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絵里「例え偽物だとしても」
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1 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:17:47.06 ID:Sjljkzyd0
「助けてください!」
絵里(街中に響く一人の少女の叫び声。しかしその叫び声は虚しく人々の耳を左から右へと突き抜けていき皆揃いも揃って見て見ぬふりをする)
絵里(今日の降水確率は100パーセントで外は当然ながら酷い雨だった、風も酷く吹き荒れていてとても外出出来たものではなかったと思う)
絵里「……あぅ、あ」
絵里(…そして、大都会の大きな横断歩道から成る歩行者天国で倒れる私はどうして倒れているのだろう)
絵里(倒れる私の周りにはこんなにも人がいるというのに、通る人全ては私を心配することもない)
「どうして助けないんですか!?」
絵里(…ただ“珍しい人”もいるみたい)
絵里(誰一人として倒れた私を助けようとしないのに、この人はだけは私を助けようとしていた)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1569313066
2 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:19:34.05 ID:Sjljkzyd0
絵里「あなた…っ」
「大丈夫ですか!?今私の家に…!」
絵里(なんで、私を助ける人がいないんだろう)
絵里(そんなの答えは簡単だった)
「F-613…もしかしてあなたは……」
絵里「………」
絵里(私の首元についた数字が今私の前にいるこの人との決定的な違いだった)
絵里「…そうよ」
絵里(じゃあ答え合わせをしましょうか)
絵里(なんで私を助けてくれる人がいないのか、今も数百といる人が皆私を無視する理由、それは……)
絵里(私がアンドロイド――いわば造られた命を宿すロボットだからよ)
3 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:21:11.13 ID:Sjljkzyd0
〜次の日
絵里「…はぁ」
「どうしたの?絵里さん」
絵里「ん…あぁ千歌、いや昨日ちょっとあったのよ」
千歌「何かあったんですか?」
絵里「ちょっとトラブルで体が動かなくなっちゃって…」
千歌「えっ!?大丈夫だったんですか!?」
絵里「ええ、少ししたら動けるようにはなったけどこういうことがあると正直移動が不安なのよね」
絵里(次の日、私は何事もなくオシャレなカフェテリアで溜め息をつく)
絵里(あの後、すぐに私はあそこから去った。助けてくれるのは嬉しかったけど、無様に助けてもらうのはなんだか私のプライドが許せなかった)
4 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:23:02.76 ID:Sjljkzyd0
『——です!私…——って言うんです!だからもし…助けが必要だったら絶対に助けますから!』
絵里「……変な人」
千歌「ん?何がですか?」
絵里「いえ、なんでもないわ」
絵里(それでこの子は千歌、高海千歌という子)
絵里(彼女は私と同じ造られた命を宿すアンドロイドだ、だから彼女の首にもF-083という識別番号が刻まれている)
絵里「あ、またその歌聞いてる」
千歌「えへへ、かよちゃんの歌はすごいんですよ?」
絵里「かよちゃん?」
千歌「知らないんですか?今人気ナンバーワンといっても過言じゃないアイドルですよ!」
絵里「へー」
千歌「もうまさに私の推しアイドル! 絵里さんも直で見たら絶対に心奪われますよ!」
絵里(携帯から流れる“かよちゃん”と呼ばれる人の歌、聞いてると癒される優しい声と元気が出るような明るい曲調になんとなく千歌がはまってしまう理由もわかる気がした)
5 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:24:54.13 ID:Sjljkzyd0
千歌「あ、そういえばその…」
絵里「ん?何かしら?」
千歌「倒れた場所って…」
絵里「あぁ、アキバのど真ん中よ、歩行者天国に埋もれてたわ」
千歌「え、じゃあそれってつまり…」
絵里「……ええ」
絵里(誰も助けてくれなかったのか、千歌はそう言いたいのよね)
絵里(この世界はそうよ、アンドロイドという存在が栄えるとたちまち不思議なカーストが生まれた)
絵里(アンドロイドは人間より下の存在で、しかもある意味でいえば家畜と同等の存在とも言えた)
絵里「…仕方ないのよ、私たちがアンドロイドとして生まれた以上は」
絵里(私たちはアンドロイド、それは造られた命。そしてつまりそれは生命が宿ってると認識されない“モノ”でしかない)
絵里(単なる造り物に思いやる気持ちなんてこの世にはなくて、救済の手を差し伸べるに値しない理不尽さがそこにはあって、例えアンドロイドがどれだけ可愛くても“所詮”アンドロイドである以上人間と同等の立場になることはない)
絵里(だから私はどこで倒れようとも放置されるだけだ)
絵里(そしてそれはこの街だからこその光景だった)
絵里(“アンドロイド隔離都市”であった東京ならではのね…)
6 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:26:14.02 ID:Sjljkzyd0
千歌「私は……」
千歌「…私はそうは思いません」
絵里「……知ってるわ」
絵里(しかし私たちは人として分類される生き物であるのは確たる事実、涎や汗、かさぶたや流血など人間として体の機能は本物と瓜二つ)
絵里(だから外見も、ましてや深層部にいかない程度の内部でさえ人間と同じなのに、どうして私たちは差別されるのだろうか)
絵里(子供だって作れるし、リストカットをすればちゃんと死ぬ。機械としてのトラブルはもちろんあるけど痛みだって感じれるし、病気だってちゃんとある)
絵里(なのに…なのに…!)
