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貴方「安価でヒロインを攻略するまどか☆マギカ?」

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1 : ◆xjSC8AOvWI [sage]:2019/09/29(日) 21:12:12.35 ID:EtSViB1m0
要するに、ギャルゲーみたいなものです。


*一定まで好感度を上げるとそのキャラは【攻略済】に。キャラの攻略が終わったらリセットか続行を選択。リセット時には設定変更ができるかも。
*たぶんそんなに長くはしない。周回前提で。
*恋愛要素、はもちろんあるのですが…関係を深めすぎると他ヒロイン攻略は難しくなるかもしれません。
*ハーレムは距離感が大切。あんまりなオイタをすると刺される可能性もありますよ?
*目的は【攻略済】のキャラをたくさん作ること。リセットしても記録は引き継がれます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1569759132
2 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/09/29(日) 21:13:37.58 ID:EtSViB1m0
――――――――


 目を覚ますと、何の変哲もない天井が目に入る。

 身体を起こせば今まで寝そべっていたベッドが見える。


 そう、今日もまたいたって平常な朝がはじまったのだ。


 見滝原中学校に通う【貴方】は平凡な学生だ。

 どこにでもあるような一日の始まり。これから朝の支度をして、一学生らしく学校に向かう。

 天才的な能力もなければ、もちろん奇跡も魔法も特別な力なんて使えない。


 そういえば一時期平和を脅かすらしい影、災害の前兆というのやもしれない珍説を唱える学者が話題になっていたっけ。

 ――ワルプルギスの夜、だとかそんな呼び名にうっすらと聞き覚えがあるような気もするけれど、


 ……とにかくこの街は平和だ。そんな平和な朝が幕を開ける。


――――――――
――――――――

【現在】二週 6日目


[知り合い]
・鹿目まどか・・・鹿目さん様様
・美樹さやか・・・張り合いのある女子
・志筑仁美・・・クラスメイト
・暁美ほむら・・・色んなことがわかってきた
・佐倉杏子・・・みんなで一緒に遊んだ

[顔見知り]
・巻き毛の女子生徒・・・ますますわからない

[攻略済]
なし


前スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1550928877/
『オール安価でまどか☆マギカ 26』 >>736あたりから

――――――――
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/09/29(日) 21:17:21.72 ID:Gjb8Kcss0
>>1
スレ建て乙です
27スレ目にしてついにスレタイが変わったか…
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 21:30:05.93 ID:K+Ybq8th0
前スレの>>1000は叶えられたらお願いしたいところ
5 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/09/29(日) 21:56:12.89 ID:EtSViB1m0
一応番外編のつもりなので、スレタイは前からきめてました
前スレの>>1000 いつかは…多分いつかは…多分
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貴方「美樹たちは女子なんだから気を付けないと」

さやか「え?【貴方】って女子だったの?」

貴方「違う!」

さやか「男女差別はんたーい」

貴方「差別じゃなくて区別だ」


 まったく、何かあったらどうするんだか。いや、一応今回何かあったのはこっちだったのか。

 とにかく俺みたいな男子中学生でも危険な場所ということだ。


 そんな俺たちを見て鹿目さんは苦笑いしてて、暁美さんは後ろからわたわたして見てた。

 ……いたのか。


さやか「中っていっても、入口の近くに落ちてたんだよ」

貴方「そうなのか?慌ててたから全然覚えてないな……」

まどか「ごめんね。心配してくれてありがと。それで、【貴方】くんはどんな写真を撮ったの?」

まどか「【貴方】くんの言う独特な……いい写真は撮れた?撮れたなら見せてほしいな」

貴方「いや、中は暗くてあんまり……。外観なら」

6 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/09/29(日) 22:28:45.87 ID:EtSViB1m0


