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【安価】男「異世界転生しちゃった」
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336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/08/31(土) 13:50:30.38 ID:cQqGR5EEO
「……お、ならこれはどうだ?」
俺は近くの森から固めの木の葉を広い、先から軽めに巻いていく。
「それは何だい?男さん」
「巻き笛って言ってな──」
筒状になった片方を潰し、口に咥える。息を吐くと、低くて大きな音が鳴る。
「おお、凄いね!葉でそんな事が出来るんだ!」
「…そんなものをどうするんだ?」
「セイレーンの歌と演奏に同調しよう作戦」
「え?」
「なに…?」
「一緒に歌って踊って演奏して、セイレーンの気を引いてやろうぜ!」
「それ良いね!」
「何をまた………アレス!?」
「だろ〜?」
「レオーネも良いと思わない?」
「思わない。やらないからな」
「巻き笛くらい吹いてくれよ〜」
そう言うとレオーネは黙って自分の顔を指す。
「仮面の下は見せられない的な?」
「いや、レオーネの──むぐっ!?」
アレスの口をレオーネは無理矢理閉じる。
「見せられないんじゃない、見せたくないだけだ」
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/01(日) 04:23:19.83 ID:tL+iWivA0
「じゃあ後ろ向いてて良いから協力してくれよ」
レオーネはアレスの口から手を離し、少し考える素振りをする。
「…僕からも頼むよ、レオーネ」
「…………はぁ…絶対に見るなよ」
仮面の下は、醜いのか傷だらけか。男か女かハッキリしないしイケメンか美人の可能性もある。いつか見てみたいな。
「OK。じゃあ頼む。アレスは踊れるか?」
「クレアと良く踊っていたよ。一人では踊った事はないけど、やってみる」
「よし。じゃあ俺は歌ってみる、DAMで90点以上取ったことあるし!」
「ダム…?」
「河川や渓流を堰き止める巨大な建造物の事だろう。点数の意味は分からないが」
「ごめん、気にしないで…」
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/01(日) 14:55:46.24 ID:c8TdHkXWO
役割を決めたら俺は発声練習を、アレスは軽くステップを踏み、レオーネは背を向けて巻き笛を鳴らす。
準備が整ってきたのでセイレーンの歌や音を無視して、アレスは踊り、レオーネは適当に鳴らし、俺はセイレーンの声に負けない声量でアニソンを歌う。
『…………』
数分やっていると、セイレーンの動きが止まった。俺達を見るその表情は不思議そうで、気を引くのには成功したようだ。
作戦は功を奏し、セイレーンが降りてくる。
ものの数歩で剣の間合いに入る距離、地面からほんの少し浮いた状態で俺達と一緒にセイレーンは歌い、奏で始めた。
俺はアレスに目線を送り、アレスも頷く。
「ラスティア流……」
アレスは踊り流れから背に差した大剣に手を伸ばし、抜剣の構えに移行する。レオーネも仮面を付けて既に巻き笛は捨てていた。
「…紫電一閃」
雷が落ちる音と共に紫色の電光がセイレーンを突き抜ける。その背後には大剣を振り抜いたアレスが居た。
「すっげ…」
『〜〜〜…』
切り裂かれた筈のセイレーンは何かを呟き、悲しそうな顔をする。
「効いてない…のか?」
「アレスならばと思ったが…やはり魔獣を一振で倒すのは難しいか」
レオーネは俺の前に出て、構える。
『〜〜…〜〜〜』
「…!マズい!何か来るよ!」
アレスはセイレーンから飛び退き、俺とレオーネは様子を窺って息を呑む。
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/09/01(日) 15:12:50.44 ID:c8TdHkXWO
セイレーンはハープを今までの心地の良い音色とは違い、身体の芯を刺激する様な音色を奏で始める。
「っ!!?」
頭を鈍器で殴られた様な痛みが走る。立っていることも出来ず、俺達は字面に膝をつく。
「頭が割れそうだ…!何だこれ…!」
「ぐっ…!これが…奴の特性か!」
頭痛は収まらず、継続する。このままでは気が気で無くなり、狂ってしまう。すぐそこに居るセイレーンがとても遠くに感じられ、焦りが生まれる。
「気を付けて皆…!───ぐあっ!!」
すぐ近くに居たアレスはセイレーンに蹴飛ばされて遠くへと吹き飛んで行った。
「アレス!……ぐぅっ!!……くそっ!動けね…!」
身体を動かそうとすると、ただでさえ激痛なのに更に上回る激痛で動きが止まってしまう。この中動いたら意識が切れるのは間違いない、気絶するという事は死を意味する。
『〜〜…』
「何言ってっか…!わかんねぇって……!!」
ついには地面に這いつくばってしまう。その時見えたセイレーンの、アレスに斬られた傷は既に癒えていた。
「うそ…だろ…!?」
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/09/01(日) 15:46:46.52 ID:c8TdHkXWO
「くっ!!……ここまでだと…言うのか!」
「馬鹿言うな!…まだ!……まだ…何か…!」
「身動きが…取れなくては…!どうしようもない……だろう!」
「そうだと…しても!!」
俺は這いつくばったままレヴァンテインの力を解放する。意味が無いと分かっていても、何もしないよりは良いからだ。
