその『位階』に至ったのであれば『願い』は叶ったといってもいのかもしれない。だが、『この場所』に至るという事はそもそも世界の根幹自体を作り直したいと思ったはずだ。
ならば、願いがないなどあり得ない。
「なら仕方が七一。願一を口二四七一のであ零ば、強制的二見せ十もらうまでだ」
数年ぶりに『この領域』に来た生命がいるのだ。その生命の願いを知りたいと思うのは『空白の主』にとって自然なことだった。
なにせ、この領域に来れたという事は世界の仕組みを、重なった位相を理解したという事なのだから。
最・初・の・一・人・として長き時を生きる『空白の主』の興味を引くのも当然だった。
スッと一方通行アクセラレータの顎に手を当てたまま、『空白の主』は一方通行アクセラレータの瞳をじっと見つめた。
その瞳の奥にある一方通行アクセラレータの記憶を覗き見るように。
だが、
- 186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:05:59.02 ID:rjguaOC00
- 「……………………………………………へ?」
明らかな戸惑いの声が『空白の主』からもれた。
予想もしていなかった事態が起きたのだ。
「超能力者……?ま三か、魔術師で八七一のか……!?」
『空白の主』にはとある先入観があった。それは『この領域』に来る生命は程度の差はあれ『魔術師』であるというものだ。
『魔術師』でなければこの場所には来れない。これは永き時を生きる『空白の主』にとってほとんど確定事項であった。数少ない、それこそ数人の例外を除けば『科学』に属する人間が『この領域』に来れるはずがないのだ。
だからこそ『空白の主』は一方通行アクセラレータの内面を覗き込んだ時戸惑いをあらわにした。
一方通行アクセラレータが科学の街の総本山、アレイスター=クロウリーが作り出し、支配する学園都市に属する超能力者であることに気付いたから。
「八っ、からからからからから!!!!!そうか、至零たのか!!!」
それに気づき、だから連鎖的に『空白の主』はもう一つの事実に気付いた。
つまり、魔術師では無い科学の側の人間が、超能力者がここに至るという事の意味だ。
「うん?気付一十一七一のか?なら、私が教え十あげよう」
アレイスター=クロウリーが目指したいたものの終着の形の一つ。それが、もうすでに再現されていたのだ。
つまり、
「おめで十一方通行ア九セラ零ータ。君八もう絶対能力者零ベル四ッ九ス二至っ十一るよ」
あまりにも簡単に『空白の主』は言った。
二万を殺してなれるはずの絶対能力者レベルシックスに一方通行アクセラレータはなっていると。
「そ四十、その先の領域二もね」
そのあまりにも簡単な言い草に一方通行アクセラレータは逆に確信を思えてしまった。絶対能力者レベルシックスになっているという確信を。
「ふむ、だが五のまま君が帰っ十四まうのも面白九七一七」
だから一方通行アクセラレータは一瞬戸惑った。一方通行アクセラレータは絶対能力者レベルシックスを目指していたが絶対能力者レベルシックスになりたかったわけでは無い。それを先ほど確認したばかりだ。
ならば、これから先は何を目指すのか、どうすればいいのか。
「気乗り四七一が、うん久四ぶり二戦う十するか」
そんな思考を巡らせていると唐突に『空白の主』が戦闘の意思を示してきた。
「さぁ構えたまえ一方通行ア九セラ零ータ。その力を私二向かっ十ふるっ十九零」
自然体だった。
あくまで自然体で『空白の主』はそういった。攻撃をしろ、と。
だが動けない。
明らかに隙だらけなのに感覚として感じる明確な『圧』のせいで体が動かない。
「来七一の七らば五ちらから行九ぞ?」
いつまでたっても攻撃してこない一方通行アクセラレータに辟易したのか、『空白の主』はボクシングのようなファインティングポーズをとり明確に攻撃態勢を作った。
そして、その超絶至近距離から『空白の主』の軽いジャブが一方通行アクセラレータに振るわれ、
「そこまでです」
いつのまにか現れていた風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜が『空白の主』の手を掴んでいた。
新キャラ『空白の主』。
この物語の中枢に位置する生命体です。
いまさらと言えば今更すぎるんだけど……
この作品、オリジナルでやった方がいいような気がしてきた……。
いやっ!最後まで書きますけどね!!!
作者の最大の罪は作品を完結させないことですから!!!!!
