北条加蓮「藍子と」高森藍子「膝の上で ろっかいめ」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:54:38.09 ID:fd6VRZN/0
――おしゃれなカフェ――

北条加蓮「…………」ムズムズ
(藍子の膝の上に頭を乗せている)

高森藍子「その時に、公園にいた子どもがみんなで――……加蓮ちゃん? どうしたんですか?」
(膝の上に加蓮の頭を乗せている)

加蓮「いや、えーっとさ……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1564394077
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:55:08.33 ID:fd6VRZN/0
レンアイカフェテラスシリーズ第80話です。

<過去作一覧>
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「カフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「膝の上で」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「最初にカフェで会った時のこと」

〜中略〜

・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「朝涼みのカフェテラスで」
・高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「七夕のカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「ひまわり畑のカフェで」
・北条加蓮「藍子と」高森藍子「7月24日の23時にて」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:55:42.98 ID:fd6VRZN/0
加蓮「汗。……私、臭くない?」

藍子「気になりませんよ?」

加蓮「ならいいけど……。外がバカみたいに暑いし、藍子は私を見るなりいきなり膝に手ぽんぽんって吸い込んでくるし」

藍子「あの時の加蓮ちゃん、ふらふら〜ってこっちに寄って来て、途中で、はっ、って気付いていましたよね」

加蓮「わざわざ解説すんなっ」

藍子「えへっ♪」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:56:13.10 ID:fd6VRZN/0
加蓮「……なんか今日の藍子、楽しそうだよね。色々強引っていうか。理由もなく膝に頭乗っけさせられちゃうしさー」

藍子「ちゃんと理由はありますよ〜?」

加蓮「ふうん」

藍子「加蓮ちゃんが、やってほしそうな顔だった、っていう理由がありますっ」

加蓮「……………………」

藍子「……………………加蓮ちゃん。あの、見るならせめて、睨んでください……。週末の粗大ごみを見るような目はやめてください……」

加蓮「…………まぁいいけど」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:56:44.09 ID:fd6VRZN/0
加蓮「こっちは汗が気になってるのにさ、藍子ってば離してくれないしー?」

加蓮「ふふっ。強引なのは嫌いじゃないけど、時と場所を考えてほしいなー?」

藍子「……加蓮ちゃん、強引なのが嫌いじゃないんですね?」

加蓮「えっ」

藍子「♪」ニコニコ

加蓮「……それは、いや、違うから。ほらあるでしょ。勢いっていうか」

藍子「ふんふん」

加蓮「例えばスタッフさんとかにさ。高森さんっていい子ですよねーって言われたらとりあえず否定しとこみたいなの。あるでしょ?」

藍子「?」

加蓮「あれっ」

藍子「もし、スタッフさんが加蓮ちゃんのことを褒めていたら、私も一緒に褒めますよ?」

加蓮「あー……。アンタってそういう子だっけ」

藍子「ついお話が盛り上がって、そうしたら私、加蓮ちゃんのいいところ、いっぱい教えちゃうんですっ」

加蓮「ハァ……」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:57:13.93 ID:fd6VRZN/0
藍子「何のお話がいいかな? あんまりプライベートすぎることはよくありませんよね。加蓮ちゃんは、アイドルですから」

加蓮「自分もアイドルだってこと忘れないようにしなさいよー」

藍子「大丈夫、忘れていませんよ。ふふ♪」

藍子「加蓮ちゃんのお話は――そう、例えば、周りのみんなに厳しいように見えて、実はすごく優しいところとか?」

加蓮「そんなことやった記憶ないんだけど」

藍子「え〜。だって、この前、なかなか上手くダンスができない歌鈴ちゃんにアドバイス――」

加蓮「おらっ」ツネリ

藍子「きゃうっ!? いきなり太ももを抓らないで〜っ」

加蓮「はーいそこまで。ちょーっと今日の藍子ちゃんは口が軽すぎないかなー? ねー?」

藍子「……加蓮ちゃんの、照れ屋さんっ」

加蓮「ほう」ツネリ

藍子「いひゃっ!? だから、痛いですってばっ。もう言いません、言いませんっ」

加蓮「私が膝の上にいる限り、藍子の命は私が握っているって言っても過言ではないのよ?」

藍子「……もうっ。加蓮ちゃんってば」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:57:43.22 ID:fd6VRZN/0
藍子「臭いは気になりませんけれど、外、すごく暑かったですよね」

