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【ダンロン】ダンガンロンパ・クエスト【オリキャラ】後編
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359 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/12/19(木) 22:51:04.44 ID:/4KRl62A0
類くんとの日々は幸せな時間だった。
だけどわたしはよく知ってる。
幸せな時間の終わりはいつも突然だって。
怜那「る、類くん」
鞍馬「はぁ、はぁ……」
【人類史上最大最悪の絶望的事件】。
後にそう呼ばれるこの事件が、わたし達の日常を……跡形もなく消し去った。
鞍馬「っ、なんで……!」
怜那「……」
この事件は文字通り人類史上最大最悪で……
鞍馬「僕は、こんな……」
同時に、類くんにとっても絶望的な出来事だった。
類くんは天才、いわゆる神童って呼ばれる人で。
でもその力は……この狂った世界ではなんの意味もなかった。
鞍馬「……」
怜那「……」
そして、わたしは……この状況を生き延びるためなのかな……
まるで昔見た映画のスパイみたいに立ち回れた。
360 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/12/19(木) 22:52:12.20 ID:/4KRl62A0
鞍馬「……」フラッ
怜那「類くん、どこに行くの?」
鞍馬「……どこに行けば、いいんだろう」
怜那「……」
鞍馬「僕は、何も知らない。外に出る必要なんてほとんどなかった」
鞍馬「だけど世界がこうなって……僕は、ただの大海を知らない蛙でしかないとわかって」
鞍馬「怜那……僕は、どうしたらいいんだろうね」
怜那「……わからない、よ。わたしだって、似たようなものだから」
鞍馬「……」
怜那「でも、それなら探せばいいんだよ!」
鞍馬「探、す?」
怜那「どこに行くか、何をすればいいのか……いくらでも探せるよ」
怜那「わたし達は、生きてるんだから!」
鞍馬「……!」
怜那「そうだ、これあげる!」
鞍馬「これは、バッジ?」
怜那「わたしの大切な物なの。わたしはたくさん心の支えにしてきたから……類くんにも、効果があるといいんだけど」
鞍馬「……ありがとう、怜那」
361 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/12/19(木) 23:01:40.53 ID:/4KRl62A0
それからわたし達は、2人である組織に保護された。
未来機関。
この絶望的な世界で戦う組織……わたしは工作員の才能があるらしくて、訓練を受ける事になって。
怜那「はぁ……疲れたよ」
鞍馬「怜那」
怜那「類くん!お仕事終わったの?」
鞍馬「一応任された分は……才能がない僕が頼まれる仕事なんて微々たるものだけど」
類くんは、才能がないって言われたらしい。
正直、あの類くんに才能がないなんて未だに信じられない気持ちでいっぱいだけど……
怜那「そんな事言わないでよ。わたしは類くんがいるから頑張れるのに」
鞍馬「……ごめん」
そのせいなのか、類くんはわたしと話す時ぎこちなくなる事が増えてる。
こんな風に気まずくなりたくなんてないのに……
鞍馬「……」
怜那「……」
鞍馬「じゃあ、僕は行くから」
怜那「……うん」
こんなはずじゃ、なかったのにな……
362 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/12/20(金) 06:45:55.65 ID:PTW+dPwA0
怜那「……類くん!」
その日、訓練を兼ねた任務から帰ってきたわたしは類くんの部屋に飛び込んだ。
類くんが、未来機関の開発した新薬の実験台になったって聞かされたから。
しかもそれが薬剤師の忌村支部長が作った物ならともかく、別のルートで作られた物だって言うから……余計に胸騒ぎがした。
鞍馬「……」
部屋にいた類くんがわたしに向ける視線は、すごく空虚なもので。
なんで、そんな目でわたしを見るの……?
怜那「じ、実験台になったって本当に?なんで、そんな」
鞍馬「そんなの決まっているでしょう」
怜那「…………えっ」
だ、れ……?
鞍馬「僕は希望を求めている。そのために実験台に志願したんです」
あなたは、誰?
鞍馬「それと僕は第1支部に転属になります。二度とあなたと会う事はないでしょう」
鞍馬「さようなら【如月さん】」
怜那「……ぁ」
後からその薬は脳の活性化の代わりに人格に影響を与える物だからと、忌村支部長が作るのを許さなかった失敗作な事。
人格を戻す方法は、ない事を知った。
なんで類くんがそんな薬を飲んだのかもわからないまま。
類くんは、わたしの前から姿を消した。
363 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/12/20(金) 09:40:46.00 ID:PTW+dPwA0
六山「……」
類くんがわたしの前からいなくなって1年……任務のために新しい支部の初期メンバーに選ばれたわたしは支部に向かう船に乗っていた。
【絶望の残党】……それが新しい支部の初期メンバーの中にいるって情報。
牽制も兼ねたこの六山百夏って名前に反応する人はいなかったけど……まだ油断は出来ないね。
六山「……」チラッ
だけど驚いたのは……
如月「……」
鞍馬「……」
お兄ちゃんと類くん。
わたしにとって忘れられない2人がここにいた事。
もちろん任務の前に調べたからいるのは知ってたけど……
如月「どうしました六山さん?僕の顔に何かついてるでしょうか」
六山「ううん、なんでもないよ」
お兄ちゃんは結局あの話し方のままなんだ。
グレゴリーくんもそうだけどなんだか芝居がかってるというか……そういえば。
グレゴリーくんは二人一役らしいけどもう1人はどこにいるのかな……
そんな疑問が頭に浮かぶのと同時に……
「うぷぷぷぷ……呑気だねオマエラ」
悪夢はまた唐突に、始まった。
364 :
◆DXWxLR/SkYo1
[saga]:2019/12/20(金) 09:57:44.79 ID:PTW+dPwA0
【六山のコテージ】
六山「……」カチカチカチカチ
っ、だめだ……通信出来ない。
この島、大規模なジャミングがかかってる……突破するには時間がかかりそう。
六山「ゲーム好きって事にしておいてよかった」
これなら堂々とジャミングの攻略に取りかかれるからね……
六山「だけどコロシアイなんて……まさかこんな大胆に動くなんて」
とにかく調査して、わたし達の中にいるなら確保……もしいなくても、未来機関に通信できればわたしの勝ち。
六山「頑張ろう」
※※※※
六山「はぁ、はぁ……」
ジェニー「モ、モモカ!?」
六山「……ボス撃破、だね」カチカチ
静音さんが見せしめにモノクマに殺されそうになって。
わたしは思わずパイプでモノクマを壊してた。
もちろんそれをしてただですむわけがない。
わたしを処刑するって言い出したモノクマは戦車を持ち出した。
モノクマは無傷で戦車を無力化出来たら助けるなんて遊ばれて。
六山「あ、あああ……!」
思わず目をつむる。
迫る死に、なすすべもないわたしを救ったのは……
如月「なるほど、ならばその条件を達成させていただきましょうか」
お兄ちゃん、だった。
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