- 187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:07:04.05 ID:rjguaOC00
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とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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いつもよりちょっとだけ長いです。
気付いた二人@ 神速の対応 一方通行と『空白の主』@ 『空白の主』
『それ』を真に正しく理解できた人間は学園都市内に二人いた。
まず一人目は学園都市の主アレイスター=クロウリー。
彼は、『それ』に強く関わっているが故に、『その領域』の人間と敵対しているが故に、『その行為』に気付くことが出来た。
「…………………………………………………………………………………………………………………………、」
ほんの一瞬だけ、
刹那の時間だけアレイスターは逡巡した。
そして、
「頼めるか」
短い問いかけがあった。
『任せておけ、アレイスター』
その問いかけに短い返答があった。
そして、問いを答えたヤツはすぐに『窓のないビル』から去り準備を始めた。
さらにもう一人。
学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階天秤の間にて風紀委員長白白白も『それ』に気付いていた。
「さすがに、予想外だな……」
確かに、見る程度ならできるかもしれないとは思っていた。それを見ることは可能かもしれないとは考えた。
だがまさか操れるとは、操作できるとは思っていなかった。
認識が甘かったと言えばそれまでだが、おそらくこの事態を予想できた人間は世界に一人もいないだろう。
かの統括理事長もこの事態は予測できないはずだと思った。
だから、これは後手に周っているわけでは無い。挽回はまだ可能だ。
「まさか、このタイミングで切り札を切ることになるとは……」
椅子に座ったまま受話器を取り、特殊なリズムで特別な番号を押した。
風紀委員本部セントラルジャッジメント。その地下第11層を住みかとする存在に、『切り札』に、命令を与えるために。
プルルというワンコールの音すらならずに電話がつながった。
「最果さいはて、出番だ」
意識を引きずられないようにしながら白は声をかける。
「おやぁ」
妙に間延びした声で、電話口の人間は答えた。
「私が表に出るのは大覇星祭の時ではなかったんじゃ?」
「事情が変わった」
「事情がぁ?」
「あぁ」
心の準備を決めてから、白は通話の相手である最果にその事情を話す。
下手をしたらそれだけで死ぬかもしれないという緊張感をまとわせ、風紀委員本部セントラルジャッジメントの切り札の一人に、白は言った。
「学園都市第一位の超能力者レベルファイブ、一方通行アクセラレータが位」
「行こう」
白の台詞は最後まで言われることはなかった。
電話相手の最果が一方通行アクセラレータが何をしたのかに気付いたからだ。
「座標は?」
「ポイントA18だ。だが、その前にポイントX000で『彼』とぶつかるはずだ。君には『彼』を足止めしてほしい」
「………………………ほぉ」
ほんの少しだけ不満の色が見られた。とはいえ、ほぼ軟禁状態の最果にとって外にきちんと出られる機会を逃す気はない。
一方通行アクセラレータがいじった後を見ることが出来ないのは残念だが、『彼』と戦えるというのならば、そこまであからさまに反抗する必要もないだろう。
「装備は?」
「全部許可する」
「専用武器も?」
「あぁ」
「………………………ふふ、了解ぃ」
楽しそうに笑いながら、間延びした声で最果は笑った。
本当に、楽しそうに。
「迎えは奇鬼喜きききに行かせる。速やかに行動しろ」
それだけ言って白は電話を切った。
天秤の間を沈黙が満たす。
その沈黙の中でもう一度白は受話器を手に取った。今度は、十五夜につなげるために。
予期してはしないだろうが一方通行アクセラレータは世界の理に干渉してしまっていた。
だからこそ、この二人は全力を挙げて動いたいた。
これ以上、もうこれ以上いじられてはたまらない。
世界の強度がどれくらいもつのかはわからないのだから。
学園都市統括理事長、風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長。
非常に珍しいことだが、この時二人の思惑は一致していた。
まぁ、だからといって協力できるということにはならないのだから。
- 188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:08:39.90 ID:rjguaOC00
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とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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第一部第一章 最終話
『空白の主』とアルフ@ 仲間
ここはどこでもないどこか。どこかにあるどこか。世界のどこにも存在せず、観測されず、けれど確かにそこにある。そんな真っ白な場所。
初まりの領域。
「からからから。一件落着十一った十五六か七」
その場所で一人の女がワラッテいた。
その女の名前は『空白の主』。もちろん真の名前は、真名とでも言うべき別の名前はきちんと存在する。だが、それを知っている人間は世界のどこにも存在しない。
今の世界にはどこにもいない。
「すべ十が全部予定通りの筋書き通り。からから、本当二すご一ね、あ一つ八」
その声にこたえる人は誰もいない。その声を聴き届ける人は誰もいない。
『空白の主』は独り、初まりの領域にただ独りですんでいた。
『空白の主』以外誰もいないはずの空間。『空白の主』以外誰も存在しないはずの場所。
だから、『空白の主』はしゃべり続ける。
「絶対能力進化実験零べル四ッ九ス四フ十。一方通行ア九セラ零ータ。『神』。……からからからから!!!何も、なーん二も知ら七一んだね。一つの物語第一章が終わり次の物語第一章が始まるの二」
「なら、次は私が動く番deathですか?」
いきなり、
いきなり、いた。
『空白の主』以外のの誰も存在しないはずの初まりの領域に。
誰もいなかったはずのその空間に。
誰も存在しなかったはずなのに。
「おや、珍四一ね。君が五五二来る七ん十。『最終血戦城カス十ルル・ブラン』の方八一一のか一?」
「いいdeathいいdeath。どうせそろそろ準備をしなければならないdeathし」
その人物は驚くべきことに『空白の主』と親し気に話をしていた。友好的な関係になどなれるはずがない『空白の主』と親し気に。
つまり、初まりの領域に突如として現れたこの人物はすくなくとも『空白の主』が友好関係にならなければならない人物であると推察できる。
