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【艦これ】艦娘「ショタ提督に好かれたい」照月「その35!」【安価】
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569 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/05(火) 23:38:19.93 ID:u9DdEpAa0
始めます。
570 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/05(火) 23:41:07.00 ID:u9DdEpAa0
ショタ提督「……ただいま」
朝風「お帰り。他の提督の子達は元気だった?」
ショタ提督「………」コクリ
朝風「なら良かった。私も他の鎮守府の自分と会話してるけど、ピリピリしてることが多くて……」
ショタ提督「………」
朝風「………」
朝風(……司令官、また暗い顔してる)
彼女からしてみれば、あれだけ艦娘達がピリピリしているのだから、他の提督もその影響で辛辣になっていても不思議では無い。
ただ、彼は険しい表情をしていることを除けば常に冷静だ。ピリピリする者とは対極の存在と言えるだろう。
だからこそ、周囲と意見が合わず、言い争いになってしまったのでは無いか……彼女は心配しているのだ。
ショタ提督「………」
朝風「………」
朝風(だけど、事情を聞いたとしても……司令官のことだから、きっと『大丈夫』としか言わないわよね。だったらいっそ、話題を変えた方が……)
ショタ提督「………」
ショタ提督(また、心配をかけてしまった……ごめんなさい、朝風ちゃん。だけど、今はまだ……)
朝風「………」
朝風(でも、話題といっても何を話せば良いのかしら。やっぱり、ここは司令官に合わせて他所の提督について……)
反転コンマ判定:朝風が話題にした歴代提督は?
01〜49:30周目提督の話題
----との---上昇率:小 ×1.0
50〜98:16周目提督の話題
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目:36周目提督の話題
----との---上昇率:大 ×2.0
直下
571 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/05(火) 23:43:00.00 ID:5aguQ9/30
あ
572 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/05(火) 23:43:21.73 ID:hl6q/9MuO
あ
573 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/05(火) 23:58:15.04 ID:u9DdEpAa0
《-- 100 --》――――
ショタ提督「……っ!」
ショタ提督(そ、そんな……何で……いや、落ち着け。これはただの偶然……偶然のはずだ……)
朝風「……ねぇ、司令官」
ショタ提督「……何、かな」
朝風「36周目提督って……1度、転生してるのよね?」
ショタ提督「……そう、みたいだね」
朝風「司令官は……転生って、信じてる?」
ショタ提督「………」
彼女の目は透き通っている。迷いが無く、その目には彼の顔が綺麗に映し出されている。
まるで確信を突き、彼に何かを確認するかのように……その目は彼を捉えている。
ショタ提督(……本当に、ごめんなさい)グッ…
だが、彼女は"偶然"……"無意識の内に"、この質問を投げかけていることは……
彼は当然ながら、既に"把握"している。だからこそ、彼は……その質問に対し……
ショタ提督「……どうだろう。36周目提督さんが嘘を言っているとは思わないけど……僕としては、半信半疑かな」
朝風「そうなの?」
ショタ提督「だって、証明しようが無い。仮に大和さん達の危機を救ったと言われても、僕達にはただの偶然と受け止めることも出来てしまう」
朝風「………」
ショタ提督「もちろん、36周目提督さんが本当に転生した可能性もあるけど……やっぱり、全てを信じるのは難しいかも」
朝風「……そっか。そうよね、何言ってるんだろ、私……」
ショタ提督「……っ」ググッ…!
ショタ提督(ここで、話す訳にはいかない……まだ、ダメなんだ……!リスクがあり過ぎる……!)
歯を食いしばる勢いで、彼は全てを打ち解けたい気持ちを抑え込む。
己の目的を無事に達成してからでなければ、最悪……大きな失敗をしてしまう可能性がある。
故に彼は、罪悪感に耐えながら……目的の為に、彼女らの為に……隠し続けなければならない。
----との--- コンマ一の位×2.0 上昇
直下
574 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:01:43.70 ID:GTy7H/P0O
あ
575 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:05:35.77 ID:Zvppec4bO
ここで1%の20上昇引くとかうっそだろお前wwwwwwww
一人だけ10台に取り残されるゆーちゃんェ・・・
576 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/06(水) 00:17:27.41 ID:xkgi68FL0
10×2.0=20 20+12=32/--
朝風「………」
朝風(司令官は、あくまでも転生は半信半疑……か)ズキン…
朝風「……?」
ショタ提督「……っ」
朝風(あ、あれ……?今、一瞬……胸がズキンとしたような……)
ショタ提督「………」
謎の感覚を抱いた彼女以上に、彼は胸を締め付けられていた。
本当なら、今すぐにでも全てを話したい……全てを、伝えたい……!
ショタ提督「………」グッ
ショタ提督(目先のことだけを考えてはならない……でないと、朝風さん達の心の乱れさえ……!)
だが、彼はそれを自制する。己の一時の我儘のせいで、全てが手遅れとなってしまうかもしれないのだ。
もしそんなことになってしまえば……最悪の事態を想定し、自身の気持ちを落ち着ける。
朝風「………」
朝風(……気のせい、よね?)
ショタ提督「………」
ショタ提督(ごめんなさい……だけど、いずれは必ず話すから……それまで、待っていて……!)
577 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/06(水) 00:34:57.74 ID:xkgi68FL0
《-- 17 --》
ショタ提督「………」
ショタ提督(どうして、こんなことになってしまったのだろうか……)
心の中で呟く彼だが、原因は全て分かっている。その元凶さえ、判明している。
だからと言って、今までのことを悔やんでいても仕方が無い。それよりも、前を向いて進むことが何よりも大切なのだ。
ショタ提督「……っ」グッ
ショタ提督(それが出来ない……いや、出来ない程に狂ってしまったのが……"僕"なのか)
虚空か、あるいは水平線の向こう側か……ある一点を見つめ、彼は悲しげな顔をする。
その表情に込められた想いは、とても一言では語り尽くせないだろう。
ショタ提督「……僕が、何とかしないと」
ショタ提督(そう。これは、僕が責任を持って何とかしなければならない……必ず……!)
彼は己の決意を再確認するかのように……静かに呟く。
そして……その様を、静かに見つめる者が……2人いた。
名取「………」
グレカーレ「………」
名取(やっぱり、おかしい……提督を見ていると……)
グレカーレ(胸の奥が、熱くなって……だけど、それが何なのか……分からなくて……)
名取「……っ」ギュッ
グレカーレ「……っ」ギュッ
手で胸を押さえても、違和感の正体は分からない。
だが、あの謎のフラッシュバック以来……言いようのない感覚が、ずっと彼女らに付きまとう。
それでも、彼を見ていると……違和感が強まると同時に、安心感が芽生えるのだ。
だからこそ、彼女らは察する。この違和感の正体を知る手掛かりは、彼が握っているはずだと。
↓1朝風のコンマ ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ ----との---:16/--
↓3名取のコンマ ----との---:42/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ ----との---:41/-- 《-- リーチ --》
反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
578 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:35:54.84 ID:X5cIeAbBo
ゆ
579 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:37:06.96 ID:4850HzDiO
あ
580 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:37:09.00 ID:JB4vPY4Z0
はい
581 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:38:44.34 ID:aCHsd/lfO
あ
582 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:39:24.93 ID:HwZK2fx6O
ゆーちゃん…
583 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/06(水) 00:52:54.74 ID:xkgi68FL0
名取「………」
名取(分からない……この感覚は、一体何なの……?)
