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絵里「例え偽物だとしても」
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202 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:32:34.43 ID:RR8ZWgfX0
絵里『まだ終わってないッ!』
希「…ただ、今はあの金髪の子が一番気になるんよなぁ」ボソッ
「…?何か言った?」
希「ううん、なんでもない。それよりさっきの話やけど」
希「厄介なのは他にいるんよ」
203 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:33:51.82 ID:RR8ZWgfX0
〜同時刻、別荘
曜「ほー!流石絵里さんは料理の腕もいいなー!」
果南「でしょ?絵里の料理はおいしいんだよ」
善子「いやなんで果南が威張ってるのよ…」
ことり「…まぁまぁかな」
絵里「あのねぇ…」
絵里(料理が出来ればゲームを強制終了させて五人で食卓を囲んだ)
絵里(始まりのトリガーを引いた時には予想も出来なかったこのメンツに、ちょっとだけ…そして勝手に運命を感じちゃった)
204 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:35:03.28 ID:RR8ZWgfX0
ことり「…それで、渡辺曜もお荷物なの?」
果南「お荷物の会へようこそ!」
曜「お荷物の会…?」
善子「怪我をしてて戦えない人のことよ、家でお留守番してるニートね」
曜「いや、私は戦えるよ。もちろん受けた弾丸の大きさにも寄るけど、横っ腹は戦闘に関してはそこまで支障をきたさない部分なんだよ、撃たれて問題なのは肩と足」
絵里「そうなの?」
曜「ちゃんと包帯とか巻いてくれてるから平気平気!」
曜「……まぁ痛いのは変わりないけど」
絵里「そ、そう……」
205 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:36:49.14 ID:RR8ZWgfX0
曜「人を殺すんだったら.308弾が使える銃とかで肉を抉らないと仕留めきれないかもね」
善子「うわえげつな……」
ことり「でもそれだと銃が重いのを使わないといけないから機動力を犠牲にしないといけないね」
曜「うん、だから大体の場合人間相手にそういうのを使うのはあんまり意味がないんだよね、使うべき相手はアンドロイドだよ」
果南「あー分かった、“再生能力”でしょ」
曜「そうそう、アンドロイドは人間を模して造られただけであって完璧な人間ではないんだよね。人間の不便なところもなるべく改善して出来上がったのがアンドロイド、つまり人間の進化形みたいなものなんだ」
絵里「……」
絵里(全ては曜の言う通りだ。これは私たちアンドロイドが人間と並びたいという反旗を翻すにあたって弁えなきゃいけないことだ。アンドロイドは人間ではない、人間と瓜二つなだけだ、その理由は様々あるがそのうちの一つ——再生能力はアンドロイドと人間を差別化させるくらいの大きな特徴だった)
ことり「再生能力が高い私たちアンドロイドは……」
善子「肉でも抉られない限り、例え致命傷でも数か月で完治する」
曜「そう、その通り、銃弾で貫かれる程度じゃ痛いくらいにしか感じないんだよね、まぁ貫かれる場所が横っ腹とか腕とかだったら人間も同じだけど、アンドロイドは頭以外だったら死なないから仕留めるなら確実な武器じゃないといけないね」
果南「ふむ……」
206 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:39:39.19 ID:RR8ZWgfX0
絵里「………」
絵里(再生能力——いえば来した傷がどれだけ早いスピードで完治するかの能力だ)
絵里(人間もアンドロイドも腕を切断されたら当然ながら再生することはない、ただしアンドロイドは腕を切断されない場合のみどんなに深い切り傷を入れられても半年くらいで何事もなかったかのように完治するのだ)
絵里(アンドロイドには皮膚の元である角化細胞より始まる四つの層と人間にはない“複素層”という五つ目の層を有していて、これは皮下組織の働きを増幅させる他角化細胞が分裂し、それが外側へ放出され皮膚になる際に角化細胞を増やし再生を早める効果がある)
絵里(つまり人間にはない体の働きをアンドロイドは有していて、それ故に再生が早いのだ)
曜「……っていうのはアンドロイドと戦う時の話!卓越した再生能力を持ってるとはいえ命は有限だ!だからみんな命は大事にね、さくせんはいのちをだいじに、だ!」
善子「だそうよ、現在お荷物のお二人さん」
ことり「うぅ〜!私だってあと少しで戦えるもん!」
果南「私はガンガンいこうぜが好きなんだけどな〜」
善子「いや誰もそんなこと聞いてないわよ……」
絵里「あはは…」
絵里(アンドロイドの再生能力について復習するような形になったが、これから色々していくうちにアンドロイドと戦う可能性もなくはない。その時は確実に仕留められるよう頭を打ち抜くか経口の大きい銃を使わなければならなそうだ)
絵里(…そしてそれは自分にも言い聞かせておかなければならない。憧れた人間とかけ離れているのは少し耐え難いモノだけど、頭以外を撃ち抜かれなければ即死は回避できるアドバンテージは活かさなければならない)
絵里(だから人間より色んな意味で優れていると自覚している以上、“それ”を多用する以上、私たちアンドロイドは人間とは別であることを弁えないといけないのだ)
207 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:41:38.09 ID:RR8ZWgfX0
曜「そういえばみんな私の事知ってるんだね、私もアンドロイド界では有名人なのかな?」
善子「いや、少なくとも私は知らなかったわ。ことりから聞いて初めて知ったくらいよ」
曜「へーことりちゃんは何話したの?」
ことり「…何も話してないよ」
曜「え…なにそれ」
絵里「んーと、曜は武器が何でも使えるとかEMPグレネードを作ったとかそういうことを聞いたの」
曜「あ、そういうこと」
ことり「……なんでEMPグレネードなんて作ったの?」
曜「いうまでもなくアンドロイドの無力化のためだよ、EMPグレネードがオーバーテクノロジーって言われるの、正直私からすれば意味不明なんだよね」
果南「どういうこと?」
曜「アンドロイドという存在はイレギュラーすぎたんだよ、人間よりも高い戦闘力を有したことでアンドロイドは武力で解決しようとする」
曜「…ただ、別にそこまではよかったんだよ。でもね、アンドロイドは限りなく人間に似せて造ってある、だからこそちゃんと個人差があって得意不得意があるんだよ」
善子「…?」
曜「つまり、アンドロイドにもどうやったっても殺せないような天才がいるんだよ」
曜「そういうのを無力化する有効な術が何故か今まで無かった、だからEMPグレネードを作ったんだよ」
208 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:42:37.01 ID:RR8ZWgfX0
絵里「天才…例えば?」
曜「……希ちゃんのところにいる業務用アンドロイド二人かな」
ことり「…!一人は知ってる」
曜「だろうね、有名だもん」
ことり「うん…」
善子「…業務用アンドロイドなんかが天才なの?」
曜「戦闘に特化した業務用アンドロイドだからね、戦う事を生業にしてるアンドロイドはそりゃあ強いよ」
果南「ふーん…」
曜「まぁEMPグレネードはそんなところだよ」
ことり「…そっか、わざわざ答えてくれてありがとう」
曜「いえいえ」
絵里「………」
絵里(あの希という人の周りにどんな人がいるのかは知らないけど、もし戦う事になれば無傷は無理でしょうね、もはや一方的に殺される可能性だってある)
209 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:44:12.96 ID:RR8ZWgfX0
善子「…これからどうする?戦える人が三人に増えたとはいえまさかY.O.L.Oに行くわけにもいかないし攻める場所が分からないわ」
曜「Y.O.L.Oはやめた方がいいよ、下手したらそこで全滅なんてこともあり得るからね」
善子「分かってる、だからどこを攻めるべきか聞いてるじゃない」
曜「…焦る必要はないんじゃないかな」
果南「というと?」
曜「様子を見るっていう選択もあるよ、無理して攻めるより果南さんやことりちゃんの傷が癒えるのを待ったり武器の補充をしたりで準備の時間があるといいと思う」
曜「平和を求めるなら、戦いに備えよ」
曜「…これは希ちゃんの言ってたことだけどね、案外間違ってないと思う」
絵里「なるほど」
果南「確かに」
210 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:49:38.34 ID:RR8ZWgfX0
善子「…そうね、少しは休む時間があるといいかもしれないわ」
ことり「そうだね」
果南「…ふふふっじゃあお泊り会と行こうか!」
ことり「遊びじゃないんだけどなぁ…」
絵里(大きな事はしてないけど、とりあえず私たちは羽休めをすることにした。これから何が起こっていくのか正直想像が出来ない)
絵里(トリガーを初めて引いたあの日から、明日ある未来なんて捨ててしまった)
絵里(…そして、その代わりに掴み取った私の望む未来を創るためのチケット)
絵里(人生は一度切り、だからこのチケットは無駄にはしない)
211 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:50:41.84 ID:RR8ZWgfX0
善子「…は?誰がどこで寝るか?」
果南「ことりと曜がどこで寝るか決まってないでしょ?」
絵里「寝室が二つしかないのよね」
ことり「…私は一人がいい」
曜「私はどこでもいいよ」
果南「じゃあ私と絵里と曜は一緒だね♪」
絵里「ええ、曜はいい?」
曜「うん、いいよ」
ことり「津島善子はどうするの?」
善子「私もおそらくことりと同じ考えをしてるもんでね、堕天使ヨハネの睡眠は誰にも見せてはいけない決まりなのよ…」
ことり「…?」
果南「ようするに、寝顔を見られたくないってやつ」
善子「堕天使ヨハネにそんな不毛な理由はない!」
ことり「…まぁそれはどうでもいいかな」
曜「いいんだ…」
善子「よくない!」
212 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:52:17.87 ID:RR8ZWgfX0
ことり「とりあえず私はこのリビングで寝るよ、津島善子はもう一つの寝室使って」
善子「え?ええ」
果南「決まりだね」
絵里「ええ」
曜「みんな何時ごろ寝るの?」
曜「なんだかんだ夜中の四時だしもう空が少し明るいよ?」
果南「私はもう寝るよ」
ことり「同じく」
絵里「私はお風呂入ってから寝るわ」
善子「私はまだ寝ない」
曜「んーそっか」
スタスタスタ
絵里「とりあえず私はお風呂に入るわね、あなたたちも寝るなら早く寝なさい」
ことり「言われなくても分かってるよっ」
果南「絵里はお母さんかな…」
絵里(とりあえずあの戦いで汗水流したのだから体はベトベト、傷は痛むかもしれないけどまさか入らないなんて選択は無いしとりあえずお風呂に入った)
213 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:56:00.33 ID:RR8ZWgfX0
絵里「相変わらず広いわね…」
絵里(お風呂は一般的に言えばまず考えられないであろう広さで、まさか大浴場とまではいかないけど広く四角い空間の三辺にはなぜかシャワーと鏡がついてるし、ご丁寧にシャンプーリンスボディソープも配置してあってあるべきものはしっかりある模様)
絵里「ふー…」
絵里「疲れた……」
絵里(とりあえず何かする前に湯船に浸かった、傷は染みて痛いけど耐えられないほどじゃない)
曜「お邪魔しまーす」
絵里「!」
バシャーン!
