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高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「9月5日のその後に」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/09/05(木) 18:38:07.64 ID:w/xsIxLY0
――おしゃれなカフェ――
抹茶ラテをかき混ぜる音が規則的に聞こえる、午後6時過ぎ。
かすかな夕暮れの色を残し、浅い夜が広がる外の様子を、加蓮ちゃんは何かを探しているような目で見ていました。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1567676287
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/09/05(木) 18:38:42.40 ID:w/xsIxLY0
レンアイカフェテラスシリーズ特別編です。
<過去作一覧>
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」
〜中略〜
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「夏休みのカフェで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「残暑模様のカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「雨上がりのカフェで」(+高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「また毎日が始まる日のカフェで」)
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「曇天のカフェテラスで」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/09/05(木) 18:39:11.96 ID:w/xsIxLY0
かち、かち、と時計の音が聞こえます。
緩やかな時間を教えてくれるカフェの音も、今日だけは、今日という日が終わるまでのカウントダウンをしているように聞こえてしまいます。
「……加蓮ちゃん」
「……、」
私が名前を呼ぶと、頬杖をつく加蓮ちゃんは左目だけをちらりとこちらへ遣って、だけど何も返してはくれません。
ここに来てから30分ほど。
ずうっと外を見続けている加蓮ちゃんと、抹茶ラテをかき混ぜている私。
……今日をもって、また同じ年になったとは思えないほど大人びた横顔を眺めているだけの時間は、嫌いではありません。できることなら、カフェが閉まっちゃう時間までずっと見ていたいくらい。
だけど……お話しなくてもいい時間は、そろそろ終わりにしなきゃ。
本当に何かに悩んでいる時、加蓮ちゃんは何も話さなくなって、本当に何か辛いことがあった時、加蓮ちゃんは目も合わせなくなってしまいますから。
……加蓮ちゃんだって、話したがっているハズだから。
「……みんな、おめでとう、って言ってくれましたよね」
「……そだね」
「途中から、大はしゃぎで、いつものパーティーみたいになっちゃいましたけれど。でも加蓮ちゃん、いっぱいプレゼントをもらいましたよね」
「……ん」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/09/05(木) 18:39:42.75 ID:w/xsIxLY0
加蓮ちゃんが、主役の日――9月5日。
今日は、朝から事務所で誕生日パーティーをやって、同じ事務所のみなさんがいっぱい集まってくれて……。
クラッカーを鳴らしたり、加蓮ちゃんにお祝いの言葉を言ったり、色とりどりにラッピングされた大小さまざまな箱を渡してあげたり。
少ししてからは、ただのパーティーになってしまって。大人のみなさんは、お昼なのにお酒を飲んでしまっていたりしました。酔い潰れてしまっている人もいましたっけ……。
「ちょっと抜け出したら、いつ気付かれると思う?」なんて、加蓮ちゃんがイタズラっぽく言ったのは、確か3時になるちょっと前。
それから――時間が経つにつれて、加蓮ちゃんの口数が、だんだんと減っていきました。
みなさんも、加蓮ちゃんと同じくらいに活躍するアイドルだから、1日ずっと事務所にいる訳にもいきませんでした。
パーティーのはじまりの時には多くの人が集まってくれましたが、それから時間が経つにつれ、ちょっとずつお仕事やレッスンで抜けていって。
午後5時を過ぎた辺りで、食べ物や飲み物もほとんどなくなってしまったこともあって、お開きに。
後片付けをしていると、加蓮ちゃんが私の服の袖を摘んで、囁くように言ったんです。
この後、少しいい? って。
モバP(以下「P」)さんもいいって言ってくれたから、残りの片付けはお任せしてしまって、私と加蓮ちゃんは一緒に事務所を出ました。
それから、特にお話することもなく、なんとなく歩いて、歩き続けて。
お互いに示し合わせることもなく、ここに到着していました。
席に着いてからも、何かを話すことはなく、2人分の抹茶ラテだけを注文して、そして――今の時間に、繋がります。
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/09/05(木) 18:40:12.51 ID:w/xsIxLY0
「加蓮ちゃん」
「何?」
「加蓮ちゃん、途中から不思議そうな顔をしていましたよね……」
「……やっぱり気付いてた?」
「なんとなく。たぶん……他には気づいていた人、そんなにはいないと思いますよ?」
「そっか」
抹茶ラテを啜ります。
ひと口。もうひと口。
口の中に、渋さと苦味が広がります。甘さを求めて、舌が歯をなぞります。
内唇に付いた小さな泡を舐め取って、未使用のおしぼりで口元を拭いてから、半身分だけ左に擦りました。
「……」
「……、」
正解を探す会話なんて、あんまり好きじゃありません。でも今は、糸をたぐるようにして、言葉を探していきます。
加蓮ちゃんが言ってほしいこと。お話してほしい話題。
曖昧な答えを見つけたその時、加蓮ちゃんの方から口を開きました。
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