彼女はずっと考えに考えていた。この胸がざわめく違和感の正体。そして……
名取(あの時のフラッシュバックには、確かに提督がいた……だから、きっと……提督が関係するはず……)
彼の存在。この両者はきっと……否、必ず何らかの関係があるはず。彼女はそう確信していた。
しかし、だからと言って謎が解明する訳では無い。結局のところ、1人で答えに辿り着くのは不可能なのだ。
名取「………」
名取(提督に聞けば……何か分かるかもしれないけど……)
そう。彼に尋ねれば、この違和感の謎を解き明かすことが出来るかもしれない。しかし、彼女は躊躇していた。
ただでさえ普段から険しい表情をしている彼に、更なる負担を与えてしまうことになるかもしれないと。
そう考えると、どうしても彼に問いただすことが出来ずにいた。
名取(だけど……このまま、モヤモヤし続けるのは……)
もしかすると、何か重大なこともかもしれない。あるいは、ただの勘違いかもしれない。
どちらにしても、この違和感の正体を知ることは……自分にとって、何か意味があるものだと感じていた。
名取「……っ」ギュッ
名取(私、は……)
《-- 特殊多数決 --》
《-- 1 --》――全てを解き明かし、謎の向こう側へ 《-- END開放・回想パート突入 --》
《-- 2 --》――もう少しだけ、自力で考えてみる 《-- 好感度上昇コンマ判定へ --》
↓1〜↓5
584 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:54:16.56 ID:xDNQL+gyO
1
585 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:54:55.89 ID:xYjYxdeeo
2
586 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:55:16.11 ID:TsSMmE7wo
2
587 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:55:46.38 ID:R7zZUK18O
1
588 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 00:55:49.24 ID:BGMjYWx6O
最後の周だし多少はね
2
589 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/06(水) 01:06:49.59 ID:xkgi68FL0
名取「………」
名取(……やっぱり、もう少しだけ……自分で、考えた方が……)
違和感は確かに気になる。しかし、それ以上に……彼を困らせることは、出来るだけ避けたかった。
自力で正体を明かせるのであれば、それに越したことは無いからだ。
名取「………」
だが、同時に……自分1人で、本当に解明出来るのかという不安もあった。
あれから毎日、ずっと考え続けていても……一向に答えが出なかったのだ。
そのような状態で、このまま思考を巡らせたとして……答えに辿り着けるとは、到底思えない。
名取「……提督」
彼の名を呟く。すると、心と頭を蝕んでいた靄が……少しだけ、晴れた気がした。
やはりこの違和感には、彼が深く関わっているのかもしれない。
あるいは、彼と共に過ごしてきたことで……いつしか彼に、特別な感情を抱いていたのかもしれない。
名取「………」ギュッ
名取(……提督。私、どうしちゃったんでしょうか……)
彼女は再び考え始める。この違和感は一体何なのか。彼がこの違和感とどう関係するのか。
そして……どうして彼のことを考えると、これほど胸が温かくなるのだろうか……
----との--- コンマ一の位×1.0 上昇
直下
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:08:11.17 ID:/80uXlvuO
えい
591 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/06(水) 01:23:41.39 ID:xkgi68FL0
7×1.0=7 7+42=49/--
――――
《-- 18 --》
名取「………」フラフラ
名取(あれから徹夜で考えたけど……やっぱり分からないまま……)
彼女はその後、寝る間も惜しんで違和感の正体を突き止めようとしたが……結局、心の靄が増すだけだった。
目の下にクマを作り、今にも倒れそうなほどだ。実際、姉妹達からも心配されている。
北上「………」
妙高「………」
北上「……ねぇ、妙高さん。名取、一体どうしちゃったの?」
妙高「それが……心配して声をかけても、上の空みたいで……」
そして、このような状況に陥っている者は名取だけでは無い。
彼女と同様、違和感の正体に考えを巡らせるも……一向に答えが見えない少女がいた。
グレカーレ「………」フラフラ
グレカーレ(絶対、何か大切なことのはず……理由は分かんないけど、何故かそう感じるから……)
グレカーレもまた、睡眠時間を削ってまで考え込んでいたが……結果は御覧の通りである。
彼女らは違和感がただ事では無いと確信しているが、肝心の内容が不明瞭なのだ。
名取「………」フラフラ
グレカーレ「………」フラフラ
ショタ提督「………」
そして、そんな彼女らを眺めている彼もまた……悩みに悩んでいた。
違和感の正体を知る彼だからこそ、彼女らに真実を伝えるべきかどうかを迷っている。
ショタ提督(このままでは、名取さんとグレカーレちゃんが……だが、本当に伝えて良いのか……?)
彼自身は、出来ることなら全てを打ち明けたいと考えている。
だが、一歩間違えれば、思わず混乱を引き起こしてしまう危険性もある。
ショタ提督「……っ」
故に彼は、最後の一歩を踏み出せずにいたのだ。
↓1朝風のコンマ ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ ----との---:16/--
↓3名取のコンマ ----との---:49/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ ----との---:41/-- 《-- リーチ --》
反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合はEND開放が確定します
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:25:30.47 ID:sF3AWA7OO
あ
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:25:43.78 ID:xYjYxdeeo
そい
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:26:13.04 ID:mg8ZEXmJO
あ
595 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:26:27.53 ID:7E/JCeerO
むん
596 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/06(水) 01:27:32.98 ID:xkgi68FL0
今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。
597 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:31:28.82 ID:JB4vPY4Z0
乙でした
下二人のタイマンかと思いきやわからなくなってきたな…
598 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:35:22.43 ID:0RxFf0pHO
乙
正直こっからゆーちゃん追いつくの無理ゲーだと思う
NTRとか次出番来たらゴール確定だし
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/06(水) 01:43:07.75 ID:xYjYxdeeo
おつおつ
このまま朝風とゆーちゃんに頑張ってもらって最後ぐらいハーレムエンドも見てみたいがねえ
なお下手すると3人失恋して地獄絵図になる模様
600 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/09(土) 18:30:51.42 ID:V4WYAKUN0
22:30〜23:30頃開始予定です。
601 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/09(土) 23:28:19.43 ID:V4WYAKUN0
始めます。
602 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/09(土) 23:30:59.04 ID:V4WYAKUN0
ショタ提督「………」
U-511「………」
U-511(admiral、最近……いつも以上に暗い顔、してる……)
普段から少し儚げな表情でいることが多い彼だが、彼女が考えている通り、ここしばらくは明らかに様子がおかしい。
流石に、彼女も彼が何かに対して思い悩んでいることは見抜いている。問題はそこでは無い。
U-511「………」
U-511(でも、私が聞いても……話して、くれないよね……)
そう。いくら彼女が彼を労わり、悩みの相談に乗ろうとしても……彼がそれを打ち明けることは無い。
正確に言えば、"現時点での"彼女には打ち明けることが出来ない。
ショタ提督「………」
無論、彼とて彼女が自身を気にかけてくれていることは"把握"している。
だが、それでも……彼は彼女に、思い詰める理由を伝える訳にはいかないと考えているのだ。
ショタ提督(……全てを終えるまで、私情を挟んではならない)
彼は決して、真実を永遠に隠そうと思っている訳では無い。そのタイミングが、今では無いだけだ。
しかし、彼女にとっては……自分達に話せないほどの、深刻な悩みを抱えているのではないかと感じてしまう。
それさえ"把握"している彼は……彼女らが心配すればするほど、彼女達に真実を隠していることに対する罪悪感に苛まれることとなる。
ショタ提督「……っ」グッ
ショタ提督(これは、皆の為……僕1人の我儘で、皆を混乱させてはならないんだ……!)
ショタ提督(例え、今まさに……ユーちゃんが、僕のことを心配してくれていたとしても……!)
U-511「……っ」ギュッ
U-511(もう、見ていられない……何とか、admiralの助けになりたい……でも、どうすれば……)
反転コンマ判定:U-511の行動は?
01〜49:やはり言葉で伝えるしかない
----との---上昇率:小 ×1.0
50〜98:手を握りながら言葉で伝える
----との---上昇率:中 ×1.5
ゾロ目(00以外):抱き締める
00:――――
どちらも----との---上昇率:大 ×2.0
直下
603 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/09(土) 23:32:39.61 ID:B9UWlHRNO
あ
604 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/09(土) 23:32:58.89 ID:1uPkr+410
あ
605 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/09(土) 23:52:06.06 ID:V4WYAKUN0
《-- 16 --》――例え話してくれなくとも……
U-511「………」
U-511(……せめて、ちゃんと……伝えるしか無い、よね……)
恐らく何を言い、何をしようと、彼が自分に悩みを話すことは無いであろうことは彼女も分かっている。
だからこそ、今は無理に彼の悩みを聞き出そうとするのでは無く……彼に少しでも安心してもらうことを優先したのだ。
ショタ提督「……っ」
そして、彼女の思いやりと優しさは……全て彼に"届く"。
彼女が言葉にする前から、彼は彼女の気持ちを……"受け止めている"。
だからこそ、彼は板挟みに苦しむ……彼女達が自身を労わってくれている優しさと、彼女達に真実を隠している後ろめたさに。
U-511「……admiral」
ショタ提督「……ユー、ちゃん」
U-511「大丈夫……?ずっと、辛そうな顔……してるけど……」
ショタ提督「………」
U-511「あの、えっと……悩みや不安があるなら、いつでも……相談して……?」
U-511「力になれるかは、分からないけど……話を聞くことなら、出来るから……」
ショタ提督「……っ」ギュッ
ショタ提督(……優しい。ユーちゃんは、変わっていない……"あの時"から、ずっと……)
U-511「……admiral?」
ショタ提督「……ありがとう。そう言ってもらえるだけでも……気持ちが軽くなったよ」
U-511「………」
U-511(やっぱり、話してくれななかった……でも、それでも良い。私が味方だということだけでも、分かってもらえたら……!)
ショタ提督「………」
ショタ提督(……ユーちゃん達は、最初からずっと……僕にとっての、大切な人なんだ……)
----との--- コンマ一の位×1.0 上昇
直下
606 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/09(土) 23:53:09.52 ID:Siqel8dr0
あ
607 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/09(土) 23:55:36.37 ID:fxkC6IsXO
おうコンマ神ゆーちゃんの時だけサボりすぎとちゃうかあぁん?