絵里(どうして私たちはこんなにも低く見られるのかしら…)
7 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:27:51.64 ID:Sjljkzyd0
「おまたせ」
千歌「ん?あ、真姫ちゃん!」
絵里「こんにちは真姫、随分と遅かったわね」
真姫「ごめんなさいね、授業が長引いたの」
千歌「ううん!全然大丈夫!」
絵里「そう、大変ね」
真姫「まぁね」
絵里(…しかしまぁ例外ももちろんある、この子は真姫。識別番号は――って真姫にはないんだったわ)
絵里(真姫は識別番号がない正真正銘の人間、人間にも私たちロボットを見下すことなく平等な立場で接してくれる人がいる。それが真姫なのよ)
真姫「二人は大丈夫?」
絵里「ええ、まあ」
千歌「えへへ、大丈夫だよ」
絵里(何が大丈夫かって?そんなのアンドロイドだからいじめられたりしてない?っていう隠語なのよ、不幸中の幸いというべきなのかしら、私の顔つきや体はほぼ完璧と言ってもいいほどに整ってた)
絵里(アンドロイドとはいえど顔や体の良し悪しはもちろん存在してて、その中でも私は大当たりを引いたのだと思う)
絵里(だからこそいじめはないし、むしろ学校じゃ憧れの存在だったりする)
8 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:29:29.51 ID:Sjljkzyd0
真姫「そう、ならいいけど」チューチュー
絵里「随分とオシャレなもの持ってきてるじゃない」
真姫「あぁこれ?今話題のジュースショップで買ってきたのよ、オレンジジュース」
千歌「オレンジジュース!?うわー!私も飲みたい!」キラキラ
真姫「……飲む?」
千歌「飲むー!」チューチュー
絵里「あはは…全部飲まないようにね」
千歌「うんうん!」
真姫「ふふふっ」
絵里「ごめんなさいね、私の可愛い可愛い後輩が」
真姫「いいのよ、というか私も…その…絵里の可愛い可愛い後輩のはず…なんだけど?」
絵里「ふふっそうね」クスッ
真姫「笑わないで!」
9 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:31:03.10 ID:Sjljkzyd0
真姫「…というか絵里の食べてるものも随分とオシャレね」
絵里「あぁなんか無性にタンパク質を摂取したくてね、つまりはお肉が食べたかったのよ」
真姫「それでステーキを選んだと」
絵里「そうそう、私このステーキを食べる時のナイフとフォークを使う上品な感じが好きなの」
千歌「えー私はばばっとすぐに食べたいなー」
真姫「千歌はそんな感じよね」クスッ
千歌「あー!今私の事バカにしたでしょー!」
絵里「ふふふっ」クスクス
絵里(学校という場所は外の世界とは違って意外にも快適なの、私を人間と並べて見てくれる人間はたくさんいるし居心地がすごくいい)
10 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:33:07.45 ID:Sjljkzyd0
「あの子、ロボットと仲良くしちゃって…」クスクス
「ただのロボット相手に何を思ってるんだか」
真姫「!」
千歌「!」
絵里「………」
絵里(……ただ、正義がいるなら悪がいるのもまた当然。平等は不平等という言葉と一緒に生まれたのよね、この学校にも私をただのモノとしか見ていない人も少なくはない)
絵里(そして何故か、白羽の矢は私に立つのではなくアンドロイドと関わった真姫が標的になる。アンドロイドがモノという固定概念があるせいか、今度はそんなモノとおしゃべりしてる人間がおかしいと思われるみたい)
絵里(だからこそ、こんなアンドロイドとして生まれた私に腹が立つし、下等な存在だと見下されただけではなく真姫にまで被害が及ぶ理不尽さにも怒り心頭だった)
真姫「いいわよ、気にしないで」
千歌「ご、ごめん」
真姫「だからいいって」
「あら、ごめんなさい。もしかして可愛い可愛いロボットちゃんを傷つけちゃった?」クスクス
真姫「っ…」
絵里(世界にはいるのよ、心無い発言をする人間が)
絵里(そりゃあもちろんそういう人間にも慣性があって、考えがあるのは否定しない)
ダッ
千歌「絵里さん!?」
真姫「何やってるのよ!?」
「っ!どうなっても知らないからっ!」
絵里(…ただ、それを私が受け止められるかはまた別の話だ)
11 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:35:15.33 ID:Sjljkzyd0
バァン!