「訳も分からずこの世界に来て…!」
身体が軽くなっていく。
「その答えも知らないまま……さぁ!」
全身を震わせながら、次第に身体を起こす。
「男…!?」
『…………!』
「まだ、死ねねぇんだよ!!」
俺は、立ち上がった。右手にはリネル村で見た、漆黒の篭手が装着されている。
「男……やはり君は……伝説の…!」
「はぁ…はぁ……!」
『〜〜!』
セイレーンはハープを更に強く弾くが、俺には効かなかった。
「効かねぇよ…!」
俺は地を蹴り、飛び付くようにセイレーンのハープを掴む。
「まずは…こいつから!」
『〜〜〜!!』
セイレーンは振りほどこうと抵抗するが、俺は篭手に力を込めるとハーフは粉々に砕け散る。
『〜〜!?』
「…まだ終わりじゃねぇぞ!」
俺は力いっぱい手を握ってセイレーンの横っ面を殴り、湖の中央までセイレーンを吹き飛ばす。
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/09/01(日) 15:58:41.60 ID:c8TdHkXWO
「はぁ…はぁ…!」
水面に浮かぶセイレーンは微動だにせず、脱力している様子だ。
「やった…のか?男。それにその腕の篭手は…」
ハープの音が消えたことによってレオーネは立ち上がれる様になっていた。顔を抑えて所を見ると、まだ頭痛がするのだろう。
「レオーネ……言っちゃ駄目な事言ったね」
「…は?」
激しく水面を叩く音がした。セイレーンは生きていて、空へと逃げるように飛び去っていく。
「ほらね」
「いや…意味が…」
「男さん!レオーネ!」
吹き飛ばされたアレスも立ち上がって、こちらへと駆け寄ってくる。
「大丈夫か?蹴られただろ」
「これが無かったら…危なかったかもね」
アレスはボロボロになった鎧を叩く。たったの一撃で鎧がこんなにも大破するのか、直で受けたら……想像したくもない。
「奴の武器は潰したが…どうする。もう降ろすのは無理だ」
「俺に任せて」
「男さん…?」
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/01(日) 16:16:54.00 ID:c8TdHkXWO
セイレーンは武器を破壊され、怯え、震え,恐怖に呑まれた事だろう。ならばこそ、俺のもうひとつの必殺技が光るのだ。
俺は飛び上がるセイレーンを見据えて、手を向ける。
「何を…?」
「…じゃあな、セイレーン」
ぐっ、と手を握ると、セイレーンの身体は闇に呑まれてしまう。
「なっ!?」
「今…何をした…?」
「俺の…必殺技、的な」
闇が消え去り、セイレーンは湖へと落下する。覆われていた領域も消え去り、絶命したのを確信した。
「……ふぅ…勝った……な」
安心から、ドッと疲れが押し寄せてくる。俺は膝から地面に倒れ込んでしまった。
「男さん!?」
「男!!」
アレスとレオーネが俺の名を呼ぶが、返事は出来そうにない。視界が閉じていき、次第に何も聞こえなくなった。
〜
「……んん……あれ…寝てたのか……俺」
セイレーンに勝利した後、すっかり寝てしまっていたみたいだ。
「んん?…ここは……何処だ?」
いつの間にか、俺は知らない部屋のベットで寝ている。メルヴィス湖からここに来るまで寝てたって事か。
内装を見て思ったのは豪華絢爛という言葉が似合う室内に、俺は何となく思い当たる節があった。
「……クレアの…家?」
確証は無かったが、王族王家の部屋はこんななのだろうという何となくイメージがあったので、もしかしたらと思ったのだ。
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 15:00:02.49 ID:AgdoFnGlO
「……ん?」
どこからか話し声がする。次第に声は大きくなり、声の主はドアを空けてきた。
「だから、別にそんなんじゃないって言ってるでしょ!」
「分かったよ。クレア怒ってる?」
「怒ってない!」
部屋に入ってきたのはアレスとクレアだった。
「あ、男さん!目が覚めたんだね!」
「お、おう…なんとかな」
「ようやくおきたのね、丸一日寝てたわよ」
「マジで?そんなに?」
「急に倒れて目を覚まさないから心配したよ。身体は大丈夫?」
「ああ、特に問題は無さそうだ」
俺は肩を回して見せ、それを見たアレスは安堵の息を漏らす。
「あれからどうなったんだ?戦争とか」
「勝ったよ。男さんが倒れた後すぐレオーネが手当てしてやれって言ってくれてね、決着はどうするのか聞いたら自分の負けでいいって」
「へぇ〜…レオーネがそう言ったんだ。まぁでも…勝ったのか……魔獣も相手して…生きてるのが不思議だな」
「…大活躍だったみたいね、私からもお礼を言うわ。ありがとう、男」
「何かクレアに言われるとくすぐったいな」
「あはは!わかるわかる!」
「ちょっと!どういう意味よそれ!」
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 15:19:33.65 ID:AgdoFnGlO
「ごめんごめん。クレア、少し外してもらえるかな?男さんと2人で話したい事があるんだ」
「私には聞かせられない話なの?」
「そうだね、内緒のお話」
「……ふん。好きにしなさい、私は外で待ってるわ」
クレアは踵を返し、部屋を退出する。二人きりになると、アレスは椅子を俺の居るベットまで持ってきて座った。
「で、話ってなんだ?」
「まず話しておく事があるんだ、良いかな?」
「ああ、良いけど…」
「ありがとう。実はね、ある御伽噺の事なんだけど」
「御伽噺…?」