608 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/10(日) 00:12:09.98 ID:eTVAbK3o0
2×1.0=2 2+16=18/--
ショタ提督「………」
ショタ提督(ごめんなさい……)
"今の"彼は心が決して壊れることは無い。否、既に"精神崩壊"という概念自体が存在しない。
だが、心は確かに存在する。故に彼は己の行動や彼女の心遣いで心が締め付けられ、胸を痛め続ける。
U-511「………」
U-511(admiral……)
彼女は覗き込むように彼の顔を眺める。彼は目を逸らすことはしないが、彼女を真っ直ぐ見ることは出来なかった。
ショタ提督「……っ」
ショタ提督(だけど、全てが終わるまで……話す訳には、いかないんだ……)
名取やグレカーレのような状態であれば、むしろ真実を話さないことによるリスクが発生する。
だが、目の前の彼女では……話さないリスクより、話すリスクの方が高いのだ。
だからこそ彼は、彼女に全てを打ち明けることはしない。これも全て、目的遂行の為……そして、彼女らの為だ。
ショタ提督「………」
ショタ提督(いずれ、話すから……それまでは、待っていて欲しい……僕が、全てを終えるまで……!)
U-511「………」
U-511(あっ……admiralの顔、少しだけ……勇ましくなった、ような……)
《-- U-511と交流を深め、互いの----が-----したことにより……提督の------が少し強まった --》
609 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/10(日) 00:28:23.06 ID:eTVAbK3o0
《-- 19 --》
――波止場
ザザー… ザザー…
ショタ提督「………」
多くの者が眠っているであろう早朝、彼はただ1人、静かに波止場で佇んでいた。
しかし、その表情は……いつものような深刻では無く、どこか優しげで、遠くを見つめている。
まるで何かを懐かしみ、思い出すかのように……
ショタ提督「………」
ショタ提督("ここ"には、数多くの思い出がある……それはもちろん、僕の記憶だけに留まらない……)
ショタ提督("想い"というものは、何も生物だけが持つものでは無い。誰かの手により生み出された無機物はもちろん……)
ショタ提督(……最初から存在していたものにも、想いは宿っていくのだから)
そう心の中で呟いた彼の目は、言葉では言い表せないものであった。
喜怒哀楽だけでは説明の付かない……複雑な思いが込められていて、どこか神秘的な眼差し。
まるで見る者全員を惹きつけるような、不思議な魅力がある。
ショタ提督「………」ギュッ
ショタ提督(……守らなければ。この地は……皆は……必ず、僕が守る。守ってみせる……!)
↓1朝風のコンマ ----との---:32/--
↓2U-511のコンマ ----との---:18/--
↓3名取のコンマ ----との---:49/-- 《-- リーチ --》
↓4グレカーレのコンマ ----との---:41/-- 《-- リーチ --》
反転コンマが最大の艦娘が提督と交流します
ただし名取が最大値の場合はEND開放が確定します
610 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:29:11.10 ID:pT7SFHaEo
ぽい
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:29:31.10 ID:aXfXaJd1O
あ
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:29:42.88 ID:wByj95790
ドキドキする…
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:29:48.44 ID:Cfmq1oWDO
はい
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:29:53.99 ID:enmE2CnW0
あ
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:30:05.99 ID:bW545An60
あ
616 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:31:07.58 ID:bW545An60
名取が寝取った・・・だと・・・
617 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:35:15.85 ID:pT7SFHaEo
ここからグレカーレ失恋の名取一人勝ちまで見えてきたな
618 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 00:39:57.65 ID:5Q6znqqsO
>>610
>>611
の最低値と
>>614
>>615
の最高値の対比すこ
619 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/10(日) 00:41:43.36 ID:eTVAbK3o0
名取「や、やった……やったぁ……っ!最後の最後で、寝取りの汚名返上出来ました……!」ウルウル
グレカーレ「くっ……!ま、まだチャンスは残ってるもん!」
朝風(う、う〜ん……私もゴールしたいけど、中途半端に出番が回って失恋しちゃうのは嫌だし……)
U-511「………」
U-511(……私だけ、置いてけぼり……ドイツの呪いって、ビスマルク姉さんで終わったんじゃないの……?)グスッ
今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
長らく寝取りと弄られ続けてきた名取が最終回でEND確定……こちらとしても感慨深いです。
次回からはしばらく回想パートが続きます。恐らく歴代で1番長い回想になるかと思います。プロットの時点で文字がギッチギチなので……
それではまた次回の更新でお会いしましょう。
620 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 01:50:29.17 ID:eX/toNKFO
乙
失恋でもエピローグで割と重要ポジに配置される事が多いから朝風も頑張って40台まで上がって欲しいな
621 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 10:19:41.42 ID:uA9pzKPUO
幸か不幸か前回エンディング直行だったら
今回の時点でグレちゃん失恋確定だったし
まだチャンスが残ったのは結果オーライやね
622 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 18:49:28.74 ID:jg6LtEh5O
結果オーライどころか名取がEND開放したからこそグレが失恋する危険性が出てきてんだよなあ
623 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/10(日) 21:36:58.14 ID:LiA1jmW8O
前回名取END開放で今回名取ゴールインだとグレカーレ失恋だったから
前回名取END開放キャンセルした事により今回名取END開放になってもう一回名取が選ばれるまでの猶予が生まれたって意味じゃないの?
624 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 17:55:28.54 ID:3sQ+vWdv0
22:30〜23:30頃開始予定です。
625 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 22:51:46.41 ID:3sQ+vWdv0
始めます。
626 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 22:52:55.52 ID:3sQ+vWdv0
名取「………」
名取(……ダメ。どれだけ考えても、どうしても……分からない。後少しで、この違和感の正体を掴めそうな気がするのに……!)
姉妹達の心配を他所に、彼女は思考を巡らせ続けていた。
しかし、その答えは一向に見えてこない。どうしても真実に辿り着けないのだ。
名取「………」
名取(やっぱり、提督に尋ねるしか……無い、のかな……)
頼みの綱は彼しかいない。自力で答えを導き出せないのなら、後はもう……彼を頼るしか、術は無い。
しかし、彼は目に見えて思い悩んでいる。もしかすると、より一層彼を追い詰めてしまうかもしれない。
そう思っていた彼女は、どうしても一歩を踏み出せずにいた……これまでは。
名取「……っ」グッ…
名取(ごめんなさい、提督……こんな時に、訳の分からない相談を持ち掛ける私を、許して……)
名取(だけど、もう……無理なんです。心の中に靄がかかった状態で、見えない答えを探し続けるのは……無理、なんです……!)
彼女は……決心した。彼に、己が抱く違和感の謎を相談することを。
そして、あの時のフラッシュバック……その謎を、打ち明けることを。
名取「………」ガチャ…
名取(見覚えの無いはずなのに、提督は確かにそこにいた……だから、きっと……提督なら、何か知ってるはず……!)バタン…
名取「………」スタスタ…
彼女は静かに歩く。行き先はもちろん、彼がいる執務室。
途中、数人の艦娘達とすれ違い、彼女らから声をかけられるが……彼女は全て無視した。
決して意図的では無いのだが、今の彼女は……心の靄を取り除くことしか、頭に無かったのだ。
名取「………」スタスタ…
名取(提督……貴方なら、私の違和感を……取り払ってくれますよね……?)
627 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:02:46.12 ID:3sQ+vWdv0
ショタ提督「………」
ショタ提督(名取さん……)
同時刻。執務室にいた彼は、彼女の決心を……既に"把握"していた。
彼女が違和感と謎の正体を、自身に問いかけようとしていることを。
ショタ提督「………」
ショタ提督(……これ以上、隠す訳にはいかないかもしれない)
彼女がもし、建造直後のように何も知らない状態であれば……彼はやはり、真実を話すことはしないだろう。
だが、今の彼女は……彼と深く交流したことで、真実のすぐ傍まで近づいているのだ。
そのような状況では、むしろ隠し通そうとした方が……彼女に不信感を抱かせてしまうこととなる。
ショタ提督「……っ」グッ
ショタ提督(……覚悟を決めろ、僕。ここから先は……"提督"としてでは無い。"50周目提督"として……)
そもそも、どうして彼は彼女らの心情を全て"把握"することか出来るのだろうか。
どうして視界にさえ入っていないはずの彼女らを、彼は"気がつく"ことが出来るのだろうか。
それは偶然でも勘でも、何でも無い。それにはれっきとした理由がある。
コンコンコン…
ショタ提督「……どうぞ」
ガチャ…
名取「……失礼します」
ショタ提督「……名取さん」
名取「今……良い、ですか……?」
ショタ提督「………」コクリ
ショタ提督(向こうも覚悟を決めた顔をしている、か……)
628 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:14:32.39 ID:3sQ+vWdv0
名取「……この前、一瞬だけ……目の前を、ある光景がよぎったんです」
ショタ提督「………」
名取「今まで、1度も行ったことが無いはずの場所で……私と提督が、一緒にいて……」
ショタ提督「………」
名取「それだけじゃ、無いんです……頭の中に、靄がかかっていて……その光景を思い出そうとすると、何も浮かばなくなっちゃって……」
ショタ提督「………」
名取「ずっと考えても……分からないんです。あの光景は、この靄は……何なのかが……!」
ショタ提督「………」
名取「……提督。今から凄く、変な質問をしますけど……真剣に答えて下さい」
ショタ提督「………」コクリ
629 :
◆0I2Ir6M9cc
[!美鳥_res]:2019/11/13(水) 23:15:26.03 ID:3sQ+vWdv0
名取「……私と提督は、ここでは無いどこかで……出会ったことが、ありませんか……?」
名取「そして……何か、大切なことがありませんでしたか……?」
630 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:16:41.83 ID:3sQ+vWdv0
ショタ提督「………」
名取「……あ、あれ?」
ショタ提督(……そこまで、"思い出そうと"してくれていたのか。やはりこれは、奇跡に違いない……!)