曜「うわっ!?急に酷いよー!」
絵里「びっくりした…勝手に入らないでよ!」
絵里(突然バスタオルを巻いた曜が入ってきて驚いてお湯をかけてしまった、突然というタイミングで入ったのにも驚いたけど何よりお風呂というプライベートを曝け出す時に勝手に入られたのが一番の驚きだった)
曜「勝手にってここのお風呂は一人用じゃないじゃん…」
絵里「例え相手が女でも見られて恥ずかしいモノは恥ずかしいのよ!」バシャバシャ!
曜「じゃ、じゃあ見ないから!お湯かけるのやめて!熱い!」
絵里「はぁ…はぁ…」
絵里(…まぁここは我慢するしかない、そう思い妥協した。そしたら曜は私から見て向かいのシャワーの場所に座った)
214 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:57:04.95 ID:RR8ZWgfX0
曜「ふー…いってて……」
絵里「横っ腹?」
曜「そうだよ、水は染みるね…」
絵里「…そうね」
曜「おーすごい、このシャンプー高級なやつでしょ」
絵里「多分そうよ、真姫の家だし」
曜「私もこんな贅沢出来るお金があったら対アンドロイド特殊部隊なんてところには入ってなかったんだけどなー」
絵里「でもいいじゃない、そこに入れたおかげで強くなれたんだから」
曜「別に私は強くなりたかったわけじゃないから何とも言えないかな…」
絵里「…そう」
215 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:58:11.18 ID:RR8ZWgfX0
曜「…絵里さんはさ」
絵里「…何?」
曜「私が裏切って、次確実に仕留められる状況になったら私を殺す?」
絵里「もちろん殺すわよ」
曜「…うん、それは知ってる」
曜「……一応さ、ありがとうって言っておくよ」
絵里「…?意味が分からないんだけど」
曜「絵里さんはね、優しすぎるんだよ」
絵里「…そんなことはないわよ」
曜「なら、なんであの時私を殺さなかった?」
絵里「!」
216 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 20:59:28.77 ID:RR8ZWgfX0
曜「……殺せなかったんでしょ?」
曜「人を殺すのが怖いんでしょ」
絵里「…どうしてそう思うの?」
曜「…瞳、かな」
絵里「瞳?」
曜「私に銃口を向けてから絵里さんの瞳は揺れるばかりだったじゃん、明確な殺意があったならあそこで殺すのを躊躇う理由なんて何一つないし」
絵里「………」
曜「それにね、ことりちゃんを助けようとしてた時だってにこさんを殺せてたじゃん」
絵里「あ、あれはたまたま拳銃に当たっただけで――」
曜「それは違うね、なら連射をすればよかった。違う?」
絵里「………」
曜「いくら相手が超一流とはいえにこさんはアンドロイドじゃないからね、完全なる不意打ちで初弾が当たらなかったとはいえ二発目が避けられるかといえばそれはNOだよ」
曜「…きっと殺す覚悟はあるんだと思う、流れとかに任せちゃえばきっと殺せるんだと思う。けど致命的に絵里さんは相手を痛めつけることは出来ても殺すことのできない情がある」
曜「……正直言って、戦場に立つには向いてないかな」
217 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:01:32.67 ID:RR8ZWgfX0
絵里「…なら」
曜「いや別にいいんだよ、絵里さんは強いから。戦場に立ったって」
曜「でも不安なんだよ」
曜「あの時みたいに確実に仕留められる状況で、いつまでも殺すことを躊躇っていたら相手が何かしてきて絵里さんを殺してしまうかもしれない、助けが来て絵里さんが殺されてしまうかもしれない」
曜「優しすぎる故に、不安なんだよ」
絵里「………」
曜「…いや、まぁだからさ…そのさ……」
絵里「…?」
曜「…私が代わりに殺してあげようって思ったの、相手を」
絵里「…なにそれ」
曜「絵里さんの戦闘は不安だらけなの!だからいざという時は私が殺してあげるって言ってるの!」
絵里「………」
絵里(どうしてなんだろう。曜は…曜はどうしてそこまでしてくれるんだろう、数時間前までは敵だったのに、今ではこんなこと言ってくれるなんて意味が分からないわよ)
218 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:02:35.17 ID:RR8ZWgfX0
絵里「…どうしてそこまでしてくれるの?」
曜「…正直言うとね、お金はたっぷりあるんだけど引き下ろせないんだ」
絵里「なんで?」
曜「絵里さんに協力しちゃったからね」
絵里「!」
曜「協力したのは私の意志だよ、まぁ協力せざるを得ない状況にいたのも否めないけど」
曜「だからどの道私は絵里さんの背中を追うことしかできないんだよ、お金が欲しいなら絵里さんに協力して平和に暮らせるまで戦わないといけないんだよ。それなら本気で、出来ること全てをこなして生きなきゃって思ったの」
曜「私渡辺曜は、絵里さんの背中に全速前進ヨーソロー!ってね」
絵里「曜…」
曜「…まぁ、だから少しは私のこと信用してもらえると嬉しいかな」
219 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:03:25.23 ID:RR8ZWgfX0
曜「ことりちゃんにはものすごい警戒されてたし、善子さんにもかなり鋭い目で見られてたから…」
絵里「…そう、でも安心して」
絵里「私は曜の事信じてるから」
曜「…ふふっありがとう」
絵里「……あははっ」
絵里(頬を赤らめて嬉しそうに微笑む曜を見てたら、私も喜びの表れで照れ笑いをしてしまった)
絵里(まぁ、この事を曜に言われなくても私は曜のことを信じてたけど、こう改めて言うとなんか小恥ずかしいものがあるわね…)
曜「そろそろ戦うのはやめたいなって思ってたけど、まだまだ私は現役かな」
絵里「ええそうね」
絵里「当分は……」
220 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:05:52.64 ID:RR8ZWgfX0
〜???
カランカランッ
にこ「…!随分と珍しい面がいるじゃない」
「あ、こんばんはにこさん」
にこ「このバーの場所が分かるってことはたまたまここへ来たわけじゃないのでしょう?」
「そうですね、この時間ににこさんがここへ来るというのを知ったいたのでここへ来ました」
にこ「…やっぱりあんた気持ち悪いわね」
「えへへ、殺し屋ですから」
にこ「それで何の用?私はここのイチゴジュースを飲んですぐに帰りたいのだけど」
「ふむ…では簡潔にまとめて言いますと」
「にこさんたちの敵はあの金髪ポニーテールの人たちだけじゃありませんよ?」
にこ「…それは絢瀬絵里率いる集団とは別にあんたらが敵だと言いたいわけ?」
「いえいえ違いますってば!例えあなたたちに敵愾心がなけれどいずれ戦う事になるだろう相手のことです」
221 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:07:47.78 ID:RR8ZWgfX0
にこ「それを私に教えて何のつもり?」
「気を付けてほしい、という私個人からの忠告ですよ」
にこ「ふーん…やっぱりあんたら殺し屋って考えてることがまったくもって理解出来ないわね」
「でも、にこさんは対アンドロイド特殊部隊の中ではかなり理解のある人ですよね」
にこ「…ええそうかもね、もしかして私のところにきたのもそう思ったから?」
「当たり前じゃないですか、対アンドロイド特殊部隊でまともなのといえばにこさんか曜さんしかいませんから」
「でも、曜さんには先客がいたみたいなのでにこさんのところに来ました」
「あ、後にこさんは数少ない私たち殺し屋と友好な関係にある人じゃないですか」
にこ「友好ねぇ…」
「間違ってませんよね?」
にこ「…どうかしらね」
にこ「……でもまぁありがとうと言っておくわ」
「えへへ…」
222 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:09:40.41 ID:RR8ZWgfX0
カランカランッ
海未「はぁ……ってあなたは…!」
「あ、海未さんこんばんは」
海未「…何の用ですか?」キッ
「あ、えーっと…海未さんが来たなら私はおいとまさせてもらいます」
「それじゃあ!」
タッタッタッ
「…あ、でも一つ、海未さんにもにこさんにも言っておきますね」
にこ「何?」
「今日からあなたたちが敵にする相手は全員、最強レベルですよ」
「例え化け物染みた海未さんや頭のおかしいあの人たちをもってしてもそれは変わりません」
海未「…つまりは希たちということですか?」
「…もしかしたらそうかもしれません、でも他にも敵がいることを忘れないでくださいね」
「ではっ」
カランカランッ
海未「…何なんですかあれは」
にこ「さぁね、でも間違ったことを言ってるわけじゃ無さそうよ」
223 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/25(水) 21:12:04.31 ID:RR8ZWgfX0
海未「曜が行方不明という時に不安を募らせないでほしいですね」
にこ「………」
『でも、曜さんには先客がいたみたいなのでにこさんのところに来ました』
にこ「先客がいた、とか言ってたわね」
海未「え?」
にこ「…いや、なんでもないわ」
にこ「これからどうしましょうかね」
海未「とりあえずは曜の捜索でしょう、それ以外にあるとは思えません」
にこ「まぁそうよね」
にこ(だけど手がかりもないのにどうやって見つけるのかしら…それに私たちだって暇じゃないから曜だけに焦点を当てられるわけじゃないし、私としては曜よりも絢瀬絵里の行方の方が気になるわね……)
海未「…なんですか、にこ?」
にこ「ちょっと考え事」
海未「そうですか」
にこ「ええ」
にこ「………」
にこ(…希に会ってみるか)
224 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:14:22.95 ID:RR8ZWgfX0
〜別荘、寝室
曜(しばらくは海未さんたちは私を探しに色々まわるはず…ならやっぱり動かないのがいいかな)
果南「何考えてるの?」
曜「うーんちょっとこれからをね」
果南「そっか」
曜「絵里さんは?」
果南「武器について色々調べてる」
曜「武器?」
果南「知り合いに真姫っていうお金持ちの子がいて、その子が絵里に好きな武器をくれるらしいから絵里もどの武器がいいか色々見てるんだと思うよ」
曜「へー武器か」
果南「絵里の戦法にあった銃を使わないとね」
曜「うん、その通りだね」
225 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:15:59.16 ID:RR8ZWgfX0
果南「確か曜はほとんどの武器が使えるんだっけ?」
曜「そうだよ、ライトマシンガン以外は使えるよ」
果南「へーどうやって武器選んだの?色々使えるならやっぱり迷うでしょ」
曜「やっぱり実際使ってみていいと思ったやつを使ってるかな、子供の頃から動物とバトってたから試し打ちはいくらでも出来たし」
果南「なるほどね」
曜「…でもまぁ、今はそういうことできないだろうね」
果南「難しいかもね」
曜「となると絵里さんは迷うと思うよ、同じ武器種でも性能は大きく違うわけだし」
果南「まぁね」
226 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:18:02.08 ID:RR8ZWgfX0
曜「…ん?でも絵里さん確かアサルトライフル持ってたよね?」
果南「あぁあれはことりのだよ」
曜「そっか、じゃあ借りたんだね」
果南「そうそう、ちゃんと使えてた?」
曜「うーん絵里さん自身が攻撃的じゃないってのもあるけどあんまり撃ってなかったかな」