貴方「撮ったけど、目指してたような表現には追いつけてないな」

貴方「素人だしな。やっぱただ映すだけじゃダメなんだろうなぁ。儚げな……あの時の暁美さんみたいな」

ほむら「わ、私ですか……?プロの方の雑誌じゃなくて?」


 会話の流れで思わず口に出してしまった。そして、やっと会話に入ってくる暁美さん。

 話したいならもっと入ってきていいのに。


貴方「この際だから聞いちゃおうか。屋上での写真。あれって誰が撮ったの?」

ほむら「屋上……?あ、もしかして」

まどか「もしかして、それ撮ったのわたしかも」

貴方「鹿目さんが?」

まどか「写真部の子からカメラ借りててさ、ふざけてるうちに撮れちゃったんだよね」

貴方「すげー、写真の才能あるよ」

まどか「そんなことないよ。偶然の産物だし。それならほむらちゃんにモデルの才能があるんじゃないかな?」

ほむら「そ、そんなことないです!偶然の産物です!」


 二人は謎の譲り合いを始めた。



1今度一緒に写真撮りにいく?(まどか)
2今度撮らせてくれないかな?(ほむら)
3今度撮らせてくれないかな?(さやか) ※特に話に関係ないけど★1ボーナス

 下2レス
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/29(日) 22:31:47.34 ID:mfS/TxHs0
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/09/29(日) 22:32:17.46 ID:Gjb8Kcss0
2
9 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/09/29(日) 23:17:43.31 ID:EtSViB1m0

貴方「じゃあ、今度俺にも写真撮らせてくれないかな?暁美さん」

ほむら「え!?それって、その、あれは偶然の産物であって……自分でも実物覚えてないですけど……。冗談?」

貴方「冗談を言ったつもりはないよ。別に減るのは時間くらいで、そんなに難しい頼みでもないでしょ?」

貴方「あ、変な写真は撮らないから!いやほんとに!」

ほむら「それはわかってますけど……」

まどか「いいじゃない。きっとわたしよりもいい写真を撮ってくれるよ」

貴方「でもさ、鹿目さんも偶然の産物だって馬鹿にはできないんじゃないかな」

貴方「たとえばプロの写真家とかも、その中でも特別にいい写真って偶然から生まれるところもあると思うし」

貴方「ま、わかんないんだけど」

さやか「ちょっとー、そこは断言しなよ」

貴方「俺は写真家じゃないし」


 俺のフォロー?に対して、鹿目さんは。


まどか「そっかあ。そういう考え方もできるよね」


 ――と、案外素直にポジティブに受け止めてくれたようだ。

 そんな話をしているうちにいつのまにか先生が来ていて、チャイムが鳴ってみんなは慌てて戻っていった。


――――
――――
10 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/09/29(日) 23:23:11.97 ID:EtSViB1m0
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今日はここまで。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 23:26:03.01 ID:K+Ybq8th0

出来たら、マミさんと会える方法とか教えてもらいたい
12 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/09/29(日) 23:36:29.42 ID:EtSViB1m0
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>マミさんと出会える方法
とりあえず教室の外に出ることですかね…。
はじめはよく知らない人ですが、よく見かけたほうが知り合う機会はあると思います。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/29(日) 23:40:39.65 ID:mfS/TxHs0
おりマギ勢と出会うにはどうしたら?
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/09/29(日) 23:50:36.57 ID:Gjb8Kcss0
乙です

まずはほむらの写真撮ってからかなぁ?
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 23:58:02.16 ID:mfS/TxHs0

こういうスレもっと増えろ
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/30(月) 16:07:03.48 ID:fl+UE0KOo
>>1
安価スレにばかり住み着くage厨に気を付けときなよ
調子つくとageながら訳の分からない画像やブログのurl貼っては幾多もの安価スレを滅ぼしてきた6年選手だぜ
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/30(月) 16:07:47.79 ID:fl+UE0KOo
あとage厨は末尾0で口調が変で異様におりマギ勢ゴリ押ししてくるから直ぐ分かるかと思われ
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/30(月) 16:08:44.50 ID:fl+UE0KOo
あとage厨は末尾0で口調が変で異様におりマギ勢ゴリ押ししてくるから直ぐ分かるかと思われ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 20:00:54.20 ID:7FXVQaf60
このスレ面白いね
20 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/02(水) 22:39:05.79 ID:vzhuSMUn0
昼休み