名取(大切な、こと……?私、何を言って……)
ショタ提督「……名取さん。いや……"ナトリ"」
名取「"ナトリ"……うぅっ!?」ピキ…ッ!
名取(い、今……頭と心の中に、何か……凄い衝撃が……っ!?)
ショタ提督「……今の名前、覚えているはずだよ。僕は何度も、その名前を呼んだから」
名取「うっ……うぅっ……!」
ショタ提督「………」
名取(あ、あぁっ……そう、だよ……!私は、前に……凄く、凄く……気が遠くなるほど、前に……提督と、出会って――――――)
631 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:25:44.81 ID:3sQ+vWdv0
――彼の口から告げられた"ナトリ"と言う名。それは正しく……彼女の"本当の"名である。
――だが、彼女は長良型軽巡洋艦・名取。それ以外の名前など、存在しないはずではないだろうか?
――その答えは、彼と彼女の"記憶"……彼という"存在"と、彼らの邂逅に隠されている。
――彼は"己の記憶を思い出し"、彼女は"己に刻まれていたにも関わらず、失われていた想いを取り戻す"……
――特に、彼女が想いを取り戻すことが出来たのは……今の彼と親密になり、"共鳴"したからだ。
――彼は、自身が持つ最古の記憶……常人であれば、発狂してしまうほどに昔の出来事を思い浮かべる。
632 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:28:40.74 ID:3sQ+vWdv0
――――――――それは、天地創造される前……この世界全てが、文字通り"無"であった頃まで遡る。
633 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:43:55.31 ID:3sQ+vWdv0
見渡す限り何も無く、暗黒に包まれた世界。否、暗黒や世界という概念さえ存在しない空間。
突き詰めて言えば、空間という定義さえ当てはまらないと言えるかもしれない。
そんな時間と空間が生み出される前の世界に……"その存在"は突然、その場に現れた。
「………」
その存在は、我々人間の言葉では説明することが出来ない。
姿形はもちろん、どのような存在であるかも定義出来ないだろう。
ただ、あえて我々が知る言葉で例えるならば――
(……新たな世界を作らなければ)
――"神"。
その存在は万物を司り、この無が支配する場に新たな世界を創造する為に姿を現した。
姿を現すと言うが、実際には我々に視認することが出来るかさえ怪しいだろう。
分かることはただ1つ。彼とも彼女とも言えないその存在は、この世界に意味をもたらす為に現れたことだけだ。
「………」
その存在は集中する。これから無の世界に、あらゆる万物を与えるのだ。
仮に、このまま事が進めば……この世界は、我々が住む現実世界とほぼ同じ世界となっていたことだろう。
だが、そうはさせまいと、その存在の行動を邪魔する者が現れる。
「――――ッ!」
「……?」
(何だ?どこからか、声が……おかしい。ここには誰も存在しないはず……)
否、既に"存在していた"と言った方が正しいだろう。
神でさえ"彼"の存在は予想外で、ある種"全ての元凶"とも言える人物がそこにいた。
634 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/13(水) 23:45:50.54 ID:3sQ+vWdv0
42周目提督「うがあああああああああああああああああああッ!!いつになたらビッグバンが起こるんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!?」
「っ!?」
(ど、どうして生物がここに……!?)
635 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/14(木) 00:00:36.18 ID:HlOCdbnV0
そう。場をかき乱すことに関しては右に出る者はいない……42周目提督である。
覚えているだろうか?彼は1度、自力でタイムマシンを開発し、起動したと同時に"遥か遠くの過去へ飛ばされた"ことを。
42周目提督「株や競馬でボロ儲けしようとしてただけなのに!何でこうなっちまうんだよおおおおおおおおおおおッ!!」
42周目提督「気がついたら真っ暗闇って時点でアレなのにさぁ!何十年何百年何万年何億年何兆年!いやそれ以上待っても一向にビッグバンが起こらないってどう考えてもおかしいだろうが!?」
42周目提督「流石の俺でも我慢の限界なんだよッ!!とっとと爆発して宇宙作りやがれやゴルァアアアアアアアアアアアッ!」
彼はあろうことか、この世が創造される前に遡ってしまい……以後、気が遠くなるほどの時を待ち続けたのだ。
いつかはビッグバンが発生し、そのまま時の流れに身をゆだねていれば元の時代へ追い付くはず……彼はそう考えていた。
ところがどれだけ待っていてもビッグバンはおろか、爆発の予兆さえ感じられない。そのことにイライラを感じていた彼は、ついに我慢の限界を迎えた。
(そ、そんな!?ここは生物が生存出来るような環境では無い!それ以前に物質さえ存在不可能であるはず……)
このような異常事態は、流石に神とも呼べるその存在も想定外であったのだ。
目の前で怒り狂う42周目提督の姿に、その存在は驚愕して呆然としていた。
そして42周目提督は、怒りのままにとんでも無いことをしでかしてしまう。
42周目提督「畜生!こうなったら俺が直々にビッグバンを起こしてやるッ!!」シュバババババッ!
(どこからともなくミサイルや爆発物を取り出した!?そんな物をどこに、どうやって隠し持って……いやそれより先に彼を止めなければ!)
焦ったその存在は咄嗟に彼の精神に干渉し、怒りを鎮めようとする。しかしその行動がまずかった。
「ッ!?」
(な、何だこれは!?思考が支離滅裂で何を考えているか分からない!?)
42周目提督「むっ!?俺様の心に語り掛けてくる奴は誰だ!?」
(しまった!気がつかれてしまった!?)
42周目提督「誰かは知らねえけどなぁ!邪魔するっつーなら容赦しねーぞ!うおりゃあああああああああああああああっ!」ブンッ!
バシィッ!!
「はぐっ!?」
42周目提督は何と、いつの間にか手に持っていたハリセンで、その存在を力任せに叩いてしまう。
するとその存在は、想定外の"力の相互反発"を受けてしまったことで暴走し……
「うぅっ……ぁ、ぁぁぁぁああああああああああああッ!!」カッ
42周目提督「へ?」
636 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/14(木) 00:17:05.99 ID:HlOCdbnV0
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||il||li .|i ii||il lil|| ||lili ||ii l|il| |llii||| li|iii|lli || ..iil|||lll.|ll llll||illli iiil|iii|||l|i |l|l!liil||lll.|l||
.. ||!|i||ill ..| ||lll|||ii|||lliiiill|lliiilll|||lll||!!lilllii!!!||ll||ill|ll lll|||lll||!!lillliil.l| |lll||!!lillliill| !!||lll|||lll||!!lilllli||||!lll||
|||ll|||ill|i||ll||lll!!llll||illll||||||lll||||llll|iill|||||llll|l|l|lll!!llll||illll||||||lll||||lll||!!lillliilillliill||!!!||ll||!!llll||illl||
.. .||l||lll|||i||lll||!!!!llll!!|||ll!!!!!|ll!!ll||||!!ll||!!!ll||!!|||lll||!!!!llll!!|||ll!!!!!|ll!!ll||||i||lll||!|ll!!ll||||!!ll||!!!l||!||
42周目提督「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああッ!?」ヒュウウウウゥゥゥゥ…ッ!
