【安価】非力なる者は世界に叛逆する

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25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 05:39:21.58 ID:RRRjnIy2O
名前:ユエ
属性:闇
能力:沈静。心を鎮め戦意や狂気を無くしてしまう。相手を安らかに眠らせることもできる。
概要:黒髪、黒い和服をきた少女の姿をとる寡黙な妖精。喧騒を好まず、夜の訪れと共に人々に安らかな眠りをもたらし黙らせている。

荒らしのつもりはありません(キリッ
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 09:59:56.90 ID:q9m+cKT6o
>>24で末尾なんかその気になればいくらでも変えられると証明されてしまったわけだが
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/18(水) 20:26:54.01 ID:0HWDtsL7O
最後の一人が生き絶え、全ての孤児が水溜まりに倒れ臥す。高揚した青年は、誰もいない空間に問いかける。

「もう満足しただろう?さあ、私の手を取りたまえ!」

青年の声に応え、二人の妖精が姿を現す。

一人の髪は赤く、一つ結びにして下ろしている。もう一人の髪は青く、ポニーテールにして伸ばしている。

「君たちが妖精か…ッ!何と美しい姿だ!」

「供物は捧げた!それを受け取ったならば、君たちは私と共に来るのが道理だろう?」

『■■■■■■■−−』

人のものではない言語が響いた。理解の及ばない青年は、首を傾げる。

「人間の言語を使用してくれないか?私に、妖精の言葉は理解出来ないんだ」

『■■■■■■■−−?』

「だから、解らないと…」

『貴方に与える力は無いと言ったんですよ』

『だから、死んで?』

「……何?」

妖精の言葉を理解した瞬間、青年の全身を電撃が灼いた。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/18(水) 20:27:32.87 ID:0HWDtsL7O
「わああああああッ!!?」

焼け焦げた服を脱ぎ捨て、必死で青年は逃走する。だが、逃げる先には鉄の龍が座していた。

入ってくるまでに、このような生き物がいなかった。となれば、何者かが用意した可能性が高い。

いったい誰が用意したのか。その問題が新たに浮上するが、人智を超える存在であり妖精が元凶なら、おかしくもない。

何故、牙を剥くのかは分からない。供物は捧げた。それで、満足したはずなのに。気に障ることはしていないのに。

まさか。いや、あり得ないとある一つの可能性を否定する。『既に契約した人がいる』可能性を。

しかし、それは現実となった。

「いっ…だぁぁぁぁぁぁッッッ!?!」

また、電撃が身体を貫いた。両脚が灼かれ、大きな空白が作られる。

砂利が擦れる音が聞こえる。それはまるで、死神の行進する音のようだった。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/18(水) 20:28:25.55 ID:0HWDtsL7O
たった数秒の足音が、永遠のように続く。高鳴る鼓動を抑えようとするが、何も変わらない。

足音が止まる。後ろを振り返る。そこには、先程死んだはずの少年がいた。

「この時を待っていた」

少年が呟く。電撃が少年の右腕に纏わりつく。

「この瞬間を待っていた」

ずしり、ずしりと大地が揺れる。周りを見渡すと、鉄の龍がそこにいた。

「ゆっ、許してくれぇ!金なら幾らでもやるから!望みの物を全て渡すから!お願いだぁっ!!!」

みっともないことは百も承知。それでも、死ぬよりはマシだから。

誇りを捨て、愚者になろうとも。この場を切り抜けられれば、どうにかなるはずだ。

「望みの物、ねぇ」

少年はぼそりと呟き、背を向ける。見逃してもらえたかと、貴族の青年は一瞬安堵する。

そして、青年は気付いた。見逃すために背を向けたのではない。彼が背を向けたのは。

心底気に入らない汚物を、視界に入れたくないからだと。

「勝手に俺がいただくから、お前はそこで死ねよ」

少年が親指を下に向ける。その刹那、青年の視界は紅に染まり、黒に変わった。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/18(水) 20:29:17.18 ID:0HWDtsL7O
『どうですか?これが、私たちの力です』