果南「そっか、やっぱりいきなりは無理だったのかも」
曜「どうだろうね」
曜「…あ、でもそういうわけじゃないと私は思う」
果南「ん、なんで?」
曜「絵里さんはどっちかっていうと近距離で戦う方がいけるって思ってるんじゃないかな、だから近距離に対してことりちゃんの持ってるあのアサルトライフルは弱いんだよ、連射速度はそこまで高くないしアサルトライフルってそもそも重いし」
曜「それを理解した上での行動なんじゃないかな」
果南「なるほどね、じゃあ絵里は善子と同じでサブマシンガンがいいわけだ」
曜「そうだね、私はそう思う。連射速度が早くて瞬時火力が高い銃を使うべき」
227 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:21:40.41 ID:RR8ZWgfX0
果南「となるとどういう銃?」
曜「……お金があれば今すぐにでも私が最適な銃を作るんだけどね」
果南「んー…お金ならあるよ」
曜「え?」
果南「真姫に頼めばお金はくれるよ、絵里が生きている以上はね」
曜「…その真姫さんっていう人は絵里さんとどういう関係?」
果南「うーん…」
果南「パートナー、のような関係かな」
曜「パートナー?」
果南「まぁ昔色々あったんだよ、でも私はよく知らないんだよね」
曜「そ、そっか」
果南「まぁお金の件、絵里に行ってみようか?」
ガチャッ
絵里「ふぁ〜…」
果南「ほら丁度来たみたいだし」
絵里「ん?どうしたの?」
果南「実はさ――」
絵里(突然持ち掛けられた話、聞けば曜が私に最適な銃を作ってくれるとのことで、どんなものかは教えてくれなかったけど、戦闘経験豊富な曜が私に最適な銃を作ってくれるなら是非ともそうしてもらいたい)
絵里(調べてネットで得た知識なんかより曜の持ってる知識を使った方が何十倍もいいだろうからね)
228 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:22:50.07 ID:RR8ZWgfX0
果南「はー!このベットはやっぱり広いなー三人一緒でもまだ広いや」
絵里「随分と楽しそうね」
果南「そりゃあ楽しいよ」
曜「…私も分かるかも、このドキドキ感と謎の高揚感がいいよね」
果南「いいねぇ曜は分かってるよ」
絵里「私は分からないわ…」
果南「ふふふっーぎゅー!」
絵里「むぐっ…苦しいわよ」
曜「同じく…」
果南「いいじゃーん、せっかく一緒に寝てるんだし」
絵里「子供か…」
曜「ふふふっ果南さんって面白いね」
果南「毎日を精一杯楽しみたい人だからさ」
曜「…そっか、すごくいい人だね」
絵里「…ふふふっ」
絵里(やっぱり果南には敵わない、人を笑わせてくれるその明るさはホントに感謝すべきで見習うべきモノだ)
絵里(それでいて強いというのだから果南は卑怯、もっとも今は戦えないけどね)
229 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:24:49.06 ID:RR8ZWgfX0
〜夕方
真姫「訳の分からない話を聞いて色々来てみたけど…」
ことり「おはよう♪」
曜「おはよう!」
真姫「…なんか増えてない?私の錯覚?」
絵里「ん?錯覚?」
善子「残念ながらそれは錯覚じゃないのよ…そう、堕天使ヨハネが作り出したげんえ」
果南「本物だよ」
善子「私が喋ってる時に割り込むな!」
真姫「絵里からメールが来てなんか銃の部品をめちゃめちゃ発注してくるから急いで揃えたけど…渡す前に状況を説明してくれる?」
絵里「ええ、もちろんよ」
絵里(その日の夕方、真姫がこの別荘へ来た)
絵里(来た理由はもちろん朝起きてすぐに送った曜の作りたい銃の部品を持ってきてもらうためよ)
230 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:27:18.97 ID:RR8ZWgfX0
真姫「えぇ…仲間にしたって…」
絵里「いいじゃない、それで今がこうやって平和なんだから」
真姫「まぁ別に絵里がいいなら私はいいけど…でも大丈夫なんでしょうね?」
真姫「特に元対アンドロイド特殊部隊に入ってたと言われるあなた」ジロッ
曜「あはは…大丈夫だよ…」
真姫「というかあなたは退院してすぐに戦ったのね…」
ことり「戦ったんじゃなくて戦わされただけだもんっ!」
真姫「そう…」
真姫「…まぁいいわ、はい部品」
絵里「ありがとう」
真姫「大切にしてよね」
絵里「ええ」
231 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:30:21.25 ID:RR8ZWgfX0
真姫「…それでみんなはこれからどうするの?」
果南「とりあえず様子見ってことでみんなここでくつろいでる状態だよ」
真姫「そ、そう…」
絵里「真姫の方は大丈夫?」
真姫「ええ、おそらく私は警戒されてないはず」
絵里「ならいいけど」
絵里「…あ、はい。曜、これ部品ね」
曜「はい、預かったよーじゃあ後は私にお任せ!あ、後ここにある機械色々借りるね!」
タッタッタッ
善子「…行っちゃった」
ことり「流石行動が早いね」
果南「どんな銃が出来るんだろう?」
絵里「…分からないわ」
232 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/25(水) 21:33:34.02 ID:RR8ZWgfX0
真姫「サブマシンガンでしょうね、部品的に」
果南「それは私も分かるよ、ただどんなサブマシンガンかが分からないんだよ」
真姫「…それは私もよく」
ことり「同じサブマシンガンでも性能は大きく違うからね、武器種を聞いたところで一概にどんなものか想像は出来ないね」
善子「そうね」
絵里「…まぁその話はいいわ、それより真姫はどうする?もう帰る?」
真姫「ええ、本当はもっといたいけど流石に長居は危険だからね、帰らせてもらうわ」
果南「はーい、気を付けて帰ってよ?」
真姫「言われなくてもそのつもりよ」
絵里「じゃあね」
真姫「ええ、また」
スタスタスタ ガチャンッ
233 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:35:28.14 ID:RR8ZWgfX0
絵里「…お金は全額真姫負担な上にわざわざ部品を持ってきてもらうなんてなんか申し訳ないわね……」
ことり「西木野真姫の性格を見るにイヤなら断ってるから大丈夫だと思うよ」
果南「私もそれは同意見かな」
善子「同じく」
絵里「…戦闘型アンドロイドと標準型アンドロイドは感受性が違うのかしら」
絵里(夕方のわずかな時間で話は一気に進んだ、部品が届き曜は私の銃を作ってくれるということで家の機械やら何やらを使って一室にこもってるし真姫はすぐに帰ってしまった)
ことり「あ、ずるいよ!」
善子「ふふふっ…これは早いもの勝ちなのよ…」
果南「いっけー!これでもくらえっ!」
絵里「ふふふっ」
絵里(それで残された私たちはそれぞれ自由な時間が出来るわけだけど、私を除いた三人はゲーム三昧の様子)
234 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 21:37:59.85 ID:RR8ZWgfX0
一旦中断
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/25(水) 21:52:31.41 ID:lxuObvUqo
曜ちゃん一見まともそうだけどかなりサイコパスだな
236 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/25(水) 22:09:04.44 ID:RR8ZWgfX0
果南「絵里はゲームしないの?」
絵里「お皿洗ってお風呂沸かしたらね」
善子「あ、ごめん…」
絵里「いいわよ別に、三人は遊んでて」
絵里(私も遊びたいけど、色々やることあるしそれを先にやってから)
絵里(だからキッチンで皿洗いをしながら三人の姿を見てるけど、この時間は不思議と私の人生が充実してるなって思ってしまう。間違ってはないのだろうけど、でもどこかが違うそんな充実は実に甘味で……)
絵里(銃弾一つで壊れてしまうような、硝子で出来た秘密の楽園。そんな場所なのかもしれない、ここって)
237 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:10:47.40 ID:RR8ZWgfX0
善子「そういえばことり」
ことり「何?」
善子「ことりって人の名前を呼ぶ時って必ずフルネームで言うわよね、なんで?」
ことり「その呼び方が一番しっくりくるからだよ」
果南「えー私たちのことちゃん付けしてよー果南ちゃん♪って」
ことり「…絵里ちゃん」
絵里「! え、ええ?」
ことり「……善子ちゃん」
善子「ええ!後ヨハネちゃんでもいいわよ!」
ことり「………」
ことり「松浦果南」
果南「なんで!?」
238 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:11:31.41 ID:RR8ZWgfX0
ことり「松浦果南は松浦果南の方がしっくりくる」
善子「ぷっ…くすくす…」
果南「えぇ…なんか納得いかない」
果南「後そこの堕天使野郎笑うな」
善子「ヨハネよ!」
ことり「松浦果南にちゃん付けは似合わないよ」
果南「納得いかない…」
絵里「あははは…」
239 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:14:41.28 ID:RR8ZWgfX0
〜同時刻、某カフェ
にこ「…遅かったわね」
希「ごめんごめんって、色々あって遅れちゃった」
にこ「そう」
希「よいしょっと、にこっちがウチに連絡なんて珍しいやん?明日は槍でも降るんやない?」
にこ「降るなら銃弾ね」
希「うーんまぁあり得なくもない」
希「…そういえばあの住宅街のやつはよくもやってくれたね」
にこ「希がグレネードを使った時点で被害は大きかったからあの状況は何を使っても許されたでしょうに」
希「それでグレネードランチャーを使っていいなんてことにはならないやん?第一にこっちは正義の味方やん」
にこ「はっ私は正義の味方なんてやってるつもりはないわよ、勝つための常套手段を使っただけ。爆破で人が死ぬとか知ったこっちゃないわよ」
希「……よくそんなんで対アンドロイド特殊部隊で一番か二番目に常識人なんて言われたものやね」
にこ「他が頭おかしすぎるのよ、そのせいで対アンドロイド特殊部隊のメンツも仲がいいわけじゃないし」
希「…確かにウチもあそこの子たちとはあまり関わりたくないかなぁ」
240 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:16:20.13 ID:RR8ZWgfX0
にこ「ええそうね、でもそんなことより私は聞きたいことがあるのだけど」
希「あ、そうやったね。じゃあ改めてウチに何の用?」
にこ「曜の行方とあんたの連れであるあのお茶目なアンドロイドが言う絢瀬絵里率いる集団でもあんたら殺し屋でもない敵というのを知りたい」
希「うーん、なるほどね」
希「まぁ結論から言うと曜ちゃんの行方は言えないかな」
にこ「…どうしてよ?」
希「ウチとにこっちは友達という関係ではあるけど仲間ではない、いくらウチが無関係とはいえにこっちだけ有利に進む情報はあげれないかな。にこっちが不利っていうならあげてもいいけど、にこっちの周りは海未ちゃんを始めとした頭おかしい人が集まってるから有利になる情報をべらべら言っても面白くないんよね」
希(…というか、今の状況はあの金髪の子の方が圧倒的に不利だし尚更教えるわけにもいかないやんね)
にこ「…あんたってホント意味不明ね」
希「ウチは殺し屋だけど、これでも常識人で相手の立場を尊重してるから♪」
にこ「…それで常識人なら世界のほとんどの人間が常識人ね」