その存在は2つに分かれて破裂してしまい、その余波でビッグバンが発生してしまう。
更にこの出来事がきっかけで宇宙が誕生し、何も無い世界にあらゆる物を与える結果となった。
この世のものとは思えないほどの大爆発をまともに受けた42周目提督は、遠い宇宙のどこかへ凄まじい速度で吹っ飛んでしまう。
尤も、彼はその後何とか地球に辿り着くことになるのだが、それは今語るべきことでは無い。
それ以上に問題なのは、2つに分かれてしまい破裂してしまった存在である。
"自身の力を持ち、尚且つ暴走した力を直撃させられた"その存在は、2つに破裂する際に己の力を各地へばら撒いてしまった。
厄介なのは、ただばら撒いてしまっただけでは無い。空間と同時に、時間さえ超越してばら撒いてしまったのだ。
己の力を失ったその存在2つは、自身の存在が不明瞭なものとなってしまい、そのまま意識さえ取り戻せなくなってしまう。
そのまま気が遠くなるほどの時間が経過し、その存在が再び目を覚ますまで……永い永い眠りにつくこととなる。
637 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/14(木) 00:37:17.86 ID:HlOCdbnV0
実に100億年以上もの間、その存在は力を失ってしまった影響で眠り続けていた。
だが、失ってしまった分の力は……新たに生まれた生命から分け与えられ、徐々に不明瞭だった存在が元の状態に戻ってゆく。
そして人類が誕生。そこからある程度の進化を重ね、彼らの外見が現代の人間とそれほど変わらなくなってきた頃のことである。
「……ぅ」
名取?「あっ……!」
グレカーレ?「よ、良かった……生きてるみたい……!」
朝風?「見たところ、怪我は無いみたいだけど……」
U-511?「……っ」オロオロ
(ここ、は……それに、"僕"は一体……)
ついに"彼"は、およそ100億年振りに意識を取り戻したのだ。
しかし、2つに分裂してしまった上に、己の力をばら撒いてしまった為……彼の自身の存在や役目に対する認識が消失してしまっていた。
それでも、生命が宿すエネルギーを受け取り続けた結果……彼は何とか、その姿を具現化させることが出来るほどに回復した。
「……えっと、貴女達は……?」
名取?「だ、大丈夫……?」
グレカーレ?「どこか痛いところは無い!?」
彼の目の前には、4人の少女が顔を覗かせていた。それぞれが名取、グレカーレ、朝風、U-511と非常によく似ている。
尤も、彼女らと違い……目の前の4人は全員が黒髪であり、艦娘では無く原始人なのだが。
「……う、うん」
朝風?「ふぅ……一先ずは安心ね」
U-511?「……どうして、ここに倒れていたの?」
「倒れて……?」キョロキョロ
(……浜辺?僕は、どうして……ここに……?)
彼は姿が具現化しているものの、まだ全快には程遠い。故に自身が置かれている状況を正確に把握することが出来なかった。
彼は少年の姿に具現化しており、服装も提督が着用する白い服だ。これは意識を失う直前、42周目提督の精神に干渉したことが原因である。
記憶が消失してしまっている彼だが、姿を具現化する際、無意識の内に42周目提督と類似する姿を反映したのだ。
638 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/14(木) 00:39:46.21 ID:HlOCdbnV0
今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
回想パートはまだまだ続きます。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。
639 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/14(木) 00:42:25.50 ID:P3GymcfPO
乙
640 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/14(木) 06:12:22.28 ID:i+3/AONdO
乙
提督が普通の人間じゃないのは予想してたが神だったとは
42週目提督が絡んでくるのは予想外だった
641 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 17:32:27.97 ID:A0yYdP+m0
21:30〜23:00頃開始予定です。
642 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 22:04:01.57 ID:A0yYdP+m0
始めます。
643 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 22:06:17.54 ID:A0yYdP+m0
名取?「……もしかして、自分のことが分からないの?」
「自分の、こと……」
グレカーレ?「うん。お名前とか、どこから来たのか、とか……」
「……分からない」
朝風?「……!」
「分からない……何も……」
U-511?「もしかして……倒れてた時に、覚えてたことを忘れちゃったの……?」
「………」
名取?達「………」ジー…
名取を始めとする艦娘と似た容貌の彼女達は、彼のことを心配していた。それと同時に……不思議な感覚を抱いていた。
彼を見ていると……胸の奥が温かくなっていく。初対面であるはずなのに、長年共に過ごしたかのような安心感が芽生えるのだ。
名取?「……あの」
「……?」
故に彼女らには、彼のことを見捨てるという選択肢等無かったのだ。
右も左も分からないであろう彼を、何とかして助けたい。そう考えた彼女らは……
名取?「……私達の住処に、来る?」
「……すみか?」
グレカーレ?「あっ、それ良いかも!」
朝風?「私も同じこと考えてたわ!」
U-511?「……賛成」
彼を保護し、自分達が住む居住地へ連れて行くことにしたのだ。
彼の記憶が蘇るまでを共に過ごす。危険があれば、自分達が彼を守る。
名取似の少女がそう言うと、残りの3人も即座に同意した。文字通り、"以心伝心"である。
644 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 22:24:30.60 ID:A0yYdP+m0
グレカーレ?「君も、それで良い?」
「………」
朝風?「……えっと、聞いてる?」
「……あっ、僕のこと……?」
U-511?「……名前が分からないの、ちょっと困るかも」
グレカーレ?「うん。近くにいる時はまだしも、遠くから声をかける時に何て言えば……」
「………」
彼自身は記憶を失っているが、元より彼に名は存在しない。
以前は神、現在は2つに分裂し、その存在が弱まっている状態である彼に……名付け親がいるはずが無い。
名取?「……"50周目提督"」
「……"50周目提督"?」
だが、そんな名無しの彼に……名取似の少女は、自らが考えた名を与えようとする。
グレカーレ?「何それ?」
名取?「えっと、この子の名前……」
朝風?「貴女が考えたの?」
名取?「………」コクリ
「僕の、名前……」
U-511?「……良いと思う」
グレカーレ?「うんうん!呼びやすいし、この子の感じに合ってる!」
名取?「……ダメ、かな?」
「………」
(僕の名前を、考えてくれたんだ……ん、何だか、体が少し軽くなったかも……)ギュッ
彼女らの、自身を思いやる"気持ち"が……そして、初めて与えられた"名"が……彼の身に染み渡ってゆく。
同時に、先程まで不安定だった彼の存在が……僅かに安定する。彼は無意識ながら、それを"体感"した。
「……50周目提督。僕は、50周目提督……50周目提督……」
その名を噛み締めるかのように、何度も復唱する。その度に、身体が温かくなり……奥から力が湧いてくる。
ショタ提督「……うん。僕の名前は、50周目提督……ありがとう。えっと……」
名取?「え?あっ……ごめんね?私達、まだ……名前、言ってなかったよね……?」
645 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 22:25:27.20 ID:A0yYdP+m0
ナトリ「私は"ナトリ"。よろしくね……?」
グレ「私は"グレ"よ!」
アサカゼ「私は"アサカゼ"。よろしく、50周目提督!」ニコッ
ユー「……"ユー"、です」
――これが、彼と彼女らの……正真正銘、初めての出会いだった。
――そして同時に、彼がこの先名乗ることになる"名"が与えられた瞬間だったのだ。
646 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 22:42:12.37 ID:A0yYdP+m0
彼は記憶が朦朧とする中、しばらく彼女達と生活を共に過ごすこととなった。
当然、何も分からない彼が出来ることは少なく、彼女らに世話をしてもらう日々を送っていた。
ショタ提督「……これ、は?」
ナトリ「えっと、木の実って言うんだけど……美味しいよ……?」
グレ「私達が集めてきたの!」
ショタ提督「………」ジー
アサカゼ「そんなに怖がらなくても大丈夫よ」
ユー「いつも、私達が食べてるから……」
ショタ提督「………」スッ…
ショタ提督(あっ……)
彼が、彼女らが集めて来てくれた木の実に触れる。するとその瞬間、彼女らと出会った時のように……温かい"気持ち"が流れ込んでくる。
木の実に込められた"元気に育とうとする想い"と、彼女達の"提督に美味しい物を食べてもらいたい想い"。
この2つが、彼の胸に、心に……否、"存在そのもの"に染み渡ってゆく。
ショタ提督「……はむっ」
ナトリ「……どう、かな?」
ショタ提督「………」ムグムグ
ショタ提督(口の中に、甘くてみずみずしい感覚が広がっていく……これが、"美味しい"ということ……?)
木の実を口に含み、伝わる気持ちと共に優しい味を舌と肌で味わっていく。
彼は本来、人間と違い飲食の必要は無い。しかし、彼は無意識ながら……確かに感じていたのだ。
ショタ提督「……美味しい」
ナトリ「本当……?良かった……喜んでもらえて……」ニコッ
ショタ提督「………」ギュッ
ショタ提督(また、胸の奥が温かく……?)