絵里(響く銃声、銃弾は私たちの後ろのテーブルで火花を散らして床へ落ちてゆく。この世界なんてゴミ溜め同然、既に道徳的退廃を迎えてる世界に救いようなどなくて、つまり私も退廃を迎えてるのよ)
『射線確認。推測距離3メートル、目的へ無傷で到達出来る可能性…』
タッ
『100パーセント』
絵里(彼女の言葉を聞いてる最中にもう体は動き出してた、怒りは私を動かす理由へと変わっていく、ダメだと分かっていてもやはり機械の体は言うことを効かないものなの)
絵里(……ううん、別に、機械の体じゃなくて私は動くのだろうけど)
真姫「絵里!今すぐにでもいいから止まって!」
絵里(地面を蹴って素早い跳躍で相手に近づいていく。それに反応した相手は懐からM1911――――いわば拳銃と聞いて誰もが想像するような外見と性能をした標準的な拳銃を出して私に向けて発砲した)
12 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:36:55.90 ID:Sjljkzyd0
絵里「ふっ!」
絵里(そして私は机を利用して回避する、ここの机は銃弾さえ弾くものだから机を遮蔽物として扱えば拳銃程度怖くもない)
絵里(世の中便利なモノが多いのよね、アンドロイドもそうだし今は科学の力でいくらでも魔法の応用ができる)
絵里(…ただ、ここみたいに拳銃が使いにくいフィールドなら拳銃は便利とは言えないの)
千歌「絵里さんっ!」
タッタッタッ!
「……っ!」
絵里(拳銃は弱点がありフィールドによって強弱が左右される、しかしさっきからずっと持っていたこのナイフはどこのフィールドでも同じ戦果を出し人間相手に私を裏切ることはない)
絵里(回避に専念し散々撃たせてリロードをさせたら後の祭り。机を飛び越え、床を強く蹴って相手との距離を一瞬にして詰めた)
絵里「今ここで死になさい」
絵里(そして姿勢を低くしナイフを片手に相手の喉元に――――)
「……ぁ」
絵里「…これに懲りたら見境も無く人をバカにすることはやめることね」
絵里(――突き付けて警告をした。いくら怒ってるとはいえ殺すなんてそこまで殺戮に飢えてるわけじゃない)
絵里(相手は拳銃を地面に落として戦意喪失しているのを見て私は静かに真姫と千歌のところへ戻った)
13 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:38:00.33 ID:Sjljkzyd0
絵里「ふう」
真姫「絵里…別にそこまでしなくてもよかったのに…」
千歌「そ、そうですよ」
絵里「いいの、今咎めておくべきだと思ったから」
千歌「んあははは…にしてもやっぱり絵里さんはすごいや、あんな動き出来ないよ」
真姫「ホント、見てて惚れ惚れするわ」
絵里「んーあはは、自分でもなんであんな動きが出来るのかよく分からないのよね」
千歌「銃弾を回避する術とか距離を詰める業とかホントにすごい!私もあんなかっこいい動きしたいなぁ…」
真姫「千歌じゃ無理ね」クスッ
千歌「あ、酷い!」
14 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:39:42.70 ID:Sjljkzyd0
絵里「……銃弾を回避する術か」
絵里(この世界では銃火器を持ってる人が普通にいる)
絵里(だからといって全員が持ってるわけではないの、護身用とかそんな軽い感覚で持てるものではなくてちゃんと訓練やらをして資格を持ってる人じゃないと持てないの)
絵里(まぁ警官とかいるじゃない?そういう類の人間なのよ、今みたいに銃を持ってる人間というのは)
絵里(…それと或いは……)
千歌「絵里さんは何かやってたんですか?武術とか」
絵里「んー特にそういうのは」
真姫「じゃあ生まれつきであんな動きが出来たってこと?」
絵里「そうねなのかしら……でも私は標準型のアンドロイドだから戦闘特化の機能は搭載されてないはずなのよね…」
真姫「まぁ確かに…」
絵里(アンドロイドというのは大きく分けて種類が三つある、一つは私や千歌みたいな標準型、つまりは人間として生まれたアンドロイド。これが造られた意図は少子化対策——並んで人口の増加だ、そしていざ戦争などの大きな戦いが起こった時に歩兵として使う貯金でもある)