241 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:17:51.78 ID:RR8ZWgfX0
希「実力行使で聞きにこないんだ?」
にこ「あんたら殺し屋に喧嘩を売るととんでもなくめんどうなことになるからね、しかも今はあまり戦力を削れない状況だし」
希「んーまぁそうやね」
にこ「それでどうなの?曜の事はさておきもう一つの方は」
希「いいよ、そっちは教えたげる」
希「でも謎なところもかなり多いからあまり期待しないでね」
にこ「ええ」
希「――ちゃん曰く相手の人数はおそらく三人、それでウチらと同じように殺し屋をやってるらしいよ」
にこ「また殺し屋か…」
希「戦闘は一回もしてないから使用武器とかは分からないけど、まぁ手練れやろうね。動いてるのをわざとちらつかせてるから何かを企んでると考えた方がいいかもしれん」
にこ「…希はそいつらをどうするつもり?」
希「正直邪魔だけど、変に手は出せんからなぁ」
希「しばらくは様子見かなぁ」
にこ「…そう」
希「はぁ…何個も何個も問題を持ってこないでほしいね」
にこ「それはこっちのセリフよ、敵は一つだけ充分よ」
希「全くやね」
242 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:21:31.46 ID:RR8ZWgfX0
希「…まぁいいや、ねえにこっち」
にこ「何?」
希「ウチはにこっちに情報を提供したんだからにこっちもウチに情報を提供すべきだよね?」
にこ「…何が欲しいの?」
希「あの金髪の子のこと……いや欲張り言うならあの金髪の子そのものが欲しいかな」
にこ「金髪?絢瀬絵里のこと?」
希「そう、多分その子」
にこ「…絢瀬絵里が欲しいっていうのは何?部下にでもしたいの?」
希「そうそう!あの子はウチにとって魅力そのものでしかないね、アンドロイドに詳しいウチなら分かる、あの子は“未知の力”を有している」
にこ「未知の力?」
希「なんというか…潜在的っていうんかな?一回戦うだけじゃいまいち力が把握出来ないんよね」
にこ「ふむ…」
希「…まぁいいや、ウチが聞きたいのはそういうことじゃないんよ」
にこ「…何?」
希「その絢瀬絵里って子は何型のアンドロイド?」
にこ「標準型アンドロイドよ」
希「…なるほどね、ありがとうにこっち。ウチが戦ったのは金髪の子じゃなかったから分からなかったんよね」
243 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:23:16.01 ID:RR8ZWgfX0
にこ「…どうするつもり?」
希「……ノーコメントやね」
にこ「殺しに行くなら手伝うわよ、私たちも殺すことを目標としてるし」
希「残念だけどにこっちたちと組むつもりはない、それにウチはその絵里って子を殺したいとは思ってないし。さっきも言ったやん?部下にしたいって」
にこ「…そう、残念だわ」
希「さて、用件は済んだみたいだしウチはここらでおいとまさせてもらうよ、あまり長居はしたくないんでね」
にこ「ええ、じゃあね」
希「ほい、じゃあ」
スタスタスタ
にこ「………」
にこ(絢瀬絵里と希が組んだら……まずいわね)
にこ(その場合は……どうするかしら)
にこ(お互いの総力を費やして戦う総力戦か、それとも私も希の方へ寝返った方がいいのかしら)
にこ「…はぁ、殺し屋は一人だけで充分よ……」
244 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:25:16.46 ID:RR8ZWgfX0
〜数時間後、別荘
善子「そのアサルトライフルがどうしたの?」
ことり「ん、あぁこれどうしようかなって」
果南「絵里が使った時にボロボロになっちゃったから流石に使えないよね」
ことり「うん、でも長いこと使ってたしあまり捨てたくないなって」
善子「あ、分かるわ、捨てるに思い出とかが邪魔して捨てられないのよね」
果南「そういうものなの?あまり気にしたことがないんだけど」
善子「そういうものよ」
絵里「…曜に修理してもらったら?」
ことり「あ、絵里ちゃんいたんだ」
絵里「今お風呂から出たところ、曜なら直せるんじゃない?銃が作れるんだし」
果南「確かに」
ことり「……あんまりあいつに頼りたくない」
善子「…まぁ気持ちは分からなくもないわ」
245 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:27:54.10 ID:RR8ZWgfX0
〜数時間後、別荘
善子「そのアサルトライフルがどうしたの?」
ことり「ん、あぁこれどうしようかなって」
果南「絵里が使った時にボロボロになっちゃったから流石に使えないよね」
ことり「うん、でも長いこと使ってたしあまり捨てたくないなって」
善子「あ、分かるわ、捨てるに思い出とかが邪魔して捨てられないのよね」
果南「そういうものなの?あまり気にしたことがないんだけど」
善子「そういうものよ」
絵里「…曜に修理してもらったら?」
ことり「あ、絵里ちゃんいたんだ」
絵里「今お風呂から出たところ、曜なら直せるんじゃない?銃が作れるんだし」
果南「確かに」
ことり「……あんまりあいつに頼りたくない」
善子「…まぁ気持ちは分からなくもないわ」
246 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:30:03.96 ID:RR8ZWgfX0
ことり「だから対アンドロイド特殊部隊にいる人もそうだしあの殺し屋の集団もそうだけど今使ってる武器が最適な事が多いんだよ」
絵里「じゃあスナイパーを使ってる人はスナイパーが一番いいのね」
ことり「うん、そうだよ。でも私にはよく分からないかな、スナイパーをメインにしてる人の気持ちが」
果南「色々あるんだと思うよ、性格とかもそうだしスナイパーって大して動かなくていいからそういうのも関係してると思う」
絵里「あぁなるほど」
善子「人それぞれよね、使う武器にもちゃんと理由があるしその武器の中で更に種類があってそれにも理由があるんだから」
果南「アサルトライフルにサブマシンガン、ショットガンやスナイパー、そしてライトマシンガンやマークスマンライフルなんてものもあるんだからそりゃあみんな使う武器も違うよ」
絵里「みんな色々考えてるのね…」
絵里(銃なんてとりあえず持っておけばいいって考えてたけど、そんなことは全然ないみたい)
善子『…こんな拳銃一つじゃあの二人とは戦えない』
絵里(何度も頭の中で響くこの言葉、善子も果南も、そしてことりも自分の最適な銃を使ってると聞くけど私にとって最適な銃っていうのはどういうものなのかしら)
絵里(希って人のショットガン二丁もそうだし、曜の使える武器の多さもそうだし、きっとそこに個性だって求められるのだと私は思う。こういう時に銃を使った戦闘経験の浅さが滲み出るのが悔しかった)
絵里『私が…私が…!』
絵里『……なんで』
曜『人を殺すのが怖いんでしょ』
絵里「………」
絵里(人を殺すのに躊躇いがあるのも、それが関係してるのかしら…)
247 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:33:41.97 ID:RR8ZWgfX0
善子「それで結局どうするの?その銃は」
ことり「…考える。どうせまだ戦えないんだし」
絵里「傷酷いしね…」
ことり「そうそう、いざという時は別の銃を使うし」
果南「ことりって他の銃使えるの?」
ことり「サブマシンガンなら使えるよ、アサルトライフルならバースト銃じゃなければほぼ使えるはず。ブレが酷い銃はちょっと厳しいけど…」
絵里「バースト銃?」
善子「多分三点バーストの事を言ってるんじゃない?」
絵里「あぁなるほど」
絵里「…ん?三点バーストってトリガーを引くと弾が三発出る銃よね」
善子「そうよ、こういうバースト銃の利点はブレを抑制しやすく弾の消費を抑え銃の部品へのダメージを少なくできること、フルオートじゃない分トリガーを引いた時照準がぐんと上がることはないし、リロードの頻度も落ちる、トリガーを引くことでの銃への負担も少ないから長く使える、これに限るわ」
善子「だけど単純な手数で言えばフルオートに劣るわ、フルオートはトリガーを引きっぱなしでいいけどバースト銃は一回一回引き直さないといけないから絶対に手数負けする」
248 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:35:19.04 ID:RR8ZWgfX0
絵里「ふむ…難しいわね。でもバースト銃はブレを抑制しやすいんでしょ?ブレが酷い銃が使えないっていうならことり向けじゃない」
ことり「そういう問題じゃないよ、私は昔から立ち回りが丁寧だって言われてあまり決定打が無くて、だから今の私に必要なのは火力なの、だけど火力が高い銃ってどうしてもブレが酷い銃しかなくて、私どうしても扱えなくて…」
ことり「だけどやっぱり火力は欲しいからだからバースト銃っていう小回りが利く銃を使うよりかはこのQBZ-03のようなちゃんと手数があるフルオートでブレもそこまでない素直な性能をした武器が私にとって一番の銃なのっ」
絵里「へ、へぇ…」
絵里(やはりにわかが口を出すものではないと思った、私の武器については曜に任せようそうしよう…)
絵里「銃って奥が深いのね…」
果南「あはは、ホントにね」
善子「こんな話してたら曜がどんな銃を作ってくるのか気になってきたわ…」
ことり「ねっ」
絵里「ええ」
絵里(これからを生き抜くためには銃の知識も少なからずは必要になるでしょう、だからその時のために、今色々準備する必要がありそうね)
249 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:36:56.03 ID:RR8ZWgfX0
〜二日後夜、公園
海未「希」
希「……ん?」
海未「ようやく見つけましたよ、希」
希「何か用?ウチの少ない休み時間を邪魔しないでほしいんやけど」
海未「にこから聞きました、曜の居場所を知ってるそうですね」
希「さあね」
希「というか、今日はフードまで被ってどうしたん?夏真っ只中だって言ってるのに暑くないん?」
海未「心頭滅却すれば火もまた涼し、またその逆も然りです」
希「ひゅーすごいねぇ、剣術を歩む者ってのは」
カチャッ
希「…なんでウチに銃口を向けるん?」
海未「曜の居場所を言ってください」
希「イヤだね」
250 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:39:42.76 ID:RR8ZWgfX0
海未「…では、死がお望みで?」
希「……海未ちゃんさ、足を撃たれたって聞いてたけどなんで平然と動いてるん?」
海未「あなたなら知っているでしょう?」
希「…海未ちゃんって本当に人間なんだよね?実はアンドロイドでしたってオチあるよね?」
希「その再生能力、即時回復とは言わないけど数日経てば治っちゃうソレは軽蔑もんだね」
海未「ありがとうございます、私の体を褒めていただいて」
希「…気持ち悪いね」
海未「ええ、それで教えていただけるのですか?」
希「………」
希(向けられた銃口はほぼウチの真横にあった、下手な抵抗をすればウチは死ぬだろう)
希「……それは無理な出来事やねっ!」
海未「っ!?」
バァンッ!
希(…ただ、上手に抵抗すればどうってことない)
希(ジャングルジムに寄りかかりながらコーヒーを飲んでたウチはしゃがみと同時に海未ちゃんに向かって足払いをした、結果海未ちゃんの持つ拳銃から放たれた銃弾は空へと向かいウチは見事に銃弾を回避することに成功、そしてそのまま浮いた海未ちゃんの背中をキックし、ジャングルジムに叩きつけ攻撃に転じた)
251 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/25(水) 22:42:42.51 ID:RR8ZWgfX0
海未「がッ…あっ!」
希「今ここで死ぬのは海未ちゃんだよ」
海未「…っ!」ブンッ!