木の実から、そして彼女達から……人が抱く"善意"を。優しくて、温かい気持ちを。
647 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 22:51:43.49 ID:A0yYdP+m0
もちろん、食べ物を食べることだけが生活ではない。
時間の許す限り、彼と彼女らが交流し……触れ合うことも生活の1つだ。
ショタ提督「………」スタスタ
ナトリ「わぁ……♪今日も明るくて、見晴らしが良いかも……!」スタスタ
ショタ提督(……感じる。ナトリから、温かさを……)
彼と彼女は住処の周辺を散歩していた。無論、誘ったのは彼女の方だ。
明るい日差し、漣の音を静かに奏でる海、生き生きと生い茂る植物……正しく、生気に満ち溢れた場所だ。
彼はこの場に立っているだけでも、その生気を……活力に満ちた生き物のエネルギーを、受け取っていく。
ナトリ「……あっ」
ショタ提督「……?」
ナトリ「この植物、枯れちゃってる……かわいそうに……」スッ…
ショタ提督「……!」
ショタ提督(今、胸の奥が……締め付けられたような感覚が……)
彼女は、枯れてしまった花を見つけ……悲しい気持ちを抱く。
すると、その想いは彼に流れ込み……いつもと違う"感情"が流れてきたことで、彼は僅かに動揺する。
ナトリ「………」シュン
ショタ提督(何故か分からないけど……嫌だ。ナトリが、こうしているのを見るのは……僕も、同じ感じになってしまう……)
ショタ提督「………」スッ…
ナトリ「……50周目提督?」
ショタ提督(……感じない。生きようとする想いを、活力を……つまり、この植物は……"死んだ"……?)
ショタ提督(……嫌だ。このままでは、ナトリがいつもの顔に戻らない……何とか、しなければ……!)カッ
パァァ…ッ!
ナトリ「あっ……!」
彼は無意識の内に……己の力を、枯れた植物に注いだ。
2つに分裂してしまっている上に、力をばら撒いてしまった為、以前ほどの能力や効果は無い。
だが、それでも……1つの枯れた植物に生気を宿すには、十分の力だった。
ナトリ「枯れた植物が……また、元気になって……!50周目提督、今の……どうやったの……!?」
ショタ提督「……分からない。ナトリの、さっきの顔を見たくないと思ったら……こうなって」
ナトリ「私の、さっきの顔……それって、悲しんでる私を励まそうと……?あっ……!」
ナトリ(あ、あれ……?心の中が、温かくて……フワッとする……)ギュッ
その力に反応したのは、枯れていた植物だけでない。
傍にいた彼女もまた、彼と"共鳴"し……心が温かい気持ちで満たされてゆくのを感じていた。
648 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 23:06:16.49 ID:A0yYdP+m0
そんな日々を過ごしていく内に、彼や彼女らに心境の変化が表れていく。
彼女達から、人の"優しさ"……言い換えれば、"善意"を注がれ続けてきた。
特にナトリとは多くの時を共に過ごし……彼の中でも、彼女の存在は大きくなっていた。
ナトリ「はぁ……はぁ……っ!」
グレ「ナトリ!しっかりして!」
ショタ提督「………」
ある時、ナトリが体調を崩してしまう。それも、誰が見ても症状が重いと分かるほどに苦しんでいた。
アサカゼ「ずっと休んでいても、熱が下がらないなんて……」
ユー「ど、どうしよう……」アセアセ
ナトリ「うぅっ……」
ショタ提督「……ナトリ」
ナトリ「ご、50周目提督……私なら、大丈夫だから……」ニコ…
ショタ提督「……っ」ズキッ
ショタ提督(そんなはず、ない……ナトリからは、苦しんで辛いという気持ちが伝わってくる……これは、ただ事じゃない……!)
彼は無意識の内に、彼女の容態の重さを感じ取っていた。
同時に、このままでは……その命の灯火が消えてしまうことも、分かってしまったのだ。
ショタ提督(……嫌だ。このまま、ナトリが目の前で苦しんで……"死んでしまう"だなんて、そんなの……嫌だ……!)スッ…
ナトリ「……?」
ショタ提督(ナトリは……僕が助ける。このまま、苦しませたりはしない……!)カッ…!
パァァ…ッ!
ナトリ「……!」
ナトリ(あ、れ……?熱さと辛さが抜けていって……体が、軽くなっていく……)
グレ「……あれ!?熱が下がってる!」
アサカゼ「本当……そんな、こんなことって……!」
ショタ提督「………」
ナトリ「……50周目提督、もしかして……貴方が……?」
ショタ提督「……うん。僕、苦しむナトリを助けたかった。それだけじゃない。ナトリが死んで、離れ離れになるのが……嫌だった」
ショタ提督「どうしてかは、よく分からないけど……とにかく、嫌だった。そう思ったら、手が動いて……」
ショタ提督「そして……ナトリが助かったことが分かると、胸の奥が……いつもより、凄く温かくなったんだ……!」
ナトリ「………」ギュッ
ナトリ(50周目提督……私の、為に……)
彼はまた、己の力を無意識の内に行使し……彼女の病を、見事完治させたのだ。
本来であれば、彼女は助かることはなかった。だが、彼の干渉により……彼女の命は救われることとなったのだ。
このようなことが可能となったのは、彼が彼女達から"善意"を注がれたことで……以前より、その存在の安定が強まったからだ。
ショタ提督「……っ」グッ
ショタ提督(僕が触れた生き物は、生気と活力で満ち溢れるようになる……もしかして、僕には……そんな力が……?)
彼はこの時点で、生物に対して己の力が有効であることを理解した。
同時に、彼女達から"感謝"の気持ちを与えられたことで……彼はこの力を使い、他の生物を元気にする為に活用しようと決めた。
649 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 23:24:26.79 ID:A0yYdP+m0
そして、彼と彼女達は更に多くの時を共に過ごし……数年の月日が流れた。
未だ己の存在に対する認識が完全に戻っていない彼にとっては、その時間は自らの想いを募らせるのに十分過ぎた。
そしてそれは、彼だけでなく……彼女にとっても、同じであったのだ。
ザザー… ザザー…
ショタ提督「………」
ナトリ「………」
日が沈み、辺り一面が暗くなってゆく。そんな中、彼と彼女は……2人静かに浜辺に座り、夕焼け空を眺めていた。
そして同時に、彼は己が抱く気持ちについて考えていた。時が経つにつれて膨らんでいく、この想いの正体を。
ショタ提督「………」
ナトリ「……大丈夫?」
ショタ提督「……え?」
ナトリ「ずっと、上の空だったから……」
ショタ提督「………」
ショタ提督(やっぱり、そうだ……ナトリと一緒にいる時や、ナトリの顔を見ている時……いつものような温かさではなく、胸が熱いと感じる……)
ナトリ「………」
ナトリ(……まだ思い出せないことを、不安に思ってるのかな。私には……見ているだけしか、出来ないのかな……)
ナトリ(目の前で、50周目提督が困っているのに……私を、助けてくれたのに……!)
彼女も彼と共に過ごし……彼に特別な感情を抱いていた。そして、彼とは違い……その感情の意味を理解していた。
しかし、彼女から見れば……彼がそれどころではないことは、分かっている。
ナトリ「……私がいるから」
ショタ提督「……!」
ナトリ「不安になったり、怖くなっちゃったりしても……私達が、いつも傍にいるからね?」
ショタ提督(……ナトリ)
彼女は、自分の気持ちを伝えるより先に……彼が記憶を取り戻すことを優先した。
自分が想いを告げることで、彼に負担をかけたくないと考えていたのだ。
ショタ提督「……うんっ」
ショタ提督(……ナトリはいつも、僕のことを考えてくれる。そして、温かい気持ちを注いでくれる……その度に、胸の奥の熱が込み上がって……)
しかし、彼女のその心遣いが……彼が抱く、彼女への気持ちに火をつけることとなる。
我々の感覚で言う、親友と呼べる程に親しくなったグレやアサカゼ、ユーとは違い……彼は、ナトリに対して……
650 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 23:36:26.23 ID:A0yYdP+m0
ショタ提督「……ナトリ」
ナトリ「……何、かな?」
ショタ提督「僕、実は……さっきから、胸の奥が……凄く、熱い」
ナトリ「胸の奥が……?」
ショタ提督「うん。こうして、ナトリと一緒にいる時や……ナトリが僕のことを、考えてくれている時……凄く、凄く……熱くなる」
ナトリ「……!」
ナトリ(そ、それって……!もしかして、この子も……私のことを……?)