絵里(二つ目は仕事などをする業務用アンドロイド、これに関して言えばこれはアンドロイドというよりかは単なるロボットでしかない。これは同じロボットの私からしてもそれ以上のない発展性の無いモノだ)
絵里(何故ならそのアンドロイドは人であるのは変わりないけど、頭の中にあることは全てその仕事に関することだから。自己学習機能は搭載されてはいるけど自立型ではない為に仕事だけをこなすちょっと可哀想なロボットね)
絵里(そして三つ目、それは――――)
15 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:40:58.91 ID:Sjljkzyd0
「面白いことしてるね」
千歌「あ、果南ちゃん!」
果南「ふふふっ相変わらず絵里の動きは凄まじいね」
絵里「果南…見てたの?」
果南「そりゃあ戦いの匂いでやってくるのが私だから♪」
絵里「…そうだったわね」
絵里(三つ目、それは戦うことに特化した戦闘型アンドロイドで、今私の目の前にいる果南がそれに該当する)
絵里(このアンドロイドは運動神経や頭の良さなどの能力値が高く、またほとんどの戦闘型アンドロイドが親を必要としない自立型である為に学習能力が非常に高い。そして私たち標準型と比べて耳が良い為物音に敏感で、銃声や剣撃の音などに反応してやってくる平和を守るヒーロー兼バーサーカーのようなアンドロイドね)
16 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:42:33.78 ID:Sjljkzyd0
真姫「それであんたは何しに来たの?」
果南「あんた呼ばわりは納得いかないけどまぁいっか、別に何かしに来たわけじゃないよ、銃声がしたからやってきたけどもう解決してたみたいだし」
絵里「ごめんなさいね、果南の大好きなバトルを奪っちゃって」
果南「あはは、全然いいよ」
千歌「今お昼食べてたんだけど果南ちゃんもどう?」
果南「うんっじゃあご一緒させてもらおうかな」
絵里(基本的に街にいるのは標準型のアンドロイドなんだけど、たまに混ざってるの、戦闘型アンドロイドがね)
絵里(戦闘型アンドロイドは元より戦闘をする為に生まれたアンドロイドだから、人生において必ず自己防衛について努める時期があるの、そこでほとんどの戦闘型アンドロイドは“自分だけの武器”を確立させるの)
絵里(だからこの都市で銃火器を持ってるのは警官の類だけではなく)
絵里(戦闘型アンドロイドも銃火器を持っているの)
17 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:44:01.92 ID:Sjljkzyd0
千歌「んー!ここの料理はやっぱりおいしい!」
絵里「あ、それ私のお肉!」
千歌「えへへ、なんかもう見てたら手が動いてて…」
果南「ご飯くらい自分で頼もうよ」アハハ
真姫「ホントね…」
千歌「えへへっ」
絵里(…と、まぁいざこざあっても何事もなかったかのように時は動き出す。銃声が響けば悲鳴の一つ二つはもちろんあるけど、見慣れてる人もいるくらいには危ない場所でもある)
絵里(私は気性が荒いもので怒り任せに戦いを仕掛けることはよくあるけど、私は他のアンドロイドと比べてかなり性能が良かったみたいで思ったように動けてる)
絵里(それ故か、私は本当に学校じゃ有名なの。それはいい意味でも悪い意味でも)
18 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:45:05.68 ID:Sjljkzyd0
果南「こうして絵里ファンクラブの一ページが刻まれたわけだね」
絵里「か、からかわないでっ」
千歌「そりゃああんな絵里さんみたいな美人があんなかっこいい動きしたらファンも出来ますって!」
真姫「まぁ…ね」
絵里「別にファンを作りたくてあんなことしてるわけじゃないんだけどね」アハハ
絵里(まぁ、こんなことしててファンが増える一方なのはある意味でいえば平和な証拠なのかもしれない)
絵里(しかし色んな意味で変わった世の中よね、何かある度に私はそう思うばかりだわ)
スタスタスタ
「絵里」
絵里「!」
絵里「善子…どうしたの?」
絵里(お昼休みが終わり教室へと戻る際、見知った顔から声をかけられた)