 ――なにはともあれ、午前の授業まで滞りなく終わった。

 気になっていたカメラのことももう考えなくていいし、謝りに行くシミュレーションをしなくても済むわけだ。

 これでゆっくり昼の時間をとれるわけだけど、今日はどうしようかな?。



1美樹たちに声をかけてみる
2購買に飯買いに行かなきゃ
3教室の外へ
4自由安価

 下2レス
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 22:41:11.22 ID:9c52vVrG0
3

マミさんとそろそろ交流したい
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 22:41:16.52 ID:cGd9c2Kh0
3
23 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/02(水) 23:08:37.45 ID:vzhuSMUn0


 美樹たちもいつもみたいに教室から出て行くみたいだし、今日は俺も外に行こうか。

 教室の野郎共に絡まれる前に廊下に向かって歩いて行った。


 ……見滝原中学校の廊下、ガラス張りの校舎の中から各教室が見える。

 みんな自分の席で食べていたり、誰かの席に集まっていたり。

 そんな教室郡の並ぶ廊下を抜けて、突き当たりの小さなカフェスペースに腰かけてみる。


 テーブルとイスがいくつか置かれた飲食にはちょうどいい場所だ。ただ、隅っこだからかあまり人はいなかった。

 たまにはこんな場所で食べるのも悪くないか?弁当の包みを開けてみる。


 ここからは階段を行き交う人が見える。

 中にはちょっと話し声の大きい人もいて、それだけが少し気になる。

 まあ、人間観察しながら食事してるんだと思っておけばそれも悪くはないかもしれない。見ているとなかなか面白い人もいるもんだ。


 ――と、何の気なしに見ていると。

 階段を通っていた人がポケットから何かを落とすのが見えた。



・落ちたもの

 下2レス
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 23:13:41.71 ID:9c52vVrG0
夕食のメモ書き(マミさんの)
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 23:15:30.83 ID:cGd9c2Kh0
26 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/02(水) 23:37:45.73 ID:vzhuSMUn0


貴方(紙?)


 しかも気づいてない。行ってしまう。行先はわかっていた。

 屋上だ。その人が、美樹たちと仲いいらしい、よく一緒にいる先輩だったからだ。

 最悪、後で美樹たちにでも渡せば無事手元に渡るかもしれない。


 でももしもすぐに必要なものだったら? この場で拾って渡しにいくのだって大して時間はかからない。

 そう思って、食べ始めようとしたばかりの昼食を一旦中断して追っていく。


貴方(ローストビーフ――牛ももブロック肉、カチョ・エ・ペペ――チーズ……?)


 ……階段のほうに行って、紙きれを拾って見えた文字だった。

 これはすぐに必要なものではないな、と確信する。まあそれでもここまで足を動かしてしまったんだ。


貴方「ちょっとすんません!」

「……? あっ、それ!」

貴方「落としたのが見えたので」

「ありがとう。でもその、……内容見えたかしら?」

貴方「まあ、なんか豪華な食事だなってだけ。おつかいのメモですか?」

「おつかい……というか、買い物のメモではあるわね。今日作ろうと思ったものを」


 あぁ、この人自分で作るのか。

 だとしたら相当料理上手だ。――そして、優雅だ。


貴方(美樹もこの人に習えばいいんじゃねーの。……いや、この前の家庭科じゃそこそこ活躍してたか)

貴方(じゃあ、本当に習ってたりして?)