「からから。次の次の次だったっけ?君が物語に絡んでくるのは?」
「そうdeath。次の次の次、第二章の侵食される日常聖域ディスピアザサンクチュアリdeath。私が動くのは。今日はその前に挨拶をと思ったのdeath」
「相変わらず義理堅一ね、アルフ。そ零が君が君たる由縁なのかも四零七一」
アルフ――――――と『空白の主』はその人物のことをよんだ。アルフの恰好は一般的に見ればかなり異質で異形、そう思えるようなものである。
全体の色は黒で統一されている。黒のスーツ、黒のズボン、黒のマント、黒の指輪、黒の靴、黒の髪、黒の手袋、黒の襟、黒のモノクル。
その中で唯一黒以外の部分は露出された顔のみ。白い肌、紅い唇と瞳。
そのすべてが、彼が、アルフが人間では無いという事実を示していたが、その事実をもっとも端的に示しているのはアルフの恰好では無い。その雰囲気である。
夜闇のように黒に染められた格好よりもなお深く、アルフの雰囲気は陰鬱としていた。墨汁よりも漆黒に、暗黒よりも純黒に、この世のすべての悪を凝縮したようなその黒がアルフが人間でないというただ一つの事実を指し示していた。
『空白の主』と同じように。
「七らちょっ十復習二付き合っ十九零七一か七?今回の絶対能力進化実験零べル四ッ九ス四フ二十の件二つ一十」
「いいdeath。私もただあなたに会うだけでは味気ないと思っていたのdeath」
そうして、人類ではない二人の生命体は今回の出来事について話し合いを始めた。といっても、彼彼女にとってこの話し合いは復習以外の意味を全く持たない。上の位相を話など、彼彼女はすべて把握しているのだから。
極々一部分は例外となるが。
「そうだね。なら、あ零十かどうか七。一方通行ア九セラ零ータが『魔神化』四たプロセス十四十発動三せた魔術十か。代償八大き一け零ど、正式七モノ七ら私達の域まで来零る可能性があるかも四零七一」
「十三夜の星カウントサーティーンdeathね。地・脈・や・龍・脈・を・代・償・に・捧・げ・る・必・要・は・あ・る・d・e・a・t・h・が・確・か・に・あ・れ・な・ら・ば・私・達・の・領・域・に・来・れ・る・か・も・し・れ・な・い・d・e・a・t・h・」
「厳密二八違うが、天使の力十零ズマ十言一換え十も一一ね。あ零八、人間から四たらた一四た違一は無一だろう四」
十三夜の星カウントサーティーン。
地球と呼ばれる位相世界で風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長白白白は一方通行アクセラレータが発動させた魔術を十三夜の星カウントサーティーンの簡易版として一夜の輝きミッドナイトブルースカイと名付けたが、『空白の主』とアルフの二人からすればたいした違いはない。『魔神』になれるという結果だけを重視している彼彼女に、『魔神』になれる時間はどうでもいいのだ。
十三夜の星カウントサーティーンも一夜の輝きミッドナイトブルースカイもその場にある地脈、龍脈、天使の力テレズマ、世界の力をすべて食いつぶして発動させることに代わりはないのだから。
「十三夜の星カウントサーティーンが使われた土地はいつもなら『死んで』いるのdeathが、今回は違ったようdeathね」
「そこら辺八ほら、例の『人間』アレイスター=クロウリーがどう二か四たようだよ。土地とか地形十かを引っ張りまわ四十七んとかかん十かうま一具合二『脈』をなお四たみた一」
「それはすごいdeathね。わざわざ『死んだ脈』をなおすとは、面倒な手間をかけたのdeathね」
「そ零だけ『人間』二とってあの学園都市十か一う場所八重要っ十ことだね」
地脈、龍脈、天使の力テレズマを使って発動する十三夜の星カウントサーティーンは土地を『[ピーーー]』魔術である。
そもそも、地脈、龍脈は惑星の中を絶えず循環している土地に起因するエネルギーの一種である。個人の魔翌力以外で魔術に利用できるので魔術師にはよく使われ、力の流れを勘案すれば『人払い』のような魔術を使用することもできる。
また、土地に起因するエネルギーであるため土地そのものをかえてしまえば、つまり無理やり地形を変えてしまえば地脈、龍脈の流れも変わる。これを応用したものが風水と呼ばれ、古来風水術師たちはその地脈、龍脈をよんで「特定の建物を建てるのに最適の場所」を割り出したりもした。
さて、では『空白の主』やアルフが話した『土地が死ぬ』とはどういうことなのか。
土地が死ぬ。
死ぬ。
それはいったいどういう意味なのか?
「『死んだ土地』二八人が行か七一――――――行け七一からね。そ四十その影響は周囲にも拡散する。放っ十おけばあの街が全体『死ぬ』の二も時間八かから七一だろうね」
。
- 189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:09:44.28 ID:rjguaOC00
- 「確かにそうdeathね。放置すれば100年くらいで『死ぬ』deathから、早めに対処したのはさすが『人間』deathか」
端的に、一言で言ってしまえば、
『土地が死ぬ』とは『その土地に誰もいけなくなる』という事である。
地脈、龍脈はその力の流れによって「居心地の良い場所」と「そうでない場所」というモノが出来る。前述したように、それを利用した魔術が『人払い』なのだが、この力の流れが生み出す性質はもう一段階目が存在する。
「居心地の良い場所」と「そうでない場所」、そして「行けない場所」である。
この「行けない場所」というのは「そうでない場所」をより突き詰めたモノである。
「そうでない場所」というのは言い換えれば「居心地の悪い場所」であると言える。これは地脈、龍脈の流れから出来るわけだが、仮にその場所に地脈、龍脈が存在しないのであれば、人はその場所のことをどう認識するのか。
エネルギーが全くないその場所。脈の通らないその場所をどう認識するのか。
その答えが「行けない場所」である。
「龍脈、地脈が途切零たその場所、天使の力テレズマの存在四七一その場所、世界の力が消失四たその場所を人八認識でき七一」
「「居心地の悪い場所」の究極系は「行きたいとも思わない場所」もっと言えば「行けない場所」、「認識できない場所」deathからね。『土地が死ぬ』とは『その土地を忘れる』というようなものdeathし」
『死んだ土地』には人の意識が向かない。つまり、『死んだ土地』を通常の人は認識できない。これは魔術師でも超能力者でも原石でも例外はない。一定以上の力を持つ存在、『魔神』や『魔神』の成り損ない、『空白の主』にアレイスター=クロウリーは別だが。
そう、『土地が死ぬ』とは文字通り『その土地が世界から断絶される』ということなのだ。
そしてそれを意図的に起こしてしまうのが十三夜の星カウントサーティーン及びそれの派生魔術である。
「そういえばdeathが、十五夜まんげつとのバトルはどうでしたか?」
「……………………見十たん七ら手伝っ十ほ四かった七ぁ。君も知っ十一る通り、私弱一んだ四」
「それはすいませんdeath。あなたは十二分に戦えているように思えたのdeathが」
「………………………五の場所七ら、そりゃ一方的二負ける五十八七一けどね」