19 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:46:01.88 ID:Sjljkzyd0
善子「見た?あいつのこと」
絵里「……ええ、見たわ」
善子「…どう思った?」
絵里「もう知らないわ、あんなやつ」
善子「それ、本気で言ってる?」
絵里「触らぬ神に祟りなしって言うでしょ?無視が一番なのよ」
善子「…私はそうは思わない」
絵里「……知ってる」
絵里(こんなやりとりをさっきもやった気がする、アンドロイド同士の話はどうもいつも暗くて重い)
善子「私は戦闘型アンドロイド、だけど戦う事に意味があるとは思えないの」
善子「戦いは戦った分の傷を生み、罪を作る。私はそれが嫌いなの」
絵里「………」
善子「でも、正直今は人々が戦う意味も理由も分かる気がする。戦って変わるものがあるのなら、傷も罪も増えようとも戦うことを厭わない私になれる気がする」
絵里「………」
絵里(この子が何を言ってるのか理解出来てない人がほとんどだろう、当然よ。だって理解出来るのはアンドロイドだけだもの)
絵里(人間にも個人的に嫌いだとかで出来る敵がいるけど、アンドロイドにも同じように敵がいるのよ)
20 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:48:13.00 ID:Sjljkzyd0
絵里「…じゃあ何?善子は」
絵里「小原鞠莉と殺し合いでもするの?」
善子「………」
絵里「勝ち目なんてないわよ、それを一番分かってるのは戦闘型アンドロイドである善子のはずだけど」
絵里(小原鞠莉――――それは私たちアンドロイドを造った生みの親、つまり私たちの母と言ってもいい人)
絵里(…まぁ母とはいっても私と鞠莉は“ある意味”同年齢、しかも通ってる学校まで同じの案外身近な存在だったりする)
絵里(しかしそれは返ってマイナスな事でしかなかった、何故ならそれは……)
善子「…ならどうしろっていうの!?」
善子「あんなやつ生かしておけるわけないじゃない!?」
善子「私たちを作ったくせに私たちが低く見られる原因を作ったのがあいつだなんて、それだけでも憎いのに今でも低く見られる原因を作り続けてるのは何!?なんで私たちを生んだの!?」
絵里「……所詮造られた命なのよ、むしろ今こうやって自由の場を設けてもらってるだけでも感謝すべきなのかもしれないわ」
善子「…堕天使って何なのよ、私の頭にインプットされてるこの堕天使っていう記憶は何なのよ……」
絵里「………」
絵里(鞠莉は私たちを道具として造った、それ故か鞠莉は私たちの事を道具と公言し続ける一方で、それなら私たちに心を与えなければよかったのにわざわざ心を与える鞠莉の残忍さは多くのアンドロイドを敵に回す原因となっている)
絵里(しかし鞠莉は弱冠12歳にしてアンドロイドを作り上げた天才、そんな鞠莉を殺すには警備が厚く鞠莉自身も戦闘経験が豊富という噂から反旗を翻すアンドロイドはほとんどいない)
絵里(だから私たちはずっといじめに似た何かを受けながら生活していくのかもしれない)
21 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:49:16.51 ID:Sjljkzyd0
絵里「仮に叛逆するにしても、今はまだ早いと思うの」
絵里「だからもうちょっと穏やかに行きましょう?」
善子「……怖いだけのくせに!」ダッ
絵里「あ、ちょっと!」
絵里(この事をあまり大事にはしたくない、だからなだらかに話を収めようしたけど善子は私に心に刺さる銃弾のようなものを放って走り去っていった)
絵里「…別に怖くなんかないもん」
絵里(怖くないっていったウソになるけど、私にだって覚悟や考えはある)
絵里(だけどそれが銃弾に変わるのはいつなのかしら)
22 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:50:44.11 ID:Sjljkzyd0
〜家
絵里「…はぁ」
絵里(今日も悪い意味で濃い一日だった)
絵里(私の周りで何か起きては毎日何かについて考えさせられる、今日考えたのは小原鞠莉の事とアンドロイドの存在意義)
絵里「……むー」
絵里(でも、そんなことを考えて気分がよくなるはずもなくベッドの枕に顔を埋めて頭を真っ白にさせた)
