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【ミリオン】亜利沙が写真を撮る理由
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1 :
伊丹
[age]:2019/07/07(日) 10:08:27.69 ID:nIJyWkE90
みなさんこんにちわ。
今回は、松田亜利沙ちゃんのSSを書きました。
時系列は、リコッタの初公演直後を想定しています。
桃子が出てきます。桃子が泣きます。
誤字脱字・キャラ崩壊・知識の誤り・設定違ってんよ!
などはご容赦ください。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1562461707
2 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:09:16.20 ID:nIJyWkE90
カタ…カタカタ…カタカタ…
部屋にキーボードを叩く音がまばらに響く。
松田亜利沙は、ブルーライトカット眼鏡を付けて
自室のパソコンモニターとにらめっこしている。
部屋にはアイドルのグッズが所狭しと並んでいる。ここは彼女の要塞だ。
亜利沙は765プロダクションという事務所に所属する16歳のアイドルだ。
それと同時に、重度のアイドルオタクでもある。
今は撮影した写真の編集と印刷という亜利沙にとっては大事な作業をしている。
パソコン近くに設置しているプリンターから甲高い機械音とともに、
写真が複数枚吐き出される。
亜利沙はさっそくまだほんのり熱を感じる写真をチェックする。
3 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:10:18.51 ID:nIJyWkE90
「ムフフぅ…!いい出来ですよ!」
眼鏡をキラリと光らせ、写真の出来に満足そうに独りつぶやく。
写真をチェックしていくと、写真に写り込んでいるある存在に気がつく。
「あれ、これも…これも。なんか……多い?」
そのことに付いて深く考える前に、どんよりとした疲労感が先に立つ。
亜利沙は写真を一度置いて眼鏡を外し目を揉む。
時計を見ると、深夜2時を指していた。
4 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:11:15.26 ID:nIJyWkE90
亜利沙は学校を終えたあと、765プロライブシアターへ足を運ぶ。
いわば亜利沙の第二の家であり、抑制された欲望が爆発する場所でもある。
一緒にライブをする人、一緒にレッスンする人、一緒に休憩する人…
全員がアイドルなのだ。
亜利沙にとっての桃源郷へむかうその足取りは軽い。
今日は亜利沙の所属するユニット、リコッタのCDリリースの宣伝のため、
夕方からラジオ番組へのゲスト出演を予定している。
「遅いよ!亜利沙さん!時間ピッタリは遅刻だよって何度も言ったよね!?」
「ご、ごめんなさい桃子ちゃんセンパイィー!」
腰に手を当てそう注意するのは11歳の少女、周防桃子。
亜利沙はリコッタの公演前の練習でもたびたび遅刻し、注意を受けていた。
桃子のほうが芸歴が長く、芸能界のルールにはシビアだ。
今日は事務所で待ち合わせて一緒に現場入りする約束をしていた。
5 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:12:09.05 ID:nIJyWkE90
「今日はお兄ちゃんが他の子の付き添いで来れないから、
リコッタの指導係の桃子がしっかり亜利沙さんを監督するんだから!
桃子と亜利沙さんで現場の大人の人に挨拶しないといけないんだから、ちゃんとしてよね!」
5つも離れている桃子に言われるも、亜利沙はどこか嬉しそうにしている。
「ムフフゥ!すいません桃子ちゃん!…でも、今日はこれを買っていたんですぅ!」
そういって大きな紙袋を取り出す。
「なに?これ…」
「リコッタの宣伝ピンナップが載ってる雑誌ですぅ!ムフフゥー!
桃子ちゃん先輩のかわいい写真もいっぱいありますよー!
まさに!永久保存版です!
亜利沙の、新しい宝物ですぅ!」
「保存って…おんなじ雑誌5冊も……」
桃子はあきれたように亜利沙を見つめる。
そんな目線も亜利沙にとってはご褒美だ。
6 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:12:52.49 ID:nIJyWkE90
そんなとき、部屋へ人が入ってくる。
「お、亜利沙と桃子やん!おつかれサーン!」
「おつかれ!ふたりとも!」
アイドル仲間の横山奈緒と福田のり子がレッスン着で挨拶をする。
ふたりともリコッタのメンバーだ。
「お疲れ様ですぅ!おふたりとも、今日もレッスン着すてきですぅ!!ダンスレッスンですか?」
亜利沙は出し抜けにパシャパシャと愛用のカメラで2人を撮りながら、聞く。
2人は慣れたもので、撮られることを気にしない。
「うん!そうなんだ!リコッタのMV撮影も近いし、クオリティー上げていきたいからね!」
そう快活に応えるのり子。
「ふたりは今日は…ラジオの収録やったな?ふたりで打ち合わせしとったん?」
「まぁ……そんなところ!」
夢中でシャッターを切る亜利沙を、ジトっとした目で見ながら答える桃子。
7 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:13:51.64 ID:nIJyWkE90
ふと亜利沙は桃子の手元のテーブルにハサミとカラフルな台帳が置かれているのを見つける。
「ところで桃子ちゃん、それって…」
「亜利沙さんならわかるでしょ?桃子のシールコレクションだよ!」
桃子は、亜利沙を待ってる間にコレクションの編集をしていたようだ。
「いつ見ても、シールをシートからバラバラに切っちゃうのはもったいなく見えちゃうなぁ」
のり子が苦笑しながら話す。
「こういうのって、シールをもらって終わりじゃなくて、
コレクションに入れるまでがセットなんだよ、のり子さん!