憮然としながら『空白の主』はアルフのことを責めた。確かに死ぬことはないとはいえ風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐木葉桜十五夜の原石『世界支配ワールドイズマイン』による攻撃を受けるのは全くもって冗談ではないのだ。
『空白の主』は戦闘が得意ではない。むしろアルフの方が直接的戦闘能力でいえば『空白の主』の何倍も強い。
「それにdeath、あなたがこの初まりの領域であんなにも手こずる相手を相手にするなんて私でも無理deathよ。勝てないdeath」
十五夜の原石『世界支配ワールドイズマイン』による『局地的位相操作』攻撃は当然のように位相操作能力を持つアルフでも防ぐことは難しい。おそらく、『空白の主』と協力しても万全に防ぐことは難しいだろうとアルフは思っていった。
最大限まで過大評価してまだ過小評価。それがアルフの感じる十五夜の原石の力、実力である。
「でも手伝っ十ほ四かった四。あの後、私八十五夜と木原脳幹の二人を一っぺん二相手二する羽目二七ったんだ四。死んだらどうする二もりだったんだ一」
ちょっと拗ねたように『空白の主』はいった。実際あの三つ巴のバトルでは一番『空白の主』が不利だった。世界支配ワールドイズマインも対魔術式駆動鎧アンチアートアタッチメントも、双方共に『空白の主』にダメージを与えることのできる力なのだから。
「さすがに死にそうになったら介入しますdeathよ。私もあなたに死なれてはこまりますし。友人ではないdeathか」
「そうだね。……志を同四十する仲間、だ四ね」
その言葉にはきっと、何よりも深く、苦しく、尊く、貴重な意味が込められたいた。たぶんすべてが偽りだったとしても、誰かに操られたものだとしても、自分の意思では無かったとしても、それだけは、その言葉だけはただ一つの真実で、本物だった。
「では、そろそろ私は最終血戦城カステルル・ブランに帰りますdeath。あまり長く離れていると反乱がおきるかもしれないdeathし」
「そうだね。それじゃあまた」
「death。またdeathdeath」
そうして、アルフは去っていった。この初まりの領域から消え去った。上の、別の位相へと。
最終血戦城カステルル・ブランへと。
「…………………………………………からから。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――独り、か」
『空白の主』はそう、寂しそうに呟いた。
第一部第一章 終了
第一章 すべての初まりPandora Blackbox、開けられた箱庭Open The Sanctuary 完
今後の予定
まず二日後にオリジナルキャラクター設定を投稿します。
その後さらに二日後にあとがき&次回予告を投稿します。
その後は、申し訳ないですが少し休みをください。
ここの所の隔日更新でストックが限界になりました。
ですので、二章の開始は今日から2週間後、9月22日となります。申し訳ありません!
君達は何も知らない。
そして何も知らなくていい。
無知でいることはとても幸せだから。
少なくとも、知ってしまった人よりは。
- 190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:10:23.40 ID:rjguaOC00
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不明の項目多すぎワロタ
オリジナルキャラクター紹介
白白白はくびゃくしろ……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 造られた子供たちプログラムチルドレン
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの委員長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では風紀委員本部セントラルジャッジメントに所属している部下を使って暗躍した。
木葉桜十五夜このはざくらまんげつ……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐、学園都市特記戦力
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 委員長補佐のため無し
特殊能力 原石 世界支配ワールドイズマイン
二つ名 最強原石 風紀委員本部セントラルジャッジメント最後の切り札 委員長の懐刀 意思無き人形 正義の尖兵等
所持武器 専用武器懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』
戦闘スタイル 位相操作、万能型
風紀委員本部セントラルジャッジメント委員長補佐。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い暗躍した。基本的に白には絶対服従である。原石世界支配ワールドイズマインは局地的位相操作を行うことのできる力であり、基本的に戦闘で負けることはない。十のリミッターがかけられており、普段の力は大幅に制限されている。
扼ヶ淵埋娥やくがぶちまいが……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 攻撃部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 数の無い槍ロストオブランス
所持武器 火炎放射器
戦闘スタイル 近接格闘、遠距離火炎放射
風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い上条当麻と戦闘を行い勝利した。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。能力は現段階では不明だが、地下下水道の崩落から身を守るために能力を使ったように描写がされている。
魅隠罠明みかくれみんみん……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント開発部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 開発部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
作ったモノ 懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』等
風紀委員本部セントラルジャッジメントの開発部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件で動いた様子はないが、開発部隊総隊長だけあって武器や防具、兵器、道具類を作ることに天才的能力をほこる。ただし、自分の製作したモノを馬鹿にされたと感じるとヒステリー気味に怒鳴る。罠明の製作したモノを馬鹿にするのは止めた方が賢明である。過去に何らかの出来事があったことが示唆されるが詳細は不明。ただし、白が別組織から引き抜いたような描写がなされる。懐中時計型万能毒製造霊装『シスラウの時計』の製作者は彼女であるが、霊装をつくれるという事は魔術師なのかもしれない。