絵里(今日の事を振り返ればこの世界のことが分からない人でも多少は理解してもらえるんじゃないかしら、人間とアンドロイドが歪な形を成して共存する世界で、物騒な世界。ただそれだけの世界)
絵里(こんなどうしようもない世界で私は生きていく)
絵里(ここで必要なのは物理的強さなんじゃなくて、相手を理解する気持ちと非情を受け止める気持ち。心を広く持っていかないと多分精神はすぐに壊れちゃうから)
23 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:51:58.63 ID:Sjljkzyd0
トントン
「お姉ちゃーん、ご飯だよー」
絵里「あ、はーい。今いくわね」
「はーい」
絵里(扉の外から聞こえる心地の良い声、その声の正体は紛れもない私の妹――――)
ガチャッ
絵里「あ、待って」
絵里「亜里沙」
亜里沙「ん?どうしたの?」
ギュッ
絵里「…やっぱり亜里沙は抱き心地最高ね、ハラショーよ」
絵里(亜里沙は私の妹として造られた識別番号A-0613の戦闘型アンドロイドで、この退廃的世界の癒しでもある)
亜里沙「お姉ちゃん…また何かあったの?」
絵里「ううん何もないわ、ちょっと亜里沙に抱き着きたくなっただけ」
絵里(ご飯を作ってくれたりお風呂を沸かしてくれたりですごく出来る自慢の妹なんだけど、中学三年生ということもあって純粋でまだまだ可愛いお年頃だから私が守っていかないといけない)
絵里(だから日々、理不尽なことが起こったとしても亜里沙がいるから生きていられるといっても過言じゃないの)
24 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:53:30.33 ID:Sjljkzyd0
亜里沙「そっか、まぁとりあえずご飯出来てるからいこう?」
絵里「ええ、そうね」
絵里(亜里沙は可愛いし、千歌は元気をくれるし、真姫はいい相談相手になってくれたりで充実してるところはたくさんあるけどやっぱり明日という日は憂鬱で仕方がない)
絵里(もし武力で世界を変えられるというのなら、今頃はどういう世界になってたのかしら)
絵里(人間とアンドロイドが気持ち的な意味で上下が無くなったとしても、立場上アンドロイドは人間の手中にあることを否めない)
絵里(死は救済ってよく言うけど、今の私にはそれがよく分からない。例えこんなゴミ溜めの世界だとしてもそこは分からないままで、もし答えが見つかるというのなら今すぐにでも私の胸を撃ち抜いてほしい)
絵里(見つかるのなら、だけどね…)
ザワザワザワザワ
絵里「…何?」
絵里(憂鬱であった次の日、それは登校してる最中の時で特に意識せずとも人だかりが目に留まって私も通行人と同じよう足を止めた)
絵里「ちょっとすいません、すいませんどいてください」
絵里(みんなが注目するものが気になるのは心を持つ者の性よね、人混みをくぐりぬけてその中心部に辿り着けばすぐに人混みの答えは現れた)
25 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:55:29.52 ID:Sjljkzyd0
「ふふふっ人間のクセに生意気だね♪あなた」
絵里「なにあれ…」
絵里(見えるのは私と同じ女子高校くらいの女の子がスーツを着た中年男性の顔を踏み潰してるところ、どういう経緯でああなったのかは分からないけど傍から見て普通ではなかった)
絵里(地面に血が浸蝕してるのを見て殴ったり蹴ったりしたんだなっていうのが容易に想像できる、しかし何故こういう事態になったかはよく分からない)
「ほらほらっ♪これが欲しかったんでしょ?」
絵里「っ!何をやってるの!やめなさい!」ダッ
絵里(顔を踏みつける足の力が強くなったのを確認してすぐ行動を起こした、若干人の影に隠れながら見てたけど“行かなきゃ”と思った瞬間には目の前の人なんか気にする暇もなく押しのけ今も顔を踏みつけている彼女の元へ向かった)
「ん?あ、はぁ…♪私に挑んでくる人がいるなんて…♪」
絵里(ただ、向かっただけじゃない。彼女の暴力的行為を止めるべく格闘術で止めようとした)
26 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 17:58:10.83 ID:Sjljkzyd0
タッタッタッ!