希「おっと」
希(叩きつけられた海未ちゃんはすぐさまジャングルジムの棒を掴んで体勢を立て直してそのまま突き蹴りをしてきたもんで、ウチは顔を少し横に逸らして回避した)
海未「あまり私を怒らせない方がいいですよ、死にたくないなら早めに曜の居場所を言った方が希の為でもあると思うのですが」
希「心配してくれるのはありがたいけど生憎曜ちゃんの居場所を言うつもりはないかなぁ」
海未「ならやはり死んでもらわないとダメなようですね」シュッ
希「そんなのお断りやねっ!」
希(海未ちゃん特有の超スピードの跳躍は人間の反応速度じゃほぼ回避不可能、だから受け止めるしかないんやけどウチはこの跳躍を何回も見てきたものでね)
希「知ってるよ!海未ちゃんが跳躍をするタイミングなんてっ!」
希(ある程度タイミングさえ読めば返り討ちだってできるんよ。海未ちゃんと距離を置いて、その距離を詰めるべく跳躍をした海未ちゃんに対しウチは蹴り上げをした、結果海未ちゃんのお腹に蹴りがヒットして跳躍の勢いは止まり海未ちゃんは背中から地に落ちていった)
252 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:45:21.01 ID:RR8ZWgfX0
希「まだまだいくよっ!」
希(倒れる海未ちゃんの心臓目掛けてショットガンを一丁突き刺しに行ったけど、海未ちゃんは横に転がり回避――そしてそこからウチは地面に突き刺さったショットガンを抜いて海未ちゃんに向かって片手で発砲、だけど案の定海未ちゃんは超スピードの跳躍でウチが撃つ前に射線から外れてた)
海未「後ろですよっ」
希「はいはい」
希(一瞬でウチの後ろを取るのは流石に人間とは思えないけど、これが海未ちゃんなんだろうね)
希(後ろから声がした時はウチも避けることも受け止めることも諦めて食らうことを選んだよ)
希(戦闘経験が浅い人ならここで発砲をする為に銃を構えて反撃の隙を作ってくれるんやけど、海未ちゃんはそうしてこなかった)
海未「はぁッ!」ドカッ!
希「ぐ…ぎっ…!」
希(お返しと言いたげな背中への強烈な飛び横蹴り、この威力ときたらやっぱり人間とは思えない威力だよ)
希(蹴りを食らったウチは前方へと吹っ飛んだ)
希「はぁ…いったた……」
海未「随分と余裕そうですね」
希「ウチは常に受け手なもんでね」
253 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:48:29.90 ID:RR8ZWgfX0
海未「あの蹴りを食らってもそこまでダメージが通ってないのはもはやアンドロイドと疑ってしまいますね」
希「それはお互い様やん?」
カランッ
海未「!?」
希「あ、気付いちゃった?」
海未「なっ…」
ドカーン!
希「…まぁもう遅いけど」
希「……海未ちゃん相手にはもっと別の場所で使いたかったんだけどね」
希(ウチの十八番と言っても過言じゃない技…なんかな?)
希(ウチは小さい時は占いや手品が好きだった、神秘学が好きでただそれに似たモノで尚且つウチでも出来た手品にハマると人を騙す行為に詳しくなった)
希(相手が一番油断するのは勝利を確信する時じゃなくて勝利を確信するキッカケが出来た時、ウチに蹴りを浴びせた海未ちゃんはウチの事しか考えてなくて、ウチの手元にあったピンの抜かれた手榴弾には目もいかなかっただろうね)
希(ウチ自身の体を犠牲にしてピン抜きグレネードを足元に転がすこの技は様々な人を葬ったよ)
希(だからウチは常に受け手なんよ)
254 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:50:45.42 ID:RR8ZWgfX0
海未「…その程度ですか?」
希「…!」
海未「私はその辺の有象無象とは違いますよ、グレネードと手品一つでくだばってたら対アンドロイド特殊部隊にはもういませんからね」
希「あはは…やっぱり海未ちゃんとは関わるべきじゃないね」
海未「ふふふっ降参しますか?」
希「いいや、生憎ウチはまだ死ねないんでね」
希「降参はやめとくよ」
海未「そうですか」
255 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/25(水) 22:51:47.07 ID:RR8ZWgfX0
希「じゃあ第二ラウンド開始といこうやん?」
海未「ええ、そうですね」
希「ふう」
希(ウチ深い息を吐きながら二丁のショットガンを下げた)
キランッ
希「…相変わらずやね、その武器」
海未「私の相棒ですから」
希「……そっか」
希(街灯の光に照らされ黒光りする刃物――それを見れば人間だろうとアンドロイドだろうと海未ちゃんの明確な殺意を感じ取ることは可能だった)
希「…にしてもやっぱり珍しいね、銃剣なんて」
海未「私からすればむしろなんでみんなつけないのか不思議ですね」
希「銃が頂点に立ってるというのにわざわざ剣術を嗜む異端者なんているはずないやん?」
海未「そうですか、ですがそれは私にとっては好都合ですね」
海未「誰も使わない分、対策が出来ませんから」
256 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:54:14.20 ID:RR8ZWgfX0
海未「希も素晴らしいと思いません?このロンズデーライトで出来た剣は」
希「……そうやね」
希(ロンズデーライトというダイヤモンドより硬い鉱物で出来たその剣はデュランダルの如く壊れない剣と化している)
希(海未ちゃんは銃を学ぶと同時に剣術も嗜んでいた為にこのようなガンソードスタイルが出来上がった)
希(ここで問題なのは――)
希(ウチの戦闘スタイルとほとんど同じということ)
希(ただウチの持つショットガンの銃口には刃物がなく鈍器として扱う型だから根本的には一緒なだけ)
希(…ただ、そこだけでも一緒というのなら……)
海未「先手必勝!」
希「させんよ!」ポイッ
希(銃口がウチに向いてきたもんですぐにスタングレネードを投げた、ウチは人間だし曜ちゃんのような銃弾を回避するための補助装置を持ってるわけじゃないし、海未ちゃんのような人間らしからぬ運動神経を持ってるわけじゃないから銃弾は避けれない)
希(だからまず前提として弾を撃たせないという立ち回りをしないといけないんよ)
257 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 22:57:05.90 ID:RR8ZWgfX0
海未「くっ…」
希「はっ!」ダッ
タッタッタッ
希(海未ちゃんが後ろへ跳躍するのを見てウチは眩い閃光の中に突っ込んだ、ウチは投擲物が大好きなもんでフラッシュに備えたゴーグルをいつもおでこにつけてる、だからこういう時関係無く行動できるのがウチの強みだ)
希「ウチのダンスを見てね海未ちゃん!」
海未「出ましたね…!」
希(ショットガン二丁を乱射しながらバレエのように舞った、近距離でウチのショットガン二丁と平面でやり合うのは誰であろうと無理に等しい、それでいてウチは乱射しながら相手に近づくんだからスナイパーでもいない限りはこの戦法が崩されることはない)
希(もちろんリロード時は止めないといけないけどね)
海未「ホントに頭の悪い武器ですね」タッ
希「ウチの相棒の悪口は言わんといてほしいねっ!」バンバンッ
希(飛び退く海未ちゃんを追うようにウチも跳躍を繰り返しながら発砲する、ウチのショットガンはどちらもAA-12と呼ばれるフルオート式のショットガンで尚且つドラムマガジンだから一つの弾倉に31発の弾が入ってるんよ)
希(だから弾切れも頻繁には起こさないし手数はどのショットガンよりもどのサブマシンガンより強く近距離最強ともいえる、そんな力強いこのAA-12二丁がウチの相棒や)
258 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:05:45.89 ID:RR8ZWgfX0
海未「まぁこちらも逃げてるだけじゃないですけどね!」ドドドド
希「はいはい知ってるよ!」ポイッ
希(横っ腹についてるスモークグレネードを辺りにばらまいた、次の瞬間には公園の半分が煙に覆われてお互いにお互いの居場所を分からなくさせた)
希(だから今のウチにリロードをして、よく耳を澄ませた。目を瞑り、音にだけ集中すれば微かに足音が聞こえてくる)
海未「そこですねっ!」スッ
希「うおっと…」
希(足音に気付き目を見開く頃にはもうそこまで海未ちゃんは近づいてた、目で確認出来ない情報は音で確認するのが基本中の基本、それを知ってるウチらは互いに同じ事をして、海未ちゃんはウチを捕捉することが出来たしウチは海未ちゃんの銃剣の一閃を回避することが出来た)
海未「逃がしません!」ドドドド
希「きっ…」
希(一閃を跳躍で回避した後、無理矢理体を左へとねじりその勢いを利用してスライディングをして海未ちゃんが放つ銃弾を回避した)
希「いつっ…!」
希(だけど如何せん、アンドロイドみたく射線が見えてるわけでもないし運動神経も劣るために銃弾がウチの頬を掠めた。でも、ここは当たらなかっただけマシやろうね)
259 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:14:00.86 ID:RR8ZWgfX0
ちょっと中断、再開できなかったらまた明日。でもキリのいいところまでやりたいので多分寝るまでにやります
260 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:30:20.20 ID:RR8ZWgfX0
希「仕方ないからウチと一緒におみくじやろかっ!」ポイッ
希(そういいながらグレネード、スタングレネード、スモークグレネードを周りにばらまいた)
希(煙で前が見えない状況でなら転がる物体も何かは確認できない、だから必ず避けることを強いることが出来る。そして煙でどこに何が転がってるか分からないからどこに避けていいのかも分からない、それでいてウチは動かないでいいから安全におみくじの行方を見守ることができる)
希(海未ちゃんが引くのは大吉であるスモークグレネードか、吉であるスタングレネードか、凶であるグレネードか)
希(結果は全て海未ちゃん次第やね)
ドカーン!
海未「ぐああぁっ!」
希「ヒット♪今迎えにいくで海未ちゃん!」ダッ
希(そして海未ちゃんが引いたのは凶であるグレネードだった、大きな爆発と共に海未ちゃんの苦しそうな叫び声が聞こえて声の成る方へショットガンを下げて突っ走った)
261 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:34:57.09 ID:RR8ZWgfX0
海未「こんなんでくたばれませんよッ!」ブンッ!
希「あっと」
カンッ!
希「…相変わらずやね」
海未「死ねませんから」
希(突っ走った先、頭から血を流す海未ちゃんはすかさずウチに銃剣を振り下ろすもんでウチは二丁のショットガンをクロスさせて受け止めた)
海未「このっ!」カンカンッ
希「ん…いっ…!」
希(左から右から上から下から――――ショットガンを撃つ暇も与えない無数の斬撃を苦し紛れに受け止めた、流石剣術を嗜む者はチャンバラごっこのようにただ振り回すだけじゃないのが厭らしい)
希(そして十数回に及ぶ斬撃の後、強烈な飛び回し蹴りをウチに浴びせ、ウチが後退した隙を狙ってアサルトライフルを発砲)
希「…っ!」
希(流石に死を悟った)
希「はっ!」
希(だけどそのまま死を受け入れるはずもなく、ウチは体を無理矢理動かし右へと跳躍した)
希「っぎ、ああぁっ!」
希(死ぬのは避けた、だけどそれでも死に至る痛みだった)
希(海未ちゃんのアサルトライフルから放たれた二発目の銃弾がウチの横っ腹にヒット、ただここで立ち止まってたらウチは死ぬ。経験がウチに語り掛けた)
希(だからそのまま跳躍途中で片方のショットガンを使って海未ちゃんに向かって発砲した)
262 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:37:41.09 ID:RR8ZWgfX0
海未「はっ」ダッ
希「……ぁ」
希(そして次の瞬間には人間とは思えない素早い跳躍を二回繰り返してウチの目の前にやってきた)
希(あぁ…だから海未ちゃんとは関わりたくないんよ。海未ちゃんみたいな常識外れの動きをする人と一対一で本気で戦えば)
希(死ぬに決まってるやん)
海未「ばいばいですね希ッ!」
ザクッ!