- 191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:10:57.91 ID:rjguaOC00
- 千疋百目せんひきひゃくめ……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント攻撃部隊第二班班長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 第10位→第8位
特殊能力 超能力『反転世界パラレルワールド』
強度 大能力者レベルフォー
二つ名 逆さまに狂う世界オセロゲーム
所持武器 不明(本来なら武器は所持しているようだ)
戦闘スタイル 近接格闘、投擲
称号 宿敵ライバル
風紀委員本部セントラルジャッジメントの攻撃部隊第二班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と戦闘を行い勝利した。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの一件終了後白の指示によってに風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングが二つ上がった。傷を負うことを恐れており、本人は少なくとも風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング五位になるまで無傷でいなければならないと思っている。第八拘束リミッターまでを解除した十五夜の姿を見て気絶ですんだことからも、百目自身の強さがうかがえる。
無何有峠妃むかいとおげきさき……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 諜報部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊総隊長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。両名が地下下水道に入ったのを見てから撤退を行った。
五寸釘匕首ごすんくぎあいくち……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第一班班長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
特殊能力 超能力一方念話ワンサイドテレパス
強度 強能力者レベルスリー
二つ名 無し
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第一班班長。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白と妃の指示に従い白井黒子と上条当麻の監視を行っていた。また、同時に連絡要員として能力を使用し埋娥や百目に指示をした。
浣熊四不象あらいぐましふぞう……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント諜報部隊第■班■■
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 爆弾使用、銃?使用
風紀委員本部セントラルジャッジメントの諜報部隊第■班■■。。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では白の指示に従い空中の戦力への対応、人員の回収を行った。『HsAFH-18』に追いつき、侵入できるほどの能力を持っている。空を飛ぶ姿を確認できるが、何らかの道具によるものなのかそれとも能力によるものなのかは不明。
常世涯最果とこよのはてさいはて……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント封印戦力
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 封印戦力のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 専用武器体内保存式緊急自殺用超威力爆弾『オメガジエンド』
戦闘スタイル 自爆
風紀委員本部セントラルジャッジメントの封印戦力。最果のことは苦罠らも表に出てくるまで知らなかった。能力は不明ながら擬似的な不死のようなものだと推察できる。脳幹は『封印』という手段で楽に対処できると語った。普段は 風紀委員本部セントラルジャッジメントの地下第11層にいる。白さえもなるべく使いたくないと思う戦力であるが、自爆戦法を使えるという点ではほかの何物にもできない唯一の戦力ではある。
常闇燕獅とこやみえんし……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント防衛部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 防衛部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの防衛部隊総隊長。それ以外のデータは現段階では一切不明。
- 192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:11:28.74 ID:rjguaOC00
- 白神九十九つくもがみつくも……性別 女
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント支援部隊総隊長
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 支援部隊総隊長のため無し
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
風紀委員本部セントラルジャッジメントの支援部隊総隊長。白は十五夜を通してこの人物に百目の風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキングを上げるように命令した。
五安城安土城いなぎあづちじょう……性別 男
所属 風紀委員本部セントラルジャッジメント
役職 風紀委員本部セントラルジャッジメント■■■■■■■■■
風紀委員本部セントラルジャッジメント序列ランキング 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
詳細一切不明。白曰く外のことを任せているらしい。
死縁鬼苦罠しえんきくわな……性別 男
所属 学園都市統括理事会
役職 学園都市統括理事会メンバー
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