それに選りすぐりを選ばなきゃ、コレクションじゃないよね♪」
そういって桃子はシート台紙からシールを切り抜き、ペタリとコレクション台帳へ貼る。
へー器用なもんだねぇとのり子は感心したようにつぶやく。
8 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:14:46.12 ID:nIJyWkE90
「あ、そうや桃子!あれ、亜利沙にもあげたらどうなん?」
奈緒とのり子はニコニコ笑ってお互いケータイを取り出す。
桃子は急にしどろもどろになる。
「べ、べつに余ってたからあげただけだもん!」
「へへへー!照れんでもええやん!桃子からシールをもらったんや!」
そういって桃子からもらったであろうシールがついているケータイを、亜利沙へ見せる。
それぞれに丸っこいデフォルメされた絵柄の動物が描かれており、
のり子は、ゴリラが描かれており、絵の下には、『おとうさん』
奈緒は同じ絵柄でチーターが描かれていて、『おねえちゃん』
とそれぞれ描かれている。
動物ファミリーシールというもので、
各種役割が描かれている動物のシールがひとまとめになっている。
桃子はリコッタのメンバーを家族に見立ててシールを配っているようだ。
9 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:15:59.63 ID:nIJyWkE90
「これ、家族なのにみんな種族がバラバラなんが面白いんなー♪
春香はたしかイヌの『おかあさん』で、桃子は白いウサギの『いもうと』やっけ?」
「リコッタのみんなにあげるんだ、って桃子言ってたし、亜利沙は何がもらえるのかな?」
それを聞いた亜利沙は、あまりの嬉しさにひときわ大きい声で叫ぶように話す。
「え、えええええ!!ありさにもいただけるんですかぁ!?光栄ですぅ!
桃子ちゃんセンパイから貰えるものなら、家宝!家宝にしますぅーーー!!」
「あ、亜利沙さん声大きいから!!
もう!のり子さんも余ったからあげただけなんだから、あんまり余計なこと言わないで!」
そう言ってプイッとそっぽを向いてしまう桃子。
「はうぅ…す、すみません!桃子ちゃん ありさつい嬉しくなってしまって!
ありさを…ありさを嫌いにならないでくださぃーー!」
そう桃子へすがるように懇願する亜利沙。
10 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:16:50.38 ID:nIJyWkE90
「あ……ふ、ふんっ!今日も遅刻した亜利沙さんには、これで十分なんだから!!」
言い過ぎたかな、というバツの悪さを隠すように、
桃子は机に置いてある亜利沙の愛用のカメラへ、
向きなど確認もせずに雑にシールを貼り付ける。
「…さあ、分かったらはやく収録に行くよ!亜利沙さん!
ほら、桃子の踏み台、持ってきてよね!!」
「ま、待ってくださいぃー!桃子ちゃんセンパーーイ!」
そう言って、亜利沙を急かす桃子。
カメラへ貼られたシールは、ナマケモノの『となりのおじさん』だ。
11 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:18:13.15 ID:nIJyWkE90
「ということで、今日はゲストで765プロダクションさんの新ユニット・リコッタから、
松田亜利沙ちゃんと、周防桃子ちゃんに来てもらいました、どうぞー!!」
ラジオのパーソナリティの女性から明朗な声で紹介される。
「松田ありさですぅー!この度リコッタのCDの宣伝大使として番組にお邪魔させていただきますぅー!
短い時間ですが、よろしくお願いしますね♪ムフフゥ♪」
「桃子だよ!みんな今回のリコッタのCD、すっごく上手に歌えたから、ぜったい聴いてよね!