1前会った時のこと覚えてます?
2美樹のことについて
3暁美さんのことについて
4鹿目さんのことについて
5多くは語らずクールに去るぜ
6自由安価

 下2レス
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 23:43:37.79 ID:9c52vVrG0
1
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 23:54:54.98 ID:Gi0I4wgY0
6
料理得意なんですね。見習いたいです。
29 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/03(木) 00:14:33.64 ID:QEI26ZEL0


貴方「料理得意なんですね。見習いたいです」

「え? ……手順は割と簡単よ。レシピも検索すれば色々出てくるんだし」

貴方「そう言えること自体が得意そうに思えるんですが……」


 まず苦手な人は作ろうとも思わないし、火や包丁を使うことを考えるとハードルを高く感じてしまう。

 というか大体買うかレストランで食べるって発想しかない。

 それか、誰かに作ってもらうか――そういう人が近くにいるといいな。


「拾ってくれてありがとう」


 先輩は最後にまた一つ礼を言ってから階段を上がっていった。


貴方(……ああ、そうだ。ご飯食ってる最中だった。弁当弁当)


 弁当を置きっぱなしにしているテーブルに戻って食事を始める。

 さっき見た豪華な夕飯の字を思い浮かべながら、今日のうちの夕飯はなんだろうなと考えていた。

30 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/03(木) 00:15:37.28 ID:QEI26ZEL0
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今日はここまで
主人公の設定によって関わりやすいキャラ・好感度上げやすいキャラってどうしても出来るんですが、
マミイベントは考えていきたいですね…。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/03(木) 00:33:43.20 ID:TwJusFSo0
クラスが違う、学年も違う、名前すら知らない、これはデカいハンデだな
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/03(木) 01:48:25.44 ID:ZcpJ1Sut0
だからこそ料理は活かせると思うんだよ
前に教室で4人でお昼摂った時のことからまどかの弁当みたいなの作りたい・食べたい、ほむらの栄養状態心配だから簡単レシピを知りたい、うまそうな弁当作ってさやかに自慢したい、みたいな感じで話題にできそうじゃん?
次会ったら多分自己紹介ぐらいあるだろうし場合によっては料理を習いたいってのを魔法少女経由で頼めば接点になりそうじゃない?
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/03(木) 03:33:45.28 ID:o5m0/24AO
うむ
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/04(金) 21:22:50.00 ID:ULnYpL5F0
杏子もクラスメイトならよかったのに
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/05(土) 22:26:15.44 ID:GdNxh/FA0
そろそろかな
36 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/05(土) 23:32:48.97 ID:z1kuW0CE0
――――
放課後



 帰りのHRを終えると、今日一日の授業が滞りなく終わる。

 そう、朝心配していたのとは裏腹に滞りなく終わったんだ。

 ……美樹たちがカメラを拾っていてくれたから。二人もあんな場所に行ったんだと思うとモヤモヤするけど。


 なにはともあれ謝りに部活に向かう必要はなくなった。さて、どうしようか?



1帰宅
2写真部
3暁美さんに撮影を頼む
4部活を掛け持ちしてみる(部を指定)
5委員会
6寄り道
 ※人物指定はできません。また、知らない個人宅等も無理です。

 下2レス
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 23:34:11.11 ID:+ygP5yh10
2
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 23:44:36.10 ID:3hpxH5et0
3
39 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 00:34:28.77 ID:obyipl8W0


 今度って言ったけど、暁美さんとの約束、できることなら今日にでも誘いたいな。

 暁美さんはまだ教室にいるだろうか。教室を見回すと、まだいつもの三人で話していた。これから教室を出るのだろうか。


貴方「暁美さん、モデルの話、よかったらこの後どう?」


 さっそく声をかけてみると、暁美さんは足を止める。

 どこか戸惑ったようだった彼女を見かねて先に口を開いたのは鹿目さんだった。


まどか「いいんじゃない?行ってきなよ」

ほむら「え、はい……!」

さやか「じゃーね、ほむら。【貴方】も」

まどか「また明日ね」

貴方「おう」


 促されて返事をした暁美さん。

 でもあの反応、もしかしたら何か用事でもあったとか?