絵里「はぁっ!」
絵里(接近するスピードはおそらく最速、姿勢を低くして彼女のお腹に掌底を打ち込もうとした)
「ふっ」
絵里「っ!」
絵里(だけどどういうわけか彼女はお腹に掌底が打ち込まれるギリギリで反応をし、私の手首を掴んで見事に止めてみせた)
「強くてごめんねっ!」
絵里「まずっ…!」
絵里(掴まれた私は一方的な展開を迎えることを強いられた。強く手首を引っ張られ仕返しと言わんばかりに私のお腹に彼女の跳び膝蹴りがヒット)
絵里「がっ…!」
「ふふふっ今のは加減間違えちゃったかも〜ごめんね?」
絵里「っあ……くそ…っ」
「汚い言葉使っちゃダメだよ?女の子なんだから♪」
絵里「別に使ったつもりはないわ…っ、とにかくその男の人を踏みつけるのをやめなさい」
絵里(膝蹴りをされた私は後方へと吹っ飛び地面に叩きつけられる、この時の痛さといったらアンドロイド特有のもので吹き飛ばされた後すぐに起き上がることは出来たけど、常人の蹴りが人を吹っ飛ばせるわけもなく……)
絵里「…戦闘型アンドロイド」
「あれ?今更気付いたの?てっきり気付いて挑んできてくれたと思ったんだけど」
絵里「……ごめんなさいね、敵も把握できないようなバカで」
「あははっそんなこと言ってないよぉ」
27 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 18:02:11.16 ID:Sjljkzyd0
「…それでどうする?まだやる?お腹痛かったら帰ってもいいよ?」
絵里「…いいや、やりましょうか」
絵里「負けたままじゃ終われないからね」
「…あはっ面白いこと言うんだね、あなた」
絵里「何か変なことでもいったかしら?」
「私に勝つなんて無理だよぉ、第一あなたは標準型だよ?標準型が戦闘型に勝つのは別にありえないことじゃないけど、標準型が私相手に勝つのは無理かなぁ」
絵里「…やってみなきゃわからないでしょ」
「うんうんっでもやっても結果は変わらないと思うけどね」
絵里「…どうかしらねっ!」ダッ
絵里(相手である彼女に向かって突っ走った、そうして蹴りが届く位置にまでいけばすかさず回し蹴りを頭狙いで炸裂させた)
「甘いかな」
絵里(そして彼女はそれを片腕でガード、威力はそこそこあったはずなんだけどそれを軽々しくガードしてるのを見るに余裕なんだなと思う)
絵里「ふっ、せやあッ!」
絵里(しかし受け止めるのは予想済み、受け止められたのを確認して私はすぐにもう片方の足を使って後ろ回し蹴りをした)
「うっ、くっ…!」
絵里(これに対して彼女は腕をクロスさせてガードしたけど、流石に私の蹴りもやわなものじゃないから余裕で受け止めるのは無理なようで、その証拠に顔は少し力んでた)
絵里(また、そんな私の攻撃を受けて流石に遊んでられないと感じたのか彼女は凄まじくキレのよい中国拳法のような肘打ちから体を逆さに横回転させてもう一回肘打ち、そして空中で回し蹴りと格闘ゲームのコンボのような連続攻撃をしてきて、それに対して私は受け流すことを選んだけど、素早い行動故にことりの連続攻撃から離れるのは無理だった)
「これでっ!」
絵里「っ!?」
絵里(そして今までのまだ序の口、彼女の着てるカーディガンの裏から出てきたのは不思議な形をした拳銃で、何はともあれあんなのを直で食らえば死んだも同然だった)
「しんじゃえっ!」
絵里「まだっ…!」
絵里(向けられた銃口の方向から外れる為回避をしようとしたけど、私の瞳があの銃口から放たれる弾を避けられる確率を3%と示していた)
絵里「なんで…!?」
絵里(拳銃を手に持って構えるまでの時間はおよそ二秒、その間で私は射線から外れたというのに何故私の瞳は死を悟ってるのだろう)
28 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 18:04:43.56 ID:Sjljkzyd0
「ふっ…照準型には今見えてる光景の意味が分からないだろうねっ!」
果南「諦めるにはまだ早いんじゃないかな?」
「!」
絵里「!」
絵里(次の瞬間に聞こえてきたのは果南の声――――ではなくて銃声が先だった)
絵里(銃声がした瞬間、私の目の前では火花を散らせて相手の持っていた拳銃が吹っ飛んだ)
絵里(銃弾の飛んできた方向を見れば拳銃を片手で構える果南の姿があって、そこで初めて果南が相手の持つ拳銃を狙撃したことを理解した)
果南「戦いの音がするから来てみれば絵里がいるなんて」
果南「それに……」
果南「あの南ことりまでいるなんてね」
絵里「南ことり…?」
ことり「へー私の事知ってるんだね」
果南「そりゃあ戦闘型アンドロイドなら知らない方が珍しいくらいだからね」
ことり「ふーん…あなたも戦闘型アンドロイドなんだ」
果南「随分と殺意の高いモノを持ってるんだね、その拳銃」
ことり「私のお気に入り♪」
果南「趣味悪いね…」
29 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 18:08:44.77 ID:Sjljkzyd0
絵里「果南、こいつは…」
果南「南ことり、識別番号はA-82のかなり初期に造られた戦闘型アンドロイドだね」
絵里「初期型…!」
ことり「多分設定上あなたたちより年下だけど、戦闘経験はあなたたちの倍はあるかなぁ」
果南「そうだね、ことりの持ってるその銃はタウルス・ジャッジっていう拳銃で、トリガーを引くと散弾が出るんだ。だから絵里は回避がほぼ不可能だった」
絵里「そういうこと…」
果南「後、さっき見た感じあなた中国拳法知ってるでしょ?それに指の形までそれぞれちゃんと決まっててほぼ完璧と言ってもいい身のこなし」
ことり「あはっよく見てるんだね」
果南「私、眼がいいって言われてるから」
ことり「そっかぁ、それであなたたちは私を――――んん、ことりをどうしたいの?」
絵里「…なんで一人称は変えたの?」
ことり「えへっだってそれはぁ…」
ことり「モードの切り替えの為だからだよっ!!」ドドドド
絵里「なっ…!」
果南「させるかっ!」
絵里(ことりが喋りだした瞬間、背中にかけてあったアサルトライフルで私たちに発砲してきた。アンドロイドだから可能であった反射神経で初弾と二発目を回避したところで果南がことりへ向かって発砲した)
ことり「はっ」
絵里(ことりはそれに対して地面を蹴り、右側へ跳躍して回避を行いながら再び発砲をして攻撃に転じた)
果南「遮蔽物を上手く使って!」
絵里「分かってる!」
絵里(その一瞬で私たちは木やらイスやらを使ってなんとか回避する、もう野次を飛ばしていた通行人も周りにはいない。私たち三人だけのフィールドになった)
30 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 18:11:22.18 ID:Sjljkzyd0
ことり「ちっ…こんな時に…!」
果南「絵里!今のうちに逃げよう!」
絵里「言われなくても!」
ことり「させない!」ブンッ!