今日はラジオだけど、桃子頑張るからよろしくね♪」
そう自己紹介をして、
オープニングナンバーでショートサイズのHOME, SWEET FRIENDSHIPが流される。
番組は続く。
12 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:19:06.22 ID:nIJyWkE90
「では、ここでリスナーからのメッセージを紹介するおたよりコーナーです!
今日はかわいいアイドルがゲストということでたくさん頂いてますよぉ!
SNSからもじゃんじゃんメッセージお待ちしてますよぉー!
まず1通目ラジオネーム 亜蘭・墨士さんからいただきました!」
ラジオネームを聞いた亜利沙はハッした表情をする。
「『皆さんこんばんわ!いつも番組聴いてます!
今日はゲストに亜利沙さんが来るということで初めてメッセージ送ります!
私は亜利沙さんのファンで、デビュー間もない頃ファンレターを送ったことがあります。
何週間かたったころ、なんと亜利沙さんから直筆でお返事をいただきました!
今はご多忙でなかなかこういったことはできないかもしれませんが、
未だにお手紙に元気をもらえますし、我が家の家宝です!
これからも全力推しでいくので、頑張ってください!』
だそうです!いやー、いい話じゃないですかぁ亜利沙ちゃん!」
そう感極まったように亜利沙にかぶりを振るパーソナリティ。
13 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:20:36.72 ID:nIJyWkE90
「えへへ…ありさもアイドルちゃんのファンの端くれのつもりですから!
たくさんいるアイドルちゃんの中からありさを選んでくれた、
ありさのファンの方々には自分がされたら嬉しいことをしたいなって思ってます。
全員には無理かもしれませんが、お返事も書いていきたいなって思います!
これからもありさを応援してくれると嬉しいですぅ!」
そう少し照れたように話す亜利沙。
隣の桃子もへぇ…と感心している。
松田亜利沙のアイドルへの情熱はファンとしても、アイドルとしても健在だ。
「亜利沙ちゃんはファン想いなんですねー!
あ、でもお返事がもらえてないファンも落ち込まずに!
推しへのあつ〜〜い気持ちは、絶対伝わってますからね!」
そうフォローするパーソナリティへ、亜利沙はマイクが音を拾わぬよう
ウィンクで謝意を伝える。
14 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:21:41.98 ID:nIJyWkE90
「えー、では2通目のお便り ラジオネームジョン・須美須さんからいただきました!
『はじめまして!初メールです!僕は桃子ちゃんのファンです!
桃子ちゃんのことはアイドルになる前からファンで、
子役時代に出演していた映画の演技がとても印象的で、すぐファンになりました』
だそうですよー!桃子ちゃん!うれしいお便りですねー?」
桃子はそれを聴いて少しの戸惑いをみせるが、口元は緩み頬は紅潮している。
「ふ、ふーん!桃子のファンの人なら、当然の感想だよね!
女優の桃子は、演技に関してもいつも本気の全力なんだから!」
15 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:23:12.01 ID:nIJyWkE90
「お、桃子ちゃん自信満々ですねー!さて、お便りの続きがあります。
『桃子ちゃんがアイドルになって公式HPのプロフィール欄の趣味が、
""かわいいシール集め""とあって、
普段の言動は11歳とは思えないくらい大人びているのに、
年相応のとっても可愛らしい一面が知れて嬉しかったです!
いままであんまりフューチャーされなかった部分なので、
ファンとしてはどんなシールを集めているのか、気になります!
これからも応援しています!』
ですってー!桃子ちゃん、可愛いシール集めが趣味なんですねー♪
子供らしくって、可愛らしいですね♪どんなシールを集めているのかなぁ?」
微笑ましく子供に語りかえるように話すパーソナリティ。
桃子は顔を真っ赤にして顔を少し伏せてプルプル震えている。
「いや、その、シールっていってもその……、あう…」
「(も、桃子ちゃん、大丈夫ですか?)」
様子を伺っていた亜利沙がマイクが拾わない声量で尋ねる。
16 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:24:05.56 ID:nIJyWkE90
しかし追い打ちをかけるようにパーソナリティが紡ぐ。
「ほら!桃子ちゃん!SNSでも反応がたくさんきてますよ!