ショタ提督「……分からない。この胸の熱は……何……?ナトリのことを考えれば、考えるほどに……熱くなっていって……」ギュッ
ナトリ「……それはね?」スッ…
ショタ提督「……?」
ダキッ…
ショタ提督「あ……」
ナトリ「……こういうこと、だと思う」ギュッ
ショタ提督「……温かい」ギュッ
ナトリ「それは、体?それとも……胸?」
ショタ提督「……両方。ナトリから、温かさを感じて……胸の奥にも、温かさが伝わってくる……」
ナトリ「そっか……私も、同じだよ」
ショタ提督「同じ……?」
ナトリ「貴方のことを考えると、胸がドキドキして……貴方の顔を見ると、嬉しくなって……」
ショタ提督(……同じだ。僕と……)
ナトリ「……一緒に過ごす内に、貴方のことが……好きになっちゃったみたい」ギュッ
ショタ提督「"好き"……?」
ナトリ「うん、好き。大好き……ずっと、一緒にいたい……この温かさを、ず〜っと感じていたい……」
ショタ提督「………」
ショタ提督(……そう、か。やっと分かった……これが、胸の熱の正体……僕は、ナトリのことが……"好き"なんだ。きっと、いや、絶対……そうに、違いない……!)
651 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 23:37:23.99 ID:A0yYdP+m0
ショタ提督「……僕も」
ナトリ「……?」
ショタ提督「僕も、ナトリのことが……好き」
ナトリ「……!」
ショタ提督「ずっとこうしていたい……僕も、ナトリと一緒にいたい……!」
ナトリ「……嬉しい。凄く……すっごく、嬉しいよ……!」ギュッ
ショタ提督「……うん」ギュッ
ナトリ「えへへっ……私達、両想いなんだよね……?」
ショタ提督「両想い……?」
ナトリ「こうして、お互いが相手の傍にいたいと思うこと。それだけじゃない……相手のことを考えると、ドキドキすること……だよ」
ショタ提督「……じゃあ、両想い。僕とナトリは、両想い……」
ナトリ「……うんっ」
ショタ提督「……温かい」
ナトリ「私も……」
ショタ提督「………」ギュッ
ナトリ「………」ギュッ
ショタ提督(あぁ、伝わる……ナトリから、今までにないほどの温かい気持ちを……!体の奥から、力が湧き上がってくる……!)
……恋愛感情を抱いていた。ナトリを1人の女性として、好意を抱いていた。
彼は本来、人間に対して……恋愛感情を抱くことはない。
だが、今の彼は己について認識が曖昧となっている。言わば普通の人間と近い感性を持っている状態だ。
故に、彼は自分のことを大切に考えてくれて、最大限の優しさで包んでくれた彼女を……愛してしまったのだ。
だが、問題は無い。神……今は神とは呼べない存在だが、それに準ずる者と人間が恋し合ってはいけない等、誰が決めただろうか。
彼と彼女は、互いに相思相愛となり……彼女の寿命が尽きるその時まで、共に歩み続けてゆく――
652 :
◆0I2Ir6M9cc
[!red_res saga]:2019/11/21(木) 23:38:43.20 ID:A0yYdP+m0
――そうなるはずだった。しかし、運命の歯車は……既に狂い始めていたのだ。
――その狂いが……"彼女"が、彼と彼女に……容赦無く牙をむくこととなる。
653 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/21(木) 23:40:34.78 ID:A0yYdP+m0
今回はここまでです。お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた次回の更新でお会いしましょう。
654 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/22(金) 00:13:42.96 ID:C6MN51IdO
おつ
655 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/11/22(金) 14:03:33.31 ID:txQ+KR+y0
早い話が全部42週目提督が悪いってことか
656 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 17:45:16.78 ID:HEE8sNIQ0
22:00〜23:00頃開始予定です。
657 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 22:08:53.17 ID:HEE8sNIQ0
始めます。
658 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 22:13:39.94 ID:HEE8sNIQ0
話は数年前……彼が浜辺で目覚め、彼女らに保護されたところまで遡る。
既に述べたが、"その存在"は42周目提督により2つに分裂させられてしまっている。
彼が目覚めたということは……もう片方の存在も、意識を取り戻すことは予想出来たことだろう。
しかし、もう1人の"彼"……否、"彼女"は……運命の歯車の狂いによるしわ寄せを、とてつもなく受けてしまったのだ。
「……ん」
(ここは……どこ?それに、私は……一体……)
彼女は、彼との分裂の果てに具現化された存在。故に、彼とは"同一の存在"と言える。
しかし彼女は、彼とは対照的に……少女の姿をしていた。理由はもちろん、42周目提督への精神干渉による影響だ。
彼は42周目提督自身の姿を参考としていたが、彼女は42周目提督の記憶にある……潮と羽黒の姿を、無意識の内に再現した。
よって、彼女は潮と羽黒を足して2で割ったような外見をしていた。それが後々、彼女に不幸をもたらすこととなる。
だが、彼女には既に危機が迫っていた。目が覚めた場所は森。猛獣等が数多く生息している地だ。そんなところに丸腰でいれば……その後の末路は想像に難くない。
「グルル……」
「……え?」
(な、何……この、大きい生き物は……?)
「……グワアアアアアアアアアアッ!」
「こ、こっちに来た!?いやっ、来ないで!?ひゃああああああああああああっ!?」
猛獣にとって、人間は良い餌だ。そして武器を持たない人間が、突然襲い掛かってきた猛獣に勝つことなど出来るだろうか?
答えは否。彼女は無残に猛獣に襲われ……その身を噛み千切られ、貪り食われることとなる。
「グルルルルッ!グワアアアアッ!」
「嫌ああああっ!?痛い!?やめっ、やめてええええええええええっ!?」
だが、彼女は人間ではない。どれだけ痛めつけられたとしても、その傷は瞬く間に回復する。
更に、血しぶき等が飛び散ることさえ無い。傍から見れば、猛獣が人型の玩具にじゃれ付いていると言えなくもないだろう。
しかし、今の彼女の認識は人間のそれと変わらない。故に、彼女にとっては噛み殺される痛みが延々と続くこととなる。
それでも、やはり元が神である為、通常の人間とは違い精神崩壊を引き起こすことはない。
だが、その肉体及び精神に与えられる苦痛は決して無視出来るものではなく……
「ガアアアアアアアアッ!グルルルルルルルルッ!」
「嫌……嫌ぁ……っ!」
(顔を食べないで……腕を引き千切らないで……!お腹を抉らないでぇ……っ!)
659 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 22:29:22.23 ID:HEE8sNIQ0
グサッ!
「ギャアッ!?」
「うぅ……え?」
グサッ! グサッ! グサッ!
「アガァ……ッ……!」
(な、何が起こったの……?)
彼女が痛みと混乱に取り乱していると、突如猛獣に向かって何かが投げ付けられる。
そして無残に猛獣の体中に刺さっていく。しばらくすると、猛獣が痛みと出血で動きを鈍らせていく。
「グルゥッ……」ピクピク
「……!」
(あれは……私と同じような姿をしてる人達が……もしかして、私を助け……)
彼女は、少し離れた位置にいる者が自分のことを助けてくれたのだと考える。
しかし、その期待は一瞬にして裏切られることとなってしまう。
グサッ!
「はぐっ!?」
グサッ! グサッ! グサッ!
「ど、どうして……うぐっ!?い、嫌っ!やめ……うぁっ!?」
猛獣の息の根を止めた何か……石槍が彼女の身体を貫いていく。
石槍を投げる者……狩りをする原始人達は、まだ猛獣を仕留めたと考えていない。
同時に、猛獣と比べて小さい彼女の体が見えておらず……彼らは容赦無く石槍を投げ続けた。
その結果、彼女の身体のいたるところに石槍が刺さることとなった。
無論、石槍が刺さったと同時に石槍は消滅し、彼女の傷も完治する。だが、それでも彼女にとっては耐え難い苦痛に変わりないのだ。
(こ、ここから逃げなきゃ……でないと、ずっと痛い目に遭わされる……!)ヨロヨロ
彼女は震える手足で、体中を石槍で貫かれながらも、何とかその場から遠ざかることに成功した。
660 :
◆0I2Ir6M9cc
[!red_res saga]:2019/11/29(金) 22:30:13.94 ID:HEE8sNIQ0
――――――だが、彼女の苦しみはまだ終わらない。否、まだ始まったばかりなのだ。
661 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 22:41:06.79 ID:HEE8sNIQ0
「はぁっ、はぁっ……!」
彼女は飲まず食わずで、汗と土で汚れた身体を動かして……眠ることさえせず、走り続けていた。
飲食・睡眠・その他休息等を一切必要としない存在でも、今の彼女は己に対する認識が人間と同等である。
そのような状況で、こんな無茶を続けていれば……彼女の精神は疲労困憊していく。
「ぜぇ……ぜぇ……ここ、は……?」キョロキョロ
無我夢中で走っていた彼女は、気が付けば見知らぬ土地へと辿り着いていた。
少なくとも、獰猛な野生生物と殺意に満ち溢れた人間に襲われた場所ではない。
「………」ヘナヘナ
彼女は一先ず安全を確保出来たと考え、ようやく警戒を解き、その場に座り込む。
本来であれば、体力の概念等存在しない彼女だが……今だけは、ボロボロの身体を休めなければと思っていた。
「………」キョロキョロ
(周りに、何もいない……これなら、大丈夫……よね……?)