−−上々だ。使わせてくれて感謝するよ。

少年はそう返答し、馬車の荷物を漁る。見つかったのは、麻袋に詰まった金貨と数日分の食料。

そして、貴族の青年の替えの服。サイズは合わないので、質屋にでも入れるとしよう。

「これは何だ?」

『薬じゃなかったかな。お兄ちゃん、これ名前何って言ったっけ』

『ポーションです。シャルティエ、前にも教えましたよね?』

『難しいことはわっかんなーい』

妖精の会話を聞き流し、物色を継続する。他には、高級そうな武器しか見当たらなかった。

『これはレイピア。刺突剣と呼ばれるものです』

「貰える物は貰うか。これ、電気は通るのか?』

『問題ありません』

『ねーお兄ちゃん、この人の魂食べてもいーい?』

『…死んでいるなら、問題無いでしょう。良いですよね?』

青年のことなど、どうなっても知ったことではない。

勝手にしろと答えると、シャルティエと呼ばれた妖精は満面の笑みで手を遺体に突っ込み、抜き取った白い火の玉を喰らった。

『美味し〜い!やっぱり、上質な暮らしをした人間の魂は格別ねっ!』

よく分からないが、満足したようだ。

『ひと段落しましたし、お名前聴かせてもらいましょうか』

「名前」

赤い妖精に問われ、はたと考え込む。自分の名前など、意識したこともなかった。

街にいた頃から、チビやクソガキとしか呼ばれなかった。親に何と呼ばれていたかは、記憶に存在しない。

そう、少年は自身の名前を知らない。故に、返答することが出来なかった。

−−名前、決めておくか。

これから先、必要になることもあるだろう。そう思った少年は、馬車に腰掛けて水を飲んだ。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/18(水) 20:30:13.49 ID:0HWDtsL7O
少年の名前を下3まで
最大コンマのレス採用です
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/18(水) 20:31:54.27 ID:z4cRoj4wO
アッシュ
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/18(水) 21:54:59.85 ID:XfTyy1H5O
ロック
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/19(木) 14:06:52.70 ID:jXiq8ioX0
グリード
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/25(水) 09:31:44.48 ID:pDcjeaTSO
適当に言葉を思い浮かべる少年。候補として出てきたのは、三つの単語だった。

アッシュ。物の燃え尽きた残滓である灰を意味する言葉。

非力な、虐げられるだけの弱い自分は燃え尽き、消えた。その遺灰、弱者の残滓とも言える自分には、案外似合うかもしれない。

ロック。岩を意味する言葉。青年を殺す。その意志を頑なに曲げなかった、頑固な自分を示していると言えなくもない。

グリード。七大罪が一つ『強欲』を意味する言葉。自身の生存のために、妖精の力を求めた自分にはお似合いかもしれない。

−−選ぶとしたら、これだよな。

弱者の残滓だとか遺灰だとか、自身を卑下する気はない。かといって、大それた名前を使う気もない。

なら、候補の中で選ぶとするなら、この名前しかない。

「ロック。それが、これからの俺の名前だ」

『いーんじゃない?私たちには関係ないことだし』

『シャルティエの言う通りですね。貴方の名前が何になろうと、私たちにメリットやデメリットがあるわけではありません』

「はっ。言ってくれるな」

『名前なんて、識別信号に過ぎません。無数にある存在を、個人の都合で勝手に分別しているだけです』

『私も、シャルティエも。その名前があるから、他の妖精と混同されないんですよ。人間には分からないでしょうが』

難しい話を理解出来るほど、ロックの頭は出来が良くない。

「小難しいことは分からねえよ…」

そう返答し、馬車を降りる。馬を扱う技術なんて持っていない。

必死こいて連れて行く方が手間になる。ならば、徒歩で移動した方が遥かにマシだ。
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/25(水) 09:34:44.60 ID:pDcjeaTSO
太陽が燦々と輝いて、強い日差しが照りつける。襤褸切れを羽織っているだけの子供には、中々辛い環境だ。

マトモな衣服も無ければ、足を守る靴すら履いていない。だが、泣き言を言っても何も変わらない。

「村かなんかに行かないとな。これを売って、足しにしねぇと」

貴族服をオルディオに持たせ、森の中を進む。麻袋いっぱいに詰まった金貨があれば、大抵のことが出来ること。

それに、ロックは気付かない。金銭の価値など、知らないから。

『村とか近くにあったっけ』

『さて、私はこの森から出たことはないですし』

「…道なりに進めばいつか着くだろ」

そう呆れ気味に呟き、分岐路に到着した。

立て看板は風化し、文字が掠れて全く読めない。そもそも、文字を読むことすら出来ないのだが。

「…綺麗な道を進んでみるか」

数秒思考し、ロックは移動を開始した。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/09/25(水) 09:35:33.09 ID:pDcjeaTSO
到着した拠点の名前と特徴を下2まで
コンマが大きい方を採用します
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/25(水) 10:01:31.90 ID:NqeBgpMQO
レイクシャー
大きな湖に面する商業が盛んな都市
多くの人と物が行き交い大抵の物は揃う。露店では掘り出し物があることも。
人が多い分悪人もそれなりに多く、詐欺師やスリ、強盗の類いには注意が必要。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/09/25(水) 15:04:08.58 ID:va2w6vz+0
アルメーン
大きな教会が目印の素朴な村
高級リンゴの果樹園が存在しており、名物となっている。
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