加蓮「ね」

藍子「私の方こそ、臭い、大丈夫ですか? 臭かったら正直に言ってくださいね……?」

加蓮「気にならないよ。それに藍子の方が先に来てたじゃん。クーラーで涼んでたんだから、汗も大丈夫でしょー」

藍子「それもそうですね」

加蓮「汗とか臭いどころか最初に頭乗せた時から冷たいくらいだったし。……ひょっとして結構待ってた?」

藍子「ううん、待っていませんよ」

加蓮「気遣いとかいいから」

藍子「本当ですもんっ。と、言うよりも、どれくらい待ったか覚えてません」

加蓮「覚えてない?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:58:13.22 ID:fd6VRZN/0
藍子「はい。加蓮ちゃんを待っている間なんて、あっという間ですから! 10分くらいだったかもしれませんし、1時間くらいいたかもしれませんね」

加蓮「ならいいけどさー……。いいんだけど、やっぱりなんか気になっちゃうよ」

藍子「加蓮ちゃん、やっぱり真面目です。待った、って言っても、外の暑い日差しの下で待った訳ではありませんから、大丈夫ですよ?」

加蓮「そういう問題? それは私が真面目なんじゃなくて、藍子がボケすぎてるだけだからね」

藍子「違いますっ、加蓮ちゃんが真面目すぎるんです」

加蓮「いーや藍子がボケボケすぎだね。ゆるふわナントカが頭にまで侵食しきってんじゃないの?」

藍子「加蓮ちゃんは真面目すぎるので、明日から学校の委員長とか、生徒会長になればいいと思いますよ?」

加蓮「今すぐ老人ホームとかに行っても藍子なら問題なく生活できそうだよねー?」

藍子「む〜」

加蓮「むー」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:58:42.70 ID:fd6VRZN/0
藍子「……」

加蓮「……」

藍子「……あははっ」

加蓮「たはは……。何言い合ってんだろうね、私達」

藍子「今さっき、頭のてっぺんから熱が抜けちゃいました。ひゅっ、って感じで」

加蓮「藍子、一瞬すごくぽかーんってしてたよね。もしかしてその時?」

藍子「たぶんっ。そうしたら、どうして言い争っちゃったのか分からなくなってしまいました」

加蓮「私はもう1時間くらいバトルできるけど」

藍子「はいはい、加蓮ちゃん。ここはカフェですよ〜。争わなくていい、癒やしの空間ですよ〜」ナデナデ

加蓮「ふにゃあ……じゃないっ!」

加蓮「ふ、振り払いたいのに起き上がれない……っ! この魔女め……!」

藍子「なでなで〜」

加蓮「ふにゃあ……」

藍子「えへ♪」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:59:13.45 ID:fd6VRZN/0
加蓮「…………。…………藍子。いい? 藍子。そのまま続けてみなさい。1分以内に寝てやるんだからね、私」

加蓮「そしたらアンタ独りぼっちよ。話し相手もいなくなってしばらく独りになるわよ」

加蓮「独りは寂しくて寂しくて仕方ないわよ。それでもいいの? それでも私を撫でるの?」

藍子「それは寂しいですね。じゃあ、加蓮ちゃんを撫でるのは、お喋りにちょっと疲れちゃった時、ってことで♪」

藍子「その時は私も、ちょっぴりお昼寝しちゃおうかな?」

藍子「そうしたら、また加蓮ちゃんの夢にお邪魔できるかもしれませんね」

加蓮「……………………」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 18:59:43.18 ID:fd6VRZN/0
<カランコローン