263 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:38:34.34 ID:RR8ZWgfX0
希「っか……」
希(超一流相手なら、銃を構えて発砲する時間でさえ隙になる)
希(焦っちゃったのかなぁ、ぶっちゃけあの状況は撃っても撃たなくても同じだったかな…)
希(…でも、あえて何もせずに相手が攻めてくるのを待った方が助かる可能性も増えたかもしれない)
希(……ほら、ウチ常に受け手やし)
希「………ぁ」
海未「無様ですね、希」
希「ぁ…ぁァ……」
海未「今ここで曜の居場所を吐いてくれるのなら、助けてあげますよ」
海未「…まぁ、その状態で言うのは無理でしょうけどね」フフフッ
264 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:40:49.52 ID:RR8ZWgfX0
海未「にしても、希にしては珍しいですね」
希「……ぁ?」
海未「…いや、曜の技術が上回っただけなのでしょうか」
海未「いくら私の跳躍が並外れていても、近距離でショットガンの弾を躱せるはずがないでしょう?」
希(そういいながら不気味に笑って踵を上げながら靴を指さす海未ちゃんを見て、ウチは察したよ)
海未「流石曜の跳躍アシストは希相手には効果絶大だったようですね」
海未「それを見落とすなんて、希もまだまだですね」
希(靴の裏が仄かに光ってるもんで、仕組みは分からないけど何かからくりがあるんやろうね)
希(やられたなぁ、鬼に金棒…今更知ったところで何の意味もないけどね)
海未「…では、そろそろお別れの時間と行きましょうか」
カチャッ
希「………」
希(死を受け入れたウチはゆっくりと瞼を閉じた)
265 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:42:49.27 ID:RR8ZWgfX0
カランッ
海未「ッ!?グレネード!?」
希「ぃ……しょに……しの…か」
希(最後にウチは海未ちゃんの足を掴んで、海未ちゃんに笑顔を見せた)
ドカーン!
「希ちゃーん!!?」
希(声が聞こえた、ウチの優秀な部下の声。太陽のように明るく、でも時に月を宿す暗き闇を持つ声の持ち主)
希(その声が聞こえた瞬間、ウチは安心して力を抜くことが出来た)
266 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:47:44.41 ID:RR8ZWgfX0
海未「か…ぁ……」
「希ちゃん!?ねぇ希ちゃん!?」
「ほ、穂乃果ちゃんおちつ」
穂乃果「落ち着けないよ!間に合わなかった…!花丸ちゃん!希ちゃんを持って帰るよ!」
花丸「は、はいずら!」
穂乃果「…後、こいつは私が止めを刺す」
海未「…ぃ…いぃ…!」
穂乃果「…よくも希ちゃんを」カチャッ
267 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:50:44.46 ID:RR8ZWgfX0
「はいストップー!」バァン!
穂乃果「っ!」シュッ
「やっぱり流石だね、その身のこなし。バイオレットムーンの右腕と呼ばれながら、軍神という異名を持つ穂乃果ちゃんは」
穂乃果「……誰?」
梨子「桜内梨子、対アンドロイド特殊部隊所属だよ」
穂乃果「…そっか、だから何?」
梨子「海未さんを回収にしに来たんです、ここで殺されては困るので」
穂乃果「…あっそ」バンッ
梨子「……どこを撃ってるんですか?海未さんに当たってませんよ?」
穂乃果「!?」
花丸「あれ!?海未さんは!?」
268 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:52:23.48 ID:RR8ZWgfX0
海未「はぁ…はぁ…ここですよ!」
穂乃果「なんで…」
梨子「…ふっ…ふふふっあははははっ!」
花丸「…ずら!?」
梨子「あははははっはははははーあ…」
梨子「ねえせっかくあなたたちのリーダーが命を犠牲にしてまで与えたダメージが無意味だったって知った今の気持ちはどう?」フフフッ
梨子「悔しいよねぇ辛いよねぇあなたたちのリーダーの命、無駄だったね…んふふふ…あはははははっ!」
梨子「あっはっはっはっは!あーすごい気持ちいいなぁ、人が死んだ後にこういうことが出来るから対アンドロイド特殊部隊ってやめられないよね」
梨子「んふふふ、まぁそんな私をよろしくね、穂乃果さん」ニコー
穂乃果「……へぇ、死にたいんだ。よく分かったよ」
梨子「そんな、今穂乃果さんたちと戦うつもりはないですよっ」アセアセ
花丸(さっきまで狂ったように笑ってたのに急に控えめになって気持ち悪いずら…)
269 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:53:22.71 ID:RR8ZWgfX0
梨子「にこ先輩!」
にこ「あいよ」ポンポンッ
穂乃果「グレネードランチャー…!花丸ちゃん逃げるよ!」ダッ
花丸「あ、うん!」ダッ
タッタッタッ
花丸「あの、穂乃果ちゃ…」
穂乃果「………」
花丸「………」
花丸(今話しかけるのはやめておくずら…)
270 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:54:01.77 ID:RR8ZWgfX0
穂乃果「…貸して」
花丸「え?」
穂乃果「希ちゃんのショットガン持ちながら希ちゃんをおんぶするのは辛いでしょ」
花丸「あ、うん…」
穂乃果「……仕方ないけどあの夢追い人を呼ぶよ」
花丸「…そうだね、流石に来てくれるよ」
花丸「希ちゃんの左腕だもん」
271 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:55:09.21 ID:RR8ZWgfX0
穂乃果「……海未、とか言ったっけ」
花丸「あの青い髪の人?」
穂乃果「それ、希ちゃんからはやばいやばいとは言われてたけどあいつは何?なんでグレネードの爆破を間近で受けても生きてるの?」
花丸「マルの情報が確かなら海未という人は他の人間と比べて魔法でも使ってるかのような再生能力と生命力があるらしいずら、だから銃弾一発貫かれたくらいじゃ死にはしないっぽくて、それ同様グレネードも耐えたんだと思う」
穂乃果「……化け物じゃん」
花丸「………」
花丸(…穂乃果ちゃんも充分化け物だけどね……)
272 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/25(水) 23:56:29.78 ID:RR8ZWgfX0
穂乃果「……なんでこんな時にあいつはいないの?」
花丸「あの人はさすらい人だから…」
穂乃果「…いくら散歩が好きとはいっても、その間に飼い主が死んじゃったら何の意味もないじゃん」
花丸「それは……そうだね」
花丸(……今あの人は何をしてるんだろう)
花丸「……ごめんね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「…なんで花丸ちゃんが謝るの?」
花丸「マルが銃を扱えたらきっと、戦力差はそこまで生まれなかっただろうから」
穂乃果「…いいよ、花丸ちゃんの過去は知ってる。無理に銃を使う必要なんかないよ」
花丸「……今日の穂乃果ちゃんは優しいんだね」
穂乃果「………」
穂乃果「…こうなった以上、死ぬまで引き下がれないよ」
花丸「…もちろんずら!」
273 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/26(木) 00:02:49.00 ID:UhZS0BQS0
〜同時刻、別荘
コンコンッ
絵里「曜、いる?」
曜「いるよー」
絵里「入ってもいいかしら?」
曜「うん、いいよ」
ガチャッ
絵里「失礼しま…ってうわ…すごい隈じゃない…」
曜「あはは…かれこれ徹夜続きだからね…」
絵里「あなたねぇ…」
絵里(二日間ずっと部屋にこもりっぱなしでちょっと心配になって見に行ったら酷い有様、そこら中に部品や紙切れが転がってて髪はぼさぼさ、別に急いでるわけじゃないんだから休めばいいのにと一目見て思った)
274 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:04:07.41 ID:UhZS0BQS0
曜「…なんかさ、寝ぼけてるだけかもなんだけど…変な予感がするんだ」
絵里「変な予感?」
曜「戦況が大きく変わりそうな予感がする」
絵里「…何を根拠に言ってるの?」
曜「…ただの勘だよ、悪寒がしただけ」
絵里「そ、そう…」
絵里「…そういえば曜は戦えるのよね?」
曜「うん、戦えるよ」
絵里「今でも銃弾は避けれるの?」
曜「もちろん避けれるよ」
絵里「どうやって?」
曜「アンドロイドの原理とはまた違うけど、私の靴には重力を利用したブースト機能があるんだ。だから跳躍すれば銃弾を避けれるようになるそれ相応の勢いがプラスされる、それで避けるんだ」
絵里「へぇ…」
275 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:05:32.31 ID:UhZS0BQS0
曜「このゴーグルはアンドロイドと同じで射線が見えるようになる、この二つのアイテムで銃弾を避けるんだ」
絵里「なるほどね…人間相手はそこまで警戒する必要ないと思ってたけどやっぱり侮れないわね…」
曜「当たり前だよ、特に希ちゃんとか対アンドロイド特殊部隊の人は舐めてかかったら死ぬよ」
曜「海未さんとかと関わったりでもしたらほぼ死は確定だよ」
絵里「…そこまですごいの?」
曜「…まぁね」
曜「……あ、出来た」
絵里「え?」
曜「はい、絵里さんの武器」
絵里「え、これが?」
曜「そうだよ、どうかな?」
絵里(突然渡された一つの銃、どんな銃かは分からないけどとりあえずコメントするならグリップの部分にYOUというロゴが入ってた)
曜「スコーピオンEVO A1————それがその銃の名前だよ」
276 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:07:18.12 ID:UhZS0BQS0
絵里「すこーぴおんえぼえいわん…」
曜「発射レートはかなり早めの銃で、善子さんの持ってる銃よりも早いよ。装弾数は52発のサブマシンガン」
曜「他のと比べてとびぬけた連射速度を持ってるから瞬時火力は並外れたものになってるよ、その分ブレも結構酷いけど、一応コンペンセイターとかアタッチメントをつけてブレを軽減させてるから最適の状態ではあると思う」
絵里「へ、へえ…」
曜「それが今の絵里さんにとって最適の武器だと私は思うよ」
絵里「これが……」
絵里(これが将来私の相棒になるのだろうか、曜の話を聞けばすごく攻撃的な銃らしい)
絵里(クセは強いけど、使いこなせれば人間だろうとアンドロイドだろうと瞬殺で、例え射線が見える相手だろうとそう簡単に銃弾を避けさせない銃でもあるから対人でも対アンドロイドでも非常に有効と豪語してた)
善子「これが……」
果南「絵里の武器…」
ことり「趣味悪っ……」
果南「…それことりが言うことじゃないよね」
277 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:10:02.21 ID:UhZS0BQS0
絵里「どうかしら…?」
ことり「スコーピオンEVO A1ってあの瞬時火力がすごい銃でしょ?初めて見たよ」
善子「私も…これレアな銃よね…」
絵里「え、そうなの?」
ことり「名前だけは結構広まってるんだけど、肝心の実物が出回ってないの。危険な銃だからね」
果南「撃ってみれば分かるよ、トリガーを一瞬引くだけで何発の弾が出ることか…」
絵里「そんなにすごい銃なの?これって…」
曜「戦い慣れしてない人には到底扱うことは無理であろう代物だよ、銃社会においてもこういう危険な銃が増えると作る側としても使う側としても厄介だから誰も作ろうとはしないんだよ」
絵里「どうして?」
ことり「スコーピオンEVO A1を一から作った人間は貴重な人材として狙われるからだよ、こんなもの作れる人早々いないからね。それにその銃は連射速度が速すぎて射線が見えても避けれないことがあるんだよ、だからアンドロイドにとってそれは勝負においての懸念材料だし、ましてやアンドロイドが避けれない銃弾を人間が避けれるはずもなく、みんなそれを忌み嫌ってるんだよ」