貴方「はいって行ってくれたけど、本当に大丈夫?」

ほむら「だ、大丈夫です。私なんかでよければ……ですけど」

貴方「よくなかったら頼んだりするもんか。じゃ、とりあえず部室までいこうか」

ほむら「はい」


 ひとまず暁美さんをカメラのある部室につれていくのはいいとして、撮影場所はどうしようか。


1屋上
2部室
3教室
4校門前
5自由安価

 下2レス
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 00:38:47.10 ID:Av0wYdNl0
1
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 00:42:38.60 ID:CtZ6mWFZO
1(但し風が強い)
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 00:47:38.30 ID:hpNKTJvM0
パンチラ狙いか
43 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 01:00:55.06 ID:obyipl8W0

 ……屋上。あの時見た写真と同じ場所。

 そのイメージが強烈にあったから、真似しているようだけどまずはそこでいっか。


貴方「おつかれさまっすー」

*「おう。その子は?入部希望か?」


 半歩後ろについてくる暁美さんと一緒に部室に入ると、先輩が出迎えてくれた。

 なにか期待の目を向けられているけど違う用事だ。

 部長は気を抜くとすぐ強引に勧誘してきそうだ。無理強いさせるのはいけない。


貴方「いや、自分がモデル頼んだ子で。カメラとりに来ただけっすよ」

ほむら「…………あ、あの、お邪魔します」

*「モデル?へぇー、いいね。なんか意外だけど派手すぎない感じも逆にいいかもしれないね」


 部長、それは暗に『地味だ』って言ってないか?

 暁美さんは曖昧な表情をしている。
44 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 01:12:13.97 ID:obyipl8W0

*「そういう役割も兼ねて入部してもいいよ!うちモデル役はいないからさ」

*「心配しなくてもほら、女子もいるよ?二年だと**さんとか。知ってる?他に部活はやってんの?掛け持ちしづらい?」

ほむら「えっ、えっと……」

貴方「質問攻めにしないでくださいよ。暁美さんも急に勧誘されても困るでしょ。今日はそういうつもりじゃないんだし」

貴方「えーと、どれ使おうかな……」


 カメラの置いてある棚を探る。その中には金曜落としたカメラもあった。本当によく無事にここまで戻ってきたものだ。

 ここにはフィルム式の本格的なのも置いてある。

 けど、自分の腕にそこまで自信はないから今日は撮ったらすぐ確認できるやつを使いたい。


貴方「じゃ、撮影いってきます」

ほむら「し、失礼しました……」


 カメラを一つ取って部室を後にする。

 放課後なら屋上に他の人はいないかな。廊下を歩き、上へと階段を進む。


貴方「いつも昼は屋上で美樹たちと食べてるんだよね」

ほむら「はい。鹿目さんが誘ってくれて……」

貴方「やっぱり鹿目さんかあ」


 傍目から見ても仲良さそうだもんな。来たばっかの時から。

45 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 01:27:29.10 ID:obyipl8W0


 屋上の扉を開くと、ぶわっ――と風が一気に吹き込んできた。


貴方「うわっ」

ほむら「きゃっ」


 突風に足を止められた。暁美さんはスカートを押さえている。

 風が落ち着いてから屋上に出て青空を背にする。


 ……前に見た写真は絶妙に少し斜めの構図から撮られていた。

 今思うとあれは鹿目さん自身が背が低いからっていうのもあるかもしれない。

 あのイメージはあったけど、こんな日はローアングルはやめといたほうがいいかな。


貴方「風強いね……」

ほむら「そういえば、昼にも置いてたものがすぐ飛ばされて困ったりしてました……」

ほむら「撮りにくい、ですか?」

貴方「人物撮影なら風が吹いてたってそこまでブレることはないけど」

貴方「むしろ髪が乱れやすいとか、服が乱れやすいとか、ポーズが取りにくいとか、モデル側が最高の状態を保ちにくいってのはあるかな?」

ほむら「髪……! そうですね、せめてセットしなおしてきます。だらしないの撮られたら恥ずかしい、です」


 そう言うと暁美さんは一旦しゃがみこんでバッグを漁り、手鏡を出して身だしなみを整えはじめる。

 あの写真の自然さに惹かれたから俺としてはそこまで気張らないでいいけど、本人は撮られるならっていうのはあるんだろうな。


 そこでふと思いついた。

46 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 18:52:23.65 ID:obyipl8W0