絵里(弾の切れ目が命の切れ目とはよく言ったもの、ことりがリロードをするタイミングで私たちはことりから見た死角へと走り出したけど、そんな逃げる私たちを逃さないとことりはナイフを投げつけてきた)
果南「はっ!」
カンッ!
絵里「や、やるわね…」
果南「ふふふ、私拳銃は使えないけどこの拳銃だけは扱えるんだよね」
絵里(そんな投げナイフに向かって果南は発砲し、見事にヒット。ナイフは別方向へ吹っ飛んでいった)
ことり「なにあの子…!」
絵里「とりあえず一安心ね…」
果南「そんなわけないじゃん、ことりは執念深いって聞くから追ってくるよ」
絵里「えっじゃあ逃げないと」
果南「はい、これ」
絵里「えっ…なにこれ」
果南「デザートイーグルだよ、私が唯一使える拳銃」
絵里「これを私に渡して何のつもり?」
ことり「そこに隠れてるのは分かってるよー」
果南「逃げるのは絵里だけだよ、私はことりと戦う」
果南「もしことりや他の誰かに襲われたらその拳銃を使ってよ、でも反動が大きいから連射すると肩外れるよ」
31 :
◆iEoVz.17Z2
[sage saga]:2019/09/24(火) 18:14:50.75 ID:Sjljkzyd0
絵里「いや、果南が残るなら私も残るわ。あいつに恨みはないけど私だけ逃げるなんてそんなのやだわ」
果南「ダメ」
絵里「いや私もダ」
果南「絵里は逃げてッ!!」
絵里「!?」
果南「ことりは強い、私の眼がそう言ってる」
絵里「舐めないで、私だって戦闘に自信はあるわ」
果南「生半可な戦闘経験は死を生むだけだよ、とにかく逃げて」
絵里「イヤよ、このまま逃げてカッコ悪いままなんかより果敢に挑んでカッコよく死んだ方が私はマシ」
絵里(何回も逃げろと警告はされたけど私だけ逃げるなんてそんなのは私のプライドが許さない、元はといえば自分から売った喧嘩を人になんか任せたくない)
果南「そっか」
絵里「…?ええ」
絵里(しかし果南は突然何かを悟ったような態度をし始めて淡々と鞄に入ってた銃を取り出した)
果南「ふんっ!」
絵里「かっ…ぁ…!?」
絵里(そして次の瞬間、果南は長めの銃――おそらくアサルトライフルであろう銃を使って私のお腹を殴ってきた)
絵里「な…んで…!?」
果南「ことりと戦ったらどうせ傷は出来る、なら今私が代わりに傷を与えとくからここで寝ときなよ」
果南「絵里は今戦うべきじゃない」
絵里「ふざ…っけ…かはっ…な……い…でっ」
果南「じゃあね」
スタスタスタ
絵里「ま…て」
絵里(突然の裏切りと言ってもいいほどに唐突で、果南の銃を使った打撃は激痛を通り越して死に至る痛みでもあった。銃という名の鈍器を使ったからね、横になっても目を瞑っても痛みは消えなかった)
絵里「…ぁ…なん」
絵里(諦めきれない思いと、果南への怒りが痛みを超えて私の意識を覚醒させてくる)
絵里(だけどすぐに視界は真っ暗になった。次の瞬間には意識も無かったかしら、流石戦闘型アンドロイドはパワーが強すぎた)
絵里(私はことりと戦う前に、果南に敗北した)
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