果南「私もその銃にいい思い出はないかな…」
絵里「そこまでなのね…」
曜「そうだよ、まぁそれで頑張ってよ」
絵里「え、ええ」
絵里(この後家の地下にある射撃場で試し撃ちをしたけど、曜の言う通りブレがあまりにも強くて確かに戦闘慣れしてない人には無理がある銃だと感じたわ)
絵里(それにこの銃の何がすごいってトリガーを引くとすぐに一マガジンが無くなる上に、その後私の目先数mにある的を見れば蜂の巣の如く数えきれない黒い穴が無残にも残っていて、こんなのを人に向かって撃ったらすぐに死ぬに決まってるわよ…)
278 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:11:18.33 ID:UhZS0BQS0
果南「どうだった?絵里の相棒になる予定の銃は」
絵里「あれはすごいわね…いくらなんでも火力が高すぎるわ」
ことり「その分クセも強いから上手く扱わなきゃだね」
絵里「ええ」
曜「ふー…じゃあ私は寝るよ、おやすみ…zzz」
善子「寝るのはやっ…」
絵里「徹夜だったらしいからね…」
果南「あはは、お疲れ様だよ」
279 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:12:32.67 ID:UhZS0BQS0
ことり「…絵里ちゃんの武器が出来たわけだけど、それでどうするの?これから」
絵里「とりあえず様子見だけど、動けるようならもちろん動くわよ」
善子「でも相手が何かしてこない限りは動けないわね」
果南「そうだね、こうやって今会話してるうちも何か動いてるかもよ?」
ことり「…それはそうだね、対アンドロイド特殊部隊は今も渡辺曜を探してるだろうし」
絵里「…ええ」
絵里(いくら私の銃が強いとはいえ、それが勝敗に直接的に繋がるかと言われたらNOだ)
絵里(今AAの総戦力が私たちのところに来たりでもしたら勝ちはまずないでしょう、果南とことりが戦えるならまだしも戦えないというのだから現在も戦況は超劣勢のまま)
絵里(何回も言うけど、負け戦上等ではないからね。劣勢の状態で攻めるのは悪手であり自殺行為、おとなしく傷が癒えるのを待つのが最善の択なのよ)
絵里(……でも、私たちがこうやって何かをしている間に、誰かが廻した歯車が狂い始めてた)
絵里(それは私たちにとって、良い意味でも悪い意味でも転機であった)
280 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:14:19.14 ID:UhZS0BQS0
〜次の日
穂乃果「……なにこれ」
「本です!漫画ですよ!」
穂乃果「…なんで女の人と女の人が付き合ってるの?」
「そういう漫画だからですよ!」
花丸「はわぁ…えっちずら…」
穂乃果「……まぁいいよ、そんなことよりね、なんで今日ここに呼んだか分かる?」
「いえ、全く」
「でも珍しいですよね、穂乃果さんが私を呼ぶなんて。いつもは花丸さんが呼んでくれるのに明日は槍でも降るんじゃないんでしょうか?」
穂乃果「…緊急事態なんだよ」
花丸「………」
「…緊急事態?」
花丸(穂乃果ちゃんや私の顔を見て、何かを察したのか——ちゃんの顔も引き締まったものになった)
281 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:16:22.44 ID:UhZS0BQS0
穂乃果「…希ちゃんが死んだ」
「…え?」
「……嘘…ですよね?」
穂乃果「…ホントだよ、——ちゃんが業務用アンドロイドというのなら私が嘘を言ってないって分かるでしょ?」
穂乃果「あなたも私と同じ、軍人として生まれたアンドロイドなんだから」
「………」
「…分かりました。では希さんを殺したのはどこのどいつですか?」
花丸「対アンドロイド特殊部隊、園田海未さんだよ」
「……そうですか」
「悲しいです、あそことは戦いたくなかったんですけどね」
カチャッ
穂乃果「…やる気なんだね」
「当たり前ですよ、業務用アンドロイドは主がいないとやっていけない生き物ですからね」
「主が殺された今、主を殺した人物を殺しに行くのが部下ってもので、システムってやつで、本能っていうでしょう?」
穂乃果「…もちろんだよ」
282 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:17:37.90 ID:UhZS0BQS0
「花丸さんはいつも通り情報収集をお願いします、穂乃果さんは私と共に行きましょう」
花丸「わ、分かったずら!」
穂乃果「…二人じゃ勝てないよ、数で負ける」
「知ってます、だから準備をしましょう。せっかくこの希さんの住んでたマンションという拠点もあることですし」
穂乃果「準備?」
「助っ人を探しに行くんですよ」
穂乃果「…誰か候補はいるの?」
「もちろんです、二人います」
穂乃果「…助っ人に出来る確率は?」
「…80%といったところですね」
穂乃果「ふーん……」
283 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:19:16.05 ID:UhZS0BQS0
「……この銃、久々に持ちました」
穂乃果「私も、——ちゃんがその銃持ってるの久々に見た」
「私は戦いがあまり好きじゃありませんからね、普段はハンドガンしか持ちません」
花丸「…それ使えるずら?壊れてない?」
「はい、使えますよ」
花丸「……ハニーバジャー、やっぱりいつ見てもかっこいいずら」
穂乃果「…相手にしたくないね」
「希さんの言葉を使わせてもらうなら、ウチの相棒ってやつですから」
「…まぁそんなことより早速行きましょうか」
穂乃果「…うん、ついてくよ」
花丸「マルも!」
284 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:21:10.59 ID:UhZS0BQS0
せつ菜「私、優木せつ菜は本気ですよ。希さん」
せつ菜「あなたの仇は絶対にとります」
せつ菜「……絶対に」グッ
285 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 00:25:35.10 ID:UhZS0BQS0
一度中断します。
再開は多分今日の夕方か夜、まだまだ続くと思うのでよろしくお願いします。
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/26(木) 12:49:37.63 ID:ISByMprk0
スクスタやりながら待っとります
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/26(木) 14:30:06.23 ID:ZuMA3SP8O
CoDとデトロイト混ぜたような感じ
288 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/26(木) 22:36:09.07 ID:UhZS0BQS0
すいません、ちょっと今日はスクスタの方に集中させてください。
次キリのいいところまで行くのにかなり長くなると思うので、ちょびっとだけ更新だとどうあがいても変なところで終わるので一気にキリのいいところまでいけるようちゃんとした時間作ってから更新します。
289 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2019/09/27(金) 17:29:58.22 ID:SQcoDrlX0
「じゃあ、その前に私たちと遊びましょうか?」
せつ菜「!?」
穂乃果「っ!?」
花丸「ずらっ?」
パリーン!
せつ菜(ベランダからガラスを突き破って飛び出てきたのは見知らぬ誰か、でも相手の顔を見て明らかな“敵意”と“殺意”を感じた私はテーブルに置いてあったアーミーナイフを逆手持ちで振った)
「はっ!」
カンッ!
せつ菜「きっ…」
穂乃果「このっ…!」バンッ!
「!」シュッ
せつ菜(だけど案の定、相手もナイフを取り出して相殺。そして次の瞬間には穂乃果さんが手に持ってた拳銃を撃ったから刃が軋むことなく相手との距離が空いた)
290 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:31:35.61 ID:SQcoDrlX0
穂乃果「…誰?」
せつ菜「…!もしかしてあなたは最近この辺をちょろちょろしてる…あの…!」
「ちょろちょろしてるなんて失礼ね」
ツバサ「私は綺羅ツバサ、あなたたちと同じ殺し屋よ。よろしくね」
せつ菜「殺し屋が私たちに何の用ですか?殺しの依頼を受けて私たちを殺しに来たんですか?」
ツバサ「違うわね」
穂乃果「ならなんで?私たち今暇じゃないんだけど」
ツバサ「それは私も同じ、だからこうやってあなたたちを殺しに来てるじゃない」
穂乃果「……だからそれをどうしてってさっきから聞いてるんだけど」
ツバサ「殺し屋は一つでいいの、そこまで言えば分かるでしょ?」
せつ菜「…理不尽極まりないですね、希さんが死んだ今が攻め時ってことですか」
ツバサ「ええ、その通りよ」
291 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:33:23.27 ID:SQcoDrlX0
穂乃果「…あなたがどれだけ強いのかは知らないけど、私とせつ菜ちゃんに勝てるとは思わないほうがいいよ」
穂乃果「侮るつもりはないけど、仮にもこちらは殺すことに全てを置いたアンドロイドだからね」
ツバサ「ええ、でもこちらも一人で来てるわけじゃないのよ?」
穂乃果「…!」
せつ菜「スナイパーです!避けてくださいっ!」
せつ菜(風で靡くカーテンが大きく揺れ始め外を映した時に見えた一つの煌き——それを見た瞬間体が動いた。穂乃果さんもそれ同様、花丸さんだって戦えないとはいえ戦闘経験はあるから私が声をかける頃には死角へと逃げてた)
シュンッ
せつ菜「くっ…」
せつ菜(私がスナイパーの弾丸を躱すと、ご丁寧に白い軌跡と鋭い射撃音まで残して私の後ろにあった花瓶を貫いていった)
ツバサ「休んでる暇はないわよ!」
せつ菜「ええですよねっ!」
せつ菜(相手も私と同じCQCを得意とする人のようで、銃を持ってるのにも関わらずキックやパンチを使って攻めてきた)
せつ菜(だから私へと伸びる相手の腕を掴んだけどすぐに弾かれてしまい、そう簡単には反撃をさせてくれなさそうだった)
292 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:38:25.11 ID:SQcoDrlX0
花丸「あ、あんまり深追いはいけないずら!」
せつ菜「分かってます!」
せつ菜(スナイパーに見られていると分かっているなら深追いは絶対にダメです、スナイパーの弾丸はアサルトライフルやハンドガンの弾丸と違って弾速が比べ物にならないので弾道予測線が発生した直後に行動を移さないと避けきれず致命傷か或いはそこで死亡してしまいます、なので弾かれた直後は飛び退き様子を窺おうと思ったのですが……)
穂乃果「くらえ!」
せつ菜(その直後には穂乃果さんが私にカバーをするように足元に転がってたショットガンを連射しだした)
ツバサ「ひゅーAA-12は相変わらず派手ねぇ」
せつ菜(室内で、しかも平面でショットガンと対峙するのは誰であろうと不可能、だから相手はベランダへと逃げ出してそのまま飛び降りた)
せつ菜(しかしここは高層マンションの上階、そうと分かっていて自分から飛び降りるということは助かることが分かっての投身だったのでしょう)
せつ菜「穂乃果さんッ!」
せつ菜(私は考える間もなくベランダから飛び降りて相手を追った。だけどこのままだとスナイパーの的になってしまう、だから私はテレパシーを信じてあのスナイパーをどうにかして、と穂乃果さんの名前を呼んで以心伝心を願った)
穂乃果「分かったよっ!」
花丸「マルも手伝うずら!」
せつ菜(流石穂乃果さんは天才です、私の言いたいことを理解した穂乃果さんは私に続くようベランダから飛び降りスナイパーの方向に向かってアサルトライフルを使いちゃんとした殺意を込めて発砲した)
293 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:40:34.03 ID:SQcoDrlX0
穂乃果「花丸ちゃん!」
花丸「はいっ!」スッ
ボンッ!