ブレイン 天埜郭夜
学園都市統括理事会メンバーの一人。絶対能力進化実験レべルシックスシフトの件では天埜郭夜と共に暗躍した。計画プロジェクトと呼ばれる計画を進めているようだが詳細不明。交渉力、部下の豊富さ、知略に富んだ頭脳、どれをとっても敵にまわしたくない存在である。木原幻生とのつながりがあり、大覇星祭中に御坂美琴の絶対能力者レベルシックス化を行う予定だったようだが、何のためかは不明。彼がここまで御坂美琴にこだわる理由はいったい何なのだろうか……。
神亡島刹威かみなきじまさつい……性別 女
所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
役職 死縁鬼苦罠直属の部下
特殊能力 超能力交点爆撃チェックボンバー
強度 無能力者レベルゼロ
二つ名 無し
所持武器 無し
戦闘スタイル 近接戦闘型
死縁鬼苦罠の部下の一人。といってもいくらでもいる消耗品としての部下であり本人もそれは自覚している。それでも苦罠に尽くすのはかつて苦罠に『闇』から救われたから。浣熊四不象によって殺害され、『HsAFH-18』の爆破と共に死体も消失した。実は見捨てられた女グレイレディによって操られていたが本人は当然自覚していない。交点爆撃チェックボンバーは定めた人物と自身の視線の交わった部分を一直線として、その直線の中間部分を爆破する能力。ただし無能力者レベルゼロ
のため実用性は皆無。完全に死亡しているため今後登場することはない。
巳神蔵豈唖みかぐらあにあ……性別 女
所属 学園都市統括理事会メンバー死縁鬼苦罠勢力
役職 死縁鬼苦罠直属の部下
特殊能力 超能力水分生成クウォータージェネレーション
強度 大能力者レベルフォー
二つ名 無し
所持武器 無し
戦闘スタイル 能力使用
死縁鬼苦罠の部下の一人。替えはききにくいレア度☆3くらいの存在。御坂美琴と交渉するときの苦罠の護衛として選ばれた。
- 193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:12:05.14 ID:rjguaOC00
- 波並波狂濤なみなみなみきょうとう……性別 男
所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
役職 第一級大隊長
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 急速冷却機構内臓型窒素弾丸生成狙撃銃HsSR-04
戦闘スタイル 狙撃
彼者誰時に輝く月シャイニングムーンの第一級大隊長。十五夜足止めのために戦った人間の一人。超々一流の狙撃手であり二キロ先の獲物を確実に狙撃することが出来る。狙撃時のペアは贖である。
屑爬劉くずのはりゅう……性別 男
所属 彼者誰時に輝く月シャイニングムーン
役職 第三級大隊長
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
何やら苦罠らが動かしていた存在。現在の所、何をしたのかは不明。
一本線点々いっぽんせんてんてん……性別 男
所属 無し
役職 個人傭兵、学園都市特記戦力
特殊能力 不明
二つ名 三千世界武神
所持武器 剣(名称不明)
流派 天下無双流
学園都市に三人しかいない個人傭兵の一人。苦罠の依頼で十五夜の足止めを行った。戦いに飢えているというよりは強さを求める類の戦闘狂であり、かつては全能神トールと戦い引き分けたこともある。位相を操る十五夜に一撃を与えたことからもその戦力の強大さがわかる。
『空白の主』……性別 不明
所属 不明
役職 不明
特殊能力 位相操作、神器創造、神器属性混合
二つ名 空白の主
所持武器 不明
戦闘スタイル 武器投影及び投擲
初まりの領域と呼ばれる場所に住む異形の存在。一方通行アクセラレータは直感的に人類の敵と感じた。位相操作能力を持つが、濃度で十五夜に劣るため戦いでは押し負ける。ただし、人類の生み出した魔術は効かない、初まりの領域では死なない、一方通行アクセラレータを上の位相世界に送り届けるなど隔絶した実力を持つことは変わりない。
アルフ……性別 不明
所属 不明
役職 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
『空白の主』と親しげに話す正体不明の存在。普段は最終血戦城カステルル・ブランという場所にいるらしい。
占卜卜占せんぼくぼくせん……性別 女
所属 不明
役職 不明
特殊能力 不明
二つ名 不明
所持武器 不明
戦闘スタイル 不明
佐天涙子を占った占い師。ただの一般人のようにも思えるが……?
たぶんこれで全員だと思います。漏れがあったら教えてください。
あっ、モブキャラは書いてませんのであしからず。
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:13:52.73 ID:rjguaOC00
- https://syosetu.org/novel/56774/66.html
とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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66 / 178
ちょっと休憩回です。
白白白と『彼』@ 独白、またの名を独り言
「世界物語キャラクターストーリー理論」
学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階特別会議室天秤の間において白白白は独り言をつぶやいていた。
「君も知っているだろう?これは僕の提唱する世界の成り立ちに関する理論なんだがね」
ただし、独り言といってもこの場合の独り言とは会話の相手がいないという意味での独り言では無い。どちらかというと一人で勝手にしゃべっているという意味での独り言だ。
「この世界はどこかの誰かが書いている物語にすぎない。だから、物語の登場人物になりきったような行動をとれば、自然に自分の望むように物語が進む、という理論だ」
しかし白は誰に向かって話しているのだろうか。天秤の間には白以外の人間は誰もいない。十五夜は上条たちにストロビラを埋め込むために操車場に向かっていってしまったし、罠明はとっくに退出している。
「誰かを救いたいのならば主人公ヒーロー的な行動をとればいい。犯罪を犯した後に討たれたいのならば悪人ヒール的な行動をとればいい。たった一人のために大勢を[ピーーー]のならば悪の主人公ダークヒーロー的な行動をとればいい。世界を滅ぼしたいのならば絶対悪オールマーダー的な行動をとればいい。主人公ヒーローに守られたいのならば主人公の恋人ヒロイン的な行動をとればいい」
その後も、白はただ淡々と『誰か』に向かって言葉を並べていく。白の言葉を聞いている『誰か』に向かって。
「そして、世界を救いたいのなら救済者ヒーロー的な行動をとればいい。そう、救済者ヒーロー的な行動をね」
にやにやと不気味に無邪気に笑い嗤い哂いながら、まだまだ白は言葉を連ねる。『誰か』に向かって一方的に話す話す話す。