貴方「あえて髪をまとめないっていうのはどう?」

ほむら「でも余計に乱れちゃうんじゃ。私、毛量多くて……」

貴方「風で乱れやすいなら、それを利用して靡く髪を撮るってのも雰囲気あっていいと思うんだよ。暁美さん髪長いしさ」

ほむら「そ、そう言うなら……」


 『撮る』って身も心も準備整えたらもう鹿目さんの時とは違う。同じ写真は生まれないだろう。

 だったら違う雰囲気で対抗するしかない。


 しばらくこっちに背を向けて手鏡と向き合う暁美さん。そういう姿はあまり堂々と見せたくないらしい。

 後ろから白いうなじが見える。太めの三つ編みにまとめられていたロングの髪。

 リボンを外し、二つに編みこまれてまとめられていたロングの髪がほどけていく。そこに手櫛が通ると、黒い髪がふわりと風の中に散らばった。


ほむら「終わりました……」


 暁美さんが鞄を整理して立ち上がってこちらを向く。

 ――真面目な少女然とした、悪く言えば地味な印象を与えていた三つ編みがなくなると、少し大人びて、すっきりとした印象だった。

 一言でいうと似合っていた。なんだかあか抜けた……みたいな。


ほむら「あの……撮り、ますか?」


 少しの間言葉を失っていた俺に暁美さんは遠慮がちに聞いてくる。

 艶があってまっすぐに伸びた髪。よく見ると少しだけ左右に分けていたクセの名残も発見する。


貴方「あ、うん!撮ろう!」

ほむら「ポーズとかは……」

貴方「適当でいいよ。色々撮ってみるし。あまり硬くならないでほしいかな」


 もちろん今までだって見た目が悪いとは思ってなかった。むしろ顔立ちは整っているほうだとは思う。

 でも、こうして見ると誰がどう見ても正統派美少女だ。

 ……正直、もったいない。損してる気がする。

47 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 20:06:27.45 ID:obyipl8W0


 まず屋上の中央で写真を撮って、それから柵のほうに移動してみる。

 柵に手をかけてもらってみたり、正面から撮ったり、横顔を写したり。

 恥らうような表情があの写真とはやっぱり違うけどどこか儚さを感じる。けど、俯き加減なことが多いのは少し困った。


貴方「……暁美さん、こっち」


 横に回って声をかけると、暁美さんはこっちを振り向いて目線が――レンズに合う。

 その瞬間を収めた。画面の中には、風が吹いて、靡く髪に手を添えて振り向いた姿が映っている。

 それから小さく疑問符のついた声が聞こえた。


貴方「ゴメン、すぐ下向いちゃうからさ。撮るって言うとどうしても表情が硬くなるし」

ほむら「あっ、すみません。……実は、昔からなんです。昔から、写真ってあんまり得意な思い出ないんですよ」

ほむら「せっかく撮ってもらっても一人だけ目をつむってたり、笑ってって言われても全然うまく笑えなかったり……」

ほむら「それに、【貴方】君はああ言ってくれてるけど、本当に私なんて撮っても価値があるのかなって不安になっちゃったりして……」


 カメラに写したのはそんな思いも浮かぶより前の一瞬。

 その一瞬が終わると、暁美さんはいつもの自信がなさげな様子に戻る。


貴方「そりゃ写真に自信のあるモデル向きの人はいるだろうけど、そうじゃなくてさ」

貴方「今日は暁美さんが撮りたかったんだ。だから、これでいいんだと思う」

貴方「そんなこと何も気にしないで撮ったって、十分綺麗なんだから」

ほむら「え……!?」


 最後の言葉は本心だった。――あれ、これじゃ軽薄なナンパ野郎の台詞みたいじゃんか。

 でも、これで暁美さんが少しでも自信をつけてくれるならいっか。

48 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 20:11:19.71 ID:obyipl8W0