『桃子ちゃんシールかわいい!』
『桃子ちゃんとシール集めしたい』
『女優・周防桃子 趣味は可愛いシール集め(笑)かわええー!』
『これがギャップ萌え…うう…ももこ…』
次々ときてますよ!」
「さぁ、桃子ちゃん!どんなシールを集めているんですか!?」
桃子は恥ずかしさが限界に達したのか、すこし涙声になってささやくように、
「ど、どうぶつさんの……シール……とか…」
17 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:25:01.71 ID:nIJyWkE90
「もう桃子、シール集めるのやめる!!」
数日後、劇場に来た桃子が宣言する。
その日は偶然リコッタのメンバーが集まっており、テーブルで茶を囲んでいる。
「なんや桃子、やぶからぼうに。
せや!こないだのラジオの放送、すっごい反響やったらしいなぁ!」
「そうだね!とくに桃子のシール集めが取り上げられて、可愛いって評判みたいだね!」
「ありさのリサーチではあの放送から桃子ちゃんのブログへのアクセス数が急上昇らしいですぅ!」
奈緒、のり子、亜利沙がそう話す。
「あれから桃子へ送られてきたファンの人たちからのメール!
みんな桃子のことを子供扱いするような内容ばっかりなんだよ!?
桃子、すっごい恥ずかしかったんだから!」
あのコーナー中、桃子がまともに喋れなくなったので亜利沙の機転で
おたよりコーナーの時間を巻いてもらったのだった。
18 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:26:01.06 ID:nIJyWkE90
「えー、でも桃子ちゃんのシール、私はかわいくて好きなんだけどなぁ?
もらったシールも、ほら♪」
そうのんきに答えるのは天海春香だ。
桃子からもらったイヌのシールの貼ってあるパスケースを見せる。
その一言も桃子の神経を逆撫でる。
「そういう小さい子どもを扱うような言い方が嫌なの!
桃子は…立派な大人の女性なんだからね!
そもそもかわいいシール集めなんて……桃子のイメージに合わなかったんだよ!」
「桃子のイメージて……じゃあ好きな食べ物はなんや?」
「え? それは……ホットケーキ……かな」
「プッ!あはは!桃子ちゃん、可愛い♪ 今度作ってくるね!」
春香が吹き出すと、釣られたように奈緒ものり子も笑う。
また桃子は顔を赤くしてしまう。
19 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:26:59.73 ID:nIJyWkE90
「……っ!!もういい!
桃子、お兄ちゃんに言ってプロフィールの欄消してもらうんだから!」
そう言って勢いよく席を立つ桃子。
「ま、待ってください、桃子ちゃんセンパイぃ!」
心配した亜利沙が桃子へ声をかける。
「…亜利沙さん…。そうだ!桃子のこれ、あげる!もう、桃子にはいらないんだから!」
そういって、桃子は亜利沙へシールのコレクション台帳を亜利沙へぶっきらぼうに渡す。
「え、桃子ちゃん これって……」
「亜利沙さん、アイドルの私物欲しいんじゃない? あげるよ……それ」
口ではそう言いながら、少し名残惜しそうに見つめる。
しかし迷いを振り切るように踵を返してPのもとへ肩を揺らして部屋を出ていく桃子。
亜利沙は渡されたシール台帳を持って立ち尽くすしかなかった。
20 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:27:51.47 ID:nIJyWkE90
「なんや、桃子えらい怒ってしまったなぁ…」
「趣味のシール集めを馬鹿にされたように感じちゃったんだね…
笑っちゃって悪かったな…」
奈緒と春香が顔を見合わせて考え込む。
「あの桃子がこの後のレッスンの予定を忘れるくらいだからよっぽど恥ずかしかったんだね…。
でも、大事にしていたシールのコレクションを投げ出しちゃうなんて…」
「……」
手渡されたシール台帳をジッと眺めながら亜利沙はなにかを考えている。
「やっぱりほっとけないよ!私、桃子ちゃんのところ行ってくる!」
春香が意を決したように腰を浮かす。
「待ってください!」
亜利沙が珍しく声を荒げて席を立つーーー
21 :
伊丹
[sage]:2019/07/07(日) 10:29:11.56 ID:nIJyWkE90
「もう!なんで今日に限ってお兄ちゃんいないの!」
Pは他のアイドルの引率で夕方まで帰ってこない。
桃子は事務員の青羽美咲に出してもらったジュースをストローでブクブクしてむくれている。
そんな前で美咲はチクチクと衣装を縫っている。
ふと気になって桃子は聞いてみる。
「ねぇ、美咲さん…美咲さんの趣味ってなに?やっぱり服を作ること?」
「えー、なぁに桃子ちゃんいきなり。 ……そうだなぁ」
美咲は服を縫っている手を緩めるが、それでも手を止めずに応える。
「たしかに衣装を作ることは好きだし、やりがいもあるんだけど。
でも趣味だったら、サーフィンかな」
サーフィン…なんか大人っぽくてかっこいいなと桃子は感じる。
桃子も、サーフィンって書いたら笑われたりされないのかな?と考える。
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