「なぁ、気付いているか?それとも気づいていないのか?あるいは、気付いていてなお無視しているのか?もしかして、気付いた時にはすでに後戻りできなかったのか?」
返答はないが白は必ず聞こえていると確信していた。この学園都市において『彼』の目を逃れるのは、耳を封じるのは、至難の技だ。それは『最強原石』木葉桜十五夜を所有して、さらに十五夜のほかにも強大な戦力を多数保有している白も例外ではない。
- 195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:14:26.87 ID:rjguaOC00
- とある暗部の御坂美琴(2周目) 作:一二三四五六
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ちょっと休憩回です。
白白白と『彼』@ 独白、またの名を独り言
「世界物語キャラクターストーリー理論」
学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階特別会議室天秤の間において白白白は独り言をつぶやいていた。
「君も知っているだろう?これは僕の提唱する世界の成り立ちに関する理論なんだがね」
ただし、独り言といってもこの場合の独り言とは会話の相手がいないという意味での独り言では無い。どちらかというと一人で勝手にしゃべっているという意味での独り言だ。
「この世界はどこかの誰かが書いている物語にすぎない。だから、物語の登場人物になりきったような行動をとれば、自然に自分の望むように物語が進む、という理論だ」
しかし白は誰に向かって話しているのだろうか。天秤の間には白以外の人間は誰もいない。十五夜は上条たちにストロビラを埋め込むために操車場に向かっていってしまったし、罠明はとっくに退出している。
「誰かを救いたいのならば主人公ヒーロー的な行動をとればいい。犯罪を犯した後に討たれたいのならば悪人ヒール的な行動をとればいい。たった一人のために大勢を[ピーーー]のならば悪の主人公ダークヒーロー的な行動をとればいい。世界を滅ぼしたいのならば絶対悪オールマーダー的な行動をとればいい。主人公ヒーローに守られたいのならば主人公の恋人ヒロイン的な行動をとればいい」
その後も、白はただ淡々と『誰か』に向かって言葉を並べていく。白の言葉を聞いている『誰か』に向かって。
「そして、世界を救いたいのなら救済者ヒーロー的な行動をとればいい。そう、救済者ヒーロー的な行動をね」
にやにやと不気味に無邪気に笑い嗤い哂いながら、まだまだ白は言葉を連ねる。『誰か』に向かって一方的に話す話す話す。
「なぁ、気付いているか?それとも気づいていないのか?あるいは、気付いていてなお無視しているのか?もしかして、気付いた時にはすでに後戻りできなかったのか?」
返答はないが白は必ず聞こえていると確信していた。この学園都市において『彼』の目を逃れるのは、耳を封じるのは、至難の技だ。それは『最強原石』木葉桜十五夜を所有して、さらに十五夜のほかにも強大な戦力を多数保有している白も例外ではない。
- 196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:15:12.84 ID:rjguaOC00
- 『彼』はそれだけの力を持っているし、『彼の友』はそんな『彼』の命令を忠実に遂行できるだけの能力を持っている。
『彼』と『彼の友』の関係は白と十五夜の関係にとてもとてもとても近いものだから。
「君のその行動は世界を救う救済者ヒーローのものではなく、主人公に討伐されるべき黒幕ストーリーテラーのものだぞ。そんなざまじゃ、何千年たったって世界は救えない」
呆れたように、憐れむように、ただ淡々と白は告げる。告げる。『彼』に告げる。
「君のその計画は欠陥が多すぎる。例えば、そう上条当麻についてだ。幻想殺しイマジンブレイカー、そしてその奥にあるモノ。あるいは『上条当麻』という存在の根源、本質について君は少し過信しているのではないかな?」
白は『彼』のことをよく知っていた。おそらくは世界中の誰よりも『彼』のことを知っていた。
それはイギリス有数の魔術結社である『カリスマを研究する組織』のボスよりも深く、出現すれば世界が一瞬で崩壊してしまうほどの力を持った存在達よりも深く知っていた。
「確かに彼は強い。特段に力が強いうというわけでは無いが、それとは別種のところで強い。『絆』あるいは『繋がり』、そういった『生物に対する影響力』はおそらくこの世の誰よりも強いんだろう。もちろん、それは『正』の意味でだが」
別に白は昔『彼』の友だったとか、しつこくしつこく『彼』のことを嗅ぎまわっていたとか、『彼』のただ唯一の理解者であるとかでは無い。
むしろ逆だろう。『彼』は白のことを警戒している。得体のしれない存在だと、気味の悪い存在だと警戒している。
そして同時に評価している。正しく『恐れ』、ただしく実力を評価している。
「そう、上条当麻は、いや『神浄討魔』は強い。その称号キャラクター性からも明らかだが、何せあの引きこもり共にさえ特別視される存在だ。弱いわけがない。だが逆説、上条当麻は別に最強ではないし、無敵でもない。その『強さ』だけでは頂点には絶対に届かない」
上条当麻。そして、神浄討魔。
上条当麻は救済者ヒーローである。これは白と『彼』の共通認識事項だ。といっても、上条当麻は別にご都合主義に恵まれているわけでは無い。
敵の攻撃がたまたま急所を外れる。
敵の気まぐれで生き残る。
運よく敵の家族と知り合う。
土壇場で逆転の秘策が思いつく。
ピンチに偶然味方が通りかかる。
旅先でたまたま事件に遭遇する。
毎日毎日世界の危機にぶつかる。
成功率1パーセントの作戦が成功する。
理由もなく急にモテモテになる。
偶然女の子の裸を見る。
かつての敵がツンデレ気味に助けに来る。
組織のトップと都合よく知りあう。
そんなご都合主義が上条当麻には訪れない。
絶対に訪れない。
敵の攻撃がたまたま急所を外れない。上条は重傷を負ったまま戦闘を続行する。
敵の気まぐれで生き残ったりしない。上条は生き残らせられるのは敵にとって利用価値があるから、又はここで上条を[ピーーー]と敵によってマイナスになるからだ。
運よく敵の家族と知り合わない。敵の妹が「もうやめて!お兄ちゃん!!!」とか言って割り込んでこない
土壇場で逆転の秘策が思いつかない。逆転の秘策は土壇場で急に思いつくものではなく、上条の経験と今までの情報を総合してなんとか導き出すものだ。
ピンチに偶然味方が通りかかったりしない。もしも、味方が通りかかるのならば、その味方はずっと上条のことを探していたのだろう。
旅先でたまたま事件に遭遇しない。仮に事件が複数回連続して起こるのならば、それは誰かが作為的に上条の周りで事件を起こしているということだ。
毎日毎日世界の危機にぶつからない。というかそんな簡単に世界の危機は訪れない。
成功率1パーセントの作戦が成功しない。奇跡はそんなに簡単に怒るものではない。確かな努力と、必要な伏線があれば話は別だが。