 ――――いくつか写真を撮って、風の強い屋上を後にした。

 屋上前の廊下で、暁美さんはまた髪を整えている。



ほむら「…………あの……、さっきのって」

貴方「あ、あぁ、えっと」

ほむら「な、なんでもないです!」


 『さっきの』って、やっぱあれのことだよな。

 さすがにもう一度聞かれると俺も言葉に詰まってた。



1髪、また結ぶの?
2さっきの言葉について
3自由安価

 下2レス
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 20:13:17.13 ID:xF77mzoD0
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 20:14:45.32 ID:lQANvW/n0
1+2
最後にまた写真を撮らせてと頼む
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 20:14:57.02 ID:Av0wYdNl0
2
52 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 21:00:23.54 ID:obyipl8W0


貴方「あー、いや、えーと……言葉通りに受け取っといてくれよ」

貴方「曲解とかしないでさ。暁美さんすぐ自分なんてって言うから。自信もっていいと思う」

ほむら「そ、それって……」

貴方「ていうか、髪また結ぶの? あ、下ろしてると邪魔か」

ほむら「えっと、それもあるけど……そうでもないです」

貴方「下ろしてるほうが似合ってるよ。今日はこのままで過ごしてみるのはどう?……まあ、もしよかったらだけど」


 そう言うと、暁美さんは少し迷った後、リボンを鞄の中に戻した。


ほむら「じゃあ、【貴方】くんがそう言うなら……今日はそうしてみます」


 カメラを使った後は返さなきゃいけない。

 部室に戻る間、その間に廊下を歩きながら二人で写真を確認していた。


貴方「自分で見てみてどう?」

ほむら「じ、自分じゃよくわからないです」


 俯いてたり、ちょっとぎこちない表情もこれはこれで暁美さんらしい雰囲気になってると思う。

 でもやっぱりあの最後に撮った写真が一番思い入れがあって、綺麗に見えた。

53 : ◆xjSC8AOvWI [saga]:2019/10/06(日) 21:36:52.79 ID:obyipl8W0


 部室に戻ると、カメラを返す前にパソコンにつないだ。

 パソコンの画面にさっきも見たデータが並ぶ。印刷ができるのはここだけだ。


貴方「いくつかデータ印刷しようか。暁美さんも記念にさ」

ほむら「なんだかでも、変な気がします。何の記念でもないのに、私だけ写ってて……」

貴方「まあそう言わずに」


 いくつか写真を印刷して渡してからカメラを返却する。


ほむら「あの……今日はありがとうございました。写真も記念に取っておくことにします」

貴方「ああ。付き合わせたのは俺だろ?こっちもありがとうな。モヤモヤしてた理想に近づけた気がする」

*「――――おー、戻ってきたか。って、ん?あれ?」


 すると、ちょうどどこかへ行っていた部長が帰ってきたようだ。

 視線は暁美さんのほうに注がれていた。


*「モデルやるって言ってた子だよね?髪ほどいたのか!へー、いいじゃん」

*「マジで入部しない?俺にも撮らせてよ。【貴方】より絶対上手く撮るからさ!あ、撮る側に回るのも大歓迎だから!」

貴方「だから今日はそういうつもりで来たわけじゃないって。暁美さんも知らない人に撮られるのは嫌だったりしない?」

ほむら「えーと………………ちょっとだけ、考えておきます」

*「よし!入部の紙は先生に言えばくれるからね」

貴方「マジで……っ!?」


 これは意外な展開だった。暁美さんが首を縦に振るとも思ってなかったし。

 自信がついた結果、なのか?


 でも、これでもし暁美さんが人気になってしまったら少し複雑な気持ちだ。最初に誘ったのは俺なのに。


貴方「暁美さん、俺にもまた写真撮らせてくれる?」

ほむら「……はい」



 そう答えてくれて、満足しながら部室を出て、校舎を後にした。


54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/10/06(日) 21:40:01.98 ID:or7eByN00
メガほむ、まさかの光画部入部?
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 21:43:13.96 ID:zXVul9IPO
光画部って、あ〜るかよw
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