せつ菜(そして連なる銃撃音の間を縫うように入り込む低い音はスナイパーの弾道を捻じ曲げた)
せつ菜(大都会の大きな公道の上空で“煙る”白い壁——その平和に入り込む違和感ですら気にせず下へ落ちる私たちには驚く暇も喜ぶ暇もない
せつ菜(花丸さんが投げたスモークグレネードは上空に厚い煙の壁を残して穂乃果さんと私へと歯向かう射線を遮った。これでスナイパーは私たちの居場所が分からず撃つことが出来ない、言葉無しでここまでの連携が出来るのは私たちの心が通っている証拠だった)
せつ菜「待てーっ!」
ツバサ「よっ…せいやっと!」ポイッ
せつ菜(空中に浮いた状態じゃろくに体を動かすことが出来ない、だからそれを利用してピン抜きグレネードをある程度溜めてから放すことで私たちは確実にグレネードの爆発に飲まれてしまう)
294 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:48:21.57 ID:SQcoDrlX0
穂乃果「甘い」バンッ
ドカーン!
ツバサ「ぐあっ!?」
せつ菜(でも、穂乃果さんがいるから安心出来る私がいた。放たれたグレネードは穂乃果さんのたった一発の発砲ですぐに爆発し、その爆発で相手は重力場であるこの空中で、更に重力を加速させ勢いよく落ちていった)
せつ菜「穂乃果さん!」
穂乃果「了解だよっ!」
せつ菜(以心伝心——穂乃果さんの名前を呼ぶだけで私のやりたいことを理解してくれて、次第に穂乃果さんは空に足を向けた私の上にやってきて、足の裏を合わせ、私を地に落とすように、また私を踏み台にするように私の足の裏を踏みしめた)
せつ菜(するとどうなるでしょう、地に落ちる私はメテオの如く凄まじい速度で落下していき、次の瞬間には丁度下にある店から飛び出ているシートのような屋根に落ちて落下の衝撃をやわらげ、トランポリンのように一度跳ね上がってから地面へと着地し、何故かピンピンしてる相手に向かって発砲した)
295 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:50:40.01 ID:SQcoDrlX0
ツバサ「はっ」シュッ
せつ菜「やはり銃弾は避けますか…」
せつ菜(しかし案の定というべきか、車が通る公道で大きく半円を描くように走り銃弾を躱すその姿はやはりアンドロイドです。仕方ないので私も大きく半円を描くよう走って発砲をしてはリロードを繰り返しました)
せつ菜「ほっと」シュッ
せつ菜(もちろん相手も私と同じ事をしてきました)
穂乃果「…っと」
せつ菜(そうして半円を描いてるうちに穂乃果さんも背中に希さんのショットガン二丁という二つの翼と、その間にあるアサルトライフルを背負って、この地に堕天使の如く落ちてきました)
296 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:51:45.06 ID:SQcoDrlX0
ドドドドッ!
せつ菜「! 穂乃果さんっ!」
穂乃果「私の事は心配しないでっ!」
せつ菜(私と相手が対向する中で、その相手の後ろの路地裏から飛んできた無数の銃弾。自身がアンドロイドであるならその銃弾が私ではなく穂乃果さんに向かって飛んでいるというのは一目瞭然だった)
せつ菜(だから穂乃果さんに声をかけたけど、流石にこの程度で死ぬほど穂乃果さんも弱くはない。少しの危なっかしさも見せない華麗な回避で銃弾を全て避けきった)
せつ菜「大丈夫ですか?穂乃果さん」
穂乃果「当たり前だよ、こんなんでやられてなんかいられない」
「大丈夫か?ツバサ」
ツバサ「ええ、でも別に助けなんかいらなかったのに」
「バカをいえ、失敗は誰にでもあるものだ。如何なる時も最善であることが重要だ」
ツバサ「…そうね、ありがとう」
ツバサ「英玲奈」
英玲奈「礼はいい、それよりあの二人だ」
ツバサ「ええ、やっぱり一筋縄じゃ行かなそうね」
英玲奈「どちらも生産中止になった軍人生まれの業務用アンドロイドの残骸と聞く、つまりは殺すことに関しては超一流だ。どのアンドロイド、どの人間よりも強い、簡単には殺させてくれないだろう」
297 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:54:02.42 ID:SQcoDrlX0
穂乃果「…簡単には殺させてくれない?勝つ前提なんだね」
ツバサ「わお、聞こえてるみたいよ」
英玲奈「耳が良いのだろう」
せつ菜「勝つ気でいるのはいいですけど、足元掬われないように気を付けてくださいね」
ツバサ「ふふふっどうも忠告ありがとう、でも勝つ前提でいるのはあなたたちも同じよね?」
穂乃果「当たり前だよ、私たちは常にこの姿勢で戦ってきたからね、“いつも”を変えるつもりはないし、常に殺すことだけを考えてるのが殺し屋の矜持ってものだと思うんだけど」
ツバサ「ふふふっこれは失礼、一本取られたわ」
英玲奈「業務用アンドロイドのくせに口が達者なんだな」
穂乃果「私やせつ菜ちゃんは他のとは違うから」
英玲奈「…そうか」
穂乃果「…じゃあ、そろそろ始めようか」カチャッ
ツバサ「ええ、そうね」
せつ菜(穂乃果さんが銃のチャージハンドルを引くと同時に高まる緊張感——お話は終わりです)
せつ菜(そしてここから始まるのは殺し合い——私たち殺し屋が幾度なく経験してきた過ちであり運命)
せつ菜「………」
せつ菜(互いが睨み合い沈黙に返る公道、周りには銃を持った警官もいるでしょうが、生憎三流が私たちのフィールドに踏み込めるほど、ここは生半可な場所じゃない)
せつ菜(死にたがりな人だけ、ここに来ればいい)
298 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:57:04.03 ID:SQcoDrlX0
パーンッ!
せつ菜「はっ!」
ツバサ「今ね!」ダッ
英玲奈「戦闘開始」
穂乃果「負けないっ」ダッ
せつ菜(私に向かってきたスナイパーの銃弾が始まりの合図だった。私がそれを避けたと同時に緊張で止まった時が動き出し、銃を構えたり走り出したりで、とうとう戦いは火蓋を切って落とされた)
ドカーン!
せつ菜「!」
英玲奈「余所見してていいのか?」
せつ菜「しまっ…!」
せつ菜(始まったですぐに聞こえる爆発音、体感ではそう遠くない場所で発生した爆発だと思うのでもしかしたら私たち関係なのではと思った)
せつ菜(しかし兎にも角にも爆発が起こりほぼ反射的に上を見てしまった私は相手の超接近に気付けなくて、そのまま飛び横蹴りを食らってしまった)
299 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 17:59:35.20 ID:SQcoDrlX0
せつ菜「ぐあっ!」
せつ菜(そして吹っ飛ぶ私、相手の首を見てアンドロイドとは分かっていていましたが、この相手の蹴りは一味違った)
せつ菜(通常のアンドロイド——ましてや戦闘型のアンドロイド以上の威力に、私は後ろにあったデパートの入り口のガラスを突き破ってその奥の壁に叩きつけられた)
ドカーン!
せつ菜「ふう…」
せつ菜(そして相手がいるであろう、そして私が蹴りを受けた辺りで飛び散るコンクリート、それを見て私はわずかに肩やスカートに積もった瓦礫を払いながらゆっくりと体を起こした)
英玲奈「随分と小癪な真似をしてくれるな」
せつ菜「…私は受け手の方が得意ですから」
せつ菜(希さんの十八番——近接攻撃をわざと食らってピン抜きグレネードを地面に落とす)
せつ菜(伊達に希さんの奥義の一つであったが故にその効果は絶大で、相手にダメージはそこまで通ってないものの、腕から流れる少量の血を見て私は少し微笑んだ)
せつ菜(私や希さんのような意表を突くトリッキーなタイプじゃないと出来ない技で、ポーカーフェイスと演技は必須アイテムです)
300 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 18:02:30.72 ID:SQcoDrlX0
英玲奈「受け手が得意、というがその頭から流してる血はなんだ?」
せつ菜「頭から血を流す程度じゃダメージの範疇に入りませんよ、損傷してても動くんですから」
英玲奈「…恐ろしいな、その損傷を厭わない覚悟が」
せつ菜「ここで負けてなんかいられませんから」
英玲奈「…そうか、だがどうだろうな」
せつ菜「…ええ、どうでしょうねッ!」パサパサパサ
せつ菜(私の相棒——ハニーバジャーというアサルトライフルには“サプレッサー”という銃声を抑えるアタッチメントがついています。だから、他の銃と比べて銃声が小さく、何より音が特殊なんです)
301 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/27(金) 18:05:11.75 ID:SQcoDrlX0
英玲奈「ほっ!」シュッ
せつ菜「まだまだぁ!」
せつ菜(トリガーを引きながら銃弾を躱す相手に近づいて後ちょっとの距離を一回の跳躍で詰めて、ハニーバジャーを背中にやって、腰にかけてある刃渡り12cmのスペツナズナイフで素早い横斬りを行った)
英玲奈「ほっと、危ないな」
せつ菜(後ろに大きく体を反って回避する相手、そして次に相手の取った行動は右フックで、それを私は片腕で受け止め流れるように後ろ回し蹴り、これに対して相手は片手で手にしていたアサルトライフルで受け止めたけど、本命はこれじゃない)
バンッ!
英玲奈「何っ!?」
せつ菜「はぁっ!」
せつ菜(向こう側から飛んでくる一つの銃弾と銃声がデパート内で残響した、それを確認した私はダメ押しに回し蹴りをして銃弾と挟み撃ちをした)
英玲奈「くっ…」シュッ
せつ菜「遅いっ!」
せつ菜(どこまでも穂乃果さんは私の相棒であり親友です、穂乃果さんも戦ってるというのに私の方を見てハンドガンで一発、ベストなタイミングで撃ってくれて私も攻撃のタイミングを作れました)
せつ菜(そうしてその結果として、回し蹴りと銃弾を避けた相手に私は追撃の肘打ちで怯ませ、トドメの飛び膝蹴りで相手を吹っ飛ばした)
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