理由もなく急にモテモテにならない。そんな簡単にモテモテになるのならばまずはハニートラップを疑うべきだ。
偶然女の子の裸を見たりしない。上条当麻にそんな偶然は起こらない。起きるとしたら偶然ではなく事件を解決したご褒美だ。
かつての敵がツンデレ気味に助けに来ない。スタンバっていたのなら話は別だが。
組織のトップと都合よく知りあわない。組織のトップは打算なく動かない。知り合ったのならそれは都合がいいのではなく、『上条と知り合えば利益がある』と組織のトップが判断した結果だ。
「頂点。つまり世界最強の存在達。特別で特異で特殊で特記的な『最強』。平たく言ってしまえば異なる位相に住む化物共のことだが、はたして上条当麻は彼らに勝てるのか?魔神共に、吸血鬼共に、もしくは『空白の主』に勝てるのか?上条当麻の称号キャラクター性は、その救済者ヒーローの力は、度合いは、奴らに届くのか?」
- 197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:16:20.60 ID:rjguaOC00
- 上条当麻に才能はない。そして、上条当麻の右手に宿る幻想殺しイマジンブレイカーもそれだけではたいしたものではない。
確かに幻想殺しイマジンブレイカーはほとんどすべての異能を無効化できる究極のアンチだが効果範囲は右手のみと非常に限定されている。極端な話、右手に触れないように能力を使えば何の問題もないのだ。
「まぁ、言いたいこと自体は分かる。君の計画も決して無謀というわけではない。むしろ綿密に練られているというべきだろう。しかし、だ」
しかも圧倒的な物量や世界そのものを改変する力は上条には防ぎようがない。そのまま対応も出来ずに圧殺され、圧倒されるだけだ。
「君は少し人間を信じすぎているのではないかな?少し人という種を信頼しすぎているのではないかな?何も上条当麻という存在に限ることではなく、例えば計画の中核に存在する一方通行アクセラレータや最悪の科学者たち『木原』についても」
無論、これ以上上条らが成長できないというわけでは無い。むしろ逆、『彼』は出来うる限り上条のことを成長させようとしている。この絶対能力進化実験レべルシックスシフトも上条の成長計画の一環ですらあるのだ。
「信じ、信頼し、信用する。確かに『人間』として大事なことだ。しかし、それが盲信の域に達し、根拠もなく『彼ならできる』と信じ込んでしまうのは危険だ。それはもはや信頼や信用ではなく、依存や狂信の域になってしまう」
けれども、やはり『彼』の計画は穴がある。そもそも人という存在は、特に上条当麻という称号キャラクター性は、『彼』程度に御せる器ではない、と白は考える。
「話が長い?いやもう少しで終わるさ。そろそろ私の話も終盤だ。なにしろ私は君のことを心配しているんだ。後から嘆き、憂い、憤ってからでは遅いだろう?もうあの時みたいな涙は流したくないだろう?」
その言葉に対応するように空気が揺れた。空間自体に震動が起こっているように、白のいる天秤の間の空気が不自然に蠢いた。
『彼』の怒りに、あるいは嘆きに対応するかのように。
「おおっと、今の発言は不用意だった。すまない。忘れてくれ」
それを敏感に察知した白はすぐさま謝罪した。『彼』と白の間にはあまりにも高すぎる壁がある。白が『彼』と戦っても勝てる確率はほとんどない。というか零だろう。組織同士で戦えば別だが、個人間での戦いは戦力差が明確だ。
「まぁ、前置きが長くなったが何が言いたいかというとだ」
風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織を従える白白白と学園都市という街を作りだした『彼』。
しかし、忠実な部下の豊富さという意味では白に軍配が上がる。『彼』を本当の意味で理解し、『彼』が本当の意味で信頼している味方なんて片手の指で足りるほどしかいないのだ。
「アレイスター。君は早めに計画プランを修正したほうがいい。君が長年かけて育てた一方通行アクセラレータは、君の思っているよりもはるかに幼稚で幼い精神の持ち主だぞ」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
- 198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:17:02.72 ID:rjguaOC00
- その言葉に、
窓のないビルの中にいる『人間』は、
静かに、
その手の中に握られたねじくれた銀の杖プラスティングロッドを振るって、
直後に、天秤の間を暴虐が満たした。
ごめんなさい。ずっと戦闘シーン書いてると疲れるんです。
作中でも書いてますけど力の強さはアレイスター>白です。
嘘です
白は禁書キャラ皆殺しにできます
- 199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 14:17:17.59 ID:TD8Ux5A/o
- まだやってんのか
スレチだからやめよ
- 200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:24:16.89 ID:rjguaOC00
- オリキャラが
【褒めてくれ、干渉に成功できたんだ。ひょっとしたらこのまま『勝てる』かもしれない……っ!是非証拠を残して僕を援護してくれ。頼むよ。】
【忘れてくれ。忘れてくれ!忘れてくれっ!】
【僕を、記憶してくれ】
【これで4人目。少しずつ範囲が広がっていってるぞ!】
【世界を救う。友を助ける。同志を導く。】
【これはそのための戦いだ。】
【干渉しやすいからね。気付かれにくいし。】
【君達のおかげで僕の力も増してるしね。ありがたいことだよ。】
って読者に言ってきてるから
- 201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 18:59:45.81 ID:VHwY42nB0
- >>181
つか一方周辺の喜び組って打ち止めとかエステルとかクリパとか、何の魂も入ってない舞台装置っぽくてキモイんだよなあ
なろう小説に出てくる奴隷ヒロイン並みの空っぽ感ある
- 202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 01:00:00.69 ID:JNx/elkN0
- >>201
黄泉川は一方通行の事は何処まで知ってるんだっけ?
- 203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 03:42:08.90 ID:XjEjC6qk0
- 知らんがな
- 204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 04:24:21.59 ID:JNx/elkN0
- 知らねーのかよ!そこは知ってろよ!まぁ俺も知らねーから聞いてんだけどな
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