辺りは既に暗闇で覆われている。これ以上、無暗に移動したとしても迷ってしまうだけだろう。
彼女はそう結論付け、その場で仰向けとなり、静かに目を閉じる。
(……日が昇ったら、もう少し安全そうな所へ行かないと……)
例え睡眠が不必要な存在だとしても、意識を休ませることは出来る。
だが、彼女の選択は間違っていた。闇夜に紛れていた上に、己の認識が朦朧としていた彼女は見逃してしまったが……
原始人A「あれは……女、か?」
原始人B「……みたいだな」
彼女を舐め回すように見ていた、人の皮を被った野獣が近づいていたことに……
662 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 22:59:37.68 ID:HEE8sNIQ0
しかし彼女は、身体を休めることに意識を集中させていた。故に彼らの接近を察知出来なかったのだ。
彼女はそのまま彼らに拉致され、住処まで運び込まれる。無論、それだけで済むはずがなく……
原始人A「はぁはぁ……」
「んっ……ぁ、え……?」
(何だか、身体が……おかしような……)
原始人B「早くしろよ」
原始人C「次は俺だぞ」
原始人A「分かってるよ!いいから黙ってろ!」
「……っ!?」
(えっ、こ、これって……嫌っ!嫌ぁっ!?)
例え汚れだらけで、ボロボロだったとしても……彼女の容姿は間違いなく美少女に分類される。
そんな彼女が、現代人よりも本能のままに行動する原始人に見つかれば……こうなることは確実だった。
「や、やだ……!やめっ……!」
原始人A「ん?目が覚めたのか?」
「あっ、あぁっ……!嫌……っ!」
原始人B「どうせならそのまま眠ってくれてた方が良かったんだがな」
原始人A「関係無い。このまま犯すだけだ」
「やめてっ……!お願いだからぁ……!」
彼女の肉体を堪能する原始人。当然、そこに愛情等は無く、あるのは醜い欲望だけ。
彼女が必死にやめてほしいと訴えたところで、猿と化した彼らの耳に届くはずがない。
原始人A「んくっ……!」
「うぅっ……どうして……どうしてぇ……!」ポロポロ
原始人C「よし、交代だ!」
無論、今の彼女はどれだけ性行為をしたとしても……本人が望まない限り、妊娠することはない。
だが、それを忘れてしまっていた彼女は……目の前が真っ暗になった。汚らわしい男達の欲を何度もぶつけられ、そのたびに――
原始人D「お前は女なんだ……!俺達の子孫を産んで、増やしてもらわなきゃな……!」
「ぐすっ……うぅっ……!」ポロポロ
663 :
◆0I2Ir6M9cc
[!red_res saga]:2019/11/29(金) 23:00:40.53 ID:HEE8sNIQ0
――――――計り知れない絶望が、彼女の精神を蝕んでいき……同時に、彼女の目から涙が溢れ出していった。
664 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 23:06:33.89 ID:HEE8sNIQ0
原始人B「あースッキリした!明日もこいつでヤろうぜ!」
原始人A「だけど生かしておくとなると、その分の食料も必要だぞ?」
原始人C「こいつに取らせればいいだろ。誰が奴隷の為の飯なんざ調達するかよ」
原始人D「それもそうだな!」
スタスタ…
「………」ピクピク…
(……どう、して……私が、こんな目に……)
彼女の目には光が宿っていなかった。その瞳の奥は、ドス黒い闇で澱んでいた。
だが、彼女の絶望はこの程度では終わらない。心無い男達に犯された翌日、彼女は無謀な狩りへと連れ出されていた。
原始人「ほら!とっとと歩け!」ガッ!
「うっ……」
原始人「ここで適当に狩りをして、自分の飯くらい何とかしろ!」
「………」
原始人「何だ?逆らうのか?それとも逃げようと企んでるのか?」
「………」
原始人「この辺りは俺達の狩り場なんだ。変な気を起こそうとしたら、すぐに仲間を呼んでお前を犯すからな」
「……どうせ私が言う通りにしても、後で……昨日のようにする気でしょう?」
原始人「当たり前だ。お前の体、最高に気持ち良かったからな!」
「………」ジワッ
(酷い……私、何も悪いこと……していないのに……)
助けを求めようとしても、周りには敵しかいない。自分1人で立ち向かおうにも、あんな大人数の男に敵うはずが無い。
彼女は彼らの言う通りにせざるを得なかった。そこから先は、彼女の地獄のような日々が続いてゆく。
665 :
◆0I2Ir6M9cc
[saga]:2019/11/29(金) 23:17:59.02 ID:HEE8sNIQ0
「ガルルルッ!ガアアアアアアッ!」
「かはっ……!うぐっ……!」
ある時は、無謀な狩りのせいで猛獣に襲われ、その身を噛み千切られる。
それで絶命することが出来れば、どれほど楽だったことだろう。
だが、どれほどの傷も瞬く間に全快する彼女にとっては、延々と苦痛が続いてしまう。
原始人「1つも取れなかっただと!?まさか俺達の飯をあてにしてるんじゃないだろうな!?」
「そんな、つもりじゃ……」
原始人「うるせえ!だったら今日は飯抜きで俺達に犯されてもらうからな!」グイッ
「うぐっ……!」
(目の前の人達は、何かを口にして……私は、それさえ与えられず……ただ、体を汚されて……)
ある時は、ロクに食料を得ることすらままならないまま、飲まず食わずで強姦される。
それだけではない。彼らは彼女を人として扱わず、性奴隷としか見ていなかった。
彼女に人権等存在しない。ただ強姦されるだけでなく、彼らの機嫌次第では……
原始人達「糞ッ!お前のせいで俺達まで飯抜きじゃねえか!!」バキッ!
「あうっ……!?」バタッ
原始人達「せめてお前が食い物を取っていれば、それでしのげたかもしれないのに……っ!」グイッ
「く、苦し……っ!私のせいに、しないで……っ!」
原始人達「俺達に口答えするなッ!!」バキッ!
「かはっ……!?」バタッ
ストレスの捌け口として、サンドバッグのように暴行を加えられることも多かった。
どれだけ「やめて」「嫌だ」と叫んでも、彼らの心に……彼女の心情が届くことは無い。
否、むしろ……彼らの醜い欲望ばかりが……"穢れを知らなかった"彼女に注がれてゆく。
「……っ」プルプル
(最低な、人達だ……いつも、私に……酷いことばかり、して……今だって、私のことを……汚すことしか、考えていない……)
(それだけじゃない……イライラしたり、何か気に入らないことがあれば……私を、殴って……蹴りつけて……っ!)
666 :
◆0I2Ir6M9cc
[!red_res saga]:2019/11/29(金) 23:21:29.53 ID:HEE8sNIQ0
――――――そんな日々を過ごす内に、彼女の心には……人の"悪意"ばかりが植え付けられていき、彼女自身も……歪んでいった。
667 :
◆0I2Ir6M9cc
[!red_res saga]:2019/11/29(金) 23:27:09.28 ID:HEE8sNIQ0
あれから何年経過したことだろう。彼女は強姦され、猛獣に身体を食い千切られ、暴行される日々が当たり前となっていた。
最初は事あるごとに絶望していたが、いつしか……彼女は常に濁った目で、何もかもを諦めていた。
途中、彼らが狩り場を移動したり、住処に集う原始人が入れ替わったりもしたが……不幸なことに、彼女を労わる者は誰1人いなかった。
「………」
原始人A「はぁっ、はぁっ……こいつ、最近何も喋らないな」
原始人B「下手に反抗されるよりはマシじゃないか?」
原始人A「それもそうだな。この体をずっと使えると思うと興奮するぜ!」
「………」
だが、彼女は気がついていなかった。全てに希望を見失っていた彼女であったが……
「………」ギロッ
原始人A「……ん?」
原始人B「どうした?」
原始人A「いや、こいつ、こんな真っ赤な目してたっけか?」
彼女には……"その存在"には、彼らや猛獣達の欲望と憎悪……"悪意"が注ぎ込まれ続けていたことに。
それだけでは無い。彼女は、己を支配する"絶望"と、その身に植え付けられた悪意に侵食され……
「……す」
原始人AB「は?」
「……す……す……」
原始人A「な、何だよ?」
原始人B「全然聞こえねえぞ?言いたいことがあるならはっきり言えよ」
彼女の心は……既に限界を超えていたことに。そして、悪意と絶望が入り交じり、今にも破裂寸前だった彼女の"感情"が……
668 :
◆0I2Ir6M9cc
[!red_res saga]:2019/11/29(金) 23:29:46.78 ID:HEE8sNIQ0
「お前達、全員……皆殺しにしてやる……ッ!!」
原始人AB「ッ!?」
――――――今まさに、大爆発を起こしてしまったことに。
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