加蓮「あ、珍しい。お客さんだ」

藍子「珍しいですね〜、って、珍しいなんて言ったらこのカフェのみなさんに失礼ですっ」

加蓮「藍子も言ったじゃん」

藍子「い、今のはつい……。加蓮ちゃんに、つられちゃったから」

加蓮「あははっ。こんな暑い中お疲れ様ー」(小声)

藍子「お疲れ様です」(小声)

加蓮「うわ、なんかモワッとする」

藍子「扉が開いちゃったから、外の暑い空気が入って来たんですね……」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 19:00:13.33 ID:fd6VRZN/0
藍子「店員さんに言ったら、扇風機、貸してもらえるみたいですよ。メニューの1ページ目の下、ここのところに書いてあります。ほらっ」パラパラ

加蓮「なんかすごい真面目な字ー。限定メニューとかのフォントは丸っこいヤツなのに」

藍子「そういえば……。あれ? 加蓮ちゃん、見てください。今の限定メニューのページ。これですっ」ハイ

加蓮「南極をイメージしたシャーベットパフェ……。なんか格好いいね」

藍子「見てほしいのは、文字の方です」

加蓮「文字? あ、ホントだー。夏は格好いいモードにしたいのかな?」

藍子「もしかしたら……。夏だから、クールなイメージにしたかったのかも?」

加蓮「えー。クール=格好いいっていうのは私達だけでしょ」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 19:00:43.53 ID:fd6VRZN/0
藍子「じゃあ、加蓮ちゃんに影響されて、クールと言えば格好いい! みたいな考えになったのかもしれませんね」

加蓮「あははっ。なんだかちょっと照れちゃうなぁ。そういえば、前に私達が元になったっぽいメニューがあったりもしたよね」

藍子「あれは……見て見て、今もありますっ」

加蓮「またやってみる?」

藍子「え〜。今日は、バトルは無しですよ。今日は加蓮ちゃんを膝の上に乗せて、ゆっくりして、ときどき、加蓮ちゃんを撫でる日なんですから♪」ナデナデ

加蓮「ふにゃあ……」

加蓮「じゃ、」ブンブン

加蓮「ないって、」ブンブン

加蓮「の!」ブンブン

藍子「ひゃっ」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 19:01:13.70 ID:fd6VRZN/0
加蓮「人の1日を勝手に決めるなっ。そんなに膝に何か乗せて撫でたいなら猫でも飼いなさいよ。みくちゃんにでも相談してさー」

藍子「……」ジー

加蓮「……何?」

藍子「……♪」ナデナデ

加蓮「ふにゃ――うりゃあ!」ツネリ

藍子「いっ! 爪を立てないでくださいっ。本当に痛いですっ」

加蓮「ふしゃー……!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 19:01:43.06 ID:fd6VRZN/0
加蓮「とにかく、扇風機は大丈夫だよ。クーラー結構効いてるし、逆に寒くなっちゃいそう。今はちょっと、モワッとしたのが気になっただけだから」

藍子「は〜い」

加蓮「今日も天気予報で猛暑日って言ってたよね。何日連続だっけ……」

藍子「熱中症に気をつけましょう、って、テレビでもラジオでも毎日言っていますよね」

加蓮「そーそー。藍子は――」

藍子「対策、バッチリしてますっ」

加蓮「よろしい。そういえば35度とか36度ってさ、もう人の体温と同じくらいじゃん」

藍子「そうですね〜。私も、平均体温はそれくらいかな?」

加蓮「私もー。ってことは、36度ってそこら中に私や藍子がいるみたいなもの?」

藍子「私や加蓮ちゃんが外にいっぱい……」

加蓮「……」

藍子「……」

加蓮「……」

藍子「……」

加蓮「……今度LIVEのMCパートでこの話してみよ。絶対喜ぶよ。藍子のファンのみんな」

藍子「私は、今度のラジオの収録でお話してみようかな?」
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