「これは誰もが知ってる物語なんだけど、全部話すと長いから要約しちゃうね」
「あ、ああ…」
「カンタンに言うと、災厄が蔓延る世界に、異質なる者が世界を救うって話なんだ」
「……へぇ」
「その物語の主人公、異質なる者にはある特徴があったんだ」
「……異世界から来たとかか?」
読めてきた。今俺にこんな話をするって事は間違いない。
「…正解。でも、もうひとつある」
「もうひとつ…」
「……大精霊の力を借りて初めて可能となる御業。上位展開術式、神衣」
「……!」
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/09/02(月) 15:30:45.85 ID:AgdoFnGlO
「男さんの装備していたあの篭手……この世のあらゆる物質から出来た物じゃない……あれは…あの悍ましい程強大な霊力は……あの時の……」
「……」
「改めて聞くよ。男さんは何者?……そしてあの篭手は、もしかして神衣なのかな?」
「いや…あれは不完全だ。まだ俺には神衣は出来ない」
「…!やっぱり…男さんは……」
「悪い、俺の知ってる事を話すよ」
アレスは手を突き出して、俺の話を制止させる。
「いや、話さなくて良いよ。聞きたい事が聞けた、僕はそれで十分。男さんが異質なる者だとしても、男さんは男さんだからね」
「でも…」
「ひとつやふたつ、秘密がある方が魅力的だよ?」
「お前……ははは、そう言われちゃあ仕方ないな…」
「うん。それで、男さんはこれからどうするんだい?」
「……そうだな…」
今後の目的、方針
安価下
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 15:37:00.42 ID:MeTDsCSy0
世界中を巡る
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 16:27:02.79 ID:AgdoFnGlO
「まずは…世界を巡るよ。俺には知らないよね事が多すぎるからな」
「…そっか。うん、良いね。僕も男さんの旅路の無事を祈るよ」
「大袈裟だよ、ただの旅行みたいなもんだって──おんっ!?」
突然アレスが俺の手を握るので、変な声が出てしまった。
「せっかく男さんと出会えたけど、寂しくなるね。助けが居るならいつでもメリルに来てね、協力するよ」
この爽やかイケメンが…こうやってクレアも落としたのか?不覚にもドキッとしてしまった。
「あ、ありがとう……」
アレスは嬉しそうに微笑むと手を離す。
「あ、外に男さんの馬を用意してあるからね。支度ができたらいつでもどうぞ」
「そうか。色々とすまないな」
「これくらいお安い御用だよ。それじゃ、またいつか……何処かで」
「俺もお前達には世話になった。またいつか会おうぜ」
「うん。楽しみにしてるよ」
〜
身体に異常無し、着替えを済ませて荷物を確認し、旅立つ準備をする。使用人から話を聞くと、ここはメリル町の近くにあるクレアの別荘らしい。
クレアの計らいで食事をさせてもらい、俺は外に停めてある馬の手綱を外す。
「良い天気だなぁ…」
馬を引きながら、空を見上げる。
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/09/02(月) 16:37:04.32 ID:AgdoFnGlO
「冒険にはもってこいの日だな」
俺は馬に跨り、果てしない旅へと向かう。
ここまで本当に色々あった。
死にかけた俺は、何故転生したのか
意味は、きっとある
でもそれは、俺自身でしか見つけられない
なら、探すしかないよな
この広大な世界を回り
その答えを、見つけるんだ。
…………………………
……………………
………………
…………
……
…
「君は何者なんだ?」
「俺は異世界から転生した者だ」
完
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/09/02(月) 16:40:08.97 ID:AgdoFnGlO
投げっぱなしで申し訳ない
ここまで読んでくれた肩、ありがとうございました
しばらくは二次創作の安価かSSをやりたいと思います
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 16:55:07.16 ID:PzDzX3us0
乙
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 17:40:36.33 ID:fRuvRfgwO
乙です。次回作楽しみに待ってます。
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 20:40:30.53 ID:FoQdilsBo
おつおつ
楽しかった
まちのむ
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/02(月) 21:39:08.97 ID:MeTDsCSy0
おつ
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/09/03(火) 18:26:34.55 ID:R6WenyLDO
おつ
セイレーンがちょっと可哀想だった
闇に飲まれた先があの城だったとか
いつか続きが読んでみたい
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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